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特許7399197レイヤードディビジョンマルチプレキシングを利用した放送信号送信装置および放送信号送信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】レイヤードディビジョンマルチプレキシングを利用した放送信号送信装置および放送信号送信方法
(51)【国際特許分類】
   H04J 99/00 20090101AFI20231208BHJP
   H04L 27/26 20060101ALI20231208BHJP
   H04H 20/28 20080101ALI20231208BHJP
   H04H 40/18 20080101ALI20231208BHJP
   H03M 13/27 20060101ALI20231208BHJP
   H03M 13/35 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
H04J99/00 100
H04L27/26 114
H04L27/26 111
H04H20/28
H04H40/18
H03M13/27
H03M13/35
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022001654
(22)【出願日】2022-01-07
(62)【分割の表示】P 2020005763の分割
【原出願日】2015-07-03
(65)【公開番号】P2022092621
(43)【公開日】2022-06-22
【審査請求日】2022-02-01
(31)【優先権主張番号】10-2014-0086331
(32)【優先日】2014-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0094861
(32)【優先日】2015-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】596099882
【氏名又は名称】エレクトロニクス アンド テレコミュニケーションズ リサーチ インスチチュート
【氏名又は名称原語表記】ELECTRONICS AND TELECOMMUNICATIONS RESEARCH INSTITUTE
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100096921
【弁理士】
【氏名又は名称】吉元 弘
(72)【発明者】
【氏名】パク、ソン-イク
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ソン-ヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム、チョン-チャン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ジェ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム、フン-ムク
(72)【発明者】
【氏名】フル、ナム-ホ
【審査官】川口 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-527927(JP,A)
【文献】国際公開第2009/011487(WO,A1)
【文献】MONTALBAN Jon et al.,Cloud Transmission: System Performance and Application Scenarios,IEEE Transactions on Broadcasting,Volume: 60, Issue: 2,2014年02月20日,pp.170-184
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04J 99/00
H04L 27/26
H04H 20/28
H04H 40/18
H03M 13/27
H03M 13/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンハンストレイヤ信号のパワーを低減することによって、パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するように構成されたインジェクションレベルコントローラと、
コアレイヤ信号と前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号とを組み合わせることによって、マルチプレキシングされた信号を生成するように構成された結合器と、
前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーレベルに低減するように構成されたパワーノーマライザと、
インターリービングを実行することによって、タイムインターリービングされた信号を生成するように構成されたタイムインターリーバと、
前記タイムインターリービングされた信号とL1シグナリング情報を用いることによって、放送信号フレームを生成するように構成されたフレームビルダと、
前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤと、前記エンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤとによって共有されたパイロット信号を生成するように構成されたOFDM送信機と、
を備え、
前記L1シグナリング情報は、プリアンブル(preamble)内に含まれ、
前記エンハンストレイヤ信号のパワーは、前記インジェクションレベルコントローラによってスケーリングファクターに相応して低減され、前記マルチプレキシングされた信号のパワーは、前記パワーノーマライザによってノーマライジングファクターに相応して低減され、
前記スケーリングファクターは前記エンハンスレイヤ信号に適用され、前記ノーマライジングファクターは前記コアレイヤ信号と前記パワーリデューストエンハンスレイヤ信号の両方に適用され、
前記スケーリングファクターは、前記パワーリデューストエンハンスレイヤ信号に相応するパワー減少が大きいほど減少し、前記ノーマライジングファクターは、前記パワーリデューストエンハンスレイヤ信号に相応するパワー減少が大きいほど増加することを特徴
とする放送信号送信装置。
【請求項2】
前記インジェクションレベルコントローラは、所定の間隔サイズで変化するインジェクションレベルを用いることにより、前記エンハンストレイヤ信号の前記パワーを低減し、
前記所定の間隔サイズは、0.5dBを含むことを特徴とする請求項1に記載の放送信号送信装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送システムで使用される放送信号送/受信技術に関し、特に、2つ以上の信号をマルチプレキシング/デマルチプレキシングして送/受信する放送信号送/受信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
BICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)は帯域-効率的な(bandwidth-efficient)伝送技術で、エラー訂正符号化器(error-correction coder)、ビット単位インターリーバ(bit-by-bit interleaver)および高次数の変調器(modulator)が結合された形態である。
【0003】
BICMは、エラー訂正符号化器としてLDPC(Low-Density Parity Check)符号器またはターボ符号器を用いることにより、簡単な構造で優れた性能を提供することができる。また、BICMは、変調次数(modulation order)とエラー訂正符号の長さおよび符号率などを多様に選択可能なため、高い水準のフレキシビリティ(flexibility)を提供する。この利点のため、BICMは、DVB-T2やDVB-NGHのような放送標準で使用されているだけでなく、他の次世代放送システムでも使用される可能性が高い。
【0004】
複数の多重サービスを同時に支援するためには、多数の信号を混合する過程であるマルチプレキシング(multiplexing)が必要である。このようなマルチプレキシング手法のうち、現在広く使用される手法としては、時間資源を分けて使用するTDM(Time Division Multiplexing)と、周波数資源を分けて使用するFDM(Frequency Division Multiplexing)とがある。すなわち、TDMは、サービスごとに分割された時間を割り当てる方式であり、FDMは、サービスごとに分割された周波数資源を割り当てて使用する手法である。最近は、次世代放送システムに適用可能なTDMおよびFDMより高い水準のフレキシビリティ(flexibility)と優れた性能を提供する新たなマルチプレキシング手法に対する必要性が切実に提起されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、TDM(Time Division Multiplexing)やFDM(Frequency Division Multiplexing)より高い水準のフレキシビリティと優れた性能を提供することができる新たな信号マルチプレキシング技術を提供することである。
【0006】
また、本発明の目的は、次世代放送システムにおいて、多重サービスを同時に支援しながらも、それぞれのサービスが時間と周波数資源を100%使用可能にすることである。
【0007】
さらに、本発明の目的は、2つ以上のレイヤそれぞれに相応する2つ以上の信号それぞれを、互いに異なるパワーレベルで結合して、効率的に信号をマルチプレキシング/デマルチプレキシングすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するための、本発明に係る放送信号送信装置は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)して、マルチプレキシングされた信号を生成する結合器と、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるパワーノーマライザと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成するタイムインターリーバと、前記タイムインターリービングされた信号を用いて、放送信号フレームを生成するフレームビルダと、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤおよび前記エンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成するOFDM送信機とを含む。
【0009】
この時、放送信号送信装置は、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するインジェクションレベルコントローラをさらに含むことができる。この時、結合器は、前記コアレイヤ信号および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成することができる。
【0010】
この時、放送信号送信装置は、前記インジェクションレベルコントローラのインジェクションレベル情報を含む前記L1シグナリング情報を生成するL1シグナリング生成部をさらに含むことができる。
【0011】
この時、放送信号送信装置は、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤBICM部と、前記コアレイヤBICM部と異なるBICMエンコーディングを行うエンハンストレイヤBICM部とをさらに含むことができる。
【0012】
この時、コアレイヤBICM部は、エンハンストレイヤBICM部より低いビット率を有し、コアレイヤBICM部がエンハンストレイヤBICM部よりロバスト(robust)であり得る。
【0013】
この時、パワーノーマライザは、ノーマライジングファクター(normalizing factor)に相応し、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記結合器によって上昇した分だけ低下させることができる。
【0014】
この時、インジェクションレベルコントローラは、スケーリングファクターに相応できる。この時、ノーマライジングファクターおよびスケーリングファクターはそれぞれ、0より大きく、かつ、1より小さい値であり、前記スケーリングファクターは、前記インジェクションレベルコントローラに相応するパワー減少が大きいほど減少し、前記ノーマライジングファクターは、前記インジェクションレベルコントローラに相応するパワー減少が大きいほど増加することができる。
【0015】
この時、インジェクションレベルコントローラは、インジェクションレベルを、3.0dBから10.0dBの間で0.5dBの間隔で変化させることができる。
【0016】
この時、エンハンストレイヤ信号は、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応できる。
【0017】
この時、コアレイヤBICM部は、前記コアレイヤデータをエラー訂正符号化するコアレイヤエラー訂正符号化器と、前記コアレイヤデータに相応するビットインターリービングを行うコアレイヤビットインターリーバと、前記コアレイヤデータに相応するモジュレーションを行うコアレイヤシンボルマッパとを含むことができる。
【0018】
この時、エンハンストレイヤBICM部は、前記エンハンストレイヤデータをエラー訂正符号化するエンハンストレイヤエラー訂正符号化器と、前記エンハンストレイヤデータに相応するビットインターリービングを行うエンハンストレイヤビットインターリーバと、前記エンハンストレイヤデータに相応するモジュレーションを行うエンハンストレイヤシンボルマッパとを含むことができる。
【0019】
この時、エンハンストレイヤエラー訂正符号化器は、コアレイヤエラー訂正符号化器より符号率が高く、エンハンストレイヤシンボルマッパは、コアレイヤシンボルマッパより少なめにロバスト(less robust)であり得る。
【0020】
この時、結合器は、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【0021】
また、本発明の一実施形態に係る放送信号送信方法は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合して、マルチプレキシングされた信号を生成するステップと、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるステップと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成するステップと、前記タイムインターリービングされた信号を用いて、放送信号フレームを生成するステップと、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤおよび前記エンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成するステップとを含む。
【0022】
この時、放送信号送信方法は、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するステップをさらに含むことができる。この時、前記結合するステップは、前記コアレイヤ信号および前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成することができる。
【0023】
この時、放送信号送信方法は、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するステップに相応するインジェクションレベル情報を含むL1シグナリング情報を生成するステップをさらに含むことができる。
【0024】
この時、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを低下させるステップは、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記結合するステップによって上昇した分だけ低下させることができる。
【0025】
この時、前記パワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成するステップは、インジェクションレベルを、3.0dBから10.0dBの間で0.5dBの間隔で変化させることができる。
【0026】
この時、前記結合するステップは、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によれば、TDM(Time Division Multiplexing)やFDM(Frequency Division Multiplexing)より高い水準のフレキシビリティと優れた性能を提供することができる新たな信号マルチプレキシング技術を提供することができる。
【0028】
また、本発明は、次世代放送システムにおいて、多重サービスを同時に支援しながらも、それぞれのサービスが時間と周波数資源を100%使用することができる。
【0029】
さらに、本発明は、2つ以上のレイヤそれぞれに相応する2つ以上の信号それぞれを、互いに異なるパワーレベルで結合して、効率的に信号をマルチプレキシング/デマルチプレキシングすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムを示すブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法を示す動作フローチャートである。
図3】送信パイロット配置の一例を示す図である。
図4図1に示されたOFDM受信機に含まれるチャネル推定部の一例を示すブロック図である。
図5図1に示されたOFDM受信機に含まれるチャネル推定部の他の例を示すブロック図である。
図6図1に示された信号マルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
図7】放送信号フレーム構造の一例を示す図である。
図8図1に示された信号マルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
図9図1に示された信号デマルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
図10図9に示されたコアレイヤBICMデコーダおよびエンハンストレイヤシンボル抽出器の一例を示すブロック図である。
図11図9に示されたコアレイヤBICMデコーダおよびエンハンストレイヤシンボル抽出器の他の例を示すブロック図である。
図12図9に示されたコアレイヤBICMデコーダおよびエンハンストレイヤシンボル抽出器のさらに他の例を示すブロック図である。
図13図1に示された信号デマルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
図14】コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号の結合によるパワー上昇を示す図である。
図15】本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法を示す動作フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明を添付した図面を参照して詳細に説明する。ここで、繰り返される説明、本発明の要旨を不必要にあいまいにし得る公知の機能、および構成に関する詳細な説明は省略する。本発明の実施形態は、当業界における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状および大きさなどは、より明確な説明のために誇張されることがある。
【0032】
以下、本発明に係る好ましい実施形態を添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムを示すブロック図である。
【0034】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムは、放送信号送信装置110と、無線チャネル120と、放送信号受信装置130とを含む。
【0035】
放送信号送信装置110は、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータをマルチプレキシングする信号マルチプレキシング装置111と、OFDM送信機113とを含む。
【0036】
信号マルチプレキシング装置111は、コアレイヤデータに相応するコアレイヤ信号およびエンハンストレイヤデータに相応するエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)し、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、マルチプレキシングされた信号を生成する。この時、信号マルチプレキシング装置111は、タイムインターリービングされた信号およびL1シグナリング情報を用いて、放送信号フレームを生成することができる。この時、放送信号フレームは、ATSC3.0フレームであるとよい。
【0037】
OFDM送信機113は、マルチプレキシングされた信号を、OFDM通信方式を利用してアンテナ117を介して送信し、送信されたOFDM信号が無線チャネル120を介して放送信号受信装置130のアンテナ137を介して受信されるようにする。
【0038】
この時、OFDM送信機1130は、コアレイヤ信号に相応するコアレイヤおよびエンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成することができる。
【0039】
放送信号受信装置130は、FDM受信機133と、信号デマルチプレキシング装置131とを含む。無線チャネル120を介して送信された信号がアンテナ137を介して受信されると、OFDM受信機133は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)過程などによりOFDM信号を受信する。
【0040】
この時、OFDM受信機133は、チャネル推定を行うチャネル推定部を含むことができる。この時、チャネル推定部は、チャネルゲインまたはSNR推定値を信号デマルチプレキシング装置に提供することができる。
【0041】
信号デマルチプレキシング装置131は、OFDM受信機133を介して受信された信号から先にコアレイヤデータを復元し、復元されたコアレイヤデータに相応するキャンセレーション(cancellation)によりエンハンストレイヤデータを復元する。この時、信号デマルチプレキシング装置131は、先に放送信号フレームを生成し、放送信号フレームからL1シグナリング情報を復元した後、L1シグナリング情報をデータ信号の復元に活用することができる。この時、L1シグナリング情報は、インジェクションレベル情報、ノーマライジングファクター情報などを含むことができる。
【0042】
後述するが、図1に示された信号マルチプレキシング装置111は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)して、マルチプレキシングされた信号を生成する結合器と、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるパワーノーマライザと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成するタイムインターリーバと、前記タイムインターリービングされた信号およびL1シグナリング情報を用いて、放送信号フレームを生成するフレームビルダとを含むことができる。この時、図1に示された放送信号送信装置110は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)して、マルチプレキシングされた信号を生成する結合器と、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるパワーノーマライザと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成するタイムインターリーバと、前記タイムインターリービングされた信号を用いて、放送信号フレームを生成するフレームビルダと、前記コアレイヤおよび前記エンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成するOFDM送信機とを含むと考えられる。
【0043】
後述するが、図1に示された信号デマルチプレキシング装置は、受信信号にタイムデインターリービングを適用してタイムデインターリービング信号を生成するタイムデインターリーバと、前記受信信号または前記タイムデインターリービング信号のパワーを、送信機のパワーノーマライザによるパワー減少分だけ高めるデノーマライザと、チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を用いて、前記デノーマライザによってパワー調節された信号からコアレイヤデータを復元するコアレイヤBICMデコーダと、前記コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤFECデコーダの出力信号を用いて、前記デノーマライザによってパワー調節された信号に対する前記コアレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、エンハンストレイヤ信号を抽出するエンハンストレイヤシンボル抽出器と、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高めるデインジェクションレベルコントローラと、前記チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を用いて、前記デインジェクションレベルコントローラの出力信号からエンハンストレイヤデータを復元するエンハンストレイヤBICMデコーダとを含むことができる。この時、図1に示された放送信号受信装置130は、送信された信号に対する同期、チャネル推定および等化のいずれか1つ以上を行って受信信号を生成し、チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を生成するOFDM受信機と、前記受信信号にタイムデインターリービングを適用してタイムデインターリービング信号を生成するタイムデインターリーバと、前記受信信号または前記タイムデインターリービング信号のパワーを、送信機のパワーノーマライザによるパワー減少分だけ高めるデノーマライザと、前記チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を用いて、前記デノーマライザによってパワー調節された信号からコアレイヤデータを復元するコアレイヤBICMデコーダと、前記コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤFECデコーダの出力信号を用いて、前記デノーマライザによってパワー調節された信号に対する前記コアレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、エンハンストレイヤ信号を抽出するエンハンストレイヤシンボル抽出器と、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高めるデインジェクションレベルコントローラと、前記チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を用いて、前記デインジェクションレベルコントローラの出力信号からエンハンストレイヤデータを復元するエンハンストレイヤBICMデコーダとを含むと考えられる。
【0044】
図1には明示的に示されていないが、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信システムは、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータ以外にも、1つ以上の拡張レイヤデータをマルチプレキシング/デマルチプレキシングすることができる。この時、拡張レイヤデータは、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータより低いパワーレベルでマルチプレキシングされる。さらに、2つ以上の拡張レイヤが含まれる場合、1番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルより2番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルが低く、2番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルより3番目の拡張レイヤのインジェクションパワーレベルが低いとよい。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法を示す動作フローチャートである。
【0046】
図2を参照すれば、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合してマルチプレキシングする(S210)。
【0047】
この時、ステップS210により生成されるマルチプレキシングされた信号は、データ信号とL1シグナリング情報を含むことができる。この時、L1シグナリング情報は、インジェクションレベル情報およびノーマライジングファクター情報を含むことができる。
【0048】
また、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、マルチプレキシングされた信号をOFDM送信する(S220)。
【0049】
この時、ステップS220は、コアレイヤおよびエンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成することができる。
【0050】
さらに、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、送信された信号をOFDM受信する(S230)。
【0051】
この時、ステップS230は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)過程などを行うことができる。
【0052】
この時、ステップS230は、チャネルゲインまたはSNR推定値のいずれか1つ以上を生成することができる。
【0053】
また、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、受信された信号からコアレイヤデータを復元する(S240)。
【0054】
さらに、本発明の一実施形態に係る放送信号送/受信方法は、コアレイヤ信号のキャンセレーションによりエンハンストレイヤデータを復元する(S250)。
【0055】
特に、図2に示されたステップS240およびステップS250は、ステップS210に相応するデマルチプレキシング動作に相当するものであるとよい。
【0056】
後述するが、図2に示されたステップS210は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合して、マルチプレキシングされた信号を生成するステップと、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるステップと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成するステップと、前記タイムインターリービングされた信号を用いて、放送信号フレームを生成するステップとを含むことができる。
【0057】
この時、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤおよび前記エンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤは、パイロット信号を共有することができる。
【0058】
この時、ステップS210の放送信号送信方法は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合して、マルチプレキシングされた信号を生成するステップと、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号に相応するパワーに低下させるステップと、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成するステップと、前記タイムインターリービングされた信号を用いて、放送信号フレームを生成するステップと、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤおよび前記エンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成するステップとを含むと考えられる。
【0059】
後述するが、図2に示されたステップS240、S250は、受信信号にタイムデインターリービングを適用してタイムデインターリービング信号を生成するステップと、前記受信信号または前記タイムデインターリービング信号のパワーを、送信機のパワーノーマライザによるパワー減少分だけ高めるステップと、チャネルゲインまたはSNR推定値を用いて、前記パワー調節された信号からコアレイヤデータを復元するステップと、前記パワー調節された信号に対する前記コアレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、エンハンストレイヤ信号を抽出するステップと、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高めるステップと、チャネルゲインまたはSNR推定値を用いて、パワー調節された前記エンハンストレイヤ信号からエンハンストレイヤデータを復元するステップとを含むことができる。この時、本発明の一実施形態に係る放送信号受信方法は、送信された信号に対する同期、チャネル推定および等化のいずれか1つ以上を行って受信信号を生成し、チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を生成するステップと、前記受信信号にタイムデインターリービングを適用してタイムデインターリービング信号を生成するステップと、前記受信信号または前記タイムデインターリービング信号のパワーを、送信機のパワーノーマライザによるパワー減少分だけ高めるステップと、前記チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を用いて、前記パワー調節された信号からコアレイヤデータを復元するステップと、前記パワー調節された信号に対する前記コアレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、エンハンストレイヤ信号を抽出するステップと、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高めるステップと、前記チャネルゲインおよびSNR推定値のいずれか1つ以上を用いて、パワー調節された前記エンハンストレイヤ信号からエンハンストレイヤデータを復元するステップとを含むと考えられる。
【0060】
図3は、送信パイロット配置の一例を示す図である。
【0061】
図3を参照すれば、LDM(Layered Division Multiplexing)基盤の放送システムにおいて、送信機は、受信機のチャネル推定(channel estimation)のために副搬送波(subcarrier)に送信パイロット信号を割り当てることが分かる。
【0062】
この時、図1に示されたOFDM送信機によって予め定められた副搬送波にパイロット信号が割り当てられる。
【0063】
図3に示された例において、データ副搬送波にはLDM信号が割り当てられ、パイロット副搬送波には1つのパイロット信号が割り当てされる。すなわち、コアレイヤとエンハンストレイヤは、同一のパイロット信号を共有する。
【0064】
パイロット信号は、時間および周波数領域で一定間隔(時間間隔および周波数間隔)を有する副搬送波の位置に割り当てられる。あるいは、パイロット信号は、時間および周波数領域で予め定められた時間または周波数の位置に連続的に割り当てられてもよい。
【0065】
この時、パイロット信号に用いられる副搬送波の位置は予め決定され、送信機と受信機で共有される。
【0066】
図4は、図1に示されたOFDM受信機に含まれるチャネル推定部の一例を示すブロック図である。
【0067】
図4を参照すれば、チャネル推定部は、パイロット抽出器41と、インターポレータ43と、移動平均フィルタ45と、タイムデインターリーバ47とを含む。
【0068】
パイロット抽出器41は、受信信号に対するFFT出力を受信して、パイロット副搬送波に相当する信号値を抽出した後、当該パイロット副搬送波に対するチャネル利得を計算する。
【0069】
この時、パイロット副搬送波に対するチャネル利得は、送受信機の間で予め定められたパイロット信号に基づき、最小スクエア(least square;LS)方法を利用して推定される。
【0070】
パイロット副搬送波に相当するチャネル利得を得た後、インターポレータ43は、データ副搬送波に相当するチャネル利得を推正するために、パイロット副搬送波に相当するチャネル利得値を用いたインターポレーションを行う。
【0071】
この時、インターポレーションは、線形インターポレーション(linear interpolation)、MMSE(minimum mean square error)方法、FFT基盤のインターポレーションなど多様な方法が適用可能である。また、FFT基盤のインターポレーションの適用時、仮想パイロット(virtual pilot)方法、タイムウィンドウイング(time windowing)方法など多様な手法が追加的に適用されてもよい。
【0072】
インターポレーションにより推定されたチャネル利得値は、移動平均フィルタ45によって一定時間平均される。チャネル利得値を平均することで、ノイズの影響が減少する。
【0073】
この時、移動平均フィルタ(moving average filter)45が平均を取る時間の長さは、固定させるか、受信機の動作チャネル環境に応じて異なって設定してもよい。
【0074】
移動平均フィルタ45の出力値は、コアレイヤおよびエンハンストレイヤのBICMデコーダのシンボルデマッパに入力される前にタイムデインターリーバ47を通過する。チャネル利得に適用されるタイムデインターリーバは、データシンボルに適用されるタイムデインターリーバと同一であってよい。
【0075】
最終的に推定されたチャネル利得値は、図9で後述するコアレイヤBICMデコーダおよびエンハンストレイヤBICMデコーダのシンボルデマッパに入力される。後述するが、チャネル利得値は、拡張レイヤBICMデコーダのシンボルデマッパにも入力される。
【0076】
図5は、図1に示されたOFDM受信機に含まれるチャネル推定部の他の例を示すブロック図である。
【0077】
図5を参照すれば、チャネル推定部は、パイロット抽出器41と、インターポレータ43と、移動平均フィルタ45と、チャネル補償器51と、SNR推定器(SNR estimator)55とを含む。
【0078】
図5に示されたチャネル推定部が用いられる場合、BICMのシンボルデマッパの入力は、チャネル利得でなく、各レイヤのSNR推定値であるとよい。
【0079】
図5に示されたパイロット抽出器41、インターポレータ43および移動平均フィルタ45については、すでに図4を通じて説明した通りである。
【0080】
図5に示されたチャネル補償器51は、推定されたチャネル利得値を用いて受信データ信号を補償することにより、受信データ信号を等化することができる。この時、チャネル補償器51は、推定されたチャネル利得値で受信データ信号を分けることにより、チャネル利得を補償することができる。
【0081】
チャネル補償された出力は、後述する図9のタイムデインターリーバに提供される。
【0082】
図5のように受信データ信号を等化する場合、コアレイヤBICMおよびエンハンストレイヤBICMのシンボルデマッパでは、LLR計算のために信号のSNR値を必要とする。
【0083】
図5に示されたSNR推定器55は、受信信号のFFT出力値から各レイヤに相当するSNRを計算して、各レイヤのシンボルデマッパに提供する。
【0084】
コアレイヤは、ノイズだけでなく、エンハンストレイヤを干渉信号として含んでいるので、コアレイヤのSNRは、(コアレイヤ信号)対(干渉およびノイズの比率)として計算される。
【0085】
また、エンハンストレイヤBICMの場合、コアレイヤ信号が除去された後、復調が行われるので、エンハンストレイヤのSNRは、挿入レベルを考慮して、(エンハンストレイヤ信号)対(ノイズ)の比として計算される。
【0086】
SNR推定器55は、推定されたSNR値に対して隣接した副搬送波または時間区間に対して同一のSNR値が割り当てられるようにグルーピングを行ってもよい。
【0087】
図6は、図1に示された信号マルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
【0088】
図6を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤBICM部310と、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330と、結合器340と、パワーノーマライザ345と、タイムインターリーバ350と、L1シグナリング生成部360と、フレームビルダ370とを含むことができる。
【0089】
一般的に、BICM(Bit-Interleaved Coded Modulation)装置は、エラー訂正符号化器と、ビットインターリーバと、シンボルマッパとから構成され、図6に示されたコアレイヤBICM部310およびエンハンストレイヤBICM部320もそれぞれ、エラー訂正符号化器と、ビットインターリーバと、シンボルマッパとを含むことができる。特に、図6に示されたエラー訂正符号化器(CORE LAYER FEC ENCODER、ENHANCED LAYER FEC ENCODER)はそれぞれ、BCHエンコーダおよびLDPCエンコーダが直列に結合されたものであるとよい。この時、エラー訂正符号化器の入力はBCHエンコーダに入力され、BCHエンコーダの出力はLDPCエンコーダに入力され、LDPCエンコーダの出力はエラー訂正符号化器の出力になるとよい。
【0090】
図6に示されているように、コアレイヤデータ(Core Layer data)およびエンハンストレイヤデータ(Enhanced Layer data)はそれぞれ、互いに異なるBICM部を通過した後、結合器340を介して合わされる。すなわち、本発明において、レイヤードディビジョンマルチプレキシング(Layered Division Multiplexing;LDM)とは、多数の階層をパワーの差を利用して1つに結合して送信することを意味することができる。
【0091】
すなわち、コアレイヤデータはコアレイヤBICM部310を通過し、エンハンストレイヤデータはエンハンストレイヤBICM部320を通過した後、インジェクションレベルコントローラ330を経て結合器340で結合される。この時、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310とは異なるBICMエンコーディングを行うことができる。すなわち、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310より高いビット率に相応するエラー訂正符号化やシンボルマッピングを行うことができる。また、エンハンストレイヤBICM部320は、コアレイヤBICM部310より少なめにロバスト(less robust)なエラー訂正符号化やシンボルマッピングを行うことができる。
【0092】
例えば、コアレイヤエラー訂正符号化器およびコアレイヤシンボルマッパの組み合わせは、エンハンストレイヤエラー訂正符号化器およびエンハンストレイヤシンボルマッパの組み合わせよりもロバストであり得る。
【0093】
この時、コアレイヤエラー訂正符号化器が、エンハンストレイヤエラー訂正符号化器より符号率が低いとよい。この時、エンハンストレイヤシンボルマッパは、コアレイヤシンボルマッパより少なめにロバスト(less robust)であり得る。
【0094】
結合器340は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合(combine)すると考えられる。実施形態によって、パワーレベルの調節は、エンハンストレイヤ信号でないコアレイヤ信号に対して行われてもよい。この時、コアレイヤ信号に対するパワーは、エンハンストレイヤ信号のパワーより大きくなるように調節される。
【0095】
コアレイヤデータは、ロバスト(robust)な受信のために低い符号率(low code rate)のFEC(Forward error correction)コードを用いるのに対し、エンハンストレイヤデータは、高いデータ伝送率のために高い符号率のFECコードを用いることができる。
【0096】
すなわち、コアレイヤデータは、エンハンストレイヤデータと比較して、同一の受信環境でより広い放送区域(coverage)を有することができる。
【0097】
エンハンストレイヤBICM部320を通過したエンハンストレイヤデータは、インジェクションレベルコントローラ330を介してそのゲイン(またはパワー)が調節され、結合器340によってコアレイヤデータと結合される。
【0098】
すなわち、インジェクションレベルコントローラ330は、エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成する。この時、インジェクションレベルコントローラ330で調節される信号の大きさは、インジェクションレベル(injection level)に応じて決定可能である。この時、信号Aに信号Bを挿入する場合のインジェクションレベルは、下記数学式1のように定義される。
【数1】
【0099】
例えば、コアレイヤ信号にエンハンストレイヤ信号を挿入する時、インジェクションレベルを3dBとと仮定すれば、エンハンストレイヤ信号は、コアレイヤ信号の半分に相当するパワーの大きさを有することを意味する。
【0100】
この時、インジェクションレベルコントローラ330は、エンハンストレイヤ信号のパワーレベルを、3.0dBから10.0dBまで0.5dBの間隔で調節することができる。
【0101】
一般的に、コアレイヤに割り当てられる伝送パワーが、エンハンストレイヤに割り当てられる伝送パワーに比べて大きく割り当てられ、これにより、受信機でコアレイヤに対する優先的な復号が可能である。
【0102】
この時、結合器340は、コアレイヤ信号およびパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成すると考えられる。
【0103】
結合器340によって結合された信号は、コアレイヤ信号とエンハンストレイヤ信号との結合によって発生したパワー上昇分だけパワーを低下させるために、パワーノーマライザ345に提供されてパワー調節が行われる。すなわち、パワーノーマライザ345は、結合器340によってマルチプレキシングされた信号のパワーを、コアレイヤ信号に相応するパワーレベルに低下させる。結合された信号のレベルが1レイヤ信号のレベルより高いため、放送信号送/受信システムの残りの部分で振幅クリッピング(amplitude clipping)などを防止するために、パワーノーマライザ345のパワーノーマライジングが必要である。
【0104】
この時、パワーノーマライザ345は、下記数式2のノーマライジングファクター(normalizing factor)を、結合された信号の大きさに乗算して、適当な信号の大きさに調節することができる。下記数式2を計算するためのインジェクションレベル情報は、シグナリングフロー(signaling flow)によりパワーノーマライザ345に伝達される。
【数2】
【0105】
エンハンストレイヤ信号Sがコアレイヤ信号Sに予め設定されたインジェクションレベルによってインジェクションされる時、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号のパワーレベルが1にノーマライズされると仮定すれば、結合信号は
【数3】
のように表現される。
【0106】
この時、αは、多様なインジェクションレベルに相応するスケーリングファクター(scaling factor)を表す。すなわち、インジェクションレベルコントローラ330は、スケーリングファクターに相応するものであるとよい。
【0107】
例えば、エンハンストレイヤのインジェクションレベルが3dBであれば、結合された信号は
【数4】
のように表現される。
【0108】
結合された(combined)信号(マルチプレキシングされた信号)のパワーが、コアレイヤ信号と比較して増加したため、パワーノーマライザ345は、このようなパワー増加を緩和(mitigate)させなければならない。
【0109】
パワーノーマライザ345の出力は
【数5】
のように表現される。
【0110】
この時、βは、エンハンストレイヤの多様なインジェクションレベルに応じたノーマライジングファクター(normalizing factor)を表す。
【0111】
エンハンストレイヤのインジェクションレベルが3dBの場合、コアレイヤ信号対比、結合信号のパワー増加は50%である。したがって、パワーノーマライザ345の出力は
【数6】
のように表現される。
【0112】
下記表1は、多様なインジェクションレベルに応じたスケーリングファクターαとノーマライジングファクターβを表す(CL:Core Layer、EL:Enhanced Layer)。インジェクションレベルとスケーリングファクターαおよびノーマライジングファクターβとの関係は、下記のように定義される。
【数7】
【表1】
【0113】
すなわち、パワーノーマライザ345は、ノーマライジングファクター(normalizing factor)に相応し、マルチプレキシングされた信号のパワーを、結合器340によって上昇した分だけ低下させると考えられる。
【0114】
この時、ノーマライジングファクターおよびスケーリングファクターはそれぞれ、0より大きく、かつ、1より小さい有理数であるとよい。
【0115】
この時、スケーリングファクターは、インジェクションレベルコントローラ330に相応するパワー減少が大きいほど減少し、ノーマライジングファクターは、インジェクションレベルコントローラ330に相応するパワー減少が大きいほど増加することができる。
【0116】
パワーノーマライジングされた信号は、チャネルで発生するバーストエラー(burst error)を分散させるためのタイムインターリーバ(time interleaver)350を通過する。
【0117】
この時、タイムインターリーバ350は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるインターリービングを行うと考えられる。すなわち、コアレイヤとエンハンストレイヤがタイムインターリーバを共有することで不必要なメモリの使用を防止し、受信機におけるレイテンシーを低減することができる。
【0118】
後述するが、エンハンストレイヤ信号は、コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応するものであるとよく、結合器340は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【0119】
一方、インジェクションレベル情報を含むL1シグナリング情報は、シグナリング専用のBICMを含むL1シグナリング生成部360で符号化される。この時、L1シグナリング生成部360は、インジェクションレベルコントローラ330からインジェクションレベル情報IL INFOを受信して、L1シグナリング信号を生成することができる。
【0120】
L1シグナリングにおいて、L1は、ISO7レイヤモデルの最下位レイヤ(lowest layer)のレイヤ1(Layer-1)を表す。この時、L1シグナリングは、プリアンブル(preamble)に含まれてもよい。
【0121】
一般的に、L1シグナリングは、OFDM送信機の主要パラメータであるFFTサイズ、ガードインターバルサイズ(guard interval size)などと、BICMの主要パラメータであるチャネルコードレート(channel code rate)、モジュレーション情報などを含むことができる。このようなL1シグナリング信号はデータ信号と結合して、放送信号フレームを構成する。
【0122】
フレームビルダ370は、L1シグナリング信号とデータ信号とを結合して、放送信号フレームを生成する。
【0123】
図6には示されていないが、フレームビルダ370の出力信号は、OFDM送信機に提供される。
【0124】
この時、OFDM送信機は、コアレイヤおよびエンハンストレイヤが共有するパイロット信号を生成することができる。
【0125】
放送信号フレームは、マルチパス(multi-path)およびドップラー(Doppler)にロバストなOFDM送信機を経て送信される。この時、OFDM送信機は、次世代放送システムの送信信号の生成を担当すると考えられる。
【0126】
図7は、放送信号フレーム構造の一例を示す図である。
【0127】
図7を参照すれば、放送信号フレームは、L1シグナリング信号およびデータ信号を含む。例えば、放送信号フレームは、ATSC3.0フレームであるとよい。
【0128】
図8は、図1に示された信号マルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
【0129】
図8を参照すれば、信号マルチプレキシング装置が、コアレイヤデータおよびエンハンストレイヤデータ以外にも、N個(Nは1以上の自然数)の拡張レイヤ(Extension Layers)に相応するデータをともにマルチプレキシングすることが分かる。
【0130】
すなわち、図8に示された信号マルチプレキシング装置は、コアレイヤBICM部310、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330、結合器340、パワーノーマライザ345、タイムインターリーバ350、L1シグナリング生成部360およびフレームビルダ370以外にも、N個の拡張レイヤBICM部410,...,430およびインジェクションレベルコントローラ440,...,460を含む。
【0131】
図8に示されたコアレイヤBICM部310、エンハンストレイヤBICM部320、インジェクションレベルコントローラ330、結合器340、パワーノーマライザ345、タイムインターリーバ350、L1シグナリング生成部360およびフレームビルダ370については、図6を通じてすでに詳細に説明した。
【0132】
N個の拡張レイヤBICM部410,...,430は、それぞれ独立してBICMエンコーディングを行い、インジェクションレベルコントローラ440,...,460は、それぞれの拡張レイヤに相応するパワーリデューシングを行い、パワーリデューシングされた拡張レイヤ信号が結合器340を介して他のレイヤ信号と結合されるようにする。
【0133】
この時、拡張レイヤBICM部410,...,430それぞれのエラー訂正符号化器は、BCHエンコーダとLDPCエンコーダとが直列連結されたものであるとよい。
【0134】
特に、インジェクションレベルコントローラ440,...,460それぞれに相応するパワー減少は、インジェクションレベルコントローラ330のパワー減少より大きいことが好ましい。すなわち、図8に示されたインジェクションレベルコントローラ330,440,...,460は、下へ向かうほど大きなパワー減少に相応できる。
【0135】
図8に示されたインジェクションレベルコントローラ330,440,460から提供されたインジェクションレベル情報は、L1シグナリング生成部360を経てフレームビルダ370の放送信号フレームに含まれて、受信機に送信される。すなわち、各階層のインジェクションレベルはL1シグナリング情報に盛り込まれて、受信機に伝達される。
【0136】
図8には示されていないが、フレームビルダ370の出力信号は、OFDM送信機に提供される。
【0137】
この時、OFDM送信機は、コアレイヤ、エンハンストレイヤおよび拡張レイヤが共有するパイロット信号を生成することができる。
【0138】
本発明において、パワー調節は、入力信号のパワーを増加または減少させるものであってもよく、入力信号のゲインを増加または減少させるものであってもよい。
【0139】
パワーノーマライザ345は、結合器340によって複数のレイヤ信号が結合されることからもたらされるパワー増加を緩和(mitigate)させる。
【0140】
図8に示された例において、パワーノーマライザ345は、下記数式4を用いて、ノーマライジングファクターを、各階層(layer)の信号が結合された信号の大きさに乗算して、適当な信号の大きさに信号パワーを調節することができる。
【数8】
【0141】
タイムインターリーバ350は、結合器340によって結合された信号に対するインターリービングを行うことにより、レイヤの信号にともに適用されるインターリービングを行う。
【0142】
図9は、図1に示された信号デマルチプレキシング装置の一例を示すブロック図である。
【0143】
図9を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング装置は、タイムデインターリーバ510と、デノーマライザ1010と、コアレイヤBICMデコーダ520と、エンハンストレイヤシンボル抽出器530と、デインジェクションレベルコントローラ1020と、エンハンストレイヤBICMデコーダ540とを含む。
【0144】
この時、図9に示された信号デマルチプレキシング装置は、図6に示された信号マルチプレキシング装置に相応するものであるとよい。
【0145】
タイムデインターリーバ510は、OFDM受信機から受信信号を受信してもよく、図5に示されたチャネル補償器によってチャネル補償された出力を受信してもよい。
【0146】
タイムデインターリーバ510は、時間/周波数同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)などの動作を行うOFDM受信機から受信信号を受信し、チャネルで発生したバーストエラー(burst error)の分散に関する動作を行う。この時、L1シグナリング情報は、OFDM受信機で優先的に復号されて、データの復号に活用できる。特に、L1シグナリング情報のうち、インジェクションレベル情報は、デノーマライザ1010とデインジェクションレベルコントローラ1020に伝達される。この時、OFDM受信機は、受信信号を放送信号フレーム(例えば、ATSC3.0フレーム)の形態で復号化した後、フレームのデータシンボル部分を抽出してタイムデインターリーバ510に提供することができる。すなわち、タイムデインターリーバ510は、データシンボルを通過させながら逆インターリービング過程を行い、チャネルで発生したバーストエラーを分散させる。
【0147】
デノーマライザ1010は、送信機のパワーノーマライザに相応するもので、パワーノーマライザで減少させた分だけパワーを高める。すなわち、デノーマライザ1010は、受信信号を上記数式2のノーマライジングファクターで割る。
【0148】
図9に示された例において、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の出力信号のパワーを調節するものとして示されたが、実施形態によって、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前に位置し、インターリービングされる前にパワー調節が行われるようにしてもよい。
【0149】
すなわち、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前または後に位置し、コアレイヤシンボルデマッパのLLR計算などのために信号の大きさを増幅すると考えられる。
【0150】
タイムデインターリーバ510の出力(またはデノーマライザ1010の出力)は、コアレイヤBICMデコーダ520に提供され、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤデータを復元する。
【0151】
この時、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤエラー訂正復号化器とを含む。コアレイヤシンボルデマッパは、シンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、コアレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0152】
この時、コアレイヤシンボルデマッパは、予め定められた星状図を用いてビットごとにLLR値を計算することができる。この時、コアレイヤシンボルマッパで用いる星状図は、送信機で用いられるコードレートとモジュレーション次数(modulation order)との組み合わせによって異なっていてよい。
【0153】
この時、コアレイヤシンボルデマッパは、OFDM受信機からチャネルゲインまたはSNR推定値を受信することができる。
【0154】
この時、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値に対してLDPCコードワード単位で逆インターリービングを行うことができる。
【0155】
特に、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをコアレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットをエンハンストレイヤシンボル抽出器530に出力することができる。
【0156】
コアレイヤエラー訂正復号化器は、コアレイヤLDPC復号化器とコアレイヤBCH復号化器とが直列連結された形態であるとよい。すなわち、コアレイヤエラー訂正復号化器の入力がコアレイヤLDPC復号化器に入力され、コアレイヤLDPC復号化器の出力がコアレイヤBCH復号化器に入力され、コアレイヤBCH復号化器の出力がコアレイヤエラー訂正復号化器の出力になるとよい。この時、LDPC復号化器は、LDPC復号を行い、BCH復号化器は、BCH復号を行う。
【0157】
さらに、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器も、エンハンストレイヤLDPC復号化器とエンハンストレイヤBCH復号化器とが直列連結された形態であるとよい。すなわち、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器の入力がエンハンストレイヤLDPC復号化器に入力され、エンハンストレイヤLDPC復号化器の出力がエンハンストレイヤBCH復号化器に入力され、エンハンストレイヤBCH復号化器の出力がエンハンストレイヤエラー訂正復号化器の出力になるとよい。
【0158】
エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受けて、タイムデインターリーバ510またはデノーマライザ1010の出力信号からエンハンストレイヤシンボルを抽出することができる。実施形態によって、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のエラー訂正復号化器から全体ビットを受けるのではなく、LDPCの情報ビット(information bits)を受けたり、BCH情報ビットを受けることができる。
【0159】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、バッファと、減算器(subtracter)と、コアレイヤシンボルマッパと、コアレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、タイムデインターリーバ510またはデノーマライザ1010の出力信号を格納する。コアレイヤビットインターリーバは、コアレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のコアレイヤビットインターリービングを行う。コアレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のコアレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からコアレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、エンハンストレイヤシンボルを取得し、これをデインジェクションレベルコントローラ1020に伝達する。特に、LDPC情報ビットを受信する場合、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤLDPCエンコーダをさらに含むことができる。また、BCH情報ビットを受信する場合、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤLDPCエンコーダだけでなく、コアレイヤBCHエンコーダをさらに含むことができる。
【0160】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530に含まれるコアレイヤLDPCエンコーダ、コアレイヤBCHエンコーダ、コアレイヤビットインターリーバおよびコアレイヤシンボルマッパは、図6を通じて説明したコアレイヤのLDPCエンコーダ、BCHエンコーダ、ビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0161】
デインジェクションレベルコントローラ1020は、エンハンストレイヤシンボルを受信して、送信機のインジェクションレベルコントローラによって低下したパワーだけパワーを増加させる。すなわち、デインジェクションレベルコントローラ1020は、入力信号を増幅してエンハンストレイヤBICMデコーダ540に提供する。例えば、送信機でエンハンストレイヤ信号のパワーをコアレイヤ信号のパワーより3dB小さく結合したならば、デインジェクションレベルコントローラ1020は、入力信号のパワーを3dB増加させる役割を果たす。
【0162】
この時、デインジェクションレベルコントローラ1020は、OFDM受信機からインジェクションレベル情報を受信して、抽出されたエンハンストレイヤ信号に下記数式5のエンハンストレイヤゲインを乗算すると考えられる。
【数9】
【0163】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、デインジェクションレベルコントローラ1020によってパワーが上昇したエンハンストレイヤシンボルを受信して、エンハンストレイヤデータを復元する。
【0164】
この時、エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルデマッパと、エンハンストレイヤビットデインターリーバと、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。エンハンストレイヤシンボルデマッパは、エンハンストレイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、エンハンストレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0165】
この時、エンハンストレイヤシンボルデマッパは、OFDM受信機からチャネルゲインまたはSNR推定値を受信することができる。
【0166】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、コアレイヤBICMデコーダ520と類似の作業を行うが、一般的に、エンハンストレイヤLDPCデコーダは、6/15以上のコードレートに対するLDPC復号を行う。
【0167】
例えば、コアレイヤは、5/15以下のコードレートを有するLDPCコードを用い、エンハンストレイヤは、6/15以上のコードレートを有するLDPCコードを用いることができる。この時、エンハンストレイヤデータの復号が可能な受信環境では、コアレイヤデータは、少数のLDPCデコーディングイテレーション(iteration)だけでも復号が可能である。このような性質を利用すれば、受信機ハードウェアは、1つのLDPCデコーダをコアレイヤとエンハンストレイヤが共有して、ハードウェアの実現時に発生する費用を軽減することができる。この時、コアレイヤLDPCデコーダは、若干の時間資源(LDPCデコーディングイテレーション)のみを使用し、大部分の時間資源をエンハンストレイヤLDPCデコーダが使用することができる。
【0168】
図9に示された信号デマルチプレキシング装置は、先にコアレイヤデータを復元し、受信信号シンボルからコアレイヤシンボルをキャンセレーション(cancellation)してエンハンストレイヤシンボルのみを残した後、エンハンストレイヤシンボルのパワーを増加させてエンハンストレイヤデータを復元する。図6および図5を通じてすでに説明したように、それぞれのレイヤに相応する信号が互いに異なるパワーレベルで結合されるので、最も強いパワーで結合された信号から復元されてこそ、最もエラーの少ないデータ復元が可能である。
【0169】
結局、図9に示された例において、信号デマルチプレキシング装置は、受信信号にタイムデインターリービングを適用してタイムデインターリービング信号を生成するタイムデインターリーバ510と、前記受信信号または前記タイムデインターリービング信号のパワーを、送信機のパワーノーマライザによるパワー減少分だけ高めるデノーマライザ1010と、前記デノーマライザ1010によってパワー調節された信号からコアレイヤデータを復元するコアレイヤBICMデコーダ520と、前記コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤFECデコーダの出力信号を用いて、前記デノーマライザ1010によってパワー調節された信号に対する前記コアレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、エンハンストレイヤ信号を抽出するエンハンストレイヤシンボル抽出器530と、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高めるデインジェクションレベルコントローラ1020と、前記デインジェクションレベルコントローラ1020の出力信号を用いて、エンハンストレイヤデータを復元するエンハンストレイヤBICMデコーダ540とを含むことができる。
【0170】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器は、前記コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤLDPCデコーダから全体コードワードを受信し、前記全体コードワードを直ちにビットインターリービングすることができる。
【0171】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器は、前記コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤLDPCデコーダから情報ビットを受信し、前記情報ビットをコアレイヤLDPCエンコーディングした後、ビットインターリービングを行うことができる。
【0172】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器は、前記コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤBCHデコーダから情報ビットを受信し、前記情報ビットをコアレイヤBCHエンコーディングおよびコアレイヤLDPCエンコーディングした後、ビットインターリービングを行うことができる。
【0173】
この時、前記デノーマライザおよび前記デインジェクションレベルコントローラは、L1シグナリングに基づいて提供されたインジェクションレベル情報IL INFOを受信し、前記インジェクションレベル情報に基づいてパワーコントロールを行うことができる。
【0174】
この時、前記コアレイヤBICMデコーダは、前記エンハンストレイヤBICMデコーダより低い符号率に相応し、前記エンハンストレイヤBICMデコーダよりロバスト(robust)であり得る。
【0175】
この時、前記デノーマライザは、ノーマライジングファクターの逆数に相応できる。
【0176】
この時、前記デインジェクションレベルコントローラは、スケーリングファクターの逆数に相応できる。
【0177】
この時、エンハンストレイヤデータは、コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーションに基づいて復元される。
【0178】
この時、信号デマルチプレキシング装置は、前のレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、拡張レイヤ信号を抽出する1つ以上の拡張レイヤシンボル抽出器と、前記拡張レイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高める1つ以上のデインジェクションレベルコントローラと、前記1つ以上のデインジェクションレベルコントローラの出力信号を用いて1つ以上の拡張レイヤデータを復元する1つ以上の拡張レイヤBICMデコーダとをさらに含むことができる。
【0179】
図9に示された構成により、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング方法は、受信信号にタイムデインターリービングを適用してタイムデインターリービング信号を生成するステップと、前記受信信号または前記タイムデインターリービング信号のパワーを、送信機のパワーノーマライザによるパワー減少分だけ高めるステップと、前記パワー調節された信号からコアレイヤデータを復元するステップと、前記パワー調節された信号に対する前記コアレイヤデータに相応するキャンセレーションを行い、エンハンストレイヤ信号を抽出するステップと、前記エンハンストレイヤ信号のパワーを、送信機のインジェクションレベルコントローラのパワー減少分だけ高めるステップと、パワー調節された前記エンハンストレイヤ信号を用いてエンハンストレイヤデータを復元するステップとを含むことが分かる。
【0180】
この時、エンハンストレイヤ信号を抽出するステップは、コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤLDPCデコーダから全体コードワードを受信し、前記全体コードワードを直ちにビットインターリービングすることができる。
【0181】
この時、エンハンストレイヤ信号を抽出するステップは、コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤLDPCデコーダから情報ビットを受信し、前記情報ビットをコアレイヤLDPCエンコーディングした後、ビットインターリービングを行うことができる。
【0182】
この時、エンハンストレイヤ信号を抽出するステップは、コアレイヤBICMデコーダのコアレイヤBCHデコーダから情報ビットを受信し、前記情報ビットをコアレイヤBCHエンコーディングおよびコアレイヤLDPCエンコーディングした後、ビットインターリービングを行うことができる。
【0183】
図10は、図9に示されたコアレイヤBICMデコーダ520およびエンハンストレイヤシンボル抽出器530の一例を示すブロック図である。
【0184】
図10を参照すれば、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤLDPCデコーダと、コアレイヤBCHデコーダとを含む。
【0185】
すなわち、図10に示された例において、コアレイヤエラー訂正復号化器は、コアレイヤLDPCデコーダと、コアレイヤBCHデコーダとを含む。
【0186】
また、図10に示された例において、コアレイヤLDPCデコーダは、パリティビットが含まれた全体コードワード(whole codeword)をエンハンストレイヤシンボル抽出器530に提供する。すなわち、一般的に、LDPCデコーダは、全体LDPCコードワードの中で情報ビット(information bits)のみを出力するが、全体コードワードを出力することも可能である。
【0187】
この場合、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、別途にコアレイヤLDPCエンコーダやコアレイヤBCHエンコーダを備える必要がなく実現が簡単であるが、LDPCコードのパリティ部分に残留エラーが残っている可能性が存在する。
【0188】
図11は、図9に示されたコアレイヤBICMデコーダ520およびエンハンストレイヤシンボル抽出器530の他の例を示すブロック図である。
【0189】
図11を参照すれば、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤLDPCデコーダと、コアレイヤBCHデコーダとを含む。
【0190】
すなわち、図11に示された例において、コアレイヤエラー訂正復号化器は、コアレイヤLDPCデコーダと、コアレイヤBCHデコーダとを含む。
【0191】
また、図11に示された例において、コアレイヤLDPCデコーダは、パリティビットが含まれていない情報ビット(information bits)をエンハンストレイヤシンボル抽出器530に提供する。
【0192】
この場合、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、別途にコアレイヤBCHエンコーダを備える必要がないが、コアレイヤLDPCエンコーダを含まなければならない。
【0193】
図11に示された例は、図10に示された例に比べてLDPCコードのパリティ部分に残り得る残留エラーを除去することができる。
【0194】
図12は、図9に示されたコアレイヤBICMデコーダ520およびエンハンストレイヤシンボル抽出器530のさらに他の例を示すブロック図である。
【0195】
図12を参照すれば、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤLDPCデコーダと、コアレイヤBCHデコーダとを含む。
【0196】
すなわち、図12に示された例において、コアレイヤエラー訂正復号化器は、コアレイヤLDPCデコーダと、コアレイヤBCHデコーダとを含む。
【0197】
図12に示された例においては、コアレイヤデータに相当するコアレイヤBCHデコーダの出力をエンハンストレイヤシンボル抽出器530に提供する。
【0198】
この場合、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤLDPCエンコーダおよびコアレイヤBCHエンコーダをすべて含まなければならないので複雑度が高いが、図10および図11の例と比較して最も高い性能を保障する。
【0199】
図13は、図1に示された信号デマルチプレキシング装置の他の例を示すブロック図である。
【0200】
図13を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号デマルチプレキシング装置は、タイムデインターリーバ510と、デノーマライザ1010と、コアレイヤBICMデコーダ520と、エンハンストレイヤシンボル抽出器530と、エンハンストレイヤBICMデコーダ540と、1つ以上の拡張レイヤシンボル抽出器650,670と、1つ以上の拡張レイヤBICMデコーダ660,680と、デインジェクションレベルコントローラ1020,1150,1170とを含む。
【0201】
この時、図13に示された信号デマルチプレキシング装置は、図8に示された信号マルチプレキシング装置に相応するものであるとよい。
【0202】
タイムデインターリーバ510は、OFDM受信機から受信信号を受信してもよく、図5に示されたチャネル補償器によってチャネル補償された出力を受信してもよい。
【0203】
タイムデインターリーバ510は、同期(synchronization)、チャネル推定(channel estimation)および等化(equalization)などの動作を行うOFDM受信機から受信信号を受信し、チャネルで発生したバーストエラー(burst error)の分散に関する動作を行う。この時、L1シグナリング情報は、OFDM受信機で優先的に復号されて、データの復号に活用できる。特に、L1シグナリング情報のうち、インジェクションレベル情報は、デノーマライザ1010とデインジェクションレベルコントローラ1020,1150,1170に伝達される。
【0204】
この時、デノーマライザ1010は、すべてのレイヤのインジェクションレベル情報を取得し、下記数式6を用いてデノーマライジングファクターを求めた後、入力信号に乗算することができる。
【数10】
【0205】
すなわち、デノーマライジングファクターは、上記数式4によって表現されたノーマライジングファクターの逆数である。
【0206】
実施形態によって、N1シグナリングにインジェクションレベル情報だけでなくノーマライジングファクター情報が含まれた場合、デノーマライザ1010は、インジェクションレベルを用いてデノーマライジングファクターを計算する必要なく、ノーマライジングファクターの逆数を取って、簡単にデノーマライジングファクターを求めることができる。
【0207】
デノーマライザ1010は、送信機のパワーノーマライザに相応するもので、パワーノーマライザで減少させた分だけパワーを高める。
【0208】
図13に示された例において、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の出力信号のパワーを調節するものとして示されたが、実施形態によって、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前に位置し、インターリービングされる前にパワー調節が行われるようにしてもよい。
【0209】
すなわち、デノーマライザ1010は、タイムインターリーバ510の前または後に位置し、コアレイヤシンボルデマッパのLLR計算などのために信号の大きさを増幅すると考えられる。
【0210】
タイムデインターリーバ510の出力(またはデノーマライザ1010の出力)は、コアレイヤBICMデコーダ520に提供され、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤデータを復元する。
【0211】
この時、コアレイヤBICMデコーダ520は、コアレイヤシンボルデマッパと、コアレイヤビットデインターリーバと、コアレイヤエラー訂正復号化器とを含む。コアレイヤシンボルデマッパは、シンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、コアレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、コアレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0212】
この時、コアレイヤシンボルデマッパは、OFDM受信機からチャネルゲインまたはSNR推定値を受信することができる。
【0213】
特に、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、コアレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをコアレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットをエンハンストレイヤシンボル抽出器530に出力することができる。
【0214】
コアレイヤエラー訂正復号化器は、コアレイヤLDPC復号化器とコアレイヤBCH復号化器とが直列連結された形態であるとよい。すなわち、コアレイヤエラー訂正復号化器の入力がコアレイヤLDPC復号化器に入力され、コアレイヤLDPC復号化器の出力がコアレイヤBCH復号化器に入力され、コアレイヤBCH復号化器の出力がコアレイヤエラー訂正復号化器の出力になるとよい。この時、LDPC復号化器は、LDPC復号を行い、BCH復号化器は、BCH復号を行う。
【0215】
エンハンストレイヤエラー訂正復号化器も、エンハンストレイヤLDPC復号化器とエンハンストレイヤBCH復号化器とが直列連結された形態であるとよい。すなわち、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器の入力がエンハンストレイヤLDPC復号化器に入力され、エンハンストレイヤLDPC復号化器の出力がエンハンストレイヤBCH復号化器に入力され、エンハンストレイヤBCH復号化器の出力がエンハンストレイヤエラー訂正復号化器の出力になるとよい。
【0216】
さらに、拡張レイヤエラー訂正復号化器も、拡張レイヤLDPC復号化器と拡張レイヤBCH復号化器とが直列連結された形態であるとよい。すなわち、拡張レイヤエラー訂正復号化器の入力が拡張レイヤLDPC復号化器に入力され、拡張レイヤLDPC復号化器の出力が拡張レイヤBCH復号化器に入力され、拡張レイヤBCH復号化器の出力が拡張レイヤエラー訂正復号化器の出力になるとよい。
【0217】
特に、図10図11および図12を通じて説明したエラー訂正復号化器の出力のいずれかを使用するかによる実現の複雑性と性能の間のトレードオフ(trade off)は、図13のコアレイヤBICMデコーダ520とエンハンストレイヤシンボル抽出器530だけでなく、拡張レイヤシンボル抽出器650,670、拡張レイヤBICMデコーダ660,680にも適用される。
【0218】
エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のコアレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受けて、タイムデインターリーバ510またはデノーマライザ1010の出力信号からエンハンストレイヤシンボルを抽出することができる。実施形態によって、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、コアレイヤBICMデコーダ520のエラー訂正復号化器から全体ビットを受けるのではなく、LDPCの情報ビット(information bits)を受けたり、BCH情報ビットを受けることができる。
【0219】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530は、バッファと、減算器(subtracter)と、コアレイヤシンボルマッパと、コアレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、タイムデインターリーバ510またはデノーマライザ1010の出力信号を格納する。コアレイヤビットインターリーバは、コアレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のコアレイヤビットインターリービングを行う。コアレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のコアレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からコアレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、エンハンストレイヤシンボルを取得し、これをデインジェクションレベルコントローラ1020に伝達する。
【0220】
この時、エンハンストレイヤシンボル抽出器530に含まれるコアレイヤビットインターリーバおよびコアレイヤシンボルマッパは、図8に示されたコアレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0221】
デインジェクションレベルコントローラ1020は、エンハンストレイヤシンボルを受信して、送信機のインジェクションレベルコントローラによって低下したパワーだけパワーを増加させる。すなわち、デインジェクションレベルコントローラ1020は、入力信号を増幅してエンハンストレイヤBICMデコーダ540に提供する。
【0222】
エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、デインジェクションレベルコントローラ1020によってパワーが上昇したエンハンストレイヤシンボルを受信して、エンハンストレイヤデータを復元する。
【0223】
この時、エンハンストレイヤBICMデコーダ540は、エンハンストレイヤシンボルデマッパと、エンハンストレイヤビットデインターリーバと、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。エンハンストレイヤシンボルデマッパは、エンハンストレイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、エンハンストレイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0224】
この時、エンハンストレイヤシンボルデマッパは、OFDM受信機からチャネルゲインまたはSNR推定値を受信することができる。
【0225】
特に、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、エンハンストレイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみをエンハンストレイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットを拡張レイヤシンボル抽出器650に出力することができる。
【0226】
拡張レイヤシンボル抽出器650は、エンハンストレイヤBICMデコーダ540のエンハンストレイヤエラー訂正復号化器から全体ビットを受信して、デインジェクションレベルコントローラ1020の出力信号から拡張(extension)レイヤシンボルを抽出する。
【0227】
この時、デインジェクションレベルコントローラ1020は、エンハンストレイヤシンボル抽出器530の減算器の出力信号のパワーを増幅させることができる。
【0228】
この時、拡張レイヤシンボル抽出器650は、バッファと、減算器(subtracter)と、エンハンストレイヤシンボルマッパと、エンハンストレイヤビットインターリーバとを含む。バッファは、デインジェクションレベルコントローラ1020の出力信号を格納する。エンハンストレイヤビットインターリーバは、エンハンストレイヤBICMデコーダの全体ビット(情報ビット+パリティビット)を受信して、送信機と同一のエンハンストレイヤビットインターリービングを行う。エンハンストレイヤシンボルマッパは、インターリービングされた信号から送信機と同一のエンハンストレイヤシンボルを生成する。減算器は、バッファに格納された信号からエンハンストレイヤシンボルマッパの出力信号を減算することにより、拡張レイヤシンボルを取得し、これをデインジェクションレベルコントローラ1150に伝達する。
【0229】
この時、拡張レイヤシンボル抽出器650に含まれるエンハンストレイヤビットインターリーバおよびエンハンストレイヤシンボルマッパは、図8に示されたエンハンストレイヤのビットインターリーバおよびシンボルマッパと同一のものであるとよい。
【0230】
デインジェクションレベルコントローラ1150は、送信機で当該レイヤのインジェクションレベルコントローラによって減少した分だけパワーを増加させる。
【0231】
この時、デインジェクションレベルコントローラは、下記数式7の拡張レイヤゲインを乗算する動作を行うと考えられる。この時、0番目のインジェクションレベルは0dBと見なすことができる。
【数11】
【0232】
拡張レイヤBICMデコーダ660は、デインジェクションレベルコントローラ1150によってパワーが増加した拡張レイヤシンボルを受信して、拡張レイヤデータを復元する。
【0233】
この時、拡張レイヤBICMデコーダ660は、拡張レイヤシンボルデマッパと、拡張レイヤビットデインターリーバと、拡張レイヤエラー訂正復号化器とを含むことができる。拡張レイヤシンボルデマッパは、拡張レイヤシンボルに関連するLLR(Log-Likelihood Ratio)値を計算し、拡張レイヤビットデインターリーバは、計算されたLLR値をバーストエラーに強く混合し、拡張レイヤエラー訂正復号化器は、チャネルで発生したエラーを訂正する。
【0234】
この時、拡張レイヤシンボルデマッパは、OFDM受信機からチャネルゲインまたはSNR推定値を受信することができる。
【0235】
特に、拡張レイヤシンボル抽出器および拡張レイヤBICMデコーダは、拡張レイヤが2つ以上の場合、それぞれ2つ以上備えられる。
【0236】
すなわち、図13に示された例において、拡張レイヤBICMデコーダ660の拡張レイヤエラー訂正復号化器は、情報(information)ビットのみを出力してもよく、情報ビットとパリティビットとが結合された全体ビットを出力してもよい。この時、拡張レイヤエラー訂正復号化器は、情報ビットのみを拡張レイヤデータとして出力し、情報ビットにパリティビットが結合された全体ビットを次の拡張レイヤシンボル抽出器670に出力することができる。
【0237】
拡張レイヤシンボル抽出器670、拡張レイヤBICMデコーダ680およびデインジェクションレベルコントローラ1170の構造および動作は、上述した拡張レイヤシンボル抽出器650、拡張レイヤBICMデコーダ660およびデインジェクションレベルコントローラ1150の構造および動作から容易に分かる。
【0238】
図13に示されたデインジェクションレベルコントローラ1020,1150,1170は、下へ向かうほどより大きなパワー上昇に相応するものであるとよい。すなわち、デインジェクションレベルコントローラ1020よりデインジェクションレベルコントローラ1150がパワーをより大きく増加させ、デインジェクションレベルコントローラ1150よりデインジェクションレベルコントローラ1170がよりパワーを大きく増加させることができる。
【0239】
図13に示された信号デマルチプレキシング装置は、最も先にコアレイヤデータを復元し、コアレイヤシンボルのキャンセレーションを利用してエンハンストレイヤデータを復元し、エンハンストレイヤシンボルのキャンセレーションを利用して拡張レイヤデータを復元することが分かる。拡張レイヤは2つ以上備えられ、この場合、より高いパワーレベルで結合された拡張レイヤから復元される。
【0240】
図14は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号の結合によるパワー上昇を示す図である。
【0241】
図14を参照すれば、コアレイヤ信号にインジェクションレベル(injection level)だけパワー減少したエンハンストレイヤ信号が結合されてマルチプレキシングされた信号が生成された場合、マルチプレキシングされた信号のパワーレベルが、コアレイヤ信号やエンハンストレイヤ信号のパワーレベルより高いことが分かる。
【0242】
この時、図6および図8に示されたインジェクションレベルコントローラ(injection level controller)によって調節されるインジェクションレベルは、3.0dBから10.0dBまで0.5dBの間隔で調節される。インジェクションレベルが3.0dBの場合、エンハンストレイヤ信号のパワーが、コアレイヤ信号のパワーより3dBだけ低い。インジェクションレベルが10.0dBの場合、エンハンストレイヤ信号のパワーが、コアレイヤ信号のパワーより10dBだけ低い。このような関係は、コアレイヤ信号とエンハンストレイヤ信号との間にのみ適用されるのではなく、エンハンストレイヤ信号と拡張レイヤ信号、または拡張レイヤ信号同士の間にも適用可能である。
【0243】
図6および図8に示されたパワーノーマライザは、結合後のパワーレベルを調節して、結合によるパワー増加からもたらされる信号の歪みなどの問題を解決することができる。
【0244】
図15は、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法を示す動作フローチャートである。
【0245】
図15を参照すれば、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、コアレイヤデータにBICMを適用する(S1210)。
【0246】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、エンハンストレイヤデータにBICMを適用する(S1220)。
【0247】
ステップS1220で適用されるBICMと、ステップS1210で適用されるBICMとは異なるものであるとよい。この時、ステップS1220で適用されるBICMが、ステップS1210で適用されるBICMより少なめにロバストなものであり得る。この時、ステップS1220で適用されるBICMのビット率が、ステップS1210で適用されるビット率より大きくなる。
【0248】
この時、エンハンストレイヤ信号は、前記コアレイヤ信号に相応するコアレイヤデータの復元に相応するキャンセレーション(cancellation)に基づいて復元されるエンハンストレイヤデータに相応するものであるとよい。
【0249】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、エンハンストレイヤ信号のパワーを低減してパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を生成する(S1230)。
【0250】
この時、ステップS1230は、インジェクションレベルを、3.0dBから10.0dBの間で0.5dBの間隔で変化させることができる。
【0251】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、コアレイヤ信号およびパワーリデューストエンハンストレイヤ信号を結合して、マルチプレキシングされた信号を生成する(S1240)。
【0252】
すなわち、ステップS1240は、コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号を、互いに異なるパワーレベルで結合するが、エンハンストレイヤ信号のパワーレベルが、コアレイヤ信号のパワーレベルより低いようにして結合する。
【0253】
この時、ステップS1240は、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号より低いパワーレベルの1つ以上の拡張レイヤ(extension layer)信号を、前記コアレイヤ信号および前記エンハンストレイヤ信号とともに結合することができる。
【0254】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、ステップS1250によってマルチプレキシングされた信号のパワーを低下させる(S1250)。
【0255】
この時、ステップS1250は、マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記コアレイヤ信号のパワーだけ低下させることができる。この時、ステップS1250は、前記マルチプレキシングされた信号のパワーを、前記ステップS1240によって上昇した分だけ低下させることができる。
【0256】
また、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、前記コアレイヤ信号およびエンハンストレイヤ信号にともに適用されるタイムインターリービングを行い、タイムインターリービングされた信号を生成する(S1260)。
【0257】
さらに、本発明の一実施形態に係る信号マルチプレキシング方法は、タイムインターリービングされた信号とL1シグナリング情報を用いて、放送信号フレームを生成する(S1270)。
【0258】
この時、コアレイヤ信号に相応するコアレイヤおよびエンハンストレイヤ信号に相応するエンハンストレイヤは、OFDM送信機により生成されるパイロット信号を共有することができる。
【0259】
この時、放送信号フレームは、ATSC3.0フレームであるとよい。
【0260】
この時、L1シグナリング情報は、インジェクションレベル情報および/またはノーマライジングファクター情報を含むことができる。
【0261】
図15には明示的に示されていないが、信号マルチプレキシング方法は、ステップS1230に相応するインジェクションレベル情報を含むL1シグナリング情報を生成するステップをさらに含むことができる。
【0262】
図15に示された信号マルチプレキシング方法は、図2に示されたステップS210に相応するものであるとよい。
【0263】
以上、本発明に係る信号マルチプレキシング装置および方法は、上記のように説明された実施形態の構成と方法が限定されて適用されるのではなく、上記の実施形態は、多様な変形が可能となるように各実施形態の全部または一部が選択的に組み合わされて構成されてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15