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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】端子構造
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/48 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H01R4/48 C
H01R4/48 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020048816
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021150173
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川上 智哉
(72)【発明者】
【氏名】高羽 晃平
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-507146(JP,A)
【文献】特表2018-533185(JP,A)
【文献】登録実用新案第3202871(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/48
H01R 9/00
H01R 9/22-9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線が電気的に接続される端子構造であって、
配線と電気的に接続される端子部と、端子部上に形成され配線が接続される配線接続部と、配線接続部の上方に位置し、配線を押圧する押圧部と、押圧部の上方に位置し、押圧部に対して下方向への荷重を加える締付ばね部と、開閉操作することで押圧部を上下移動する操作レバーを備え、
この操作レバーは、指を引掛ることが可能な引掛部と、操作レバーの幅方向の両側面間にわたって形成され、前方から引掛部よりも奥側への指の進入を防止する進入防止部を備えることを特徴とする端子構造。
【請求項2】
操作レバーを軸支するケース部を更に備え、このケース部には操作レバーを閉じた状態において、その進入防止部との衝突を回避する衝突回避部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の端子構造。
【請求項3】
ケース部には、配線を挿入する配線挿入口から配線接続部に向かうに連れて開口面積が小さくなるように傾斜面を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の端子構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、操作レバーを上下操作させて配線を接続する端子構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
操作レバーを持ち上げた状態で配線接続部に配線を挿入し、操作レバーを下げることにより配線を固定する端子構造は、例えば特許文献1に示されるように公知である。
【0003】
このようなレバー式の端子構造は、配線接続部に配線を強く押し付けるためのばねを備えている。操作レバーはばねに抗して持ち上げられるが、配線挿入後に操作レバーを下げるときに操作レバーがばね力によって急速に下がり、ケース部との間で指を挟むおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-160467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って本発明の目的は上記した従来の問題点を解決し、操作レバーを下げるときに指を挟むおそれのない、安全性に優れた端子構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するためになされた第1の発明は、配線が電気的に接続される端子構造であって、配線と電気的に接続される端子部と、端子部上に形成され配線が接続される配線接続部と、配線接続部の上方に位置し、配線を押圧する押圧部と、押圧部の上方に位置し、押圧部に対して下方向への荷重を加える締付ばね部と、開閉操作することで押圧部を上下移動する操作レバーを備え、この操作レバーは、指を引掛ることが可能な引掛部と、操作レバーの幅方向の両側面間にわたって形成され、前方から引掛部よりも奥側への指の進入を防止する進入防止部を備えることを特徴とするものである。
【0007】
なお、操作レバーを軸支するケース部を更に備え、このケース部には操作レバーを閉じた状態において、その進入防止部との衝突を回避する衝突回避部を設けた構造とすることが好ましい。
【0008】
【0009】
いずれの発明においても、ケース部には、配線を挿入する配線挿入口から配線接続部に向かうに連れて開口面積が小さくなるように傾斜面を形成することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、操作レバーを下げるときに指を挟む危険を防止することができる。なお第2の発明によれば、操作レバーを操作する手とは反対側の手の指挟みを防止することができる。さらに請求項4の発明によれば、配線接続部での指の挟みを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態のレバー式の端子台を示す外観斜視図である。
図2】第1の実施形態のレバー式の端子台を示す外観斜視図である。
図3】第1の実施形態のレバー式の端子台を示す分解斜視図である。
図4】端子ユニットの内部構造図である。
図5】端子ユニットの分解斜視図である。
図6】作動説明図である。
図7】作動説明図である。
図8】第1の実施形態の要部の詳細図である。
図9】第1の実施形態の操作レバーの外観図である。
図10】第2の実施形態のレバー式の端子台を示す外観斜視図である。
図11】第2の実施形態のレバー式の端子台を示す外観斜視図である。
図12】第2の実施形態の操作レバーの外観図である。
図13】第2の実施形態の操作レバーの外観図である。
図14】第2の実施形態の操作レバーの外観図である。
図15】第3の実施形態の操作レバーの外観図である。
図16】第3の実施形態の操作レバーの外観斜視図である。
図17参考形態の操作レバーの外観図である。
図18参考形態の操作レバーの外観斜視図である。
図19参考形態の操作レバーの外観斜視図である。
図20第4の実施形態の操作レバーの外観図である。
図21第4の実施形態の操作レバーの外観斜視図である。
図22第4の実施形態の操作レバーの外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態を説明する。以下に説明する実施形態は、本発明をレバー式の端子台に適用したものである。しかし本発明は端子台に限定されるものではなく、回路遮断器など、配線を電気的に接続する端子構造に広く適用することができる。なお本明細書においては、各図に示したようにケースの底面側を下側、操作レバーが設けられた側を上側として説明するが、垂直な壁面に配置された場合には上側を手前側、下側を奥側と読み替えるものとする。
【0013】
図1図2は、本発明の端子構造を適用した第1の実施形態のレバー式の端子台を示す外観斜視図、図3はその分解斜視図である。この端子台は、中央の端子ユニット10を左右のベース11で挟み込んだ構造である。また端子ユニット10は左右のケース部12の内部に、図4図5に示すように端子部20、配線接続部30、配線を押圧する押圧部40、締付ばね部50、操作レバー60を組み込んだものである。
【0014】
図5に示すように押圧部40は板状の金属部材であり、その上方には押圧部40に対して下方向への荷重を加える締付ばね部50が設けられている。この実施形態では締付ばね部50は、ヨーク51、圧縮ばね52、フック53を備えている。
【0015】
ヨーク51は金属板を逆U字状に折り曲げ形成したものであり、その両側面には縦長のスリット55が形成されている。押圧部40の左右の端部はスリット55を貫通して、フック53を引掛るための引掛部43となっている。圧縮ばね52がヨーク51の内部に収納されており、その下端は押圧部40の上側に形成されたばね受け部41に支持されている。このため押圧部40は圧縮ばね52により、下向きに弾発されている。ヨーク51の上方には操作レバー60が配置され、その下部の連結部61にフック53の上部が掛かっている。フック53は逆U字状のもので、その両端下部は折り曲げられて押圧部40の引掛部43が嵌まっている。
【0016】
このため、図6に示すように操作レバー60を上方に起こすとフック53が押圧部40を引き上げて上昇させ、押圧部40の下側に配線を挿入できる状態となる。しかし図7に示すように操作レバー60を下側に倒すと、フック53が下降するため圧縮ばね52の弾発力により押圧部40は下方に弾発され、押圧部40の下側面42が配線を押圧する。
【0017】
以下に操作レバー60の構成について、更に詳しく説明する。図8に示すように、操作レバー60はその基部の軸67によってケース部12に軸支されている。ケース部12の上部にはレバー収納部13が形成されているが、レバー収納部13の内側面には凹部14が形成されており、操作レバー60の側面には凸部62が形成されている。このため操作レバー60は図6の上方に開いた位置と、図7の下方に閉じた位置のほか、凹部14に凸部62を係合させた図8図9に示される中間位置を取ることもできる。この中間位置からさらに操作レバー60を下方に押圧すれば配線が固定されるが、この中間位置を設けて一度この位置で操作レバー60の下側への移動を停止させることにより、指を挟むおそれを低減することができる。
【0018】
第1の実施形態の操作レバー60は、図8図9に示されるように、前側に指を引掛ることができる引掛部63を備える。引掛部63は操作レバー60を左右方向から開閉操作するときに、持ちやすく力が加わり易いように円弧形状となっている。またこの円弧形状の前側と後側には、下方へ突出する前側突出部64と後側突出部65とが左右側面間にわたるように形成されている。前側突出部64は操作レバー60を前方向から操作するときに持ち易くする機能を持つ。また後側突出部65は、操作レバー60を操作するときにそれよりも奥側に指が進入しないように防止する進入防止部68として機能する。
【0019】
一方、ケース部12には操作レバー60の後側突出部65と対向する面に傾斜部15が設けられている。この傾斜部15は後側突出部65の衝突を回避する衝突回避部として機能する。さらに操作レバー60の後側突出部65には円弧面66が形成されている。この円弧面66はケース部12の傾斜部15と協働し、ケース部12を押さえる反対の手の指の挟みを防止することができる。すなわち、操作レバー60を操作する手と反対側の手でケース部12を支え、その指が傾斜部15に触れている場合であっても、操作レバー60が下降して指に当たったときに、指を傾斜部15に沿って滑り落とし、指を挟むおそれを軽減することができる。
【0020】
図10から図14に第2の実施形態を示す。
この第2の実施形態では、操作レバー70の形状を変更して先端を下方に屈曲させるとともに、後側突出部71を操作レバー70の左右側面から下方に大きく円弧状に突出させた。この構造としたことにより、操作レバー70を左右方向から開閉操作する場合に、操作レバー70を操作する指が引掛部から操作レバーの軸線方向に進入することを防ぐことができ、指を挟むおそれを軽減することができる。また操作レバー70の先端を下方へ屈曲させることによって、分電盤内に配置された端子台のレバー70を上方に起こした状態で、分電盤の扉を閉めた際に扉がレバーに衝突した場合であっても、レバー70が倒れる方向に移動させ、レバーの破損を防ぐことができる。なお、ケース部12には壁面を内側にくぼませることにより、この後側突出部71を収納する収納部が形成されている。
【0021】
またケース部12の収納部の上部に円弧面16を形成し、円弧状に突出させた後側突出部71とによって、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。すなわち、操作レバー60を操作する手と反対側の手でケース部12を支え、その指が円弧面16に触れている場合であっても、操作レバー60が下降して指に当たったときに、円弧面16に沿って指を滑り落とすことにより、指を挟むおそれを軽減することができる。
【0022】
図15図16に第3の実施形態を示す。
この第3の実施形態の操作レバー80はフラットであり、引掛部81から下方に延びる板状の進入防止部82を備えている。ケース部12は第1の実施形態と同様である。なお進入防止部82は操作レバー80の軸方向への指の進入を防止できれば、如何なる形状であっても差し支えない。
【0023】
図17から図19参考形態を示す。
この参考形態の操作レバー90は、左右側面から下方に大きく円弧状に突出させた延長部91を備え、ケース12の壁面の外側に延長部91の収納部92を形成した。このような延長部91を形成することにより、操作レバー90を操作する手とは反対の手の指の挟みを防止することができる。
【0024】
図20から図22第4の実施形態を示す。
この第4の実施形態の操作レバー100は、第1の実施形態の操作レバー60と概ね同様の形状をしており、同様の効果を生ずるものであるが、操作レバー100の先端を下方向に屈曲し延長させる点で異なる。この構造としたことにより、引掛部を大きくなり指を引っ掛かりやすくすることができる。また操作レバー100の先端を下方へ屈曲させることによって、分電盤内に配置された端子台のレバー100を上方に起こした状態で、分電盤の扉を閉めた際に扉がレバーに衝突した場合であっても、レバー100が倒れる方向に移動させ、レバーの破損を防ぐことができる。
【0025】
なお全ての実施形態において、ケース部12には、配線を挿入する配線挿入口18から配線接続部30に向かうに連れて開口面積が小さくなるように上下の傾斜面19を形成した。これは操作レバーの操作時に反対の手が配線挿入口18から進入し、配線接続部30において指先を挟まれるおそれをなくすためである。またこれらの上下の傾斜面19は、配線を正しい位置に導くガイドとしての機能も持っている。
【0026】
なお、ケース部12に配線挿入口18を設け、ベース11に配線接続部30を形成することにより、配線挿入口17から配線接続部30までの距離を長くすることにより、配線接続部30により指を挟まれるおそれを低減することができる。
【0027】
以上に説明したように、本発明の端子構造は安全性の向上に大きく寄与することができるものである。
【符号の説明】
【0028】
10 端子ユニット
11 ベース
12 ケース部
13 レバー収納部
14 凹部
15 傾斜部
16 円弧面
17 後側突出部
18 配線挿入口
19 傾斜面
20 端子部
30 配線接続部
40 押圧部
41 ばね受け部
42 押圧部の下側面
43 引掛部
50 締付ばね部
51 ヨーク
52 圧縮ばね
53 フック
54 フック
55 スリット
60 操作レバー(第1の実施形態)
61 連結部
62 凸部
63 引掛部
64 前側突出部
65 後側突出部
66 円弧面
67 軸
68 進入防止部
70 操作レバー(第2の実施形態)
71 後側突出部
80 操作レバー(第3の実施形態)
81 引掛部
82 進入防止部
90 操作レバー(参考形態)
91 延長部
92 収納部
100 操作レバー(第4の実施形態)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22