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  • 特許-シート体保持装置 図1
  • 特許-シート体保持装置 図2
  • 特許-シート体保持装置 図3
  • 特許-シート体保持装置 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】シート体保持装置
(51)【国際特許分類】
   A47F 13/08 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A47F13/08
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019223737
(22)【出願日】2019-12-11
(65)【公開番号】P2021090656
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【氏名又は名称】溝渕 良一
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】堅田 多恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】池谷 昭洋
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】実公昭53-018820(JP,Y2)
【文献】実公平01-033454(JP,Y2)
【文献】特開2012-115472(JP,A)
【文献】特開2015-204853(JP,A)
【文献】特開2012-102763(JP,A)
【文献】実開平4-91881(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F13/00-13/08
B65B41/00-41/18
B65D83/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート体が掛けられる断面略矩形状の支持杆と、
該支持杆に挿通され前後方向に移動可能な断面上向きコ字状の下部部材と該下部部材に対して回動可能に軸支される上部部材とを有し、前記支持杆に挿着され該支持杆に対して上下に開放した状態で移動可能であり、上下から挟圧した状態で該支持杆に固定されるクリップと、
を備えることを特徴とするシート体保持装置。
【請求項2】
前記支持杆の下面と前記下部部材との間には、弾性部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシート体保持装置。
【請求項3】
前記弾性部材は、前記下部部材に設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシート体保持装置。
【請求項4】
前記クリップは、前記上部部材および前記下部部材を挟圧方向に作用させるバネ部材を有していることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のシート体保持装置。
【請求項5】
前記クリップには、前記支持杆の上方において前記シート体の端面が当接可能なシート当接部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のシート体保持装置。
【請求項6】
前記シート当接部は、前記下部部材に設けられていることを特徴とする請求項5に記載のシート体保持装置。
【請求項7】
前記上部部材と前記下部部材とは、枢軸部材により軸支され、
前記下部部材は、前記上部部材よりも前記枢軸部材に近い位置で前記支持杆の下面に当接することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のシート体保持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジ袋や包装フィルム等のシート体を保持するシート体保持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等の商業施設のレジカウンタにおいては、客が購入した商品を包装するためのレジ袋や包装フィルム等のシート体が使用されている。これらのシート体は、使用前の状態では多数枚を積み重ねてまとめられた束となっていることから、レジカウンタの周辺にシート体を1枚ずつ取り出しやすい状態で配置するために従来各種のシート体保持装置が用いられている。
【0003】
このようなシート保持装置としては、支持杆にシート体を二つ折りにして掛け、該シート体を上方から押圧片で押さえることにより、シート体を支持杆に掛けた状態で保持できるようにしたものが知られている。例えば、特許文献1には、シート体が掛けられる支持杆と、支持杆に対して摺動可能であり押ネジを締めることで支持杆に固定される摺動部材と、該摺動部材の上方に設けられ摺動部材に対して水平方向に回動可能な押圧片とを備えるシート保持装置が記載されており、補充されるシート体のサイズが同じであれば、押圧片を水平方向に略90度回動させることにより、支持杆にシート体を掛ける際の邪魔にならないように押圧片を退避させることができ、シート体の補充を容易に行えるようにしたものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実公平7-20062号公報(第2頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のシート体保持装置は、シート体を掛ける際の邪魔にならないように、摺動部材に対して押圧片が水平方向に回動可能に構成されているため、構造が複雑であるという問題があった。また、従前とは異なるサイズのシート体を保持させる際には、押さえ板を水平方向に回動させる操作に加えて、支持杆に対する摺動部材の位置合わせ、固定を行うために押ネジを緩めたり締めたりする必要があるため、シート体の保持操作が煩雑であるという問題があった。
【0006】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、構造が簡素であり、かつシート体の保持操作を容易に行うことができるシート体保持装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するために、本発明のシート体保持装置は、
シート体が掛けられる断面略矩形状の支持杆と、
該支持杆に挿通され前後方向に移動可能な断面上向きコ字状の下部部材と該下部部材に対して回動可能に軸支される上部部材とを有し、前記支持杆に挿着され該支持杆に対して上下に開放した状態で移動可能であり、上下から挟圧した状態で該支持杆に固定されるクリップと、
を備えることを特徴としている。
この特徴によれば、シート体が掛けられた状態の支持杆に対して、クリップの上部部材および下部部材を開放した状態で移動させることによりシート体に対するクリップの位置合わせを行い、支持杆の上面と上部部材との間にシート体を介在させ、支持杆の下面に下部部材を当接させた状態で上下から挟圧することにより、クリップをシート体と共に支持杆に固定することができるため、構造が簡素であり、かつシート体の保持操作を容易に行うことができる。
【0008】
前記支持杆の下面と前記下部部材との間には、弾性部材が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、クリップが上下から挟圧した状態において、支持杆の下面と下部部材との間に弾性部材が介在することにより大きな摩擦力を発生させることができるため、クリップを支持杆に安定して固定することができる。
【0009】
前記弾性部材は、前記下部部材に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持杆とクリップとの位置関係に係らず、支持杆の下面に弾性部材を確実に圧接させることができる。
【0010】
前記クリップは、前記上部部材および前記下部部材を挟圧方向に作用させるバネ部材を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、バネ部材によりクリップが上下に開放した状態から挟圧した状態に復帰させることができるため、シート体の保持操作を行いやすい。
【0011】
前記クリップには、前記支持杆の上方において前記シート体の端面が当接可能なシート当接部が設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、支持杆に掛けられた状態のシート体の端面をシート当接部に当接させることでシート体に対するクリップの位置合わせを行うことができるため、シート体の保持操作を容易に行うことができる。
【0012】
前記シート当接部は、前記下部部材に設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、シート体の保持操作において上下方向への動きが小さい下部部材にシート当接部が設けられるため、シート体に対するクリップの位置合わせが容易である。
【0013】
前記上部部材と前記下部部材とは、枢軸部材により軸支され、
前記下部部材は、前記上部部材よりも前記枢軸部材に近い位置で前記支持杆の下面に当接することを特徴としている。
この特徴によれば、支持杆の下面に対する下部部材の当接部分と枢軸部材との距離が短いことにより、下部部材による挟圧力が大きく、クリップを支持杆に安定して固定することができる。また、支持杆の上面との間における上部部材のシート体との当接部分と枢軸部材との距離が長いことにより、シート体を比較的弱い力で保持できるため、シート体を1枚ずつ取り出しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例におけるシート体保持装置を備えるレジカウンタの一部を示す斜視図である。
図2】実施例におけるシート体保持装置を示す拡大斜視図である。
図3】(a)は、実施例におけるシート体保持装置を示す側面図であり、(b)は、図3(a)におけるA矢視図である。
図4】実施例におけるシート体保持装置によるシート体の保持操作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係るシート体保持装置を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例
【0016】
実施例に係るシート体保持装置につき、図1から図4を参照して説明する。以下、図3の紙面右側をシート体保持装置の前方側として、紙面左側をシート体保持装置の後方側として説明する。
【0017】
図1に示されるように、本実施例のシート体保持装置1は、例えば商業施設等においてレジカウンタ100に備えられ、客が購入した商品を包装するためのシート体10を店員が1枚ずつ取り出しやすい状態で配置するために使用される。詳しくは、シート体保持装置1は、レジカウンタ100から一対のスライドレール111,111(図1では一方のみ図示)によって前方側に引き出し可能な上面視略矩形状の枠体110に設けられている。また、本実施例においては、枠体110の内側に4つのシート体保持装置1,1,1,1が左右方向に所定間隔離間して配置されている。尚、4つのシート体保持装置1,1,1,1は、全て同一構成であるため、1つのシート体保持装置1について説明し、他のシート体保持装置1,1,1の説明は省略する。
【0018】
また、本実施例におけるシート体10は、薄いシート状に折り畳まれた使用前の状態のレジ袋を多数枚積み重ねてまとめられた束であり、図1においては、サイズや用途等の異なる4種類のシート体10が二つ折りにされ、各シート体保持装置1の後述する支持杆2に掛けられた状態で保持されている。
【0019】
次いで、シート体保持装置1の構造について図2および図3を用いて説明する。
【0020】
図2および図3に示されるように、シート体保持装置1は、シート体10が掛けられる支持杆2と、該支持杆2に対して前後方向に相対移動可能に挿着されるクリップ3と、から構成されている。尚、図2および図3は、支持杆2にシート体10が掛けられていない状態のシート体保持装置1を示している。
【0021】
支持杆2は、断面略矩形状の金属製の角杆であり、上面2aおよび下面2bの左右幅が側面2c,2dの上下幅よりも大きく形成されている。また、支持杆2は、枠体110の前枠110aと後枠110bとの間に水平に架け渡された状態で前後両端を固定されている(図1参照)。尚、支持杆2は、その前後両端が枠体110に対して着脱可能に取り付けられていてもよい。
【0022】
クリップ3は、支持杆2に挿通され前後方向に移動可能な下部部材31と、該下部部材31に対して枢軸部材33を中心として回動可能に軸支される上部部材32と、下部部材31と上部部材32との間に配置されるバネ部材34と、から主に構成されている。尚、バネ部材34は、ねじりコイルバネである。
【0023】
図3に示されるように、下部部材31は、下板部31aの前端部に穿設された差込孔31bに樹脂製の差し込み型バンパ35(弾性部材)が着脱可能に取り付けられている。また、下部部材31は、下板部31aの左右両端部から前後方向に亘って側板部31c,31cが立ち上がることにより断面上向きコ字状を成している。側板部31c,31cには、前後方向略中央部から後端部にかけて上方へ更に延出する延出部31d,31dが形成されており、上下方向に延びる延出部31d,31dの前端部の前縁と、前後方向に延びる側板部31c,31cの前端部の上縁とにより略直角を成す段部36,36(図3(a)参照)が形成されている。尚、段部36,36の一部をなす延出部31d,31dの前端部の前縁は、支持杆2に掛けられたシート体10の端面10e(図4参照)が当接可能なシート体当接部31e,31eとして機能するようになっている。
【0024】
また、延出部31d,31dが形成されない側板部31c,31cの前端部の上下幅は、支持杆2の側面2c,2dの上下幅よりも小さく形成されており、下部部材31が支持杆2に挿通されクリップ3を支持杆2に挟圧した状態(図4(c)参照)で、側板部31c,31cの前端部の上縁が支持杆2の上面2aよりも上方に突出しないように構成されることにより、レジ袋を多数枚積み重ねてまとめられた束であるシート体10の端面10eが揃った状態でシート体当接部31e,31eに当接させやすくなっている。また、側板部31c,31cの前端部は、その上縁から前縁にかけての角部31hがラウンド状に形成されており、上方から覆い被さるシート体10が引っ掛かりにくくなっている(図4(b),(c)参照)。
【0025】
また、延出部31d,31dの前端部には、円柱形状の枢軸部材33が挿通される貫通孔31f,31fが穿設されている。また、延出部31d,31dの後端部には、貫通孔31f,31fよりも下方の高さ位置に貫通孔31g,31gが穿設されており、該貫通孔31g,31gには、円柱形状の規制部材37が挿通・固定されている。
【0026】
図3に示されるように、支持杆2は、下部部材31の下板部31aと規制部材37との間に挿通されており、下部部材31の下板部31aと規制部材37との間の上下幅が支持杆2の上下幅よりも大きく形成されることにより、下部部材31が枢軸部材33を中心として回動可能であり、かつ規制部材37および下板部31a詳しくは差し込み型バンパ35が支持杆2の上面2aおよび下面2bにそれぞれ当接することにより、下部部材31の上下方向への動きが小さくなるように規制されている。また、図3(b)に示されるように、下部部材31は、側板部31c,31cの内面に支持杆2の左右の側面2c,2dがそれぞれ当接しており、左右方向への動きが規制されている。
【0027】
図2および図3(a)に示されるように、上部部材32は、上板部32aの前端部が上向きに折り曲げられることにより押圧部32bが形成されている。また、上板部32aの左右両端部には、前後方向略中央部から下方へ延出する略三角形状の延出部32c,32cが形成されており、該延出部32c,32cの下端部には、枢軸部材33が挿通される貫通孔32d,32dが穿設されている。また、図3(b)に示されるように、上部部材32の延出部32c,32cの下端部を下部部材31の延出部31d,31dの前端部の左右方向外側にそれぞれ配置可能となっている。これにより、上部部材32の延出部32c,32cに穿設される貫通孔32d,32dと、下部部材31の延出部31d,31dの前端部に穿設される貫通孔31f,31fに1本の枢軸部材33をまとめて挿通することができ、上部部材32と下部部材31とが枢軸部材33を軸として互いに上下方向に回動可能となっている。尚、下部部材31は、上述したように規制部材37を備えることにより、上部部材32と比べて上下方向への回動範囲が小さくなっている。
【0028】
また、枢軸部材33には、バネ部材34のコイル部分が挿通されており、バネ部材34が上部部材32の上板部32aと下部部材31の規制部材37にそれぞれ当接することにより、バネ部材34の復元力が上部部材32および下部部材31を挟圧方向に作用させるようになっている。詳しくは、バネ部材34の一端部が上部部材32の後端部において上板部32aの下面に下方から当接し、バネ部材34の他端部が下部部材31の規制部材37に上方から当接することにより、上部部材32の前端部が下方向に付勢されるとともに、下部部材31の前端部が上方向に付勢され、上部部材32の前端部の押圧部32bと、下部部材31の前端部の差し込み型バンパ35により、支持杆2の上面2aおよび下面2bを上下から挟圧できるようになっている。
【0029】
次いで、シート体保持装置1によるシート体10の保持操作について図4を用いて説明する。
【0030】
先ず、図4(a)に示されるように、クリップ3における上部部材32および下部部材31の後端部を片手で上下方向から挟むように握ることにより、上部部材32の前端部の押圧部32bおよび下部部材31の前端部の差し込み型バンパ35を支持杆2の上面2aおよび下面2bから上下方向にそれぞれ離間させ、クリップ3を上下に開放した状態とする。この状態で、クリップ3をシート体10の位置まで支持杆2に対して前方に移動させる(この状態が図4(b)である)。このとき、下部部材31における支持杆2の上方においてシート体当接部31e,31eにシート体10の端面10eを当接させる。このようにして、支持杆2に二つ折りにして掛けられた状態のシート体10に対するクリップ3の位置合わせを行うことができる。
【0031】
次いで、クリップ3から手を放すことにより、バネ部材34の復元力により上部部材32および下部部材31のそれぞれ前端部が上下方向から互いに近づくように回動し、支持杆2の上面2aと上部部材32の前端部の押圧部32bとの間にシート体10を介在させ、支持杆2の下面2bに下部部材31の前端部の差し込み型バンパ35の上面部を下方から当接させた状態で上下から狭圧されることにより、クリップ3をシート体10と共に支持杆2に固定することができる(図4(c)参照)。
【0032】
このように、シート体保持装置1は、シート体10が掛けられた状態の支持杆2に対して、クリップ3の上部部材32および下部部材31を上下に開放した状態で移動させることによりシート体10に対するクリップ3の位置合わせを行い、支持杆2の上面2aと上部部材32との間にシート体10を介在させ、支持杆2の下面2bに下部部材31を当接させた状態で上下から挟圧することにより、クリップ3をシート体10と共に支持杆2に固定することができるため、構造が簡素であり、かつクリップ3の同一動作により支持杆2に対するシート体10の保持とクリップ3の固定とがなされるため、端的に言えば一連の操作によって位置合わせと固定がなされるため、シート体10の保持操作を容易に行うことができる。
【0033】
また、下部部材31には弾性部材としての差し込み型バンパ35が取り付けられることにより、クリップ3が支持杆2を上下から挟圧した状態において、支持杆2とクリップ3との位置関係に係らず、支持杆2の下面2bに対して差し込み型バンパ35の上面部を確実に圧接させて大きな摩擦力を発生させることができるため、クリップ3を支持杆2に安定して固定することができる。
【0034】
また、クリップ3は、上部部材32および下部部材31を挟圧方向に作用させるバネ部材34を有しているため、片手で握ることでクリップ3が上下に開放した状態にできるとともに、手を放すことでバネ部材34の復元力により上下に開放した状態から挟圧した状態に復帰させることができるため、シート体10の保持操作を行いやすい。
【0035】
また、クリップ3には、下部部材31における支持杆2の上方においてシート体10の端面10eが当接可能なシート体当接部31e,31eが設けられることにより、支持杆2に掛けられた状態のシート体10の端面10eをシート体当接部31e,31eに当接させてシート体に対するクリップ3の位置合わせを容易に行うことができる。さらに、シート体10の保持操作において上下方向への動きが小さい下部部材31にシート体当接部31e,31eが設けられるため、支持杆2の上方にシート体当接部31e,31eが配置されやすく、クリップ3の位置合わせを容易に行うことができる。
【0036】
また、クリップ3を構成する上部部材32と下部部材31とは、枢軸部材33により互いに回動可能に枢軸され、下部部材31の前端部の差し込み型バンパ35は、上部部材32の前端部の押圧部32bよりも枢軸部材33に前後方向に近い位置で支持杆2の下面2bに当接する(図4(c)参照)ようになっており、支持杆2の下面2bに対する下部部材31の当接部分と枢軸部材33との距離が短いことにより、下部部材31による挟圧力が大きく、クリップ3を支持杆2に安定して固定することができる。また、支持杆2の上面2aとの間における上部部材32の当接部分と枢軸部材33との距離が長いことにより、上部部材32によりシート体10を比較的弱い力で保持できるため、シート体10を1枚ずつ取り出しやすくすることができる。
【0037】
また、差し込み型バンパ35は、下部部材31の下板部31aの前端部に穿設された差込孔31bに着脱可能に取り付けられるため、差し込み型バンパ35の取り付けや交換を容易に行うことができる。
【0038】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0039】
例えば、前記実施例では、クリップ3は、上部部材32と下部部材31が枢軸部材33により互いに回動可能に枢軸され、上部部材32と下部部材31の間に配置されるバネ部材34により挟圧方向に付勢されている態様について説明したが、これに限らず、クリップは、上部部材と下部部材により上下から挟圧可能に構成されるものであればよく、例えば、上部部材と下部部材の後端部同士が連結されることにより一枚の板バネとなるように構成されてもよい。これにより、枢軸部材や別体のバネ部材が不要となるため、部品点数が減り構造がより簡素となる。
【0040】
また、前記実施例では、シート体保持装置1は、クリップ3が支持杆2に挿通された状態のものとして説明したが、これに限らず、シート体保持装置は、クリップが支持杆に対して後付けできる構造となっていてもよい。
【0041】
また、前記実施例では、クリップ3は、下部部材31の下板部31aの前端部に穿設される差込孔31bに弾性部材としての差し込み型バンパ35が取り付けられるものとして説明したが、これに限らず、弾性部材は、支持杆2の下面2bに設けられていてもよい。また、弾性部材は、差し込み型バンパに限らず、例えば樹脂製のシールを貼り付けたものであってもよい。
【0042】
また、下部部材31には弾性部材が設けられていなくてもよい。
【0043】
また、前記実施例では、支持杆2が枠体110の前枠110aと後枠110bとの間に架け渡されて支持されるものについて説明したが、これに限らず、支持杆は、例えばレジカウンタを構成する対向する壁や支柱間に架け渡されて支持されるものであってもよい。また、支持杆は、一端のみが支持され他端側が自由端となっていてもよい。
【0044】
また、支持杆は、断面略矩形の角杆に限らず、杆の形状は断面三角形や断面楕円形等であってもよい。尚、支持杆の断面形状に応じてクリップの上部部材と下部部材の挟圧部分の形状が適宜変更されることは言うまでもない。
【0045】
また、クリップは、支持杆の長手方向に対向して2つ設けられていてもよい。
【0046】
また、シート体はレジ袋に限らず、包装フィルム等であってもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 シート体保持装置
2 支持杆
3 クリップ
10 シート体
10e 端面
31 下部部材
31a 下板部
31b 差込孔
31c 側板部
31d 延出部
31e シート体当接部
32 上部部材
32a 上板部
32b 押圧部
32c 延出部
33 枢軸部材
34 バネ部材
35 差し込み型バンパ(弾性部材)
36 段部
37 規制部材
100 レジカウンタ
図1
図2
図3
図4