IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 小泉成器株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ヘアドライヤー 図1
  • 特許-ヘアドライヤー 図2
  • 特許-ヘアドライヤー 図3
  • 特許-ヘアドライヤー 図4
  • 特許-ヘアドライヤー 図5
  • 特許-ヘアドライヤー 図6
  • 特許-ヘアドライヤー 図7
  • 特許-ヘアドライヤー 図8
  • 特許-ヘアドライヤー 図9
  • 特許-ヘアドライヤー 図10
  • 特許-ヘアドライヤー 図11
  • 特許-ヘアドライヤー 図12
  • 特許-ヘアドライヤー 図13
  • 特許-ヘアドライヤー 図14
  • 特許-ヘアドライヤー 図15
  • 特許-ヘアドライヤー 図16
  • 特許-ヘアドライヤー 図17
  • 特許-ヘアドライヤー 図18
  • 特許-ヘアドライヤー 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ヘアドライヤー
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A45D20/12 J
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020114361
(22)【出願日】2020-07-01
(65)【公開番号】P2022012498
(43)【公開日】2022-01-17
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】390019817
【氏名又は名称】小泉成器株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】植村 正勝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 宏二
(72)【発明者】
【氏名】福山 将門
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 謙治
【審査官】高橋 祐介
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-19631(JP,A)
【文献】実開平4-130705(JP,U)
【文献】特開2009-131734(JP,A)
【文献】特開2010-125194(JP,A)
【文献】特開2012-157382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 20/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファン及び当該ファンを駆動するモータを収容する筒状の本体ケースと、当該本体ケースの先端部に前記ファンの起動により発生する空気流を吹き出す吹出口と、当該吹出口に着脱自在に取り付けられるノズルとを備えるヘアドライヤーであって、
前記吹出口は、その端部内面に1又は複数の係合部を備え、
前記ノズルは、外側ノズルと内側ノズルとから構成され、
前記外側ノズルは、その先端部において開口する外側吹出口と、前記外側ノズルの両側部において開口する外側サイド開口とを備え、前記外側ノズルの後端部に係合凸部を備え、
前記内側ノズルは、その先端部において開口する内側吹出口と、当該内側ノズルの両側部において内側吹出口に連続して開口する内側サイド開口と、当該内側サイド開口を形成した両側部の方向と交差する方向の両側部の領域に内側庇部とを備え、前記内側ノズルの後端部に、内側第1係合凸部と内側第2係合凹部とを備え、当該内側第1係合凸部は内側係合凹部を備え、当該内側第2係合凹部は1又は複数の内側弾性部を備え、
前記内側ノズルは、内側ノズルの内側第2係合凹部と前記吹出口の端面内面の係合部とを係合することで吹出口に回動可能に連結され、
前記外側ノズルは、外側ノズルの係合凸部と前記内側ノズルの内側係合凹部とを係合することで内側ノズルに回動可能に連結される
ことを特徴とするヘアドライヤー。
【請求項2】
前記内側ノズルの内側係合凹部に、1又は複数の内側小凸部を備え、
外側ノズルの係合凸部が内側小凸部を乗り越えて内側第1係合凸部と内側小凸部との間に外側ノズルの係合凸部が填まったときに、内側ノズルに対して外側ノズルが緩固定される
ことを特徴とする請求項1に記載のヘアドライヤー。
【請求項3】
前記吹出口の端部内面における係合部に端部内面係合凹部を備え、
前記内側ノズルの内側第2係合凹部における内側弾性部に係止凸部を備え、
端部内面係合凹部に係止凸部が嵌合した時に、吹出口に対して内側ノズルが緩固定される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘアドライヤー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアドライヤーに関し、特に改良した内外2重構造のノズルを備えたヘアドライヤーに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のヘアドライヤーとしては、下記特許文献1に示されるヘアドライヤーが知られている。
【0003】
すなわち、ドライヤー本体の吹出口から送出される空気流を効果的に収束し、あるいは効果的に拡散できるようにするために、吹出ノズルを内側ノズルと外側ノズルとからなる構造とし、内側ノズル及び外側ノズルの前側のノズル開口のそれぞれに、複数の山形の収束片を周回状に形成して外側ノズルを内側ノズルで回動自在に支持するようにし、外側ノズルを回動操作して、吹出ノズルの形態を拡散姿勢と収束姿勢とに切り換えることができるようにし、拡散姿勢においては、内側ノズルの収束片と外側ノズルの収束片とが内外に重さなり、収束姿勢においては、内側ノズルの収束片と外側ノズルの収束片とが周方向へ隣接するように構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-19631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記公知文献に示されるヘアドライヤーは、その吹出口に取り付けられる吹出ノズルを外側ノズルと内側ノズルとから構成し、互いに回動自在に支持することにより、拡散姿勢と収束姿勢とを切り換えるようにしたものであるが、吹出口に対して外側ノズル又は内側ノズルのいずれか一方は吹出口に固定されており、吹出口に対して吹出ノズル自体は回動しない構造であるため、拡散姿勢又は収束姿勢のいずれにおいても、頭髪に対する空気流の方向の自由度が制限され、ヘアドライヤー自体の姿勢を変化させて毛髪に空気流を当てざるを得ないので、使い勝手がよくない問題点があった。また、外側ノズルと内側ノズルとが回動自在に構成されてはいるものの、この回動を規制する手段がなく、不用意に回動してしまう問題点があった。
【0006】
本発明は、ヘアドライヤーのノズルを内側ノズルと外側ノズルとから構成し、内側ノズルと外側ノズルとを回動自在にすることにより空気流を拡散・収束できるノズルであって、内側ノズルと外側ノズルとが回動自在であるのみならず、ヘアドライヤーの吹出口に対しても回動自在としたものであり、吹出口に対して内側ノズルが緩固定でき、内側ノズルに対して外側ノズルが緩固定できるものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係るヘアドライヤーは、ファン及び当該ファンを駆動するモータを収容する筒状の本体ケースと、当該本体ケースの先端部に前記ファンの起動により発生する空気流を吹き出す吹出口と、当該吹出口に着脱自在に取り付けられるノズルとを備えるヘアドライヤーであって、前記吹出口は、その端部内面に1又は複数の係合部を備え、前記ノズルは、外側ノズルと内側ノズルとから構成され、前記外側ノズルは、その先端部において開口する外側吹出口と、前記外側ノズルの両側部において開口する外側サイド開口とを備え、前記外側ノズルの後端部に係合凸部を備え、前記内側ノズルは、その先端部において開口する内側吹出口と、当該内側ノズルの両側部において内側吹出口に連続して開口する内側サイド開口と、当該内側サイド開口を形成した両側部の方向と交差する方向の両側部の領域に内側庇部とを備え、前記内側ノズルの後端部に、内側第1係合凸部と内側第2係合凹部とを備え、当該内側第1係合凸部は内側係合凹部を備え、当該内側第2係合凹部は1又は複数の内側弾性部を備え、前記内側ノズルは、内側ノズルの内側第2係合凹部と前記吹出口の端面内面の係合部とを係合することで吹出口に回動可能に連結され、前記外側ノズルは、外側ノズルの係合凸部と前記内側ノズルの内側係合凹部とを係合することで内側ノズルに回動可能に連結されることを特徴とする。
【0008】
以上のように構成したことにより、外側ノズルと内側ノズルとが回動自在に係合すると共に、内側ノズルとヘアドライヤーの吹出口が回動自在に係合する。
【0009】
その結果、外側ノズルと内側ノズルが回動自在であることにより、外側ノズルが内側ノズルに対して回動して位置を変えてヘアドライヤーから吹き出される空気流が4パターン、あるいはそれ以上に変化できる。
【0010】
すなわち、内側ノズルの内側第1係合凸部にある内側係合凹部と外側ノズルの係合凸部とが係合し、外側ノズルの係合凸部と内側第1係合凸部とが接触するときに、外側ノズルを回動させることで内側ノズルが吹出口に沿って回動する。このように、内側ノズルとヘアドライヤーの吹出口が回動自在であることによりに、外側ノズルと一体となった内側ノズルがヘアドライヤー吹出口に対して回動して位置を変えるので、吹出口から吹き出される空気流を垂直向きの収束、拡散流と水平向きの収束、拡散流とすることができ、使用者の使い勝手がよくなり、使用者が楽な姿勢で毛髪を乾燥したりセットすることができる。
【0011】
本発明の請求項2に係るヘアドライヤーは、前記請求項1に係るヘアドライヤーの構成に加えて、前記内側ノズルの内側係合凹部に、1又は複数の内側小凸部を備え、外側ノズルの係合凸部が内側小凸部を乗り越えて内側第1係合凸部と内側小凸部との間に外側ノズルの係合凸部が填まったときに、内側ノズルに対して外側ノズルが緩固定されることを特徴とする。
【0012】
以上のように、内側ノズルの内側係合凹部に内側小凸部を設けることで、内側ノズルと外側ノズルとを緩く固定することができる。この緩固定の状態において、使用者が外側ノズルを軽く逆に回動させて緩固定を解除すれば、内側ノズルと外側ノズルとが回動自在な状態になる。
【0013】
本発明の請求項3に係るヘアドライヤーは、前記請求項1又は2に係るヘアドライヤーの構成に加えて、前記吹出口の端部内面における係合部に端部内面係合凹部を備え、前記内側ノズルの内側第2係合凹部における内側弾性部に係止凸部を備え、端部内面係合凹部に係止凸部が嵌合した時に、吹出口に対して内側ノズルが緩固定されることを特徴とする。
【0014】
以上のように構成したことにより、吹出口の端部内面に端部内面係合凹部と内側ノズルの内側弾性部の係止凸部とが係合することで、内側ノズルの位置が固定されるので、吹出口から吹き出される空気流の方向を使用者の望む方向に緩固定できる。また、内側ノズルと外側ノズルとが一体になって回動する状態にあるときに外側ノズルを軽く回動させるだけで、緩固定が解除されて吹出口と内側ノズルとが回動自在となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係るヘアドライヤーは、上記のように構成したことにより、ヘアドライヤーのノズルを内側ノズルと外側ノズルとから構成し、内側ノズルと外側ノズルとを回動自在にすることにより空気流を拡散・収束できるノズルであって、内側ノズルと外側ノズルとが回動自在であるのみならず、ヘアドライヤーの吹出口に対しても回動自在としたものであるから、ヘアドライヤーから吹き出される空気流が4パターン、あるいはそれ以上に変化できると共に、吹出口から吹き出される空気流を垂直向きの収束、拡散流と水平向きの収束、拡散流とすることができ、使用者の使い勝手がよくなり、使用者が楽な姿勢で毛髪を乾燥したりセットすることができる。
【0016】
また、前記内側ノズルの内側係合凹部に、1又は複数の内側小凸部を備えた場合には、内側ノズルと外側ノズルとを緩く固定することができる。
【0017】
さらに、前記吹出口の端部内面に端部内面係合凹部を備え、前記内側ノズルの内側第2係合凹部における内側弾性部に係止凸部を備えた場合には、内側ノズルの位置が緩く固定されるので、吹出口から吹き出される空気流の方向を使用者の望む方向に緩固定できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施例に係るヘアドライヤーの全体斜視図(ノズルは破線)である。
図2】(a)は図1の右側面図、(b)は背面図である。
図3】ヘアドライヤーの吹出口の一部拡大斜視図である。
図4】ヘアドライヤーの吹出口の部分拡大図付き一部拡大中央縦断面図である。
図5】(a)は、ヘアドライヤーの吹出口の部分拡大図付き一部拡大中央横断面図であり、(b)は係合部を形成していない箇所の部分拡大図付き一部拡大断面図である。
図6】外側ノズルを表す図であって、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は背面側から見た斜視図、(c)は正面図、(d)は右側面図、(e)は(d)の6e-6e線断面図である。
図7】内側ノズルを表す図であって、(a)は正面側から見た斜視図、(b)は正面図、(c)は平面図、(d)は右側面図、(e)は(d)の7e-7e線断面図である。
図8】外側ノズルと内側ノズルとを組み合わせる状態を表す図であって、(a)は組み合わせた状態を示す正面側から見た斜視図、(b)は分離した状態を示す斜視図、(c)は正面図である。
図9】外側ノズルと内側ノズルとの組み合わせ状態の部分拡大図付き中央横断面図である。
図10】外側ノズルと内側ノズルとの組み合わせ状態の部分拡大図付き中央縦横断面図である。
図11】外側ノズルと内側ノズルとの組合せの第1例を示す図であり、(a)は正面側から見た内部構造を示す斜視図、(b)は正面図である。
図12】外側ノズルと内側ノズルとの組合せの第2例を示す図であり、(a)は正面側から見た内部構造を示す斜視図、(b)は正面図である。
図13】組み合わせ状態における外側ノズルと内側ノズルとの係合状態を示す断面図である。
図14図13の状態から内側ノズルを反時計回りに少し回動させた状態を示す断面図である。
図15】ヘアドライヤーの吹出口と内側ノズルとが係合している状態における吹出口の係合部において、端部内面係合凹部に内側ノズルの係止凸部が係合している箇所の状態を示す部分拡大図付き断面図である。
図16】ヘアドライヤーの吹出口と内側ノズルとが係合している状態における吹出口の係合部において、端部内面係合凹部に内側ノズルの係止凸部が係合していない箇所の状態を示す部分拡大図付き断面図である。
図17】ヘアドライヤーの吹出口と内側ノズルとが係合している状態において、吹出口の係合部以外の箇所の部分拡大図付き断面図である。
図18図11に示す外側ノズルと内側ノズルとの組み合わせ状態をヘアドライヤーの吹出口に対して90度回動させた状態を表す内部構造を示す斜視図である。
図19図12に示す外側ノズルと内側ノズルとの組み合わせ状態をヘアドライヤーの吹出口に対して90度回動させた状態を表す内部構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に本発明の好適な実施例を添付の図面に基づいて詳細に説明する。
【実施例1】
【0020】
本実施例におけるヘアドライヤーAは、図1図3に示すように、ヘアドライヤーAの本体ケースBとノズルCとから構成される。前記本体ケースBは、その内部にファンB1と当該ファンを駆動するモータB2とを備え、モータB2によりファンB1が起動して回転することにより、メッシュ状の空気取り入れ口B3から吸い込まれる空気流によって送風が発生し、図3に示すように、本体ケースBの風吐出方向の先端に備える吹出口10から空気流が吹き出されるようになっている。そして、ノズルCは、後述するように、外側ノズル20と内側ノズル30とから構成され、内側ノズル30がヘアドライヤーの本体ケースBの吹出口10に対して着脱自在であることにより、ノズルCは本体ケースBに対して着脱自在となる。
【0021】
もちろん本体ケースBには、図示及び説明は省略するが、一般的なヘアドライヤーが備えるヒータを備えており、冷風と温風とを切り換えることができるように構成されている。
【0022】
前記吹出口10は、図3図5に示すように、その端部内面の周囲に1又は複数(本実施例においては4個)の係合部11を備えており、当該係合部11は後述する内側ノズル30が着脱自在で回動自在に取り付けられる機能を果たす。また、前記吹出口10の端部内面における係合部11には端部内面係合凹部12を備えており、後述するように、吹出口10に対して回動する内側ノズル30を回動自在に係合できるようになっている。
【0023】
前記外側ノズル20は、図6(a)~(c)に示すように、その先端部において開口する外側吹出口21と、前記外側ノズル20の両側部において開口する外側サイド開口22とを備えている。また、図6(b)(d)(e)に示すように、前記外側ノズル20の後端部の外周に、後述するように、前記内側ノズル30と係合する係合凸部23と外側連結段部24とを備えている。
【0024】
前記内側ノズル30は、図7に示すように、その先端部において開口する内側吹出口31と、当該内側ノズル30の両側部において内側吹出口31に連続して開口する内側サイド開口32とを備えている。また、当該内側サイド開口32を形成した両側部の方向と交差する方向の両側部の領域に内側庇部33を備えている。
【0025】
また、前記内側ノズル30の後端部の外周に、図7(c)~(e)に示すように、内側第1係合凸部35と内側第2係合凹部38とを有する内側連結段部40を備えている。また、当該内側第1係合凸部35は内側係合凹部36を備えており、当該内側係合凹部36は前記の外側ノズル20における係合凸部23が係合して、内側ノズル30に対して外側ノズル20が回動自在となる。なお、前記内側第1係合凸部35と内側係合凹部36との関係は相対的なものであって、前記内側第1係合凸部35は必ずしも突出している必要はなく、内側ノズルの外周面とフラットであって、内側係合凹部36がその外周面より凹んでいる場合も含まれる。要は内側係合凹部36が凹んでいて係合凸部23のガイド溝の役割を果たせばよい。また、当該内側第2係合凹部38は、その外壁側に1又は複数の内側弾性部39を備えており、前記吹出口10における係合部11が内側第2係合凹部38に係合することにより、吹出口10に対して内側ノズル30が回動自在となる。
【0026】
さらに、前記内側係合凹部36には、後述するように、内側係合凹部36と内側第1係合凸部35との境界から外側ノズル20の係合凸部23と係合して緩く固定できる位置に内側小凸部41を備えており、内側ノズル30と外側ノズル20とを緩く固定することができるようになっている。また、前記内側弾性部39は、その先端側に、後述するように、係止凸部42を備えており、吹出口10における端部内面係合凹部12と係合することにより、吹出口10と内側ノズル30とを緩く固定することができるようになっている。
【0027】
このように外側ノズル20と内側ノズル30とを構成したことにより、図8図14に示すように、外側ノズル20は、外側ノズル20の係合凸部23と前記内側ノズル30の内側係合凹部36とを係合させることによって、内側ノズル30に対して回動可能に連結される。図8(a)(c)は連結した状態であり、図8(b)は分解した状態である。
【0028】
また、図9は、外側ノズル20の係合凸部23が内側ノズルの内側係合凹部36に嵌合している状態を示す。図10は、外側ノズル20において、係合凸部23が形成されていない箇所における内側係合凹部36の非係合の状態を示す。外側ノズル20の係合凸部23は、内側ノズルの内側係合凹部36が形成されている箇所においては自由に移動することができるので、これにより内側ノズル30に対して外側ノズル20は回動自在になる。
【0029】
上記のように、外側ノズル20と内側ノズル30とを回動自在に構成したことにより、図11に示すように、外側ノズル20を回動して、外側サイド開口22に内側ノズル30の内側庇部33を重ねる形態にすることができる。この形態の場合には、吹出口の空気流が収束流としてノズルCから吹き出される。また、図12に示すように、外側ノズル20を回動して、外側サイド開口22と内側ノズル30の内側サイド開口32を重ねる形態にすることができる。この形態の場合には、吹出口の空気流が拡散流としてノズルCから吹き出される。このように、外側ノズル20を水平な状態で使用する場合には、頭頂部や後頭部の毛髪の乾燥やセットに適している。
【0030】
そして、図13に示す状態から外側ノズル20を回動させて、図14に示すように、外側ノズル20の係合凸部23が内側第1係合凸部35に接触すると、内側ノズル30に対する外側ノズル20の回動が停止する。また、図13及び図14に示すように、内側第1係合凸部35が90度回動できるように、すなわち、図11に示す内側ノズル30の状態から図12に示す状態まで変化できるように、内側係合凹部36が形成されている。
【0031】
前記のように吹出口10と内側ノズル30とを構成したことにより、内側ノズル30は、内側ノズル30の内側第2係合凹部38と前記吹出口10の端面内面の係合部11とを係合させることで吹出口10に回動可能に連結される。また、前記した外側ノズル20の停止状態からさらに外側ノズル20を回動させると、前記吹出口10に対して外側ノズル20と内側ノズル30とが一体になって吹出口10に対して回動することになる。
【0032】
以上のように構成したことにより、外側ノズル20と内側ノズル30が回動自在に係合すると共に、内側ノズル30とヘアドライヤーAの吹出口10が回動自在に係合する。
【0033】
したがって、内側ノズル30の内側第1係合凸部35にある内側係合凹部36と外側ノズル20の係合凸部23とが係合して、外側ノズル20を動かすことで内側ノズル30が吹出口10に沿って回動する。このように、内側ノズル30とヘアドライヤーの吹出口10が回動自在であることによりに、外側ノズル20と一体となった内側ノズル30がヘアドライヤーAの吹出口10に対して回動してノズルC全体の位置を変えることができる。
【0034】
その結果、外側ノズル20と内側ノズル30とが回動自在であることにより、外側ノズル20が内側ノズル30に対して回動して位置を変えてヘアドライヤーAから吹き出される空気流が4パターン、あるいはそれ以上に変化できる。すなわち、前述した図11及び図12の外側ノズル20を水平にした場合の2パターンと、図18及び図19に示すように、外側ノズル20を垂直にした場合の2パターンが代表的な状態であり、外側ノズル20を垂直な状態にすると、側頭部や毛先の乾燥やセットに適する。このように、吹出口10から吹き出される空気流を垂直向きの収束、拡散流と水平向きの収束、拡散流とすることができ、使用者の使い勝手がよくなり、使用者が楽な姿勢で毛髪を乾燥したりセットすることができる。
【0035】
また、前述したように前記内側ノズル30の内側係合凹部36には、1又は複数の内側小凸部41を備えている。外側ノズル20の係合凸部23が内側小凸部41を乗り越えて内側第1係合凸部35と内側小凸部41との間に外側ノズル20の係合凸部23が填まったときに、内側ノズル30に対して外側ノズル20が緩固定される。図13は、内側ノズル30の内側小凸部41が外側ノズル20の係合凸部23の位置にある状態であり、この状態から内側ノズル30を反時計回りに少し回動させると、逆に言えば外側ノズル20を時計回りに回動させると、図14の状態となり、内側ノズル30の内側第1係合凸部35と内側小凸部41のとの間に外側ノズル20の係合凸部23が填まり込んで固定されることになる。この内側小凸部41は小さな凸部であるため、図14にある状態から内側ノズル30を時計回りに回動させるか、外側ノズル20を反時計回りに回動させれば、容易に固定を解除することができ、回動自在な状態となる。このように上記の固定は緩い固定、いわば緩固定の状態である。この緩固定は、外側ノズル20が内側ノズル30に対して不用意に回動するのを防ぐものであり、これによってヘアドライヤーを操作しやすくするためである。
【0036】
なお、本実施例においては、図13及び図14に示すように、対向位置にある内側係合凹部36のそれぞれに内側小凸部41が2個ずつ形成されており、図14に示す一方の内側第1係合凸部35に一方の係合凸部23が接触して緩固定されている状態から、外側ノズル20を反時計回りに回動させて前記一方の係合凸部23が他方の内側第1係合凸部35に接触するようにすると、その位置でも緩固定されるように設計されている。この2つの緩固定の位置は90度の角度に設計されており、緩固定の位置の切り換えで図11及び図12に示す2つの状態の変化が可能となる。
【0037】
このように内側ノズル30の内側係合凹部36に内側小凸部41を設けることで、内側ノズル30と外側ノズル20とを緩く固定することができ、この緩固定の状態において、使用者が外側ノズル20を軽く逆に回動させて緩固定を解除すれば、容易に内側ノズル30と外側ノズル20とが回動自在な状態になる。
【0038】
さらに、前述したように、前記吹出口10の端部内面における係合部11は端部内面係合凹部12を備えており、前記内側ノズル30の内側第2係合凹部38における内側弾性部39に係止凸部42を備えている。前記内側弾性部39は、図7(d)に示すように、内側第2係合凹部38の一部において2箇所の切り目で区切られた細幅状の部分であるため弾性が付与される。また、前記端部内面係合凹部12は浅い凹部であり、係止凸部42は僅かな凸部であって、図15に示すように、端部内面係合凹部12に係止凸部42が係合した時に、吹出口10に対して内側ノズル30が緩く固定、すなわち緩固定される。この状態から、内側ノズル30を回動させると、内側弾性部39の弾性の働きで緩固定されている端部内面係合凹部12と係止凸部42との係合が解除されて、図16に示す内側弾性部39が端部内面係合凹部12から外れた係合状態となり、吹出口10に対して内側ノズル30が回動自在な状態となる。なお、係合部11が形成されていない箇所においては、図17に示すように吹出口10は内側ノズル30と係合しておらず、回動自在な状態になっている。
【0039】
以上のように構成したことにより、吹出口10の端部内面に端部内面係合凹部12と内側ノズル30における内側弾性部39の係止凸部42とが係合することで、内側ノズル30の位置が固定されるので、吹出口10から吹き出される空気流の方向を使用者の望む方向に緩固定できる。
【0040】
本実施例に係るヘアドライヤーAは、上記のように、ヘアドライヤーAのノズルCを内側ノズル30と外側ノズル20とで構成し、かつ、内側ノズル30と外側ノズル20とが回動自在であり、それのみならずヘアドライヤーAの吹出口10に対しても内側ノズル30を回動自在に構成したものであるから、図11図12図18及び図19に示すように、ヘアドライヤーAから吹き出される空気流が4パターン、あるいはそれ以上に変化できると共に、吹出口10から吹き出される空気流を垂直向きの収束、拡散流と水平向きの収束、拡散流と変化させることができ、使用者の使い勝手がよくなり、使用者が楽な姿勢で毛髪を乾燥したりセットすることができる。
【0041】
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0042】
A・・・ヘアドライヤー
B・・・本体ケース
B1・・ファン
B2・・ファン駆動モータ
B3・・空気取り入れ口
C・・・ノズル
10・・吹出口
11・・吹出口の係合部
12・・端部内面係合凹部
20・・外側ノズル
21・・外側吹出口
22・・外側サイド開口
23・・外側ノズルの係合凸部
24・・外側連結段部
30・・内側ノズル
31・・内側吹出口
32・・内側サイド開口
33・・内側庇部
35・・内側第1係合凸部
36・・内側係合凹部
38・・内側第2係合凹部
39・・内側弾性部
40・・内側連結段部
41・・内側小凸部
42・・係止凸部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19