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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】IOPSでのMBMSサポート
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/50 20180101AFI20231208BHJP
   H04W 76/40 20180101ALI20231208BHJP
   H04W 8/00 20090101ALI20231208BHJP
   H04W 4/08 20090101ALI20231208BHJP
【FI】
H04W76/50
H04W76/40
H04W8/00 110
H04W4/08
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2022511249
(86)(22)【出願日】2020-08-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 EP2020072136
(87)【国際公開番号】W WO2021037518
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】62/891,453
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100150670
【弁理士】
【氏名又は名称】小梶 晴美
(72)【発明者】
【氏名】ソラノ アレナス, ジョン カミロ
(72)【発明者】
【氏名】オーケソン, ヨアキム
(72)【発明者】
【氏名】ヒナレホス フェルナンデス, サルバドル
【審査官】桑江 晃
(56)【参考文献】
【文献】Ericsson,Pseudo-CR on Update to solution 4[online],3GPP TSG SA WG6 #031 S6-191086,Internet<URL:https://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG6_MissionCritical/TSGS6_031_Bruges/Docs/S6-191086.zip>,2019年05月24日,1-9頁
【文献】Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,IOPS alternatives[online], 3GPP TSG-SA WG2#107 S2-150351,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_sa/WG2_Arch/TSGS2_107_Sorrento/Docs/S2-150351.zip>,2015年01月30日,1-10頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IOPSアプリケーション機能(AF)によって実行されて、グループ通信サービスを提供する方法であって、
IOPS MBMSベアラを確立することであって、前記IOPS MBMSベアラが、IOPS動作モードで動作している1つまたは複数の無線アクセスノードによってサービス提供されるMBSFNエリア内のMBMSベアラである、IOPS MBMSベアラを確立することと、
IOPSディスカバリ手順を介して、1つまたは複数のユーザ機器(UE)を検知することと、
前記1つまたは複数のUEに、前記IOPS MBMSベアラ用のMBMSベアラアナウンスを送信することと
を含み、
前記IOPS MBMSベアラ、および1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラが、前記IOPSディスカバリ手順中に、前記1つまたは複数のUEから取得されたグループ設定情報、および1つまたは複数の追加の判定基準に基づいて事前に確立され、
前記1つまたは複数の追加の判定基準が、必要とされるMBMSベアラの容量、IOPSグループの数、またはその両方である、
方法。
【請求項2】
前記IOPS動作モードで動作している前記1つまたは複数の無線アクセスノードの1つを介して、UEからIPパケットを受信することと、
前記IPパケットがグループ通信サービス用であると判定することと、
前記IPパケットが前記グループ通信サービス用であると判定すると、前記IPパケットを前記IOPS MBMSベアラを介して送信することと
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
グループ通信セッションに関連するすべてのIPパケットが、前記IOPS MBMSベアラを介して送信される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記IOPS MBMSベアラを介して前記IPパケットを送信することが、対応するTMGIに関連付けられたBM-SC IPアドレスおよびUDPポートを有する外部IPヘッダを使用して、前記IOPS MBMSベアラを介して前記IPパケットを送信することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記IPパケットが、前記グループ通信サービス用であると判定することが、
前記IPパケットの実際のIPアドレスが、マルチキャストIPアドレスであると判定すること
を含む、請求項2から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記IPパケットの前記実際のIPアドレスが、前記IPパケットの内部IPヘッダ内に含まれるIPアドレスであり、前記IPパケットが、
前記IPパケットの前記実際のIPアドレスを含む前記内部IPヘッダと、
前記IOPS MBMSベアラに関連付けられたIPアドレスを含む外部IPヘッダと
を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記IOPS MBMSベアラを確立することが、前記IOPS動作モードが開始すると、前記IOPS MBMSベアラを事前に確立することを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記MBMSベアラアナウンスは、前記グループ通信サービス用の1つまたは複数のグループ通信セッションが、前記IOPS MBMSベアラを介して伝送されることを示す、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラを事前に確立することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記IOPS MBMSベアラ、および前記1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラが、前記IOPSディスカバリ手順中に、前記1つまたは複数のUEから取得されたグループ設定情報に基づいて事前に確立される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
グループ通信サービスを提供するためのIOPSアプリケーション機能(AF)を実装するネットワークノードであって、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、ネットワークノード。
【請求項12】
IOPSシステムでのグループ通信のために、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
IOPS AFがUEを検知する際のIOPSディスカバリ手順を実行することと、
IOPS MBMSベアラ用のMBMSベアラアナウンスを前記IOPS AFから受信することであって、前記IOPS MBMSベアラが、IOPS動作モードで動作している1つまたは複数の無線アクセスノードによってサービス提供されるMBSFNエリア内のMBMSベアラである、MBMSベアラアナウンスを受信することと
を含み、
前記IOPS MBMSベアラ、および1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラが、前記IOPSディスカバリ手順中に、前記1つまたは複数のUEから取得されたグループ設定情報、および1つまたは複数の追加の判定基準に基づいて事前に確立され、
前記1つまたは複数の追加の判定基準が、必要とされるMBMSベアラの容量、IOPSグループの数、またはその両方である、
方法。
【請求項13】
グループ通信セッション用のIPパケットを、前記IOPS AFから、前記IOPS MBMSベアラを介して受信することをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
グループ通信セッションに関連するあらゆるIPパケットが、前記IOPS MBMSベアラを介して送信される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記IPパケットが、前記UEによって監視されている特定のグループ通信セッション用の特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定することと、
前記IPパケットが、前記UEによって監視されている前記特定のグループ通信セッション用の前記特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定すると、前記IPパケットを復号することと
をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項16】
前記IPパケットが、前記UEによって監視されていない特定のグループ通信セッション用の特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定することと、
前記IPパケットが、前記UEによって監視されていない前記特定のグループ通信セッション用の前記特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定すると、前記IPパケットを破棄することと
をさらに含む、請求項13または14に記載の方法。
【請求項17】
前記MBMSベアラアナウンスは、ループ通信サービス用の1つまたは複数のグループ通信セッションが、前記IOPS MBMSベアラを介して伝送されることを示す、請求項12から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記UEが、前記IOPSディスカバリ手順中に、ユーザグループ情報を前記IOPS AFに告知する、請求項12から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
請求項12から18のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成された、ユーザ機器(UE)。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
全体として、本明細書において使用されるあらゆる用語は、異なる意味が明らかに与えられていない限り、および/または用語が使用される文脈から、異なる意味が暗示されていない限り、関連する技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈すべきである。ある/一つの/その要素、装置、構成要素、手段、ステップなどへのあらゆる言及は、別段の記載が明示的にない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどのうち少なくとも1つの場合に言及するものとしてオープンに解釈すべきである。本明細書に開示された任意の方法のステップは、あるステップが別のステップに続くか、またはそれに先行するものとして明示的に記述されている場合、および/または、あるステップが別のステップに続くか、またはそれに先行しなければならないことが暗に示されている場合を除き、開示された正確な順序で実行されなくてもよい。本明細書に開示されたいずれの実施形態のいかなる特徴も、適切な場合には、他の任意の実施形態に適用されてもよい。同様に、いずれの実施形態のいかなる利点も、他の任意の実施形態に適用されてもよく、逆の場合も同じである。記載された実施形態の他の目的、特徴、および利点は、以下の説明から明らかになろう。
【0002】
たとえば、警察および消防隊などの公共安全ユーザが実行する作業には、ミッションクリティカル(MC)通信サービスが不可欠である。このMC通信サービスは、緊急時および切迫した脅威における優先順位を付けたMCコールのハンドリングを含め、通常の通信サービスと比較して優先度の高いハンドリングを必要とする。さらに、このMC通信サービスは、ネットワークまたはバックホールインフラストラクチャの一部分に障害が発生した場合でも、保証されたサービスレベルを実現するいくつかのレジリエンス機能を必要とする。
【0003】
公衆安全ユーザにとって最も一般に使用される通信方法は、グループ通信(GC)であり、これには、複数のユーザに同じ情報を配信することが必要となる。グループ通信の1つのタイプは、プッシュツートーク(PTT)サービスである。GCシステムは、あらゆるグループデータ(たとえば、グループメンバシップ、ポリシー、ユーザ権限、および優先順位付け)を集中型のGC制御ノードが完全に制御する、集中型のアーキテクチャ手法で設計することができる。このような手法には、高いネットワーク可用性を実現するネットワークインフラストラクチャが必要となる。このタイプの動作は、トランクモード動作(TMO)またはオンネットワーク動作として知られている場合がある。
【0004】
GCサービスまたはミッションクリティカルプッシュツートーク(MCPTT)のようなMCサービスをサポートする、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)ベースのネットワークが、3GPP TS 23.280 v16.3.0、および3GPP TS 23.379 v16.3.0に明記されている。他のMCサービスには、3GPP TS 23.281 v16.3.0に明記されているミッションクリティカルビデオ(MCVideo)、および3GPP TS 23.282 v16.3.0に明記されているミッションクリティカルデータ(MCData)が含まれる。
【0005】
各MCサービスは、いくつかのタイプのユーザ間通信(たとえば、グループコール、プライベートコール)をサポートする。MCサービスが使用する共通の機能およびエンティティ(たとえば、グループ、設定、識別情報)がいくつかある。3GPP TS 23.280 v16.3.0に記載された、MCサービスをサポートするための共通の機能アーキテクチャは、MCサービスデータを完全に制御するネットワークに接続された中央のMCサービスサーバ、およびMCサービス通信サポートを提供するユーザ機器(UE)で動作する(1つまたは複数の)MCサービスクライアントを含む。MCサービスのUEは主に、3GPP TS 23.401 v16.3.0で規定された進化型パケットシステム(EPS)のアーキテクチャを使用して、E-UTRANを介してMCサービスへのアクセス権を得る。
【0006】
さらに、様々な伝送モードを利用することによって、MCサービスを提供することができる。MCサービスの1つの重要な側面は、複数のユーザに同じ情報が配信されることである。こうしたユーザは、別々の場所にいる場合がある。数多くのユーザが同じエリア内にいる場合、たとえば、マルチキャストブロードキャストマルチメディアサービス(MBMS)を使用するマルチキャストブロードキャストベースの伝送が相対的に効率よい。LTEでは、複数のセル全体にわたるブロードキャスト伝送が、進化型MBMS(eMBMS)と定義される。MBMSは、マルチキャストブロードキャスト単一周波数ネットワーク(MBSFN)として知られている伝送モードにおいて使用することができる。MBSFN伝送においては、MBMSベアラが確立され、一時的モバイルグループ識別情報(TMGI)に関連付けられる。したがって、同じ周波数で時間および位相を同期して、同じ信号を伝送するいくつかの無線セルが存在する。これにより、複合信号電力に加えられる複数の伝送に起因する信号干渉雑音比(SINR)が改善され、無線装置への干渉も著しく軽減される。
【0007】
3GPPベースのLTEネットワークの状況では、UEは、無線基地局(すなわち、eNB)を介して無線アクセスネットワーク(RAN)にアクセスする。eNBは、ダウンリンクトラフィック用のMBMSをサポートする進化型パケットコアネットワーク(EPC)に接続される。MCサービスサーバは、EPCに接続される。次いで、RANは、1組の既定のMBSFNエリアで設定されるものと考えられる。したがって、いくつかのeNBは、ある特定のダウンリンク容量を有する同じMBSFNエリアの一部分となるように設定される。eNBがMBSFNエリアに属していない場合、またはUEがMBSFNエリア外に位置する場合もある。こうした場合、MCサービスは、標準のユニキャスト伝送モードで提供される。この場合、各UEにサービス継続性を提供することが非常に望ましい。
【0008】
マルチキャスト伝送およびユニキャスト伝送に基づくMCサービス継続性において現時点で利用可能な解決策は、3GPP TS 23.280 v16.3.0、TS 23.468 v15.0.0において標準化されている。標準化されたサービス継続性の方法は、マルチキャストからユニキャストへ、ユニキャストからマルチキャストへ、またマルチキャストからマルチキャストへ、グループ通信を転送する方法論に依存する。転送の決定は、MBMSリスニングステータスレポート(3GPP TS 23.280で規定される)に基づいており、ここで、UEはMBMSベアラの転送品質をMCサービスサーバに報告する。たとえば、MBMSベアラ品質が十分でないMBSFNエリアから移動するUEは、(たとえば、MBSFNエリア1での)マルチキャストからユニキャストへの通信を転送し、またはMBMSベアラ品質が十分な状態でやはりMCサービスがブロードキャストされている別のマルチキャスト(たとえば、別のMBSFNエリア、たとえばMBSFNエリア2)への通信を転送しなければならないことになる。UEがユニキャストでデータを受信しており、MBSFNエリアに移動する場合、ユニキャストからマルチキャストへの通信転送を実行してもよい。
【0009】
同様に、MCサービスのUEは、ネットワークのカバレッジ外に出ている場合、3GPP TS 23.303 v15.1.0で明記されているように、オフネットワークの動作モードに切り替えて、近傍サービス(ProSe)を使用しようと試みることができる。ProSeは、ネットワークからの直接のサポートなしに、別のUEとの直接通信に基づくオフネットワーク動作をサポートする。この場合、UE上で動作するMCサービスクライアントは、MCサービス通信を制御および提供している。そのために、あらゆる設定データ(オンネットワーク動作用の設定データのサブセットに類似しているが、通常はこのサブセットである)を、各UEに事前プロビジョニングしなければならない。
【0010】
MCサービスを提供する3GPPベースのネットワークにおいて、3GPP TS 23.401 v16.3.0 Annex Kに記載されている公衆安全のための隔離されたE-UTRAN運用(Isolated E-UTRAN Operations for Public Safety)(IOPS)として知られている機能を使用することによって、バックホール障害が発生する場合でもサービスを保証することができる。このIOPSの機能は、IOPSをサポートする(1つまたは複数の)E-UTRAN無線基地局(eNB)、すなわち1つまたは複数のIOPS対応のeNBの通信範囲内にある、公衆安全ユーザの装置にローカル接続を実現する。(1つまたは複数の)IOPS対応のeNBは、IOPSの動作モード中に使用されるローカルの進化型パケットコア(EPC)との共同サイト式である。このローカルEPCには、以下の機能エンティティ、すなわちモビリティ管理エンティティ(MME)、サービングゲートウェイ(S-GW)、パケットデータネットワークゲートウェイ(P-GW)、およびホーム加入者サーバ(HSS)が含まれ得る。
【0011】
IOPS EPSシステム、すなわち(1つまたは複数の)IOPS対応のeNB、およびローカルEPCを、様々なタイプの導入において使用することができる。1つの共通のシナリオは、無線基地局が遠隔地(たとえば、島)に位置しており、この無線基地局が、たとえばマイクロ波リンクを介してマクロコアネットワークに接続されている場合である。マイクロ波リンク障害が存在する場合、公衆安全ユーザは、IOPS対応のeNBのカバレッジにおいて、ユーザ間の通信に少なくともローカル接続を有することのできることが重要である。
【0012】
たとえば、バックホールリンク障害に起因して、IOPSの動作モードが開始されると、公衆安全/MCのユーザは、IOPS EPSネットワークによるサービス提供を受け始めることができなければならない。IOPSの動作モード中、MCユーザによってMCサービスが直接提供されるが、対応するMCサービスのIPパケットがIOPS EPSネットワークを介してIOPS MCシステムに伝送されるオフネットワークのような動作に基づいて、MCサービスをサポートすることができる。IOPS EPSに近接配置されたIOPS MCシステムは、そうしたIPパケットを、IOPS EPSネットワークを介して(1人または複数人の)ターゲットユーザに配信する。
【0013】
「IOPS FUNCTIONAL MODEL FOR MISSION CRITICAL SERVICES」と題する、2019年6月28日出願の米国特許仮出願第62/868,241号に記載されているように、IOPS MCシステムは、2つのIOPSアプリケーション機能(IOPS AF)、すなわちIOPS配信機能およびIOPS接続機能からなる機能モデルによって表すことができる。一方で、UEは、MCサービスクライアントおよびIOPS接続クライアントを含んでいて、IOPSの動作モード上でMCサービスをサポートする。
【0014】
図1
一般的なIOPSシステムが、図1に示してある。
【0015】
IOPS AFは、IOPSの接続機能を用いて、UE上で動作するMCユーザをIOPSの動作モード上で登録および検知できるようにする。IOPS AFは、IOPS配信機能を用いて、MCユーザ間でのMCサービス通信にIP接続を実現する。このことは、IOPS AFが、1人または複数人のMCユーザをターゲットとする、MCユーザから受信したIPパケットを配信することを意味する。グループ通信に関連するIPパケット、たとえば、グループコール内の複数のユーザをターゲットとするIPパケットの場合、IOPS AFは、IOPS EPSネットワークを介したユニキャストおよび/またはマルチキャストの伝送を介して、これらをターゲットユーザに配信することができる。
【0016】
IOPS動作モードがオフネットワークのような動作であることを考慮すれば、1対1の通信、たとえば2人のユーザ間でのプライベートコールの場合、IOPS配信機能が受信するIPパケットは、最終的な宛先IPアドレスとして、ターゲットユーザのユニキャストIPアドレスを有する。グループ通信、たとえばグループコールの場合、IOPS配信機能が受信するIPパケットは、最終的な宛先IPアドレスとして、ターゲットグループのマルチキャストIPアドレスを有する。
【0017】
「DISCOVERY PROCEDURE BASED ON A MINIMAL SERVER IMPLEMENTATION FOR MISSION CRITICAL SERVICES OVER ISOLATED E-UTRAN OPERATIONS FOR PUBLIC SAFETY(IOPS)」と題する、2019年2月13日出願の米国特許仮出願第62/804,972号(付属書類Bとして添付)、および「IOPS-BASED COMMUNICATION BASED ON A PACKET DISTRIBUTION FUNCTION FOR MISSION CRITICAL SERVICES」と題する、2019年4月1日出願の米国特許仮出願第62/827,237号(付属書類Cとして添付)に記載されているように、IOPSの動作モードにおけるユーザの検知およびIP接続をサポートするためのいくつかの方法が提案されてきた。
【発明の概要】
【0018】
これまでのところ、(1つまたは複数の)特定の課題が存在する。IOPSシステムを介したMCサービスのサポートは、3GPPリリース17で仕様化する必要がある。これは、IOPSの動作モードでのグループ通信において、MBMS伝送がどのようにサポートされるのかの規定および仕様を含む。
【0019】
本開示およびその実施形態の特定の態様は、前述の課題または他の課題に解決策を提示することができる。IOPS動作モードでのMCグループ通信用のMBMS伝送をサポートするためのシステムおよび方法が提供され、ここで、MCサービスは、MCユーザによって直接提供され、IOPS MCシステムおよびIOPS EPSネットワークを介して伝送される。
【0020】
本開示の実施形態は、MBMS伝送に基づくIOPS動作モードでのMCサービスグループ通信をサポートする。
【0021】
ある特定の実施形態は、以下の(1つまたは複数の)技術的利点のうちの1つまたは複数を提供することができる。本開示の実施形態の利点には、IOPS動作モードでのグループ通信用のMBMS伝送に基づくMCサービスをサポートすることが含まれる。
【0022】
各添付図面は、本明細書に組み込まれ、またその一部分を形成し、様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】一般的なIOPSシステムを示す図である。
図2】本開示の実施形態を実施することのできる、セルラー通信システム200の一例を示す図である。
図3】常にMBMSベースの伝送に基づいて、MCサービスのグループ通信をサポートするためのIOPS MBMS設定を示す図である。
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、図3のIOPS EPSの動作を示す図である。
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、図3のIOPS EPSの動作を示す図である。
図5】本開示のいくつかの実施形態による無線アクセスノードの概略ブロック図である。
図6】本開示のいくつかの実施形態による無線アクセスノード500の仮想化された実施形態を示す概略ブロック図である。
図7】本開示の他のいくつかの実施形態による無線アクセスノード500の概略ブロック図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態によるUE800の概略ブロック図である。
図9】本開示の他のいくつかの実施形態によるUE800の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
添付図面を参照して、次に、本明細書において企図される実施形態の一部をさらに完全に説明する。しかし、他の実施形態は、本明細書に開示された主題の範囲内に含まれ、開示されたこの主題は、本明細書に記載の実施形態にのみ限定されるものと解釈すべきではなく、むしろ、こうした実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるための例として提示されるものである。追加情報は、付属書類Dに記載された(1つまたは複数の)文書においても知ることができる。
【0025】
無線ノード:本明細書では、「無線ノード」は、無線アクセスノードか、それとも無線装置のいずれかである。
【0026】
無線アクセスノード:本明細書では、「無線アクセスノード」または「無線ネットワークノード」とは、信号を無線で送信および/または受信するように動作する、セルラー通信ネットワークの無線アクセスネットワーク内の任意のノードである。無線アクセスノードのいくつかの例には、基地局(たとえば、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)第5世代(5G)NRネットワーク、または3GPPのロングタームエボリューション(LTE)ネットワークでの拡張ノードBまたは進化型ノードB(eNB)における新無線(NR)の基地局(gNB))、高出力または大型基地局、低出力基地局(たとえば、小型基地局、ピコ基地局、ホームeNBなど)、および中継ノードが含まれるが、それだけには限定されない。
【0027】
コアネットワークノード:本明細書では、「コアネットワークノード」とは、コアネットワーク内の任意のタイプのノード、またはコアネットワーク機能を実装する任意のノードである。コアネットワークノードのいくつかの例には、たとえば、モビリティ管理エンティティ(MME)、パケットデータネットワークゲートウェイ(PGW)、サービス能力公開機能(SCEF)、ホーム加入者サーバ(HSS)などが含まれる。コアネットワークノードの他のいくつかの例には、アクセスモビリティ機能(AMF)、UPF、セッション管理機能(SMF)、認証サーバ機能(AUSF)、ネットワークスライス選択機能(NSSF)、ネットワークエクスポージャ機能(NEF)、ネットワーク機能(NF)リポジトリ機能(NRF)、ポリシー制御機能(PCF)、統合データ管理(UDM)などを実装するノードが含まれる。
【0028】
無線装置:本明細書では、「無線装置」とは、(1つまたは複数の)無線アクセスノードとの間で、信号を無線で送信および/または受信することによって、セルラー通信ネットワークにアクセスする(すなわち、サービス提供を受ける)任意のタイプの装置である。無線装置のいくつかの例には、3GPPネットワーク内のユーザ機器装置(UE)、およびマシンタイプ通信(MTC)の装置が含まれるが、それだけには限定されない。
【0029】
ネットワークノード:本明細書では、「ネットワークノード」は、セルラー通信ネットワーク/システムの、無線アクセスネットワークまたはコアネットワークのいずれかの一部分となる任意のノードである。
【0030】
本明細書において提示する説明は、3GPPセルラー通信システムに焦点を当てており、したがって、3GPPの専門用語、または3GPPの専門用語に類似した専門用語がしばしば使用されることに留意されたい。しかし、本明細書に開示された考え方は、3GPPシステムに限定されない。
【0031】
本明細書における説明では、「セル」という用語を参照してもよいが、特に5G NRの考え方に関しては、ビームをセルの代わりに使用してもよいことに留意されたい。したがって、本明細書に記載の考え方は、セルとビームの両方に等しく適用可能であることに留意することが重要である。
【0032】
本開示の実施形態は、3GPPベースのLTEネットワーク、すなわち、E-UTRANおよびEPCを含むEPSの文脈内で説明される。しかし、本明細書に記載の問題および解決策は、他のアクセス技術およびアクセス規格(たとえば、5Gコアおよび5G無線アクセスを含む5Gシステム)を実装する無線アクセスネットワークおよびユーザ機器(UE)に等しく適用可能である。LTEは、本明細書に記載の各実施形態がLTEに適している例示的な技術として使用されており、したがって、この説明においてLTEを使用することは、問題およびこの問題を解決する解決策を理解するのに特に有用である。さらに、本開示の実施形態は、IOPS動作モードに焦点を当てているが、本明細書に記載の問題および解決策は、たとえば、専用ネットワーク、別名、非公衆ネットワーク(NPN)を、ローカルなEPCまたは5GCで実装して、専用ネットワークのカバレッジエリア内の許可ユーザにアプリケーションサービスを提供する場合において、他の状況にも同様に適用可能である。
【0033】
IOPS動作モードでのMCグループ通信用のMBMS伝送をサポートするためのシステムおよび方法が提供され、ここで、MCサービスは、MCユーザによって直接提供され、IOPS MCシステムおよびIOPS EPSネットワークを介して伝送される。
【0034】
図2
この点に関して、図2には、本開示の実施形態を実施することのできる、セルラー通信システム200の一例が示してある。本明細書に記載の実施形態では、セルラー通信システム200は、LTE RANを含む進化型パケットシステム(EPS)であるが、本開示はこれに限定されない。本明細書に開示された実施形態は、たとえば5Gなど、の他の技術にも同様に適用可能である。この例では、RANは、基地局202-1および202-2を含み、これらは、LTEにおいてeNBと呼ばれ、対応する(マクロ)セル204-1および204-2を制御する。基地局202-1および202-2は、全体として本明細書ではまとめて(複数の)基地局202と呼ばれ、個別には(1つの)基地局202と呼ばれる。同様に、(マクロ)セル204-1および204-2は、全体として本明細書ではまとめて(複数の)(マクロ)セル204と呼ばれ、個別には(1つの)(マクロ)セル204と呼ばれる。RANはまた、対応するスモールセル208-1~208-4を制御する、いくつかの低出力ノード206-1~206-4を含んでもよい。低出力ノード206-1~206-4は、小型基地局(ピコ基地局もしくはフェムト基地局など)またはリモート無線ヘッド(RRH)などとすることができる。特に、図示されてはいないが、別の選択肢として、基地局202によって、スモールセル208-1~208-4のうちの1つまたは複数が設けられてもよい。低出力ノード206-1~206-4は、全体として本明細書ではまとめて(複数の)低出力ノード206と呼ばれ、個別には(1つの)低出力ノード206と呼ばれる。同様に、スモールセル208-1~208-4は、全体として本明細書ではまとめて(複数の)スモールセル208と呼ばれ、個別には(1つの)スモールセル208と呼ばれる。セルラー通信システム200はまた、コアネットワーク210を含み、これは、5GSにおいて5Gコア(5GC)と呼ばれる。基地局202(および、任意選択として低出力ノード206)は、コアネットワーク210に接続される。
【0035】
基地局202および低出力ノード206は、対応するセル204および208内の無線装置212-1~212-5にサービスを提供する。無線装置212-1~212-5は、全体として本明細書ではまとめて(複数の)無線装置212と呼ばれ、個別には(1つの)無線装置212と呼ばれる。無線装置212はまた、本明細書ではUEと呼ばれることもある。
【0036】
次に、本開示の例示的ないくつかの実施形態を説明する。本開示全体を通して、本明細書においてMCサービスUEもしくはMCユーザ、または単にUEもしくはユーザとも呼ばれる公衆安全ユーザには、任意のMCサービスを利用するのに必要な設定が提供されていると考えられる。ここでMCサービスのユーザ設定プロファイルと定義されるこのような設定は、UEにおいて記憶される(たとえば、UE上で動作するMCサービスクライアントによって記憶される)ものと考えられる。各UEにおいて、MCサービスのユーザ設定プロファイルは、対象となるUEによってサポートされるMCサービス(たとえば、MCPTTサービス)の設定に必要な情報(たとえば、静的データ)を含んでもよい。各UEにおいて、MCサービスのユーザ設定プロファイルは、現在のUE設定、MCサービスのユーザプロファイル設定、グループ設定(たとえば、グループID)、およびオフネットワーク動作においてUEに記憶されるサービス設定データまたは同様のデータのうち少なくとも1つについての情報を含んでもよい(たとえば、MCサービスおよびMCPTTサービスのUE/オフネットワーク用の特定のパラメータが、それぞれ、3GPP TS 23.280 V16.3.0 Annex A、および3GPP TS 23.379 V16.2.0 Annex Aに記載されている)。オフライン手順によって、またはUEが認証され、中央のMCシステムに登録された後に、MCサービスのユーザ設定プロファイルをプロビジョニングすることができる。
【0037】
ユーザ設定プロファイルはまた、IOPS動作モードで利用される特定の設定を含むことができる。これは、特定のIOPSグループ設定、たとえば、ユーザが属する(1つまたは複数の)IOPSグループに関連付けられたグループIPマルチキャストアドレスを含むことができる。IOPSグループ設定では、同じオフネットワークグループ設定を利用することもできる。
【0038】
無線アクセスネットワーク(eNB)とマクロコアネットワーク(EPC)との間にリンク障害が存在する場合、IOPS動作モード、すなわちオフネットワークのような動作が開始され、ここで、MCサービスがMCユーザによって直接提供されるが、対応するMCサービスIPパケットがIOPS MCシステムを介して伝送される。そのために、許可されたUEは、IOPS動作モードをサポートするように設定されている。
【0039】
IOPS動作モードが開始されると、IOPS EPSネットワーク(すなわち、ローカルEPCに接続されたIOPS対応の(1つまたは複数の)eNB)が、このIOPS EPSネットワークのカバレッジエリア内にあるUEにローカル接続を実現する。IOPS動作モードにおいてMCサービスをサポートするために、IOPS MCシステム、すなわちIOPS AFによって、MCユーザを登録および検知することができるようになる。また、IOPS AFは、ユーザ間のIP接続をサポートする。すなわち、IOPS AFは、1人または複数人のMCユーザをターゲットとする、あるMCユーザから受信したIPパケットを配信する。
【0040】
本開示全体を通して、マルチキャスト、すなわちMBMSベースの伝送に基づいて、IOPS動作モードでのグループ通信がサポートされる。そのために、IOPS AFは、グループ通信サービスアプリケーションサーバ(GCS AS)の機能をサポートして、MBMSベアラを確立し、マルチキャストブロードキャスト伝送を介してIPパケットを配信するものと考えられる。また、ローカルEPCはMBMSをサポートするものと考えられる。
【0041】
常にMBMSベースの伝送に基づくIOPS動作モードでのMCサービスグループ通信サポート
一実施形態では、IOPS動作モードにおいて、IOPSシステム内の(1つまたは複数の)eNBが、同じMBSFNエリアの一部分になるように構成される。すなわち、1つのIOPSシステムが、1つのMBSFNエリアのみから構成される。このMBSFNエリアは、本明細書においてIOPS MBSFNエリアと呼ばれる。
【0042】
IOPS動作モードが開始されると、IOPS AFが、IOPS MBSFNエリア内にMBMSベアラを事前に確立する。このMBMSベアラは、本明細書では、IOPS MBMSベアラまたはIOPS TMGIと呼ばれる。このことは、IOPS AFがIOPS動作モードでの(1人または複数人の)任意のユーザを検知する前に、IOPS MBMSベアラの確立がすでに発生していてもよいことを意味する。したがって、IOPS動作モード中の任意のグループ通信セッションの開始前に、IOPS AFがMBMSベアラを効率的に確立する。
【0043】
IOPS MBMSベアラを確立するために、ローカルEPC内のMBMSをサポートするブロードキャストマルチキャストサービスセンタ(BM-SC)に、IOPS AFがMBMSベアラ確立要求を送信する。次いで、IOPS MBMSベアラ、すなわちIOPS TMGIは、特定のUDPポートを用いてBM-SCによって識別される。
【0044】
一実施形態では、IOPS AFは、(1人または複数人の)ユーザを検知すると、検知されたこの(1人または複数人の)ユーザにIOPS MBMSベアラを通知する。IOPS AFは、グループ通信セッションがIOPS MBMSベアラを介して伝送されることをユーザに示す。これにより、(1人または複数人の)ユーザが、IOPS MBMSベアラの監視を開始して、その事前設定された(1つまたは複数の)グループIPマルチキャストアドレスにアドレス指定されたデータを、対応するIOPS TMGIを介して受信する。
【0045】
IOPS MBMSベアラは、グループ通信セッションに関連する、IOPS AFが受信するIPパケットを伝送するように確立される。一実施形態では、グループ通信セッションに関連するあらゆるIPパケットが、常に、IOPS動作モードにおいて、IOPS MBMSベアラを介してIOPS AFから伝送される。そのため、IOPS AFは、対応するTMGIに関連付けられたBM-SC IPアドレスおよびUDPポートを有する外部IPヘッダを使用して、受信したIPパケットを伝送する。次いで、3GPP TS 23.468および3GPP TS 29.468に記載されているように、BM-SCは、IOPS TMGIに関連付けられた(1つまたは複数の)対応するeNBにIPパケットを伝送する。
【0046】
その一方で、IOPS AFが受信する、1対1の通信セッションに関連するIPパケットが、ローカルEPCを介したユニキャストベアラによって伝送される。
【0047】
一実施形態では、IOPSディスカバリ手順中に、MCユーザは、いかなるユーザグループ情報もIOPS AFには告知しない。これにより、IOPS動作モード中に、IOPS AFにユーザグループ設定を記憶することに関連するセキュリティリスクが軽減される。
【0048】
IOPS AFは、受信したIPパケットのペイロードを調べないので、一実施形態では、IOPS AFは、実際の宛先IPアドレスのIPアドレスタイプに基づいて、受信したIPパケットがグループ通信セッションに関連するかどうか判定する。実際の宛先IPアドレスは、受信したIPパケットの内部IPヘッダ内に含まれるアドレスである。したがって、IOPS AFは、実際の宛先IPアドレスのIPアドレスタイプがマルチキャストIPアドレスであることを識別すると、グループ通信セッションに関連するIPパケットであると決定する。続いて、IOPS AFは、IOPS MBMSベアラ、すなわちIOPS TMGIを介して、受信したIPパケットを配信して、IOPSシステムカバレッジ内のユーザにブロードキャストする。ユニキャストIPアドレスタイプの場合、IOPS AFは、受信したIPパケットをユニキャスト伝送によって配信する。
【0049】
したがって、一実施形態では、IOPS AFは、宛先IPマルチキャストアドレスを有するあらゆるIPパケットを、すでに確立されたIOPS MBMSベアラ全体に分配するように設定される。検知されたあらゆるMCユーザは、すでにIOPS MBMSベアラを監視するよう要求されているので、ユーザ設定プロファイル内で事前設定されているグループIPマルチキャストアドレスにアドレス指定されたそうしたIPパケットだけをフィルタリングおよび復号するかどうかは、MCユーザ次第である。続いて、MCユーザは、受信した他のあらゆるIPパケット、すなわち、事前設定されていないグループIPマルチキャストアドレスにアドレス指定されたIPパケットを破棄する。
【0050】
一実施形態では、IOPS AFは、受信されたIPパケットから識別されるIPマルチキャストアドレスに基づいて、追加のIOPS MBMSベアラ、すなわち追加のTMGIを動的に確立すると決定してもよい。たとえば、IPパケットがIPマルチキャストアドレスにアドレス指定されている、すなわち、ユーザのグループをアドレス指定していることをIOPS AFが初めて識別すると、このIOPS AFは、対応するIPマルチキャストアドレスをターゲットとするあらゆる関連するIPパケットのみを伝送するように、新規のTMGIを動的に確立する。続いて、IOPS AFは、対応するIPマルチキャストアドレスに新規のTMGIが設定されたことを、検知されたあらゆるユーザに通知する。したがって、このグループに関心をもつユーザ、すなわち、対応するIPマルチキャストアドレスで事前設定されたユーザのみが、対応するTMGIを監視し始める。この場合、他のユーザは、このようなTMGIを監視する必要はない。
【0051】
図3
図3には、常にMBMSベースの伝送に基づいて、MCサービスのグループ通信をサポートするための、説明されているMBMS設定が示してある。この例では、IOPS EPSは、2つのIOPS対応eNB(eNB1およびeNB2で示す)、ローカルEPC、ならびにIOPS AFを含む。ローカルEPCおよびIOPS AFは、eNBの外部にあるが(たとえば、直接接続もしくはローカルネットワークによって)eNBに接続された1つまたは複数のネットワークノードにおいて実装されてもよく、または代替的に、各eNBのうちの1つの一部分として実装されてもよいことに留意されたい。IOPS AFは、IOPS接続機能およびIOPS配信機能を含む。IOPSシステムは、MC UE1、MC UE2、MC UE3、およびMC UE4で示される、いくつかのMC UEに接続する。前述の通り、IOPS AFは、IOPS MBSFNエリア内にIOPS MBMSベアラを事前に確立する。続いて、IOPS AF(具体的には、IOPS接続機能)は、MC UE1、2、3、および4を検知する。前述したように、IOPS AF(具体的には、IOPS配信機能)は、IOPS MBMSベアラを介するグループ通信セッションに関連するIOPS AFが受信したIPパケットを伝送する。
【0052】
図4Aおよび図4B
図4Aおよび図4Bには、前述の各実施形態の少なくともいくつかの態様による、図3のIOPS EPSの動作が示してある。図4において、MC UE1、2、および3は、同じIOPSグループXに属するものと考えられる。すなわち、各ユーザは、IOPSグループXに関連付けられたグループIPマルチキャストアドレスXで事前設定されている。図4Aおよび4Bに示す手順のステップは、以下の通りである。
1.IOPS動作モードが開始される前に、UEがマクロPLMNネットワークに登録され、MCサービスが、標準のオンネットワーク動作に基づいてサポートされると考えられる。
2.IOPSケーブルの(1つまたは複数の)eNBは、マクロEPCへの接続を失ったことを検出する。したがって、(1つまたは複数の)eNBのカバレッジエリア内のあらゆるUEが、ネットワークから切り離される。
3.IOPS動作モードが開始される。すなわち、(1つまたは複数の)eNBがIOPS対応の(1つまたは複数の)eNBであり、IOPS PLMNをブロードキャストし始める。IOPS PLMNネットワークは、IOPS動作モードをサポートする、利用可能なローカルEPCに基づいている。IOPS AFはまた、ローカルEPCとともに動作を開始して、IOPS動作モードでのMCサービスをサポートする。ローカルEPCはMBMSをサポートし、(1つまたは複数の)eNBがサービス提供するセルは、IOPS MBSFNエリアを形成するように設定される。
4.IOPS AFは、ローカルEPCに要求を送信して、IOPS MBSFNエリア内に、MBMSベアラ、すなわちIOPS MBMSベアラを確立する。次いで、IOPS MBMSベアラが確立され、TMGIおよびUDPのポートに関連付けられる。
5.IOPS PLMNが検出されると、各UEがIOPSネットワークに登録される。
6.MC UEは、IOPSディスカバリ手順を開始し、IOPS AFによって検知される。ディスカバリ手順の一部分として、MC UEは、いかなるグループ設定も告知しなくてもよい。
7.IOPS AFによって(1つまたは複数の)MC UEが検知されると、IOPS AFは、IOPS MBMSベアラを通知する。IOPS AFは、グループ通信セッションがIOPS MBMSベアラを介して伝送されることを(1つまたは複数の)MC UEに示す。
8.(1つまたは複数の)MC UEは、IOPS MBMSベアラを監視し始め、MBMSリスニングステータスレポートをIOPS AFに送信し始める。
9.この例では、MC UE1は、事前設定されたIOPSグループXでグループコールを開始する。そのために、MC UE1は、関連するIPパケットをIP内にカプセル化して、IOPS AFを介してターゲットグループのUEに伝送する。したがって、IPパケットは、内部IPヘッダおよび外部IPヘッダを含む。内部IPヘッダは、宛先IPアドレスとして、IOPSグループXの関連付けられた事前設定済みのグループIPマルチキャストアドレスを含む。外部IPヘッダは、IOPS AFでのIOPS配信機能の設定済みのIPアドレスを含む。
10.グループコールに関連するIPパケットは、IOPS AFに伝送される。
11.この例では、IOPS AF、この場合はIOPS配信機能が、IPパケットを受信し、内部IPアドレスタイプがマルチキャストIPアドレスか、それともユニキャストIPアドレスか判定する。この場合、IOPS AFは、内部宛先IPアドレスがグループIPマルチキャストアドレスであることを識別する。
12.IOPS AFは、関連するIPパケットをIOPS MBMSベアラを介して配信する。そのために、この実施形態では、IPパケットは、対応するTMGI/UDPポートを介してBM-SC経由で伝送される。すなわち、このIPパケットは、グループIPマルチキャストアドレスXを含む内部IPヘッダ、およびBM-SCのIPアドレスを含む外部IPヘッダで、IP内にカプセル化される。
13.MC UE2およびMC UE3は、グループIPマルチキャストアドレスXにアドレス指定されたIPパケットを受信および復号する。MC UE4は、関連するそうしたIPパケットを破棄する。
14.記載された同じ手順に続いて、グループコールが継続する。
【0053】
MBMSベースの伝送および/またはユニキャスト伝送に基づくIOPS動作モードでのMCサービスグループ通信サポート
機能強化された一実施形態として、1つまたは複数のIOPS MBMSベアラが、IOPS動作モードで事前に確立されるか、または動的に確立されて、さらに柔軟なMBMSの実装をサポートする。グループ通信セッションは、MBMSベースの伝送ならびにユニキャスト伝送に基づくことができる。
【0054】
そのために、MC UEは、IOPSディスカバリ手順中に、グループ設定(たとえば、事前設定されたUEのグループIPマルチキャストアドレス)をIOPS AFに告知する。これにより、IOPS AFは、検知されたUEがどのIOPSグループに属しているか、すなわち、UEに、(1つまたは複数の)どのグループIPマルチキャストアドレスが事前設定されているかについての情報を取得する。これに基づいて、IOPS AFは、検知されたUEの基本的な一時ユーザプロファイルを構築することができ、これは、このUEがIOPS動作モードでどのIOPSグループと通信してもよいかを含む。
【0055】
受信されたグループ設定に基づいて、IOPS AFは、2つ以上のIOPS MBMSベアラを事前に確立するか、または動的に確立するかを決定してもよい。また、IOPS AFは、(対応するIOPS MBMSベアラを介した)MBMS伝送、もしくはユニキャスト伝送、またはその両方に基づいて、グループ通信に関連するIPパケットを配信するように決定してもよい。
【0056】
一実施形態では、IOPS AFは、たとえば、このIOPS AFが識別した、必要とされるMBMSベアラの容量、およびIOPSグループの数を考慮すれば、1つまたは複数のIOPS MBMSベアラを事前に確立するか、または動的に確立するか決定してもよい。後者の場合、IOPS AFは、識別されたIOPSグループごとにIOPS TMGIを確立するか、またはIOPSグループのサブセットごとにIOPS TMGIを確立するかを決定してもよい。さらに効率的なやり方では、IOPS AFは、すでに確立されているIOPS MBMSベアラにまだ関連付けられていないIOPSグループをIPパケットがターゲットにしていることを最初に識別すると、新規のIOPS MBMSベアラを動的に確立するように決定してもよい。
【0057】
追加の実施形態では、IOPS AFは、「常にMBMSベースの伝送に基づくIOPS動作モードでのMCサービスグループ通信サポート」と題するセクションで先に述べた通り、初めにIOPS MBMSベアラのみを事前に確立するように決定することができ、次いで、必要となれば、1つまたは複数のIOPS MBMSベアラを動的に確立するように決定することができる。続いて、IOPS AFは、どのIOPS MBMSベアラを監視する必要があるかを、各UEに効率的に通知する。
【0058】
IOPS AFが受信したグループ設定と、対応するMBMSベアラ設定、すなわちIOPS TMGIの対応する確立とに基づいて、IOPS AFは、グループ通信に関連するIPパケットを受信するために(1つまたは複数の)どのTMGIを各UEが監視すべきかをUEに通知する。
【0059】
図5
図5は、本開示のいくつかの実施形態による無線アクセスノード500の概略ブロック図である。無線アクセスノード500は、たとえば、基地局202または206でもよい。図に示すように、無線アクセスノード500は、1つまたは複数のプロセッサ504(たとえば、中央処理装置(CPU)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など)、メモリ506、およびネットワークインターフェース508を含む制御システム502を備える。この1つまたは複数のプロセッサ504は、本明細書においては処理回路とも呼ばれる。さらに、無線アクセスノード500は、それぞれが1つまたは複数の送信機512と、1つまたは複数のアンテナ516に結合された1つまたは複数の受信機514とを含む、1つまたは複数の無線ユニット510を備える。無線ユニット510は、無線インターフェース回路と呼んでもよく、またはその一部分でもよい。実施形態によっては、(1つまたは複数の)無線ユニット510は、制御システム502の外部にあり、たとえば、有線接続(たとえば、光ケーブル)を介して制御システム502に接続される。しかし、他の実施形態によっては、(1つまたは複数の)無線ユニット510、および場合によっては(1つまたは複数の)アンテナ516は、制御システム502とともに統合される。本明細書に記載の通り、1つまたは複数のプロセッサ504は、無線アクセスノード500の1つまたは複数の機能を実現するように動作する。実施形態によっては、(1つまたは複数の)この機能は、たとえばメモリ506に記憶され、1つまたは複数のプロセッサ504によって実行されるソフトウェアに実装される。
【0060】
図6
図6は、本開示のいくつかの実施形態による無線アクセスノード500の、仮想化された実施形態を示す概略ブロック図である。この考察は、他のタイプのネットワークノードにも同様に適用可能である。さらに、他のタイプのネットワークノードも、仮想化された同様のアーキテクチャを有してもよい。
【0061】
本明細書では、「仮想化された」無線アクセスノードとは、無線アクセスノード500の機能の少なくとも一部分が、(たとえば、(1つまたは複数の)ネットワーク内の(1つまたは複数の)物理的処理ノード上で実行される(1つまたは複数の)仮想マシンを介した)(1つまたは複数の)仮想構成要素として実装される、無線アクセスノード500の一実装形態である。図に示すように、この例では、無線アクセスノード500は、前述のように、1つまたは複数のプロセッサ504(たとえば、CPU、ASIC、FPGAなど)、メモリ506、およびネットワークインターフェース508を含む制御システム502と、それぞれが1つまたは複数の送信機512、および1つまたは複数のアンテナ516に結合された1つまたは複数の受信機514を含む、1つまたは複数の無線ユニット510とを備える。制御システム502は、たとえば、光ケーブルなどを介して(1つまたは複数の)無線ユニット510に接続される。制御システム502は、ネットワークインターフェース508を介して、(1つまたは複数の)ネットワーク602に結合されるか、またはその一部分として含まれる、1つまたは複数の処理ノード600に接続される。各処理ノード600は、1つまたは複数のプロセッサ604(たとえば、CPU、ASIC、FPGAなど)、メモリ606、およびネットワークインターフェース608を備える。
【0062】
この例では、本明細書に記載の無線アクセスノード500の機能610は、任意の所望の方式で、1つもしくは複数の処理ノード600において実施されるか、または制御システム502および1つもしくは複数の処理ノード600にわたって分散される。具体的ないくつかの実施形態では、本明細書に記載の無線アクセスノード500の各機能610の一部またはすべてが、(1つまたは複数の)処理ノード600によってホストされる(1つまたは複数の)仮想環境において実装される、1つまたは複数の仮想マシンによって実行される仮想構成要素として実装される。当業者には理解されるように、(1つまたは複数の)処理ノード600と制御システム502の間での追加のシグナリングまたは通信が使用されて、所望の機能610の少なくとも一部を実行する。特に、実施形態によっては、(1つまたは複数の)無線ユニット510が、(1つまたは複数の)適切なネットワークインターフェースを介して(1つまたは複数の)処理ノード600と直接通信する場合、制御システム502を含まなくてもよい。
【0063】
実施形態によっては、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、この少なくとも1つのプロセッサが、無線アクセスノード500、または無線アクセスノード500の各機能610のうちの1つまたは複数を実施するノード(たとえば、処理ノード600)の機能を、本明細書に記載の各実施形態のいずれかによって仮想環境において実行できるようにする命令を含む、コンピュータプログラムが提供される。実施形態によっては、前述のコンピュータプログラム製品を含むキャリアが提供される。このキャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ読取り可能な記憶媒体(たとえば、メモリなど、持続的なコンピュータ読取り可能な媒体)のうちの1つである。
【0064】
図7
図7は、本開示の他のいくつかの実施形態による無線アクセスノード500の概略ブロック図である。無線アクセスノード500は、1つまたは複数のモジュール700を備え、そのそれぞれがソフトウェアで実装される。(1つまたは複数の)モジュール700は、本明細書に記載の無線アクセスノード500の機能を提供する。この考察は、図6の処理ノード600に等しく適用可能であり、ここで、モジュール700は、処理ノード600のうちの1つで実装されてもよく、または複数の処理ノード600にわたって分散されてもよく、かつ/または(1つまたは複数の)処理ノード600および制御システム502にわたって分散されてもよい。
【0065】
図8
図8は、本開示のいくつかの実施形態によるUE800の概略ブロック図である。図に示すように、UE800は、1つまたは複数のプロセッサ802(たとえば、CPU、ASIC、FPGAなど)、メモリ804、ならびに、1つまたは複数のアンテナ812に結合された1つまたは複数の送信機808および1つまたは複数の受信機810をそれぞれが含む、1つまたは複数の送受信機806を備える。当業者には理解されるように、(1つまたは複数の)送受信機806は、(1つまたは複数の)アンテナ812と(1つまたは複数の)プロセッサ802との間で通信される信号を調整するように設定された、(1つまたは複数の)アンテナ812に接続された無線フロントエンド回路を備える。このプロセッサ802は、本明細書においては処理回路とも呼ばれる。この送受信機806は、本明細書においては無線回路とも呼ばれる。実施形態によっては、前述のUE800の機能は、たとえば、メモリ804に記憶され、(1つまたは複数の)プロセッサ802によって実行されるソフトウェアにおいて、完全に、または部分的に実装されてもよい。UE800は、たとえば、1つまたは複数のユーザインターフェース構成要素(たとえば、表示装置、ボタン、タッチスクリーン、マイクロホン、スピーカなどを含む入力/出力インターフェース、および/または、UE800への情報の入力を可能にし、かつ/もしくはUE800からの情報の出力を可能にする他の任意の構成要素)、電力供給源(たとえば、電池および関連する電力回路)など、図8に示していない追加の構成要素を含んでもよいことに留意されたい。
【0066】
実施形態によっては、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、この少なくとも1つのプロセッサが、本明細書に記載の各実施形態のいずれかによる、UE800の機能が実行できるようになる命令を含むコンピュータプログラムが提供される。実施形態によっては、前述のコンピュータプログラム製品を含むキャリアが提供される。このキャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ読取り可能な記憶媒体(たとえば、メモリなど、持続的なコンピュータ読取り可能な媒体)のうちの1つである。
【0067】
図9
図9は、本開示の他のいくつかの実施形態によるUE800の概略ブロック図である。このUE800は、1つまたは複数のモジュール900を備え、そのそれぞれがソフトウェアで実装される。(1つまたは複数の)モジュール900は、本明細書に記載のUE800の機能を提供する。
【0068】
一部の実施形態
先に述べた一部の実施形態の概要を、以下のように示すことができる。
1.IOPSアプリケーション機能(AF)によって実行されて、グループ通信サービスを提供する方法であって、
IOPS MBMSベアラを確立すること(図4Aのステップ4)であって、このIOPS MBMSベアラが、IOPS動作モードで動作している1つまたは複数の無線アクセスノードによってサービス提供されるMBSFNエリア内のMBMSベアラである、IOPS MBMSベアラを確立することと、
IOPSディスカバリ手順を介して、1つまたは複数のユーザ機器(UE)を検知することと(図4Aのステップ6)、
この1つまたは複数のUEに、IOPS MBMSベアラ用のMBMSベアラアナウンスを送信することと(図4Aのステップ7)
を含む、方法。
2.IOPS動作モードで動作している1つまたは複数の無線アクセスノードの1つを介して、UEからIPパケットを受信することと(図4Aのステップ10)、
このIPパケットがグループ通信サービス用であると判定することと(図4Bのステップ11)、
このIPパケットがグループ通信サービス用であると判定すると(図4Bのステップ11)、このIPパケットをIOPS MBMSベアラを介して送信することと(図4Bのステップ12)
をさらに含む、実施形態1に記載の方法。
3.グループ通信セッションに関連するあらゆるIPパケットが、IOPS MBMSベアラを介して送信される、実施形態2に記載の方法。
4.IOPS MBMSベアラを介してIPパケットを送信することが(図4Bのステップ12)、対応するTMGIに関連付けられたBM-SC IPアドレスおよびUDPポートを有する外部IPヘッダを使用して、IOPS MBMSベアラを介してIPパケットを送信することを(図4Bのステップ12)含む、実施形態3に記載の方法。
5.IPパケットがグループ通信サービス用であると判定することが(図4Bのステップ11)、IPパケットの実際のIPアドレスのIPアドレスが、マルチキャストIPアドレスであると判定することを含む、実施形態2から4のいずれか1つに記載の方法。
6.IPパケットの実際のIPアドレスが、このIPパケットの内部IPヘッダ内に含まれるIPアドレスであり、このIPパケットが、
IPパケットの実際のIPアドレスを含む内部IPヘッダと、
IOPS MBMSベアラに関連付けられたIPアドレス(たとえば、対応するTMGIに関連付けられたBM-SC IPアドレスおよびUDPポート)を含む外部IPヘッダと
を含む、実施形態5に記載の方法。
7.IOPS MBMSベアラを確立することは(図4Aのステップ4)、IOPS動作モードが開始すると、IOPS MBMSベアラを事前に確立することを(図4Aのステップ4)含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
8.MBMSベアラアナウンスは、グループ通信サービス用の1つまたは複数のグループ通信セッションが、IOPS MBMSベアラを介して伝送されることを示す、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
9.1つまたは複数のUEが、IOPSディスカバリ手順中に、いかなるユーザグループ情報もIOPS AFに告知しない、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
10.1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラを事前に確立することをさらに含む、実施形態7に記載の方法。
11.IOPS MBMSベアラ、および1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラが、IOPSディスカバリ手順中に、1つまたは複数のUEから取得されたグループ設定情報に基づいて事前に確立される、実施形態10に記載の方法。
12.IOPS MBMSベアラ、および1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラが、IOPSディスカバリ手順中に、1つまたは複数のUEから取得されたグループ設定情報、および1つまたは複数の追加の判定基準(たとえば、必要とされるMBMSベアラの容量、IOPSグループの数、またはその両方)に基づいて事前に確立される、実施形態10に記載の方法。
13.1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラを動的に確立することをさらに含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
14.様々なマルチキャストIPアドレスを有する追加のIPパケットを受信することと、
様々なマルチキャストIPアドレスに基づいて、1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラを動的に確立することと
をさらに含む、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
15.1つまたは複数のUEに対して、1つまたは複数の追加のIOPS MBMSベアラ用の1つまたは複数の追加のMBMSベアラアナウンスをさらに、実施形態10または11に記載の方法。
16.グループ通信サービスを提供するためのIOPSアプリケーション機能(AF)を実装するネットワークノードであって、実施形態1から15のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された、ネットワークノード。
17.IOPSシステムでのグループ通信のために、ユーザ機器(UE)によって実行される方法であって、
IOPS AFがUEを検知する際のIOPSディスカバリ手順を実行することと(図4Aのステップ6)、
IOPS MBMSベアラ用のMBMSベアラアナウンスをIOPS AFから受信することであって(図4Aのステップ7)、このIOPS MBMSベアラが、IOPS動作モードで動作している1つまたは複数の無線アクセスノードによってサービス提供されるMBSFNエリア内のMBMSベアラである、MBMSベアラアナウンスを受信することと
を含む、方法。
18.グループ通信セッション用のIPパケットを、IOPS AFから、IOPS MBMSベアラを介して受信することを(図4Bのステップ12、13A、13B)さらに含む、実施形態17に記載の方法。
19.グループ通信セッションに関連するあらゆるIPパケットが、IOPS MBMSベアラを介して送信される、実施形態18に記載の方法。
20.IPパケットが、UEによって監視されている特定のグループ通信セッション用の特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定することと、
IPパケットが、UEによって監視されている特定のグループ通信セッション用の特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定すると、IPパケットを復号することと(図4Bのステップ13A)
をさらに含む、実施形態18または19に記載の方法。
21.IPパケットが、UEによって監視されていない特定のグループ通信セッション用の特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定することと、
IPパケットが、UEによって監視されていない特定のグループ通信セッション用の特定のマルチキャストアドレスにアドレス指定されていると判定すると、IPパケットを破棄することと(図4Bのステップ13B)
をさらに含む、実施形態18または19に記載の方法。
22.MBMSベアラアナウンスは、グループ通信サービス用の1つまたは複数のグループ通信セッションが、IOPS MBMSベアラを介して伝送されることを示す、実施形態17から21のいずれか1つに記載の方法。
23.UEが、IOPSディスカバリ手順中に、いかなるユーザグループ情報もIOPS AFに告知しない、実施形態17から22のいずれか1つに記載の方法。
24.UEが、IOPSディスカバリ手順中に、ユーザグループ情報をIOPS AFに告知する、実施形態17から22のいずれか1つに記載の方法。
25.実施形態17から24のいずれか1つに記載の方法を実行するように構成された、ユーザ機器(UE)。
【0069】
本明細書に開示された任意の適切なステップ、方法、特徴、機能、または利点は、1つまたは複数の仮想機器の、1つまたは複数の機能ユニットまたは機能モジュールによって実行されてもよい。各仮想機器は、いくつかのこうした機能ユニットを備えてもよい。1つまたは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラ、ならびにデジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理回路などを含んでもよい他のデジタルハードウェアを備えてもよい処理回路を用いて、こうした機能ユニットを実装してもよい。処理回路は、メモリに記憶されたプログラムコードを実行するように設定されてもよく、このメモリには、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光記憶装置など、1つまたはいくつかのタイプのメモリが含まれ得る。メモリに記憶されるプログラムコードは、1つまたは複数の通信プロトコルおよび/またはデータ通信プロトコルを実行するためのプログラム命令、ならびに本明細書に記載の技法のうち1つまたは複数を実行するための命令を含む。実装形態によっては、処理回路を使用して、それぞれの機能ユニットが、本開示の1つまたは複数の実施形態による、対応する機能を実行できるようにしてもよい。
【0070】
各図でのプロセスは、本開示のある特定の実施形態によって実行される動作の特定の順序を示す場合もあるが、そのような順序は例示的なものである(たとえば、代替実施形態は、異なる順序で動作を実行し、ある特定の動作を組み合わせ、ある特定の動作を重複させてもよい)ことを理解されたい。
【0071】
略語
本開示では、以下の略語のうち少なくともいくつかが使用され得る。略語間に食い違いがある場合は、略語が上記で使用されている用法を優先すべきである。以下に複数回リスト表示されている場合は、最初のリスト表示が、それに続く(1つまたは複数の)リスト表示よりも優先される。
【符号の説明】
【0072】
2G 第2世代(Second Generation)
3G 第3世代(Third Generation)
3GPP 第3世代パートナーシッププロジェクト(Third Generation Partnership Project)
4G 第4世代(Fourth Generation)
5G 第5世代(Fifth Generation)
AF アプリケーション機能(Application Function)
AMF アクセスモビリティ管理機能(Access and Mobility Management Function)
AN アクセスネットワーク(Access Network)
AP アクセスポイント(Access Point)
AUSF 認証サーバ機能(Authentication Server Function)
BS 基地局(Base Station)
BSC 基地局制御装置(Base Station Controller)
BTS 基地局(Base Transceiver Station)
CDMA 符号分割多元接続(Code Division Multiple Access)
CGI セルグローバル識別子(Cell Global Identifier)
DL ダウンリンク(Downlink)
DN データネットワーク(Data Network)
ECGI 進化型セルグローバル識別子(Evolved Cell Global Identifier)
eNB 拡張ノードBまたは進化型ノードB(Enhanced or Evolved Node B)
EPC 進化型パケットコア(Evolved Packet Core)
EPS 進化型パケットシステム(Evolved Packet System)
E-UTRA 進化型ユニバーサル地上無線アクセス(Evolved Universal Terrestrial Radio Access)
E-UTRAN 進化型ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network)
GC グループ通信(Group Communication)
GERAN 汎欧州デジタル移動電話方式(GSM)でのGSM進化型高速データレートの無線アクセスネットワーク(Global System for Mobile (GSM) Communications Enhanced Data Rates for GSM Evolution Radio Access Network)
gNB 新無線基地局(New Radio Base Station)
GSM 汎欧州デジタル移動電話方式(Global System for Mobile Communications)
HO ハンドオーバ(Handover)
HSPA ハイスピードパケットアクセス(High Speed Packet Access)
IOPS 公衆安全のための次世代ユニバーサル地上波無線アクセスネットワークでの隔離された運用(Isolated Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network Operations for Public Safety)
IP インターネットプロトコル(Internet Protocol)
LAN ローカルエリアネットワーク(Local Area Network)
LTE ロングタームエボリューション(Long Term Evolution)
MAC 媒体アクセス制御(Medium Access Control)
MBMS マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(Multimedia Broadcast Multicast Services)
MBSFN マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービスでの単一周波数ネットワーク(Multimedia Broadcast Multicast Service Single Frequency Network)
MC ミッションクリティカル(Mission Critical)
MIB マスタ情報ブロック(Master Information Block)
MME モビリティ管理エンティティ(Mobility Management Entity)
MSC モバイルスイッチングセンタ(Mobile Switching Center)
NEF ネットワークエクスポージャ機能(Network Exposure Function)
NF ネットワーク機能(Network Function)
NFV ネットワーク機能仮想化(Network Function Virtualization)
NR 新無線(New Radio)
NRF ネットワーク機能リポジトリ機能(Network Function Repository Function)
NSSF ネットワークスライス選択機能(Network Slice Selection Function)
O&M 運用保守(Operation and Maintenance)
OSS 運用サポートシステム(Operations Support System)
PCF ポリシー制御機能(Policy Control Function)
P-GW パケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway)
PLMN 公衆陸上移動網(Public Land Mobile Network)
PRB 物理リソースブロック(Physical Resource Block)
PSTN 公衆交換電話網(Public Switched Telephone Networks)
PTT プッシュツートーク(Push to Talk)
QoS サービス品質(Quality of Service)
RAN 無線アクセスネットワーク(Radio Access Network)
RAT 無線アクセス技術(Radio Access Technology)
SCEF サービス能力公開機能(Service Capability Exposure Function)
SDU サービスデータ単位(Service Data Unit)
S-GW サービングゲートウェイ(Serving Gateway)
SI システム情報(System Information)
SIB システム情報ブロック(System Information Block)
SIM 加入者識別情報モジュール(Subscriber Identity Module)
SMF セッション管理機能(Session Management Function)
TCP 伝送制御プロトコル(Transmission Control Protocol)
TMGI 一時的モバイルグループ識別情報(Temporary Mobile Group Identity)
UDM 統合データ管理(Unified Data Management)
UE ユーザ機器(User Equipment)
UL アップリンク(Uplink)
UMTS ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム(Universal Mobile Telecommunications System)
USIM 汎用加入者識別情報モジュール(Universal Subscriber Identity Module)
UTRA ユニバーサル地上無線アクセス(Universal Terrestrial Radio Access)
UTRAN ユニバーサル地上無線アクセスネットワーク(Universal Terrestrial Radio Access Network)
VNE 仮想ネットワーク要素(Virtual Network Element)
VNF 仮想ネットワーク機能(Virtual Network Function)
VoIP ボイスオーバインターネットプロトコル(Voice over Internet Protocol)
WCDMA 広帯域符号分割多元接続(Wideband Code Division Multiple Access)
WD 無線装置(Wireless Device)
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9