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特許7399515大動脈手術で使用するための複数灌流カニューレ・システム
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  • 特許-大動脈手術で使用するための複数灌流カニューレ・システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】大動脈手術で使用するための複数灌流カニューレ・システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/36 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61M1/36 149
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022511348
(86)(22)【出願日】2020-08-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-25
(86)【国際出願番号】 TR2020050739
(87)【国際公開番号】W WO2021034293
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】2019/12633
(32)【優先日】2019-08-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TR
(73)【特許権者】
【識別番号】521277671
【氏名又は名称】イスタンブール メディポル ユニベルシテシ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イールディズ、ヤーヤ
(72)【発明者】
【氏名】ウガールジャン、ムラット
(72)【発明者】
【氏名】トゥルコール、ハリル
(72)【発明者】
【氏名】エルカンリ、コールハン
(72)【発明者】
【氏名】カーラマン、アイディン
(72)【発明者】
【氏名】サヴァス、アルペル
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-043045(JP,A)
【文献】特開平09-070438(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0158574(US,A1)
【文献】特表2012-512697(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2001/0038807(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
メイン・カニューレ(3)と、前記メイン・カニューレ(3)に位置付けられ、無名動脈カニューレ(6)、左主幹頸動脈連結部(7)、及び左鎖骨下動脈連結部(8)を備える上肢供給コンパートメント(4)と、下行大動脈バルーン(10)を備える下肢供給コンパートメント(15)と、上行大動脈カニューレ(16)とを備えることを特徴とする、大動脈手術で使用するための複数灌流カニューレ(A)。
【請求項2】
前記メイン・カニューレ(3)が、前記カニューレ(A)を人工心肺に連結する大動脈出口(1)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項3】
前記上行大動脈カニューレ(16)上に、冠動脈供給カニューレ端部(18)と、使用前に前記カニューレ内の空気を排出するために使用することができる上行大動脈灌流カニューレ・クリップ(17)とを備えることを特徴とする、請求項1又は2に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項4】
前記上肢供給コンパートメント(4)に位置付けられた上肢供給コンパートメント・クリップ(5)を備えることを特徴とする、請求項3に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項5】
前記下肢供給コンパートメント(15)上にパイロット・バルーン連結部(11)を備えることを特徴とする、請求項に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項6】
パイロット・バルーン(13)、パイロット・バルーン連結部クリップ(12)、及びバルーン膨張ノズル(14)が前記パイロット・バルーン連結部に位置付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の複数灌流カニューレ。
【請求項7】
前記下肢供給コンパートメント(15)上に前記パイロット・バルーン連結部クリップ(12)を備えることを特徴とする、請求項に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項8】
前記カニューレに位置付けられている前記上肢供給コンパートメント・クリップ(5)、前記パイロット・バルーン連結部クリップ(12)、及び前記上行大動脈灌流カニューレ・クリップ(17)が圧力制御装置も備えることを特徴とする、請求項に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項9】
生理学的環境に適合し、手術条件において使用可能であると知られている任意の材料で製作できることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか一項に記載の複数灌流カニューレ(A)。
【請求項10】
ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、金属線強化シリコーンを含む群の中から選択される材料で製作することができることを特徴とする、請求項9に記載の灌流カニューレ(A)。
【請求項11】
前記メイン・カニューレ(3)、前記上行大動脈カニューレ(16)、前記下行大動脈バルーン(10)、前記左頸動脈連結部(7)、前記左鎖骨下動脈連結部(8)、前記無名動脈カニューレ(6)、前記上肢コンパートメント(4)、前記下肢コンパートメント(15)などの構成要素のうちの少なくとも1つが、放射線不透過性材料で製作されたストリップを備え得ることを特徴とする、請求項1から10までのいずれか一項に記載の灌流カニューレ(A)。
【請求項12】
メイン・カニューレ(3)と、前記メイン・カニューレ(3)に位置付けられた上行大動脈カニューレ(16)と、無名動脈カニューレ(6)、左主幹頸動脈連結部(7)、及び左鎖骨下動脈連結部(8)を備える上肢供給コンパートメント(4)と、下行大動脈バルーン(10)を備える下肢供給コンパートメント(15)とを備える複数灌流カニューレ、
灌流カニューレ(A)内に嵌合できる拡張器
ガイドワイヤ、
少なくとも1つのランセット、並びに
少なくとも1つの注射器
を備えることを特徴とする、カニューレ挿入キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に大動脈手術中の完全循環停止による合併症を防止するために使用することができる複数脈管灌流カニューレに関連する。
【背景技術】
【0002】
大動脈弓部置換術は完全循環停止を適用することによってのみ実施することができ、完全循環停止とは、一定の時間にわたって全身への血流を阻害するか、又は全身への血流を完全に途絶させることを意味する。特に手術が長時間続く場合、手術中に臓器への血流が阻害されると、臓器への血液の供給が欠乏することによって合併症が引き起こされる。特に脳への血流が不十分であるか又は血流がない場合、脳機能の損失が様々なレベルで発生する可能性があり、腎臓などの任意の他の臓器への血流が不十分であると、臓器不全を含む重大且つ永続的な損傷を引き起こす状態が生じる。
【0003】
従来技術は、大動脈手術で使用される排他的脳灌流カニューレ(exclusively cerebral perfusion cannula)を備える。市販の灌流カニューレは単一カニューレの形をとり、大動脈、腋窩動脈、又は大腿動脈などの単一の動脈に挿入され、大動脈手術中に心臓が停止しているとき、このカニューレにより、人工心肺による全身への血流が提供される。既存のカニューレが大動脈弓部に関係する動脈瘤又は破裂の外科的治療に使用される場合、患者を超低体温まで冷却し、全身の循環を停止させる完全循環停止法。残念なことに、この方法は、特に長時間の手術では合併症を引き起こす可能性がある。
【0004】
言い換えれば、大規模な血管手術では、身体を冷却し、循環を停止させて臓器を保護する。循環を停止させている間、脳機能を維持するために、カニューレを脳への主幹動脈に挿入して脳に血液を供給する、別の外科的方法が存在する。この方法は、選択的脳灌流と呼ばれ、椎骨脳底動脈系又はウィリス・ポリゴンに関係する循環不全が存在した場合、脳損傷である大脳欠損(cerebral deficit)を引き起こす恐れがある。
【0005】
椎骨脳底動脈系又はウィリス・ポリゴンに関係する循環不全がないと仮定しても、この保護方法は、冷却の量及び循環停止の継続時間に応じて、脳とは別に複数臓器の損傷を引き起こす恐れがある。こうした場合は高い疾病率及び死亡率を伴う。
【0006】
研究では、こうした手術の後、永続的な神経損傷は6%、一時的な神経損傷は7%、30日死亡率は7%、5年死亡率は23%であると報告されている(1)。大動脈手術での死亡率は5%であるが、これは高いと考えられ得る(2)。
【0007】
従来技術において示されているように、循環系全体を途絶すべき場合、すなわち大動脈弓部の動脈瘤の外科的治療中、臓器の虚血を防止するために、心臓を含む全身への絶え間ない血流を維持することを可能にするカニューレが必要とされる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
【文献】Zierer A、El-Sayed Ahmad A、Papadopoulos Nら、Fifteen years of surgery for acute type A aortic dissection in moderate-to-mild systemic hypothermia、Eur J Cardiothorac Surg、2017年1月;51(1):97-103、doi:10.1093/ejcts/ezw289、Epub 2016年10月2日
【文献】Urgnani Fl、Lerut P、Da Rocha Mら、Endovascular treatment of acute traumatic thoracic aortic injuries:a retrospective analysis of 20 cases、J Thorac Cardiovasc Surg、2009年11月;138(5):1129-38、doi:10.1016/j.jtcvs.2008.10.057、Epub 2009年1月13日
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、体内の血流を途絶させることを必要とする外科的手術、すなわち大動脈全体に沿って実施すべき手術において、全身への血流を維持するために使用するのに適した複数灌流カニューレ(A)に関連する。(図1
【0010】
本発明の主題である灌流カニューレ(A)は、そこに位置付けられた大動脈出口(1)を用いて人工心肺への連結を実現し、この出口からの血液はメイン・カニューレ(3)から入り、血液は、上肢供給コンパートメント(4)から無名動脈(腕頭動脈)、左主幹頸動脈及び左鎖骨下動脈へと分配され、下肢供給コンパートメント(15)から下行大動脈へと分配され、冠動脈灌流カニューレ(16)によって上行大動脈へと分配される。このようにして、上行大動脈、大動脈弓部、及び下行大動脈の外科的手術において全身の血流が維持される。
【0011】
本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)は、患者を冷却し、又は循環系全体を途絶させる必要なしに、肝不全及び腎不全、胃腸虚血並びに心筋虚血だけでなく、低体温及び低灌流に起因する神経疾患を含む合併症を防止する助けとなる。必要なら、心筋保護を施すことによって心臓保護を確実として、冠動脈灌流コンパートメントを中止させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)の代表的な図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)は、メイン・カニューレ(3)と、メイン・カニューレ(3)から分岐する上行大動脈カニューレ(16)と、上肢供給コンパートメント(4)と、下肢供給コンパートメント(15)とを備える。
【0014】
メイン・カニューレ(3)に位置付けられた大動脈出口(1)により、本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)が人工心肺に連結される。
【0015】
メイン・カニューレ(3)に位置付けられた冠動脈灌流カニューレ(16)は、巾着縫合によって上行大動脈に配置されるカニューレであり、上行大動脈が遮断されているときでも、冠動脈に血流を提供し、心臓に血液の供給をもたらす。カニューレ内の空気は、冠動脈灌流カニューレ(16)に位置付けられた上行大動脈灌流カニューレ・クリップ(17)によって使用前に排出することができる。冠動脈灌流カニューレ(16)により、それに位置付けられた冠動脈供給カニューレ端部(18)を経由して冠動脈に血流が提供される。
【0016】
本発明では、用語「冠動脈灌流カニューレ(16)」、「上行大動脈カニューレ(16)」、又は「大動脈根カニューレ(16)」は同義であり、互換的に使用される場合がある。
【0017】
心臓を停止させることによって外科的手術を実施しなければならない場合、心筋保護を施すことによって心臓を保護することができる。
【0018】
メイン・カニューレ(3)に位置付けられた上肢供給コンパートメント(4)は、左主幹頸動脈連結部(7)と、左鎖骨下動脈連結部(8)と、無名動脈カニューレ(6)とを備える。左主幹頸動脈連結部(7)及び左鎖骨下動脈連結部(8)は、上行大動脈に適用される巾着縫合によって、且つ上行大動脈を経由して両方の頸動脈へと方向付けられ、脳に血液を供給する。上肢供給コンパートメント(4)に位置付けられた無名動脈カニューレ(6)は、身体の右上部(右腕、頸部の右側、及び頭部の右側)への血液の供給をもたらす。
【0019】
カニューレに位置付けられたクリップを使用して、カニューレ内の空気を排出し、又はカニューレ内の血流を監視することができる。カニューレ内の空気は、メイン・カニューレ(3)に位置付けられた上肢供給コンパートメント(4)上の上肢供給コンパートメント・クリップ(5)によって使用前に排出することができる。
【0020】
メイン・カニューレ(3)に位置付けられた下肢供給コンパートメント(15)はバルーン膨張ノズル(ホース又は連結部)(12)を有し、これはパイロット・バルーン連結部(11)を介して下肢供給コンパートメント(15)に連結し、ここに位置付けられた下行大動脈バルーン(10)を膨張させるために使用される。
【0021】
メイン・カニューレ(3)に位置付けられた下肢供給コンパートメント(15)に位置付けられた下行大動脈バルーン(10)が膨張させられると、下行大動脈バルーン(10)は、下行大動脈からの血液が手術部位へと流れることを防止する。本発明の主題であるメイン・カニューレ(3)に位置付けられた下肢供給コンパートメント(15)は、腎臓、肝臓、胃腸系及び両下肢を含む下半身全体に血液供給(feed)するカニューレである。
【0022】
メイン・カニューレ(3)に位置付けられた下肢供給コンパートメント(15)上のパイロット・バルーン連結部クリップ(12)を使用して、使用前にカニューレ内の空気を排出することができる。
【0023】
本発明では、用語「クリップ」は、カニューレ・ラインを必要に応じてオン及びオフにすることを可能にするか、又は内部に蓄積した空気若しくは体液を排出することを可能にする任意の組立体を指す。本発明の主題である上肢供給コンパートメント・クリップ(5)、パイロット・バルーン連結部クリップ(12)、及び上行大動脈灌流カニューレ・クリップ(17)は、栓、ボタン、弁、又は同じ機能の任意の他の組立体の形をとることができる。
【0024】
本発明の好ましい応用例では、クリップは弁の形で使用され、弁を4分の1回転又は完全に2回転させたとき、血流を完全にオフにすることができるか、又は必要に応じて流量を調節することができる。
【0025】
本発明の主題であるカニューレ(A)に位置付けられた上肢供給コンパートメント・クリップ(5)、パイロット・バルーン連結部クリップ(12)、及び上行大動脈灌流カニューレ・クリップ(17)は、圧力制御装置も備える。
【0026】
本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)に位置付けられたパイロット・バルーン連結部(11)は、パイロット・バルーン(13)及びパイロット・バルーン膨張ノズル(14)を備える。この地点に供給される液体の流れは、パイロット・バルーン連結部(11)に位置付けられたパイロット・バルーン連結部クリップ(12)を経由して、下肢供給コンパートメント(15)に位置付けられたバルーン(10)へと運搬される。言い換えれば、バルーンは液体で膨張させられる。適用中、バルーン(10)が使用者に見えない患者の体内にある間、パイロット・バルーン(13)は使用者が見ることができ、これにより、使用者が、バルーン(13)を見る必要なしに、体内のバルーン(10)がどれだけ膨張させられたかを知ることが可能になる。同様に、適用中にパイロット・バルーン(13)及び患者の体内に位置付けられたバルーン(10)に蓄積した液体は、パイロット・バルーン膨張ノズル(14)を介してバルーン内の液体を排出することによって取り除かれ、パイロット・バルーン(13)及びバルーン(10)は収縮する。言い換えれば、パイロット・バルーン膨張ノズル(14)を介して液体を送達することによってバルーン(10)が膨張させられている間、パイロット・バルーン(13)を監視することができ、バルーン(10)を用いて動脈を安全に閉止することができる。
【0027】
本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)は、生理学的環境に適合し、手術条件において使用可能であると知られている任意の材料で製作することができる。本発明の好ましい応用例では、本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)は、ポリウレタン(PU)、ポリ塩化ビニル(PVC)、シリコーン、及び金属線強化シリコーンを含む群の中から選択される材料で製作することができる。
【0028】
本発明の好ましい応用例では、メイン・カニューレ(3)、大動脈根カニューレ(16)、下行大動脈バルーン(10)、左頸動脈連結部(7)、左鎖骨下動脈連結部(8)、上肢コンパートメント(4)、下肢コンパートメント(15)である、複数灌流カニューレ(A)の構成要素のうちの少なくとも1つは、放射線不透過性材料で製作されたストリップを備えることができる。カニューレに放射線不透過性ストリップを備える目的は、誤ってカニューレの一部が手術後に患者の体内に残された場合に、放射線学的検討を実施できるようにすることである。
【0029】
本発明の主題である複数灌流カニューレ(A)は、メイン・カニューレ(3)に位置付けられた大動脈出口(13)を経由して人工心肺に連結され、カニューレに血流を提供する。カニューレ(A)に流れ込む血液は、無名動脈カニューレ(6)、左主幹頸動脈連結部(7)、及び左鎖骨下動脈連結部(8)を通過し、無名動脈、左主幹頸動脈、及び左鎖骨下動脈へと方向付けられて、脳に血液供給する。
【0030】
同様に、カニューレに流れ込む血液は、下肢コンパートメント(15)及びバルーン(10)を通過し、下行大動脈出口(9)を経由して身体に連結して、腎臓、肝臓、胃腸系、及び両下肢へと送達されるが、同時に、上行大動脈及び冠動脈灌流カニューレ(16)を通過して冠動脈へと送達され、それによって血流を維持する。
【0031】
別の態様では、本発明は、
- メイン・カニューレ(3)と、メイン・カニューレ(3)に位置付けられた上行大動脈カニューレ(16)と、無名動脈カニューレ(6)、左主幹頸動脈連結部(7)、及び左鎖骨下動脈連結部(8)を備える上肢供給コンパートメント(4)と、下行大動脈バルーン(10)を備える下肢供給コンパートメント(15)とを備える複数灌流カニューレ、
- カニューレ(A)を通過することができる拡張
- ガイドワイヤ、
- 少なくとも1つのランセット、
- 少なくとも1つの注射器
を備えることを特徴とするカニューレ挿入キットに関連する。
【0032】
この明細書では、用語「備える」は、「含む」を意味するものとする。
【0033】
技術的に可能ならどこでも、本発明の応用例を組み合わせることができる。
【0034】
応用例は、特定の特徴/構成要素を備える方式でここに説明されている。
【0035】
本明細書は、上記特徴/構成要素を備える応用例、又はそれらから形成される応用例も本質的に包含する。
【0036】
ここに具体的且つ明確に説明されている応用例は、単独で、又は1つ又は複数の他の応用例と共に、権利放棄の基礎をなす場合がある。
【符号の説明】
【0037】
各図内の参照番号及び対応する部分を以下に列挙する。
1 大動脈出口
2 血液の流れ方向
3 メイン・カニューレ
4 上肢の供給コンパートメント
5 上肢の供給コンパートメント・クリップ
6 無名動脈カニューレ
7 左頸動脈連結部
8 左鎖骨下動脈連結部
9 下行大動脈出口
10 下行大動脈バルーン
11 パイロット・バルーン連結部
12 パイロット・バルーン連結部クリップ
13 パイロット・バルーン
14 パイロット・バルーン膨張ノズル
15 下肢供給コンパートメント
16 上行大動脈カニューレ又は冠動脈灌流カニューレ(又は大動脈根カニューレ)
17 上行大動脈灌流カニューレ・クリップ
18 冠動脈供給カニューレ端部
図1