(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】可変気流を有するエアロゾル発生システム
(51)【国際特許分類】
A24F 47/00 20200101AFI20231211BHJP
【FI】
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2019524453
(86)(22)【出願日】2017-11-03
(86)【国際出願番号】 EP2017078151
(87)【国際公開番号】W WO2018086999
(87)【国際公開日】2018-05-17
【審査請求日】2020-10-22
【審判番号】
【審判請求日】2022-08-12
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】リーヴェル トニー
【合議体】
【審判長】水野 治彦
【審判官】岩▲崎▼ 則昌
【審判官】間中 耕治
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/052192(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第2989912(EP,A1)
【文献】米国特許第4848375(US,A)
【文献】国際公開第2016/135342(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル発生システムであって、
カートリッジであって、
カートリッジ空気吸込み口およびカートリッジ空気出口を画定するカートリッジハウジングであって、前記カートリッジ空気吸込み口が前記
カートリッジハウジングを通って延びる、カートリッジハウジングと、
前記カートリッジハウジング内に位置付けられた固体エアロゾル形成基体と、を備えるカートリッジと、
気化器セクションであって、
気化器空気吸込み口および気化器空気出口を画定する気化器ハウジングであって、前記気化器空気出口が
気化器ハウジング壁部分を通って延び、前記気化器ハウジングが前記カートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されている、気化器ハウジングと、
各々が前記気化器ハウジングの中に位置付けられた電気ヒーターおよび液体エアロゾル形成基体と、を備え、
前記カートリッジおよび前記気化器セクションは、前記気化器セクションが前記カートリッジを受容する時に、前記
カートリッジハウジングが前記気化器ハウジング壁部分に当接するように構成されていて、
前記気化器セクションに対する前記カートリッジの回転配向が可変であ
る、気化器セクションと、
電力を前記電気ヒーターに供給するための電源を備える電源セクションと、を備え、
前記カートリッジハウジングが第一の区画および第二の区画を画定し、前記固体エアロゾル形成基体が前記第一の区画の中に位置付けられ、前記カートリッジ空気吸込み口が、前記第一の区画と流体連通する第一のカートリッジ空気吸込み口と、前記第二の区画と流体連通する第二のカートリッジ空気吸込み口と、を備え、
前記気化器空気出口と前記第一のカートリッジ空気吸込み口および第二のカートリッジ空気吸込み口の各々との間の重複の量が、前記気化器セクションに対する前記カートリッジの異なる回転配向の間で可変となるように構成されており、
前記気化器空気出口と前記第二のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量が減少するにつれて、前記気化器空気出口と前記第一のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量が増加するように構成されている、エアロゾル発生システム。
【請求項2】
前記気化器ハウジングが、前記カートリッジハウジングの上流端を受容するためのくぼみを画定する、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項3】
前記
カートリッジハウジングが上流
端を有し、かつ前記気化器ハウジング壁部分が前記くぼみの上流端壁を形成する、請求項2に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項4】
前記気化器セクションに対する前記カートリッジの前記回転配向が連続的に可変となるように、前記カートリッジハウジングの前記上流端および前記くぼみが各々、円形断面形状を有する、請求項2または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項5】
前記気化器
セクションに対して前記カートリッジの複数の個別の回転配向を画定するように、前記カートリッジハウジングの前記上流端および前記くぼみが各々、多角形の断面形状を有する、請求項2または3に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項6】
前記カートリッジが、前記第二の区画の中に位置付けられた第二のエアロゾル形成基体をさらに備える、請求項1に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項7】
前記第二のエアロゾル形成基体が風味剤を含む、請求項
6に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項8】
前記気化器空気出口、前記第一のカートリッジ空気吸込み口、および前記第二のカートリッジ空気吸込み口の各々が、半円形形状を有する、請求項1~
7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項9】
前記カートリッジハウジングの外表面上に提供された第一のしるしと、前記気化器ハウジングの外表面上に提供された第二のしるしとをさらに備え、前記第一のしるしおよび前記第二のしるしが協働して、前記気化器セクションに対する前記カートリッジの前記回転配向を示す、請求項1~
8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項10】
前記固体エアロゾル形成基体がたばこを含む、請求項1~
9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【請求項11】
前記液体エアロゾル形成基体がニコチン含有液体を含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル発生システムを通る可変気流を可能にするように構成されたエアロゾル発生システムに関する。本発明は、電気的に作動する喫煙システムとして特定の用途がある。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル発生システムの一つのタイプは、電気的に作動する喫煙システムである。周知の手持ち式の電気的に作動する喫煙システムは典型的に、電池と、制御電子回路と、エアロゾル形成基体を加熱するための電気ヒーターとを備えるエアロゾル発生装置を備える。エアロゾル形成基体はエアロゾル発生装置の一部の中に収容されてもよい。例えば、エアロゾル発生装置は、ニコチン溶液などの液体エアロゾル形成基体が貯蔵される液体貯蔵部分を備えてもよい。しばしば「eシガレット」と呼ばれるこうした装置は典型的に、複数の従来の紙巻たばこを消費するのに相当する吸煙回数を提供するために十分な液体エアロゾル形成基体を含有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来の紙巻たばこを消費する体験をより忠実にシミュレートする体験をeシガレットユーザーに提供する試みにおいて、一部の装置はeシガレット構成をたばこ由来の基体と組み合わせて、ユーザーによって吸入されるエアロゾルにたばこの味覚を付与することを試みている。しかしながら、こうした装置は典型的に、ユーザーが喫煙の体験をカスタマイズするためのいかなる手段も提供しない。
【0004】
周知の装置でのこれらの問題の少なくとも一部を低減または除去するエアロゾル発生システムを提供することが望ましいことになる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、カートリッジと、気化器セクションと、電源セクションとを備えるエアロゾル発生システムが提供されている。カートリッジは、カートリッジ空気吸込み口およびカートリッジ空気出口を画定するカートリッジハウジングを備え、カートリッジ空気吸込み口はカートリッジハウジングの壁部分を通って延びる。カートリッジはまた、カートリッジハウジングの中に位置付けられた固体エアロゾル形成基体を備える。気化器セクションは、気化器空気吸込み口および気化器空気出口を画定する気化器ハウジングを備え、気化器空気出口は気化器ハウジングの壁部分を通って延びる。気化器ハウジングは、カートリッジの少なくとも一部分を受容するように構成されている。気化器セクションはまた、各々が気化器ハウジングの中に位置付けられた電気ヒーターおよび液体エアロゾル形成基体を備える。カートリッジおよび気化器セクションは、気化器セクションがカートリッジを受容する時に、カートリッジハウジング壁部分が気化器ハウジング壁部分に当接するように構成されている。気化器セクションに対するカートリッジの回転配向は可変であり、カートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量は、異なる回転配向の間で可変である。電源セクションは、電力を電気ヒーターに供給するための電源を備える。
【0006】
本明細書で使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を放出する能力を有する基体を説明するために使用されている。本発明によるエアロゾル発生システムのエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、可視であってもよく、または不可視であってもよく、またベイパー(例えば、室温にて通常、液体または固体である物質の、気体状態の微粒子)、ならびに気体および凝縮されたベイパーの液体の液滴を含んでもよい。
【0007】
本発明によるエアロゾル発生システムは有利なことに、エアロゾル発生システムを通る気流の変動を容易にする。気流の変動は有利なことに、エアロゾル発生システムの引き出し抵抗を変える場合がある。エアロゾル発生システムを通る気流の変動は、固体エアロゾル形成基体を通る気流と、固体エアロゾル形成基体を迂回する気流との比を有利にも変える場合がある。有利なことに、エアロゾル発生システムを通る気流の変動は、ユーザーがユーザー体験をカスタマイズすることを容易にする。
【0008】
エアロゾル発生システムは、約60~約120水柱ミリメートルの間で可変である引き出し抵抗を有してもよい。
【0009】
気化器ハウジングは、カートリッジハウジングの上流端を受容するためのくぼみを画定することが好ましい。有利なことに、カートリッジハウジングの上流端を受容するためのくぼみを提供することは、ユーザーが気化器セクションにカートリッジを係合するのを容易にする場合がある。有利なことに、くぼみは、エアロゾル発生システムの使用中にカートリッジが気化器セクションと係合している状態を保持する場合がある。
【0010】
くぼみとカートリッジハウジングの上流端とは、エアロゾル発生システムの使用中にカートリッジハウジングの上流端がくぼみ内に締まり嵌めによって保持されるように、サイズが決められることが好ましい。
【0011】
くぼみの断面形状は、カートリッジハウジングの上流端の断面形状と実質的に同一であることが好ましい。
【0012】
くぼみは、気化器セクションに対するカートリッジの複数の回転配向においてカートリッジハウジングの上流端を受容するように構成されている。カートリッジの各回転配向におけるカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量は、カートリッジのその他の回転配向のうちの少なくとも一つにおけるカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量とは異なることが好ましい。カートリッジの各回転配向におけるカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量は、カートリッジのその他の各々の回転配向におけるカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量とは異なることがより好ましい。
【0013】
カートリッジの回転配向のうちの少なくとも一つにおいて、カートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間には実質的に重複が無いことが好ましい。カートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間に実質的に重複が無い回転配向を提供することは有利なことに、エアロゾル発生システムが使用されていない時にエアロゾル発生システムを通る気流を防止できる場合がある。
【0014】
カートリッジハウジング壁部分は、カートリッジハウジングの上流端壁を形成し、また気化器ハウジング壁部分はくぼみの上流端壁を形成することが好ましい。カートリッジハウジングの上流端がくぼみの中に受容された時、カートリッジハウジングの上流端壁はくぼみの上流端壁に当接する。有利なことに、二つの上流端壁が当接することは、気化器空気出口からの気流がカートリッジ空気吸込み口の中へのみ直接流れることができることを確実にする。有利なことに、これは、カートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量と、エアロゾル発生システムの引き出し抵抗との間の直接的な相関を確実にする場合がある。気化器セクションに対するカートリッジの少なくとも一つの回転配向においてカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複が実質的に無い実施形態において、二つの上流端壁に当接することは有利なことに、エアロゾル発生システムを通る気流の防止を容易にする場合がある。
【0015】
カートリッジハウジングの上流端およびくぼみは、気化器セクションに対するカートリッジの回転配向が連続的に可変となるように、各々が円形断面形状を有する場合がある。
【0016】
有利なことに、円形断面形状を有するカートリッジハウジングの上流端およびくぼみを提供することは、カートリッジハウジングの上流端をくぼみから取り外すことなく、カートリッジの回転配向を変動できるようにする場合がある。
【0017】
有利なことに、気化器セクションに対するカートリッジの連続的に可変である回転配向を提供することは、最大引き出し抵抗と最小引き出し抵抗との間の引き出し抵抗の連続的な変動をエアロゾル発生システムに提供する場合がある。最大引き出し抵抗は、カートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量が最小である時に生じてもよい。最小引き出し抵抗は、カートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量が最大である時に生じてもよい。
【0018】
カートリッジハウジングの上流端およびくぼみは各々、気化器に対するカートリッジの複数の個別の回転配向を画定する多角形の断面形状を有してもよい。有利なことに、複数の個別の回転配向は、エアロゾル発生システムの複数の個別かつ所定の引き出し抵抗の値に対応してもよい。
【0019】
カートリッジ空気吸込み口および気化器空気出口の各々は、任意の適切なサイズおよび形状を有してもよい。カートリッジ空気吸込み口および気化器空気出口は、実質的に同一のサイズおよび形状を有してもよい。カートリッジ空気吸込み口は、気化器空気出口と比較して、異なるサイズおよび異なる形状のうちの少なくとも一つを有してもよい。
【0020】
気化器空気出口およびカートリッジ空気吸込み口の各々は、半円形形状を有してもよい。半円形気化器空気出口および半円形カートリッジ空気吸込み口は、カートリッジハウジングの上流端およびくぼみが各々、円形断面形状を有する実施形態において特に好ましい場合がある。有利なことに、半円形気化器空気出口と半円形カートリッジ空気吸込み口との組み合わせは、気化器空気吸込み口とカートリッジ空気出口との間に実質的に重複が無い回転配向を保持する一方で、気化器空気出口とカートリッジ空気吸込み口との間の重複の最大量を提供する場合がある。
【0021】
カートリッジハウジングは、固体エアロゾル形成基体が中に位置付けられている単一の区画を画定してもよい。
【0022】
カートリッジハウジングは第一の区画および第二の区画を画定してもよく、固体エアロゾル形成基体は第一の区画の中に位置付けられ、カートリッジ空気吸込み口は、第一の区画と流体連通する第一のカートリッジ空気吸込み口と、第二の区画と流体連通する第二のカートリッジ空気吸込み口とを備える。有利なことに、第二のカートリッジ空気吸込み口と組み合わせた第二の区画は、第一の区画の中に位置付けられた固体エアロゾル形成基体を迂回するカートリッジを通る第二の気流経路を提供してもよい。
【0023】
カートリッジ空気出口は、第一の区画と流体連通する第一のカートリッジ空気出口と、第二の区画と流体連通する第二のカートリッジ空気出口とを備えることが好ましい。第一のカートリッジ空気吸込み口および第一のカートリッジ空気出口が第一の区画を介して相互に流体連通するように、第一のカートリッジ空気吸込み口はカートリッジハウジングの上流端に位置付けられ、かつ第一のカートリッジ空気出口はカートリッジハウジングの下流端に位置付けられることが好ましい。第二のカートリッジ空気吸込み口および第二のカートリッジ空気出口が第二の区画を介して相互に流体連通するように、第二のカートリッジ空気吸込み口はカートリッジハウジングの上流端に位置付けられ、かつ第二のカートリッジ空気出口はカートリッジハウジングの下流端に位置付けられることが好ましい。
【0024】
エアロゾル発生システムは、気化器空気出口と第一のカートリッジ空気吸込み口および第二のカートリッジ空気吸込み口の各々との間の重複の量が、気化器セクションに対するカートリッジの異なる回転配向の間で可変となるように構成されていることが好ましい。エアロゾル発生システムは、気化器空気出口と第二のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量が減少するにつれて、気化器空気出口と第一のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量が増加するように構成されていることが好ましい。エアロゾル発生システムは、気化器空気出口と第一のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量が減少するにつれて、気化器空気出口と第二のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量が増加するように構成されていることが好ましい。有利なことに、こうした配置は、第一の区画を通る気流の量と、第二の区画を通る気流の量との比をユーザーが変化させることを可能にする。
【0025】
気化器空気出口、第一のカートリッジ空気吸込み口、および第二のカートリッジ空気吸込み口の各々は、半円形形状を有してもよい。これは、カートリッジハウジングの上流端およびくぼみが各々、円形断面形状を有する実施形態において特に好ましい場合がある。こうした配置は、エアロゾル発生システムを通るすべての気流が第一の区画を経由する構成と、エアロゾル発生システムを通るすべての気流が第二の区画を経由する構成との間の、エアロゾル発生システムを通る気流の連続的な変動を容易にする場合がある。これらの構成の各々の間で、エアロゾル発生システムを通る気流は、第一の区画と第二の区画との間で分割されてもよい。カートリッジの回転配向が変わるにつれて、気化器空気出口と第一のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量は、気化器空気出口と第二のカートリッジ空気吸込み口との間の重複の量に反比例することが好ましい。
【0026】
気化器空気出口は半円形形状を有してもよく、また第一のカートリッジ空気吸込み口および第二のカートリッジ空気吸込み口の各々は四半円形形状を有してもよい。この構成は、第一および第二のカートリッジ空気吸込み口の各々が半円形である前述の実施形態と同一の利点を提供し、また追加的な利点を提供する。半円形の気化器出口を四半円形の第一および第二のカートリッジ空気吸込み口と組み合わせて提供することは、第一のカートリッジ空気吸込み口の一部またはすべてが気化器空気出口と重複し、かつ第二のカートリッジ空気吸込み口のいかなる部分も気化器空気出口と重複しないカートリッジの回転配向を可能にする。半円形の気化器出口を四半円形の第一および第二のカートリッジ空気吸込み口と組み合わせて提供することは、第二のカートリッジ空気吸込み口の一部またはすべてが気化器空気出口と重複し、かつ第一のカートリッジ空気吸込み口のいかなる部分も気化器空気出口と重複しないカートリッジの回転配向を可能にする。半円形の気化器出口を四半円形の第一および第二のカートリッジ空気吸込み口と組み合わせて提供することは、気化器空気出口が第一のカートリッジ空気吸込み口および第二のカートリッジ空気吸込み口のいずれとも重複しないカートリッジの回転配向を可能にする。
【0027】
第二の区画は、固体エアロゾル形成基体を迂回する気流経路を提供するためのバイパス区画であってもよい。有利なことに、これは、液体エアロゾル形成基体からの揮発性化合物と、使用中にエアロゾル発生システムからユーザーに送達される固体エアロゾル形成基体からの揮発性化合物との比をユーザーが変えることを可能できる場合がある。例えば、第一のカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量を低減すること、および第二のカートリッジ空気吸込み口と気化器空気出口との間の重複の量を増加することは、液体エアロゾル形成基体から送達される揮発性化合物の量と比較して、固体エアロゾル形成基体から送達される揮発性化合物の量を低減させる場合がある。
【0028】
第二の区画は実質的に空であってもよい。第二の空気吸込み口は、第一の区画と比較して、より低い第二の区画の引き出し抵抗に合わせるために、第一の空気吸込み口よりも小さくてもよい。
【0029】
カートリッジは、第二の区画の中に位置付けられたフィルター材料を含んでもよい。
【0030】
カートリッジは、第二の区画の中に位置付けられた第二のエアロゾル形成基体を備えてもよい。有利なことに、これは、固体エアロゾル形成基体からの揮発性化合物と、使用中にエアロゾル発生システムからユーザーに送達される第二のエアロゾル形成基体からの揮発性化合物との比をユーザーが変えることを可能にできる場合がある。有利なことに、この配置は、使用中にエアロゾル発生システムによって送達された風味プロファイルをユーザーが変えることを可能にできる場合がある。すなわち、ユーザーは、第二のエアロゾル形成基体から送達された風味の量と比較して、固体エアロゾル形成基体から送達された風味の量を変化させてもよい。
【0031】
第二のエアロゾル形成基体は第二の液体エアロゾル形成基体を含んでもよい。第二のエアロゾル形成基体は第二の固体エアロゾル形成基体を含んでもよい。
【0032】
液体エアロゾル形成基体、固体エアロゾル形成基体、および(存在する場合)第二のエアロゾル形成基体の各々は、風味剤を含んでもよい。風味剤はメントールを含んでもよい。
【0033】
エアロゾル発生システムは、カートリッジハウジングの外表面上に提供された第一のしるしと、気化器ハウジングの外表面上に提供された第二のしるしとをさらに備えてもよく、第一のしるしおよび第二のしるしは協働して、気化器セクションに対するカートリッジの回転配向を示す。有利なことに、これは、気化器セクションに対するカートリッジの所望の回転配向を設定する上でユーザーを支援する場合がある。
【0034】
気化器セクションは多孔性担体材料を含んでもよく、ここで液体エアロゾル形成基体は多孔性担体材料上に提供されている。有利なことに、多孔性担体材料上に液体エアロゾル形成基体を提供することは、液体エアロゾル形成基体が気化器セクションから漏れるリスクを低減できる場合がある。
【0035】
多孔性担体材料は、液体エアロゾル形成基体に対して透過性であり、かつ液体エアロゾル形成基体が多孔性担体材料を通して移動することを可能にする任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。材料または材料の組み合わせは、液体エアロゾル形成基体に対して不活性であることが好ましい。多孔性担体材料は毛細管材料であってもよく、または毛細管材料でなくてもよい。多孔性担体材料は、液体エアロゾル形成基体の分散および拡散を改善する親水性の材料を含んでもよい。これは、一貫したエアロゾル形成を支援する場合がある。特定の好ましい材料(複数可)は、液体エアロゾル形成基体の物理的特性に依存することになる。適切な材料の例は毛細管材料であり、例えば海綿体または発泡体材料、繊維または焼結粉末の形態のセラミック系またはグラファイト系の材料、発泡性の金属またはプラスチックの材料、例えば紡糸または押出成形された繊維(セルロースアセテート、ポリエステル、または結合されたポリオレフィン、ポリエチレン、テリレンもしくはポリプロピレン繊維、ナイロン繊維またはセラミックなど)で作製された繊維性材料である。多孔性担体材料は、異なる液体物理的特性を有して使用されるように、任意の適切な空隙率を有してもよい。
【0036】
固体エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い基体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含有するたばこ含有材料を含んでもよい。
【0037】
固体エアロゾル形成基体は、脱プロトン化ニコチンを含有するたばこを含んでもよい。たばこの中のニコチンを脱プロトン化することは有利なことに、ニコチンの揮発性を増大させる場合がある。ニコチンは、たばこをアルカリ化処理に供することによって脱プロトン化されてもよい。
【0038】
固体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。固体エアロゾル形成基体は、たばこ含有材料および非たばこ含有材料を含んでもよい。
【0039】
固体エアロゾル形成基体は少なくとも一つのエアロゾル形成体を含んでもよい。本明細書で使用される「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を容易にする任意の適切な周知の化合物または化合物の混合物を説明するために使用されている。適切なエアロゾル形成体としては、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、もしくはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0040】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0041】
固体エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、固体エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0042】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準で5パーセントを超えてもよい。
【0043】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ5パーセント~およそ30パーセントであってもよい。
【0044】
固体エアロゾル形成基体のエアロゾル形成体の含有量は、乾燥重量基準でおよそ20パーセントであってもよい。
【0045】
液体エアロゾル形成基体は、加熱に伴い液体から放出される揮発性のたばこ風味化合物を含む、たばこ含有材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は非たばこ材料を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体は水、溶媒、エタノール、植物エキス、および天然の風味または人工の風味を含んでもよい。液体エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。適切なエアロゾル形成体としては、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、およびグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物が挙げられる。
【0046】
液体エアロゾル形成基体はニコチンを含んでもよい。
【0047】
液体エアロゾル形成基体はニコチンを含まなくてもよい。こうした実施形態において、気化された液体エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体から一つ以上の揮発性化合物を揮散するために、使用中に固体エアロゾル形成基体を通して引き出されてもよい。気化された液体エアロゾル形成基体は、固体エアロゾル形成基体からニコチンを揮散してもよい。脱プロトン化ニコチンを含有するたばこを含む固体エアロゾル形成基体は、液体エアロゾル形成基体がニコチンを含まない実施形態に特に適切である場合がある。
【0048】
存在する場合には、第二のエアロゾル形成基体は、本明細書で説明されている固体エアロゾル形成基体および液体エアロゾル形成基体のうちのいずれかを含んでもよい。第二のエアロゾル形成基体の組成は、液体エアロゾル形成基体および固体エアロゾル形成基体の各々の組成とは異なることが好ましい。
【0049】
電気ヒーターは抵抗加熱コイルを備えてもよい。
【0050】
電気ヒーターは抵抗加熱メッシュを備えてもよい。
【0051】
抵抗加熱メッシュは複数の導電性フィラメントを備えてもよい。導電性フィラメントは実質的に平面であってもよい。本明細書で使用される「実質的に平坦」とは、単一の平面内に形成され、かつ湾曲した形状もしくはその他の非平面形状に巻かれない、または湾曲した形状もしくはその他の非平面形状に合うように適合されないことを意味する。平坦な加熱メッシュは、製造中に簡単に取り扱うことができ、かつ頑丈な構造を提供する。
【0052】
導電性フィラメントはフィラメントの間に隙間を画定してもよく、また隙間は約10マイクロメートル~約100マイクロメートルの幅を有してもよい。フィラメントは、使用時に液体エアロゾル形成基体が隙間の中へと引き出されるように隙間内に毛細管作用を生じさせて、ヒーター組立品と液体の間の接触面積が増えることが好ましい。
【0053】
導電性フィラメントは160~600メッシュUS(±10%)(すなわち、1インチ当たりのフィラメント数が約160~約600個(±10%))のサイズのメッシュを形成してもよい。隙間の幅は約75マイクロメートル~約25マイクロメートルであることが好ましい。メッシュの総面積に対する隙間の面積の比であるメッシュの開口面積の割合は約25パーセント~約56パーセントであることが好ましい。メッシュは、異なるタイプの織り構造または格子構造を使用して形成されてもよい。導電性フィラメントは、互いに平行に配列されたフィラメントのアレイであってもよい。
【0054】
導電性フィラメントは約8マイクロメートル~約100マイクロメートルの直径を有してもよく、約8マイクロメートル~50マイクロメートルの直径を有することが好ましく、約8マイクロメートル~約39マイクロメートルの直径を有することがより好ましい。
【0055】
抵抗加熱メッシュは、約25平方ミリメートル以下の面積を覆ってもよい。抵抗加熱メッシュは長方形であってもよい。抵抗加熱メッシュは正方形であってもよい。抵抗加熱メッシュは、約5ミリメートル×約2ミリメートルの寸法を有してもよい。
【0056】
導電性フィラメントは任意の適切な導電性材料を含んでもよい。適切な材料としては、ドープされたセラミックなどの半導体、「導電性」のセラミック(例えば、二ケイ化モリブデンなど)、炭素、黒鉛、金属、合金、およびセラミック材料・金属材料で作製された複合材料が挙げられるが、これらに限定されない。こうした複合材料は、ドープされたセラミックまたはドープされていないセラミックを含んでもよい。適切なドープされたセラミックの例としては、ドープ炭化ケイ素が挙げられる。適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。適切な合金の例には、ステンレス鋼、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有の合金、およびニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。Timetal(登録商標)は、Titanium Metals Corporationの登録商標である。フィラメントは一つ以上の絶縁体で被覆されていてもよい。導電性フィラメント用の好ましい材料は、304、316、304L、および316Lステンレス鋼、ならびに黒鉛である。
【0057】
抵抗加熱メッシュの電気抵抗は、約0.3~約4オームであることが好ましい。メッシュの電気抵抗は約0.5~約3オームであることがより好ましく、約1オームであることがより好ましい。
【0058】
電気ヒーターが抵抗加熱コイルを備える実施形態において、コイルのピッチは約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートルであることが好ましく、約1.5ミリメートルであることが最も好ましい。コイルのピッチは、コイルの隣接した巻きの間隔を意味する。コイルは6回未満の巻き数を備えてもよく、5回未満の巻き数を有することが好ましい。コイルは、約0.10ミリメートル~約0.15ミリメートル、好ましくは約0.125ミリメートルの直径を有する電気抵抗性のあるワイヤーで形成されてもよい。電気抵抗性のあるワイヤーは、904または301ステンレス鋼で形成されることが好ましい。他の適切な金属の例としては、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族の金属が挙げられる。他の適切な合金の例には、コンスタンタン、ニッケル含有、コバルト含有、クロム含有、アルミニウム含有、チタン含有、ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル、鉄、コバルト、ステンレス鋼系の超合金、Timetal(登録商標)、鉄-アルミニウム系合金および鉄-マンガン-アルミニウム系合金が挙げられる。抵抗加熱コイルはまた、リボンの形態で提供される金属箔(アルミ箔など)を含んでもよい。
【0059】
エアロゾル発生システムはマウスピースを備えてもよい。マウスピースは、カートリッジの部分を形成してもよい。マウスピースは、カートリッジとは別個に形成されてもよく、またカートリッジおよび気化器セクションのうちの少なくとも一つへの取り付けのために構成されてもよい。マウスピースは、使用中にカートリッジ空気出口と流体連通するように構成されたマウスピース空気出口を備えることが好ましい。
【0060】
電源は電池を備えてもよい。例えば、電源はニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、またはリチウム系電池(例えば、リチウムコバルト電池、リン酸鉄リチウム電池、またはリチウムポリマー電池)であってもよい。別の方法として、電源はコンデンサーなど別の形態の電荷蓄積装置であってもよい。電源は再充電を必要とする場合があり、またエアロゾル発生装置を二つ以上のカートリッジとともに使用するのに十分なエネルギーを蓄積できる容量を有してもよい。
【0061】
電源セクションは、電源から電気ヒーターへの電力の供給を制御するためのコントローラを備えることが好ましい。
【0062】
添付図面を参照しながら、例証としてのみ、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【
図1】
図1は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システムの第一の斜視図を示す。
【
図2】
図2は、
図1のエアロゾル発生システムの第二の斜視図を示す。
【
図3】
図3は、カートリッジが、異なる回転配向でくぼみの中へと挿入されている
図1のエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【
図4】
図4は、カートリッジが、異なる回転配向でくぼみの中へと挿入されている
図1のエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【
図5】
図5は、カートリッジが、異なる回転配向でくぼみの中へと挿入されている
図1のエアロゾル発生システムの断面図を示す。
【
図6】
図6は、本発明の第二の実施形態によるカートリッジを示す。
【
図7】
図7は、
図6のカートリッジを備えるエアロゾル発生システムを示す。
【
図8】
図8は、本発明の第三の実施形態によるカートリッジの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
図1~5は、本発明の第一の実施形態によるエアロゾル発生システム10を示す。エアロゾル発生システムは、気化器セクション14に接続された電源セクション12と、電源および気化器セクション12、14とは別個のカートリッジ16とを備える。気化器セクション14は、カートリッジ16の上流端を受容するためのくぼみ20を画定する気化器ハウジング18を備える。
【0065】
電源セクション12は、空気を電源セクション12の中へと入れるためのシステム空気吸込み口22、コントローラ24、および電源26を備える。
【0066】
気化器セクション14は、電源セクション12から空気を受容するための気化器空気吸込み口27、気化器空気吸込み口26とその上流端で流体連通する気流通路28、および気流通路28の下流端と流体連通する気化器空気出口30を備える。気化器空気出口30は半円形形状を有し、かつカートリッジ気化器ハウジング18の壁部分31によって形成され、壁部分31はまた、くぼみ20の上流端壁を形成する。
【0067】
気化器セクション14は、気流通路28の外側に位置付けられた環状の多孔性担体材料34の中へと収着された液体エアロゾル形成基体32をさらに備える。毛細管芯36は、多孔性担体材料34と接触して位置付けられた第一の端および第二の端と、気流通路28の中に位置付けられた中央部分とを備える。液体エアロゾル形成基体32は、毛細管芯36に沿った毛細管作用によって、多孔性担体材料34から毛細管芯36の中央部分に吸い出される。
【0068】
気化器セクション14はまた、毛細管芯36の中央部分の周囲に巻かれた抵抗加熱コイルを備える電気ヒーター38を備える。エアロゾル発生システム10の作動中、コントローラ24は、電源26から電気ヒーター38への電気エネルギーの供給を制御して、毛細管芯36の中央部分からの液体エアロゾル形成基体32を加熱および気化する。
【0069】
カートリッジ16は、カートリッジ空気吸込み口42およびカートリッジ空気出口44を画定するカートリッジハウジング40を備える。カートリッジ空気吸込み口42は、半円形形状を有し、カートリッジハウジング40の上流壁部分45によって形成されている。固体エアロゾル形成基体46は、カートリッジ空気吸込み口42とカートリッジ空気出口44との間でカートリッジハウジング40の中に位置付けられている。メッシュフィルター48は、カートリッジ空気吸込み口42およびカートリッジ空気出口44を横切って延び、固体エアロゾル形成基体46をカートリッジハウジング40内に保持してもよい。マウスピース50はカートリッジ16の下流端に形成され、マウスピース50はカートリッジ空気出口44と流体連通するマウスピース空気出口52を有する。
【0070】
エアロゾル発生システム10の使用中、空気はシステム空気吸込み口22を通してシステムの中へと引き出され、気化器空気吸込み口27を通り、かつ気化された液体エアロゾル形成基体32が気流内に同伴される気流通路28の中へと引き出される。その後、気流は気化器空気出口30を通って流れ、カートリッジ空気吸込み口42を経由してカートリッジ16の中へと流れ、かつ固体エアロゾル形成基体46を通って流れ、そこで固体エアロゾル形成基体46からの揮発性化合物は気流内に同伴される。その後、気流は、カートリッジ空気出口44を通って流れ、マウスピース空気出口52を通ってエアロゾル発生システム10の外に流れて、気化された液体エアロゾル形成基体32および固体エアロゾル形成基体46からの揮発性化合物をユーザーに送達する。
【0071】
エアロゾル発生システム10を通る気流を変えるために、例えばエアロゾル発生システム10の引き出し抵抗を変えるために、ユーザーは気化器セクション14に対するカートリッジ16の回転配向を変えることができる。
図3~5(各々がカートリッジ16の異なる回転配向を示す)に示す通り、カートリッジ16の回転配向を変えると、半円気化器空気出口30と半円カートリッジ空気吸込み口42との間の重複の量が変わる。
図3は、気化器空気出口30とカートリッジ空気吸込み口42との間に完全な重複がある回転配向を図示し、これは最小の引き出し抵抗を提供する。
図4は、気化器空気出口30とカートリッジ空気吸込み口42との間に部分的な重複がある回転配向を図示し、これは
図3の回転配向と比較した時に引き出し抵抗を増大させる。
図5は、カートリッジハウジング40の上流壁部分45が気化器空気出口30を遮るように、気化器空気出口30とカートリッジ空気吸込み口42との間に重複が無い回転配向を図示する。従って、
図5に示す回転配向では、エアロゾル発生システム10を通る気流が防止され、これはエアロゾル発生システム10が使用されていない時に望ましい場合がある。
【0072】
気化器セクション14に対するカートリッジ16の相対回転をユーザーに示すために、第一のしるし62がカートリッジハウジング40上に提供されていて、また第二のしるし64が気化器ハウジング18上に提供されている。
【0073】
図6は、本発明の第二の実施形態による代替的なカートリッジ116を示す。カートリッジ116は、
図1~5に示すカートリッジ16と類似していて、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用されている。
【0074】
カートリッジ116は、カートリッジハウジング140の形状によって、カートリッジ16とは異なる。
図1~5に示す第一の実施形態において、カートリッジハウジング40は、任意の回転配向でカートリッジ16をくぼみ20の中へと挿入できるように、円形断面形状を有する。
図6に示す第二の実施形態において、カートリッジ116は、複数の平面状の面141を画定する多角形の断面形状を有するカートリッジハウジング140を含む。カートリッジハウジング140の多角形形状は、エアロゾル発生システムの気化器セクションに対するカートリッジ116の回転配向を制限する。
【0075】
図7は、カートリッジ116を備えるエアロゾル発生システム100を示す。エアロゾル発生システム100は、
図1~5を示されたエアロゾル発生システム10と類似していて、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用されている。
【0076】
エアロゾル発生システム100は、くぼみ120の形状によって、エアロゾル発生システム10とは異なる。特に、くぼみ120は、カートリッジハウジング140の多角形断面形状と一致する多角形断面形状を有する。くぼみの多角形形状は、気化器セクション14に対するカートリッジ116の回転配向を複数の個別の回転配向に制限する。この配置は、気化器空気出口30とカートリッジ空気吸込み口42との間の所定の量の重複に各々対応する複数の所定の回転配向の中からユーザーが選ぶことを可能にする。
【0077】
図8および9は、本発明の第三の実施形態によるカートリッジ216を示す。カートリッジ216は、
図1~5に示すカートリッジ16と類似していて、同様の部分を指定するために同様の参照符号が使用されている。カートリッジ216は、
図1~5に示す電源セクション12および気化器セクション14とともに使用されてもよい。
【0078】
カートリッジ216は、カートリッジハウジング240の形状によって、カートリッジ16とは異なる。
図1~5に示す第一の実施形態において、カートリッジハウジング40は、固体エアロゾル形成基体46が中に位置付けられている単一の区画を画定する。
図8および
図9に示す第三の実施形態において、カートリッジハウジング240は、固体エアロゾル形成基体46が中に位置付けられている第一の区画260と、第二のエアロゾル形成基体246が中に位置付けられている第二の区画262とを画定する。第二のエアロゾル形成基体246は、固体エアロゾル形成基体46および液体エアロゾル形成基体32とは異なる。
【0079】
カートリッジ216のカートリッジ空気吸込み口は、第一の区画260の上流端と流体連通する第一のカートリッジ空気吸込み口242と、第二の区画262の上流端と流体連通する第二のカートリッジ空気吸込み口243とを備える。カートリッジ216のカートリッジ空気出口は、第一の区画260の下流端と流体連通する第一のカートリッジ空気出口244と、第二の区画262の下流端と流体連通する第二のカートリッジ空気出口245とを備える。使用中に、気化器セクション14に対するカートリッジ216の回転配向を変えて、気化器空気出口30と第一のカートリッジ空気吸込み口242および第二のカートリッジ空気吸込み口243の各々との間の重複の量を変えてもよい。従って、気化器セクション14に対するカートリッジ216の回転配向を変化させることは、第一の区画260および第二の区画262の各々を通る気流の相対量をユーザーが変えることを可能にする。