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特許7399762車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御用プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御用プログラム
(51)【国際特許分類】
   E05F 15/73 20150101AFI20231211BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20231211BHJP
   E05F 15/77 20150101ALI20231211BHJP
【FI】
E05F15/73
E05B49/00 J
E05F15/77
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020047790
(22)【出願日】2020-03-18
(65)【公開番号】P2021147847
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂呂澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】劉 海嵩
(72)【発明者】
【氏名】中島 章
(72)【発明者】
【氏名】大熊 顕至
(72)【発明者】
【氏名】丸山 弘明
(72)【発明者】
【氏名】松尾 祥和
(72)【発明者】
【氏名】東 嵩士
(72)【発明者】
【氏名】山口 文彰
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-199109(JP,A)
【文献】特開平10-110562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0071916(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05F 15/00 - 15/79
E05B 1/00 - 85/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に備えられた複数のパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、
前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、
前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、
前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、
前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定部と、を備え、
前記降車利用者数認識部は、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、
前記パワードア制御部は、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う
車両制御装置。
【請求項2】
前記車両から降車した前記利用者の状況を認識する降車利用者状況認識部を備え、
前記パワードア制御部は、前記パワードア個別閉動作処理において、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致し、且つ、前記降車利用者状況認識部により、前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者が、前記車両から所定距離以上離れて前記車両に背中を向けていることが認識された場合に、前記降車使用想定ドアを閉動作させる
請求項に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記車両から降車した前記利用者の状況を認識する降車利用者状況認識部を備え、
前記パワードア制御部は、前記パワードア個別閉動作処理において、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車利用者状況認識部により、前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者が、前記車両に顔を向けていることが認識されているときには、前記降車使用想定ドアの閉動作を禁止する
請求項に記載の車両制御装置。
【請求項4】
車両に備えられたパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、
前記車両は、3列目以降の座席を有して、3列目以降と2列目の座席に対応した前記パワードアである後席用パワードアを備え、
前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、
前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、
前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、
前記車両に乗車している前記利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、を備え、
前記パワードア制御部は、利用者行動認識部により、2列目の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識された時点から、所定時間が経過するまでに、前記利用者行動認識部により、3列目以降の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識されなかった場合に、前記後席用パワードアを閉動作させる
車両制御装置。
【請求項5】
前記車両に乗車している前記利用者の前記車両からの降車意思を認識する降車意思認識部を備え、
前記パワードア制御部は、前記降車意思認識部により3列目以降の座席に乗車している前記利用者の降車意思が認識されている間は、前記所定時間が経過しても前記後席用パワードアを閉動作させない
請求項に記載の車両制御装置。
【請求項6】
車両に備えられたパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、
前記車両は、3列目以降の座席を有して、3列目以降と2列目の座席に対応した前記パワードアである後席用パワードアを備え、
前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、
前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、
前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、
前記車両に乗車している前記利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、を備え、
前記パワードア制御部は、前記利用者行動認識部により、2列目の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識された後に、前記利用者行動認識部により、3列目以降の座席に乗車している前記利用者が前記後席用パワードアの閉動作を指示するジェスチャーをしたことが認識されたときに、前記後席用パワードアを閉動作させる
車両制御装置。
【請求項7】
前記パワードア制御部は、閉動作させた前記パワードアに対して施錠を行う
請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項8】
車両に備えられた複数のパワードアの閉動作を制御するために、コンピュータにより実行される車両制御方法であって、
前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識ステップと、
前記乗車利用者数認識ステップにより前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識ステップと、
前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識ステップにより認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御ステップと、
前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定ステップと、を含み、
前記降車利用者数認識ステップは、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、
前記パワードア制御ステップは、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識ステップにより認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う
車両制御方法。
【請求項9】
車両に備えられた複数のパワードアの閉動作を制御するために、コンピュータを、
前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、
前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、
前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、
前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定部と、して機能させ、
前記降車利用者数認識部は、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、
前記パワードア制御部は、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う
車両制御用プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像認証を用いた車両のエントリーシステムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記エントリーシステムは、電波、超音波、赤外線、或いは車両の周辺画像から、車両に接近した人を検出する周辺監視手段を備え、車両に接近した人が検出された場合に、人を撮影して虹彩による本人確認を実行する。そして、上記エントリーシステムは、本人であることが確認された場合にドアを解錠するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-138817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のエントリーシステムによれば、利用者は、車両に近づくだけでドアを解錠することができるので、車両に乗車する際の利用者の負担を軽減することができる。そして、利用者が車両を使用する上での使い勝手を向上させるために、車両に乗車する際のみならず車両から降車する際についても、利用者の負担が軽減されることが望ましい。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、車両から降車する際の利用者の負担を軽減することができる車両制御装置、車両制御方法、及び車両制御用プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、車両に備えられた複数のパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定部と、を備え、前記降車利用者数認識部は、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、前記パワードア制御部は、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う車両制御装置が挙げられる。
ここで、パワードアは、電動アクチュエータ、油圧アクチュエータ等により閉動作をするドアを意味する。
【0007】
上記車両制御装置において、前記車両から降車した前記利用者の状況を認識する降車利用者状況認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記パワードア個別閉動作処理において、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致し、且つ、前記降車利用者状況認識部により、前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者が、前記車両から所定距離以上離れて前記車両に背中を向けていることが認識された場合に、前記降車使用想定ドアを閉動作させる構成としてもよい。
【0008】
上記車両制御装置において、前記車両から降車した前記利用者の状況を認識する降車利用者状況認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記パワードア個別閉動作処理において、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車利用者状況認識部により、前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者が、前記車両に顔を向けていることが認識されているときには、前記降車使用想定ドアの閉動作を禁止する構成としてもよい。
【0009】
上記目的を達成するための第2態様として、車両に備えられたパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、前記車両は、3列目以降の座席を有して、3列目以降と2列目の座席に対応した前記パワードアである後席用パワードアを備え、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、前記車両に乗車している前記利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、を備え、前記パワードア制御部は、利用者行動認識部により、2列目の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識された時点から、所定時間が経過するまでに、前記利用者行動認識部により、3列目以降の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識されなかった場合に、前記後席用パワードアを閉動作させる車両制御装置が挙げられる
【0010】
上記車両制御装置において、前記車両に乗車している前記利用者の前記車両からの降車意思を認識する降車意思認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記降車意思認識部により3列目以降の座席に乗車している前記利用者の降車意思が認識されている間は、前記所定時間が経過しても前記後席用パワードアを閉動作させない構成としてもよい。
【0011】
上記目的を達成するための第3態様として、車両に備えられたパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、前記車両は、3列目以降の座席を有して、3列目以降と2列目の座席に対応した前記パワードアである後席用パワードアを備え、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、前記車両に乗車している前記利用者の行動を認識する利用者行動認識部と、を備え、前記パワードア制御部は、前記利用者行動認識部により、2列目の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識された後に、前記利用者行動認識部により、3列目以降の座席に乗車している前記利用者が前記後席用パワードアの閉動作を指示するジェスチャーをしたことが認識されたときに、前記後席用パワードアを閉動作させる車両制御装置が挙げられる
【0012】
上記車両制御装置において、前記パワードア制御部は、閉動作させた前記パワードアに対して施錠を行う構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するための第態様として、車両に備えられた複数のパワードアの閉動作を制御するために、コンピュータにより実行される車両制御方法であって、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識ステップと、前記乗車利用者数認識ステップにより前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識ステップと、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識ステップにより認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御ステップと、前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定ステップと、を含み、前記降車利用者数認識ステップは、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、前記パワードア制御ステップは、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識ステップにより認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う車両制御方法が挙げられる。
【0014】
上記目的を達成するための第態様として、車両に備えられた複数のパワードアの閉動作を制御するために、コンピュータを、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定部と、して機能させ、前記降車利用者数認識部は、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、前記パワードア制御部は、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う車両制御用プログラムが挙げられる。
【発明の効果】
【0015】
上記車両制御装置によれば、乗車利用者数認識部により認識されて記憶部に保存された乗車利用者数と、降車利用者数認識部により認識された降車利用者数とが一致したときに、パワードア制御部が、利用者が降車する際に使用した少なくとも一つのパワードアを閉動作させる。これにより、車両に乗車していた全ての利用者が降車したときに、パワードアを閉める操作が軽減されるため、車両から降車する際の利用者の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、車両制御装置が搭載された車両の構成図である。
図2図2は、車両制御装置の構成図である。
図3図3は、右サイドカメラ及び左サイドカメラによる監視範囲の説明図である。
図4図4は、2列目席に乗車していた利用者が降車した場合の右パワースライドドアの閉動作の制御の説明図である。
図5図5は、2列目席に乗車していた2名の利用者のうち、1名のみが降車した場合の右パワースライドドアの閉動作の制御の説明図である。
図6図6は、2列目席から降車した利用者が、車両に顔を向けている場合の右パワースライドドアの閉動作の制御の説明図である。
図7図7は、運転席に乗車していた利用者が降車した場合の右パワーヒンジドアの閉動作の制御の説明図である。
図8図8は、3列目席に利用者が残っている場合の右パワースライドドアの閉動作の制御の説明図である。
図9】図は、3列目席に乗車していた全ての利用者が降車した場合の右パワースライドドアの閉動作の制御の説明図である。
図10図10は、3列目席に利用者が乗車している状況で、右パワースライドドアを閉動作させる制御の説明図である。
図11図11は、パワードアの閉動作の制御の第1フローチャートである。
図12図12は、パワードアの閉動作の制御の第2フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
[1.車両の構成]
図1を参照して、本実施形態の車両制御装置10が搭載された車両1の構成について説明する。図1に示したように、車両1は、乗車定員6名の乗用車であり、運転席7a、助手席7b、2列目右席7c、2列目左席7d、3列目右席7e、及び3列目左席7fを備えている。各席7a~7fには、図示しないシートベルトの装着の有無を検知するシートベルトスイッチ74a~74fが設けられている。
【0018】
図1は、2列目右席7cに利用者U2が乗車し、2列目左席7dに利用者U3が乗車している状況を示している。以下では、2列目右席7cと2列目左席7dをまとめて2列目席とも称し、また、3列目右席7eと3列目左席7fをまとめて3列目席とも称する。
【0019】
車両1は、右パワーヒンジドア2、左パワーヒンジドア3、右パワースライドドア4、左パワースライドドア5、及びパワーテールゲート6を備えている。右パワーヒンジドア2、左パワーヒンジドア3、右パワースライドドア4、及び左パワースライドドア5は、本発明のパワードアに相当する。右パワースライドドア4と左パワースライドドア5は、2列目席と3列目席に対応したパワードアである。
【0020】
右パワーヒンジドア2のドアノブには、ドアタッチセンサ101が設けられており、車両1の携帯鍵200を所持した利用者U1は、ドアタッチセンサ101に触れることによって、車両1のドア2~6を解錠することができる。
【0021】
右パワーヒンジドア2は、電動アクチュエータ(図示しない)により右パワーヒンジドア2を開閉駆動する右PHD(Power Hing Door)駆動部41を備え、左パワーヒンジドア3は、電動アクチュエータにより左パワーヒンジドア3を開閉駆動する左PHD駆動部51を備えている。右パワースライドドア4は、電動アクチュエータにより右パワースライドドア4を開閉駆動する右PSD(Power Slide Door)駆動部42を備え、左パワースライドドア5は、電動アクチュエータにより左パワースライドドア5を開閉駆動する左PSD駆動部52を備えている。パワーテールゲート6は、電動アクチュエータによりパワーテールゲート6を開閉駆動するPTG(Power Tail Gate)駆動部61を備えている。
【0022】
車両1の前部には車両1の前方を撮影するフロントカメラ30が設けられ、車両1の後部には車両1の後方を撮影するリアカメラ60が設けられている。車両1の右側部には車両1の右側方を撮影する右サイドカメラ40が設けられ、車両1の左側部には車両1の左側方を撮影する左サイドカメラ50が設けられている。
【0023】
車室のダッシュボードには、運転席7a及び助手席7bに着座している利用者を撮影する前席カメラ70、表示器31、及びスピーカー32が設けられている。車室の天井には、2列目右席7c、2列目左席7d、3列目右席7e、及び3列目左席7に着座している利用者を撮影する後席カメラ71が設けられている。
【0024】
各ドア2~5にはドアの開閉を検知するドアスイッチ75a~75dが設けられている。パワーテールゲート6にも、パワーテールゲート6の開閉を検知するドアスイッチ75eが設けられている。さらに、運転席7aの付近には、バッテリ150のオン及びオフを指示するための電源スイッチ72と、シフトレバー73のシフト位置を検知するシフトスイッチ73aが備えられている。バッテリ150がオンであるときは、バッテリ150から負荷151(図2参照)に電力が供給され、バッテリ150がオフであるときには、バッテリ150から負荷への電力供給が遮断される。負荷151には、車両1に備えられた図示しない空調装置(図示しない)、電動モータ等が含まれる。
【0025】
さらに、車両1は、各ドア2~5及びパワーテールゲート6を施錠するドアロック機構100a~100e、車両1の走行速度を検出する速度センサ110、携帯鍵200や利用者端末210等との間で通信を行う通信ユニット120、及びナビゲーション装置130を備えている。ナビゲーション装置130は、図示しないGPS(Global Positioning System)センサと地図データを有し、GPSセンサにより検出される車両1の位置と地図データとに基づいて、目的地までのルート案内等を実行する。
【0026】
[2.車両制御装置の構成]
図2を参照して、車両制御装置10の構成について説明する。車両制御装置10は、図示しないCPU(Central Processing Unit、本発明のコンピュータに相当する)、メモリ80、図示しないインターフェース回路等により構成されて、車両1の作動を制御するECU(Electronic Control Unit)である。
【0027】
車両制御装置10には、フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、リアカメラ60に撮影された車両1の周囲の画像が入力される。また、車両制御装置10には、前席カメラ70、及び後席カメラ71により撮影された車室内の画像が入力される。
【0028】
さらに、車両制御装置10には、電源スイッチ72、シフトスイッチ73a、シートベルトスイッチ74a~74f、及びドアスイッチ75a~75eの検出信号、ドアロック機構100a~100eに備えられたドアロックセンサ(図示しない)による各ドア2~5及びパワーテールゲート6のロック検出信号が入力される。
【0029】
また、車両制御装置10には、ドアタッチセンサ101によるタッチ検出信号、速度センサ110の速度検出信号、ナビゲーション装置130により検出される車両1の現在位置の情報が入力される。
【0030】
車両制御装置10から出力される制御信号により、右PHD駆動部41、右PSD駆動部42、左PHD駆動部51、左PSD駆動部52、PTG駆動部61、ドアロック機構100a~100e、及びバッテリ150の作動が制御される。また、車両制御装置10から出力される制御信号により、表示器31の画面表示、及びスピーカー32から出力される音(音声ガイダンス、チャイム音等)が制御される。車両制御装置10は、通信ユニット120を介して、利用者U1が所持している携帯鍵200、及び利用者端末210との間で通信を行う。
【0031】
CPUは、メモリ80に保存された車両制御装置10の制御用プログラム81を読み込んで実行することにより、鍵認証部11、乗車利用者数認識部12、降車利用者数認識部13、視線向き認識部14、利用者行動認識部15、降車意思認識部16、ドア別降車想定人数設定部18、降車利用者状況認識部19、及びパワードア制御部20、として機能する。制御用プログラムは、本発明の車両制御用プログラムを含んでいる。メモリ80には、携帯鍵200による利用者U1の認証を行う際に使用される認証用IDコード82が保存されている。
【0032】
乗車利用者数認識部12により実行される処理は本発明の車両制御方法における乗車利用者数認識ステップに相当し、降車利用者数認識部13により実行される処理は本発明の車両制御方法における降車利用者数認識ステップに相当する。パワードア制御部20により実行される処理は本発明の車両制御方法におけるパワードア制御ステップに相当する。
【0033】
鍵認証部11は、図1に示したように、携帯鍵200を所持した利用者U1が車両1に近づいたときに、通信ユニット120を介して携帯鍵200との間で通信を行って、携帯鍵200からIDコードを受信する。そして、鍵認証部11は、受信したIDコードとメモリ80に保存された認証用IDコード82とが一致したときに、利用者U1により車両1の使用を許可する。これにより、利用者U1は、車両1を操作することができるようになる。
【0034】
図1に示したように、携帯鍵200には、車両1の施錠と解錠を指示するための施解錠ボタン201、右パワーヒンジドア2の開閉を指示するための右パワーヒンジドアボタン202、左パワーヒンジドア3の開閉を指示するための左パワーヒンジドアボタン203、右パワースライドドア4の開閉を指示するための右パワースライドドアボタン204、左パワースライドドア5の開閉を指示するための左パワースライドドアボタン205、及びパワーテールゲート6の開閉を指示するためのパワーテールゲートボタン206が備えられている。
【0035】
利用者U1は、携帯鍵200の施解錠ボタン201を操作して車両1の各ドア2~6を解錠し、車両1に乗車することができる。また、利用者U1は、携帯鍵200のボタン202~206の操作により、車両1に対してパワードアの開及び閉指示を行うことができる。携帯鍵200を所持して車両1に乗車した利用者U1は、電源スイッチ72をオン操作して車両1を起動し、車両1の使用を開始する。
【0036】
乗車利用者数認識部12は、右サイドカメラ40及び左サイドカメラ50の撮影画像から、右パワーヒンジドア2、左パワーヒンジドア3、右パワースライドドア4、及び左パワースライドドア5のいずれかから車両1に乗車した利用者数である、乗車利用者数を認識して、メモリ80(本発明の記憶部に相当する)に保存する。乗車利用者数認識部12は、利用者が乗車する際に使用したパワードア毎に、乗車利用者数を認識する。
【0037】
なお、前席カメラ70及び後席カメラ71の撮影画像から、車両1の車室内の利用者を認識することにより、乗車利用者数を認識してもよい。或いは、右サイドカメラ40及び左サイドカメラ50の撮影画像と、前席カメラ70及び後席カメラ71の撮影画像との双方を用いて、乗車利用者数を認識してもよい。また、ドアスイッチ75a~75d、シートベルトスイッチ74a~74f、ドアロック機構100a~100dに備えられたドアロックセンサの検出信号を用いて、乗車利用者数を認識してもよい。
【0038】
降車利用者数認識部13は、乗車利用者数認識部12により乗車利用者数が認識された後に、右サイドカメラ40及び左サイドカメラ50の撮影画像から、いずれかのパワードアから降車した利用者を認識することにより、車両1から降車した利用者の数である、降車利用者数を認識して、メモリ80に保存する。降車利用者数認識部13は、利用者が降車する際に使用したパワードア毎に、降車利用者数を認識する。
【0039】
なお、前席カメラ70及び後席カメラ71の撮影画像から、車両1の車室内の利用者の降車行動を認識することにより、降車利用者数を認識してもよい。或いは、右サイドカメラ40及び左サイドカメラ50の撮影画像と、前席カメラ70及び後席カメラ71の撮影画像との双方を用いて、降車利用者数を認識してもよい。また、ドアスイッチ75a~75d、シートベルトスイッチ74a~74f、ドアロック機構100a~100dに備えられたドアロックセンサの検出信号を用いて、降車利用者数を認識してもよい。
【0040】
視線向き認識部14は、車両1に乗車している利用者について、前席カメラ70又は後席カメラ71により撮影される利用者の顔画像から、利用者の視線向きを認識する。利用者行動認識部15は、車両1に乗車している利用者について、前席カメラ70又は後席カメラ71により撮影される利用者の動画像から、利用者の行動を認識する。利用者行動認識部15は、利用者の行動として、例えば、利用者のジェスチャー、体の向きの変化、移動の向き等を認識する。
【0041】
降車意思認識部16は、視線向き認識部14により認識された利用者の視線向き、及び利用者行動認識部15により認識された利用者の行動に基づいて、利用者の車両1からの降車意思を認識する。具体的には、降車意思認識部16は、利用者の視線がいずれかのパワードアに向けられていることが視線向き認識部14により認識され、且つ利用者が視線を向けているパワードアに向かう行動が利用者行動認識部15により認識されたときに、利用者の降車意思を認識する。
【0042】
車両周囲状況認識部17は、フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、及びリアカメラ60による撮影画像に基づいて、車両1の周囲状況を認識する。ここで、図3は、右サイドカメラ40の撮影範囲Ar1と、左サイドカメラ50の撮影範囲Ar2を示している。車両周囲状況認識部17は、右サイドカメラ40及び左サイドカメラ50の撮影画像から、Ar1及びAr2に存在する障害物、歩行者、他車両等を認識する。図3のDa1は、右パワーヒンジドア2の可動範囲であり、図3のDa2は左パワーヒンジドア3の可動範囲である。なお、フロントカメラ30及びリアカメラ60の撮影画像を用いることにより、或いはソナーセンサー等を別途備えることにより、車両周囲状況認識部17による車両の周囲状況の認識範囲を、Ar1a、Ar1b、Ar2a、Ar2bを含む範囲まで拡大してもよい。
【0043】
ドア別降車想定人数設定部18は、車両1に乗車した利用者が降車に使用すると想定されるパワードアである降車使用想定ドアを特定して、降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される利用者の数であるドア別降車想定人数を設定する。ドア別降車想定人数設定部18は、例えば、以下の第1特定条件~第3特定条件のいずれかにより、降車使用想定ドアを特定する。
【0044】
第1特定条件…利用者が車両1に乗車する際に使用したパワードアを、車両1から降車する際に利用者が使用する降車使用想定ドアとして特定する。
第2特定条件…降車意思認識部16により、いずれかのパワードアに対する利用者の降車意思が認識されたときに、降車意思が認識されたパワードアを、車両1から降車する際に利用者が使用する降車使用想定ドアとして特定する。
第3特定条件…利用者が乗車している席からも最も近いパワードアを、降車使用想定ドアとして特定する。
【0045】
降車利用者状況認識部19は、右サイドカメラ40及び左サイドカメラ50の撮影画像に基づいて、車両1から降車した利用者の状況を認識する。降車利用者状況認識部19は、車両1から降車した利用者の顔の向き、体の向き、車両1と利用者との距離等を認識する。パワードア制御部20は、パワードアの閉動作を制御する。パワードア制御部20による制御の詳細については後述する。
【0046】
[3.パワードアの閉動作条件]
図4図10を参照して、パワードア制御部20により使用されるパワードアの閉動作の条件について説明する。
【0047】
図4図6は、2列目席に乗車している利用者U2、U3に対して、ドア別降車想定人数設定部18により、右パワースライドドア4が降車使用想定ドアとして特定された場合を示している。ドア別降車想定人数設定部18は、右パワースライドドア4のドア別降車想定人数を2に設定する。
【0048】
図4を参照して、C11は、車両1が駐車していて、利用者U1が運転席7aに乗車し、利用者U2が2列目右席7cに乗車し、利用者U3が2列目左席7dに乗車している状況を示している。車両1は、速度センサ110により検出される車両1の車速が0km/hourであり、シフトスイッチ73aにより検出されるシフトレバー73の位置がP(Parking)である場合に、駐車していると認識される。C12は、利用者U2が右パワースライドドア4を開けて車両1から降車し、続いて利用者U3が、開状態となっている右パワースライドドア4から降車した状況を示している。
【0049】
C12の状況になると、降車利用者数認識部13により認識された右パワースライドドア4からの降車利用者数が2となり、右パワースライドドア4のドア別降車想定人数と一致する。パワードア制御部20は、このように、いずれかの降車使用想定ドア(ここでは、右パワースライドドア4)について、降車利用者数認識部13により認識された降車利用者数と、ドア別降車想定人数とが一致した降車使用想定ドアを閉動させる。そこで、C12の状況となったときに、パワードア制御部20は、右パワースライドドア4を閉動作させる。
【0050】
ここで、パワードア制御部20は、降車した利用者U3、U4が車両1から所定距離以上離れ、且つ、利用者U3、U4が車両1に背中を向けていることが、降車利用者状況認識部19により認識されることを条件として、右パワースライドドア4を閉動作させる。
【0051】
次に、図5のC13は、上述した図4のC11の状況から、2列目右席7cに乗車していた利用者U2が降車したが、2列目左席7dには利用者U3が残っている状況を示している。この場合は、右パワースライドドア4について、降車利用者数認識部13により認識された降車利用者数は1であり、ドア別降車想定人数の2と一致しないため、パワードア制御部20は、右パワースライドドア4を閉動作させない。これにより、右パワースライドドア4が開状態に維持され、利用者U3は、開状態となっている右パワースライドドア4から降車することができる。
【0052】
次に、図6は、上述した図4のC12と同様に、利用者U2、U3が車両1から降車したが、利用者U3が車両1の方を向いている状況を示している。状況では、降車利用者状況認識部19により、利用者U3が車両1の方を向いていることが認識される。そして、パワードア制御部20は、このように、降車した利用者U3が車両1の方を向いていることが、降車利用者状況認識部19により認識されている場合には、右パワースライドドア4の閉動作を禁止する。
【0053】
これにより、車両1から降車した利用者U3が、車室内の物を取りに戻ろうとしている場合や、利用者U3が車室内の他の利用者U1と会話している場合に、右パワースライドドア4が開状態に維持されて、利用者U3の使い勝手が向上する。
【0054】
次に、図7のC15は、運転席7aに乗車していた利用者U1が、右パワーヒンジドア2を開けて降車した状況を示している。この場合、降車利用者状況認識部19により、利用者U1が、右パワーヒンジドア2の可動範囲Da1内に位置していることが認識される。そして、この状況で右パワーヒンジドア2を閉動作させると、右パワーヒンジドア2が利用者U1に接触しまう。
【0055】
そこで、パワードア制御部20は、利用者U1が右パワーヒンジドア2の可動範囲Da1内に位置していることが認識されている場合に、右パワーヒンジドア2の閉動作を禁止する。パワードア制御部20は、利用者U1が右パワーヒンジドア2の可動範囲Da1の外側まで移動したことが、降車利用者状況認識部19により認識されたときに、右パワーヒンジドア2を閉動作させる。
【0056】
次に、図8図9は、2列目席に乗車している利用者U2、U3、及び3列目席に乗車している利用者U4、U5に対して、ドア別降車想定人数設定部18により、右パワースライドドア4が降車使用想定ドアとして特定された場合を示している。ドア別降車想定人数設定部18は、右パワースライドドア4のドア別降車想定人数を4に設定する。
【0057】
図8を参照して、C21は、車両1が駐車していて、利用者U2が2列目右席7cに乗車し、利用者U3が2列目左席7dに乗車し、利用者U4が3列目右席7eに乗車し、利用者U5が3列目左席7fに乗車している状況を示している。C22は、利用者U2が右パワースライドドア4を開けて車両1から降車し、続いて利用者U3が、開状態となっている右パワースライドドア4から降車した状況を示している。
【0058】
C22の状況では、右パワースライドドア4について、降車利用者数認識部13により認識された降車利用者数は2であり、ドア別降車想定人数の4に達していない。そのため、パワードア制御部20は、右パワースライドドア4の閉動作を禁止する。これにより、右パワースライドドア4は、開状態に維持される。
【0059】
そして、図9のC23の状態から、利用者U4、U5が車両1から降車して24の状況になると、右パワースライドドア4について、降車利用者数認識部13により認識された降車利用者数が4となり、ドア別降車想定人数の4と一致する。そこで、パワードア制御部20は、右パワースライドドア4を閉動作させる。
【0060】
図10のC25は、2列目右席7cに乗車していた利用者U2と2列目左席7dに乗車していた利用者U3は、車両1から降車したが、3列目右席7eに乗車した利用者U4と3列目左席7fに乗車した利用者U5は、車両1の車室内に留まっている状況を示している。この場合、パワードア制御部20は、2列目右席7cに乗車していた利用者U2と2列目左席7dに乗車していた利用者U3が共に降車した時点から所定時間(例えば、5秒)が経過した時に、右パワースライドドア4を閉動作させる。
【0061】
これにより、利用者U4と利用者U5が車両1から降車しない場合に、右パワースライドドア4が自動的に閉められるので、利用者U4及び利用者U5は、右パワースライドドア4を閉める操作を行う必要がない。また、利用者U4及び利用者U5は、右パワースライドドア4を閉じるジェスチャーをすることで、右パワースライドドア4を閉動作させることができる。
【0062】
すなわち、パワードア制御部20は、利用者U4又は利用者U5による右パワースライドドア4を閉じるジェスチャーが、利用者行動認識部15により認識されたときに、右パワースライドドア4を閉動作させる。これにより、利用者U4及び利用者U5は、任意のタイミングで右パワースライドドア4を閉動作させることができる。
【0063】
なお、図4図10では、パワードア制御部20が、右パワーヒンジドア2及び右パワースライドドア4の閉動作を制御する状況について説明したが、パワードア制御部20は、左パワーヒンジドア3及び左パワースライドドア5についても同様にして、閉動作を制御する。
【0064】
また、図8のC21の状況で、右パワースライドドア4の近傍に障害物があることが車両周囲状況認識部17によって認識されたときには、障害物の存在と左パワースライドドア5からの降車を促す報知を、表示器31或いはスピーカー32により行ってもよい。この場合、ドア別降車想定人数設定部18は、利用者U2~U5の降車使用想定ドアとして左パワースライドドア5を特定し、左パワースライドドア5のドア別降車想定人数を4に設定する。
【0065】
[4.パワードアの閉動作の制御]
図11図12に示したフローチャートに従って、パワードアの閉動作の制御について説明する。図11のステップS1~ステップS2は、ドア別降車想定人数設定部18による処理である。ステップS1で、ドア別降車想定人数設定部18は、上記第1特定条件~第3特定条件のいずれかにより、車両1に乗車している各利用者について降車使用想定ドアを特定する。
【0066】
続くステップS2で、ドア別降車想定人数設定部18は、ステップ1で特定した降車使用想定ドア毎に、ドア別降車想定人数を設定する。例えば、図3の場合は、ドア別降車想定人数設定部18は、右パワーヒンジドア2と右パワースライドドア4を降車使用想定ドアとして特定する。そして、ドア別降車想定人数設定部18は、右パワーヒンジドア2のドア別降車想定人数を1に設定し、右パワースライドドア4のドア別降車想定人数を2に設定する。
【0067】
次のステップS3~ステップS4は、降車利用者数認識部13による処理である。降車利用者数認識部13は、ステップS3で車両1から降車した利用者を認識したときに、ステップS4に処理を進める。ステップS4で、降車利用者数認識部13は、各降車使用想定ドアの降車利用者数を更新し、また、車両1から降車した利用者の総数(総降車利用者数)を更新する。
【0068】
続くステップS5以降は、パワードア制御部20による処理である。ステップS5で、パワードア制御部20は、新たに、降車利用者数がドア別降車想定人数に達した降車使用想定ドアがあるか否かを判断する。そして、パワードア制御部20は、新たに、降車利用者数がドア別降車想定人数に達した降車使用想定ドアがある場合は、ステップS10に処理を進め、新たに、降車利用者数がドア別降車想定人数に達した降車使用想定ドアを閉動させて施錠し、ステップS6に処理を進める。
【0069】
一方、新たに、降車利用者数がドア別降車想定人数に達した降車使用想定ドアがない場合には、パワードア制御部20は、ステップS6に処理を進める。ステップS6で、パワードア制御部20は、総降車利用者数が乗車利用者数と一致したか否かを判断する。そして、パワードア制御部20は、総降車利用者数が乗車利用者数と一致したときはステップS20に処理を進め、総降車利用者数が乗車利用者数と一致していないときには、図12のステップS7に処理を進める。
【0070】
ステップS20で、パワードア制御部20は、開状態となっているパワードアがあるか否かを判断する。そして、パワードア制御部20は、開状態となっているパワードアがあるときはステップS22に処理を進め、開状態となっているパワードアを閉動作させて施錠し、ステップS21に処理を進めてパワードアの閉動作の制御を終了する。一方、開状態となっているパワードアがないときには、パワードア制御部20は、ステップS21に処理を進めて、パワードアの閉動作の制御を終了する。
【0071】
ここで、基本的には、ステップS5及びステップS10の処理により、パワードア制御部20が、最後に残っていた降車使用想定ドアを閉動作させるのは、総降車利用者数が乗車利用者と一致したときになる。そのため、全ての降車使用想定ドアが閉動作したときには、ステップS6からステップS20、ステップS21に処理が進められ、ステップS22でパワードアが閉動作することはない。
【0072】
しかしながら、利用者が降車使用想定ドア以外のドアから降車した場合は、ステップS6で総降車利用者数が乗車利用者数と一致したときに、開状態となっている降車使用想定ドアが残っている。そこで、この場合は、ステップS22の処理により、開状態なっている降車使用想定ドア、及び利用者が降車する際に開けた降車使用想定ドア以外のパワードアを、閉動作させることができる。
【0073】
図12のステップS7、ステップS30~ステップS32、及びステップS33は、図8図10を参照して説明した状況に対応した処理である。ステップS7で、パワードア制御部20は、2列目席(2列目右席7c、2列目左席7d)に乗車していた全ての利用者U2、U3が、車両1から降車したか否かを判断する。利用者U2、U3が車両1から降車したことは、利用者行動認識部15により認識される。
【0074】
パワードア制御部20は、利用者U2、U3が車両1から降車したときはステップS30に処理を進め、利用者U2、U3のいずれか又は両方がまだ車両1から降車していないときには、図11のステップS3に処理を進める。
【0075】
ステップS30で、パワードア制御部20は、3列目席(3列目右席7e、3列目左席7f)に乗車している利用者U4、U5の有無を判断する。パワードア制御部20、後席カメラ71の撮影画像から、3列目席に乗車している利用者U4、U5の有無を認識する。パワードア制御部20は、3列目席に乗車している利用者U4、U5がいるときはステップS31に処理を進め、3列目席に乗車している利用者U4、U5がいないときには図11のステップS3に処理を進める。
【0076】
ステップS31で、パワードア制御部20は、2列目席に乗車していた全ての利用者U2、U3が車両1から降車した時点から所定時間(例えば、5秒)が経過した否かを判断する。そして、パワードア制御部20は、所定時間が経過したときはステップS33に処理を進め、所定時間が経過していないときには図11のステップS3に処理を進める。
【0077】
ステップS33で、パワードア制御部20は、開状態となっている右パワースライドドア4又は左パワースライドドア5(図8図10の例では右パワースライドドア4)を、閉動作させ、図11のステップS3に処理を進める。ここで、降車意思認識部16により、3列目席に乗車している利用者U4又はU5の降車意思が認識されているときには、ステップS31で所定時間が経過した場合であっても、パワードア制御部20が、開状態となっている右パワースライドドア4又は左パワースライドドア5を閉動作させないようにしてもよい。
【0078】
ステップS32で、パワードア制御部20は、3列目席に乗車している利用者U4又はU5によるドア閉のジェスチャーが、利用者行動認識部15により認識されたか否かを判断する。そして、パワードア制御部20は、ドア閉のジェスチャーが認識されたときはステップS33に処理を進め、ドア閉のジェスチャーが認識されなかったときには図11のステップS3に処理を進める。
【0079】
ここで、パワードア制御部20は、図11のステップS10、ステップS22、及び図12のステップS33でパワードアを閉動作させる際には、図4のC12、図6のC14を参照して上述したように、降車した利用者について、車両1から所定距離以上離れ且つ車両1に背中を向けているか否か、及び車両1に顔を向けているか否か、を判断して、パワードアを閉動作させるか否かを判断する。
【0080】
[5.他の実施形態]
上記実施形態では、ドア別降車想定人数設定部18を備え、パワードア制御部20は、図11のステップS5、S10の処理により、パワードアを個別に順次閉動作させた。他の実施形態として、ドア別降車想定人数設定部18を備えずに、ステップS5、ステップS10の処理を省略した構成としてもよい。この場合は、ステップS6で、総降車利用者数が乗車利用者数と一致したときに、ステップS22で、車両1からの降車に使用された全てのパワードアが閉動作する。
【0081】
上記実施形態では、図4のC12に示したように、パワードア制御部20は、降車した利用者U2、U3が車両1に背を向けたことを判断して、右パワースライドドア4を閉動作させたが、この判断を省略してもよい。
【0082】
上記実施形態では、図6のC14に示したように、パワードア制御部20は、降車した利用者U3が車両1に顔を向けていることを判断して、右パワースライドドア4の閉動作を禁止したが、この判断を省略してもよい。
【0083】
上記実施形態では、図10に示したように、パワードア制御部20は、3列目席7e、7fに利用者U4、U5が乗車していて、2列目席の利用者U2、U3が降車した時点から所定時間が経過したときに、右パワースライドドア4を閉動作させる処理を行った。他の実施形態として、この処理を行わない構成としてもよい。
【0084】
上記実施形態では、図10に示したように、パワードア制御部20は、3列目席7e、7fに利用者U4、U5が乗車していて、2列目席の利用者U2、U3が降車した場合に、利用者U4又は利用者U5によるドア閉のジェスチャーに応じて、右パワースライドドア4を閉動作させる処理を行った。他の実施形態として、この処理を行わない構成としてもよい。
【0085】
上記実施形態では、パワードア制御部20は、図11のステップS10、ステップS22、及び図12のステップS33で、パワードアを閉動作させた後にパワードアを施錠したが、パワードアの施錠を行わない構成としてもよい。
【0086】
上記実施形態では、乗車定員6名の車両1を示したが、本発明は、乗車定員によらず、パワードアを備えた車両であれば適用可能である。4列目以降の座席を備えて、3列目席以降の座席について2列目席と共通の後席用パワードアが備えられている場合は、3列目席以降の座席に少なくとも一人の利用者が乗車している場合に、図8図10を参照して上述した後席用パワードア(図8図10の例では右パワースライドドア)の閉動作の制御を行えばよい。
【0087】
なお、図1図2は、本願発明の理解を容易にするために、車両1及び車両制御装置10の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、車両1及び車両制御装置10の構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、図11図12に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0088】
[6.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0089】
(第1項)車両に備えられたパワードアの閉動作を制御する車両制御装置であって、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、を備える車両制御装置。
第1項の車両制御装置によれば、乗車利用者数認識部により認識されて記憶部に保存された乗車利用者数と、降車利用者数認識部により認識された降車利用者数とが一致したときに、パワードア制御部が、利用者が降車する際に使用した少なくとも一つのパワードアを閉動作させる。これにより、車両に乗車していた全ての利用者が降車したときに、パワードアを閉める操作が軽減されるため、車両から降車する際の利用者の負担を軽減することができる。
【0090】
(第2項)前記車両は、複数の前記パワードアを有し、前記車両に乗車している前記利用者毎に、前記車両から降車する際に使用すると想定される前記パワードアである降車使用想定ドアを特定することによって、前記降車使用想定ドア毎に、降車する際に使用すると想定される前記利用者の数であるドア別降車想定人数を設定するドア別降車想定人数設定部を備え、前記降車利用者数認識部は、前記車両から降車した前記利用者の人数を、前記利用者が降車する際に使用した前記パワードア毎に区別して認識し、前記パワードア制御部は、前記降車使用想定ドア毎に、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車使用想定ドアを閉動作させるパワードア個別閉動作処理を行う第1項に記載の車両制御装置。
第2項の車両制御装置によれば、利用者が降車する際に開状態とされて使用された各降車使用想定ドアについて、降車使用想定ドアからドア別降車想定人数の利用者が降車したタイミングで、順次閉動作させることができる。
【0091】
(第3項)前記車両から降車した前記利用者の状況を認識する降車利用者状況認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記パワードア個別閉動作処理において、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致し、且つ、前記降車利用者状況認識部により、前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者が、前記車両から所定距離以上離れて前記車両に背中を向けていることが認識された場合に、前記降車使用想定ドアを閉動作させる第2項に記載の車両制御装置。
第3項の車両制御装置によれば、車両から降車した利用者が車両から離れて車両に背を向けたことから、利用者が車両の使用を終了したと推認できる状態となったタイミングで、降車使用想定ドアを閉動作させることができる。
【0092】
(第4項)前記車両から降車した前記利用者の状況を認識する降車利用者状況認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記パワードア個別閉動作処理において、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者の人数が、前記ドア別降車想定人数と一致したときに、前記降車利用者状況認識部により、前記降車使用想定ドアから降車した前記利用者が、前記車両に顔を向けていることが認識されているときには、前記降車使用想定ドアの閉動作を禁止する第2項に記載の車両制御装置。
第4項の車両制御装置によれば、車両から降車した利用者が車両に顔を向けている場合には、車両内の他の利用者が降車するのを待っている、車両内の他の利用者と話をしている、といった降車使用想定ドアを開けておく必要がある状況になっていると想定される。そこで、この場合に、降車使用想定ドアの閉動作を禁止することによって、降車した利用者の意に反して、降車使用想定ドアが閉められることを防止することができる。
【0093】
(第5項)前記車両は、3列目以降の座席を有して、3列目以降と2列目の座席に対応した前記パワードアである後席用パワードアを備え、前記車両に乗車している前記利用者の行動を認識する利用者行動認識部を備え、前記パワードア制御部は、利用者行動認識部により、2列目の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識された時点から、所定時間が経過するまでに、前記利用者行動認識部により、3列目以降の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識されなかった場合に、前記後席用パワードアを閉動作させる第1項から第4項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第5項の車両制御装置によれば、所定時間の経過により、3列目以降の座席に乗車している利用者に降車する意思がないと想定される場合に、後席用パワードアを閉動作させることができる。
【0094】
(第6項)前記車両に乗車している前記利用者の前記車両からの降車意思を認識する降車意思認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記降車意思認識部により3列目以降の座席に乗車している前記利用者の降車意思が認識されている間は、前記所定時間が経過しても前記後席用パワードアを閉動作させない第5項に記載の車両制御装置。
第6項の車両制御装置によれば、3列目以降の座席から降車しようとしている利用者の意に反して、後席用パワードアが閉まってしまうことを回避することができる。
【0095】
(第7項)前記車両は、3列目以降の座席を有して、3列目以降と2列目の座席に対応した前記パワードアである後席用パワードアを備え、前記車両に乗車している前記利用者の行動を認識する利用者行動認識部を備え、前記パワードア制御部は、前記利用者行動認識部により、2列目の座席に乗車していた全ての前記利用者が前記車両から降車したことが認識された後に、前記利用者行動認識部により、3列目以降の座席に乗車している前記利用者が前記後席用パワードアの閉動作を指示するジェスチャーをしたことが認識されたときに、前記後席用パワードアを閉動作させる第1項から第4項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第7項の車両制御装置によれば、3列目以降の座席に乗車している利用者は、降車する意思がない場合に、ジェスチャーを行うことで後席用パワードアを閉動作させることができる。
【0096】
(第8項)前記パワードア制御部は、閉動作させた前記パワードアに対して施錠を行う第1項から第7項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第8項の車両制御装置によれば、利用者によるパワードアの施錠操作を不要として、車両から降車する際の利用者の負担をさらに軽減することができる。
【0097】
(第9項)車両に備えられたパワードアの閉動作を制御するために、コンピュータにより実行される車両制御方法であって、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識ステップと、前記乗車利用者数認識ステップにより前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識ステップと、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識ステップにより認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御ステップと、を含む車両制御方法。
第9項の車両制御方法をコンピュータにより実行させることによって、上記第1項の車両制御装置と同様の作用効果を得ることができる。
【0098】
(第10項)車両に備えられたパワードアの閉動作を制御するために、コンピュータを、前記車両に乗車している利用者の人数である乗車利用者数を認識して、記憶部に保存する乗車利用者数認識部と、前記乗車利用者数認識部により前記乗車利用者数が認識された後に、前記車両から降車した前記利用者の数である降車利用者数を認識する降車利用者数認識部と、前記記憶部に保存された前記乗車利用者数と、前記降車利用者数認識部により認識された前記降車利用者数とが一致したときに、前記利用者が降車する際に使用した少なくとも一つの前記パワードアを閉動作させるパワードア制御部と、して機能させる車両制御用プログラム。
第10項の車両制御用プログラムをコンピュータにより実行させることによって、上記第1項の車両制御装置の構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0099】
1…車両、2…右パワーヒンジドア、3…左パワーヒンジドア、4…右パワースライドドア、5…左パワースライドドア、6…パワーテールゲート、10…車両制御装置、11…鍵認証部、12…乗車利用者数認識部、13…降車利用者数認識部、14…視線向き認識部、15…利用者行動認識部、16…降車意思認識部、17…車両周囲状況認識部、18…ドア別降車想定人数設定部、19…降車利用者状況認識部、20…パワードア制御部、80…メモリ、81…制御用プログラム。
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