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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】マスキング冶具
(51)【国際特許分類】
   B24C 1/04 20060101AFI20231211BHJP
   F01D 25/00 20060101ALI20231211BHJP
   F01D 25/24 20060101ALI20231211BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B24C1/04 F
B24C1/04 B
B24C1/04 E
F01D25/00 R
F01D25/24 R
F02C7/00 D
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018093512
(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公開番号】P2019038096
(43)【公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】P-421619
(32)【優先日】2017-05-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】マリウズ・ストリゼウスキー
(72)【発明者】
【氏名】ミハール・コヴァルチュク
(72)【発明者】
【氏名】パウェル・スタニスラフ・スキーバ
(72)【発明者】
【氏名】ミハイル・ラスロ・ビーケイ
【審査官】山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0174923(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0171045(US,A1)
【文献】特開2006-062041(JP,A)
【文献】特開平04-275875(JP,A)
【文献】特開2007-098500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B24C 1/04
F02C 7/00
F01D 25/00
F01D 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークピース(10)をブラスト処理する方法であって、
前記ワークピース(10)が第1の端部(12)から第2の端部(14)へ延び、外側表面と前記外側表面の内側の内部キャビティ(16)とを含む中空のワークピースであり、前記方法が、
第1のマスキング冶具(100)と第2のマスキング冶具(200)の間に前記ワークピース(10)が配置されるように、前記第1のマスキング冶具(100)を前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)に位置付け、前記第2のマスキング冶具(200)を前記ワークピース(10)の前記第2の端部(14)に位置付けるステップであって、前記内キャビティ(16)は、流体流の供給源からの加圧流体流を受け入れたときに加圧されたパージ流キャビティを含むように封止される、前記ステップと、
前記流体流の供給源からの加圧流体流に基づくパージ流を前記内キャビティ(16)から前記ワークピース(10)の周りの周囲環境に向かうように前記外側表面の複数の穴(18)に導くステップと、
前記パージ流が前記複数の穴(18)に導かれているときに、混入させた研磨メディアを備える加圧した流体噴射物を、前記ワークピース(10)外側から前記外側表面に向けて噴射するステップと、
を含み、
前記パージ流を導くことが、前記第1のマスキング冶具(100)の第1の底壁(124)を通って前記ワークピース(10)の前記内キャビティ(16)に延びる第1のポート(112)を通り、前記第2のマスキング冶具(200)の第2の底壁(224)を通って前記内キャビティ(16)に延びる第2のポート(212)を通って前記パージ流を導くことを含む方法。
【請求項2】
前記ワークピース(10)は、ガスタービンのノズルセグメントである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記パージ流を導くことが、前記パージ流を、前記ワークピース(10)の前記複数の穴(18)に貫通させて、前記ワークピース(10)の前記内キャビティ(16)から前記ワークピース(10)周りの周囲環境に導くことを更に含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
前記第1のマスキング冶具(100)を位置付けることが、第1のパージ流キャビティ(130)を、前記第1のマスキング冶具(100)の第1の可撓性封止カバー(102)と前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)との間に形成することを含み、前記第2のマスキング冶具(200)を位置付けることが、第2のパージ流キャビティ(230)を、前記第2のマスキング冶具(200)の第2の可撓性封止カバー(202)と前記ワークピース(10)の前記第2の端部(14)との間に形成することを含む、請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記第1のマスキング冶具(100)を位置付けることが、前記第1のマスキング冶具(100)の第1の可撓性封止カバー(102)を前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)に封止係合させることを更に含み、前記第2のマスキング冶具(200)を位置付けることが、前記第2のマスキング冶具(200)の第2の可撓性封止カバー(202)を前記ワークピース(10)の前記第2の端部(14)に封止係合させることを更に含む、請求項1乃至4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記第1のマスキング冶具(100)を位置付けることが、前記第1のマスキング冶具(100)の前記第1の可撓性封止カバー(102)を、前記第1のマスキング冶具(100)の第1の剛性カバー(104)に封止係合させることを更に含み、前記第2のマスキング冶具(200)を位置付けることが、前記第2のマスキング冶具(200)の前記第2の可撓性封止カバー(202)を、前記第2のマスキング冶具(200)の第2の剛性カバー(204)に封止係合させることを更に含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記加圧した流体噴射物を導く前に、前記第1のマスキング冶具(100)と前記第2のマスキング冶具(200)とを共に前記ワークピース(10)の周りに固定することを更に含む、請求項1乃至6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記第1のマスキング冶具(100)の第1の剛性カバー(104)から延びる第1の締め具(120)と、前記第2のマスキング冶具(200)の第2の剛性カバー(204)から延びる第2の締め具(220)と係合させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記パージ流の圧力が前記加圧した噴射物の圧力よりも大きい、請求項1乃至8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
ワークピース(10)の外側表面に前記ワークピース(10)の外側から研磨メディアを導くブラスト処理中に前記ワークピース(10)をマスクするためのマスキング冶具(100)であって、
前記ワークピース(10)が第1の端部(12)から第2の端部(14)へ延び、外側表面と前記外側表面の内側の内部キャビティ(16)とを含む中空のワークピースであり、前記マスキング冶具(100)が、
周縁部(122)と、
前記周縁部(122)に平行で、かつ前記周縁部(122)から離隔された底壁(124)と、
前記周縁部(122)及び前記底壁(124)の間に延び、前記周縁部(122)及び前記底壁(124)に対して概ね直交し、前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)を支持するように構成された、複数の側壁(128)と、
前記底壁(124)及び前記複数の側壁(128)によって画定された筐体(114)と、
前記周縁部(122)及び前記底壁(124)に平行に延び、前記筐体(114)内の前記底壁(124)及び前記周縁部(122)の間に位置付けられ、前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)を前記複数の側壁(128)とは異なる方向で支持するように構成された、内側縁部(126)と、
前記内キャビティ(16)に前記第1の端部(12)及び/又は前記第2の端部(14)を介して加圧流体流を供給する流体流の供給源に接続するために、前記底壁(124)に形成され、前記底壁(124)を通して前記筐体(114)と流体連通する、ポート(112)と
を含む可撓性カバー(102)を備え、
前記内キャビティ(16)は、前記ポート(112)から前記加圧流体流を受け入れたときに加圧されたパージ流キャビティを含むように前記複数の側壁(128)と前記内側縁部(126)とにより封止され、
前記流体流の供給源からの前記加圧流体流は、前記内キャビティ(16)から前記外側表面の複数の穴(18)を通って前記ワークピース(10)の周りの周囲環境に向かうパージ流を生成する、マスキング冶具。
【請求項11】
前記筐体(114)内に加圧パージ流キャビティ(130)を更に備え、前記加圧パージ流キャビティ(130)が、前記底壁(124)と、前記複数の側壁(128)のうちの選択された側壁(128)とによって画定される、請求項10に記載のマスキング冶具。
【請求項12】
剛性カバー(104)を更に備え、前記剛性カバー(104)は、底壁(132)及び前記剛性カバー(104)の前記底壁(132)に概ね直交して延びる複数の側壁(134)を含み、前記剛性カバー(104)の前記底壁(132)の内側表面、及び前記剛性カバー(104)の前記複数の側壁(134)の内側表面が、前記剛性カバー(104)のキャビティ(136)を画定し、前記可撓性カバー(102)が前記剛性カバー(104)の前記キャビティ(136)内に受け入れられた、請求項10または11に記載のマスキング冶具。
【請求項13】
前記剛性カバー(104)における、前記複数の側壁(134)の各側壁(134)の内角部に画定された面取り部(118)と、
前記可撓性カバー(102)が、前記剛性カバー(104)における前記複数の側壁(134)の内側表面(135)の対応する部分と締り嵌めを形成するよう構成された外側表面と、
前記剛性カバー(104)における前記複数の側壁(134)の前記内側表面(135)の一部が、前記剛性カバー(104)における前記複数の側壁(134)の各側壁(134)の内角部に画定された面取り部(118)とを備える、請求項12に記載のマスキング冶具。
【請求項14】
前記マスキング冶具(100)をワークピース(10)周りの相補的なマスキング冶具(200)に固定するために、前記剛性カバー(104)から延びる複数の締め具(120)を更に備える、請求項12または13に記載のマスキング冶具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は全体的に、マスキング冶具、及びワークピースにマスキング冶具を使用する関連の方法に関する。
【背景技術】
【0002】
サンドブラストなどのブラスト処理は、様々な構成要素の表面を洗浄するため、又は補修するために使用され得る。例えばブラスト処理は、ガスタービンの構成要素などのターボ機関の構成要素を補修するために使用され得る。一般にブラスト処理は、高圧スチーム、又は流体に混入させた研磨メディアを伴う流体噴射物を、構成要素の表面に導くことを備える。
【0003】
しかし研磨メディアは、いくつかの構成要素の表面特徴部に対して有害作用をもたらすことがある。例えば、高い動作温度に曝されたターボ機関の構成要素は、内部冷却キャビティ、及び冷却キャビティの中に開く外側表面の冷却穴などの、冷却特徴部を一般的に含む。このような構成要素では、研磨メディアが冷却キャビティ又は冷却穴の中に入り込むことがあり、それが冷却特徴部の機能を妨げる場合がある。
【0004】
本発明の態様及び利点は、以下の説明に記載されるか、説明から明白となり得るか、又は本発明の実施を介して理解され得る。
【発明の概要】
【0005】
1つの例の実施形態によると、ワークピースを処理する方法が提供される。方法は、混入させた研磨メディアを含む加圧した流体噴射物をワークピースの外側表面に導くこと、及び加圧した流体噴射物を外側表面に導きながら、パージ流をワークピースに貫通させて導くことを含む。
【0006】
別の例の実施形態によると、ワークピースを処理する間に、ワークピースの選択した部分を防護するためのマスキング冶具が提供される。マスキング冶具は可撓性カバーを含む。可撓性カバーは、周縁部と、周縁部に平行で、かつ周辺部から離隔された底壁とを含む。可撓性カバーはまた、周縁部と底壁との間に延びる複数の側壁を含む。複数の側壁は、周縁部及び底壁と概ね直交する。可撓性カバーはまた、底壁及び複数の側壁によって画定された、筐体を含む。可撓性カバーは内側縁部を更に含む。内側縁部は、周縁部及び底壁と平行に延びる。内側縁部は、筐体内の底壁と周縁部との間に位置付けられる。可撓性カバーはまた、底壁から周縁部に向かって延びる突出部を含む。突出部は底壁に概ね直交する。パージエア供給源と接続するために、ポートが底壁に形成される。ポートは筐体と流体連通する。
【0007】
当業者は、本明細書を検討することで、このような実施形態及び他の実施形態の、特徴及び態様をより理解するであろう。
【0008】
当業者にとって最良のモードを含む、本発明の完全かつ有効な開示が、添付の図面を参照して明細書の残りでより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の様々な実施形態による、例示的なマスキング冶具の斜視図である。
図2図1の例示的なマスキング冶具の部分的断面図である。
図3図1の例示的なマスキング冶具の一部の断面図である。
図4図3の一部の拡大図である。
図5】例示的なマスキング冶具の断面図である。
図6】本開示の様々な実施形態による、例示的な外側剛性カバーの平面図である。
図7】本開示の様々な実施形態による、例示的な内側剛性カバーの平面図である。
図8図5のライン8-8に沿った断面図である。
図9図6のライン9-9に沿った断面図である。
図10】本開示の様々な実施形態による、例示的な外側可撓性カバーの斜視図である。
図11】本開示の様々な実施形態による、例示的な内側可撓性カバーの平面図である。
図12】本主題の例示的な実施形態による、ワークピースを処理する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本発明の本実施形態を詳細に参照すると、その1つ又は複数の例が添付の図面に示される。発明を実施するための形態では、図面内の特徴を指すために、数字及び文字の名称を用いている。図面及び説明における類似又は同様の名称は、本発明の類似又は同様の部分を指すために用いられている。本明細書で使用される「第1」、「第2」、及び「第3」という用語は、1つの構成要素を別の構成要素と区別するために交換して用いてよく、個々の構成要素の位置又は重要性を表すことを意図しない。「上流」、「下流」という用語は、流体経路における流体の流れに対する相対的な方向を指す。例えば、「上流」は流体が流れ始める方向を、「下流」は流体が流れる方向を指す。「径方向」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に対して実質的に垂直である相対的な方向を指し、「軸方向」という用語は、特定の構成要素の軸方向中心線に実質的に平行である相対的な方向を指す。
【0011】
各例は、本発明を制限するのではなく、本発明の説明のために提供される。実際、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に改変及び変更を行うことができることが、当業者には明白となろう。例えば、1つの実施形態の一部として示されたか、又は説明された特徴は、更なる実施形態をもたらすために、別の実施形態に使用され得る。したがって本発明は、添付の特許請求の範囲及びその同等物の範囲内となるような、これら改変及び変更を含むものと意図される。本発明の例示的な実施形態は、例示を目的として、地上配備された発電ガスタービンの構成要素を処理するためのマスキング冶具、という文脈で全体的に説明されることになるが、当業者は、本発明の実施形態が、ターボ機関の構成要素又は他のワークピースの任意のタイプに適用され得ることを、容易に理解するであろう。更に構成要素は、スチームタービン、船用ガスタービン、又は航空用ガスタービンなど任意のタービン機関と関連付けられてよく、特許請求の範囲に具体的に記述されない限り、地上配備の電力ガスタービンの構成要素に限定されない。
【0012】
次に図面を参照すると、同一の数字は図面を通して同じ要素を示す。図1は外側マスキング冶具100及び内側マスキング冶具200の斜視図を提供する。外側マスキング冶具100及び内側マスキング冶具200は、共にワークピース10の周りに固定される。本明細書に示される特定の例において、ワークピース10は、ガスタービンのノズルセグメントなどのノズルセグメントである。
【0013】
図2で判るように、外側マスキング冶具100及び内側マスキング冶具200は、径方向Rに沿って離隔され得る。径方向Rは、軸方向Aに対して垂直に延びる。外側マスキング冶具100は、ノズルセグメント10の径方向外側端部12に位置付けられるように構成され、内側マスキング冶具200は、ノズルセグメント10の径方向内側端部14に位置付けられるように構成される。本明細書で使用されるとき、ノズルセグメント10の径方向内側端部14は、ターボ機関に設置されるときに、ターボ機関の軸方向中心線により近いノズルセグメント10の端部を指し、ノズルセグメント10の径方向外側端部12は、ターボ機関に設置されるときに、ターボ機関の軸方向中心線からより遠いノズルセグメント10の端部を指す。
【0014】
図2に図示された例の実施形態に示されるように、各マスキング冶具100、200は、複数の締め具120、220も含んでよい。例えば、ワークピース10の周りで、相補的なマスキング冶具、例えば内側マスキング冶具200に外側マスキング冶具100を固定するために、外側マスキング冶具100は、剛性カバー104から延びる複数の締め具120を含んでよい。同様に内側マスキング冶具200は、複数の接合する締め具220を含んでよく、それによって外側マスキング冶具100と内側マスキング冶具200とが共にワークピース10の周りで固定され得る。図示された実施形態において、外側マスキング冶具100の締め具120は複数のクランプを備えてよく、内側マスキング冶具200の締め具220は、外側マスキング冶具100のクランプと係合するように構成された複数のフックを含んでよい。他の実施形態において、例えばねじ部品、ラッチ、及び/又は布ストラップ若しくはエラストマーストラップなどの可撓性ストラップなど、任意の好適な締め具が提供され得る。
【0015】
次に図1図4を参照すると、各マスキング冶具100、200は可撓性カバー102、202、及び剛性カバー104、204を含む。図3は、ノズルセグメント10の外側端部12に設置された、外側マスキング冶具100の例の実施形態を図示する。本開示の実施形態は、2つの相補的なマスキング冶具、例えば外側マスキング冶具100及び内側マスキング冶具200を含むことを理解されたい。各マスキング冶具100、200は、他方のマスキング冶具100、200と同様の特徴を含む。したがって明瞭にするために、以下の説明は、例として主に外側マスキング冶具100を指すことになり、内側マスキング冶具200は、同じ特徴又は類似の特徴のうちのいくつか又は全てを含み得ることを理解されたい。図3に図示されるように、外側マスキング冶具100の可撓性カバー102は、剛性カバー104の対応するキャビティ136内に受け入れられてよい。以下で更に詳細に説明するように、可撓性カバー102は2つの封止部を形成するように構成され、例えば可撓性カバー102は、ワークピース10の外側端部12と封止係合するように、かつ剛性カバー104と封止係合するように構成される。
【0016】
外側マスキング冶具100の可撓性カバー102は、周縁部122及び底壁124を含む。底壁は、周縁部122に平行で、かつ周縁部122から離されており、それによって可撓性カバーの深さが周縁部122と底壁124との間で画定される。この説明においては例示のみを目的として、底壁124は可撓性カバー102の底部を画定するものとして捉えることができ、周縁部122は可撓性カバー102の頂部を画定するものとして捉えることができる。可撓性カバー102はまた、周縁部122と底壁124との間に延びる複数の側壁128を含む。複数の側壁128は、周縁部122及び底壁124と概ね直交する。本明細書で使用されるとき、「約」、「概ね」、又は「ほぼ」などの近似を示す用語は、示された値の上下10パーセント内であることを指す。更に本明細書で使用されるとき、角度又は方向に関するこれらの用語は、10°以内を含む。例えば、周縁部122に概ね直交する複数の側壁128は、直交から10°以内の任意の角度を形成してよく、例えば周縁部122に対して80°~100°の角度である。
【0017】
可撓性カバー102はまた、底壁124及び複数の側壁128によって画定された筐体114を含み得る。例示を目的として、筐体114に面する側壁128の表面は、本明細書では、側壁128の内側表面と称され、筐体114から外を向く、側壁128の反対の面は、側壁128の外側表面と称されてよい。
【0018】
可撓性カバー102の筐体114は、ワークピース10の一部を受け入れることができる。例えば、図示された実施形態において、ワークピース10はノズルセグメント10であってよく、ノズルセグメント10は、外側バンド20、第1のフック22、及び第2のフック24を含み得る。第1のフック22及び第2のフック24は、当技術分野で一般に理解されているように、ノズルセグメント10をケーシング及び/又はターボ機関の保持リングに接合させるよう構成されてよい。図3で判るように、可撓性カバー102の底壁124及び可撓性カバーの側壁128の一部は、第1のフック22及び/又は第2のフック24を係合するように構成され得る。いくつかの実施形態において、可撓性カバー102の底壁124及び可撓性カバーの側壁128の一部は、第1のフック22及び/又は第2のフック24を封止係合するように構成され得る(図3)。可撓性カバー102はまた、周縁部122及び底壁124に平行な内側縁部126を含む。図示された例示的な実施形態において、内側縁部126は図3に示されるように、例であるノズルセグメント10の外側バンド20のようなワークピースと係合するよう構成され得る。いくつかの実施形態において、内側縁部126は、ワークピース10、詳細にはワークピース10の外側バンド20を、ブラスト処理の間に支持して安定させるよう構成され得る。図10で判るように、内側縁部126は、可撓性カバー102の周りに延びる表面を画定し得る。内側縁部126によって画定された表面は封止面であってよく、例えば可撓性カバーがノズルセグメント10に位置付けられるときに、内側縁部126の表面はノズルセグメントに直接隣接してよく、ノズルセグメント10と封止係合するよう、更に構成され得る。例えば図3に図示されるように、内側縁部126は、筐体114内の底壁124と周縁部122との間に位置付けられ得る。
【0019】
図5で最もよく判るように、可撓性カバー102は、底壁124から周縁部122に向かって延びる突出部116を更に含んでよい。図示されるように、突出部116は、底壁124に対して概ね直交して、例えば径方向Rに沿って延びてよい。したがってこの例において、外側マスキング冶具100の可撓性カバー102は、例えばワークピース10に向かい、底壁124から延径方向Rに沿って内側に延びる突出部116を含んでよい。対応する内側マスキング冶具200の可撓性カバー202は、例えばワークピース10に向かい、内側マスキング冶具200の底壁224から径方向Rに沿って外側に延びる突出部216を含んでよい。
【0020】
可撓性カバー102はまた、パージエア供給源に接続するため、底壁124に形成されたポート112を含み得る。図示されるように、ポート112は底壁124を貫通して延び、例えばパージエア供給源のため、筐体114との流体連通をもたらし得る。いくつかの実施形態において、筐体114の一部がパージ流キャビティ130を画定し得る。パージ流キャビティ130が提供される場合、パージ流キャビティ130は、底壁124と複数の側壁128のうちの選択された側壁128とによって画定される、加圧可能なキャビティであってよい。いくつかの実施形態において、突出部116は、パージ流キャビティ130を部分的に画定し得る。パージ流キャビティ130は、図示された実施形態に示されるようなワークピース10によって更に画定されてよく、パージ流キャビティ130の少なくとも1つの側が、図示された例であるノズルセグメント10の外側バンド20のようなワークピース10によって形成される。図2で最もよく判るように、ワークピース10が内部キャビティ16を含む中空のワークピースである実施形態において、パージ流キャビティ130は、ワークピース10の内部キャビティ16と流体連通し得る。
【0021】
図6及び図8で判るように、外側マスキング冶具100の剛性カバー104は、底壁132、及び剛性カバー104の底壁132に概ね直交して延びる複数の側壁134を含んでよい。同様に、可撓性カバー120に関して上述したように、例示のみを目的として、底壁132は剛性カバー104の底部を画定するものとして捉えることができ、側壁134は底壁132から上方に離れて延びるものと捉えることができる。剛性カバー104における底壁132の内側表面133、及び剛性カバー104における複数の側壁134の内側表面135は、剛性カバー104のキャビティ136を画定する。図2図5に図示されるように、可撓性カバー102は、剛性カバー104のキャビティ136内に受け入れられ得る。同様に図7及び図9で判るように、内側マスキング冶具200の剛性カバー204もまた、底壁232及び複数の側壁234、並びに表面233及び235のそれぞれから画定されるキャビティ236を含んでよい。
【0022】
いくつかの実施形態において、図4で最もよく判るように、外側マスキング冶具100の剛性カバー104は、剛性カバー104の各側壁134の角部に画定される面取り部118を有利に含んでよい。例えば、面取り部118は、側壁134の各上角部によって画定されてよく、例えば底壁132から遠位にある各側壁134の角部、及び、可撓性カバー102が剛性カバー104のキャビティ136内に受け入れられたときに可撓性カバー102の外側表面に当接する側壁134の側などの側壁の内側表面135によって画定されてよい。このような面取り部118は、可撓性カバー102を剛性カバー104のキャビティ136内への設置を、有利に容易にし得る。
【0023】
更に、可撓性カバー102のいくつかの実施形態において、剛性カバー104における複数の側壁134の内側表面135の対応する一部と締り嵌めを形成するよう構成された、外側表面を含んでよい。図4で最もよく判るように、可撓性カバー102は、剛性カバー104との締り嵌めによって、その原型(原形は図4で点線で示される)から圧縮され得る。可撓性カバー102のこのような圧縮は、ワークピース10の周りを継続的かつ完全に封止するのを有利に促進する。ワークピース10が不規則な形状及び/又は凹型形状を含む特定の実施形態において、可撓性カバー102のこのような圧縮は、ワークピース10を封止係合するため、可撓性カバー102を確実にワークピース10の形状に合致させるのに役立つことがある。例えば、ワークピース10がプラットフォーム20及びフック22、24を含むノズルセグメント10である実施形態において、剛性カバー104との締り嵌めによる可撓性カバー102の圧縮が、可撓性カバー102、例えばプラットフォーム20の全周の封止係合を促進させ得る。いくつかの実施形態において、可撓性カバー102の外側表面と共に締り嵌めを形成するように構成される、剛性カバー104における複数の側壁134の内側表面135の一部は、面取り部118を含み得る。更に、いくつかの実施形態において、可撓性カバー102の外側表面は、剛性カバー104における複数の側壁134の内側表面135の第1の対応する部分と締り嵌めを形成するよう構成される第1の部分、及び、剛性カバー104における複数の側壁134の内側表面135の第2の対応する部分と隙間嵌めを形成するように構成される、可撓性カバー102の外側表面の第2の部分を含んでよく、例えば図3に図示されるように、隙間108は可撓性カバー102と剛性カバー104との間で画定され得る。
【0024】
様々な実施形態において、外側マスキング冶具100は、内側マスキング冶具200などの第2の相補的なマスキング冶具と一対にされ得る。内側マスキング冶具200などの相補的なマスキング冶具は、外側マスキング冶具100の特徴に対応した特徴を有し得ることを理解されたい。いくつかの実施形態において、例えば内側マスキング冶具200は、第1のマスキング冶具100の鏡像であってよい。
【0025】
いくつかの実施形態において、内側マスキング冶具200は、可撓性カバー202及び剛性カバー204を含んでよい。可撓性カバー202は、外側マスキング冶具100の可撓性カバー102の周縁部122、底壁124、及び複数の側壁128と同様に、周縁部222、底壁224、及び複数の側壁228を含んでよい。内側マスキング冶具200の可撓性カバー202は、可撓性カバー102の筐体114と同様、底壁224及び複数の側壁228によって画定された筐体214を更に含んでよい。内側縁部126を参照して上述したように、内側マスキング冶具200の可撓性カバー202は、内側縁部226を含んでよく、内側縁部226は、例えば図2に示されるようなワークピース10の内側端部14を支持して安定させるように構成され得る。
【0026】
コネクタ106が、例えば各カバー102及び104の底壁124及び132の中、又は貫通して提供され得る。コネクタ106によって、パージ流供給源などの流体流の供給源が外側マスキング冶具100に接続されて、可撓性カバー102の筐体114、詳細にはその中のパージ流キャビティ130と流体連通することが可能となる。パージエア流などの流体流がマスキング冶具100に入って貫通できるように、コネクタ106は、剛性カバー104のポート110及び可撓性カバー102のポート112と接続するか、又は貫通してもよい。同様のコネクタ206が、可撓性カバー202及び剛性カバー204のそれぞれのポート212及び210と共に、内側マスキング冶具200に提供されてよい。コネクタ206は、パージエア流が、内側マスキング冶具200の加圧可能なパージ流キャビティ230に入るのを可能にし得る。
【0027】
図12に図示されるように、本開示の実施形態は、ワークピース10を処理する方法1000を含む。例示的な方法1000は、第1のマスキング冶具100をワークピース10の第1の端部12に位置付けること、及び第2のマスキング冶具200をワークピース10の第2の端部14に位置付けることである、最初のステップ1010を含み得る。いくつかの実施形態において、第1のマスキング冶具100を位置付けることは、第1のマスキング冶具100の可撓性封止カバー102と、ワークピース10の第1の端部12との間にパージ流キャビティ130を形成することを含み得る。更にいくつかの実施形態において、第2のマスキング冶具200を位置付けることは、第2のマスキング冶具200の封止カバー202と、ワークピース10の第2の端部14との間に第2のパージ流キャビティ230を形成することを含み得る。
【0028】
例示的な方法1000は、ステップ1020においてブラスト処理を含み得る。例えばブラスト処理は、混入させた砂などの研磨メディアを含む加圧した流体噴射物を、ワークピース10の外側表面に導く。例示的な方法1000はまた、例えばこれもステップ1020において、加圧した流体噴射物を外側表面に導きながら、パージ流を、ワークピース10に貫通させて導くことを含み得る。例えば図2の例示された実施形態に示されるように、方法は、パージ流を、ワークピース10の内側キャビティ16に貫通させて導くことを含み得る。例示的な方法は、パージ流を、ワークピース10の外側表面の複数の穴18(図3)に貫通させて、ワークピース10の内側キャビティ16からワークピース10周りの周囲環境に導くことを、更に含み得る。例えば、穴18の実施形態は、冷却穴や、通気、潤滑など他の主要機能を提供する穴を含むことができ、又はこれらの穴は液圧管の役割を担うことができる。穴18は、任意の特定の主要機能に制限されないことを理解されたい。むしろ、穴18の主要機能は、冷却、潤滑、又は任意の他の好適な機能であってよく、それらは、穴18に貯留する研磨メディアによって妨げられるか、又は障害が生じ得ることがあるので、穴18に入り込む研磨メディアを阻止するか、又は取り除くことが望ましい。ブラスト処理の間、パージ流を内側キャビティ16及び孔18に貫通させて導くことは、砂などの研磨メディアが穴18及び/又はキャビティ16に入るのを防止するために効果的であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態において、ワークピース10を処理する方法は、ワークピース10を垂直位置に位置付けることを含み得る。例えば、ワークピース10がノズルセグメントである実施形態において、ノズルセグメント10は、より狭い後縁部26を含んでよい(図1)。このような実施形態において、ノズルセグメント10を垂直位置に位置付けることは、後縁部26を下方に位置付けることを含み得る。ワークピース10を垂直位置に位置付けることは、ワークピース10の外側表面への研磨メディアの衝突後に、ワークピース10から研磨メディアを遠ざける重力の流れを有利に促進することができ、例えば孔18及び/又はキャビティ16に研磨メディアが入り込むのを軽減、又は防止する。
【0030】
いくつかの実施形態において、ワークピース10を処理する方法は、ワークピース10、詳細にはその内側キャビティ16を加圧することを含み得る。例えば、パージ流の圧力は、加圧した噴射物の圧力よりも大きくてよい。いくつかの実施形態において、パージ流の圧力は、加圧した噴射物の圧力よりも少なくとも3バール大きくてよい。このような圧力の差によって、研磨メディアがワークピース10の穴18及び/又はキャビティ16に入り込むのを有利に防ぐことができる。
【0031】
様々な実施形態によると、マスキング冶具100及び200のうちの一方又は両方は、それらに貫通させてパージ流を導くためのコネクタ106及び/又は206を含んでよい。したがっていくつかの実施形態において、ステップ1020でワークピース10に貫通させてパージ流を導くことは(例えばコネクタ106及びポート110、112を介して)、第1のマスキング冶具100に貫通させてパージ流を導いてワークピース10の内側キャビティ16に入れることを含み得る。ステップ1020でワークピース10に貫通させてパージ流を導くいくつかの実施形態は、(例えばコネクタ206及びポート210、212を介して)パージ流を第2のマスキング冶具200に貫通させて導き、ワークピース10の内側キャビティ16に入れることも含み得るか、又は代わりに含み得る。
【0032】
いくつかの実施形態において、第1のマスキング冶具100を第1の端部12に位置付けることは、第1のマスキング冶具100の可撓性封止カバー102を、ワークピース10の第1の端部12に封止係合することを含み得る。いくつかの実施形態において、第2のマスキング冶具200を位置付けることは、第2のマスキング冶具200の可撓性封止カバー202を、ワークピース10の第2の端部14に封止係合させることを含み得る。このような実施形態において、まず可撓性カバー102、202が、ワークピース10の端部12及び14に設置され得る。更にこのような実施形態において、続いて剛性カバー104、204が、可撓性カバー102、202上に設置され得る。
【0033】
いくつかの実施形態において、第1のマスキング冶具100を第1の端部12に位置付けることは、第1のマスキング冶具100の可撓性封止カバー102を、第1のマスキング冶具100の剛性カバー104と封止係合させることを含み得る。いくつかの実施形態において、第2のマスキング冶具200を第2の端部14に位置付けることは、第2のマスキング冶具200の可撓性封止カバー202を、第2のマスキング冶具200の剛性カバー204に封止係合させることを含み得る。
【0034】
本開示によるいくつかの例示的な方法は、ワークピース10の周りで、第1のマスキング冶具100と第2のマスキング冶具200とを共に固定することを含んでよい。例えば固定は、可撓性カバー102、202及び剛性カバー104、204を位置付けた後で、かつ加圧した流体噴射物をワークピース10の外側表面に導く前に、実施され得る。例えばいくつかの実施形態において、マスキング冶具100、200は、剛性カバー104、204の外側部分などに、締め具120、220を含んでよい。いくつかの実施形態において、締め具120、220を閉じる又は締めることが、可撓性カバー102、202を、ワークピース10の端部12、14及びマスキング冶具100、200の剛性カバー104、204に封止係合させるのを促進させ得る。
【0035】
この記載した説明は、最良のモードを含む例を用いて、本発明を開示し、かつ任意の当業者が、任意のデバイス又はシステムを作ること及び使用すること、並びに任意の組み入れられた方法を実行することを含み、本発明を実施することを可能にする。本発明の特許を受けることができる範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が思いつく他の例を含み得る。このような他の例は、特許請求の範囲の文字どおりの言葉と違わない構造的要素を含む場合、又は特許請求の範囲の文字どおりの言葉からわずかな違いを有する同等の構造的要素を含む場合は、特許請求の範囲内にあるものとして意図される。
【0036】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
ワークピース(10)を処理する方法であって、
混入させた研磨メディアを備える加圧した流体噴射物を、前記ワークピース(10)の外側表面に導くことと、
前記加圧した流体噴射物を前記外側表面に導きながら、パージ流を前記ワークピース(10)に貫通させて導くこととを含む方法。
[実施態様2]
前記パージ流を導くことが、前記パージ流を、前記ワークピース(10)の内側キャビティ(16)に貫通させて導くことを含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
前記パージ流を導くことが、前記パージ流を、前記ワークピース(10)の前記外側表面の複数の穴(18)に貫通させて、前記ワークピース(10)の前記内側キャビティ(16)から前記ワークピース(10)周りの周囲環境に導くことを更に含む、実施態様2に記載の方法。
[実施態様4]
前記加圧した流体噴射物を導く前に、第1のマスキング冶具(100)を前記ワークピース(10)の第1の端部(12)に位置付けることと、第2のマスキング冶具(200)を前記ワークピース(10)の第2の端部(14)に位置付けることとを更に含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様5]
前記第1のマスキング冶具(100)を位置付けることが、パージ流キャビティ(130)を、前記第1のマスキング冶具(100)の可撓性封止カバー(102)と前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)との間に形成することを含み、前記第2のマスキング冶具(200)を位置付けることが、第2のパージ流キャビティ(230)を、前記第2のマスキング冶具(200)の封止カバー(202)と前記ワークピース(10)の前記第2の端部(14)との間に形成することを含む、実施態様4に記載の方法。
[実施態様6]
前記第1のマスキング冶具(100)を位置付けることが、前記第1のマスキング冶具(100)の前記可撓性封止カバー(102)を前記ワークピース(10)の前記第1の端部(12)に封止係合させることを更に含み、前記第2のマスキング冶具(200)を位置付けることが、前記第2のマスキング冶具(200)の可撓性封止カバー(202)を前記ワークピース(10)の前記第2の端部(14)に封止係合させることを更に含む、実施態様4に記載の方法。
[実施態様7]
前記第1のマスキング冶具(100)を位置付けることが、前記第1のマスキング冶具(100)の前記可撓性封止カバー(102)を、前記第1のマスキング冶具(100)の剛性カバー(104)に封止係合させることを更に含み、前記第2のマスキング冶具(200)を位置付けることが、前記第2のマスキング冶具(200)の前記可撓性封止カバー(202)を、前記第2のマスキング冶具(200)の剛性カバー(204)に封止係合させることを更に含む、実施態様6に記載の方法。
[実施態様8]
前記パージ流を導くことが、前記パージ流を、前記第1のマスキング冶具(100)に貫通させて導いて前記ワークピース(10)の内側キャビティ(16)に入れること、及びパージ流を、前記第2のマスキング冶具(200)に貫通させて導いて前記ワークピース(10)の前記内側キャビティ(16)に入れることを含む、実施態様4に記載の方法。
[実施態様9]
前記パージ流を導くことが、前記パージ流を、前記ワークピース(10)の前記外側表面の複数の穴(18)に貫通させて、前記ワークピース(10)の前記内側キャビティ(16)から前記ワークピース(10)周りの周囲環境に導くことを更に含む、実施態様8に記載の方法。
[実施態様10]
前記加圧した流体噴射物を導く前に、前記第1のマスキング冶具(100)と前記第2のマスキング冶具(200)とを共に前記ワークピース(10)の周りに固定することを更に含む、実施態様4に記載の方法。
[実施態様11]
前記パージ流の圧力が前記加圧した噴射物の圧力よりも大きい、実施態様1に記載の方法。
[実施態様12]
前記パージ流の前記圧力が、加圧した前記噴射物の前記圧力よりも少なくとも3バール大きい、実施態様11に記載の方法。
[実施態様13]
ワークピース(10)を処理中に前記ワークピース(10)を防護するためのマスキング冶具(100)であって、
周縁部(122)と、
前記周縁部(122)に平行で、かつ前記周縁部(122)から離隔された底壁(124)と、
前記周縁部(122)及び前記底壁(124)の間に延び、前記周縁部(122)及び前記底壁(124)に対して概ね直交する、複数の側壁(128)と、
前記底壁(124)及び前記複数の側壁(128)によって画定された筐体(114)と、
前記周縁部(122)及び前記底壁(124)に平行に延び、前記筐体(114)内の前記底壁(124)及び前記周縁部(122)の間に位置付けられた、内側縁部(126)と、
前記底壁(124)から前記周縁部(122)に向かって延び、前記底壁(124)に対して概ね直交する、突出部(116)と、
パージエア供給源に接続するために、前記底壁(124)に形成されて前記筐体(114)と流体連通する、ポート(112)と
を含む可撓性カバー(102)を備える、マスキング冶具。
[実施態様14]
前記筐体(114)内にパージ流キャビティ(130)を更に備え、前記パージ流キャビティ(130)が、前記底壁(124)と、前記複数の側壁(128)のうちの選択された側壁(128)とによって画定された、実施態様13に記載のマスキング冶具。
[実施態様15]
剛性カバー(104)を更に備え、前記剛性カバー(104)は、底壁(132)及び前記剛性カバー(104)の前記底壁(132)に概ね直交して延びる複数の側壁(134)を含み、前記剛性カバー(104)の前記底壁(132)の内側表面、及び前記剛性カバー(104)の前記複数の側壁(134)の内側表面が、前記剛性カバー(104)のキャビティ(136)を画定し、前記可撓性カバー(102)が前記剛性カバー(104)の前記キャビティ(136)内に受け入れられる、実施態様13に記載のマスキング冶具。
[実施態様16]
前記剛性カバー(104)における、前記複数の側壁(134)の各側壁(134)の内角部に画定された面取り部(118)を更に備える、実施態様15に記載のマスキング冶具。
[実施態様17]
前記可撓性カバー(102)が、前記剛性カバー(104)における前記複数の側壁(134)の内側表面(135)の対応する部分と締り嵌めを形成するよう構成された外側表面を更に備える、実施態様15に記載のマスキング冶具。
[実施態様18]
前記剛性カバー(104)における前記複数の側壁(134)の前記内側表面(135)の一部が、前記剛性カバー(104)における前記複数の側壁(134)の各側壁(134)の内角部に画定された面取り部(118)を備える、実施態様17に記載のマスキング冶具。
[実施態様19]
前記マスキング冶具(100)をワークピース(10)周りの相補的なマスキング冶具(200)に固定するために、前記剛性カバー(104)から延びる複数の締め具(120)を更に備える、実施態様13に記載のマスキング冶具。
【符号の説明】
【0037】
10 ワークピース
12 外側端部
14 内側端部
16 キャビティ
18 穴
20 プラットフォーム
22 第1のフック
24 第2のフック
26 後縁部
100 外側マスキング冶具
102 可撓性カバー
104 剛性カバー
106 コネクタ
108 隙間
110 ポート(剛性カバー)
112 ポート(可撓性カバー)
114 筐体
116 突出部
118 面取り部
120 締め具
122 周縁部
124 (可撓性カバーの)底壁
126 内側縁部
128 側壁
130 パージ流キャビティ
132 (剛性カバーの)底壁
133 (底壁の)内側表面
134 側壁
135 (側壁の)内側表面
136 キャビティ
200 内側マスキング冶具
202 可撓性カバー
204 剛性カバー
206 コネクタ
208 隙間
210 ポート(剛性カバー)
212 ポート(可撓性カバー)
214 筐体
216 突出部
218 面取り部
220 締め具
222 周縁部
224 (可撓性カバーの)底壁
226 内側縁部
228 側壁
230 パージ流キャビティ
232 (剛性カバーの)底壁
233 (底壁の)内側表面
234 側壁
235 (側壁の)内側表面
236 キャビティ
A 軸方向
R 径方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12