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特許7399790エントリー支援システム、エントリー支援方法、及びエントリー支援プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】エントリー支援システム、エントリー支援方法、及びエントリー支援プログラム
(51)【国際特許分類】
   G07C 9/37 20200101AFI20231211BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20231211BHJP
   B60R 16/037 20060101ALI20231211BHJP
   E05F 15/70 20150101ALI20231211BHJP
   G08B 21/00 20060101ALI20231211BHJP
   G08B 13/196 20060101ALI20231211BHJP
   B60R 25/31 20130101ALN20231211BHJP
【FI】
G07C9/37
E05B49/00 R
B60R16/037
E05F15/70
G08B21/00 U
G08B13/196
B60R25/31
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020092477
(22)【出願日】2020-05-27
(65)【公開番号】P2021189612
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2022-11-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】茂呂澤 亮
(72)【発明者】
【氏名】劉 海嵩
(72)【発明者】
【氏名】中島 章
(72)【発明者】
【氏名】大熊 顕至
(72)【発明者】
【氏名】丸山 弘明
(72)【発明者】
【氏名】松尾 祥和
(72)【発明者】
【氏名】東 嵩士
(72)【発明者】
【氏名】山口 文彰
【審査官】中村 泰二郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/037954(WO,A1)
【文献】特開2010-282332(JP,A)
【文献】特開2019-137079(JP,A)
【文献】特開2011-210125(JP,A)
【文献】特開2018-040162(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105389490(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07C 9/00- 9/38
E05B 49/00
B60R 11/00-11/06,
16/00-16/08,
25/00-99/00
H04N 7/18
E05F 15/00-15/79
G08B 13/00-15/02,
19/00-21/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両への外部所在者のエントリーを支援するエントリー支援システムであって、
前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識部と、
前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識部と、
前記内部利用者認識部により前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知部と、
前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可部と、
前記外部所在者が、前記車両のメモリに識別情報が保存された登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証部と、を備え、
前記エントリー許可部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときには、前記所定報知が実行された時点から、前記内部利用者による前記操作部に対する前記車両へのエントリーの許可操作がなされることなく、所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行する
エントリー支援システム。
【請求項2】
前記外部所在者の顔画像を取得する外部所在者画像取得部を備え、
前記報知部は前記内部利用者により視認される表示部であり、
前記外部所在者報知部は、前記所定報知として、前記表示部に前記外部所在者の顔画像を表示する処理を実行する
請求項1に記載のエントリー支援システム。
【請求項3】
前記外部所在者報知部は、前記外部所在者認識部により複数の前記外部所在者が認識され、且つ、前記登録利用者認証部により、いずれの前記外部所在者も前記登録利用者ではないと判断された場合は、前記所定報知を禁止する
請求項1又は請求項2に記載のエントリー支援システム。
【請求項4】
前記外部所在者報知部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときは、第1報知態様の前記所定報知を実行し、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者ではないと判断されたときには、前記第1報知態様と異なる第2報知態様の前記所定報知を実行する
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載のエントリー支援システム。
【請求項5】
前記車両の座席の使用状況を認識する座席使用状況認識部と、
前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識されたときに、前記座席使用状況認識部による前記車両の座席の使用状況の認識結果に基づいて、使用中の座席を第1表示態様で示すと共に空いている座席を前記第1表示態様と異なる第2表示態様で示す座席使用状況画面を、前記内部利用者により視認される表示部に表示させる座席使用状況報知部と、
を備える請求項1から請求項のうちいずれか1項に記載のエントリー支援システム。
【請求項6】
車両への外部所在者のエントリーを支援するために、コンピュータにより実行されるエントリー支援方法であって、
前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識ステップと、
前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識ステップと、
前記内部利用者認識ステップにより前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識ステップにより前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知ステップと、
前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可ステップと、
前記外部所在者が、前記車両のメモリに識別情報が保存された登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証ステップと、を含み、
前記エントリー許可ステップは、前記登録利用者認証ステップにより前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときには、前記所定報知が実行された時点から、前記内部利用者による前記操作部に対する前記車両へのエントリーの許可操作がなされることなく、所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行する
エントリー支援方法。
【請求項7】
車両への外部所在者のエントリーを支援するためにコンピュータを、
前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識部と、
前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識部と、
前記内部利用者認識部により前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知部と、
前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可部と、
前記外部所在者が、前記車両のメモリに識別情報が保存された登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証部と、して機能させ、
前記エントリー許可部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときには、前記所定報知が実行された時点から、前記内部利用者による前記操作部に対する前記車両へのエントリーの許可操作がなされることなく、所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行する
エントリー支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エントリー支援システム、エントリー支援方法、及びエントリー支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カメラによる車両周囲の撮影画像により、車両に接近する対象者の個人認証を行って車両へのエントリーを許可するエントリーシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。上記エントリーシステムは、車両に接近した対象者の画像から認識した対象者の虹彩データと、予め登録された利用者の虹彩データとの一致度に応じて、対象者が利用者であるか否かを識別する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-138817号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記エントリーシステムによれば、車両に近づいた外部所在者が予め登録された利用者であると識別された時に、外部利用者による車両へのエントリーが許可される。そのため、車両に乗車している内部利用者が外部所在者に気づいていない場合には、車両に急に乗車してきた外部所在者が内部利用者を驚かせてしまうおそれがる。
本発明のかかる背景に鑑みてなされたものであり、車両に乗車している内部利用者を驚かせることを防止して、外部所在者による車両へのエントリーを支援することができるエントリー支援システム、エントリー支援方法、及びエントリー支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、車両への外部所在者のエントリーを支援するエントリー支援システムであって、前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識部と、前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識部と、前記内部利用者認識部により前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知部と、前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可部と、前記外部所在者が、前記車両のメモリに識別情報が保存された登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証部と、を備え、前記エントリー許可部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときには、前記所定報知が実行された時点から、前記内部利用者による前記操作部に対する前記車両へのエントリーの許可操作がなされることなく、所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行するエントリー支援システムが挙げられる。
【0006】
上記エントリー支援システムにおいて、前記外部所在者の顔画像を取得する外部所在者顔画像取得部を備え、前記報知部は前記内部利用者により視認される表示部であり、前記外部所在者報知部は、前記所定報知として、前記表示部に前記外部所在者の顔画像を表示する処理を実行する構成としてもよい。
【0008】
上記エントリー支援システムにおいて、前記外部所在者報知部は、前記外部所在者認識部により複数の前記外部所在者が認識され、且つ、前記登録利用者認証部により、いずれの前記外部所在者も前記登録利用者ではないと判断された場合は、前記所定報知を禁止する構成としてもよい。
【0009】
上記エントリー支援システムにおいて、前記外部所在者報知部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときは、第1報知態様の前記所定報知を実行し、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者ではないと判断されたときには、前記第1報知態様と異なる第2報知態様の前記所定報知を実行する構成としてもよい。
【0010】
上記エントリー支援システムにおいて、前記車両の座席の使用状況を認識する座席使用状況認識部と、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識されたときに、前記座席使用状況認識部による前記車両の座席の使用状況の認識結果に基づいて、使用中の座席を第1表示態様で示すと共に空いている座席を前記第1表示態様と異なる第2表示態様で示す座席使用状況画面を、前記内部利用者により視認される表示部に表示させる座席使用状況報知部と、を備える構成としてもよい。
【0011】
上記目的を達成するための第2態様として、車両への外部所在者のエントリーを支援するために、コンピュータにより実行されるエントリー支援方法であって、前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識ステップと、前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識ステップと、前記内部利用者認識ステップにより前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識ステップにより前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知ステップと、前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可ステップと、前記外部所在者が、前記車両のメモリに識別情報が保存された登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証ステップと、を含み、前記エントリー許可ステップは、前記登録利用者認証ステップにより前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときには、前記所定報知が実行された時点から、前記内部利用者による前記操作部に対する前記車両へのエントリーの許可操作がなされることなく、所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行するエントリー支援方法が挙げられる。
【0012】
上記目的を達成するための第3態様として、車両への外部所在者のエントリーを支援するためにコンピュータを、前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識部と、前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識部と、前記内部利用者認識部により前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知部と、前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可部と、前記外部所在者が、前記車両のメモリに識別情報が保存された登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証部と、して機能させ、前記エントリー許可部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときには、前記所定報知が実行された時点から、前記内部利用者による前記操作部に対する前記車両へのエントリーの許可操作がなされることなく、所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行するエントリー支援プログラムが挙げられる。
【発明の効果】
【0013】
上記エントリー支援システムによれば、車両に内部利用者が乗車している状態で、外部所在者が車両に近づいたときに、外所在者報知部により所定報知がなされ、内部利用者が車両へのエントリーの許可操作を行った場合に、エントリー許可部によりエントリー許可処理が実行される。これにより、内部利用者が外部所在者に気づいていない場合に、外部所在者が車両に急に乗り込んできて、内部利用者を驚かせてしまうことを防止して、外部所在者による車両へのエントリーを支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、エントリー支援システムによる車両へのエントリーの支援態様の説明図である。
図2図2は、エントリー支援システムが搭載された車両の構成図である。
図3図3は、エントリー支援システムの構成図である。
図4図4は、エントリー支援処理の第1フローチャートである。
図5図5は、エントリー支援処理の第2フローチャートである。
図6図6は、エントリー支援処理の第3フローチャートである。
図7図7は、外部所在者報知画面の第1の表示例の説明図である。
図8図8は、外部所在者報知画面の第2の表示例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
[1.エントリー支援システムによる車両へのエントリーの支援態様]
図1を参照して、車両1に搭載されたECU(Electronic Control Unit)9により実行される、車両1へのエントリーの支援態様について説明する。ECU9は、本発明のエントリー支援システムの機能を含んでいる。
【0016】
ECU9は、外部所在者が車両1に近づいたときに、車両1に乗車している内部利用者に報知を行った上で、外部所在者の車両1へのエントリーを支援する。図1では、停車している車両1に内部利用者U,Vが乗車し、外部所在者Fが車両1に近づいている状況を示している。
【0017】
車両1には、ECU9の他に、タッチパネル31、通信ユニット120、及びナビゲーション装置130が備えられている。ECU9は、通信ユニット120により、通信ネットワーク500を介して、利用者DB(Data Base、データベース)310を備えた利用者情報サーバー300との間で通信を行う。また、ECU9は、内部利用者Uにより使用される利用者端末200(スマートフォン、携帯電話等)との間で、直接、或いは通信ネットワーク500を介して通信を行う。
【0018】
なお、後述するように、エントリー支援システムの全部又は一部を、通信ネットワーク500を介して車両1との間で通信を行うエントリー支援サーバー400、或いは利用者端末200によって構成してもよい。
【0019】
利用者DB310には、車両1を利用するための所定登録を行った登録利用者の情報である登録利用者情報Rgが記録されている。登録利用者情報Rgには、登録利用者の識別情報が含まれる。本実施形態では、登録利用者の識別情報として登録利用者の顔画像が使用される。登録利用者は、例えば、車両1の所有者、車両1の所有者の家族等である。
【0020】
ECU9は、車両1に備えられて車両1の周囲を撮影する車外カメラ(詳細は後述する)の撮影画像から、車両1の付近に所在する外部所在者Fを認識したときに、タッチパネル31に外部所在者報知画面を表示する。外部所在者報知画面には、外部所在者Fの顔画像が表示され、内部利用者Uは、外部所在者確認画面を視認することで、外部所在者Fが車両1に近づいてきたことを認識することができる。
【0021】
そして、内部利用者Uは、外部所在者Fの顔画像を見て、外部所在者Fに対して車両1へのエントリーを許可するか否かを判断し、エントリーを許可する場合は、タッチパネル31によるエントリーの許可操作を行う。ECU9は、エントリーの許可操作に応じて、車両1のパワードア(詳細は後述する)を開動作させ、これにより、外部所在者Fは、車両1に乗車することができる。
【0022】
また、ECU9は、利用者情報サーバー300の利用者DB310から取得した登録利用者情報Rgに含まれる登録利用者の顔画像に基づいて、外部所在者Fが車両1の利用登録を行った登録利用者であるか否かを判断する。そして、ECU9は、外部所在者Fが登録利用者であったときは、登録利用者の特定情報(氏名、利用者Uとの関係等)を外部所在者確認画面に表示して、外部所在者Fが登録利用者であることを内部利用者Uに報知する。
【0023】
[2.車両の構成]
図2を参照して、エントリー支援システムの機能を含むECU9が搭載された車両1の構成について説明する。車両1は、乗車定員6名の乗用車であり、運転席7a、助手席7b、2列目右席7c、2列目左席7d、3列目右席7e、及び3列目左席7fを備えている。各席7a~7fには、図示しないシートベルトの装着の有無を検知するシートベルトスイッチ74a~74fが設けられている。以下では、2列目右席7cと2列目左席7dをまとめて2列目席とも称し、また、3列目右席7eと3列目左席7fをまとめて3列目席とも称する。運転席7aには内部利用者Uが着座し、2列目左席7dには内部利用者Vが着座している。
【0024】
車両1は、右パワーヒンジドア2、左パワーヒンジドア3、右パワースライドドア4、左パワースライドドア5、及びパワーテールゲート6を備えている。以下では、右パワーヒンジドア2、左パワーヒンジドア3、右パワースライドドア4、及び左パワースライドドア5をパワードアとも称する。右パワースライドドア4と左パワースライドドア5は、2列目席と3列目席に対応したパワードアである。
【0025】
右パワーヒンジドア2のドアノブには、ドアタッチセンサ101が設けられており、車両1の携帯鍵(図示しない)を所持した内部利用者U等は、ドアタッチセンサ101に触れることによって、車両1のドア2~6を解錠することができる。
【0026】
右パワーヒンジドア2は、電動アクチュエータ(図示しない)により右パワーヒンジドア2を開閉駆動する右PHD(Power Hinge Door)駆動部41を備え、左パワーヒンジドア3は、電動アクチュエータにより左パワーヒンジドア3を開閉駆動する左PHD駆動部51を備えている。右パワースライドドア4は、電動アクチュエータにより右パワースライドドア4を開閉駆動する右PSD(Power Slide Door)駆動部42を備え、左パワースライドドア5は、電動アクチュエータにより左パワースライドドア5を開閉駆動する左PSD駆動部52を備えている。パワーテールゲート6は、電動アクチュエータによりパワーテールゲート6を開閉駆動するPTG(Power Tail Gate)駆動部61を備えている。
【0027】
車両1の前部には車両1の前方を撮影するフロントカメラ30が設けられ、車両1の後部には車両1の後方を撮影するリアカメラ60が設けられている。車両1の右側部には車両1の右側方を撮影する右サイドカメラ40が設けられ、車両1の左側部には車両1の左側方を撮影する左サイドカメラ50が設けられている。フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、及びリアカメラ60は、車両1の周囲を撮影する車外カメラである。
【0028】
車室のダッシュボードには、運転席7a及び助手席7bに着座している利用者を撮影する前席カメラ70、表示器31、及びスピーカー32が設けられている。車室の天井には、2列目右席7c、2列目左席7d、3列目右席7e、及び3列目左席7fに着座している利用者を撮影する後席カメラ71が設けられている。
【0029】
各ドア2~5にはドアの開閉を検知するドアスイッチ75a~75dが設けられている。パワーテールゲート6にも、パワーテールゲート6の開閉を検知するドアスイッチ75eが設けられている。さらに、運転席7aの付近には、車両1の電源のオン及びオフを指示するための電源スイッチ72と、シフトレバー73のシフト位置を検知するシフトスイッチ73aが備えられている。
【0030】
さらに、車両1は、各ドア2~5及びパワーテールゲート6を施錠するドアロック機構100a~100e、利用者端末200、利用者情報サーバー300等との間で通信を行う通信ユニット120、及びナビゲーション装置130を備えている。ナビゲーション装置130は、図示しないGPS(Global Positioning System)センサと地図データを有し、GPSセンサにより検出される車両1の位置と地図データとに基づいて、目的地までのルート案内等を実行する。
【0031】
[3.エントリー支援システムの構成]
図3を参照して、ECU9の機能として構成されるエントリー支援システムについて説明する。ECU9は、CPU(Central Processing Unit)10、メモリ20、図示しないインターフェース回路等により構成されて、車両1の作動を制御する。CPU10は、本発明のコンピュータに相当する。メモリ20には、登録利用者情報Rgと、エントリー支援プログラム21とが保存されている。
【0032】
登録利用者情報Rgは、図1を参照して上述したように利用者DB310から取得される。登録利用者情報Rgには、登録利用者の識別情報である登録利用者の顔画像が含まれる。なお、登録利用者情報Rgは、登録利用者により使用される通信端末からECU9に送信してもよく、或いは、登録利用者情報Rgが記録されたメモリカード等の記録媒体からECU9に読み込ませてもよい。
【0033】
エントリー支援プログラム21は、ECU9により記録媒体150(光ディスク、フラッシュメモリ等)から読み込まれてメモリ20に保存されてもよい。また、エントリー支援プログラム21は、ECU9により、通信ネットワーク500を介して、図示しない外部サーバーからダウンロードされてメモリ20に保存されてもよい。
【0034】
ECU9には、フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、リアカメラ60に撮影された車両1の周囲の画像が入力される。また、ECU9には、前席カメラ70、及び後席カメラ71により撮影された車室内の画像が入力される。
【0035】
さらに、ECU9には、電源スイッチ72、シフトスイッチ73a、シートベルトスイッチ74a~74f、及びドアスイッチ75a~75eの検出信号、ドアロック機構100a~100eに備えられたドアロックセンサ(図示しない)による各ドア2~5及びパワーテールゲート6のロック検出信号が入力される。また、ECU9には、タッチパネル31の操作信号、ドアタッチセンサ101によるタッチ検出信号、ナビゲーション装置130により検出される車両1の現在位置の情報が入力される。
【0036】
ECU9から出力される制御信号により、右PHD駆動部41、右PSD駆動部42、左PHD駆動部51、左PSD駆動部52、PTG駆動部61、及びドアロック機構100a~100eの作動が制御される。また、ECU9から出力される制御信号により、タッチパネル31の画面表示、及びスピーカー32から出力される音(音声ガイダンス、チャイム音等)が制御される。ECU9は、通信ユニット120を介して、図1に示した利用者端末200、利用者情報サーバー300、及びエントリー支援サーバー400(図1参照)等との間で通信を行う。
【0037】
CPU10は、メモリ20に保存されたエントリー支援プログラム21を読み込んで実行することにより、内部利用者認識部11、外部所在者認識部12、外部所在者顔画像取得部13、登録利用者認証部14、座席使用状況認識部15、外部所在者報知部16、座席使用状況報知部17、及びエントリー許可部18として機能する。
【0038】
内部利用者認識部11により実行される処理は、本発明の内部利用者認識ステップに相当し、外部所在者認識部12により実行される処理は、本発明の外部所在者認識ステップに相当する。外部所在者報知部16により実行される処理は、本発明の外部所在者報知ステップに相当し、エントリー許可部18により実行される処理は、本発明のエントリー許可ステップに相当する。
【0039】
内部利用者認識部11は、前席カメラ70及び後席カメラ71による撮影画像から、人の特徴を有する画像部分を抽出することによって、車両1の車室内に所在する内部利用者を認識する。外部所在者認識部12は、フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、及びリアカメラ60により撮影される車両1の周囲の画像から、人の特徴を有する画像部分を抽出することによって、車両1の付近に所在する外部所在者を認識する。
【0040】
外部所在者顔画像取得部13は、外部所在者認識部12により認識された外部所在者の顔画像を、フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、或いはリアカメラ60による撮影画像から抽出して取得する。登録利用者認証部14は、登録利用者情報Rgに記録された登録利用者の顔画像に基づいて、外部利用者が登録利用者であるか否かを判断する。登録利用者認証部14は、外部所在者顔画像取得部13により取得された外部所在者の顔画像と登録利用者の顔画像との適合度が所定の判定値以上であるときに、外部所在者が登録利用者であると判断する。
【0041】
座席使用状況認識部15は、前カメラ70及び後席カメラ71による撮影画像から、車両1の各座席(転席7a、助手席7b、2列目右席7c、2列目左席7d、3列目右席7e、3列目左席7f)の使用状況を認識する。なお、各座席のシートベルトの使用の有無をシートベルトスイッチ74a~74fにより検出することにより、或いは各座席に設けられた圧力センサ等の着座センサ(図示しない)により、各座席の使用状況を認識してもよい。
【0042】
外部所在者報知部16は、内部利用者認識部11により内部利用者が認識されている状態で、外部所在者認識部12により外部利用者が認識されたときに、図7に示した外部所在者報知画面600をタッチパネル31に表示する。外部所在者報知画面600には、外部所在者を認識したことを報知する認識報知表示601、外部所在者の顔画像602、及び、外部所在者が登録利用者である場合に表示される登録利用者の特定表示603が含まれる。特定表示603は、登録利用者の氏名、内部利用者との関係(家族、友人、知人等)を表示する。
【0043】
座席使用状況報知部17は、外部所在者報知画面600に座席使用状況表示610を表示する。座席使用状況表示610は、運転席ドアボタン611、助手席ドアボタン612、後席右ドアボタン613、後席左ドアボタン614、テールゲートボタン615、及び拒否ボタン616を含んでいる。
【0044】
運転席ドアボタン611は、右パワーヒンジドア2の開指示ボタンであると共に、座席使用状況認識部15により認識される運転席7aの使用状況を網掛けの有無で示している。すなわち、座席使用状況報知部17は、運転席7aが使用されているときは運転席ドアボタン611を網掛けで表示し(本発明の第2表示態様に相当する)、運転席7aが空いているときには運転席ドアボタン611を網掛け無しで表示する(本発明の第1態様に相当する)。なお、運転席7aの使用状況を、網掛けの有無以外の態様により示してもよく、例えば、色の違い、サイズの違い、フラッシングの有無等によって示してもよい。
【0045】
同様に、助手席ドアボタン612は、左パワーヒンジドア3の開指示ボタンであると共に、助手席7bの使用状況を網掛けの有無で報知する。同様に、後席右ドアボタン613は、右パワースライドドア4の開指示ボタンであると共に、2列目右席7cの使用状況を後席右ドアボタン613の網掛けの有無で報知する。同様に、後席左ドアボタン614は、左パワースライドドア5の開指示ボタンであると共に、2列目左席7dの使用状況を後席左ドアボタン614の網掛けの有無で報知する。
【0046】
なお、各ドアボタン611~614による座席の使用状況の報知を、網掛けの有無以外の態様により行ってもよく、例えば、色の違い、サイズの違い、フラッシングの有無等によって座席の使用状況を報知してもよい。
【0047】
内部利用者Uは、各ドアボタン611~614の網掛けの有無により、対応する座席の使用状況を容易に把握することができる。内部利用者Uは、外部利用者のために開けるパワードアを選択し、選択したドアに対応したドアボタンをタッチ操作して、選択したドアの開動作を指示することができる。
【0048】
また、内部利用者Uは、テールゲートボタン615をタッチ操作して、パワーテールゲート6の開動作を指示することができる。さらに、内部利用者Uは、拒否ボタン616を操作することにより、開いているパワードアを閉動作させて、外部所在者報知画面600を閉じること指示することができる。
【0049】
エントリー許可部18は、外部所在者報知画面600の各ドアボタン611~615のタッチ操作に応じて、対応するパワードアを開動作させる処理(エントリ―許可処理に相当する)を実行する。
【0050】
なお、図8に示したように、座席使用状況表示610を表示しない外部所在者報知画面650を、タッチパネル31に表示させてもよい。この場合は、外部所在者報知画面650に、開指示ボタン651と拒否ボタン652が表示される。そして、エントリー許可部18は、開指示ボタン651がタッチ操作されたときに、予め設定されたパワードア(例えば、左パワーヒンジドア3)を開動作させる。なお、エントリー許可部18が、座席使用状況認識部15により認識される各座席の使用状況に応じて、いている座席に対応したパワードアを開動作させるようにしてもよい。例えば、2列目右席7cが空いている場合に、エントリー許可部18が右パワースライドドア2を開動作させるようにしてもよい。
【0051】
[4.エントリー支援処理]
図1図3を参照しつつ、図4図6に示したフローチャートに従って、ECU9のエントリー支援システムとしての機能により実行される、車両1へのエントリー支援処理について説明する。
【0052】
図4のステップS1で、内部利用者認識部11は、車内カメラ(前席カメラ70、後席カメラ71)による撮影画像に基づいて、車両1の車室内の利用者(内部利用者)を検索する。続くステップS2で、内部利用者認識部11は、内部利用者を認識したときはステップS3に処理を進め、内部利用者を認識しなかったときにはステップS1に処理を進める。図1図3の例では、内部利用者U,Vが認識される。
【0053】
次のステップS3で、外部所在者認識部12は、外部カメラ(フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、リアカメラ60)による撮影画像に基づいて、車両1の付近に所在する外部所在者を検索する。続くステップS4で、外部所在者認識部12は、外部所在者を認識したときはステップS5に処理を進め、外部所在者を認識しなかったときにはステップS1に処理を進める。
【0054】
ステップS5で、外部所在者顔画像取得部13は、外部カメラによる撮影画像から外部所在者の顔画像を抽出して、外部所在者の顔画像を取得する。続くステップS6で、登録利用者認証部14は、登録利用者情報Rgに記録された登録利用者の顔画像と、外部所在者顔画像取得部13により取得された外部所在者の顔画像との適合度に基づいて、外部所在者が登録利用者であるか否かを判断する。外部所在者が複数認識されたときには、登録利用者認証部14は、各外部所在者について登録利用者であるか否かを判断する。
【0055】
次のステップS7で、登録利用者認証部14は、外部所在者が複数で、且つ全員が登録利用者ではないときは図5のステップS14に処理を進める。この場合は、後述するステップS10又はステップS31による外部所在者報知画面の表示は行われない。これにより、車両1の近くを多数の歩行者が通行している場合に、頻繁に外部所在者報知画面がタッチパネル31に表示されて、内部利用者が煩わしさを感じることを回避することができる。
【0056】
一方、外部所在者が単数、又は外部所在者が複数で登録利用者が含まれる場合は、登録利用者認証部14は、ステップS8に処理を進める。ステップS8で、登録利用者認証部14は、外部所在者に登録利用者が含まれる場合は図5のステップS9に処理を進め、外部所在者に登録利用者が含まれない場合には図6のステップS30に処理を進める。図5のステップS9で、座席使用状況認識部15は、車内カメラによる撮影画像に基づいて、車両1の各座席の使用状況を認識する。
【0057】
続くステップS10で、外部所在者報知部16と座席使用状況報知部17は、図7を参照して上述した特定表示603を含む態様(本発明の第1報知態様に相当する)の外部所在者報知画面600をタッチパネル31に表示する。続くステップS11で、エントリー許可部18は、3秒タイマをスタートさせる。3秒は本発明の所定時間に相当する。3秒は所定時間の設定例であり、所定時間は、例えば1~5秒の範囲で設定される。
【0058】
続くステップS12とステップS20のループで、エントリー許可部18は、外部所在者報知画面600の座席使用状況表示610で、ドアボタン611~614のいずれかが操作されたときに、ステップS12からステップS13に処理を進める。そして、エントリー許可部18は、ステップS13で、ドアボタン611~614のいずれかにより開指示されたパワードアを開動作させる。
【0059】
また、エントリー許可部18は、ドアボタン611~614が操作されずに3秒タイマがタイムアップしたときには、ステップS20からステップS21に処理を進める。ステップS21で、エントリー許可部18は、既定のパワードア(例えば、左パワーヒンジドア3)を開動作させる。これにより、外部所在者に登録利用者が含まれる場合は、内部利用者Uがドアボタン611~614を操作しなかった場合にも、パワードアが開動作して、登録利用者の車両1への乗車が可能となる。
【0060】
また、図6のステップS30で、座席使用状況認識部15は、車内カメラによる撮影画像に基づいて、車両1の各座席の使用状況を認識する。続くステップS31で、外部所在者報知部16と座席使用状況報知部17は、図7を参照して上述した外部所在者報知画面600を、特定表示603を省略した態様(本発明の第2報知態様に相当する)でタッチパネル31に表示する。
【0061】
続くステップS32で、エントリー許可部18は、ドアボタン611~614のいずれかが操作されたときはステップS33に処理を進め、開指示がなされたパワードアを開動作させる。一方、ドアボタン611~613のいずれも操作されなかったときには、エントリー許可部18は、ステップS34に処理を進め、この場合は、パワードアの開動作は実行されない。
【0062】
[5.他の実施形態]
上記実施形態では、外部所在者報知部16は、外部所在者が認識された場合の所定報知として、外部所在者の顔画像を含む外部所在者報知画面をタッチパネル31に表示する処理を行った。他の実施形態として、外部所在者の特徴を音声で出力する等、他の態様による所定報知を行うようにしてもよい。
【0063】
上記実施形態では、登録利用者認証部14を備えて、外部所在者が登録利用者であるか否かにより、外部所在者が認識されたときの所定報知の態様を変更したが、登録利用者認証部14を省略した構成としてもよい。
【0064】
上記実施形態では、エントリー許可部18は、図5のステップS11、S20、S21により、外部所在者が登録利用者であったときには、ドアボタン611~613が操作されずに所定時間が経過した時に、パワードアを開動作させる処理を行ったが、この処理を行わない構成としてもよい。
【0065】
上記実施形態では、座席使用状況認識部15と座席使用状況報知部17とを備えて、各座席の使用状況を示す座席使用状況表示を、外部所在者報知画面600に表示させたが、座席使用状況認識部15と座席使用状況報知部17を省略した構成としてもよい。
【0066】
上記実施形態では、本発明のエントリー支援システムを、車両1に搭載されたECU9により構成した。他の実施形態として、エントリー支援システムを、図1に示したエントリー支援サーバー400により構成してもよい。この場合は、車両1からエントリー支援サーバー400に対して、車内カメラ(前席カメラ70、後席カメラ71)と、車外カメラ(フロントカメラ30、右サイドカメラ40、左サイドカメラ50、リアカメラ60)の撮影画像、及びタッチパネル31の操作情報が送信される。また、エントリー支援サーバー400から車両1に対して、タッチパネル31に外部所在者報知画面600を表示させる制御情報、及び車両1のパワードアを開動作させる制御情報が送信される。
【0067】
また、エントリー支援システムの構成の一部を車両1のECU9により構成し、エントリー支援システムの残りの構成をエントリー支援サーバー400により構成してもよい。この場合は、ECU9とエントリー支援サーバーとによって、エントリー支援システムが構成される。
【0068】
また、本発明のエントリー支援システムを、利用者端末200のアプリにより構成してもよい。この場合は、利用者端末200のCPU(図示しない)により本発明のエントリー支援方法が実行される。そして、車両1から利用者端末200に対して車外カメラと車内カメラの撮影画像が送信され、利用者端末200から車両1に対して、タッチパネル31に外部所在者報知画面600を表示させる制御情報、及び車両1のパワードアを開動作させる制御情報が送信される。
【0069】
また、エントリー支援システムの構成の一部を利用者端末200のアプリにより構成し、エントリー支援システムの残りの構成をECU9或いはエントリー支援サーバー400により構成してもよい。この場合は、利用者端末200とECU9、或いは利用者端末200とECU9とエントリー支援サーバー400とにより、エントリー支援システムが構成される。
【0070】
上記実施形態では、エントリー許可部18は、車両1へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理として、車両1のパワードアを開動作させる処理を行ったが、エントリー許可処理として、パワードアを解錠する処理を行うようにしてもよい。また、パワードアを備えていない車両について、エントリー許可処理としてドアを解錠する処理を行うようにしてもよい。
【0071】
上記実施形態では、登録利用者の識別情報として登録利用者の顔画像を用いたが、虹彩、声紋、等の他の生体情報を識別情報として用いてもよい。或いは、登録利用者が所持する携帯端末から送信される識別コードを識別情報として用いてもよい。
【0072】
なお、図1図3は、本願発明の理解を容易にするために、車両1及びエントリー支援システムの機能を含むECU9の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、車両1及びエントリー支援システムの構成を、他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、図4図6に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0073】
[6.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0074】
(第1項)車両への外部所在者のエントリーを支援するエントリー支援システムであって、前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識部と、前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識部と、前記内部利用者認識部により前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知部と、前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可部と、を備えるエントリー支援システム。
第1項のエントリー支援システムによれば、車両に内部利用者が乗車している状態で、外部所在者が車両に近づいたときに、外部所在者報知部により所定報知がなされ、内部利用者が車両へのエントリーの許可操作を行った場合に、エントリー許可部によりエントリー許可処理が実行される。これにより、内部利用者が外部所在者に気づいていない場合に、外部所在者が車両に急に乗り込んできて、内部利用者を驚かせてしまうことを防止して、外部所在者による車両へのエントリーを支援することができる。
【0075】
(第2項)前記外部所在者の顔画像を取得する外部所在者画像取得部を備え、前記報知部は前記内部利用者により視認される表示部であり、前記外部所在者報知部は、前記所定報知として、前記表示部に前記外部所在者の顔画像を表示する処理を実行する第1項に記載のエントリー支援システム。
第2項のエントリー支援システムによれば、外部所在者の顔画像を表示部に表示することにより、内部利用者による外部所在者の識別を可能として、車両へのエントリーを許可するか否かの判断を促すことができる。
【0076】
(第3項)前記外部所在者が、所定登録が行われた登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証部を備え、前記エントリー許可部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときは、前記所定報知が実行された時点から所定時間が経過した時に、前記エントリー許可処理を実行する第1項又は第2項に記載のエントリー支援システム。
第3項のエントリー支援システムによれば、外部所在者が登録利用者である場合には、所定報知により内部利用者が外部所在者の接近に気づいた後に、車両へのエントリーを許可することができる。
【0077】
(第4項)前記外部所在者が、所定登録が行われた登録利用者であるか否か判断する登録利用者認証部を備え、前記外部所在者報知部は、前記外部所在者認識部により複数の前記外部所在者が認識され、且つ、前記登録利用者認証部により、いずれの前記外部所在者も前記登録利用者ではないと判断された場合は、前記所定報知を禁止する第1項又は第2項に記載のエントリー支援システム。
第4項のエントリー支援システムによれば、車両が繁華街等の歩行者の通行が多い場所に駐車していて、車両の周囲を多数の外部所在者が通行している場合に、所定報知が頻繁に実行されて、内部利用者が煩わしさを感じることを防止することができる。
【0078】
(第5項)前記外部所在者が、所定登録が行われた登録利用者であるか否かを判断する登録利用者認証部を備え、前記外部所在者報知部は、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者であると判断されたときは、第1報知態様の前記所定報知を実行し、前記登録利用者認証部により前記外部所在者が前記登録利用者ではないと判断されたときには、前記第1報知態様と異なる第2報知態様の前記所定報知を実行する第1項又は第2項に記載のエントリー支援システム。
第5項のエントリー支援システムによれば、内部利用者は、所定報知の報知態様の違いにより、外部所在者が登録利用者であるか否かを容易に認識することができる。
【0079】
(第6項)前記車両の座席の使用状況を認識する座席使用状況認識部と、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識されたときに、前記座席使用状況認識部による前記車両の座席の使用状況の認識結果に基づいて、使用中の座席を第1表示態様で示すと共に空いている座席を前記第1表示態様と異なる第2表示態様で示す座席使用状況画面を、前記内部利用者により視認される表示部に表示させる座席使用状況報知部と、を備える第1項から第5項のうちいずれか1項に記載のエントリー支援システム。
第6項のエントリー支援システムによれば、内部利用者は、座席使用状況画面を視認することで、各座席の使用状況を容易に確認して、車両のどのドアについてエントリーを許可するかを決定することができる。
【0080】
(第7項)車両への外部所在者のエントリーを支援するために、コンピュータにより実行されるエントリー支援方法であって、前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識ステップと、前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識ステップと、前記内部利用者認識ステップにより前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識ステップにより前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知ステップと、前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可ステップと、を含むエントリー支援方法。
第7項のエントリー支援方法をコンピュータにより実行することによって、第1項のエントリー支援システムと同様の作用効果を得ることができる。
【0081】
(第8項)車両への外部所在者のエントリーを支援するためにコンピュータを、前記車両の車室に所在する内部利用者を認識する内部利用者認識部と、前記車両の周囲に所在する前記外部所在者を認識する外部所在者認識部と、前記内部利用者認識部により前記内部利用者が認識されている状態で、前記外部所在者認識部により前記外部所在者が認識された場合に、前記内部利用者により使用される報知部による所定報知を実行する外部所在者報知部と、前記所定報知が実行された後、前記内部利用者により使用される操作部に対して、前記車両へのエントリーの許可操作がなされたときに、前記車両へのエントリーを可能にするためのエントリー許可処理を実行するエントリー許可部と、して機能させるエントリー支援プログラム。
第8項のエントリー支援プログラムをコンピュータにより実行することによって、第1項のエントリー支援システムの構成を実現することができる。
【符号の説明】
【0082】
1…車両、2…右パワーヒンジドア、3…左パワーヒンジドア、4…右パワースライドドア、5…左パワースライドドア、6…パワーテールゲート、9…ECU(エントリー支援システム)、10…CPU、11…内部利用者認識部、12…外部所在者認識部、13…外部所在者顔画像取得部、14…登録利用者認証部、15…座席使用状況認識部、16…外部所在者報知部、17…座席使用状況報知部、18…エントリー許可部、20…メモリ、21…エントリー支援プログラム、30…フロントカメラ、31…タッチパネル、32…スピーカー、40…右サイドカメラ、50…左サイドカメラ、60…リアカメラ、70…前席カメラ、71…後席カメラ、150…記録媒体、300…利用者情報サーバー、400…エントリー支援サーバー、500…通信ネットワーク、U,V…内部利用者、F…外部所在者、Rg…登録利用者情報。
図1
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