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特許7399705複数のデジタル検知ノードによって実施される方法、検知ネットワーク、および非一時的なコンピュータ可読記憶媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】複数のデジタル検知ノードによって実施される方法、検知ネットワーク、および非一時的なコンピュータ可読記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H04Q9/00 311K
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019229284
(22)【出願日】2019-12-19
(65)【公開番号】P2020102848
(43)【公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-06-22
(31)【優先権主張番号】16/226,284
(32)【優先日】2018-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516344443
【氏名又は名称】シモンズ・プレシジョン・プロダクツ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100086232
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 博通
(74)【代理人】
【識別番号】100092613
【弁理士】
【氏名又は名称】富岡 潔
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス ギャング
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス デメント
(72)【発明者】
【氏名】ベンジャミン ティー.ルール
(72)【発明者】
【氏名】トーマス ヘンク
【審査官】安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第1791047(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2007/114422(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/091370(US,A1)
【文献】特開2010-49584(JP,A)
【文献】国際公開第2017/068803(WO,A1)
【文献】国際公開第2017/068669(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コントローラ及び/またはホストを有する検知ネットワークに含まれる複数のデジタル検知ノードによって実施される方法であって、
前記複数のデジタル検知ノードの第1の検知ノードであって、前記第1の検知ノードが、複数の構成ファイルから選択された構成ファイルで構成され、前記構成ファイルが、それぞれの第1及び第2のイベントの検出に関連して実施するための複数のアクションセットを定義する、前記第1の検知ノードを備え、
前記複数のデジタル検知ノードによって、システムを監視するための被検知データを取得することと、
前記複数のデジタル検知ノードの前記第1の検知ノードによって、前記構成ファイルに基づいて、前記検知ネットワークの前記コントローラ及び前記ホストとは自律的に、前記第1及び前記第2のイベントのうちの少なくとも1つを、前記第1の検知ノードの検知要素によって出力される被検知データに基づいて検出することであって、前記検知要素が、前記システムの物理特性を検知する、前記検出することと、
前記第1のイベントが検出された場合、前記第1の検知ノードによって前記複数のアクションセットの第1のアクションセットを実施し、かつ前記第2のイベントが検出された場合、前記第1の検知ノードによって前記複数のアクションセットの第2のアクションセットを実施することであって、前記第1及び前記第2のアクションセットが、前記検知ネットワークの前記コントローラ及び前記ホストとは自律的に実施される、前記実施することと、
を備えた、方法。
【請求項2】
前記複数のデジタル検知ノードが、直列に接続され、
前記検知要素が、前記第1の検知ノードの内部にある一体型検知要素と、前記第1の検知ノードの外部にある外部検知要素とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記それぞれの構成ファイルが、前記それぞれの第1及び第2のイベントを検出するための第1及び第2の条件を定義する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1及び前記第2の条件が、複数の条件から選択可能である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記複数のデジタル検知ノードの第2の検知ノードが、前記構成ファイルとは異なるそれぞれの構成ファイルの第2の構成ファイルで構成されている、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第1のアクションセットが、前記複数のデジタル検知ノードの他の検知ノードのうちの少なくとも1つにイベントメッセージを送信して、前記第1のアクションセットのうちの少なくとも一部または前記第1のアクションセットとは異なる第3のアクションセットを実施することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記第1のアクションセットが、前記コントローラまたは前記ホストにイベントメッセージを送信して、前記第1のアクションセットのうちの少なくとも一部または前記第1のアクションセットとは異なる第3のアクションセットを実施することであって、前記コントローラまたは前記ホストが、前記第1の検知ノードを構成する、前記実施すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラまたは前記ホストによって、前記第1の検知ノードを構成することと、
前記被検知データを取得すること、前記第1及び前記第2のイベントのうちの前記少なくとも1つを検出すること、ならびに前記第1及び/または前記第2のアクションセットを実施すること、のうちの少なくとも1つの前に、前記コントローラまたは前記ホストと前記第1の検知ノードとの間の通信を切断することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記被検知データが、前記システムの健全性を表す、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記システムが、乗り物である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記乗り物が、回転翼機、固定翼機、海軍船、または陸上乗り物である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1のアクションセットが、第1の被検知データを保持すること、前記第1の検知ノードの電力消費を変更すること、前記第1のイベントの検出のインスタンスのカウンタを増分すること、前記被検知データを取得することまたは前記第1及び前記第2のイベントのうちの前記少なくとも1つを検出することのうちの少なくとも1つの実施を終了すること、外部構成要素の状態を非アクティブ及びアクティブのうちの一方から非アクティブ及びアクティブのうちの他方に移行すること、の少なくとも一つを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記第1のアクションセットが、前記第1のイベントを検出する前に取得された被検知データとは異なる被検知データの取得を開始することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のイベントを検出する前に取得された前記被検知データが、第1のデータサンプリングレートを使用して取得され、
前記第1のアクションセットが、前記第1のデータサンプリングレートとは異なる第2のデータサンプリングレートを使用して被検知データを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1のイベントを検出する前に取得された前記被検知データが、第1のデータビット深度を使用して取得され、
前記第1のアクションセットが、前記第1のデータビット深度とは異なる第2のデータビット深度を使用して被検知データを取得することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のイベントを検出する前に取得された前記被検知データが、第1のデータゲイン設定を使用して処理され、
前記第1のアクションセットは、前記第1のイベントが検出された後に取得された前記被検知データを、前記第1のデータゲイン設定とは異なる第2のデータゲイン設定を使用して処理することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記被検知データを取得することが、前記被検知データの固定数のサンプルを取得すること、または前記被検知データを連続的に取得することのいずれかを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記第1及び前記第2のイベントのうちの前記少なくとも1つを検出する前に、前記取得された被検知データを処理することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
検知ネットワークであって、
複数のデジタル検知ノードのデジタル検知ノードを接続し、前記検知ネットワークコントローラ及び/またはホストに連結する、デジタルバスと、
前記複数のデジタル検知ノードの第1の検知ノードであって、前記第1の検知ノードが処理装置を含み、
前記処理装置が、
複数の構成ファイルから選択されたある一つの構成ファイルで構成されることであって、前記構成ファイルが、それぞれの第1及び第2のイベントの検出に関連して実施する複数のアクションセットを定義する、前記構成されることと、
ステムを監視するための被検知データを取得することと、
前記構成ファイルに基づいて、前記検知ネットワークの前記コントローラ及び前記ホストとは自律的に、前記第1及び前記第2のイベントのうちの少なくとも1つを、前記第1の検知ノードの検知要素によって出力される被検知データに基づいて検出することであって、前記検知要素が、前記システムの物理特性を検知する、前記検出することと、
前記第1のイベントが検出された場合、前記複数のアクションセットの第1のアクションセットを実施し、前記第2のイベントが検出された場合、前記複数のアクションセットの第2のアクションセットを実施することであって、前記第1及び前記第2のアクションセットが、前記検知ネットワークの前記コントローラ及び前記ホストとは自律的に実施される、前記実施すること、
を行うように構成されている、
第1の検知ノードと、
を備える、検知ネットワーク。
【請求項20】
内部に記憶された1つ以上のコンピュータプログラムを有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体であって、前記コンピュータプログラムが、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
複数の構成ファイルから選択されたある一つの構成ファイルで構成されることであって、前記構成ファイルが、それぞれの第1及び第2のイベントの検出に関連して実施する複数のアクションセットを定義する、前記構成されることと、
前記システムを監視するための被検知データを取得することと、
前記構成ファイルに基づいて、検知ネットワークコントローラ及びホストとは自律的に、前記第1及び前記第2のイベントのうちの少なくとも1つを、第1の検知ノードの検知要素によって出力される被検知データに基づいて検出することであって、前記検知要素が、前記システムの物理特性を検知する、前記検出することと、
前記第1のイベントが検出された場合、前記複数のアクションセットの第1のアクションセットを実施し、前記第2のイベントが検出された場合、前記複数のアクションセットの第2のアクションセットを実施することであって、前記第1及び前記第2のアクションセットが、前記検知ネットワークの前記コントローラ及び前記ホストとは自律的に実施される、前記実施すること、
を行わせる命令を備えた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スマートセンサシステムに関し、より詳細には、構成可能な分散スマートセンサシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
状態監視システムは、機械のパラメータを監視するためにしばしば使用される。これらのシステムは、温度センサ、圧力センサ、振動センサ、及びその他の多くのタイプのセンサを含み、障害の発生を検出するために利用される。収集されたデータは、監視されるシステムの特徴を抽出するために、デジタル化、変換、アルゴリズム処理されることがある。所与の機能は、1つのセンサの入力から生成され得るか、または複数のセンサのやり取りに依存し得る。抽出された特徴を期待値と比較して、その特徴の相対的な健全性を評価することができる。センサデータは、スケジュールベース及び/またはイベントベースで監視及び評価することができる。イベントベースの監視は、通常、イベントにつながる状況の診断、イベントの識別、イベントの潜在的な影響の診断、及びイベントに基づいたアクションの実行に使用される。イベント検出の結果として発生するアクションは、通常、時間的制約があり、事前に決定された論理に基づいて自律的に実施される必要がある。
【0003】
先行技術の状態監視システムは、デジタル化及びさらなる処理のために中央ホストに供給されるいくつかのアナログセンサを含んでいた。この実施態様は、アナログセンサごとに個別のケーブル接続が必要であり、その結果、複雑な設置を必要とする重いシステムになった。これらの問題は、データのデジタル化及び処理をセンサに局所的に配布することによって軽減することができる。データを局所的に処理することにより、ホストの処理負荷が軽減され、ホストは、他のより複雑な機能を実施するか、またはサイズ及び複雑さを低減することができる。
【0004】
デジタルデータの送信により、複数のデジタルセンサを1つのデジタルバスに接続することができるため、各センサの個別のアナログワイヤの配線に関連するワイヤの重量が減少する。
【0005】
特定の従来技術のアナログシステムでは、ホストは、イベント検出と同様にすべてのデータバッファリングを制御し、アクションをフォローしていた。このアプローチにより、所与の用途向けに、比較的シンプルであるが個別にカスタマイズされたソリューションが実現した。分散処理では、このデータ収集はより複雑になるが、新しい用途へのカスタマイズを簡素化する機会を提供する。分散処理センサシステムのイベント検出に基づいて自律的なアクションを処理する方法を開発することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来の方法及びシステムは、概して、それらの意図される目的に十分であると考えられてきたが、構成可能な分散センサを使用してシステムを監視するための信頼できる分散センサシステム及び方法に対する技術が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下に説明する例示の実施形態の目的及び利点は、以下の説明に記載され、その説明から明らかになるであろう。例示の実施形態の追加の利点は、本明細書及びその特許請求の範囲、ならびに添付の図面で特に指摘された装置、システム、及び方法によって実現及び達成されるであろう。これらの利点及び他の利点を達成するために、例示の実施形態の目的に従って、一態様では、コントローラ及び/またはホストを有する検知ネットワークに含まれる複数のデジタル検知ノードによって実施される方法が開示される。方法は、複数の構成ファイルから選択された構成ファイルで構成された複数のデジタル検知ノードの第1の検知ノードであって、構成ファイルが、それぞれの第1及び第2のイベントの検出に関連して実施するための複数のアクションセットを定義する、第1の検知ノードを含む。方法は、システムを監視するための被検知データを取得する複数のデジタル検知ノードを含む。方法は、構成ファイルに基づいて、検知ネットワークコントローラ及びホストとは自律的に、第1及び第2のイベントのうちの少なくとも1つを、第1の検知ノードの検知要素によって出力される被検知データの関数として検出する第1の検知ノードであって、検知要素が、システムの物理特性を検知する、第1の検知ノードをさらに含む。方法は、第1のイベントが検出された場合、複数のアクションセットの第1のアクションセットを実施することと、第2のイベントが検出された場合、複数のアクションセットの第2のアクションセットを実施することと、をさらに含む。第1及び第2のアクションセットは、検知ネットワークコントローラ及びホストとは自律的に実施される。
【0008】
実施形態では、複数の検知ノードは、直列に接続され得、検知要素が、第1の検知ノードの内部にある一体型検知要素及び第1の検知ノードの外部にある外部検知要素のうちの少なくとも1つを含む。
【0009】
実施形態では、それぞれの構成ファイルは、それぞれの第1及び第2のイベントを検出するための第1及び第2の条件を定義することができる。
【0010】
実施形態では、第1及び第2の条件は、複数の条件から選択可能であり得る。実施形態では、複数の検知ノードの第2の検知ノードは、構成ファイルとは異なるそれぞれの構成ファイルの第2の構成ファイルで構成され得る。
【0011】
実施形態では、第1のアクションセットは、複数の検知ノードの他の検知ノードのうちの少なくとも1つにイベントメッセージを送信して、第1のアクションセットのうちの少なくとも一部または第1のアクションセットとは異なる第3のアクションセットを実施することを含み得る。
【0012】
実施形態では、第1のアクションセットは、コントローラまたはホストにイベントメッセージを送信して、第1のアクションセットのうちの少なくとも一部または第1のアクションセットとは異なる第3のアクションセットを実施することであって、コントローラまたはホストが、第1の検知ノードを構成する、実施することを含み得る。
【0013】
実施形態では、方法は、コントローラまたはホストによって第1の検知ノードを構成することと、被検知データを取得すること、第1及び第2のイベントのうちの少なくとも1つを検出すること、ならびに第1及び/または第2のアクションセットを実施することのうちの少なくとも1つの前に、コントローラまたはホストと第1の検知ノードと間の通信を切断することと、をさらに含む。
【0014】
実施形態では、被検知データは、システムの健全性を表す。
【0015】
実施形態では、システムは、乗り物である。
【0016】
実施形態では、乗り物は、航空機(例えば、回転翼機もしくは固定翼機)、海軍船、または陸上乗り物である。
【0017】
実施形態では、第1のアクションセットは、第1の被検知データを保持することと、第1のノードの電力消費を変更することと、第1のイベントの検出のインスタンスのカウンタを増分することと、被検知データの取得または第1及び第2のイベントのうちの少なくとも1つの検出のうちの少なくとも1つの実施を終了することと、外部構成要素の状態を非アクティブ及びアクティブのうちの一方から非アクティブ及びアクティブのうちの他方に移行することと、を含み得る。
【0018】
実施形態では、第1のアクションセットは、第1のイベントを検出する前に取得された被検知データとは異なる被検知データの取得を開始することを含み得る。
【0019】
実施形態では、第1のイベントを検出する前に取得された被検知データは、第1のデータサンプリングレートを使用して取得され得、第1のアクションセットは、第1のデータサンプリングレートとは異なる第2のデータサンプリングレートを使用して被検知データを取得することを含み得る。
【0020】
実施形態では、第1のイベントを検出する前に取得された被検知データは、第1のデータビット深度を使用して取得され得、第1のアクションセットは、第1のデータビット深度とは異なる第2のデータビット深度を使用して被検知データを取得することを含み得る。
【0021】
実施形態では、被検知データは、第1のイベントを検出する前に取得され、第1のデータゲイン設定を使用して処理され得、第1のアクションセットは、第1のイベントが検出された後に取得された被検知データを第1のデータゲイン設定とは異なる第2のデータゲイン設定を使用して処理することを含み得る。
【0022】
実施形態では、被検知データを取得することは、被検知データの固定数のサンプルを取得すること、または被検知データを連続的に取得することのいずれかを含み得る。
【0023】
実施形態では、被検知データは、第1及び第2のイベントのうちの少なくとも1つを検出する前に取得され得る。
【0024】
別の態様では、検知ネットワークが提供される。検知ネットワークは、複数のデジタル検知ノードのデジタル検知ノードを接続し、前記検知ネットワークのコントローラ及び/またはホストに連結する、デジタルバスを含む。処理装置を有する複数のデジタル検知ノードの第1の検知ノードが提供される。処理装置は、複数の構成ファイルから選択された構成ファイルで構成されるように構成されており、構成ファイルは、それぞれの第1及び第2のイベントの検出に関連して実施する複数のアクションセットを定義する。処理装置は、システムを監視するための被検知データを取得することと、構成ファイルに基づいて、検知ネットワークのコントローラ及びホストとは自律的に、第1及び第2のイベントのうちの少なくとも1つを、第1の検知ノードの検知要素によって出力される被検知データの関数として検出することであて、検知要素が、前記システムの物理特性を検知する、検出することと、第1のイベントが検出された場合、複数のアクションセットの第1のアクションセットを実施し、第2のイベントが検出された場合、複数のアクションセットの第2のアクションセットを実施することと、を行うように構成されている。第1及び第2のアクションセットは、検知ネットワークのコントローラ及びホストとは自律的に実施される。
【0025】
本開示のさらに別の態様によれば、内部に記憶された1つ以上のコンピュータプログラムを有する非一時的なコンピュータ可読記憶媒体が提供される。コンピュータプログラムは、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されると、プロセッサに方法の動作を実施させる命令を含む。
【0026】
主題の開示のシステム及び方法のこれら及び他の特徴は、図面と併せて実施形態の以下の詳細な説明から当業者にはより容易に明らかになるであろう。
【0027】
主題の開示が関係する当業者が、過度の実験を行うことなく、どのように主題の開示の装置及び方法を作製及び使用するかを容易に理解できるように、その実施形態が、特定の図を参照して、本明細書において以下により詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の実施形態による、バスを介してホストまたはコントローラと通信する例示的な分散検知ノードを示すブロック図である。
図2】本開示の実施形態による、被検出イベントに基づいて選択されたアクションをトリガするように構成された検知ノードの分散ネットワークの例示的な方法を示すフローチャートである。
図3図3Aは、本開示の実施形態による、選択されたアクションを実施する方法を示すフロー図である。図3Bは、本開示の実施形態による、有効化され得るアクションセットのブロック図である。
図4】本開示の実施形態による、バスを介してホストまたはコントローラと通信する分散検知ノードのエッジ検知ノードによって実施される方法を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで図面を参照すると、同様の参照番号は、主題の開示の同様の構造的特徴または態様を識別する。限定ではなく説明及び例示の目的で、本開示によるスマートセンサシステムの例示的な実施形態のブロック図が図1に示されており、参照符号10によって全体的に示されている。本開示によるスマートセンサシステム10の動作に関連する方法、またはその態様は、説明することになるように、図2及び図3に提供される。≡本明細書で説明するシステム及び方法を使用して、イベント検出に基づく自律的なアクションの実施のカスタマイズを容易にする、改善された分散データ取得システムを提供することができる。
【0030】
図1は、デジタルバス14に接続された分散検知ノード12a~12n(概して、検知ノード12とも呼ばれる)を含むスマートセンサシステム10を示すブロック図であり、分散検知ノード12a~12nは、エッジ検知ノード12eを含み得る。スマートセンサシステム10は、異なるそれぞれのイベントの自律的な検出及び検知ノード12の構成に基づいて、選択されたアクションを自律的に実施するように各々構成可能な検知ノード12の分散ネットワークを含む。スマートセンサシステム10は、例えば、デジタルセンサであり得る、複数の検知ノード12を含む。ホストまたはコントローラ16(概して、ホスト16と呼ばれる)は、バス14に結合され得る。結合は、一時的または永続的であり得る。検知ノード12は、バス14を介してなど、直列に接続され得る。
【0031】
イベント検出の検知ノード12による自律的な実施、及びイベント検出に基づく選択されたアクションの実施は、製造時にまたはホスト16によって構成された後、ホスト16のいかなる関与も伴わずにイベント検出または選択されたアクションを実施することを指す。
【0032】
一実施形態では、スマートセンサシステム10は、航空機に搭載された健全性及び運用状況監視システム(HUMS)であってもよい。他の実施形態では、スマートセンサシステム10は、環境の特性を監視するように構成された任意の地上システムまたは空中システムであってもよい。
【0033】
各検知ノード12a~12nは、処理装置20と、1つ以上の検知要素と、を含み、検知ノード12a~12nは、1つ以上の一体型検知要素22と、メモリ24と、他の検知ノード12a~12n及びホストにデジタルバス14を介して結合するための内部インターフェース26と、アナログ/デジタル(A/D)変換器と、デジタル及び条件検知アナログ信号に変換するための構成要素または回路を含む信号調整(SC)構成要素28と、を含み得る。処理装置20は、例えば、プログラマブル論理装置(PLD)、マイクロプロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、マイクロコントローラ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、または同様の処理機能を有する他の個別のまたは一体型論理回路であり得る。
【0034】
各一体型検知要素22は、検知ノード12の内部にある一体型センサであり、温度、振動、速度、加速度、変位、湿度、圧力、または他の特性などの環境の特性を検知することができる。「内部」という用語は、検知ノード12のエンクロージャ内に配置されるか、またはエンクロージャに取り付けられることを指す。エンクロージャは、例えば、回路カードアセンブリまたはハウジングであり得、内部検知要素は、回路カードアセンブリに取り付けられ得るか、またはハウジング内に配設され得る。回路カードアセンブリは、ハウジング内に配設され得る。一体型検知要素22は、検知に基づいて検知データを生成することができ、検知データは、一体型検知要素によってバッファリングされ得る。一体型検知要素22は、アナログまたはデジタルであり得、いくつかの信号調整または前処理を実施する能力を有し得る。メモリ24は、センサデータを限られた時間バッファリングするための揮発性及び不揮発性メモリを含むことができ、センサデータを削除または上書きされるまで保持する。メモリ24の全部または一部は、検知要素22に一体化され得る。複数の一体型検知要素22を含む実施形態では、各検知要素22は、メモリ24のそれ自体の部分を含み得る。ソフトウェアの実施形態では、メモリ24は、処理装置20によって実行可能なプログラム可能命令を記憶することができる。
【0035】
イベントが検出される前に、各一体型検知要素22によって生成された検知データは、メモリ24によってバッファリング及び/または保持され、検知ノード12の構成設定に基づいて処理装置20によって処理される。構成設定は、同じ検知ノード12のそれぞれの一体型検知要素22による検知データ出力に適用される異なるバッファリング、保持、及び処理パラメータを提供することができる。処理装置20によってイベントが検出されると、処理装置20は、それぞれの一体型検知要素22によって出力される検知データのバッファリング、保持、及び/または処理に使用される異なる構成設定を引き起こすことができるイベントトリガを出力することができる。
【0036】
実施形態では、ホスト16は、1つ以上の外部システム18、例えば、別の処理装置、インターネットなどのローカルエリアネットワークまたはワイドエリアネットワークなどに結合され得る。ホスト16は、処理装置30と、メモリ34と、例えば、バス14を介して検知ノード12a~12nに結合するための内部インターフェース38と、例えば、近距離通信、有線または無線通信を介して外部システム18に結合するための外部インターフェース36と、をさらに含むことができる。ホスト16は、外部インターフェース36を介して、検知ノード12から受信したデータを外部システム18にアップロードすることができる。メモリ34は、データを一時的または長期的に記憶するための、及び処理装置30によって実行可能なプログラム可能命令を記憶するための揮発性及び不揮発性メモリを含み得る。
【0037】
ホスト16は、各検知ノード12を独自の構成で構成する能力を有し、いつでも検知ノード12を構成することができる。ホスト16は、複数の認証された構成を含む構成ライブラリをそのメモリ34に記憶することができる。ホスト16が構成のうちの1つ以上を構成ライブラリから検知ノード12のうちの1つにアップロードするたびに、追加の認証は必要とされない。
【0038】
ホスト16は、任意に、管理者が閾値または構成の他の設定を調整できるユーザインターフェース39(例えば、レバー、ノブ、キーパッド、グラフィカルユーザインターフェースなど)を有し得る。利用可能な調整を、入力プロセスによって、認証と互換性のある承認された範囲に制限することができる。
【0039】
ホスト16は、検知ノード12と交信して、検知ノード12を構成し、ある時点でデジタルバス14を介して検知ノード12から被検知データを受信するネットワークコントローラであり得る。実施形態では、ホスト16は、検知ノード12の複数のネットワークを管理することができる。実施形態では、ホスト16は、検知ノード12から受信したデータに応じて、追加の構成要素またはシステムを管理することができる。ホスト16の処理装置30は、検知ノード12の処理装置20よりも大きな処理容量を有し得る。さらに、ホスト16のメモリ34は、検知ノード12のメモリ24よりも大きな容量を有し得る。
【0040】
したがって、ホスト16は、検知ノード12のハブまたは集中コントローラとして機能しない。実施形態では、検知ノード12は、生産プロセス中に構成ファイルを検知ノード12にプログラミングすることによって構成される。実施形態では、ホスト16は、構成ファイルをプログラミングまたは再プログラミングする検知ノード12を構成または再構成することができる。構成されると、検知ノード12は、ホスト16とは自律的に動作して、イベントを検出し、イベントの検出に応じてどのアクションを取るかを判定することができる。検知ノード12は、被検知データ、または検知ノード12が検出したイベント、及び検知ノード12が取ったアクションなどのデータをホスト16に送信することによって、ホスト16と交信することができる。検知ノード12は、検知セッション後にこの情報をホスト16に通信することができ、検知ノード12を構成または再構成するとき以外は、検知ノード12の挙動に影響を与えることを控えることができる。検知ノード12は、イベントを検出するか否か、及びその構成に基づいてイベントを検出したときに、どのアクションを取るかについての独自の決定を行うことによって、自律的に動作する。ホスト16は、傾向及びパターンを識別するなどのために、検知セッション中または検知セッション後に、検知ノード12から取得したデータを使用することができる。
【0041】
スマートセンサシステム10は、識別されたイベントに応じて、イベントにつながる可能性のある物理特性を検知し、イベントを検出及び識別し、選択されたアクションを実施することによって、イベントベースの監視を実施することができる。イベントを検出及び識別するための条件は、ユーザの好み、シナリオ、用途などの状況に基づいて変化し得る。例えば、イベントは、閾値を超える振動または温度として定義されてもよい。状況に応じて、様々な閾値、傾向、頻回な発生が使用されてもよい。さらに、イベントが検出及び識別された後に取られるアクションは、かかる状況に基づいて変化する場合がある。
【0042】
構成されると、検出ノード12の各々は、物理特性の検知、並びに検出されたデータ及びイベント検出基準に基づくイベントの検出を含む、イベント監視を実施することができ、ここで、被検知データは、サンプリングレートで、ビット深度を使用して、かつゲイン設定を使用して取得された。イベントベースの監視は、検知ノード12の構成またはホスト16もしくは別の検知ノード12から受信した命令に基づいて固定数のサンプルを取得するために、継続的または離散的であり得る。実施形態では、被検知データは、一体型検知要素22によって出力された生データであり得、生データは、アナログ形式であり、イベント検出基準を適用するときに未処理である。実施形態では、被検知データは、イベント検出基準を適用する前に、A/D及びSC構成要素28によってデジタルに変換され、及び/または調整され得る。実施形態では、被検知データは、イベント検出基準を適用する前に、処理装置20によって処理され得る。
【0043】
イベント監視は、イベントが検出される前、最中、及び/または後に検出された被検知データを使用して、イベントの原因を診断し、イベントを診断し、及び/またはイベントの影響を診断することができる。これは、センサデータをメモリ24のバッファにバッファリングし、イベントの検出に応じて実施されるアクションによって、バッファリングされたデータを、一定の構成された時間、メモリ24に保持し、イベントが検出された後に、被検知データをメモリ24に記録することによって達成される。
【0044】
ホスト16は、検知ノード12を構成した後、デジタルバス14から切り離されてもよい。ホスト16は、検知ノード12がイベントを検出してイベントに応答した後、後でデジタルバス14に再結合されて、検知ノード12が保持する検知データをダウンロードすることができる。例えば、ホスト16は、デジタルバス14と交信する地上ベースのシステムであり得、検知ノード12は、モバイル装置、または航空機などの乗り物に配設され得る。
【0045】
イベントの検出に応じて、検知ノード12は、検知ノード12が被検出イベントに応じて実施するように構成される、選択されたアクションを実施することができ、検知、イベント検出、及び選択されたアクションの実施は、ホスト16に対して自律的に実施される。
【0046】
イベントを検出した検知ノード12によって実施される選択されたアクションの例としては、検知ノード12によって被検知データを構成された期間保持すること、検知ノード12の電力消費を変更すること、検知ノード12によって記憶された特定のイベントの検出に関連するカウンタを増分すること、被検知データとは異なるタイプの第2の被検知データの第2の取得を開始すること、被検知データの継続的な取得のためにサンプリングレートを変更すること、被検知データの継続的な取得のためにビット深度を変更すること、被検知データの継続的な取得のためにゲイン設定を変更すること、被検知データを処理すること、外部構成要素の状態を、非アクティブ及びアクティブのうちの一方から非アクティブ及びアクティブのうちの他方に移行すること、特定のイベントの監視モードを終了すること、任意のイベントの監視モードを終了すること、イベントメッセージを、デジタルバス14を介してホスト16に出力して、ホスト16に他の検知ノード12に被検出イベントを通知させ、及び/または他の検知ノード12に第2の選択されたアクションを実施させること、イベントメッセージをデジタルバス14を介してデジタルバス14に結合された他の検知ノード12に出力して、他の検知ノード12に被検出イベントを通知し、及び/または他の検知ノード12に第2の選択されたアクションを実施させることが挙げられる。検知ノード12は、さらに、イベント検出基準とは異なる第2のイベント検出基準に基づいて第2のイベントを検出し、第2のイベントの検出に応じて、選択されたアクションとは異なる第2の選択されたアクションを実施することができる。
【0047】
これらの動作を自律的に実施する検知ノード12の能力は、検知ノード12を追加または削除することによって、スマートセンサシステム10をスケーリングし、イベントを検出または識別するための新しい機能を追加し、特定のイベントの検出に応じてアクションを実行するための新しい機能を追加し、特別な検知ノード12を提供し、すべての検知ノード12a~12nに利用可能なすべての機能を提供することなく、検知ノード12を特別な目的の検知ノードとして構成する能力によって、検知ノード12の質量を減少させ、イベント検出、イベント識別、または被検出イベントへの反応を制御するためのホスト16への接続を必要とせずに、検知ノード12の自律的な機能に起因してケーブル質量を減少させる能力、質量及び複雑さの減少に関連するコスト、用途ごとまたはオンザフライで検知ノード12を再構成する能力、再構成時に検知ノード12の構成を再認証する必要なく、検知ノード12を構成する前に利用可能な構成を認証する能力を含む特定の利点を提供する。
【0048】
実施形態では、スマートセンサシステム10は、1つ以上のエッジ検知ノード12eを含み得る。エッジ検知ノード12eは、検知ノード12に関して説明した構成要素及び機能を含む。一体型センサ22に加えて、またはその代わりに、各エッジ検知ノード12eは、エッジ検知ノード12eの外部にある1つ以上の外部検知要素42と通信できる外部インターフェース40を含む。外部検知要素42は、アナログセンサ、離散的センサ、またはデジタルセンサであり得る。外部検知要素42は、電力を受信し、励起信号、構成信号、または制御信号を受信するために、及び/または検知データをエッジ検知ノード12eに送信するために、エッジ検知ノード12eに結合される。「外部」という用語は、エッジ検知ノード12eのエンクロージャの外側に配置されるか、またはエンクロージャに取り付けられていないことを指す。例えば、外部検知要素42は、ワイヤによってエッジ検知ノード12eに接続され、ここで、ワイヤは、エッジ検知ノード12eのエンクロージャを貫通し、回路カードアセンブリで終端する。外部検知要素42は、それが結合されているエッジ検知ノード12eを通る以外の、デジタルバス14、他の検知ノード12、またはホスト16と通信するためのアクセス権を有さない。外部検知要素42は、要求または構成に基づいて継続的な検知を実施するアナログセンサ、離散的センサ、またはデジタルセンサであり得る。さらに、外部検知要素42は、何らかの信号の調整または前処理を実施する能力を有し得る。
【0049】
エッジ検知ノード12eは、それが構成されるイベント検出及びエッジトリガ基準に従って、イベントをトリガすることができる。イベント検出に関して、イベントは、エッジ検知ノード12eの一体型検知要素(複数可)22、及び/またはエッジ検知ノード12eが構成されるイベント検出基準に従って、エッジ検知ノード12eと通信するように構成された外部検知要素(複数可)42のうちの1つ以上からの被検知データに基づいて検出され得る。処理装置20は、対応する一体型検知要素22または外部検知要素42によってイベントが検出されたかどうかを判定するために、一体型検知要素22及び外部検知要素42の各々によって出力される検知データを処理することができる。イベント検出の判定としては、例えば、閾値を検知データまたは検知データの変化率と比較すること、検知データの特定の傾向を検出すること、及び/または閾値を超える頻回な発生を検出することを挙げることができる。
【0050】
イベントトリガに関して、イベントは、エッジ検知ノード12eが構成されるエッジトリガ基準に従って、一体型検知要素22及び外部検知要素42のうちの1つ以上によって出力される検知データに関連するイベント検出に基づいてトリガされ得る。処理装置20は、異なる一体型検知要素22及び/または外部検知要素42によって出力される検知データに関連するイベント検出の判定に構成可能な論理演算を適用する。例えば、イベントは、これらの一体型検知要素22のうちの1つのみ、これらの一体型検知要素22の所定の組み合わせ、これらの外部検知要素42のうちの1つのみ、これらの外部検知の所定の組み合わせによって検出されるイベントに基づいてトリガすることができる要素42、またはこれらの一体型及び外部検知要素22及び42の所定の組み合わせによって検出されているイベントに基づいてトリガされ得る。
【0051】
処理装置20は、ハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアを使用して、イベントを検出し、イベントトリガを検出することができる。例えば、処理装置20は、アナログ回路、デジタル回路、または論理回路を使用して、検知データを閾値と比較することができる。別の例では、処理装置20は、論理回路を有するか、またはソフトウェアを適用するプログラミング論理装置を使用して、イベントがトリガされたかどうかを判定することができる。
【0052】
イベントトリガにより、アクションセットを実施することができる。1つのアクションセットに従って、内部検知要素22または外部検知要素42のうちの1つ以上の構成可能なセットは、出力検知データが単にバッファリングされるリスニングモードから、出力検知データが指定された時間保持されるか、または長期の記憶のために記録されるイベントモードにモードを変更させられる。リスニングモードにあるとき、検知ノード12は、検知データを継続的に検知及び記録する。別のアクションセットに従って、1つ以上の給電されていない外部検知要素42の構成可能なセットは、リスニングモードで動作するために電源が入れられる。外部検知要素42は、所定の時間間隔または被検知データサンプルの取得などのために、一時的に給電することができ、その後、外部検知要素は、給電されていない状態に戻ることができる。外部検知要素42に給電するための電力は、外部検知要素42が結合されるエッジ検知ノード12eによって提供され得る。アクションセットは、検知ノード12によって実施され得る選択されたアクションのいずれかである。検知、イベント検出、イベントトリガ、及びアクションセットの実施は、ホスト16に対して自律的に実施される。
【0053】
ここで図2図3A、及び図4を参照すると、様々な例示的な実施形態の実施態様を示すフローチャートが示されている。なお、図2図3A、及び図4に示す動作の順序は必須ではなく、したがって、原則として、様々な動作を例示の順序から外れて、または並行して実施することができる。また、特定の動作をスキップし、異なる動作を追加もしくは置換し、または選択した動作もしくは動作のグループを、本明細書で説明する実施形態に従って別個の用途で実施することもできる。
【0054】
図2は、図1に示すスマートセンサシステム10の検知ノード12a~12nのうちの1つなど、スマートセンサシステムの検知ノードによって実施される方法を示すフロー図200を示す。入力210において、被検知データが検知ノードから受信される。ただし、入力210において受信された被検知データを処理する前に、検知ノードは、入力202においてデータバッファリング構成を、入力204においてデータ前処理構成を、各入力206iにおいてイベントiを定義するように構成されたイベントi定義を、及び各入力208iにおいてイベントiの検出を可能にするように構成されたイベントiイネーブルを受信することによって構成されており、ここで、i=a‐nである。各イベントiイネーブルは、イベント検出を無効化するためにLOWに設定されるか、イベント検出を有効化するためにHIGHに設定される。
【0055】
入力210において、1つ以上の一体型検知要素22または外部検知要素42から被検知データが受信される。動作220において、被検知データは、一時的にバッファリングされる。動作222において、被検知データの任意の前処理は、一体型検知要素22、A/D SC構成要素28、及び/または処理装置20によって実施され得る。
【0056】
各動作224iにおいて、バッファリングされた被検知データが、前処理があった場合はその後に、イベントi定義によって定義されるイベントiの定義を満たすかどうかの判定がなされる。動作224iのすべての判定がNOである場合、アクションは取られず、方法は、入力210において入ってくる被検知データの受信を継続する。動作224iにおける判定がYESである場合、方法は、動作226iにおいて継続する。2以上のイベントiの定義が満たされる場合、検知ノードは、1つのイベントiが別のイベントiに取って代わられるように構成され得る。例えば、被検知データが第1の値を上回る場合、検知要素(22または42)のサンプルレートをxに増加させるアクションを引き起こすイベント定義が満たされ得るが、被検知データが第1の値及び第1の値よりも高い第2の値を上回る場合、サンプルレートをyに増加させるアクションが引き起こされ得る。実施形態では、2以上の競合しない動作224iは、同時に、例えば、並行して、互い違いに、または連続して、すなわち、1~nの順に実施され得る。
【0057】
各動作226iにおいて、動作224iによって出力された判定がYESであるかどうかの判定が行われ、これは、イベントiの定義が被検知データによって満たされ、イベントiの検出がイベントiイネーブル信号によって有効化されることを意味する。動作226iのすべてについての判定がNOである場合、アクションは取られず、方法は、入力210において入ってくる被検知データの受信を継続する。動作226iにおける判定がYESである場合、アクションセット308‐iの実施を可能にするためのアクションイネーブル信号Aiは、LOW信号からHIGH信号に変更される。
【0058】
図3Aを参照すると、フロー図300は、図2のフローチャート200から継続する例示的な方法を示しており、検知ノードによって可能にされて実施され得るアクション(複数可)を示している。入力304において、アクションの実施を全体的に有効化または無効化する構成アクション信号が受信される。使用される「受信」という用語は、参照、アクセス、読み取り、送信の受け入れ、またはその他の方法で取得されることを指すことができる。示されている実施例では、構成アクション信号は、構成ファイル内で指定され、入力304において参照される。
【0059】
入力306において、アクションブロック308に含まれるアクションセット308‐iの各々のアクションの詳細を指定する構成設定が受信され、これはアクションセット1‐nを含む。例えば、構成アクション信号は、ホストに通知するアクションセットなどの特定のアクションセットを有効化し、構成設定は、ホストへの通知に使用するメッセージを送信するバスを指定することができる。示されている実施例では、構成アクション信号は、構成ファイル内で指定され、入力306において参照される。
【0060】
図3Bは、n個の異なる例示的なアクションセット308‐iを有するアクションブロック308を示すブロック図である。入力304において受信された構成アクション信号、及び図2のフローチャート200の動作226iから出力された動作イネーブル信号Aiに論理AND演算を適用する論理AND演算が、動作310において実施される。動作作310において実施される論理AND演算の出力は、イネーブル信号AiがHIGHであったアクションセット308‐i(または競合しないアクションセット308‐i)のみを有効化する。アクションセット308‐iが実施されるように有効化されると、イベントが発生している限り、アクションイネーブル信号AiをHIGHのままにすることができ、その後、アクションイネーブル信号AiをLOWにリセットすることができる。
【0061】
示されている実施例では、アクションセット308‐iは、308‐1(特定の継続期間のデータを保持する)、308‐2(検知ノード12の電力消費を調整する)、308‐3(検知ノード12のイベントカウンタを増分する)、308‐4(第2の検知ノード12による異なる検知データの第2の取得を開始する)、308‐5(被検知データのサンプリングレートを変更する)、308‐6(被検知データのビット深度を変更する)、308‐7(被検知データのゲインを変更する)、308‐8(被検知データを処理する)、308‐9(チャネル及び/または外部構成要素を切り替える)、308‐10(検知ノードによるイベントの監視を終了する)、及び308‐11(被検出イベントの通知を外部システムに送信する)を含む。
【0062】
アクションセット308‐1に関して、イベント308‐1が検出される前にバッファリングされた検知データを意味する、バッファリングされた事前イベントデータから保持するサンプルの数、及びイベントイネーブル信号Aiが検出された後にバッファリングされた被検知データを意味する、バッファリングされた事後イベントから保持するサンプルの数、ならびに保持されたデータを揮発性メモリ(VM)または不揮発性メモリ(NVM)のどちらに保持するかの仕様を定義する構成設定が受信される。アクションセット308‐1が実施されると、構成設定で指定されたとおりにデータが保持される。
【0063】
アクションセット308‐2に関して、使用する電力消費モードを指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐2が実施されると、電力消費は指定された電力モードに移行する。
【0064】
アクションセット308-3に関して、整数増分ステップ及び最大カウンタ値を指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐3が実施されると、指定されている場合、最大カウンタ値を超えない限り、現在のイベントカウンタ値が増分される。
【0065】
アクションセット308‐4に関して、第2の検知ノード12の構成設定を指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐4が実施されると、指定された構成設定を使用して第2の検知ノード12による第2の検知データの取得が開始され、第2の検知データが出力される。
【0066】
アクションセット308‐5に関して、変更されたサンプルレートを指定する構成設定が受信される。アクションセット308-5が実施されると、被検知データは、変更されたサンプルレートで取得され、被検知データとして出力される。
【0067】
アクションセット308‐6に関して、変更されたビット深度を指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐6が実施されると、被検知データは、変更されたビット深度で取得され、被検知データとして出力される。
【0068】
アクションセット308‐7に関して、変更されたゲインを指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐7が実施されると、被検知データは、変更されたゲインで取得され、被検知データとして出力される。
【0069】
アクションセット308‐8に関して、被検知データの処理のために実施するプロセスを指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐8が実施されると、被検知データに対して処理が実施され、処理の結果が出力される。
【0070】
アクションセット308‐9に関して、1つ以上の外部構成要素またはそれぞれの外部構成要素に関連付するチャネルの状態を切り替える設定を指定する構成設定が受信される。例えば、構成設定は、各チャネルまたは構成要素のタイプ、例えば、接地/開放タイプ(例えば、HIGHに切り替えると接地され、LOWに切り替えると開放する出力ライン外部構成要素に使用され得る)、または設定可能な継続時間の電圧/開放(例えば、HIGHに切り替えると構成可能な電圧(5V、28Vなど)が適用され、LOWに切り替えたときに開放する出力ライン外部構成要素に使用され得る)を指定することができる。アクションセット308‐9が有効化されている場合、アクションセット308‐9によって制御される各チャネル及び/または外部構成要素を切り替えることができる。
【0071】
アクション308‐10に関して、監視を終了するイベント10(イベントイネーブル信号A10で有効化される)の検出の発生回数をカウントするイベントカウンタのカウンタ終了設定を指定する構成設定が受信され、ここで、終了設定は、イベント10の監視を終了する値である。アクションセット308‐10が実施されると、イベントカウンタの現在の値が終了設定と比較される。現在のイベントカウンタ値が終了設定を超えていると判定された場合、イベント10のイベント監視は終了する。
【0072】
アクションセット308‐11に関して、外部送信先のアドレス、及び外部送信先への通知の送信に使用するチャネルを指定する構成設定が受信される。アクションセット308‐11が実施されると、指定されたチャネルを使用して指定されたアドレスに通知が送信される。
【0073】
図4は、図1に示されるスマートセンサシステム10の検知ノード12a~12nのうちの1つなどの、スマートセンサシステムの検知ノードによって実施される例示的な方法を示すフローチャート400を示す。実施形態では、方法は、図1に示されるスマートセンサシステム10の検知ノード12eなどの、スマートセンサシステムのエッジ検知ノードによって実施される。動作402‐1‐n、404‐1‐n、及び406‐1‐nは、エッジ検知ノードのn個の検知要素またはn個の検知要素の組み合わせに対して実施される。n個の検知要素は、図1に示される一体型検知要素22及び外部検知要素42などの、一体型検知要素または外部検知要素のいずれかであり得る。≡
動作402-j(jは1~nの値)において、1つ以上の検知要素がリスニングモードに入り、1つ以上の検知要素は、1つ以上の一体型検知要素または1つ以上の外部検知要素であり得る。動作404‐jにおいて、1つ以上の検知要素は、例えばバッファ内のデータ量を継続的にデジタル化及び保持する。動作406-jにおいて、イベントが検出されたかどうかの判定がなされる。動作406‐jにおける判定がNOであり、イベントが検出されない場合、方法は、検知された検知データの継続的なデジタル化及び保持のために動作404‐jにおいて継続し、正の入力は、論理演算408に適用されない(負の入力(例えば、論理LOW)が適用されることを意味する)。動作406‐jにおける判定がYESであり、イベントが検出された場合、正の入力(例えば、論理HIGH)が論理演算408に適用される。
【0074】
動作402‐1‐n、404‐1‐n、及び406‐1‐nは、1つ以上の一体型及び/または外部検知要素の任意の選択された組み合わせを使用して実施され得る。動作402‐j、404‐j、及び406‐jの各セットは、1つの検知要素または同じタイプの一体型または外部検知要素の複数の検知要素で実施され得る。
【0075】
論理演算408は、選択された論理演算(例えば、AND、OR、NOR、NAND)または選択された演算の組み合わせを含み得る。示されている実施例では、特定の論理演算に開示を限定することなく、論理AND演算が示されている。論理演算408は、論理演算408によって実施される論理処理の判定に基づいて、適用される入力を処理し、論理LOW信号または論理HIGH信号を出力する。
【0076】
実施形態では、動作402-j、404-j、及び406-jのうちの1つのセットのみが提供され、その出力は、論理演算408に適用される。これらの実施形態では、論理演算は、動作406-jにおいてイベントが検出されたときを認識するように構成されている。
【0077】
動作は、論理演算408の出力を受信し、特定の論理値、例えば、論理HIGHが受信されたときにのみイベントトリガを開始し、そうでない場合、イベントはトリガされない。動作412において、イベントがトリガされたかどうかの判定がなされる。動作412における判定がNOである場合、イベントはトリガされず、動作418において、動作404‐1‐nにおいて実施する検知要素は、データ量をデジタル化及び保持し続けることによって、同じ方法で実施し続ける。
【0078】
判定動作412がYESである場合、イベントがトリガされ、動作414において、トリガされた特定のイベントに基づいて、選択されたアクションが実施される。示されている実施例では、選択されたアクションは、動作414及び416において実施される。動作414において、1つ以上の選択された一体型及び/または外部検知要素がリスニングモードを終了するアクションが実施される。動作416において、選択された検知要素(複数可)が指定された量の過去のデータを保持し、追加のデータを記録するアクションが実施される。方法は、動作418において継続する。
【0079】
本開示の実施形態は、コンピュータプロセッサを有するマシン上での実行を可能にするための制御論理を有するコンピュータ使用可能媒体上に置かれたソフトウェアアルゴリズム、プログラム又はコードを含むことを理解すべきである。マシンは、典型的には、コンピュータアルゴリズムまたはプログラムの実行からの出力を提供するように構成されたメモリ記憶装置を含む。
【0080】
本明細書で使用するとき、「ソフトウェア」という用語は、その実装がハードウェア、ファームウェアの中、またはディスク上で利用可能なソフトウェアコンピュータ製品、メモリ記憶装置として、もしくは、リモートマシンからのダウンロード用であるかにかかわらず、ホストコンピュータのプロセッサの中にあり得る、任意のコードまたはプログラムと同義であることを意味する。本明細書で説明する実施形態は、上述した論理、式、関係、アルゴリズムを実装するようなハードウェア、ファームウェア、及び/またはソフトウェアを含む。当業者であれば、上述した実施形態に基づいて例示の実施形態のさらなる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、例示の実施形態は、添付の特許請求の範囲に示されるもの以外には、具体的に図示及び説明してきたものに限定されるべきではない。
【0081】
別段の規定がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で説明するものと同様または等価な任意の方法及び材料を、例示の実施形態を実施または試験する際に使用することもできるが、例示的な方法及び材料をここで説明する。本明細書で言及されるすべての刊行物は、刊行物が引用されることに関連して方法及び/または材料を開示及び説明するために参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用するときに、単数形「a」、「an」、及び「the」は、その内容について別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含むことに留意しなければならない。したがって、例えば、「刺激」への言及は、複数のかかる刺激を含み、「信号」と言及した場合は、1つ以上の信号及び当業者に知られたその同等物などへの言及を含む。
【0083】
開示されたスマート検知システムの様々な実施形態の潜在的な利点は、事前認証された構成設定で分散システムの検知ノードを構成する能力である。検知ノードは、ホストまたはコントローラの自律的な構成設定に基づいてイベントを検出し、アクションを実施することができる。検知ノード及び検知ノードごとの機能は、再認証する必要なく、追加及び削除することができる。再構成は、検知ノードのライフタイム中にいつでも実施することができる。このような再構成は、コントローラなどによって、スマート検知システムの検知セッション中に実施され得る。ホストまたはコントローラとの交信及び/または結合は、検知セッション及び/または分析用データのダウンロードの前または最中の構成に制限され得る。スマート検知システムの分散性により、構成要素及びケーブルの重量が減少される。
主題の開示の装置及び方法を、実施形態を参照して示し説明したが、当業者であれば、主題の開示の精神及び範囲から逸脱することなく、それに変更及び/または修正を行うことができることを容易に理解するであろう。
図1
図2
図3
図4