(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電池パックおよびこれを含むデバイス
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6556 20140101AFI20231211BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20231211BHJP
H01M 10/617 20140101ALI20231211BHJP
【FI】
H01M10/6556
H01M10/613
H01M10/617
(21)【出願番号】P 2022514804
(86)(22)【出願日】2021-03-11
(86)【国際出願番号】 KR2021003036
(87)【国際公開番号】W WO2021210787
(87)【国際公開日】2021-10-21
【審査請求日】2022-03-04
(31)【優先権主張番号】10-2020-0045308
(32)【優先日】2020-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ミン・ソプ・キム
(72)【発明者】
【氏名】ジュンヨプ・ソン
(72)【発明者】
【氏名】ミョンキ・パク
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/039120(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0038310(KR,A)
【文献】中国実用新案第208835229(CN,U)
【文献】特表2014-504440(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0001705(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6556
H01M 10/613
H01M 10/617
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池モジュール、
前記複数の電池モジュールのそれぞれの下側に形成された複数のヒートシンク、
前記複数のヒートシンクのそれぞれに冷媒を供給する第1流路、および
前記複数のヒートシンクで循環した冷媒を排出する第2流路
を含み、
前記ヒートシンクのそれぞれに供給された冷媒は、前記ヒートシンクと前記電池モジュールのモジュールフレームの下面との間に形成された空間でそれぞれ循環
し、
前記第1流路は、
冷媒が流入されるインレット部、
流入された前記冷媒を案内するメイン供給流路部、および
前記メイン供給流路部を通過した冷媒を前記ヒートシンクにそれぞれ供給する複数のサブ供給流路部
を含み、
前記第2流路は、
冷媒を排出するアウトレット部、
前記アウトレット部に冷媒を案内するメイン排出流路部、および
前記ヒートシンクで循環した冷媒を前記メイン排出流路部に排出するサブ排出流路部
を含み、
前記サブ供給流路部は、前記サブ供給流路部が冷媒を供給する少なくとも一つのヒートシンクを全て通過するように延長形成され、
前記サブ排出流路部は、前記サブ排出流路部に冷媒を排出する少なくとも一つのヒートシンクを全て通過するように延長形成される、電池パック。
【請求項2】
前記メイン供給流路部と前記メイン排出流路部とは、それぞれ前記複数の電池モジュールの外側に配置され、
前記サブ供給流路部は前記メイン排出流路部に向かって延長形成され、前記サブ排出流路部は前記メイン供給流路部に向かって延長形成される、請求項
1に記載の電池パック。
【請求項3】
複数の電池モジュール、
前記複数の電池モジュールのそれぞれの下側に形成された複数のヒートシンク、
前記複数のヒートシンクのそれぞれに冷媒を供給する第1流路、および
前記複数のヒートシンクで循環した冷媒を排出する第2流路
を含み、
前記ヒートシンクのそれぞれに供給された冷媒は、前記ヒートシンクと前記電池モジュールのモジュールフレームの下面との間に形成された空間でそれぞれ循環
し、
前記第1流路は、
冷媒が流入されるインレット部、および
流入された前記冷媒を案内するメイン供給流路部、
を含み、
前記第2流路は、
冷媒を排出するアウトレット部、および
前記アウトレット部に冷媒を案内するメイン排出流路部、
を含み、
前記複数の電池モジュールは、前記インレット部および前記アウトレット部が形成された部分と隣接した部分に一つの電池モジュールが配置され、次に、前記メイン供給流路部および前記メイン排出流路部に沿って複数の電池モジュールが二列に配置される、電池パック。
【請求項4】
前記第1流路は
、
前記メイン供給流路部を通過した冷媒を前記ヒートシンクにそれぞれ供給する複数のサブ供給流路部
を含み、
前記第2流路は
、
前記ヒートシンクで循環した冷媒を前記メイン排出流路部に排出するサブ排出流路部
を含む、請求項
3に記載の電池パック。
【請求項5】
前記複数の電池モジュールは、各行毎に前記サブ供給流路部および前記サブ排出流路部が配置される、請求項
4に記載の電池パック。
【請求項6】
前記サブ供給流路部および前記サブ排出流路部は、前記ヒートシンクの下側に形成され、
前記サブ供給流路部は、冷媒を前記ヒートシンクと前記モジュールフレームの底部との間の空間に上方供給し、
前記サブ排出流路部は、前記ヒートシンクと前記モジュールフレームの底部との間の空間から下方排出するようにする、請求項
1、2、4、及び5のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項7】
前記第1流路と前記第2流路とは、電池モジュール集合体の下側中間部分を横切るように配置される、請求項
1~6のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項8】
前記複数の電池モジュール、前記第1流路および前記第2流路を収容する下部ハウジング、および
前記複数の電池モジュール、前記第1流路および前記第2流路を上側で覆う上部ハウジング
をさらに含む、請求項
1~7のいずれか一項に記載の電池パック。
【請求項9】
請求項
1~8のいずれか一項に記載の電池パックを含むデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願(ら)との相互引用
本出願は、2020年4月14日付韓国特許出願第10-2020-0045308号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として組み含まれる。
【0002】
本発明は、電池パックおよびこれを含むデバイスに関し、より詳細には、冷却構造が一体となった電池パックおよびこれを含むデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、モバイル機器および電気自動車などの多様な製品群においてエネルギー源として大きな関心を受けている。このような二次電池は、化石燃料を使用する既存製品の使用を代替できる有力なエネルギー資源であって、エネルギー使用による副産物が発生せず、環境にやさしいエネルギー源として脚光を浴びている。
【0004】
最近、二次電池のエネルギー貯蔵源としての活用をはじめとして大容量の二次電池構造に対する必要性が高まり、多数の二次電池が直列/並列に連結された電池モジュールを集合させたマルチモジュール構造の電池パックに対する需要が増加している。
【0005】
一方、複数個の電池セルを直列/並列に連結して電池パックを構成する場合、電池セルからなる電池モジュールを構成し、このような少なくとも一つの電池モジュールを利用してその他の構成要素を追加して電池パックを構成する方法が一般的である。
【0006】
このような電池パックは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体、電池セル積層体を収容するモジュールフレームをそれぞれ含む複数の電池モジュールを含む。
【0007】
図1は従来の複数の電池モジュールが配置された電池パックを示す図面である。
【0008】
図1を参照すると、従来の電池パックは、下部ハウジング30に収容される複数の電池モジュール10の下側で流路20に沿って冷媒が流動する構造を含む。
図1の電池パック構造の場合、電池モジュールの個数が相対的に多いため、電池モジュール毎に個別的に温度を制御し難く、単に電池モジュールの下側で冷媒が流れるように構成することによって、冷媒の流入部分と近い側の電池モジュールと、冷媒の流入部分と遠い側の電池モジュール、および電池モジュール内部の電池セルの間の温度偏差が発生することがある。電池モジュール間及び電池セル間の温度偏差が発生する場合、二次電池の寿命が短縮する結果をもたらすことがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、冷却構造が一体となった電池パックおよびこれを含むデバイスを提供することにある。
【0010】
本発明の課題は、以上で言及した課題に制限されず、言及されていないまた他の課題は下記の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を実現するための本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池モジュール、前記複数の電池モジュールのそれぞれの下側に形成された複数のヒートシンク、前記複数のヒートシンクのそれぞれに冷媒を供給する第1流路、および前記複数のヒートシンクで循環した冷媒を排出する第2流路を含み、前記ヒートシンクのそれぞれに供給された冷媒は、前記ヒートシンクと前記電池モジュールのモジュールフレームの下面との間に形成された空間でそれぞれ循環する。
【0012】
前記第1流路は、冷媒が流入されるインレット部、流入された前記冷媒を案内するメイン供給流路部、および前記メイン供給流路部を通過した冷媒を前記ヒートシンクにそれぞれ供給する複数のサブ供給流路部を含み、前記第2流路は、冷媒を排出するアウトレット部、前記アウトレット部に冷媒を案内するメイン排出流路部、および前記ヒートシンクで循環した冷媒を前記メイン排出流路部に排出するサブ排出流路部を含むことができる。
【0013】
前記サブ供給流路部および前記サブ排出流路部は、前記ヒートシンクの下側に形成され、前記サブ供給流路部は、冷媒を前記ヒートシンクと前記モジュールフレームの底部との間の空間に上方供給し、前記サブ排出流路部は、前記ヒートシンクと前記モジュールフレームの底部との間の空間から下方排出するようにすることができる。
【0014】
前記メイン供給流路部と前記メイン排出流路部とは、それぞれ前記複数の電池モジュールの外側に配置され、前記サブ供給流路部は前記メイン排出流路部に向かって延長形成され、前記サブ排出流路部は前記メイン供給流路部に向かって延長形成され得る。
【0015】
前記サブ供給流路部は、前記サブ供給流路部が冷媒を供給する少なくとも一つのヒートシンクを全て通過するように延長形成され、前記サブ排出流路部は、前記サブ排出流路部に冷媒を排出する少なくとも一つのヒートシンクを全て通過するように延長形成され得る。
【0016】
前記第1流路と前記第2流路とは、電池モジュール集合体の下側中間部分を横切るように配置され得る。
【0017】
前記複数の電池モジュールは、少なくとも一つの列に配列され、各行毎に前記サブ供給流路部および前記サブ排出流路部が配置され得る。
【0018】
前記複数の電池モジュールは、前記インレット部および前記アウトレット部が形成された部分と隣接した部分に一つの電池モジュールが配置され、次に、前記メイン供給流路部および前記メイン排出流路部に沿って複数の電池モジュールが二列に配置され得る。
【0019】
前記複数の電池モジュール、前記第1流路および前記第2流路を収容する下部ハウジング、および前記複数の電池モジュール、前記第1流路および前記第2流路を上側で覆う上部ハウジングをさらに含むことができる。
【0020】
本発明の他の一実施形態によるデバイスは、前記電池パックを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の実施形態によると、電池セルの個数が増加した大面積の電池モジュールを含む電池パック構造において、電池モジュールのそれぞれに別途に形成されたヒートシンクに冷媒を供給することによって電池モジュール間の温度偏差を最小化することができる。
【0022】
また、モジュールフレームとヒートシンクを一体化させた冷却構造を通じて冷却構造の単純化を実現することができる。
【0023】
本発明の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及されていないまた他の効果は特許請求の範囲の記載から当業者に明確に理解され得るだろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】従来の複数の電池モジュールが配置された電池パックを示す図面である。
【
図2】本発明の一実施形態による電池モジュールおよびこれに結合されたヒートシンクを示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
【
図4】
図3の複数の電池モジュールおよび各電池モジュールの下側に配置されたヒートシンクが形成された構造をより詳細に示す分解斜視図である。
【
図6】本発明の変形された一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下で説明される実施形態は、発明の理解のために例示として示したものであって、本発明はここで説明される実施形態とは異なるように多様に変形して実施され得ることが理解されるべきである。ただし、本発明を説明するに当たり、関連した公知の機能あるいは構成要素に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にすると判断される場合、その詳細な説明および具体的な図示を省略する。また、添付した図面は、発明の理解のために実際の縮尺のとおり図示されたものでなく、一部の構成要素の寸法が誇張して図示され得る。
【0026】
本出願で使用される第1、第2用語は、多様な構成要素を説明することに使用され得るが、構成要素は用語により限定されてはならない。用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0027】
また、本出願で使用される用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたものであって、権利範囲を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で「含む」、「なる」または「構成される」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせたものの存在または付加可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0028】
以下、
図2および
図3を参照して、本発明の一実施形態による電池モジュールおよびこれと連結されるヒートシンク、第1、2流路の構成について説明する。
【0029】
図2は本発明の一実施形態による電池モジュールおよびこれに結合されたヒートシンクを示す分解斜視図である。
図3は本発明の一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
図4は
図3の複数の電池モジュールおよび各電池モジュールの下側に配置されたヒートシンクが形成された構造をより詳細に示す分解斜視図である。
図5は
図4のA部分を拡大した図面である。
【0030】
図2乃至
図5を参照すると、本発明の一実施形態による電池パックは、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体110を含む複数の電池モジュール100、および複数の電池モジュール100のそれぞれの下側に形成された複数のヒートシンク400を含む。また複数のヒートシンク400に冷媒を供給する第1流路200、および複数のヒートシンク400で循環した冷媒を排出する第2流路300を含み、ヒートシンク400のそれぞれに供給された冷媒は、ヒートシンク400と複数の電池モジュール100の底部との間に形成された空間でそれぞれ循環する。
【0031】
複数の電池モジュール100は、複数の電池セルが積層されている電池セル積層体110、電池セル積層体110を収容するモジュールフレーム120をそれぞれ含むことができる。本実施形態による電池セルは、二次電池であって、パウチ型二次電池で構成され得る。このような電池セルは、複数個で構成され得、複数個の電池セルは互いに電気的に連結され得るように互いに積層されて電池セル積層体110を形成することができる。複数個の電池セルは、それぞれ電極組立体、セルケースおよび電極組立体から突出した電極リードを含むことができる。
【0032】
モジュールフレーム120は、電池セル積層体110を収容することができる。モジュールフレーム120は、電池セル積層体110の下面および両側面を覆う下部フレーム121、及び電池セル積層体110の上面を覆う上部プレート122を含むことができる。ただし、モジュールフレーム120の構造はこれに制限されず、電池セル積層体110の前後面を除いて4面で囲むモノフレーム形態であり得る。
【0033】
本実施形態による電池モジュール100は、電池セル積層体110の前後面を覆うエンドプレート130をさらに含むことができる。前述したモジュールフレーム120を通じて内部に収容された電池セル積層体110を物理的に保護することができる。
【0034】
ヒートシンク400は、モジュールフレーム120の下部に形成され得る。ヒートシンク400は、ヒートシンク400の骨格を形成し、モジュールフレーム120の底部と接触する下部プレート410、ヒートシンク400の一側に形成されて外部からヒートシンク400内部に冷媒を供給するインレット420、ヒートシンクの一側に形成されてヒートシンク内部で流動された冷媒がヒートシンク外部に流出されるようにするアウトレット430、インレット420とアウトレット430とを連結し、冷媒が流動する流路部440を含むことができる。
【0035】
具体的に、流路部440は、モジュールフレーム120の底部に該当する下部フレーム121の下面と接触する下部プレート410が下側に陥没形成された構造であり得る。流路部440の上側は開放されることによって流路部440とモジュールフレーム120底部との間に流路が形成され、前記流路を通じて冷媒が流動することができる。言い換えると、本実施形態による電池モジュール100は、モジュールフレーム120の底部がヒートシンク400の上部プレートに対応する役割を果たす冷却一体型構造を有することができる。
【0036】
従来はモジュールフレームの下側に冷媒が流れる構造が別途に形成されており、モジュールフレームを間接的に冷却するしかなかったため、冷却効率が低下し、別途の冷媒流動構造が形成されており、電池モジュールおよび電池モジュールが装着された電池パック上の空間活用率が低くなるという問題があった。しかし、本発明の一実施形態によると、モジュールフレーム120の下部にヒートシンク400を一体化させた構造を採用して、流路部440とモジュールフレーム120の底部との間に冷媒が直接流動できるようになることによって、直接冷却による冷却効率が上昇し、ヒートシンク400がモジュールフレーム120の底部と一体となった構造を通じて電池モジュールおよび電池モジュールが装着された電池パック上の空間活用率をより向上させることができる。
【0037】
下部プレート410は、モジュールフレーム120の底部と対応するように形成され得る。モジュールフレーム120の底部は、下部フレーム121の底部に該当し、下部プレート410と下部フレーム121の底部とは溶接により結合することができ、下部プレート410を通じて電池モジュール全体の剛性を補強することができる。下部プレート410と下部フレーム121の底部とは溶接結合を通じて密封されることによって、下部プレート410内側に形成された流路部440で冷媒が漏出なしに流動することができる。
【0038】
図5を参照すると、インレット420とアウトレット430とは、全てヒートシンク400の一辺に形成され得る。より詳細には、インレット420とアウトレット430とは、全てエンドプレート130が位置した部分に形成されたヒートシンク400の一辺に形成され得る。インレット420とアウトレット430とは、ヒートシンク400の一辺の両端にそれぞれ位置することができる。ヒートシンク400の下側または上側には冷媒供給部および冷媒排出部が形成されて、冷媒供給部を通じて供給された冷媒がインレット420に流入され、アウトレット430を通じて流出された冷媒は冷媒排出部を通じて外部に排出され得る。
【0039】
流路部440は、ベンディングされながらモジュールフレーム120の底部を覆うように形成され得る。流路部440は、モジュールフレーム120の底部のうち、下部プレート410がモジュールフレーム120の底部と接触した部分を除いた大部分の領域に形成されることによって、モジュールフレーム120の底部上側でモジュールフレーム120の底部の大部分の面積を占めるように配置された電池セル積層体110の全ての部分が均一に冷却されるようにすることができる。
【0040】
流路部440がベンディングされる部分は曲面で形成され得る。流路部440に角ばっている角部分が形成される場合、角ばっている角部分で冷媒の流動が停滞して温度偏差および圧力降下が大きくなる虞がある。これと関連して、本発明の一実施形態のようにベンディングされる部分は曲面で処理すれば冷媒の流動が自然に行われるようにすることができる。
【0041】
本発明の一実施形態によると、複数の電池モジュール100のそれぞれの下側に複数のヒートシンク400が形成され得る。第1流路200は、複数のヒートシンク400のそれぞれに冷媒を供給し、第2流路300は、複数のヒートシンク400で循環した冷媒を外部に排出する。
【0042】
従来は複数の電池モジュールの下側に冷媒の流動のための流路を別途に形成し、別途に形成された流路が複数の電池モジュールの下側を一括的に通過するように配置されたが、従来の場合、電池モジュールの個別的な温度制御が難しく、冷媒が流入される地点と近い側に位置した電池モジュールおよび電池セルと、冷媒が流入される地点と遠い側に位置した電池モジュールおよび電池セルとの間の温度偏差が発生して、電池モジュールの寿命が短縮することがあるという問題があった。
【0043】
そこで、本発明の一実施形態によると、複数の電池モジュール100のそれぞれの下側に複数のヒートシンク400が一体に形成され、第1流路200を通じて複数のヒートシンク400のそれぞれに冷媒が供給される構造を採用して、電池モジュールおよび電池セル間の温度偏差を最小化し、電池モジュールおよび電池パックの寿命を増加させることができる。
【0044】
また本実施形態のように、
図1の電池モジュールよりも大きさが大きい代わりに、積層される電池セルの個数が
図1の電池セルの個数よりも多い大面積のモジュールの場合、
図1に示した電池モジュールの個数に比べて同一容積の電池パックに挿入される電池モジュールの個数を減らすことができるため、それぞれの電池モジュールに供給される冷媒供給構造をより単純化させることができる。
【0045】
以下、
図3乃至
図5を参照して、本発明の一実施形態による冷媒供給および排出構造について説明する。
【0046】
図4は
図3の複数の電池モジュールおよび各電池モジュールの下側に配置されたヒートシンクが形成された構造をより詳細に示す分解斜視図である。
図5は
図4のA部分を拡大した図面である。
【0047】
図3乃至
図5を参照すると、本発明の一実施形態による第1流路200は、冷媒が流入されるインレット部210、流入された冷媒を案内するメイン供給流路部220、およびメイン供給流路部220を通過した冷媒をヒートシンク400にそれぞれ供給する複数のサブ供給流路部230を含むことができる。また本発明の一実施形態による第2流路300は、冷媒が排出されるアウトレット部310、アウトレット部310に冷媒を案内するメイン排出流路部320、およびヒートシンク400で循環した冷媒をメイン排出流路部320に排出するサブ排出流路部330を含むことができる。
【0048】
この時、サブ供給流路部230およびサブ排出流路部330は、ヒートシンク400の下側に形成され、サブ供給流路部230は冷媒をヒートシンク400とモジュールフレーム120の底部との間の空間に上方供給し、サブ排出流路部330はヒートシンク400とモジュールフレームの底部との間の空間から下方排出するようにすることができる。
【0049】
結果的に、インレット部210を通じて流入された冷媒は、メイン供給流路部220およびサブ供給流路部230を順に通過し、電池モジュール100の下側に位置したヒートシンク400のインレット420を通じてそれぞれ供給され、供給された冷媒は各ヒートシンク400に形成された流路部440を通じてヒートシンク400の内部を循環し、循環が完了した冷媒はヒートシンク400のアウトレット430を通過してサブ排出流路部330およびメイン排出流路部320を順に通過してアウトレット部310を通じて電池パックの外部に排出され得る。
【0050】
本実施形態によると、メイン供給流路部220とメイン排出流路部320とは、それぞれ複数の電池モジュール100の外側に配置され、サブ供給流路部230はメイン排出流路部320に向かって延長形成され、サブ排出流路部330はメイン供給流路部220に向かって延長形成され得る。この時、サブ供給流路部230は、サブ供給流路部230が冷媒を供給する少なくとも一つのヒートシンク400を全て通過するように延長形成され、サブ排出流路部330は、サブ排出流路部330に冷媒を排出する少なくとも一つのヒートシンク400を全て通過するように延長形成され得る。
【0051】
サブ供給流路部230は、ヒートシンク400のインレット420を通過してメイン排出流路部320が位置した部分に到達するように延長形成されることによって、上側に位置した少なくとも一つのヒートシンク400および電池モジュール100の荷重を支持することができる。サブ排出流路部330は、メイン供給流路部220が位置した部分に到達するように延長形成されることによって、上側に位置した少なくとも一つのヒートシンク400および電池モジュール100の荷重を支持することができる。
【0052】
複数の電池モジュール100は、少なくとも一つの列に配列され、各行毎にサブ供給流路部230およびサブ排出流路部330が配置され得る。本実施形態によると、複数の電池モジュール100は、インレット部210およびアウトレット部310が形成された部分と隣接した部分に一つの電池モジュール100が配置され、次に、メイン供給流路部220およびメイン排出流路部320に沿って複数の電池モジュールが二列に配置され得る。
【0053】
本実施形態によると、複数の電池モジュール100、第1流路200および第2流路300を収容する下部ハウジング500、および複数の電池モジュール100、第1流路200および第2流路300を上側で覆う上部ハウジング600をさらに含むことができる。
【0054】
以下、
図6を参照して、本発明の変形された一実施形態による電池パックについて説明する。
【0055】
図6は本発明の変形された一実施形態による電池パックを示す分解斜視図である。
【0056】
図6を参照すると、本発明の変形された実施形態による電池パックは、第1流路200と第2流路300とが電池モジュール集合体の下側中間部分を横切るように配置され得る。このように多様な形態に変形された第1流路200及び第2流路300の配置構造を有する電池パックを実現することができる。
【0057】
本発明の実施形態による電池パックは、本実施形態による電池モジュールを一つ以上集めて電池の温度や電圧などを管理する電池管理システム(Battery Management System;BMS)と冷却装置などを追加してパッキングした構造であり得る。
【0058】
前記電池パックは、多様なデバイスに適用され得る。このようなデバイスには、電気自転車、電気自動車、ハイブリッド自動車などの運送手段に適用され得るが、本発明はこれに制限されず、電池モジュールを使用することができる多様なデバイスに適用可能であり、これも本発明の権利範囲に属する。
【0059】
以上では本発明の好ましい実施形態について図示して説明したが、本発明は前述した特定の実施形態に限定されず、特許請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱せずに当該発明が属する技術分野における通常の知識を有する者により多様な変形実施が可能であることはもちろん、このような変形実施は本発明の技術的な思想や展望から個別的に理解されてはならない。
【符号の説明】
【0060】
100:電池モジュール
110:電池セル積層体
120:モジュールフレーム
121:下部フレーム
122:上部プレート
130:エンドプレート
200:第1流路
210:インレット部
220:メイン供給流路部
230:サブ供給流路部
300:第2流路
310:アウトレット部
320:メイン排出流路部
330:サブ排出流路部
400:ヒートシンク
500:下部ハウジング
600:上部ハウジング