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特許7399833表示装置のストレス補償方法およびシステム
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  • 特許-表示装置のストレス補償方法およびシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】表示装置のストレス補償方法およびシステム
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/3208 20160101AFI20231211BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20231211BHJP
   H03M 7/30 20060101ALI20231211BHJP
   H10K 50/10 20230101ALI20231211BHJP
   H10K 59/12 20230101ALI20231211BHJP
【FI】
G09G3/3208
G09G3/20 670J
G09G3/20 670K
G09G3/20 631V
G09G3/20 631R
H03M7/30 Z
H10K50/10
H10K59/12
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020155274
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2021047404
(43)【公開日】2021-03-25
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】62/902284
(32)【優先日】2019-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/657766
(32)【優先日】2019-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】グレゴリー ダブリュー. クック
【審査官】塚本 丈二
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-195313(JP,A)
【文献】特開2007-279290(JP,A)
【文献】特開2015-092645(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0062202(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20-3/38
H10K 59/00-59/95
H03M 7/30
H10K 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
復号器によって、表示装置における複数の画素の各々に含まれる副画素が受けたストレス量を示すストレスデータが量子化値で量子化された圧縮ストレスデータを取り出すこと、
前記復号器によって、前記圧縮ストレスデータを復号化して復号化データを生成すること、
前記圧縮ストレスデータの前記量子化値に基づいてディザ値を生成すること、及び
前記ディザ値を前記復号化データに加算して前記圧縮ストレスデータの量子化を補償すること、
を含む、表示装置におけるストレス補償方法。
【請求項2】
前記ディザ値の生成及び前記加算は、前記復号器または前記復号器の外部の回路によって行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記量子化値は、2のべき乗であり、
前記量子化値は、前記圧縮ストレスデータのヘッダーに保存される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ディザ値を生成することは、前記圧縮ストレスデータに対応する以前のディザ値にさらに基づき、
前記以前のディザ値は、前記圧縮ストレスデータのヘッダーに保存され、
前記ディザ値を生成することは、均一擬似乱数生成器を使用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ディザ値を生成することは、
前記復号器によって、前記量子化値が1であると判定すること、及び
前記判定に応答して、前記復号器によって、前記ディザ値を0として出力すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ディザ値を生成することは、
前記復号器によって、前記量子化値が2であると判定すること、及び
前記判定に応答して、前記復号器によって、以前のディザ値に1と前記量子化値を加えた値の絶対値と等しい前記ディザ値を出力すること、
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ディザ値を生成することは、前記復号器によって、第1値と前記量子化値の絶対値と等しい前記ディザ値を出力することを含み、
前記第1値は、前記量子化値の半分から1を引いた値と以前のディザ値の和として算出される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記復号器によって、前記ディザ値を前記復号化データのヘッダーに保存することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
符号器によって、蓄積された1ストレスデータを量子化値に対応する量子化で圧縮して、圧縮蓄積ストレスデータを生成すること、
前記符号器によって、前記圧縮蓄積ストレスデータをメモリに保存すること、
復号器によって、前記圧縮蓄積ストレスデータを取り出して解凍して、復号化データを生成すること、
前記復号器によって、前記圧縮蓄積ストレスデータの前記量子化値に基づいてディザ値を生成すること、及び
前記復号器によって、前記ディザ値を前記復号化データに加算して前記蓄積された1ストレスデータの量子化を補償すること、
を含み
前記蓄積された第1ストレスデータは、表示装置における複数の画素の各々に含まれる副画素が受けた、前記表示装置に表示された以前のフレームのストレス量を示すストレスデータが蓄積されたものである、表示装置におけるストレス補償方法。
【請求項10】
ストレス取得モジュールによって、表示装置に表示される出力画像を受信すること、及び
前記ストレス取得モジュールによって、前記出力画像に基づいて第2ストレスデータを計算すること、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
加算回路によって、前記表示装置に表示される画像データの1フレームに対応する第2ストレスデータを受信すること、及び
前記加算回路によって、前記復号化データを前記第2ストレスデータに加算して更新蓄積ストレスデータを生成すること、
をさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記符号器によって、前記メモリに保存するために前記更新蓄積ストレスデータを圧縮することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ディザ値を生成することは、前記蓄積された1ストレスデータに対応する以前のディザ値にさらに基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ディザ値を生成することは、前記蓄積された1ストレスデータに対応する以前のディザ値にさらに基づき、
前記量子化値および前記以前のディザ値は、前記圧縮蓄積ストレスデータのヘッダーに保存される、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記ディザ値を生成することは、
前記復号器によって、前記量子化値を判定すること、
前記量子化値が1であるという判定に応答して、前記復号器によって、前記ディザ値を0として出力すること、及び
前記量子化値が2であるという判定に応答して、前記復号器によって、以前のディザ値に1と前記量子化値を加えた値の絶対値に等しい前記ディザ値を出力すること、
を含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ディザ値を生成することは、
前記復号器によって、第1値と前記量子化値の絶対値と等しい前記ディザ値を出力することを含み、
前記第1値は、前記量子化値の半分から1を引いた値と以前のディザ値の和として算出される、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記復号器によって、前記ディザ値を前記復号化データのヘッダーに保存することをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
メモリ、及び
処理回路
を含み、
前記処理回路は、
表示装置における複数の画素の各々に含まれる副画素が受けたストレス量を示すストレスデータが量子化値で量子化された圧縮ストレスデータを取り出し、
前記圧縮ストレスデータを復号化して復号化データを生成し、
前記圧縮ストレスデータの前記量子化値に基づいてディザ値を生成し、
前記ディザ値を前記復号化データ加算して前記圧縮ストレスデータの量子化を補償する、ように構成された、表示装置におけるストレス補償を行うシステム。
【請求項19】
前記ディザ値の加算は、画素データの1フレームのスライスにおける全画素の前記復号化データに前記ディザ値を加算することを含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置のストレス補償方法およびシステムに関するものである。
【0002】
本出願は、2019年9月18日に米国特許庁に出願された米国特許出願番号第62/902,284号を優先権主張し、ここに引用することによってこの出願の全体内容を本願に含む。
【0003】
本出願はまた、2018年3月15日に米国特許庁に出願された米国特許出願番号第62/643,622号を優先権主張し、2018年5月14日に米国特許庁に出願された米国特許出願番号第15/979,279号と関連があり、ここに引用することによってこれら出願の全体内容を本願に含む。
【背景技術】
【0004】
有機発光ダイオード表示装置などの画像表示装置における出力低下(output decline)に対する補償は、装置の経年に応じて画質を維持するために使用される。このような補償を実行するために使用されるデータは、圧縮された形態で保存してメモリの必要量を減らすことができる。しかし、このような圧縮データが不均一に蓄積されることがあり、これによって画質が悪くなることがある。
【0005】
また、有機発光表示装置(OLED(organic light emitting diode)display device)は、長時間静止画像を表示すると、画像の焼き付き(image retention)が発生することがある。その結果、静止画像が削除または変わった後に、元の画像の薄い輪郭またはゴースト(ghosting)がユーザに視認され、さらに画像コンテンツが変わった後にもそのようなことが発生する。これは、残像(image sticking)、画像の焼き付き(image retention)またはイメージゴースト(image ghosting)とも呼ばれ、ストレスプロファイル(stress profile)のような方法が残像に使用される。
【0006】
前述の背景技術に関する情報は、本発明の背景に対する理解を助けるためのものに過ぎず、従来の技術でない情報を含むことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、表示装置の出力低下を低減または除去するための改善されたストレス補償システムと方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態による表示装置のストレス補償方法は、復号器によって、量子化値で量子化された圧縮ストレスデータ(compressed stress data)を取り出す(retrieving)こと、前記復号器によって、前記圧縮ストレスデータを復号化して復号化データ(decoded data)を生成すること、前記量子化値に基づいてディザ値を生成すること、及び前記ディザ値を前記復号化データに加えて前記圧縮ストレスデータの量子化を補償すること、を含む。
【0009】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成すること、および前記補償することは、前記復号器または前記復号器外部の回路によって実行されてもよい。
【0010】
本発明の一実施形態によれば、前記量子化値は2のべき乗(power of two)であり、前記量子化値は前記圧縮ストレスデータのヘッダーに保存され、前記圧縮ストレスデータは前記表示装置に表示される1フレームの画素データスライスの明るさ値に該当してもよい。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成する段階は、前記圧縮ストレスデータに対応する以前のディザ値にも基づき、前記以前のディザ値は、前記圧縮ストレスデータのヘッダーに保存されてもよい。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成する段階は、均一擬似乱数生成器(uniform pseudo-random number generator)を使用すること、を含んでもよい。
【0013】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成する段階は、前記復号器によって、前記量子化値が1であると判定すること、及び前記判定に応答して、前記復号器によって、前記ディザ値を0として出力すること、を含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成することは、前記復号器によって、前記量子化値が2であると判定すること、及び前記判定に応答して、前記復号器によって、以前のディザ値に1と前記量子化値を加えた値の絶対値(modulus)と等しい前記ディザ値を出力すること、を含んでもよい。
【0015】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成することは、前記復号器によって、第1値と前記量子化値の絶対値(modulus)と等しい前記ディザ値を出力することを含み、前記第1値は、前記量子化値の半分から1を引いた値と以前のディザ値の和として算出されてもよい。
【0016】
本発明の一実施形態によるストレス補償方法は、前記復号器によって、前記ディザ値を前記復号化データのヘッダーに保存すること、をさらに含んでもよい。
【0017】
本発明の一実施形態による表示装置のストレス補償方法は、符号器によって、量子化値に該当する量子化で第1蓄積ストレスデータを圧縮して圧縮蓄積ストレスデータを生成すること、前記符号器によって、前記圧縮蓄積ストレスデータをメモリに保存すること、復号器によって、前記圧縮蓄積ストレスデータを取り出し、解凍して復号化データを生成すること、前記復号器によって、前記量子化値に基づいてディザ値を生成すること、及び前記復号器によって、前記ディザ値を前記復号化データに対して加えて前記第1蓄積ストレスデータの量子化を補償すること、を含む。
【0018】
本発明の一実施形態によるストレス補償方法は、ストレス取得モジュールによって、前記表示装置に表示される出力画像を受信すること、及び前記ストレス取得モジュールによって、前記出力画像に基づいて第2ストレスデータを計算すること、をさらに含んでもよい。
【0019】
本発明の一実施形態によるストレス補償方法は、加算回路によって、前記表示装置に表示される1フレームの画像データに該当する第2ストレスデータを受信すること、及び前記加算回路によって、前記復号化データを前記第2ストレスデータに加えて更新蓄積ストレスデータを生成すること、をさらに含んでもよい。
【0020】
本発明の一実施形態によるストレス補償方法は、前記符号器によって、前記メモリ保存のために前記更新蓄積ストレスデータを圧縮すること、をさらに含んでもよい。
【0021】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成することは、前記第1蓄積ストレスデータに対応する以前のディザ値にも基づき、前記以前のディザ値は、前記第2ストレスデータに対応する前記1フレームの画素データスライスと他の1フレームの画素データスライスに対応してもよい。
【0022】
本発明の一実施形態によれば、前記第1蓄積ストレスデータは、前記表示装置に表示される1フレームの画素データスライスの明るさ値に該当してもよい。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成することは、前記第1蓄積ストレスデータに対応する以前のディザ値にも基づき、前記量子化値および前記以前のディザ値は、前記圧縮蓄積ストレスデータのヘッダーに保存されてもよい。
【0024】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成することは、前記復号器によって、前記量子化値を判定すること、前記量子化値が1であるという判定に応答して、前記復号器によって、前記ディザ値を0として出力すること、及び前記量子化値が2であるという判定に応答して、前記復号器によって、以前のディザ値に1と前記量子化値を加えた値の絶対値(modulus)と等しい前記ディザ値を出力すること、を含んでもよい。
【0025】
本発明の一実施形態によれば、前記ディザ値を生成することは、前記復号器によって、第1値と前記量子化値の絶対値(modulus)と等しい前記ディザ値を出力することを含み、前記第1値は、前記量子化値の半分から1を引いた値の1/2と以前のディザ値の和として算出されてもよい。
【0026】
本発明の一実施形態によるストレス補償方法は、前記復号器によって、前記ディザ値を前記復号化データのヘッダーに保存すること、をさらに含んでもよい。
【0027】
本発明の一実施形態による表示装置の圧縮補償システムは、メモリ、及び処理回路を含み、前記処理回路は、量子化値で量子化された圧縮ストレスデータ(compressed stress data)を取り出し(retrieving)、前記圧縮ストレスデータを復号化して復号化データ(decoded data)を生成し、前記量子化値に基づいてディザ値を生成し、前記ディザ値を前記復号化データに加えて前記圧縮ストレスデータの量子化を補償する。
【発明の効果】
【0028】
このようにすることによって、表示装置のストレスを補償することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態による表示装置の一例を示す。
図2】本発明の一実施形態によるストレス補償システムのブロック図である。
図3A】本発明の一実施形態による符号器のブロック図である。
図3B】本発明の一実施形態による復号器のブロック図である。
図4】本発明の一実施形態による表示装置内にある復号器を介したストレス補償過程を示す。
図5】本発明の一実施形態による表示装置内でのストレス補償過程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、添付した図面を参照して後述する詳細な説明は圧縮エラー減少システムおよび方法の実施形態に関するものであって、本発明によって実現または使用できる形態を全て表現したものではない。以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。しかし、互いに異なる実施形態で実現されるものと同一または均等な機能と構造も本発明の範囲内に含まれる。明細書全体にわたって同一または類似の構成要素については同一図面符号を付けた。
【0031】
特定種類の表示装置は、使用に応じて変化する特性を有している。例えば、有機発光ダイオード(OLED:organic light-emitting diode)表示装置は、複数の画素(pixel)を有している表示パネルを含むことができる。各画素は、いくつかの副画素(subpixel)(例えば:赤色副画素、緑色副画素、青色副画素)からなり、各副画素は該当色の光を発光する有機発光ダイオードを含むことができる。それぞれの有機発光ダイオードの光効率は使用に伴って低下し、例えば、有機発光ダイオードがしばらくの間動作した後には、特定の電流に対する光学的出力が新品のものより減少する。
【0032】
光効率が低下すると、表示装置の寿命期間中に平均的に他の部分より明るい部分を表示した部分にディミング(dimming)が発生する。例えば、セキュリティカメラから受けた、ほとんど変わらない画像を見るために使用される表示装置で、カメラの視野が一日の大部分において光が入ってきて相対的に明るい第1部分と陰にあって相対的に暗い第2部分を含む場面、最終的に第2部分より第1部分で光効率が大幅に低下する可能性がある。このような装置では、結果として、画像再生の精度が時間が経過するほど低下するようになる。他の例を挙げれば、画像の下側に位置し画像の他の部分とは黒い境界で分離された白色の字を表示するために使用される表示装置の場合、黒い境界部分では光効率の低下程度が他の部分に比べて少ないはずであり、後にこの表示装置のパネル全体が一つのシーンを表示するために使用される場合、以前に黒い境界を表示した部分に明るい帯が現れることがある。これは、焼き付き(image sticking)またはイメージゴースト(image ghosting)という。
【0033】
表示装置のこのような光効率不均一性の影響を低減するために、表示装置の使用に起因する光効率の低下を補償する機構を表示装置に含ませることができる。
【0034】
図1は、本発明の一実施形態による表示装置100の一例を示す。
【0035】
図1を参照すると、表示装置100は、表示パネル110、処理回路115(プロセッサまたは中央処理装置(CPU:central processing unit))、およびメモリ120を含むことができる。メモリ120は、表示装置100の“ストレスプロファイル”または“ストレステーブル”と呼ばれるデータを含む。メモリに保存された“ストレスプロファイル”または“ストレステーブル”は、表示装置100の寿命期間中に各副画素が受けたストレス量を示す数字または“ストレス値”のテーブルであってもよい。“ストレス”は、表示装置100の寿命期間中に副画素を通じて流れた総(例えば、時間合計)駆動電流、または表示した明るさ値の総合計(sum total of brightness values)であってもよい。例えば、“ストレス”は、表示装置100の寿命期間中に各副画素を流れた総電荷であってもよい。
【0036】
本発明の一実施形態によれば、“ストレスプロファイル”の決定方法は、OLED出力低下(output decline)を補償するデータ駆動方法であり得る。本発明の他の実施形態によれば、表示装置100の“ストレスプロファイル”を決定するために、表示装置100に新たな画像(image)を表示するたびにその表示装置100に対する“ストレスプロファイル”または“ストレステーブル”の新たなエントリーとしてメモリ120が一つ以上の副画素に対して数字一つを加えることができる。例えば、表示装置100において、画像は共に集まって動画(video)をなす連続的な画像ストリームの一部として、各画像で各副画素に対する駆動電流を測定し、その電流または副画素の明るさを示す数字をメモリ120にある“ストレスプロファイル”または“ストレステーブル”の該当副画素に対する値または“ストレス”に加えてもよい。
【0037】
本発明の実施形態によれば、表示装置100は、タイミング制御器と複数の駆動集積回路(例えば、スキャン/ゲート駆動部およびデータ駆動部)を含む。処理回路115は、一つ以上の駆動集積回路またはその一部であってもよい。一部の実施形態によれば、それぞれの駆動集積回路は、表示パネル110の一部を駆動するために使用することができ、他の駆動集積回路とは別に該当部分にストレス蓄積およびストレス補償を行うことができる。
【0038】
本発明の一実施形態によれば、表示装置100が動作する間、各副画素に対する駆動電流を調節して光効率予測損失(estimated loss)を補償することができ、光効率予測損失は、副画素の総ストレス(lifetime stress)に基づく。例えば、メモリ120に蓄積された、副画素の光効率予測損失に合わせて(またはそれに比例して)、各副画素に対する駆動電流を増加させることによって、光効率が落ちず駆動電流を増加させていない状態と同様に副画素の光学的出力を出すことができる。本発明の一実施形態によれば、副画素の物理モデルまたは実験データに基づいた非線形関数を使用して、副画素の総ストレスに基づいた光効率損失を推論または予測することができる。光効率予測損失、及びそれに伴う駆動電流調節量は、処理回路115において算出することができる。本発明の一実施形態によれば、計算結果はメモリ120のルックアップテーブルに保存することができ、処理回路115はこれを補償に使用することができる。本発明の一実施形態によれば、表示装置100が動作する間、各副画素の駆動電流は、補償係数(compensation factor)によって調節することができ、これは副画素の出力画像からキャプチャした蓄積された明るさに基づいてもよい。
【0039】
図2は、本発明の一実施形態によるストレス補償システム200のブロック図である。
【0040】
システム200は、メモリ205(メモリ120と同じか、その一部であってもよい)、補償モジュール210、ストレス取得モジュール215、加算回路220、及びメモリ制御器225を含む。ストレステーブルは、メモリ205に保存される。動作中に、メモリ制御器225を介してストレステーブルにあるストレス値にアクセスし(またはストレス値を読み出し)、このストレス値は、補償モジュール210が副画素に対する補償係数を決定するために使用される。補償モジュール210は、各副画素に対する補償係数に基づいて、該当副画素の駆動電流調節値を計算する駆動電流調節回路を含む。各副画素の補償係数は、該当副画素のストレス値に基づく。本発明の一実施形態によれば、各副画素に対する駆動電流調節値は(例えば、副画素の所望の光学出力に基づいた)駆動電流の生の値を副画素の蓄積ストレスに応じて調節したものである。駆動電流調節値は、ストレス取得モジュール215が読み、ストレス取得モジュール215は、副画素ストレスサンプリング回路を含むことができる。駆動電流調節値は、表示される副画素の現在のストレス蓄積率を示す。既存の(例えば、メモリ205に)保存された各副画素のストレス値は、加算回路220で現在ストレス蓄積率(即ち、駆動電流調節値に比例する数字)によって増加された後、メモリ制御器225を介して再びメモリ205に保存される。メモリ制御器225は、メモリ205からの読み取り/書込み動作を制御し、必要に応じて、ストレス値をメモリ205から補償モジュール210の駆動電流調節回路および加算回路220に入力する。メモリ制御器225はまた、加算回路220で現在のストレス蓄積率を加えることによって増加されたストレス値をメモリ205に再び保存する。
【0041】
本発明の一実施形態によれば、各副画素の総ストレスを追跡するためには膨大な量のメモリが必要になり得る。例えば、1920×1080画素の表示装置では、画素当り3個の副画素があり、各副画素に数バイトのストレスがあれば、必要なメモリサイズは約10メガバイト単位である。また、画像の各フレーム(例えば、各表示画像)に対する各副画素のストレス数を更新するのに必要な計算の負担も大きい。
【0042】
副画素ストレスをストレステーブルに保存するために必要なメモリサイズを小さくする多様な方法がある。本発明の一実施形態によれば、ストレスプロファイルチップセット上にあるメモリは、メモリに保存されるデータを圧縮することによって小さくされる。
【0043】
本発明の一実施形態によれば、システム200はまた、第1復号器230a、符号器235、及び第2復号器230bを含む。本発明の一実施形態によれば、ストレステーブルの圧縮表現がメモリ205に保存される。動作をする時には、圧縮されたストレスデータは、メモリ制御器225を介してアクセスされ(例えば、読み出され)、第1復号器230aによって解凍されて補償モジュール210の駆動電流調節回路に供給されることができる。補償モジュール210の駆動電流調節回路は、各副画素に対する補償係数に基づいて、該当副画素の駆動電流調節値を計算する。各副画素の補償係数は、該当副画素のストレス値に基づく。駆動電流調節値は、ストレス取得モジュール215が読む。駆動電流調節値は、表示される副画素の現在のストレス蓄積率を示す。メモリ205にある圧縮ストレスデータは、第2復号器230bによって解凍されて、既存の(例えば、メモリ205に)保存された各副画素のストレス値を取り戻す(retrieve)。その副画素に対する解凍されたストレス値は、第2復号器230bから加算回路220に送信される。各副画素に対する以前の保存ストレス値は、加算回路220で現在のストレス蓄積率(例えば、駆動電流調節値に比例する数値)に応じて増加する。加算回路220で増加された値は、符号器235によって圧縮された後、メモリ205に保存される。符号器235は、受信したデータをその大きさを小さくする方式で圧縮する。本発明の一実施形態によれば、符号器235が適用される圧縮は、圧縮されたデータが消費するメモリ容量を減らす(例えば、最少化する)ためには損失を招くこともある。第1復号器230aおよび第2復号器230bの各々は、受信したデータを解凍する。例えば、第1復号器230aおよび第2復号器230bのそれぞれは、符号器235が行う動作の逆となる動作をするか、ほとんど逆となる動作を行う。ハフマン符号化(Huffman coding)または算術符号化などエントロピー符号化を含む多様な圧縮方法を使用することができる。
【0044】
本発明の一実施形態によれば、第1復号器230aの出力は、復号化された値の重要度の低い下位ビット(lesser significant bits)を破棄するために切り捨てられ得る。これは、重要度の低いビットが蓄積ストレスを正確に測定することができるようにもするが、補償モジュール210が行う補償動作に実質的な影響を与えないためである。
【0045】
本発明の一実施形態によれば、符号器235と復号器230a、230bは、スライス(slice)と呼ばれるデータ単位に対して動作する。スライスは、画像の一部を示す独立的な符号化単位である。例えば、スライスは、画像の全体幅と4個の垂直線に対応する部分であってもよい。先に説明した符号化/復号化過程の一回の実行は、一つの画像データのスライスに対して実行されてもよい。
【0046】
図2には第1および第2復号器230a、230bが、二つの別個の回路からなっていることを示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、二つの復号器230a、230bを結合して一つの復号器回路にすることができる。本発明の一実施形態によれば、第2復号器230bを省略して、第1復号器230aの出力を加算回路220に提供することができる。以下、符号器235、加算回路220、および一つ以上の復号器230a、230bの組み合わせを“コーデック器(codec device)”という。
【0047】
図2のシステム200は、ストレステーブルに副画素ストレスを保存するために必要なメモリサイズを小さくすることができる。しかし、システムの反復性(iterative nature)のため、圧縮を使用しないシステムに比べてエラーがメモリまたはストレステーブルに蓄積される。ストレスプロファイルの反復付加特性は、圧縮および解凍エラーを起こし、一回の反復から次の反復まで蓄積され得る。したがって、量子化エラーのような圧縮エラーを注意して制御しなければ、圧縮エラーが蓄積されて画像の一部に深刻な補償係数エラーが発生することがある。本発明の一実施形態は、復号器230a/230bに特定のディザ(dither)を使用してエラー蓄積を補償することができる。
【0048】
図3Aは、本発明の一実施形態による符号器235のブロック図である。図3Bは、本発明の一実施形態による復号器230のブロック図である。図3Bの復号器230は、図2の第1復号器230aおよび/または第2復号器230bと同一または実質的に同一であってもよい。
【0049】
図3Aを参照すると、本発明の一実施形態によれば、符号器235は、量子化器(quantizer)305およびエントロピー符号器(entropy encoder)310を含む。量子化器305は、指数的量子化(exponential quantization)を有する均一量子化器(uniform quantizer)であってもよく、入力値のm(正の整数)の重要度の低いビット(least significant bit)を0にする効果を有する。したがって、量子化器305の動作は、本質的に損失ある動作である。ここで、入力値は、ストレス取得モジュール215から受信した1フレームの画像データ/画素値スライスに対して蓄積されたストレスデータであってもよい。エントロピー符号器310は、算術符号化、ハフマン符号化(Huffman encoding)および/またはこれと類似の無損失符号化のうちのいずれであってもよい。エントロピー符号器310はまた、中間適応予測(median adaptive prediction)を含むことができる。量子化動作は、符号化の前にシステムに生じた損失量を完全に制御することができるようにする。例えば、m値は、符号器235が自らの符号化動作から発生するエラーの量を制御することができるようにする。本発明の一実施形態によれば、符号器235は、反復過程を通じて指数的量子化変数mを決定することができる。例えば、m値は、初期に第1値(例えば、1)に設定され、符号器235が目標圧縮比(例えば、4対1の圧縮比)を達成する時まで増分される。本発明の一実施形態によれば、復号器230は、mの結果値を後で使用するために(例えば、符号化されたデータのヘッダー(header)に)保存する。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、復号器230は、エントロピー復号器(entropy decoder)315、ディザ生成器(dither generator)320、及び加算器325を含む。エントロピー復号器315は、エントロピー符号器310の逆動作を行う無損失復号器(例えば、算術またはハフマン復号器)であってもよい。本発明の一実施形態によれば、エントロピー復号器315は、符号器235が使用する量子化値である2をその入力に乗算するサイズ調節器(scaler)であってもよい。加算器325は、エントロピー復号器315とディザ生成器320の出力を加算する。
【0051】
実際には、量子化器305とサイズ調節器315の組み合わせ動作は、数式1で表すことができる。
【数1】
【0052】
【0053】
量子化およびサイズ調節動作は、数式2によって表わされる特性を有する。
【数2】
【0054】
言い換えれば、量子化およびサイズ調節を連続して反復適用してもそれ以上のエラーは発生しない。即ち、コーデック器は、冪等(idempotent)(復号化-符号化の連続動作が最初の適用結果を変えない)または実質的な冪等である。
【0055】
本発明の一実施形態によれば、ディザ生成器320は、加算器325を通じてエントロピー復号器315の出力に追加されるディザ(例えば、量子化-制約付きディザ(quantized-constrained dither))を生成して出力する。ディザは、量子化値n=2に基づいて計算した均一ディザ(uniform dither)であってもよい。ディザ値は、{0、1…n-1}であってもよい。後で説明するが、符号化アルゴリズムの特性によって、加えられたディザは、ストレス値の無偏差加算(unbiased addition)(即ち、量子化エラーを蓄積しない加算)をもたらす。
【0056】
本発明の一実施形態によれば、同一のスライスの全ての画素の解凍ストレス値に同一のディザ値を加えることができる。これは、コーデック器の次の反復の次の加算動作を通じて追加的なエントロピーが発生しないようにする。これは、加えられたディザが空間ではなく(繰り返し当り)時間的にさらに有用であるためである。互いに異なる画素ごとに空間的にディザが互いに異なれば、圧縮がさらに難しい追加ノイズが不必要に導入される。例えば、同一のスライス内に互いに異なるディザ値を使用すると、追加的な加算および量子化後に、平らな領域(flat area)内にある画素の明るさ値が同一にならない場合がある。本発明の一実施形態によれば、各スライスは独立的に取り扱われ、ディシーケンスの開始点は量子化が変化するときに基づいており、他のスライスとは関係がないため、ディザは同一の量子化値であってもスライスごとに異なる。実際に、ディザによって、コーデック器は、無偏差評価(unbiased estimation)を維持しながら、加算回路220が行う加算を効果的に準サンプリング(subsample)することができる。これを数学的に示すと、次の通りである。
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
数式4は、二つの連続する反復に対して保存されたストレス値の期待値を示す表現である。しかし、任意の反復回数に対して展開しても、総合的な結論は、本発明の一実施形態によれば、圧縮された蓄積ストレス値の期待値が解凍された形態の蓄積値と依然として同一であるということである。これは、量子化値2に基づいたディザを適用するためである。したがって、加えられたディザは、符号器235の量子化効果を補償することができる。その結果、符号器235および復号器230の組み合わせは、ストレス値の複合加算の無偏差評価量(unbiased estimator)の役割を果たすことができる。
【0062】
本発明の一実施形態によれば、符号器235は符号化されたデータのヘッダーに量子化値を保存することができ、復号器230は復号化されたデータのヘッダーにあるディザ値を復旧することができる。したがって、反復回数を追跡する必要がない。このように、復号器230は、常に以前の量子化およびディザ値を識別することができ、これを現在の反復のディザ値を決定するために使用することができる。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、復号器230が以前の反復に量子化が適用されなかったと判断した場合(例えば、指数的量子化変数m=0または量子化値2=1と判断した場合)、ディザ値を0に設定し符号化されたデータにディザを適用しない。復号器230は、量子化値が2(即ち、m=1)と判断すれば、以前のディザ値+1+量子化値を整数で割った余り(remainder)または絶対値(modulus)として現在のディザ値を計算する。そうではない場合(即ち、m>1)には、復号器230は、以前のディザ値に2m-1-1と量子化値を加えたものの絶対値としてディザ値を計算する。一つのデータスライスは単一のディザ値を使用することができるが、2m-1-1の絶対値加算値(modulo additive value)を使用することによって、反復間量子化段階が変わらない限り、与えられた量子化値に対して(多くの反復に対して)全てのディザ値を使用するようになるという点を証明することができる。全てのディザ値が使用されなければ、加算および量子化段階から出た結果が多くの反復の実際値から外れるはずである。一般的に、ディザシーケンスは、量子化段階のサイズに基づいた均一擬似乱数シーケンス(uniform pseudo random number sequence)に従うだけで無偏差反復加算を裏付ける必要がある。前の説明は擬似乱数(PRN)生成器の状態を維持するために、ヘッダーに追加情報を要求しない一つの可能なアプローチに過ぎず、本発明はこれに限定されない。例えば、先に行ったように全てのディザ値の周囲で“跳ね(bouncing)”ず、一列に配列された可能なディザ値で行うことができる。
【0064】
量子化値および以前のディザ値(即ち、以前の反復のディザ値)に基づいてディザ値を計算する動作は、本発明の一実施形態によれば、次の通り擬似コードで表すことができる。
quant_value=2
if(m==0)//no quantization has occurred
dither=0
else if(m==1)
dither=(prev_dither+1)% quant_value
else
dither=(prev_dither+2m-1-1)% quant_value
prev_dither=dither
【0065】
したがって、本発明の一実施形態によれば、量子化-制約付きディザを使用することによって、コーデックは蓄積されたストレス値を追加偏差なく圧縮/量子化することができる。これはまた、量子化の変化が必要とされるメモリと動的に一致するようにすることができる。本発明の一実施形態による方法およびシステムは、復号器の出力値または符号器の以前の入力値に対する知識を必要としないため、容易に実現することができる。
【0066】
図4は、本発明の一実施形態による表示装置内にある復号器230を介したストレス補償過程(S400)を示す。
【0067】
図4を参照すると、本発明の一実施形態によれば、復号器230は、量子化値2で量子化された圧縮ストレスデータをメモリ205から取り出す(S402)。復号器230は、圧縮ストレスデータを復号化して復号化データを生成し(S404)、量子化値に基づいてディザ値を生成する(S406)。本発明の一実施形態によれば、ディザ値の生成は、以前の反復で圧縮ストレスデータに対応する以前のディザ値に基づいてもよい。以前のディザ値および量子化値は、圧縮ストレスデータのヘッダーに保存できる。このように、蓄積ストレスデータが現れた反復回数の数を追跡する必要がない。ディザ値の生成は、以前のディザ値および量子化値によって均一乱数生成器(uniform random number generator)(例えば、均一擬似乱数生成器)の近似によって行うことができる。本発明の一実施形態によれば、復号器230は、ディザ値を復号化データに加えて圧縮ストレスデータの量子化を補償することができる(S408)。
【0068】
図5は、本発明の一実施形態による表示装置内でのストレス補償過程(S500)を示す。
【0069】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によれば、符号器235は量子化値2に該当する量子化で第1蓄積ストレスデータを圧縮して圧縮蓄積ストレスデータを生成する(S502)。第1蓄積ストレスデータは、表示装置100に表示される1フレームの画素データスライスの明るさ値に該当し得る。本発明の一実施形態によれば、符号器235は、圧縮蓄積ストレスデータをメモリ205に保存する(S504)。次いで、復号器230は、圧縮蓄積ストレスデータを取り出して解凍して復号化データを生成する(S506)。本発明の一実施形態によれば、復号器230は、量子化値2に基づいてディザ値を生成し(S508)、ディザ値を復号化データに加えて第1蓄積ストレスデータの量子化を補償する(S510)。ディザ値の生成は、以前の反復の第1蓄積ストレスデータに対応する以前のディザ値に基づいてもよい。
【0070】
ストレス取得モジュール215は、表示装置100に表示される出力画像を受信し、出力画像に基づいて第2ストレスデータを計算することができる。加算回路220は、表示装置100に表示される1フレームの画像データに対応する第2ストレスデータを受信し、復号化データを第2ストレスデータに加えて更新蓄積ストレスデータを形成することができる。符号器235は、メモリ205に保存するために更新蓄積ストレスデータを圧縮することができる。以前のディザ値は、第2ストレスデータに対応する1フレームの画素データスライスと他の1フレームの画素データスライスと共に使用することができる。
【0071】
“第1”、“第2”、“第3”などの用語を様々な元素、成分、領域、層、部分などに使用するが、これらはこのような修飾語によって限定されない。このような用語は、ある元素、成分、領域、層、部分を他の元素、成分、領域、層、部分と区別するために使用するものであり、本発明の趣旨と範囲を外れない。
【0072】
また、ある層が他の二層の“間”にあると表現した時、二層の間に該当層のみあってもよいが、一つ以上の他の層がさらにあってもよい。
【0073】
ここで使用された用語は、特定実施形態を説明する目的で使用するのに過ぎず、本発明を制限しようとするものではない。ここで“実質的に”、“約”、“大体”およびこれと類似の表現は、近似を示す表現に過ぎず“程度”を示すものではなく、当業者が知ることのできる測定値または計算値の固有誤差を示すために使用する。
【0074】
ここで、数を特に言及しなければ単数または複数の場合を全て含む。ある特徴、段階、動作、部分、成分などを“含む”という表現は、該当部分以外に他の特徴、段階、動作、部分、成分なども含むことができることを意味する。“および/または”という表現は、羅列されたもののうちの一つまたは二つ以上の全ての組み合わせを含む。羅列されたリストの前に記載した“少なくとも一つ”などの表現はリスト全体を修飾するものであり、リスト内のそれぞれのものを修飾するものではない。また、本発明の実施形態を説明する際に使用する“することができる”という表現は“本発明の一つ以上の実施形態”に適用可能であるということを意味する。“例示的な”という用語は、例または図面を示す。“使用”、“利用”などは、これと類似の他の表現と共に類似の意味として使用できる。
【0075】
部分、層、領域、成分などが他の部分、層、領域、成分の“上に”あるか“連結されて”いると記載する場合“直ぐ”上にあるか、または“直接”連結されている場合だけでなく、中間に他の部分、層、領域、成分などがさらに挟まれている場合も含む。しかし、“直ぐ上に”あるか、“直接連結”されていると記載すれば、中間に他の部分がないということを意味する。本発明の実施形態によって説明した電子、電気装置および/または他の関連装置または部分は、適切なハードウェア、ファームウエア(例えば、応用注文型集積回路)、ソフトウェアまたはこれらの組み合わせを使用して実現することができる。例えば、これら装置の多様な構成要素を一つの集積回路チップに形成することもでき、互いに異なる集積回路チップに実現することもできる。また、これら装置の多様な構成要素を可撓性印刷回路フィルム、テープキャリアパッケージ(TCP:tape carrier package)、印刷回路基板などに実現するか、一つの基板上に形成することができる。また、これら装置の多様な構成要素をここで説明した多様な機能を遂行するためにコンピュータプログラム命令を実行し他のシステム要素と相互作用する一つ以上のコンピュータ装置内にある一つ以上のプロセッサで実行できるプロセスまたはスレッド(thread)であってもよい。コンピュータプログラム命令は、ラム(RAM:random access memory)などの標準メモリ装置を使用するコンピュータ装置に実現されたメモリに保存できる。これだけでなく、当業者は、本発明の実施形態の概念と範囲を逸脱しなくても多様なコンピュータ装置の機能を一つのコンピュータ装置に結合または統合するか、特定コンピュータ装置の機能を一つ以上の他のコンピュータ装置に分散することも可能である。
【0076】
以上で、圧縮エラー減少システムおよび方法の実施形態について説明および図示したが、当業者であればこのような実施形態を変更および修正することもできる。したがって、ここで提示した原理によって構成されたストレスプロファイル圧縮を用いた圧縮エラー減少システムおよび方法も本発明に含まれる。本発明は、次の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される。
【符号の説明】
【0077】
100:表示装置
110:表示パネル
115:処理回路
120、205:メモリ
200:ストレス補償システム
210:補償モジュール
215:ストレス取得モジュール
220:加算回路
225:メモリ制御器
230:復号器
235:符号器
305:量子化器
310:エントロピー符号器
315:エントロピー復号器
320:ディザ生成器
325:加算器
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5