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特許7399298ステータ板、モータ、圧縮機及び家庭用電器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-07
(45)【発行日】2023-12-15
(54)【発明の名称】ステータ板、モータ、圧縮機及び家庭用電器
(51)【国際特許分類】
   H02K 1/16 20060101AFI20231208BHJP
【FI】
H02K1/16 C
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022542076
(86)(22)【出願日】2021-09-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(86)【国際出願番号】 CN2021120602
(87)【国際公開番号】W WO2022217848
(87)【国際公開日】2022-10-20
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】202110417468.0
(32)【優先日】2021-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519461059
【氏名又は名称】安徽美芝精密制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】ANHUI MEIZHI PRECISION MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 3, Taishan Road, Economic and Technological Development Zone, Wuhu, Anhui 241000, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100112656
【弁理士】
【氏名又は名称】宮田 英毅
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】劉法民
(72)【発明者】
【氏名】于嵐
(72)【発明者】
【氏名】邱小華
(72)【発明者】
【氏名】陳輝
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-121271(JP,A)
【文献】特開2019-208360(JP,A)
【文献】特開2012-029515(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータ孔を有するステータ板であって、
前記ステータ板の外周に形成されているヨーク部と、
前記ヨーク部の内周に沿って間隔をおいて設けられている複数のステータ歯と、を含み、
前記ステータ歯は歯本体と歯シューとを含み、前記歯本体は一端が前記ヨーク部に接続され、他端が前記歯シューに接続されており、前記歯シューの前記ロータ孔に面した側には調節溝が設けられており、前記歯本体の中心線は、前記ステータ歯を、ロータ回転方向の上流側に位置する第1領域と、前記ロータ回転方向の下流側に位置する第2領域とに分け、
前記第1領域内にある前記調節溝の面積をS1とし、前記第2領域内にある前記調節溝の面積をS2とすると、S1がS2より小さく、
前記調節溝の底端に前記ロータ孔から離れる方向に凹んだ第1円弧、第2円弧、第3円弧、第4円弧が形成されており、前記第3円弧が前記第1円弧と前記第2円弧との間に設けられ、前記第4円弧が前記第3円弧の中間部に設けられている
ステータ板。
【請求項2】
S1がS2の半分より小さい
請求項1に記載のステータ板。
【請求項3】
同一の前記ステータ歯の両側を結んだ線には、距離が最短である線分が形成され、前記ロータ孔の円心との距離が最も短い前記線分を第1線分として、前記第1線分から前記ロータ孔周縁までの面積と前記調節溝の面積との差をS3とすると、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は0.5%以上且つ30%以下である
請求項2に記載のステータ板。
【請求項4】
(S1+S2)/(S1+S2+S3)が2%以上且つ15%以下である
請求項3に記載のステータ板。
【請求項5】
前記第1円弧の円心は前記第2領域にあり、前記第2円弧の円心は前記第1領域にあり、前記第1円弧と前記第2円弧との延長線の交点は前記第2領域にあり、前記第3円弧の円心は前記中心線上にあり、前記第4円弧の円心は前記第2領域にあり、前記第4円弧と前記第3円弧との2つの交点はいずれも前記第2領域にある
請求項に記載のステータ板。
【請求項6】
前記第3円弧の半径をR3とし、前記第4円弧の半径をR4とすると、R3はR4より大きく、且つ、R4は0より大きい
請求項に記載のステータ板。
【請求項7】
ステータ板の内周に形成されているヨーク部と、
前記ヨーク部の外周に沿って間隔をおいて設けられている複数のステータ歯と、を含み、
前記ステータ歯は歯本体と歯シューとを含み、前記歯本体は一端が前記ヨーク部に接続され、他端が前記歯シューに接続されており、前記歯シューの外周には調節溝が開けられており、前記歯本体の中心線は、前記ステータ歯を、ロータ回転方向の上流側に位置する第1領域と、前記ロータ回転方向の下流側に位置する第2領域とに分け、
前記第1領域内にある前記調節溝の面積をS1とし、前記第2領域内にある前記調節溝の面積をS2とすると、S1がS2より小さく、
前記調節溝の底端に前記ヨーク部に近づく方向に凹んだ第1円弧、第2円弧、第3円弧、第4円弧が形成されており、前記第3円弧が前記第1円弧と前記第2円弧との間に設けられ、前記第4円弧が前記第3円弧の中間部に設けられている
ステータ板。
【請求項8】
請求項1からの何れか一項に記載のステータ板を含む
モータ。
【請求項9】
請求項に記載のモータを含む
圧縮機。
【請求項10】
請求項に記載の圧縮機を含む
家庭用電器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2021年4月16日に出願された、出願番号が202110417468.0である中国特許出願の優先権を主張し、その全ての内容を引用により本願に組み入れる。
【0002】
本願はモータの技術分野に関し、特にステータ板、及び前記ステータ板が適用されるモータ、圧縮機及び家庭用電器に関する。
【背景技術】
【0003】
モータの双方向に回転する運転特性に基づいて、従来のモータのステータ歯部はすべて左右対称であり、ステータ歯シュー(tooth shoe)とロータとの間のエアギャップの長さも対称的である。この対称構造を採用した目的は2つで、それぞれ、モータの双方向回転を可能にすることと、過剰な磁界高調波の導入を回避することである。しかし、一方向に回転するモータの場合、このような対称構造は一方向回転モータの構造設計を制約してしまう。しかも、このような対称構造では、モータの径方向力密度を大幅に弱めることができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本願では、一方向に回転するモータの径方向力密度を効果的に弱めることができない従来技術の問題を解決するための、ステータ板及び前記ステータ板を用いたモータ、圧縮機、及び家庭用電器を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題を解決するために、本願はステータ板を提案する。前記ステータ板はロータ孔を有し、前記ステータ板はさらに、ヨーク部と複数のステータ歯とを含み、前記ヨーク部が前記ステータ板の外周に形成されており、前記複数のステータ歯が前記ヨーク部の内周に沿って間隔をおいて設けられており、前記ステータ歯は歯本体と歯シューとを含み、前記歯本体は一端が前記ヨーク部に接続され、他端が前記歯シューに接続されており、前記歯シューの前記ロータ孔に面した側には調節溝が開けられており、前記歯本体の中心線は、前記ステータ歯を、前記ロータ回転方向の上流側に位置する第1領域と、前記ロータ回転方向の下流側に位置する第2領域とに分けており、前記第1領域内にある前記調節溝の面積をS1とし、前記第2領域内にある前記調節溝の面積をS2とすると、S1がS2より小さい。
【0006】
一実施例において、S1がS2の半分より小さい。
【0007】
一実施例において、同一の前記ステータ歯の両側を結んだ線には、距離が最短である線分が形成され、前記ロータ孔の円心との距離が最も短い前記線分を第1線分として、前記第1線分から前記ロータ孔周縁までの面積と前記調節溝の面積との差がS3であり、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は0.5%以上且つ30%以下である。
【0008】
一実施例において、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は2%以上且つ15%以下である。
【0009】
一実施例において、前記調節溝の底端に前記ロータ孔から離れる方向に凹んだ第1円弧、第2円弧、第3円弧、第4円弧が形成されており、前記第3円弧が前記第1円弧と前記第2円弧との間に設けられ、前記第4円弧が前記第3円弧の中間部に設けられている。
【0010】
一実施例において、前記第1円弧の円心は前記第2領域にあり、前記第2円弧の円心は前記第1領域にあり、前記第1円弧と前記第2円弧との延長線の交点は前記第2領域にあり、前記第3円弧の円心は前記中心線上にあり、前記第4円弧の円心は前記第2領域にあり、前記第4円弧と前記第3円弧との2つの交点はいずれも前記第2領域にある。
【0011】
一実施例において、前記第3円弧の半径をR3とし、前記第4円弧の半径をR4とすると、R3はR4より大きく、且つ、R4は0より大きい。
【0012】
本願はさらに、ステータ板を提案し、前記ステータ板はヨーク部と複数のステータ歯とを含み、ヨーク部が前記ステータ板の内周に形成されており、前記複数のステータ歯が前記ヨーク部の外周に沿って間隔をおいて設けられており、前記ステータ歯は歯本体と歯シューとを含み、前記歯本体は一端が前記ヨーク部に接続され、他端が前記歯シューに接続されており、前記歯シューの外周には調節溝が開けられており、前記歯本体の中心線は、前記ステータ歯を、前記ロータ回転方向の上流側に位置する第1領域と、前記ロータ回転方向の下流側に位置する第2領域とに分けており、前記第1領域内にある前記調節溝の面積をS1とし、前記第2領域内にある前記調節溝の面積をS2とすると、S1がS2より小さい。
【0013】
本願はさらに、上述したステータ板を含むモータを提案する。
【0014】
本願はさらに、前記モータを含む圧縮機を提案する。
【0015】
本願はさらに、前記圧縮機を含む家庭用電器を提案する。
【発明の効果】
【0016】
このように、本願はステータ板及びこのステータ板を用いたモータ、圧縮機、及び家庭用電器を提案し、具体的には、前記ステータ板はステータ歯を含み、前記ステータ歯の歯冠には調節溝が開けられており、第1領域内にある前記調節溝の面積が第2領域内にある前記調節溝の面積より小さい。これにより、一方向に回転するモータの径方向力密度を効果的に弱めることができた。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本願実施例及び従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下では、実施例或いは従来技術の説明に必要とされる図面を簡単に紹介する。下記説明における図面は本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかであって、当業者にとって、創造的な労働を行うことなく、これらの図面が示す構造により他の図面を得ることができる。
【0018】
図1】本願の電気モータの一実施例の構造模式図である。
図2図1におけるステータ板の構造模式図である。
図3図2におけるステータ歯の構造模式図である。
図4】本願のステータ板のもう一つの実施例の構造模式図である。
図5】本願のステータ板のさらにもう一つの実施例の構造模式図である。
図6】本願のロータ鉄心の一実施例の構造模式図である。
図7】本願のロータ鉄心のもう一つの実施例の構造模式図である。
図8】本願が提案するモータと従来のモータとの径方向力密度の比較図である。
【0019】
図面を参照して、実施例と組み合わせて本願目的の実現、機能特徴及び長所をさらに説明する。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下では、本願実施例における図面と組み合わせ、本願実施例における技術案を明確且つ完全に説明する。説明される実施例は本願の全ての実施例ではなく、本願の一部の実施例に過ぎないことは明らかである。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労働を行わないことを前提に得た全ての他の実施例は、本願の保護する範囲に属す。
【0021】
なお、もし本願実施例で方向性指示(例えば上、下、左、右、前、後…)に関わる場合、当該方向性指示はある特定の姿勢(図面に示す)における各部品間の相対的位置関係、運動状況等を説明するためだけに用いられ、もし当該特定の姿勢が変わる場合、当該方向性指示もそれに応じて変わる。
【0022】
また、本願実施例において「第一」、「第二」等の説明に関わる場合、当該「第一」、「第二」等の説明は、説明のために利用されるだけであって、その相対的重要性を提示又は暗示する、或いは提示される技術的特徴の数を暗示的に指定するように理解すべきではない。これにより、「第一」、「第二」に限定された特徴は明示的或いは暗示的に少なくとも一つの当該特徴を含んでもよい。また、全文において現れた「及び/又は」は三つの並行する案を含むことを意味する。「A及び/又はB」を例に取ると、A案、或いはB案、或いはAとBとが同時に満たされる案を含むことになる。また、各実施例の技術案は互いに組み合わせることができる。ただし、当業者が実現できることがその前提である。技術案の組み合わせに矛盾が生じるか、実現できない場合には、このような技術案の組み合わせが存在せず、且つ本願が請求する保護範囲にないと理解されるべきである。
【0023】
既存のステータ板はほとんど、双方向に回転するモータに基づいて設計されているが、双方向に回転するモータでは、ステータ歯は通常、左右対称の構造であり、ステータ歯の歯シューとロータとの間のエアギャップの長さも対称的である。従来技術において対称構造のステータ歯を採用する目的は2つであり、それぞれ(1)モータの双方向回転の要求を満たすことと、(2)過剰な磁界高調波の導入を回避することである。しかし、現在では、一方向に回転するモータも存在し、例えば、圧縮機モータは実際運転状態では、一方向に回転するのである。従来の対称構造のステータ歯の設計理念は、必ずしも一方向に回転するモータには適するとは限らない。また、モータの径方向力密度を効果的に弱めることはできない。
【0024】
図1から図3を参照し、本願は、ステータ板を提案し、当該ステータ板は、ヨーク部11と複数のステータ歯12とを含み、当該ステータ板はさらにロータ孔14も含む。複数のステータ歯12がヨーク部11の内周に沿って間隔をおいて設けられ、ヨーク部11がステータ板の外周に形成されている。具体的には、ステータ歯12は、歯本体121と歯シュー122とを含み、歯本体121の両端はそれぞれヨーク部11と歯シュー12に接続されており、歯シュー122のロータ孔14に面した側には調節溝13が設けられている。さらに、歯本体121の中心線は、ステータ歯12を、ロータ回転方向の上流側に位置する第1領域と、ロータ回転方向の下流側に位置する第2領域とに分ける。調節溝13の、第1領域内にある面積をS1とし、第2領域内にある面積をS2とすると、S1がS2より小さい。
【0025】
具体的には、本願は、一方向に回転するのに適したステータ板を提案する。このステータ板では、歯シュー122に調節溝13が設けられているので、このステータ板は非対称構造を有する。一方では、モータ100が特定方向に回転する際に、モータ100の径方向力密度を効果的に弱めることによって、運転状態におけるエアギャップ磁界の高調波率を改善し、他方では、モータ100のトルク変動、径方向力波、鉄損を何れもある程度減少させて、ひいては騒音を改善し、効率を向上させる効果をもたらす。
【0026】
高調波とは、周期的な非正弦波交流量をフーリエ級数展開して得られる、基本波周波数より大きい基本波周波数の整数倍の各次数の成分であり、通常は高次高調波である。モータ100の運転中、ステータとロータとの間に高調波の含有量が多く、共振を起こしやすいので、大きな騒音を発生させ、ユーザの体験に影響してしまう。具体的には、エアギャップは、モータ100におけるステータとロータとの間のギャップである。一方、ステータ板にはスロット、歯が設けられているので、ここでは、エアギャップはステータ歯12の歯形に沿って構成される。また、鉄と空気とでは磁気伝導能力に大きな差があるため、エアギャップが歯形構造である場合、ロータとステータとの間のうち歯に面した部分は、ステータスロットに面した部分より、磁気伝導能力がはるかに強い。ここで、ステータスロットとは、隣接する2つのステータ歯12間のエアスロットを指す。ステータ歯12に調節溝13を設けることにより、ステータ歯12の歯形を効果的に変えて、エアギャップの形状を変えられるので、作動状態におけるエアギャップ磁界の高調波率を改善する。一方、径方向力によって、ステータに径方向の周期的振動を周期的に発生させるので、電磁ノイズを発生させてしまう。一方、高調波の振動周波数とステータ自身の振動周波数が近いと、共振現象が発生しやすくなり、こうして、電磁ノイズをさらに大きくする。
【0027】
なお、ステータ板の厚さが小さいため、ここでいう面積(S1,S2,S3)とは、この調節溝13の、ステータ板の厚み方向での投影面積を指す。一方、ここでいう回転方向とは、すなわち、図1に矢印で示す方向であり、つまり、モータ100におけるロータの回転方向である。一方、ロータ孔14の縁部の破線部分は、ロータ孔14の輪郭を示しており、歯シュー122の先端部分とロータ孔14とが重なっている。歯本体121の中心線はロータ孔14の円心を通り、歯本体121を左右対称の2つの半分に分ける。一つの可能な実施例において、S1が0であってもよく、すなわち、第1領域に調節溝13を設けず、調節溝13を全部第2領域に設ける場合もある。もう一つの可能な実施例において、各ステータ歯12には1つ又は複数の調節溝13が設けられてもよい。ステータ歯12に1つの調節溝13が設けられている場合、歯本体121の中心線は、この調節溝13を、第1領域にある第1部分と、第2領域内にある第2部分とに分ける。第1部分の面積は、第2部分の面積より小さい。また、ステータ歯12には、複数の調節溝13が設けられていてもよく、この場合、第1領域内にある調節溝13の面積の総計は、第2領域内にある調節溝13の面積の総計より小さい。なお、調節溝13は、モータ100が特定方向に回転するときに、この調節溝13によって、運転状態におけるエアギャップ磁界の高調波率を改善するために設けられている。ステータが回転せずに、ロータを回転させる必要があるので、エアギャップは必須である。エアギャップを調節するために、調節溝13の開口は、歯シュー122のロータ孔14に面した側に設けられている。
【0028】
さらに、ステータ板は、ステータスロットをさらに含む。ステータスロットとは、隣接する2つのステータ歯の間に形成され、モータの巻線を設置するように構成されたエアスロットを指す。具体的には、隣接する2つのステータ歯12の歯シュー122間は非接触であり、それらの間に形成されるステータスロットには1つのスロット開口が存在し、このスロット開口もロータ孔に向かって設けられている。さらに言うと、隣接する2つの歯シュー122の間の隙間である。ステータスロットのスロット開口が小さすぎると、巻線の巻き付けが困難になる可能性がある。一方、ステータスロットの四つの隅は円弧状に設けられている。このように構成することで、歯本体12のヨーク部11と連結される端部の機械的強度を確保しつつ、ステータスロットのスロット面積利用率を向上させることができる。さらに、ステータスロットの底部が弧線状に設けられ、この弧線がヨーク部11の内周と重なっている。このように構成することで、モータ100運転時の磁力分布に有利である。
【0029】
図3を参照し、一実施例において、S1はS2の半分より小さい。それと同時に、S1とS2の間は近すぎてはならない。S1がS2の半分を超えると、一定の調節エアギャップが存在して、径方向力密度を低下させる効果があるものの、第1領域内にある調節溝13の領域S1の占める割合が高すぎて、調節機能が顕著ではない。そこで、より良い調節効果が得られて、ステータ板の径方向力密度をさらに低減させるために、S1とS2との関係をさらに限定する。
【0030】
図3を参照し、一実施例において、同一のステータ歯12において、その両側を結んだ線には、距離が最短である線分が形成され、これらの線分のうち、ロータ孔14の円心との距離が最も短い線分を第1線分とする。この線分により、歯シュー122と調節溝13との面積関係を容易に説明することができる。この第1線分からロータ孔14周縁までの面積と調節溝13の面積との差がS3で、すなわち、歯シュー122の面積がS3である。一方、(S1+S2+S3)は第1線分とロータ孔周縁との間の面積であり、(S1+S2)は調節溝の面積である。(S1+S2)/(S1+S2+S3)は0.5%以上且つ30%以下である。ここで、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は、主に調節溝の相対的な面積の大きさを表すための、第1線分とロータ孔周縁との間の面積に対する調節溝の面積の比である。
【0031】
さらに、図面を参照し、ABはすなわち、両側結んだ距離が最短であること、ロータ孔14の円心との間の距離が最短であることを同時に満たす第1線分である。それと同時に、ロータ孔14の円心から点Cまでを結ぶ線はABに垂直であり、且つ、この直線はロータ孔14が位置する円の半径上にあり、円心から点Cまでの距離はすなわち、線分ABからロータ孔14の円心までの距離である。また、歯シュー122部に開けられる調節溝13は、より良い調節効果を有する。調節溝13は、ヨーク部11に近づく方向に延在することで、ステータ歯12の歯本体121部まで延在してもよいが、しかしながら、歯本体121部分に開けられる調節溝13では、径方向力密度を効果的に弱める効果は十分に達成できることは不可能である。それと同時に、ステータ板の正常な動作に影響するおそれがある。このため、一般的には、調節溝13は歯シュー122に位置するが、調節溝13の一部が歯本体121まで延在する場合も除外しない。一実施例において、調節溝13は完全に歯シュー122に位置し、ここで、面積比(S1+S2)/(S1+S2+S3)はすなわち、線分ABとロータ孔14の縁部との間の面積に対する調節溝13の面積の比である。線分ABからロータ孔14の縁部までの面積はすなわち、歯シュー122の面積S3と、第1領域、第2領域内にある調節溝13の領域S1、S2との和である。そして同一モデルのステータ板では、その(S1+S2+S3)の数値は一定である。(S1+S2)/(S1+S2+S3)は、主に調節溝13の面積の相対的な大きさを示す。
【0032】
さらに、複数回の試験シミュレーションを行った結果、(S1+S2)/(S1+S2+S3)が0.5%以上且つ30%以下である場合、このステータ板を用いたモータ100の径方向力密度を効果的に低減できることを見出した。調節溝13の相対的な面積が小さすぎると、調節溝13による調節効果が不十分となり、ステータ板が一方向に回転する際の径方向力密度を効果的に低減させることができない。調節溝13の相対的な面積が大きすぎると、ステータ板の正常な動作に影響する可能性がある。
【0033】
図3を参照し、一実施例において、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は2%以上且つ15%以下である。ここで、複数回の実験を行った結果、(S1+S2)/(S1+S2+S3)が2%以上且つ15%以下である場合、調節溝13によって良好な調節効果が得られることを見出した。あるモータ100では、複数回のシミュレーションの結果、(S1+S2)/(S1+S2+S3)が5%から6%の間にある場合、調節効果がより高い。この場合、ステータ板を用いた一方向回転モータ100の径方向力密度は、最大限に低減する。しかし、異なる機種、仕様のモータ100について、(S1+S2)/(S1+S2+S3)の最適な割合も相応に変化する。
【0034】
図8を参照し、図8は従来のモータと本願が提案するモータの径方向力密度比較棒グラフであり、それぞれ3階2逓倍モータと6階2逓倍モータとの2つの場合を比較している。その縦座標は径方向力密度で、単位はkN/mである。棒グラフで両者を比較する。3階2逓倍のモータ100においても、6階2逓倍のモータ100においても、その径方向力密度が著しく低減していることが分かる。3階2逓倍のモータ100の場合、従来のモータ100の径方向力密度が28.459kN/mであったのに対し、本願のモータ100の径方向力密度は13.92kN/mである。6階2逓倍のモータ100の場合、従来のモータ100の径方向力密度が85.62kN/mであったのに対し、本願のモータ100の径方向力密度は82.17kN/mである。
【0035】
図4を参照して、一実施例において、調節溝13の底端にロータ孔14から離れる方向に凹んだ第1円弧、第2円弧、第3円弧、第4円弧が形成されており、各円弧の具体的な位置関係は、第3円弧が第1円弧と第2円弧との間に位置し、第4円弧が第3円弧の中間部に位置することになる。
【0036】
加工を容易にするために、一つの可能な実施例において、調節溝13は複数の円弧で構成されている。このようにして、数値制御の方法によって、各円弧の半径、円心間の相互の位置関係等を予め設定して、ステータ板を加工することができる。一つの可能な実施例において、調節溝は切削によって形成され、NC工作機械で各円弧の各パラメータを予め設定して切削を行う。なお、ここでいう調節溝13の底端とは、調節溝13のうちロータ孔14から離れた側を指す。異なる使用場面において、ステータ板の調節溝13は、他にも複数の異なる形態を有してもよい。一実施例において、第4円弧の代わりに、矩形線の一部または三角形線の一部を用いてもよい。もう一つの実施例において、調節溝13の底部は、全て規則的な直線で構成されている。もう一つの実施例において、調節溝13の底部曲線は、スプライン曲線であってもよい。ようするに、円弧で加工する方式は、一つの比較的好ましい加工方式にすぎず、調節溝13の底縁の形状を具体的に限定することはなく、第1領域にある調節溝13の面積S1と第2領域にある調節溝13の面積S2との関係が、上述した各要件を満たすものであればよい。
【0037】
一実施例において、実際の必要に応じて、直線、弧線、またはスプライン曲線等の異なる切削経路を用いて調節溝13を加工することができる。スプライン曲線(Spline Curves)とは、1セットの制御点が与えて得られる曲線を指し、曲線の大体の形状はこれらの制御点で制御される。一実施例において、ステータ板を旋盤切削により加工して、適切な調節溝13の形状を得る。一方、調節溝13の形状は、複数の他の案によって得ることもできる。なお、調節溝13の底端形状が直線状、弧状またはスプライン曲線状の何れであっても、S1、S2、S3間の割合の関係は、上述した範囲内である。
【0038】
一実施例において、図4を参照し、O1、O2、O3、O4は、それぞれ、第1円弧、第2円弧、第3円弧、第4円弧が属する円である。第1円弧の円心は第2領域にあり、第2円弧の円心は第1領域にあり、第1円弧と第2円弧との延長線の交点は第2領域にあり、第3円弧の円心は中心線上にあり、第4円弧の円心は第2領域にあり、第4円弧と第3円弧の2つの交点はいずれも第2領域にある。
【0039】
図4より、各円弧間の相対的な位置関係が分かる。半径や円心の座標など、各円弧が属する円をコントロールすることにより、調節溝13の各面積の割合をコントロールする。なお、第4円弧は、円心が中心線上にある円を、回転方向の反対方向に一定角度回転させたものである。調節溝13の形状や面積を正確に調整する必要がある場合には、第1円弧、第2円弧、第3円弧の半径と円心位置を変えずに、異なる回転角度と異なる第4円弧の半径R4を採用することができる。
【0040】
一実施例において、第3円弧、第4円弧の半径をそれぞれR3およびR4とすると、R3はR4より大きく、且つ、R4は0より大きい。一方、第1円弧、第2円弧の半径をそれぞれR1とR2とするが、ここではR1とR2の大きさ、関係についてはこれ以上の限定はしない。さらに、第4円弧は、円心が中心線上にある円を、回転方向の反対方向に一定角度回転させてなるものである。このように構成する目的は、複数の異なる角度パラメータを用いてそれぞれシミュレーションを行うことにより、最も効果の良い調節溝13の形状と溝内面積割合を得られるようにすることである。第4円弧が第3円弧と2つの交点を持ち、且つ第3円弧の中間部に位置するようにするために、第4円弧の半径R4は、第3円弧の半径R3より小さい。一つの可能な実施例において、第1円弧、第2円弧、および第3円弧を設けた後、S1、S2、S3の割合関係は、上述した調節範囲内にある。すなわち、この場合、第4円弧を開ける必要はなく、R4を0としてもよい。
【0041】
図5を参照し、一実施例において、ステータ板は一体構造である。もう一つの実施例において、ステータ板は分割構造である。分割構造の場合、ステータ板を複数のサブ構造に分けて、それぞれ加工してから組み立てる。一実施例において、各サブ構造は、1つのステータ歯12とヨーク11の一部とを含み、各ステータ歯12にそれぞれ調節溝13の加工を施してから、一つに組み立てることができる。この2つの構造にはそれぞれ優位性があり、実際のニーズに合わせて選択することができる。
【0042】
本願はさらに、ステータ板を提案し、ステータ板はヨーク部と複数のステータ歯とを含み、ヨーク部がステータ板の内周に形成されており、複数のステータ歯がヨーク部の外周に沿って間隔をおいて設けられており、ステータ歯は歯本体と歯シューとを含み、歯本体は一端がヨーク部に接続され、他端が歯シューに接続されており、歯シューの外周には調節溝が開けられており、歯本体の中心線は、ステータ歯を、ロータ回転方向の上流側に位置する第1領域と、ロータ回転方向の下流側に位置する第2領域とに分けており、第1領域内にある調節溝の面積をS1とし、第2領域内にある調節溝の面積をS2とすると、S1がS2より小さい。
【0043】
ステータ板は、アウターロータ型のステータ板とインナーロータ型のステータ板との2つの種類を含む。圧縮機の多くはインナーロータ型のステータ板を使っているが、アウターロータ型モータにおいても、一方向回転の場合も除外できない。アウターロータ型のステータ板のステータ歯に調節溝を開けることにより、同様に、一方向回転のモータに対して、径方向力密度の低減、設計の最適化、効率の向上、騒音の低減の効果を奏することができる。本願が提案するステータ板は、インナーロータ型モータに適用される場合とアウターロータ型モータに適用される場合の両方を含む。インナーロータ型のステータ板において、複数のステータ歯がヨーク部の内周に設けられ、調節溝はステータ孔に向かって設けられている。一方、アウターロータ型のステータ板において、複数のステータ歯がヨーク部の外周に設けられ、調節溝はステータ孔に向かって設けられており、ステータ板はステータ孔内に装着され、歯シューの輪郭線の一部がステータ孔の縁部と重なっている。
【0044】
一つの可能な実施例において、S1はS2の半分より小さい。S1がS2の半分を超えても、エアギャップを調節し、径方向力密度を低下させる一定の効果があるものの、第1領域内にある調節溝13の領域S1の占める割合が高すぎて、調節機能が顕著ではない。そこで、より良い調節効果が得られて、ステータ板の径方向力密度をさらに低減させるために、S1とS2との関係をさらに限定する。
【0045】
一つの可能な実施例において、同一のステータ歯の両側を結んだ線には、距離が最短である線分が形成されており、これらの線分のうち、ステータ孔の円心との距離が最も短い線分は第1線分として、第1線分からステータ孔周縁までの面積と調節溝の面積との差がS3で、すなわち、歯シューの面積がS3であり、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は0.5%以上且つ30%以下である。歯シュー部に設けられる調節溝は、より良い調節効果を有する。調節溝は、ヨーク部に近づく方向に延在することで、ステータ歯の歯本体まで延在してもよいが、この場合、歯本体部分に設けられる調節溝では、径方向力密度を効果的に弱める効果は十分に達成できない。それと同時に、ステータ板の正常な動作に影響するおそれがある。このため、一般的には、調節溝は歯シューにあるが、調節溝の一部が歯本体121まで延在する場合も除外しない。一実施例において、調節溝は完全に歯シュー部にあり、ここで、面積比は(S1+S2)/(S1+S2+S3)であるが、同一モデルのステータ板では、その(S1+S2+S3)の数値は一定である。(S1+S2)/(S1+S2+S3)は、主に調節溝13の面積の相対的な大きさを示す。
【0046】
一実施例において、(S1+S2)/(S1+S2+S3)は2%以上且つ15%以下である。ここで、アウターロータ型のモータについても同様に、複数回の実験を行った結果、(S1+S2)/(S1+S2+S3)が2%以上且つ15%以下である場合、調節溝13によって良好な調節効果が得られることを見出した。また、さらなる実験により、範囲がさらに小さい、ある面積比を得ることができ、この面積比は調節効果の最も良い面積比ではあるが、異なる機種、仕様のモータについて、(S1+S2)/(S1+S2+S3)の最適な面積比も相応に変化する。
【0047】
一実施例において、調節溝の底端にステータ孔から離れる方向に凹んだ第1円弧、第2円弧、第3円弧、第4円弧が形成されており、第3円弧が第1円弧と第2円弧との間に設けられ、第4円弧が第3円弧の中間部に設けられている。すなわち、アウターロータ型のステータ板では、その調節溝がヨーク部の方向に凹んでいる。加工を容易にするために、一つの可能な実施例において、調節溝13は複数の円弧で構成されている。このようにして、数値制御の方法によって、各円弧の半径、円心間の相互の位置関係等を予め設定して、ステータ板を加工することができる。なお、ここでいう調節溝の底端とは、調節溝のうちステータ孔から離れた側を指す。異なる需要に応じて、ステータ板の調節溝は、他にも複数の異なる形態を有してもよい。一実施例において、第4円弧の代わりに、矩形線の一部または三角形線の一部を用いてもよい。もう一つの実施例において、調節溝の底部はすべて規則的な直線で構成されている。もう一つの実施例において、調節溝の底部曲線はスプライン曲線であってもよい。ようするに、円弧で加工する方式は、一つの比較的好ましい加工方式にすぎず、調節溝の底縁の形状を具体的に限定することはなく、第1領域にある調節溝の面積と第2領域にある調節溝の面積との関係が、上述した各要件を満たすものであればよい。
【0048】
一実施例において、第2円弧の円心は第1領域にあり、第1円弧の円心は第2領域にあり、第1円弧と第2円弧が属する円の交点は第2領域にあり、第3円弧の円心は中心線上にあり、第4円弧の円心は第2領域にあり、第4円弧と第3円弧の2つの交点はいずれも第2領域にある。
【0049】
一実施例において、第3円弧の半径をR3とし、第4円弧の半径をR4とすると、R3>R4>0である。一方、第1円弧、第2円弧の半径をそれぞれR1とR2とするが、ここではR1とR2の大きさについてはこれ以上の限定はしない。さらに、第4円弧は、円心が中心線上にある円を、回転方向の反対方向に角度αだけ回転させてなるものである。このように構成する目的は、複数の異なるパラメータを用いてそれぞれシミュレーションを行うことにより、最も効果の良い調節溝の形状と溝内面積割合を得られるようにすることである。第4円弧が第3円弧と2つの交点を持ち、且つ第3円弧の中間部に位置するようにするために、第4円弧の半径R4は、第3円弧の半径R3より小さい。一つの可能な実施例において、第1円弧、第2円弧、および第3円弧を設けた後、S1、S2、S3の割合関係は、やはり上述した調節範囲内にある。すなわち、この場合、第4円弧を開ける必要はない。半径や円心の座標など、各円弧が属する円をコントロールすることにより、調節溝の各面積の割合をコントロールする。なお、第4円弧は、円心が中心線上にある円を、回転方向の反対方向に一定角度回転させたものである。調節溝の形状や面積を正確に調整する必要がある場合には、第1円弧、第2円弧、第3円弧の半径と円心位置を変えずに、異なる回転角度と異なる第4円弧の半径R4を採用することができる。
【0050】
図1図6図7を参照し、本願はさらに、上述したステータ板を含むモータ100を提案する。さらに、モータ100は、ロータ鉄心20と永久磁石30とを含む。インナーロータ型のステータ板において、ロータ鉄心20と永久磁石30はロータ孔内に設置される。ロータ鉄心20にはさらに、回転軸が挿通される回転軸孔が形成されている。アウターロータ型のステータ板において、ロータ鉄心20には、ステータ板が位置するステータ孔が形成されている。一実施例において、ロータ鉄心20は、ケイ素鋼板を積層することで形成される。ロータ鉄心20には、永久磁石30を装着するための永久磁石30スロットが設けられており、永久磁石30が円周方向に沿って永久磁石30スロット内に装着される。一実施例において、永久磁石30スロットがロータ鉄心20の表面に設けられており、すなわち、表面実装型の永久磁石30である。もう一つの実施例において、永久磁石30は、ロータ鉄心20の内部に装着されており、すなわち、埋込型の永久磁石30である。一実施例において、永久磁石30は、フェライト、ネオジム-鉄-ホウ素、またはネオジム-鉄-ホウ素とフェライトとの組み合わせによって形成される材料である。一実施例において、モータ100の相数は3である。その極とスロットの組み合わせは、分数スロットの場合と整数スロットの場合がある。その巻線に関しては、分布巻型の巻線又は集中巻型の巻線を用いることができる。すなわち、ここでは、モータ100の他のパラメータ設定については過剰に限定しないが、上記で提案したモータ100で可能な場合を除いて、他の機種、仕様のモータ100においても、一方向に回転する場合、本願が提案するステータ板を利用できる。
【0051】
本願はさらに、上述したモータを含む圧縮機を提案する。圧縮機内のモータは、一般的には一方向に回転する。本願が提案する圧縮機は、モータに採用されるステータ板が非対称構造であり、その一方向に回転する使用環境に対して特別な設計と最適化が行われ、圧縮機の騒音を効果的に低減するとともに、圧縮機の使用効率を高めることができる。
【0052】
本願はさらに、圧縮機を含む家庭用電器を提案する。社会的生産力の発展と人々の高品質な生活への追求に従って、人々は、家庭用電器のパワー、騒音などの面に対する要求が高まっている。一方、本願が提案する家庭用電器は、騒音が比較的小さいという特徴と、効率が比較的高いという特徴を有している。さらに、家庭用電器にはエアコンや冷蔵庫などが含まれる。
【0053】
以上に述べたことは本願の好ましい実施例に過ぎず、それによって本願の特許の範囲を制限するわけではない。本願の発明構想の下で、本願の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価構造変換、或いは他の関連する技術分野への直接/間接的な応用は、何れも本願の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0054】
100…モータ、11…ヨーク部、12…ステータ歯、121…歯本体、122…歯シュー、13…調節溝、20…ロータ鉄心、30…永久磁石。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8