(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】超音波診断装置、情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/00 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61B8/00
(21)【出願番号】P 2019044397
(22)【出願日】2019-03-12
【審査請求日】2022-01-26
(31)【優先権主張番号】P 2018050033
(32)【優先日】2018-03-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 俊介
【審査官】後藤 昌夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-220830(JP,A)
【文献】国際公開第2017/073331(WO,A1)
【文献】特開2012-043266(JP,A)
【文献】特開平06-051908(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0113627(US,A1)
【文献】特開2010-224764(JP,A)
【文献】特開2013-31677(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
A61B 6/00-6/14
A61B 5/055
A61B 5/00-5/01
G06F 3/01
G06F 3/048-3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ面に操作対象を表示するとともに、前記操作対象を用いたタッチ操作を受け付ける受付部と、
前記操作対象を用いたタッチ操作にお
ける最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作を前記タッチ面に表示された前記操作対象の動作に反映させる制御部と、
を備え、
前記タッチ面は、前記タッチ操作にお
ける最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作が前記操作対象に反映される第1の領域と、前記第1の領域以外の第2の領域とを含み、
前記制御部は、前記第1の領域に対するタッチ操作中に前記第2の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合に、
前記第1の領域に表示された操作対象の位置を記憶部に記憶させ、前記第2の領域においてタッチされた位置に前記操作対象を移動させ、再度前記第1の領域に対するタッチ操作が実行された際に、前記記憶部に記憶された位置に前記操作対象を移動させることで、前記タッチ面における前記第1の領域に表示された前記操作対象の位置を維持するように制御する、超音波診断装置。
【請求項2】
前記制御部は、少なくともタッチ操作の移動量、前記タッチ操作の移動方向、及び、前記タッチ操作の種別を含む操作情報に対応する動作を、前記操作対象の動作に反映させる、請求項1に記載の超音波診断装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記第1の領域に超音波画像を表示させた状態で所定の操作を受け付けた場合にタッチ位置の情報を含む操作情報を前記操作対象に反映させるように制御して前記タッチ面に対してタッチされた位置の近傍に前記操作対象を移動させ、前記タッチ面に対するタッチに続いて所定のタッチ操作が受け付けられた場合に、前記タッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作を、移動させた前記操作対象の動作に反映させる、請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
【請求項4】
前記制御部は、計測処理、文字入力処理、ピクトグラム付加処理及び描画処理のうち、少なくとも1つの処理において表示された前記操作対象の動作に対して、前記
最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作を反映させる、請求項1~3のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項5】
前記受付部は、前記操作対象を用いたタッチ操作を確定するための確定ボタンを表示し、
前記制御部は、前記確定ボタンに対してタッチ操作を受け付けた場合、前記タッチ位置の情報を含む操作情報に対応する動作を前記操作対象の動作に反映させる、請求項1~4のいずれか1つに記載の超音波診断装置。
【請求項6】
タッチ面に操作対象を表示するとともに、前記操作対象を用いたタッチ操作を受け付ける受付部と、
前記操作対象を用いたタッチ操作にお
ける最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作を前記タッチ面に表示された前記操作対象の動作に反映させる制御部と、
を備え、
前記タッチ面は、前記タッチ操作にお
ける最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作が前記操作対象に反映される第1の領域と、前記第1の領域以外の第2の領域とを含み、
前記制御部は、前記第1の領域に対するタッチ操作中に前記第2の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合に、
前記第1の領域に表示された操作対象の位置を記憶部に記憶させ、前記第2の領域においてタッチされた位置に前記操作対象を移動させ、再度前記第1の領域に対するタッチ操作が実行された際に、前記記憶部に記憶された位置に前記操作対象を移動させることで、前記タッチ面における前記第1の領域に表示された前記操作対象の位置を維持するように制御する、情報処理装置。
【請求項7】
タッチ面に操作対象を表示するとともに、前記操作対象を用いたタッチ操作を受け付け、
前記操作対象を用いたタッチ操作にお
ける最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作を前記タッチ面に表示された前記操作対象の動作に反映させ、
前記タッチ操作における
最初のタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作が前記操作対象に反映される第1の領域と、前記第1の領域以外の第2の領域とを含む前記タッチ面において、前記第1の領域に対するタッチ操作中に前記第2の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合に、
前記第1の領域に表示された操作対象の位置を記憶部に記憶させ、前記第2の領域においてタッチされた位置に前記操作対象を移動させ、再度前記第1の領域に対するタッチ操作が実行された際に、前記記憶部に記憶された位置に前記操作対象を移動させることで、前記タッチ面における前記第1の領域に表示された前記操作対象の位置を維持するように制御する、
各処理をコンピュータに実行させる、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、超音波診断装置、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、タッチ操作によって入力操作を行うシステムでは、タッチ操作によってカーソル等の操作対象を操作することで、所望の入力操作が行われる。かかるタッチ操作においては、例えば、操作対象を表示させるタッチモニタ上でタッチされた位置(座標)に操作対象を表示させたり、表示された操作対象をタッチされた位置に移動させたりする。また、このようなタッチ操作では、例えば、操作者のドラッグ操作に追従して操作対象が移動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許出願公開第2013/0324850号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、操作対象の視認性を向上することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る超音波診断装置は、受付部と、制御部とを備える。受付部は、タッチ面に操作対象を表示するとともに、前記操作対象を用いたタッチ操作を受け付ける。制御部は、前記操作対象を用いたタッチ操作において、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作を前記タッチ面に表示された前記操作対象の動作に反映させる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置による処理の概要を説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置による処理の一例を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係るタッチモニタに対する機能の割り当ての一例を説明するための図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置による処理の一例を説明するための図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る超音波診断装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の処理の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る超音波診断装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第3の実施形態に係る超音波診断装置による処理の一例を説明するための図である。
【
図11】
図11は、第3の実施形態に係る超音波診断装置による処理の一例を説明するための図である。
【
図12】
図12は、第3の実施形態に係る超音波診断装置による処理の一例を説明するための図である。
【
図13】
図13は、第3の実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、実施形態に係る超音波診断装置、情報処理装置及び情報処理プログラムについて説明する。なお、以下で説明する実施形態は一例であり、本実施形態に係る超音波診断装置、情報処理装置及び情報処理プログラムは、以下の説明に限定されるものではない。
【0008】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の構成の一例を示すブロック図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、装置本体100と、超音波プローブ101と、入力インターフェース102と、ディスプレイ103とを有する。超音波プローブ101、入力インターフェース102、及びディスプレイ103は、装置本体100と通信可能に接続される。
【0009】
超音波プローブ101は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、装置本体100が有する送受信回路110から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ101は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。すなわち、超音波プローブ101は、被検体Pに対して超音波走査を行って、被検体Pから反射波を受信する。また、超音波プローブ101は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材等を有する。なお、超音波プローブ101は、装置本体100と着脱自在に接続される。
【0010】
超音波プローブ101から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ101が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁等の表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
【0011】
本実施形態では、超音波プローブ101は、被検体を2次元で走査する1Dアレイプローブであっても、被検体を3次元で走査する3次元プローブすなわちメカニカル4Dプローブや2Dアレイプローブであっても適用可能である。
【0012】
入力インターフェース102は、所定の位置(例えば、組織形状の位置や、関心領域、関心領域以外の領域等)の設定等を行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチモニタ、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。入力インターフェース102は、後述する処理回路150に接続されており、操作者(ユーザ)から受け付けた入力操作を電気信号へ変換し処理回路150へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース102は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0013】
ディスプレイ103は、超音波診断装置1の操作者(ユーザ)が入力インターフェース102を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体100において生成された超音波画像データ等を表示したりする。また、ディスプレイ103は、装置本体100の処理状況や処理結果を操作者に通知するために、各種のメッセージや表示情報を表示する。また、ディスプレイ103は、スピーカーを有し、音声を出力することもできる。
【0014】
装置本体100は、超音波プローブ101が受信した反射波信号に基づいて超音波画像データを生成する装置である。
図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波データ(エコーデータ)に基づいて2次元の超音波画像データを生成可能な装置である。また、
図1に示す装置本体100は、超音波プローブ101が受信した3次元の反射波データに基づいて3次元の超音波画像データ(ボリュームデータ)を生成可能な装置である。
【0015】
装置本体100は、
図1に示すように、送受信回路110と、Bモード処理回路120と、ドプラ処理回路130と、記憶回路140と、処理回路150と、通信インターフェース160とを有する。送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130、記憶回路140、処理回路150、及び通信インターフェース160は、互いに通信可能に接続される。また、装置本体100は、ネットワーク2に接続される。
【0016】
送受信回路110は、パルス発生器、送信遅延部、パルサ等を有し、超音波プローブ101に駆動信号を供給する。パルス発生器は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延部は、超音波プローブ101から発生される超音波をビーム状に集束し、かつ送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの遅延時間を、パルス発生器が発生する各レートパルスに対し与える。また、パルサは、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ101に駆動信号(駆動パルス)を印加する。すなわち、送信遅延部は、各レートパルスに対し与える遅延時間を変化させることで、圧電振動子面から送信される超音波の送信方向を任意に調整する。
【0017】
なお、送受信回路110は、後述する処理回路150の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧等を瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
【0018】
また、送受信回路110は、プリアンプ、A/D(Analog/Digital)変換器、受信遅延部、加算器等を有し、超音波プローブ101が受信した反射波信号に対して各種処理を行って反射波データを生成する。プリアンプは、反射波信号をチャネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅された反射波信号をA/D変換する。受信遅延部は、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、受信遅延部によって処理された反射波信号の加算処理を行って反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調され、受信指向性と送信指向性とにより超音波送受信の総合的なビームが形成される。
【0019】
送受信回路110は、被検体Pを2次元走査する場合、超音波プローブ101から2次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した2次元の反射波信号から2次元の反射波データを生成する。また、本実施形態に係る送受信回路110は、被検体Pを3次元走査する場合、超音波プローブ101から3次元の超音波ビームを送信させる。そして、送受信回路110は、超音波プローブ101が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
【0020】
ここで、送受信回路110からの出力信号の形態は、RF(Radio Frequency)信号と呼ばれる位相情報が含まれる信号である場合や、包絡線検波処理後の振幅情報である場合等、種々の形態が選択可能である。
【0021】
Bモード処理回路120は、送受信回路110から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理等を行って、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
【0022】
ドプラ処理回路130は、送受信回路110から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、速度、分散、パワー等の移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。具体的には、ドプラ処理回路130は、移動体の運動情報として、平均速度、平均分散値、平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれでドプラデータを生成する。ここで、移動体とは、例えば、血流や、心壁等の組織、造影剤である。ドプラ処理回路130は、血流の運動情報(血流情報) として、血流の平均速度、血流の平均分散値、血流の平均パワー値等を、複数のサンプル点それぞれで推定した情報を生成する。
【0023】
ドプラ処理回路130は、MTIフィルタ及び血流情報生成部を有し、例えば、カラードプラ法を実行し、血流情報を算出する。カラードプラ法では、超音波の送受信が同一の走査線上で複数回行なわれ、同一位置のデータ列に対してMTI(Moving Target Indicator)フィルタを掛けることで、静止している組織、或いは、動きの遅い組織に由来する信号(クラッタ信号)を抑制して、血流に由来する信号を抽出する。そしてカラードプラ法では、この血流信号から血流の速度、血流の分散、血流のパワー等の血流情報を推定する。
【0024】
MTIフィルタは、フィルタ行列を用いて、同一位置(同一サンプル点)の連続した反射波データのデータ列から、クラッタ成分が抑制され、血流に由来する血流信号が抽出されたデータ列を出力する。血流情報生成部は、MTIフィルタが出力したデータを用いた自己相関演算等の演算を行なって、血流情報を推定し、推定した血流情報をドプラデータとして出力する。MTIフィルタとしては、例えば、バタワース型のIIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、多項式回帰フィルタ(Polynomial Regression Filter)等の係数が固定されたフィルタ、または固有ベクトル(eigenvector)等を用いて入力信号に応じて係数を変化させる適応型のフィルタが適用可能である。
【0025】
なお、
図1に例示するBモード処理回路120及びドプラ処理回路130は、2次元の反射波データ及び3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、Bモード処理回路120は、2次元の反射波データから2次元のBモードデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成する。また、ドプラ処理回路130は、2次元の反射波データから2次元のドプラデータを生成し、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成する。
【0026】
記憶回路140は、処理回路150が生成した表示用の画像データを記憶するメモリである。また、記憶回路140は、Bモード処理回路120やドプラ処理回路130が生成したデータを記憶することも可能である。記憶回路140が記憶するBモードデータやドプラデータは、例えば、診断の後に操作者が呼び出すことが可能となっており、処理回路150を経由して表示用の超音波画像データとなる。
【0027】
また、記憶回路140は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行うための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見等)や、診断プロトコルや各種ボディマーク等の各種データを記憶する。また、記憶回路140が記憶するデータは、図示しないインターフェースを経由して、外部装置へ転送することができる。なお、外部装置は、例えば、画像診断を行う医師が使用するPC(Personal Computer)や、CDやDVD等の記憶媒体、プリンター等である。また、記憶回路140への記憶の形態は、ライブ情報を一時的に保存する場合と、取得された胎児情報のエビデンスのため長期にわたる記録のための保存の場合がある。
【0028】
処理回路150は、超音波診断装置1の処理全体を制御する。具体的には、処理回路150は、入力インターフェース102を介して操作者から入力された各種設定要求や、記憶回路140から読み込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送受信回路110、Bモード処理回路120、ドプラ処理回路130の処理を制御する。また、処理回路150は、記憶回路140が記憶する表示用の超音波画像データをディスプレイ103や、入力インターフェース102におけるタッチモニタ等にて表示するように制御する。以下、ディスプレイ103や、タッチモニタにて表示される超音波画像データを超音波画像とも記載する。
【0029】
処理回路150は、制御機能151と、画像生成機能152と、タッチ操作受信機能153と、タッチ操作情報判定機能154と、操作情報制御機能155と、表示オブジェクト制御機能156とを実行する。なお、タッチ操作受信機能153、タッチ操作情報判定機能154、操作情報制御機能155及び表示オブジェクト制御機能156は、制御部の一例である。
【0030】
ここで、例えば、
図1に示す処理回路150の構成要素である制御機能151、画像生成機能152、タッチ操作受信機能153、タッチ操作情報判定機能154、操作情報制御機能155及び表示オブジェクト制御機能156が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路140に記憶されている。処理回路150は、各プログラムを記憶回路140から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、
図1の処理回路150内に示された各機能を有することとなる。
【0031】
通信インターフェース160は、ネットワーク2を経由して外部の各種の装置と通信を行うためのインターフェースである。通信インターフェース160により、処理回路150は、外部装置と通信を行う。例えば、処理回路150は、通信インターフェース160によって、超音波診断装置1以外の外部装置との間で各種データのやり取りを行うことができる。
【0032】
以上、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の全体構成について説明した。かかる構成のもと、本実施形態に係る超音波診断装置1は、操作対象の視認性を向上することを可能にする。具体的には、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、タッチモニタ上の操作対象(例えば、カーソル等)に対する操作者の指の重なりをなくすことで、操作対象の視認性を向上させる。
【0033】
例えば、タッチモニタにおけるタッチ操作では、タッチされた位置(座標)に操作対象が表示されたり、表示された操作対象がタッチされた位置に移動されたりする。すなわち、カーソルなどの操作対象は、操作者によってタッチされた位置(指の位置)に表示されることとなる。そのため、カーソルなどの操作対象が指で隠れて見えなくなり、計測処理などのように正確な位置を指定したい場合などに、タッチ操作での指定が困難となる場合がある。そこで、本実施形態に係る超音波診断装置1では、指によって操作対象が隠れないように制御することで、操作対象の視認性を向上させる。さらに、その結果、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、タッチモニタ上での精密な操作を容易にすることができ、診断効率を向上させることを可能にする。以下、超音波診断装置1における詳細な処理について説明する。
【0034】
制御機能151は、超音波診断装置1の全体を制御する。例えば、制御機能151は、送受信回路110、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130を制御して、反射波データの収集と、Bモードデータ及びドプラデータの生成とを制御する。すなわち、制御機能151は、超音波プローブ101を介して、被検体に対する2次元超音波スキャン及び3次元超音波スキャンを実行させる。また、制御機能151は、計測処理等の各種処理を実行し、処理結果をディスプレイ103に表示させるように制御する。また、制御機能151は、画像生成機能152によって生成された超音波画像等をディスプレイ103に表示させるように制御する。
【0035】
画像生成機能152は、Bモード処理回路120及びドプラ処理回路130が生成したデータから超音波画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度で表した2次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す2次元ドプラ画像データを生成する。2次元ドプラ画像データは、速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらを組み合わせた画像である。また、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した1走査線上のBモードデータの時系列データから、Mモード画像データを生成することも可能である。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成したドプラデータから、血流や組織の速度情報を時系列に沿ってプロットしたドプラ波形を生成することも可能である。
【0036】
ここで、画像生成機能152は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビ等に代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用の超音波画像を生成する。具体的には、画像生成機能152は、超音波プローブ101による超音波の走査形態に応じて座標変換を行うことで、表示用の超音波画像を生成する。また、画像生成機能152は、スキャンコンバート以外の種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)等を行う。また、画像生成機能152は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディマーク、種々のマーカ等を合成する。
【0037】
すなわち、Bモードデータ及びドプラデータは、スキャンコンバート処理前の超音波画像データであり、画像生成機能152が生成するデータは、スキャンコンバート処理後の表示用の超音波画像である。なお、Bモードデータ及びドプラデータは、生データ(Raw Data)とも呼ばれる。画像生成機能152は、スキャンコンバート処理前の2次元超音波画像データである「2次元Bモードデータや2次元ドプラデータ」から、表示用の2次元超音波画像である「2次元Bモード画像や2次元ドプラ画像」を生成する。
【0038】
さらに、画像生成機能152は、Bモード処理回路120が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行うことで、3次元Bモード画像データを生成する。また、画像生成機能152は、ドプラ処理回路130が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行うことで、3次元ドプラ画像データを生成する。すなわち、画像生成機能152は、「3次元のBモード画像データや3次元ドプラ画像データ」を「3次元超音波画像データ(ボリュームデータ)」として生成する。また、画像生成機能152は、3次元のBモードデータや、3次元のドプラデータに対して多断面変換を行うことで、MPR画像を生成する。
【0039】
上述したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、タッチモニタ上の操作対象(例えば、カーソル等)に対する操作者の指の重なりをなくすことで、操作対象の視認性を向上させる。ここで、まず、
図2を用いて、本実施形態に係る超音波診断装置1による処理の概要について説明する。
図2は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の概要を説明するための図である。なお、
図2においては、操作対象がカーソルである場合について示す。すなわち、
図2においては、タッチモニタ1021上でカーソル10が操作される場合について示す。なお、タッチモニタ1021は、入力インターフェース102に含まれ、受付部の一例である。
【0040】
例えば、
図2の左端の図に示すように、タッチモニタ1021においてカーソル10が操作される場合、タッチモニタ1021は、タッチ面に操作対象(カーソル10)を表示するとともに、カーソル10を用いたタッチ操作を受け付ける。処理回路150は、操作対象を用いたタッチ操作において、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作をタッチ面に表示されたカーソル10の動作に反映させる。
【0041】
具体的には、処理回路150は、タッチ面におけるタッチ位置の情報を除いたタッチ操作の操作情報に対応する動作をカーソル10の動作に反映させる。すなわち、処理回路150は、操作者がカーソル10を操作するためにタッチした位置の情報をカーソル10の動作に反映させずに、その他の操作に関する動作をカーソル10の動作に反映させる。したがって、例えば、
図2の中央の図に示すように、タッチモニタ1021に操作者がタッチした場合にも、カーソル10は、操作者がタッチした位置に移動することはない。
【0042】
そして、処理回路150は、タッチ後のタッチ操作に応じてカーソル10を動作させる。例えば、処理回路150は、少なくともタッチ操作の移動量、タッチ操作の移動方向、及び、タッチ操作の種別を含む操作情報に対応する動作を、カーソル10の動作に反映させる。したがって、例えば、
図2の右端の図に示すように、タッチモニタ1021上のカーソルは、操作者のタッチ後の指の動きに応じて、移動することとなる。
【0043】
以下、処理回路150における各機能の詳細について説明する。タッチ操作受信機能153は、タッチモニタ1021にて検出されたタッチ操作の操作情報を受信して、タッチ操作情報判定機能154に通知する。例えば、タッチ操作受信機能153は、タッチモニタ1021によって検出された指のタッチ位置(タッチモニタにおける座標)、タッチ位置の変化、タッチ時間等の操作情報を受信して、タッチ操作情報判定機能154に通知する。
【0044】
タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作受信機能153から通知された操作情報に基づいて、タッチ操作の内容を判定する。具体的には、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作受信機能153から通知されたタッチ位置(タッチモニタにおける座標)、タッチ位置の変化、タッチ時間等の操作情報を用いて操作者によるタッチ操作の内容を判定する。例えば、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ位置とタッチ時間に基づいて、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置や、ダブルタップ、複数点タッチ等を判定する。また、例えば、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ時間や、タッチ位置の変化に基づいて、タッチしたままホールドした時間や、スワイプの移動量・移動方向、ドラッグの移動量・移動方向等を判定する。
【0045】
操作情報制御機能155は、操作対象に対してどの操作情報をどのように反映するかを決定する。具体的には、操作情報制御機能155は、タッチ操作情報判定機能154によって判定されたタッチ操作の内容を操作対象に対してどのように反映するかを決定する。ここで、操作情報制御機能155は、装置の状態に応じて、操作対象に対して反映させる内容を変更する。より具体的には、操作情報制御機能155は、タッチモニタ1021に対するタッチ操作において精密な操作が求められる場合に、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置の情報を除いたタッチ操作の内容を操作対象に反映させる。
【0046】
すなわち、操作情報制御機能155は、操作対象の位置を精密に指定させる場合に、操作対象が指によって隠れないように、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置の情報を操作対象に反映させないように制御する。例えば、操作情報制御機能155は、計測処理、文字入力処理、ピクトグラム付加処理及び描画処理のうち、少なくとも1つの処理において表示された操作対象の動作に対して、最初にタッチされたタッチ位置の情報を除いた操作情報に対応する動作を反映させる。
【0047】
一例を挙げると、操作情報制御機能155は、超音波診断装置1が計測処理を実行する状態となった場合に、計測箇所を指定するためのカーソルの動作に対して、最初のタッチ位置以外の操作情報を反映させる。かかる場合には、例えば、操作情報制御機能155は、操作者によって計測ボタンが押下された場合に、タッチ操作における最初のタッチ位置の情報をカーソルの動作に反映させないように制御する。
【0048】
一方、タッチモニタ1021に対するタッチ操作において精密な操作が求められていない場合には、操作情報制御機能155は、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置の情報を含む全ての内容を操作対象に反映させる。すなわち、タッチ操作において精密な操作が求められていない場合、操作情報制御機能155は、操作者によって最初にタッチされた位置に操作対象を表示させる、或いは、操作者によって最初にタッチされた位置に操作対象を移動させる。
【0049】
上述したように、操作情報制御機能155は、装置の状態に応じて、操作対象に対して反映させる内容を決定する。そして、操作情報制御機能155は、決定した内容を表示オブジェクト制御機能156に通知する。例えば、操作情報制御機能155は、最初にタッチされたタッチ位置の情報を除いた操作情報に対応する動作を表示オブジェクト制御機能156に通知する。
【0050】
表示オブジェクト制御機能156は、操作情報制御機能155から通知された操作対象の動作に応じて、タッチモニタ1021における操作対象の表示を更新する。例えば、表示オブジェクト制御機能156は、最初にタッチされたタッチ位置の情報以外の操作情報に対応する動作となるように、タッチモニタ1021上のカーソルの表示を更新する。
【0051】
上述したように、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、カーソル等の操作対象が操作者の指に隠れないように制御することで、操作対象の視認性を向上させる。以下、超音波診断装置1による処理の一例を、
図3を用いて説明する。
図3は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の一例を説明するための図である。なお、
図3においては、タッチモニタ1021においてカーソル10を操作する際の処理について示す。
【0052】
例えば、制御機能151は、
図3に示すように、超音波画像を表示するための領域R1と、各種ボタンを表示するための領域R2とをタッチモニタ1021に表示する。そして、制御機能151は、領域R1に超音波画像を表示させ、領域R2にメニューボタン「Menu」、計測ボタン「Calc」、アノテーションボタン「Annotation」、ピクトグラムボタン「Pictogram」、ボディマークボタン「Body Mark」を表示させる。
【0053】
ここで、計測ボタン「Calc」は、領域R1に表示された超音波画像上での計測を実行する際に押下されるボタンである。また、アノテーションボタン「Annotation」は、領域R1に表示された超音波画像上に文字を入力する際に押下されるボタンである。また、ピクトグラムボタン「Pictogram」は、領域R1に表示された超音波画像上に矢印等のマークを付与する際に押下されるボタンである。また、ボディマークボタン「Body Mark」は、領域R1に表示された超音波画像上にボディマークを付与する際に押下されるボタンである。また、メニューボタン「Menu」は、その他種々のメニューを表示させる際に押下されるボタンである。
【0054】
例えば、
図3の上段の図に示すように、操作者が計測ボタン「Calc」を押下すると、表示オブジェクト制御機能156は、
図3の中段の図に示すように、計測処理に用いるためのカーソル10をタッチモニタ1021上に表示させる。ここで、操作情報制御機能155は、計測ボタン「Calc」の押下により、以降で実施されるタッチ操作における最初のタッチ位置の情報をカーソルの動作に反映させないように制御するようになる。
【0055】
そして、
図3の下段の図に示すように、操作者が、タッチモニタ1021の領域R1に対してタッチ操作を実行すると、タッチ操作受信機能153がタッチ操作の操作情報をタッチ操作情報判定機能154に通知する。そして、タッチ操作情報判定機能154は、通知された操作情報に基づいてタッチ操作の内容を判定して、操作情報制御機能155に通知する。ここで、操作情報制御機能155は、現在の装置の状況が計測ボタン「Calc」が押下された状況であることから、タッチ操作情報判定機能154から通知されたタッチ操作の内容において、最初のタッチ位置の情報をカーソルの動作に反映させないように制御する。すなわち、
図3の下段の図に示すように、カーソル10は、領域R1に対して操作者が最初にタッチした位置に移動せずに、最初に表示された位置で継続して表示される。
【0056】
その後、操作者が領域R1に対してタッチした状態でドラッグ操作やスワイプ操作を実行すると、それに伴って、カーソル10が移動されることとなる。すなわち、操作情報制御機能155が最初のタッチ位置の情報以外の操作情報をカーソル10の動作に反映するように決定し、表示オブジェクト制御機能156は、決定された動作が反映されるように、カーソル10の表示位置を更新する。
【0057】
したがって、操作者は、
図3の下段の図に示すように、自身の指によって隠れていないカーソル10を用いて、計測の対象となる位置を指定することができる。例えば、操作者は、ドラッグ操作によって、指に隠れていないカーソル10を矢印20で示す位置に移動させることができる。そして、操作者は、所定の操作を実行することで、矢印20で示す位置を、計測の対象となる位置として設定する。例えば、操作者は、カーソル10が矢印20で示す位置を指示する状態でダブルタップすることで、矢印20で示す位置を、計測の対象となる位置として設定する。この操作により、制御機能151は、矢印20で示す位置を、計測の対象となる位置として設定する。
【0058】
そして、操作者は、計測の対象となる他方の位置を指定するために、ドラッグ操作によってカーソル10を移動させ、カーソル10が所望の位置を指示する状態で再度ダブルタップすることで、計測の対象となる他方の位置を設定する。この操作により、制御機能151は、計測の対象となる他方の位置を設定し、設定された位置間の距離を計測する。なお、位置を設定するための操作はダブルタップに限らず、任意の操作を設定することができる。例えば、位置を設定するためのUIを設け、UIに対する操作によって設定する場合であってもよい。
【0059】
ここで、操作情報制御機能155は、タッチモニタ1021における領域ごとに、操作対象に対して反映させる内容を変更することもできる。すなわち、操作情報制御機能155は、タッチ面の所定の領域において受け付けられたタッチ操作において、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作を所定の領域に表示された操作対象の動作に反映させる。
【0060】
例えば、操作情報制御機能155は、タッチモニタ1021における領域R1に対するタッチ操作についてのみ、最初のタッチ位置の情報をカーソルの動作に反映させないように制御する。すなわち、操作情報制御機能155は、計測ボタン「Calc」が押下された場合であっても、領域R2に対して実施されたタッチ操作については、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置の情報を含む全ての内容を操作対象(カーソル)に反映させる。すなわち、タッチ操作において精密な操作が求められていない場合、操作情報制御機能155は、領域R2に対してタッチされた位置にカーソル10を移動させる。
【0061】
また、タッチモニタ1021における領域に種々の機能を割り当て、割り当てた領域については、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置の情報を含む全ての内容を操作対象に反映させるようにすることもできる。
図4は、第1の実施形態に係るタッチモニタ1021に対する機能の割り当ての一例を説明するための図である。例えば、制御機能151は、
図4に示すように、超音波画像を表示させるための領域R1内にさらに領域R3を設け、種々の機能を割り当てることができる。
【0062】
一例を挙げると、制御機能151は、領域R3に対して、超音波画像の画質パラメータの変更や、超音波画像のCineめくり用の機能を割り当てる。操作情報制御機能155は、領域R3で検知されたタッチ操作については、操作者によって最初にタッチされたタッチ位置の情報を含む全ての内容を操作対象に反映させるように制御する。
【0063】
上述したように、超音波診断装置1においては、タッチモニタ1021における複数の領域に対して、最初のタッチ位置の情報をカーソルの動作に反映させないように制御する領域(以下、制御対象領域と記す)と制御対象領域以外の領域とを割り当て、タッチ操作が実施された領域に応じた制御を実行する。ここで、超音波診断装置1においては、制御対象領域と制御対象領域以外の領域とに跨って操作された場合に、制御対象領域における制御を維持するように制御することができる。
【0064】
具体的には、操作情報制御機能155は、制御対象領域に対するタッチ操作中に、タッチ面の制御対象領域以外の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合に、制御対象領域に表示された操作対象の位置を維持するように制御する。例えば、操作情報制御機能155は、
図4に示すタッチモニタ1021において、制御対象領域である領域R1におけるタッチ操作を受け付けている際に、制御対象領域以外の領域である領域R2や領域R3に対するタッチ操作が実施された場合に、領域R1におけるカーソル10の位置を維持するように制御する。
【0065】
図5は、第1の実施形態に係る超音波診断装置による処理の一例を説明するための図である。
図5の上段の図に示すように、例えば、操作者が、計測ボタン「Calc」を押下した後、表示オブジェクト制御機能156が、計測処理に用いるためのカーソル10をタッチモニタ1021上に表示させる。そして、操作者が、領域R1に対してタッチ操作を実施すると、タッチ操作受信機能153は、タッチモニタ1021によって検出された指のタッチ位置(タッチモニタにおける座標)を受信して、タッチ操作情報判定機能154に通知する。
【0066】
タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作受信機能153から通知されたタッチ位置に基づいて、タッチ操作が実施された領域が領域R1であると判定して、判定結果を操作情報制御機能155に通知する。これにより、操作情報制御機能155は、
図5の上段の図に示すように、最初のタッチ位置の情報をカーソル10の動作に反映させないように制御する。すなわち、表示オブジェクト制御機能156は、操作者によってタッチされた位置とは異なる位置にカーソル10を表示させる。その後、操作者によるタッチ操作に応じて、カーソル10が移動される。
【0067】
ここで、制御対象領域でのタッチ操作中、制御対象領域以外の領域でのタッチ操作が実施される場合がある。例えば、操作者は、領域R2に表示された各種ボタンに含まれる機能を用いるために、領域R2に対してタッチ操作を実施したり、領域R1に表示された超音波画像の画質パラメータを変更するために、領域R3に対してタッチ操作を実施したりする。なお、
図5においては、領域R2に5つのボタンのみを示しているが、領域R2は、5つのボタン以外にも複数のボタンを表示させることができ、例えば、スクロール操作などによって隠れたボタンを表示させることができる。例えば、操作者は、領域R2に対してスクロール操作を実施して、所望の機能のボタンを表示させて、押下することで、当該機能を実行させることができる。
【0068】
例えば、操作者は、
図5の中段の図に示すように、領域R3に対してタッチ操作を実施して、領域R1に表示された超音波画像の画質を変更する。かかる場合、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作受信機能153から通知されたタッチ位置に基づいて、タッチ操作が実施された領域が領域R3であると判定して、判定結果を操作情報制御機能155に通知する。操作情報制御機能155は、制御対象領域でのタッチ操作中に、制御対象領域以外の領域においてタッチ操作が実施されていることから、カーソル10の位置を維持するように制御する。
【0069】
例えば、操作情報制御機能155は、領域R3において操作者がどのようなタッチ操作を実行したとしても、そのタッチ操作に応じた動作を表示オブジェクト制御機能156に通知しないように制御することで、領域R1においてカーソル10の位置が変化しないように制御する。
【0070】
そして、
図5の下段の図に示すように、操作者が再度領域R1に対してタッチ操作を実施すると、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作受信機能153から通知されたタッチ位置に基づいて、タッチ操作が実施された領域が領域R1であると判定して、判定結果を操作情報制御機能155に通知する。操作情報制御機能155は、制御対象領域に対するタッチ操作であることから、最初のタッチ位置の情報をカーソルの動作に反映させないように制御する。これにより、操作者は、領域R3に対するタッチ操作が実施される前のカーソル10の位置からタッチ操作を再開することができる。
【0071】
なお、上述した実施形態では、操作者が制御対象領域以外の領域に対してタッチ操作を実施した場合に、領域R1におけるカーソル10の位置が変化しないように制御する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、超音波診断装置1は、制御対象領域以外の領域に対してタッチ操作が実施される直前の領域R1におけるカーソル10の位置を記憶しておくことで、カーソル10が制御対象領域以外の領域に移動させることも可能である。
【0072】
かかる場合には、例えば、操作情報制御機能155は、操作者が領域R3においてタッチ操作を実施した場合に、領域R1における現時点のカーソル10の位置(座標)を記憶回路140に格納する。そして、操作者が再度領域R1に対してタッチ操作を実施した場合に、操作情報制御機能155は、記憶回路140に記憶させたカーソル10の位置(座標)を読み出して、表示オブジェクト制御機能156に通知する。これにより、表示オブジェクト制御機能156は、領域R3に対するタッチ操作が実施される前のカーソル10の位置に、カーソル10を表示させることができる。
【0073】
なお、カーソル10の位置を記憶回路140に記憶させる場合、制御対象領域以外の領域(例えば、領域R2及び領域R3)に対する操作者のタッチ操作に応じて位置が変化するカーソル等が制御対象領域以外の領域に表示される場合でもよい。
【0074】
上述したように、制御対象領域に対するタッチ操作中に、タッチ面の制御対象領域以外の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合に、制御対象領域に表示された操作対象の位置を維持するように制御する。ここで、最初のタッチ位置の情報を操作対象(例えば、カーソル)の動作に反映させない制御が解除されている場合、或いは、当該制御が実施されていない場合には、制御対象領域以外の領域に対するタッチ操作に応じて、操作対象の位置が変化する。なお、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御は、例えば、計測が確定された場合、或いは、計測がオフされた場合などに、解除される。
【0075】
次に、第1の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。
図6及び
図7は、第1の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図6及び
図7においては、操作者によって計測ボタンが押下された場合の超音波診断装置1の処理について示す。また、
図6においては、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御に関する処理について示す。また、
図7においては、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御に加えて、制御対象領域に対するタッチ操作中に、タッチ面の制御対象領域以外の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合の制御に関する処理を示す。
【0076】
図6及び
図7におけるステップS101は、例えば、処理回路150が制御機能151に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS102、ステップS103は、例えば、処理回路150が表示オブジェクト制御機能156に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS104、ステップS105は、例えば、処理回路150がタッチ操作受信機能153に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS106は、例えば、処理回路150がタッチ操作情報判定機能154に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS107は、例えば、処理回路150が操作情報制御機能155に対応するプログラム及び表示オブジェクト制御機能156に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS108、ステップS109、及び、
図7におけるステップS110~ステップS112は、例えば、処理回路150が操作情報制御機能155に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。
【0077】
本実施形態に係る超音波診断装置1では、
図6に示すように、制御機能151が、まず、超音波プローブ101によって受信されたエコーデータに基づいて超音波画像を収集して、ディスプレイ103に表示させる(ステップS101)。次に、表示オブジェクト制御機能156は、計測ボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS102)。ここで、計測ボタンが押下された場合(ステップS102肯定)、表示オブジェクト制御機能156は、カーソルを表示させる(ステップS103)。なお、表示オブジェクト制御機能156は、計測ボタンが押下されるまで、タッチ操作における全ての操作情報をカーソルに反映させる(ステップS102否定)。
【0078】
次に、タッチ操作受信機能153は、タッチ操作が実行されたか否かを判定する(ステップS104)。ここで、タッチ操作が実行された場合(ステップS104肯定)、タッチ操作受信機能153は、タッチ操作情報判定機能154に対してタッチ操作の操作内容を通知する(ステップS105)。なお、タッチ操作受信機能153は、タッチ操作が実行されるまで、待機状態である(ステップS104否定)。
【0079】
そして、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作の種別を判定して、操作情報制御機能155に対して判定結果及び操作情報を通知する(ステップS106)。操作情報制御機能155は、判定結果(例えば、スワイプ操作、ドラッグ操作等)、操作情報(例えば、タッチ位置、移動量、移動方向等)、操作対象(計測用のカーソル)に基づいて、移動量と移動方向のみを反映させることを決定し、表示オブジェクト制御機能156は、タッチモニタ上のカーソルの位置を更新する(ステップS107)。
【0080】
その後、操作情報制御機能155は、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御を解除するか否かを判定する(ステップS108)。例えば、操作情報制御機能155は、計測が確定された場合、或いは、計測がオフされた場合などに、制御を解除すると判定する。ここで、操作情報制御機能155が制御を解除しないと判定した場合(ステップS108否定)、ステップS105に戻って、処理が継続される。
【0081】
一方、制御を解除すると判定した場合(ステップS108肯定)、操作情報制御機能155は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS109)。ここで、処理を終了しない場合(ステップS109否定)、ステップS102に戻って、表示オブジェクト制御機能156が、計測ボタンが押下されたか否かを判定する。一方、処理を終了する場合(ステップS109肯定)、超音波診断装置1は、処理を終了する。
【0082】
また、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御に加えて、制御対象領域に対するタッチ操作中に、タッチ面の制御対象領域以外の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合の制御を実行する場合、超音波診断装置1では、
図7に示すように、上述したステップS101~ステップS109の処理に加えて、ステップS110~ステップS112の処理を実行する。
【0083】
すなわち、操作情報制御機能155は、ステップS108において、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御を解除しないと判定した場合(ステップS108否定)、制御対象領域以外の領域にタッチされたか否かを判定する(ステップS110)。ここで、操作情報制御機能155が制御対象領域以外の領域にタッチされていないと判定した場合(ステップS110否定)、ステップS105に戻り、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御を継続する。
【0084】
一方、制御対象領域以外の領域にタッチされたと判定した場合(ステップS110肯定)、操作情報制御機能155は、カーソルの位置を維持しつつ、制御対象領域以外の領域で受け付けた操作に対応する処理を実行する(ステップS112)。その後、操作情報制御機能155は、制御対象領域にタッチされたか否かを判定する(ステップS112)。ここで、操作情報制御機能155が制御対象領域にタッチされたと判定した場合(ステップS112肯定)、ステップS105に戻り、最初のタッチ位置の情報を操作対象の動作に反映させない制御が再開される。一方、制御対象領域にタッチされていないと判定した場合(ステップS112否定)、操作情報制御機能155は、ステップS111の処理を継続する。
【0085】
上述したように、第1の実施形態によれば、タッチモニタ1021は、タッチ面に操作対象を表示するとともに、操作対象を用いたタッチ操作を受け付ける。処理回路150は、操作対象を用いたタッチ操作において、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作をタッチ面に表示された操作対象の動作に反映させる。処理回路150は、タッチ面におけるタッチ位置の情報を除いたタッチ操作の操作情報に対応する動作を操作対象の動作に反映させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、操作者の指に隠れない位置に操作対象を表示させることができ、操作対象の視認性を向上することを可能にする。その結果、超音波診断装置1は、操作対象を直接視認しながら操作させることができ、診断効率を向上させることも可能にする。
【0086】
また、超音波診断装置1は、タッチモニタ1021のどの位置でも操作対象を操作させることができ、操作対象に対する指や手の相対的な位置関係を気にせずに操作させることを可能にする。その結果、超音波診断装置1は、例えば、手によって超音波画像が隠れないタッチ位置、或いは、画面の汚れが気にならないタッチ位置で操作対象を直接視認しながら操作することを可能にする。
【0087】
また、超音波診断装置1は、操作対象を直接タッチする必要がないため、操作対象を小さくすることができ、操作対象が超音波画像の観察の邪魔になることを抑止することを可能にする。また、超音波診断装置1は、タッチモニタ1021のどの位置でも操作を受け付けることができるため、タッチパッド等のハードウェアを新たに設けたり、タッチパッド様のUI(User Interface)をタッチモニタ1021に表示させたりする必要がない。そのため、超音波診断装置1は、装置の大型化を抑止したり、タッチモニタの領域を他の表示物のために利用したりすることを可能にする。
【0088】
また、第1の実施形態によれば、処理回路150は、少なくともタッチ操作の移動量、タッチ操作の移動方向、及び、タッチ操作の種別を含む操作情報に対応する動作を、操作対象の動作に反映させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、操作者による操作に応じて操作対象を動作させることを可能にする。
【0089】
また、第1の実施形態によれば、処理回路150は、タッチ面の所定の領域において受け付けられたタッチ操作において、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作を所定の領域に表示された操作対象の動作に反映させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、タッチモニタ1021における所定の領域以外の領域について他の機能を割り当てることを可能にする。
【0090】
また、第1の実施形態によれば、処理回路150は、所定の領域に対するタッチ操作中に、タッチ面の所定の領域以外の領域に対するタッチ操作を受け付けた場合に、所定の領域に表示された操作対象の位置を維持するように制御する。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、タッチモニタ1021における所定の領域におけるタッチ操作中に、所定の領域以外の領域における処理を実施可能としながら、所定の領域における操作対象の位置を維持することを可能にする。
【0091】
また、第1の実施形態によれば、処理回路150は、計測処理、文字入力処理、ピクトグラム付加処理及び描画処理のうち、少なくとも1つの処理において表示された操作対象の動作に対して、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作を反映させる。従って、第1の実施形態に係る超音波診断装置1は、操作対象が精密な動作を必要とする処理について、操作対象の視認性を向上させることを可能にする。
【0092】
(第2の実施形態)
上述した実施形態では、タッチモニタ1021に表示された操作対象(カーソル10)に対して、最初のタッチ位置の情報を反映させないように制御する場合について説明した。第2の実施形態では、最初のタッチ位置の情報を反映させつつ、操作対象が指で隠れないように制御する場合について説明する。なお、以下、第1の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
【0093】
第2の実施形態に係る操作情報制御機能155は、タッチ操作情報判定機能154から通知される操作情報において、まず、操作者による最初のタッチ位置の情報を操作対象(例えば、カーソル)に反映させる。そして、操作情報制御機能155は、その後のタッチ操作に基づいて、タッチ位置とは異なる位置で操作対象が操作されるように制御するか否かを判定する。すなわち、操作情報制御機能155は、操作対象が指で隠れないように制御するか否かを判定する。
【0094】
例えば、操作情報制御機能155は、操作者がタッチモニタに対してタッチしたままホールドした時間が所定の時間を経過した場合に、タッチ位置とは異なる位置で操作対象が操作されるように制御すると判定する。すなわち、操作者は、指で隠れない状態で操作対象を操作したい場合、タッチモニタに対して所定の時間タッチし続けることで、タッチ位置とは異なる位置で操作対象を操作することが可能となる。なお、操作情報制御機能155は、タッチモニタから指が離されることで、タッチ位置とは異なる位置での操作対象の制御を解除する。すなわち、操作情報制御機能155は、異なる位置にタッチされるごとに、タッチ位置の情報を操作対象に反映させる。
【0095】
以下、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理の一例について、
図8を用いて説明する。
図8は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理の一例を説明するための図である。なお、
図8においては、タッチモニタ1021においてカーソル10を操作する際の処理について示す。
【0096】
例えば、
図8に示すように、領域R1に超音波画像を表示させた状態でフリーズボタンが押下されると、操作情報制御機能155は、最初のタッチ位置の情報を反映させつつ、操作対象をタッチ位置とは異なる位置で動作させる制御を開始する。ここで、
図8の上段の図に示すように、操作者がタッチモニタ1021にタッチすると、操作情報制御機能155は、タッチされた位置の近傍にカーソル10を移動させることを決定して、表示オブジェクト制御機能156に通知する。表示オブジェクト制御機能156は、操作情報制御機能155からの通知を反映させることで、
図8の上段の図に示すように、操作者の指の近傍にカーソル10を移動させる。なお、タッチ位置からカーソルまでの距離は任意に設定することができる。
【0097】
その後、操作者がタッチモニタ1021にタッチした状態で所定の時間経過すると、操作情報制御機能155は、タッチ位置とは異なる位置で操作対象が操作されるように制御すると判定する。すなわち、操作者が、タッチモニタ1021にタッチした状態でドラッグ操作やスワイプ操作を実行すると、それに伴って、カーソル10が移動されることとなる。すなわち、操作情報制御機能155が最初のタッチ位置の情報に続いて通知される操作情報をカーソル10の動作に反映するように決定し、表示オブジェクト制御機能156は、決定された動作が反映されるように、カーソル10の表示位置を更新する。
【0098】
したがって、操作者は、
図8の中段の図に示すように、自身の指によって隠れていないカーソル10を用いて、計測の対象となる位置を指定することができる。例えば、操作者は、ドラッグ操作によって、指に隠れていないカーソル10を矢印21で示す位置に移動させることができる。
【0099】
ここで、第2の実施形態の場合、操作者がタッチモニタ1021から指を離すと、タッチ位置とは異なる位置での操作対象の制御が解除される。すなわち、操作情報制御機能155は、タッチモニタ1021から指が離され、再度タッチされると、その位置の近傍にカーソル10を移動させることとなる。したがって、第1の実施形態で説明したように、計測の対象となる位置を矢印21で示す位置に設定する場合にダブルタップを用いるとカーソル10が移動してしまう誤作動が生じる可能性がある。
【0100】
そこで、第2の実施形態では、位置を設定するためのUIを設け、そのUIに対するタッチ操作については、タッチ位置とは異なる位置で操作対象が操作される制御の対象外とする。例えば、制御機能151は、
図8に示すように、領域R1に「SET」ボタンを表示させる。操作情報制御機能155は、「SET」ボタンに対する操作を、タッチ位置とは異なる位置で操作対象が操作される制御の対象外とする。従って、操作者は、カーソル10を計測の対象となる位置(矢印21によって指示される位置)に移動させた後、「SET」ボタンを押下することで、矢印21で示す位置を計測の対象となる位置に設定することができる。
【0101】
そして、操作者は、計測の対象となる他方の位置を指定するために、所望の位置にタッチすることで、タッチした位置の近傍にカーソル10が移動され、上記と同様に位置を設定することができる。
【0102】
上述したように、操作情報制御機能155は、タッチ面に対してタッチされた位置の近傍に操作対象を移動させ、タッチ面に対するタッチに続いて所定のタッチ操作が受け付けられた場合に、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作を、移動させた操作対象の動作に反映させる。しかしながら、操作対象に対して最初のタッチ位置を反映させる実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、タッチされた位置に操作対象を移動させる場合であってもよい。
【0103】
この場合、操作対象が操作者の指により隠れてしまうため、操作情報制御機能155は、タッチ後の操作の一部を操作対象に反映させないように制御する。例えば、操作情報制御機能155は、ドラッグ操作或いはスワイプ操作において、所定の移動量の移動が実施されるまで、操作対象を移動させないように制御する。すなわち、操作者が所定の時間タッチした状態から指を移動させた場合でも、操作情報制御機能155は、最初にタッチされた位置から所定の距離移動されるまで操作対象を移動させない。これにより、操作者の指によって隠れていた操作対象が視認可能となる。そして、最初にタッチされた位置から所定の距離だけ指が移動されると、操作情報制御機能155は、その後のタッチ操作の操作情報を操作対象の動作に反映させる。
【0104】
次に、第2の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の手順について説明する。
図9は、第2の実施形態に係る超音波診断装置1の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図9においては、タッチ位置の近傍にカーソルを移動させる場合の超音波診断装置1の処理について示す。
【0105】
図9におけるステップS201、ステップS202は、例えば、処理回路150が制御機能151に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS203、ステップS204は、例えば、処理回路150が表示オブジェクト制御機能156に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS205、ステップS206は、例えば、処理回路150がタッチ操作受信機能153に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS207は、例えば、処理回路150がタッチ操作情報判定機能154に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS208は、例えば、処理回路150が操作情報制御機能155に対応するプログラム及び表示オブジェクト制御機能156に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。また、ステップS209、ステップS210は、例えば、処理回路150が操作情報制御機能155に対応するプログラムを記憶回路140から読み出して実行することにより実現される。
【0106】
本実施形態に係る超音波診断装置1では、
図9に示すように、制御機能151が、まず、超音波プローブ101によって受信されたエコーデータに基づいて超音波画像を収集して、ディスプレイ103に表示させる(ステップS201)。次に、制御機能151が、フリーズボタンが押下されたか否かを判定する(ステップS202)。ここで、フリーズボタンが押下された場合(ステップS202肯定)、表示オブジェクト制御機能156は、さらに、タッチモニタにタッチされたか否かを判定する(ステップS203)。なお、フリーズボタンが押下されるまで、表示オブジェクト制御機能156は、待機状態である(ステップS202否定)。
【0107】
そして、ステップS203の判定において、タッチモニタにタッチされると(ステップS203肯定)、表示オブジェクト制御機能156は、タッチ位置の近傍にカーソルを表示させる(ステップS204)。なお、表示オブジェクト制御機能156は、タッチモニタにタッチされるまで、表示オブジェクト制御機能156は、待機状態である(ステップS203否定)。
【0108】
次に、タッチ操作受信機能153は、タッチモニタから指が離されずにタッチ操作が実行されたか否かを判定する(ステップS205)。ここで、タッチ操作が実行された場合(ステップS205肯定)、タッチ操作受信機能153は、タッチ操作情報判定機能154に対してタッチ操作の操作内容を通知する(ステップS206)。なお、タッチ操作受信機能153は、タッチモニタから指が離されずにタッチ操作が実行されていない場合(ステップS205否定)、ステップS203に戻って、表示オブジェクト制御機能156が、タッチモニタにタッチされたか否かを判定する(ステップS203)。
【0109】
そして、タッチ操作の操作内容が通知されると、タッチ操作情報判定機能154は、タッチ操作の種別を判定して、操作情報制御機能155に対して判定結果及び操作情報を通知する(ステップS207)。操作情報制御機能155は、判定結果、操作情報、操作対象に基づいて、移動量と移動方向のみを反映させることを決定し、表示オブジェクト制御機能156は、タッチモニタ上のカーソルの位置を更新する(ステップS208)。
【0110】
その後、操作情報制御機能155は、最初のタッチ位置の情報を反映させつつ、操作対象が指で隠れない制御を解除するか否かを判定する(ステップS209)。例えば、操作情報制御機能155は、計測が確定された場合、或いは、計測がオフされた場合などに、制御を解除すると判定する。ここで、操作情報制御機能155が制御を解除しないと判定した場合(ステップS209否定)、ステップS206に戻って、処理が継続される。
【0111】
一方、制御を解除すると判定した場合(ステップS209肯定)、操作情報制御機能155は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS210)。ここで、処理を終了しない場合(ステップS210否定)、ステップS202に戻って、制御機能151が、フリーズボタンが押下されたか否かを判定する。一方、処理を終了する場合(ステップS210肯定)、超音波診断装置1は、処理を終了する。
【0112】
上述したように、第2の実施形態によれば、処理回路150は、タッチ面の所定の領域において受け付けられたタッチ操作において、所定の操作情報を除いた操作情報に対応する動作を所定の領域に表示された操作対象の動作に反映させる。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、操作対象を所望の位置の近傍に置くことができ、その後の微調整のみで操作対象を所望の位置に配置することを可能にする。その結果、超音波診断装置1は、操作対象の操作性を向上させることを可能にする。
【0113】
また、上述したように、第2の実施形態によれば、タッチモニタ1021は、操作対象を用いたタッチ操作を確定するための確定ボタン(「SET」ボタン)を表示する。処理回路150は、確定ボタンに対してタッチ操作を受け付けた場合、所定の操作情報を含む操作情報に対応する動作を操作対象の動作に反映させる。従って、第2の実施形態に係る超音波診断装置1は、操作確定時の誤作動を抑止することができ、操作対象の操作性をより向上させることを可能にする。
【0114】
(第3の実施形態)
さて、これまで第1及び第2の実施形態について説明したが、上述した第1及び第2の実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0115】
上述した実施形態では、操作対象が計測に用いるカーソルである場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、文字入力におけるカーソルや、ピクトグラムを配置する際のカーソル、フリーハンドで描画する際の描画位置が操作対象であってもよい。かかる場合について、
図10~
図12を用いて説明する。
図10~
図12は、第3の実施形態に係る超音波診断装置1による処理の一例を説明するための図である。なお、
図10は、文字入力におけるカーソルに適用する場合について示す。また、
図11は、ピクトグラムを配置する際のカーソルに適用する場合について示す。また、
図12は、フリーハンドで描画する際の描画位置に適用する場合について示す。
【0116】
例えば、操作者がアノテーションボタン「Annotation」を押下すると、表示オブジェクト制御機能156は、
図10に示すように、文字入力のためのカーソル11を領域R1に表示させる。操作者は、タッチモニタ1021上のカーソル11に重ならない位置にタッチして、ドラッグ操作やスワイプ操作を実行することで、文字入力のためのカーソル11を所望の位置に配置することができる。
【0117】
さらに、操作者は、文字入力後の文字列におけるカーソル11の位置を任意に移動させることができる。例えば、操作者は、文字入力のためのカーソル11を所望の位置に配置した後、文字列を入力する。そして、カーソル11を文字列の任意の位置に移動させる場合、例えば、操作者は、所定の時間、カーソル11にタッチした状態を継続して、その後、指を移動させる。このとき、操作情報制御機能155は、カーソル11の位置から所定の距離移動されるまでカーソル11を移動させない。これにより、操作者の指によって隠れていたカーソル11が視認可能となる。そして、カーソル11の位置から所定の距離だけ指が移動されると、操作情報制御機能155は、その後のタッチ操作の操作情報をカーソル11の動作に反映させる。すなわち、表示オブジェクト制御機能156は、指の移動に応じてカーソル11の位置を更新することとなる。
【0118】
また、例えば、操作者がピクトグラムボタン「Pictogram」を押下すると、表示オブジェクト制御機能156は、
図11に示すように、矢印12を領域R1に表示させる。操作者は、タッチモニタ1021上の矢印12に重ならない位置にタッチして、ドラッグ操作やスワイプ操作を実行することで、矢印12を所望の位置に配置することができる。
【0119】
また、例えば、操作者がボディマークボタン「Body Mark」を押下すると、表示オブジェクト制御機能156は、
図12に示すように、領域R1においてフリーハンドの描画を受け付けるように制御する。ここで、例えば、操作者が、
図12に示すようなタッチ操作を実施すると、タッチ操作に対応する曲線13が領域R1に描画される。かかる場合には、例えば、操作情報制御機能155が、タッチされた位置から所定の距離離れた位置に、タッチ操作の内容を反映させるように決定する。これにより、表示オブジェクト制御機能156は、操作者の指から所定の距離離れた位置に、タッチ操作に沿った曲線13を表示させることができる。
【0120】
上述したように、本願に係る超音波診断装置1は、種々のオブジェクトを操作対象として、操作対象の視認性を向上させることを可能にする。ここで、上述した制御は、収集した超音波画像に対してだけではなく、例えば、レポート作成時などの種々の状況に適用することができる。
【0121】
また、上述した実施形態では、超音波診断装置1が、各種処理を実行する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば、タッチモニタを有する情報処理装置によって実施される場合であってもよい。
図13は、第3の実施形態に係る情報処理装置300の構成の一例を示すブロック図である。
図13に示すように、情報処理装置300は、通信インターフェース31と、記憶回路32と、入力インターフェース33と、ディスプレイ34と、処理回路35とを有する。なお、情報処理装置300は、タッチモニタを有する装置であればどのような装置でもよく、例えば、タブレット端末や、ワークステーションなどの情報処理装置である。なお、情報処理装置300がタブレット端末の場合、上記ディスプレイ34は上記入力インターフェース33の機能を合わせ持つこととなる。
【0122】
通信インターフェース31は、処理回路35に接続され、ネットワークを介して接続された医用画像診断装置(例えば、超音波診断装置1等)や、画像保管装置等との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。例えば、通信インターフェース31は、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
【0123】
記憶回路32は、処理回路35に接続され、各種データを記憶する。例えば、記憶回路32は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。本実施形態では、記憶回路32は、医用画像診断装置から受信した医用画像を記憶する。例えば、記憶回路32は、超音波画像等を記憶する。また、記憶回路32は、処理回路35の処理に用いられる種々の情報や、処理回路35による処理結果等を記憶する。
【0124】
入力インターフェース33は、種々の設定などを行うためのトラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチモニタ、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。
【0125】
入力インターフェース33は、処理回路35に接続されており、操作者から受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路35に出力する。なお、本明細書において入力インターフェース33は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する処理回路も入力インターフェースの例に含まれる。
【0126】
ディスプレイ34は、処理回路35に接続され、処理回路35から出力される各種情報及び各種画像を表示する。例えば、ディスプレイ34は、液晶モニタやCRT(Cathode Ray Tube)モニタ、タッチモニタ等によって実現される。例えば、ディスプレイ34は、操作者の指示を受け付けるためのUI(User Interface)や、種々の画像、処理回路35による種々の処理結果を表示する。
【0127】
処理回路35は、入力インターフェース33を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、情報処理装置300が有する各構成要素を制御する。例えば、処理回路35は、プロセッサによって実現される。本実施形態では、処理回路35は、通信インターフェース31から出力される医用画像を記憶回路32に記憶させる。また、処理回路35は、記憶回路32から医用画像を読み出し、読み出した医用画像をタッチモニタに表示させる。
【0128】
処理回路35は、
図13に示すように、例えば、制御機能351と、タッチ操作受信機能352と、タッチ操作情報判定機能353と、操作情報制御機能354と、表示オブジェクト制御機能355とを実行する。ここで、例えば、
図13に示す処理回路35の構成要素である制御機能351、タッチ操作受信機能352、タッチ操作情報判定機能353、操作情報制御機能354、表示オブジェクト制御機能355が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路32内に記録されている。処理回路35は、例えば、プロセッサであり、記憶回路32から各プログラムを読み出し、実行することで読み出した各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路35は、
図13の処理回路35内に示された各機能を有することとなる。
【0129】
制御機能351は、情報処理装置300の全体を制御する。また、制御機能351は、タッチモニタにおける操作対象の制御に関して、上述した制御機能151と同様の処理を実行する。タッチ操作受信機能352は、上述したタッチ操作受信機能153と同様の処理を実行する。タッチ操作情報判定機能353は、上述したタッチ操作情報判定機能154と同様の処理を実行する。操作情報制御機能354は、上述した操作情報制御機能155と同様の処理を実行する。表示オブジェクト制御機能355は、上述した表示オブジェクト制御機能156と同様の処理を実行する。
【0130】
上述した実施形態では、単一の処理回路(処理回路150及び処理回路35)によって各処理機能が実現される場合の例を説明したが、実施形態はこれに限られない。例えば、処理回路150(及び処理回路35)は、複数の独立したプロセッサを組み合わせて構成され、各プロセッサが各プログラムを実行することにより各処理機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路150(及び処理回路35)が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0131】
上述した実施形態において図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0132】
また、上述した実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の一部を手動的に行なうこともでき、或いは、手動的に行なわれるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行なうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0133】
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路140、記憶回路32に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路140、記憶回路32にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。更に、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0134】
ここで、プロセッサによって実行される情報処理プログラムは、ROM(Read Only Memory)や記憶部等に予め組み込まれて提供される。なお、この情報処理プログラムは、これらの装置にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD(Compact Disk)-ROM、FD(Flexible Disk)、CD-R(Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されてもよい。また、この情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納され、ネットワーク経由でダウンロードされることにより提供又は配布されてもよい。例えば、この情報処理プログラムは、後述する各機能部を含むモジュールで構成される。実際のハードウェアとしては、CPUが、ROM等の記憶媒体からプログラムを読み出して実行することにより、各モジュールが主記憶装置上にロードされて、主記憶装置上に生成される。
【0135】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、操作対象の視認性を向上することができる。
【0136】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0137】
1 超音波診断装置
102 入力インターフェース
150 処理回路
151、351 制御機能
152 画像生成機能
153、352 タッチ操作受信機能
154、353 タッチ操作情報判定機能
155、354 操作情報制御機能
156、355 表示オブジェクト制御機能
300 情報処理装置
1021 タッチモニタ