(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】熱源装置
(51)【国際特許分類】
F24F 1/40 20110101AFI20231211BHJP
F24F 1/24 20110101ALI20231211BHJP
F24F 1/16 20110101ALI20231211BHJP
F24F 13/30 20060101ALI20231211BHJP
F28F 9/00 20060101ALI20231211BHJP
F28D 1/053 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
F24F1/40
F24F1/24
F24F1/16
F24F13/30
F28F9/00 331
F28D1/053 Z
(21)【出願番号】P 2019165561
(22)【出願日】2019-09-11
【審査請求日】2022-05-26
(73)【特許権者】
【識別番号】505461072
【氏名又は名称】東芝キヤリア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 憲二郎
(72)【発明者】
【氏名】小澤 光輔
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 裕昭
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 允嗣
【審査官】安島 智也
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-281204(JP,A)
【文献】特開2005-076924(JP,A)
【文献】特開2007-218534(JP,A)
【文献】特開2011-153806(JP,A)
【文献】特開2018-096609(JP,A)
【文献】国際公開第2019/097614(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0084858(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/40
F24F 1/16
F24F 1/24
F24F 13/30
F28F 9/00
F28D 1/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱源装置であって、
底板と、
鉛直方向において前記底板の上方に配置された熱交換器と、
前記底板に固定された下端部と、前記下端部の反対側の上端部と、前記下端部および前記上端部の間の中間部とを有し、前記下端部と前記上端部の間で長尺に延びるとともに前記熱交換器に接続されたサイクル構成部品と、
前記サイクル構成部品を前記中間部において支持するガイドと、
当該熱源装置を制御する制御器を含む電気部品箱と、
前記電気部品箱の側面から突出し、前記電気部品箱の内部の空気を排出する排気ユニットと、
を備え、
前記ガイドは、前記排気ユニットよりも前記鉛直方向における下方に配置され、
前記ガイドの一部が前記鉛直方向において前記排気ユニットと重なっている、熱源装置。
【請求項2】
前記熱交換器は、前記サイクル構成部品の周囲の半分以上を囲っている、
請求項1に記載の熱源装置。
【請求項3】
前記熱交換器は、複数のフィンと、前記複数のフィンを貫通する複数の伝熱管と、前記複数のフィンの端に位置する端板と、を含み、
前記ガイドは、前記端板に固定されている、
請求項1又は2に記載の熱源装置。
【請求項4】
直線状に並ぶ3つ以上の前記サイクル構成部品を備え、
前記ガイドは、3つ以上の前記サイクル構成部品が並ぶ方向と平行に延びる部分を含み、当該部分が各前記サイクル構成部品の前記中間部に連結されている、
請求項1乃至
3のうちいずれか1項に記載の熱源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、熱源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱交換器と、この熱交換器とともに冷凍サイクルの一部を構成する圧縮機、アキュムレータおよびレシーバ等のサイクル構成部品と、を備えた熱源装置が知られている。サイクル構成部品を熱源装置のフレームや底板に固定しない場合、振動によりこれらサイクル構成部品に接続された配管が破損し得る。そこで、一般的には各サイクル構成部品の下部が底板に固定されている。
【0003】
しかしながら、例えば鉛直方向に長尺なレシーバ等のサイクル構成部品を熱源装置の内部に配置する場合、その下部を底板に固定した場合であっても上部の振動を十分に抑制できない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、振動への耐性に優れた熱源装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る熱源装置は、底板と、熱交換器と、サイクル構成部品と、ガイドと、電気部品箱と、排気ユニットとを備えている。前記熱交換器は、鉛直方向において前記底板の上方に配置されている。前記サイクル構成部品は、前記底板に固定された下端部と、前記下端部の反対側の上端部と、前記下端部および前記上端部の間の中間部とを有し、前記下端部と前記上端部の間で長尺に延びるとともに前記熱交換器に接続されている。前記ガイドは、前記サイクル構成部品を前記中間部において支持している。前記電気部品箱は、当該熱源装置を制御する制御器を含む。前記排気ユニットは、前記電気部品箱の側面から突出し、前記電気部品箱の内部の空気を排出する。さらに、前記ガイドは、前記排気ユニットよりも前記鉛直方向における下方に配置され、前記ガイドの一部が前記鉛直方向において前記排気ユニットと重なっている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る熱源装置を含む冷凍サイクルの概略的な構成例を示す図である。
【
図3】
図3は、熱源装置を他の方向から見た概略的な斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4におけるV-V線に沿う熱源装置の概略的な断面図である。
【
図6】
図6は、
図4におけるVI-VI線に沿う熱源装置の概略的な断面図である。
【
図7】
図7は、
図4におけるVII-VII線に沿う熱源装置の概略的な断面図である。
【
図8】
図8は、ガイドと第1熱交換器の接続構造の一例を概略的に示す図である。
【
図9】
図9は、ガイドと第2熱交換器の接続構造の一例を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
熱源装置の一実施形態につき、図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る熱源装置1を含む冷凍サイクルの概略的な構成例を示す図である。熱源装置1は、冷媒の流入口Piと、冷媒の流出口Poとを備えている。図中の各矢印は、冷媒が流れる方向を示している。
【0009】
熱源装置1は、流入口Piと流出口Poの間に配置される要素として、アキュムレータ2、逆止弁3、第1圧縮機4A、第2圧縮機4B、オイルセパレータ5、第1熱交換器6A、第2熱交換器6B、第3熱交換器6C、第4熱交換器6D(サブクールコイル)、第1レシーバ7A、第2レシーバ7B、第3レシーバ7C、第1バルブ8A、第2バルブ8Bおよびこれら要素を接続する配管を備えている。アキュムレータ2、圧縮機4A,4B、オイルセパレータ5およびレシーバ7A~7Cは、本実施形態におけるサイクル構成部品または容器の一例である。
【0010】
熱源装置1には、流入口Piを通じて冷媒が供給される。この冷媒は、第1バルブ8Aを経てアキュムレータ2に供給される。アキュムレータ2においては冷媒が気液分離され、そのガス冷媒が逆止弁3を経て、並列に接続された第1圧縮機4Aおよび第2圧縮機4Bにそれぞれ供給される。これら圧縮機4A,4Bは、例えば密閉型のロータリコンプレッサであり、ガス冷媒を所定の圧力に圧縮する。圧縮されたガス冷媒は、オイルセパレータ5に供給されて油分が分離される。
【0011】
オイルセパレータ5を経たガス冷媒は、並列に接続された第1熱交換器6A、第2熱交換器6Bおよび第3熱交換器6Cにそれぞれ供給される。これら熱交換器6A~6Cにおいて、ガス冷媒が空気と熱交換して凝縮される。
【0012】
図1の例においては、第1熱交換器6Aの出口に第1レシーバ7Aが接続され、第2熱交換器6Bの出口に第2レシーバ7Bが接続され、第3熱交換器6Cの出口に第3レシーバ7Cが接続されている。熱交換器6A~6Cを経た冷媒は、それぞれレシーバ7A~7Cに溜められる。さらに、レシーバ7A~7Cの冷媒は、第4熱交換器6Dに供給される。この冷媒は、第4熱交換器6Dにおいて過冷却され、第2バルブ8Bを介して流出口Poに供給される。
【0013】
熱源装置1は、例えば空気調和機の室外機であり、ビルや工場等の建物の外部に配置される。流入口Piおよび流出口Poには、例えば膨張弁および熱交換器(蒸発器)等を備えた室内機やショーケースが接続される。なお、熱源装置1は、チリングユニットやヒートポンプ給湯装置等であってもよい。
【0014】
次に、
図1に示した冷凍サイクルを適用した熱源装置1の構造の一例について説明する。
図2は、熱源装置1の概略的な斜視図である。
図3は、熱源装置1を他の方向から見た概略的な斜視図である。以下の説明においては、
図2および
図3に示すX方向、Y方向およびZ方向を定義する。X方向およびY方向は、いずれも熱源装置1の設置面と平行な水平方向に相当し、互いに直交している。Z方向は、鉛直方向に相当し、X方向およびY方向と直交している。Z方向の矢印が示す方向を上方と呼び、その反対方向を下方と呼ぶことがある。
【0015】
図2および
図3に示すように、熱源装置1は、平面視において矩形状の下枠10および上枠11を備えている。下枠10と上枠11は、4隅のうちの3つにそれぞれ配置された支柱12A,12B,12Cによって接続されている。さらに
図2に示すように、下枠10と上枠11の間には、X方向に並ぶ前面板13A,13B,13Cが配置されている。
【0016】
下枠10の下方の開口は、X方向に並ぶ2枚の底板14A,14B(
図5参照)で覆われている。底板14A,14Bの下方には、X方向に延びる一対の据付脚15A,15Bが互いに平行に配置されている。上枠11の上方には、X方向に並ぶ一対の天板16A,16Bが配置されている。
【0017】
天板16Aは中央に円形の開口を有しており、この開口に円筒状のベルマウス17Aが取り付けられている。ベルマウス17Aの内側には、送風ファン18Aが配置されている。同様に、天板16Bは中央に円形の開口を有しており、この開口に円筒状のベルマウス17Bが取り付けられている。ベルマウス17Bの内側には、送風ファン18Bが配置されている。なお、天板16Aとベルマウス17Aは一体的に形成されてもよい。同様に、天板16Bとベルマウス17Bは一体的に形成されてもよい。
【0018】
図1にも示した熱交換器6A~6Cは、下枠10と上枠11の間に配置され、前面板13A~13Cとともに熱源装置1の側部を構成している。具体的には
図2に示すように、支柱12Aと前面板13Aの間の領域を第1熱交換器6Aが覆っている。また、
図3に示すように、支柱12Aと支柱12Bの間の領域の半分を第2熱交換器6Bが覆い、当該領域の残りの半分を第3熱交換器6Cが覆っている。さらに、支柱12Bと支柱12Cの間の領域を第4熱交換器6Dが覆っている。熱交換器6A~6Dの外側には、これら熱交換器6A~6Dを保護するための格子19が配置されている。
【0019】
本実施形態において、第1熱交換器6Aは、Z方向に積み重ねられた下部ユニット61aおよび上部ユニット62aを有している。第2熱交換器6Bは、Z方向に積み重ねられた下部ユニット61bおよび上部ユニット62bを有している。第3熱交換器6Cは、Z方向に積み重ねられた下部ユニット61cおよび上部ユニット62cを有している。第4熱交換器6Dは、Z方向に積み重ねられた下部ユニット61dおよび上部ユニット62dを有している。
【0020】
続いて、熱源装置1の内部構造の一例について説明する。
図4は、熱源装置1の概略的な正面図である。
図5は、
図4におけるV-V線に沿う熱源装置1の概略的な断面図である。
図6は、
図4におけるVI-VI線に沿う熱源装置1の概略的な断面図である。
図7は、
図4におけるVII-VII線に沿う熱源装置1の概略的な断面図である。なお、
図4においては、前面板13A~13Cを省略するとともに、下枠10の一部を破断している。また、
図4~
図7においては、熱源装置1の内部に配置される配管等の要素を一部省略している。
【0021】
図4および
図5に示すように、熱源装置1の内部には、電気部品箱20、機械室30およびバルブ収容部40が配置されている。電気部品箱20は、圧縮機4A,4Bや送風ファン18A,18B等を制御する制御器21を収容している。機械室30は、圧縮機4A,4Bや
図1に示したオイルセパレータ5等を収容している。バルブ収容部40は、バルブ8A,8B等を収容している。機械室30は、圧縮機4A,4Bを収容する圧縮機収容箱であってもよいし、このような圧縮機収容箱を内部に含んでもよい。熱源装置1が膨張弁や四方弁を含む場合、機械室30はこれら膨張弁および四方弁をさらに収容してもよい。
【0022】
電気部品箱20は、例えば金属製の複数のプレートにより構成されている。同様に、機械室30およびバルブ収容部40も金属製の複数のプレートにより構成された箱体である。電気部品箱20は底板14A上に配置され、機械室30およびバルブ収容部40は底板14B上に配置されている。
【0023】
図5に示すように、第1熱交換器6Aおよび第2熱交換器6Bは、底板14Aの上方に配置されている。第1熱交換器6Aは、Y方向に延びる第1扁平部分63aと、X方向に延びる第2扁平部分64aと、第1扁平部分63aおよび第2扁平部分64aの間の屈曲部分65aとを有している。
図5の例においては、第1扁平部分63aの方が第2扁平部分64aよりも長い。第2扁平部分64aの端部は、電気部品箱20と対向している。
【0024】
第2熱交換器6Bは、X方向に延びる第1扁平部分63bと、Y方向に延びる第2扁平部分64bと、第1扁平部分63bおよび第2扁平部分64bの間の屈曲部分65bとを有している。
図5の例においては、第1扁平部分63bの方が第2扁平部分64bよりも長い。第2扁平部分64bの端部は、電気部品箱20と対向している。
【0025】
第3熱交換器6Cおよび第4熱交換器6Dは、底板14Bの上方に配置されている。第3熱交換器6Cは、X方向に延びる第1扁平部分63cと、Y方向に延びる第2扁平部分64cと、第1扁平部分63cおよび第2扁平部分64cの間の屈曲部分65cとを有している。
図5の例においては、第1扁平部分63cの方が第2扁平部分64cよりも長い。第2扁平部分64cの端部は、機械室30と対向している。
【0026】
このように、熱交換器6A~6Cは、異なる方向に延びる複数の部分を含む。一方、サブクールコイルである第4熱交換器6Dは、このような複数の部分を含まずに、全体的にY方向に延びている。
【0027】
図6の第2熱交換器6Bに例示するように、各熱交換器6A~6Dは、Z方向に延びる複数の板状のフィン66と、これらフィン66を貫通する複数の伝熱管67とを有している。
【0028】
図5の第1熱交換器6Aに例示するように、各熱交換器6A~6Dは、熱源装置1の内側から外側に向けて第1列L1、第2列L2および第3列L3に分割されている。例えば第1扁平部分63aの各列L1~L3においては、複数のフィン66がY方向に配列されている。第2扁平部分64aの各列L1~L3においては、複数のフィン66がX方向に配列されている。また、屈曲部分65aの各列L1~L3においては、複数のフィン66が曲線状に配列されている。
【0029】
第2熱交換器6Bに近接する第1扁平部分63aの端部においては、第2列L2が第1列L1よりもY方向と平行に突出し、第3列L3が第2列L2よりもY方向と平行に突出している。これにより、第1扁平部分63aの当該端部は、外側ほど突出した階段状に構成されている。第2熱交換器6Bの第1扁平部分63bの端部も同様に、外側ほど突出した階段状に構成されている。
【0030】
さらに、第3熱交換器6Cの第1扁平部分63cの端部も同様に、外側ほど突出した階段状に構成されている。また、第3熱交換器6Cに近接する第4熱交換器6Dの端部も同様に、外側ほど突出した階段状に構成されている。
【0031】
なお、
図5に示す熱交換器6A~6Dの断面形状は、それぞれ
図1および
図2に示した上部ユニット62a~62dのものに相当する。熱交換器6A~6Dの下部ユニット61a~61dは、これら上部ユニット62a~62dと同様の断面形状を有している。
【0032】
図6の例においては、電気部品箱20の内部の空気を排気する排気ユニット22が電気部品箱20の側面に設けられている。排気ユニット22は、第2熱交換器6Bに向けて突出する排気口23と、排気口23の内部に配置された排気ファン24とを備えている。
【0033】
排気ユニット22の上方には、上述の送風ファン18Aが配置されている。送風ファン18Aは、複数の羽根181と、これら羽根181を回転させるファンモータ182とを備えている。
【0034】
送風ファン18Aにおいて羽根181が回転すると、第1熱交換器6Aおよび第2熱交換器6Bにおけるフィン66の隙間を通じて熱源装置1の周囲の空気が熱源装置1の内部に吸い込まれる。このとき、各熱交換器6A,6Bの伝熱管67を流れる高温高圧のガス冷媒との熱交換により空気が温められる。また、排気ユニット22において排気ファン24が回転すると、電気部品箱20の内部で発生する熱により温められた空気が排気口23を通じて排出される。各熱交換器6A,6Bにおいて温められた空気、および、電気部品箱20から排出された空気は、ベルマウス17Aを通じて熱源装置1の外部に排出される。
【0035】
図5に示すように、アキュムレータ2は、第3熱交換器6C、第4熱交換器6D、機械室30およびバルブ収容部40で囲われた空間に配置されている。アキュムレータ2は、複数の脚部材2aにより底板14Bに固定されている。逆止弁3は、アキュムレータ2からZ方向に延出する配管に取り付けられている。
【0036】
レシーバ7A~7Cは、第1熱交換器6A、第2熱交換器6Bおよび電気部品箱20で囲われた空間に配置されている。熱交換器6A,6Bは、レシーバ7A~7Cの周囲の半分以上を囲っている。
図5の例においては、レシーバ7A~7CがX方向およびY方向と交差する方向において直線状に並んでいる。ただし、レシーバ7A~7Cの配置態様はこの例に限られない。
【0037】
図6に示すように、レシーバ7A~7Cは、下端部71とその反対側の上端部72との間でZ方向に長尺に延びる形状を有している。レシーバ7A~7Cの下端部71は、複数の脚部材73を介して底板14Aに固定されている。
【0038】
図5に示すように、レシーバ7Aには配管81の一端が接続されている。配管81の他端は、第1熱交換器6Aの第2扁平部分64aの端部に接続されている。第1熱交換器6Aにおいて空気と熱交換した後の冷媒は、配管81を介してレシーバ7Aに供給される。
【0039】
レシーバ7Bには配管82の一端が接続されている。配管82の他端は、第2熱交換器6Bの第2扁平部分64bの端部に接続されている。第2熱交換器6Bにおいて空気と熱交換した後の冷媒は、配管82を介してレシーバ7Bに供給される。
【0040】
レシーバ7Cには配管83の一端が接続されている。配管83の他端は、第3熱交換器6Cの第2扁平部分64cの端部に接続されている。第3熱交換器6Cにおいて空気と熱交換した後の冷媒は、配管83を介してレシーバ7Cに供給される。
図5の例においては、配管83の一部が第2熱交換器6Bの下方(第2熱交換器6Bと底板14Aの間)に通されている。
【0041】
また、レシーバ7A~7Cには、集合管84の3本に分岐した端部がそれぞれ接続されている。集合管84の他端は、第4熱交換器6Dのバルブ収容部40と対向する端部に接続されている。
図5の例においては、集合管84の一部が第2熱交換器6Bおよび第3熱交換器6Cの下方(第2熱交換器6Bと底板14Aの間、第3熱交換器6Cと底板14Bの間)に通されている。
【0042】
図5に示すように、レシーバ7A~7Cは、それぞれ取付部74を有している。これら取付部74は、レシーバ7A~7Cの側面から同じ方向(電気部品箱20に向かう方向)に突出している。
【0043】
レシーバ7A~7Cの取付部74には、ガイド50が接続されている。ガイド50は、第1部分51と、第2部分52と、第3部分53と、第4部分54と、第5部分55とを有している。各部分51~55は、例えば1枚の金属製の板材を曲げることで形成されている。ただし、各部分51~55は、溶接等の適宜の手段により互いに連結されていてもよい。
【0044】
第1部分51は、各取付部74と重なっている。第2部分52は、第1部分51の一端から第1熱交換器6Aの第2扁平部分64aに向かってY方向に延びている。第3部分53は、第2部分52の端部から電気部品箱20に向けてX方向に延びている。第4部分54は、第1部分51の他端から第2熱交換器6Bの第2扁平部分64bに向かってX方向に延びている。第5部分55は、第4部分54の端部から電気部品箱20に向けてY方向に延びている。
【0045】
取付部74とガイド50は、例えば
図5に示すように2本のねじS1によって接続することができるが、この例に限られない。第3部分53の端部は、第1熱交換器6Aの第2扁平部分64aの端部に接続されている。第5部分55の端部は、第2熱交換器6Bの第2扁平部分64bの端部に接続されている。
【0046】
図6に示すように、各取付部74は、それぞれレシーバ7A~7Cの下端部71と上端部72の間の中間部に設けられている。ガイド50は、各取付部74の下方に配置されている。取付部74およびガイド50は、排気ユニット22よりもZ方向における下方に位置している。また、
図5に示すように、レシーバ7Bの取付部74の一部および第1部分51の一部が、Z方向において排気ユニット22と重なっている。
【0047】
図7に示すように、第1熱交換器6Aの下部ユニット61aは、当該ユニット61aの複数のフィン66の端に位置する端板91Aを有している。また、上部ユニット62aは、当該ユニット62aの複数のフィン66の端に位置する端板92Aを有している。端板91Aおよび端板92Aには、複数のベンド管68が接続されている。これらベンド管68は、2つの伝熱管67を接続している。
【0048】
端板91Aと端板92Aは、Z方向に長尺な連結具93Aによって連結されている。本実施形態において、ガイド50と第1熱交換器6Aは、この連結具93Aを利用して接続されている。
【0049】
図8は、ガイド50と第1熱交換器6Aの接続構造の一例を概略的に示す図である。この図は、
図7におけるVIII-VIII線に沿う第1熱交換器6Aおよび連結具93Aの断面とガイド50とを含む。
【0050】
上述の通り、第1熱交換器6Aは第1列L1、第2列L2および第3列L3を有しており、各列L1~L3にそれぞれフィン66が配列されている。端板92Aは、各列L1~L3の端部を覆うベース921と、ベース921の両端からそれぞれ突出した一対の突出部分922とを有している。
【0051】
ガイド50の第3部分53は、端部をY方向と平行に曲げて形成された端壁56を有している。連結具93Aは、断面形状がL字型であり、突出部分922および端壁56の双方に接触している。
【0052】
突出部分922と連結具93Aは、Z方向における複数の位置でねじS2により連結されている。なお、端板91Aも端板92Bと同様に突出部分を有しており、この突出部分と連結具93AがZ方向における複数の位置でねじS2により連結されている。端壁56と連結具93Aは、Z方向における複数の位置でねじS3により連結されている。
【0053】
ガイド50と第2熱交換器6Bの接続に関しても、同様の構造を適用できる。
図9は、ガイド50と第2熱交換器6Bの接続構造の一例を概略的に示す図である。第2熱交換器6Bの上部ユニット62bは、第1熱交換器6Aの端板92Aと同様の端板92Bを有している。
図9には示されていないが、第2熱交換器6Bの下部ユニット61bも同様の端板を有しており、当該端板と端板92BがZ方向における複数の位置でねじS2によりL字型の連結具93Bに連結されている。
【0054】
ガイド50の第5部分55は、端部をX方向と平行に曲げて形成された端壁57を有している。端壁57と連結具93Bは、Z方向における複数の位置でねじS3により連結されている。
【0055】
ここで、本実施形態の効果の一例について説明する。
本実施形態においては、レシーバ7A~7CがZ方向に長尺な形状を有している。したがって、仮にレシーバ7A~7Cを底板14Aに固定するだけでは、圧縮機4A,4Bの動作や外力に起因してレシーバ7A~7Cの上方が大きく振動する可能性がある。このような振動は、レシーバ7A~7Cに接続された配管の損傷の一因となり得る。
【0056】
この点に関し、本実施形態においてはレシーバ7A~7Cの下端部71だけでなく中間部がガイド50によって支持されている。したがって、レシーバ7A~7Cの振動を抑制し、結果として熱源装置1の振動への耐性を高めることができる。
【0057】
また、本実施形態においては、熱交換器6A,6Bがレシーバ7A~7Cの周囲の半分以上を囲っている。通常、このような構成においては、ガイド50を熱源装置1のフレーム等に連結することが困難である。仮に熱交換器6A,6Bの内面(フィン66が並ぶ面)にガイド50を固定する場合には、強度を確保するために複雑な構造が必要となる。これに対し、本実施形態においては、ガイド50を熱交換器6A,6Bの端板92A,92Bに連結している。この場合においては、複雑な構造を用いることなくガイド50を熱源装置1の内部に固定できる。
【0058】
さらに、本実施形態においては、第1熱交換器6Aの下部ユニット61aおよび上部ユニット62aを連結する連結具93Aと、第2熱交換器6Bの下部ユニット61bおよび上部ユニット62bを連結する連結具93Bとをガイド50の固定に利用している。この場合、ガイド50を端板92A,92Bに連結するためのブラケット等が不要となり、部品点数を削減できる。
【0059】
また、ガイド50は、排気ユニット22よりも下方に配置されている。このような構造であれば、排気ユニット22とガイド50が干渉しない。そのため、例えばZ方向において排気ユニット22と一部重なるようにガイド50を配置するなど、熱源装置1の内部におけるガイド50のレイアウトが容易となる。
【0060】
また、本実施形態においては、3つのレシーバ7A~7Cが直線状に並んでいる。さらに、ガイド50はレシーバ7A~7Cが並ぶ方向と平行な第1部分51を含み、この第1部分51がレシーバ7A~7Cの中間部に連結されている。このような構成であれば、ガイド50を複雑に曲げたり、レシーバ7A~7Cの各々に対して個別にガイドを設けたりすることなくレシーバ7A~7Cを容易に固定できる。
【0061】
なお、本実施形態においては熱源装置1が4つの熱交換器6A~6Dを備える場合を例示したが、熱源装置1が備える熱交換器の数はこの例に限定されない。例えば、熱交換器6A,6Bが連続した一つの熱交換器であってもよい。また、熱交換器6C,6Dが連続した一つの熱交換器であってもよい。さらに他の例として、熱交換器6A~6Cが連続した一つの熱交換器であり、この熱交換器の冷媒流れ方向の下流側にサブクールコイルとして第4熱交換器6Dが接続されてもよい。
【0062】
また、本実施形態においては、熱交換器6A~6Dが上下方向において2つに分割されるとともに、厚さ方向において3つの列L1~L3に分割される場合を例示した。しかしながら、熱交換器6A~6Dは、上下方向および厚さ方向に分割されていなくてもよい。この場合において、ガイド50と熱交換器6A,6Bの端板とは、直接連結されてもよいし、ブラケット等の部材を介して連結されてもよい。
【0063】
また、本実施形態においては、熱源装置1が3つのレシーバ7A~7Cを備える場合を例示したが、熱源装置1が備えるレシーバ7A~7Cの数はこの例に限定されない。例えば、熱源装置1は、熱交換器6A~6Cの下流側に接続される1つのレシーバを備えてもよい。この場合においては、ガイド50が当該レシーバのみの中間部を支持する。また、熱源装置1は、2つまたは4つ以上のレシーバを備えてもよい。このようにレシーバが複数配置される場合において、ガイド50は、全てのレシーバを支持してもよいし、一部のレシーバを支持してもよい。また、異なるレシーバを支持する複数のガイド50が配置されてもよい。
【0064】
また、本実施形態においては、レシーバ7A~7Cの中間部がガイド50により支持される構造を例示した。同様に中間部を支持する構造は、例えばアキュムレータ2、圧縮機4A,4Bおよびオイルセパレータ5等の他のサイクル構成部品にも適用できる。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0066】
1…熱源装置、2…アキュムレータ、3…逆止弁、4A,4B…圧縮機、5…オイルセパレータ、6A~6D…熱交換器、7A~7C…レシーバ、8A,8B…バルブ、14A,14B…底板、18A,18B…送風ファン、20…電気部品箱、21…制御器、22…排気ユニット、50…ガイド、74…取付部、91A,92A,92B…端板、93A,93B…連結具。