(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】灯体構造
(51)【国際特許分類】
F21S 43/31 20180101AFI20231211BHJP
F21S 43/40 20180101ALI20231211BHJP
F21S 43/37 20180101ALI20231211BHJP
F21S 43/14 20180101ALI20231211BHJP
F21S 43/239 20180101ALI20231211BHJP
F21S 43/245 20180101ALI20231211BHJP
F21S 43/247 20180101ALI20231211BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20231211BHJP
F21Y 115/15 20160101ALN20231211BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20231211BHJP
F21W 103/00 20180101ALN20231211BHJP
F21W 103/10 20180101ALN20231211BHJP
F21W 103/20 20180101ALN20231211BHJP
F21W 103/35 20180101ALN20231211BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20231211BHJP
F21W 105/00 20180101ALN20231211BHJP
【FI】
F21S43/31
F21S43/40
F21S43/37
F21S43/14
F21S43/239
F21S43/245
F21S43/247
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y101:00 100
F21Y101:00 300
F21W103:00
F21W103:10
F21W103:20
F21W103:35
F21W103:45
F21W105:00
(21)【出願番号】P 2020090621
(22)【出願日】2020-05-25
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩尾 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中島 大介
(72)【発明者】
【氏名】大久保 博哉
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-191412(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136416(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/158889(WO,A1)
【文献】特開2016-054081(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/31
F21S 43/40
F21S 43/37
F21S 43/14
F21S 43/239
F21S 43/245
F21S 43/247
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 101/00
F21W 103/00
F21W 103/10
F21W 103/20
F21W 103/35
F21W 103/45
F21W 105/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車内外方向に面し、光源からの光を散乱させる
光散乱部を有する導光板としての板状のインナレンズと、
前記インナレンズよりも車内側に位置して前記インナレンズからの光を反射するリフレクタと、を有し、
前記リフレクタは、車内外方向に交差するように
前記インナレンズの後面に沿って配置される第一面と、
前記第一面の上端から上方に延びるほど前記インナレンズから徐々に離れるように前記第一面と所定角度をなして接続される第二面と、を有する
とともに、前記第一面及び前記第二面が前記インナレンズと車内外方向で
対向するように配置されていることを特徴とする灯体構造。
【請求項2】
前記第二面は、前記第一面よりも反射率が高いことを特徴とする請求項1に記載の灯体構造。
【請求項3】
前記インナレンズは板状であり、前記第一面
の寸法と前記第二面
の寸法とは、略同じ長さであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の灯体構造。
【請求項4】
前記光散乱部は、車幅方向中央に向かうほど、それぞれの横幅が徐々に小さくなる複数の光散乱部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の灯体構造。
【請求項5】
前記光散乱部は、車幅方向中央に向かうほど、隣接間隔が徐々に狭くなる複数の光散乱部が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の灯体構造。
【請求項6】
前記リフレクタにおける前記第一面及び前記第二面のなす前記所定角度が、前記リフレクタの長手方向に漸増又は漸減することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の灯体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、灯体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、灯体構造としては、車両前部に設けられる車幅灯であって、車外側から順番に、透光カバーと、光散乱部を有する導光板と、複数のシリンドリカルミラーからなるリフレクタとを有するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この車幅灯は、透光カバーに対向する側の導光板の面部全体にわたって、微小な逆円錐状の窪みからなる多数の点刻が縦横等間隔に形成されている。この車幅灯においては、導光板の側端部に配置された光源から導光板の内部に光が照射される。この光は、導光板の内部を面方向に進むとともに、一部の光は、それぞれの点刻の円錐斜面にて後方に向けて乱反射する。そして、後方への散乱光は、複数のシリンドリカルミラー(リフレクタ)にて前方に向けて反射される。これにより車幅灯は、光源から照射された光によって、導光板を面発光させるとともに、複数のシリンドリカルミラーのそれぞれで、奥行き感の異なる複数の点刻の虚像を映し出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の車幅灯(例えば、特許文献1参照)は、横並びに複数設けられたシリンドリカルミラーごとに映し出される複数の点刻の虚像の遠近感によって、ユーザが車幅灯の奥行きを感じ取るものであって、車幅灯の光り方自体に奥行きを感じるものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、光り方の奥行き感を十分に演出することができる灯体構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決する本発明の灯体構造は、車内外方向に面し、光源からの光を散乱させる光散乱部を有する導光板としての板状のインナレンズと、前記インナレンズよりも車内側に位置して前記インナレンズからの光を反射するリフレクタと、を有し、前記リフレクタは、車内外方向に交差するように前記インナレンズの後面に沿って配置される第一面と、前記第一面の上端から上方に延びるほど前記インナレンズから徐々に離れるように前記第一面と所定角度をなして接続される第二面と、を有するとともに、前記第一面及び前記第二面が前記インナレンズと車内外方向で対向するように配置されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、光り方の奥行き感を十分に演出することができる灯体構造を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態の灯体構造の構成説明図であり、車体後部に配置された灯体構造について後方から見た様子を模式的に表した後面図である。
【
図2】
図1の矢示II方向から見た灯体構造の様子を模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
次に、本発明を実施する形態(本実施形態)の灯体構造について詳細に説明する。
本実施形態の灯体構造は、リフレクタの反射面が、車内外方向に交差するように配置される第一面と、上下方向に交差するように配置されて前記第一面と所定角度をなして接続される第二面とによって形成されていることを主な特徴とする。
以下では、車体後部の左右両側にそれぞれ配置される一対の灯体構造のうち、左側に配置される灯体構造を例にとって説明する。なお、この左側の灯体構造と車体中心線に対して線対称となる右側の灯体構造についてはその説明を省略する。
【0010】
図1は、車体後部左側に配置された本実施形態の灯体構造1について後方から見た様子を模式的に表した後面図である。
なお、以下の説明において、前後上下左右の方向は、この灯体構造1を備える車両の前後上下左右の方向に一致させている。
【0011】
図1に示すように、本実施形態の灯体構造1は、アウタレンズ2が主に後面視での外形を形成している。
本実施形態の灯体構造1は、後面視で概ね、車幅方向の外側(
図1の紙面左側)、つまり車体左側面側で上下幅が広く、車幅方向の内側(
図1の紙面右側)で上下幅が狭くなっている。
【0012】
図2は、
図1の矢示II方向から見た灯体構造1の様子を模式的に示す上面図である。
図2に示すように、本実施形態の灯体構造1は、上面視で、車体後部左側における角部に跨って配置されている。具体的には、灯体構造1の車外側に臨む外形は、車体前後方向に沿って延びる左側の側面部11からなだらかな円弧部12を介して後面部13へと続くように形成されている。
【0013】
そして、灯体構造1における車幅方向(左右方向)の内側の端部14は、車種に応じて車体後部に配置される後部ドア、トランクリッドなどの可動部16よりも車幅方向外側に位置している。つまり、灯体構造1は、車体本体15側から可動部16側に跨らずに、車体本体15側のみに配置されている。
【0014】
本実施形態の灯体構造1は、いわゆるリアコンビネーションランプを想定している。
具体的には、灯体構造1は、
図1に示すように、方向指示器/非常点滅表示灯17を有する発光領域Aと、後退灯18を有する発光領域Bと、制動灯/尾灯19を有する発光領域Cと、を有している。
なお、
図1中、発光領域A,B,Cは作図の便宜上、仮想線(一点鎖線)にて区画している。また、
図1中、アウタレンズ2の内側(車内側)に配置される方向指示器/非常点滅表示灯17及び後退灯18、並びに制動灯/尾灯19を構成する光源5、インナレンズ3及び光散乱部6は、隠れ線(点線)にて表している。
【0015】
灯体構造1の発光領域A及び発光領域Bは、
図1に示す後面視で、灯体構造1の上側で互いに車幅方向に並ぶように配置されている。具体的には、方向指示器/非常点滅表示灯17が車幅方向外側(
図1の紙面左側)に配置され、後退灯18が車幅方向内側(
図1の紙面右側)に配置されている。そして、本実施形態での方向指示器/非常点滅表示灯17と、後退灯18とは、車幅方向に同一直線上に並ぶように配置されている。
なお、方向指示器/非常点滅表示灯17は、特許請求の範囲にいう「ターンライト」に対応し、後退灯18は、特許請求の範囲にいう「バックランプ」に対応する。
【0016】
発光領域Cは、
図1に示すように、発光領域A及び発光領域Bの下側で、灯体構造1の車幅方向の全体にわたって設定されている。
この発光領域Cを形成する制動灯/尾灯19について説明する。
図3Aは、
図2のIIIA-IIIA断面図である。
図3Bは、
図2のIIIB-IIIB断面図である。
図3Cは、
図2のIIIC-IIIC断面図である。
【0017】
図2に示すように、IIIA-IIIA断面、IIIB-IIIB断面、及びIIIC-IIIC断面のそれぞれは、灯体構造1の車内外方向に沿う断面を表している。
具体的には、
図2に示す灯体構造1の上面視で、IIIA-IIIA断面は、灯体構造1の側面部11における接線Tに直交する断面であり、IIIB-IIIB断面は、円弧部12における接線Tに直交する断面であり、IIIC-IIIC断面は、後面部13における接線Tに直交する断面である。
【0018】
図3Aから
図3Cに示すように、灯体構造1は、車外側に開口を有するランプハウジング7と、ランプハウジング7の開口を塞ぐように配置されるアウタレンズ2と、を備えている。ランプハウジング7とアウタレンズ2とによって灯具外筐8が構成されている。
そして、灯具外筐8の内部空間に灯室9が形成されている。
【0019】
図3Aから
図3Cに示すように、灯体構造1を構成する制動灯/尾灯19は、車外側から車内側に向けて、アウタレンズ2と、光源5(
図1参照)と光散乱部6(
図1参照)とを有するインナレンズ3と、リフレクタ4と、をこの順番に備えている。
アウタレンズ2は、インナレンズ3の外側を覆う光透過性の合成樹脂製カバー部材である。
アウタレンズ2の外縁部は、ランプハウジング7の開口を形成する外縁部に対してシール部材(図示省略)を介して取り付けられている。
このようなアウタレンズ2は、灯体構造1の車外側でその外形を形成するように、側面部11(
図2参照)から円弧部12(
図2参照)を介して後面部13(
図2参照)へと続く、なだらかなカーブを描くように延びている。
なお、
図3Aから
図3Cにおいては、図示を省略するが、灯室9内で制動灯/尾灯19の上側に配置されることとなる方向指示器/非常点滅表示灯17(
図1参照)及び後退灯18(
図1参照)についてもこのアウタレンズ2を介して光を照射することとなる。
【0020】
図3Aから
図3Cに示すように、インナレンズ3は、アウタレンズ2の直ぐ車内側に配置されている。このようなインナレンズ3は、光透過性の合成樹脂で形成されている。
図1に示すように、インナレンズ3は、発光領域Cに対応するように、灯体構造1の車幅方向に延在している。
つまり、インナレンズ3は、アウタレンズ2の車内側で、側面部11(
図2参照)から円弧部12(
図2参照)を介して後面部13(
図2参照)へと続くようになだらかなカーブを描いて延びている。
【0021】
また、インナレンズ3は、
図1、及び
図3Aから
図3Cに示すように、側面部11(
図2参照)から後面部13(
図2参照)にわたって、上下幅が略同じ長さに設定されている。
このようなインナレンズ3は、光源5(
図1参照)から照射される光の導光板として機能する。つまり、光源5(
図1参照)から照射される光は、側面部11(
図2参照)側のインナレンズ3の端縁(車体前後方向の前端部)から入射した後、インナレンズ3内を内面反射しながら側面部11(
図2参照)側から後面部13(
図2参照)側へと導かれる。
【0022】
本実施形態での光源5(
図1参照)は、発光ダイオード、有機発光ダイオードなどを想定しているが、電球、放電灯などであっても構わない。
なお、
図1に示す光源5は、模式的に示しており、その数、大きさなどは、実際のものと異なっている。ちなみに、本実施形態での光源5は、インナレンズ3の側面部11(
図2参照)側の端縁において、上下方向に複数並ぶように配置されている。
【0023】
また、インナレンズ3(
図1参照)には、複数の光散乱部6(
図1参照)が設けられている。この光散乱部6は、インナレンズ3の車内側の面部及び車外側の面部のうちの少なくとも一方の面部に形成されている。
本実施形態での光散乱部6は、光源5(
図1参照)からの光が、インナレンズ3(
図1参照)によって側面部11(
図2参照)側から後面部13(
図2参照)側へと導かれる際に、この光の一部を散乱させる。
【0024】
そして、光散乱部6(
図1参照)は、光源5(
図1参照)からの光を散乱させることで、ユーザがアウタレンズ2(
図1参照)側からインナレンズ3(
図1参照)を見た際に、インナレンズ3が面発光しているかのように見せる。
また、光散乱部6(
図1参照)は、光源5(
図1参照)からの光の一部を、後記するリフレクタ4(
図3Aから
図3C)側へも散乱させる。
【0025】
このような光散乱部6(
図1参照)は、インナレンズ3(
図1参照)の表面に、シボ加工やスジ加工などを所定面積にて施して形成することができるが、光源5(
図1参照)からの光を散乱させることができればこれに限定されるものではない。ちなみに、本実施形態での光散乱部6(
図1参照)は、略矩形の平面形状でシボ加工やスジ加工などを施したものを想定している。ただし、光散乱部6(
図1参照)の平面形状は、これに限定されるものではなく、例えば、円形、楕円形、矩形以外の多角形、不定形などの様々な形状とすることができる。
【0026】
本実施形態での光散乱部6は、
図1に示すように、車幅方向の外側から内側へと(
図2に示す側面部11側から後面部13側へと)、インナレンズ3(
図2参照)の長手方向に沿って複数並ぶように形成されている。
そして、光散乱部6は、車幅方向中央(
図1の紙面右側)に向かうほど、それぞれの横幅6aが徐々に小さくなっている。
また、光散乱部6の隣接間隔6bは、車幅方向中央に向かうほど徐々に狭くなっている。
【0027】
次に、本実施形態でのリフレクタ4(
図3Aから
図3C参照)について説明する。
このリフレクタ4は、インナレンズ3(
図1参照)に設けられた光散乱部6(
図1参照)からの散乱光をインナレンズ3側に向けて反射するように機能する。
【0028】
本実施形態でのリフレクタ4は、
図3Aから
図3Cに示すように、インナレンズ3の車内側で、側面部11(
図2参照)から円弧部12(
図2参照)を介して後面部13(
図2参照)へと続くようになだらかなカーブを描くように延びている。
そして、リフレクタ4は、
図3Aから
図3Cに示す車内外方向に沿う断面視で、車内外方向に交差するように配置される第一面4aと、上下方向に交差するように配置されて第一面4aと所定角度θ
Xをなして接続される第二面4bと、からなる反射面を有している。
【0029】
このようなリフレクタ4は、具体的には、インナレンズ3に沿って上下方向に延びる第一面4aと、第一面4aの上端から上方に延びるほどインナレンズ3から徐々に離れるように、言い換えれば車内側に徐々に変位する第二面4bと、を備えることとなる。
なお、本実施形態での第一面4aは、インナレンズ3と平行に延びるものを想定しているが、後記するように、第一面4aと第二面4bとのそれぞれが、インナレンズ3と対向していれば、必ずしもインナレンズ3と平行でなくてもよい。
【0030】
図3Aから
図3Cに示す所定角度θ
Xは、第一面4aと第二面4bとがなす狭角側の値であり、反射面としての第一面4aと第二面4bとは、2π-θ
X(ラジアン)で開いている。ちなみに、本実施形態での角度θ
Xは、π/2(ラジアン)を超えるものを想定しているが、第一面4aと第二面4bとのそれぞれが、インナレンズ3と対向する位置関係にあれば、これに限定されるものではない。
【0031】
本実施形態での所定角度θ
Xは、変数となっている。
具体的には、
図2に示す側面部11及び後面部13において略直線的に延びるリフレクタ4(
図3A及び
図3C参照)は、第一面4a(
図3A及び
図3C参照)と第二面4b(
図3A及び
図3C参照)とが一定角度θ
X(
図3A及び
図3C参照)をなしている。これに対して
図2に示す円弧部12においてカーブを描いて延びるリフレクタ4(
図3B参照)は、
図2に示す側面部11及び後面部13での一定角度θ
X(
図3A及び
図3C参照)よりも開いた角度θ
X(
図3B参照)となっている。ちなみに、本実施形態における側面部11(
図2参照)の角度θ
X(
図3A参照)と、後面部13(
図2参照)の角度θ
X(
図3C参照)とは、互いに略等しくなるように設定されている。
なお、
図3Aから
図3Cに示す所定角度θ
Xは、
図2に示す側面部11から後面部13にわたって、
図2に示す円弧部12にて最も大きくなるように、リフレクタ4(
図3Aから
図3C参照)の長手方向に、漸増、漸減する構成とすることもできる。
【0032】
このような本実施形態でのリフレクタ4(
図3Aから
図3C参照)は、
図2に示す側面部11から後面部13にわたって、第一面4aの上下方向寸法S1(
図3A参照)と第二面4bの車内外方向寸法S2(
図3A参照)とが、略同じ長さとなるように設定されている。
【0033】
また、リフレクタ4(
図3Aから
図3C参照)は、第二面4bが第一面4aよりも反射率が高くなるように設定されている。第一面4aよりも第二面4bの反射率を高くする方法としては、特に制限はなく、例えばリフレクタ4の反射面自体の表面平滑度を調節する方法、増反射膜(HRコーティング:High Reflection Coating)を施す方法等の公知の方法を使用することができる。
【0034】
次に、本実施形態に係る灯体構造1の奏する作用効果について説明する。
従来の車幅灯(例えば、特許文献1参照)は、リフレクタに映し出される複数の虚像の遠近感によってユーザが車幅灯における映り方の奥行きを感じるものであって、車幅灯の光り方自体に奥行きを感じるものではなかった。
これに対して、本実施形態の灯体構造1のリフレクタ4は、車内外方向に交差するように配置される第一面4aと、上下方向に交差するように配置されて第一面4aと所定角度をなして接続される第二面4bと、を有している。
このような灯体構造1によれば、第一面4aと第二面4bとのそれぞれから反射される光によって光り方が異なって見えるので、光り方の奥行き感を十分に演出することができる。
【0035】
また、本実施形態の灯体構造1のリフレクタ4は、第二面4bが第一面4aよりも反射率が高くなっている。
このような灯体構造1によれば、光り方に、より奥行きがあるように見せることができ、アウタレンズ2を介しての見え方について立体感を効果的に演出することができる。
【0036】
また、本実施形態の灯体構造1においては、第一面4aの上下方向寸法S1と、第二面4bの車内外方向寸法S2とが、略同じ長さとなるように設定されている。
このような灯体構造1によれば、見る人の目線の位置に左右されることなく、奥行き感を演出することができる。
【0037】
また、本実施形態の灯体構造1の車幅方向中央に向かうほど、それぞれの横幅6aが徐々に小さくなる複数の光散乱部6が形成されている。
このような灯体構造1によれば、車幅方向中央側でインナレンズ3が小さく鋭くなることを見る人が直感的に理解でき、灯体構造1の意匠性がより高められるとともに、制動灯/尾灯19の視認性が一段と向上する。
【0038】
また、本実施形態の灯体構造1のインナレンズ3には、車幅方向中央に向かうほど、隣接間隔6bが徐々に狭くなる複数の光散乱部6が形成されている。
このような灯体構造1によれば、車幅方向中央側でインナレンズ3が小さく鋭くなることを見る人が直感的に理解でき、灯体構造1の意匠性がより高められるとともに、制動灯/尾灯19の視認性が一段と向上する。
【0039】
また、本実施形態の灯体構造1においては、その全体が、車体本体15側に設けられている。つまり、灯体構造1は、車体本体15側から可動部16側に跨らずに、車体本体15側のみに配置されている。
このような灯体構造1によれば、灯体構造1が車体本体15側と可動部16側とで分割されている場合に比べ、余計な見切りが生じない。また、このような灯体構造1によれば、灯体構造1に対する配線が車体本体15側に集約されて製造コストを低減することができる。
【0040】
また、本実施形態の灯体構造1においては、方向指示器/非常点滅表示灯17(ターンライト)と、後退灯18(バックランプ)とは、車幅方向に同一直線上に配置されている。
このような灯体構造1によれば、外観の意匠性がより高められるとともに、方向指示器/非常点滅表示灯17と後退灯18との視認性が一段と向上する。
【0041】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態の灯体構造1は、いわゆるリアコンビネーションランプを想定しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、フロントコンビネーションランプやその他の灯具に適用することもできる。
【符号の説明】
【0042】
1 灯体構造
2 アウタレンズ
3 インナレンズ
4 リフレクタ
4a リフレクタの第一面
4b リフレクタの第二面
5 光源
6 光散乱部
6a 光散乱部の横幅
6b 光散乱部の隣接間隔
7 ランプハウジング
8 灯具外筐
9 灯室
11 側面部
12 円弧部
13 後面部
14 端部
15 車体本体
16 可動部
17 方向指示器/非常点滅表示灯(ターンライト)
18 後退灯(バックランプ)
19 制動灯/尾灯
S1 リフレクタの第一面における上下方向寸法
S2 リフレクタの第二面における車内外方向寸法
T 接線
θX リフレクタの第一面と第一面とがなす所定角度