IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東芝の特許一覧 ▶ 東芝電機サービス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-制御装置、プログラム及びシステム 図1
  • 特許-制御装置、プログラム及びシステム 図2
  • 特許-制御装置、プログラム及びシステム 図3
  • 特許-制御装置、プログラム及びシステム 図4
  • 特許-制御装置、プログラム及びシステム 図5
  • 特許-制御装置、プログラム及びシステム 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】制御装置、プログラム及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0832 20230101AFI20231211BHJP
【FI】
G06Q10/0832
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020038409
(22)【出願日】2020-03-06
(65)【公開番号】P2021140516
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 匡哉
(72)【発明者】
【氏名】高田 瑛央
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正憲
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-013939(JP,A)
【文献】特開2002-362730(JP,A)
【文献】特表2017-507871(JP,A)
【文献】特開2015-150478(JP,A)
【文献】特開2009-183818(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソータにより区分される物品の流通の適否を示す検査情報と前記物品の宛先を示す宛先情報とを取得するインターフェースと、
前記インターフェースにより取得した前記検査情報が流通不適を示す場合、前記物品の区分先として前記ソータの第1のシュートを設定し、
前記インターフェースにより取得した前記検査情報が流通適合を示す場合、前記物品の区分先として前記宛先情報に基づいて区分される前記ソータの第2のシュートを設定する、
プロセッサと、
を備える制御装置。
【請求項2】
前記検査情報は、前記物品が流通不適である理由を示し、
前記プロセッサは、前記インターフェースにより取得した前記検査情報が示す前記理由に対応する、前記第1のシュートの1つを前記物品の区分先として設定する、
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記インターフェースは、前記ソータと通信するインターフェースであり、
前記プロセッサは、前記インターフェースを通じて前記物品の区分先を示す区分情報を前記ソータに送信する、
請求項1又は2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、前記ソータにおいて前記第2のシュートを前記第1のシュートの下流に設定する、
請求項1乃至3の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、前記第1のシュートに含まれるシュートの数を、前記第2のシュートに含まれるシュートの数より少なく設定する、
請求項1乃至4の何れか1項に記載の制御装置。
【請求項6】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
物品の流通の適否を示す検査情報と前記物品の宛先を示す宛先情報とを取得する機能と、
取得した前記検査情報が流通不適を示す場合、前記物品の区分先としてソータの第1のシュートを設定する機能と、
取得した前記検査情報が流通適合を示す場合、前記物品の区分先として前記ソータの第2のシュートを設定する機能と、
を実現させるプログラム。
【請求項7】
検査装置と制御装置とを備えるシステムであって、
前記検査装置は、
前記制御装置とデータを送受信する第1のインターフェースと、
物品のX線画像を撮影する撮影装置と、
前記第1のインターフェースを通じて前記X線画像に基づく検査結果を示す検査情報を前記制御装置に送信する第1のプロセッサと、
を備え、
前記制御装置は、
ソータにより区分される物品の流通の適否を示す検査情報と前記物品の宛先を示す宛先情報とを取得する第2のインターフェースと、
前記第2のインターフェースにより取得した前記検査情報が流通不適を示す場合、前記物品の区分先としてソータの第1のシュートを設定し、
前記第2のインターフェースにより取得した前記検査情報が流通適合を示す場合、前記物品の区分先として前記宛先情報に基づいて区分される前記ソータの第2のシュートを設定する、
第2のプロセッサと、
を備える、
システム。
【請求項8】
前記検査装置は、前記検査結果の入力を受け付ける操作部を備える、
請求項7に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、制御装置、プログラム及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ソータを用いて物品を宛先に応じて区分するシステムが提供されている。そのようなシステムは、物品から宛先情報を読み取り、読み取った宛先情報に基づいて物品を区分する。
【0003】
他方、安全性又は適法性などに問題により物品が流通不適である場合、宛先情報に基づく区分先と異なる所定の区分先に物品を区分する必要がある。
【0004】
従来、システムは、流通の適否に基づいて区分先を設定することができないという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第6632674号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の課題を解決するため、流通の適否に基づいて区分先を設定することができる制御装置、プログラム及びシステムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、制御装置は、インターフェースと、プロセッサと、を備える。インターフェースは、ソータにより区分される物品の流通の適否を示す検査情報と前記物品の宛先を示す宛先情報とを取得する。プロセッサは、前記インターフェースにより取得した前記検査情報が流通不適を示す場合、前記物品の区分先として前記ソータの第1のシュートを設定し、前記インターフェースにより取得した前記検査情報が流通適合を示す場合、前記物品の区分先として前記宛先情報に基づいて区分される前記ソータの第2のシュートを設定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る区分システムの構成例を概略的に示す図である。
図2図2は、実施形態に係る検査装置の構成例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態に係るソータ制御装置の構成例を示すブロック図である。
図4図4は、実施形態に係るソータ制御装置が備える物品データベースの例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係るシュート表の構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係るソータ制御装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
実施形態に係る区分システムは、ソータを用いて物品を区分する。区分システムは、投入された物品から宛先情報を取得する。区分システムは、宛先情報に基づいて物品を所定の区分先に区分する。たとえば、区分システムは、物流センタ又は税関などに設置される。
【0010】
図1は、実施形態に係る区分システム1の構成例を概略的に示す。図1に示すように、区分システム1は、投入装置11、搬送路12(12a、12b及び12c)、読取装置13、ソータ16、検査装置20及びソータ制御装置30などを備える。また、搬送路12及びソータ16の各所には、物品を検知する複数の物品検知センサ18が設けられる。ソータ制御装置30は、読取装置13、ソータ16及び検査装置20と通信可能に接続する。
【0011】
なお、区分システム1は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、区分システム1から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0012】
区分システム1で処理される物品には、物品が配送される宛先が記載されている。宛先は、目視可能な状態で物品の所定の面に記載されている。宛先は、物品に貼付された伝票に記載されてもよい。
【0013】
宛先は、文字および数字などで記録される情報である。たとえば、宛先は、住所及び宛先人名などの情報である。宛先は、オペレータが視認可能な文字などで記録される情報である。また、宛先は、カメラやスキャナなどで物品を撮影した撮影画像から読取装置13による文字認識処理(OCR)で読み取られる情報である。
【0014】
また、物品には、物品を識別する物品IDが貼付されている。物品IDは、固有の識別情報である。たとえば、物品IDは、文字列(たとえば、文字、数字、記号又はそれらの組合せ)から構成される。物品IDは、オペレータが視認可能な文字列で物品に印刷されるものであってもよい。また、物品IDは、バーコード又は二次元コードなどのコードとして物品に印刷されるものであってもよい。
【0015】
また、物品IDは、不可視光で認識されるインクで印刷されるものであってもよい。また、物品IDは、物品に貼付されている無線タグ(RFIDタグなど)に記録されるものであってもよい。
【0016】
搬送路12は、投入装置11からソータ16まで物品を搬送する。搬送路12は、複数の搬送路12a、12b及び12cから構成される。搬送路12aは、投入装置11から読取装置13へ物品を搬送するための搬送路を形成する。搬送路12bは、読取装置13から検査装置20まで物品を搬送するための搬送路を形成する。搬送路12cは、検査装置20からソータ16まで物品を搬送するための搬送路を形成する。搬送路12cは、ソータ16が具備するトレイ上に物品を送る。
【0017】
投入装置11は、区分の対象となる物品を投入する機構を有する。投入装置11は、オペレータが投入する物品、又は、搬送路等により送り込まれる物品を搬送路12aにセットする。
【0018】
読取装置13は、搬送路12aからの物品から宛先を読み取る。読取装置13は、物品を撮影するカメラと物品IDを読み取るIDリーダとから構成される。読取装置13は、カメラを用いて搬送路12を搬送される物品の画像を撮影する。たとえば、読取装置13のカメラは、搬送路12bに対向する位置に設けられ、搬送路12bにより搬送される物品を撮影する。読取装置13は、複数のカメラを配置し、搬送路12上を搬送される物品を様々な角度から撮影するようにしても良い。
【0019】
読取装置13は、OCR(Optical Character Recognition)によって撮影画像から宛先を読み取る。
【0020】
また、読取装置13は、IDリーダを用いて物品から物品IDを読み取る。物品IDが文字列として印刷されている場合、読取装置13は、スキャナとしてのIDリーダを用いて物品IDを撮影し、OCRにより撮影された画像から物品IDを取得する。物品IDがコードとして印刷されている場合、読取装置13は、スキャナとしてのIDリーダを用いてコードを取得し、取得したコードをデコードして物品IDを取得する。物品IDが記憶された無線タグが物品添付される場合、読取装置13は、無線リーダとしてのIDリーダを通じて無線タグから物品IDを取得する。
【0021】
また、読取装置13は、OCR又はデコードなどによって、カメラで撮影された撮影画像から物品IDを読み取ってもよい。
【0022】
読取装置13は、読み取った物品IDと読み取った宛先を示す宛先情報とを対応付けてソータ制御装置30に送信する。
【0023】
読取装置13は、宛先又は物品IDが読み取れない場合、VCSなどを用いてオペレータから宛先又は物品IDの入力を受け付けてもよい。
【0024】
検査装置20は、搬送路12bからの物品の安全性及び適法性を検査する。検査装置20は、物品IDと流通の適否を示す検査情報とを対応付けてソータ制御装置30へ送信する。検査装置20については、後に詳述する。
【0025】
ソータ16は、ソータ制御装置30からの制御に基づいて、搬送路12からの物品を区分先に区分する装置である。ソータ16は、搬送路12によって搬送される物品を受け入れ、ソータ制御装置30からの制御に基づいて、所定の区分先に物品を区分する。
【0026】
たとえば、ソータ16は、クロスベルトソータ(cross belt sorter)、スライディングシューソータ(sliding shoe sorter)、又はボンベイソータ(bomb-bay sorter)である。
【0027】
クロスベルトソータは、ベルトコンベアで構成された搬送トレイで物品を搬送し、ベルトコンベアの回転により搬送トレイ上の物品を目的の区分トレイ(区分先)へ供給する。
【0028】
スライディングシューソータは、搬送トレイで物品を搬送し、搬送トレイが目的の区分トレイ(区分先)に到達したタイミングで搬送トレイを傾斜させて搬送トレイ上の物品を目的の区分トレイへ向けて滑らせる。
【0029】
ボンベイソータは、底部が開閉可能に構成された搬送トレイで物品を搬送し、搬送トレイが目的の区分トレイのシュート(区分先)上に到達するタイミングで底部を開放し物品を目的のシュートへ向けて投下する。
【0030】
実施形態では、ソータ16をボンベイソータとして説明する。即ち、図1に示す例において、ソータ16は、物品をシュートへ搬送するための搬送路16Aと搬送路12から受け入れた物品を保持する搬送トレイ16Bとを有する。各搬送トレイ16Bは、搬送路12から供給される物品が積載される。物品が載せられた搬送トレイ16Bは、搬送路16Aに沿って搬送される。ソータ16は、搬送トレイ16Bは、ソータ制御装置30からの制御に基づいて所定のシュート上に到達するタイミングで、底部ゲートを開放する。底部ゲートから投下された物品は、シュートを介して区分トレイに積載される。
【0031】
ここでは、ソータ16が備えるシュートは、番号付けされている。図1が示すように、ソータ16が備える各シュートは、搬送トレイ16Bが搬送される方向に向って順に番号を割り振られる。
【0032】
ソータ16は、ソータ制御装置30からの信号に基づいて物品をシュートに投入する。ソータ16は、物品IDとシュートの番号とを示す区分情報をソータ制御装置30から受信する。ソータ16は、区分情報に基づいて物品をシュートに投入する。即ち、ソータ16は、区分情報が示す物品IDが割り当てられた物品を当該区分情報が示す番号に対応するシュートに投入する。
【0033】
また、ソータ16は、シュートが決まらなかった物品が搬送されるリジェクト部16Cを有する。リジェクト部16Cは、搬送路16Aの終端付近に設けられ、特定のシュートに投入されなかった物品が搬送される。
【0034】
ソータ制御装置30は、ソータ16を制御する。ソータ制御装置30は、物品の検査情報及び宛先情報に基づいて物品の区分先を設定する。即ち、ソータ制御装置30は、ソータ16における区分先として物品を投入するシュートを設定する。ソータ制御装置30については、後に詳述する。
【0035】
次に、検査装置20について説明する。
図2は、検査装置20の構成例を示す。図2が示すように、検査装置20は、プロセッサ21、メモリ22、操作部23、表示部24、IDリーダ25、X線撮影装置26及び通信部27などを備える。プロセッサ21と、メモリ22、操作部23、表示部24、IDリーダ25、X線撮影装置26及び通信部27と、は、データバス又は所定のインターフェースなどを介して通信可能に接続する。
【0036】
なお、検査装置20は、図2が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、検査装置20から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0037】
プロセッサ21(第1のプロセッサ)は、検査装置20全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ21は、操作部23に入力された操作などに基づいて検査情報を生成し、ソータ制御装置30に送信する。
【0038】
たとえば、プロセッサ21は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ21は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ21は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0039】
メモリ22は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ22は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ22は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、検査装置20の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、検査装置20で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0040】
また、メモリ22は、プロセッサ21の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ22は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0041】
操作部23は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部23は、入力された操作を示す信号をプロセッサ21へ送信する。操作部23は、キーボード、ボタン又はタッチパネルなどから構成される。
【0042】
表示部24は、プロセッサ21からの制御に基づいて情報を表示する。たとえば、表示部24は、液晶モニタから構成される。操作部23がタッチパネルから構成される場合、表示部24は、操作部23と一体的に形成された液晶モニタから構成される。
【0043】
IDリーダ25は、物品から物品IDを読み取る。物品IDが文字列として印刷されている場合、IDリーダ25は、文字列を読み取るスキャナ又はカメラから構成される。なお、IDリーダ25は、文字列を認識するOCRの機能を備えるものであってもよい。
【0044】
物品IDがコードとして印刷されている場合、IDリーダ25は、コードを読み取るスキャナから構成される。IDリーダ25は、読み取ったコードをデコードして物品IDを取得する。
【0045】
物品IDが記憶された無線タグが物品添付される場合、IDリーダ25は、無線タグとデータを送受信する無線端末から構成される。
【0046】
なお、IDリーダ25は、物品IDの各状態に応じる複数の装置から構成されてもよい。たとえば、IDリーダ25は、スキャナ及び無線端末から構成されるものであってもよい。
IDリーダ25は、読み取った物品IDをプロセッサ21に送信する。
【0047】
X線撮影装置26は、搬送路12bからの物品をX線で撮影する。即ち、X線撮影装置26は、X線を用いて物品の内部を撮影する。X線撮影装置26は、物品の所定の面に対してX線を照射し、物品を透過したX線を取得する。X線撮影装置26は、X線で撮影した画像(X線画像)をプロセッサ21に送信する。
【0048】
通信部27(第1のインターフェース)は、ソータ制御装置30とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部27は、LAN(Local Area Network)接続をサポートするものである。また、たとえば、通信部27は、USB(Universal Serial Bus)接続をサポートするものであってもよい。
【0049】
次に、ソータ制御装置30について説明する。
図3は、ソータ制御装置30の構成例を示す。図3が示すように、ソータ制御装置30は、プロセッサ31、メモリ32、操作部33、表示部34及び通信部35などを備える。プロセッサ31と、メモリ32、操作部33、表示部34及び通信部35と、は、データバス又は所定のインターフェースなどを介して通信可能に接続する。
【0050】
なお、ソータ制御装置30は、図3が示すような構成の他に必要に応じた構成をさらに具備したり、ソータ制御装置30から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0051】
プロセッサ31(第2のプロセッサ)は、ソータ制御装置30全体の動作を制御する。たとえば、プロセッサ31は、読取装置13及び検査装置20からの情報などに基づいて、物品を投入するシュートを設定する。
【0052】
たとえば、プロセッサ31は、CPUなどから構成される。また、プロセッサ31は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)などから構成されるものであってもよい。また、プロセッサ31は、FPGA(Field Programmable Gate Array)などから構成されるものであってもよい。
【0053】
メモリ32は、種々のデータを格納する。たとえば、メモリ32は、ROM、RAM及びNVMとして機能する。
たとえば、メモリ32は、制御プログラム及び制御データなどを記憶する。制御プログラム及び制御データは、ソータ制御装置30の仕様に応じて予め組み込まれる。たとえば、制御プログラムは、ソータ制御装置30で実現する機能をサポートするプログラムなどである。
【0054】
また、メモリ32は、プロセッサ31の処理中のデータなどを一時的に格納する。また、メモリ32は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
メモリ32は、物品データベースを格納する。物品データベースについては、後述する。
【0055】
操作部33は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部33は、入力された操作を示す信号をプロセッサ31へ送信する。操作部33は、キーボード、ボタン又はタッチパネルなどから構成される。
【0056】
表示部34は、プロセッサ31からの制御に基づいて情報を表示する。たとえば、表示部34は、ランプ又は液晶モニタから構成される。操作部33がタッチパネルから構成される場合、表示部34は、操作部33と一体的に形成された液晶モニタから構成される。
【0057】
通信部35(第2のインターフェース)は、読取装置13、ソータ16及び検査装置20とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信部35は、LAN接続をサポートするものである。また、たとえば、通信部35は、USB接続をサポートするものであってもよい。また、通信部35は、読取装置13とデータを送受信するためのインターフェースと、ソータ16とデータを送受信するためのインターフェースと、検査装置20とデータを送受信するためのインターフェースとから構成されてもよい。
【0058】
次に、検査装置20が実現する機能について説明する。検査装置20が実現する機能は、プロセッサ21が内部メモリ又はメモリ22などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0059】
プロセッサ21は、物品の検査結果を示す検査情報をソータ制御装置30に送信する機能を有する。
【0060】
検査情報は、物品について流通の適否を含む検査結果を示す。たとえば、検査情報は、物品の安全性及び適法性などに基づく検査結果を示す。
【0061】
プロセッサ21は、搬送路12bによって物品が搬送されると、X線撮影装置26を用いて物品のX線画像を取得する。プロセッサ21は、取得したX線画像を表示部24に表示する。プロセッサ21は、操作部23を通じて検査結果の入力を受け付ける。
【0062】
ここで、オペレータは、X線画像を参照して、操作部23を通じて検査結果を入力する。検査結果は、物品が流通適合であること、又は、物品が流通不適であること、を含む。また、検査結果は、物品が流通不適である理由(NG理由)を含む。
【0063】
たとえば、NG理由は、物品が課税に関する問題を有していることである。たとえば、課税に関する問題は、物品に未申告の物品が含まれていることなどである。
【0064】
また、NG理由は、物品が社会悪に関する問題を有していることである。たとえば、社会悪に関する問題は、物品に違法な薬物又は武器などの禁制品が含まれていることである。
【0065】
また、NG理由は、物品が知的財産に関する問題を有していることである。たとえば、知的財産に関する問題は、物品に特許権、意匠権、商標権又は著作権などを侵害する物品が含まれていることなどである。
【0066】
また、プロセッサ21は、読取装置13から物品の宛先情報を取得して、宛先情報を表示部24に表示してもよい。オペレータは、宛先情報を参照して、操作部23を通じて物品の検査結果を入力する。
【0067】
この場合、NG理由は、物品が宛先に関する問題を有していることである。たとえば、宛先に関する問題は、物品の宛先が反社会的団体の事務所であることなどである。また、宛先に関する問題は、物品の宛先が所定の政治家などの事務所であることなどである。
【0068】
また、プロセッサ21は、検査結果の入力を受け付けなかった場合、物品の検査結果を流通不適とする。この場合、NG理由は、物品が未判定であることである。
【0069】
プロセッサ21は、取得した検査結果を示す検査情報を生成する。
【0070】
また、プロセッサ21は、搬送路12bによって物品が搬送されると、IDリーダ25を用いて物品から物品IDを取得する。
【0071】
プロセッサ21は、通信部27を通じて、取得した物品IDと生成した検査情報とを対応付けてソータ制御装置30に送信する。
【0072】
プロセッサ21は、搬送路12bによって搬送される各物品について同様に物品IDと検査情報とを対応付けてソータ制御装置30に送信する。
【0073】
なお、オペレータは、物品の外観、臭気、重量又は送り元などに基づいて検査結果を操作部23に入力してもよい。
また、プロセッサ21は、人工知能などを用いて自動的に検査結果を生成してもよい。
検査結果の内容及び取得方法は、特定の構成に限定されるものではない。
【0074】
次に、ソータ制御装置30が実現する機能について説明する。ソータ制御装置30が実現する機能は、プロセッサ31が内部メモリ又はメモリ32などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0075】
まず、プロセッサ31は、読取装置13から物品の宛先情報を取得する機能を有する。
たとえば、プロセッサ31は、通信部35を通じて、所定の間隔(たとえば、読取装置13が宛先情報を取得するタイミング)で読取装置13が送信する物品ID及び宛先情報を受信する。
【0076】
また、プロセッサ31は、通信部35を通じて、読取装置13にリクエストを送信してもよい。プロセッサ31は、通信部35を通じて、物品ID及び宛先情報を含むレスポンスを読取装置13から受信する。
【0077】
また、プロセッサ31は、検査装置20から物品の検査情報を取得する機能を有する。
たとえば、プロセッサ31は、通信部35を通じて、所定の間隔(たとえば、検査装置20が検査情報を取得するタイミング)で検査装置20が送信する物品ID及び検査情報を受信する。
【0078】
また、プロセッサ31は、通信部35を通じて、検査装置20にリクエストを送信してもよい。プロセッサ31は、通信部35を通じて、物品ID及び検査情報を含むレスポンスを検査装置20から受信する。
【0079】
また、プロセッサ31は、物品の検査情報と宛先情報とを対応付けた物品データベースを生成する機能を有する。
【0080】
ここでは、プロセッサ31は、読取装置13から物品ID及び宛先情報を受信し、検査装置20から物品ID及び検査情報を受信しているものとする。
【0081】
プロセッサ31は、物品IDをキーとして当該物品IDに対応する検査情報と当該物品IDに対応する宛先情報とを検索する。プロセッサ31は、検索された検査情報と検索された宛先情報と対応付けて物品データベースに格納する。
【0082】
図4は、プロセッサ31が生成した物品データベースの例を示す。図4が示すように、物品データベースは、「物品ID」、「検査情報」及び「宛先情報」を対応付けて格納する。
【0083】
「物品ID」は、プロセッサ31が読取装置13又は検査装置20から受信した物品IDの1つである。
【0084】
「検査情報」は、「物品ID」が示す物品の検査情報である。「検査情報」は、「OK」又は「NG」から構成される。「OK」は、流通適合を示す。「NG」は、流通不適を示す。また、「NG」は、後続するカッコ内にNG理由を含む。たとえば、「NG(課税)」は、物品に課税に関する問題があることを示す。また、「NG(未判定)」は、物品が検査を受けていないことを示す。また、「NG(社会悪)」は、物品に社会悪に関する問題があることを示す。また、「NG(知財)」は、物品に知的財産に関する問題があることを示す。また、「NG(宛先)」は、物品に宛先に関する問題があることを示す。
【0085】
「宛先情報」は、「物品ID」が示す物品の宛先情報である。
【0086】
また、プロセッサ31は、検査情報及び宛先情報に基づいて物品の区分先を設定する機能を有する。
【0087】
即ち、プロセッサ31は、物品データベースを参照して物品を投入するシュートの番号を設定する。
【0088】
プロセッサ31は、区分先を設定する物品の物品IDを設定する。たとえば、プロセッサ31は、ソータ16に投入する物品の順序に従って、物品IDを設定する。
【0089】
物品IDを設定すると、プロセッサ31は、物品データベースを参照して、物品IDに対応する検査情報及び宛先情報を取得する。検査情報及び宛先情報を取得すると、プロセッサ31は、検査情報が流通適合を示すかを判定する。
【0090】
検査情報が流通不適を示すと判定すると、プロセッサ31は、検査情報に基づいて物品の区分先を設定する。即ち、プロセッサ31は、検査情報に基づいて物品を投入するシュートの番号を設定する。
【0091】
プロセッサ31は、検査情報が流通不適である物品を投入するシュート(第1のシュート)をソータ16の上流に設定する。
【0092】
図5は、シュートの番号と投入する物品とを対応付けたシュート表である。図5が示す例では、検査情報が流通不適である物品を投入するシュートは、No.1からNo.10までのシュートである。また、第1のシュートのそれぞれは、NG理由に対応する。No.1及びNo.2のシュートは、「課税」の物品が投入されるシュートである。No.3及びNo.4のシュートは、「社会悪」の物品が投入されるシュートである。No.5及びNo.6のシュートは、「知財」の物品が投入されるシュートである。No.7及びNo.8のシュートは、「宛先」の物品が投入されるシュートである。No.9及びNo.10のシュートは、「未判定」の物品が投入されるシュートである。
【0093】
検査情報が流通不適を示すと判定すると、プロセッサ31は、NG理由に応じてシュートの番号を設定する。
【0094】
検査情報が流通適合を示すと判定すると、プロセッサ31は、宛先情報に基づいて物品の区分先を設定する。即ち、プロセッサ31は、宛先情報に基づいて物品を投入するシュートの番号を設定する。
【0095】
プロセッサ31は、検査情報が流通適合である物品を投入するシュート(第2のシュート)を第1のシュートよりも下流に設定する。
【0096】
第2のシュートのそれぞれは、物品の宛先情報に対応する。即ち、第2のシュートは、宛先情報に基づいて投入される物品が設定されるシュートである。たとえば、第2のシュートのそれぞれは、行政区画(都道府県又は市町村など)に対応する。また、プロセッサ31は、第1のシュートに含まれるシュートの数を、第2のシュートに含まれるシュートの数より少なく設定する。
【0097】
図5が示す例では、検査情報が流通適合である物品を投入するシュートは、No.11以降のシュートである。ここでは、No.11及びNo.12のシュートは、A地区へ配送される物品が投入されるシュートである。
【0098】
プロセッサ31は、宛先情報に対応するシュートを特定する。たとえば、プロセッサ31は、宛先情報が示す宛先の行政区画に対応するシュートを特定する。シュートを特定すると、プロセッサ31は、当該シュートの番号を、物品を投入するシュートの番号として設定する。
【0099】
なお、ここでは、宛先の読み取りに失敗した物品を投入するシュートは、No.39及びNo.40のシュートである。
【0100】
物品を投入するシュートの番号を設定すると、プロセッサ31は、物品IDと設定した番号とを格納する区分情報を生成する。区分情報を生成すると、プロセッサ31は、通信部35を通じて、生成した区分情報をソータ16に送信する。
【0101】
次に、ソータ制御装置30の動作例について説明する。
図6は、ソータ制御装置30の動作例について説明するためのフローチャートである。
【0102】
まず、ソータ制御装置30のプロセッサ31は、物品IDを設定する(S11)。物品IDを設定すると、プロセッサ31は、物品データベースを参照して、設定した物品IDに対応する検査情報及び宛先情報を取得する(S12)。
【0103】
検査情報及び宛先情報を取得すると、プロセッサ31は、検査情報が流通適合を示すかを判定する(S13)。検査情報が流通適合を示すと判定すると(S13、YES)、プロセッサ31は、宛先情報に基づいて区分先を設定する(S14)。
【0104】
検査情報が流通不適を示すと判定すると(S13、NO)、プロセッサ31は、検査情報に基づいて区分先を設定する(S15)。
【0105】
宛先情報に基づいて区分先を設定した場合(S14)、又は、検査情報に基づいて区分先を設定した場合(S15)、プロセッサ31は、通信部35を通じて、物品IDとS14又はS15で設定された区分先とを含む区分情報をソータ16に送信する(S16)。
【0106】
区分情報をソータ16に送信すると、プロセッサ31は、動作を終了する。
【0107】
なお、プロセッサ31は、所定の間隔で複数の区分情報をソータ16に送信してもよい。
また、ソータ16は、物品から物品IDを読み取るリーダを備えてもよい。ソータ16は、物品から読み取った物品IDと区分情報とに基づいて物品をシュートに投入する。
【0108】
また、物品は、物品IDが貼付されていなくともよい。この場合、プロセッサ31は、物品に物品IDを付与してもよい。プロセッサ31及びソータ16は、搬送路12及びソータ16上を流れる物品を追跡し、物品と物品IDとを対応付けてもよい。
【0109】
また、区分システム1は、ソータ16に物品を投入するラインを複数備えてもよい。たとえば、区分システム1は、投入装置11、搬送路12、読取装置13及び検査装置20のセットを複数個備えてもよい。
【0110】
また、ソータ16は、宛先情報に基づいて物品をシュートに投入する動作モードを設定可能なものであってもよい。即ち、ソータ16は、第1のシュートを設定しない動作モードを設定可能なものであってもよい。
また、第1のシュートは、第2のシュートの下流に形成されるものであってもよい。
【0111】
また、プロセッサ31は、第1のシュートに含まれるシュートの数を、第2のシュートに含まれるシュートの数より多く設定してもよい。また、プロセッサ31は、両者を同数に設定してもよい。
【0112】
以上のように構成された区分システムは、物品の検査結果を示す検査情報と物品の宛先情報とを取得する。区分システムは、検査結果が流通不適を示す場合、検査情報に基づいてソータの第1のシュートに物品を投入する。また、区分システムは、検査結果が流通適合を示す場合、宛先情報に基づいて当該ソータの第2のシュートに物品を投入する。その結果、区分システムは、流通の適否に基づいて投入するシュートを設定することができる。
【0113】
また、区分システムは、検査結果が流通適合である物品と検査結果が流通不適である物品とを同一のソータで区分することができる。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0115】
1…区分システム、11…投入装置、12(12a、12b及び12c)…搬送路、13…読取装置、16…ソータ、16A…搬送路、16B…搬送トレイ、16C…リジェクト部、18…物品検知センサ、20…検査装置、21…プロセッサ、22…メモリ、23…操作部、24…表示部、25…IDリーダ、26…X線撮影装置、27…通信部、30…ソータ制御装置、31…プロセッサ、32…メモリ、33…操作部、34…表示部、35…通信部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6