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特許7399862ディスプレイ用ローリングバーストイルミネーション
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ディスプレイ用ローリングバーストイルミネーション
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/20 20060101AFI20231211BHJP
   G09G 3/36 20060101ALI20231211BHJP
   G09G 3/3225 20160101ALI20231211BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20231211BHJP
   G09G 3/22 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G09G3/20 621A
G09G3/36
G09G3/3225
G09G3/20 641R
G09G3/34 J
G09G3/22 F
G09G3/20 680A
G09G3/20 622M
G09G3/20 623W
G09G3/20 641A
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020539265
(86)(22)【出願日】2019-01-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-06
(86)【国際出願番号】 US2019014795
(87)【国際公開番号】W WO2019147703
(87)【国際公開日】2019-08-01
【審査請求日】2022-01-20
(31)【優先権主張番号】15/878,163
(32)【優先日】2018-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517160525
【氏名又は名称】バルブ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セラン、ジェレミー・アダム
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-249196(JP,A)
【文献】国際公開第2011/121654(WO,A1)
【文献】特開2007-241009(JP,A)
【文献】特開2010-054662(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0228182(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
H10K 50/10
H10K 59/10
G02F 1/133
H01L 33/00
H01L 33/62
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイであって、
前記ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置された発光素子のアレイであって、前記発光素子の前記行は、奇数行の第1のセットと偶数行の第2のセットをそれぞれが含む行のセットを含む、前記発光素子のアレイと、
導電経路を介して前記発光素子のアレイに結合されたディスプレイドライバ回路と、
1以上のコントローラとを備え、
前記ディスプレイドライバ回路は、
前記導電経路を介して前記発光素子の前記奇数行に結合された第1のディスプレイドライバ回路と、
前記導電経路を介して前記発光素子の前記偶数行に結合された第2のディスプレイドライバ回路とを含み、
前記1以上のコントローラは、
前記ディスプレイに画像を表示する一連のフレームのフレームについて、前記行のセットのそれぞれに対してロードと点灯の動作を以下により実行させ、
前記第1のディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記奇数行に第1の速度で第1の光出力データを連続的にロードさせ、
前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記偶数行に前記第1の速度で第2の光出力データを連続的にロードさせ、
前記第1のディスプレイドライバ回路に、前記第1の速度よりも速い第2の速度で前記第1の光出力データに従って、前記発光素子の前記奇数行を連続的に点灯させ、
前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記第2の速度で前記第2の光出力データに従って、前記発光素子の前記偶数行を連続的に点灯させ、
前記行のセットのそれぞれのロードと点灯の動作は、時間的にオーバーラップし、
前記発光素子の各行は、フレーム毎に、複数回ではなく1回点灯する、ディスプレイ。
【請求項2】
前記1以上のコントローラは、前記第1のディスプレイドライバ回路に前記発光素子の最初の行を点灯させる前に、前記第1の光出力データを前記発光素子の前記最初の行にロードしてから所定時間待つようにさらに構成される、
請求項1のディスプレイ。
【請求項3】
前記1以上のコントローラは、
前記第1のディスプレイドライバ回路及び前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の最初の行に前記第1の光出力データをロードする時点から前記発光素子の最後の行に前記第1の光出力データ又は前記第2の光出力データの少なくとも1つをロードする時点までであるローディング時間の間で、前記発光素子をロードさせ、
前記第1のディスプレイドライバ回路及び前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記最初の行を点灯する時点から前記発光素子の前記最後の行を点灯する時点までであるイルミネーション時間の間で、前記発光素子を点灯させるように、さらに構成され、
前記イルミネーション時間は、前記ローディング時間よりも短い、
請求項1のディスプレイ。
【請求項4】
前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)であり、前記発光素子の前記アレイは、前記LCDのバックライトに相当し、前記発光素子は、発光ダイオード(LED)である、
請求項1のディスプレイ。
【請求項5】
前記ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイであり、前記発光素子の前記アレイの個々の前記発光素子は、前記OLEDディスプレイの個々のピクセルに含まれる発光ダイオード(LED)である、
請求項1のディスプレイ。
【請求項6】
前記ディスプレイは、仮想現実(VR)ヘッドセット又は拡張現実(AR)ヘッドセットに埋め込まれる、
請求項1のディスプレイ。
【請求項7】
ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置された発光素子のアレイを有するディスプレイにおいて、前記発光素子の前記行は、奇数行の第1のセットと偶数行の第2のセットをそれぞれが含む行のセットを含み、前記ディスプレイにより実施される方法であって、
前記ディスプレイに画像を表示する一連のフレームのフレームについて、前記行のセットのそれぞれに対してロードと点灯の動作を以下により実行し、
前記発光素子の前記奇数行に第1の速度で第1の光出力データを連続的にロードし、
前記発光素子の前記偶数行に前記第1の速度で第2の光出力データを連続的にロードし、
前記第1の速度よりも速い第2の速度で前記第1の光出力データに従って、前記発光素子の前記奇数行を連続的に点灯し、
前記第2の速度で前記第2の光出力データに従って、前記発光素子の前記偶数行を連続的に点灯することを含み、
前記行のセットのそれぞれのロードと点灯の動作は、時間的にオーバーラップし、
前記発光素子の各行は、フレーム毎に、複数回ではなく1回点灯する、方法。
【請求項8】
前記発光素子の最初の行を点灯する前に、前記第1の光出力データを前記発光素子の前記最初の行にロードしてから所定時間待つことをさらに含む、
請求項7の方法。
【請求項9】
前記奇数行の前記ロード及び前記偶数行の前記ロードは、前記発光素子の最初の行に前記第1の光出力データをロードする時点から前記発光素子の最後の行に前記第1の光出力データ又は前記第2の光出力データの少なくとも1つをロードする時点までであるローディング時間の間で実行され、
前記奇数行の前記点灯及び前記偶数行の前記点灯は、前記発光素子の前記最初の行を点灯する時点から前記発光素子の前記最後の行を点灯する時点までであるイルミネーション時間の間で実行され、
前記イルミネーション時間は、前記ローディング時間よりも短い、
請求項7の方法。
【請求項10】
前記奇数行の前記点灯及び前記偶数行の前記点灯は、前記発光素子の最初の行を点灯する時点から前記発光素子の最後の行を点灯する時点までであるイルミネーション時間の間で実行され、
前記フレームの前記イルミネーション時間は、前記フレームを処理するための合計時間であるフレーム時間の1/3以下である、請求項7の方法。
【請求項11】
前記奇数行の前記点灯及び前記偶数行の前記点灯は、前記発光素子の最初の行を点灯する時点から前記発光素子の最後の行を点灯する時点までであるイルミネーション時間の間で実行され、
前記ディスプレイのリフレッシュレートは、少なくとも75ヘルツ(Hz)であり、
前記フレームの前記イルミネーション時間は、3ミリ秒(ms)以下である、
請求項7の方法。
【請求項12】
ディスプレイであって、
前記ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置された光源のアレイであって、前記光源の前記行は、奇数行の第1のセットと偶数行の第2のセットをそれぞれが含む行のセットを含む、前記光源のアレイと、
導電経路を介して前記光源のアレイに結合されたディスプレイドライバ回路と、
1以上のコントローラとを備え、
前記ディスプレイドライバ回路は、
前記導電経路を介して前記光源の前記奇数行に結合された第1のディスプレイドライバ回路と、
前記導電経路を介して前記光源の前記偶数行に結合された第2のディスプレイドライバ回路とを含み、
前記1以上のコントローラは、
前記ディスプレイに画像を表示する一連のフレームのフレームについて、前記行のセットのそれぞれに対してロードと点灯の動作を以下により実行させ、
前記第1のディスプレイドライバ回路に、前記光源の前記奇数行に第1の速度で第1の光出力データを連続的にロードさせ、
前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記光源の前記偶数行に前記第1の速度で第2の光出力データを連続的にロードさせ、
前記第1のディスプレイドライバ回路に、前記第1の速度よりも速い第2の速度で前記第1の光出力データに従って、前記光源の前記奇数行を連続的に点灯させ、
前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記第2の速度で前記第2の光出力データに従って、前記光源の前記偶数行を連続的に点灯させ、
前記行のセットのそれぞれのロードと点灯の動作は、時間的にオーバーラップし、
前記光源の各行は、フレーム毎に、複数回ではなく1回点灯する、ディスプレイ。
【請求項13】
前記一連のフレームは、前記ディスプレイのリフレッシュレートで、前記ディスプレイに前記画像を表示し、
前記第1のディスプレイドライバ回路及び前記第2のディスプレイドライバ回路は、前記光源の最初の行を点灯する時点から前記光源の最後の行を点灯する時点までであるイルミネーション時間の間で前記光源を点灯し、
前記フレームの前記イルミネーション時間は、前記フレームを処理するための合計時間であるフレーム時間の2%から80%の範囲内であり、前記フレーム時間は、前記リフレッシュレートから導出可能である、
請求項12のディスプレイ。
【請求項14】
前記導電経路は、前記基板に水平線と垂直線に配置され、
前記ディスプレイドライバ回路は、個々の光源に関する前記第1の光出力データ又は前記第2の光出力データをロードするために、前記個々の光源で交差する一対の水平線と垂直線を介して前記光源の前記個々の光源をアドレスするように構成される、
請求項12のディスプレイ。
【請求項15】
前記第1のディスプレイドライバ回路及び前記第2のディスプレイドライバ回路は、前記基板の反対側から前記光源のアレイをロードし、点灯するように構成される、
請求項12のディスプレイ。
【請求項16】
前記第1のディスプレイドライバ回路に、前記光源の前記奇数行を連続的に点灯させることは、一度に複数の奇数行を順次に点灯させることを含み、
前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記光源の前記偶数行を連続的に点灯させることは、一度に複数の偶数行を順次に点灯させることを含む、
請求項12のディスプレイ。
【請求項17】
前記第1のディスプレイドライバ回路及び前記第2のディスプレイドライバ回路は、前記基板の反対側から前記発光素子のアレイをロードし、点灯するように構成される、
請求項1のディスプレイ。
【請求項18】
前記第1のディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記奇数行を連続的に点灯させることは、一度に複数の奇数行を順次に点灯させることを含み、
前記第2のディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記偶数行を連続的に点灯させることは、一度に複数の偶数行を順次に点灯させることを含む、
請求項1のディスプレイ。
【請求項19】
第1のディスプレイドライバ回路は、前記基板の第1の側から前記発光素子の前記奇数行の前記ロード及び前記点灯を実行し、
第2のディスプレイドライバ回路は、前記第1の側の反対側の前記基板の第2の側から前記発光素子の前記偶数行の前記ロード及び前記点灯を実行する、
請求項7の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、「ディスプレイ用ローリングバーストイルミネーション」と題され、参照によりその全体がここに組み込まれ、2018年1月23日に出願された米国特許出願第15/878,163号に対する優先権を主張するPCTである。
【背景技術】
【0002】
ディスプレイは、ユーザに情報を表示するために様々な電子デバイスで使用される。エミッシブディスプレイは、ディスプレイに画像が表示されたときに発光する発光素子が含まれる。今日のディスプレイでは、このような発光素子は、液晶ディスプレイ(LCD)のバックライトで使用されるもの、又は、有機LED(OLED)ディスプレイで使用されるものなど、多くは発光ダイオード(LED)の形態をしている。
【0003】
従来のLCDディスプレイでは、バックライトは、通常、100%のデューティサイクルで駆動され、これは、ディスプレイでの画像表示中に、LCDバックライトのLEDが常にオンであることを意味する。供給された電流に応じて応答する(例えば、ツイストする又はツイストを戻す)液晶の層に電流を供給することにより、LCDでフレーム毎に画像が変化する。100%デューティサイクルLCDは、一部のディスプレイ用途に適しているが、バーチャルリアリティ(VR)ディスプレイ用途など、細かい動作演出が要求されるものには適さない。これは、100%デューティサイクルLCDがVRヘッドセットに埋め込まれている場合、広い視野(FOV)により、VRヘッドセットのユーザがVRシーンを見回すために頭を前後に動かすたびに、ユーザにシーンがぼやけて(例えば、むらがある又はにじみ)現れるためである。
【0004】
従来のOLEDディスプレイでは、光は全てのピクセル(即ち、全てのOLED)から同時に放射されるわけではない。むしろ、従来のOLEDディスプレイで使用される典型的な駆動方式は、あるフレーム中で、最上列から最下列までピクセルの各列を連続的に点灯させるものである。このプロセスをスローモーションでユーザに見せることができれば、見たユーザは、上から下にディスプレイを横切る水平の光の帯を見られるだろう。この「ローリングバンド」技術では、ピクセルの列(即ち、OLED)に光出力データが連続的にロードされ、続いてすぐに、ピクセルの列の順次イルミネーションがされる。各列で、ローディングプロセスが完了するとすぐに、イルミネーションプロセスが開始され、これは、OLEDに光出力データが連続的にロードされるのと同じ速度でOLEDが連続的に点灯されることを意味する。このタイプの駆動方式には、VRなどの細かい動作演出用途においても欠点がある。これは、従来のOLEDディスプレイがVRヘッドセットに埋め込まれている場合、広いFOVにより、頭の動き中に、VRヘッドセットのユーザにシーンが歪んで見えるからである(例えば、VRシーンがゼリーで作られているかのように動くように見えることがあり、このシーンでは、ユーザの頭が前後に動くと、シーンが押しつぶされたりねじれたりする)。これらの不要な視覚的アーチファクトも頭の動き中に現れるため、100%デューティサイクルLCDのような従来のOLEDディスプレイは、VR用途での使用には望ましくない。
【0005】
個別にアドレス可能なLEDを備えたディスプレイのさらに別の既知の駆動方式は、あるフレームに対して、LEDの各列が光出力データを順次にロードする「ローリングバンド(rolling band)」タイプのローディングプロセスの後に、ディスプレイの全てのLEDが同期して同時に点灯される「グローバルフラッシング(global flashing)」方式である。この「グローバルフラッシング」技術は、VR用途における前述の視覚的アーチファクトの多くを軽減するが、ディスプレイを駆動するためにグローバルフラッシング方式を実装するのはコストがかかり過ぎる。これは、各フレームに対して、全てのLEDを同時に点灯させるために、多数の高価なハードウェアコンポーネントが必要になるからである。グローバルフラッシングは、この駆動方式で使用される高周波電力の切り替えにより、ディスプレイハードウェア(例えば、LED、及び、それに電力と電流を供給するために使用されるコンポーネント)の寿命を短くする可能性もある。
【0006】
これら及び他のシステムを改善及び強化するための技術的解決策がここに提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
詳細な説明は、添付の図面を参照して説明される。図では、参照番号の一番左の数字は、参照番号が最初に現れる図を特定する。異なる図での同じ参照番号の使用は、類似又は同一のコンポーネント又は機能を示す。
図1図1は、ここに開示される実施形態による、ローリングバーストイルミネーション駆動技術を示すために、グラフ図の隣に発光素子のアレイを有する例示的なディスプレイ又はその一部を示す図である。
図2図2は、ディスプレイの基準面を示す。
図3図3は、ここに開示される実施形態による、実施することができる異なるイルミネーション速度の連続を示すグラフ図である。
図4図4は、1フレーム中に発光素子のサブセットに対して異なる動作が実行される例示的な時間を示す図である。
図5図5は、ここに開示される実施形態による、ローリングバーストイルミネーション駆動技術を使用してディスプレイを駆動するための例示的なプロセスの流れ図である。
図6図6は、ここに開示される実施形態による、ローリングバーストイルミネーション駆動技術の一部としてクロスフェード技術を実装するように構成された例示的なディスプレイを示す図である。
図7図7は、ここに開示される実施形態によるディスプレイを埋め込むことができる、VRヘッドセットなどのウェアラブルデバイスの例示的なコンポーネントを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ここでは、特に、ローリングバーストイルミネーション技術を使用してディスプレイを駆動するための技術、並びに、ローリングバーストイルミネーション技術を実装するためのデバイス及びシステム(例えば、ディスプレイ)について説明する。ここに開示される実施形態によるディスプレイは、発光素子(又は、光源)のアレイを含むことができる。限定ではなく例として、そのような発光素子のアレイは、LCDに所望の画像を表示するためにツイストする又はツイストを戻す液晶からなるピクセルを有するディスプレイパネルの後で光を放射するLCDのバックライトの発光ダイオード(LED)を備えてもよい。限定ではなく別の例として、そのような発光素子のアレイは、OLEDディスプレイの有機LED(OLED)のアレイに相当してもよく、OLEDは、ピクセルレベルで配置され、OLEDディスプレイに所望の画像を表示中に発光するように構成される。限定ではなくさらに別の例として、そのような発光素子のアレイは、ILEDディスプレイの無機LED(ILED)のアレイに相当してもよい。
【0009】
ディスプレイの発光素子を駆動するために、ディスプレイは、導電経路を介して発光素子のアレイに結合されたディスプレイドライバ回路を含めてもよい。ディスプレイドライバ回路は、特定の時間及び特定のレベルの光出力で発光素子を点灯するためのディスプレイドライバ回路を制御するために、1以上のコントローラから制御信号及び光出力データを受信してもよい。
【0010】
本開示は、ディスプレイの発光素子が、あるフレーム(又は、スクリーンリフレッシュ)中に一回点灯されるイルミネーション時間が、ローディング時間又はフレーム時間のいずれか又は両方と比較して、比較的短いディスプレイ駆動技術に関する。言い換えると、発光素子に光出力データが連続的にロードされる時間(ここでは、「ローディング時間」と呼ばれる)、及び、フレームを処理及び表示するための時間(ここでは、「フレーム時間」と呼ばれ、フレーム時間は、リフレッシュレートから導出可能)は、あるフレームの処理中に、発光素子が連続的に点灯される時間(ここでは「イルミネーション時間」と呼ばれる)と比較して、どちらも比較的長い時間である。従って、「ローリングバーストイルミネーション」という用語は、各フレームの処理中にディスプレイ全体に伝播する(又は、「ロールする」)点灯の「バースト」を意味するものである。このようにして、ディスプレイで画像が更新される速度(例えば、リフレッシュレート)は、発光素子が連続的に点灯される速度から切り離され、前述の点灯の「バースト」を可能にする。
【0011】
ここで説明される実施形態による例示的なディスプレイは、以下のように動作してもよい。ディスプレイのリフレッシュレートでディスプレイに画像を表示する一連のフレームの、あるフレームでは、ディスプレイの1以上のコントローラは、ディスプレイの発光素子の個々のサブセットに光出力データを順次に(又は、連続的に)ロードするように、ディスプレイドライバ回路にさせてもよい。ローディングプロセスを開始した後、コントローラは、ディスプレイドライバ回路に、発光素子の個々のサブセットを順次に(又は、連続的に)かつ光出力データに従って点灯させてもよく、発光素子の順次点灯は、(例えば、フレーム時間及びローディング時間と比較して)比較的短い時間に渡り(開始から終了まで)生じる。即ち、あるフレームについて、発光素子の最初のサブセットの点灯を開始する時点から発光素子の最後のサブセットの点灯を開始する時点まで測定されたイルミネーション時間は、そのフレームのフレーム時間の約2%から80%の範囲内でもよく、フレーム時間は、リフレッシュレートから導出可能である。さらに、発光素子の最初のサブセットに光出力データをロードし始める時点から発光素子の最後のサブセットに光出力データをロードし始める時点まで測定されたローディング時間は、フレーム時間の多くの部分であることから、イルミネーション時間は、ローディング時間よりも短い。さらに、発光素子の個々のサブセットのそれぞれは、フレーム毎に、複数回ではなく、一回点灯される。
【0012】
ここで説明するように、発光素子を駆動するための「ローリングバーストイルミネーション」技術を実装するディスプレイは、細かい動作演出が要求され、及び/又は、ユーザのFOVが比較的大きく、及び/又は、頭の動きが一般的である、任意のディスプレイ用途における不要な視覚的アーチファクトを軽減することができる。したがって、ここで説明される技術及びシステムは、VR用途及び/又は拡張現実(AR)用途で利用され、頭の動き中に不要な視覚的アーチファクト(例えば、ぼやけた及び/又は歪んだシーン)の無い十分に安定した画像を表示するディスプレイを提供することができる。対照的に、ここで定義される「バースト」のイルミネーションを供給しない従来のローリングイルミネーション技術(例えば、従来のOLEDディスプレイで使用される上述の駆動方式)では、人のユーザが頭の動きを示す時に、ユーザの前庭眼球反射(VOR)が原因で、頭の動き中に不要な視覚的アーチファクトが現れることがある。同様に、100%デューティサイクルのLEDは、頭の動き中に、見ているユーザに現れるように不要な視覚的アーチファクトを引き起こす可能性がある。ここで説明される「ローリングバーストイルミネーション」技術は、これらの不要な視覚的アーチファクトを軽減し、頭の動き中に十分に安定した画像を表示し、VR及び/又はAR用途で望ましい。実際、ここで説明する技術及びシステムは、細かい動作演出(例えば、物体がディスプレイスクリーンを素早く横切ることがある、テレビのスポーツモード。)を利用する「テレビサイズ」のディスプレイ(例えば「リビングルーム」ディスプレイ)にも用途を見出してもよい。
【0013】
ディスプレイ全体に渡り発光素子の点灯を「ローリング」することにより(全ての発光素子を同時に全体的にフラッシュする代わりに)、あるフレーム中に発光素子の複数のサブセットを点灯させるために、ディスプレイドライビング回路を再利用することができ、これは、ハードウェア要件及び/又はディスプレイの製造コストに関して「手頃な」ディスプレイを提供する。これは、駆動方式として「グローバルフラッシング」が利用されるディスプレイよりも耐用寿命がはるかに長いディスプレイを提供する。ここで説明する技術及びシステムにより提供される他の利点は、追加のディスプレイセトリング時間、及び、大きい垂直帰線区間の必要性の除去(即ち、ディスプレイ帯域幅の利用の最適化)を含む。さらに、開示されたディスプレイの発光素子は、個別にアドレスできるため、ローカルディミングなどの技術を、現実世界に近いコントラスト比(例えば、1,000,000:1以上のコントラスト比)に近づけるコントラスト比を再現できる高輝度ディスプレイを作り出すために利用することができ、これは、VR及び/又はAR用途でも望ましい。したがって、開示されたディスプレイ及び駆動方式は、VR及び/又はAR用途(例えば、VRゲーム)で使用して、開示されたディスプレイを含むVRヘッドセットでゲームをプレイすることができる見ているユーザに、より現実的な体験を提供することができる。
【0014】
図1は、例示的なディスプレイ100又はその一部を示す図であり、 図1の左側において、ディスプレイ100は、発光素子102のアレイを有する。また、図1の図は、図1の右側に例示的なグラフ図を示し、グラフ図は、ここに開示される実施形態によるローリングバーストイルミネーション駆動技術を示す。
【0015】
ディスプレイ100は、ディスプレイ100の画像フレーム(ここでは「フレーム」と呼ぶ)の表示中に発光するために発光素子102(又は、光源)を利用する任意の適したタイプの発光ディスプレイに相当してもよい。一例として、ディスプレイ100は、LCDを備えてもよく、発光素子102(例えば、LED)は、ディスプレイ100のバックライトの一部として動作する。別の例として、ディスプレイ100は、各ピクセルで光を放射するように、ピクセルレベルで発光素子102を使用するOLEDディスプレイ(又は、ILEDディスプレイ)を備えてもよい。したがって、いくつかの実施形態では、ピクセル毎に1つの発光素子102があってもよい。他の実施形態では、ディスプレイ100は、ピクセルに複数の発光素子102を使用して個々のピクセルを点灯するために、各ピクセルに複数の発光素子102を使用してもよい。LCDなどのさらに他の実施形態では、発光素子102は、ディスプレイ100の複数のピクセルのグループのために光を放射してもよい。したがって、ディスプレイ100のピクセルに対する発光素子102の関連性は、1対1、1対多、及び/又は、多対1にすることができる。
【0016】
発光素子102は、ディスプレイ100の基板104に配置(例えば、取り付け)されてもよく、基板104は、材料の1以上の層(例えば、平面層、長方形層)から形成される。基板104は、プリント基板(PCB)、又は、1以上の有機材料の層などを含めてもよい。例えば、基板104は、複数の発光素子102がディスプレイ100のバックライト(例えば、LCDの例におけるもの)として取り付けられるバックライト基板に相当してもよい。また、基板104は、OLEDディスプレイの変調層の一部である、シリコン、又は、ガラスなどの有機材料の基板104など、ピクセルのアレイが配置されるディスプレイ100の変調層に相当させることができる。
【0017】
基板104は、ディスプレイ100の前面に平行にしてもよい。図2を参照すると、ディスプレイ100の相対的な基準面が示されている。図2に示すように、ディスプレイ100の前面は、ユーザが画像表示中にディスプレイ100の正面を通常見るときのように、ディスプレイ100の正面及び背面に平行である。前面は、ディスプレイ100を前半分と後半分に、二等分することができる。一方、正中矢状面は、ディスプレイ100を垂直方向に二等分して左半分と右半分を生成し、横断面は、ディスプレイ100を水平方向に二等分して上半分と下半分を生成する。図1は、ディスプレイ100の前面に平行な基板104を示しているが、基板104は、代わりに、ディスプレイ100の正中矢状面及び/又は横断面に平行になるように向けることもできる。これは、基板104がディスプレイ100の左、右、上、及び/又は、下側に沿って縦方向に延び、発光素子102が基板104の上から下、及び/又は、左から右に配置される「エッジリット」タイプのバックライトに利用されてもよい。この実装では、ディスプレイ100は、ディスプレイ100の可視領域全体に比較的均一に広がるように、1以上の発光素子102からの光を分散させるための、1以上のディフューザ、光ガイド、及び/又は、導波路を、さらに含めてもよい。
【0018】
図1では、発光素子102は、行及び列に配置された「M×N」の発光素子102の二次元(2D)アレイで、基板104に配置されているものとして示される。これは、発光素子102の配置の一例に過ぎず、また、行及び列での発光素子102の配置の一例に過ぎない。例えば、行と列にまだみなすことができる発光素子のハニカムのようなパターンを生成するように、各行をずらしてもよい。ここで、その他の配置が意図される。発光素子102の一次元(1D)アレイも利用できるので、発光素子102の2Dアレイに限定されないことも理解されたい。例えば、図1に示される発光素子102の各水平行は、発光素子102のアレイが発光素子102の垂直ラインを備えるように、ただ1つの発光素子102を含めることができる。この実装では、ディスプレイ100は、光を実質的にディスプレイ100の幅に広げるように、光を水平に分散させるための、1以上のディフューザ、光ガイド、及び/又は、導波路をさらに含めてもよい。発光素子102の1Dアレイは、ディスプレイ100の前面に平行な基板104に(例えば、バックライトの場合のように)、又は、ディスプレイの正中矢状面に平行な基板104に(例えば、エッジリットの場合のように)取り付けられてもよい。一態様では、行毎にただ1つの発光素子102は、光分散構成要素が省略されるように、ディスプレイ100の幅に実質的に広げてもよい。2Dアレイは、高いダイナミックレンジの点灯を可能にし、これは、一部のディスプレイ用途で有益な場合がある。
【0019】
発光素子102は、発光素子102の任意のサブセットが独立して点灯できるように、個別にアドレス可能でもよい。または、発光素子102は、水平方向にアドレス可能、垂直方向にアドレス可能、又は、その両方などのように、グループでアドレス可能にしてもよい。ここで使用される場合、「サブセット」は、個々の発光素子102、又は、複数の発光素子102(例えば、発光素子102のグループ)を備えてもよい。いくつかの実施形態では、発光素子102のサブセットは、発光素子102の行、又は、発光素子102の列などを含む。したがって、ここで説明される技術及びシステムの一態様では、発光素子102の各行を順次にロードして点灯し、発光素子102の最初の列で開始し、発光素子102の最後の列で終わることなどにより、発光素子102のサブセットを順次に(連続的に)ロードして点灯することができる。しかしながら、ここで説明される技術及びシステムを使用して、任意の適切な点灯のパターンを採用することができる(例えば、ヘビのような点灯のパターン、列毎の点灯、順次に一度に複数の行など)。
【0020】
ディスプレイ100、又は、ディスプレイ100が実装されるシステムは、特に、1以上のディスプレイコントローラ106、及び、ディスプレイドライバ回路108を含めてもよい。ディスプレイドライバ回路108は、基板104及び/又はフレキシブルプリント回路の金属トレースなどの導電経路を介して発光素子102のアレイに結合されてもよい。図1は、個々の光源102で交差する一対の水平線と垂直線を介して、アレイの個々の発光素子102をアドレスするように、ディスプレイドライバ回路108が構成されるように、基板104に実質的に水平な線と実質的に垂直な線で導電経路が配置される、例を示す。ディスプレイコントローラ106は、マザーボード等のように、ディスプレイ100が埋め込まれた電子デバイスのメインロジックボードに取り付けられてもよく、ディスプレイドライバ回路108に通信するように結合され、ディスプレイドライバ回路108に信号、情報及び/又はデータを供給するように構成されてもよい。ディスプレイドライバ回路108により受信された信号、情報及び/又はデータは、ディスプレイドライバ回路108に、特定の方法で発光素子102を点灯させてもよい。即ち、ディスプレイコントローラ106は、発光素子102を点灯させるとき、どの発光素子102が点灯されるべきか、及び、発光素子102により放射されるべき光出力のレベルを決定してもよいし、その目的を達成するために、適切な、信号、情報及び/又はデータをディスプレイドライバ回路108に通信してもよい。
【0021】
ディスプレイドライバ回路108は、1以上の集積回路(IC)又はディスプレイコントローラ106から受信した光出力データを伴う発光素子102の個々のサブセットをロードするように構成された同様のコンポーネントを含めてもよい。OLED又はILEDディスプレイでは、ディスプレイドライバ回路は、ピクセルレベルでOLED/ILEDへの信号の適用を制御するために、各ピクセルに薄膜トランジスタ(TFT)を含めてもよい。発光素子102の、あるサブセットがロードされると、サブセットの各発光素子102には、発光素子102の点灯中に発光素子102から放射されるべき光の量に対応する特定の光出力データがロードされてもよい。したがって、発光素子102のサブセット(例えば、発光素子102の行)の各発光素子102には、複数の発光素子102のサブセットに同時に光出力データがロードされるとしても、その発光素子に特定の光出力データが独立にロードされてもよい。光出力データは、放射されるべき光出力のレベルに対応するデジタル数値の形態でもよい。したがって、発光素子102は、基本的に素子毎に様々なレベルの明るさで光を放射するように制御することができ、これにより、適切な高いコントラスト比を供給する局所的な調光等のような技術が可能になる。
【0022】
図1は、ロードコントローラ110及びイルミネーションコントローラ112を含むものとしたディスプレイコントローラ106を示す。ロードコントローラ110は、ディスプレイドライバ回路108に、各発光素子102から放射される光の量に対応する光出力データを発光素子102の個々のサブセットに順次に(連続的に)ロードさせるように構成されてもよい。この順次ローディングプロセスは、発光素子102の複数のサブセットへの任意の適切な分解に対して、順次に、サブセット毎に、発光素子102に光出力データをロードしてもよい。例えば、行毎の分解は、発光素子102の各行に光出力データを順次にロードし、最初の行(例えば、ディスプレイ100の最上部の行#1)から始まり、最後の行(例えば、ディスプレイ100の最下部の行#N)で終わるようにしてもよい。もう一度、順次にロードを素子毎に進めるように、サブセットがただ一つの発光素子102(例えば、行毎にただ一つの発光素子102)を含むことができることに理解されたい。
【0023】
イルミネーションコントローラ112は、ディスプレイドライバ回路108に発光素子102の個々のサブセットを順次に(連続的に)点灯させるように構成されてもよいが、発光素子102の個々のサブセットに光出力データが連続的にロードされた速度よりも速い速度である。いくつかの実施形態では、点灯コントローラ112は、ディスプレイドライバ回路108に発光素子102の最初のサブセットの点灯を開始させる前に、発光素子102の最初のサブセットが光出力データのロードを開始してから所定時間待つように構成され、これは、順次イルミネーションが、ローディング時間よりも短い時間に渡り生じることを可能にする。図1の右側のグラフ図は、発光素子102のサブセットが発光要素102の個々の行(例えば、行1-N)に相当する特定の場合におけるこの「ローリングバーストイルミネーション」技術の例を示す。
【0024】
ディスプレイ100が特定のリフレッシュレートを有する例を考える。ディスプレイの「リフレッシュレート」は、ディスプレイがスクリーンを再描画できる1秒あたりの回数である。1秒あたりに表示されるフレーム数は、ディスプレイのリフレッシュレートにより制限される場合がある。したがって、一連のフレームのただ一つのフレームがスクリーンリフレッシュ毎に表示されるように、一連のフレームが処理され、ディスプレイに表示されてもよい。即ち、ディスプレイ100に一連の画像を表示するために、ディスプレイ100は、ディスプレイのリフレッシュレートで、一連のフレームにおいて、フレームからフレームへと移行する。
【0025】
一連のフレームは、ディスプレイ100のユーザがプレイしているゲームの画像に相当してもよいが(例えば、VRヘッドセットで)、この開示は、ゲームアプリケーションに限定されない。90ヘルツ(Hz)のリフレッシュレートなどのように、任意の適切なリフレッシュレートを利用することができる。一連のフレームの各フレームは順次に処理され、発光素子102の各サブセットがフレーム毎に(複数回ではなく)1回点灯する。図1の右側のグラフ図は、あるフレームの処理中に、発光素子102を行毎に連続的に、ロードして点灯する例示的な技術を図解するために、縦軸にディスプレイ100の行1-Nを、横軸に時間を示す。行毎の分解は、発光素子102のアレイをサブセットに分解することができる一例に過ぎず、ここで説明する例は、ここで説明する技術の基本原理から逸脱することなく、その他のタイプのサブセット(例えば、発光素子102のその他のグループ分けは、個々の発光素子102を含む。)で実装できることを理解されたい。
【0026】
図1において、ディスプレイ100がフレーム「F」(「F」は一連のフレームにおける1つのフレームに対応する任意の整数である)の処理を始める開始時点が示されている。ディスプレイがフレームFの処理を開始すると、114において、ロードコントローラ110は、ディスプレイドライバ回路108に、発光素子102の個々のサブセット(例えば、行)を順次に光出力データを第1速度116でロードし始め、発光素子102の最初のサブセットで開始することをさせてもよい。発光素子102の個々のサブセットに光出力データが連続的にロードされる第1速度116は、「ロードフレームF」線の傾き(即ち、ライズ・オーバー・ラン(rise over run))により示される。したがって、ローディングプロセス(開始から終了まで)は、発光素子102の最初のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最上部の行#1)に光出力データをロードし始めた時点から発光素子102の最後のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最下部の行#N)に光出力データをロードし始めた時点まで測定されたローディング時間に渡り生じてもよい。
【0027】
118において、最初のサブセットに光出力データをロードした後、最初のサブセット(例えば、行#1)でイルミネーションプロセスを直ちに開始する代わりに、イルミネーションコントローラ112は、120におけるイルミネーションプロセスを開始する前に、発光素子102の最初のサブセット(例えば、行#1)に光出力データをロードし始めてから所定時間待つように構成されてもよい(ステップ3)。118において所定時間待つことにより、第1速度116よりも高い(又はより速い)第2速度122で(開始から終了まで)生じるイルミネーションプロセスを可能にする。これにより、所定時間待ち、それから、発光素子102に光出力データをロードするのに掛かった時間よりも短い時間に渡り、発光素子102を(1フレーム付き、複数回ではなく、1回)連続的に点灯することにより、イルミネーションのローリング「バースト」を供給する。
【0028】
所定時間は、それがフレーム時間(フレームを処理するための合計時間)よりも短く、ローディング時間(発光素子102に光出力データをロードするための合計時間)よりも短く、発光素子102を第2速度122で点灯するのに十分な時間を割り当てられる限り、任意の適切な時間の長さでもよい。リフレッシュレートが90Hzの例を考える。フレームFを処理するフレーム時間は、1秒あたりに表示されるフレーム数がディスプレイのリフレッシュレートに等しいという仮定に基づいて、リフレッシュレートから導き出される(例えば、1000ミリ秒(ms)÷90フレーム/秒(FPS)=~11ms)。この90Hzのリフレッシュレートの例では、ローディング時間-最初のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最上部の行#1)に光出力データをロードし始める時点から、最後のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最下部の行#N)に光出力データをロードし始める時点まで測定される-は、11msの全てのフレーム時間のほとんどを消費する可能性がある。例えば、ローディング時間は、フレームFのフレーム時間(例えば、11ms)の約99%以上かもしれない。この例では、イルミネーションコントローラ112が120におけるイルミネーションプロセスを開始する前に、118において待つ所定時間は、約1msから10msの範囲内でもよい。118における所定時間は、実装により変えてもよく、イルミネーションプロセスが発生できる速さに依存してもよい(即ち、発光要素102のサブセットを連続的に点灯できる第2速度122の上限に依存してもよい)。いくつかの実施形態では、118における所定時間は、少なくとも約1ms、少なくとも約3ms、少なくとも約5ms、少なくとも約7ms、少なくとも約9ms、又は、少なくとも約10msでもよい。
【0029】
120において、所定時間待機した後、イルミネーションコントローラ112は、ディスプレイドライバ回路に、発光素子102の個々のサブセット(例えば、行)を順次に、かつ、光出力データに従って点灯させ始めてもよい。前述のように、イルミネーションプロセスは、図1の「フレームFを点灯」線の傾き(即ち、ライズ・オーバー・ラン)により示される第2速度122で生じてもよい。「フレームFを点灯」線のより急な傾きは、ローリングイルミネーションのより速いバーストに対応する。しかしながら、ディスプレイドライバ回路108及び他の構成要素の制限は、「フレームFを点灯」線の傾きがどの程度急勾配を達成可能であるかを決定付ける可能性がある。より急な傾き(したがって、より速い第2速度122)は、見ているユーザにより頭の動きが示されたときに、表示された画像/シーンにおける不要な視覚的アーチファクトの大部分の軽減をもたらす可能性がある。いずれの場合でも、発光素子102は、発光素子102の最初のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最上部の行#1)を点灯し始めた時点から発光素子102の最後のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最下部の行#N)を点灯し始める時点まで測定されたイルミネーション時間に渡り点灯され、このイルミネーション時間は、ローディング時間より短くてもよく、フレーム(例えば、フレームF)のフレーム時間の約2%から80%の範囲内でもよい。図1の「フレームFをロード」線及び「フレームFを点灯」線の両方が、発光素子102の各サブセット(例えば、行)でそれぞれの動作が開始される時点を表し、それぞれの動作は、ある期間に渡り実行されてもよいことが分かる。例えば、ディスプレイ100のある行で点灯を開始した後、点灯の終わりが、「フレームFを点灯」線と同じ傾きで、「フレームFを点灯」線の後の追加の線により表せられるように、発光要素102のその行は、1つの期間で点灯してもよい。「フレームFを点灯」線は、フレームFで一回発生し、単一フレーム中で、ローリングイルミネーションの追加の経路が無いことも理解されたい。
【0030】
図1に示すように、ローディングプロセス及びイルミネーションプロセスは、オーバーラップしてもよい。例えば、120でのイルミネーションプロセスの開始は、ローディングプロセスの完了前に開始してもよい。さらに、次のフレーム(例えば、フレーム「F+1」)は、フレームFのイルミネーションプロセスの完了前に、124でそのローディングプロセスを開始してもよい。したがって、ディスプレイ100が、フレームFの処理を終了する前に、フレームF+1の処理を開始してもよいように、複数のフレームの処理はオーバーラップしてもよい。これにより、ディスプレイ100の帯域幅消費を節約することができ、なぜならば、ディスプレイ帯域幅の100%がディスプレイ100に画像を表示するように向けられるからである(例えば、ディスプレイ100が「黒」を表示する無駄なディスプレイ帯域幅がない)。
【0031】
図3は、ここで開示される実施形態に従い、実装されうる異なるイルミネーション速度の連続300を示すグラフ図である。特に、イルミネーション速度の連続300は、ローディング速度(即ち、「フレームFをロード」線の傾き)よりもわずかに大きい(速い)遅い速度302から垂直な傾きよりもわずかに小さい速いレート304の範囲内にすることができる。遅い速度302は、適切である(例えば、イルミネーション時間がフレーム時間の約80%である)最も遅いイルミネーション速度に相当してもよく、この最も遅いイルミネーション速度は、ローディング速度と等しくない(即ち、イルミネーション時間は、数(例えば、1~3)マイクロ秒の差など、小さな差でローディング時間より短い)。速い速度304は、適切である(例えば、イルミネーション時間がフレーム時間の約2%である)最も速いイルミネーション速度に相当してもよく、最も速いイルミネーション速度は、ローディング速度と等しくない(即ち、イルミネーション時間は、いくらか(例えば10)のミリ秒の差など、大きな差でローディング時間よりも短い)。これを考える別の方法は、遅い速度302は、より長いイルミネーション時間に対応するローリングイルミネーションのより遅いバーストを提供することができ、速い速度304は、より短いイルミネーション時間に対応するローリングイルミネーションのより速いバーストを提供することができる。実装されるイルミネーション速度は、システムのハードウェア制約、ディスプレイ100のリフレッシュレートなどに依存してもよい。非常に応答性の高い回路が利用できる場合、速い速度304は、不要な視覚的アーチファクトの最も多くの軽減を提供することを実現する可能性がある。ここで説明するように、目標は、あるフレームにおける合計イルミネーション時間を最小化することでもよいが、順次イルミネーションの制御でもよい。
【0032】
図4は、フレーム中に発光素子102のサブセットに対して異なる動作が実行される例示的な時間を示す図である。発光素子102のサブセットが発光素子102の行に相当する例を続けると、発光素子102のアレイは、各行に1以上の発光素子102の複数の行が配置されてもよい。図4は、ディスプレイ100における行の上から下までの配置に相当することができる行1-Nを示す。この場合も、行毎のイルミネーションシーケンスは、発光素子102のアレイをサブセットに分割する例示的な方法の1つに過ぎず、ここに記載された技術から逸脱することなく、イルミネーションの任意のパターンは、発光素子102の異なるサブセットで採用できることを理解されたい。
【0033】
ここで説明されるように、フレーム(例えば、フレームF)中に、ローディングプロセスが開始すると、発光素子102の最初のサブセット(例えば、ディスプレイ100の最上部の行#1)に光出力をロードすることができる。これは、図4の行#1のロードオペレーション402により表され、時間T1に渡り生じる。行#1のロードオペレーション402の完了後、発光素子102の次のサブセット(例えば、行#2)は、光出力データのロードを開始することができる。これは、図4の行#2のロードオペレーション402により表される。行#2のロードオペレーション402は、同じ時間T1に渡り生じてもよい。これは、発光素子102の個々のサブセット(例えば、行)に光出力データが順次にロードされるように、順次に続く。図1の「フレームFをロード」線は、図4の各行において、時間T1の開始を表す。
【0034】
図4は、安定オペレーション404及び点灯オペレーション406などの、複数行の個々の1つでのロードオペレーション402の後に発生する他のオペレーションも示す。「待ち」期間408は、複数行の個々の1つにおいて、安定オペレーション404と点灯オペレーション406との間に生じる可能性がある。例えば、行#1において、発光素子102に光出力データがロードされた後、発光素子102がロードオペレーション402の後に安定するための安定時間T2があってもよい。安定時間T2が完了する前に発光素子102が点灯される場合、ロード後に安定するのに十分な時間が与えられていないこれらの発光素子102について、ディスプレイに色又はガンマのレンディションの傾きがあるかもしれない。行#1では、安定オペレーション404の完了後、点灯オペレーション406が開始する前に「待ち」時間408、T3がある。行#1のイルミネーションオペレーション406は、あるフレームのイルミネーションプロセスの開始に相当してもよく、このイルミネーションプロセスは、ロードオペレーション402を開始してから所定時間後に開始することができる。例えば、図1を参照して、所定時間118は、図4に示される第1行(行#1)のT1の開始とT4の開始との間の時間に相当することができる。あるサブセットに対する安定オペレーション404とイルミネーションオペレーション406との間の時間T3は、発光素子102の各サブセットにおけるサブオペレーションのさらなる分解を示すためのものである。行#1の発光素子102を点灯する前に、時間T3を待つことにより、行毎に順次に発光素子102がロードされる速度と比較して、より速い速度で、行毎に順次イルミネーションを開始することができる。行#2の待ち時間408、T3’は、行#1の待ち時間408、T3より短い。実際、ある行の待ち時間408は、前の行の待ち時間408よりも短い。これは、イルミネーション速度がロード速度よりも速いからである。各行において、発光素子102は、点灯オペレーション406中に、時間T4の間、光を放射することができる。この時間は、約1msにしてもよい。図4は、最後の行#Nに対する待ち時間がない例も示している。換言すると、行#Nの点灯オペレーション406は、安定オペレーション404が終了するとすぐに開始する。
【0035】
ここで説明されるプロセスは、ロジカルフローグラフのブロックの集まりとして示され、ハードウェア、ソフトウェア、又は、それらの組合せで実装できるオペレーションのシーケンスを表す。ソフトウェアのコンテキストでは、ブロックは、1以上のプロセッサにより実行されると、列挙されたオペレーションを実行するコンピュータ実行可能命令を表す。通常、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行するか、特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及び、データ構造などを含む。オペレーションが説明される順番は、制限として解釈されることを意図するものではなく、説明される任意の数のブロックは、プロセスを実装するために任意の順序及び/又は並列に組合せることができる。
【0036】
図5は、ここに開示される実施形態に従って、ローリングバーストイルミネーション駆動技術を使用してディスプレイを駆動するための例示的なプロセス500のフロー図である。説明のために、プロセス500は、前の図を参照して説明される。
【0037】
502において、一連のフレーム中のフレームは、ディスプレイ100を含む電子デバイスにより処理及び表示されてもよい。フレームは、特定のリフレッシュレートを有するディスプレイ100のスクリーンリフレッシュの一部として処理されてもよい。一連のフレームは、処理されると、ディスプレイ100のリフレッシュレートでディスプレイ100に画像を表示することができる。例えば、90Hzのディスプレイ100は、毎秒90フレームを処理することができる。フレーム処理中に画像が表示されるディスプレイ100は、ディスプレイ100の前面に平行な基板104上に配置された発光素子102(例えば、LED)のアレイを含めてもよい。ブロック504-508は、フレームの処理中のブロック502のサブオペレーションに相当することができる。
【0038】
504では、1以上のコントローラ(例えば、ロードコントローラ110などのディスプレイコントローラ106)は、ディスプレイドライバ回路108に、発光素子102の個々のサブセットに光出力データを連続的に(又は、順次に)ロードさせることができる。504でのあるフレーム(又は、スクリーンリフレッシュ)のローディングプロセスは、ローディング速度(例えば、図1の第1速度116)で生じてもよい。504でのあるフレーム(又は、スクリーンリフレッシュ)のローディングプロセスは、発光素子102の最初のサブセット(例えば、最初の行)に光出力データをロードし始める時点から発光素子102の最後のサブセット(例えば、最後の行)に光出力データをロードし始める時点まで測定されたローディング時間に渡り生じてもよい。
【0039】
506では、1以上のコントローラ(例えば、イルミネーションコントローラ112などのディスプレイコントローラ106)は、ブロック508でディスプレイドライバ回路に発光素子102の最初のサブセットの点灯を開始させる前に、ブロック504で発光素子102の最初のサブセットが光出力データのロードを開始してから、所定時間(例えば、図1の118での所定時間)待機してもよい。
【0040】
508では、1以上のコントローラ(例えば、イルミネーションコントローラ112などのディスプレイコントローラ106)は、ディスプレイドライバ回路108に、光出力データに従って、連続的に(又は、順次に)発光素子102の個々のサブセットを点灯させることができる。508でのあるフレーム(又は、スクリーンリフレッシュ)に対するイルミネーションプロセスは、ローディング速度(例えば、図1の第2速度122)よりも速い速度で生じてもよい。508でのあるフレーム(又は、スクリーンリフレッシュ)に対するイルミネーションプロセスは、発光素子102の最初のサブセット(例えば、最初の行)を点灯し始める時点から発光素子102の最後のサブセット(例えば、最後の行)を点灯し始める時点まで測定されたイルミネーション時間に渡り生じてもよい。ブロック508において発光素子102が連続的に点灯される速度は、フレームのイルミネーション時間が、フレームのフレーム時間の約2%から80%の範囲内であるように、比較的速い速度でもよく、フレーム時間はリフレッシュレートから導出可能である。リフレッシュレートが90Hzの例では、フレーム時間は約11msである。この例では、ブロック506でのイルミネーション時間は、約8.8ms以下で、かつ、約0.22ms以上でもよい。ブロック504におけるローディング時間は、ブロック508におけるイルミネーション時間よりも長い。例えば、90Hzディスプレイの稼働例では、ローディング時間は、8.8msよりも大きく、少なくとも約10.5msでもよい。さらに、イルミネーションプロセス508は、フレーム毎に1回発生する(例えば、発光素子102は、ブロック508で、あるフレームに対して(複数回ではなく)1回点灯される)。
【0041】
いくつかの実施形態では、フレームのイルミネーション時間は、フレーム時間の約80%以下、フレーム時間の約60%以下、フレーム時間の約40%以下、フレーム時間の約20%以下、フレーム時間の約10%以下、フレーム時間の約5%以下、又は、フレーム時間の約4%以下である。いくつかの実施形態では、フレームのイルミネーション時間は、フレーム時間の少なくとも約2%、フレーム時間の少なくとも約4%、フレーム時間の少なくとも約6%、フレームの少なくとも約10%、フレーム時間の少なくとも約20%、フレーム時間の少なくとも約40%、又は、フレーム時間の少なくとも約70%である。
【0042】
ブロック510では、ディスプレイ100を含む電子デバイスは、一連のフレームのフレームの処理を継続するかどうかを決定することができる。次のフレームを処理する場合、プロセス500は、ブロック510からブロック502への「イエス」ルートに従い、ブロック502で一連のフレームの次のフレームを処理することにより、繰り返すことができる。次のフレームが処理されない場合、プロセス500は、ブロック512でフレーム処理を終了することができる。
【0043】
図6は、ここに開示される実施形態による、ローリングバーストイルミネーション駆動技術の一部としてクロスフェード技術を実装するように構成された例示的なディスプレイ600を示す図である。図6に示されるディスプレイ600は、ここで説明され、図1を参照して導入されたディスプレイ100と同様でもよい。例えば、ディスプレイ600は、ディスプレイ600の前面に平行な基板604に配置された(例えば、取り付けられた)発光素子602のアレイ、及び、導電経路を介して発光素子602のアレイに結合され、ディスプレイ600に画像を表示するために、フレームの処理中に光を放射する発光ダイオードを駆動するための1以上のコントローラから信号、情報、及び/又はデータを受信するように構成されたディスプレイドライバ回路608を含めてもよい。
【0044】
特に、ディスプレイ600のディスプレイドライバ回路608は、発光素子602の全部ではなくいくつかの行に結合された第1ディスプレイドライバ回路608(1)を含む。例えば、第1ディスプレイドライバ回路608(1)は、導電経路を介して、発光素子602の奇数行(例えば、行1、3、5など)に結合されてもよい。ディスプレイ600のディスプレイドライバ回路608は、発光素子602の全部ではなくいくつかの行に結合された第2ディスプレイドライバ回路608(2)をさらに含めてもよい。例えば、第2ディスプレイドライバ回路608(2)は、導電経路を介して発光素子602の偶数行(例えば、行2、4、6など)に結合されてもよい。このディスプレイドライバ回路608構成は、発光素子602の第1行(例えば、奇数行)のイルミネーションがフェードアウトすることができ、次に、発光素子602の第2行(例えば、偶数行)がフェードインされるクロスフェード技術を可能にできる。例えば、第1ディスプレイドライバ回路608(1)は、プロセス500のブロック504及び508のそれぞれで、発光素子602の奇数行を連続的にロードし点灯するように構成されてもよく、第2ディスプレイドライバ回路608(2)は、プロセス500のブロック504及び508のそれぞれで、発光素子602の偶数行を連続的にロードし点灯するように構成されてもよい。異なるディスプレイドライバ回路608(1)及び608(2)が、発光素子602の奇数行及び偶数行をそれぞれ駆動するために使用されるので、行のそれぞれのセットのローディングオペレーション及び点灯オペレーションは、時間のオーバーラップをすることができる。例えば、発光素子602の奇数行と偶数行のペアが与えられた場合、偶数行(例えば、行#2)の発光素子602は、奇数行(例えば、行#1)の発光素子602が点灯を開始した後に、点灯を開始することができ、このような方法で、偶数行(例えば、行#2)の発光素子602から放射された光は、フェードインすることができ、一方、奇数行(例えば、行#1)の発光素子602から放射された光は、フェードアウトする。このクロスフェーディング技術は、見ているユーザの頭の動き中に、不要な視覚的アーチファクトがシーンに現れるのをさらに軽減する。図6の例は、図1のように、発光素子602の2Dアレイを示しているが、ここで説明される技術(例えば、図6を参照して説明されるもの)は、発光素子602の1Dアレイにも適用可能であることを理解されたい。
【0045】
図7は、ここに開示される実施形態によるディスプレイ700を埋め込むことができる、VRヘッドセットなどのウェアラブルデバイス702の例示的なコンポーネントを示す。ウェアラブルデバイス702は、ユーザ704により(例えば、ユーザ704の頭に)装着されることになるスタンドアロンデバイスとして実装されてもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス702は、例えば、ユーザ702の頭の周囲にフィットするサイズの固定機構(例えば、調節可能なバンド)を使用して、ユーザ704が彼/彼女の頭にウェアラブルデバイス702を固定できるようにすることなどのように、ヘッドマウント可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、ウェアラブルデバイス702は、ニアアイ又はニアトゥーアイ(near-to-eye)ディスプレイを含む仮想現実(VR)又は拡張現実(AR)ヘッドセットを備える。そのようなものとして、「ウェアラブルデバイス」、「ウェアラブル電子デバイス」、「VRヘッドセット」、「ARヘッドセット」、及び、「ヘッドマウントディスプレイ(HMD)」という用語は、図7のデバイス702をいうために、ここでは置き換えて使用されることがある。しかしながら、これらのタイプのデバイスは、ウェアラブルデバイス702の単なる例であることを理解されるべきであり、ウェアラブルデバイス702は、様々な他の形状要素で実装されてもよいことを理解されたい。
【0046】
図示した実装では、ウェアラブルデバイス702は、1以上のプロセッサ706及びメモリ708(例えば、コンピュータリーダブルメディア708)を含む。いくつかの実装では、プロセッサ706は、中央処理装置(CPU)、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)、CPUとGPUの両方、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、又は、当技術分野で知られている他のプロセッサユニット又はコンポーネントを含めてもよい。代わりに又は加えて、ここで機能的に説明されていることは、少なくとも部分的に、1以上のハードウェアロジックコンポーネントにより実行することができる。例えば、限定せずに、使用可能なハードウェアロジックコンポーネントの実例の種類には、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、特定用途向け標準製品(ASSP)、システムオンチップシステム(SOC)、コンプレックスプログラマブルロジックデバイス(CPLD)などが含まれる。さらに、プロセッサ702のそれぞれは、プログラムモジュール、プログラムデータ、及び/又は1以上のオペレーティングシステムを格納することもできるそれ自体のローカルメモリを所有してもよい。
【0047】
メモリ708は、コンピュータリーダブル命令、データ構造、プログラムモジュール、又は、その他のデータなどの情報の記憶をするための任意の方法又は技術で実装される、揮発性及び不揮発性メモリ、取り外し可能及び取り外し不可能メディアを含めてもよい。このようなメモリには、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、又は、その他のメモリテクノロジー、CD-ROM、デジタルバーサタイルディスク(DVD)、又は、その他の光ストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、又は、その他の磁気ストレージデバイス、RAIDストレージシステム、又は、所望の情報を格納するために使用でき、コンピューティングデバイスによりアクセスできる任意のその他の媒体が含まれるが、限定されない。メモリ708は、コンピュータリーダブルストレージメディア(「CRSM」)として実装されてもよく、これは、メモリ708に記憶された命令を実行するためにプロセッサ706によりアクセス可能な任意の利用可能な物理的なメディアでもよい。基本的な1つの実装では、CRSMは、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)及びフラッシュメモリを含めてもよい。他の実装では、CRSMは、リードオンリーメモリ(「ROM」)、エレクトリカリイレーサブルプログラマブルリードオンリーメモリ(「EEPROM」)、又は、所望の情報を格納するために使用でき、プロセッサ706によりアクセス可能な任意のその他の実現可能な媒体が含まれるが、限定されない。
【0048】
命令、データストアなどのいくつかのモジュールは、メモリ708に格納され、プロセッサ706で実行するように構成されてもよい。機能モジュールのいくつかの例は、メモリ708に格納され、プロセッサ706で実行されるアプリケーションとして示されているが、同じ機能を、代わりに、ハードウェア、ファームウェア、又は、システムオンチップ(SOC)として実装してもよい。
【0049】
オペレーティングシステムモジュール710は、他のモジュールの利点のために、ウェアラブルデバイス702の内部に、かつ結合されたハードウェアを管理するように構成されてもよい。さらに、いくつかの例では、ウェアラブルデバイス702は、メモリ708に格納されるか、そうでなければウェアラブルデバイス702にアクセス可能な1以上のアプリケーション712を含めてもよい。この実装では、アプリケーション712は、ゲームアプリケーション714を含む。しかし、ウェアラブルデバイス702は、任意の数又はタイプのアプリケーションを含めてもよく、ここに示される特定の例に限定されない。ゲームアプリケーション714は、ユーザ704によりプレイ可能なビデオベースのインタラクティブゲーム(例えば、VRゲーム)のゲームプレイを開始するように構成されてもよい。
【0050】
通常、ウェアラブルデバイス702は、入力デバイス716及び出力デバイス718を有する。入力デバイス716は、制御ボタンを含めてもよい。いくつかの実装形態では、1以上のマイクロフォンは、ユーザの音声入力などのオーディオ入力を受信するための入力デバイス716として機能することができる。いくつかの実装形態では、1以上のカメラ又は他のタイプのセンサ(例えば、慣性計測ユニット(IMU))は、ユーザ704の手及び/又は頭の動きなどのジェスチャー入力を受信するための入力デバイス716として機能することができる。いくつかの実施形態では、キーボード、キーパッド、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティックなどの形態で追加の入力デバイス716が供給されてもよい。他の実施形態では、ウェアラブルデバイス702は、キーボード、キーパッド、又は、その他の同様の形態のメカニカルな入力を省略してもよい。代わりに、ウェアラブルデバイス702は、比較的単純な形態の入力デバイス716、ネットワークインタフェース(無線又は有線ベース)、電力、及び、処理/メモリ機能を実装してもよい。例えば、ウェアラブルデバイス702をその後使用できるように、1以上の入力コンポーネントの限定されたセットを採用してもよい(例えば、設定、電源オン/オフなどを開始するための専用ボタン)。1つの実施では、入力デバイス716は、ボリュームを増加/減少させるための基本的なボリューム制御ボタン、並びに、電源ボタン及びリセットボタンなどの制御機構を含めてもよい。
【0051】
出力デバイス718は、ディスプレイ700、ライト要素(例えば、LED)、触覚の感覚を生成するためのバイブレータ、及び/又は、スピーカ(例えば、ヘッドホン)などを含めてもよい。例えば、電源がオンであるときなどの状態を示すための単純なライト要素(例えば、LED)もあってよい。図7に示される電子ディスプレイ700は、視覚的/グラフィカル出力を出力するための出力デバイス718として機能してもよく、電子ディスプレイ700は、ここで説明されるディスプレイ100,600に対応してもよい。
【0052】
ウェアラブルデバイス702は、ネットワークへの無線接続を容易にするためにアンテナ722に結合された無線ユニット720をさらに含めてもよい。無線ユニット720は、Wi-Fi、ブルートゥース(登録商標)、ラジオ周波数(RF)などのような1つ以上の様々な無線技術を実装してもよい。ウェアラブルデバイス702は、ネットワーク、接続された周辺デバイス、又は、他の無線ネットワークと通信するプラグインネットワークデバイス、への有線接続を容易にするための物理ポートをさらに含めてもよいことを理解されたい。
【0053】
ウェアラブルデバイス702は、1以上の視覚要素を使用して、電子ディスプレイ700からの光をユーザの眼に向ける視覚サブシステム724をさらに含めてもよい。視覚サブシステム724は、限定はしないが、絞り、レンズ(例えば、フレネルレンズ、凸レンズ、凹レンズなど)、フィルタなどを含む、様々なタイプ及び異なる視覚要素の組合せを含めてもよい。いくつかの実施形態では、視覚サブシステム724の1以上の視覚要素は、反射防止コーティングなどの1以上のコーティングを有してもよい。視覚サブシステム724による画像光の拡大により、電子ディスプレイ700を、より大きなディスプレイよりも、物理的に小さくし、重量を軽くし、消費電力を少なくすることができる。さらに、画像光の拡大は、表示されたコンテンツ(例えば、画像)のFOVを広くすることができる。例えば、表示されたコンテンツのFOVは、表示されたコンテンツが、ユーザのFOVのほとんど全て(例えば、120-150度の斜め方向)、場合により全てを使用して提示されるようなものである。AR用途では、より狭いFOVを有する可能性がある(例えば、約40度のFOV)。視覚サブシステム724は、バレル歪み、糸巻き型歪み、縦色収差、横色収差、球面収差、コマ収差、像面湾曲、非点収差など、これらに限定されない、1以上の視覚エラーを補正するように設計されてもよい。いくつかの実施形態では、表示のために電子ディスプレイ700に提供されるコンテンツは、事前に歪められ、視覚サブシステム724は、コンテンツに基づいて生成された電子ディスプレイ700から画像光を受信するときに、歪みを補正する。
【0054】
ウェアラブルデバイス702は、動き、位置及び方向のデータを生成するために使用されるセンサなどの1以上のセンサ726をさらに含めてもよい。これらのセンサ726は、ジャイロスコープ、加速度計、磁力計、ビデオカメラ、カラーセンサ、又は、その他の動き、位置及び方向のセンサでもよいし、又は、それらを含めてもよい。センサ726は、動き、位置及び方向のデータを生成するためにカメラ又はカラーセンサにより外部から見られる一連のアクティブマーカー又はパッシブマーカーなどのセンサのサブ部分を含めてもよい。例えば、VRヘッドセットは、その外側に、リフレクタ又はライト(例えば、赤外線又は可視光)など、外部カメラで見たり、ライト(例えば、赤外線又は可視光)で照らしたりすると、動き、位置及び方向のデータを生成するためにソフトウェアで解釈するために1以上の基準点を提供できる、複数のマーカーが含まれてもよい。
【0055】
一例では、センサ726は、慣性計測ユニット(IMU)728を含めてもよい。IMU728は、加速度計、ジャイロスコープ、磁力計、及び/又は、動きを検出するのに適したその他のセンサ、IMU728に関するエラー補正、又は、これらのいくつかの組合せから受信した測定信号に基づく、キャリブレーションデータを生成することができる電子デバイスでもよい。測定信号に基づいて、IMU728などのそのようなモーションベースのセンサは、ウェアラブルデバイス702の初期位置に対するウェアラブルデバイス702の推定位置を示すキャリブレーションデータを生成することができる。例えば、複数の加速度計は、並進運動(前/後、上/下、左/右)を測定でき、複数のジャイロスコープは、回転運動(例えば、ピッチ、ヨー、ロール)を測定できる。IMU728は、例えば、測定信号を迅速にサンプリングし、サンプリングされたデータからウェアラブルデバイス702の推定位置を計算することができる。例えば、IMU728は、加速度計から受信した測定信号を時間で積分して速度ベクトルを推定し、速度ベクトルを時間で積分してウェアラブルデバイス702の基準点の推定位置を決定することができる。基準点は、ウェアラブルデバイス702の位置を説明するために使用できる地点である。基準点は、空間内の点として通常定義することができるが、様々な実施形態では、基準点は、ウェアラブルデバイス702内の点(例えば、IMU728の中心)として定義される。または、IMU728は、サンプリングされた測定信号を、キャリブレーションデータを決定する外部コンソール(又は、他のコンピューティングデバイス)に供給する。
【0056】
センサ726は、センサデータを高速で供給するために、比較的高い周波数で動作してもよい。例えば、センサデータは、1000Hz(又は、1ミリ秒毎に1センサリーディング)のレートで生成されてもよい。このようにして、毎秒1000回の読み取りが行われる。センサは、この速度で(又は、より高速で)これぐらいの多さのデータを生成する場合、モーションの予測に使用されるデータセットは、数十ミリ秒のオーダの比較的短い時間でさえ非常に大きくなる。
【0057】
ウェアラブルデバイス702は、アイトラッキングモジュール730をさらに含めてもよい。ウェアラブルデバイス702の内部のカメラ又はその他の視覚センサは、ユーザの眼の画像情報をキャプチャでき、アイトラッキングモジュール730は、キャプチャされた情報を使用して、瞳孔間距離、眼間距離、各眼のねじれ及び回転の大きさ(即ち、ロール、ピッチ、及び、ヨー)及び視線方向を含む、ウェアラブルデバイス702に対する各眼の三次元(3D)位置(例えば、歪み調整目的)を決定することができる。一例では、赤外光は、ウェアラブルデバイス702内で放射され、各眼から反射される。反射光は、ウェアラブルデバイス702のカメラにより受信又は検出され、各眼により反射された赤外光の変化から眼の回転を抽出するために分析される。ユーザ704の眼をトラッキングするための多くの方法を、アイトラッキングモジュール730により使用することができる。したがって、アイトラッキングモジュール730は、各眼の最大6自由度(即ち、3D位置、ロール、ピッチ、及び、ヨー)を追跡することができ、注視点(即ち、ユーザが見ている仮想シーン内の3Dのロケーション又は位置)を推定するために、ユーザ704の2つの眼から、追跡された量の少なくともサブセットが組合されてもよい。例えば、アイトラッキングモジュール730は、過去の測定値からの情報、ユーザ704の頭の位置を特定する測定値、及び、電子ディスプレイ704により表示されるシーンを説明する3D情報を統合してもよい。したがって、ユーザ704の眼の位置及び向きについての情報は、ユーザ704が見ているウェアラブルデバイス702により表示される仮想シーン内の注視点を決定するために使用される。
【0058】
ウェアラブルデバイス702は、ヘッドトラッキングモジュール732をさらに含めてもよい。ヘッドトラッキングモジュール732は、上述のように、ユーザ704の頭の動きを追跡するために、1以上のセンサ726を利用してもよい。
【0059】
主題は、構造的特徴に特定の用語で説明されてきたが、添付のクレームで定義される主題は、説明された特定の特徴に必ずしも限定されないことを理解されたい。むしろ、特定の特徴は、クレームを実施する例示的な形態として開示されている。
以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1]
ディスプレイであって、
発光素子のアレイと、
導電経路を介して、前記発光素子のアレイに結合されたディスプレイドライバ回路と、
以下を行う、1以上のコントローラとを備え、
前記ディスプレイのリフレッシュレートで前記ディスプレイに画像を表示する一連のフレームのフレームについて、
前記ディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の個々のサブセットに光出力データを順次にロードさせ、
前記ディスプレイドライバ回路に、前記光出力データに従って、前記発光素子の前記個々のサブセットを順次に点灯させ、前記発光素子の最初のサブセットの点灯を開始する時点から前記発光素子の最後のサブセットの点灯を開始する時点まで測定されたイルミネーション時間に渡り、前記発光素子が点灯され、
前記フレームの前記イルミネーション時間は、前記フレームのフレーム時間の約2%から80%の範囲内であり、前記フレーム時間は、前記リフレッシュレートから導出可能である。
[2]
前記1以上のコントローラは、前記ディスプレイドライバ回路に前記発光素子の前記最初のサブセットの点灯を開始させる前に、前記発光素子の前記最初のサブセットが前記光出力データをロードし始めてから所定時間待つようにさらに構成される、
[1]のディスプレイ。
[3]
前記1以上のコントローラは、前記ディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記最初のサブセットに前記光出力データをロードし始める時点から前記発光素子の前記最後のサブセットに前記光出力データをロードし始める時点まで測定されたローディング時間に渡り、前記発光素子の前記個々のサブセットをロードさせるようにさらに構成され、
前記イルミネーション時間は、前記ローディング時間よりも短い、
[1]のディスプレイ。
[4]
前記ディスプレイは、液晶ディスプレイ(LCD)であり、前記発光素子の前記アレイは、前記LCDのバックライトに相当し、前記発光素子は、発光ダイオード(LED)である、
[1]のディスプレイ。
[5]
前記ディスプレイは、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイであり、前記発光素子の前記アレイの前記個々の発光素子は、前記OLEDディスプレイの個々のピクセルに含まれる発光ダイオード(LED)である、
[1]のディスプレイ。
[6]
前記ディスプレイは、仮想現実(VR)ヘッドセット又は拡張現実(AR)ヘッドセットに埋め込まれる、
[1]のディスプレイ。
[7]
前記発光素子の前記アレイは、前記ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置され、
前記ディスプレイドライバ回路は、
前記導電経路を介して前記発光素子の奇数行に結合された第1ディスプレイドライバ回路と、
前記導電経路を介して前記発光素子の偶数行に結合された第2ディスプレイドライバ回路とを含み、
前記ディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記個々のサブセットを順次に点灯させることは、
前記第1ディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記奇数行を連続的に点灯させ、
前記第2ディスプレイドライバ回路に、前記発光素子の前記偶数行を連続的に点灯させることを含み、
奇数行と偶数行のペアについて、前記1以上のコントローラは、前記第2ディスプレイドライバ回路に、前記偶数行の前記発光素子から放射された光がフェードインし、一方、前記奇数行の前記発光素子から放射された光がフェードアウトするように、前記奇数行の発光素子のイルミネーションの開始後に、前記偶数行の発光素子の点灯を開始させる、
[1]のディスプレイ。
[8]
発光素子のアレイを有するディスプレイにより実施される方法であって、
前記ディスプレイのリフレッシュレートで、前記ディスプレイに画像を表示する一連のフレームのフレームについて、
前記発光素子の個々のサブセットに光出力データを連続的にロードし、
前記光出力データに従って、前記発光素子の前記個々のサブセットを連続的に点灯し、前記発光素子の最初のサブセットの点灯を開始する時点から前記発光素子の最後のサブセットの点灯を開始する時点まで測定されたイルミネーション時間に渡り、前記点灯が行われ、
前記フレームの前記イルミネーション時間は、前記フレームのフレーム時間の約2%から80%の範囲内であり、前記フレーム時間は、前記リフレッシュレートから導出可能である。
[9]
前記点灯を開始する前に、前記ロードを開始してから所定時間待つことをさらに含む、
[8]の方法。
[10]
前記発光素子の前記個々のサブセットのそれぞれは、フレーム毎に、複数回ではなく、一回点灯される、
[8]の方法。
[11]
前記ロードは、前記発光素子の前記最初のサブセットに前記光出力データをロードし始める時点から前記発光素子の前記最後のサブセットに前記光出力データをロードし始める時点まで測定されたローディング時間に渡り行われ、
前記イルミネーション時間は、前記ローディング時間よりも短い、
[8]の方法。
[12]
前記フレームの前記イルミネーション時間は、前記フレーム時間の約1/3以下である、[8]の方法。
[13]
前記リフレッシュレートは、少なくとも約75ヘルツ(Hz)であり、前記フレームの前記イルミネーション時間は、約3ミリ秒(ms)以下である、
[8]の方法。
[14]
前記発光素子の前記アレイは、前記ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置され、
前記発光素子の前記個々のサブセットは、前記発光素子の個々の行に相当し、
前記発光素子の前記個々のサブセットを連続的に点灯することは、前記発光素子の各行を順次に点灯し、前記発光素子の最初の行で始まり、前記発光素子の最後の行で終わることを含む、
[8]の方法。
[15]
前記発光素子の前記アレイは、前記ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置され、
前記発光素子の前記個々のサブセットを連続的に点灯することは、
前記発光素子の奇数行を連続的に点灯し、
前記発光素子の偶数行を連続的に点灯することを含み、
奇数行と偶数行のペアについて、前記偶数行の前記発光素子から放射された光がフェードインし、一方、前記奇数行の前記発光素子から放射された光がフェードアウトするように、前記奇数行の発光素子のイルミネーションの開始後に、前記偶数行の発光素子の点灯を開始する、
[8]の方法。
[16]
前記発光素子の個々のサブセットは、前記発光素子の個々の発光素子に相当し、
前記発光素子の前記個々のサブセットを連続的に点灯することは、前記発光素子の各発光素子を順次に点灯し、最初の発光素子で始まり、最後の発光素子で終わることを含む、
[8]の方法。
[17]
ディスプレイであって、
光源のアレイと、
導電経路を介して光源の前記アレイに結合されたディスプレイドライバ回路と、
以下を行う、1以上のコントローラとを備え、
前記ディスプレイに画像を表示する一連のフレームのフレームについて、
前記ディスプレイドライバ回路に、前記光源の個々のサブセットに光出力データを順次にロードさせ、前記光源の最初のサブセットに前記光出力データをロードし始める時点から前記光源の最後のサブセットに前記光出力データをロードし始める時点まで測定されたローディング時間に渡り、前記光源に前記光出力データをロードし、
前記ディスプレイドライバ回路に、前記光出力データに従って、前記光源の前記個々のサブセットを順次に点灯させ、前記光源の最初のサブセットの点灯を開始する時点から前記光源の最後のサブセットの点灯を開始する時点まで測定されたイルミネーション時間に渡り、前記光源が点灯され、
前記イルミネーション時間は、前記ローディング時間よりも短い。
[18]
前記一連のフレームは、前記ディスプレイのリフレッシュレートで、前記ディスプレイに前記画像を表示し、
前記フレームの前記イルミネーション時間は、前記フレームのフレーム時間の約2%から80%の範囲内であり、前記フレーム時間は、前記リフレッシュレートから導出可能である、
[17]のディスプレイ。
[19]
前記光源の前記アレイは、前記ディスプレイの前面に平行な基板に行及び列で配置され、
前記光源の前記個々のサブセットは、前記光源の個々の行に相当し、
前記光源の前記個々のサブセットを連続的に点灯することは、前記光源の各行を順次に点灯し、前記光源の最初の行で始まり、前記光源の最後の列で終わることを含む、
[17]のディスプレイ。
[20]
前記導電経路は、前記ディスプレイの前面に平行な基板に水平線と垂直線に配置され、
前記ディスプレイドライバ回路は、個々の光源に特定の前記光出力データをロードするために、前記個々の光源で交差する一対の水平線と垂直線を介して前記光源の前記個々の光源をアドレスするように構成される、
[17]のディスプレイ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7