(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】複合コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/514 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H01R13/514
(21)【出願番号】P 2020132889
(22)【出願日】2020-08-05
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100129953
【氏名又は名称】岩瀬 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100154900
【氏名又は名称】関 京悟
(72)【発明者】
【氏名】古本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松永 章宏
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-45582(JP,A)
【文献】特開2012-142281(JP,A)
【文献】特開平6-310200(JP,A)
【文献】特開昭63-78468(JP,A)
【文献】特開2018-125095(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/514
H01R 24/60
H01R 12/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のコネクタが先端から露出する第1の筐体と、前記第1の筐体を軸に回転可能であって、第2のコネクタが設けられた第2の筐体と、を有する第1のモジュールと、
前記第1のコネクタと嵌合されて電気的に接続される第3のコネクタと、前記第2のコネクタと嵌合されて電気的に接続される第4のコネクタが設けられた第3の筐体と、を有する第2のモジュールと、
を備え、
前記第2の筐体に形成された凸部又は凹部の一方と、前記第3の筐体に形成された凸部又は凹部の他方と、が嵌合された状態で、前記第2のコネクタと前記第4のコネクタが嵌合される、複合コネクタ。
【請求項2】
前記第2のモジュールは、前記第3のコネクタが設けられた第4の筐体を備え、
前記第3の筐体と前記第4の筐体とは、一体化されている、請求項1に記載の複合コネクタ。
【請求項3】
前記第2のモジュールは、前記第1の筐体を収容する収容部を備え、
前記収容部は、前記第3の筐体と前記第4の筐体とで形成された切り欠き部である、請求項2に記載の複合コネクタ。
【請求項4】
前記第2のモジュールは、前記第3の筐体と前記第4の筐体とを連結するように形成された持ち代を備える、請求項2又は3に記載の複合コネクタ。
【請求項5】
前記第2のコネクタは、ピン部又は前記ピン部が嵌め込まれる一対の接点部の一方を備え、
前記第4のコネクタは、前記ピン部又は前記一対の接点部の他方を備え、
前記一対の接点部は、前記第1のコネクタと前記第3のコネクタとが嵌合された状態で、前記第1の筐体の中心軸に対して直交する方向に延びる、請求項1から4のいずれか1項に記載の複合コネクタ。
【請求項6】
前記一対の接点部を備える前記第2のコネクタ又は前記第4のコネクタは、前記第1のコネクタと前記第3のコネクタとが嵌合された状態で、前記一対の接点部における前記第1の筐体の中心軸が延びる方向への変位を許容する変位許容部を備える、請求項5に記載の複合コネクタ。
【請求項7】
前記凸部は、前記凸部と前記凹部とが嵌合される場合に相互の干渉を防ぐ逃げ部を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の複合コネクタ。
【請求項8】
前記凸部と前記凹部とが嵌合された状態で、複数の前記第2のコネクタと複数の前記第4のコネクタとが嵌合可能に配置されており、
前記第1のコネクタと前記第3のコネクタとが嵌合された状態で、前記第4のコネクタは相互に前記第1のコネクタの中心軸が延びる方向で重ならないように配置されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の複合コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複合コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、本開示の
図16に示すように、相手方のモジュールとで複合コネクタを構成するモジュール100が開示されている。モジュール100は、筐体101と、複数のコネクタ102と、を備えている。
【0003】
このとき、複数のコネクタ102は、相手方のモジュールの複数のコネクタと一方向で嵌合することができるように、筐体101に設けられている。そのため、複数のコネクタ102と相手方のモジュールの複数のコネクタとの嵌合方向が一方向に揃えられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述のように特許文献1の構成では、モジュール100の複数のコネクタ102と相手方のモジュールの複数のコネクタとの嵌合方向が一方向に揃えられている。そのため、複数のコネクタ102を精度良く筐体101に配置する必要があり、モジュール100の製造コストが嵩む課題を有する。
【0006】
また、モジュール100の複数のコネクタ102を相手方のモジュールの複数のコネクタと嵌合する際の相互の位置合わせが難しく、コネクタ相互を嵌合する際の作業性が悪い課題を有する。
【0007】
本開示の目的は、製造コストを抑制しつつ、コネクタ相互を嵌合する際の作業性の向上に寄与する複合コネクタを実現する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に係る複合コネクタは、
第1のコネクタが先端から露出する第1の筐体と、前記第1の筐体を軸に回転可能であって、第2のコネクタが設けられた第2の筐体と、を有する第1のモジュールと、
前記第1のコネクタと嵌合されて電気的に接続される第3のコネクタと、前記第2のコネクタと嵌合されて電気的に接続される第4のコネクタが設けられた第3の筐体と、を有する第2のモジュールと、
を備え、
前記第2の筐体に形成された凸部又は凹部の一方と、前記第3の筐体に形成された凸部又は凹部の他方と、が嵌合された状態で、前記第2のコネクタと前記第4のコネクタが嵌合される。
【0009】
上述の複合コネクタにおいて、
前記第2のモジュールは、前記第3のコネクタが設けられた第4の筐体を備え、
前記第3の筐体と前記第4の筐体とは、一体化されていることが好ましい。
【0010】
上述の複合コネクタにおいて、
前記第2のモジュールは、前記第1の筐体を収容する収容部を備え、
前記収容部は、前記第3の筐体と前記第4の筐体とで形成された切り欠き部であることが好ましい。
【0011】
上述の複合コネクタにおいて、前記第2のモジュールは、前記第3の筐体と前記第4の筐体とを連結するように形成された持ち代を備えることが好ましい。
【0012】
上述の複合コネクタにおいて、
前記第2のコネクタは、ピン部又は前記ピン部が嵌め込まれる一対の接点部の一方を備え、
前記第4のコネクタは、前記ピン部又は前記一対の接点部の他方を備え、
前記一対の接点部は、前記第1のコネクタと前記第3のコネクタとが嵌合された状態で、前記第1の筐体の中心軸に対して直交する方向に延びることが好ましい。
【0013】
上述の複合コネクタにおいて、前記一対の接点部を備える前記第2のコネクタ又は前記第4のコネクタは、前記第1のコネクタと前記第3のコネクタとが嵌合された状態で、前記一対の接点部における前記第1の筐体の中心軸が延びる方向への変位を許容する変位許容部を備えることが好ましい。
【0014】
上述の複合コネクタにおいて、前記凸部は、前記凸部と前記凹部とが嵌合される場合に相互の干渉を防ぐ逃げ部を備えることが好ましい。
【0015】
上述の複合コネクタにおいて、前記凸部と前記凹部とが嵌合された状態で、複数の前記第2のコネクタと複数の前記第4のコネクタとが嵌合可能に配置されており、
前記第1のコネクタと前記第3のコネクタとが嵌合された状態で、前記第4のコネクタは相互に前記第1のコネクタの中心軸が延びる方向で重ならないように配置されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、製造コストを抑制しつつ、コネクタ相互を嵌合する際の作業性の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施の形態の複合コネクタにおける第1のモジュールと第2のモジュールとの嵌合状態が解除された状態をZ軸+側から見た斜視図である。
【
図2】実施の形態の複合コネクタにおける第1のモジュールと第2のモジュールとの嵌合状態が解除された状態をZ軸-側から見た斜視図である。
【
図3】実施の形態の第1のモジュールをZ軸+側から見た分解斜視図である。
【
図4】実施の形態の第1のモジュールをZ軸-側から見た分解斜視図である。
【
図6】実施の形態の第2のコネクタが基板に電気的に接続された状態をZ軸-側から見た斜視図である。
【
図7】実施の形態の第2のコネクタと基板とをZ軸-側から見た分解斜視図である。
【
図8】実施の形態の第2のコネクタをZ軸+側から見た斜視図である。
【
図9】実施の形態の第2のコネクタをZ軸+側から見た平面図である。
【
図10】実施の形態の第2のコネクタをZ軸-側から見た底面図である。
【
図11】実施の形態の第2のモジュールをZ軸+側から見た分解斜視図である。
【
図13】実施の形態の複合コネクタにおいて、第1のモジュールの第1のコネクタを第2のモジュールの第3のコネクタと嵌合する様子を示す斜視図である。
【
図14】実施の形態の複合コネクタにおいて、第1のモジュールの第2のコネクタを第2のモジュールの第4のコネクタと嵌合する様子を示す斜視図である。
【
図15】実施の形態の複合コネクタにおいて、第1のモジュールと第2のモジュールとが嵌合された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、
図1から
図15を参照して、本実施の形態を説明する。先ず、本実施の形態の複合コネクタの構成を説明する。なお、以下の複合コネクタの構成の説明では、説明を明確にするために、直交座標系(XYZ)を用いて説明する。
【0019】
図1は、本実施の形態の複合コネクタにおける第1のモジュールと第2のモジュールとの嵌合状態が解除された状態をZ軸+側から見た斜視図である。
図2は、本実施の形態の複合コネクタにおける第1のモジュールと第2のモジュールとの嵌合状態が解除された状態をZ軸-側から見た斜視図である。
【0020】
図1及び
図2に示すように、複合コネクタ1は、第1のモジュール2と、第2のモジュール3と、を備えている。第1のモジュール2の構成を説明する。
図3は、本実施の形態の第1のモジュールをZ軸+側から見た分解斜視図である。
図4は、本実施の形態の第1のモジュールをZ軸-側から見た分解斜視図である。
図5は、
図1のV-V矢視断面図である。
【0021】
図3及び
図4に示すように、第1のモジュール2は、第1のコネクタ21と、第1の筐体22と、第2のコネクタ23と、基板24と、第2の筐体25と、を備えている。第1のコネクタ21は、例えば、micro USB Type-B型の一方のコネクタである。
【0022】
図3から
図5に示すように、第1の筐体22は、中空の円柱形状を基本形態としており、X軸方向に延びている。つまり、第1の筐体22の中心軸AX1は、X軸方向に延びている。第1の筐体22の外周側面におけるX軸+側の端部及びX軸-側の端部から円環形状のフランジ部22Aが第1の筐体22の径方向に突出している。このような第1の筐体22は、樹脂成形品であるとよい。
【0023】
図3及び
図4に示すように、第1の筐体22のX軸-側の面には、第1のコネクタ21が固定されている。その結果、第1のコネクタ21は、第1の筐体22のX軸-側の面からX軸-側に突出している。そして、
図5に示すように第1の筐体22の内部に通された第1の配線26が第1のコネクタ21と電気的に接続されている。第1の配線26は、第1のコネクタ21からX軸+側に延びている。なお、
図5では、図を明確にするために、第1の配線26などを簡略化して示している。
【0024】
図6は、本実施の形態の第2のコネクタが基板に電気的に接続された状態をZ軸-側から見た斜視図である。
図7は、本実施の形態の第2のコネクタと基板とをZ軸-側から見た分解斜視図である。
図8は、本実施の形態の第2のコネクタをZ軸+側から見た斜視図である。
図9は、本実施の形態の第2のコネクタをZ軸+側から見た平面図である。
図10は、本実施の形態の第2のコネクタをZ軸-側から見た底面図である。なお、
図8から
図10は、
図6及び
図7に示す4個の第2のコネクタ23のうち、X軸-側であって、且つ、Y軸+側に配置される第2のコネクタ23を代表して示している。
【0025】
図6から
図10に示すように、第2のコネクタ23は、基部23Aと、腕部23Bと、一対の接点部23Cと、基板実装部23Dと、一対の接点ガイド部23Eと、を備えており、例えば、一枚の金属板を折り曲げることで形成することができる。ここで、以下の第2のコネクタ23の構成の説明は、
図8から
図10に示す第2のコネクタ23を代表して説明する。
【0026】
図8から
図10に示すように、基部23Aは、XY平面と略平行な平坦部を備えている。そして、基部23Aには、Z軸方向に貫通する貫通部23Fが形成されている。腕部23Bは、根元部23Gと、一対の分岐部23Hと、を備えており、Z軸方向から見て基部23Aの貫通部23Fに露出しないように配置されている。
【0027】
図9に示すように、根元部23Gは、基部23Aの貫通部23Fの中心C1を通り、且つ、Y軸方向に延びる第1の軸AX2上に配置されている。
図8に示すように、根元部23Gは、例えば、X軸方向から見て略U字形状であり、根元部23GのY軸+側であって、且つ、Z軸-側の端部が基部23AのY軸+側の端部に固定されている。つまり、根元部23Gは、基部23AのY軸+側の端部からZ軸+側に突出し、Y軸-側に回り込むように折り返してZ軸-側に延びている。
【0028】
図9に示すように、一対の分岐部23Hは、根元部23GのY軸-側であって、且つ、Z軸-側の端部からX軸+側とX軸-側とに分岐している。詳細には、一対の分岐部23Hは、第1の軸AX2を対称軸とする線対称の形状である。そのため、本実施の形態では、分岐部23Hとして、X軸+側に配置される第1の分岐部23H1と、X軸-側に配置される第2の分岐部23H2と、を備えている。
【0029】
図9に示すように、第1の分岐部23H1と第2の分岐部23H2とは、第1の軸AX2を対称軸とする線対称の形状であるため、第1の分岐部23H1を代表して説明する。第1の分岐部23H1は、例えば、Z軸方向から見て略U字形状であり、第1の分岐部23H1のX軸-側であって、且つ、Y軸-側の端部が根元部23GのY軸-側であって、且つ、Z軸-側の端部に固定されている。つまり、第1の分岐部23H1は、根元部23GのY軸-側であって、且つ、Z軸-側の端部からY軸+側に突出し、X軸+側に回り込むように折り返してY軸-側に延びている。
【0030】
図9に示すように、一対の接点部23Cは、第1の軸AX2を対称軸とする線対称に配置されている。そのため、本実施の形態では、一対の接点部23Cとして、X軸+側に配置される第1の接点部23C1と、X軸-側に配置される第2の接点部23C2と、を備えている。
【0031】
図9に示すように、第1の接点部23C1と第2の接点部23C2とは、第1の軸AX2を対称軸とする線対称に配置されているため、第1の接点部23C1を代表して説明する。第1の接点部23C1は、第1の分岐部23H1のX軸+側であって、且つ、Y軸-側の端部からY軸-側に突出している。
【0032】
図10に示すように、第1の接点部23C1における第2の接点部23C2とX軸方向で対向する部分の一部が基部23Aの貫通部23Fに露出している。
図9に示すように、第1の接点部23C1における第2の接点部23C2と対向する部分は、大凡、Y軸方向に延びている。つまり、第1の接点部23C1における第2の接点部23C2と対向する部分は、大凡、第1の筐体22の中心軸AX1に対して直交する方向に延びている。そして、
図8に示すように、第1の接点部23C1における第2の接点部23C2と対向する部分のZ軸+側及びZ軸-側の端部には、面取り部が形成されている。
【0033】
このとき、第1の接点部23C1における第2の接点部23C2と対向する部分と、第2の接点部23C2における第1の接点部23C1と対向する部分と、はY軸+側に向かうのに従って相互の間隔が若干、広くなるように配置されているとよい。
【0034】
基板実装部23Dは、第2のコネクタ23を基板24に電気的に接続するための部分である。例えば、
図8から
図10に示すように、本実施の形態では、基板実装部23Dとして、第1の基板実装部23D1と、第2の基板実装部23D2と、第3の基板実装部23D3と、を備えている。
【0035】
図8に示すように、第1の基板実装部23D1は、基部23AのY軸-側の端部からZ軸+側に延びており、例えば、Y軸方向から見て略矩形状である。第2の基板実装部23D2は、基部23AのX軸+側の端部からZ軸+側に突出しており、第1の分岐部23H1に対してX軸+側に配置されている。第2の基板実装部23D2は、例えば、Y軸方向から見て、第2の基板実装部23D2のZ軸+側の部分がX軸+側に折り曲げられた略L字形状である。
【0036】
図8に示すように、第3の基板実装部23D3は、基部23AのX軸-側の端部からZ軸+側に突出しており、第2の分岐部23H2に対してX軸-側に配置されている。第3の基板実装部23D3は、例えば、Y軸方向から見て、第3の基板実装部23D3のZ軸+側の部分がX軸-側に折り曲げられた略L字形状である。これらの第1の基板実装部23D1、第2の基板実装部23D2及び第3の基板実装部23D3のZ軸方向の高さは、略等しく、腕部23BのZ軸方向の高さに比べて高い。
【0037】
一対の接点ガイド部23Eは、接点部23CがZ軸-側への過剰な変位を防止するための部分である。
図9に示すように、一対の接点ガイド部23Eは、例えば、第1の軸AX2を対称軸とする線対称に配置されている。そのため、本実施の形態では、一対の接点ガイド部23Eとして、X軸+側に配置される第1の接点ガイド部23E1と、X軸-側に配置される第2の接点ガイド部23E2と、を備えている。
【0038】
図9に示すように、第1の接点ガイド部23E1と第2の接点ガイド部23E2とは、第1の軸AX2を対称軸とする線対称に配置されているため、第1の接点ガイド部23E1を代表して説明する。
図8及び
図9に示すように、第1の接点ガイド部23E1は、支持部23Iと、接触部23Jと、を備えている。
【0039】
図9に示すように、支持部23Iは、Z軸方向から見て略U字形状であり、支持部23IのX軸+側であって、且つ、Y軸+側の端部が第2の基板実装部23D2のY軸-側の端部に固定されている。つまり、支持部23Iは、第2の基板実装部23D2のY軸-側の端部からY軸-側に突出し、X軸-側に回り込むように折り返してY軸+側に延びている。
【0040】
図9に示すように、接触部23Jは、基部23Aの貫通部23Fの周縁に倣う湾曲形状である。接触部23Jは、支持部23IのY軸+側に延びる部分と第1の接点部23C1との間に配置されており、接触部23JのY軸+側であって、且つ、Z軸+側の端部が支持部23IのY軸+側に延びる部分に固定されている。これにより、接触部23Jは、支持部23Iによって支持されている。
【0041】
このような第2のコネクタ23は、接点部23Cが腕部23Bを介して基部23Aに固定された構成である。そして、腕部23Bの根元部23GのZ軸+側に延びる部分がZ軸回りに弾性的にねじれ変形することで、一対の接点部23CをXY平面上でX軸方向に変位させることができる。つまり、腕部23Bの根元部23GのZ軸+側に延びる部分は、一対の接点部23Cの変位許容部23Kとして機能する。
【0042】
図7に示すように、基板24は、基板24のZ軸-側の面に配線パターン24Aを備えている。基板24には、基板24をZ軸方向に貫通するボルト孔24Bが形成されている。このような基板24の配線パターン24Aには、第2の配線27が電気的に接続されている。また、
図6に示すように、基板24の配線パターン24Aには、第2のコネクタ23の基板実装部23Dが半田付けなどの溶接によって電気的に接続されている。
【0043】
ここで、詳細な機能は後述するが、
図6に示すように、第2のコネクタ23における基部23Aの貫通部23Fの中心C1は、X軸方向で重ならないように配置されているとよい。例えば、第2のコネクタ23の基部23Aの貫通部23Fの中心C1は、Z軸方向から見て、X軸-側に短辺を有する等脚台形の頂点にそれぞれ配置されているとよい。
【0044】
そのため、第2のコネクタ23は、X軸方向に延びる第2の軸AX3を対称軸とする線対称に配置することができる。このとき、例えば、
図6に示すように、X軸+側に配置された2個の第2のコネクタ23は、第2の軸AX3を挟んで腕部23Bが対向するように配置し、X軸-側に配置された2個の第2のコネクタ23は、第2の軸AX3を挟んで第1の基板実装部23D1が対向するように配置することができる。
【0045】
図3から
図5に戻り、第2の筐体25は、第1のケース25Aと、第2のケース25Bと、パッキン25Cと、を備えている。第2の筐体25のX軸方向の長さL1は、第1の筐体22のフランジ部22Aの間隔L2に対して短い。
【0046】
第1のケース25Aは、例えば、樹脂成形品であるとよい。
図3及び
図4に示すように、第1のケース25Aは、Z軸-側が開放しており、天井部25Dと、側壁部25Eと、を備えている。天井部25Dは、Z軸方向から見て略矩形状である。
図4及び
図5に示すように、天井部25Dには、天井部25DからZ軸-側に突出するボス部25Wを貫通するようにボルト孔25Fが形成されている。ボルト孔25Fは、ボス部25WをZ軸方向に貫通する。
【0047】
図4に示すように、側壁部25Eは、天井部25Dの周縁に沿って配置されており、天井部25DからZ軸-側に突出している。側壁部25EにおけるX軸+側の部分には、第1の筐体22のZ軸+側の部分が収容される略半円形状の第1の切り欠き部25Gと、第2の配線27のZ軸+側の部分が収容される略半円形状の第2の切り欠き部25Hと、が形成されている。側壁部25EにおけるX軸-側の部分には、第1の筐体22のZ軸+側の部分が収容される略半円形状の第3の切り欠き部25Iが形成されている。このとき、側壁部25EにおけるY軸+側の部分は、第1の筐体22の外周側面に倣う湾曲形状であるとよい。
【0048】
第2のケース25Bは、例えば、樹脂成形品であるとよい。
図3から
図5に示すように、第2のケース25Bは、台座部25Jと、凸部25Kと、アーム部25Lと、を備えている。
図3に示すように、台座部25Jは、Z軸方向から見て略矩形の環状であり、台座部25JのZ軸+側の面には、第2の配線27のZ軸-側の部分を収容する略半円柱形状の収容部25Mが形成されている。
【0049】
このとき、第1のケース25Aと第2のケース25Bとを突き合わせて固定する際に、第2のケース25Bに対して第1のケース25Aの位置を案内するために、
図3に示すように、台座部25Jの周縁に沿って第1の案内部25Nが形成されているとよい。第1の案内部25Nは、台座部25JからZ軸+側に突出している。
【0050】
図5に示すように、第1の案内部25Nは、第1のケース25Aと第2のケース25Bとを突き合わせた際に、第1のケース25Aの側壁部25EにおけるX軸+側の部分、Y軸-側の部分及びX軸-側の部分の内周面に接触する。
【0051】
図3及び
図4に示すように、凸部25Kは、台座部25JからZ軸-側に突出する。凸部25Kは、Z軸+側が開放しており、底部25Oと、側壁部25Pと、を備えている。底部25Oは、Z軸方向から見て略矩形状である。底部25Oには、基板24に固定された第2のコネクタ23の基部23Aの貫通部23Fと対応する位置に貫通部25Qが形成されている。また、
図3及び
図5に示すように、底部25Oには、底部25OからZ軸+側に突出するボス部25Xにボルト穴25Rが形成されている。
【0052】
図4及び
図5に示すように、側壁部25Pは、底部25Oの周縁に沿って配置されており、底部25OからZ軸+側に突出している。側壁部25Pの外側面には、側壁部25Pの外側面を囲むように溝部25Sが形成されている。
【0053】
このとき、詳細な機能は後述するが、
図5に示すように、側壁部25PにおけるY軸-側の部分の溝部25Sに対してZ軸-側の部分は、側壁部25PにおけるY軸-側の部分の溝部25Sに対してZ軸+側の部分より、Y軸+側に配置されているとよい。
【0054】
このような底部25Oと側壁部25Pとで囲まれた空間に基板24及び第2のコネクタ23が収容される。このとき、
図3及び
図5に示すように、側壁部25PのZ軸+側の部分には、基板24を載せるための段差部25Tが形成されているとよい。また、底部25Oと側壁部25Pとで囲まれた空間は、隔壁25Uによって各々の第2のコネクタ23が収容される空間に区切られているとよい。
【0055】
図3から
図5に示すように、アーム部25Lは、X軸方向から見て略半円筒形状であり、アーム部25LのY軸-側であって、且つ、Z軸+側の端部が台座部25JのY軸+側の端部に固定されている。アーム部25Lの内部には、第1の筐体22のZ軸-側の部分が収容される。
【0056】
このとき、第1のケース25Aと第2のケース25Bとを突き合わせて固定する際に、第2のケース25Bに対して第1のケース25Aの位置を案内するために、
図3及び
図5に示すように、アーム部25LのY軸+側であって、且つ、Z軸+側の端部に第2の案内部25Vが形成されているとよい。第2の案内部25Vは、X軸方向に延びており、アーム部25LのY軸+側であって、且つ、Z軸+側の端部からZ軸+側に突出している。
【0057】
図5に示すように、第2の案内部25Vは、第1のケース25Aと第2のケース25Bとを突き合わせた際に、第1のケース25Aにおける側壁部25EのY軸+側に配置された部分の内周面に接触する。
パッキン25Cは、略矩形の環状であり、凸部25Kの溝部25Sに嵌合されている。
【0058】
次に、第1のモジュール2を組み立てる流れを説明する。先ず、第2のコネクタ23の基板実装部23Dを基板24の配線パターン24Aに電気的に接続する。そして、第2の配線27を基板24の配線パターン24Aに電気的に接続する。
【0059】
次に、第2のコネクタ23を第2のケース25Bの隔壁25Uによって区切られた空間に収容すると共に、基板24を第2のケース25Bの段差部25T及びボス部25Xに載せる。このとき、Z軸方向から見て、第2のケース25Bの凸部25Kの貫通部25Qと、第2のコネクタ23の基部23Aの貫通部23Fと、が略重なるように配置される。
【0060】
次に、第2の配線27のZ軸-側の部分を第2のケース25Bの収容部25Mに収容する。そして、第2のケース25Bのアーム部25Lの内部に第1の筐体22におけるフランジ部22Aの間のZ軸-側の部分を収容する。このとき、第1のコネクタ21が第1の筐体22からX軸-側に突出するように、第1の筐体22が第2のケース25Bに配置される。
【0061】
次に、第1のケース25Aの天井部25Dのボス部25Wと、第2のケース25Bの段差部25T及びボス部25Xと、で基板24を挟み込むように、第1のケース25Aで第2のケース25Bを覆い、第1のケース25Aの側壁部25Eと、第2のケース25Bの台座部25J及びアーム部25Lと、を突き合わせる。
【0062】
このとき、第1のケース25Aの側壁部25Eの第1の切り欠き部25G及び第3の切り欠き部25Iに第1の筐体22におけるフランジ部22Aの間のZ軸+側の部分が収容される。また、第1のケース25Aの側壁部25Eの第2の切り欠き部25Hに第2の配線27のZ軸+側の部分が収容される。
【0063】
ここで、第2のケース25Bに第1の案内部25N及び第2の案内部25Vが形成されている場合、第1のケース25Aと第2のケース25Bとを所定の位置で簡単に突き合わせることができる。
【0064】
その後、ボルト28を第1のケース25Aのボルト孔25F及び基板24のボルト孔24Bに通し、ボルト28を第2のケース25Bのボルト穴25Rにねじ込むと、第1のモジュール2を組み立てることができる。このような第1のモジュール2は、第1の筐体22を軸に第2の筐体25が回転可能な構成となる。つまり、第1の筐体22と第2の筐体25とはヒンジ機構を構成する。
【0065】
次に、第2のモジュール3の構成を説明する。
図11は、本実施の形態の第2のモジュールをZ軸+側から見た分解斜視図である。
図12は、
図1のXII-XII矢視断面図である。なお、
図12では、図を明確にするために、一部を簡略化して示している。
図11に示すように、第2のモジュール3は、第3のコネクタ31と、第3の筐体(本願請求項2の第4の筐体に対応)32と、第4のコネクタ33と、基板34と、第4の筐体(本願請求項1の第3の筐体に対応)35と、を備えている。
【0066】
第3のコネクタ31は、第1のモジュール2の第1のコネクタ21と嵌合される。第3のコネクタ31は、例えば、micro USB Type-B型の相手方のコネクタである。但し、第1のコネクタ21と第3のコネクタ31とが嵌合可能であれば、コネクタの種類は限定されない。そのため、第1のコネクタ21がイヤホーンプラグであり、第3のコネクタ31がイヤホーンジャックであってもよい。
【0067】
第3の筐体32は、例えば、樹脂成形品であるとよい。
図11に示すように、第3の筐体32は、中空の略直方体を基本形態としており、第3の筐体32のX軸+側の面に開口部32Aが形成されている。開口部32Aから第3のコネクタ31における第1のコネクタ21と嵌合される部分が露出するように、第3の筐体32の内部に第3のコネクタ31を収容している。
【0068】
このとき、第3のコネクタ31は、第3の筐体32の内部に通された配線36と電気的に接続されている。配線36は、第3のコネクタ31からX軸-側に延びている。但し、第1のモジュール2の第1のコネクタ21及び第2のモジュール3の第3のコネクタ31の個数及び配置は、少なくとも一対の第1のコネクタ21と第3のコネクタ31とが嵌合可能に配置されていればよい。
【0069】
第4のコネクタ33は、第1のモジュール2の第2のコネクタ23と嵌合される。
図11に示すように、第4のコネクタ33は、台座部33Aと、ピン部33Bと、を備えており、導電材料で形成されている。
【0070】
図11に示すように、台座部33Aは、例えば、円環形状である。
図11及び
図12に示すように、ピン部33Bは、台座部33AからZ軸+側に突出している。ピン部33Bは、例えば、ピン部33BのZ軸+側の端部が塞がった略円筒形状であり、ピン部33BのZ軸+側の端部にZ軸+側に向かうのに従って縮径するテーパー部33Cが形成されている。ピン部33Bの外周側面には、ピン部33Bの外周側面を囲むように溝部33Dが形成されている。
【0071】
図11及び
図12に示すように、基板34は、基板34のZ軸+側の面にパッド部34Aを備えている。基板34は、例えば、FPC(Flexible Printed Circuits)で構成することができる。このとき、第4のコネクタ33は、第1の両面接着シート37を介して基板34に固定することができる。
【0072】
図11及び
図12に示すように、第1の両面接着シート37は、基板34のパッド部34Aに対応する位置に貫通部37Aが形成されている。貫通部37Aは、第4のコネクタ33のピン部33Bの最も太い箇所の直径に対して大きく、且つ、台座部33Aの外径に対して小さい直径を備えている。
【0073】
このような第1の両面接着シート37の貫通部37Aに第4のコネクタ33のピン部33BをZ軸+側に通した状態で、第4のコネクタ33の台座部33Aが基板34のパッド部34Aに接触するように、第1の両面接着シート37のZ軸-側の面が基板34のZ軸+側の面に貼り付けられている。
【0074】
これにより、
図12に示すように、第1の両面接着シート37を介して第4のコネクタ33が基板34に固定されている。このとき、基板34のZ軸+側の面には、第1の両面接着シート37を収容する収容部34Bが形成されているとよい。
【0075】
第1の両面接着シート37が基板34の第1の収容部34Bに収容される場合、基板34の収容部34Bが無い場合に比べて、基板34周辺のZ軸方向の厚さを薄くすることができる。これにより、第2のモジュール3の小型化に寄与することができる。
【0076】
ここで、第4のコネクタ33は、第1のモジュール2の第2のコネクタ23における基部23Aの貫通部23Fの配置と対応するように、例えば、4個の第4のコネクタ33を基板34に固定することができるが、第4のコネクタ33相互がX軸方向で重ならないように配置されているとよい。例えば、第4のコネクタ33は、第1のモジュール2の第2のコネクタ23における基部23Aの貫通部23Fの配置と対応するように、X軸-側に短辺を有する等脚台形の頂点にそれぞれ配置されているとよい。
【0077】
これにより、各々の第4のコネクタ33に電気的に接続される基板34の配線をX軸方向に延びるように配置することができ、他の配線を避けるために、配線を迂回するように設計する必要がない。そのため、基板34の小型化に寄与することができる。また、配線を短くすることができるため、第2のモジュール3を安価に製造することができる。
【0078】
なお、第1のモジュール2の第2のコネクタ23における基部23Aの貫通部23F及び第2のモジュール3の第4のコネクタ33は、X軸方向で重ならないように、例えば、平行四辺形の頂部にそれぞれ配置してもよい。但し、第2のコネクタ23及び第4のコネクタ33の個数及び配置は、上述の限りではなく、少なくとも一対の第2のコネクタ23と第4のコネクタ33とが嵌合可能に配置されていればよい。また、第2のコネクタ23及び第4のコネクタ33が嵌合可能であれば、コネクタの種類は限定されない。
【0079】
第4の筐体35は、例えば、樹脂成形品であるとよい。
図11に示すように、第4の筐体35は、本体部35Aと、蓋部35Bと、を備えている。本体部35AのZ軸+側の面には、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kと嵌合される凹部35Cが形成されている。
【0080】
図11に示すように、凹部35Cは、例えば、Z軸方向から見て略矩形状であり、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25KのZ軸方向の高さと略等しい深さを備えている。そして、凹部35Cの底部には、第4のコネクタ33のピン部33Bが通される貫通部35Dが形成されている。貫通部35Dは、凹部35Cの底部をZ軸方向に貫通する。
【0081】
図12に示すように、蓋部35Bは、本体部35Aと蓋部35Bとで基板34を挟み込んだ状態で、本体部35Aに固定されている。
図11に示すように、蓋部35BのZ軸+側の面には、第4のコネクタ33を固定するための凸部35Eが形成されている。
【0082】
このとき、
図12に示すように、蓋部35Bは、第2の両面接着シート38を介して本体部35Aに固定することができる。
図11及び
図12に示すように、第2の両面接着シート38には、蓋部35Bの凸部35Eを避けるための貫通部38Aが形成されている。貫通部38Aは、第2の両面接着シート38をZ軸方向に貫通する。
【0083】
図12に示すように、第2の両面接着シート38の貫通部38Aに蓋部35Bの凸部35EをZ軸+側に通した状態で、第2の両面接着シート38のZ軸-側の面が蓋部35BのZ軸+側の面に貼り付けられている。そして、蓋部35Bの凸部35Eが第4のコネクタ33のピン部33Bの内部に挿入されるように、第2の両面接着シート38のZ軸+側の面が基板34のZ軸-側の面に貼り付けられている。
【0084】
これにより、
図12に示すように、第1の両面接着シート37、基板34及び第2の両面接着シート38を介して蓋部35Bが本体部35Aに固定されている。また、蓋部35Bの凸部35Eによって第4のコネクタ33の位置が固定されている。
【0085】
ここで、
図11に示すように、第4の筐体35は、第3の筐体32と一体化されているとよい。例えば、第4の筐体35における本体部35AのX軸-側であって、且つ、Y軸+側の角部が第3の筐体32のY軸-側の端部に固定されているとよい。これにより、第3の筐体32と第4の筐体35の本体部35Aとを一体成形することができ、第3の筐体32及び第4の筐体35を簡単に製造することができる。
【0086】
このとき、
図11に示すように、Z軸方向から見て、第3の筐体32と第4の筐体35とで第2のモジュール3のX軸+側であって、且つ、Y軸+側の領域に、切り欠き部39が形成されるとよい。切り欠き部39は、詳細は後述するが、第1のモジュール2の第1の筐体22を収容するための収容部40として機能させることができる。
【0087】
また、
図11に示すように、第3の筐体32と第4の筐体35とを連結する部分を、第1のモジュール2と第2のモジュール3とを嵌合する際に第2のモジュール3を作業者が持つための持ち代41として機能させるとよい。持ち代41は、第2のモジュール3のX軸-側であって、且つ、Y軸-側の領域で、第3の筐体32と第4の筐体35とを連結する。持ち代41は、XY平面と略平行に配置された平坦部を備えている。
【0088】
次に、第2のモジュール3を組み立てる流れを説明する。先ず、配線36と電気的に接続された第3のコネクタ31を第3の筐体32の内部に収容する。このとき、第3のコネクタ31における第1のコネクタ21と嵌合される部分が第3の筐体32の開口部32Aから露出する。
【0089】
次に、第1の両面接着シート37の貫通部37Aに第4のコネクタ33のピン部33BをZ軸+側に通した状態で、第4のコネクタ33の台座部33Aを基板34のパッド部34Aに接触するように、第1の両面接着シート37のZ軸-側の面を基板34のZ軸+側の面に貼り付ける。このとき、第1の両面接着シート37は、基板34の収容部34Bに収容するとよい。
【0090】
次に、第2の両面接着シート38の貫通部38Aに蓋部35Bの凸部35EをZ軸+側に通した状態で、第2の両面接着シート38のZ軸-側の面を蓋部35BのZ軸+側の面に貼り付ける。そして、蓋部35Bの凸部35Eが第4のコネクタ33のピン部33Bに挿入されるように、第2の両面接着シート38のZ軸+側の面を基板34のZ軸-側に面に貼り付ける。
【0091】
その後、第4の筐体35の本体部35Aの貫通部35Dに第4のコネクタ33のピン部33Bが挿入されるように、第1の両面接着シート37のZ軸+側の面を第4の筐体35の本体部35AのZ軸-側に面に貼り付けると、第2のモジュール3を組み立てることができる。
【0092】
次に、第1のモジュール2と第2のモジュール3とを嵌合する流れを説明する。
図13は、本実施の形態の複合コネクタにおいて、第1のモジュールの第1のコネクタを第2のモジュールの第3のコネクタと嵌合する様子を示す斜視図である。
図14は、本実施の形態の複合コネクタにおいて、第1のモジュールの第2のコネクタを第2のモジュールの第4のコネクタと嵌合する様子を示す斜視図である。
図15は、本実施の形態の複合コネクタにおいて、第1のモジュールと第2のモジュールとが嵌合された状態を示す斜視図である。
【0093】
図13に示すように、先ず、第1のモジュール2の第1のコネクタ21を第2のモジュール3の第3のコネクタ31と嵌合する。これにより、第1のモジュール2の第1の筐体22の中心軸AX1が延びる方向での第1のモジュール2と第2のモジュール3との位置を固定することができる。
【0094】
このとき、第2のモジュール3の第3の筐体32と第4の筐体35とで切り欠き部39(即ち、収容部40)形成されている場合、第1のモジュール2の第1の筐体22を収容部40に収容することができる。そのため、第3の筐体32と第4の筐体35とのデッドスペースを有効的に利用して、第1の筐体22を配置することができ、複合コネクタ1を小型化することができる。
【0095】
また、第2のモジュール3に持ち代41が設けられている場合、作業者が持ち代41を持って、第2のモジュール3を安定させた状態で、第1のモジュール2の第1のコネクタ21を第2のモジュール3の第3のコネクタ31と嵌合することができる。
【0096】
次に、
図14に示すように、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kが第2のモジュール3の第4の筐体35の凹部35Cと嵌合されるように、第1のモジュール2の第1の筐体22を軸として第2の筐体25を回転させる。
【0097】
このとき、第2の筐体25が第1の筐体22に対して回転するように、第2の筐体25の第1のケース25Aと第2のケース25Bとで第1の筐体22を挟み込んでいるので、第2の筐体25を第1の筐体22を軸にして簡単に回転させることができる。
【0098】
図15に示すように、第1のモジュール2の第1の筐体22を軸として第2の筐体25をさらに回転させ、第2のモジュール3の第4のコネクタ33のピン部33Bを第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kの貫通部25Qに通し、第4のコネクタ33のピン部33Bを第1のモジュール2の第2のコネクタ23の一対の接点部23Cと嵌合すると、第1のモジュール2と第2のモジュール3とを嵌合することができる。
【0099】
このとき、第1のモジュール2の第2のコネクタ23の一対の接点部23Cは、第2のモジュール3の第4のコネクタ33のピン部33Bの溝部33Dと嵌合される。これにより、第2のモジュール3の第4のコネクタ33を第1のモジュール2の第2のコネクタ23に確実に接続することができる。
【0100】
また、第1のモジュール2の第2の筐体25の台座部25Jにおける凸部25Kの周辺部と、第2のモジュール3の第4の筐体35の本体部35Aにおける凹部35Cの周辺部と、が接触する。
【0101】
それと共に、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kに設けられたパッキン25Cが第2のモジュール3の第4の筐体35の凹部35Cの周側面に接触する。これにより、第1のモジュール2の第2のコネクタ23と第2のモジュール3の第4のコネクタ33との嵌合部への異物の侵入を抑制することができる。
【0102】
また、第1のモジュール2の第2のコネクタ23の一対の接点部23Cが第2のモジュール3の第4のコネクタ33のピン部33Bの溝部33Dと嵌合される際に、一対の接点部23Cがピン部33Bに押し込まれても、接点部23Cが接点ガイド部23Eに接触して支持される。そのため、一対の接点部23Cをピン部33Bと確実に嵌合することができる。
【0103】
ここで、第1のモジュール2の第2の筐体25の側壁部25PにおけるY軸-側の部分の溝部25Sに対してZ軸-側の部分が、側壁部25PにおけるY軸-側の部分の溝部25Sに対してZ軸+側の部分より、Y軸+側に配置されている場合、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kが第2のモジュール3の第4の筐体35の凹部35Cに干渉することなく、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kを第2のモジュール3の第4の筐体35の凹部35Cと嵌合することができる。
【0104】
そのため、第1のモジュール2の第2の筐体25の側壁部25PにおけるY軸-側の部分の溝部25Sに対してZ軸-側の部分は、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kを第2のモジュール3の第4の筐体35の凹部35Cに嵌合する際に相互の干渉を防ぐための逃げ部42(
図5を参照)として機能させることができる。
【0105】
また、第1のモジュール2の第2のコネクタ23の一対の接点部23Cは、大凡、第1の筐体22の中心軸AX1に対して直交する方向に延びている。そのため、第1のモジュール2の第2のコネクタ23が第1の筐体22の中心軸AX1回りに回転した際に、第2のモジュール3の第4のコネクタ33のピン部33Bを一対の接点部23Cの間にスムーズに導き入れることができる。
【0106】
しかも、第2のコネクタ23に対する第4のコネクタ33の嵌合位置が所定の位置に対して第1の筐体22の中心軸AX1に対して直交する方向にズレていても、第2のコネクタ23に対する第4のコネクタ33の嵌合位置のズレを吸収することができる。そのため、第2のコネクタ23と第4のコネクタ33とを確実に嵌合することができる。
【0107】
また、第1のモジュール2の第2のコネクタ23は、変位許容部23Kを備えているので、第2のコネクタ23に対する第4のコネクタ33の嵌合位置が所定の位置に対して第1の筐体22の中心軸AX1が延びる方向にズレていても、変位許容部23Kが弾性的にねじれ変形することで、第2のコネクタ23に対する第4のコネクタ33の嵌合位置のズレを吸収することができる。そのため、第2のコネクタ23と第4のコネクタ33とを確実に嵌合することができる。
【0108】
一方、第1のモジュール2と第2のモジュール3との嵌合状態を解除する場合、上述の流れに対して逆の流れを実行すればよい。
【0109】
このように本実施の形態の複合コネクタ1は、第1のモジュール2の第1のコネクタ21と第2のモジュール3の第3のコネクタ31との嵌合方向と、第1のモジュール2の第2のコネクタ23と第2のモジュール3の第4のコネクタ33との嵌合方向と、が異なる。そのため、第1のコネクタ21と第3のコネクタ31との嵌合位置が所定の位置に対してズレていても、第2のコネクタ23と第4のコネクタ33との嵌合精度に影響を及ぼし難い。
【0110】
したがって、第1のモジュール2に第1のコネクタ21及び第2のコネクタ23を高精度に設けたり、第2のモジュール3に第3のコネクタ31及び第4のコネクタ33を高精度に設けたり、する必要がなく、複合コネクタ1を安価に製造することができる。
【0111】
しかも、第1のモジュール2の第1のコネクタ21と第2のモジュール3の第3のコネクタ31とを嵌合すると、第1のモジュール2の第1の筐体22の中心軸AX1が延びる方向での第1のモジュール2と第2のモジュール3との位置を固定することができ、第1のモジュール2の第2のコネクタ23と第2のモジュール3の第4のコネクタ33とを嵌合するための位置合わせをする必要がない。
【0112】
そのため、第1のモジュール2の第1のコネクタ21と第2のモジュール3の第3のコネクタ31とを嵌合した後に、第1のモジュール2の第2の筐体25を第1の筐体22を軸として回転させると、第1のモジュール2の第2のコネクタ23と第2のモジュール3の第4のコネクタ33とを嵌合することができる。これにより、本実施の形態の複合コネクタ1は、コネクタ相互を嵌合する際の作業性の向上に寄与することができる。
【0113】
また、第1のモジュール2の第2の筐体25の凸部25Kと第2のモジュール3の第4の筐体35の凹部35Cとが嵌合されるため、不意な力が第1のモジュール2の第1のコネクタ21と第2のモジュール3の第3のコネクタ31との嵌合状態が解除される方向に加わっても、第1のモジュール2と第2のモジュール3との嵌合状態が解除されることを抑制できる。
【0114】
本実施の形態の複合コネクタ1において、第2のモジュール3の第3の筐体32と第4の筐体35とが一体化される場合、第3の筐体32と第4の筐体35とを一体成形することができ、第3の筐体32及び第4の筐体35を簡単に製造することができる。
【0115】
本実施の形態の複合コネクタ1において、第2のモジュール3の第3の筐体32と第4の筐体35とで収容部40が形成されている場合、収容部40に第1の筐体22を配置することができ、複合コネクタ1を小型化することができる。
【0116】
本実施の形態の複合コネクタ1において、第2のモジュール3に持ち代41が設けられている場合、作業者が持ち代41を持って、第2のモジュール3を安定させた状態で、第1のモジュール2の第1のコネクタ21を第2のモジュール3のコネクタ31に嵌合することができる。
【0117】
本実施の形態の複合コネクタ1において、第1のモジュール2の第2のコネクタ23の一対の接点部23Cが、大凡、第1の筐体22の中心軸AX1に対して直交する方向に延びている場合、一対の接点部23Cにおける第1の筐体22の中心軸AX1回りの回転動作を第2のモジュール3の第4のコネクタ33が阻害しない。そのため、第2のモジュール3の第4のコネクタ33のピン部33Bを一対の接点部23Cの間にスムーズに導き入れることができ、第2のコネクタ23と第4のコネクタ33とを嵌合する際の作業性の向上に寄与することができる。
【0118】
本実施の形態の複合コネクタ1において、第1のモジュール2の第2のコネクタ23が変位許容部23Kを備えている場合、第2のコネクタ23に対する第4のコネクタ33の嵌合位置が所定の位置に対して第1の筐体22の中心軸AX1が延びる方向にズレていても、変位許容部23Kが弾性的にねじれ変形することで、第2のコネクタ23に対する第4のコネクタ33の嵌合位置のズレを吸収することができる。
【0119】
本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0120】
1 複合コネクタ
2 第1のモジュール
21 第1のコネクタ
22 第1の筐体、22A フランジ部
23 第2のコネクタ
23A 基部
23B 腕部
23C 接点部(23C1 第1の接点部、23C2 第2の接点部)
23D 基板実装部(23D1 第1の基板実装部、23D2 第2の基板実装部、23D3 第3の基板実装部)
23E 接点ガイド部(23E1 第1の接点ガイド部、23E2 第2の接点ガイド部)
23F 貫通部
23G 根元部
23H 分岐部(23H1 第1の分岐部、23H2 第2の分岐部)
23I 支持部
23J 接触部
23K 変位許容部
24 基板、24A 配線パターン、24B ボルト孔
25 第2の筐体
25A 第1のケース
25D 天井部、25W ボス部、25F ボルト孔
25E 側壁部、25G 第1の切り欠き部、25H 第2の切り欠き部、25I 第3の切り欠き部
25B 第2のケース
25J 台座部、25M 収容部、25N 第1の案内部
25K 凸部、25O 底部、25Q 貫通部、25X ボス部、25R ボルト穴
25P 側壁部、25S 溝部
25L アーム部、25V 第2の案内部
25T 段差部
25U 隔壁
25C パッキン
26 第1の配線
27 第2の配線
28 ボルト
3 第2のモジュール
31 第3のコネクタ
32 第3の筐体、32A 開口部
33 第4のコネクタ、33A 台座部、33B ピン部、33C テーパー部、33D 溝部
34 基板、34A パッド部、34B 収容部
35 第4の筐体
35A 本体部、35C 凹部、35D 貫通部
35B 蓋部、35E 凸部
36 配線
37 第1の両面接着シート、37A 貫通部
38 第2の両面接着シート、38A 貫通部
39 切り欠き部
40 収容部
41 持ち代
42 逃げ部
100 モジュール
101 筐体
102 コネクタ
AX1 第1の筐体の中心軸
AX2 第1の軸
AX3 第2の軸
C1 第2のコネクタの基部の貫通部の中心
L1 第2の筐体のX軸方向の長さ
L2 第1の筐体のフランジ部の間隔