(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、および、学習済モデル
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20231211BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20231211BHJP
H01L 21/304 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/68 N
H01L21/304 643A
H01L21/304 645A
H01L21/304 645B
H01L21/304 645D
H01L21/304 646
(21)【出願番号】P 2020080115
(22)【出願日】2020-04-30
【審査請求日】2022-12-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】阿野 誠士
(72)【発明者】
【氏名】小路丸 友則
【審査官】今井 聖和
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-107077(JP,A)
【文献】特開2007-317821(JP,A)
【文献】特開2015-192088(JP,A)
【文献】国際公開第2020/050072(WO,A1)
【文献】特開2020-043270(JP,A)
【文献】特開2006-269854(JP,A)
【文献】国際公開第2019/044548(WO,A1)
【文献】特開2013-026568(JP,A)
【文献】特開2017-216404(JP,A)
【文献】特開2010-140966(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/02
H01L 21/683
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象基板を回転可能に保持する基板保持部と、
前記処理対象基板の帯電分布を測定する帯電分布測定部と、
前記処理対象基板を除電する除電部と、
前記処理対象基板の前記帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得する基板情報取得部と、
前記基板情報に基づいて、学習済モデルから前記処理対象基板の除電処理条件を示す除電処理条件情報を取得する除電処理条件情報取得部と、
前記除電処理条件情報取得部において取得された前記除電処理条件情報に基づいて、前記処理対象基板を除電するように前記基板保持部および前記除電部を制御する制御部と
を備え、
前記学習済モデルは、学習対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報と、前記学習対象基板を除電処理した条件を示す除電処理条件情報と、前記学習対象基板を除電処理した結果を示す処理結果情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築される、基板処理装置。
【請求項2】
前記学習済モデルを記憶する記憶部をさらに備える、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれについて、前記基板情報は、基板の膜種または膜厚を示す情報をさらに含む、請求項1または2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれに除電液が供給される、請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれについて、前記除電処理条件情報は、前記除電液の濃度、前記除電液の温度、前記除電液の供給量、前記除電液の吐出パターン、および、前記除電液を供給する際の基板の回転速度のいずれかを示す情報を含む、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれに紫外線が照射される、請求項1から3のいずれかに記載の基板処理装置。
【請求項7】
処理対象基板を回転可能に保持するステップと、
前記処理対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得するステップと、
前記基板情報に基づいて、学習済モデルから前記処理対象基板の除電処理条件を示す除電処理条件情報を取得するステップと、
前記除電処理条件情報の除電処理条件に従って前記処理対象基板を除電するステップと
を包含する、基板処理方法であって、
前記除電処理条件情報を取得するステップにおいて、前記学習済モデルは、学習対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報と、前記学習対象基板を除電処理した条件を示す除電処理条件情報と、前記学習対象基板を除電処理した結果を示す処理結果情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築される、基板処理方法。
【請求項8】
学習対象基板を処理する基板処理装置から出力される時系列データから、前記学習対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得するステップと、
前記時系列データから、前記基板処理装置において前記学習対象基板を除電した条件を示す除電処理条件情報を取得するステップと、
前記時系列データから、前記基板処理装置において前記学習対象基板を除電した結果を示す処理結果情報を取得するステップと、
前記学習対象基板について前記基板情報、前記除電処理条件情報および前記処理結果情報を関連付けて学習用データとして記憶部に記憶するステップと
を包含する、学習用データの生成方法。
【請求項9】
請求項8に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを取得するステップと、
前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習するステップと
を包含する、学習方法。
【請求項10】
請求項8に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを記憶する記憶部と、
前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習する学習部と
を備える、学習装置。
【請求項11】
請求項8に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを取得するステップと、
前記学習用データを機械学習させることで構築された学習済モデルを生成するステップと
を包含する、学習済モデルの生成方法。
【請求項12】
請求項8に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを機械学習させることで構築された学習済モデル。
【請求項13】
基板を回転可能に保持する基板保持部と、
前記基板の帯電分布を測定する帯電分布測定部と、
前記基板を除電する除電部と、
帯電分布情報を含む基板情報と、除電処理の条件を示す除電処理条件情報とが関連付けられた変換テーブルを記憶する記憶部と、
前記基板の前記帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得する基板情報取得部と、
前記基板情報に基づいて、前記変換テーブルを用いて前記基板の除電処理条件を示す除電処理条件情報を取得する除電処理条件情報取得部と、
前記除電処理条件情報取得部において取得された前記除電処理条件情報に基づいて、前記基板を除電するように前記基板保持部および前記除電部を制御する制御部と
を備える、基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、および、学習済モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
基板を処理する基板処理装置は、半導体基板の製造等に好適に用いられる。基板処理装置において基板を処理する際に基板が帯電すると、基板にパーティクルが再付着したり、放電によって基板にダメージが生じることがある。このため、基板の帯電を抑制することが検討されている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1の基板処理方法では、比抵抗の比較的高い純水を含む液体を基板に供給する際に、最初に比較的高い回転速度で基板を回転させながら液体を供給し、後で比較的低い回転速度で基板を回転させながら液体を供給する。これにより、基板の表面電位の増加率を抑制している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の基板処理方法では、純水を含む液体で処理する際の基板の帯電を抑制できるものの、帯電した基板を除電できない。例えば、イオン注入処理またはドライエッチング処理の行われた基板は帯電することがあり、このような基板に処理液を供給すると、基板にパーティクルが再付着したり、放電によって基板にダメージが生じてしまう。また、基板をレシピに従って除電する場合、基板の帯電状況は、基板ごとの微細な違いに起因して大きく変動するため、除電処理が適切ではないことがある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、処理対象基板を適切に除電可能な基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、および、学習済モデルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面によれば、基板処理装置は、処理対象基板を回転可能に保持する基板保持部と、前記処理対象基板の帯電分布を測定する帯電分布測定部と、前記処理対象基板を除電する除電部と、前記処理対象基板の前記帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得する基板情報取得部と、前記基板情報に基づいて、学習済モデルから前記処理対象基板の除電処理条件を示す除電処理条件情報を取得する除電処理条件情報取得部と、前記除電処理条件情報取得部において取得された前記除電処理条件情報に基づいて、前記処理対象基板を除電するように前記基板保持部および前記除電部を制御する制御部とを備える。前記学習済モデルは、学習対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報と、前記学習対象基板を除電処理した条件を示す除電処理条件情報と、前記学習対象基板を除電処理した結果を示す処理結果情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築される。
【0008】
ある実施形態において、前記基板処理装置は、前記学習済モデルを記憶する記憶部をさらに備える。
【0009】
ある実施形態において、前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれについて、前記基板情報は、基板の膜種または膜厚を示す情報をさらに含む。
【0010】
ある実施形態において、前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれに除電液が供給される。
【0011】
ある実施形態において、前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれについて、前記除電処理条件情報は、前記除電液の濃度、前記除電液の温度、前記除電液の供給量、前記除電液の吐出パターン、および、前記除電液を供給する際の基板の回転速度のいずれかを示す情報を含む。
【0012】
ある実施形態において、前記処理対象基板および前記学習対象基板のそれぞれに紫外線が照射される。
【0013】
本発明の別の局面によれば、基板処理方法は、処理対象基板を回転可能に保持するステップと、前記処理対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得するステップと、前記基板情報に基づいて、学習済モデルから前記処理対象基板の除電処理条件を示す除電処理条件情報を取得するステップと、前記除電処理条件情報の除電処理条件に従って前記処理対象基板を除電するステップとを包含する。前記除電処理条件情報を取得するステップにおいて、前記学習済モデルは、学習対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報と、前記学習対象基板を除電処理した条件を示す除電処理条件情報と、前記学習対象基板を除電処理した結果を示す処理結果情報とが関連付けられた学習用データを機械学習することで構築される。
【0014】
本発明のさらに別の局面によれば、学習用データの生成方法は、学習対象基板を処理する基板処理装置から出力される時系列データから、前記学習対象基板の帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得するステップと、前記時系列データから、前記基板処理装置において前記学習対象基板を除電した条件を示す除電処理条件情報を取得するステップと、前記時系列データから、前記基板処理装置において前記学習対象基板を除電した結果を示す処理結果情報を取得するステップと、前記学習対象基板について前記基板情報、前記除電処理条件情報および前記処理結果情報を関連付けて学習用データとして記憶部に記憶するステップとを包含する。
【0015】
本発明のさらに別の局面によれば、学習方法は、上記に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを取得するステップと、前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習するステップとを包含する。
【0016】
本発明のさらに別の局面によれば、学習装置は、上記に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを記憶する記憶部と、前記学習用データを学習プログラムに入力して前記学習用データを機械学習する学習部とを備える。
【0017】
本発明のさらに別の局面によれば、学習済モデルの生成方法は、上記に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを取得するステップと、前記学習用データを機械学習させることで構築された学習済モデルを生成するステップとを包含する。
【0018】
本発明のさらに別の局面によれば、学習済モデルは、上記に記載の学習用データの生成方法にしたがって生成された学習用データを機械学習させることで構築される。
【0019】
本発明のさらに別の局面によれば、基板処理装置は、基板を回転可能に保持する基板保持部と、前記基板の帯電分布を測定する帯電分布測定部と、前記基板を除電する除電部と、帯電分布情報を含む基板情報と、除電処理の条件を示す除電処理条件情報とが関連付けられた変換テーブルを記憶する記憶部と、前記基板の前記帯電分布を示す帯電分布情報を含む基板情報を取得する基板情報取得部と、前記基板情報に基づいて、前記変換テーブルを用いて前記基板の除電処理条件を示す除電処理条件情報を取得する除電処理条件情報取得部と、前記除電処理条件情報取得部において取得された前記除電処理条件情報に基づいて、前記基板を除電するように前記基板保持部および前記除電部を制御する制御部とを備える。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、処理対象基板を適切に除電できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本実施形態の基板処理装置を備えた基板処理学習システムの模式図である。
【
図2】本実施形態の基板処理装置を備えた基板処理システムの模式図である。
【
図4】本実施形態の基板処理装置を備えた基板処理システムのブロック図である。
【
図5】(a)は、本実施形態の基板処理方法のフロー図であり、(b)は、本実施形態の基板処理方法における除電処理のフロー図である。
【
図6】本実施形態の基板処理装置において測定された基板の帯電分布を示す図である。
【
図7】(a)~(d)は、本実施形態の基板処理装置における除電処理を示す模式図である。
【
図8】本実施形態の基板処理装置および学習用データ生成装置のブロック図である。
【
図9】本実施形態の学習用データ生成方法を示すフロー図である。
【
図10】本実施形態の学習用データ生成装置および学習装置のブロック図である。
【
図11】本実施形態の学習方法および学習済モデルの生成方法を示すフロー図である。
【
図12】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図13】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図14】(a)は、本実施形態の基板処理装置において測定された処理対象基板の帯電分布を示す図であり、(b)は、処理対象基板の帯電分布に基づいて取得された除電処理条件を示す図である。
【
図15】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図16】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
【
図17】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図18】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
【
図19】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図20】本実施形態の基板処理装置の模式図である。
【
図21】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図22】(a)は、本実施形態の基板処理装置における基板保持部の模式図であり、(b)~(d)は、基板保持部の模式的な上面図である。
【
図23】本実施形態の学習装置に入力される学習用データを示す図である。
【
図24】本実施形態の基板処理装置のブロック図である。
【
図25】本実施形態の基板処理装置における変換テーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明による基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、および、学習済モデルの実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、本願明細書では、発明の理解を容易にするため、互いに直交するX方向、Y方向およびZ方向を記載することがある。典型的には、X方向およびY方向は水平方向に平行であり、Z方向は鉛直方向に平行である。
【0023】
まず、
図1を参照して、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理学習システム200を説明する。まず、
図1を参照して、基板処理学習システム200を説明する。
【0024】
図1は、基板処理学習システム200の模式図である。
図1に示すように、基板処理学習システム200は、基板処理装置100と、基板処理装置100Lと、学習用データ生成装置300と、学習装置400とを備える。
【0025】
基板処理装置100は、処理対象基板を処理する。ここでは、基板処理装置100は、処理対象基板を除電する。なお、基板処理装置100は、処理対象基板に対して除電以外の処理をしてもよい。基板処理装置100は、処理対象基板を1枚ずつ処理する枚葉型である。典型的には、処理対象基板は略円板状である。
【0026】
基板処理装置100Lは、学習対象基板を処理する。ここでは、基板処理装置100Lは、学習対象基板を除電する。なお、基板処理装置100Lは、学習対象基板に対して除電以外の処理をしてもよい。学習対象基板の構成は、処理対象基板の構成と同じである。基板処理装置100Lは、処理対象基板を1枚ずつ処理する枚葉型である。典型的には、処理対象基板は略円板状である。基板処理装置100Lの構成は、基板処理装置100の構成と同じである。基板処理装置100Lは、基板処理装置100と同一物であってもよい。例えば、同一の基板処理装置が過去に学習対象基板を処理し、その後、処理対象基板を処理してもよい。あるいは、基板処理装置100Lは、基板処理装置100と同じ構成を有する別の製品であってもよい。
【0027】
本明細書の以下の説明において、学習対象基板を「学習対象基板WL」と記載し、処理対象基板を「処理対象基板Wp」と記載することがある。また、学習対象基板WLと処理対象基板Wpとを区別して説明する必要のないときは、学習対象基板WLおよび処理対象基板Wpを「基板W」と記載することがある。
【0028】
基板Wは、例えば、半導体ウエハ、液晶表示装置用基板、プラズマディスプレイ用基板、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display:FED)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、又は、太陽電池用基板である。
【0029】
基板処理装置100Lは、時系列データTDLを出力する。時系列データTDLは、基板処理装置100Lにおける物理量の時間変化を示すデータである。時系列データTDLは、所定期間にわたって時系列に変化した物理量(値)の時間変化を示す。例えば、時系列データTDLは、基板処理装置100Lが学習対象基板に対して行った処理についての物理量の時間変化を示すデータである。あるいは、時系列データTDLは、基板処理装置100Lによって処理された学習対象基板の特性についての物理量の時間変化を示すデータである。
【0030】
なお、時系列データTDLにおいて示される値は、測定機器において直接測定された値であってもよい。または、時系列データTDLにおいて示される値は、測定機器において直接測定された値を演算処理した値であってもよい。あるいは、時系列データTDLにおいて示される値は、複数の測定機器において測定された値を演算したものであってもよい。
【0031】
学習用データ生成装置300は、時系列データTDLまたは時系列データTDLの少なくとも一部に基づいて学習用データLDを生成する。学習用データ生成装置300は、学習用データLDを出力する。学習用データLDは、学習対象基板WLの基板情報と、学習対象基板WLに対して行われた除電処理の処理条件を示す除電処理条件情報と、学習対象基板WLに対して行われた除電処理の結果を示す処理結果情報とを含む。また、学習対象基板WLの基板情報は、学習対象基板WLが除電処理される前に測定された学習対象基板WLの帯電分布を示す帯電分布情報を含む。
【0032】
学習装置400は、学習用データLDを機械学習することによって、学習済モデルLMを生成する。学習装置400は、学習済モデルLMを出力する。
【0033】
基板処理装置100は、時系列データTDを出力する。時系列データTDは、基板処理装置100における物理量の時間変化を示すデータである。時系列データTDは、所定期間にわたって時系列に変化した物理量(値)の時間変化を示す。例えば、時系列データTDは、基板処理装置100が処理対象基板に対して行った処理についての物理量の時間変化を示すデータである。あるいは、時系列データTDは、基板処理装置100によって処理された処理対象基板の特性についての物理量の時間変化を示すデータである。
【0034】
なお、時系列データTDにおいて示される値は、測定機器において直接測定された値であってもよい。または、時系列データTDにおいて示される値は、測定機器において直接測定された値を演算処理した値であってもよい。あるいは、時系列データTDにおいて示される値は、複数の測定機器において測定された値を演算したものであってもよい。
【0035】
基板処理装置100が使用する物体は、基板処理装置100Lが使用する物体に対応する。従って、基板処理装置100が使用する物体の構成は、基板処理装置100Lが使用する物体の構成と同じである。また、時系列データTDにおいて、基板処理装置100が使用する物体の物理量は、基板処理装置100Lが使用する物体の物理量に対応する。従って、基板処理装置100Lが使用する物体の物理量は、基板処理装置100が使用する物体の物理量と同じである。
【0036】
時系列データTDから、処理対象基板Wpの基板情報Cpが生成される。処理対象基板Wpの基板情報Cpは、学習対象基板WLの基板情報に対応する。処理対象基板Wpの基板情報Cpは、処理対象基板Wpが除電処理される前に測定された処理対象基板Wpの帯電分布を示す帯電分布情報を含む。
【0037】
学習済モデルLMから、処理対象基板Wpの基板情報Cpに基づいて、基板処理装置100における処理対象基板Wpに適した除電処理条件を示す除電処理条件情報Rpが出力される。
【0038】
以上、
図1を参照して説明したように、本実施形態によれば、学習装置400は、機械学習を行う。従って、非常に複雑かつ解析対象が膨大な時系列データTDLから精度の高い学習済モデルLMを生成できる。また、学習済モデルLMに対して、時系列データTDからの帯電分布情報を含む基板情報Cpを入力して、学習済モデルLMから、除電処理条件を示す除電処理条件情報Rpを出力させる。従って、処理対象基板Wpに応じて除電処理できる。
【0039】
次に、
図2を参照して、本実施形態の基板処理装置100を備えた基板処理システム10を説明する。
図2は、基板処理システム10の模式的な平面図である。
【0040】
基板処理システム10は、基板Wを処理する。基板処理システム10は、複数の基板処理装置100を備える。基板処理装置100は、基板Wに対して、エッチング、表面処理、特性付与、処理膜形成、膜の少なくとも一部の除去および洗浄のうちの少なくとも1つを行うように基板Wを処理する。
【0041】
図2に示すように、基板処理システム10は、複数の基板処理装置100に加えて、流体キャビネット32と、流体ボックス34と、複数のロードポートLPと、インデクサーロボットIRと、センターロボットCRと、制御装置20とを備える。制御装置20は、ロードポートLP、インデクサーロボットIRおよびセンターロボットCRを制御する。
【0042】
ロードポートLPの各々は、複数枚の基板Wを積層して収容する。インデクサーロボットIRは、ロードポートLPとセンターロボットCRとの間で基板Wを搬送する。なお、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間に、基板Wを一時的に載置する設置台(パス)を設けて、インデクサーロボットIRとセンターロボットCRとの間で設置台を介して間接的に基板Wを受け渡しする装置構成としてもよい。センターロボットCRは、インデクサーロボットIRと基板処理装置100との間で基板Wを搬送する。基板処理装置100の各々は、基板Wに液体を吐出して、基板Wを処理する。液体は、除電液、薬液および/またはリンス液を含む。または、液体は、他の処理液を含んでもよい。流体キャビネット32は、液体を収容する。なお、流体キャビネット32は、気体を収容してもよい。
【0043】
具体的には、複数の基板処理装置100は、平面視においてセンターロボットCRを取り囲むように配置された複数のタワーTW(
図2では4つのタワーTW)を形成している。各タワーTWは、上下に積層された複数の基板処理装置100(
図1では3つの基板処理装置100)を含む。流体ボックス34は、それぞれ、複数のタワーTWに対応している。流体キャビネット32内の液体は、いずれかの流体ボックス34を介して、流体ボックス34に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理装置100に供給される。また、流体キャビネット32内の気体は、いずれかの流体ボックス34を介して、流体ボックス34に対応するタワーTWに含まれる全ての基板処理装置100に供給される。
【0044】
制御装置20は、基板処理システム10の各種動作を制御する。制御装置20は、制御部22および記憶部24を含む。制御部22は、プロセッサーを有する。制御部22は、例えば、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を有する。または、制御部22は、汎用演算機を有してもよい。
【0045】
記憶部24は、データおよびコンピュータプログラムを記憶する。データは、レシピデータを含む。レシピデータは、複数のレシピを示す情報を含む。複数のレシピの各々は、基板Wの処理内容および処理手順を規定する。
【0046】
記憶部24は、主記憶装置と、補助記憶装置とを含む。主記憶装置は、例えば、半導体メモリである。補助記憶装置は、例えば、半導体メモリおよび/またはハードディスクドライブである。記憶部24はリムーバブルメディアを含んでいてもよい。制御部22は、記憶部24の記憶しているコンピュータプログラムを実行して、基板処理動作を実行する。
【0047】
なお、
図2には、基板処理システム10に対して1つの制御装置20を備えるように示しているが、基板処理装置100ごとに制御装置20を備えてもよい。ただし、その場合、基板処理システム10は、複数の基板処理装置100および基板処理装置100以外の装置を制御する別の制御装置を備えることが好ましい。
【0048】
なお、記憶部24には、予め手順の定められたコンピュータプログラムが記憶されている。基板処理装置100は、コンピュータプログラムに定められた手順に従って動作する。
【0049】
次に、
図3を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図3は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。なお、ここでは、基板処理装置100の構成を説明するが、基板処理装置100Lも基板処理装置100と同様の構成を有している。
【0050】
基板処理装置100は、基板Wを処理する。基板処理装置100は、チャンバー110と、基板保持部120と、帯電分布測定部130と、除電部140と、薬液供給部150と、リンス液供給部160とを備える。チャンバー110は、基板Wを収容する。基板保持部120は、基板Wを保持する。基板保持部120は、基板Wを回転可能に保持する。帯電分布測定部130は、基板Wに帯電した電荷量の分布または基板Wの上面Waの電位分布を測定する。除電部140は、基板Wを除電する。
図3において、除電部140は、基板Wに除電液を供給して基板Wを除電する。
【0051】
チャンバー110は、内部空間を有する略箱形状である。チャンバー110は、基板Wを収容する。ここでは、基板処理装置100は基板Wを1枚ずつ処理する枚葉型であり、チャンバー110には基板Wが1枚ずつ収容される。基板Wは、チャンバー110内に収容され、チャンバー110内で処理される。チャンバー110には、基板保持部120、帯電分布測定部130、除電部140、薬液供給部150、および、リンス液供給部160のそれぞれの少なくとも一部が収容される。
【0052】
基板保持部120は、基板Wを保持する。基板保持部120は、基板Wの上面Waを上方に向け、基板Wの裏面(下面)Wbを鉛直下方に向くように基板Wを水平に保持する。また、基板保持部120は、基板Wを保持した状態で基板Wを回転させる。
【0053】
例えば、基板保持部120は、基板Wの端部を挟持する挟持式であってもよい。あるいは、基板保持部120は、基板Wを裏面Wbから保持する任意の機構を有してもよい。例えば、基板保持部120は、バキューム式であってもよい。この場合、基板保持部120は、非デバイス形成面である基板Wの裏面Wbの中央部を上面に吸着させることにより基板Wを水平に保持する。あるいは、基板保持部120は、複数のチャックピンを基板Wの周端面に接触させる挟持式とバキューム式とを組み合わせてもよい。
【0054】
例えば、基板保持部120は、スピンベース121と、チャック部材122と、シャフト123と、電動モータ124とを含む。チャック部材122は、スピンベース121に設けられる。チャック部材122は、基板Wをチャックする。典型的には、スピンベース121には、複数のチャック部材122が設けられる。
【0055】
シャフト123は、中空軸である。シャフト123は、回転軸Axに沿って鉛直方向に延びている。シャフト123の上端には、スピンベース121が結合されている。基板Wの裏面は、スピンベース121に接触し、基板Wは、スピンベース121の上方に載置される。
【0056】
スピンベース121は、円板状であり、基板Wを水平に支持する。シャフト123は、スピンベース121の中央部から下方に延びる。電動モータ124は、シャフト123に回転力を与える。電動モータ124は、シャフト123を回転方向に回転させることにより、回転軸Axを中心に基板Wおよびスピンベース121を回転させる。ここでは、回転方向は、反時計回りである。
【0057】
帯電分布測定部130は、基板Wの帯電分布を測定する。帯電分布測定部130は、基板Wの表面の帯電量を測定する。例えば、帯電分布測定部130は、非接触型の表面電位計を含む。帯電分布測定部130は、振動容量型電位計であってもよい。
【0058】
除電部140は、基板を除電する。ここでは、除電部140は、基板Wに除電液を供給する。除電部140が基板Wに除電液を供給することにより、基板Wが帯電状態であっても基板Wにおける放電の発生を抑制できる。
【0059】
除電液は、比抵抗の比較的低い液体であることが好ましい。一例では、除電液として、薬液よりも比抵抗の低い液体が用いられる。
【0060】
例えば、除電液として、炭酸水が好適に用いられる。あるいは、除電液として、水を用いてもよい。あるいは、除電液として、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)等を用いてもよい。除電液として、比抵抗の比較的低い液体を用いることにより、基板Wにおいて発生する放電を抑制しながら基板W上の帯電をスムーズに除去できる。
【0061】
除電部140は、ノズル142と、配管144と、バルブ146とを含む。ノズル142は、基板Wの上面Waと対向し、基板Wの上面Waに向けて除電液を吐出する。配管144は、ノズル142に結合される。ノズル142は、配管144の先端に設けられる。配管144には、供給源から除電液が供給される。バルブ146は、配管144に設けられる。バルブ146は、配管144内の流路を開閉する。
【0062】
除電部140は、ノズル移動部148をさらに含む。ノズル移動部148は、吐出位置と退避位置との間でノズル142を移動する。ノズル142が吐出位置にある場合、ノズル142は、基板Wの上方に位置する。ノズル142が吐出位置にある場合、ノズル142は、基板Wの上面Waに向けて除電液を吐出する。ノズル142が退避位置にある場合、ノズル142は、基板Wよりも基板Wの径方向外側に位置する。
【0063】
ノズル移動部148は、アーム148aと、回動軸148bと、移動機構148cとを含む。アーム148aは、略水平方向に沿って延びる。アーム148aの先端部にはノズル142が取り付けられる。アーム148aは、回動軸148bに結合される。回動軸148bは、略鉛直方向に沿って延びる。移動機構148cは、回動軸148bを略鉛直方向に沿った回動軸線のまわりに回動させて、アーム148aを略水平面に沿って回動させる。その結果、ノズル142が略水平面に沿って移動する。例えば、移動機構148cは、回動軸148bを回動軸線のまわりに回動させるアーム揺動モータを含む。アーム揺動モータは、例えば、サーボモータである。また、移動機構148cは、回動軸148bを略鉛直方向に沿って昇降させて、アーム148aを昇降させる。その結果、ノズル142は、略鉛直方向に沿って移動する。例えば、移動機構148cは、ボールねじ機構と、ボールねじ機構に駆動力を与えるアーム昇降モータとを含む。アーム昇降モータは、例えば、サーボモータである。
【0064】
薬液供給部150は、基板Wに薬液を供給する。これにより、基板Wは、薬液で処理される。
【0065】
薬液として、比抵抗の比較的高い液体を用いてもよい。例えば、薬液は、フッ酸(フッ化水素水:HF)を含む。あるいは、薬液は、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、クエン酸、バッファードフッ酸(BHF)、希フッ酸(DHF)、アンモニア水、希アンモニア水、過酸化水素水、有機アルカリ(例えば、TMAH:テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド等)、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。また、薬液は、上記液を混合した混合液であってもよい。例えば、これらを混合した薬液の例としては、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液)等が挙げられる。
【0066】
薬液供給部150は、ノズル152と、配管154と、バルブ156とを含む。ノズル152は、基板Wの上面Waと対向し、基板Wの上面Waに向けて薬液を吐出する。配管154は、ノズル152に結合される。ノズル152は、配管154の先端に設けられる。配管154には、供給源から薬液が供給される。バルブ156は、配管154に設けられる。バルブ156は、配管154内の流路を開閉する。
【0067】
リンス液供給部160は、基板Wにリンス液を供給する。リンス液供給部160から供給されるリンス液は、脱イオン水(Deionized Water:DIW)、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、アンモニア水、希釈濃度(例えば、10ppm~100ppm程度)の塩酸水、または、還元水(水素水)のいずれかを含んでもよい。
【0068】
リンス液供給部160は、ノズル162と、配管164と、バルブ166とを含む。ノズル162は、基板Wの上面Waと対向し、基板Wの上面Waに向けてリンス液を吐出する。配管164は、ノズル162に結合される。ノズル162は、配管164の先端に設けられる。配管164には、供給源からリンス液が供給される。バルブ166は、配管164に設けられる。バルブ166は、配管164内の流路を開閉する。
【0069】
基板処理装置100は、カップ180をさらに備える。カップ180は、基板Wから飛散した液体を回収する。カップ180は、基板Wの側方にまで鉛直上方に上昇できる。また、カップ180は、基板Wの側方から鉛直下方に下降してもよい。
【0070】
制御装置20は、基板処理装置100の各種動作を制御する。制御部22は、基板保持部120、帯電分布測定部130、除電部140、薬液供給部150、リンス液供給部160および/またはカップ180を制御する。一例では、制御部22は、電動モータ124、バルブ146、156、166、移動機構148cおよび/またはカップ180を制御する。
【0071】
本実施形態の基板処理装置100では、基板Wに対して除電処理、薬液処理およびリンス処理できる。
【0072】
次に、
図1~
図4を参照して、本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図4は、基板処理装置100を備えた基板処理システム10のブロック図である。
【0073】
図4に示すように、制御装置20は、基板処理システム10の各種動作を制御する。制御装置20は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、帯電分布測定部130、除電部140、薬液供給部150、リンス液供給部160およびカップ180を制御する。具体的には、制御装置20は、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、帯電分布測定部130、除電部140、薬液供給部150、リンス液供給部160およびカップ180に制御信号を送信することによって、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、基板保持部120、帯電分布測定部130、除電部140、薬液供給部150、リンス液供給部160およびカップ180を制御する。
【0074】
具体的には、制御部22は、インデクサーロボットIRを制御して、インデクサーロボットIRによって基板Wを受け渡しする。
【0075】
制御部22は、センターロボットCRを制御して、センターロボットCRによって基板Wを受け渡しする。例えば、センターロボットCRは、未処理の基板Wを受け取って、複数のチャンバー110のうちのいずれかに基板Wを搬入する。また、センターロボットCRは、処理された基板Wをチャンバー110から受け取って、基板Wを搬出する。
【0076】
制御部22は、基板保持部120を制御して、基板Wの回転の開始、回転速度の変更および基板Wの回転の停止を制御する。例えば、制御部22は、基板保持部120を制御して、基板保持部120の回転数を変更することができる。具体的には、制御部22は、基板保持部120の電動モータ124の回転数を変更することによって、基板Wの回転数を変更できる。
【0077】
制御部22は、帯電分布測定部130を制御して、基板Wの帯電分布を測定する。
【0078】
制御部22は、除電部140のバルブ146、薬液供給部150のバルブ156および、リンス液供給部160のバルブ166を制御して、バルブ146、156、166の状態を開状態と閉状態とに切り替えることができる。具体的には、制御部22は、バルブ146、156、166を制御して、バルブ146、156、166を開状態にすることによって、ノズル142、152、162に向かって配管144、154、164内を流れる除電液、薬液、リンス液を通過させることができる。また、制御部22は、除電部140のバルブ146、薬液供給部150のバルブ156およびリンス液供給部160のバルブ166を制御して、バルブ146、156、166を閉状態にすることによって、ノズル142、152、162に向かって配管144、154、164内を流れる除電液、薬液、リンス液を停止させることができる。
【0079】
また、制御部22は、移動機構148cがアーム148aを水平方向および/または垂直方向に移動させるように制御する。これにより、制御部22は、アーム148aの先端に取り付けられたノズル142を基板Wの上面Waで移動させることができる。また、制御部22は、アーム148aの先端に取り付けられたノズル142を吐出位置と退避位置との間で移動させることができる。本実施形態の基板処理装置100は、半導体装置を形成するために好適に用いられる。
【0080】
本実施形態の基板処理装置100では、記憶部24は、学習済モデルLMおよび制御プログラムPGを記憶する。基板処理装置100は、制御プログラムPGに定められた手順に従って動作する。
【0081】
また、制御部22は、基板情報取得部22aと、除電処理条件情報取得部22bとを含む。基板情報取得部22aは、帯電分布測定部130から、処理対象基板Wpの基板情報を取得する。基板情報は、帯電分布情報を含む。なお、基板情報取得部22aは、記憶部24から、基板情報として、帯電分布情報以外の別の情報を取得してもよい。
【0082】
学習済モデルLMは、基板情報に基づいて除電処理条件情報を生成する。典型的には、学習済モデルLMに対して基板情報を入力すると、基板情報に対応した除電処理条件情報が出力される。一例では、学習済モデルLMに対して帯電分布情報を入力すると、帯電分布情報に対応した除電処理条件情報が出力される。
【0083】
除電処理条件情報取得部22bは、学習済モデルLMから除電処理条件情報を取得する。除電処理条件情報取得部22bは、学習済モデルLMから、処理対象基板Wpの基板情報に対応する除電処理条件情報を取得する。
【0084】
制御部22は、除電処理条件情報に示された除電処理条件に従って基板保持部120および除電部140を制御する。
【0085】
基板処理システム10は、表示部42、入力部44および通信部46をさらに備えることが好ましい。
【0086】
表示部42は画像を表示する。表示部42は、例えば、液晶ディスプレイ、又は、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイである。
【0087】
入力部44は、制御部22に対して各種情報を入力するための入力機器である。例えば、入力部44は、キーボード及びポインティングデバイス、又は、タッチパネルである。
【0088】
通信部46は、ネットワークに接続され、外部装置と通信する。本実施形態において、ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、公衆電話網、及び、近距離無線ネットワークを含む。通信部46は、通信機であり、例えば、ネットワークインターフェースコントローラーである。
【0089】
さらに、基板処理システム10は、センサー50をさらに備えることが好ましい。典型的には、複数のセンサー50が、基板処理システム10の各部分の状態を検知する。例えば、センサー50の少なくとも一部は、基板処理装置100の各部分の状態を検知する。
【0090】
記憶部24は、センサー50からの出力結果および制御プログラムによる制御パラメータを時系列データとして記憶する。典型的には、時系列データは、基板Wごとに分かれて記憶される。
【0091】
センサー50は、1枚の基板Wの処理ごとに、基板Wの処理開始から処理終了までの期間において、基板処理装置100が使用する物体の物理量を検出して、物理量を示す検出信号を制御部22に出力する。そして、制御部22は、基板Wの処理開始から処理終了までの期間においてセンサー50から出力される検出信号によって示される物理量を、1枚の基板Wの処理ごとに、時間と関連付けて時系列データTDとして、記憶部24に記憶させる。
【0092】
制御部22は、センサー50から時系列データTDを取得して、時系列データTDを記憶部24に記憶させる。この場合、制御部22は、時系列データTDを、ロット識別情報、基板識別情報、処理順番情報、及び、ロット間隔情報と関連付けて記憶部24に記憶させる。ロット識別情報は、ロットを識別するための情報(例えば、ロット番号)である。ロットは基板Wの処理単位を示す。1つのロットは、所定数の基板Wによって構成される。基板識別情報は、基板Wを識別するための情報である。処理順番情報は、1つのロットを構成する所定数の基板Wに対する処理の順番を示す情報である。ロット間隔情報は、ロットに対する処理の終了から次のロットに対する処理の開始までの時間間隔を示す情報である。
【0093】
次に、
図1~
図5を参照して、本実施形態の基板処理装置100による基板処理方法を説明する。
図5(a)は、本実施形態の基板処理装置100における基板処理方法のフロー図であり、
図5(b)は、本実施形態の基板処理方法における除電処理のフロー図である。
【0094】
図5(a)に示すように、ステップS10において、処理対象基板Wpを基板処理装置100に搬入する。搬入された処理対象基板Wpは、基板保持部120に装着される。典型的には、処理対象基板Wpは、センターロボットCRによって基板処理装置100に搬入される。
【0095】
ステップS20において、処理対象基板Wpを除電する。除電部140は、処理対象基板Wpを除電する。詳細には、除電部140のノズル142から除電液を処理対象基板Wpの上面Waに吐出する。除電液は、処理対象基板Wpの上面Waを覆う。これにより、基板Wは除電液で除電される。なお、処理対象基板Wpを除電する際に、基板Wは基板保持部120によって回転される。処理対象基板Wpの回転は、処理対象基板Wpの搬出する直前まで継続してもよい。
【0096】
ステップS30において、処理対象基板Wpを薬液で処理する。薬液供給部150は、処理対象基板Wpに薬液を供給する。薬液供給部150のノズル152から薬液を処理対象基板Wpの上面Waに吐出する。薬液は、処理対象基板Wpの上面Waを覆う。これにより、処理対象基板Wpは薬液で処理される。
【0097】
ステップS40において、処理対象基板Wpをリンス液でリンスする。リンス液供給部160は、処理対象基板Wpにリンス液を供給する。リンス液供給部160のノズル162からリンス液を処理対象基板Wpの上面Waに吐出する。リンス液は、処理対象基板Wpの上面Waを覆う。これにより、処理対象基板Wpはリンス液で処理される。
【0098】
ステップS50において、基板保持部120から処理対象基板Wpを脱離して処理対象基板Wpを搬出する。典型的には、処理対象基板Wpは、センターロボットCRによって基板処理装置100から搬出される。以上のようにして、処理対象基板Wpを除電処理および薬液処理できる。なお、薬液処理する際の薬液は、比抵抗が比較的高いことがある。この場合、薬液処理の前に、除電処理を行うことが好ましい。これにより、処理対象基板Wpが帯電して搬入される場合でも、薬液処理において処理対象基板Wpに放電が発生することを抑制できる。ただし、薬液処理によって基板Wが帯電することがある。この場合、薬液処理の後に除電処理を行ってもよい。
【0099】
本実施形態の基板処理装置100において、
図5(b)に示すように、処理対象基板Wpを除電処理する。
【0100】
ステップS22において、処理対象基板Wpの基板情報を取得する。基板情報取得部22aは、処理対象基板Wpの基板情報を取得する。基板情報は、処理対象基板Wpの帯電分布を示す帯電分布情報を含む。例えば、制御部22が帯電分布測定部130を制御することによって、帯電分布測定部130が処理対象基板Wpの帯電分布を測定する。なお、制御部22は、帯電分布情報以外の基板情報を取得してもよい。例えば、制御部22は、記憶部24から処理対象基板Wpの基板情報を取得してもよい。
【0101】
ステップS24において、処理対象基板Wpの基板情報を学習済モデルLMに入力する。詳細は後述するが、学習済モデルLMは、学習対象基板WLの基板情報と、学習対象基板WLに対して行われた除電処理の処理条件を示す除電処理条件情報と、学習対象基板WLに対して行われた除電処理の結果を示す処理結果情報とを含む学習用データから構築される。学習済モデルLMは、処理対象基板Wpの基板情報に対応して除電処理条件情報Rpを出力する。
【0102】
ステップS26において、学習済モデルLMから除電処理条件情報を取得する。除電処理条件情報取得部22bは、学習済モデルLMから、基板情報に対応する除電処理条件情報を取得する。
【0103】
ステップS28において、除電処理条件情報に従って、基板保持部120および除電部140が処理対象基板Wpの除電処理を実行する。
図3に示した基板処理装置100では、除電部140は、除電処理条件情報に従って処理対象基板Wpに除電液を供給する。以上のようにして、処理対象基板Wpを除電処理できる。
【0104】
本実施形態によれば、機械学習によって構築された学習済モデルLMから、処理対象基板Wpの帯電分布情報を含む基板情報に対応する除電処理条件情報を取得し、除電処理条件情報に示された除電処理条件にしたがって除電処理を実行する。処理対象基板Wpの帯電分布は、処理対象基板Wpの特性および除電前の処理のわずかな違いに応じて大きく変動するが、本実施形態によれば、処理対象基板Wpの帯電状態に応じて、除電処理を適切に実行できる。
【0105】
次に、
図6を参照して本実施形態の基板処理方法における基板Wの帯電状態を説明する。
図6は、基板Wの帯電分布を示す模式図である。
図6(a)は、帯電分布測定部130によって測定された基板の帯電分布を示す。ここでは、基板Wの電位を8段階に分けて領域ごとに示している。
【0106】
基板Wにおいて、領域R1は、基板Wのうちの電位の最も低い領域を示し、領域R2は、基板Wにおいて領域R1の次に電位の低い領域を示す。領域R3~R7は、基板Wにおいて、順番に電位の低い領域を示す。領域R8は、基板Wにおいて、電位の最も高い領域を示す。
【0107】
図6において、基板Wの電位の最も低い領域は、基板Wの上側端部、および、基板Wの中央から左側に位置する。
図6において、基板Wの電位は、上側が低く下側が高い傾向を示す。ただし、
図6に示した基板Wの帯電分布は例示にすぎず、基板Wの帯電分布は、基板Wの種類、厚さおよびその前の処理のわずかな違いに応じて大きく変動する。
【0108】
次に、
図1~
図7を参照して本実施形態の基板処理方法における除電処理を説明する。
図7(a)~
図7(d)は、本実施形態の基板処理方法における除電処理の模式図である。
【0109】
図7(a)に示すように、処理対象基板Wpの電位は、位置に応じて異なる。
図7(a)は、処理対象基板Wpにおける位置ごとの電荷Qの分布を示す。
図7(a)において、電荷Qが大きいほど処理対象基板Wpの当該位置で電荷量が大きいことを示しており、電荷Qが小さいほど処理対象基板Wpの当該位置で電荷量が小さいことを示している。
図7(a)では、処理対象基板Wpの左端および中央において、電位の比較的高い領域がある一方で、処理対象基板Wpの右端では、電位は比較的低い。帯電分布測定部130は、処理対象基板Wpの帯電分布を測定する。
【0110】
図7(b)に示すように、処理対象基板Wpの除電を開始する。除電部140は、処理対象基板Wpのうちの電位の比較的低い領域に除電液を吐出する。ここでは、除電部140のノズル142は、処理対象基板Wpの右端の上方に位置して、除電液は、処理対象基板Wpの右端に吐出される。処理対象基板Wpのうち除電液の吐出が開始される領域において、処理対象基板Wpの電位が高いと放電が生じるおそれがあるが、電位が低い場合には放電の発生を抑制できる。
【0111】
その後、
図7(c)に示すように、除電部140のノズル142を処理対象基板Wpに対して走査する。ここでは、処理対象基板Wpのうち除電部140のノズル142から除電液の吐出される領域が処理対象基板Wpの端部から中央に向かうように走査する。このようにして、除電部140のノズル142を処理対象基板Wpに対して走査する。除電液により、処理対象基板Wpの帯電が除去される。
【0112】
図7(d)に示すように、処理対象基板Wpに対して除電処理することにより、処理対象基板Wpの電荷Qが除去され、処理対象基板Wpの帯電量を低減できる。以上のようにして、処理対象基板Wpを除電することにより、処理対象基板Wpにおける放電の発生を抑制できる。
【0113】
なお、
図6および
図7を参照した説明では、基板Wの電位は、グランドに対してプラスであり、基板Wのうち電位の低い領域に除電液の供給を開始するように説明した。ただし、基板Wがグランドに対してマイナス電荷を有する場合、基板Wのうちグランドからの電位の最も離れた領域に除電液の供給を開始する。
【0114】
図1を参照して上述したように、学習済モデルLMは、学習用データLDから生成され、学習用データLDは、基板処理装置100Lの時系列データTDLから生成される。
【0115】
次に、
図8を参照して、学習用データLDの生成を説明する。
図8は、基板処理装置100Lを備えた基板処理システム10Lおよび学習用データ生成装置300のブロック図である。ここでは、学習用データ生成装置300は、基板処理装置100Lと通信可能に接続される。
図8の基板処理装置100Lを備えた基板処理システム10Lは、制御部22Lが基板情報取得部22aおよび除電処理条件情報取得部22bを有しておらず、記憶部24Lが学習済モデルLMを記憶せずにテストレシピTRを記憶する点を除いて、
図4に示した基板処理システム10のブロック図と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0116】
基板処理システム10Lは、複数の基板処理装置100Lと、インデクサーロボットIRLと、センターロボットCRLと、制御装置20Lと、表示部42Lと、入力部44Lと、通信部46Lと、センサー50Lを備える。基板処理装置100L、インデクサーロボットIRL、センターロボットCRL、制御装置20L、表示部42L、入力部44Lおよび通信部46Lは、
図4に示した基板処理システム10の基板処理装置100、インデクサーロボットIR、センターロボットCR、制御装置20、表示部42、入力部44および通信部46と同様の構成を有する。
【0117】
また、基板処理装置100Lは、基板保持部120Lと、帯電分布測定部130L、除電部140Lと、薬液供給部150Lと、リンス液供給部160Lと、カップ180Lとを備える。チャンバー110L、基板保持部120L、帯電分布測定部130L、除電部140L、薬液供給部150L、リンス液供給部160Lおよびカップ180Lは、
図3および
図4に示した基板保持部120、帯電分布測定部130、除電部140、薬液供給部150、リンス液供給部160およびカップ180と同様の構成を有することが好ましい。
【0118】
制御装置20Lは、制御部22Lと、記憶部24Lとを有する。記憶部24Lは、制御プログラムPGLを記憶する。基板処理装置100Lは、制御プログラムPGLに定められた手順に従って動作する。
【0119】
また、記憶部24Lは、複数のテストレシピTRを記憶する。複数のテストレシピTRは、除電処理条件の異なるレシピを含む。このため、制御部22Lが、テストレシピTRに従って学習対象基板WLを処理する場合、異なる学習対象基板WLに対して異なる除電処理が行われる。
【0120】
記憶部24Lは、学習対象基板WLの時系列データTDLを記憶する。時系列データTDLは、基板処理装置100Lにおける物理量の時間変化を示すデータである。時系列データTDLは、センサー50Lによって検知された複数の物理量を示す。なお、時系列データTDLは、帯電分布測定部130Lによって測定された学習対象基板WLの帯電分布情報、学習対象基板WLを除電処理した条件を示す除電処理条件情報および学習対象基板WLを除電処理した結果を示す処理結果情報を含む。
【0121】
学習用データ生成装置300は、基板処理装置100Lと通信可能に接続される。学習用データ生成装置300は、基板処理装置100Lの時系列データの少なくとも一部を通信する。
【0122】
学習用データ生成装置300は、制御装置320と、表示部342と、入力部344と、通信部346とを備える。学習用データ生成装置300は、通信部346を介して複数の基板処理装置100Lの制御装置20Lと通信可能である。表示部342、入力部344および通信部346は、表示部42、入力部44および通信部46と同様の構成を有している。
【0123】
制御装置320は、制御部322と、記憶部324とを含む。記憶部324は、制御プログラムPG3を記憶する。学習用データ生成装置300は、制御プログラムPG3に定められた手順に従って動作する。
【0124】
制御部322は、基板処理装置100Lから、時系列データTDLの少なくとも一部を受信し、受信した時系列データTDLを記憶部324に記憶させる。記憶部324は、学習対象基板WLの時系列データTDLの少なくとも一部を記憶する。時系列データTDLは、通信部46Lおよび通信部346を介して基板処理装置100Lから学習用データ生成装置300に送信される。制御部322は、送信された時系列データTDLの少なくとも一部を記憶部324に記憶させる。記憶部324に記憶された時系列データTDLは、時系列データTDLの基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報を含む。
【0125】
制御部322は、記憶部324の時系列データTDLから、学習対象基板WLの帯電分布情報を含む基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報を取得する。さらに、制御部322は、学習対象基板WLの基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報をまとめて学習用データLDを生成し、記憶部324は、学習用データLDを記憶する。
【0126】
次に、
図8および
図9を参照して、本実施形態の学習用データの生成方法を説明する。
図9は、本実施形態の学習用データの生成方法のフロー図である。学習用データの生成は、学習用データ生成装置300において行われる。
【0127】
図9に示すように、ステップS110において、学習対象基板WLの時系列データTDLを取得する。典型的には、学習用データ生成装置300は、基板処理装置100Lから学習対象基板WLの時系列データTDLの少なくとも一部を受信する。記憶部324は、受信した時系列データTDLを記憶する。
【0128】
ステップS112において、記憶部324に記憶された学習対象基板WLの時系列データTDLから基板情報を抽出する。基板情報は、学習対象基板WLの帯電分布情報を含む。制御部322は、記憶部324の時系列データTDLから学習対象基板WLの基板情報を取得する。
【0129】
ステップS114において、記憶部324に記憶された学習対象基板WLの時系列データTDLから学習対象基板WLの除電処理条件情報を抽出する。制御部322は、記憶部324の時系列データTDLから学習対象基板WLの除電処理条件情報を取得する。
【0130】
ステップS116において、記憶部324に記憶された学習対象基板WLの時系列データTDLから学習対象基板WLの処理結果情報を抽出する。制御部322は、記憶部324の時系列データTDLから学習対象基板WLの処理結果情報を取得する。
【0131】
ステップS118において、学習対象基板WLの基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報を関連付けて学習用データLDとして生成し、記憶部324は、複数の学習対象基板WLごとに学習用データLDを記憶する。
【0132】
本実施形態において、生成された学習用データは、学習対象基板WLごとに互い関連付けられた基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報を含む。このような学習用データは、学習処理に好適に用いられる。
【0133】
なお、
図8では、学習用データ生成装置300は、1つの基板処理装置100Lと通信可能に接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。学習用データ生成装置300は、複数の基板処理装置100Lと通信可能に接続されてもよい。
【0134】
また、
図8および
図9を参照した説明では、基板処理装置100Lで生成された時系列データTDLが通信部46Lおよび通信部346を介して学習用データ生成装置300に送信されたが、本実施形態はこれに限定されない。学習用データ生成装置300の制御装置320は、基板処理装置100Lを備える基板処理システム10の制御装置20に組み込まれており、時系列データTDLがネットワークを転送されることなく、基板処理システム10内にて時系列データTDLから学習用データLDが生成されてもよい。
【0135】
次に、
図10を参照して、本実施形態の学習済モデルLMの生成を説明する。
図10は、本実施形態の学習用データ生成装置300および学習装置400の模式図である。学習用データ生成装置300および学習装置400は互いに通信可能である。
【0136】
学習装置400は、学習用データ生成装置300と通信可能に接続される。学習装置400は、学習用データ生成装置300から学習用データLDを受信する。学習装置400は、学習用データLDに基づいて機械学習を行い、学習済モデルLMを生成する。
【0137】
学習装置400は、制御装置420と、表示部442と、入力部444と、通信部446とを備える。表示部442、入力部444および通信部446は、
図4に示した基板処理システム10の表示部42、入力部44および通信部46と同様の構成を有している。
【0138】
制御装置420は、制御部422および記憶部424を含む。なお、記憶部424は、制御プログラムPG4を記憶する。学習装置400は、制御プログラムPG4に定められた手順に従って動作する。
【0139】
記憶部424は、学習用データLDを記憶する。学習用データLDは、通信部346および通信部446を介して学習用データ生成装置300から学習装置400に送信される。制御部422は、送信された学習用データLDを記憶部424に記憶させる。記憶部424に記憶された学習用データLDでは、時系列データTDLの基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報が互い関連づけられている。
【0140】
記憶部424は、学習プログラムLPGを記憶する。学習プログラムLPGは、複数の学習データLDの中から一定の規則を見出し、見出した規則を表現する学習済モデルLMを生成するための機械学習アルゴリズムを実行するためのプログラムである。制御部422は、記憶部424の学習プログラムLPGを実行することにより、学習用データLDを機械学習することで推論プログラムのパラメータを調整して学習済モデルLMを生成する。
【0141】
機械学習アルゴリズムは、教師あり学習であれば、特に限定されず、例えば、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークである。従って、学習済モデルLMは、決定木、最近傍法、単純ベイズ分類器、サポートベクターマシン、又は、ニューラルネットワークを含む。学習済モデルLMを生成する機械学習において、誤差逆伝搬法を利用してもよい。
【0142】
例えば、ニューラルネットワークは、入力層、単数又は複数の中間層、及び、出力層を含む。具体的には、ニューラルネットワークは、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN:Recurrent Neural Network)、又は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)であり、ディープラーニングを行う。例えば、ディープニューラルネットワークは、入力層、複数の中間層、及び、出力層を含む。
【0143】
制御部422は、取得部422aと、学習部422bとを含む。取得部422aは、記憶部424から学習用データLDを取得する。学習部422bは、記憶部424の学習プログラムLPGを実行することにより、学習用データLDを機械学習し、学習用データLDから学習済モデルLMを生成する。
【0144】
学習部422bは、学習プログラムLPGに基づいて複数の学習データLDを機械学習する。その結果、複数の学習データLDの中から一定の規則が見出されて、学習済モデルLMが生成される。つまり、学習済モデルLMは、学習データLDを機械学習することで構築される。記憶部424は、学習済モデルLMを記憶する。
【0145】
なお、典型的には、学習済モデルLMは、基板処理システム10における制御装置20に転送され、記憶部24が、学習済モデルLMを記憶する。この場合、
図4を参照した上述したように、基板処理システム10における制御装置20の記憶部24が学習済モデルLMを記憶しており、除電処理条件情報取得部22bは、記憶部24の学習済モデルLMから除電処理条件を取得する。
【0146】
ただし、本施形態はこれに限定されない。記憶部24は学習済モデルLMを記憶しておらず、除電処理条件情報取得部22bは、基板処理システム10の外部から除電処理条件を取得してもよい。例えば、除電処理条件情報取得部22bは、通信部46および通信部446を介して学習装置400の学習済モデルLMに処理対象基板Wpの基板情報を送信し、通信部446および通信部46を介して学習装置400から学習済モデルLMにおいて出力された除電処理条件情報を受信してもよい。
【0147】
次に、
図1~
図11を参照して、本実施形態の学習装置400における学習方法および学習済モデルの生成方法を説明する。
図11は、本実施形態の学習方法および学習済モデルのフロー図である。学習用データLDの学習および学習済モデルLMの生成は、学習装置400において行われる。
【0148】
図11に示すように、ステップS122において、学習装置400の取得部422aは、記憶部424から複数の学習用データLDを取得する。学習用データLDは、時系列データTDLの基板情報、除電処理条件情報および処理結果情報が互い関連づけられている。
【0149】
次に、ステップS124において、学習部422bは、学習プログラムLPGに基づいて複数の学習用データLDを機械学習する。
【0150】
次に、ステップS126において、学習部422bは、学習用データLDの機械学習が終了するか否かを判定する。機械学習を終了するか否かは、予め定められた条件にしたがって決定される。例えば、機械学習は、所定数以上の学習用データLDを機械学習すると終了する。
【0151】
機械学習が終了しない場合(ステップS126においてNo)、処理は、ステップS122に戻る。その場合、機械学習が繰り返される。一方、機械学習が終了しない場合(ステップS126においてYes)、処理は、ステップS128に進む。
【0152】
ステップS128において、学習部422bは、最新の複数のパラメータ(係数)つまり、複数の学習済パラメータ(係数)を適用したモデル(1以上の関数)を、学習済モデルLMとして出力する。記憶部424は学習済モデルLMを記憶する。
【0153】
以上のようにして、学習方法は終了し、学習済モデルLMが生成される。本実施形態によれば、学習用データLDを機械学習することで、学習済モデルLMを生成できる。
【0154】
なお、
図10では、学習装置400は、1つの学習用データ生成装置300と通信可能に接続されたが、本実施形態はこれに限定されない。学習装置400は、複数の学習用データ生成装置300と通信可能に接続されてもよい。
【0155】
また、
図10および
図11を参照した説明では、学習用データ生成装置300で生成された学習用データLDが通信部346および通信部446を介して学習装置400に送信されたが、本実施形態はこれに限定されない。学習装置400の制御装置420は、学習用データ生成装置300の制御装置320に組み込まれており、学習用データLDがネットワークを転送されることなく、学習用データ生成装置300内にて学習用データLDから学習済モデルLMが生成されてもよい。
【0156】
さらに、
図8~
図11を参照した説明では、基板処理装置100Lで生成された時系列データTDLが通信部46Lおよび通信部346を介して学習用データ生成装置300に送信され、学習用データ生成装置300で生成された学習用データLDが通信部346および通信部446を介して学習装置400に送信されたが、本実施形態はこれに限定されない。学習用データ生成装置300の制御装置320および学習装置400の制御装置420は、基板処理システム10Lの制御装置20に組み込まれており、時系列データTDLおよび学習用データLDがネットワークを転送されることなく、基板処理システム10L内にて時系列データTDLから学習用データLDを介して学習済モデルLMが生成されてもよい。
【0157】
次に、
図12を参照して学習用データLDの一例を説明する。
図12は、学習用データLDの一例を示す図である。
【0158】
図12は、学習対象基板WLの基板情報、学習対象基板WLの除電処理条件、および、学習対象基板WLの除電処理結果を示す。ここでは、基板情報は、学習対象基板WLの帯電分布を示す帯電分布情報である。帯電分布情報は、学習対象基板WLを除電処理する前に帯電分布測定部130Lによって学習対象基板WLを測定することによって生成される。除電処理条件情報は、例えば、除電液の濃度、除電液の温度、除電液の供給量、除電液の吐出パターンおよび除電液を供給する際の学習対象基板WLの回転速度を示す。処理結果は、除電処理後の学習対象基板WLの結果を示す。
図12において、学習用データLDは、学習用データLD1から学習用データLD1000を含む。
【0159】
学習用データLD1は、ある学習対象基板WL1の基板情報、除電処理条件、および、処理結果を示す。ここでは、学習用データLD1において、基板情報は、学習対象基板WL1の帯電分布を示す。また、Lp1は、学習対象基板WL1に対して行われた除電処理の条件を示す。
【0160】
処理結果情報は、学習対象基板WL1に対して除電処理の処理結果を示す。処理結果は、学習対象基板WL1において放電が発生したか否かによって判定されてもよい。あるいは、処理結果は、学習対象基板WL1において特性の異常が発見されたか否かによって判定されてもよい。学習用データLD1では、除電処理された学習対象基板の結果は良好であったので、〇と示す。
【0161】
学習用データLD2~LD1000は、学習対象基板WL2~WL1000に対応して生成される。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。なお、学習対象基板WLに対して行われる除電処理条件は、同じであってもよく、異なってもよい。除電処理結果は、学習対象基板WLの帯電分布および処理条件に応じて変化する。
【0162】
図12に示した学習用データLDでは、データの数は1000個であったが、本実施形態はこれに限定されない。データの数は、1000個より小さくてもよく、1000個よりも大きくてもよい。ただし、データの数は、できるだけ多いことが好ましい。
【0163】
なお、
図12を参照した上述の説明では、処理結果が良好であるときに〇と示し、処理結果が良好でないときに×と示しており、学習用データLD1~LD1000の処理結果は2値化されたが、本実施形態はこれに限定されない。処理結果は、3以上の複数の値に分類されてもよい。あるいは、処理結果は、最低値と最大値の間の任意の値に分類されてもよい。例えば、処理結果は、学習対象基板WLの特性に加えて、除電液の使用量(供給量)または除電処理に要する時間等を考慮して数値化されてもよい。
【0164】
なお、学習用データLDにおいて、除電処理条件は、複数の項目を含むことが好ましい。例えば、除電処理条件は、除電液の濃度、温度、供給量、学習対象基板に対する除電液の吐出パターン、除電時の基板保持部120の回転速度を含んでもよい。
【0165】
次に、
図13を参照して、本実施形態の学習方法において用いられる学習用データLDを説明する。
図13は、学習用データLDの一例を示す図である。
【0166】
図13に示すように、学習用データLDは、学習用データLD1~LD1000を含む。学習用データLDは、学習対象基板WLの基板情報、学習対象基板WLの除電処理条件、および、学習対象基板WLの処理結果情報を示す。ここでは、除電処理条件は、除電液の濃度、除電液の温度、除電液の供給量、学習対象基板に対する除電液の吐出パターン、および除電液を供給する際の学習対象基板の回転速度を含む。
【0167】
除電液の濃度は、学習対象基板WLに用いられた除電液の濃度を示す。除電液の温度、学習対象基板WLに用いられた除電液の温度を示す。除電液の供給量は、学習対象基板WLに用いられた除電液の供給量を示す。学習対象基板に対する除電液の吐出パターンは、学習対象基板WLに対して除電液を吐出した経路(ノズル142の移動経路)を示す。学習対象基板の回転速度は、除電液を供給する際の学習対象基板WLの回転速度を示す。また、学習用データLDにおいて、除電処理された学習対象基板の結果が良好であるときは「〇」と示し、除電処理された学習対象基板の結果が良好でないときは「×」と示す。
【0168】
学習用データLD1において、Lc1は、学習対象基板WL1に対して用いられた除電液の濃度を示し、Lt1は、学習対象基板WL1に対して用いられた除電液の温度を示す。また、Ls1は、学習対象基板WL1に対して用いられた除電液の供給量を示し、Le1は、学習対象基板WL1に対する除電液の吐出パターンを示し、Lv1は、学習対象基板WL1に対して除電液を供給する際の学習対象基板WL1の回転速度を示す。学習用データLD1では、除電処理された学習対象基板の処理結果が良好であったため、処理結果は「〇」である。
【0169】
学習用データLD2~LD1000についても同様である。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。なお、学習対象基板WLに対して行われる除電処理条件は、同じであってもよく、異なってもよい。例えば、除電処理条件の複数の項目の少なくとも一部が、同じであってもよく、異なってもよい。あるいは、除電処理条件の複数の項目のすべてが、同じであってもよく、異なってもよい。除電処理結果は、学習対象基板WLの帯電分布および除電処理条件に応じて変動する。
【0170】
次に、
図1~
図14を参照して、本実施形態の基板処理装置100における除電処理を説明する。
図14(a)は、処理対象基板Wpの帯電分布を示し、
図14(b)は、学習済モデルLMにおいて生成された除電処理条件情報Rpを示す。
【0171】
図14(a)に示すように、処理対象基板Wpは帯電分布を有する。処理対象基板Wpの帯電分布は、帯電分布測定部130において測定される。制御部22は、処理対象基板Wpの帯電分布を示す帯電分布情報を学習済モデルLMに入力すると、学習済モデルLMは、帯電分布情報に対応して除電処理条件情報Rpを生成する。
【0172】
図14(b)は、除電処理条件情報Rpを示す図である。除電処理条件情報Rpは、除電液の濃度、除電液の温度、除電液の供給量、学習対象基板に対する除電液の吐出パターン、および、除電液を供給する際の処理対象基板の回転速度を含む。
【0173】
除電処理条件情報Rpにおいて、Rcは、処理対象基板Wpに対して用いられる除電液の濃度を示し、Rtは、処理対象基板Wpに対して用いられる除電液の温度を示す。また、Rsは、処理対象基板Wpに対して用いられる除電液の供給量を示し、Reは、処理対象基板Wpに対して用いられる除電液の吐出パターンを示し、Rvは、処理対象基板Wpに対して除電液を供給する際の処理対象基板Wpの回転速度を示す。
【0174】
なお、
図13および
図14を参照した説明では、除電処理条件は、除電液の濃度、除電液の温度、除電液の供給量、除電液の吐出パターン、および、処理対象基板の回転速度の5つの項目を有したが、本実施形態はこれに限定されない。除電処理条件は、これらの5項目の1以上のいずれの項目を有してもよい。または、除電処理条件は、これらの5項目の1以上のいずれかの項目と別の項目との組合せであってもよい。あるいは、除電処理条件は、これらの5項目とは異なる1以上の項目を有してもよい。
【0175】
なお、
図12~
図14を参照した上述の説明では、学習対象基板WLの基板情報は、学習対象基板WLの帯電分布を示した帯電分布情報であったが、本実施形態はこれに限定されない。学習対象基板WLの基板情報は、帯電分布情報以外の情報を含んでもよい。
【0176】
次に、
図15を参照して、本実施形態の学習方法において用いられる学習用データLDを説明する。
図15は、学習用データLDの一例を示す図である。なお、
図15の学習用データLDは、基板情報が学習対象基板WLの帯電分布に加えて学習対象基板WLの膜厚および膜種を示す情報を含む点を除いて、
図13を参照して上述した学習用データLDと同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0177】
図15に示すように、学習用データLDは、学習用データLD1~LD1000を含む。学習用データLDは、学習対象基板WLの基板情報、学習対象基板WLの除電処理条件、および、学習対象基板WLの処理結果情報を示す。ここでは、学習対象基板WLの基板情報は、学習対象基板WLの帯電分布、学習対象基板WLの膜厚および膜種を含む。
【0178】
また、除電処理条件は、除電液の濃度、除電液の温度、除電液の供給量、学習対象基板に対する除電液の吐出パターン、および除電液を供給する際の学習対象基板の回転速度を含む。なお、
図15において、Lcは、学習対象基板WLに対して用いられた除電液の濃度を示し、Ltは、学習対象基板WLに対して用いられた除電液の温度を示す。また、Lsは、学習対象基板WLに対して用いられた除電液の供給量を示し、Leは、学習対象基板WLに対する除電液の吐出パターンを示す。また、Lvは、学習対象基板WLに対して除電液を供給する際の学習対象基板WLの回転速度を示す。
【0179】
学習対象基板WLの膜厚は、表面に存在する膜の厚さを示す。なお、学習対象基板WLの膜厚は、表面に存在する2以上の膜の厚さを示してもよい。
【0180】
学習対象基板WLの膜種は、表面(上面Wa)に存在する膜の種類を示す。例えば、学習対象基板WLの膜種は、表面に存在する膜が酸化シリコン膜または窒化シリコン膜、あるいは、それらの混合である。学習対象基板WLの膜厚が表面に存在する2以上の膜の厚さを示す場合、膜種は、対象となる2以上の膜の種類を示してもよい。
【0181】
学習用データLD1において、Ld1は、学習対象基板WL1の表面に存在する膜の厚さを示す。また、Lk1は、学習対象基板WL1の表面に存在する膜の種類を示す。
【0182】
学習用データLD2~LD1000についても同様である。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。また、学習対象基板WLの帯電分布がほぼ同じであっても、除電処理の程度は、学習対象基板WLの表面の膜の厚さおよび/または膜種に応じて大きく変動する。このため、基板情報は、帯電分布に加えて、膜厚および/または膜種を含むことが好ましい。なお、基板情報は、膜厚および膜種のうちの一方の項目と、それ以外の項目との組合せを有してもよい。あるいは、基板情報は、膜厚および膜種以外の1以上の項目を有してもよい。
【0183】
なお、
図3に示した基板処理装置100では、除電部140は、供給源からの所定状態の除電液を基板Wに供給したが、本実施形態はこれに限定されない。除電液の濃度は適宜変更されてもよい。また、
図3に示した基板処理装置100では、除電部140は、基板Wの上面Waに除電液を供給したが、本実施形態はこれに限定されない。除電液は、基板Wの上面Waだけでなく基板Wの裏面Wbに供給されてもよい。
【0184】
次に、
図16を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図16は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。なお、
図16の基板処理装置100は、除電部140が混合ユニット149、ノズル149aと、配管149bと、バルブ149cをさらに含む点を除いて、
図3を参照して上述した基板処理装置100と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0185】
図16に示した本実施形態の基板処理装置100において、除電部140は、ノズル142、配管144およびバルブ146に加えて、混合ユニット149、ノズル149aと、配管149bと、バルブ149cをさらに含む。混合ユニット149は、供給源と接続される。ここでは、供給源から混合ユニット149には純水および二酸化炭素が供給される。
【0186】
混合ユニット149は、純水と二酸化炭素を混合することで、除電液として炭酸水を生成する。なお、純水と二酸化炭素の混合の割合は、制御部22からの指示にしたがって変更される。このため、混合ユニット149により、除電液の濃度を変更できる。混合ユニット149は、配管144と接続される。
【0187】
ノズル149aは、基板Wの裏面Wbと対向し、基板Wの裏面Wbに向けて除電液を吐出する。配管149bは、ノズル149aに結合される。配管149bは、基板保持部120のシャフト123の中空孔を貫通する。ノズル149aは、配管149bの先端に設けられる。配管149bは、配管144のうちのバルブ146と混合ユニット149との間の位置とノズル149aとを連絡する。配管149bには、混合ユニット149から除電液が供給される。バルブ149cは、配管149bに設けられる。バルブ149cは、配管149b内の流路を開閉する。
【0188】
本実施形態によれば、混合ユニット149により、除電液の濃度を変更できるため、除電部140は、基板Wに濃度の異なる除電液を供給できる。また、除電部140は、基板Wの上面Waだけでなく裏面Wbにも除電液を供給できる。
【0189】
典型的には、基板Wの裏面Wbは、非デバイス形成面であるため、裏面Wbにおいて放電しても基板の特性にほとんど影響しないことがある。この場合、基板処理装置100は、基板Wの上面Waに除電液を供給するよりも前に基板Wの裏面Wbに除電液を供給することが好ましい。
【0190】
次に、
図17を参照して、本実施形態の学習方法において用いられる学習用データLDを説明する。
図17は、学習用データLDの一例を示す図である。
図17の学習用データLDは、
図16に示した基板処理装置100の学習済モデルLMを生成するために好適に用いられる。なお、
図17の学習用データLDは、1つの学習用データの少なくとも1つの項目について除電処理条件が2つの値を有する点を除いて、
図13を参照して上述した学習用データLDと同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0191】
図17に示すように、学習用データLDは、学習用データLD1~LD1000を含む。除電処理条件は、除電液の濃度、除電液の温度、除電液の供給量、学習対象基板に対する除電液の吐出パターン、および除電液を供給する際の学習対象基板の回転速度を含む。
図17において、Lcは、学習対象基板WLに対して用いられた除電液の濃度を示し、Ltは、学習対象基板WLに対して用いられた除電液の温度を示す。また、Lsは、学習対象基板WLに対して用いられた除電液の供給量を示し、Leは、学習対象基板WLに対する除電液の吐出パターンおよび吐出タイミングを示す。また、Lvは、学習対象基板WLに対して除電液を供給する際の学習対象基板WLの回転速度を示す。
【0192】
図17では、1つの学習用データの除電液の濃度Lc、供給量Lsおよび除電液の吐出パターンLeの項目について2つの値を有している。
【0193】
図16に示した基板処理装置100では、混合ユニット149により、除電液の濃度を変更できる。このため、学習用データLD1において、Lcu1は、ノズル142から学習対象基板WLの上面Waに供給される除電液の濃度を示し、Lcd1は、ノズル149aから学習対象基板WLの裏面Wbに供給される除電液の濃度を示す。
【0194】
また、学習用データLD1において、Lsu1は、ノズル142から学習対象基板WLの上面Waに供給される除電液の供給量を示し、Lsd1は、ノズル149aから学習対象基板WLの裏面Wbに供給される除電液の供給量を示す。また、Leu1は、学習対象基板WLの上面Waに対するノズル142からの除電液の吐出パターンおよび吐出タイミングを示し、Led1は、学習対象基板WLの裏面Wbに対するノズル149aからの除電液の吐出タイミングを示す。
【0195】
学習用データLD2~LD1000についても同様である。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。また、学習対象基板WLについてノズル142およびノズル149aから供給される除電液の濃度、供給量、吐出パターンおよび吐出タイミングに応じて学習対象基板WLの除電処理の結果は大きく変動する。このため、学習用データLDは、学習対象基板WLの除電処理の結果の変動に大きく寄与する項目を有することが好ましい。
【0196】
上述した説明では、除電部140は、いわゆる除電液を供給したが、本実施形態において、除電部140は、いわゆる除電液を供給するものに限定されない。例えば、除電部140は、除電液以外の処理液を供給してもよい。除電部140は、処理液を処理対象基板Wpにおいて放電が発生しないように供給してもよい。
【0197】
なお、上述した基板処理装置100では、除電部140は除電液を基板Wに供給したが、本実施形態はこれに限定されない。除電部140は、除電気体を基板Wに向けてチャンバー110に供給してもよい。
【0198】
次に、
図18を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図18は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。なお、
図18の基板処理装置100は、除電部140が除電気体を基板Wに向けて供給する点を除いて、
図3を参照して上述した基板処理装置100と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0199】
図18に示した本実施形態の基板処理装置100において、除電部140は、除電気体を基板Wに供給する。除電気体は、例えば、高湿度の気体である。除電気体は、不活性ガスに水蒸気を加えて生成してもよい。
【0200】
除電部140は、ノズル142、配管144およびバルブ146を含む。配管144の一端はノズル142に接続されており、配管144の他端は、除電気体の供給源に接続される。配管144には、供給源から除電気体が供給される。バルブ146は、配管144に設けられる。バルブ146は、配管144内の流路を開閉する。
【0201】
なお、除電気体は、薬液処理の前に供給されてもよい。あるいは、除電気体は、薬液処理中に供給されてもよい。本実施形態によれば、除電気体により、簡便に基板の帯電を抑制できる。
【0202】
次に、
図19を参照して、本実施形態の学習方法において用いられる学習用データLDを説明する。
図19は、学習用データLDの一例を示す図である。
図19の学習用データLDは、
図18に示した基板処理装置100の学習済モデルLMを生成するために好適に用いられる。なお、
図19の学習用データLDは、吐出パターンLeが省略される点を除いて、
図13を参照して上述した学習用データLDと同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0203】
図19に示すように、学習用データLDは、学習用データLD1~LD1000を含む。除電処理条件は、除電気体の湿度、除電気体の温度、除電気体の供給量、および、除電気体を供給する際の学習対象基板の回転速度を含む。
図19において、Lcは、学習対象基板WLに対して用いられた除電気体の湿度を示し、Ltは、学習対象基板WLに対して用いられた除電気体の温度を示す。また、Lsは、学習対象基板WLに対して用いられた除電気体の供給量を示し、Lvは、学習対象基板WLに対して除電気体を供給する際の学習対象基板WLの回転速度を示す。
【0204】
学習用データLD2~LD1000についても同様である。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。学習用データLDは、学習対象基板WLの除電処理の結果の変動に大きく寄与する項目を有することが好ましい。なお、基板Wの除電を効率的に行うために、除電気体は、除電液と組み合わせて使用されてもよい。
【0205】
なお、上述した基板処理装置100では、除電部140は除電液または除電気体を基板Wに供給したが、本実施形態はこれに限定されない。除電部140は、紫外線を用いて基板Wを除電してもよい。
【0206】
次に、
図20を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図20は、本実施形態の基板処理装置100の模式図である。なお、
図20の基板処理装置100は、除電部140が紫外線を用いて基板Wを除電する点を除いて、
図3を参照して上述した基板処理装置100と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0207】
図20に示した本実施形態の基板処理装置100において、除電部140は、紫外線を照射して基板Wを除電する。
【0208】
除電部140は、光源140Uと、光源移動部148Uとを有する。光源140Uは、紫外線を照射する。例えば、光源140Uは、エキシマランプを含む。一例では、光源140Uは、放電用ガスの充電された石英管と、石英管内に配置された一対の電極とを有する。
【0209】
光源移動部148Uは、照射位置と退避位置との間で光源140Uを移動する。光源140Uが照射位置にある場合、光源140Uは、基板Wの上方に位置する。光源140Uが照射位置にある場合、光源140Uは、基板Wの上面Waに向けて紫外線を照射する。光源140Uが退避位置にある場合、光源140Uは、基板Wよりも基板Wの径方向外側に位置する。
【0210】
光源移動部148Uは、アーム148aと、回動軸148bと、移動機構148cとを含む。アーム148aは、略水平方向に沿って延びる。アーム148aの先端部には光源140Uが取り付けられる。アーム148aは、回動軸148bに結合される。回動軸148bは、略鉛直方向に沿って延びる。移動機構148cは、回動軸148bを略鉛直方向に沿った回動軸線のまわりに回動させて、アーム148aを略水平面に沿って回動させる。その結果、光源140Uが略水平面に沿って移動する。例えば、移動機構148cは、回動軸148bを回動軸線のまわりに回動させるアーム揺動モータを含む。アーム揺動モータは、例えば、サーボモータである。
【0211】
次に、
図21を参照して、本実施形態の学習方法において用いられる学習用データLDを説明する。
図21は、学習用データLDの一例を示す図である。
図21の学習用データLDは、
図20に示した基板処理装置100の学習済モデルLMを生成するために好適に用いられる。なお、
図21の学習用データLDは、濃度Lc、温度Ltおよび吐出パターンLeが省略される点を除いて、
図13を参照して上述した学習用データLDと同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0212】
図21に示すように、学習用データLDは、学習用データLD1~LD1000を含む。除電処理条件は、光源からの照射強度、および、紫外線を照射する際の学習対象基板の回転速度を含む。
図17において、Ls1は、学習対象基板WL1に対して用いられた光源からの照射強度を示し、Lv1は、紫外線を照射する際の学習対象基板WL1の回転速度を示す。
【0213】
学習用データLD2~LD1000についても同様である。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。学習用データLDは、学習対象基板WLの除電処理の結果の変動に大きく寄与する項目を有することが好ましい。
【0214】
なお、上述した基板処理装置100では、除電部140は、除電液、除電気体または紫外線を基板Wに付与したが、本実施形態はこれに限定されない。基板保持部120が除電部140として機能することにより、基板Wを除電してもよい。
【0215】
次に、
図22を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図22(a)は、本実施形態の基板処理装置100の模式図であり、
図22(b)は、本実施形態の基板処理装置100における基板保持部120の模式的な平面図である。なお、
図22の基板処理装置100は、基板保持部120が基板Wを除電する点を除いて、上述した基板処理装置100と同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0216】
図22に示した本実施形態の基板処理装置100において、基板保持部120は、スピンベース121と、チャック部材122と、シャフト123と、電動モータ124とを含む。チャック部材122は、スピンベース121に設けられる。チャック部材122は、基板Wをチャックする。スピンベース121には、6個のチャック部材122(すなわち、チャック部材122a~122f)が設けられる。
【0217】
ここでは、チャック部材122は、基板Wの上面Waの端部と当接して基板Wをチャックする。チャック部材122は、スピンベース121内に収容された駆動機構によって周方向に回転するように個別に駆動される。ここでは、チャック部材122が反時計回り方向に回転すると、チャック部材122は、基板Wをチャックする。反対に、チャック部材122が時計回り方向に回転すると、基板Wは、チャック部材122から脱離される。
【0218】
本実施形態の基板処理装置100において、チャック部材122は、導電性材料から形成される。また、スピンベース121の内部には、チャック部材122ごとに分かれた配線121Lが設けられており、シャフト123には、スピンベース121の複数の配線121Lに接続された配線123Lが設けられており、配線123Lの一端は、基板処理装置100のグランドに接続される。
【0219】
このため、チャック部材122が回転して基板Wの上面Waの端部と当接すると、基板Wを除電できる。したがって、基板保持部120は、除電部140として機能する。さらに、6個のチャック部材122a~122fのうちの特定のチャック部材122を回転させて基板Wと当接させると、基板Wの特定の領域の電荷を優先的に基板処理装置100の外部に移動できる。また、除電後に、残りのチャック部材122を回転させて基板Wと当接させることにより、チャック部材122は、基板Wをチャックできる。
【0220】
図22(c)および
図22(d)は、本実施形態の基板処理装置100における基板保持部120の模式的な平面図である。
図22(c)には、帯電分布測定部130において測定された基板Wの帯電分布を併せて示している。
図22(c)に示すように、基板Wのうち上部右側領域端部に電位の低い部分が存在する。その場合、基板Wのうち上部右側領域端部の近傍に位置するチャック部材122aを回転させて基板Wと当接させる一方で、他のチャック部材122b~122fは回転させない。この場合、チャック部材122aおよびチャック部材122aに接続する配線121L、123Lを介して、基板Wの電荷は、基板Wの上部右側領域端部からグランドに緩やかに流れるため、チャック部材122で基板Wをチャックする際の放電の発生を抑制できる。
【0221】
また、
図22(d)に示すように、別の基板Wでは、この基板Wのうち右斜め上領域端部および右斜め下領域端部の2カ所に電位の低い部分が存在する。その場合、基板Wのうち右斜め上領域端部および右斜め下領域端部の近くに位置するチャック部材122a、122cを回転させて基板Wと当接させる一方で、他のチャック部材122b、122d~122fは回転させない。この場合、チャック部材122a、122cおよびチャック部材122a、122cに接続する配線121L、123Lを介して、基板Wの電荷は、基板Wの右斜め上領域端部および右斜め下領域端部からグランドに緩やかに流れるため、チャック部材122で基板Wをチャックする際の放電の発生を抑制できる。
【0222】
次に、
図23を参照して、本実施形態の学習方法において用いられる学習用データLDを説明する。
図23は、学習用データLDの一例を示す図である。
図23の学習用データLDは、
図22に示した基板処理装置100の学習済モデルLMを生成するために好適に用いられる。なお、
図23の学習用データLDは、除電処理条件が回転開始パターンLrを有する点を除いて、
図13を参照して上述した学習用データLDと同様であり、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0223】
図23に示すように、学習用データLDは、学習用データLD1~LD1000を含む。除電処理条件は、チャック回転開始パターンを含む。
【0224】
学習用データLD1は、ある学習対象基板WL1の基板情報、除電処理条件、および、処理結果を示す。ここでは、学習用データLD1において、基板情報は、学習対象基板WL1の帯電分布を示す。また、Lr1は、学習対象基板WL1をチャックする際に最初に回転されたチャック部材のパターンを示す。
【0225】
学習用データLD2~LD1000についても同様である。学習用データLD2~LD1000に示すように、典型的には、学習対象基板WLの帯電分布は、基板ごとに異なる。学習用データLDは、学習対象基板WLの除電処理の結果の変動に大きく寄与する項目を有することが好ましい。
【0226】
なお、
図1~
図23を参照した上述の説明では、基板処理装置100の記憶部24または学習装置400の記憶部424が機械学習によって構築された学習済モデルLMを記憶していたが、本実施形態はこれに限定されない。基板処理装置100の記憶部24または学習装置400の記憶部424は、学習済モデルLMに代えて変換テーブルを記憶していてもよい。
【0227】
次に、
図24を参照して本実施形態の基板処理装置100を説明する。
図24の基板処理装置100は、記憶部24が学習済モデルLMに代えて変換テーブルCTを記憶している点を除いて、
図4を参照して上述した基板処理装置100と同様の構成を有しており、冗長を避けるために重複する記載を省略する。
【0228】
図24に示すように、基板処理装置100において、記憶部24は、変換テーブルCTを記憶する。変換テーブルCTは、処理対象基板Wpの基板情報と、除電処理処条件とを関連付ける。処理対象基板Wpの基板情報は、例えば、基板Wのうちの最低電位値および最低電位位置を含む。なお、変換テーブルCTは、学習対象基板WLの基板情報、除電処理処条件情報および処理結果情報に基づいて作成される。
【0229】
基板情報取得部22aは、帯電分布測定部130において測定された処理対象基板Wpの帯電分布から、処理対象基板Wpの最低電位およびその位置を特定する。
【0230】
除電処理条件情報取得部22bは、変換テーブルCTに基づいて、基板情報から除電処理条件情報を取得する。典型的には、除電処理条件情報取得部22bは、変換テーブルCTから基板情報に対応する値を抽出し、変換テーブルCTにおいて関連付けられた基板情報と除電処理処条件情報との関係に基づいて、除電処理条件情報を取得する。このように、除電処理条件情報取得部22bは、変換テーブルCTを用いて、基板情報に対応する除電処理条件情報を取得する。
【0231】
その後、制御部22は、除電処理条件情報に示された除電処理条件に従って基板保持部120および除電部140を制御する。
【0232】
図25は、変換テーブルCTの一例を示す図である。
図25に示すように、変換テーブルCTは、処理対象基板Wpの基板情報、および、除電処理条件を示す。ここでは、変換テーブルCTにおいて、基板情報は、処理対象基板Wpの帯電分布に関する情報を示す。ここでは、処理対象基板Wpの帯電分布に関する情報は、処理対象基板Wpの最低電位位置および最低電位値を含む。処理対象基板Wpの最低電位位置は、処理対象基板Wpのxy座標で表される。除電処理条件情報は、この処理対象基板Wpに対して行うべき除電処理の条件を示す。
【0233】
変換テーブルCT1は、ある基板情報と対応する除電処理条件を示す。ここでは、変換テーブルCT1において、基板情報は、処理対象基板Wpの最低電位位置および最低電位値を含む。(x1,y1)は、ある処理対象基板Wpの最低電位位置を示す。C1は、ある処理対象基板Wpの最低電位値を示す。Rp1は、この処理対象基板Wpに対して行うべき除電処理の条件を示す。このため、仮に、処理対象基板Wpの最低電位位置が(x1,y1)であり、最低電位値がC1である場合、基板処理装置100は、Rp1で示された除電処理条件で除電処理を行う。
【0234】
変換テーブルCD2~CD1000についても同様である。典型的には、変換テーブルCT1~CD1000について、最低電位位置および最低電位値の少なくとも一方が異なる。
【0235】
なお、帯電分布測定部130において測定された処理対象基板Wpの最低電位値およびその位置が変換テーブルに示された値と一致しない場合、処理対象基板Wpの除電処理条件は、変換テーブルCTに示された除電処理条件の値の線形補間によって決定されてもよい。あるいは、処理対象基板Wpの除電処理条件は、変換テーブルCTに示された除電処理条件の値を多項式で補間することによって決定されてもよい。
【0236】
以上、図面を参照して本発明の実施形態を説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0237】
本発明は、基板処理装置、基板処理方法、学習用データの生成方法、学習方法、学習装置、学習済モデルの生成方法、および、学習済モデルに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0238】
10 基板処理システム
20 制御装置
22 制御部
22a 基板情報取得部
22b 除電処理条件情報取得部
24 記憶部
LM 学習済モデル
100 基板処理装置
130 帯電分布測定部
140 薬液供給部
150 リンス液供給部
200 基板処理学習システム
300 学習用データ生成装置
400 学習装置