IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 大同工機株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-濾過用ストレーナの自動洗浄システム 図1
  • 特許-濾過用ストレーナの自動洗浄システム 図2
  • 特許-濾過用ストレーナの自動洗浄システム 図3
  • 特許-濾過用ストレーナの自動洗浄システム 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】濾過用ストレーナの自動洗浄システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 29/11 20060101AFI20231211BHJP
   B01D 29/66 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B01D29/10 520B
B01D29/10 510C
B01D29/10 520C
B01D29/10 520Z
B01D29/38 510C
B01D29/38 520E
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2023101997
(22)【出願日】2023-06-21
【審査請求日】2023-06-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594182993
【氏名又は名称】大同工機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081293
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 哲男
(72)【発明者】
【氏名】久保田 晃
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0126350(US,A1)
【文献】特開2019-098273(JP,A)
【文献】実開昭63-144811(JP,U)
【文献】実公昭53-038525(JP,Y2)
【文献】特開2012-016672(JP,A)
【文献】特開2013-169511(JP,A)
【文献】特開平10-277594(JP,A)
【文献】特開昭53-022663(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D24/00-37/04
B01D61/00-71/82
C02F1/00-1/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液供給管から原液を流入させる流入口を有する円筒型のストレーナ本体を設け、前記ストレーナ本体内に10~50μmの微細濾過を可能とした円筒型の濾過エレメントを配置し、前記ストレーナ本体の内周と濾過エレメントの外周に濾過室を設け、前記濾過室に連通する濾液用流出口を前記ストレーナ本体に設け、前記濾過エレメント内に回転可能に設けた回転軸管に放射方向に向けて逆洗スクレーパを設け、前記逆洗スクレーパで前記濾過エレメントを目詰まりするスラッジを逆洗吸引させると共に、前記回転軸管の下端には逆洗液排出管を連通させ、前記逆洗液排出管にスラッジと原液を分離させるサイクロンセパレータを設け、前記サイクロンセパレータの上方に液体を吸引流出させる吸引管を前記流入口の近傍に位置させ、前記原液供給管内に逆洗吸引するためのエジェクターを設け、前記逆洗液排出管と前記吸引管と前記エジェクターにつながる前記原液供給管で循環回路を構成することにより、前記ストレーナ本体の稼働中に濾過機構と逆洗機構を同時に実施させて逆洗時に原液を排出させることなく原液ロスをなくしたことを特徴とする濾過用ストレーナの自動洗浄システム。
【請求項2】
前記サイクロンセパレータの下方にスラッジを回収する覗き窓付きスラッジポッド又はバグフィルタを配置した請求項1に記載の濾過用ストレーナの自動洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の固形物等を含んだ被処理水を濾過して固形物等を除去する濾過用ストレーナに関し、詳細には、原液の液体ロスを低減すると共に、間欠運転することなく濾過処理と濾過用ストレーナの洗浄を、常時、実施可能である濾過用ストレーナの自動洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
原水(処理水、海水、排水、水など)に含まれる種々の異物や固形物、スラッジなどを除去するために、一定の目開きを有するスクリーン(濾過エレメント)を内蔵した濾過用ストレーナ(ろ過装置)がプレフィルタとして利用される。
【0003】
この種のストレーナは、被処理水が流れるストレーナ本体内に濾過エレメントを設け、この濾過エレメントが、水の通過を許容するとともに、被処理水中の固形物などを捕捉して、ストレーナの下流側には濾過エレメントにより濾過された濾過水が供給される。
【0004】
ストレーナによる濾過処理を続けると、濾過エレメントの表面には固形物などが付着して堆積しストレーナ本体内で圧力が高まり、濾過能力が低下してしまうため、濾過エレメントの表面に付着した固形物などを取り除く洗浄処理(メンテナンス作業)を実施する必要がある。
【0005】
特許文献1では、ストレーナの流入口と流出口に設けた圧力計で測定した圧力の差が所定値となったとき又は所定の時間ごとに、モータ等の駆動源を介し逆洗機構の回動軸を回転させて濾過エレメントの洗浄を実施している。
【0006】
この装置では、機器の底部に自重沈下しないスラッジを除去するために濾過エレメントの内周側に逆洗スクレーパ体を有する吸込み管により吸い込んで機外に排出するようにしている。
洗浄動作時には、駆動部を作動させると共に排出用バルブを開状態にして、大気開放して、排出管の二次側と回動軸の流路とを連通させて、大気圧が逆洗スクレーパ体の逆洗口にまで達して、ストレーナ本体内部の差圧を生じさせて、回動軸を回転させながらスクレーパ体の巾広面の吸込み部より吸引して、濾過エレメントの内周面や濾過孔に付着したスラッジを吸い込んで濾過エレメントを洗浄して、吸い込んだスラッジなどは、排出管より液体と共にストレーナの機外に排出される。
次いで、ドレイン弁を開状態とし大気開放により差圧を発生させて、自重沈下して底部に堆積したスラッジをドレイン用流路を通じて機外に排出している。
【0007】
このように、大気開放を間欠的に行って洗浄動作(逆洗動作による排出管からのスラッジの排出)とドレイン弁からのスラッジの排出動作を実施して濾過エレメントの濾過能力を回復させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第7080465号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ここで、原水に含まれる固形物には細かい粒子などもあり、例えば10~50μm程度の微粒子を除去するには目開きが微細なスクリーン(濾過エレメント)を使用する必要がある。
【0010】
しかし、この目開きが微細なスクリーンでは、短時間で目詰まりが生じる問題がある。また、目詰まりを解消して濾過能力を回復させて濾過動作を再開しても、直ぐに、濾過エレメントの濾過孔に微粒子が詰まって内圧が上昇してしまう。このため微粒子を除去するには、濾過動作を停止してメンテナス作業を頻繁に繰り返すことになり洗浄作業が手間になるばかりか、連続して濾過処理することができず、結果、稼働率が悪くなってしまう。
【0011】
このように、従来のような装置では、細かい微粒子を対象とする濾過処理を実施する場合にはすぐに目詰まりが生じてしまうため、頻繁に濾過エレメントの洗浄作業をして濾過能力を回復させる必要があり、間欠運転することなく、安定して連続して濾過動作することが難しかった。
【0012】
また、洗浄動作時に機外に排出する液体は、製品の原液を含んだ液体であり、廃棄する液体を減らして製品の収率や収量を高めたいニーズもある。ストレーナから排出した液体をタンクに返送すると、返水したタンク内で固形物や微粒子の濃度が高まる問題もある。
【0013】
よって、間欠運転することなく、濾過動作時においても、常時、自動で洗浄を可能にして安定した濾過能力を保持し、かつ、原液の液体ロスを低減するろ過装置の開発が望まれていた。
【0014】
本発明は、上記の課題点を解決するために開発したものであり、その目的とするところは、機外に液体を排出することなく、濾過処理動作において、常時、濾過エレメントの自動洗浄を可能にする濾過用ストレーナの自動洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、原液供給管から原液を流入させる流入口を有する円筒型のストレーナ本体を設け、ストレーナ本体内に10~50μmの微細濾過を可能とした円筒型の濾過エレメントを配置し、ストレーナ本体の内周と濾過エレメントの外周に濾過室を設け、濾過室に連通する濾液用流出口をストレーナ本体に設け、濾過エレメント内に回転可能に設けた回転軸管に放射方向に向けて逆洗スクレーパを設け、逆洗スクレーパで濾過エレメントを目詰まりするスラッジを逆洗吸引させると共に、回転軸管の下端には逆洗液排出管を連通させ、逆洗液排出管にスラッジと原液を分離させるサイクロンセパレータを設け、サイクロンセパレータの上方に液体を吸引流出させる吸引管を流入口の近傍に位置させ、原液供給管内に逆洗吸引するためのエジェクターを設け、逆洗液排出管と吸引管とエジェクターにつながる原液供給管で循環回路を構成することにより、ストレーナ本体の稼働中に濾過機構と逆洗機構を同時に実施させて逆洗時に原液を排出させることなく原液ロスをなくした濾過用ストレーナの自動洗浄システムである。
【0017】
請求項に係る発明は、サイクロンセパレータの下方にスラッジを回収する覗き窓付きスラッジポッド又はバグフィルタを配置した濾過用ストレーナの自動洗浄システムである。
【発明の効果】
【0019】
請求項1の発明によると、ストレーナ本体内に10~50μmの微細濾過を可能とした円筒型の濾過エレメントを配置すると共に、濾過エレメント内に回転可能に設けた回転軸管に放射方向に向けて逆洗スクレーパを設け、常時、逆洗機能を発揮させるので、原液の微細粒子の濾過を可能にすると共に、ストレーナ本体の稼働中に濾過機構と逆洗機構を同時に実施可能であり、さらには、逆洗液排出管と吸引管とエジェクターにつながる原液供給管で循環回路を構成することにより、逆洗時の原液を排出させることなく原液ロスをなくすことができる。
【0020】
よって、逆洗時の原液を廃棄することなく循環回路を循環させることにより、機外に排出する原液の液体ロスをなくし、その結果、例えば、ウィスキーなどの貴重な濾液の回収量や収率を向上させることができる。また、スラッジを含んだ液体が原液を収容するタンクに返水することはないので、原液タンク内でスラッジや異物などの濃度が高まる問題も生じない。
【0021】
また、原液中のスラッジに微粒子が含まれていた場合でも、濾過動作時には逆洗機能が発揮され濾過エレメントの目詰まりを解消することができ濾過能力が低下することなく、安定した濾過性能を保持して連続稼働が可能となると共に、メンテナンス作業が不要となり、自動洗浄システムとしての使用価値が著しく向上する。
【0022】
また、ストレーナ本体の流入口の近傍の原液供給管に設けたエジェクターにより流速を高めた状態で液体がストレーナ本体に供給されるから、ストレーナ本体内で旋回流が生じやすく、濾過性能と洗浄性能(逆洗機能)を高めることができる。
【0023】
また、ストレーナ本体内では、例えば、モータによる駆動力又はストレーナ本体に流入する原液の水流によりストレーナ本体に設けた回転水車により無動力で濾過エレメント内の回転軸管常時回転させて、回転軸管の放射方向に形成した逆洗スクレーパが濾過エレメントの内周面に沿って稼働するので、逆洗スクレーパで濾過エレメントの濾過孔に目詰まりしたスラッジを掻き取り、吸引して、逆洗液排出管より排出させて、洗浄効率を高めることができ、10~50μmの微細濾過用エレメントに好適である。
なお、回転水車を設ければ水流により回転軸管が回動することで、逆洗機能を作動させるための動力源(モータ、ハンドルなど)を設けることなく、常時、濾過エレメントを洗浄することができ、設備のコストを大幅に低減することができる。
【0024】
請求項の発明によると、サイクロンセパレータの下方にスラッジを回収する覗き窓付きスラッジポッド又はバグフィルを設けたので、サイクロンセパレータによりスラッジを含んだ逆洗液は、スラッジと液体に分離されて、サイクロンセパレータから排出されたスラッジをスラッジポット又はバグフィルタにより回収できるから、濾過動作を停止することなく、スラッジを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明における濾過用ストレーナの自動洗浄システムの概略回路図である。
図2】本発明における第1実施形態の濾過用ストレーナの自動洗浄システムを示す模式断面図である。
図3】第2実施形態の濾過用ストレーナの自動洗浄システムを示す模式断面図である。
図4】Y型ストレーナに本発明を適用した例を示す模式断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下に、本発明における濾過用ストレーナの自動洗浄システム及び濾過用ストレーナの自動洗浄方法の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0030】
図1は、本発明における濾過用ストレーナの自動洗浄システムの概略回路図である。図2は、本発明における第1実施形態の濾過用ストレーナの自動洗浄システムを示す模式断面図である。
【0031】
図1図2に示すように、本発明に係る濾過用ストレーナの自動洗浄システムは、原液が流入する流入口3と濾液が流出する流出口4を有するストレーナ本体1内に逆洗機能を有する濾過エレメント2と、濾過エレメント2に設けた排出口14にスラッジを含む原液が流出する逆洗液排出管10と、逆洗液排出管10に接続したスラッジと液体を分離させるサイクロンセパレータ20と、サイクロンセパレータ20の上方に液体が吸引流出する吸引管25と、流入口3の近傍に位置する原液供給管26に接続した吸引供給機能を有するエジェクター30と、を備えて構成している。
このように、エジェクター30とストレーナ本体1とサイクロンセパレータ20(以下、「サイクロン」と略称する。)との間で逆洗時の原液が循環する循環回路を形成している。
【0032】
自動洗浄システムは、エジェクターとサイクロンとストレーナとを組合わせて循環回路を構成することにより、循環回路内に逆洗時の原液が流れて、原液の液体を排出することなく、常時、濾過エレメントを自動で洗浄することが可能な自動洗浄システムである。
【0033】
<ストレーナ>
円筒型のストレーナ本体1は、原液が流入する流入口3と、流入口3から流入した原液を濾過する略筒型の濾過エレメント2を収納する濾過室12と、濾過エレメント2が濾過した濾液(濾過水)をストレーナ本体1の外部に流出させる流出口4と、濾過室12の下部に設けた排出室13と、排出室13に連通したドレイン配管9と、排出口14に連通する逆洗液排出管10を有するとともに、ストレーナ本体1の濾過エレメント2の内には逆洗機能を発揮する逆洗スクレーパ5と吸引ノズル6を備えて構成している。
【0034】
<濾過エレメント>
濾過エレメント2は上部と底部に開口部を有する縦型の円筒形に設けられ、保持部材7により固定保持されて、ストレーナ本体1の濾過室12に内蔵されている。濾過エレメント2の上部の開口部から内側に流入した原液を外側の濾過室12に向けて通過させ、原液中のスラッジ(粒子、固体、異物など)を除去するように構成されている。
このように、本例では、濾過エレメントの内側から外側に向かって流体が流れて濾過処理する濾過用ストレーナを構成している。
【0035】
本例は、細かい固形物(微粒子)を除去可能にするために、濾過エレメントは目開きが微細なメッシュ状の金属フィルタ(焼結フィルタ)を使用している。目開きが細かい金属フィルタ(濾過用フィルタ)は、破れやすいため、濾過用フィルタの他に補強層、保護層、分散層などの複数のフィルタを積層状態に形成して所定の強度や耐久性を有するように構成している。
例えば、原液に含まれる10~50μm程度の微粒子を除去する場合には、目開きが10~50μm程度の濾過用フィルタを使用することができるが、濾過対象物や目的に応じて、適宜選択することができる。
【0036】
<逆洗手段>
濾過エレメント2の内周側には濾過エレメントの目詰まりを解消する逆洗スクレーパ5を設けている。逆洗スクレーパ5は、回転軸管8の放射方向に複数設けられ回転軸管8と一体に回転可能に構成している。吸引ノズル6は回転軸管8から濾過エレメント2の内周面に向かって伸びて、この吸引ノズル6により濾過エレメント2の濾過孔に目詰まりして堆積したスラッジや浮遊しているスラッジを吸引可能に設けられている。
なお、本例では、逆洗スクレーパ5は180度の間隔で上方と下方に設けているが、90度の間隔で設けてもよく、数や位置、間隔などは適宜、実施態様に応じて設定することができる。
【0037】
吸引ノズル6は、回転軸管8内に形成した流入路8aに連通しており、吸引ノズル6と連結する逆洗スクレーパ5の逆洗口が濾過エレメント2の内周面と対向するように設けられて、この逆洗口から吸引ノズル6に吸い込んだスラッジは、逆洗吸引した原液と共に流入路8aに流れるように構成している。
【0038】
この吸引ノズル6内には、コイルスプリングよりなるスプリングが装着されており、このスプリングの弾発力により、逆洗スクレーパ5が濾過エレメント方向に付勢される。このスプリングによる逆洗スクレーパ5の付勢により、逆洗スクレーパ5は、濾過エレメント2の内表面との間に隙間が生じないように押し付けられている。
【0039】
本例は、濾過エレメントの内側に設けた逆洗スクレーパについて説明したが、エレメントの外側にスクレーパを設けたり、ストレーナ本体内の旋回流によって逆洗する場合も含まれる。
【0040】
逆洗スクレーパ5は、巾広状の巾広面を有し、この巾広面に所定の長さを有する逆洗口が設けられ、この逆洗口は細巾に形成されている。この逆洗口から吸引ノズル6に向けて流路が広がる広角状に設けられ、逆洗口により逆洗流速を速くして濾過エレメント2の洗浄効率を高めている。
逆洗スクレーパ5には、かき取り部や洗浄ブラシと一体又は別体に構成してもよく、かき取り部や洗浄ブラシなどにより濾過エレメント2の濾過孔に目詰まりしたスラッジを掻き取り、吸引ノズル6により吸い込んで逆洗液排出管10からスラッジを含んだ原液を排出することができる。
【0041】
<回転軸管>
回動軸管8は、濾過エレメント2内に回転自在に設けられ、濾過動作時にはストレーナ本体1内の水流により、濾過エレメント内の回転軸管が、常時、回転可能に構成している。また、回動軸管8は、伝達金具を介して連結部材11と接続されており、連結部材11には図示しない減速機構などが設けられ、回動軸管8の回転速度を調整可能に構成し、回動軸管8に設けた逆洗スクレーパ5の回転速度を調整可能に設けている。
また、連結部材11は、駆動部17に連結して構成してもよく、モータ等の駆動機に連結して外部からの駆動力を動力源として回動軸管8を回動させて逆洗機能を発揮させるようにしてもよい。また、連結部材11にハンドル等の手動器を装着して必要に応じて、ハンドルを回転させて手動で逆洗機能を発揮させてメンテナンス作業をできるようにしてもよい。
【0042】
また、後述、図3の第2実施形態に示すように、駆動部に接続することなく、水車18をストレーナ本体1内に設けて濾過エレメント内の回転軸管が、常時、回転可能に構成してもよい。
【0043】
回動軸管8には、吸引ノズル6より吸い込んだスラッジを含んだ原液が流入する流入路8aが設けられ、この流入路8aはストレーナ本体1下方の排出口14に連通しており、排出口14からストレーナ本体1の機外に流出する逆洗時の原液は、逆洗液排出管10に流入するように設けられている。
【0044】
<ドレイン配管>
ドレイン配管9は、ストレーナ本体1の下方に延出するように設けられ、ストレーナ本体1の底部の排出室13と連通しており、ドレイン配管9に設けたバルブ15を開閉制御して、底部で堆積したスラッジを排出可能に構成している。
【0045】
<逆洗液排出管>
逆洗液排出管10の一端側は回転軸管8の流入路8aと連通しており、濾過エレメント2からのスラッジを含んだ原液が排出口14に向かって流水するように構成されている。逆洗液排出管10の他端側は、サイクロン20の取込口21に接続しており、このため、逆洗液排出管10を流れる逆洗時の原液はストレーナ本体1から流出した後、スラッジ(固体)を含んだ原液がサイクロン20に送水されるように構成されている。
また、逆洗液排出管10には、バルブ16を設けており手動又自動で開閉制御してサイクロン20との連通を制御可能に構成している。なお、サイクロン20に送水する能力を高めるために、送水ポンプやエジェクター等を設けて構成してもよい。
【0046】
<サイクロンセパレータ>
サイクロン20の取込口21は、ストレーナ本体1から送水されたスラッジを含んだ原液が流入可能に設けられている。サイクロン20の上方にある液体流出口22は吸引管25に接続し、エジェクター30の吸引口35に連通するように設けており、サイクロン20の下方にある固体流出口23はバルブ24を介してスラッジポッド40に接続するように構成している。
【0047】
サイクロン20内に流入したスラッジを含んだ原液は、遠心力作用によ固体成分(スラッジ)は逆円錐形状(コーン状)の円錐部の外周方向に集まり液体成分は内筒部に向かって流れていき固体成分と液体成分が分離されて、分離された液体が液体流出口22から流出し、分離された固体(スラッジ)が固体流出口23から流出する。
【0048】
サイクロン20で分離されて液体流出口22から流出する原液の液体は、エジェクター30の吸引口35により原液供給管26内の流路内に流入して、エジェクター30を介してストレーナ本体1の流入口3に供給される。
【0049】
また、サイクロン20で分離されたスラッジは、固体流出口23から流出してスラッジポッド40内に堆積する。本例では、スラッジポッド40は覗き窓40aを有しており、スラッジポッド40内に堆積するスラッジの様子を確認可能であり濾過動作を停止することなく所定のタイミングでスラッジを回収することができる。
【0050】
また、スラッジポッドの下方にバルブ27を設けて開閉制御してスラッジ(固体)を回収可能に構成している。バルブ27を自動弁により構成することで、所定の時間や間隔で開閉制御して自動でスラッジ(固体)を回収できる。
なお、サイクロン20の下方にある固体流出口23にはバグフィルタを配置してスラッジを回収可能に構成してもよい。
【0051】
<エジェクター>
エジェクター30は、ノズル部31とディフーザー部32をエジェクター本体に備えており、エジェクター30は導入口33から流入する原液により駆動し、吸引口35より吸い込んだ流体(液体)をエジェクター本体内で昇圧して流体の流速を高めた状態で供給できるように、エジェクター30は原液供給管26のストレーナ本体1の流入口3の近傍に配置している。
【0052】
エジェクター30の吐出口34をストレーナ本体1の流入口3に接続すると共に、エジェクター30の吸引口35は、吸引管25を介してサイクロン20の液体流出口22に接続している。
エジェクター30の導入口33側に設けられる図示しないポンプなどにより原液が原液供給管26に送水されるとき、ノズル部31で高速噴射すると共に、エジェクター本体内に低圧空間を生成し、吸引管25に接続する吸引口35より逆洗時の原液の液体を吸引して原液供給管26に流入させ、この液体と原液をエジェクター30のディフーザー部32で昇圧して流速を高めた状態でストレーナ本体1の流入口3に原液とスラッジが分離された逆洗時の原液の液体とが供給される。
【0053】
このように、ストレーナ本体1とサイクロン20とエジェクター30との間で循環する循環回路を形成し、ストレーナ本体1を稼働させて濾過動作する際には、常時、逆洗時の原液が循環回路内を循環して、逆洗時の原液の液体を機外に排出することがない。
【0054】
<作用・効果>
続けて、本発明の濾過用ストレーナの自動洗浄システムの作用及び効果を説明する。
【0055】
ポンプなどにより原液供給配管26に原液を送水することにより、原液はエジェクター30の導入口33に流入し、流速を高めた状態で吐出口34から排出される。吐出口34はストレーナ本体1の流入口3に接続しており、原液はストレーナ本体1内に供給されて、ストレーナ本体1内では、流速が高い流体が流入することで旋回流が発生する。
【0056】
濾過エレメント2の上方の開口から原液が流入し、濾過エレメント2を通過した原液の液体は、濾過室12を経由してスラッジが除去されて濾液として流出口4からストレーナ本体1の機外に排出されて、これにより、濾液が供給されて濾過動作が実施される。
【0057】
ストレーナ本体1の濾過動作を稼働させたとき、ストレーナ本体1内の液体の一部は、逆洗スクレーパ5に接続する逆洗ノズル6に吸い込まれて、回転軸管8の流入路8aに流入する。この液体の流れ方向は、ストレーナ本体1内の濾過エレメント2を洗浄する際の流れ方向と同一であるため、逆洗液の機能として作用する。
【0058】
すなわち、ストレーナ本体1内で濾過エレメント2の濾過孔や表面に付着したスラッジと原液が吸引ノズル6により吸い込まれて、濾過エレメント2の目詰まりを解消する逆洗機能が発揮される。
【0059】
また、回転軸管8は回転可能に濾過エレメント2内に設けており、濾過動作時にはストレーナ本体1内の水流により、常時、回転するので、回転軸管8に設けた逆洗スクレーパ5が濾過エレメント2の内周面に沿って稼働して、濾過エレメント2の濾過孔に目詰まりしたスラッジや表面に付着したスラッジを掻き取り、吸引ノズル6で吸引して、常時、逆洗機能を発揮して、濾過エレメント2の目詰まりを解消することができる。
【0060】
このように、濾過動作と同時に、濾過エレメント2の目詰まりを解消する洗浄作業を実施することができる。また、濾過動作時にはストレーナ本体1内の水流により、無動力で逆洗機能を発揮させることが可能であるから、逆洗機能を駆動させるための外部の動力源が不要であり、自動で、濾過エレメント2の洗浄が可能となる。
【0061】
吸引ノズル6から吸引されたスラッジを含んだ原液は、回転軸管8の流入路8aに流入し、この流入路8aに接続する逆洗液排出管10に流水して、このスラッジを含んだ原液がストレーナ本体1の機外に流出し、次いで、逆洗液排出管10に接続したサイクロンセパレータ20に送水される。
【0062】
サイクロンセパレータ20により、スラッジを含んだ原液は、液体とスラッジ(固体)に分離されて、分離された原液の液体は液体流出口22から排出されると共に、吸引管25に接続するエジェクターの吸引口35より吸引されて、逆洗時の原液の液体が原液供給管26の流路内に流入する。
【0063】
一方で、逆洗時の原液から分離されたスラッジは、サイクロン20の固体排出口23から排出されて、スラッジポッド40内に堆積する。スラッジポッド40内に堆積したスラッジは、適宜、所定のタイミングで回収することができる。
【0064】
ここで、サイクロン20で分離された逆洗時の原液の液体のみが、再び、ストレーナ本体1の流入口3に原液と共に供給されて、逆洗時の原液の液体が、ストレーナ本体1とサイクロン20とエジェクター30とで形成した循環回路内を常時循環することが可能となる。
このように、逆洗時の原液の液体は機外に排出することなく、常時、系内を循環するので、原液の液体を機外に排出して廃棄することがない。
【0065】
よって、逆洗時の原液の液体を廃棄することなく循環回路を循環させることにより、機外に排出する逆洗時の原液の液体のロスを減らし、結果、原液に含まれる液体のロスを減らすと共に、濾液の回収量や収率を向上させることができる。また、スラッジを含んだ液体が原液を収容するタンクに返水することはないので、原液タンク内でスラッジや異物などの濃度が高まる問題も生じない。
【0066】
また、逆洗時の原液の液体がストレーナ本体1の稼働時(濾過動作)には、常時、循環回路内を循環するので、濾過エレメント2を逆洗する液体の流れがストレーナ本体1内で生じて、ストレーナ本体1内の濾過エレメント2を自動で洗浄可能となる。このため、原液中のスラッジに微粒子が含まれていた場合でも、濾過動作時には、常時、逆洗機能が発揮され濾過エレメント2の目詰まりを解消することができ濾過能力が低下することがない。
【0067】
よって、ストレーナ本体1の濾過エレメント2が安定した濾過性能を保持して、連続稼働が可能となり、しかも、自動で濾過エレメント2を洗浄可能であるからメンテナンス作業が不要となり使用価値を高めることができる。
【0068】
また、濾過動作時には、回転軸管8の放射方向に形成した逆洗スクレーパ5が濾過エレメント2の内周面に沿って稼働して、逆洗スクレーパ5で濾過エレメント2の濾過孔に目詰まりしたスラッジを掻き取り、吸引して、逆洗液排出管10より排出させるので、洗浄効率を高めることができる。
【0069】
また、サイクロン20の下方にスラッジを回収する覗き窓付きスラッジポッド又はバグフィルを設けたので、サイクロン20によりスラッジを含んだ原液は、スラッジと液体に分離されて、サイクロン20から排出されたスラッジをスラッジポット又はバグフィルタにより回収できるから、濾過動作を停止することなく、スラッジのみを回収することができる。
【0070】
<第2実施形態>
続けて、第2実施形態を説明する。第2実施形態は、本発明の濾過用ストレーナの自動洗浄システムにおいて無動力で回動軸管8を回動可能に構成した実施形態の一例である。上述の第1実施形態と同一の構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0071】
図3に示す実施形態においては、回動軸管8は、濾過エレメント2内に回転自在に設けられ、濾過動作時にはストレーナ本体1に流入する原液の水流によりストレーナ本体1に設けた略お椀形状の回転水車18により濾過エレメント2内の回転軸管8が、常時、回転可能に構成している
すなわち、この実施形態では、エジェクター30により流速を高めて流入した原液が回転水車18に衝突することで、回転水車18を介して回転軸管8が回動するので、外部の駆動力を要することなく、回転軸管8が回転する。
【0072】
本例では、回動軸管8にお椀形状の回転水車18を複数設けているが、水車の形状は他の形状等であってもよい。その他、本例における自動洗浄システムを適用して無動力の状態で駆動させる方式は回転水車に限ることなく、その他の手段であってもよく、実施に応じて任意である。
【0073】
第2実施形態では、上記の第1実施形態の作用効果に加えて、濾過動作時にはストレーナ本体1内に原液が流入するとき、ストレーナ本体に流入する原液の水流によりストレーナ本体1に設けた回転水車18が回転するので、回転水車18の回転を介して回転軸管8が回転するから、外部の動力が不要で、無動力で濾過時に常時、濾過エレメント2内の回転軸管8が回転して、逆洗機能を稼働させることが可能となる。
【0074】
また、濾過動作の際には無動力で逆洗機能が稼働して、別異の動力源が不要となり、常時、無人で、濾過エレメント2を自動洗浄することができ、設備のコストやメンテナンス作業を大幅に低減することができる。
【0075】
また、回転水車18がお椀形状なので、流入した原液の勢いを水車18で受けやすくして効率よく回転させることができるので、回転軸管8を回転させるエネルギーを効率よく伝達させることができる。
【0076】
<濾過用ストレーナの自動洗浄方法>
続けて、本発明の濾過用ストレーナの自動洗浄方法を説明する。本発明の濾過用ストレーナの自動洗浄方法は、上記の実施形態の濾過用ストレーナの自動洗浄システムに基づいて実施することができるが、これに限定されるものではない。
【0077】
本発明の濾過用ストレーナの自動洗浄方法は、原液を原液供給管で供給してストレーナ本体の流入口から流入して、ストレーナ本体内の濾過エレメントで濾過する濾過ステップと、濾過ステップと同時に濾過エレメントの内外周を逆洗する逆洗ステップと、逆洗ステップを経てスラッジを含む逆洗液をサイクロンセパレータでスラッジと液体に分離する分離ステップと、液体を原液供給管内に設けたエジェクターで吸引させる吸引供給ステップと、を備えている。
【0078】
吸引供給してストレーナ本体内に分離した液体を循環させることにより、逆洗液の液体を機外に排出することなく、ストレーナ本体の稼働中に同時に逆洗ステップを経て循環稼働を行うようにしている。
【0079】
<濾過ステップ>
原液を原液供給管で供給してストレーナ本体の流入口から流入して、ストレーナ本体内の濾過エレメントで濾過する濾過ステップは、ストレーナ本体の流入口の近傍に設けたエジェクター等により、供給する原液の流速や流量を高めた状態でストレーナ本体に供給して、濾過エレメントに濾過対象の原液を流入させて、ストレーナ本体内に水流を発生させた状態で濾過エレメントで濾過する。
なお、ストレーナ本体が筒状の場合には、筒状本体の内周面に沿って流れるからストレーナ本体内に旋回流が発生しやすい。
【0080】
<逆洗ステップ>
濾過ステップと同時に濾過エレメントの内外周を逆洗する逆洗ステップは、ストレーナ本体内の水流を用いた逆洗手段により、濾過エレメントの目詰まりを解消する逆洗を行う。
濾過ステップと逆洗ステップを同時に実施可能であれば、逆洗手段は、特に限定はないが、水流を用いてスラッジを除去する機構を有し、ストレーナの機外にスラッジを排出することができればよい。なお、逆洗手段は、逆洗スクレーパや逆洗ブラシなどの複数の手段を組合わせて適用すれば、洗浄効率を高めることができる。
【0081】
<分離ステップ>
逆洗ステップを経てスラッジを含む逆洗液をサイクロンセパレータでスラッジと液体に分離する分離ステップは、上記の逆洗ステップで吸引してストレーナ本体から排出したスラッジを含む逆洗液をサイクロンセパレータに送水し、サイクロンセパレータにより逆洗液のスラッジと逆洗液の液体とを分離する。
サイクロンセパレータは、スラッジと逆洗液の液体とを分離することができれば、特に、限定はないが、上記の第1実施形態又は第2実施形態のシステムに基づいて実施するのがよい。
【0082】
<吸引供給ステップ>
液体を原液供給管内に設けたエジェクターで吸引させる吸引供給ステップは、上記分離ステップにより、分離した逆洗液の液体のみをエジェクターで吸引して、この液体を原液供給管の流路内に流入させて、原液供給管を通じて、ストレーナ本体に逆洗液の液体を供給する。
【0083】
上記のステップを全て備えることで、濾過処理をしているときに、ストレーナ本体に逆洗液の液体が循環する流れが発生して、逆洗液の液体を機外に排出することはない。また、この逆洗液の液体の循環と共に、ストレーナ本体では、濾過動作と逆洗動作を同時に稼働させている。
【0084】
従って、この濾過用ストレーナの自動洗浄方法は、原液を原液供給管で供給してストレーナ本体の流入口に流入させて、ストレーナ本体内の濾過エレメントにより原液を濾過する濾過ステップと共に、ストレーナ本体内の水流によって濾過エレメントを洗浄する逆洗ステップを実施して、次いで、逆洗ステップを経てスラッジを含んだ逆洗液がサイクロンセパレータに送水されて、スラッジと液体に分離される分離ステップを実施し、この分離した液体のみを原液供給管内に設けたエジェクターで吸引させる吸引供給ステップを行う。
【0085】
このため、サイクロンセパレータにより分離した液体のみがエジェクターに吸引されて、再び、ストレーナ本体に供給されるから、逆洗液の液体が再利用されて、循環して、逆洗液の液体を機外に排出することがない。
よって、廃棄する逆洗液の液体を減らして、原液に含まれる液体のロスを減らして、濾液の回収量や収率を向上させることができる。また、スラッジを含んだ液体が原液を収容するタンクに返水することはないので、原液タンク内でスラッジや異物などの濃度が高まる問題は生じない。
【0086】
そして、ストレーナ本体内では、濾過処理をしているときにストレーナ本体内に逆洗液の液体が循環する流れが発生して、逆洗液が循環しているので、濾過ステップと逆洗ステップをストレーナ本体内で同時に行うことが可能となり、濾過ステップの際にはストレーナ本体内の濾過エレメントの目詰まりが抑制されて自動洗浄が実施可能となり、間欠運転して濾過エレメントを洗浄する作業が不要となる。
【0087】
よって、濾過処理時の濾過エレメントの濾過能力が安定するので、細かい微粒子のスラッジを除去する濾過処理においても、濾過エレメントの目詰まりにより濾過能力が低下する問題は生じないから好適に実施可能である。
【0088】
また、大気開放することなくスラッジを系外に排出して、スラッジのみを回収可能であるから、例えば、Y型ストレーナやT型ストレーナなどにも適応可能である。
【0089】
<他例>
続けて、本発明の濾過用ストレーナの自動洗浄システムをY型ストレーナに適用した一例を説明する。図4は、Y型ストレーナに本発明を適用した自動洗浄システムを示す模式断面図である。上述の第1実施形態と同一の構成は同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
【0090】
図4に示すように、Y型ストレーナ本体50の流入口53の近傍にはエジェクター30を設けると共に、Y型ストレーナ本体50の排出口56は逆洗液排出管10を介してサイクロン20に接続しており、サイクロン20の液体流出口22はエジェクター30の吸引口35に連通している。
上記の実施形態と同様に、ストレーナ本体50とサイクロン20とエジェクター30との間で循環回路を形成して、この回路内を逆洗液の液体が循環可能に構成している。
【0091】
Y型ストレーナ本体50内には、濾過エレメント2とこの濾過エレメント2の目詰まりを解消する逆洗ブラシ55を内蔵している。逆洗ブラシ55は回動軸52に回動自在に設けられ、Y型ストレーナ本体50の逆洗ブラシ55が回転して、濾過エレメント2の内表面を洗浄可能に構成している。
回動軸52は、操作ハンドル51と連結しており、ハンドル51の手動操作により逆洗ブラシ55が回転するように設けている。
【0092】
濾過動作の際には、原液供給配管26に設けたエジェクター30より原液が流速を高めた状態でY型ストレーナ本体50の流入口53に供給され、供給された原液は、Y型ストレーナ本体50に内蔵した濾過エレメント2内に流入しこの濾過エレメント2によりスラッジなどが除去されて、Y型ストレーナ本体50の流出口54より濾液を供給して、濾過処理することができる。
【0093】
また、ストレーナ本体50の排出口56から排出されるスラッジを含む逆洗液は、逆洗液排出配管10を介してサイクロン20に送水されて、スラッジを含む逆洗液がスラッジと液体に分離されて、スラッジのみ固体排出口23から排出される。
そして、分離された液体は、エジェクターの吸引口35から吸引して原液供給管26の流路内に流入して、ストレーナ本体50の流入口53に供給されて、逆洗液の液体のみが循環回路内を循環する。このため、逆洗液の液体が機外に排出することなく循環するので、廃棄する逆洗液の液体を減らして、原液の液ロスを低減することができる。
【0094】
よって、Y型ストレーナの2次側に吸水ポンプが配置されている場合であっても、大気開放することなく、スラッジを含んだ液体をサイクロン20に送水して、サイクロン20により分離したスラッジを固体排出口23より流出させて負圧環境下でもスラッジを回収することができる。
しかも、Y型ストレーナ本体50内でスラッジが堆積するのを抑制できるから、濾過能力が低下することがない。また、濾過動作を停止することなく、適宜ハンドル51を操作して、Y型ストレーナ本体50の逆洗ブラシ55を回転させて、濾過エレメント2の内表面を洗浄して濾過能力を回復させることができる。
【0095】
このように、Y型ストレーナに本発明を適用した自動洗浄システムは、濾過動作を停止することなく、常時、逆洗液が循環して、スラッジを含んだ逆洗液をサイクロンに送水して、サイクロン20でスラッジのみを排出することが可能である。
Y型ストレーナ50内が負圧環境下でも、スラッジを回収することができ、スラッジを除去する洗浄作業が不要になると共に、Y型ストレーナ本体50内でスラッジが堆積するのを防ぐことができ、濾過エレメント2の濾過能力が低下する問題が生じない。
【0096】
以上、本発明の実施の形態について詳述したが、本発明は、前記実施の形態記載に限定されるものではなく、本発明の特許請求の範囲に記載されている発明の精神を逸脱しない範囲で、種々の変更ができるものである。
【0097】
上記の実施形態におけるストレーナに内蔵した濾過エレメントは、内側から外側に向けて濾過処理するものであるが、外側から内側に向けて濾過処理するものでもよい。
【0098】
逆洗液排出配管やストレーナの流入口、流出口に圧力計や流量調整可能なポンプなどを設けて、自動洗浄システム内の圧力や流量を監視して、外部の制御装置などにより送水する流量や流速を調整可能に構成してもよい。
【符号の説明】
【0099】
1 ストレーナ本体
2 濾過エレメント
3 流入口
4 流出口
5 逆洗スクレーパ
6 吸引ノズル
7 保持部材
8 回転軸管
8a 流入路
9 ドレイン配管
10 逆洗液排出管
11 連結部材
12 濾過室
13 排出室
14 排出口
15 バルブ
16 バルブ
17 駆動部
18 回転水車
20 サイクロンセパレータ(サイクロン)
21 取込口
22 液体排出口
23 固体排出口
24 バルブ
25 吸引管
26 原液供給管
27 バルブ
30 エジェクター
31 ノズル部
32 ディフーザー部
33 導入口
34 吐出口
35 吸引口
40 スラッジポッド
40a 覗き窓
50 Y型ストレーナ本体
51 ハンドル
52 回動軸
53 流入口
54 流出口
55 逆洗ブラシ
56 排出口
【要約】
【課題】機外に液体を排出することなく、濾過処理動作において、常時、濾過エレメントの自動洗浄を可能にする濾過用ストレーナの自動洗浄システムと自動洗浄方法を提供する。
【解決手段】原液が流入する流入口と濾液が流出する流出口を有するストレーナ本体1内に逆洗機能を有する濾過エレメント2と、濾過エレメント2に設けた排出口にスラッジを含む逆洗液を排出させる逆洗液排出管10と、逆洗液排出管10に接続したスラッジと液体を分離させるサイクロンセパレータ20と、サイクロンセパレータ20の上方に液体が吸引流出する吸引管25と、流入口の近傍に位置する原液供給管に接続した吸引供給機能を有するエジェクター30と、を備え、逆洗液の液体を機外に排出させることなく、エジェクター30に吸引されてストレーナ本体1内に循環する循環回路を形成すると共に、ストレーナ本体1の稼働中に逆洗機能を常時、発揮させるようにした。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4