(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】IDカード発行管理装置及びIDカード発行管理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231211BHJP
B42D 25/485 20140101ALI20231211BHJP
【FI】
G06F3/12 326
G06F3/12 302
G06F3/12 334
G06F3/12 339
G06F3/12 378
B42D25/485
(21)【出願番号】P 2019181521
(22)【出願日】2019-10-01
【審査請求日】2022-07-08
(73)【特許権者】
【識別番号】390014568
【氏名又は名称】東芝プラントシステム株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000162113
【氏名又は名称】共同印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100124372
【氏名又は名称】山ノ井 傑
(74)【代理人】
【識別番号】100125151
【氏名又は名称】新畠 弘之
(72)【発明者】
【氏名】高橋 信朗
(72)【発明者】
【氏名】西川 暢
(72)【発明者】
【氏名】白鳥 信裕
【審査官】石川 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219843(JP,A)
【文献】特開2006-018790(JP,A)
【文献】特開2005-305707(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B42D 25/00-25/485
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
IDカードの発行に必要となるカード情報を、ネットワークを介して取得する取得部と、
前記カード情報に含まれる2つ以上の属性情報の組み合わせに応じて、出力先のプリンタを判定する判定部と、
前記カード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成するカード情報生成部と、
前記出力先のプリンタに前記IDカードの印刷情報を出力して前記IDカードを発行させるプリンタ制御部と、
を備えるIDカード発行管理装置。
【請求項2】
IDカードの発行に必要となるカード情報を取得する取得部と、
前記カード情報に含まれるID情報以外の2つ以上の属性情報と、前記2つ以上の属性情報およびプリンタ名を対応付けした割振り情報との組み合わせに応じて、出力先のプリンタを判定する判定部と、
前記カード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成するカード情報生成部と、
前記出力先のプリンタに前記IDカードの印刷情報を出力して前記IDカードを発行させるプリンタ制御部と、
を備えるIDカード発行管理装置。
【請求項3】
複数の前記出力先のプリンタと、記憶領域を有する記憶部を更に備え、
前記カード情報生成部は、前記判定部により判定された前記出力先のプリンタに対応する前記IDカードの印刷情報を前記記憶領域に出力し、
前記プリンタ制御部は、前記記憶領域に前記IDカードの印刷情報が出力された場合に、出力された印刷情報に対応する前記出力先のプリンタに前記IDカードの印刷情報を出力する、請求項1または2に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項4】
前記複数の出力先のプリンタから取得した情報に基づき、前記IDカードの処理状態を制御する状態管理制御部を、
更に備え、
前記状態管理制御部は、前記出力された記憶領域に対応する前記出力先のプリンタに第1エラーが生じた場合に、前記カード情報生成部の状態を前記IDカードの印刷情報を前記出力先のプリンタに対応する前記記憶領域に出力する前の状態に戻す、請求項3に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項5】
前記状態管理制御部は、前記出力された記憶領域に対応する前記出力先のプリンタに前記第1エラーと異なる第2エラーが生じた場合に、前記プリンタ制御部に前記IDカードの発行制御を継続させる、
請求項4に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項6】
前記状態管理制御部は、前記発行制御の継続時間又は発行制御のトライ回数が所定値を超えた場合に、前記カード情報生成部の状態を前記IDカードの印刷情報を前記出力先のプリンタに対応する前記記憶領域に出力する前の状態に戻す、請求
項5に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項7】
指示信号を入力する指示部を更に備え、
前記カード情報生成部は、前記指示部から入力された指示信号に従い前記IDカードの印刷情報を出力することも可能である、請求項
1または2に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項8】
指示信号を入力する指示部を更に備え、
前記カード情報生成部は、前記指示部から入力された指示信号に従い前記IDカードの印刷情報を出力することも可能である、請求項3乃至6のいずれか一項に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項9】
前記指示部は、前記複数の出力先のプリンタの中からIDカードを発行させるプリンタを選択可能であり、
前記カード情報生成部は、前記出力された前記記憶領域に対応する前記出力先のプリンタにエラーが生じた場合に、前記指示部により選択されたプリンタに対応する前記記憶領域に前記IDカードの印刷情報を出力する、請求項
8に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項10】
前記複数の出力先のプリンタから取得した情報に基づき、前記複数の
出力先のプリンタのうちのいずれかにエラーが生じた場合に、エラーしたプリンタに対応するエラー状態及びエラー処理方法の情報を生成するエラー情報生成部を、
更に備える、請求項
3乃至6および8乃至9のいずれか一項に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項11】
前記エラー情報生成部が出力するエラー状態及びエラー処理方法の少なくとも一方を表示部に表示させる表示制御部を更に備える、請求
項10に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項12】
前記判定部は、前記カード情報に含まれる身分、所属および所在の内の少なくとも2つに基づき出力先のプリンタを判定する、請求項1乃
至11のいずれか一項に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項13】
前記記憶部は、IDカードの発行時刻とIDカード固有のIDとを関連付けたカード発行結果情報を、更に記憶する、請求項3に記載のIDカード発行管理装置。
【請求項14】
IDカードの発行に必要となるカード情報を、ネットワークを介して取得する取得工程と、
前記カード情報に含まれる2つ以上の属性情報の組み合わせに応じて、出力先のプリンタを判定する判定工程と、
前記カード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成するカード情報生成工程と、
前記出力先のプリンタに前記IDカードの印刷情報を出力して前記IDカードを発行させるプリンタ制御工程と、
を備えるIDカード発行管理方法。
【請求項15】
IDカードの発行に必要となるカード情報を、ネットワークを介して取得する取得工程と、
ID情報以外の2つ以上の属性情報およびプリンタ名を対応付けした割振り情報を記憶する工程と、
前記カード情報に含まれるID情報以外の2つ以上の属性情報と前記割振り情報との組み合わせに応じて、出力先のプリンタを判定する判定工程と、
前記カード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成するカード情報生成工程と、
前記出力先のプリンタに前記IDカードの印刷情報を出力して前記IDカードを発行させるプリンタ制御工程と、
を備えるIDカード発行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、IDカード発行管理装置及びIDカード発行管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
IDカード発行管理システムでは、一般にIDカード発行に必要なIDカードへの書き込み情報およびIDカード券面印刷用の印刷情報は、IDカード発行管理装置が生成する。このIDカード発行管理装置には、複数のIDカード発行用の専用端末がネットワークを介して接続されている。さらにIDカード発行用の専用端末にはカード発行専用プリンタが接続されている。
【0003】
このようなIDカード発行管理システムは、一般に学校や企業などに導入され、学生証、教職員証、従業員証などの発行に用いられている。このため、IDカード発行用の専用端末は、拠点や部署別に複数配置され、端末別に発行対象となる人が一般に異なっている。
【0004】
ところが、IDカード発行用の専用端末では、IDカード発行管理装置からカードの発行対象となる人の情報を拠点や部署毎に配置された専用端末専属の操作者の操作により取得している。このため、操作端末毎に操作者による操作が必要となり、IDカードの発行操作が煩雑となってしまう恐れがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、IDカードの発行操作をより簡略化可能なIDカード発行管理装置、及びIDカード発行管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本実施形態によれば、IDカード発行管理装置は、取得部と、判定部と、カード情報生成部と、プリンタ制御部と、を備える。取得部は、IDカードの発行に必要となるカード情報を、ネットワークを介して取得する。判定部は、カード情報に含まれる2つ以上の属性情報の組み合わせに応じて、出力先のプリンタを判定する。カード情報生成部は、カード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成する。プリンタ制御部は、出力先のプリンタにIDカードの印刷情報を出力してIDカードを発行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】IDカード発行管理システムの構成を示すブロック図。
【
図2】個人情報管理装置が管理しているカード情報の一部を例示する図。
【
図5】カード発行管理制御部の詳細な構成を示すブロック図。
【
図7】IDカードの印刷情報が生成された後の操作画面の一例を示す図。
【
図8】申請許可が指示された後の操作画面の一例を示す図。
【
図10】エラー情報生成部が出力するエラー情報と、対応するエラー処理の一例を示す図。
【
図11】状態管理制御部が生成する管理画面の一例を示す図。
【
図12】IDカード発行管理装置の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係るIDカード発行管理装置、及びIDカード発行管理方法について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態は、本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。また、本実施形態で参照する図面において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号又は類似の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。また、図面の寸法比率は説明の都合上実際の比率とは異なる場合や、構成の一部が図面から省略される場合がある。
(一実施形態)
【0010】
図1は、IDカード発行管理システム1の構成を示すブロック図である。IDカード発行管理システム1はネットワークを介してIDカードの発行が可能なシステムであり、個人情報管理装置2と、IDカード発行管理装置4とを備えて構成されている。
図1は、更に複数のICカード発行プリンタ601~60nを図示している。ここで、IDとは、システムの利用者(発券対象者)を識別するための符号を意味する。IDカードには例えばIDの他に氏名や所属などの個人情報も印刷される。IDカード発行管理システム1は、IDカードとして例えばICカード(ICC: integrated circuit card)を発行する。ICカードは、集積回路を組み込んだカードを意味する。なお、本実施形態に係るICカード発行プリンタ601~60nが出力先のプリンタに対応する
【0011】
図2に基づき、個人情報管理装置2について説明する。
図2は、個人情報管理装置2が管理しているカード情報の一部を例示する図である。
図2に示すように、個人情報管理装置2は、IDカード発行に必要となるカード情報を管理している。個人情報管理装置2は、例えばID、氏名、身分(学部生、大学院生及び職員等のいずれか)、所属、所在、発行対象となる券種(券種A、B、Cなど)、種別などの情報を管理している。種別の数字はカードの発行回数を示している。例えば0であれば、0回発行済みであり新規の発行であることを示し、1であれば、1回発行済みであり1回目の再発行であることを示し、2であれば、2回発行済みであり2回目の再発行であることを示し、5であれば、5回発行済みであり5回目の再発行であることを示している。
【0012】
IDカード発行管理装置4は、ICカード発行プリンタ601~60nにIDカードを発行させる装置であり、通信部101と、入出力部102と、記憶部103と、カード発行管理制御部104と、プリンタ制御部105とを備えて構成されている。
【0013】
通信部101は、例えばインターネットなどの公衆通信回線網や、LANなどの通信回線網を介して個人情報管理装置2、及び複数のICカード発行プリンタ601~60nと接続する。なお、本実施形態に係る通信部101が取得部に対応する。
【0014】
入出力部102は、指示部102aと、表示部102bとを有する。指示部102aは、キーボード、マウスなどにより実現される。表示部102bは、ディスプレイ、タッチパネルなどにより実現される。また、本実施形態に係るICカード発行プリンタ601~60nは複数であるがこれに限定されず、単一のICカード発行プリンタにより発行処理を行ってもよい。
【0015】
記憶部103は、メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置を含む。
図3は、記憶部103が記憶する割振り表の一例を示す図である。
図3に示すように、記憶部103は、カード情報に含まれる属性情報に応じたICカード発行プリンタ601~60nの割振り表を記憶している。すなわち、カード情報に含まれる属性情報の内少なくとも2つのID情報より荒い括りの属性情報に一致する情報と、これら一致する情報に対応するICカード発行プリンタ情報(プリンタ名、プリンタのIPアドレス等、以下プリンタ名とする。)との組み合わせ情報を記憶している。例えば本実施形態では、身分、所属、所在(身分・所在・所属に対するカード発行担当部署中の「所在」)の内の2つまたは3つを一致する情報としている。また、記憶部103は、複数のICカード発行プリンタ601~60nにそれぞれ対応する複数の記憶領域1031~103nを有する。さらにまた、記憶部103は、個人情報管理装置2から取得したカード情報(
図2)に関する情報を記憶する。
【0016】
カード発行管理制御部104は、IDカードの印刷情報を生成し、カード発行管理に関する制御を行う。カード発行管理制御部104の詳細な構成は後述する。
【0017】
プリンタ制御部105は、出力先のICカード発行プリンタにカード発行管理制御部104が生成したIDカードの印刷情報を出力し、IDカードを発行させる。プリンタ制御部105は、例えば複数のプリンタ制御部1061~nを有する。プリンタ制御部1061は、例えばICカード発行プリンタ601の制御モジュールであり、プリンタ制御部106nは、例えばICカード発行プリンタ60nの制御モジュールである。
【0018】
図4は、プリンタ制御部105の制御動作例を示す概念図である。
図4に示すように、プリンタ制御部1061~nのそれぞれは前記記憶領域1031~nの何れかに対応付けられる。これらの記憶領域1031~nは、発行命令フォルダと呼ばれる場合がある。記憶領域1031~n内には、IDカードの印刷情報1041、104nがカード発行管理制御部104から出力されている。
【0019】
プリンタ制御部1061~nのそれぞれは、所定の周期で対応する記憶領域1031~nの情報を取得している。これにより、プリンタ制御部105は、複数の記憶領域1031~nのいずれかにIDカードの印刷情報が出力された場合に、ICカード発行プリンタ601~60nの内のIDカードの印刷情報1041、104nが出力された記憶領域1031、103nに対応するICカード発行プリンタ601、60nにIDカードの印刷情報1041、104nをそれぞれ出力する。すなわち、プリンタ制御部105は、カード発行管理制御部104が生成したIDカードの印刷情報1041、104nが対応する記憶領域1031、103nに記憶されている場合に、ICカード発行プリンタ601~60nの中の対応するICカード発行プリンタ601、60nのそれぞれにICカードの印刷を行わせる。
【0020】
このように、プリンタ制御部105は、対応する記憶領域1031~nを記憶部103内に割り振ることにより、ICカード発行プリンタnに対応する制御モジュールであるプリンタ制御部nをより簡易に追加できるように構成されている。これにより、新たにICカード発行プリンタ(n+1)が追加された場合の拡張性が確保されている。
【0021】
ここで、
図5に基づき、カード発行管理制御部104の詳細な構成を説明する。
図5は、カード発行管理制御部104の詳細な構成を示すブロック図である。
図5に示すように、カード発行管理制御部104は、表示制御部200と、判定部202と、カード情報生成部204と、エラー情報生成部206と、状態管理制御部208と、を備えて構成されている。
【0022】
表示制御部200は、画像を表示部102bに表示させる。ここで、表示部102bの表示画面の中で、操作者が指示操作を行う領域をボタンと呼ぶこととする。また、表示制御部200は、表示部102bが表示する画面内のボタンに対する指示部102aの指示信号に基づく制御信号を出力する。
【0023】
判定部202は、個人情報管理装置2から取得したカード情報に基づき、複数のICカード発行プリンタ601~60nの中から出力先のプリンタを判定する。判定部202は、カード情報に含まれる身分、所属、所在の内の少なくとも2つに基づき、複数のICカード発行プリンタ601~60nの中から出力先のプリンタを判定する。より具体的には、判定部202は、通信部101が個人情報管理装置2から取得したカード情報に含まれる2つ以上の属性情報の組み合わせに応じて、複数のICカード発行プリンタ601~60nの中から出力先のプリンタを判定する。例えば、判定部202は、記憶部103に記憶される割振り表(
図3)にしたがい、出力先のプリンタを判定する。例えば、判定部202は、カード情報に含まれる属性情報中の所属、所在が(A学科、A校舎)であれば、これに一致する属性情報を有する割振り表(
図3)中の項目は(A学科、A校舎 労務課)であるから、ICカード発行プリンタ1と判定し、カード情報に含まれる属性情報中の所属、所在が(B学科、B校舎)であれば、これに一致する属性情報を有する割振り表(
図3)中の項目は(B学科、B校舎 労務課)であるから、ICカード発行プリンタ2と判定し、カード情報に含まれる属性情報中の所属、所在が(B研究科、B校舎)であれば、これに一致する属性情報を有する割振り表(
図3)中の項目は(B研究科、B校舎 労務課)であるから、ICカード発行プリンタ3と判定し、カード情報に含まれる属性情報中の所属、所在が(事務部Z課、事務棟)であれば、これに一致する属性情報を有する割振り表(
図3)中の項目は(事務部
Z課、事務棟 人事課)であるから、ICカード発行プリンタ4と判定し、カード情報に含まれる属性情報中の所属、所在が(C学部
、事務棟)であれば、これに一致する属性情報を有する割振り表(
図3)中の項目は(C学部、事務棟 人事課)であるから、ICカード発行プリンタ5と判定する。
なお、属性情報の組合わせは、3つ以上でもよく、要は、ID(個人一人一人を特定する情報)以外の任意の属性情報を適宜組合わせ可能である。
【0024】
図6は、IDカードの印刷情報の一例を示す図である。
図6に示すように、カード情報生成部204は、個人情報管理装置2から取得したカード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成する。
図6のIDカードの印刷情報には、例えば身分、IDに対応する学籍番号/個人番号、漢字姓名、カナ姓名、所属コード、所属名称1、所属名称2、学年(コード)、有効期限開始日、有効期限終了日、職位コードなどが含まれている。例えば、カード情報生成部204は、通信部101が個人情報管理装置2から取得したカード情報(
図2)の種別情報に基づき、券種に応じて異なる発券形態のIDカードの印刷情報を生成する。
【0025】
図7は、IDカードの印刷情報が生成された後の操作画面の一例を示す図である。
図7に示すように、カード情報生成部204は、判定部202の判定結果を含めた操作画面を生成し、表示制御部200を介して表示部102bに表示する。ボタン300には、判定部202により判定された出力先のICカード発行プリンタの名称が表示される。操作者が記号「∨」を指示部102aで指示すると他のICカード発行プリンタがプルダウン画面に表示される。操作者は、プルダウン画面に表示される他のICカード発行プリンタを更に指示することにより、出力先のICカード発行プリンタを変更することも可能である。
【0026】
また、操作者は、ボタン302を指示部102aで指示することにより、IDカードの印刷を実行する学生などを選択可能である。カード情報生成部204は、操作者が許可申請ボタン304を指示部102aで指示すると、指示されたボタン302に対応するIDカードの印刷情報を、ボタン300に表示されるICカード発行プリンタに対応する記憶領域(
図4)に出力する。すなわち、カード情報生成部204は、許可申請ボタン304を介して指示部102aから入力された指示信号に従い、複数の記憶領域1031~n(
図4)の中の出力先のICカード発行プリンタに対応する記憶領域にIDカードの印刷情報を出力する。
図4に示すように、カード情報生成部204は、例えばIDカードの印刷情報を含むカード発行命令情報をXML形式ファイルでICカード発行プリンタに対応する記憶領域に出力する。
【0027】
図7に示すように、表示領域306には、各IDカードのステータスが表示される。例えば、カード情報が個人情報管理装置2から取得され、許可申請ボタン304が指示されるまではステータスは「申請中」と表示される。ステータス「申請中」では、ボタン300が有効であり、出力先の変更が可能である。このステータスは後述する状態管理制御部208により供給される情報である。
【0028】
このように、指示部102aは、複数のICカード発行プリンタ601~60nの中からIDカードを発行させるICカード発行プリンタを選択可能であり、カード情報生成部204は、指示部102aにより選択されたICカード発行プリンタに対応する記憶領域(
図4)にIDカードの印刷情報を出力することも可能である。これにより、例えば出力先のICカード発行プリンタに後述するエラーが生じている場合に、出力先を他のICカード発行プリンタに変更可能となる。なお、カード情報生成部204は、ボタン302、304などの指示処理を割愛し、判定部202の判定に応じて、複数の記憶領域1031~nのいずれかにIDカードの印刷情報を出力してもよい。
【0029】
図8は、申請許可304が指示された後の操作画面の一例を示す図である。許可申請ボタン304が指示されと、ステータスは「発行中」と表示される。ステータスが「発行中」では、ボタン300、302、304は無効であり、出力先の変更などを行うことはできないように構成されている。
【0030】
図9は、エラー情報生成部206の動作例を示す概念図である。
図9に示すように、エラー情報生成部206は、複数のICカード発行プリンタ601~60nからの状態情報を含むプリンタ信号に基づき、複数のICカード発行プリンタ601~60nのうちのいずれかにエラーが生じた場合に、エラーしたICカード発行プリンタに対応するエラー状態及びエラー処理方法の情報を生成する。
【0031】
図10は、エラー情報生成部206が出力するエラー情報と、対応するエラー処理の一例を示す図である。文章例は、エラー情報生成部206が生成するエラー情報の例を示している。エラー処理は、エラー情報に対応している。第1エラー処理は、例えば出力先を他のICカード発行プリンタに変更することを可能とする処理であり、第2エラー処理は、例えばカードの発行制御を繰り返す処理である。表示制御部200は、エラー情報生成部206の出力信号に基づき、ICカード発行プリンタ601~60nのうちのいずれかにエラーが生じた場合に、表示部102bにエラー情報と、対応するエラー処理を表示する。
【0032】
図11は、状態管理制御部208が生成する管理画面の一例を示す図である。上側の図は、IDが00000002番の学部生のIDカードの「発行中」に第1エラーが発生した際の管理画面を示し、下側の図は、第1エラー処理によりIDが00000002番の学部生の状態が「申請中に」変更された管理画面を示す。
【0033】
図11に示すように、状態管理制御部208は、複数のICカード発行プリンタ601~60nから取得した情報に基づき、IDカードの処理状態を制御する。また、状態管理制御部208はID別にIDカードの処理状態を管理する。より具体的に、状態管理制御部208は、複数のICカード発行プリンタ601~60nからの状態情報を含むプリンタ信号と、カード情報生成部204から入力される状態信号とに基づき、ID別にIDカードの処理状態を管理する。状態管理制御部208は、更にエラー情報生成部206から入力されるエラー情報を含むエラー信号を用いて処理状態を管理してもよい。
【0034】
例えば、状態管理制御部208は、個人情報管理装置2からカード情報が取得されると「申請中」のステータスを出力する。次に、状態管理制御部208は、カード情報生成部204から入力される状態信号に基づき、IDカードの印刷情報が記憶部103に出力されると、「発行中」のステータスを出力する。続いて、ICカード発行プリンタ601~60nからの状態情報を含むプリンタ信号に基づき、IDカードがICカード発行プリンタ601~60nから出力されると「発行済み/有効」のステータスを出力する。また、ICカード発行プリンタ601~60nは、「発行済み/有効」のステータスを出力する際に、IDカードの発行時刻とIDカード固有のIDとを関連付けたカード発行結果情報を記憶部103に出力する。状態管理制御部208は、IDカードの発行時刻も管理画面に表示することが可能である。
【0035】
一方で、複数のICカード発行プリンタ601~60nからの状態情報を含むプリンタ信号、或いはエラー情報生成部206から入力されるエラー情報を含むエラー信号に基づき、ICカード発行プリンタ601~60nのいずれかに「第1エラー」が生じた場合にはエラー状態として「第1エラー」を出力し、エラー処理として「申請中へ変更」を出力する。
【0036】
例えば、
図11の例では、状態管理制御部208は、IDが00000002番の学部生のIDカードの処理の状態を「申請中」に戻す。すなわち、状態管理制御部208は、IDが2番のIDカードの印刷情報を記憶部103に出力する前の状態に戻す。より詳細には、状態管理制御部208は、IDカードの印刷情報が出力された記憶領域(
図4)に対応するICカード発行プリンタプリンタに第1エラーが生じた場合に、カード情報生成部204の状態をIDカードの印刷情報を出力先のプリンタに対応する記憶領域(
図4)に出力する前の状態に戻す。これにより、カード情報生成部204は、別の記憶領域に(
図4)にIDカードの印刷情報を出力することが可能となる。
【0037】
また、状態管理制御部208は、ICカード発行プリンタ601~60nに生じたエラーが「第2エラー」(
図10)である場合には、「発行中」の状態を維持し、IDカードの発行を繰り返す。すなわち、状態管理制御部208は、プリンタ制御部105にIDカードの発行制御を継続させる。この場合、状態管理制御部208は、エラー処理として「発行指示を継続」を出力する。なお、状態管理制御部208は、「第2エラー」である場合には、発行制御の継続時間又は発行制御のトライ回数が所定値を超えた場合に、「第1エラー」にエラー状態を変更する。これにより、IDカードが発行されない状態を回避できる。
【0038】
本実施形態においては、カード発行制御部104とプリンタ制御部105とは、例えば、プロセッサにより構成される。ここで、プロセッサという文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit: ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device: SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device: CPLD)、及び、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array: FPGA)等の回路を意味する。プロセッサは、記憶部103に保存されたプログラムを読み出して実行することによりカード発行制御部104と、プリンタ制御部105とを実現する。なお、記憶部103にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成して構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、プロセッサは、プロセッサ単一の回路として構成されている場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて、1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
【0039】
以上が本実施形態に係る構成の説明であるが、以下に本実施形態に係るIDカード発行管理装置4の動作例を説明する。
【0040】
図12は、IDカード発行管理装置4の動作を示すフローチャートである。
図12に示すように、先ず通信部101はネットワークを介してカード情報を取得する(ステップS100)。次に、判定部202は、カード情報に含まれる属性情報に応じて、複数のICカード発行プリンタ601~60nの中から出力先のICカード発行プリンタを判定する(ステップS102)。
【0041】
次に、カード情報生成部204は、カード情報に基づき、IDカードの印刷情報を生成する(ステップS104)。続けて、カード情報生成部204は、判定部202により判定された出力先のプリンタに対応する記憶領域1031~103nのいずれかにIDカードの印刷情報を出力する。
【0042】
次に、プリンタ制御部105は、所定の時間間隔で記憶領域1031~103nのいずれかにIDカードの印刷情報が出力されている否かを判定する(ステップS106)。記憶領域1031~103nのいずれかにIDカードの印刷情報が出力されていない場合(ステップS106のNO)、ステップS106からの処理を繰り返す。一方で、記憶領域1031~103nのいずれかにIDカードの印刷情報が出力されている場合(ステップ106のYES)、記憶領域1031~103nの中のIDカードの印刷情報が出力された記憶領域に対応するICカード発行プリンタ601~60nに印刷情報を出力し、IDカードを印刷させる(ステップS108)。
【0043】
状態管理制御部208は、ICカード発行プリンタ601~60nの出力信号に基づき、エラーが発生されたか否かを判定する(ステップS110)。エラーが発生せず、IDカードが印刷された場合(ステップS110のNO)、全体処理を終了するか否かを判定して(ステップS112)、全体処理を終了する場合(ステップS112のYES)、全体処理を終了し、全体処理を終了しない場合(ステップS112のNO)、ステップS100の処理を繰り返す。
【0044】
一方で、エラーが発生した場合(ステップS110のYES)、状態管理制御部208は、ICカード発行プリンタ601~60nの出力信号、或いは、エラー情報生成部206の出力信号に基づき、第1エラーか否かを判定する(ステップS114)。第1エラーである場合(ステップS114のYES)、状態管理制御部208は、カード情報生成部204の状態をIDカードの印刷情報を出力先のプリンタに対応する記憶領域に出力する前の状態に戻し、指示部102aの指示信号に応じてICカード発行プリンタ601~60nの中から出力先を変更し(ステップS116)、ステップS106からの処理を繰り返す。
【0045】
一方で、第2エラーである場合(ステップS114のNO)、状態管理制御部208は、ICカード発行プリンタ601~60nへIDカードの印刷指示を再度出力させる(ステップS118)。状態管理制御部208は、ICカード発行プリンタ601~60nの出力信号に基づき、IDカードが発行されたか否かを判定する(ステップS120)。状態管理制御部208は、発行されていない場合(ステップS120のNO)、発行制御の継続時間が所定時間を超えたか否かを判定し(ステップS122)、所定時間を超えた場合に第2エラーを第1エラーに変更し(ステップS122のYES)、ステップS114からの処理を繰り返す。一方で、所定時間を超えていない場合(ステップS122のNO)、ステップS118からの処理を繰り返す。
【0046】
一方で、状態管理制御部208は、発行された場合(ステップS120のYES)、全体処理を終了するか否かを判定して(ステップS124)、全体処理を終了する場合(ステップS124のYES)、全体処理を終了し、全体処理を終了しない場合(ステップS124のNO)、ステップS100の処理を繰り返す。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、判定部202が、カード情報に含まれる2つ以上の属性情報の組み合わせに応じて、出力先のICカード発行プリンタ601~60nを判定し、プリンタ制御部105が出力先のICカード発行プリンタ601~60nにIDカードの印刷情報を出力してIDカードを発行させることとした。これにより、属性情報の組み合わせに応じて特定されるICカード発行プリンタ601~60nにIDカードを発行させることができ、IDカードの発行操作をより簡略化することが可能となる。
【0048】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形例は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
4:IDカード発行管理装置、101:通信部、102a:指示部102a:表示部、103:記憶部、200:表示制御部、202:判定部、204:カード情報生成部、206:エラー情報生成部、601~60n:ICカード発行プリンタ、1031~103n:記憶領域