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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】パレット
(51)【国際特許分類】
   B65D 19/32 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
B65D19/32 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019200697
(22)【出願日】2019-11-05
(65)【公開番号】P2021075283
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】590000477
【氏名又は名称】日本プラパレット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】木村 聡
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0251112(US,A1)
【文献】国際公開第2014/034660(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0190373(US,A1)
【文献】登録実用新案第3137215(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2009/0183655(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 19/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接地ボードと、
前記接地ボードの上方に配置されるデッキボードと、
前記接地ボードから立設された下部桁部の先端面と前記デッキボードから立設された上部桁部の先端面とを繋ぐことによって形成された複数の桁部と
を備え、隣り合う前記桁部同士の間にフォーク差込孔が形成されたパレットであって、
前記フォーク差込孔は、当該パレットの高さ方向に向かって幅が異なるように段差を有した1つの連通した孔であって第1の爪幅を有するフォークによって当該パレットを持ち上げるための幅の広い幅広部と、該幅広部の上部に形成され、前記第1の爪幅よりも狭い第2の爪幅を有するフォークによって当該パレットを持ち上げるための幅の狭い上部幅狭部とが連続してなるパレット。
【請求項2】
前記上部幅狭部の側壁を構成する上部幅狭側壁と前記デッキボードとを接続する増設リブが設けられた請求項1に記載のパレット。
【請求項3】
前記上部幅狭側壁と、該上部幅狭側壁と平行な側壁と、前記デッキボードとを接続する補強リブが複数設けられ、
前記増設リブは、隣り合う前記補強リブ同士の間で前記上部幅狭側壁と前記デッキボードとを接続する請求項2に記載のパレット。
【請求項4】
前記接地ボードにおける前記上部幅狭部の下方には、ハンドリフト車輪用口が設けられた請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のパレット。
【請求項5】
前記フォーク差込孔には、前記幅広部の下部に形成されて下方に前記ハンドリフト車輪用口が配置される幅の狭い下部幅狭部が設けられた請求項4に記載のパレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の運搬や保管に使用されるパレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の運搬や保管に使用されるパレットとしては、略矩形状の接地ボードと、該接地ボードの上方に平行して配置されるデッキボードと、それら接地ボードとデッキボードとを繋ぐ複数の桁部とを備え、隣り合う桁部同士の間にフォーク差込孔が形成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。そして、このようなパレットを運搬するためのフォークリフトとしては、フォークの爪幅が100mm~150mm程度に設定される一般的なフォークリフト(例えば、特許文献2参照)や、フォークの爪幅が380mm~460mm程度に設定される所謂プッシュプル型のフォークリフト(例えば、特許文献3参照)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-52598号公報
【文献】実開平2-115393号公報
【文献】特開平11-255237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記したようなパレットでは、フォーク差込孔の幅を爪幅の狭いフォークに対応させた狭い幅とすると、フォーク差込孔に爪幅の広いフォークを差し込むことができない。そして、フォーク差込孔の幅を爪幅の広いフォークに対応させた広い幅とすると、フォーク差込孔に爪幅の狭いフォークを差し込んだ状態ではフォークに対してパレットが幅方向にずれてしまう虞があり、爪幅の異なるフォークを有した各フォークリフトによる安定した運搬が困難であった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、爪幅の異なるフォークを有した各フォークリフトによる安定した運搬を可能としたパレットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するパレットは、接地ボードと、前記接地ボードの上方に配置されるデッキボードと、前記接地ボードと前記デッキボードとを繋ぐ複数の桁部とを備え、隣り合う前記桁部同士の間にフォーク差込孔が形成されたパレットであって、前記フォーク差込孔には、幅の広い幅広部と、該幅広部の上部に形成された幅の狭い上部幅狭部とが設けられる。
【0007】
同構成によれば、フォーク差込孔には、幅の広い幅広部と、該幅広部の上部に形成された幅の狭い上部幅狭部とが設けられるため、爪幅の異なるフォークを有した各フォークリフトによる安定した運搬が可能となる。詳しくは、例えば、フォーク差込孔に爪幅の広いフォークを差し込む際は該フォークを幅広部に差し込むことで、パレットを持ち上げて運搬することができる。また、フォーク差込孔に爪幅の狭いフォークを差し込む際は該フォークを上部幅狭部に差し込むことで、パレットを持ち上げて運搬することができるとともに、その状態でフォークに対してパレットが幅方向にずれてしまうことが抑制される。
【0008】
上記パレットにおいて、前記上部幅狭部の側壁を構成する上部幅狭側壁と前記デッキボードとを接続する増設リブが設けられることが好ましい。
同構成によれば、上部幅狭部の側壁を構成する上部幅狭側壁とデッキボードとを接続する増設リブが設けられるため、フォーク差込孔の上部幅狭部に爪幅の狭いフォークを差し込んでパレットを持ち上げた状態でのデッキボードの撓みを抑制することができる。その結果、デッキボード上の荷崩れを抑制することができる。
【0009】
上記パレットにおいて、前記上部幅狭側壁と、該上部幅狭側壁と平行な側壁と、前記デッキボードとを接続する補強リブが複数設けられ、前記増設リブは、隣り合う前記補強リブ同士の間で前記上部幅狭側壁と前記デッキボードとを接続することが好ましい。
【0010】
同構成によれば、前記上部幅狭側壁と、該上部幅狭側壁と平行な側壁と、前記デッキボードとを接続する補強リブが複数設けられ、前記増設リブは、隣り合う補強リブ同士の間で前記上部幅狭側壁と前記デッキボードとを接続するため、補強リブと増設リブにてデッキボードの撓みをより抑制することができる。
【0011】
上記パレットにおいて、前記接地ボードにおける前記上部幅狭部の下方には、ハンドリフト車輪用口が設けられることが好ましい。
同構成によれば、接地ボードにおける前記上部幅狭部の下方には、ハンドリフト車輪用口が設けられるため、爪幅の狭いフォークと該フォークの下方に車輪とを有するハンドリフトのフォークを上部幅狭部に差し込みつつ車輪をハンドリフト車輪用口を介して下方に突出させることでパレットを持ち上げて運搬することができる。また、ハンドリフト車輪用口を上部幅狭部と対応した下方にのみ設けることで、幅広部の下方の広い範囲に設けた場合に比べて、ハンドリフト車輪用口の開口面積を小さくすることができる。
【0012】
上記パレットにおいて、前記フォーク差込孔には、前記幅広部の下部に形成されて下方に前記ハンドリフト車輪用口が配置される幅の狭い下部幅狭部が設けられることが好ましい。
【0013】
同構成によれば、フォーク差込孔には、前記幅広部の下部に形成されて下方に前記ハンドリフト車輪用口が配置される幅の狭い下部幅狭部が設けられるため、ハンドリフトのフォークをフォーク差込孔に差し込む際に車輪が下部幅狭部に案内されることでフォークを上部幅狭部と対応した正確な位置に差し込むことができる。すなわち、下部幅狭部が設けられていない場合では、ハンドリフトのフォークが上部幅狭部及びハンドリフト車輪用口と対応していない位置に差し込まれる虞があるが、これを回避することができる。
【発明の効果】
【0014】
本開示のパレットによれば、爪幅の異なるフォークを有した各フォークリフトによる安定した運搬が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】一実施形態におけるパレットの斜視図。
図2】一実施形態におけるパレットの斜視図。
図3】一実施形態におけるパレットの正面図。
図4】一実施形態における上部構成部材の斜視図。
図5】一実施形態における下部構成部材の斜視図。
図6】一実施形態におけるパレットの一部断面斜視図。
図7】一実施形態におけるパレットの作用を説明するための説明図。
図8】一実施形態におけるパレットの作用を説明するための説明図。
図9】一実施形態におけるパレットの作用を説明するための説明図。
図10】一実施形態におけるパレットの作用を説明するための説明図。
図11】別例におけるパレットの斜視図。
図12】別例におけるパレットの正面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、パレットの一実施形態を図1図10に従って説明する。なお、以下の説明では、互いに直交する三方(図中、X,Y,Z)をそれぞれ、パレットの幅方向X、奥行方向Y、高さ方向Zとして説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、パレット10は、板厚方向である高さ方向Zから見て略矩形状の接地ボード11と、該接地ボードの上方に平行して配置されるデッキボード12と、それら接地ボード11とデッキボード12とを繋ぐ複数の桁部13~15とを備え、隣り合う桁部13~15同士の間にフォーク差込孔16が形成されている。桁部13~15は、パレット10における奥行方向Yに沿って延びて設けられるとともに幅方向Xの両端と幅方向Xの中央の合計3箇所に設けられ、フォーク差込孔16は幅方向Xに一対が並んで形成されている。
【0018】
そして、図1図3に示すように、フォーク差込孔16には、幅の広い幅広部17と、該幅広部17の上部に形成された幅の狭い上部幅狭部18とが設けられている。また、フォーク差込孔16には、幅広部17の下部に形成された幅の狭い下部幅狭部19が設けられている。すなわち、フォーク差込孔16は、高さ方向Zに向かって幅が異なるように段差を有した1つの連通した孔であって、上方の幅の狭い上部幅狭部18と、中央の幅の広い幅広部17と、下方の幅の狭い下部幅狭部19とが連続してなる。また、図2に示すように、接地ボード11における下部幅狭部19の下方には高さ方向Zに貫通する矩形状のハンドリフト車輪用口20が設けられている。ハンドリフト車輪用口20は、下部幅狭部19における奥行方向Yに一対形成され、パレット10には合計4つ形成されている。
【0019】
詳述すると、本実施形態のパレット10は、樹脂材よりなり、パレット10の下半分を構成する下部構成部材21と、パレット10の上半分を構成する上部構成部材22とが高さ方向Zの中央で溶着されて製造されている。
【0020】
そして、図5及び図6に示すように、下部構成部材21には、接地ボード11と、該接地ボード11から立設されて前記桁部13~15の下半分を構成する下部桁部13a~15aとが設けられている。この下部桁部13a~15aの外壁の一部は、前記フォーク差込孔16における幅広部17の側壁を構成する。また、下部構成部材21には、接地ボード11から立設されて下部幅狭部19の側壁を構成する下部幅狭側壁19aが設けられている。下部幅狭側壁19aは、接地ボード11からの突出量が下部桁部13a~15aよりも小さく設定されている。また、下部構成部材21には、下部幅狭側壁19aと、該下部幅狭側壁19aと平行な側壁である下部桁部13a~15aの側壁と、接地ボード11とを接続して幅方向Xに延びる補強リブ31aと、該補強リブ31aと共に格子状をなすように奥行方向Yに延びる補強リブ31bとが複数設けられている。下部幅狭側壁19aの先端と補強リブ31a,31bの先端は幅広部17の下壁を構成することになる。また、下部構成部材21には、対向する下部幅狭側壁19a同士と接地ボード11とを接続して幅方向Xに延びる補強リブ31cと、該補強リブ31cと共に格子状をなすように奥行方向Yに延びる補強リブ31dとが複数設けられている。この補強リブ31c,31dは、接地ボード11からの突出量が下部幅狭側壁19aよりも小さく設定されている。そして、補強リブ31c,31dの先端は下部幅狭部19の下壁を構成することになる。なお、もちろん、この補強リブ31c,31dはハンドリフト車輪用口20が形成されていない範囲において設けられている。
【0021】
また、図4及び図6に示すように、上部構成部材22には、デッキボード12と、該デッキボード12から立設されて前記桁部13~15の上半分を構成する上部桁部13b~15bとが設けられている。この上部桁部13b~15bの外壁の一部は、前記フォーク差込孔16における幅広部17の側壁を構成する。また、上部構成部材22には、デッキボード12から立設されて上部幅狭部18の側壁を構成する上部幅狭側壁18aが設けられている。上部幅狭側壁18aは、デッキボード12からの突出量が上部桁部13b~15bよりも小さく設定されている。また、上部構成部材22には、上部幅狭側壁18aと、該上部幅狭側壁18aと平行な側壁である上部桁部13b~15bの側壁と、デッキボード12とを接続して幅方向Xに延びる補強リブ32aと、該補強リブ32aと共に格子状をなすように奥行方向Yに延びる補強リブ32bとが複数設けられている。上部幅狭側壁18aの先端と補強リブ32a,32bの先端は幅広部17の上壁を構成することになる。また、本実施形態の上部構成部材22には、上部幅狭側壁18aとデッキボード12とを接続する増設リブ33が設けられている。増設リブ33は、他の部位よりもより補強すべく増設されたリブであって、隣り合う補強リブ32a同士の間で上部幅狭側壁18aとデッキボード12とを接続するものであり、本実施形態では隣り合う補強リブ32a同士の間に2つずつ並設されている。また、上部構成部材22には、対向する上部幅狭側壁18a同士とデッキボード12とを接続して幅方向Xに延びる補強リブ32cと、該補強リブ32cと共に格子状をなすように奥行方向Yに延びる補強リブ32dとが複数設けられている。この補強リブ32c,32dは、デッキボード12からの突出量が上部幅狭側壁18aよりも小さく設定されている。そして、補強リブ32c,32dの先端は上部幅狭部18の上壁を構成することになる。
【0022】
次に、上記のように構成されたパレット10の作用について説明する。
例えば、図7に示すように、フォーク差込孔16に、所謂プッシュプル型のフォークリフトにおける爪幅の広いフォーク41を差し込む際は該フォーク41を幅広部17に差し込む。このようにすることで、パレット10を持ち上げて運搬することができる。
【0023】
また、例えば、図8に示すように、フォーク差込孔16に、一般的なフォークリフトにおける爪幅の狭いフォーク42を差し込む際は該フォーク42を上部幅狭部18に差し込む。このようにするとで、パレット10を持ち上げて運搬することができる。またこのとき、爪幅の狭いフォーク42は上部幅狭部18に配置され、幅方向Xの隙間が小さい状態であるため、フォーク42に対してパレット10が幅方向Xに大きくずれてしまうことが抑制される。
【0024】
また、例えば、図9に示すように、フォーク差込孔16に、ハンドリフトにおける爪幅の狭いフォーク43を差し込む際は該フォーク43を上部幅狭部18に差し込む。またこのとき、フォーク43の下方に設けられた車輪44を、下部幅狭部19を通してハンドリフト車輪用口20と対応した位置に配置する。
【0025】
そして、図10に示すように、車輪44を、前記ハンドリフト車輪用口20を介してパレット10の下方に突出させることでフォーク43にてパレット10を持ち上げて運搬することができる。またこのとき、爪幅の狭いフォーク43は上部幅狭部18に配置され、幅方向Xの隙間が小さい状態であるため、フォーク43に対してパレット10が幅方向Xに大きくずれてしまうことが抑制される。
【0026】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)フォーク差込孔16には、幅の広い幅広部17と、該幅広部17の上部に形成された幅の狭い上部幅狭部18とが設けられるため、爪幅の異なるフォーク41~43を有した各フォークリフトによる安定した運搬が可能となる。詳しくは、例えば、フォーク差込孔16に爪幅の広いフォーク41を差し込む際は該フォーク41を幅広部17に差し込むことで、パレット10を持ち上げて運搬することができる。また、フォーク差込孔16に爪幅の狭いフォーク42,43を差し込む際は該フォーク42,43を上部幅狭部18に差し込むことで、パレット10を持ち上げて運搬することができるとともに、その状態でフォーク42,43に対してパレット10が幅方向Xにずれてしまうことが抑制される。
【0027】
(2)上部幅狭部18の側壁を構成する上部幅狭側壁18aとデッキボード12とを接続する増設リブ33が設けられるため、フォーク差込孔16の上部幅狭部18に爪幅の狭いフォーク42,43を差し込んでパレット10を持ち上げた状態でのデッキボード12の撓みを抑制することができる。その結果、デッキボード12上の荷崩れを抑制することができる。
【0028】
(3)前記上部幅狭側壁18aと、該上部幅狭側壁18aと平行な側壁である上部桁部13b~15bの側壁と、デッキボード12とを接続する補強リブ32aが複数設けられ、前記増設リブ33は、隣り合う補強リブ32a同士の間で上部幅狭側壁18aとデッキボード12とを接続するため、デッキボード12の撓みをより抑制することができる。
【0029】
(4)接地ボード11における上部幅狭部18の下方には、ハンドリフト車輪用口20が設けられるため、ハンドリフトの爪幅の狭いフォーク43を上部幅狭部18に差し込みつつ車輪44をハンドリフト車輪用口20を介して下方に突出させることでパレット10を持ち上げて運搬することができる。また、ハンドリフト車輪用口20を上部幅狭部18と対応した下方にのみ設けることで、幅広部17の下方の広い範囲に設けた場合に比べて、ハンドリフト車輪用口20の開口面積を小さくすることができる。その結果、例えば接地ボード11の強度の低下を抑えることができる。また、例えば、物品が乗せられたパレット10を複数積み上げるような場合、上方に積まれるパレット10のハンドリフト車輪用口20に下方の物品が食い込むことが低減される。
【0030】
(5)フォーク差込孔16には、幅広部17の下部に形成されて下方にハンドリフト車輪用口20が配置される幅の狭い下部幅狭部19が設けられるため、ハンドリフトのフォーク43をフォーク差込孔16に差し込む際に車輪44が下部幅狭部19に案内されることでフォーク43を上部幅狭部18と対応した正確な位置に差し込むことができる。すなわち、下部幅狭部19が設けられていない場合では、ハンドリフトのフォーク43が上部幅狭部18及びハンドリフト車輪用口20と対応していない位置に差し込まれる虞があるが、これを回避することができる。
【0031】
上記実施形態は以下のように変更して実施することができる。また、本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、フォーク差込孔16には、幅広部17の下部に幅の狭い下部幅狭部19が設けられるとしたが、これに限定されず、下部幅狭部19が設けられていない構成としてもよい。
【0032】
具体的には、例えば、図11及び図12に示すパレット50としてもよい。この例のパレット50は、上記実施形態と同様にフォーク差込孔16に幅広部17と上部幅狭部18とが設けられているが、上記実施形態の下部幅狭部19は設けられていない。このようにしても、上記実施形態の効果(1)~(4)と同様の効果を得ることができる。
【0033】
・上記実施形態では、パレット10には、上部幅狭部18の側壁を構成する上部幅狭側壁18aとデッキボード12とを接続する増設リブ33が設けられるとしたが、これに限定されず、増設リブ33が設けられていない構成としてもよい。なお、もちろん、他の補強リブを含め、リブの数や配置を変更してもよい。
【0034】
・上記実施形態では、接地ボード11における上部幅狭部18の下方には、ハンドリフト車輪用口20が設けられるとしたが、これに限定されず、ハンドリフト車輪用口20が設けられていない構成としてもよい。なお、この場合のパレットは、接地ボード11の下方に車輪44を突出させて運搬させるハンドリフトには対応しない。
【0035】
・上記実施形態のパレット10は、下部構成部材21と上部構成部材22とが溶着されて製造されているとしたが、どのような製造過程を経て製造されたものでもよく、例えば、溶着部位がない一体成形品としてもよい。
【符号の説明】
【0036】
10,50…パレット、11…接地ボード、12…デッキボード、13~15…桁部、16…フォーク差込孔、17…幅広部、18…上部幅狭部、18a…上部幅狭側壁、19…下部幅狭部、20…ハンドリフト車輪用口、32a…補強リブ、33…増設リブ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12