(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】柱キャップ取付構造および跳ね上げ式門扉
(51)【国際特許分類】
E06B 11/02 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
E06B11/02 Q
(21)【出願番号】P 2020059672
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】久野 聖太
(72)【発明者】
【氏名】村田 憲久
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】実公平5-32636(JP,Y2)
【文献】実公平4-44799(JP,Y2)
【文献】特開2015-129392(JP,A)
【文献】実開昭64-2902(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 11/00-11/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の柱体の開口端部に柱キャップが取り付けられた柱キャップ取付構造であって、
前記柱キャップは、前記柱体の開口端部に対して上下方向に対向して配置されるキャップ本体部と、前記キャップ本体部から下方に突出した当接部と、前記当接部に対して外周側の位置で前記当接部よりも下方に延出した外周片部とによって構成され、
前記当接部は
、前記外周片部に連続し且つ前記キャップ本体部の周縁に沿って間隔を隔てて配置される複数の当接片部を有し、
前記複数の当接片部は、前記柱体の開口端部に当接し、
前記外周片部の少なくとも一部は前記柱体に対して外周側に離間して配置され、
前記キャップ本体部および前記外周片部と前記柱体の開口端部との間には通風可能な隙間が形成される
ことを特徴とする柱キャップ取付構造。
【請求項2】
請求項1に記載の柱キャップ取付構造において、
前記柱体は、前面部と、後面部と、前記前面部および前記後面部に連続した左右の側面部とによって構成され、
前記外周片部は、外前片部と、外後片部と、前記外前片部および前記外後片部に連続した左右の外側片部とによって構成され、
前記外前片部は前記前面部に対して前方に離間して配置され、
前記外後片部は前記後面部に対して後方に離間して配置される
ことを特徴とする柱キャップ取付構造。
【請求項3】
請求項2に記載の柱キャップ取付構造において、
前記後面部には係合孔部が形成され、
前記柱キャップには、前記係合孔部に係合する係合爪部と、前記係合爪部よりも前方に配置された螺合固定部とが前記キャップ本体部から下方に突出して形成され、
前記螺合固定部は前記前面部に対して後方に対向して配置され、
前記係合爪部は、前記螺合固定部の前記前面部の螺合固定において前記係合孔部と係合可能に当該係合孔部に対して後方に対向して配置される
ことを特徴とする柱キャップ取付構造。
【請求項4】
支柱と、前記支柱に対して基端側が回動可能に取り付けられる回動アームと、前記回動アームの先端側に支持される扉体とを備え、
前記支柱は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の柱キャップ取付構造における
前記柱体および
前記柱キャップによって構成される
ことを特徴とする跳ね上げ式門扉。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柱体の開口端部に柱キャップを取り付ける柱キャップ取付構造および跳ね上げ式門扉に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中空矩形状の中空材(柱体)の開口端部に取り付けられるキャップが知られている(特許文献1参照)。このキャップは、柱体の開口端部を被う平面矩形状のキャップ本体と、キャップ本体の柱体側の面に形成された嵌入部と、キャップ本体の一方の短辺側寄りの位置に形成された取付片とを有している。キャップは、嵌入部を柱体の開口端部から嵌入し、取付片を柱体の一方の短辺側にねじ止めすることで、柱体の開口端部に密着状態で取り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、柱体の内部に各種の機器を設置する場合には機器の腐食抑制のために柱体の内部を通風可能に構成されることが望ましいが、特許文献1に記載のようなキャップが柱体の開口端部に密着していると、柱体に通風口を加工形成して通風用の部品を取り付ける作業の手間を要することとなってしまう。また、通風口が外部に露出する外観意匠となってしまう。
【0005】
本発明の目的は、外観上目立たない通風口を簡単に構成できる柱キャップ取付構造および跳ね上げ式門扉を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の柱キャップ取付構造は、中空の柱体の開口端部に柱キャップが取り付けられた柱キャップ取付構造であって、柱キャップは、前記柱体の開口端部に対して上下方向に対向して配置されるキャップ本体部と、前記キャップ本体部から下方に突出した当接部と、前記当接部に対して外周側の位置で前記当接部よりも下方に延出した外周片部とによって構成され、前記当接部は前記柱体の開口端部に当接し、前記外周片部の少なくとも一部は前記柱体に対して外周側に離間して配置され、前記キャップ本体部および前記外周片部と前記柱体の開口端部との間には通風可能な隙間が形成されることを特徴とする。
【0007】
本発明の跳ね上げ式門扉は、支柱と、前記支柱に対して基端側が回動可能に取り付けられる回動アームと、前記回動アームの先端側に支持される扉体とを備え、前記支柱は、前述した本発明の柱キャップ取付構造における柱体および柱キャップによって構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、外部に露出しない通風口を簡単に構成できる柱キャップ取付構造および跳ね上げ式門扉を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る跳ね上げ式門扉を示す斜視図。
【
図2】前記実施形態に係る跳ね上げ式門扉の支柱を前側から示す斜視図。
【
図3】前記実施形態に係る跳ね上げ式門扉の支柱を後側から示す斜視図。
【
図4】前記実施形態に係る跳ね上げ式門扉の支柱を示す横断面図。
【
図5】前記実施形態に係る跳ね上げ式門扉の柱キャップを示す説明図。
【
図6】前記実施形態に係る跳ね上げ式門扉の柱キャップを示す斜視図。
【
図7】前記実施形態に係る跳ね上げ式門扉の柱キャップの取付けを示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[本実施形態の構成]
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1から
図3において、本実施形態に係る跳ね上げ式門扉1は、電動アップゲートであり、一対の支柱2(柱体)と、支柱2に対して基端側が取り付けられる回動アーム4と、回動アーム4の先端側に支持される扉体5とを備えている。
以下の説明において、跳ね上げ式門扉1の左右方向をX軸方向とし、跳ね上げ式門扉1の上下方向をY軸方向とし、跳ね上げ式門扉1の見込み方向(奥行方向)をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
【0011】
一対の支柱2は、
図4に示すように、前面部21と、後面部22と、前面部21および後面部22に連続した左右の側面部23,24とを有して断面中空矩形状に形成された柱材25と、側面部23に取り付けられるカバー材(上側カバー材261、下側カバー材262)と、後面部22に取り付けられる配線カバー材27と、柱材25の上端における開口端部251(
図5参照)に取り付けられる樹脂製の柱キャップ28とを備えている。
回動アーム4は、
図1に示すように、支柱2に回動可能に取り付けられたブラケット41と、ブラケット41に取り付けられたメインアーム42と、メインアーム42の回動軸心から径方向に離間した位置で軸支されたサブアーム43とを備えており、メインアーム42およびサブアーム43の先端に扉体5が取り付けられている。この回動アーム4は、メインアーム42が駆動モータの駆動に基づいて回動し、サブアーム43がメインアーム42の回動に追従して回動することで、扉体5を下方の閉鎖位置および上方の開放位置の間で開閉させる。
扉体5は、
図1に示すように、四周枠組みされた扉枠51内に格子52が配置されることで構成されており、扉枠51の左右両側部分がメインアーム42およびサブアーム43の先端に回動可能に支えられている。
【0012】
柱材25、カバー材(上側カバー材261、下側カバー材262)および配線カバー材27はアルミ押出形材によってそれぞれ形成されている。柱材25の内部には、駆動モータ、制御装置、操作盤、回動アーム4の角度センサー、遠隔操作用の受信機などの各種の機器や、扉体5を開閉するための各種の機構ユニットが設置される。一対の支柱2の側面部23は側面部24に対して他方の支柱2側に配置されている。側面部23には、
図2および
図3に示すように、各種の機器を点検可能な開口部(上側開口部231、下側開口部232,233)が形成されている。上側開口部231は機構ユニットや角度センサーなどを点検可能な配置とされており、下側開口部232,233は上側開口部231に対して下方において操作盤などの操作部を構成する機器を点検可能な配置とされている。後面部22には、
図3に示すように、各種の機器に接続される配線9を外部に導出する配線口221が複数形成されている。機器の配線9は配線口221から外部に導出されているので、柱材25の外部に配線作業を行える。なお、上側カバー材261および下側カバー材262は前述した配線作業前、配線作業後のいずれのときに取り付けてもよい。
側面部23は、
図4に示すように、上側開口部231および下側開口部232,233よりも前面部21側に形成された前側係合部234を有している。前側係合部234は、側面部23の内面23Bから側面部24に向かってX軸方向に延出した底片235と、底片235から後面部22に向かってZ軸方向に延出し且つ側面部23の内面23Bに対してX軸方向に対向した側片236とによって凹溝状にY軸方向に延びて形成されている。
後面部22には、配線口221よりも側面部24側の位置、本実施形態では後面部22および側面部24の連続部分に位置する第一係合部222と、配線口221および後述する固定部266の間に位置する第二係合部223とが形成されている。第一係合部222は、前記位置から後方に延出し且つ第二係合部223側にX軸方向に折曲して鉤状に形成されている。第二係合部223は、前記位置から後方に延出し且つ第一係合部222側に折曲して鉤状に形成されている。
【0013】
上側カバー材261は、側面部23に沿って配置される板状のカバー本体部265と、カバー本体部265に連続していると共に後面部22に沿って配置される板状の固定部266とを有して断面略L字形状に形成されている。
カバー本体部265には、前側係合部234に係合するY軸方向に沿ったカバー係合部267と、前側係合部234の側片236に当接する当接突部268とが形成されている。カバー係合部267は、カバー本体部265の前縁265Aから側面部24に向かってX軸方向に延出した連続片31と、前側係合部234に係合可能に連続片31から前面部21に向かってZ軸方向に延出した係合片32とによって鉤状に形成されている。当接突部268は、カバー係合部267に対して後方の位置でカバー本体部265から側面部24側に突出して形成されている。
この上側カバー材261は、係合片32を前側係合部234に差し込むことでカバー係合部267を当該前側係合部234に係合し、固定部266を後面部22に重ねて配置し、ネジ10(固定具)によって後面部22に締結することで、柱材25に取り付けられ、上側開口部231を閉塞する。この取付状態では、係合片32は側面部23の内面23Bに当接し且つ当接突部268が側片236に当接する。このため、上側カバー材261の柱材25に対するバタつきが効果的に抑制される。また、この取付状態では、上側カバー材261の外面261Aは側面部23の外面23Aと面一に配置される。
なお、下側カバー材262は上側カバー材261と断面同一形状に形成されているので、上側カバー材261の各構成と同符号を図面に付して詳細な説明を省略する。下側カバー材262は上側カバー材261と同様に柱材25に取り付けられて下側開口部232,233を閉塞する。
【0014】
配線カバー材27は、Z軸方向に沿った第一係合片部271および第二係合片部272、並びに、第一係合片部271および第二係合片部272に連続したカバー片部273によって形成された配線カバー本体部270と、配線カバー本体部270に対して側面部23側に配置された固定カバー部275とを有している。
第一係合片部271および第二係合片部272はZ軸方向に沿っており、カバー片部273はX軸方向に沿っている。第一係合片部271および第二係合片部272の先端縁には断面コ字溝形状の係合部274がそれぞれ形成されており、第一係合片部271の係合部274は後面部22に形成された第一係合部222に係合し、第二係合片部272の係合部274は第二係合部223に係合する。このように第一係合片部271および第二係合片部272が第一係合部222および第二係合部223に係合することで、配線カバー本体部270は後面部22の配線口221および各配線9を覆って配置される。
固定カバー部275は、第二係合片部272およびカバー片部273の連続部分から側面部23側にX軸方向に延出した固定カバー片部276と、固定カバー片部276から前面部21側に折曲してZ軸方向に沿った固定カバー側片部277とを有して断面略L字形状に形成されている。配線カバー材27の柱材25に対する取付状態では、固定カバー片部276は上側カバー材261および下側カバー材262の固定部266に対してZ軸方向に対向して配置され、固定カバー側片部277の先端縁は上側カバー材261および下側カバー材262に対向する。このため、固定カバー部275は上側カバー材261および下側カバー材262の固定部266およびネジ10を覆って配置される。
【0015】
柱キャップ28は、本実施形態では樹脂製であり、
図5および
図6に示すように、柱材25の上端の開口端部251に対してY軸方向に対向して配置されるキャップ本体部281と、キャップ本体部281から下方に突出した当接部282と、当接部282に対して外周側の位置で当接部282よりも下方に延出した外周片部283と、当接部282に対して内周側の位置に形成された内周片部284と、柱材25の前面部21にネジ10によってネジ止めされる螺合固定部285と、柱材25の後面部22に形成された係合孔部225(
図7参照)に係合する係合爪部286とを有している。
キャップ本体部281のZ軸方向における寸法は、柱材25の前面部21の見付け面から配線カバー材27の見付け面までのZ軸方向における寸法よりも大きくされている。また、キャップ本体部281のX軸方向における寸法は、柱材25のX軸方向における見付け寸法に対して大きくされている。外周片部283は当接部282および内周片部284よりも下方に向かってY軸方向に長く延びており、当接部282および内周片部284のY軸方向の長さ寸法は同じである。
外周片部283は、外前片部301と、外後片部302と、外前片部301および外後片部302に連続した左右の外側片部303,304とによって構成されている。外前片部301はキャップ本体部281の前縁から垂下しており、外後片部302はキャップ本体部281の後縁から垂下しており、左右の外側片部303,304はキャップ本体部281の左右の側縁から垂下している。
内周片部284は、内前片部321と、内後片部322と、内前片部321および内後片部322に連続した左右の内側片部323,324とによって構成されており、外周片部283よりも内周側の位置でキャップ本体部281から下方に延出している。内前片部321は外前片部301に対してZ軸方向に間隔を隔てて対向しており、内後片部322は外後片部302に対してZ軸方向に間隔を隔てて対向しており、内側片部323は外側片部303に対してX軸方向に対向しており、内側片部324は外側片部304に対してX軸方向に対向している。
当接部282は、外周片部283および内周片部284に連続してキャップ本体部281から下方に延出した複数の当接片部287によって構成されている。複数の当接片部287は、キャップ本体部281の周縁に沿って所定間隔を隔てて配置されている。
螺合固定部285は、係合爪部286に対して前方に位置する内前片部321から下方に突出していると共にネジ10が螺合する螺合孔285Aが形成されている。
係合爪部286は、Z軸方向において螺合固定部285および内後片部322の間においてキャップ本体部281から下方に突出して形成されている。
なお、柱キャップ28には、左右の内側片部323,324に連続した連続片部331,332が形成されて部材強度が高められている。
【0016】
以下、柱キャップ28の取付手順を説明する。
まず、
図7(A)および
図7(B)に示すように、キャップ本体部281を柱材25の上端に被せて複数の当接片部287を開口端部251に載せる。このとき、外前片部301および内前片部321の間の当接片部287は柱材25の前面部21の上端に当接し、外後片部302および内後片部322の間の当接片部287は柱材25に取り付けられた配線カバー材27のカバー片部273の上端に対向し、外側片部303および内側片部323の間の当接片部287は柱材25の側面部23の上端に当接し、外側片部304および内側片部324の間の当接片部287は柱材25の側面部24の上端に当接する。また、内周片部284のうち左右の内側片部323,324は柱材25の後面部22の上端に当接する。更に、螺合固定部285は前面部21に対して後方に対向して配置され、係合爪部286は係合孔部225に対して後方に対向して配置される。次に、柱キャップ28を前方に押して係合爪部286を係合孔部225に係合し、ネジ10を前面部21に貫通して螺合固定部285にねじ込む。このようにして柱キャップ28を取り付ける。取付け状態では、左右の外側片部303,304は左右の側面部23,24に対して左右に離間して配置され、外前片部301は前面部21に対して前方に離間して配置され、外後片部302は後面部22(本実施形態では配線カバー材27)に対して後方に離間して配置される。このため、キャップ本体部281および外前片部301と前面部21の上端との間に通風可能な前方の隙間11(通風口)が形成され、キャップ本体部281および外後片部302と配線カバー材27の上端との間に通風可能な後方の隙間12(通風口)が形成される。更に、キャップ本体部201および左右の外側片部303,304と左右の側面部23,24との間には部品取付上で必要な通風可能な隙間が形成される。なお、支柱2の下部にも通風口を別途形成して支柱2内の通風性を向上させてもよい。また、柱キャップ28には遠隔操作用の受信機(図示省略)が取り付けられてもよい。
【0017】
[変形例]
前記実施形態では、支柱2は、上側カバー材261および下側カバー材262を備えているが、三つ以上のカバー材を備えていてもよく、また、Y軸方向に長く延びた一つのカバー材を取付可能な場合には、当該一つのカバー材を備えていてもよい。
前記実施形態では、上側カバー材261および下側カバー材262には当接突部268が形成されているが、この構成を省略してもよい。
前記実施形態では、配線カバー材27は固定カバー部275を有しているが、この構成を省略してもよい。
前記実施形態では、柱キャップ28の外前片部301および外後片部302が前面部21および配線カバー材27に対してZ軸方向に離間して配置されているが、外前片部301が前面部21に対して離間する一方、外後片部302が配線カバー材27に当接する配置として前方の隙間11だけを形成してもよい。また逆に、外前片部301が前面部21に当接する一方、外後片部302が配線カバー材27に対して離間して後方の隙間12だけを形成してもよい。
前記実施形態では、柱キャップ28の左右の外側片部303,304が柱材25の左右の側面部23,24に対して離間して配置され、部品取付上必要な隙間が形成されているが、更に大きな隙間として通風口機能をもたせた隙間とすることで、柱キャップ28の全周にわたって通風口を形成してもよい。また、左右の外側片部303,304を問題なく取り付けられればよい。この場合、柱キャップ28の柱材25に対する左右位置ズレをより効果的に抑制できる。 前記実施形態では、柱キャップ28は、螺合固定部285が前面部21に螺合固定され、且つ、係合爪部286が係合孔部225に係合する取付構造とされているが、他の取付け構造が採用されてもよい。
前記実施形態では、柱体として跳ね上げ式門扉1の支柱2を説明したが、このほか、門柱などに用いられる柱体であってもよい。
【0018】
[本発明のまとめ]
本発明の柱キャップ取付構造は、中空の柱体の開口端部に柱キャップが取り付けられた柱キャップ取付構造であって、柱キャップは、前記柱体の開口端部に対して上下方向に対向して配置されるキャップ本体部と、前記キャップ本体部から下方に突出した当接部と、前記当接部に対して外周側の位置で前記当接部よりも下方に延出した外周片部とによって構成され、前記当接部は前記柱体の開口端部に当接し、前記外周片部の少なくとも一部は前記柱体に対して外周側に離間して配置され、前記キャップ本体部および前記外周片部と前記柱体の開口端部との間には通風可能な隙間が形成されることを特徴とする。
本発明の柱キャップ取付構造によれば、当接部が柱体の開口端部に当接することで当該キャップ本体部が開口端部から上方に離間した配置とされ、外周片部の少なくとも一部が柱体に対して外周側に離間した配置とすることで、柱体の外部および内部の空気を互いに通わせる通風口を簡単に構成できる。また、この通風口には通風用の部品などを別途取り付ける必要がないうえ、柱キャップの外周片部が柱体よりも外周側に位置するので、通風孔を外観上目立たない構成、配置にできる。
【0019】
本発明の柱キャップ取付構造では、前記柱体は、前面部と、後面部と、前記前面部および前記後面部に連続した左右の側面部とによって構成され、前記外周片部は、外前片部と、外後片部と、前記外前片部および前記外後片部に連続した左右の外側片部とによって構成され、前記外前片部は前記前面部に対して前方に離間して配置され、前記外後片部は前記後面部に対して後方に離間して配置されていてもよい。
このような構成によれば、外前片部および前面部の間を通風可能な通風口と、外後片部および後面部の間を通風可能な通風口とを形成でき、柱体の外部および内部に空気を効率よく通わせることができる。
【0020】
本発明の柱キャップ取付構造では、前記後面部には係合孔部が形成され、前記柱キャップには、前記係合孔部に係合する係合爪部と、前記係合爪部よりも前方に配置された螺合固定部とが前記キャップ本体部から下方に突出して形成され、前記螺合固定部は前記前面部に対して後方に対向して配置され、前記係合爪部は、前記螺合固定部の前記前面部の螺合固定において前記係合孔部と係合可能に当該係合孔部に対して後方に対向して配置されていてもよい。
このような構成によれば、螺合固定部を前面部に螺合固定する際には、柱キャップを前方に引き寄せつつ係合爪部を係合孔部に係合できて、柱キャップを柱体に簡単に取り付けることができると共に前述した通風口を構成できる。
【0021】
本発明の跳ね上げ式門扉は、支柱と、前記支柱に対して基端側が回動可能に取り付けられる回動アームと、前記回動アームの先端側に支持される扉体とを備え、前記支柱は、前述した本発明の柱キャップ取付構造における柱体および柱キャップによって構成されることを特徴とする。
本発明の跳ね上げ式門扉によれば、柱キャップを柱体に取り付けた前述した本発明の柱キャップ取付構造を構成できて同様の作用効果を発揮可能な跳ね上げ式門扉を構成できる。
【符号の説明】
【0022】
1…跳ね上げ式門扉、10…ネジ(固定具)、11,12…隙間、2…支柱(柱体)、21…前面部、22…後面部、221…配線口、23,24…側面部、231,232,233…開口部、234…前側係合部、25…柱材、251…開口端部、261,262…カバー材、265…カバー本体部、266…固定部、267…カバー係合部、27…配線カバー材、28…柱キャップ、281…キャップ本体部、282…当接部、283…外周片部、9…配線。