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特許7399404肌特性測定器と肌特性測定方法と肌特性評価システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】肌特性測定器と肌特性測定方法と肌特性評価システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0531 20210101AFI20231211BHJP
   A61B 5/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
A61B5/0531
A61B5/00 M
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018200451
(22)【出願日】2018-10-25
(65)【公開番号】P2020065734
(43)【公開日】2020-04-30
【審査請求日】2021-09-21
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-06
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成30年1月24日に、第8回 化粧品開発展、幕張メッセにて発表 平成30年2月14日に、Printable Electronics 2018、東京ビッグサイトにて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】593008427
【氏名又は名称】日本電子精機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591282205
【氏名又は名称】島根県
(74)【代理人】
【識別番号】100183575
【弁理士】
【氏名又は名称】老田 政憲
(72)【発明者】
【氏名】安部 聡一郎
(72)【発明者】
【氏名】加藤 伸幸
(72)【発明者】
【氏名】平田 淳
(72)【発明者】
【氏名】丸野 正徳
(72)【発明者】
【氏名】岩田 史郎
(72)【発明者】
【氏名】今若 直人
【合議体】
【審判長】石井 哲
【審判官】松本 隆彦
【審判官】渡戸 正義
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-502072(JP,A)
【文献】特表2017-529133(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0092555(US,A1)
【文献】特開2003-169784(JP,A)
【文献】特開2011-78689(JP,A)
【文献】国際公開第2017/007016(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/24-5/398
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
肌に接触して肌特性を検出するシート状のセンサー部材と、
前記センサー部材が、着脱可能に、配置される本体と、を含む肌特性測定器であり、
前記センサー部材は、絶縁材上に形成された電極があり、前記電極および前記絶縁材を覆う絶縁膜があり、前記電極間には、前記絶縁膜のみ位置し、前記絶縁膜に対象物を接触させ、前記電極間の静電容量を測定することで前記対象物の水分量を測定する肌特性測定器であり、
前記センサー部材は、前記本体に、留め部によって物理的に連結され、
前記留め部は、前記センサー部材と前記本体とを電気的にも連結し、
前記絶縁材には貫通穴があり、前記留め部は、前記貫通穴を通り、前記本体の電極穴に差し込まれ、電気的に、前記本体へ連結される肌特性測定器。
【請求項2】
通信部を有する請求項に記載の肌特性測定器と、
前記肌特性測定器から測定データを受け取る制御機器と、
前記制御機器が、前記測定データを、転送する外部サーバと、を有し、
前記外部サーバは、前記測定データを分析し評価結果を、前記制御機器へ送る肌特性評価システム。
【請求項3】
シート状のセンサー部材を、肌に接触させる接触工程と、
前記センサー部材で前記肌の状態を測定する測定工程と、
測定結果を表示する表示工程と、
前記センサー部材を別のセンサー部材と交換する交換工程と、を含み、
前記センサー部材は、絶縁材上に形成された電極があり、前記電極および前記絶縁材を覆う絶縁膜があり、前記電極間には、前記絶縁膜のみ位置し、前記絶縁膜に対象物を接触させ、前記電極間の静電容量を測定することで前記対象物の水分量を測定する請求項1に記載の肌特性測定器を用いる肌特性測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌特性測定器と肌特性評価システムと肌特性測定方法とに関する。特に、肌の表面の状態を測定する測定器と肌特性評価システムと肌特性測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1で示す肌特性測定器があった。肌の表面に、センサーを接触させ、その肌の特性を評価する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-169788号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の肌特性測定器では、センサーは、交換させず、洗浄され繰り返し使用される。そのため、継続して利用する場合や異なる人が利用する場合、安定的な測定や衛生的な使用の面からセンサーの洗浄が必要であった。
本発明はかかる問題に鑑みてなされたものであり、センサーを洗浄することなく、肌の特性を評価することができる肌特性測定器と肌特性評価システムと肌特性測定方法とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、肌に接触して上記肌特性を検出するシート状のセンサー部材と、上記センサー部材が、着脱可能に、配置される本体と、を含む肌特性測定器を用いる。
また、上記本体は、通信部を有し、制御機器へ測定データを転送する上記肌特性測定器と、上記制御機器が、上記測定データを、転送する外部サーバと、を有し、上記外部サーバは、上記測定データを分析し評価結果を、上記制御機器へ送る肌特性評価システムを用いる。
【0006】
また、シート状のセンサー部材を、肌に接触させる工程と、上記センサー部材で上記肌の状態を測定する測定工程と、測定結果を表示する表示工程と、上記センサー部材を別のセンサー部材と交換する交換工程と、を含む肌特性測定方法を用いる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の肌特性測定器によれば、センサーを洗浄することなく、肌の特性を評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)実施の形態1のセンサー部材の斜視図、(b)実施の形態1の測定器本体の斜視図、(c)実施の形態1の肌特性測定器の正面図
図2】実施の形態1の肌特性測定器の測定状態の部分拡大図
図3】実施の形態1の肌特性測定器本体の構成図
図4】実施の形態1で静電容量から肌水分量を換算する検量線のグラフ
図5】実施の形態1の肌特性測定器の表示部の正面図
図6】(a)~(b)実施の形態2の肌特性測定器の斜視図、(c)実施の形態2のセンサー部材の周辺の肌特性測定器の拡大断面図
図7】(a)~(d)実施の形態2の凸部の形状の例、(e)実施の形態2の凸部の交換形態の例
図8】(a)~(e)実施の形態3の肌特性測定器のセンサー部材の一方端の断面図
図9】(a)実施の形態4の全体の肌特性測定システム、(b)実施の形態4の外部サーバの構成図
図10】(a)実施の形態4のデータ保存部のデータの例、(b)実施の形態4の分析部での分析の結果の例
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施の形態1)
<構造>
図1(a)は、肌特性測定器100に用いるセンサー部材10の斜視図である。図1(b)は、肌特性測定器100に用いる肌特性測定器本体101の斜視図である。図1(c)は、肌特性測定器100の平面図である。
【0010】
肌特性測定器100は、肌特性測定器本体101とセンサー部材10とを含む。
センサー部材10は、肌特性測定器本体101と組み合わされる。センサー部材10は、肌に接触され、測定に使用される。肌特性測定器本体101は、センサー部材10からの信号を受け、肌の特性を測定する。
【0011】
<センサー部材10>
図2に、肌特性測定器100で、指51の肌特性を測定している状態の拡大断面図を示す。
センサー部材10は、基板14上にセンサー素子12が形成されている。基板14には、貫通穴19a、19bがある。留め部15a、15bは、貫通穴19a、19bを通り、測定器本体101の電極穴13a、13b(図1(b))に差し込まれる。最終、電気的に、肌特性測定器100内部の測定IC部21(図3)へ連結する。センサー素子12、および留め部15a、15bの表面は、絶縁膜16で覆われている。
なお、指51は、例示であり、人の肌のいずれの部位でもよい。
【0012】
基板14は、樹脂シート、または、樹脂フィルム、ガラス板、樹脂板などである。厚み約0.05~1.5mm程度である。
留め部15a、15bは、図2ではボルト状の形状である。留め部15a、15bは、センサー素子12と、肌特性測定器本体101の電極とを物理的に、かつ電気的に連結する。
絶縁膜16は、導電性ペーストなどで作成されるセンサー素子12の電極、および留め部15a、15bと、人の肌が直接接触しないように設けられる。絶縁膜16は、薄い樹脂シートでもよい。
【0013】
センサー素子12は、1組の櫛状の電極11aおよび11bで構成されている(図1(a))。この1組の電極上の絶縁膜16に対象物(肌)を接触させた状態で、2電極間の静電容量を測定し、肌の特性を測定する。特に、対象物の水分量を測定できる。
電極11aおよび11bは、基板14上に導電性ペーストを用いて印刷工法で作製される。このため、安価で、柔軟なシートである。センサー部材10は、交換して廃棄される。
【0014】
留め部15a、15bを利用して、肌特性測定器本体101に、センサー部材10を配置し、測定後、留め部15a、15bを外し、別のセンサー部材10に容易に交換できる。
上記のしくみで、センサー部材10は、着脱可能に、肌測定装置本体101に配置される。着脱可能とは、工具を使用せず交換できることを意味する。留め部15a、15bは、工具なく素手で抜き差しできる。ただし、簡単な工具で交換できる場合でもよい。
【0015】
なお、センサー部材10は、静電容量を測定する方式でなく、抵抗値を測定する方式でもよい。水分量だけでなく、油分量などの肌特性が測定できるシート状のセンサーなら、その他、各種センサーも利用できる。
<肌特性測定器本体101>
図1(b)に示すように、肌特性装置本体101は、表示部23と、電極穴13a、13bを有する。電極穴13a、13bには、センサー部材10を固定するための留め部15a、15bが、それぞれ挿入される。肌特性装置本体101の内部には、以下で示す構成要素がある。
図3に、肌特性測定器100の構成図を示す。肌特性測定器本体101の各要素と、センサー部材10の各要素とを示す。
センサー部材10の各要素は、上記で説明したので、略する。
【0016】
肌特性測定器本体101は、測定IC部21、制御部22、表示部23、電池24、記録部25、接続部26、換算部27、通信部28、操作部30を有する。さらに、分析部29があってもよい。
制御部22は、測定IC部21、表示部23、電池24、記録部25、接続部26、換算部27、通信部28などを制御する制御用ICなどである。
【0017】
測定IC部21は、センサー部材10からの信号により、肌特性を測定する。この場合、センサー素子12の電極間の静電容量などを測定する。
表示部23は、液晶などのタッチパネルである。制御部22によって、様々な情報を表示できる。この例では、表示部23は、操作部30を兼ね、表示部23を通じて、肌特性測定器100の動作が指示される。詳細は、以下の図5で説明する。
【0018】
記録部25は、測定結果を保存する部分である。半導体メモリなどである。
【0019】
電池24は、上記要素に電気を供給する。電源に直接コードなどで接続される場合には、なくてもよい。
通信部28は、測定IC部21で測定した静電容量のデータ、または、換算部27で換算した肌水分量などを、肌特性測定器100以外へ送る。たとえば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、各種端末などへ送り、分析、保存、表示などできる。実施の形態4で示すような例がある。
接続部26は、センサー部材10の留め部15と接合される部分である。留め部15がピン状の場合、接続部26は、ピンを挿入する穴である。接続部26は、測定IC部21と繋がり、センサー部材10からのデータ(信号)を測定IC部21へ伝達する。
換算部27は、測定IC部21で測定した静電容量の値から、肌の特性値を導く部分である。たとえば、図4に示す静電容量と肌水分量との検量線のグラフを使用して、測定した静電容量を肌水分量へ換算する。
分析部29は、測定結果を分析する。その結果を、制御部22を介して、表示部23に表示できる。分析は、例えば、過去の測定データの平均、同年代の人の平均、経時変化などである。さらに、測定データに対するコメント(提案)などを表示してもよい。例えば、肌クリームの変更の提案、食べ物の提案などである。提案やデータなどは、記録部25に保存されている。
【0020】
<表示部23>
表示部23の例を図5に示す。この例では、表示部23は、操作部30を兼ねる。
測定開始部41と、結果表示部42と参照部43がある。
【0021】
測定開始部41は、センサー素子12による測定を開始するスイッチである。
結果表示部42は、センサー素子12による測定の結果を表示する部分である。
参照部43は、測定の結果を、検討するための参照となる表示をする部分である。この例では、0~100の指数で、模様で複数の領域を表示している。
なお、表示部23は、液晶などのデイスプレイなので、上記3つの部は、自由にその領域、内容を変更できる。この例では、指数80であり、水分量が高い水準であることを意味する。
【0022】
それぞれは、制御部22にて制御され表示される。
<プロセス>
(1) 図1(c)のように、センサー部材10を肌特性測定器本体101に配置する。つまり、電極穴13a、13bに、留め部15a、15bを挿入する。
【0023】
(2) 図2のように、絶縁膜16で覆われたセンサー素子12に、指51を乗せ、表示部23の測定開始部41(図5)を押す(接触工程)。
(3) センサー素子12の静電容量が測定IC部21(図3)で検出され、測定される(測定工程)。
【0024】
(4) 測定の結果が、結果表示部42(図5)に表示される(表示工程)。
(5) センサー部材10を肌特性測定器本体101から取り外す。異なる人が、測定する場合は、(1)で別のセンサー部材10を肌特性測定器本体101に配置する(交換工程)。その後は、上記と同様である。
【0025】
センサー部材10は、洗浄せず、使い捨てである。また同じ人が使用する場合は、洗浄することもできる。
<効果>
容易にセンサー部材10を交換できる。センサー部材10の洗浄が不要で、衛生的によい。センサー部材10は、簡易であり、使い捨てでき、洗浄不要である。
【0026】
シート状のセンサー部材10であるので、肌に密着でき、安定して測定できる。
(実施の形態2):凸部形状
実施の形態1では、センサー部材10は、肌特性測定器本体101に対し平面形状に配置されていた。実施の形態2では、センサー部材10は、肌特性測定器本体101の凸部50の凸型形状に沿って配置される。説明しない事項は実施の形態1と同様である。
【0027】
図6(a)と図6(b)に実施の形態2の肌特性測定器100の斜視図を示す。図6(c)は、実施の形態2のセンサー部材10の周辺の肌特性測定器100の拡大断面図である。
肌特性測定器100のセンサー部材10が配置される部分が、凸部50となっている。この凸部50に、センサー部材10を配置する。センサー部材10は、実施の形態1で説明したように、シート状で柔軟性がある。このため、凸部50に沿うことができる。
図6(a)では、表示部23とセンサー部材10とが、肌特性測定器本体101の同じ面である。一方、図6(b)では、表示部23(または操作部30)とセンサー部材10とが、肌特性測定器本体101の異なる面(一方面と他方面)である。特に、図6(b)では、センサー部材10を肌に接触させ、測定する状態で、表示部23(操作部30)で、測定を開始でき、結果を見ることができる。なお、実施の形態1の場合もこの配置を利用できる。
図7(a)~図7(d)は、凸部50の形状例を示す断面図である。
図7(a)は、凸部50を、かまぼこ型の形状にした。図7(b)は、凸部50を、直方体の上面に凹部を有する形状にした。図7(c)は、凸部50を、直方体形状にした。図7(d)は、凸部50を、三角柱形状にした。
図7(a)~図7(d)のように、測定したい肌の部位に接触させやすく、かつ安定した測定ができるように、凸部50は測定したい肌の部位の形状に合わせて、様々な形状にしてもよい。
さらに、図7(e)の断面図に、凸部50を取り替える例を示す。複数の凸部50を所有し、付け替えることができる。図7(e)のように、肌測定器100の1台で様々な肌の部位の形状に対応できるように、凸部50を取り換えることができる構造にしてもよい。
なお、各凸部50には、必要に応じて、留め部15と接続部26を連結する端子などを有する。
【0028】
<効果>
実施の形態1の効果に加えて、測定したい肌の部位に合わせた形状の凸部50にセンサー部材10が沿うことで、人の顔、肘など凹凸があり実際の形態1では測定しにくい肌の部位の特性を測定しやすい。
(実施の形態3):センサー部材10の留め部
実施の形態1、2では、センサー部材10は、留め部15a、15bのみで固定されていた。実施の形態3では、センサー部材10は、別の構造で固定される。説明しない事項は実施の形態1、2と同様である。
【0029】
図8(a)~図8(e)に実施の形態3の肌特性測定器100のセンサー部材10の一方端の断面図を示す。
図8(a)では、留め部15aは、センサー部材10の基板14を貫通しない。また、押さえ部17aが留め部15aと電極11aとの間にあり、センサー部材10を肌特性測定器本体101へ押さえている。押さえ部17a及び留め部15aは測定対象と導通しないように絶縁膜16で覆われている。
なお、電極11aから押さえ部17a、留め部15aを介して、肌特性測定器本体101(測定IC部21)へ電気的に連結する。
【0030】
図8(b)では、押さえ部17bで、センサー部材10を肌特性測定器本体101へ押さえている。押さえ部17bは、ばね性があり、先端がとがっているので、センサー部材10を挿入しやすく、交換しやすい。また、押さえ部17bは測定対象と導通しないように絶縁膜16で覆われている。
なお、電極11aから押さえ部17b、内部電極31を介して、肌特性測定器本体101へ電気的に連結する。
【0031】
図8(c)では、押さえ部17c、17dで、センサー部材10を肌特性測定器本体101へ押さえている。押さえ部17c、17dは、磁石であり、S極とN極とで引き合う。また、押さえ部17cは測定対象と導通しないように絶縁膜16で覆われている。
なお、電極11aから押さえ部17c、17d、内部電極31を介して、肌特性測定器本体101へ電気的に連結する。
【0032】
図8(d)では、押さえ部17eで、センサー部材10を肌特性測定器本体101へ押さえている。そのため、押さえ部17eは図8(b)とは異なり電気的に他の部分とは連結しておらず、測定対象と導通しないよう、絶縁性の材料が用いられる。また、他の例と異なり、基板14に貫通電極20aがある。貫通電極20aは、電極11aを電気的に、肌特性測定器本体101へ連結するためのものである。
なお、電極11aから貫通電極20a、内部電極31を介して、肌特性測定器本体101へ電気的に連結する。
【0033】
図8(e)では、図8(d)で押さえ部17eでセンサー部材10を押さえる代わりに、導電性粘着剤18でセンサー部材10を肌特性測定器本体101と物理的に、かつ電気的に連結させている。導電性粘着剤18は導電性両面テープや導電性接着剤などである。
なお、電極11aから貫通電極20a、導電性粘着剤18、内部電極31を介して、肌特性測定器本体101へ電気的に連結する。
【0034】
図8(a)~図8(c)、図8(e)では、電極11aは、物理的に、かつ電気的に留め部15a、15b、押さえ部17a、17b、17c、17d、または導電性粘着剤18で、肌特性測定器本体101に、配置される。
図8(d)では、電極11aは、電気的でなく、物理的に、押さえ部17eで、肌特性測定器本体101に、配置される。
なお、上記例はそれぞれ部分的に組み合わせできる。また、上記例の変形例でもよい。
【0035】
実施の形態1と同様、上記のしくみで、センサー部材10は、着脱可能に、肌測定装置本体101に配置される。着脱可能とは、工具を使用せず交換できることを意味する。工具なく素手で、別のセンサー部材10と交換できる。
<効果>
実施の形態1の効果に加えて、センサー部材10の交換が容易である。
【0036】
(実施の形態4):データ通信
実施の形態1~3では、肌特性測定器100のみであった。実施の形態4では、他の機器と連携する。説明しない事項は、実施の形態1~3と同様である。説明しない事項は実施の形態1~3と同様である。
【0037】
<構成>
図9(a)は、実施の形態4の全体の肌特性測定システム70を示す。図9(b)は、実施の形態4の外部サーバ205の構成図を示す。
肌特性測定器100は、Bluetooth(登録商標)などの無線通信、ケーブルなどの有線通信で、制御機器200とデータ通信71aができる。さらに、制御機器200は、インターネットを介して、外部サーバ205とデータ通信71bができる。
なお、肌特性測定器100が、外部サーバ205と直接、データ通信71cができる機能を有してもよい。
【0038】
制御機器200は、たとえば、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、各種端末などである。
外部サーバ205は、インターネットと接続されており、図9(b)に示す通り、データ保存部72と、分析部73と、提案部74と、通信部75と、制御部76とを有する。
【0039】
通信部75は、制御機器200の測定結果をデータ通信71bで受け取る。
制御部76は、他の構成要素を制御する。
分析部73は、測定結果のデータをグラフ化や分析などを行う。さらに、その評価を行う。
【0040】
データ保存部72は、制御機器200からの測定データを保存する。
提案部74は、測定データを評価した結果を基に、改善策を提案する。
【0041】
<動作>
(1) 肌特性測定器100は、肌の表面の特性を測定する。
(2) 肌特性測定器100は、測定データを制御機器200へデータ通信71aをする。(3) 制御機器200は、測定データを外部サーバ205へデータ通信71bをする。
(4) 外部サーバ205は、通信部75で測定データを受け保存する。分析部73で測定データを解析、分析などする。なお、外部サーバ205は、他の制御機器200からも測定データを受け取る。複数の人の測定データを受け取る。測定データ以外に、個人を特有の情報も受け取るのが好ましい。
【0042】
(5) 通信部75は、その結果を、制御機器200へ送り、制御機器200で、結果を表示する。または、その結果を、肌特性測定器100へ送り、結果表示部42で表示する。
図10(a)に、データ保存部72のデータの例を示す。データには、測定データ以外に、測定者に関するデータが含まれる。また、複数の制御機器200からのデータを保存するため、制御機器200を区別する番号が割り当てられている。測定データ以外に、測定の日、時、測定場所、年齢、性別、気温、測定箇所の測定者に関するデータもある。これらに条件は、測定結果に影響を強く与える。
【0043】
例えば、これらのデータを利用して、平均データを算出できる。例えば、年齢50~55歳で、性別女性、気温20~25℃、腕でのデータ(肌水分量)では、平均は指数50である。この平均値を基に、分析結果を、制御機器200へ反映させることができる。別の例として、季節ごとでデータを平均化してもよい。その他、必要に応じて参照データが作成できる。
この肌特性測定器100が広く一般化すれば、その測定データで、肌特性をより正確に長期的に簡便に評価できる。また、その測定データで、病気、疲れなども判断できる可能性がある。
図10(b)に、分析部73での分析の結果の例を示す。ある人(ある制御機器200)の肌水分量の経時変化である。平均値は、上記に示した平均値である。この結果を、制御機器200へ反映させることで、肌の状態の変化の傾向がわかる。肌に塗るクリームの変更、食べ物の変更、生活リズムの変更など対策ができる。
【0044】
<効果>
実施の形態1の効果に加えて、測定結果が分析され評価される。また、他の人の測定データと比較ができる。結果、より確かな肌特性の評価ができる。
(全体として)
実施の形態1~3は、全体、または、一部を組み合わせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本願発明の肌特性測定器と肌特性測定方法は、人の肌の状態測定に広く使用される。人の美容用、医療用、健康管理用など様々な用途で、各家庭、各施設(店舗)で人の肌の状態が測定される。
【符号の説明】
【0046】
10 センサー部材
11a,11b 電極
12 センサー素子
13a,13b 電極穴
14 基板
15,15a,15b 留め部
16 絶縁膜
17a,17b,17c,17d,17e 押さえ部
18 導電性粘着剤
19a,19b 貫通穴
20a 貫通電極
21 測定IC部
22,76 制御部
23 表示部
24 電池
25 記録部
26 接続部
27 換算部
28,75 通信部
29,73 分析部
30 操作部
31 内部電極
41 測定開始部
42 結果表示部
43 参照部
50 凸部
51 指
70 肌特性測定システム
71a,71b,71c データ通信
72 データ保存部
74 提案部
100 肌特性測定器
101 肌特性測定器本体
200 制御機器
205 外部サーバ
図1
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図3
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図10