IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 飯塚 わか子の特許一覧

<>
  • 特許-鍵盤楽器練習用補助具 図1
  • 特許-鍵盤楽器練習用補助具 図2
  • 特許-鍵盤楽器練習用補助具 図3
  • 特許-鍵盤楽器練習用補助具 図4
  • 特許-鍵盤楽器練習用補助具 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】鍵盤楽器練習用補助具
(51)【国際特許分類】
   G09B 15/00 20060101AFI20231208BHJP
   G09B 15/02 20060101ALI20231208BHJP
   G10G 1/02 20060101ALI20231208BHJP
【FI】
G09B15/00 Z
G09B15/02 A
G10G1/02
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022193870
(22)【出願日】2022-12-05
【審査請求日】2023-10-03
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522472648
【氏名又は名称】飯塚 わか子
(74)【代理人】
【識別番号】100148862
【弁理士】
【氏名又は名称】赤塚 正樹
(74)【代理人】
【識別番号】100179811
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 良和
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 わか子
【審査官】井上 香緒梨
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204390723(CN,U)
【文献】実開昭55-077263(JP,U)
【文献】登録実用新案第3213112(JP,U)
【文献】特開2010-210981(JP,A)
【文献】国際公開第2012/032970(WO,A1)
【文献】特開昭60-090390(JP,A)
【文献】登録実用新案第3210842(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B15/00-15/08
G10H1/00-1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に、少なくとも1つの黒鍵を跨いで前記黒鍵の両隣にある白鍵に延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具であって、
箱型の本体と、
前記黒鍵を跨ぐように前記本体の底面に形成されたスリット状の溝部と、
前記本体の正面側に配置された第一の音符表示部と
を有し、
前記第一の音符表示部は、透明なカードケース型のカバーであり、そこに音符が表示された音符カードを抜き差し可能となっている
鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項2】
前記本体の底面側縁部又は側面に形成された2つの接触部をさらに有し、
前記鍵盤楽器練習用補助具を前記鍵盤楽器の鍵盤上に設置したとき、前記接触部が前記鍵盤楽器と接触して、それ以外の前記本体の底面、側面、及び前記溝部は前記白鍵及び前記黒鍵と接触しない状態となる
請求項1に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項3】
前記本体の裏面側に配置された第二の音符表示部をさらに有する
請求項1に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項4】
前記第二の音符表示部は、透明なカードケース型のカバーであり、そこに音符が表示された音符カードを抜き差し可能となっている
請求項に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項5】
黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に、少なくとも1つの黒鍵を跨いで前記黒鍵の両隣にある白鍵に延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具であって、
箱型の本体と、
前記黒鍵を跨ぐように前記本体の底面に形成されたスリット状の溝部と、
前記本体の正面側に配置された第一の音符表示部と
前記本体の裏面側に配置された第二の音符表示部と
を有する
鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項6】
前記本体の底面側縁部又は側面に形成された2つの接触部をさらに有し、
前記鍵盤楽器練習用補助具を前記鍵盤楽器の鍵盤上に設置したとき、前記接触部が前記鍵盤楽器と接触して、それ以外の前記本体の底面、側面、及び前記溝部は前記白鍵及び前記黒鍵と接触しない状態となる
請求項に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項7】
前記第二の音符表示部は、透明なカードケース型のカバーであり、そこに音符が表示された音符カードを抜き差し可能となっている
請求項に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項8】
連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵にまで延在して設置される
請求項1~のいずれか1項に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項9】
連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵にまで延在して設置される
請求項1~のいずれか1項に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【請求項10】
連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵にまで延在して設置される
請求項1~のいずれか1項に記載の鍵盤楽器練習用補助具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピアノ等の鍵盤楽器を練習する際に、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を手元の近くで容易に確認することが可能な鍵盤楽器練習用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
ピアノ等の鍵盤楽器を演奏する際には、通常、楽譜に合わせて右手又は左手の指で鍵盤を叩くことから、楽譜に記載された音符の位置(音名)と、鍵盤上の手指の位置との対応関係を完全に理解する必要がある。しかし、特に初心者は、その対応関係を覚え切れていなかったり、それが不確実だったりして、間違った鍵盤を叩いてしまう場合がある。また、例えば、「ト音記号」が付された五線譜の音符に合わせて(通常は右手で)鍵盤を叩くことができるようになった後でも、次のステップである「ヘ音記号」が付された五線譜の音符に合わせて(通常は左手で)鍵盤を叩こうとすると、五線譜上の音符の位置と音名との対応関係が異なるため、読譜の際に混乱してしまうことがある。この読譜は、慣れるまでに時間がかかる人も多く、ここで躓いてしまう場合がある。
【0003】
特許文献1には、鍵盤楽器等鍵盤楽器の鍵盤を表した台紙と、白鍵用のト音記号表記のシートと、ヘ音記号表記のシートを設け、黒鍵用の♯系表記のシートをハ音より高音域はト音記号表記、ロ音より低音域はヘ音記号表記した鍵盤楽器等鍵盤楽器の鍵盤台紙付き音符・音名入り読譜練習用貼り剥がし自在シートが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-43781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載されたシートは、白鍵及び黒鍵のそれぞれに1枚ずつシートを貼る必要があり、また、ト音記号表記のシートとヘ音記号表記のシートを付け替えるときには対応するシートを1枚ずつ貼り替える必要もあり、手間がかかってしまう。また、白鍵及び黒鍵の表面にシートを貼ってしまうため、実際にピアノを弾いているとシートに表示された音符が手で隠れてしまって見にくい場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、ピアノ等の鍵盤楽器を練習する際に、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を手元の近くで容易に確認することが可能な鍵盤楽器練習用補助具を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に、少なくとも1つの黒鍵を跨いで前記黒鍵の両隣にある白鍵に延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具であって、
箱型の本体と、
前記黒鍵を跨ぐように前記本体の底面に形成されたスリット状の溝部と、
前記本体の正面側に配置された第一の音符表示部と
を有し、
前記第一の音符表示部は、透明なカードケース型のカバーであり、そこに音符が表示された音符カードを抜き差し可能となっている
あるいは、本発明は、黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に、少なくとも1つの黒鍵を跨いで前記黒鍵の両隣にある白鍵に延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具であって、
箱型の本体と、
前記黒鍵を跨ぐように前記本体の底面に形成されたスリット状の溝部と、
前記本体の正面側に配置された第一の音符表示部と、
前記本体の裏面側に配置された第二の音符表示部と
を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ピアノ等の鍵盤楽器を練習する際に、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を手元の近くで容易に確認することが可能な鍵盤楽器練習用補助具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る鍵盤楽器練習用補助具(1オクターブタイプ)の外観構造を示す模式的斜視図である。
図2図1に示した鍵盤楽器練習用補助具をピアノの鍵盤上に設置した状態を示す模式図であり、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図3】本発明の一実施形態に係る鍵盤楽器練習用補助具の外観構造を示す模式的斜視図であり、(a)は黒鍵2つ跨ぎタイプ、(b)は黒鍵3つ跨ぎタイプである。
図4】鍵盤楽器練習用補助具の接触部の構成例を示す模式的正面図であり、(a)は黒鍵に乗せるタイプ、(b)は白鍵の隙間に挿入するタイプである。
図5】音符カードのバリエーションの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る鍵盤楽器練習用補助具は、いわゆる黒鍵及び白鍵(ピアノ等の鍵盤楽器において一般に「黒鍵」及び「白鍵」と呼ばれる鍵盤を言い、その色は黒及び白に限定されない。)を有する鍵盤楽器を練習する際に使用する補助具である。鍵盤楽器の鍵盤には、通常、ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シの音に相当する7つの白鍵と、#ド(♭レ)・#レ(♭ミ)・#ファ(♭ソ)・#ソ(♭ラ)・#ラ(♭シ)の音に相当する5つの黒鍵とが、繰り返し配置されている。鍵盤楽器としては、ピアノ、クラヴィコード、クラヴィネット、チェンバロ等の弦鳴鍵盤楽器;オルガン、鍵盤ハーモニカ、アコーディオン等の気鳴鍵盤楽器;電子ピアノ、電子オルガン、シンセサイザー等の電子鍵盤楽器などが挙げられる。なかでも、ピアノの練習用途に好適である。
【0011】
本発明に係る鍵盤楽器練習用補助具の外観構造の一例を図1に示す。図1に示した鍵盤楽器練習用補助具10は、箱型の本体11と、本体11の底面に形成されたスリット状の溝部12(図1では5本)と、本体11の正面側に配置された第一の音符表示部13aとを有している。この鍵盤楽器練習用補助具10を、ピアノ等の黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に設置した状態を図2に示す。鍵盤楽器練習用補助具10は、底面に形成された5本の溝部12により5つの黒鍵22を跨いで設置され、その両隣にある白鍵21に延在した状態となる。このとき、鍵盤楽器練習用補助具10を設置した鍵盤楽器の練習で白鍵21及び黒鍵22を叩いて練習する観点から、図2に示すように黒鍵22の前方を露出させることが好ましい。
【0012】
本体11は、全体として箱型であればよく、例えば、直方体又は立方体とすることができる。こうすることで、鍵盤楽器練習用補助具10を、ピアノ等の黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に安定して設置することができる。なお、本体11の周囲に配置される4つの側面は、底面に対して垂直でなくてもよく、また、本体11の上面は、水平でなくてもよい。すなわち、例えば、本体11を側方から見た場合に、上辺が短い台形や三角形でも構わない。この場合、本体11の正面側に配置された第一の音符表示部13aが斜め上方に傾くことから、鍵盤楽器の演奏者から第一の音符表示部13aに表示された音符が見やすくなる。各面は、平面であることが好ましいが、湾曲ないし凹凸があってもよい。本体11を構成する材料としては、紙、プラスチック、木、金属、セラミックスなどが挙げられるが、紙、ウレタン、硬質発泡スチロール等の軽量な材料が好ましい。
【0013】
本体11の底面には、本体11が少なくとも1つの黒鍵22を跨ぐように、スリット状の溝部12が形成されている。図1及び図2では、本体11の底面に5本の溝部12が歯形状に形成されており、それぞれの溝部12が1つの黒鍵22を跨ぐようになっている。溝部12は、鍵盤楽器練習用補助具10を鍵盤楽器に設置した際に黒鍵22に接触しないように、黒鍵22のサイズより一回り大きいサイズ(例えば、溝部12と黒鍵22の間に1mm以上の隙間が空くように)に形成されていることが好ましい。こうすることで、鍵盤楽器練習用補助具10を設置した鍵盤楽器の練習で黒鍵22を叩いた際に、鍵盤楽器練習用補助具10がガタつくことを抑制できる。なお、図1及び図2では、1つの溝部12が1つの黒鍵22を跨ぐように形成されているが、1つの溝部12が2つ以上の黒鍵22を纏めて跨ぐように形成されていてもよい。
【0014】
鍵盤楽器練習用補助具10は、鍵盤楽器の鍵盤上に、少なくとも1つの黒鍵22を跨いでその両隣にある白鍵21に延在して設置される。さらに、それらの両隣にある白鍵の少なくとも一方にまで延在して設置されるものでもよい。すなわち、鍵盤楽器練習用補助具10の最小構成としては、白鍵/黒鍵/白鍵に延在して設置される。なお、図1及び図2に示す鍵盤楽器練習用補助具10は、連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵21にまで延在して設置される(1オクターブタイプ)。その他の実施形態として、連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵21にまで延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具10(黒鍵2つ跨ぎタイプ、図3(a))や、連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵21にまで延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具10(黒鍵3つ跨ぎタイプ、図3(b))などが考えられる。なお、1オクターブタイプの鍵盤楽器練習用補助具10は、前後をひっくり返して鍵盤楽器の鍵盤上に設置することもでき、汎用性が高い。
【0015】
本体11の底面側縁部又は側面には、2つの接触部14が形成されていることが好ましい。より具体的には、鍵盤楽器練習用補助具10を鍵盤楽器の鍵盤上に設置したとき、接触部14が鍵盤楽器と接触して、それ以外の本体11の底面、側面、及び溝部12は白鍵21及び黒鍵22と接触しない状態となることが好ましい。こうすることで、鍵盤楽器練習用補助具10を設置した鍵盤楽器の練習で白鍵21及び黒鍵22を叩いた際に、鍵盤楽器練習用補助具10がガタつくことを抑制できる。なお、図1及び図2では、本体11の底面側縁部に台座状の接触部14が形成されており、その接触部14が、鍵盤楽器練習用補助具10を延在させた両端に位置する白鍵21と接触するように構成されている。この場合、鍵盤楽器練習用補助具10を延在させた両端に位置する白鍵21を叩くと、鍵盤楽器練習用補助具10が多少ガタつくが、ズレたりすることはない。その他の実施形態として、図4(a)に示すように、本体11の側面に突起状の接触部14が形成されており、その接触部14の底面(及び/又は側面)が、鍵盤楽器練習用補助具10を延在させた両端に位置する白鍵21のさらに両隣にある黒鍵22と接触するように構成されていてもよく、図4(b)に示すように、本体11の底面側縁部に脚状の接触部14が形成されており、その接触部14が、隣り合う2つの鍵盤(図4(b)では白鍵と黒鍵)の隙間を通って鍵盤下部と接触するように構成されていてもよい。
【0016】
そして、この状態で、鍵盤楽器練習用補助具10の本体11の正面側に配置された第一の音符表示部13aに音符が表示される。こうすることで、鍵盤楽器を練習する際に、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を、手元に近い第一の音符表示部13aにて容易に確認することが可能となる。さらに、鍵盤楽器練習用補助具10の本体11の裏面側に配置された第二の音符表示部13bを有することが好ましい。こうすることで、特に、1オクターブタイプの鍵盤楽器練習用補助具10の場合など、鍵盤楽器練習用補助具10の前後をひっくり返して鍵盤楽器の鍵盤上に設置した際にも、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を、手元に近い第二の音符表示部13bにて容易に確認することが可能となる。
【0017】
第一の音符表示部13a(及び第二の音符表示部13b)には、直接音符が記載されていてもよいが、図1及び2に示すように、第一の音符表示部13a(及び第二の音符表示部13b)として透明なカードケース型のカバーを設置しておき、そこに音符が記載された音符カード31を抜き差し可能となっていることが好ましい。こうすることで、鍵盤楽器を練習する者のスキルや練習内容に合わせて、第一の音符表示部13a(及び第二の音符表示部13b)に表示させる音符を容易に変更することができる。
【0018】
なお、音符カード31に記載する音符は、鍵盤楽器練習用補助具10を設置する場所や練習したい音階を考慮して、適宜設定することができる。例えば、図2に示す位置に鍵盤楽器練習用補助具10を設置して、図5(a)に示す音符カード31を第一の音符表示部13aを挿入すると、ハ長調の音階(8音)を表示するものとなる。鍵盤楽器練習用補助具10の設置場所は同じでも、図5(b)に示す音符カード31であれば、ニ長調の音階(5音)を表示するものとなり、図5(c)に示す音符カード31であれば、ホ長調の音階(5音)を表す音譜を表示するものとなる。また、図2に示す位置より1オクターブ低い位置に鍵盤楽器練習用補助具10を設置して、図5(d)に示す第一の音符表示部13aを挿入すると、1オクターブ低いハ長調(8音)の音階を表示するものとなる。さらに、図2に示す鍵盤楽器練習用補助具10の前後をひっくり返した状態で、図2に示す位置より4度高い位置に設置して、図5(e)に示す音符カード31を第二の音符表示部13bを挿入すると、ヘ長調の音階(8音)を表示するものとなる。このように、音符カード31には、基本的に8音又は5音の音符を表示することが想定されるが、それに限らず様々なバリエーションが考えられる。
【0019】
鍵盤楽器練習用補助具10の本体11の幅は、鍵盤楽器の鍵盤上に鍵盤楽器練習用補助具10を延在させる領域を考慮して、適宜設定すればよい。なお、標準的なピアノの1つの白鍵21の幅は約23mm、1つの黒鍵22の幅は約11mmである。また、各鍵盤の隙間は、約0.5~0.7mm程度である。例えば、図1及び図2に示す鍵盤楽器練習用補助具10は、連続する白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵/黒鍵/白鍵及びそれらの両隣にある白鍵にまで延在させることから、その幅を188~190mm程度とすることができる。鍵盤楽器練習用補助具10の本体11の奥行は、図2に示すように黒鍵22の前方を露出させるため、黒鍵22の長さより短いことが好ましい。例えば、鍵盤楽器練習用補助具10の本体11の奥行を、黒鍵22の長さより20~30mm程度短くすることで黒鍵22の位置を視認しやすくなり、黒鍵22の長さより40~50mm程度短くすることで黒鍵22を叩きやすくなる。なお、標準的なピアノの黒鍵22の長さは約95mmである。鍵盤楽器練習用補助具10の本体11の高さは、第一の音符表示部13aに表示させた音符の見やすさを考慮して適宜設定すればよい。
【0020】
以上のような本発明に係る鍵盤楽器練習用補助具を用いることで、ピアノ等の鍵盤楽器を練習する際に、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を手元の近くで容易に確認することが可能となるため、楽譜に記載された音符の位置(音名)と鍵盤上の手指の位置との対応関係を習得しやすくなる。
【符号の説明】
【0021】
10 鍵盤楽器練習用補助具
11 本体
12 溝部
13a 第一の音符表示部
13b 第二の音符表示部
14 接触部
21 白鍵
22 黒鍵
31 音符カード
【要約】
【課題】ピアノ等の鍵盤楽器を練習する際に、鍵盤楽器の各鍵盤に対応する音符を手元の近くで容易に確認することが可能な鍵盤楽器練習用補助具を提供する。
【解決手段】本発明は、黒鍵及び白鍵を有する鍵盤楽器の鍵盤上に、少なくとも1つの黒鍵を跨いで前記黒鍵の両隣にある白鍵に延在して設置される鍵盤楽器練習用補助具であって、箱型の本体と、前記黒鍵を跨ぐように前記本体の底面に形成されたスリット状の溝部と、前記本体の正面側に配置された第一の音符表示部とを有する。
【選択図】図1

図1
図2
図3
図4
図5