(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】作業機
(51)【国際特許分類】
E02F 9/00 20060101AFI20231211BHJP
E02F 9/08 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
E02F9/00 N
E02F9/08 Z
(21)【出願番号】P 2020197209
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2022-12-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】椎口 駿
(72)【発明者】
【氏名】宮崎 健吾
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-196987(JP,A)
【文献】実開昭55-088617(JP,U)
【文献】特開昭57-008705(JP,A)
【文献】実開昭62-122788(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/00
E02F 9/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体に搭載された原動機と、
前記原動機の上方を覆い、横軸回りの第1方向の回動によって開放し且つ前記横軸回りの第2方向の回動によって閉鎖するボンネットと、
前記ボンネット上に支持され、前記ボンネットと共に前記横軸回りに回動する運転席と、
前記ボンネット
と前記運転席とを含む回動部の前記横軸回りの回動を補助するばね力を付勢する補助機構と、
を備え、
前記補助機構は、
前記回動部の重心が前記機体の後端よりも前方にあるときに前記第1方向の回動を補助し、前記回動部の重心が前記機体の後端よりも後方にあるときに前記第2方向の回動を補助する作業機。
【請求項2】
前記横軸は、機体幅方向の一方側に配置された第1横軸と、機体幅方向の他方側に配置された第2横軸と、を含み、
前記補助機構は、前記第1横軸の周囲に巻回されて前記ばね力を付勢するねじりコイルばねからなる第1ばねと、前記第2横軸の周囲に巻回されて前記ばね力を付勢するねじりコイルばねからなる第2ばねと、を含む請求項1に記載の作業機。
【請求項3】
前記機体の後端に備えられたカウンターウェイトを備え、
前記原動機は、前記ボンネットによって上方が覆われ、前記カウンターウェイトによって後方が覆われる原動機室内に搭載されており、
前記補助機構は、前記横軸の周囲に巻回されて前記ばね力を付勢するねじりコイルばねを有し、且つ、前記カウンターウェイトの機体内面側且つ上端部近傍に取り付けられており、
前記ボンネットを開放した状態では前記回動部の重心が前記補助機構よりも後方にあり、前記ボンネットを閉鎖した状態では前記回動部の重心が前記補助機構よりも前方にある請求項1又は2に記載の作業機。
【請求項4】
前記補助機構は、
前記カウンターウェイトの機体内面側且つ上端部近傍に固定された第1部材と、
前記ボンネットに固定されて前記第1部材に対して前記横軸回りに回動可能な第2部材と、を有し、
前記第2部材は、前記ボンネットの後部下面に固定される一端部と、前記第1部材に対して前記横軸回りに枢支される他端部と、前記一端部と前記他端部とを接続する中途部とを有し、前記中途部は、前記ボンネットを閉鎖した状態において前記一端部から下方に延びた後、後方に屈曲しており、
前記ボンネットを開放した状態では前記一端部が前記横軸よりも後方にあり、前記ボンネットを閉鎖した状態では前記一端部が前記横軸よりも前方にある請求項3に記載の作業機。
【請求項5】
前記補助機構は、
前記機体に固定された第1部材と、
前記ボンネットに固定されて前記第1部材に対して前記横軸回りに回動可能な第2部材と、
一端側が第1軸により前記第1部材に取り付けられ且つ他端側が第2軸により前記第2部材に取り付けられた連携部材と、
を有し、
前記第1部材は、前記ねじりコイルばねの一端部が係止される第1係止部と、前記ボンネットの回動に伴う前記第1軸の移動を案内するガイド孔と、を有し、
前記第2部材は、前記ねじりコイルばねの他端部が係止される第2係止部を有し
、
前記ガイド孔は、前方に凸となるように湾曲した湾曲部と、前記湾曲部の上端部から斜め後方に鋭角に屈曲した前記湾曲部よりも短い屈曲部とを有し、
前記第1軸は、前記ボンネットを閉鎖した状態では前記湾曲部の下端部に配置され、前記ボンネットを開放した状態では前記屈曲部に配置される請求項1~4のいずれか1項に記載の作業機。
【請求項6】
前記第2係止部は、前記横軸を中心として円弧状に延びる長孔から構成されており、
前記ねじりコイルばねの他端部は、前記ボンネットが閉鎖しているときは前記長孔の一端側に当接し、前記ボンネットが開放しているときは前記長孔の他端側に当接する請求項5に記載の作業機。
【請求項7】
前記ボンネットを閉鎖した状態で前記機体に対して保持可能なロック機構を備え、
前記ロック機構は、
前記機体に設けられた受け部材と、
前記ボンネットに設けられて前記受け部材に対して係止可能な係止部材と、
前記係止部材を、前記受け部材に係止される係止位置と、前記受け部材との係止が解除される解除位置との間で移動させる操作機構と、
を有し、
前記受け部材は、前記機体幅方向の一方側に配置された一方部と、前記機体幅方向の他方側に配置された他方部と、前記一方部の一端側と前記他方部の一端側とを連結し且つ前記係止部材が係止される連結部と、を有し、
前記一方部の他端側及び前記他方部の他端側は、
運転席に着座した作業者が足を置く前記機体のステップ板に固定されている請求項1~6のいずれか1項に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックホー等の作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示された作業機が知られている。
特許文献1に開示された作業機は、機体上にエンジン等を覆うボンネットが設けられ、ボンネットの後部が機体側にヒンジ装置を介して開閉自在に支持されている。ヒンジ装置は、機体側に固定される支持ブラケットと、ボンネット側に固定されるヒンジ部材と、このヒンジ部材と支持ブラケットとに挿通することで両者を回動自在に連結する支軸ピンとを有しており、支軸ピンはヒンジ部材と支軸ピンのいずれか一方を他方に対して挿通する方向へ付勢する付勢手段を介して支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したような作業機においては、ボンネットを開放するときだけでなく閉鎖するときにも大きな力を要するため、ボンネットの開放時と閉鎖時の両方において必要な力を補助する機構が望まれていた。しかし、上記作業機に設けられた付勢手段は、ボンネットの開放時と閉鎖時の両方において必要な力を補助することができるものではなかった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであって、ボンネットの開放時と閉鎖時の両方において必要な力を補助することができる作業機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る作業機は、機体に搭載された原動機と、前記原動機の上方を覆い、横軸回りの第1方向の回動によって開放し且つ前記横軸回りの第2方向の回動によって閉鎖するボンネットと、前記ボンネット上に支持され、前記ボンネットと共に前記横軸回りに回動する運転席と、前記ボンネットと前記運転席とを含む回動部の前記横軸回りの回動を補助するばね力を付勢する補助機構と、を備え、前記補助機構は、前記回動部の重心が前記機体の後端よりも前方にあるときに前記第1方向の回動を補助し、前記回動部の重心が前記機体の後端よりも後方にあるときに前記第2方向の回動を補助する。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る作業機によれば、補助機構によって付与されるばね力によって、ボンネットの開放時と閉鎖時の両方において必要な力を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】操作装置の内部構造を示す後方斜視図である。
【
図4】ボンネット、第1操作装置等を示す前方斜視図である。
【
図6】シートブラケット、シートベルト支持体、操作ブラケット、第1操作装置等を示す前方斜視図である。
【
図7】油圧ホースの配置等を示す後方斜視図である。
【
図8】作動油タンク、油圧ホース等を示す前方斜視図である。
【
図9】作動油タンク、油圧ホース等を示す後方斜視図である。
【
図11】ボンネットが閉鎖位置にあるときの側面図である。
【
図12】ボンネットの閉鎖位置と開放位置とを示す側面図である。
【
図16】ボンネットが閉鎖位置にあるときの補助機構の側面図である。
【
図17】ボンネットが開放位置にあるときの補助機構の側面図である。
【
図18】ボンネットが開放位置と閉鎖位置との中間位置にあるときの補助機構の側面図である。
【
図21】受け部材、ステップ板、取付ブラケット等を示す斜視図である。
【
図22】シートブラケット、シートベルト支持体、操作ブラケット等を示す前方斜視図である。
【
図23】シートブラケット、シートベルト支持体、操作ブラケット等を示す後方斜視図である。
【
図24】作業機の操作装置を跳ね上げた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明に係る作業機の実施形態について、図面に基づいて説明する。
図25は、本発明に係る作業機1の一実施形態を示す側面図である。本実施形態に係る作業機1は、旋回作業機であるバックホーである。
作業機1は、機体2と走行装置3と作業装置4とを備えている。機体2上には、運転席5が設けられている。以下、運転席5に着座した作業者の前側(
図25の左側)を前方、作業者の後側(
図25の右側)を後方、作業者の左側(
図25の手前側)を左方、作業者の右側(
図25の奥側)を右方として説明する。また、前後方向に直交する方向である水平方向を機体幅方向として説明する。また、機体2の中央部から右部或いは左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向であって、機体2から離れる方向である。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向であって、機体2に近づく方向である。
【0009】
機体2は、走行装置3のフレーム上に軸受体を介して縦軸(上下方向の軸)回りに旋回自在に支持されている。機体2は、旋回基板6とウエイト7とを有している。旋回基板6は、油圧モータからなる旋回モータ(図示略)の駆動により旋回する。旋回基板6の上方には、運転席5に着座した作業者が足を置くためのステップ板26が配置されている。旋回基板6とステップ板26との間は、側部カバー27により覆われている。
【0010】
機体2の前部には、作業装置4が装着されている。機体2の後部には、作業装置4との重量バランスをとるためにウエイト7が装着されている。機体2の上方には、ボンネット8が配置されている。
ボンネット8の上方には、運転席5が配置されている。ボンネット8の内部には、原動機10、油圧ポンプ(図示略)、作動油タンク(オイルタンク)9等が配置されている。作動油タンク9には、作業装置4を駆動するための作動油が貯蔵されている。なお、本実施形態では原動機10としてディーゼルエンジンを用いているが、これに限らず、例えば、ガソリンエンジン等の他の内燃機関であってもよく、電動モータ等であってもよい。
【0011】
走行装置3は、クローラ式の走行装置であって、機体2の右側と左側の下方にそれぞれ設けられている。走行装置3は、油圧モータからなる走行モータ28により駆動する。走行装置3の前部にはドーザ11が設けられている。ドーザ11は、ドーザシリンダ(図示略)により駆動される。
作業装置4は、ブーム12とアーム13と作業具(バケット)14とを有している。さらに作業装置4は、これらのブーム等の駆動機構として、ブームシリンダ15と、アームシリンダ16と、作業具シリンダ17とを有している。ブームシリンダ15、アームシリンダ16、作業具シリンダ17及びドーザシリンダは、油圧シリンダにより構成されている。これらの油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)は、作動油タンク9から油圧ポンプを介して供給される作動油により駆動する。作業装置4は、後述する操作装置30によって操作される。
【0012】
ブーム12の基端部は、機体2の前部に設けられたスイングブラケット18に横軸回りに揺動自在に枢支されている。スイングブラケット18は、機体2に設けられた支持ブラケット29に対して縦軸回りに揺動自在に枢支されている。機体2には油圧シリンダからなるスイングシリンダ(図示略)が装着されており、スイングブラケット18は当該スイングシリンダの駆動により揺動する。ブーム12の先端部には、アーム13の基端部が横軸回りに揺動自在に枢支されている。アーム13の先端部には作業具14が装着されている。
【0013】
ブームシリンダ15は、スイングブラケット18とブーム12の中途部とを連結している。ブーム12は、ブームシリンダ15の伸縮により上下に揺動する。アームシリンダ16は、ブーム12の中途部とアーム13の基端部とを連結している。アーム13は、アームシリンダ16の伸縮により上下に揺動する。作業具シリンダ17は、アーム13の基端部と作業具14の取付部とを連結している。作業具14は、作業具シリンダ17の伸縮によりスクイ・ダンプ動作する。
【0014】
機体2上には、運転席5に着座した作業者を保護するためのロプス24が設けられている。ステップ板26上の前部であって、運転席5及びボンネット8の前方には、操縦塔20が設けられている。操縦塔20には、走行レバー22が設けられている。走行レバー22は、走行装置3を操作するレバーである。また、操縦塔20には、ドーザシリンダを駆動するドーザレバー60と、原動機10の回転を制御するアクセルレバー61が設けられている。
【0015】
操縦塔20の内部には、バルブユニット21が配置されている。バルブユニット21は、作業装置4の油圧アクチュエータを制御する複数の制御バルブを機体幅方向に並列して一体化したものである。バルブユニット21を構成する制御バルブは、例えば、旋回モータ用の旋回バルブ、アームシリンダ16用のアームバルブ、ブームシリンダ15用のブームバルブ、作業具シリンダ17用の作業具バルブ、右側及び左側の走行モータ28用の走行バルブ、走行モータ28の変速用の変速バルブ、ドーザシリンダ用のドーザバルブ、スイングシリンダ用のスイングバルブ等からなる。
【0016】
制御バルブのうち、走行バルブ、ドーザバルブ、変速バルブ、スイングバルブは、リンク等を介して操作力が伝達される機械式制御バルブである。走行レバー22、ドーザレバー60は、リンク機構等を介して機械的に制御バルブと接続されている。具体的には、走行レバー22は走行バルブと接続されている。ドーザレバー60はドーザバルブと接続されている。スイングバルブは、操縦塔20の右側に配置されたスイングペダルと機械的に接続されている。変速バルブは、操縦塔20の左側に配置された変速ペダルと機械的に接続されている。
【0017】
旋回バルブ、アームバルブ、ブームバルブ、作業具バルブは、油圧ポンプ(パイロットポンプ)から供給されるパイロット油の圧力により操作される油圧式バルブである。旋回バルブ、アームバルブ、ブームバルブ、作業具バルブは、油圧ホース(パイロットホース)を介して、パイロットバルブ(リモコンバルブ)と接続されている。本実施形態の場合、パイロットバルブは、後述する第1パイロットバルブ32L及び第2パイロットバルブ32Rである。
<操作装置>
図1、
図2、
図25等に示すように、運転席5の側方であってボンネット8の上方には操作装置30が配置されている。
図24に示すように、操作装置30は、機体幅方向に延びる支軸33回りに回動することにより、前部を跳ね上げ可能に構成されている。支軸33は、操作装置30の後部に配置されている。操作装置30は、前部が跳ね上げられていない第1位置(
図25参照)と、前部が跳ね上げられた第2位置(
図24参照)とに位置変更可能である。以下、特に記載する場合を除いて、操作装置30が第1位置にあるときを基準として、各構成要素の位置関係を説明する。
【0018】
図1に示すように、操作装置30は、第1操作装置30Lと第2操作装置30Rとを含む。第1操作装置30Lは、運転席5の一側方(左方)に配置されている。第2操作装置30Rは、運転席5の他側方(右方)に配置されている。第1操作装置30Lは、旋回操作・アーム操作用の装置である。第2操作装置30Rは、ブーム操作・バケット操作用の装置である。
【0019】
第1操作装置30Lと第2操作装置30Rは構成の大部分が共通しているため、先ず第1操作装置30Lの構成を説明し、後で第2操作装置30Rについて第1操作装置30Lと異なる点を説明する。
図1、
図2に示すように、第1操作装置30Lは、操作レバー(第1操作レバー)31L、制御弁(第1パイロットバルブ)32L、ケーシング(第1ケーシング)34Lを有している。
【0020】
第1操作レバー31Lは、第1操作装置30Lの前部に配置されている。第1操作レバー31Lは、第1ケーシング34Lの上部に装着されており、前方、後方、左方、右方に揺動可能とされている。第1パイロットバルブ32Lは、第1ケーシング34Lの内部に収容されている。第1ケーシング34Lの上部には、リストレスト55が装着されている。
【0021】
第1パイロットバルブ32Lは、第1操作レバー31Lによって操作される。第1パイロットバルブ32Lは、バルブユニット21を構成する制御バルブを作動させるパイロット油の供給を制御する。第1パイロットバルブ32Lには、複数本の油圧ホース(第1パイロットホース)35Lが接続されている。本実施形態の場合、第1パイロットホース35Lは6本である。第1パイロットホース35Lは、第1操作装置30Lとバルブユニット21とを接続しており、バルブユニット21を構成する制御バルブを作動させるパイロット油を流通させる。
【0022】
図2に示すように、第1パイロットバルブ32Lは、弁体36とブロック37とを有している。弁体36は、第1操作レバー31Lの揺動操作によって作動する。具体的には、弁体36は、第1操作レバー31Lの揺動操作によって移動するスプール(図示略)を内蔵している。ブロック37は、弁体36の作動によって(スプールの移動によって)選択的に油が流通する複数の油路38を内蔵している。
【0023】
ブロック37は、弁体36側の面である上面37aと、上面37aの周縁から上面37aと交差する方向に延びる周面とを有している。本実施形態の場合、ブロック37は、直方体形状に形成されている。そのため、ブロック37は、周面として、下方(機体下方側)を向く下面37b、前方(機体前方側)を向く前面37c、後方(機体後方側)を向く後面37d、左方(機体左方側)を向く左面37e、右方(機体右方側)を向く右面を含んでいる。
【0024】
ブロック37は、第1ケーシング34Lの内部において、操作レバー31L,31Rの揺動中心軸31La(弁体36との接続部における操作レバー31L,31Rを構成するシャフトの軸心方向)の延長線上、且つ弁体36の下方に配置されている。複数の油路38は、ブロック37の上面37aに設けられた第1ポート37fと、ブロック37の周面に設けられた第2ポート37gとを連絡するようにL字形に屈曲して形成されている。本実施形態の場合、第2ポート37gは、ブロック37の後面37dに設けられている。第1ポート37f及び第2ポート37gの数は、第1パイロットホース35の数に対応している。本実施形態の場合、第1ポート37f及び第2ポート37gは、それぞれ6つ設けられており、6本の油路38が形成されている。第1操作レバー31Lの揺動操作によって弁体36のスプールが移動することによって、油が流通するポート及び油路38が選択される(切り換えられる)。
【0025】
ブロック37の第1ポート37fは、弁体36と接続されている。ブロック37の第2ポート37gには、管継手39を介して第1パイロットホース35Lの一端部が接続されている。
図3に示すように、管継手39は、直管形の継手であって、第2ポート37gから直線状に後方に延びている。複数本(6本)の第1パイロットホース35Lは、管継手39を介して、複数(6つ)の第2ポート37gにそれぞれ接続されている。各第2ポート37gに接続された複数本(6本)の第1パイロットホース35Lは、各第2ポート37gからブロック37の周面(後面37d)から離れる方向(後方)に延びるように配置されている。つまり、第1操作装置30Lの複数本の第1パイロットホース35Lの全てが、ブロック37の第2ポート37gに接続されて周面(後面37d)から離れる方向(後方)に延びるように配置されている。
【0026】
複数本(6本)の第1パイロットホース35Lは、第1ケーシング34Lの内部において1本に束ねられた第1ホース束40Lとなっている。第1ホース束40Lは、複数本の第1パイロットホース35Lを結束バンド等で束ねた形態であってもよいし、複数本の第1パイロットホース35Lを1本の太い管に挿入した形態であってもよい。
第1パイロットホース35Lの他端部は、バルブユニット21を構成する制御バルブと接続されている。6本の第1パイロットホース35Lのうち、2本はブームバルブに接続され、2本は作業具バルブに接続されている。残りの2本は、バルブユニット21を介して(又は直接的に)パイロットポンプ及びドレンにそれぞれ接続されている。
【0027】
図2,
図3,
図4に示すように、第1操作装置30Lは、第1操作レバー31L及び第1パイロットバルブ32Lを支持するブラケット(第1ブラケット)41Lを有している。第1ブラケット41Lは、第1ケーシング34Lに収容されている。第1ブラケット41Lの後部は、支軸33によって回動可能に支持されている。支軸33は、操作ブラケット140によって機体2上(詳しくはボンネット8上)に支持されている。
【0028】
図4に示すように、第1ブラケット41Lは、前部位41aと後部位41bと接続部位41cとを有する。前部位41aは、第1ブラケット41Lの前部に位置する部位であり、ブロック37を支持している。後部位41bは、第1ブラケット41Lの後部に位置する部位であり、支軸33によって支持されている。接続部位41cは、前部位41aと後部位41bとを接続している。
【0029】
図3,
図4に示すように、第1ブラケット41Lは、機体幅方向に間隔をあけて配置された一対の側板42を有している。一対の側板42の前部は、前部位41aに含まれる。一対の側板42の後部は、後部位41bに含まれる。一対の側板42の前後方向の中途部は、接続部位41cに含まれる。一対の側板42は、機体内方側(運転席5側)に配置された内方側板42Aと、機体外方側(運転席5と反対側)に配置された外方側板42Bとを含む。ブロック37は、内方側板42Aと外方側板42Bとの間に固定されて第1ブラケット41Lに支持されている。支軸33は、内方側板42Aと外方側板42Bとに亘って延びている。
【0030】
図2,
図3,
図4,
図5等に示すように、第1操作装置30Lは、ロックレバー(第1ロックレバー)43Lを有している。第1ロックレバー43Lは、第1操作装置30Lを第1位置(
図25参照)と第2位置(
図24参照)とに位置変更するときに作業者が把持するレバーである。第1ロックレバー43Lを引き上げることによって第1操作装置30Lを第1位置から第2位置に変更することができ、第1ロックレバー43Lを押し下げることによって第1操作装置30Lを第2位置から第1位置に変更することができる。
【0031】
第1ロックレバー43Lの基端部は、カム溝孔44aを有するカム板44に接続されている。カム板44の上端部は、第1枢支軸45を介して揺動板46に枢支されている。揺動板46は、第2枢支軸47を介して第1ブラケット41Lに枢支されている。カム溝孔44aには、ピン48が挿通されている。
ピン48は、操作ブラケット140に固定された固定板49(
図4,
図6参照)から機体外方側に延びている。固定板49は、上部が連結軸50によって操作ブラケット140と連結されており、下部が操作ブラケット140と溶接等により接続されている。操作ブラケット140には、ガスシリンダ等の付勢部材(図示略)の一端部が取り付けられる取付軸51が設けられている。付勢部材の他端部は、第1ブラケット41Lの前部に取り付けられた前ブラケット52の下部に接続されている。付勢部材は、操作装置30を第1位置から第2位置に回動させるときに要する力を補助する付勢力を有する。
【0032】
ピン48は、第1ロックレバー43Lの昇降に伴ってカム溝孔44a内を移動する。
図2に示すように、第1ロックレバー43Lが下降位置にあるとき(第1操作装置30Lが第1位置にあるとき)、ピン48はカム溝孔44aの上部44a1に位置する。第1ロックレバー43Lが上昇位置にあるとき(第1操作装置30Lが第2位置にあるとき)、ピン48はカム溝孔44aの下部44b2に位置する。なお、本実施形態では、第1操作装置30Lが第2位置にある状態で、第1操作装置30Lにおける第1ロックレバー43L以外の部分(例えば操縦レバー31Lあるいはリストレスト55など)を操作しても、ピン48をカム溝孔44aの下部44b2から離脱させることができず、第1操作装置30Lが第2位置に保持されるようになっている。つまり、第1ロックレバー43Lを操作しない限り、第1操作装置30Lを第2位置から第1位置に移行できないようになっている。
【0033】
図2等に示すように、第1操作装置30Lには、リミットスイッチ等のスイッチ53が設けられている。スイッチ53は、第1ブラケット41Lに取り付けられている。スイッチ53は、第1ロックレバー43Lの引き上げに伴って第1ブラケット41Lと共に支軸33回りに回動する。スイッチ53は、第1操作装置30Lが第2位置にあるとき、機体2側(ボンネット8)に固定された検知板54に当接する。これにより、第1操作装置30Lが第2位置にあることが検知される。
【0034】
第1操作装置30Lが第2位置にあることが検知されると、アンロードバルブ(図示略)がオン状態に切り換えられ、作業装置4への作動油の供給が停止される。第1操作装置30Lが第1位置にあるときは、アンロードバルブはオフ状態にあるため、作業装置4への作動油の供給が許容される。これにより、第1ロックレバー43Lが下降位置にあるとき(第1操作装置30Lが第1位置にあるとき)は作業装置4の駆動が可能となり、第1ロックレバー43Lが上昇位置にあるとき(第1操作装置30Lが第2位置にあるとき)は作業装置4の駆動が不能となる。
【0035】
図4に示すように、第1パイロットホース35Lは、第1ブラケット41Lの接続部位41cの下部に沿って前部位41a側から後部位41b側に延びている。第1パイロットホース35Lは、下向きに湾曲する湾曲部59(
図2参照)を有している。湾曲部59は、支軸33よりも上方に配置されている。詳しくは、湾曲部59は、支軸33よりも上方且つ前方に配置されている。また、湾曲部59は、支軸33とピン48との間を通っている。また、湾曲部59は、ピン48と第1枢支軸45との間を通っている。第1パイロットホース35Lは、湾曲部59において下向きに湾曲した後、ボンネット8に形成された開口部80を通って、ボンネット8の内部に挿入されている。
【0036】
ボンネット8の開口部80は、ブロック37よりも後方であって支軸33よりも前方に設けられている。これにより、第1パイロットホース35Lは、支軸33よりも前方において開口部80からボンネット8の内部に挿入されている。詳しくは、第1パイロットホース35Lは、前後方向においてブロック37と支軸33との間の位置において、開口部80からボンネット8の内部に挿入されている。
【0037】
次に、第2操作装置30Rについて説明する。
第2操作装置30Rについては、第1操作装置30Lと異なる点を中心に説明し、共通する構成については説明を省略する。
第1操作装置30Lと第2操作装置30Rは、左右対象に構成されている点と操作対象が異なる点のみが相違点であって、他の構成は共通している。
【0038】
前者の相違点について説明すると、第1操作装置30Lと第2操作装置30Rは、機体幅方向の中心線CL1(
図1参照)を挟んで左右対象形に構成されている。後者の相違点について説明すると、第2操作装置30Rは上述した通りブーム・バケット操作用の装置であり、そのため第2操作装置30Rの6本の第2パイロットホース35Rのうち2本は旋回バルブに接続され、2本はアームバルブに接続されている。
【0039】
これらの相違点以外は、第2操作装置30Rの構成は第1操作装置30Lの構成と共通している。つまり、第2操作装置30Rは上述した第1操作装置30Lの構成と対応する構成を備えている。具体的には、上述した第1操作装置30Lの構成の「第1」を「第2」に変更し、「L」を「R」に変更すれば、第2操作装置30Rの構成となる。例えば、第2操作装置30Rは、第1操作装置30Lの第1操作レバー31L、第1ケーシング34L、第1ブラケット41L、第1パイロットバルブ32Lにそれぞれ対応する構成として、第2操作レバー31R、第2ケーシング34R、第2ブラケット41R、第2パイロットバルブ32Rを有している。これらの第1操作装置30Lと第2操作装置30Rの対応する構成は、上記相違点以外は同じである。
【0040】
また、図示していないが、第2操作装置30Rの第2パイロットバルブ32Rには、複数本(6本)の第2パイロットホース35Rが接続されている。第2パイロットホース35Rは、第2操作装置30Rとバルブユニット21を構成する制御バルブとを接続している。第2パイロットホース35Rは、第2ケーシング34Rの内部において1本に束ねられた第2ホース束40Rとなっている。
図7に示すように、複数本の第2パイロットホース35Rからなる第2ホース束40は、ボンネット8の内部に挿入されている。
<パイロットホースの配置>
ボンネット8の開口部80は、ボンネット8の左上面に形成された第1開口部80L(
図4参照)と、ボンネット8の左上面に形成された第2開口部80R(
図6参照)と、を含む。尚、
図4,
図6では第2操作装置30Rを省略している。第1パイロットホース35Lは第1開口部80Lからボンネット8の内部に挿入され、第2パイロットホース35Rは第2開口部80Rからボンネット8の内部に挿入されている。
【0041】
図5に示すように、ボンネット8の内部に挿入された第1パイロットホース35Lは、ボンネット8の上板8aの下面に沿って後方に延びた後、ボンネット8内の後部において湾曲して下方に向けて延びている。図示していないが、第2パイロットホース35Rについても同様である。
図7に示すように、第1パイロットホース35Lと第2パイロットホース35Rは、ボンネット8の内部において左部と右部とに分かれて延びている。第1パイロットホース35Lと第2パイロットホース35Rは、ボンネット8の回動軸となる横軸62の左側と右側に分かれて延びている。より詳しくは、第1パイロットホース35Lは、後述する第1横軸62Lの左方を通っている。第2パイロットホース35Rは、後述する第2横軸62Rの右方を通っている。
【0042】
図5,
図7に示すように、第1パイロットホース35Lは、作動油タンク9の左方を通って下方に延びている。第2パイロットホース35Rは、作動油タンク9の後方を通って、作動油タンク9の右方から左方に移行した後、作動油タンク9の左方を通って下方に延びている。作動油タンク9は、原動機10の後方であってウエイト7の前方に配置されている(
図25参照)。第2パイロットホース35Rは、作動油タンク9とウエイト7との間を通って、ボンネット8内部の右部から左部に向けて延びている。
【0043】
図5,
図7,
図8,
図9に示すように、作動油タンク9は、覗き窓90と筒状部91とを有している。覗き窓90は、作動油タンク9内の作動油を視認可能とする窓である、覗き窓90は、ガラス板等の透明な板から構成されている。覗き窓90は、作動油タンク9内に貯蔵された作動油の量(油面)を確認するためのオイルゲージとして機能する。
図10に示すように、覗き窓90は、ウエイト7の左部に形成された開口7aを介して機体2の外部から視認可能である。
【0044】
覗き窓90は、筒状部91に取り付けられている。覗き窓90は、筒状部91の先端部で筒状部91の内部に嵌め入れられており、筒状部91の内部空間を介して作動油タンク9内の作動油を視認可能になっている。筒状部91は、作動油タンク9の壁面(左壁面)から突出している。筒状部91は、図示のように円筒形であることが好ましいが、楕円筒形や角筒形であってもよい。本実施形態の場合、筒状部91は、略水平方向に延びる軸心を有する円筒形であって、作動油タンク9の左壁面から左方に向けて突出している。
【0045】
筒状部91の突出長さ(作動油タンク9の壁面からの突出長さ)は、油圧ホース(第1パイロットホース35L、第2パイロットホース35R)の外径以上に設定することが好ましい。この場合、筒状部91の突出長さは、少なくとも1本の油圧ホース(第1パイロットホース35L、第2パイロットホース35R)の外径以上に設定すればよいが、複数の第1パイロットホース35Lを1本に束ねた第1ホース束40Lの外径以上、且つ、複数の第2パイロットホース35Rを1本に束ねた第2ホース束40Rの外径以上に設定することが好ましい。また、筒状部91の外径は、第1ホース束40Lの外径以上且つ第2ホース束40Rの外径以上であることが好ましい。
【0046】
筒状部91は、油圧ホース(第1パイロットホース35L、第2パイロットホース35R)を案内する外面(外周面)91aを有している。筒状部91は、作動油タンク9の壁面(左壁面)から突出していることによって、外面91aに油圧ホース(第1パイロットホース35L、第2パイロットホース35R)を当接させて案内することができる。
以下、説明の都合上、第1パイロットホース35L(又は第1ホース束40L)を第1油圧ホース35Lと称し、第2パイロットホース35R(又は第2ホース束40R)を第2油圧ホース35Rと称する場合がある。
【0047】
図5,
図7,
図8,
図9に示すように、第1油圧ホース35Lと第2油圧ホース35Rは、覗き窓90を挟んで互いに反対側の筒状部91の外面91aに沿って案内されている。具体的には、第1油圧ホース35Lは覗き窓90の前側の筒状部91の外面91aに沿って案内されており、第2油圧ホース35Rは覗き窓90の後側の筒状部91の外面91aに沿って案内されている。これによって、2つの油圧ホース(第1油圧ホース35Lと第2油圧ホース35R)を離間させて案内することができるため、油圧ホース同士が干渉したり絡まったりすることを防止できる。
【0048】
図5,
図7,
図8,
図9に示すように、油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)は、筒状部91の上方と下方において、複数のガイド部材によって案内されている。複数のガイド部材は、第1ガイド部材101、第2ガイド部材102、第3ガイド部材103、第4ガイド部材104、第5ガイド部材105、第6ガイド部材106、第7ガイド部材107を含む。第1ガイド部材101~第7ガイド部材107は、丸棒を折り曲げることにより構成されている。但し、複数のガイド部材は、必ずしも第1~第7の全てのガイド部材を備えている必要はなく、1つ又は複数のガイド部材を省略してもよい。また、必要に応じて他のガイド部材を追加してもよい。
【0049】
図7,
図8,
図9に示すように、第1ガイド部材101は、油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)を筒状部91に向けて案内している。第1ガイド部材101は、作動油タンク9に取り付けられている。第1ガイド部材101は、作動油タンク9の角縁に沿って取り付けられている。第1ガイド部材101は、作動油タンク9の左後部の角縁に沿って取り付けられている。第1ガイド部材101は、作動油タンク9の角縁に沿って上下方向に延びる縦部位101aと、縦部位101aの下端から屈曲して後方に延びる横部位101bとを有している。第1油圧ホース35Lは、縦部位101aに当接して案内されている。第2油圧ホース35Rは、横部位101bに当接して案内されている。
【0050】
図7,
図8,
図9に示すように、第2ガイド部材102は、筒状部91に沿って延びる油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)を案内している。第2ガイド部材102は、ステー95を介して旋回基板6(
図25参照)に取り付けられている。ステー95は、接続板99(
図7参照)を介して仕切り部材96に接続されている。仕切り部材96は、旋回基板6上にボルトで固定されている。仕切り部材96は、作動油タンク9の前方において機体幅方向に延びている。
【0051】
第2ガイド部材102は、取り付け板97を介してステー95に固定されている。取り付け板97は、ボルト等の固定具(図示略)によってステー95の上部に固定されている。第2ガイド部材102は、下部位102aと中間部位102bと上部位102cとを有している。下部位102aは、取り付け板97に取り付けられて筒状部91の下方で前後方向に延びている。中間部位102bは、下部位102aの前端部から屈曲して上方に延びている。中間部位102bは、筒状部91の前方において、筒状部91の下方から上方に亘る長さで延びている。上部位102cは、中間部位102bの上端部から屈曲して右方(作動油タンク9に近づく方向)に延びている。油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)は、第2ガイド部材102と作動油タンク9の壁面(左壁面)との間を通って延びている。第1油圧ホース35Lは、中間部位102bと作動油タンク9の壁面(左壁面)との間であって、上部位102cの下方を通って延びている。第2油圧ホース35Rは、下部位102aと作動油タンク9の壁面(左壁面)との間を通って延びている。
【0052】
図7,
図8,
図9に示すように、第3ガイド部材103は、筒状部91に沿って延びる油圧ホース(第1油圧ホース35L)を案内している。第3ガイド部材103は、ステー95を介して旋回基板6に取り付けられている。第3ガイド部材103は、ステー95の上部に固定された取り付け板97に取り付けられている。第3ガイド部材103は、縦部位103aと横部位103bとを有している。縦部位103aは、取り付け板97に取り付けられて第2ガイド部材102の下方で上下方向に延びている。横部位103bは、縦部位103aの上端部から屈曲して斜め前右方に向けて延びている。第1油圧ホース35Lは、横部位103bと作動油タンク9との間を通って下方に延びている。
【0053】
図7,
図9に示すように、第4ガイド部材104は、油圧ホース(第2油圧ホース35R)を筒状部91に向けて案内している。第4ガイド部材104は、作動油タンク9の上面に装着された上板98に取り付けられている。上板98は、作動油タンク9の上面から後方に突出する突出部位98aを有しており、第4ガイド部材104は突出部位98aに取り付けられている。そのため、第4ガイド部材104は、作動油タンク9よりも後方に配置されている。第4ガイド部材104は、上板98の左部から上方に延びる第1縦部位104aと、上板98の右部から上方に延びる第2縦部位104bと、第1縦部位104aの上端部と第2縦部位104bの上端部とを繋ぐ連絡部位104cとを有している。第1縦部位104aと第2縦部位104bの上部は、後方に向けて湾曲している。第2油圧ホース35Rは、連絡部位104cの下方であって第1縦部位104aと第2縦部位104bの後方に配置されている。第2油圧ホース35Rは、第4ガイド部材104に当接して作動油タンク9の後方にて右方から左方に向けて延びている。
【0054】
図5,
図7に示すように、第5ガイド部材105、第6ガイド部材106、第7ガイド部材107は、ボンネット8内の上部において、油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)を前方から後方に向けて案内している。第5ガイド部材105、第6ガイド部材106、第7ガイド部材107は、ボンネット8内の左上部と右上部にそれぞれ設けられている。第5ガイド部材105及び第7ガイド部材107は、ボンネット8の上板の裏面に取り付けられている。第6ガイド部材106は、ボンネット8の後部下面に固定される後板材94に取り付けられている。
【0055】
第5ガイド部材105は、ボンネット8に形成された開口部80の後方に配置されている。第6ガイド部材106は、第5ガイド部材105の後方に配置されている。第7ガイド部材107は、開口部80の前方から下方にわたって配置されている。第5ガイド部材105は、油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)の上方及び機体外方への移動を規制している。第6ガイド部材106は、油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)の下方及び機体内方への移動を規制している。第7ガイド部材107は、油圧ホース(第1油圧ホース35L、第2油圧ホース35R)の前方及び下方への移動を規制している。
【0056】
第1油圧ホース35Lは、ボンネット8の左上部の第1開口部80Lからボンネット8内に挿入され、第5ガイド部材105、第6ガイド部材106、第7ガイド部材107によってボンネット8の上板に沿って後方へと案内され、ボンネット8内の左後部において屈曲して下方に延び、第1ガイド部材101によって筒状部91に向けて案内された後、第2ガイド部材102と筒状部91の前部の外面91aに沿って案内されて更に下方に延び、さらに第3ガイド部材103によって下方に向けて案内される。
【0057】
第2油圧ホース35Rは、ボンネット8の右上部の第2開口部80Rからボンネット8内に挿入され、第5ガイド部材105、第6ガイド部材106、第7ガイド部材107によってボンネット8の上板に沿って後方へと案内され、ボンネット8内の右後部において屈曲して下方に延び、第4ガイド部材104によって右部から左部に向けて案内され、第1ガイド部材101によって筒状部91に向けて案内された後、筒状部91の後部の外面91aに沿って案内されて更に下方に延び、さらに第2ガイド部材102と作動油タンク9の壁面を通って更に下方に延びる。
【0058】
下方に延びた第1油圧ホース35L及び第2油圧ホース35Rは、ボンネット8内の下部において屈曲して前方に延び、バルブユニット21を構成する制御バルブに接続される。
<ボンネットの開閉構造>
図11に示すように、機体2には、ボンネット8を回動可能(開閉可能)に枢支する横軸62が設けられている。横軸62は、機体幅方向に延びている。ボンネット8の後下部は、機体2に対して横軸62回りに回動可能に枢支されている。
図12に示すように、ボンネット8は、横軸62回りの第1方向(矢印A方向)に回動することによって開放し、横軸62回りの第2方向(矢印B方向)に回動することによって閉鎖する。これにより、ボンネット8は、前部が上昇した開放位置(
図12の仮想線の位置)と、前部が下降した閉鎖位置(
図12の実線の位置)とに移動可能である。
【0059】
図11に示すように、作業機1は、ボンネット8の開閉に要する力を補助する補助機構110を備えている。補助機構110は、ボンネット8の横軸62回りの回動を補助するばね力を付勢する。補助機構110は、ボンネット8を開放するときは第1方向(矢印A方向)の回動を補助するばね力を付勢し、ボンネット8を閉鎖するときは第2方向(矢印B方向)の回動を補助するばね力を付勢する。
【0060】
図13,
図14,
図15に示すように、横軸62は、機体幅方向の一方側(左側)に配置された第1横軸62Lと、機体幅方向の他方側(右側)に配置された第2横軸62Rと、を含む。第1横軸62Lと第2横軸62Rは、機体幅方向に間隔をあけて、機体幅方向に延びる同一直線上に配置されている。補助機構110は、横軸62の周囲に巻回されて、上述したばね力を付勢するねじりコイルばね111を有している。ねじりコイルばね111は、第1横軸62Lの周囲に巻回された第1ばね111Lと、第2横軸62Rの周囲に巻回された第2ばね111Rと、を含む。
【0061】
図13,
図14,
図15,
図16に示すように、補助機構110は、第1部材112と第2部材113と連携部材114とを有している。
第1部材112は、機体2に固定されている。詳しくは、第1部材112は、機体2の後部に配置されたウエイト7に固定されている。第1部材112は、後板112a、第1側板112b、第2側板112c、上板112dを有している。後板112aは、ウエイト7の前部にボルト等によって固定されている。第1側板112b及び第2側板112cは、機体幅方向に間隔をあけて配置され、後板112aの前面に接続されている。第1側板112bは、機体幅方向の一方側(左側)に配置されている。第2側板112cは、機体幅方向の他方側(右側)に配置されている。上板112dは、後板112aの上部から前方に延びている。
【0062】
第1部材112の第1側板112bは、ガイド孔112eと挿通孔112fとを有している。ガイド孔112eは、後述する第1軸115の移動を案内する孔である。ガイド孔112eは、略C字状に形成されている。挿通孔112fは、ねじりコイルばね111(第1ばね111L)の他端部111bが挿通される孔である。挿通孔112fは、横軸62を中心として円弧状に延びる長孔から構成されている。
【0063】
第2部材113は、ボンネット8に固定されている。詳しくは、第2部材113は、ボンネット8の後部下面に固定された後板材94を介してボンネット8に固定されている。第2部材113は、第1部材112に対して横軸62によって枢支されており、横軸62回りに回動可能である。第2部材113は、左部材113Lと右部材113Rとを含む。左部材113Lは、一端部が後板材94の左部の下面に固定されており、当該下面から下方に延びた後、後方に向けて屈曲している。右部材113Rは、一端部が後板材94の右部の下面に固定されており、当該下面から下方に延びた後、後方に向けて屈曲している。左部材113Lの他端部は、第1横軸62Lに枢支されている。右部材113Rの他端部は、第2横軸62Rに枢支されている。
【0064】
連携部材114は、一端側が第1軸115により第1部材112に取り付けられ、他端側が第2軸116により第2部材113に取り付けられている。第1軸115は、第1部材112に形成されたガイド孔112eに挿入されている。ガイド孔112eは、ボンネット8の横軸62回りの回動に伴う第1軸115の移動を案内する。
ねじりコイルばね111は、第1部材112と第2部材113とに係止されている。第1部材112は、ねじりコイルばね111の一端部が係止される第1係止部112gを有している。第2部材113は、ねじりコイルばね111の他端部が係止される第2係止部113aを有している。
【0065】
図14に示すように、第1係止部112gは、第1部材112の上板112dに設けられた切り欠き112gL,112gRから構成されている。切り欠き112gLには、第1ばね111Lの一端部111Laが係止されている。切り欠き112gRには、第2ばね111Rの一端部111Raが係止されている。
図16等に示すように、第2係止部113aは、横軸62を中心として円弧状に延びる長孔から構成されている。ねじりコイルばね111の他端部111bは、第1部材112の挿通孔112fを貫通して第2係止部113aを構成する長孔に係止されている。ねじりコイルばね111の他端部111bは、ボンネット8の開閉に伴って第2係止部113aを構成する長孔に沿って移動する。ねじりコイルばね111の他端部111bは、ボンネット8が閉鎖しているときは第2係止部113aを構成する長孔の一端側(上端側)に当接し(
図16参照)、ボンネット8が開放しているときは当該長孔の他端側(下端側)に当接する(
図17参照)。また、ボンネット8が開放位置(全開位置)と閉鎖位置との間にあるときは、ねじりコイルばね111の他端部111bは、第2係止部113aを構成する長孔の中途部に位置する(
図18参照)。
【0066】
図16は、ボンネット8が閉鎖しているときの補助機構110の状態を示す。ボンネット8が閉鎖しているとき、第1軸115はガイド孔112eの一端側(下方側)に位置し、ねじりコイルばね111の他端部111bは第2係止部113aを構成する長孔の一端側(上端側)に当接している。この状態では、ねじりコイルばね111は、第2部材113に対して矢印A方向(第1方向)のばね力を付勢している。そのため、作業者がボンネット8を開放するとき、ねじりコイルばね111によって、第1方向(ボンネット8が開く方向)の回動を補助するばね力が付勢される。これにより、作業者は、小さい力で容易にボンネット8を開放することができる。
【0067】
図17は、ボンネット8が開放(全開)しているときの補助機構110の状態を示す。ボンネット8が開放しているとき、第1軸115はガイド孔112eの他端側(上方側)に位置し、ねじりコイルばね111の他端部111bは第2係止部113aを構成する長孔の他端側(下端側)に当接している。この状態では、ねじりコイルばね111は、第2部材113に対して矢印B方向(第2方向)のばね力を付勢している。そのため、作業者がボンネット8を閉鎖するとき、ねじりコイルばね111によって、第2方向(ボンネット8が閉じる方向)の回動を補助するばね力が付勢される。これにより、作業者は小さい力で容易にボンネット8を閉鎖することができる。
【0068】
上述したように、ねじりコイルばね111のばね力の付勢方向は、ボンネット8が閉鎖位置にあるときは第1方向であり、ボンネット8が開放位置にあるときは第2方向である。そのため、補助機構110は、ボンネット8を開放するときは第1方向(ボンネットを開く方向)の回動を補助し、ボンネット8を閉鎖するときは第2方向(ボンネットを閉じる方向)の回動を補助することができる。
【0069】
補助機構110は、ボンネット8が閉鎖位置から開放位置との間の中途位置にあるとき、ねじりコイルばね111のばね力の付勢方向が切り換わるように構成されている。詳しくは、ボンネット8を閉鎖位置から開放位置に移動(回動)するとき、閉鎖位置と開放位置との間の中途位置において、ねじりコイルばね111のばね力の付勢方向が第1方向から第2方向に切り換わるように構成されている。また、補助機構110は、ボンネット8を開放位置から閉鎖位置に移動(回動)するとき、開放位置と閉鎖位置との間の中途位置において、ねじりコイルばね111のばね力の付勢方向が第2方向から第1方向に切り換わるように構成されている。
【0070】
より詳しくは、補助機構110は、ボンネット8と共に回動する回動部の重心が機体2の後端2aよりも前方にあるときに第1方向(ボンネットを開く方向)の回動を補助し、回動部の重心が機体2の後端2aよりも後方にあるときに第2方向(ボンネットを閉じる方向)の回動を補助する。本実施形態の場合、ボンネット8と共に回動する回動部は、ボンネット8、運転席5、操作装置30を含む。
図12において、ボンネット8と共に回動する回動部が実線位置にあるとき(ボンネット8が閉鎖位置にあるとき)、回動部の重心は機体2の後端2aよりも前方にあるため、補助機構110は第1方向(矢印A方向)の回動を補助する。ボンネット8と共に回動する回動部が仮想線位置にあるとき(ボンネット8が開放位置にあるとき)、回動部の重心は機体2の後端2aよりも後方にあるため、補助機構110は第2方向(矢印B方向)の回動を補助する。
【0071】
補助機構110は、ボンネット8の横軸62回りの回動角度に対応して、第1方向の回動を補助する状態(ねじりコイルばね111のばね力の付勢方向が第1方向である状態)と、第2方向の回動を補助する状態(ねじりコイルばね111のばね力の付勢方向が第2方向である状態)とを切り換えるように構成することが好ましい。
この場合、補助機構110は、ボンネット8が閉鎖位置から開放位置まで回動するときの横軸62回りの回動角度が、閉鎖位置から第1角度までの範囲にあるときは第1方向の回動を補助し、第2角度から開放位置までの範囲にあるときは第2方向の回動を補助するように構成することができる。また、補助機構110は、ボンネット8が閉鎖位置から開放位置まで回動するときの横軸62回りの回動角度が、第1角度と第2角度との間の範囲にあるときはボンネット8の回動を補助しない。
【0072】
図18は、ボンネット8が閉鎖位置から開放位置まで回動するときの横軸62回りの回動角度が第1角度と第2角度との間の範囲にあるときの補助機構110の状態を示している。このとき、ねじりコイルばね111の他端部111bは、第2係止部113aを構成する長孔の中途部に位置している。この状態では、ねじりコイルばね111は、自然状態(ねじれていない状態)にあり、第2部材113に対して第1方向と第2方向のいずれの方向のばね力も付勢しない。
【0073】
ここで、補助機構110の作用(挙動)について、具体例を挙げて説明する。
ボンネット8が閉鎖位置にあるときのボンネット8の横軸62回りの回動角度を0°とし、ボンネット8が開放位置にあるときの横軸62回りの回動角度が90°、第1角度が35°、第2角度が55°である場合について説明する。
この場合、補助機構110は、ボンネット8の横軸62回りの回動角度が閉鎖位置から第1角度までの範囲(0°~35°)にあるときは第1方向の回動を補助し、第1角度と第2角度との間の範囲(35°~55°)にあるときは回動を補助せず、第2角度から開放位置までの範囲(55°~90°)にあるときは第2方向の回動を補助する。
【0074】
ボンネット8が開放位置にあるときの横軸62回りの回動角度は90°に限定されず、90°を超える角度であってもよいし、90°未満の角度であってもよい。また、第1角度と第2角度の値は上記具体例には限定されず、0°~90°の間の範囲で適当な値に設定することができる。第2角度の大きさは、第1角度の大きさ以上(第2角度≧第1角度)に設定される。
【0075】
第2角度の大きさは第1角度の大きさよりも大きく(第2角度>第1角度)設定することが好ましい。これにより、ボンネット8が閉鎖位置と開放位置との間にある状態で補助機構110がボンネット8の回動を補助しない状態(ニュートラル状態)が生じるため、ボンネット8の開閉の操作性が良好となる。
但し、第1角度と第2角度を等しく設定してもよい。この場合、補助機構110がボンネット8の回動を補助しない状態(ニュートラル状態)はなくなり、補助機構110は、ボンネット8の位置に関わらず、ボンネット8の回動を常に第1方向側又は第2方向側に補助する。
【0076】
図11,
図19,
図20に示すように、作業機1は、ボンネット8を閉鎖した状態で機体2に対して保持可能なロック機構120を備えている。ロック機構120は、機体2に設けられた受け部材121と、ボンネット8に設けられた係止部材122と、操作機構123とを有している。
図20に示すように、受け部材121は、一方部121Lと他方部121Rと連結部121Mとを有している。一方部121Lは、機体幅方向の一方側(左側)に配置されている。他方部121Rは、機体幅方向の他方側(右側)に配置されている。一方部121L及び他方部121Rは、それぞれ基端部位121aと中途部位121bと先端部位121cとを有している。基端部位121aは、受け部材121の下部に位置し、前後方向に延びている。中途部位121bは、基端部位121aの後端から屈曲して上方に延びている。先端部位121cは、中途部位121bの上端から斜め上後方に延びている。連結部121Mは、機体幅方向に延びており、一方部121Lの先端部位121cの上端(一方部121Lの一端側)と他方部121Rの先端部位121cの上端(他方部121Rの一端側)とを連結している。連結部121Mには、係止部材122が係止される。
【0077】
図19,
図21に示すように、受け部材121は、取付ブラケット124に固定されている。取付ブラケット124は、ステップ板26に取り付けられている。
図11に示すように、ステップ板26は、機体2の前部であって運転席5の前方(ボンネット8の前方)に設けられている。そのため、取付ブラケット124は、機体2の前部(運転席5の前方)においてステップ板26に固定されている。
【0078】
図21に示すように、ステップ板26は、左板部26L、右板部26R,中央板部26Mを有している。左板部26Lは、運転席5に着座した作業者が左足を置く部分である。右板部26Rは、運転席5に着座した作業者が右足を置く部分である。中央板部26Mは、左板部26L及び右板部26Rよりも高い位置にあり、左板部26Lと右板部26Rとを連結している。取付ブラケット124は、中央板部26Mに固定されている。
【0079】
受け部材121は、一方部121Lの基端部位121aの前部(一方部121Lの他端側)及び他方部121Rの基端部位121aの前部(他方部121Rの他端側)が、取付ブラケット124に固定されている。これにより、一方部121Lの他端側及び他方部121Rの他端側が、機体2のステップ板26に固定されている。
このように、一方部121Lの他端側及び他方部121Rの他端側が機体2に固定されていることにより、受け部材121が両持ち状態(両端が固定された状態)となるため、受け部材121の強度を向上させることができる。これにより、ボンネット8の開閉時に加わる負荷によって受け部材121が変形することを防止できる。本実施形態の作業機1は、ボンネット8の上に操作装置30が搭載されていることで、ボンネット8と共に回動する回動部の重量が大きくなっているため、ボンネット8の開閉時に受け部材121に加わる負荷が大きい。そのため、受け部材121が片持ち状態であるとボンネット8の開閉時に加わる負荷によって変形が生じる恐れがあるが、受け部材121が両持ち状態となっていることで変形を防止できる。
【0080】
図19、
図20に示すように、係止部材122は、基部122aと爪部122bを有している。基部122aは、係止部材122の基端側に位置し、円筒体126の外周面に固定されて、支持軸125から離れる方向に延びている。円筒体126は、機体幅方向に延びる支持軸125に外嵌されており、支持軸125回りに回動可能である。爪部122bは、係止部材122の先端側に位置し、前方に向けて屈曲している。
【0081】
基部122aの円筒体126と反対側には操作部127が設けられている。操作部127は、作業者がロック機構120のロック状態(ボンネット8が開放不能な状態)と非ロック状態(ボンネット8が開放可能な状態)とを切り換える際に把持する部材である。操作部127は、棒状の部材であって、一端側が基部122aに接続されており、他端側が支持軸125から離れる方向に延びている。
【0082】
図20に示すように、支持軸125の両端部は、支持体128に支持されている。言い換えれば、支持軸125は、両持ち状態で支持されている。支持体128は、ボンネット8の前部の裏面(後面)に固定されている。支持体128は、支持軸125の一端部を支持する一方板部128Lと、支持軸125の他端部を支持する他方板部128Rと、一方板部128Lの後部と他方板部128Rの後部とを繋ぐ後板部128Bとを有している。一方板部128Lと他方板部128Rは、機体幅方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。
【0083】
一方板部128Lの前部と他方板部128Rの前部との間には、前板129が装着されている。前板129には、上下方向に延びる長孔129aが形成されている。この長孔129aには、操作部127の他端側が挿入されている。操作部127の他端側は、支持軸125を中心として長孔129aに沿って揺動可能である。
円筒体126、支持軸125、操作部127は、操作機構123を構成している。操作機構123は、係止部材122を、受け部材121に係止される係止位置(
図19の実線位置)と、受け部材121との係止が解除される解除位置(
図19の仮想線位置)との間で移動させることができる。操作機構123の操作は、操作部127を把持することによって行うことができる。係止部材122が係止位置にある状態(
図19の実線参照)から操作部127を把持して上方に引き上げると、係止部材122が円筒体126と共に支持軸125回りに上方に回動し、爪部122bが受け部材121の連結部121Mから外れる(
図19の仮想線参照)。これにより、ボンネット8のロックが解除された非ロック状態となる。係止部材122が解除位置にある状態(
図19の仮想線参照)から操作部127を把持して下方に押し下げると、係止部材122が円筒体126と共に支持軸125回りに下方に回動し、爪部122bが受け部材121の連結部121Mに係止される(
図19の実線参照)。これにより、ボンネット8がロックされた非ロック状態となる。
【0084】
図11、
図19に示すように、ボンネット8の前部には取っ手8bが設けられており、作業者は取っ手8bを把持してボンネット8の開閉を行うことができる。
<シートブラケット、操作ブラケット、シートベルト支持体>
図1に示すように、作業機1は、運転席5を機体2上(詳しくはボンネット8上)に支持するシートブラケット130を備えている。シートブラケット130は、ボンネット8の上方であって運転席5の下方に配置されている。
【0085】
図1,
図6,
図22,
図23に示すように、シートブラケット130は、ボンネット8上に載置された下板130aと、運転席5を前後方向にスライド可能とするためのスライドレール132L,132Rとを有している。下板130aは、ボルト131等によってボンネット8の上面に固定されている。スライドレール132L,132Rは、下板130aの上面に固定されている。
【0086】
スライドレール132Lとスライドレール132Rは、機体幅方向に間隔をあけて配置されており、互いに平行に前後方向に延びている。
図22,
図23に示すように、下板130aの上方には、運転席5の下部を支持する支持板133が配置されている。
図1,
図22に示すように、支持板133の下面には、レール材134L,134Rが固定されている。レール材134Lとレール材134Rは、機体幅方向に間隔をあけて配置されており、互いに平行に前後方向に延びている。レール材134Lは、スライドレール132L上に載置されており、スライドレール132Lに沿って前後方向にスライド可能である。レール材134Rは、スライドレール132R上に載置されており、スライドレール132Rに沿って前後方向にスライド可能である。支持板133に固定されたレール材134L,134Rがスライドレール132L,132Rに沿って前後方向にスライドすることによって、支持板133上に支持された運転席5が前後方向に移動する。
【0087】
図1,
図6,
図22,
図23等に示すように、作業機1は、シートベルト装置150を備えている。シートベルト装置150は、運転席5に着座した作業者が装着するシートベルト154と、シートベルト154を収容する収容部152と、シートベルト154の先端部154aが係合される係合部153(
図6では省略)とを有している。
収容部152には、シートベルト154が引き出し可能に収容されている。シートベルト154は、先端部154aが収容部152から突出しており、基端部が収容部152の内部に収容されている。係合部153には、収容部152から引き出されたシートベルト154の先端部154aが係合される。
【0088】
シートベルト装置150は、シートベルト支持体151によって機体2上に支持されている。シートベルト支持体151は、第1支持体151Lと第2支持体151Rとを含む。第1支持体151Lは、運転席5の左側に配置されている。第2支持体151Rは、運転席5の右側に配置されている。
第1支持体151Lは、第1側板151Laと第1支持筒151Lbとを有している。第1側板151Laは、下板130aの一方の側縁(左縁)から起立して上方に延びている。第1支持筒151Lbは、第1側板151Laの機体外方側の面(左面)に接続され、当該面から機体外方(左方)に突出している。第1支持筒151Lbは、円筒状に形成されている。第1支持筒151Lbには、収容部152が装着されている。収容部152は、第1支持筒151Lbに対して機体幅方向の軸回りに回動可能に装着されている。
【0089】
第2支持体151Rは、第2側板151Raと第2支持筒151Rbとを有している。第2側板151Raは、下板130aの他方の側縁(右縁)から起立して上方に延びている。第2支持筒151Rbは、第2側板151Raの機体外方側の面(右面)に接続され、当該面から機体外方(右方)に突出している。第2支持筒151Rbは、円筒状に形成されている。第2支持筒151Rbには、係合部153が装着されている。係合部153は、第2支持筒151Rbに対して機体幅方向の軸回りに回動可能に装着されている。
【0090】
運転席5に着座した作業者は、収容部152に収容されたシートベルトを引き出して、当該シートベルトの先端部を係合部153に係合することによって、シートベルトを装着することができる。
シートベルト支持体151の第1側板151La及び第2側板151Raは、シートブラケット130の下板130aと一体化されている。具体的には、第1側板151Laは、下板130aと第1側板151Laと第2側板151Raとは、1枚の板を折り曲げて構成されている。これにより、シートベルト支持体151とシートブラケット130とが一体化されている。
【0091】
下板130aの上面には、補強材130bが固定されている。補強材130bは、第1側板151Laと第2側板151Raとを接続している。従って、シートブラケット130の下板130aと、シートベルト支持体151の第1側板151La及び第2側板151Raが、補強材130bを介して一体化されている。これによって、シートブラケット130とシートベルト支持体151の剛性を向上させることができる。
【0092】
また、
図1、
図6、
図22に示すように、シートベルト支持体151の第1側板151Laとシートブラケット130の下板130aとは、第1補強板135Lによって接続されている。シートベルト支持体151の第2側板151Raとシートブラケット130の下板130aとは、第2補強板135Rによって接続されている。第1補強板135Lと第2補強板135Rによって、第1側板151La及び第2側板151Raが機体内方側から補強されて下板130aと接続されるため、シートブラケット130とシートベルト支持体151の剛性を向上させることができる。
【0093】
図1,
図22,
図23に示すように、操作ブラケット140は、第1操作装置30Lを支持する第1操作ブラケット140Lと、第2操作装置30Rを支持する第2操作ブラケット140Rと、を含む。
図6、
図23等に示すように、第1操作ブラケット140Lは、第1縦板140La、第1横板140Lb、第1接続板140Lcを有している。第1縦板140Laは、シートベルト支持体151の第1側板151Laと対向している。第1横板140Lbは、第1縦板140Laの下部と第1横板140Lbとを接続している。第1縦板140Laと第1横板140Lbとは、1枚の板をL字形に折り曲げることにより形成されている。第1接続板140Lcは、第1側板151Laと第1縦板140Laと第1横板140Lbとを接続している。第1接続板140Lcは、第1前接続板140Lc1と第1後接続板140Lc2とを含む。第1前接続板140Lc1と第1後接続板140Lc2とは、前後方向に間隔をあけて、互いに平行に配置されている。
【0094】
図22、
図23等に示すように、第2操作ブラケット140Rは、第2縦板140Ra、第2横板140Rb、第2接続板140Rcを有している。第2縦板140Raは、シートベルト支持体151の第2側板151Raと対向している。第2横板140Rbは、第2縦板140Raの下部と第2横板140Rbとを接続している。第2縦板140Raと第2横板140Rbとは、1枚の板をL字形に折り曲げることにより形成されている。第2接続板140Rcは、第2側板151Raと第2縦板140Raと第2横板140Rbとを接続している。第2接続板140Rcは、第2前接続板140Rc1と第2後接続板140Rc2とを含む。第2前接続板140Rc1と第2後接続板140Rc2とは、前後方向に間隔をあけて、互いに平行に配置されている。
【0095】
上述したように、第1接続板140Lc(第1前接続板140Lc1と第1後接続板140Lc2)が第1側板151Laと第1縦板140Laと第1横板140Lbとを接続し、第2接続板140Rc(第2前接続板140Rc1と第2後接続板140Rc2)が第2側板151Raと第2縦板140Raと第2横板140Rbとを接続している。
これによって、操作ブラケット140がシートブラケット130と強固に一体化された構造となるため、操作ブラケット140の剛性を向上させることができる。また、シートベルト支持体151の第1側板151La及び第2側板151Raが、それぞれ第1接続板140Lc及び第2接続板140Rcによって機体外方側から補強されるため、シートベルト支持体151の剛性も向上する。
【0096】
また、第1補強板135Lは、前後方向において、スライドレール132L及び第1接続板140Lc(第1後接続板140Lc2)と重なる位置に配置されている。第2補強板135Rは、前後方向において、スライドレール132R及び第2接続板140Rc(第2後接続板140Rc2)と重なる位置に配置されている。これによって、第1補強板135L及び第2補強板135Rによる補強効果、第1接続板140Lc及び第2接続板140Rcによる補強効果を高めることが可能となる。
【0097】
第1操作ブラケット140Lは、第1横板140Lb及び第1接続板140Lcが第1側板151Laに接続されることによって、シートベルト支持体151(第1支持体151L)の左部に接続されている。第2操作ブラケット140Rは、第2横板140Rb及び第2接続板140Rcが第2側板151Raに接続されることによって、シートベルト支持体151(第2支持体151R)の右部に接続されている。これにより、操作ブラケット140は、シートベルト支持体151と一体化されている。
【0098】
上述したように、シートベルト支持体151はシートブラケット130と一体化され、操作ブラケット140はシートベルト支持体151と一体化されている。つまり、シートベルト支持体151と操作ブラケット140とシートブラケット130とが一体化されている。
これによって、操作ブラケット140がシートベルト支持体151及びシートブラケット130と一体化されて剛性が向上するため、操作装置30の操作レバー(第1操作レバー31L、第2操作レバー31R)を操作したときのがたつきを無くすことができる。
【0099】
また、シートベルト支持体151と操作ブラケット140とシートブラケット130とが一体化されることによって、それぞれを別体とした場合に比べて部品点数を削減することができる。
上記実施形態の作業機1によれば、以下の効果を奏する。
作業機1は、機体2と、機体2に搭載された運転席5と、運転席5の側方に配置され、機体幅方向に延びる支軸33回りに回動する操作装置30と、操作装置30により操作される作業装置4と、を備え、操作装置30は、操作レバー(第1操作レバー31L,第2操作レバー31R)と、操作レバー31L,31Rにより操作され且つ複数の油圧ホース(第1パイロットホース35L,第2パイロットホース35R)が接続された制御弁(第1パイロットバルブ32L,第2パイロットバルブ32R)と、を有し、制御弁32L,32Rは、操作レバー31L,31Rの操作によって作動する弁体36と、弁体36の作動によって選択的に油が流通する複数の油路38と、を内蔵したブロック37を有し、複数の油路38は、ブロック37の弁体36側の面である上面37aに設けられた第1ポート37fと上面37aの周縁から上面37aと交差する方向に延びる周面に設けられた第2ポート37gを連絡するように屈曲して形成され、複数の油圧ホース35L,35Rは、第2ポート37gに接続されて周面から離れる方向に延びるように配置されている。
【0100】
この構成によれば、制御弁32L,32Rに接続される油圧ホース(第1パイロットホース35L,第2パイロットホース35R)を急激に屈曲させずに配策することができる。詳しくは、複数の油圧ホース35L,35Rが制御弁32L,32Rのブロック37の周面に設けられた第2ポート37gに接続されて周面から離れる方向に延びるように配置されているため、従来のように油圧ホース35L,35Rを制御弁32L,32Rの下方で下方向きから別の方向(後方等)へと急激に屈曲させる必要がない。そのため、油圧ホースに掛かる負荷の低減と油圧ホースの組付け性の向上を図ることができる。
【0101】
また、周面は、機体後方側を向き且つ第2ポート37gが設けられた後面37dを含み、複数の油圧ホース35L,35Rは、第2ポート37gから機体後方側に延びるように配置されている。
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rを制御弁32L,32Rの下方で下方向きから後方向きへと急激に屈曲させる必要がない。そのため、油圧ホースに掛かる負荷の低減と油圧ホースの組付け性の向上を図ることができる。
【0102】
また、ブロック37は、操作レバー31L,31Rの弁体36との接続部における軸心(揺動中心軸31)Laの延長線上、且つ弁体36の下方に配置されている。
この構成によれば、ブロック37を操作レバー31L,31Rの近傍に配置することができるため、ブロック37を含む制御弁32L,32Rをコンパクトに構成することが可能となる。これにより、油圧ホース35L,35Rを湾曲させるためのスペースを広く確保することができ、油圧ホース35L,35Rを急激に湾曲させての配策を防ぐことができる。
【0103】
また、操作レバー31L,31Rは操作装置30の前部に配置されており、支軸33は操作装置30の後部に配置されており、油圧ホース35L,35Rは下向きに湾曲する湾曲部59を有し、湾曲部59は支軸33よりも上方に配置されている。
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rを下向きに湾曲させるためのスペースを広く確保することができるため、湾曲部59を緩やかな湾曲度とすることができる。
【0104】
また、湾曲部59は、ブロック37の後方であって且つ支軸33の前方に配置されている。
この構成によれば、ブロック37から湾曲部59までの油圧ホース35L,35Rの長さを短縮することができる。
また、作業機1は、原動機10と、原動機10の上方を覆うボンネット8と、を備え、運転席5及び操作装置30はボンネット8の上方に配置され、ボンネット8の上部には油圧ホース35L,35Rが通る開口部80が形成されており、開口部80はブロック37よりも後方であって支軸33よりも前方に設けられている。
【0105】
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rの湾曲部59の近くにボンネット8の開口部80が位置するため、油圧ホース35L,35Rを湾曲部59からボンネット8の開口部80まで概ね直線的に短い距離で導くことができる。
また、操作装置30は、支軸33によって回動可能に支持されるブラケット(第1ブラケット41L,第2ブラケット41R)を有し、ブラケット41L,41Rは、ブロック37を支持する前部位41aと、支軸33によって支持された後部位41bと、前部位41aと後部位41bとを接続する接続部位41cと、を有し、油圧ホース35L,35Rは、接続部位41cに沿って前部位41a側から後部位41b側に延びている。
【0106】
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rをブラケット41L,41Rに沿うように配置することができるため、油圧ホース35L,35Rを後方に向けて延ばす配策を容易に行うことが可能となる。
また、作業機1は、機体2に搭載された原動機10と、原動機10の上方を覆い、横軸62回りの第1方向の回動によって開放し且つ横軸62回りの第2方向の回動によって閉鎖するボンネット8と、ボンネット8の横軸62回りの回動を補助するばね力を付勢する補助機構110と、を備え、補助機構110は、ボンネット8を開放するときは第1方向の回動を補助するばね力を付勢し、ボンネット8を閉鎖するときは第2方向の回動を補助するばね力を付勢する。
【0107】
この構成によれば、補助機構110によって付与されるばね力によって、ボンネット8の開放時と閉鎖時の両方において必要な力を補助することができる。そのため、ボンネット8の開放と閉鎖の両方の操作を小さい力で容易に行うことが可能となる。
また、横軸62は、機体幅方向の一方側に配置された第1横軸62Lと、機体幅方向の他方側に配置された第2横軸62Rと、を含み、補助機構110は、第1横軸62Lの周囲に巻回されてばね力を付勢するねじりコイルばね111である第1ばね111Lと、第2横軸62Rの周囲に巻回されてばね力を付勢するねじりコイルばね111である第2ばね111Rと、を含む。
【0108】
この構成によれば、ねじりコイルばね111と横軸62とが機体幅方向の一方側と他方側とに分かれて配置されるため、機体幅方向の一方側と他方側でボンネット8の開閉動作をバランス良く補助することができる。また、ボンネット8内において補助機構110が占めるスペースを小さくすることが可能となるため、ボンネット8内のスペースを有効に活用することができる。
【0109】
また、補助機構110は、ボンネット8と共に回動する回動部の重心が機体2の後端2aよりも前方にあるときに第1方向の回動を補助し、回動部の重心が機体2の後端よりも後方にあるときに第2方向の回動を補助する。
この構成によれば、ボンネット8と共に回動する回動部の重心位置に応じて補助機構110が補助する力の方向が変化するため、ボンネット8の開閉動作を円滑に行うことが可能となる。
【0110】
また、補助機構110は、ボンネット8が閉鎖位置から開放位置まで回動するときの横軸62回りの回動角度が、閉鎖位置から第1角度までの範囲にあるときは第1方向の回動を補助し、第1角度以上である第2角度から開放位置までの範囲にあるときは第2方向の回動を補助する。
この構成によれば、ボンネット8を開く動作の初期(閉鎖位置から第1角度までの範囲)において補助機構110が第1方向の回動を補助するため、ボンネット8を開く動作を容易に行うことができる。また、ボンネット8を閉じる動作の初期(開放位置から第2角度までの範囲)において補助機構110が第2方向の回動を補助するため、ボンネット8を閉じる動作を容易に行うことができる。
【0111】
また、補助機構110は、回動角度が第1角度と第2角度との間の範囲にあるときはボンネット8の回動を補助しない。
この構成によれば、ボンネット8が開放位置と閉鎖位置との間の中間位置(第1角度と第2角度との間の範囲)にあるときにはボンネット8に対して回動を補助する力が作用しないため、ボンネット8の開閉動作の途中で動作に反する方向に力が作用することを抑制でき、ボンネット8の開閉動作を円滑に行うことが可能となる。
【0112】
また、補助機構110は、機体2に固定された第1部材112と、ボンネット8に固定されて第1部材112に対して横軸62回りに回動可能な第2部材113と、一端側が第1軸115により第1部材112に取り付けられ且つ他端側が第2軸116により第2部材113に取り付けられた連携部材114と、を有し、第1部材112は、ねじりコイルばね111の一端部が係止される第1係止部112gと、ボンネット8の回動に伴う第1軸115の移動を案内するガイド孔112eと、を有し、第2部材113は、ねじりコイルばね111の他端部が係止される第2係止部113aを有している。
【0113】
この構成によれば、ねじりコイルばね111のばね力を、第1部材112、第2部材113、連携部材114の連動によって、ボンネット8に対して円滑に且つ確実に伝達することができる。
また、第2係止部113aは、横軸62を中心として円弧状に延びる長孔から構成されており、ねじりコイルばね111の他端部は、ボンネット8が閉鎖しているときは長孔の一端側に当接し、ボンネット8が開放しているときは長孔の他端側に当接する。
【0114】
この構成によれば、ボンネット8が閉鎖しているときは、ねじりコイルばね111の他端部が第2係止部113aを構成する長孔の一端側に当接することで、第2部材113に対して第1方向の力を付勢することができる。また、ボンネット8が開放しているときは、ねじりコイルばね111の他端部が第2係止部113aを構成する長孔の他端側に当接することで、第2部材113に対して第2方向の力を付勢することができる。
【0115】
また、作業機1は、ボンネット8を閉鎖した状態で機体2に対して保持可能なロック機構120を備え、ロック機構120は、機体2に設けられた受け部材121と、ボンネット8に設けられて受け部材121に対して係止可能な係止部材122と、係止部材122を、受け部材121に係止される係止位置と、受け部材121との係止が解除される解除位置との間で移動させる操作機構123と、を有し、受け部材121は、機体幅方向の一方側に配置された一方部121Lと、機体幅方向の他方側に配置された他方部121Rと、一方部121Lの一端側と他方部121Rの一端側とを連結し且つ係止部材122が係止される連結部121Mと、を有し、一方部121Lの他端側及び他方部121Rの他端側は機体2に固定されている。
【0116】
この構成によれば、一方部121Lの他端側及び他方部121Rの他端側が機体2に固定されていることにより、受け部材121が両持ち状態(両端が固定された状態)となるため、受け部材121の強度を向上させることができる。これにより、ボンネット8の開閉時に加わる負荷によって受け部材121が変形することを防止できる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に搭載された作動油タンク9と、作動油タンク9に貯蔵された作動油により駆動する作業装置4と、作動油を流通させる油圧ホース35L,35Rと、を備え、作動油タンク9は、作動油タンク9内の油を視認可能とする覗き窓90と、覗き窓90が取り付けられ且つ作動油タンク9の壁面から突出して油圧ホース35L,35Rを案内する外面91aを有する筒状部91と、を有している。
【0117】
この構成によれば、作動油タンク9の内部を視認可能とする覗き窓90が取り付けられた筒状部91によって油圧ホース35L,35Rを案内することができるため、油圧ホース35L,35Rを所要方向に適切に案内しつつ、作動油タンク9に貯蔵された油(油面)を油圧ホース35L,35Rによって妨げられることなく外部から良好に視認することができる。また、筒状部91の外面91aが油圧ホース35L,35Rを案内するためのホースガイド役割を果たすため、ホースガイドの数を減らして部品点数の削減を実現することができる。
【0118】
また、筒状部91の作動油タンク9からの突出長さは、油圧ホース35L,35Rの外径以上に設定されている。
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rを筒状部91に対して確実に接触させて円滑に案内することができる。
また、作業機1は、機体2に搭載された運転席5と、作業装置4を操作する操作装置30と、を備え、操作装置30は、運転席5の一側方に設けられた第1操作装置30Lと、運転席5の他側方に設けられた第2操作装置30Rと、を含み、油圧ホース35L,35Rは、第1操作装置30Lと接続された第1油圧ホース35Lと、第2操作装置30Rと接続された第2油圧ホース35Rと、を含み、第1油圧ホース35Lと第2油圧ホース35Rは、覗き窓90を挟んで互いに反対側の筒状部91の外面に沿って案内されている。
【0119】
この構成によれば、第1油圧ホース35Lと第2油圧ホース35Rとを筒状部91を挟んだ位置に離間させて案内することができるため、第1油圧ホース35Lと第2油圧ホース35Rとが干渉したり絡まったりすることを防止できる。
また、筒状部91は円筒形である。
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rを筒状部91の外面(外周面)91aの湾曲に沿わせて延ばすことができるため、油圧ホース35L,35Rを傷付けることなく円滑に案内することができる。
【0120】
また、筒状部91は、略水平方向に延びる軸心を有する円筒形であって、油圧ホース35L,35Rは、筒状部91の外面に沿って上下方向に延びている。
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rを筒状部91の外面に沿わせて上下方向に円滑に案内することができる。
また、作動油タンク9には、油圧ホース35L,35Rを筒状部91に向けて案内する第1ガイド部材101が取り付けられている。
【0121】
この構成によれば、第1ガイド部材101によって油圧ホース35L,35Rを筒状部91に向けて円滑に案内することができる。また、作動油タンク9に第1ガイド部材101を取り付けることによって、第1ガイド部材101を取り付けるための別部材(ブラケット等)を用意する必要がなく、部品点数を削減することができる。
また、第1ガイド部材101は、作動油タンク9の角縁に沿って取り付けられた丸棒から構成されている。
【0122】
この構成によれば、油圧ホース35L,35Rが作動油タンク9の角縁に接触して傷付くことを防止しつつ、第1ガイド部材101によって油圧ホース35L,35Rを筒状部91に向けて円滑に案内することができる。
また、機体2は、上下方向の軸回りに旋回可能な旋回基板6を有し、旋回基板6には、筒状部91に沿って延びる油圧ホース35L,35Rを案内する第2ガイド部材102が取り付けられている。
【0123】
この構成によれば、第2ガイド部材102によって筒状部91に沿って延びる油圧ホース35L,35Rを円滑に案内することができる。また、第2ガイド部材102を剛性が高い旋回基板6に取り付けることにより、第2ガイド部材102の剛性を高めて変形を防止することができる。
また、作業機1は、作業装置4への作動油の供給を制御するバルブユニット21と、作業装置4を操作する操作装置30と、を備え、操作装置30は、バルブユニット21を作動させるパイロット油の供給を制御するパイロットバルブ(第1パイロットバルブ32L,第2パイロットバルブ32R)を有し、油圧ホース35L,35Rは、操作装置30とバルブユニット21とを接続してパイロット油を流通させるパイロットホースである。
【0124】
この構成によれば、作動油タンク9に貯蔵された油をパイロットホース35L,35Rによって妨げられることなく外部から良好に視認することができる。
また、覗き窓90は、筒状部91の内部空間を介して作動油タンク9内の作動油を視認可能である。
この構成によれば、筒状部91の外面91aに油圧ホース35L,35Rを案内させた状態において、覗き窓90からの作動油の視認を油圧ホース35L,35Rによって妨げられることなく行うことができる。
【0125】
また、作業機1は、機体2と、機体2上に搭載された運転席5と、機体2上において運転席5の側方に設けられた操作装置30と、操作装置30によって操作される作業装置4と、運転席5に着座した作業者が装着するシートベルト154と、シートベルト154を収容する収容部152と、収容部152から引き出されたシートベルト154の先端部154aが係合される係合部153とを有するシートベルト装置150と、操作装置30を機体2上に支持する操作ブラケット140と、シートベルト装置150を機体2上に支持するシートベルト支持体151と、を備え、操作ブラケット140とシートベルト支持体151とが一体化されている。
【0126】
この構成によれば、操作装置30を機体2上に支持する操作ブラケット140とシートベルト装置150を機体2上に支持するシートベルト支持体151とが一体化されていることによって、操作ブラケット140の剛性が向上して操作装置30の操作時のがたつきを防止することができる。
また、作業機1は、運転席5を機体2上に支持するシートブラケット130を備え、シートブラケット130と操作ブラケット140とシートベルト支持体151とが一体化されている。
【0127】
この構成によれば、また、シートベルト支持体151と操作ブラケット140とシートブラケット130とが一体化されることによって、操作ブラケット140の剛性をさらに向上させることができるとともに、それぞれを別体とした場合に比べて部品点数を削減することができる。
また、操作装置30は、運転席5の一側方に設けられた第1操作装置30Lと、運転席5の他側方に設けられた第2操作装置30Rと、を含み、操作ブラケット140は、第1操作装置30Lを支持する第1操作ブラケット140Lと、第2操作装置30Rを支持する第2操作ブラケット140Rと、を含み、シートブラケット130は、ボンネット8上に載置された下板130aと、下板130aの上面に固定されて運転席5を前後方向にスライド可能とするスライドレール132L,132Rと、を有し、シートベルト支持体151は、下板130aの一方の側縁から起立して第1操作ブラケット140Lと接続される第1側板151Laと、下板130aの他方の側縁から起立して第2操作ブラケット140Rと接続される第2側板151Raと、を有している
この構成によれば、シートベルト支持体151の第1側板151Laと第2側板151Raをシートブラケット130の下板130aから起立したものとすることによって、シートベルト支持体151とシートブラケット130の一体化物をコンパクトに構成することができる。また、第1操作ブラケット140Lを第1側板151Laと接続し、第2操作ブラケット140Rを第2側板151Raと接続することによって、第1操作ブラケット140L及び第2操作ブラケット140Rとシートベルト支持体151及びシートブラケット130の一体化物をコンパクトに構成することができる。
【0128】
また、シートベルト支持体151は、収容部152が装着され且つ第1側板151Laを有する第1支持体151Lと、係合部153が装着され且つ第2側板151Raを有する第2支持体151Rと、を含む。
この構成によれば、収容部152が装着された第1支持体151Lと収容部152が装着された第2支持体151Rとがシートベルト支持体151と一体化されるため、第1支持体151L、第2支持体151R、シートベルト支持体151の剛性を向上させることができる。
【0129】
また、作業機1は、下板130aの上面に固定され且つ第1側板151Laと第2側板151Raとを接続する補強材130bを有している。
この構成によれば、シートブラケット130の下板130aと、シートベルト支持体151の第1側板151La及び第2側板151Raが、補強材130bを介して一体化されるため、シートブラケット130とシートベルト支持体151の剛性を向上させることができる。
【0130】
また、第1操作ブラケット140Lは、第1側板151Laと対向する第1縦板140Laと、第1縦板140Laの下部と第1側板151Laとを接続する第1横板140Lbと、第1側板151Laと第1縦板140Laと第1横板140Lbとを接続する第1接続板140Lcと、を有し、第2操作ブラケット140Rは、第2側板151Raと対向する第2縦板140Raと、第2縦板140Raの下部と第2側板151Raとを接続する第2横板140Rbと、第2側板151Raと第2縦板140Raと第2横板140Rbとを接続する第2接続板140Rcと、を有している。
【0131】
この構成によれば、第1接続板140Lcと第2接続板140Rcとによって、操作ブラケット140(第1操作ブラケット140L、第2操作ブラケット140R)の剛性を向上させることができる。
また、作業機1は、第1側板151Laと下板130aとを接続する第1補強板135Lと、第2側板151Raと下板130aとを接続する第2補強板135Rと、を有し、第1補強板135Lは、前後方向において、スライドレール132L,132R及び第1接続板140Lcと重なる位置に配置され、第2補強板135Rは、前後方向において、スライドレール132L,132R及び第2接続板140Rcと重なる位置に配置されている。
【0132】
この構成によれば、スライドレール132L、第1接続板140Lc、スライドレール132R、第2接続板140Rcによる補強効果と、第1補強板135L及び第2補強板135Rによる補強効果とが相まって、シートブラケット130、シートベルト支持体151、操作ブラケット140の剛性を向上させる効果を高めることが可能となる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0133】
1 作業機
2 機体
2a 機体の後端
8 ボンネット
10 原動機
62 横軸
62L 第1横軸
62R 第2横軸
110 補助機構
111 ねじりコイルばね
111L 第1ばね
111R 第2ばね
112 第1部材
112e ガイド孔
112g 第1係止部
113 第2部材
113a 第2係止部
114 連携部材
115 第1軸
116 第2軸
120 ロック機構
121 受け部材
121L 一方部
121R 他方部
121M 連結部
122 係止部材
123 操作機構