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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電力供給システム
(51)【国際特許分類】
   H02H 3/087 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H02H3/087
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019154757
(22)【出願日】2019-08-27
(65)【公開番号】P2021035227
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2022-05-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】花岡 康隆
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 圭太
【審査官】右田 勝則
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-024535(JP,A)
【文献】特開2018-011411(JP,A)
【文献】特開2019-038344(JP,A)
【文献】特開2008-054483(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 3/087
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との間に接続された、前記負荷のオンオフを制御するための主半導体リレーと、
前記主半導体リレーと並列に、前記電源と前記負荷の間に接続された副半導体リレーと、
前記負荷に流れる電流に基づく電流値を測定する電流測定部と、
前記主半導体リレーと前記副半導体リレーのオンオフを制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記主半導体リレーがオンの状態で、前記電流測定部により測定された電流値が第1の電流閾値に達したときに、前記副半導体リレーをオンにし、
前記主半導体リレーと前記副半導体リレーの両方がオンの状態で、前記電流測定部により測定された電流値が第2の電流閾値以下になったときに、前記副半導体リレーをオフにする、電力供給システム。
【請求項2】
電源と負荷との間に接続された、前記負荷のオンオフを制御するための主半導体リレーと、
前記主半導体リレーと並列に、前記電源と前記負荷の間に接続された副半導体リレーと、
前記主半導体リレーの温度を測定する温度測定部と、
前記主半導体リレーと前記副半導体リレーのオンオフを制御する制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記主半導体リレーがオンの状態で、前記温度測定部により測定された温度が第1の温度閾値に達したときに、前記副半導体リレーをオンにし、
前記主半導体リレーと前記副半導体リレーの両方がオンの状態で、前記温度測定部により測定された温度が第2の温度閾値以下になったときに、前記副半導体リレーをオフにする、電力供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電源から負荷に電力を供給する際に、負荷のオンオフを制御するために、半導体リレーが用いられてきている(特許文献1、2)。半導体リレーは、使用可能な電流範囲が決まっており、負荷のオンオフを制御する半導体リレーを選定するときに、負荷の定常時の電流(定常電流)に基づいて半導体リレーの選定がされている。
【0003】
また、さらに、半導体リレーは、耐えることができる一時的な最大電流(サージオン電流耐量)が決まっており、このサージオン電流耐量を超える電流が流れた場合には、破壊されてしまう、もしくは、半導体リレーによっては、サージオン電流耐量を超えない様に、自ら強制的にオフ(自己遮断)されてしまう。負荷の中には、一時的に大電流が生じる負荷がある。例えば、負荷の中には、オンにしたときに、定常電流よりかなり大きな電流(突入電流)を生じるものがある。このため、このような一時的に大電流が生じる負荷の場合には、一時的な大電流より大きいサージオン電流耐量を有する半導体リレーを選定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-83393号公報
【文献】特開2003-199240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、サージオン電流耐量に基づいて半導体リレーを選定したときに、その半導体リレーの使用可能な電流範囲の最大値が、負荷の定常電流よりかなり大きい場合がある。このような場合には、定常時だけを考えると、必要以上の性能を持った半導体リレーを選定していることになる。一般的には、使用可能な電流範囲が大きい半導体リレーほど、高価であり、サイズが大きい。よって、このような場合には、定常時だけを考えると、必要以上に高価でサイズの大きい半導体リレーを選定していることになる。
【0006】
本発明は、以上の背景に鑑みてなされたものであり、安価で省スペースな構成で半導体リレーを大電流から保護することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る電力供給システムは、電源と負荷との間に接続された、前記負荷のオンオフを制御するための主半導体リレーと、前記主半導体リレーと並列に、前記電源と前記負荷の間に接続された副半導体リレーと、前記負荷に流れる電流に基づく電流値を測定する電流測定部と、前記主半導体リレーと前記副半導体リレーのオンオフを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記主半導体リレーがオンの状態で、前記電流測定部により測定された電流値が第1の電流閾値に達したときに、前記副半導体リレーをオンにし、前記主半導体リレーと前記副半導体リレーの両方がオンの状態で、前記電流測定部により測定された電流値が第2の電流閾値以下になったときに、前記副半導体リレーをオフにする。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る電力供給システムは、電源と負荷との間に接続された、前記負荷のオンオフを制御するための主半導体リレーと、前記主半導体リレーと並列に、前記電源と前記負荷の間に接続された副半導体リレーと、前記主半導体リレーと前記副半導体リレーのオンオフを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記負荷にオンにする指示信号を受信する受信部を有し、前記受信部により前記指示信号を受信したときに、前記主半導体リレーおよび前記副半導体リレーの両方をオンにし、前記主半導体リレーおよび前記副半導体リレーの両方をオンにした後、前記負荷への突入電流が終了したときに、前記副半導体リレーをオフにする。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る電力供給システムは、電源と負荷との間に接続された、前記負荷のオンオフを制御するための主半導体リレーと、前記主半導体リレーと並列に、前記電源と前記負荷の間に接続された副半導体リレーと、前記主半導体リレーの温度を測定する温度測定部と、前記主半導体リレーと前記副半導体リレーのオンオフを制御する制御部と、を有し、前記制御部は、前記主半導体リレーがオンの状態で、前記温度測定部が測定した温度が第1の温度閾値に達したときに、前記副半導体リレーをオンにし、前記主半導体リレーと前記副半導体リレーの両方がオンの状態で、前記電流測定部により測定された電流値が第2の温度閾値以下になったときに、前記副半導体リレーをオフにする。
【0010】
また、本発明の一実施形態に係る電力供給システムは、電源と第1の負荷との間に接続された、前記第1の負荷のオンオフを制御するための第1の主半導体リレーと、前記電源と第2の負荷との間に接続された、前記第2の負荷のオンオフを制御するための第2の主半導体リレーと、副半導体リレーと、前記副半導体リレーが前記第1の主半導体リレーと並列に前記電源と前記第1の負荷の間に接続された状態と、前記副半導体リレーが第2の主半導体リレーと並列に前記電源と前記第2の負荷の間に接続された状態と、を切り替えるための切替部と、前記第1の主半導体リレーおよび前記第2の主半導体リレーの各々を流れる電流値を制限するように、前記第1の主半導体リレー、前記第2の主半導体リレー、および前記副半導体リレーのオンオフと、前記切替部と、を制御する制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0011】
上記で説明した態様によれば、安価で省スペースな構成で半導体リレーを大電流から保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る電力供給システム100を示す図である。
図2】電力供給システム100で実行される処理動作の一例を示す図である。
図3】電力供給システム100で実行される処理動作の一例を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る電力供給システム200を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<電力供給システム100>
図1は、本発明の一実施形態に係る電力供給システム100を示す図である。電力供給システム100は、電源Pと負荷Lとの間に接続された主半導体リレーMRと、主半導体リレーMRと並列に、電源Pと負荷Lの間に接続された副半導体リレーARと、負荷Lに流れる電流に基づく電流値を測定する電流測定部110と、主半導体リレーMRと副半導体リレーARのオンオフを制御する制御部120と、を有する。
【0014】
電流測定部110は、主半導体リレーMRに内蔵されていても良いし、主半導体リレーMRとは別個に設けられても良い。電流測定部110が主半導体リレーMRに内蔵される場合は、電流測定部110は、負荷Lに流れる電流に基づく電流値として、主半導体リレーMRを流れる電流値を測定する。このとき、主半導体リレーMRのみがオンの場合は、主半導体リレーMRのみを介して電源Pから負荷Lへ電流が流れるため、負荷Lに流れる電流を、電流測定部110による測定により直接測定することができ、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方がオンの場合は、主半導体リレーMRと副半導体リレーARに流れ込む電流の比を用いて、負荷Lに流れる電流を間接的に測定することが可能である。電流測定部110が主半導体リレーMRとは別個に設けられる場合は、例えば、負荷Lに流れる電流値を直接測定できる位置に、電流測定部110を配置するようにすると良い。
【0015】
電源Pは、負荷Lに電力を供給するものであり、例えば、バッテリである。負荷Lは、定常時よりもかなり大きな値の電流を一時的に流すものであり、この電流値を、以下、負荷最大電流値と呼ぶ。例えば、負荷Lが突入電流を生じるものであるならば、負荷最大電流値は、突入電流のピーク値である。
【0016】
主半導体体リレーMRは、負荷Lのオンオフを制御する半導体リレーである。主半導体リレーMRがオンになることで、電源Pから負荷Lに電力が供給され、負荷Lがオンになり、主半導体リレーMRがオフになることで、電源Pから負荷Lへの電力供給が停止され、負荷Lがオフになる。
【0017】
制御部120は、電流測定部110により測定された電流値に基づき、主半導体リレーMRと副半導体リレーARのオンオフを制御する。例えば、負荷Lがオンの状態において、制御部120は、電流測定部110により測定された電流値が第1の電流閾値にまだ達していないときは、主半導体リレーMRだけをオンにし、副半導体リレーARはオフにしておく。そして、電流測定部110により測定された電流値が第1の電流閾値に達したときには、制御部120は、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方をオンにする。
【0018】
このようにすることで、主半導体リレーMRを流れる電流値が第1の電流閾値より大きくなったときには、電源Pから負荷Lへ供給される電流が、主半導体リレーMRを介してだけでなく、副半導体リレーARも介して流れる。このため、本実施形態では、主半導体リレーMRのサージオン電流耐量が負荷Lの負荷最大電流値より小さい場合であったとしても、上記の第1の電流閾値を主半導体リレーMRのサージオン電流耐量より小さい値に設定したならば、主半導体リレーMRをサージオン電流耐量より大きい値の電流が流れることがない。そして、本実施形態では、さらに主半導体リレーMRのサージオン電流耐量と副半導体リレーARのサージオン電流耐量の和を負荷Lの負荷最大電流値より大きく設定したならば、負荷Lの負荷最大電流値が流れるときであっても、主半導体リレーMRをサージオン電流耐量より大きい値の電流が流れることがなく、かつ副半導体リレーARをサージオン電流耐量より大きい値の電流が流れることがない。
【0019】
よって、本実施形態では、突入電流などの負荷Lに一時的に流れる大電流の大きさを考慮することなく、主半導体リレーMRを選定することが可能になり、主半導体リレーMRの使用可能な電流範囲の最大値が負荷Lの定常時の電流値により近い値になるように、主半導体リレーMRを選定することが可能になる。結果、本実施形態では、安価で省スペースな構成で半導体リレーを大電流から保護することが可能になる。
【0020】
また、本実施形態では、熱を分散することが可能になり、装置全体の熱の上昇を抑制することが可能になる。また、本実施形態では、大きな半導体リレーを1つ用いるのでなく、代わりに、小さな2つの半導体リレーを用いているため、基板に実装する際の配置の自由度が向上する。
【0021】
また、本実施形態では、主半導体リレーMRだけでなく、副半導体リレーARを介しても、電源Pから負荷Lへ電力を供給することができるため、副半導体リレーARを主半導体リレーMRのバックアップとして利用することも可能である。例えば、制御部120が、主半導体リレーMRの故障を検出する手段を有するようにし、主半導体リレーMRの故障が検出されたならば、副半導体リレーARをオンにするようにして良い。
【0022】
また、制御部120は、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方がオンの状態で、電流測定部110により測定された電流値が第2の電流閾値以下になったときに、副半導体リレーARをオフにするようにすると良い。このとき、第2の電流閾値は、例えば、電流測定部110により測定された電流値が第2の電流閾値以下のときに負荷Lに流れる電流値が主半導体リレーMRの使用可能な電流範囲の最大値以下になるように設定すると良い。
【0023】
このようにすることで、負荷Lに定常電流が流れているときに、主半導体リレーMRのみを介して、電源Pから負荷Lに電力を供給することが可能になる。よって、本実施形態では、負荷Lに定常電流が流れているときに、副半導体リレーARを余分に駆動する必要がなくなり、負荷Lに定常電流が流れているときに、半導体リレーを駆動するのに使用するエネルギーを抑制することが可能になる。
【0024】
また、制御部120は、外部から信号を受ける受信部121を有するようにしても良い。そして、制御部120は、負荷Lに一時的に大電流が流れることを示す信号を受信部121により受信したときに、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方をオンにするようにしても良い。
【0025】
例えば、負荷Lが突入電流を生じるものであるとき、負荷Lをオンにする指示信号は、負荷Lに一時的に大電流が流れることを示す信号であると考えられる。そこで、例えば、負荷Lがオフの状態(つまり、主半導体リレーMRも副半導体リレーARもオフの状態)で、制御部120は、負荷Lをオンにする指示信号を受信部121により受信したときに、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方をオンにする。そして、その後、制御部120は、突入電流が終了したと判断したときに、副半導体リレーARをオフにする。例えば、制御部120は、所定の時間が経過したことで、突入電流が終了したと判断しても良い。また、制御部120は、負荷Lの電圧を測定する手段を有するようにし、この手段より測定された電圧が所定の電圧より大きくなったときに、突入電流が終了したと判断しても良い。
【0026】
このようにすることで、一時的に大電流が流れるときには、電源Pから負荷Lへ供給される電流が、主半導体リレーMRを介してだけでなく、副半導体リレーARも介して流れる。このため、本実施形態では、半導体リレーを大電流から保護することが可能になる。
【0027】
また、電力供給システム100は、主半導体センサMRの温度を測定する温度測定部130を有するようにしても良い。そして、制御部120は、負荷Lがオンである状態で、温度測定部130により測定された温度が第1の温度閾値にまだ達していないならば、主半導体リレーMRだけをオンにし、副半導体リレーARをオフにするようにし、温度測定部130が測定した温度が第1の温度閾値に達したならば、主半導体リレーMRおよび副半導体リレーARの両方をオンにするようにしても良い。そして、制御部120は、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方がオンの状態で、温度測定部130により測定された温度値が第2の温度閾値以下になったときに、副半導体リレーARをオフにするようにしても良い。
【0028】
このようにすることで、主半導体リレーMRの温度が第1の温度閾値以上になったときには、電源Pから負荷Lへ供給される電流が、主半導体リレーMRを介してだけでなく、副半導体リレーARも介して流れる。このため、本実施形態では、半導体リレーを大電流から保護するが可能になる。
【0029】
<電力供給システム100における処理動作>
図2は、負荷Lがオンであり、電源Pから負荷Lへ主半導体リレーMRのみを介して電力を供給している状態において、電力供給システム100で実行される処理動作の一例を示す図である。負荷Lがオンであり、電源Pから負荷Lへ主半導体リレーMRのみを介して電力を供給している状態において、制御部120は、電流測定部110により、主半導体リレーMRを流れる電流値を測定する(ステップS201)。制御部120は、測定された電流値が第1の電流閾値以上であるとき(ステップS202、YES)、副半導体リレーARもオンにする(ステップS203)。
【0030】
その後、制御部120は、電流測定部110により、主半導体リレーMRを流れる電流値を測定し(ステップS204)、測定された電流値が第2の電流閾値以下になったときに(ステップS205、YES)、副半導体リレーARをオフにする(ステップS206)。
【0031】
図3は、突入電流を発生する負荷Lをオンするときに電力供給システム100で実行される処理動作の一例を示す図である。負荷Lをオンする指示があったときに(ステップS301、YES)、制御部120は、主半導体リレーMRと副半導体リレーARの両方をオンにする(ステップS302)。
【0032】
その後、突入電流が終了したと判断したときに(ステップS303、YES)、制御部120は、副半導体リレーARをオフにする(ステップS304)。上述したように、例えば、制御部120は、所定の時間が経過したことで、突入電流が終了したと判断しても良いし、負荷Lの電圧が所定の電圧より大きくなったときに、突入電流が終了したと判断しても良い。
【0033】
<電力供給システム200>
図4は、本発明の一実施形態に係る電力供給システム200を示す図である。電力供給システム200は、複数の主半導体リレーMRn(n=1、2、・・・、N)と、副半導体リレーARと、切替部210と、制御部220と、を有する。
【0034】
電源Pは、複数の負荷Ln(n=1、2、・・・、N)に電力を供給するものであり、例えば、バッテリである。複数の負荷Lnは、定常時よりもかなり大きな値の電流を一時的に流すものであり、この電流値を、以下、負荷最大電流値と呼ぶ。例えば、負荷Lnが突入電流を生じるものであるならば、負荷最大電流値は、突入電流のピーク値である。
【0035】
複数の半導体リレーMRnの各々は、対応する負荷Lnと電源Pとの間に接続されており、複数の主半導体リレーMRnの各々のサージオン電流耐量と副半導体リレーARのサージオン電流耐量の和は、対応する負荷Lnの負荷最大電流値より大きい。
【0036】
切替部210は、副半導体リレーARが主半導体リレーMR1と並列に電源Pと負荷L1の間に接続された状態(状態1)と、副半導体リレーARが主半導体リレーMR2と並列に電源Pと負荷L2の間に接続された状態(状態2)と、・・・、副半導体リレーARが主半導体リレーMRNと並列に電源Pと負荷LNの間に接続された状態(状態N)と、の間の切り替えを行う。
【0037】
制御部220は、複数の主半導体リレーMRnの各々を流れる電流値を制限するように、複数の主半導体リレーMRnおよび副半導体リレーARのオンオフと、切替部210と、を制御する。
【0038】
例えば、制御部220は、複数の主半導体リレーMRnのうちに、所定の電流値を超えた主半導体リレーMRnがあれば、切替部210を制御し、副半導体リレーARがこの主半導体リレーMRnと並列に電源Pとこの主半導体リレーMRnに対応する負荷Lnの間に接続された状態に切り換え、副半導体リレーARをオンにする。このとき、例えば、電力供給システム200は、複数の負荷Lnの各々に流れ込む電流に基づく電流値(例えば、複数の負荷Lnの各々に流れる電流値や、複数の主半導体リレーMRnの各々を流れる電流値)を測定する電流測定部(不図示)を有するようにすると良い。
【0039】
このようすることで、主半導体リレーMRnを流れる電流値が所定の電流値より大きくなったときには、電源Pからこの主半導体リレーMRnに対応する負荷Lnへ供給される電流が、この主半導体リレーMRnを介してだけでなく、副半導体リレーARも介して流れる。よって、本実施形態では、半導体リレーを大電流から保護するが可能になる。
【0040】
また、制御部220は、外部から信号を受ける受信部221を有するようにしても良い。そして、制御部220は、負荷Lnに一時的に大電流が流れることを示す信号を受信部221により受信したときに、切替部210を制御し、副半導体リレーARがこの負荷Lnに対応する主半導体リレーMRnと並列に電源Pとこの負荷Lnの間に接続された状態に切り換え、この対応する主半導体リレーMRnと副半導体リレーARの両方をオンにするようにしても良い。制御部220は、例えば、負荷Lnをオンにする指示信号を受信したときに、切替部210を制御し、副半導体リレーARがこの負荷Lnに対応する主半導体リレーMRnと並列に電源Pとこの負荷Lnの間に接続された状態に切り換え、この対応する主半導体リレーMRnと副半導体リレーARの両方をオンにする。
【0041】
また、制御部220は、複数の主半導体リレーMRnのうちに、所定の温度値を超えた主半導体リレーMRnがあれば、切替部210を制御し、副半導体リレーARがこの主半導体リレーMRnと並列に電源Pとこの主半導体リレーMRnに対応する負荷Lnの間に接続された状態に切り換え、副半導体リレーARをオンにする。このとき、例えば、電力供給システム200は、複数の主半導体リレーMRnの各々の温度を測定する温度測定部(不図示)を有するようにすると良い。
【0042】
以上、本発明の好適な実施の形態により本発明を説明した。ここでは特定の具体例を示して本発明を説明したが、特許請求の範囲に記載した本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、これら具体例に様々な修正および変更が可能である。
【符号の説明】
【0043】
100 電力供給システム
110 電流測定部
120 制御部
130 温度測定部
200 電力供給システム
210 切替部
220 制御部
P 電源
L 負荷
MR 主半導体リレー
AR 副半導体リレー
Ln 負荷
MRn 主半導体リレー
図1
図2
図3
図4