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特許7399168顕微鏡画像化用の試料チャンバの作動方法、装置、及び試料チャンバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】顕微鏡画像化用の試料チャンバの作動方法、装置、及び試料チャンバ
(51)【国際特許分類】
   G02B 21/00 20060101AFI20231208BHJP
   G01N 21/01 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G02B21/00
G01N21/01 B
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021535872
(86)(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-04-11
(86)【国際出願番号】 EP2019083222
(87)【国際公開番号】W WO2020126419
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-10-12
(31)【優先権主張番号】102018222271.1
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】506151659
【氏名又は名称】カール ツァイス マイクロスコピー ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】CARL ZEISS MICROSCOPY GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】カルクブレンナー,トマス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォレスチェンスキー,ラルフ
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-146442(JP,A)
【文献】特開2015-118378(JP,A)
【文献】特表2013-545138(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 19/00-21/00
G02B 21/06-21/36
G01N 21/62-21/74
G01N 1/00-1/44
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
C12M 1/00-3/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顕微鏡画像化のための試料チャンバの作動のための方法であって、
照明ビーム経路内に試料チャンバを提供するステップであって、
前記試料チャンバは、試料を位置決めするための試料空間を取り囲み、少なくとも1つの壁を有し、
前記壁は、前記試料空間を画定し、前記試料空間から離れる向きの外面を有し、
前記照明ビーム経路は、前記壁の前記外面を介して、照明軸に沿って前記試料空間内へと方向付けられる、ステップと、
前記照明軸に沿って前記試料空間内へと方向付けられた照明放射によって生じる検出放射を、前記試料空間から前記試料チャンバの前記壁を介して延在する検出軸に沿って捕捉するステップと、
を含み、
前記試料チャンバの前記外面が、ベースとして円形ディスクを有する球状セグメントの形態を備える、前記試料チャンバを使用し、
前記試料チャンバと前記検出軸とは、互いに関して、前記円形ディスクの中心周りに回転及び/又は枢動し、したがって前記試料チャンバと前記検出軸との異なる相対角度位置が設定され、
画像データは、前記試料チャンバと前記検出軸の異なる相対角度位置で捕捉されるか、又は捕捉可能であり、
前記照明軸及び前記検出軸は、前記試料チャンバの前記外面のうちの前記球状セグメントの部分を介して方向付けられる、
方法。
【請求項2】
顕微鏡画像化のための試料チャンバの作動のための方法であって、
照明ビーム経路内に試料チャンバを提供するステップであって、
前記試料チャンバは、試料を位置決めするための試料空間を取り囲み、少なくとも1つの壁を有し、
前記壁は、前記試料空間を画定し、前記試料空間から離れる向きの外面を有し、
前記照明ビーム経路は、前記壁の前記外面を介して、照明軸に沿って前記試料空間内へと方向付けられる、ステップと、
前記照明軸に沿って前記試料空間内へと方向付けられた照明放射によって生じる検出放射を、前記試料空間から前記試料チャンバの前記壁を介して延在する検出軸に沿って捕捉するステップと、
を含み、
前記試料チャンバの前記外面が、ベースとして円形ディスクを有する球状セグメントの形態を備える、前記試料チャンバを使用し、
前記試料チャンバと前記検出軸とは、互いに関して、前記円形ディスクの中心周りに回転及び/又は枢動し、したがって前記試料チャンバと前記検出軸との異なる相対角度位置が設定され、
画像データは、前記試料チャンバと前記検出軸の異なる相対角度位置で捕捉されるか、又は捕捉可能であ
前記試料空間への光シートの入射角は、それぞれの相対的z位置に基づいて適応され、
入射角(α)は、α(z)=arcsin((nb/na*R)z)の関係に基づいて適応されており、
ここで、naは、前記試料チャンバ外の媒体の屈折率であり、nbは、
前記試料チャンバ内の媒体の屈折率であり、
Rは、前記外面の球状セグメントの半径であり、
zは、前記検出軸に沿ったそれぞれの位置である、
方法。
【請求項3】
画像データは、1つの相対的な角度位置の少なくとも2つの異なる相対的なz-位置において捕捉され、
前記試料チャンバ及び/又は結像光学ユニットの焦点面は、それぞれの相対的なz位置を設定するために、前記検出軸に沿って相互に変位する、
請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
前記照明放射は、光シートに成形されて、前記試料空間に放射される、
請求項1乃至3いずれか1項記載の方法。
【請求項5】
非回析ビームの形態の前記照明放射は、光シートを生成するために用いられる、
請求項記載の方法。
【請求項6】
前記試料空間への光シートの入射角は、それぞれの相対的z位置に基づいて適応される、
請求項1、3乃至いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記試料の隣接点又は重複点の画像データを、前記試料チャンバと前記検出軸との異なる相対角度位置で捕捉する、
請求項1乃至6いずれか1項記載の方法。
【請求項8】
前記試料の重複点の画像データを、マルチビュー融合アルゴリズムによって評価し、画像収差を低減する、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
プレノプティック検出手段によって画像データを捕捉する、
請求項乃至8いずれか1項記載の方法。
【請求項10】
顕微鏡法用試料チャンバであって、
試料を配置するための試料空間を取り囲み、
前記試料空間を区切り、前記試料空間から離れる向きの外面を有する少なくとも1つの壁であって、照ビーム経路を前記壁の前記外面を介して、照軸に沿って前記試料空間へと方向付け、前記照明軸に沿って前記試料空間内へと方向付けられた照明放射によって生じる検出放射を、前記試料空間から前記試料チャンバの前記壁を介して延在する検出軸に沿って方向付けるように構成されている、壁を備え、
前記壁の外面は、ベースとして円形ディスクを有する球状セグメントの形態を備え、
前記円形ディスクの平面に前記試料を保持するための試料ホルダがあり、
前記壁はさらに、前記照明軸及び前記検出軸を前記試料チャンバの前記外面のうちの前記球状セグメントの部分を介して方向付けるように構成されている、
試料チャンバ。
【請求項11】
試料キャリアであって、
互いに関して角度オフセットを伴って配置され、それぞれが、保持エリアにおいてなくとも1つの試料チャンバを受け容れるように機能する複数のキャリア表面を有し、
前記キャリア表面毎に前記少なくとも1つの試料チャンバを有し、
前記試料チャンバは、
顕微鏡法用試料チャンバであって、
試料を配置するための試料空間を取り囲み、
前記試料空間を区切り、前記試料空間から離れる向きの外面を有する少なくとも1つの壁であって、照明ビーム経路を前記壁の前記外面を介して、照明軸に沿って前記試料空間へと方向付けるように構成されている、壁を備え、
前記壁の外面は、ベースとして円形ディスクを有する球状セグメントの形態を備え、
前記円形ディスクの平面に前記試料を保持するための試料ホルダがある、
試料キャリア。
【請求項12】
前記試料空間へ及び前記試料空間から媒体を供給及び/又は除去するためのチャネルを有する、
請求項11記載の試料キャリア。
【請求項13】
少なくとも1つのキャリア表面を備え、
前記キャリア表面上に、直立する周囲壁があり、
前記壁は、横方向の境界として試料チャンバの保持領域を取り囲む、
請求項11又は12記載の試料キャリア。
【請求項14】
画像データを捕捉する装置であって、
請求項10に記載の試料チャンバを有するか、又は、
請求項11乃至13いずれか1項記載の試料キャリアと試料チャンバとの組合せを有し、
前記装置はさらに、
照明ビーム経路に沿った照明放射を提供し、照明放射を成形して光シートを形成するためのビーム成形ユニットと、
前記照明放射を偏向するために、照明ビーム経路の瞳内又は瞳近傍の第1スキャナと、
を備え、
枢動中心周りに移動可能な第2スキャナが、前記照明ビーム経路内の中間画像の近傍に配置されており、
前記第2スキャナの前記枢動中心は、前記試料チャンバの前記外面上の(前記光シートの)入射点上に結像し、
前記第1スキャナ及び前記第2スキャナは共通の移動平面において振動する、
装置。
【請求項15】
第3スキャナを備え、
前記第3スキャナは、前記第1スキャナ及び前記第2スキャナの前記移動平面に直交して延在する移動平面で、前記照明ビーム経路内の瞳に近接して配置されている、
請求項14記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顕微鏡画像化のための試料チャンバの作動方法、及び該方法を実行するための装置に関する。本発明の主題は、特に、本発明による方法において使用される試料チャンバに関する。
【0002】
画像化方法、特に顕微鏡法によって、体外で、組織及び臓器を検査するために、組織又は器官の深部に位置する構造さえも可視化できるように化学的に処理することができる。
【0003】
組織又は器官(以下、一般に試料と称する)は、この目的のために、特定の化学物質による処理を受け、これは「クリアリング(Klaeren)」(英語では「clearing」)とも称される。例えば、存在する脂質は除去されるか、又は化学物質の作用によって置き換えられ、サポート構造とともに、例えば、変化しないまま残る。得られる残りの構造は、可視化され、蛍光マーカーによって画像化され得る。このようにして除去された脂質のために、照明の散乱又は検出放射が減少するので、顕微鏡法の有効浸透深さを著しく増加させることができる。例えば脳の、試料をクリアリングするための方法は、試料(例えば、脳)を「クリアリング」方法は、以下の文献から知られている。:
Silvestri, L. et
al. (2016): Clearing of fixed tissue: a review from a microscopist’s
perspective. Journal of biomedical optics, 21(8): 081205
又は
Richardson, D. S.
& Lichtman, J. W. (2015): Clarifying tissue clearing. Cell, 162(2):
246-257, for example
【0004】
特に脳の検査には、試料のクリアリングが用いられる。この文脈では、脳とその神経構造の構造と機能を理解するためには、可能な限り、クリアリングされた脳を全体的に調べることが重要である。この文脈では、典型的な試料はマウスの脳をクリアリングしたものである。それらの寸法が8~10mmの場合、少なくとも約10mmの光学的侵入深さが必要である。
【0005】
クリアリング(クリアリング媒体)に使用される化学物質は、部分的に非常に攻撃性が高く、毒性さえあり、しばしば高価である。従来技術による、従来の浸漬構成が使用される場合、これは不所望な画像収差をもたらす可能性がある。一例として、クリアリング目的で使用されるクリアリング媒体が最終的に試料媒体として浸漬を形成する場合、未知であるか、又は対物レンズにおいて完全に補償されない、クリアリング媒体の光学特性(屈折率、アッベ数)によって、収差が引き起こされ得る。さらに、対物レンズは攻撃性及び/又は毒性化学物質に接触することになり、その結果、対物レンズが損傷を受ける可能性があり、労働安全衛生保護を確保する際の費用の増加と光学部品の耐用年数の短縮を意味する。
【発明の概要】
【0006】
本発明は、方法及び装置の両方の観点からオプションを提案するという目的に基づいており、それによって、先行技術で発生する不利な点が低減される。
【0007】
その目的は、請求項1に記載された顕微鏡画像化のための試料チャンバの作動方法、請求項10に記載された試料チャンバ、及び請求項14に記載された画像データを捕捉するための装置によって達成される。また、本発明の主題は、請求項11に記載の本発明による少なくとも1つの試料チャンバを保持するための試料キャリアに関する。
【0008】
顕微鏡画像化のために試料チャンバの作動方法は、照明ビーム経路内に試料チャンバを提供するステップと、検出放射を捕捉するステップとを含む。使用される試料チャンバは、試料を位置決め可能であるか又は位置決めされる試料空間を取り囲む。試料チャンバは、試料空間を区切り、試料空間から離れる向きの外面(dem Probenraum abgewandten Ausenseite)を有する少なくとも1つの壁を備える。さらに、照明ビーム経路は、外面を通って、照明軸に沿って試料空間内へと方向付けられる。外側を通って試料空間に方向づけられる照明ビーム経路の部分(Abschnitt)は、照明軸とも称され、理解される。
【0009】
検出放射を捕捉するステップ内で、照明軸に沿って前記試料空間内へと方向付けられた照明放射によって引き起こされる検出放射は、試料空間から試料チャンバの壁を介して延在する検出軸に沿って捕捉される。検出軸は、検出ビーム経路の一部である。
【0010】
この方法は、試料チャンバを使用することを特徴とし、その外面は、球面形状と称される球面セグメントの形態を備え、ベースとして円形ディスクを有するる。さらに、試料チャンバと検出軸とは相互に、円形ディスクの中心に関して回転(rotiert)及び/又は枢動又は揺動し(geschwenkt)、したがって試料チャンバの異なる相対角度位置及び検出軸が設定され、画像データは、試料チャンバと検出軸との異なる相対角度位置で捕捉される。この場合、検出軸は常に球面状外面を通って延びる。
【0011】
本発明のコアは、以下にさらに詳細に説明するように、球面状外面を有する試料チャンバの使用を使用することを含む。球殻(球状部分)(Sphaere (Kugelabschnitt))としての試料チャンバの少なくとも1つの外面の設計、及び円形ディスクの中心周りの試料チャンバの移動は、有利には、複数の異なる相対角度位置の設定を可能にする。同時に、外面に対する検出軸の角度は一定に保たれる。例えば、検出軸は、設定された相対角度位置とは無関係に、常に外面の法線と一致する。検出軸の配向のこの不変性は、試料チャンバの実際の形状によってのみ、特に、外面によってカバーされる角度範囲及び外面の弧の長さ(Bogenlaenge)によってのみ制限される。円形ディスク以外の試料チャンバのベースの他の形状、例えば、多角形又は自由形状は、等価である。
【0012】
試料チャンバの使用は、有利には、検出放射を捕捉するために使用される対物レンズが試料媒体から分離されることを可能にする。
【0013】
本発明による方法の1つの構成では、画像データは、それぞれの相対角度位置において少なくとも2つの異なる相対z位置に対して捕捉される。このプロセスにおいて、それぞれの相対的z位置は、試料チャンバ及び/又は結像光学ユニットの焦点面が、検出軸に沿って相互に変位することによって設定される。検出軸の方向はz方向(z軸)と称される。相対的z位置は、検出軸に沿った焦点面の位置を示す。画像データのzスタックは、1つの相対的な角度位置及び複数の相対的なz位置で捕捉される。
【0014】
画像データが第1相対的z位置内で捕捉される場合、焦点面の画像(視野;FoV)が捕捉され、撮像される。画像データが同じ相対角度位置の2つの相対的z位置で捕捉される場合、2つの焦点面が互いに完全に重ならないか、又はz方向において互いに隣接しなければ、1つの試料体積が撮像される(視野体積;VoV)。隣接又は重複する焦点面の画像データの積層(zスタック)がこのようにして捕捉される場合、試料の(体積)セクションを検出軸に沿って、関連する相対角度位置で完全に捕捉することが可能である。
【0015】
各ケースにおいて1つの焦点面を照明するためだけに、及び焦点面の外からの不所望な画像情報を低減するために、照明放射は、有利には、光シートに成形され、試料空間内に放射される。光シートを用いて試料を照明することは、特に、大きく且つ散乱性の試料に対して有利である。
【0016】
光シートを生成するために、照明放射は有利には非回折ビームの形態で使用される。例えば、このような非回折ビームは、DE 102012013163 A1に記載されているように、Sincフィルタ(Sinc-Filter)によって周波数スペクトルが制限されているビームである(Sincビームとも称される)。光シートを生成するために、Sincビームを横方向に走査する必要はない。しかしながら、横方向走査は、マチュービーム(Mathieu-Strahl)又はベッセルビーム(einem Besselstrahl)等の、さらに利用可能な非回折ビームにおいて必要とされる。特に、Sincビームを用いると、z方向に小さい厚さを有する潜在的な光シートを生成することが可能である。非回折ビーム形状を用いて作製した薄い光シートの利点は、実質的に等方性のシステムPSF (点拡散関数(Punktbildverwaschungsfunktion);point spread function;PSF)である。このような等方性システムPSFは、3つの空間方向すべてにおいて類似の分解能を示し、これは可能な座標変換に有利である。
【0017】
光シートを生成するために利用可能なさらなる非回折ビームは、特に、エアリービーム、円形エアリービーム、コヒーレントベッセルビーム[Gao, L. et al. (2012), Noninvasive Imaging
beyond the Diffraction Limit of 3D Dynamics in Thickly Fluorescent Specimens;
Cell 151: 1370 - 1385]
及び構造化された光シート[lattice light sheet; Chen, Bi-Chang, et al.
(2014), Lattice light-sheet microscopy: imaging molecules to embryos at high
spatiotemporal resolution; Science 346: 1257998]
である。
【0018】
或いは、既知のビーム形状、例えば、走査ガウスビーム又は円筒光学ユニットによって成形されたガウスビームを用いて光シートを生成することも同様に可能である。しかしながら、非回折ビーム形状の利点を使用することは不可能である。
【0019】
試料チャンバ内と試料チャンバ外との媒体の屈折率が互いに異なる場合、球状試料チャンバの壁における光シートの屈折を考慮する必要がある。これは、特に画像データが異なる相対的z位置で捕捉される場合に適用される。この文脈において、それが移動する試料チャンバであるか、対物レンズであるかは、当初は無関係である。この場合、光シートの入射角は、z相対位置(z位置)の関数として変化する。
【0020】
照明ビームと外面の照明ビームの入射点の法線との間の角度は、入射角であると理解される。入射角を、α(z)=arcsin((n/n*R)z)の関係に基づいて適合させることができ、ここで、nは、試料チャンバの外側の媒体の屈折率であり、nは、試料チャンバ内の媒体の屈折率であり、Rは、外面の球状セグメントの半径であり、zは、検出軸に沿ったそれぞれのz位置である。
【0021】
上記の方法の構成を使用して、試料の体積の一部を画像化することが可能である。試料の体積のより大きな一部又は試料全体を捕捉するために、試料チャンバと検出軸との異なる相対角度位置を有する試料の隣接又は重複部分の画像データが、zスタックとして捕捉される。この目的のために、相対的な角度位置は、例えば、一旦zスタックが完全に捕獲されたならば、さらなる相対的な角度位置が設定され、さらなるzスタックが捕獲されるように、制御された方法で変更される。焦点位置、入射角、光シート位置などのパラメータは、異なるzスタックについてルックアップテーブルとして保存されることができる。
【0022】
枢動移動及び/又は回転のために、試料が広範囲に又は完全に捕捉される場合、試料の捕捉領域は必然的に重複する(図5も参照)。画像データのこの部分的な冗長性は、画像収差を低減し、画像データの品質を高めるために使用することができる。これは、例えば、マルチビュー融合アルゴリズムによって評価される試料の重複部分の画像データ及び画像収差が低減されることにより、試料深度の増加とともに同様に増加する収差及び散乱インスタンスを有利に低減することができる。
【0023】
光シートの使用は、有利には、プレノプティック検出又は明視野検出(Lichtfeld-Detektion)と組み合わせることができる
[例えば、Prevedel, R. et al. (2014): Simultaneous
whole-animal 3D imaging of neuronal activity using light-field microscopy.
Nature methods, 11: 727]。
プレノプティック検出を使用すると、より厚くより長い光シートを生成し、放射することが可能である。明視野検出は、また、1つの露光において、付加的に利用可能な角度情報から、光シートの厚さに沿ったz方向に試料の一部を再構成するために使用され得る。これは、横方向の並列化(広視野)に加えて、検出軸に沿った並列化(プレノプティクス)も行うため、必要な全体の記録時間を大幅に短縮することができる。光シート照明は、プレノプティック再構成をより困難にする、焦点外の背景蛍光の問題を有利に低減する。
【0024】
光シートによる試料又は試料チャンバの照明に代えて、照明は、点スキャナ又は多点スキャナによって実施することができる。画像データの検出は、共焦点方式で、広い視野で、又はプレノプティック検出によって実施することができる(この点に関しては後述する)。
【0025】
試料チャンバは、顕微鏡法の分野で使用するために設計されている。それは、試料を配置するための試料空間を取り囲み、試料空間を区切り、試料空間から離れる向きの外面(einer dem Probenraum abgewandten Aussenseite)を有する少なくとも1つの壁を備える。
【0026】
試料チャンバは、壁の外面がベースとして円形ディスクを有する球状セグメントの形態を備えることで特徴づけられる。さらに、円形ディスクの平面に試料を保持するための試料ホルダがある。
【0027】
試料チャンバの有利な実施形態では、球状セグメントは、少なくとも90°、好ましくは少なくとも120°の角度範囲をカバーする。少なくとも150°、特に180°のカバー角度範囲を有する試料チャンバは、クリアリングされた試料の顕微鏡検査に好適である。さらなる実施形態では、球状セグメントによってカバーされる角度範囲はまた、180°を超えることができ、例えば、210°、240°又は270°である。
【0028】
試料チャンバは、有利には、各空間方向において少なくとも3mm、例えば、少なくとも5mm又は10mmの範囲で試料の位置決めを可能にする。
【0029】
有利には、試料チャンバは、例えば、試料媒体が試料チャンバ内に保持され、試料チャンバから意図せずに逃げることができないように、さらなる壁を用いて密封することができる。
【0030】
このさらなる壁は、別個の壁とすることができ、同時に試料ホルダとして機能することができる。この目的のために、さらなる壁の内面は、周囲エリアの平面内に延在する。さらなる実施形態において、さらなる壁の形態の試料ホルダは、少なくとも1つのキャリア表面を有する試料キャリアであってもよい。キャリア表面上には、少なくとも1つの保持エリアが存在し、その中に試料チャンバは配置され、例えば、プラグ接続され、又は任意の他の方法で固定され得る。
【0031】
保持エリアは、例えば、凸部(Erhebung)及び/又はリング状の凹部(Vertiefung)等の構造を有することができる。試料チャンバは、凸部の上に配置することができ、凸部によって保持エリア内に保持される。凹部は、同様に、試料チャンバのための横方向ガイドを表すことができる。さらに、凹部は、試料チャンバが液密状態で封止されるように、封止部を含むことができ、又は試料チャンバを保持することができる。さらなる実施形態において、封止効果は、凹部内に配置された試料チャンバの領域の表面及び/又は凹部の表面が互いに高い適合性を有することによって達成されることができ、例えば、表面又はそれらの間に配置された液体フィルムの接着力又は毛細管力によって封止されることによって達成することができる。
【0032】
特に、比較的多数の試料の自動化された取扱いを単純化するために、試料キャリアは、試料キャリア上に配置された少なくとも2つの試料チャンバを有することができる。試料チャンバを有するこのような試料キャリアは、実験室作業からから知られているような、マルチウェルプレートのように取り扱うことができる。
【0033】
試料キャリアのさらなる実施形態では、試料キャリアは互いに対して角度オフセットを伴って配列される複数のキャリア表面を含む。この場合、オフセットは、平面内又は空間内にあってもよい。例えば、キャリア表面は、軸の周りに配置され得る。個々のキャリア表面は、他のキャリア表面が待機位置にある間に、制御された態様で捕捉位置へと移動されることができる。
【0034】
例えば、分離壁によって封止された試料チャンバ又は、他の試料キャリアは、媒体を試料チャンバに供給し及び/又は試料チャンバから取り除くためのチャネルを有することができる。チャネルを介して、試料をクリアリング及び/又はリンスするための化学物質等の異なる媒体、及び試料媒体を供給及び除去することが可能である。これを制御された態様で生じさせるために、チャネルは、有利には、ポンプ及び媒体リザーバにフロー接続される。さらに、有利には、センサ及び制御ユニットが存在する。
【0035】
例えば、収差は、異なる屈折率を有する媒体の結果として生じ、それを介して、照明放射及び/又は検出放射が通過する。試料キャリアの可能な実施形態では、試料キャリアは少なくとも1つのキャリア表面を含む。キャリア表面では、周囲壁が直立しており、横方向境界として保持エリアを取り囲み、その端部の一方が試料キャリアとともに開口する中空円筒を形成する。試料チャンバが保持エリアに配置されている場合、中空シリンダは、対物レンズを浸漬可能な浸漬媒体で満たされることができる。さらなる実施形態では、簡略化のために「浸漬チャンバ(Dipping-Kammer)」とも称されるこの追加のチャンバは、長方形又は、例えば、5、8、10又は20のコーナーを有する多角形の断面など、異なる断面を有してもよい。さらなる実施形態のオプションでは、試料チャンバは、容器内、例えば、容器の底部に配置される。
【0036】
試料チャンバを含む試料キャリアのかかる実施形態は、浸漬媒体の使用にもかかわらず、試料チャンバ内の攻撃性媒体からの光学系、特に対物レンズの完全な分離を容易にする。中空シリンダに存在する浸漬媒体によって、空隙の場合よりも高い開口数を実現することが可能である。浸漬チャンバ内の浸漬媒体が、試料媒体と同じ屈折率を有すると有利である。浸漬媒体と試料媒体とが同一のアッベ数及び部分的であっても同一の分散を有すると、画像化品質のさらなる改善が達成され得る。
【0037】
屈折率又はアッベ数と部分分散の厳密な適合は、実際には困難である。したがって、クリアリングのために新たに開発された又はさらに開発された媒体の屈折率、アッベ数、及び/又は部分分散は、しばしば未知であるか、又はおおよそしか知られていない。浸漬媒体の屈折率は、2つ以上の適切な初期媒体を混合することによって動的に適合させることができる。動的に混合された浸漬媒体を用いて作業を行う場合、試料チャンバの壁材料の屈折率が、試料媒体及び/又は浸漬媒体の屈折率と同等であると都合がよい。
【0038】
本発明による方法は、試料チャンバを含むか又は試料キャリア及び試料チャンバの組み合わせを含む、画像データを捕捉するための装置によって実施することができる。装置は、照明ビーム経路に沿って照明放射を提供するための光源を備える。さらに、照明光を成形して光シートを形成するためのビーム成形光学ユニットがあり、前記ビーム成形光学ユニットは、照明ビーム経路の瞳内又はその近傍に配置された第1スキャナと相互作用し、照明放射を偏向させるように働く。
【0039】
本発明の試料チャンバを使用することに加えて、前記装置は、枢動点周りに移動可能な第2スキャナが照明ビーム経路内の中間画像の近傍に配置されていることを特徴とする。走査光学ユニットは、第2スキャナの前記枢動点を、試料チャンバの外面上の、光シートの入射点上に結像する。
【0040】
第1スキャナ及び第2スキャナの機能は、第1スキャナを介して光シートの入射角をアップデートし、第2スキャナを介して光シートを空間的に変位させることを含む。
【0041】
角度は、第1スキャナによってアップデートされ、第1スキャナは従来のガルバノメトリックスキャニングミラーであり得る。レーザ走査型顕微鏡(LSM)の走査動作という意味で、角度追跡の動作は高速である必要はないため、他のアクチュエータも可能である。例えば、ピエゾアクチュエータ、DCモータ、又は例えばスピンドル駆動を有するステッパモータを使用することができる。
【0042】
装置の実際の動作の間、例えば収差によって生じる例えば焦点偏差を補正するために、光シートの空間的変位が必要である。第2スキャナはこの目的を果たす。LSMにおける典型的なスキャナ構成とは対照的に、両方のスキャナが照明ビーム経路の瞳内に配置されている場合はない。
【0043】
画像データが異なる相対z位置で捕捉される場合、試料媒体中の光路長にも変化がある。したがって、光シートの伝搬方向に沿って焦点を補正する必要がある場合がある。例えば、かかる補正は、照明対物レンズ又はチューブレンズを変位させることによって、又は他の合焦光学ユニットを介して実施することができる。第1スキャナ及び第2スキャナは、LSMにおける従来のスキャナ配置において、走査面が互いに直交している間、平面内を移動する。
【0044】
走査移動による横方向の「スミアリング」を必要とするビーム形状が、光シートを生成するために選択される場合、これは、従来のLSM構成に匹敵する方法で、第1スキャナの近傍に配置される第3スキャナによって実施されることができる。例えば、かかるビーム形状は、sincビーム又は半径方向対称なベッセルビームである。従って、第1スキャナ及び第3スキャナは、かかる構成において瞳に近接している。第3スキャナは、第1スキャナの移動平面(Bewegungsebene)に直交する光シートの高速移動をもたらす。
【0045】
原則として、マッピングに必要な浸透深さ、例えば、数ミリメートルの完全なマウス脳内のニューロンは、可能な限り最良のクリアリングプロトコル及び屈折率のさらなる適応の場合であっても、収差をもたらす。適応光学素子又はユニットは、その補正のために有利に使用されることができる。適切な適応光学ユニットは、例えば、変形可能ミラー、空間光変調器(SLM)、及びそれらの組み合わせを含む。光学補助構造、例えば、いわゆるガイドスターの使用が可能である。適応光学素子は、照明ビーム経路内及び/又は検出ビーム経路内に配置することができる。
【0046】
本発明は、マウスの脳等の大きな、クリアリングされた試料を表示するのに特に適している。厚い、高密度の、散乱性試料に適した画像化方法、すなわち、特に多光子方法(点スキャナ、時間的焦点合わせ)の使用に加えて、対物レンズ又はかなり中程度の倍率を有する画像化システムが有利に使用される。これらは、有利には、例えば、可能な限り少数の個々の記録を用いて脳全体のマッピングを可能にするために、非常に多数のピクセル(「マクロスコープ」)を有するカメラと組み合わされる。
【0047】
特に、本発明の利点は、試料媒体と対物レンズとを分離である。試料キャリアにマイクロ流体システム、すなわちチャネルが設けられている場合、クリアリングプロトコルは、自動的かつ再現可能な方法で実施されることができる。試料キャリア又は試料チャンバを、クリアリングステップと画像化ステップとの間で変更する必要はない。本発明による試料チャンバは、「チップ上のラボ(Labon the chip)」環境に一体化することができる。クリアリングプロトコルを自動的に実行し、画像を捕捉することに加えて、この場合には、制御された媒体交換の間に試料を保存することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
本発明は、例示的実施形態及び図面に基づいて、以下でさらに詳細に説明される。
図1】従来技術による試料チャンバの例示的実施形態を概略的に示す図である。
図2a】本発明による試料チャンバの例示的な第1実施形態の概略を、断面図で示す図である。
図2b】本発明による試料チャンバの例示的な第1実施形態の概略を、下からの平面図(図2b)と、で示す図である。
図3】本発明による試料チャンバ及び試料キャリアの例示的実施形態を概略的に示す図である。
図4a】本発明による方法の第1構成の概略における、第1相対角度位置及び第1相対z位置における画像データの捕捉を示す図である。
図4b】本発明による方法の第1構成の概略における、第2相対角度位置及び第2相対z位置における画像データの捕捉を示す図である。
図4c】本発明による方法の第1構成の概略における、第2相対角度位置及び第3相対z位置における画像データの捕捉を示す図である。
図5a】異なる相対角度位置におけるzスタックの連続的捕捉と、その結果得られる多数のzスタックによる試料のカバレッジを概略的に示す図である。
図5b】異なる相対角度位置におけるzスタックの連続的捕捉と、その結果得られる多数のzスタックによる試料のカバレッジを概略的に示す図である。
図5c】異なる相対角度位置におけるzスタックの連続的捕捉と、その結果得られる多数のzスタックによる試料のカバレッジを概略的に示す図である。
図6】zスタックの水平整列座標系への変換を模式的に示す図である。
図7】zスタックの球面座標系への座標変換を模式的に示す図である。
図8】試料に応じて異なる画像化方法を選択するオプションを有する画像化システムの例示的実施形態を概略的に示す図である。
図9】本発明による試料チャンバ上の光シート照明における位置及び角度をアップデートするための光学配置の例示的実施形態を概略的に示し及び角度アップデートを概略的に示す(挿入図)図である。
図10】本発明による複数の試料チャンバを有する試料キャリアの例示的な第1実施形態を概略的に示す図である。
図11】本発明による複数の試料チャンバ及び媒体を供給及び/又は除去するチャネルを有する試料キャリアの例示的な第2実施形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
例示的な実施形態が概略的に示されている。同一の技術的要素には、同一の参照符号を付す。
【0050】
図1は、従来技術から知られている試料チャンバ1を示しており、これは、試料3を位置決めすることができる試料空間2を取り囲んでいる。試料空間2は、試料媒体4で満たされ、その中に、光学装置の結像光学ユニットの対物レンズ5(より詳細には図示せず)が浸漬され得る。試料媒体4は、同時に浸漬媒体14として作用し、第1屈折率n1を有し、対物レンズ5と直接接触する。試料媒体4が、試料3をクリアリングするために使用されるような化学物質又は化学成分の混合物である場合、しばしば、それらの攻撃的な特性のために対物レンズ5が損傷するリスクがある。試料空間2は、壁6によって3つの側面で取り囲まれており、従来技術のように、実質的に平面部分エリアから形成され、部分エリアは光学的に有効である必要はなく、例えば透明である必要はない。試料3は、対物レンズ5の光軸OAと一致する照明ビーム経路7に沿って照明放射で照明されることができる。試料3に影響される検出放射は、検出ビーム経路8の検出軸DAに沿って対物レンズ5によって捕捉され、光軸OAと検出軸DAとは一致する。
【0051】
本発明による試料チャンバ1の例示的第1実施形態が、横断面図で図2aに示されている。試料空間2は、壁6によって区切られ、壁6の外面6.1は、球状セグメントの形状を有する(図2a)。球状セグメントは、中心10を有する周囲エリア9をカバーする(図2bも参照)。試料空間2は、周囲エリア9の平面内に延在する別の壁11によって区切られている。所期のように使用される場合、試料チャンバ1は、照明ビーム経路7が外面6.1を通過して試料空間2に入り、検出ビーム経路8が同様に外面6.1を通過することを可能にするように設けられる。照明ビーム経路7及び検出ビーム経路8は、図2aに示すように互いに一致していてもよく、又は分離されていてもよい。
【0052】
球状試料チャンバ1は、試料3、例えば、画像化されるべき脳を可能な限り緊密に取り囲む。クリアリングに使用する試料媒体4は、試料チャンバ1内にある。検出放射は、空気対物レンズ(Luft-Objektiv)として具現化された対物レンズ5(例えば、図4a~4c参照)によって捕捉することができる。
【0053】
さらなる例示的な実施形態では、試料チャンバ1は、試料キャリア13のキャリア表面12上に配置され、キャリア表面12上に直立する中空シリンダの形態の壁15によって取り囲まれる(図3)。試料キャリア13及びキャリア表面12は共に、さらなる実施形態において、開放容器を形成することもできる。さらなる実施形態では、壁15又はシリンダ壁は、平面図において異なる形状、例えば、多角形又は楕円形を有することができる。試料チャンバ1の上方に存在する空間16は、対物レンズ5を浸漬されるか又は浸漬可能な、空気又は浸漬媒体14で満たされる。
【0054】
浸漬媒体14は、第2屈折率n2を有し、対物レンズ5の開口数(NA)を増加させる働きをする。非攻撃性の化合物又はかかる混合物は、通常、費用効果的であり、浸漬媒体14として選択されることができる。
【0055】
第1及び第2屈折率n1、n2、そしておそらくアッベ数v1及びv2もそれぞれ、互いに近似し又は互いに同一であるように選択されることができる。そして、壁6の厚さは可能な限り薄く、及び/又は壁6は屈折率が屈折率n1又はn2に近い材料からなる。
【0056】
浸漬媒体14はまた、2つ以上の適切な成分から混合することができ、したがって、屈折率n1及びn2を、可能な限り、互いに適合させることができる。浸漬媒体14の組成のかかる適応はまた、本発明のさらなる実施形態において、浸漬混合物14の成分又は既に混合された浸漬媒体14を供給及び排出ライン(図示せず)を介して、制御して空間16に供給することにより、動的にも実施されることができる。このようにして、かかる「浸漬チャンバ(Dipping-Kammer)」は、異なる動作条件に柔軟に適合させることができる。
【0057】
図4a~4cは、本発明に係る方法の1つの構成の経過を概略的に示す。図4aにおいて、試料チャンバ1は、第1相対角度位置に導かれる。これは、参照座標系、例えば、相互に直交する軸x,y,zを有する図示されたデカルト座標系に対して、ある角度で傾いていることを意味する。図示の例では、周囲エリア9は、軸x及びyにわたる平面に平行に延びる。照明ビーム経路7及び照明軸BAに沿って、照明放射は、入射角αで、外面6.1を通って試料空間2内へ放射される。周囲環境と試料媒体4との屈折率の差異のために、照明放射は壁6を通過すると屈折し、その後、試料空間2及び試料3を通ってほぼ水平方向に延びる。z軸zに沿った照明ビーム経路7の屈折セクションの位置決めは、第1相対z位置を特定する。対物レンズ5は、照明ビーム経路7の屈折セクションに焦点が合わされ、特に、光シート17として具現化されることができる。
【0058】
検出放射を捕捉するために使用される対物レンズ5の光軸OAは、照明ビーム経路7の屈折セクションに垂直に、中心10を通って方向づけられる。ここで、試料3の照明された領域の一部、特に照明された平面の画像データを、対物レンズ5によって捕捉することができる。光軸OAに沿った試料3の体積を捕捉するために、いわゆるzスタック18(図5参照)と称される対物平面(Objektebenen)が、異なる相対的z位置(垂直の双頭矢印で表される)で捕捉され、その後にまとめられる(図5も参照)。プロセスで必要となる可能性がある照明ビーム経路7の入射角αの補正を図9に関連して説明する。
【0059】
この手順を使用すると、図4b及び4cの長方形で概略的に説明されるように、焦点面の限定された横方向の範囲(=視野)及び垂直方向の範囲(=視野深度)、実際には焦点体積、のみを捕捉することが可能であるため、より大きな試料3の体積を完全に画像化することは不可能である。しかしながら、試料3を完全に捕捉するために試料チャンバ1が対物レンズ5に対して横方向に移動される場合、試料チャンバ1の曲率のためにかなりの収差が発生するであろう。したがって、本発明によれば、試料チャンバ1は、図4b及び4cに示されるように、中心10周りに枢動及び/又は回転される。したがって、図4bの試料チャンバ1は、さらなる角度相対位置及びさらなる相対位置にもたらされる。この相対的角度位置で、zスタック18を再度捕捉し(図4c)、格納し、最後にまとめて(zusammengesetzt)、試料3の表示を形成することができる。試料3を完全に捕捉するために、自由に選択可能な方法で、対応する相対角度位置を設定し、zスタック18を捕捉することが可能である。
【0060】
この手順は、部分図、図5a~5cに簡略化された方法で示されている。試料チャンバ1の第1相対角度位置において、第1zスタック18は、z軸zの方向に検出ビーム経路8に沿って捕捉され、それぞれの相対角度位置及び相対z位置に関するデータと共に記憶される(図5a)。続いて、試料チャンバ1は、中心10周りに一定の角度によって枢動及び/又は回転される。このようにして、第2又はさらなる相対角度位置にもたらされた試料3の画像データのzスタック18が捕捉される(図5b)。N回のzスタック18のかかる捕捉の後に、試料空間2及び試料3の全体的体積(図示せず)が捕捉され、また、保存された個々のzスタック18は、図5cに概略的に示されるように、試料3の全体的体積を表すためにまとめられ得る。
【0061】
個々のz-スタック18間に発生するオーバーラップは、例えば、マルチビュー融合アルゴリズムによって実行される評価によって、データ品質を改善するために用いられることができる。残りの収差は、適応型光学素子によって補正することができる(例えば、図8を参照)。本発明の方法によって得られた画像データは、異なる座標で表すことができる。純粋に代表的な方法で、図6及び図7は、傾斜したzスタック18の水平方向の整列への変換(図6)及び傾斜したzスタックの球面座標への変換(図7)をそれぞれ示す。例えば、重み付き補間を使用して、座標を変換することができる。例えば、z-スタック18のうちの4点の捕捉された強度値Ix,y,zが示され、それらは、水平座標系(図6)又は球面座標系(図7)の1点(座標)の変換された強度値Ix’,y’,z’に補間される。
【0062】
試料3に応じて異なる画像化方法を選択する可能性のある画像化システムの例示的な実施形態の概略図(図8)は、照明ビームを供給し、光シート17及び/又はレーザ走査顕微鏡LSM(以下では省略してLSMとも称する。)を形成するためのビーム成形ユニット19を含む。
【0063】
任意に、ビーム成形ユニット19及び/又はLSMの照明ビーム経路7に適応光学ユニット20を設けることができる。例えば、少なくとも1つの光学レンズ23及びビームスプリッタ21は、LSMの照明ビーム経路7に配置される。ビームスプリッタ21の効果の結果として、照明放射は対物レンズ5に誘導され、試料チャンバ1の試料空間2に放射される。試料3において生成された検出放射は、対物レンズ5及び検出放射に透過性のビームスプリッタ21を通って、検出ビーム経路8に沿って、円筒レンズ22へと通過し、そこから、検出器25、例えばカメラへと通過する。任意に、ビームスプリッタ21は、照明ビーム経路7及び/又は検出ビーム経路8内へと挿入又は枢動させることができる。
【0064】
試料3は、光シート17によって、LSMの点スキャナによって、又はLSMの多点スキャナによって選択的に照射することができる。LSM又はビーム成形ユニット19は、光源となる。
【0065】
検出放射は、共焦点式、広視野式、又はプレノプティック式で捕捉することができる。後者の変形例は、マイクロレンズアレイ26を用いて実施することができる。発生する収差を補正するために、適切に制御可能な適応光学ユニット20を検出ビーム経路8に配置することができる。マイクロレンズアレイ26は、適当なアクチュエータ(図示せず)を用いて検出ビーム経路8内へと任意に挿入又は枢動させることができる。
【0066】
制御可能に駆動可能な試料ステージ27によって、試料チャンバ1を、X、Y、及びz軸の各々のまわりを枢動させることができ、これらの軸に沿って変位させることができる。軸z周りの回転が可能である。本発明による方法を実行するために、試料チャンバ1は、中心10(図4a~5c参照)周りに枢動され、そして任意に、中心10を通って延び、z軸zの方向に延びる軸(例えば、図4a~5参照)周りに回転される。z軸zに沿ったフィード移動に加えて又は変えて、対物レンズ5は、制御可能なドライブ30によってz軸zの方向に位置決めされるように具現化される。
【0067】
任意に、例えば、試料チャンバ1を照明ビーム経路7に対して位置決めするために、試料ステージ27によって、試料チャンバ1を、x軸及びy軸に沿って、特にz軸zの方向に、制御された態様で変位させることが可能であり得る。z軸zに沿った移動オプションは、zスタック18を捕捉するためのオプションを表す。
【0068】
本発明のさらなる可能な実施形態では、相対角度位置及び/又は相対z位置は、対物レンズ5の適切な移動によって設定することができる。また、例えば、相対角度位置及び/又は相対z位置の設定が、対物レンズ5及び試料ステージ27の移動の組み合わせによって設定されることも可能である。
【0069】
試料ステージ27及び種々のアクチュエータ又は少なくとも1つのドライブ30を制御するために、制御ユニット28、例えばコンピュータ又はコンピュータの適切に構成された部分があり、前記制御ユニットは、データ及び制御コマンドを転送するのに適した方法で、試料ステージ27、ドライブ30(例示的な方法で示された1つのみ)、及び任意にカメラ25(示された方法で示されたもの)に接続されている。
【0070】
照明/検出が対物レンズ5を介して実装される場合、zスタック18(例えば、図5a~5cを参照)は、試料3を動かし、及び/又は対物レンズ5を動かし、それぞれの焦点面を相対的なz位置として変化させることによって記録することができる。この場合、試料チャンバ1の上記の回転は、回転点と中心10が一致していれば、光学的な影響を及ぼさない(例えば、図5を参照)。
【0071】
特に、試料3を光シート17で照明するとき、角度追跡の意味で(im Sinne einer Winkelnachfuhrung)それぞれの現在の相対的z位置に基づいて、入射角αを適合することが必要であろう。さらに、実際に生じる収差によって引き起こされる焦点ずれを補正するために、空間的変位が必要となる場合がある。装置の一部では、図9に示す装置を用いて角度追跡及び空間的変位が可能である。
【0072】
図9の挿入図は、試料チャンバ1、照明ビーム経路7、及び光シート17の種々の角度を概略的に示す。ここで、試料チャンバ1及び照明ビーム経路7は、第1相対z位置に実線を用いて、及び第2相対z位置に破線を用いて示されている。試料チャンバ1の外では、照明放射は、第1屈折率naを有する媒体を通過する。試料媒体4を有する試料チャンバ1は、nb>naの第2屈折率nbを有する。それぞれの入射角αは、それぞれの照明ビーム経路7と外面6.1の法線との間で測定される。壁6、特にその外面6.1は、半径Rを有する球状セグメントとして形成されているので、法線の延長は、中心10を通って延在し、試料チャンバ1のベースとして作用するさらなる壁11、又は周囲エリア9の平面と、角度γnをなす。
【0073】
第1相対z位置において、照明ビーム経路7に沿った照明放射は、第1入射角α1で、試料チャンバ1の球状に成形された壁6の外面6.1に方向付けられる。法線の延長は、角度γ1で中心10を通過する。照明ビーム経路7は、屈折率na及びnbの差に従って屈折する。ここで、入射角α1は、照明ビーム経路7の屈折セクションが周囲エリア9の平面に平行に延在し、画像データが、例えば対物レンズ5によって、検出軸DAに沿って捕捉されるように選択される。照明ビーム経路7の屈折セクションは、法線の延長と角度β1を形成する。
【0074】
試料チャンバ1がz軸z方向に距離Δzだけ第2z相対位置にシフトされる場合、入射角α2が設定されていれば、対物レンズ5の一定の焦点位置で画像データを捕捉することができる。この過程において、法線の延長は、角度γ2で中心10を通過する。照明ビーム経路7の屈折セクションは、法線の延長と角度β2を形成し、ここで、β1>β2である。
【0075】
かかる入射角αnの補正がなければ、照明ビーム経路7の屈折セクションは、第2相対z位置における周囲エリア9の平面に平行に延びなくなる。
【0076】
図示された実施形態に従った本発明による試料チャンバの光シート照明の場合の位置及び角度を追跡するための光学的配置は、ビーム成形ユニット19を含み、光源(より詳細には図示せず)によって提供される照明放射は、光シート17を形成するように成形される。照明ビーム経路7において、少なくとも1つの光学レンズ23、第1スキャナS1、走査光学ユニット24、円筒レンズ22、及び照明対物レンズとして機能する対物レンズ5が続く。
【0077】
第1のスキャナS1は、照明ビーム経路7の瞳内に又は瞳近傍に位置し、位置を変位させるのに役立つ。例えば、これは、ガルバノメトリック走査ミラーの形態で実施される。瞳Pの角度は、試料3の位置に対応しており、これが、第1スキャナS1の角度変化が、z軸zの方向の光シート17の変位を導く理由である。
【0078】
角度をアップデートするために、ビーム成形ユニット19と第1スキャナS1との間に第2スキャナS2が配置される。それは中間画像zBの近傍に位置する。2つのスキャナS1及びS2は、同じ移動平面内で照明ビーム経路7を偏向する。これは、移動平面が互いに直交する典型的なLSMのスキャナ配置とは区別される。試料チャンバ1の外面6.1への照明ビーム経路7の入射点の位置をずらすために、第2スキャナS2の枢動点が、走査光学ユニット24によって外面6.1上に結像される。第2のスキャナS2は、瞳Pと第1スキャナS1との位置の変化に対応する中間画像zBの角度を変更し、試料3の角度に対応する。角度は、試料3の直前に設定されるべきであるため、光学レンズ23の軸方向変位によって、角度偏向をそれに応じて補正することができる。
【0079】
光シート17の伝搬方向に沿った合焦の必要な補正は、例えば、対物レンズ5、円筒レンズ22を変位させることによって、又は他の合焦光学ユニットによって実施することができる。試料媒体4中の光路長は異なる相対的z位置で異なり、zスタック18を捕捉するときに変化するので、焦点合わせの補正が必要とされ得る。
【0080】
光学配置のさらなる実施形態では、第3スキャナS3(図示せず)を瞳の近く、例えば第1スキャナS1の近くに配置することができる。第3スキャナS3の効果により、図面の平面に垂直な光シート17の高速移動がもたらされる。かかる配置は、光シート17を生成するために横方向の「スミアリング」を必要とするビーム形状(例えば、ベッセルビーム)が選択される場合に使用され得る。
【0081】
例えば、画像データの自動捕捉を単純化するために、複数の試料チャンバ1が、試料キャリア13上に配置され得るか、又は配置されることができる。試料チャンバ1のための複数の保持エリアを有する試料キャリア13は、平面的な実施形態(図10)を有することができる。それぞれ観察される試料チャンバ1は、試料ステージ27の適切な制御によって対物レンズ5に提供され、及び/又は対物レンズ5はそれぞれの試料チャンバ1に提供される。第1zスタック18は、第1の相対角度位置に捕捉され得る。さらなるzスタック18を捕捉するために、対物レンズ5を枢動させることができ、及び/又は試料キャリア13を、目下捕捉されるべき試料チャンバ1の中心10周りに枢動させることができる。
【0082】
本発明による複数の試料チャンバ1のための試料キャリア13のさらなる実施形態では、試料キャリア13は、互いに対して角度オフセットを有するキャリア表面12を有し、その上にそれぞれ試料チャンバ1が配置されるか、又は配置され得る。例えばと、キャリア表面12は、カルーセル(Karussells)又はレボルバ(Revolvers)の周囲面であってもよい。そのような実施形態は、図10に示す実施形態に関連して、相対的な角度位置を設定することができるアクセス可能な角度範囲を増加させる。
【0083】
前述の例示的実施形態のいずれかによる試料キャリア13は、保持エリアのうちの1つに開口する少なくとも1つのチャネル29を含むことができる(図11)。チャネル29は試料空間2へ及び試料空間2から試料媒体4を供給及び/又は除去するように機能する。
【0084】
さらなる実施形態では、各保持エリアに又は各試料チャンバ1に、媒体供給ラインとして少なくとも1つのチャネル29と、媒体除去ラインとして少なくとも1つのチャネル29とが設けられることができる。媒体の供給又は除去を可能にするために、試料チャンバ1は、キャリア表面12によって周囲エリア9の平面内に境界付けされているか、又はいくつかの又はすべてのチャネルに対応する開口(示されている)が、対応して別の壁11に存在している。さらなる実施形態において、これらの開口は、試料チャンバ1がキャリア表面12から除去されることを可能にするために、バルブ又はシールを備えることができる。
【0085】
試料チャンバ1が壁6を備え、閉鎖部(Abschluss)が、さらなる壁11として、周囲エリア9の平面内でキャリア表面12の表面によって形成されるようにすることも可能である。試料空間2には、1つ以上のチャネル29を介して試料媒体4を供給することができる。この場合、試料媒体4は、例えば、試料3をクリアリングするための化合物、栄養溶液、緩衝液、又は試料3の保存を補助するための化合物であり得る。
【0086】
図11に示される例示的な実施形態は、互いに対して角度的なオフセットを有し、各々に試料チャンバ1が保持エリア上に配置されるキャリア表面12を示す。それぞれ1つのキャリア表面12をその上にある試料チャンバ1とともに、図示された例において中間位置である捕捉位置にもたらすことができ、そこでは、捕捉位置にあるキャリア表面12が対物レンズ5の光軸OAに対して直交するように配向されている。上述のように、複数のzスタック18を捕捉するために、対物レンズ5を試料チャンバ1に対して枢動させることができ、試料チャンバ1と対物レンズ5とを互いに対して異なる相対的な角度位置及び/又は相対的なz位置に導くことができるように、異なる焦点面を捕捉することができる。
【0087】
互いに対して角度オフセットを有するキャリア表面12の角度付き配置は、それぞれ隣接して配置された試料チャンバ1が捕捉されるべき試料チャンバ1の平面から枢動されるので、捕捉されるべきそれぞれの試料チャンバ1へのより良好なアクセス性を容易にする。試料キャリア13の現在のアライメント、及びチャネル29を介する媒体の供給及び/又は除去の制御は、制御ユニット28によって、及びドライバ30及び/又はポンプ30によって実行される。
【符号の説明】
【0088】
1 試料チャンバ(Probenkammer)
2 試料空間(Probenraum)
3 試料(Probe)
4 試料媒体(Probenmedium)
5 対物レンズ(Objektiv)
6 壁(Wand)
6.(壁の)外面(Ausenseite (der Wand))
7 照明ビーム経路(Beleuchtungsstrahlengang)
8 検出光路(Detektionsstrahlengang)
9 周囲エリア(Kreisflache)
10 中心(Mittelpunkt)
11 さらなる壁(weitere Wand)
12 キャリア面(Traegerflaeche)
13 試料キャリア(Probentraeger)
14 浸漬媒体(lmmersionsmedium)
15 (キャリア表面上に直立する)壁(Wand (auf Traegerflaeche aufstehend))
16 空間(Raum)
17 光シート(Lichtblatt)
18 zスタック(z-Stapel)
19 ビーム成形ユニット(Strahlformungseinheit)
20 適応光学素子(adaptives optisches Element)
21 ビームスプリッタ(Strahlteiler)
22 円筒レンズ(Tubuslinse)
23 光学レンズ(optische Linse)
24 走査光学系(Scanoptik)
25 カメラ、検出器(Kamera, Detektor)
26 マイクロレンズアレイ(Mikrolinsenarray)
27 試料ステージ(Probentisch)
28 制御ユニット(Steuerungseinheit)
29 チャネル(Kanal)
30 ドライブ、ポンプ(Antrieb, Pumpe)
α 入射角(Einfallswinkel)
β 角度(Winkel)
γ 角度(Winkel)
BA 照明軸(Beleuchtungsachse)
DA 検出軸(Detektionsachse)
Ix,y,z 強度値(Intensitaetswert)
Ix’,y’,z’ 変換強度値(transformierter lntensitaetswert)
LSM レーザ走査顕微鏡(Laserscanningmikroskop)
第1屈折率(erster Brechungsindex)
第2屈折率(zweiter Brechungsindex)
OA 6.1 光軸(optische Achse)
P 瞳(Pupille)
S1 第1スキャナ(erster Scanner)
S2 第2スキャナ(zweiter Scanner)
S3 第3スキャナ(dritter Scanner)
zB 中間画像(Zwischenbild)
図1
図2a
図2b
図3
図4a
図4b
図4c
図5a
図5b
図5c
図6
図7
図8
図9
図10
図11