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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】情報提供装置及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20231211BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20231211BHJP
   H04M 11/04 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G08B27/00 A
H04M11/00 302
H04M11/04
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2018189516
(22)【出願日】2018-10-04
(65)【公開番号】P2020060812
(43)【公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-08-23
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】須藤 有希
【審査官】松原 徳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-195030(JP,A)
【文献】特開2005-050236(JP,A)
【文献】米国特許第08782041(US,B1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0070893(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B17/00
19/00-31/00
H04M3/00
3/16-3/20
3/38-3/58
7/00-7/16
11/00-11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所持する通信装置との間でコミュニケーションアプリによりメッセージのやり取りを行うメッセージ送受信部と、
災害に関する情報収集のための問い合わせ内容に応じて、前記ユーザが検索したい観測局の観測項目を前記ユーザに入力させるように誘導するための情報が回答としてあらかじめ登録された問い合わせ回答ファイルと、各地に設置された観測局に関する情報である少なくとも観測局名、前記観測局の設置場所及び観測局の観測項目が対応付けて登録された観測局ファイルとを記憶する提供情報記憶部と、
前記通信装置からの問い合わせ、又は、前記通信装置の位置に応じて、前記観測局ファイルに登録されている前記観測局の設置場所の情報を参照して、前記通信装置の周囲に位置する観測局を検索し、さらに前記通信装置のユーザが選択した前記観測局で観測している観測結果を含む避難支援情報を検索する検索部と、
を備え、
前記メッセージ送受信部は、前記検索部による検索結果をメッセージにより前記通信装置に送信する情報提供装置。
【請求項2】
前記メッセージは、前記情報提供装置と前記通信装置との間で送受信され、質問と回答のメッセージが同一画面上においてやり取りされる形式で表示される、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記観測結果には、前記観測局が撮影した画像、又は、前記観測局の観測内容を見るためのアクセス先のアドレスの情報が含まれる、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記検索部は、前記通信装置が自動又は手動により取得した位置情報に応じて、前記位置情報で特定される前記通信装置の位置の周囲に存在する観測局を検索する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記検索部は、前記通信装置のユーザが入力した任意の場所の周囲に位置する観測局検索する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項6】
不定期なタイミングで発生する災害イベントに関する情報を取得するイベント情報取得部をさらに備え、
前記検索部は、前記通信装置が自動又は手動により取得した位置情報に基づいて生成された検索指示に応じて、前記災害イベントにおける避難所を検索し、
前記メッセージ送受信部は、検索された前記災害イベントにおける避難所を表示させるための情報をメッセージにより前記通信装置に送信する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記検索部は、前記通信装置が自動又は手動により取得した位置情報に応じて、前記位置情報で特定される前記通信装置の位置の周囲に位置する前記災害イベントにおける避難所及び前記避難所の運営状況を検索する、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記提供情報記憶部は、管轄区域を所定の区間に分割するための情報が登録された分割区域情報ファイルをさらに記憶し、
前記分割区域情報ファイルには、前記管轄区域を所定の区間に分割するための情報として、前記管轄区域を所定の領域で分割した分割区域の情報と、各分割区域内に属する観測局及び河川の名称とが対応付けられており、
前記メッセージ送受信部は、分割区域単位で情報を前記メッセージにより前記通信装置に送信する、
請求項6に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記検索部は、前記通信装置によって選択された場所と移動手段に基づいて、前記移動手段を利用して、前記通信装置の現在位置から選択された場所までのルートを検索し、
前記メッセージ送受信部は、検索された前記ルートを表示させるための情報を前記メッセージにより前記通信装置に送信する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項10】
前記検索部は、前記通信装置の位置から目的地までのルートを検索し、検索した前記ルート上に、迂回地点がある場合には迂回地点を迂回した迂回ルートを再度検索し、
前記メッセージ送受信部は、前記迂回ルートと、前記迂回地点の場所の情報とを表示させるための情報をメッセージにより前記通信装置に送信する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項11】
前記提供情報記憶部は、通知を行うトリガとなる条件と、詳細を閲覧するためのURLが対応付けられた異常時通知ファイルを保持し、
前記メッセージ送受信部は、前記避難支援情報を提供するための条件が満たされた場合に、詳細な内容、注意喚起のメッセージ、画像や映像の少なくともいずれかと、詳細を閲覧するためのURLを含む前記避難支援情報を前記通信装置に送信する、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項12】
前記条件は、前記観測局の測定値が基準値に達した場合であ
異常時通知ファイルには、前記基準値に達した際の定型通知メッセージとがさらに含まれる、
請求項11に記載の情報提供装置。
【請求項13】
前記条件は、防災無線に防災無線情報の入電があった場合であ
前記メッセージ送受信部は、前記条件が満たされた場合に、前記詳細な内容及び前記URLを含む前記避難支援情報を前記通信装置に送信する、
請求項11に記載の情報提供装置。
【請求項14】
前記条件は、避難に関する、避難準備情報、避難勧告、避難指示のいずれか発令があった場合であ
前記メッセージ送受信部は、前記条件が満たされた場合に、前記詳細な内容、前記注意喚起のメッセージ及び前記URLを含む前記避難支援情報を前記通信装置に送信する、
請求項11に記載の情報提供装置。
【請求項15】
前記条件は、水位に関する、水防団待機水位、氾濫注意水位、避難判断水位、氾濫危険水位のいずれかに達した場合であ
前記メッセージ送受信部は、前記条件が満たされた場合に、前記画像や映像、前記注意喚起のメッセージ及び前記URLを含む前記避難支援情報を前記通信装置に送信する、
請求項11に記載の情報提供装置。
【請求項16】
前記条件は、ダムの放流が決定、またはダムの放流が開始された場合であ
前記メッセージ送受信部は、前記条件が満たされた場合に、前記詳細な内容、前記注意喚起のメッセージ及び前記URLを含む前記避難支援情報を前記通信装置に送信する、
請求項11に記載の情報提供装置。
【請求項17】
メッセージ送受信部が、ユーザが所持する通信装置との間でコミュニケーションアプリによりメッセージのやり取りを行うメッセージ受信ステップと、
検索部が、前記通信装置からの問い合わせ、又は、前記通信装置の位置に応じて、各地に設置された観測局に関する情報である少なくとも観測局名、前記観測局の設置場所及び観測局の観測項目が対応付けて登録された観測局ファイルに登録されている前記観測局の設置場所の情報を参照して前記通信装置の周囲に位置する観測局を検索し、さらに前記通信装置のユーザが選択した前記観測局で観測している観測結果を含む避難支援情報を検索する検索ステップと、
前記メッセージ送受信部が、前記検索ステップにおける検索結果をメッセージにより前記通信装置に送信するメッセージ送信ステップと、
を有する情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報提供装置及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時の被害を最小限に抑えるためには、被災者が、危険区域や避難所等の災害に関する情報を入手することが危険から身を守るうえで重要である。被災現場において災害に関する情報を得る方法として、スマートフォンやタブレット端末等の通信装置を用いて、Web検索を行う方法がある。しかしながら、Web検索では、操作に手間がかかってしまい、かつ、入手できる情報が膨大となってしまう。そのため、災害現場において、被災者自身が避難を行う上で必要な情報の取捨選択を行う必要があるが現実的には困難である。このように、従来では、災害現場において災害情報や避難所の場所などの早期の避難判断を行うための判断材料を簡便に取得することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-101879号公報
【文献】特開2016-143067号公報
【文献】特開2018-120263号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、災害現場において災害情報や避難所の場所などの早期の避難判断を行うための判断材料を簡便に提供することができる情報提供装置、情報提供システム及び情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の情報提供装置は、メッセージ送受信部と、提供情報記憶部と、検索部とを持つ。メッセージ送受信部は、ユーザが所持する通信装置との間でコミュニケーションアプリによりメッセージのやり取りを行う。提供情報記憶部は、災害に関する情報収集のための問い合わせ内容に応じて、前記ユーザが検索したい観測局の観測項目を前記ユーザに入力させるように誘導するための情報が回答としてあらかじめ登録された問い合わせ回答ファイルと、各地に設置された観測局に関する情報である少なくとも観測局名、前記観測局の設置場所及び観測局の観測項目が対応付けて登録された観測局ファイルとを記憶する。検索部は、前記通信装置からの問い合わせ、又は、前記通信装置の位置に応じて、前記観測局ファイルに登録されている前記観測局の設置場所の情報を参照して、前記通信装置の周囲に位置する観測局を検索し、さらに前記通信装置のユーザが選択した前記観測局で観測している観測結果を含む避難支援情報を検索する。前記メッセージ送受信部は、前記検索部による検索結果をメッセージにより前記通信装置に送信する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態の情報提供システムのシステム構成を示す図。
図2】第1の実施形態における情報提供サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図3】第1の実施形態における提供情報保持サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図4】第1の実施形態における問い合わせ回答ファイルの一例を示す図。
図5】第1の実施形態における観測局ファイルの一例を示す図。
図6】第1の実施形態における情報提供システムが行う問い合わせに応じた処理の流れを示すシーケンス図。
図7】第1の実施形態における情報提供システムが行う問い合わせに応じた処理の流れを示すシーケンス図。
図8】情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図。
図9】情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図。
図10】第2の実施形態における提供情報保持サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図11】第2の実施形態におけるイベント情報ファイルの一例を示す図。
図12】第2の実施形態における分割区域情報ファイルの一例を示す図。
図13】情報提供システムの管轄区域を分割区域情報ファイルに基づいて分割した一例を示す図。
図14】第2の実施形態における情報提供システムにおける情報提供処理の流れを示すシーケンス図。
図15】情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図。
図16】第2の実施形態の変形例として、別の場所の情報を知りたい場合の流れを示すシーケンス図。
図17】情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図。
図18】情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の情報提供装置、情報提供システム及び情報提供方法を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態の情報提供システム1のシステム構成を示す図である。
情報提供システム1は、災害時において早期の避難判断を行うための判断材料となる情報(以下「避難支援情報」という。)を提供するシステムである。避難支援情報とは、例えば、災害情報(例えば、発生している災害の内容、場所及び時刻)、避難所の情報、避難経路の情報、観測局の情報、ダムの情報、河川の情報、防災情報等である。
【0008】
情報提供システム1は、情報提供サーバ10、提供情報保持サーバ20、災害情報収集サーバ30、災害情報提供サーバ40、及び利用者通信装置50を備える。
情報提供サーバ10は、ユーザが所持する利用者通信装置50からの問い合わせ、又は、利用者通信装置50の位置に応じて、避難支援情報を提供するサーバである。
提供情報保持サーバ20は、避難支援情報の提供に必要となる情報を保持し、情報提供サーバ10に対して要求に応じた情報を提供するサーバである。
【0009】
災害情報収集サーバ30は、国や自治体の災害情報を収集して蓄積するサーバである。災害情報収集サーバ30は、蓄積している災害情報を提供情報保持サーバ20及び災害情報提供サーバ40に提供する。
災害情報提供サーバ40は、災害情報収集サーバ30から提供された災害情報を情報提供サーバ10に情報提供、又は、利用者通信装置50からの閲覧要求に応じて災害情報を利用者通信装置50に情報提供するサーバである。
【0010】
情報提供サーバ10、提供情報保持サーバ20、災害情報収集サーバ30及び災害情報提供サーバ40は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。なお、情報提供サーバ10、提供情報保持サーバ20、災害情報収集サーバ30及び災害情報提供サーバ40は、異なる筐体で構成される必要はなく、例えば1つの筐体で実現されてもよい。この場合、情報提供サーバ10、提供情報保持サーバ20、災害情報収集サーバ30及び災害情報提供サーバ40が1つの情報提供装置100として実現されてもよい。
【0011】
利用者通信装置50は、情報提供サーバ10との間でSNS(Social Networking Service)を利用してメッセージのやり取りを行う通信装置である。例えば、SNSは、LINE(登録商標)、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、mixi、Instagram等のようにテキスト形式の情報でメッセージのやり取りが可能なコミュニケーションアプリである。本実施形態では、SNSがLINE(登録商標)である場合を例に説明する。利用者通信装置50は、LINE(登録商標)のメッセージ機能により情報提供サーバ10に対して問い合わせを行い、ユーザが所望する回答を取得する。また、利用者通信装置50は、災害情報提供サーバ40又はインターネット60にアクセスして災害情報を取得する。利用者通信装置50は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置を用いて構成される。
以下、各実施形態について詳細に説明していく。
【0012】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、市民から、発生している災害等の情報収集のための問い合わせに対し、問い合わせ内容を解析し、最適な情報を通知する実施の形態である。本実施の形態では、河川に関する情報と問い合わせを例として説明する。
図2は、第1の実施形態における情報提供サーバ10の機能構成を表す概略ブロック図である。
情報提供サーバ10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、情報提供プログラムを実行する。情報提供プログラムの実行によって、情報提供サーバ10は、メッセージ送受信部11、メッセージ解析部12、検索指示部13、通信部14を備える装置として機能する。なお、情報提供サーバ10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、情報提供プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、情報提供プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0013】
メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50との間でSNSによりメッセージを送受信する機能部である。メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から問い合わせのメッセージを受信し、受信したメッセージに応じた回答を利用者通信装置50に送信する。
【0014】
メッセージ解析部12は、メッセージ送受信部11によって受信されたメッセージを解析する機能部である。例えば、メッセージ解析部12は、受信されたメッセージの内容が、検索が必要となる内容である場合には検索指示部13に対して検索を要求する。また、メッセージ解析部12は、受信されたメッセージの内容が、検索が必要ではない内容である場合にはメッセージの内容に応じた回答を行う。
【0015】
検索指示部13は、通信部14を介して提供情報保持サーバ20に対して、メッセージの応答に必要な情報の検索を指示する機能部である。
通信部14は、提供情報保持サーバ20及び災害情報提供サーバ40との間で通信を行う機能部である。
【0016】
図3は、第1の実施形態における提供情報保持サーバ20の機能構成を表す概略ブロック図である。
提供情報保持サーバ20は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、提供情報保持プログラムを実行する。提供情報保持プログラムの実行によって、提供情報保持サーバ20は、通信部21、検索部22、提供情報記憶部23を備える装置として機能する。なお、提供情報保持サーバ20の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、提供情報保持プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、提供情報保持プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0017】
通信部21は、情報提供サーバ10及び災害情報収集サーバ30との間で通信を行う機能部である。通信部21は、情報提供サーバ10から送信されたメッセージを受信し、メッセージに応じた検索結果を情報提供サーバ10に送信する。
検索部22は、提供情報記憶部23に記憶されている情報の中から、メッセージに応じた情報を検索する機能部である。
【0018】
提供情報記憶部23は、避難支援情報の提供に必要となる情報を記憶する機能部である。提供情報記憶部23は、例えば、地図データ、問い合わせ回答ファイル及び観測局ファイルを記憶する。地図データは、位置情報と、地理情報(市町村、山、河川等の名称を含む)とを含むデータである。問い合わせ回答ファイルは、問い合わせ内容に応じた回答があらかじめ登録されたファイルである。観測局ファイルは、各地に設置された観測局に関する情報が登録されたファイルである。
【0019】
図4は、第1の実施形態における問い合わせ回答ファイルの一例を示す図である。図4は河川に関する問い合わせのための回答ファイルの一例である。
図4に示す問い合わせ回答ファイルは、問い合わせ内容に応じた回答が登録されたレコード(以下「回答レコード」という。)を複数有する。回答レコードは、ケース毎に、観測局名の有無、市町村名の有無、河川名の有無、位置情報の有無、問い合わせ例及び回答の各値を有する。
ケースの値は、回答レコードを識別する番号を表す。
観測局名の有無の値は、情報を確認したい観測局の名称がメッセージに含まれるか否かを表す。
市町村名の有無の値は、情報を確認したい市町村の名称がメッセージに含まれるか否かを表す。
【0020】
河川名の有無の値は、情報を確認したい河川の名称がメッセージに含まれるか否かを表す。
位置情報の有無の値は、問い合わせを行ってきた利用者の利用者通信装置50の位置(例えば、緯度、経度)に関する情報が、問い合わせメッセージに含まれるか否かを表す。
問い合わせ例の値は、問い合わせ内容の一例を表す。
回答の値は、観測局名の有無、市町村名の有無、河川名の有無、位置情報の有無及び問い合わせ例の条件を満たす場合に出力する回答を表す。
【0021】
図4に示される例では、問い合わせ回答ファイルには複数の回答レコードが登録されている。図4において、問い合わせ回答ファイルの最上段に登録されている回答レコードは、ケースの値が“1”、観測局名の有無の値が“×”、市町村名の有無の値が“×”、河川名の有無の値が“×”、位置情報の有無の値が“〇”、問い合わせ例の値が“川、河川”、回答の値が“○×観測局(※最寄の観測局)で表示したい内容を選択してください。”である。すなわち、利用者通信装置50の位置情報があり、利用者通信装置50から送信されたメッセージに観測局名、市町村名及び河川名が無く、“川”又は“河川”の内容が含まれる場合には、“○×観測局(※最寄の観測局)で表示したい内容を選択してください。”と出力することが表されている。
【0022】
図5は、第1の実施形態における観測局ファイルの一例を示す図である。
図5に示す観測局ファイルは、観測局に関する情報が登録されたレコード(以下「観測局レコード」という。)を複数有する。観測局レコードは、観測局名、設置場所、観測項目、観測内容、及びURL(Uniform Resource Locator)の各値を有する。
ケースの値は、回答レコードを識別する番号を表す。
観測局名の値は、観測局の名称を表す。
設置場所の値は、観測局が設置されている場所の位置情報を表す。
【0023】
観測項目の値は、観測局が観測している項目を表す。観測局が観測している項目は、例えば水位、雨量、画像等である。
観測内容の値は、観測局が観測している項目の詳細な内容(河川名、水位の値、雨量の値、画像データ等)を表す。
URLの値は、観測局の観測内容を見るためのアクセス先のアドレスを表す。
【0024】
図6及び図7は、第1の実施形態における情報提供システム1が行う問い合わせに応じた処理の流れを示すシーケンス図である。
また、図8及び図9は、情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図である。
以下、図6及び図7に示すシーケンス図の処理と、図8及び図9に示す利用者通信装置50の画面上に表示されるメッセージのやり取りとを対応付けて説明する。
図6のステップS101において、ユーザは、利用者通信装置50を操作して情報提供システム1に対する問い合わせ内容を入力する。図6では、ユーザは、問い合わせ内容として“川”と入力したとする。この処理により、図8に示すように、利用者通信装置50の画面上には、問い合わせ内容である“川”のメッセージ711が表示される。利用者通信装置50は、入力された“川”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0025】
ステップS102において、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“川”の単語から、問い合わせされているジャンルを“河川”と決定する。その後、メッセージ送受信部11は、メッセージを受信した旨の通知を利用者通信装置50に返信する。
【0026】
ステップS103において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10からメッセージを受信した旨の通知を受信すると、自装置の設定が位置情報を自動で取得する設定になっているか否かを判定する。自装置の設定が位置情報を自動で取得する設定になっている場合(ステップS103-YES)、利用者通信装置50は位置情報を取得して、取得した位置情報を情報提供サーバ10に送信する。一方、自装置の設定が位置情報を自動で取得する設定になっていない場合(ステップS103-NO)、利用者通信装置50は画面上に手動により位置情報を送信させる旨の表示を行う。この時、手動により位置情報を送信させる旨の表示は、位置情報を付加するための具体的な操作方法を表示すると、なおよい。図6及び図7のシーケンス図では、利用者通信装置50の設定が位置情報を自動で取得する設定になっているものとする。
【0027】
ステップS104において、ユーザによって位置情報を送信する旨の指示がなされると、利用者通信装置50は位置情報を取得して、取得した位置情報を情報提供サーバ10に送信する。
ステップS105において、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信された位置情報を受信する。メッセージ送受信部11は、受信した位置情報を、メッセージ解析部12を介して検索指示部13に出力する。検索指示部13は、取得した位置情報で特定される位置の最寄りの観測局の観測項目の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20に対して送信する。
【0028】
ステップS106において、提供情報保持サーバ20の通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23に記憶されている観測局ファイルを参照し、位置情報で特定される位置の最寄りの観測局の項目を検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。例えば、検索結果には、水位、雨量、画像の情報が含まれる。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20から送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0029】
ステップS107において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された最寄りの観測局の観測項目の検索結果を表示する。この処理により、図8に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“川”のメッセージ711の下に、最寄りの観測局(図8では、〇×観測局)の観測項目、例えば、水位、雨量、画像及びその他の項目が表示される。
【0030】
ステップS108において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“その他”を選択したとする。この処理により、図8に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“その他”のメッセージ711が追加で表示される。利用者通信装置50は、選択された“その他”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。なお、選択の方法は、画面上に表示された文字を選択してもよいし、文字入力することによって実行されてもよい。利用者通信装置50は、選択された“画像”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0031】
ステップS109において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“その他”から、検索指示部13に対して、利用者通信装置50の位置から半径○km以内の河川を検索させるように指示する。検索指示部13は、利用者通信装置50の位置から半径○km以内の河川を検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20に対して送信する。
【0032】
ステップS110において、提供情報保持サーバ20の通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23に記憶されている地図データを参照し、利用者通信装置50の位置から半径○km以内の河川を全て検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。例えば、検索結果には、利用者通信装置50の位置から半径○km以内にある全ての河川の情報(例えば、X川、Y川、Z川)が含まれるものとする。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20から送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0033】
ステップS111において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された検索結果に含まれる河川の情報を表示する。この処理により、図8に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“その他”のメッセージ711の下に、利用者通信装置50の位置から半径○km以内にある全ての河川の情報、例えば、X川、Y川、Z川及びその他の項目が表示される。
【0034】
図7のステップS112において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“X川”を選択したとする。この処理により、図8に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“X川”のメッセージ711が追加で表示される。利用者通信装置50は、選択された“X川”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0035】
ステップS113において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“X川”から、検索指示部13に対して、“X川”を観測する観測局を検索させるように指示する。検索指示部13は、“X川”を観測する観測局を検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20に対して送信する。
【0036】
ステップS114において、提供情報保持サーバ20の通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23に記憶されている観測局ファイルを参照し、“X川”を観測する観測局を全て検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。例えば、検索結果には、“X川”を観測する全ての観測局の情報(例えば、A局、B局、C局、D局、E局)が含まれるものとする。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20から送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0037】
ステップS115において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された検索結果に含まれる“X川”を観測する全ての観測局の情報を表示する。この処理により、図8に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“X川”のメッセージ711の下に、“X川”を観測する全ての観測局の情報、例えば、A局、B局、C局、D局、E局及びその他の項目が表示される。
【0038】
ステップS116において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“A局”を選択したとする。この処理により、図9に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“A局”のメッセージ711が追加で表示される。利用者通信装置50は、選択された“A局”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0039】
ステップS117において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“A局”から、検索指示部13に対して、“A局”の観測項目を検索させるように指示する。検索指示部13は、“A局”の観測項目を検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20に対して送信する。
【0040】
ステップS118において、提供情報保持サーバ20の通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23に記憶されている観測局ファイルを参照し、“A局”の観測項目を検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。例えば、検索結果には、水位、雨量、画像の情報が含まれる。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20から送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0041】
ステップS119において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された“A局”の観測項目の検索結果を表示する。この処理により、図9に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“A局”のメッセージ711の下に、“A局”の観測項目“A局”の観測項目、例えば、水位、雨量、画像及びその他の項目が表示される。
【0042】
ステップS120において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“画像”を選択したとする。この処理により、図9に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“画像”のメッセージ711が追加で表示される。
【0043】
ステップS121において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“画像”から、検索指示部13に対して、“A局”で撮像された画像と、画像のURLとを検索させるように指示する。検索指示部13は、“A局”で撮像された画像と、画像のURLとを検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20に対して送信する。
【0044】
ステップS122において、提供情報保持サーバ20の通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23に記憶されている観測局ファイルを参照し、“A局”で撮像された画像と、画像のURLとを検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20から送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0045】
ステップS123において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された検索結果に含まれる“A局”で撮像された画像と、画像のURLを表示する。この処理により、図9に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“画像”のメッセージ711の下に、“A局”で撮像された画像と、画像のURLが表示される。
【0046】
以上のように構成された第1の実施形態における情報提供システム1によれば、ユーザから問い合わせがあった際、問い合わせ内容を解析し、最適な情報を通知することができる。具体的には、情報提供システム1は、ユーザの周辺における観測局や河川の情報を単純なメッセージのやり取りで提供することができる。そのため、災害現場において早期の避難判断を行うための判断材料を簡便に提供することが可能になる。
【0047】
本実施の形態では、河川に関する情報の問い合わせの例を説明したが、問い合わせの例はこれに限られない。例えば、問い合わせ内容としては、道路、鉄道等の交通機関、がけ崩れ等の情報であってもよい。この場合も、ユーザが、問い合わせしたい位置を入力することで、所望の情報を入手することができる。
【0048】
(第1の実施形態の変形例)
図6では、位置情報は自動または手動で入力しているが、必ずしも利用者通信装置50の現在位置情報に基づいて、利用者通信装置50が位置している付近の情報を検索して提示するのではなく、ユーザが利用者通信装置50を操作して遠方の任意の場所を入力して、提供情報保持サーバ20が任意に入力された場所に関する、河川等の情報を提供するように構成されてもよい。
このような状況が想定されるケースは、ユーザが現在いる場所から離れた場所の情報を知りたい場合である。具体例としては、遠方に住んでいる家族又は親戚等の親族、知人がいる場所付近の情報を知りたい場合や、旅行を予定している旅行先の状況を知りたい場合や、目的までの移動中の途中の経路の状況を知りたい場合や、会社等のように自宅から離れた場所にいる時に自宅付近の情報を知りたい場合である。
なお、位置情報が入力された後の動作は、図6及び図7の流れと同様である。
【0049】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、災害発生時の避難所の検索、及び避難ルートに関する情報を提供する実施の形態である。以下、第1の実施形態と異なる点についてのみ説明する。
【0050】
図10は、第2の実施形態における提供情報保持サーバ20aの機能構成を表す概略ブロック図である。
提供情報保持サーバ20aは、提供情報記憶部23に代えて提供情報記憶部23aを備える点、イベント情報取得部24を新たに備える点で提供情報保持サーバ20と構成が異なる。提供情報保持サーバ20aは、他の構成については提供情報保持サーバ20と同様である。そのため、提供情報保持サーバ20a全体の説明は省略し、提供情報記憶部23a及びイベント情報取得部24について説明する。
【0051】
提供情報保持サーバ20aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、提供情報保持プログラムを実行する。提供情報保持プログラムの実行によって、提供情報保持サーバ20aは、通信部21、検索部22、提供情報記憶部23a及びイベント情報取得部24を備える装置として機能する。なお、提供情報保持サーバ20aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、提供情報保持プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、提供情報保持プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0052】
イベント情報取得部24は、イベントに関する情報(以下「イベント情報」という。)を取得する機能部である。イベントとは、崖崩れ、火災、浸水、通行止め等の災害、避難所の設置等の不定期なタイミングで発生する事象を表す。イベント情報取得部24は、例えば、災害情報収集サーバ30からイベント情報を取得してもよいし、管理者からの手入力によりイベント情報を取得してもよい。イベント情報取得部24は、取得したイベント情報を提供情報記憶部23aに記憶する。
【0053】
提供情報記憶部23aは、避難支援情報の提供に必要となる情報を記憶する機能部である。提供情報記憶部23aは、例えば、地図データ、問い合わせ回答ファイル、観測局ファイル、イベント情報ファイル及び分割区域情報ファイルを記憶する。地図データ、問い合わせ回答ファイル及び観測局ファイルは、第1の実施形態で説明したため、省略する。イベント情報ファイルは、イベント情報取得部24によって取得されたイベント情報が登録されたファイルである。分割区域情報ファイルは、情報提供システム1の管轄区域を所定の区間に分割するための情報が登録されたファイルである。
【0054】
図11は、第2の実施形態におけるイベント情報ファイルの一例を示す図である。
図11に示すイベント情報ファイルは、イベント情報が登録されたレコード(以下「イベント情報レコード」という。)を複数有する。イベント情報レコードは、イベント、発生場所、内容及びURLの各値を有する。
イベントの値は、実際に発生しているイベント(災害の種類等)を表す。
発生場所の値は、イベントが発生している場所の位置情報を表す。
内容の値は、発生しているイベントの詳細な内容を表す。例えば、内容として、どの河川で浸水が発生しているのか、道路で通行止めが発生しているか、避難所の運営状況等の内容を表す。
URLの値は、イベントの内容を見るためのアクセス先のアドレスを表す。
【0055】
図12は、第2の実施形態における分割区域情報ファイルの一例を示す図である。
図12に示す分割区域情報ファイルは、分割区域が登録されたレコード(以下「分割区域情報レコード」という。)を複数有する。分割区域情報レコードは、分割区域及び区域内に属する観測局や河川の各値を有する。
分割区域の値は、分割する区域の領域を表す。例えば、分割区域は、町や番地ごと、一定半径で円形状、格子状等のように所定の領域を表す。本実施形態では、格子状とする。
区域内に属する観測局や河川の値は、分割区域内に属する観測局や河川の名称を表す。
【0056】
図13は、情報提供システム1の管轄区域を分割区域情報ファイルに基づいて分割した一例を示す図である。
図13に示すように、管轄区域を複数の領域に分割することによってどの区域にどの観測局や河川が属するのか明確になる。これにより、1つの分割区域単位で情報を提供することができる。
【0057】
図14は、第2の実施形態における情報提供システム1における情報提供処理の流れを示すシーケンス図である。
また、図15は、情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図である。
ここで、図14に示すシーケンス図の処理と、図15に示す利用者通信装置50の画面上に表示されるメッセージのやり取りとを対応付けて説明する。
【0058】
図14のステップS201において、ユーザは、利用者通信装置50を操作して情報提供システム1に対する問い合わせ内容を入力する。図14では、ユーザは、問い合わせ内容として“避難”と入力したとする。この処理により、図15に示すように、利用者通信装置50の画面上には、問い合わせ内容である“避難”のメッセージ711が表示される。利用者通信装置50は、入力された“避難”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0059】
ステップS202において、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“避難”の単語から、問い合わせされているジャンルを決定する。この場合、メッセージ解析部12は、問い合わせされているジャンルを“避難所”と決定する。その後、メッセージ送受信部11は、メッセージを受信した旨の通知を利用者通信装置50に返信する。
【0060】
ステップS203において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から通知を受信すると、自装置の設定が位置情報を自動で取得する設定になっているか否かを判定する。自装置の設定が位置情報を自動で取得する設定になっている場合(ステップS203-YES)、利用者通信装置50は位置情報を取得して、取得した位置情報を情報提供サーバ10に送信する。一方、自装置の設定が位置情報を自動で取得する設定になっていない場合(ステップS203-NO)、利用者通信装置50は画面上に手動により位置情報を送信させる旨の表示を行う。図14のシーケンス図では、利用者通信装置50の設定が位置情報を自動で取得する設定になっていないものとする。この場合、図15に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“避難”のメッセージ711の下に、位置情報を送信させる旨のメッセージが表示される。
【0061】
ステップS204において、ユーザによって位置情報を送信する旨の指示がなされると、利用者通信装置50は位置情報を取得して、取得した位置情報を情報提供サーバ10に送信する。具体的には、ユーザによって、画面上に表示されたメッセージに従って位置情報を送信する旨の指示がなされると、利用者通信装置50は位置情報を取得して、取得した位置情報を情報提供サーバ10に送信する。この処理により、図15に示すように、利用者通信装置50の画面上には、利用者通信装置50の位置情報を送信した旨のメッセージ711が表示される。
【0062】
ステップS205において、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信された位置情報を受信する。メッセージ送受信部11は、受信した位置情報を、メッセージ解析部12を介して検索指示部13に出力する。検索指示部13は、取得した位置情報で特定される位置の最寄りの避難所の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20aに対して送信する。
【0063】
ステップS206において、提供情報保持サーバ20aの通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23aに記憶されているイベント情報ファイルを参照し、位置情報で特定される位置の最寄りの避難所を検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。例えば、検索結果には、避難所の項目(例えば、運営状況、場所)が含まれる。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20aから送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0064】
ステップS207において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された最寄りの避難所の項目の検索結果を表示する。この処理により、図15に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“位置情報”のメッセージ711の下に、最寄りの避難所(図15では、〇×避難所)の項目、例えば、運営状況、場所の項目が表示される。
【0065】
ステップS208において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“運営状況”を選択したとする。この処理により、図15に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“運営状況”のメッセージ711が追加で表示される。利用者通信装置50は、選択された“運営状況”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0066】
ステップS209において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“運営状況”から、検索指示部13に対して、最寄りの避難所の運営状況と、避難所のURLとを検索させるように指示する。検索指示部13は、最寄りの避難所の運営状況と、避難所のURLとを検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20aに対して送信する。
【0067】
ステップS210において、提供情報保持サーバ20aの通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23aに記憶されているイベント情報ファイルを参照し、最寄りの避難所の運営状況と、避難所のURLを検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20aから送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0068】
ステップS211において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された検索結果に含まれる避難所の運営状況と、避難所のURLを表示する。この処理により、図15に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“運営状況”のメッセージ711の下に、避難所の運営状況と、避難所のURLが表示される。
【0069】
(第2の実施形態の第1の変形例)
第2の実施形態の変形例として、別の場所の状況を知りたい場合の動作について、説明する。
図16は、第2の実施形態の変形例として、別の場所の情報を知りたい場合の流れを示すシーケンス図である。
また、図17及び図18は、情報提供サーバと利用者通信装置との間で行われるメッセージのやり取り画面の一例を示す図である。
なお、図16では、図14のステップS208の処理で“場所”が選択された場合の処理について説明する。また、図16に示すシーケンス図の処理と、図17及び図18に示す利用者通信装置50の画面上に表示されるメッセージのやり取りとを対応付けて説明する。
【0070】
ステップS301において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“場所”を選択したとする。この処理により、図17に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“場所”のメッセージ711が追加で表示される。利用者通信装置50は、選択された“場所”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0071】
ステップS302において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに“場所”の情報が含まれる場合、メッセージ送受信部11を介して、利用者通信装置50に対して現時点から選択された場所までの移動方法を提示する。提示する移動方法には、例えば徒歩、自動車、交通機関等が含まれる。
【0072】
ステップS303において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信された移動方法の情報を表示する。この処理により、図17に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“場所”のメッセージ711の下に、移動方法の情報、例えば、徒歩、自動車及び交通機関の項目が表示される。
【0073】
ステップS304において、ユーザは、利用者通信装置50の表示画面上に表示された複数の項目のうち所望の項目を選択する。ここでユーザが、“交通機関”を選択したとする。この処理により、図17に示すように、利用者通信装置50の画面上には、“交通機関”のメッセージ711が追加で表示される。利用者通信装置50は、選択された“交通機関”を含むメッセージを生成し、生成したメッセージを情報提供サーバ10に送信する。
【0074】
ステップS305において、メッセージ送受信部11は、利用者通信装置50から送信されたメッセージを受信する。メッセージ送受信部11は、受信したメッセージをメッセージ解析部12に出力する。メッセージ解析部12は、メッセージに含まれる“交通機関”から、検索指示部13に対して、指定された“交通機関”を利用して、利用者通信装置50の現在位置から選択された場所までのルートを検索させるように指示する。検索指示部13は、指定された“交通機関”を利用して、利用者通信装置50の現在位置から選択された場所までのルートを検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20aに対して送信する。
【0075】
ステップS306において、提供情報保持サーバ20aの通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23aに記憶されている地図データを参照し、利用者通信装置50の現在位置から選択された場所までの最適なルートを検索する。ここで、最適なルートとは、例えば移動距離が最短のルートである。なお、検索部22は、イベント情報ファイルを参照し、検索された最適なルート上に、交通機関が利用できない区間、災害(例えば、洪水、土砂崩れ、通行止め等)等の迂回地点があるか否かを検索する。検索された最適なルート上に、交通機関が利用できない区間、災害(例えば、洪水、土砂崩れ、通行止め等)等の迂回地点がある場合、迂回地点がある旨を検索結果に含める。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。
【0076】
ステップS307において、情報提供サーバ10の通信部14は、提供情報保持サーバ20aから送信された検索結果を受信する。通信部14は、受信した検索結果をメッセージ送受信部11に出力する。メッセージ送受信部11は、最適なルート上に、交通機関が利用できない区間、災害(例えば、洪水、土砂崩れ、通行止め等)等の迂回地点があるか否かを判定する。迂回地点がある旨の通知が検索結果に含まれる場合、メッセージ送受信部11は迂回地点があると判定する。一方、迂回地点がある旨の通知が検索結果に含まれない場合、メッセージ送受信部11は迂回地点がないと判定する。
【0077】
迂回地点がない場合(ステップS307-NO)、メッセージ送受信部11は最適なルートの情報を含む検索結果を利用者通信装置50に送信する。一方、迂回地点がある場合(ステップS307-YES)、メッセージ送受信部11はステップS308の処理を行う。
【0078】
ステップS308において、検索指示部13は、迂回地点を迂回したルートを検索する旨の検索指示を生成する。そして、検索指示部13は、通信部14を介して、生成した検索指示を提供情報保持サーバ20aに対して送信する。
【0079】
ステップS309において、提供情報保持サーバ20aの通信部21は、情報提供サーバ10から送信された検索指示を受信する。通信部21は、受信した検索指示を検索部22に出力する。検索部22は、検索指示にしたがって、提供情報記憶部23aに記憶されている地図データを参照し、迂回地点を迂回したルートを検索する。検索部22は、通信部21を介して検索結果を情報提供サーバ10に送信する。例えば、検索結果には、迂回地点を迂回したルート、迂回地点の内容及び詳細情報のURLが含まれるものとする。メッセージ送受信部11は、提供情報保持サーバ20aから送信された検索結果を利用者通信装置50に送信する。
【0080】
ステップS310において、利用者通信装置50は、情報提供サーバ10から送信されたルートの情報を表示する。例えば、情報提供サーバ10から送信されたルートの情報に迂回ルートの情報が含まれない場合、利用者通信装置50は、最適なルートの情報を表示する。この場合、図17に示すように、利用者通信装置50の画面上には、最適なルートの情報が表示される。一方、情報提供サーバ10から送信されたルートの情報に迂回ルートの情報が含まれる場合、利用者通信装置50は、迂回地点を迂回したルート、迂回地点の内容及び詳細情報のURLの情報を表示する。この場合、図18に示すように、利用者通信装置50の画面上には、迂回地点を迂回したルート、迂回地点の内容及び詳細情報のURLの情報が表示される。
【0081】
以上のように構成された第2の実施形態における情報提供システム1によれば、ユーザから問い合わせがあった際、ユーザの利用者通信装置50の位置情報に基づいて目的地までの最適なルートの情報を提供することができる。また、最適なルート上に、迂回地点があった場合には迂回地点を迂回したルートの情報を提供することができる。そのため、災害現場において災害情報や避難所の場所などの早期の避難判断を行うための判断材料を簡便に提供することが可能になる。
【0082】
(第2の実施形態の第2の変形例)
イベント情報取得部24は、イベント情報ファイルに登録されているイベントが終了した場合には、終了したイベントに対応するイベント情報レコードを削除するように構成されてもよい。
【0083】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、提供情報保持サーバ20、災害情報収集サーバ30、災害情報提供サーバ40及びインターネット60等から情報を収集、解析を行い、基準値に測定値が達した際や、情報の入電をトリガに自動でユーザに情報を提供する実施の形態である。
第3の実施形態において、提供情報保持サーバ20は、通知を行うトリガとなる基準値とその基準値に達した際の定型通知メッセージ、詳細を閲覧することのできるURLが対応付けられた異常時通知ファイルを保持する。
【0084】
また、第3の実施形態において、情報提供サーバ10は、以下に示すいずれかの条件が満たされた場合に情報を提供する。
(条件1):防災無線情報が防災無線装置に入電した場合
条件1が満たされた場合、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、詳細な内容及び詳細URLを少なくとも含む情報を避難支援情報として全ユーザに対して送信する。
【0085】
(条件2):避難準備情報、避難勧告、避難指示が発令された場合
条件2が満たされた場合、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、詳細な内容、注意喚起のメッセージ及び詳細URLを少なくとも含む情報を避難支援情報として全ユーザに対して送信する。
【0086】
(条件3):水防団待機水位、氾濫注意水位、避難判断水位、氾濫危険水位などに達した場合
条件3が満たされた場合、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、水位などのデータやCCTVの画像や映像、注意喚起のメッセージ、詳細URLを少なくとも含む情報を避難支援情報として全ユーザに対して送信する。
【0087】
(条件4):ダムの放流が決定、ダムの放流が開始した場合
条件4が満たされた場合、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、詳細な内容や注意喚起のメッセージ、詳細URLを少なくとも含む情報を避難支援情報として全ユーザに対して送信する。
【0088】
(条件5):大きな気象の変化があったときや光化学スモッグなどの注意報が発令されている場合
条件5が満たされた場合、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、詳細な内容、詳細URLを少なくとも含む情報を避難支援情報として全ユーザに対して送信する。
【0089】
以上のように構成された第3の実施形態における情報提供システム1によれば、異常時において自動で異常通報の情報を提供することもできる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0090】
(第4の実施形態)
第4の実施形態は、日時と、通知内容とを事前に設定し、全ユーザもしくは希望するユーザに対して情報を提供する実施の形態である。
第4の実施形態において、提供情報保持サーバ20は、定時に通知する情報と詳細URL、又は、イベントなどの通知内容と詳細URLと、その情報を通知する日時が対応付けられた平常時通知ファイルを保持する。
【0091】
また、第4の実施形態において、情報提供サーバ10のメッセージ送受信部11は、管轄区域での気象情報(今日の天気、明日の天気)などの定期的に必要となる情報を定時に全ユーザもしくは希望するユーザに対して送信する。
また、メッセージ送受信部11は、管轄区域での年間行事などの行事情報を、平常時通知ファイルに示された日時に全ユーザもしくは希望するユーザに対して送信する。
【0092】
以上のように構成された第4の実施形態における情報提供システム1によれば、災害情報以外の情報を提供することもできる。これにより、利便性を向上させることができる。
【0093】
(第1の実施形態~第4の実施形態に共通する変形例)
以下、第1の実施形態~第4の実施形態に共通する変形例について説明する。
第1の実施形態~第4の実施形態に示す構成は組み合わせて実現されてもよい。
情報提供サーバ10は、利用者通信装置50の位置情報を以下のように取得してもよい。例えば、情報提供サーバ10は、ユーザから住所を送信してもらい位置情報を取得してもよいし、ユーザからアイコンとなる施設や川やダム、観測所などの情報を送信してもらい、その情報から住所の検索を行うことによって位置情報を取得してもよい。
【0094】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、ユーザが所持する通信装置との間でコミュニケーションアプリによりメッセージのやり取りを行うメッセージ送受信部と、通信装置からの問い合わせ、又は、通信装置の位置に応じて、災害時において避難判断を行うための判断材料となる避難支援情報を検索する検索部と、を備え、メッセージ送受信部は、検索結果をメッセージにより通信装置に送信する構成を持つことにより、災害現場において災害情報や避難所の場所などの早期の避難判断を行うための判断材料を簡便に提供することができる。
【0095】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0096】
100…情報提供装置、10…情報提供サーバ,11…メッセージ送受信部,12…メッセージ解析部,13…検索指示部,14…通信部,20、20a…提供情報保持サーバ,21…通信部,22…検索部,23、23a…提供情報記憶部,30…災害情報収集サーバ,40…災害情報提供サーバ,50…利用者通信装置
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