(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ハンチントン病を処置するための化合物
(51)【国際特許分類】
C07D 401/14 20060101AFI20231211BHJP
C07D 487/04 20060101ALI20231211BHJP
C07D 403/14 20060101ALI20231211BHJP
C07D 487/10 20060101ALI20231211BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20231211BHJP
A61K 31/4985 20060101ALI20231211BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
C07D401/14
C07D487/04 137
C07D403/14
C07D487/10
C07D487/04 144
A61K31/497
A61K31/4985
A61P25/14
(21)【出願番号】P 2020552026
(86)(22)【出願日】2019-03-26
(86)【国際出願番号】 US2019024068
(87)【国際公開番号】W WO2019191092
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-23
(32)【優先日】2018-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507166346
【氏名又は名称】ピーティーシー セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】シドレンコ ナディヤ
(72)【発明者】
【氏名】バブ スレシュ
(72)【発明者】
【氏名】バタチャリア アヌラダ
(72)【発明者】
【氏名】ムーン ヨン-チョン
(72)【発明者】
【氏名】ナラシムハン ジャナ
(72)【発明者】
【氏名】パテル ジガール エス
【審査官】中島 芳人
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-515485(JP,A)
【文献】特表2009-500372(JP,A)
【文献】特表2017-502994(JP,A)
【文献】国際公開第2019/028440(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/060742(WO,A1)
【文献】Synthesis and evaluation of 3-amino-6-aryl-pyridazines as selective CB2 agonists for the treatment of inflammatory pain,Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,2010年,(2010) 20, 2, p465-468
【文献】Synthesis and Chemiluminescence of 5-[(2-Pyridyl)-, and (Substituted 2-pyrazinyl)amino]-1,2,4-trioxanes,Bulletin of the Chemical Society of Japan,1988年,(1988) 61, p3776-3778
【文献】1381103-87-2,1381109-95-0,1381103-06-5,1381085-12-6,1381084-38-3,1381084-19-0,1381069-02-8,1381060-23-6,1381036-73-2,1381033-11-9,1381016-89-2,1381016-41-6,1381013-97-3,1380991-96-7,1380991-09-2,1380955-66-7,1380889-28-0,1380857-75-9,1350420-68-6,1350191-80-8,919610-78-9,919610-77-8,919610-71-2,919610-70-1,919610-69-8,919494-40-9,919494-38-5,919494-22-7,1348577-48-9,1380990-95-3,1380944-26-2,1380879-49-1,1380858-18-3,1381109-36-9,1381106-70-2,1380864-49-2,1380859-62-0,1381035-24-0,2059673-20-8,REGISTRY(STN)[online],2017年
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K 31/
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物、またはその形態
であって、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択される、化合物
またはその形態。
【化1】
(I)
(式中、
Xは、CHR
1a、C=O、O、NR
1bまたは結合であり、
R
1aが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノおよびヒドロキシル-C
1-4アルキルから独立して選択され、
R
1bが、水素、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキルおよびハロ-C
1-4アルキルから独立して選択され、
Bは、
アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、1,4-ジアゼパニル、1,2-ジヒドロピリジニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、オクタヒドロ-5H-ピロロ[3,2-c]ピリジニル、オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aR,7aR)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aS,7aS)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(2H)-オン、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(7R,8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジニル、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(1R,5S)-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、アザスピロ[3.3]ヘプタニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタニル、1,7-ジアザスピロ[4.4]ノナニル、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、5,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[4.5]デカニル、6,9-ジアザスピロ[4.5]デシル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、ヘキサヒドロ-1H-シクロブタ[1.2-c:1,4-c’]ジピロール-(3H)-イル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニルおよび7-アザジスピロ[5.1.5
8
.3
6
]ヘキサデカン-15-イルからなる群より選択されるヘテロシクリルであり、
各ヘテロシクリルが
、R
2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基でそれぞれ置換されていてもよく、
R
2が、ハロゲン、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル
、C
1-4アルキル-アミノおよび(C
1-4アルキル)
2-アミノから独立して選択され、
R
3は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノ、(C
1-4アルキル)
2-アミノ、C
1-4アルコキシ、ハロ-C
1-4アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびフェニルから独立して選択され、
ヘテロアリールが、N、OまたはSから独立して選択される1、2
または3個のヘテロ原子環員を有する3~7員環の単環式、または6~10員環の二環式環系であり、
ヘテロシクリルが、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式
または6~10員環の二環式
環系であり、
フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各例が、R
4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、
nは、1
または2であり、
R
4が、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノ、(C
1-4アルキル)
2-アミノ、C
1-4アルコキシおよびハロ-C
1-4アルコキシから独立して選択され
、
ヘテロアリールが、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する3~7員環の単環式または6~10員環の二環式環系である)
【請求項2】
Xが、NR
1bおよび結合から選択される、請求項1に記載の化合物
またはその形態。
【請求項3】
Bが、アゼチジニル
、ピロリジニル、ピペリジニル
、1,4-ジアゼパニル、1,2-ジヒドロピリジニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル
、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル
、オクタヒドロ-5H-ピロロ[3,2-c]ピリジニル、オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aR,7aR)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aS,7aS)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(2H)-オン、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(7R,8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、ヘキサヒドロ-1H-シクロブタ[1.2-c:1,4-c’]ジピロール-(3H)-イル、(8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジニル
、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル
、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(1R,5S)-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、アザスピロ[3.3]ヘプタニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタニル、1,7-ジアザスピロ[4.4]ノナニル
、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、5,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[4.5]デカニル
、6,9-ジアザスピロ[4.5]デシル、および7-アザジスピロ[5.1.5
8.3
6]ヘキサデカ
ン-15-イルから選択され、1、2、3、4または5個のR
2置換基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物
またはその形態。
【請求項4】
Bが、ピロリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル
、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタニルおよび7-アザジスピロ[5.1.5
8.3
6]ヘキサデカ
ン-15-イルから選択され、1、2、3、4または5個のR
2置換基で置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物
またはその形態。
【請求項5】
R
3が、チエニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1,3-チアゾリル、オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル、ピリジニル、ピリジン-2(1H)-オン-イル、ピリミジニル、ピリミジン-4(3H)-オン-イル、ピリダジニル、ピリダジン-3(2H)-オン-イル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、1H-インドリル、1H-インダゾリル、2H-インダゾリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、1H-ベンゾイミダゾリル、1,3-ベンゾオキサゾリル、1,3-ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,2,3-ベンゾトリアゾリル、9H-プリニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、1,3-オキサゾロ[5,4-b]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、ピロロ[1,2-a]ピラジニル、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジニル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジニル、2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-イル、5H-ピロロ[2,3-b]ピラジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-c]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾリル、[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジニル、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジニル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、およびキノキサリニルから選択され、1または2個のR
4置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物
またはその形態。
【請求項6】
R
3が、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル
、ピリジニル、ピリジン-2(1H)-オン-イル、ピリミジニル、1,3,5-トリアジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニルおよびイミダゾ[1,2-α]ピラジニルから選択され、1または2個のR
4置換基で置換されていてもよいヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物
またはその形態。
【請求項7】
化合物の形態が、塩酸塩、臭化水素酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ギ酸塩、二塩酸塩、三塩酸塩、四塩酸塩、二臭化水素酸塩および二トリフルオロ酢酸塩から選択される化合物塩である、請求項1に記載の化合物
またはその形態。
【請求項8】
4-(3-ヒドロキシ-4-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェニル)ピリジン-2-オール;
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピラジン-2-イル}フェノール;
2-{5-[(7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカン-15-イル)(メチル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
5-[2,5-ジクロロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-(1H-イミダゾール-1-イル)-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
2-[5-(ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ピラジン-2-イル]-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
2-{5-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
2-{5-[(ピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-[5-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-4-イル]フェノール;
2-[2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピラジン;
5-[2-フルオロ-5-メチル-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-(5-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-[2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-(3-アミノ-1H-ピラゾール-1-イル)-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-[2,5-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-[3-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-[3,5-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
4-(3-ヒドロキシ-4-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェニル)-1-メチルピリジン-2(1H)-オン;
2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-1-イル)フェノール;
2-{5-[メチル(ピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
2-[5-(2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル)ピラジン-2-イル]-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
4-フルオロ-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
5-[5-クロロ-2-フルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
4-フルオロ-5-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-2-(1H-ピラゾール-4-イル)ベンゾニトリル
;
2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-[1-(
2
H
3
)メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
(5-(2-ヒドロキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピラジン-2-イル)(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)メタノン;
2-(5-(2-ヒドロキシ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピラジン-2-イル)-2-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アセトニトリル;
2-(5-(アミノ(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)メチル)ピラジン-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)-5-(1,3,5-トリアジン-2-イル)フェノール;
4-(3-ヒドロキシ-4-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニル)-1,3,5-トリアジン-2-オール;
5-(4-アミノ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール;
5-(4-クロロ-1,3,5-トリアジン-2-イル)-2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール;
5-(5-クロロ-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール;
4-(3-ヒドロキシ-4-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニル)-1H-ピラゾール-5-カルボニトリル;
5-(1,5-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール;
5-(5-クロロ-1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール
;
5-[2,3-ジフルオロ-4-(4-メチル-1H-イミダゾール-1-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-[2,5-ジフルオロ-4-(3-メチル-1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン;
5-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(ピリジン-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(ピリジン-3-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(ピリミジン-2-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(ピリジン-2-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(1H-イミダゾール-1-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェノール;
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
5-(イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(1-メチル-1H-ピラゾール-3-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
5-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール;
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-[1-(
2
H
3
)メチル-1H-ピラゾール-4-イル]フェノール;
2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェノール;
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノール;
N-tert-ブチル-1-{5-[2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン-2-イル}ピロリジン-3-アミン;
N-tert-ブチル-1-{5-[2,5-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン-2-イル}ピロリジン-3-アミン;および
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)フェノール
からなる群から選択される化合物
またはその形態であって、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択される、化合物
またはその形態。
【請求項9】
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピラジン-2-イル}フェノール塩酸塩、
2-[5-(ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル)ピラジン-2-イル]-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール四塩酸塩、
2-{5-[(ピペリジン-4-イル)オキシ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール三塩酸塩、
2-{5-[(ピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール四塩酸塩、
2-[2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ]ピラジン三塩酸塩、
5-[2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン塩酸塩
、
2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール臭化水素酸塩、
5-[1-(
2
H
3
)メチル-1H-ピラゾール-4-イル]-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール二塩酸塩、
5-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノール二塩酸塩、
5-(ピリジン-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(ピリジン-3-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(ピリミジン-2-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(ピリジン-2-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(6-メトキシピリミジン-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(1H-イミダゾール-1-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェノールギ酸塩、
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール二塩酸塩、
5-(イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(5-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(1H-ピラゾール-3-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
5-(4-フルオロ-1H-ピラゾール-1-イル)-2-{5-[(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}フェノールギ酸塩、
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-[1-(
2
H
3
)メチル-1H-ピラゾール-4-イル]フェノール二塩酸塩、
2-{5-[メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ]ピラジン-2-イル}-5-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェノール二塩酸塩、
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-(1-メチル-1H-ピラゾール-4-イル)フェノール二塩酸塩、
N-tert-ブチル-1-{5-[2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン-2-イル}ピロリジン-3-アミン二塩酸塩、
N-tert-ブチル-1-{5-[2,5-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン-2-イル}ピロリジン-3-アミン二塩酸塩、および
2-{5-[3-(tert-ブチルアミノ)ピロリジン-1-イル]ピラジン-2-イル}-5-(3-フルオロ-1H-ピラゾール-4-イル)フェノール二塩酸塩
からなる群から選択される化合物塩、またはその形態であって、化合物の形態が、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択され
る化合物
またはその形態。
【請求項10】
有効量の請求項1、8または9のいずれか1項に記載の化合物
またはその形態を含む、それを必要とする対象において
ハンチントン病(HD
)を処置または寛解するための医薬組成物。
【請求項11】
化合物
またはその形態の有効量が、
0.001mg/kg/日~
500mg/kg/日の範囲である、請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項12】
それを必要とする対象において
ハンチントン病(HD
)を処置または寛解するための医薬の製造における、請求項1、8または9のいずれか1項に記載の化合物
またはその形態の使用であって、前記医薬が有効量の前記化合物
またはその形態を含む、使用。
【請求項13】
医薬における化合物
またはその形態の有効量が、
0.001mg/kg/日~
500mg/kg/日の範囲である、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
それを必要とする対象において
ハンチントン病(HD
)を処置または寛解するための医薬組成物の調製における、請求項1、8または9のいずれか1項に記載の化合物
またはその形態の使用であって、前記医薬組成物が1つまたは複数の医薬として許容できる賦形剤と混和し
た前記化合物、またはその形態の有効量を含む、使用。
【請求項15】
医薬組成物における化合物
またはその形態の有効量が、
0.001mg/kg/日~
500mg/kg/日の範囲である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
1つまたは複数の医薬として許容できる賦形剤と混和した、請求項1、8または9のいずれか1項に記載の化合物
またはその形態を含む、医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書の態様は、ハンチントン病を処置または寛解するために有用な化合物、その形態および医薬組成物、ならびにそのような化合物、その形態または組成物を使用する方法に関する。詳細には、本明細書の別の態様は、置換単環式ヘテロアリール化合物、その形態および医薬組成物、ならびにハンチントン病を処置または寛解するための、そのような化合物、その形態または組成物を使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ハンチントン病(HD)は、不随意運動、認知障害および精神機能低下を特徴とする症状を有する、脳の進行性常染色体優性神経変性障害である。死亡は、典型的には、肺炎または冠動脈疾患によって引き起こされ、通常、症状が発症してから13~15年後に発生する。HDの有病率は、西欧系集団100.000人に3~7人である。北米では、30.000人がHDを有すると見積もられたが、さらに200.000人が、罹患した親から疾患を遺伝する危険性がある。疾患は、「変異」ハンチンチン(Htt)遺伝子における連続したトリヌクレオチドCAG反復の伸張によって引き起こされ、これにより、「CAG反復」配列としても公知のポリ-グルタミン(ポリQ)ストレッチの伸張がみられるHTT(Httタンパク質)が生成される。現在の小分子治療法には、疾患の根本原因を標的としたものはなく、HDの処置または寛解に使用できる薬物に対する高い必要性は、応えられていないままである。結果として、HDを処置または寛解するための小分子化合物を特定し、提供する必要性は依然ある。
本明細書で言及されている他の文書はすべて、参照により、本明細書に完全に明記されているように本出願に組み込まれる。
【発明の概要】
【0003】
本明細書の態様は、式(I)の化合物、またはその形態を含む化合物を含む。
【化1】
(I)
(式中、X、B、R
3およびnは、本明細書で定義されている)
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、もしくはその形態、または組成物を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物、もしくはその形態、または組成物を使用する方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物、またはその形態の使用を含む。
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、有効量の医薬を対象に投与するステップを含む、使用を含む。
【0004】
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の作用剤と組み合わせて、対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための1つまたは複数の治療剤との組合せ製品における、式(I)の化合物、またはその形態の使用を含む。
【発明を実施するための形態】
【0005】
本明細書の態様は、式(I)の化合物、またはその形態を含む化合物であって、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択される、化合物に関する。
【化2】
(I)
(式中、
Xは、CHR
1a、C=O、O、NR
1bまたは結合であり、
R
1aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノおよびヒドロキシル-C
1-4アルキルから独立して選択され、
R
1bは、水素、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキルおよびハロ-C
1-4アルキルから独立して選択され、
Bは、ヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルは、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式、6~10員環の二環式または13~16員環の多環式環系であり、R
2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基でそれぞれ置換されていてもよく、
R
2は、ハロゲン、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノおよび(C
1-4アルキル)
2-アミノから独立して選択され、
R
3は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノ、(C
1-4アルキル)
2-アミノ、C
1-4アルコキシ、ハロ-C
1-4アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびフェニルから独立して選択され、
ヘテロアリールは、N、OまたはSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を有する3~7員環の単環式、または6~10員環の二環式環系であり、
ヘテロシクリルは、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式、6~10員環の二環式または13~16員環の多環式環系であり、
フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各例は、R
4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、
nは、1、2または3であり、
R
4は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノ、(C
1-4アルキル)
2-アミノ、C
1-4アルコキシおよびハロ-C
1-4アルコキシから独立して選択される)
【0006】
本明細書の態様
本明細書の別の態様は、式(I)の化合物、またはその形態を含む。
【化3】
(式中、
Xは、CHR
1a、C=O、O、NR
1bまたは結合であり、
R
1aは、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノおよびヒドロキシル-C
1-4アルキルから独立して選択され、
R
1bは、水素、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキルおよびハロ-C
1-4アルキルから独立して選択され、
Bは、ヘテロシクリルであり、
ヘテロシクリルは、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式、6~10員環の二環式または13~16員環の多環式環系であり、R
2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基でそれぞれ置換されていてもよく、
R
2は、ハロゲン、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノおよび(C
1-4アルキル)
2-アミノから独立して選択され、
R
3は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノ、(C
1-4アルキル)
2-アミノ、C
1-4アルコキシ、ハロ-C
1-4アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびフェニルから独立して選択され、
ヘテロアリールは、N、OまたはSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を有する3~7員環の単環式、または6~10員環の二環式環系であり、
ヘテロシクリルは、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式、6~10員環の二環式または13~16員環の多環式環系であり、
フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各例は、R
4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよく、
nは、1、2または3であり、
R
4は、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C
1-4アルキル、重水素-C
1-4アルキル、ハロ-C
1-4アルキル、アミノ、C
1-4アルキル-アミノ、(C
1-4アルキル)
2-アミノ、C
1-4アルコキシおよびハロ-C
1-4アルコキシから独立して選択される)
一態様は、Xが、CHR
1a、C=O、O、NR
1bおよび結合から選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、XがCHR
1aである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、XがC=Oである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、XがOである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、XがNR
1bである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、Xが結合である、式(I)の化合物を含む。
【0007】
一態様は、R1aが、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-4アルキル、重水素-C1-4アルキル、ハロ-C1-4アルキル、アミノおよびヒドロキシル-C1-4アルキルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aが、シアノおよびアミノから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aがシアノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1aがアミノである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R1bが、水素、C1-4アルキル、重水素-C1-4アルキルおよびハロ-C1-4アルキルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1bが、水素およびC1-4アルキルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1bが水素である、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1bが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルおよびtert-ブチルから選択されるC1-4アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R1bがメチルである、式(I)の化合物を含む。
【0008】
一態様は、Bが、ヘテロシクリルであり、ヘテロシクリルが、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式、6~10員環の二環式または13~16員環の多環式環系であり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基でそれぞれ置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0009】
別の態様は、Bが、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、1,4-ジアゼパニル、1,2-ジヒドロピリジニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ヘキサヒドロシクロペンタピロール-(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,2-b]ピロール-(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、オクタヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジニル、オクタヒドロ-5H-ピロロ[3,2-c]ピリジニル、オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aR,7aR)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aS,7aS)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(2H)-オン、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(7R,8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、ヘキサヒドロ-1H-シクロブタ[1.2-c:1,4-c’]ジピロール-(3H)-イル、(8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-(2H)-イル、5-アザスピロ[2.4]ヘプタニル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-イル、(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-イル、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、(1R,5S)-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタニル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナニル、アザスピロ[3.3]ヘプタニル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタニル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタニル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタニル、1,7,-ジアザスピロ[4.4]ノナニル、1,7-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、5,8-ジアザスピロ[3.5]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナニル、2,7-ジアザスピロ[4.5]デカニル、2,8-ジアザスピロ[4.5]デカニル、6,9-ジアザスピロ[4.5]デシル、6-オキサ-2,9-ジアザスピロ[4.5]デカニル、2,9-ジアザスピロ[5.5]ウンデカニル、および7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカニルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0010】
別の態様は、Bが、ピロリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタニルおよび7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカニルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0011】
別の態様は、Bが、ピロリジニル、ピペリジニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタニル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタニルおよび7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカニルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、Bが、ピロリジニルおよびピペリジニルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0012】
別の態様は、Bが、アゼチジン-1-イル、テトラヒドロフラン-3-イル、ピロリジン-1-イル、ピロリジン-3-イル、ピペリジン-1-イル、ピペリジン-3-イル、ピペリジン-4-イル、ピペラジン-1-イル、1,4-ジアゼパン-1-イル、1,2-ジヒドロピリジン-2-イル、1,2-ジヒドロピリジン-3-イル、1,2-ジヒドロピリジン-4-イル、1,2-ジヒドロピリジン-5-イル、1,2-ジヒドロピリジン-6-イル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジン-5-イル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル、ヘキサヒドロシクロペンタピロール-2(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,2-b]ピロール-1(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-1(2H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-1(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-5(1H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-5(1H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-5(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-1(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-5(1H)-イル、(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル、オクタヒドロ-2H-ピロロ[3,4-c]ピリジン-2-イル、オクタヒドロ-5H-ピロロ[3,2-c]ピリジン-5-イル、オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-6-イル、(4aR,7aR)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-6-イル、(4aS,7aS)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジン-6-イル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-6(2H)-オン、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、(7R,8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、(8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、(8aR)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、ヘキサヒドロ-1H-シクロブタ[1.2-c:1,4-c’]ジピロール-2(3H)-イル、(8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、(8aR)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-2(1H)-イル、オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジン-2-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b][1,4]オキサジン-6(2H)-イル、5-アザスピロ[2.4]ヘプタン-5-イル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン-3-イル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-3-イル、(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エン-3-イル、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル、(1R,5S)-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2-イル、1,4-ジアザビシクロ[3.1.1]ヘプタン-4-イル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-3-イル、3,6-ジアザビシクロ[3.2.0]ヘプタン-6-イル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン-2-イル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-4-イル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノナン-4-イル、アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-4-イル、4,7-ジアザスピロ[2.5]オクタン-7-イル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-6-イル、1,7,-ジアザスピロ[4.4]ノナン-1-イル、1,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-7-イル、1,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、2,6-ジアザスピロ[3.5]ノナン-6-イル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-2-イル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル、5,8-ジアザスピロ[3.5]ノナン-8-イル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノナン-2-イル、2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-2-イル、2,7-ジアザスピロ[4.5]デカン-7-イル、および2,8-ジアザスピロ[4.5]デカン-8-イル、6,9-ジアザスピロ[4.5]デカ-9-イル、および7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカン-15-イルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0013】
別の態様は、Bが、ピロリジン-1-イル、ピペリジン-4-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-2(1H)-イル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクタン-2-イルおよび7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカン-15-イルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、Bが、ピロリジン-1-イルおよびピペリジン-4-イルから選択されるヘテロシクリルであり、R2からそれぞれ選択される1、2、3、4または5個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
一態様は、R2が、ハロゲン、C1-4アルキル、重水素-C1-4アルキル、アミノ、C1-4アルキル-アミノおよび(C1-4アルキル)2-アミノから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、C1-4アルキルおよびC1-4アルキル-アミノから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルから選択されるC1-4アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2がメチルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、C1-4アルキル-アミノであり、C1-4アルキルが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、C1-4アルキル-アミノであり、C1-4アルキルが、tert-ブチルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R2が、C1-4アルキル-アミノであり、C1-4アルキルが、tert-ブチルアミノである、式(I)の化合物を含む。
【0014】
一態様は、R3が、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-4アルキル、重水素-C1-4アルキル、ハロ-C1-4アルキル、アミノ、C1-4アルキル-アミノ、(C1-4アルキル)2-アミノ、C1-4アルコキシ、ハロ-C1-4アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクリルおよびフェニルから選択され、
ヘテロアリールが、N、OまたはSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を有する3~7員環の単環式、または6~10員環の二環式環系であり、
ヘテロシクリルが、N、OまたはSから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子環員を有する飽和または部分的不飽和3~7員環の単環式、6~10員環の二環式または13~16員環の多環式環系であり、
フェニル、ヘテロアリールまたはヘテロシクリルの各例が、R4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0015】
別の態様は、R3が、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-4アルキルおよびヘテロアリールから選択され、
ヘテロアリールが、N、OまたはSから独立して選択される1、2、3または4個のヘテロ原子環員を有する3~7員環の単環式、または6~10員環の二環式環系であり、
ヘテロアリールの各例が、R4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、ブロモ、クロロ、フルオロおよびヨードから選択されるハロゲンである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、クロロおよびフルオロから選択されるハロゲンである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がクロロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がフルオロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がヒドロキシルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がシアノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルから選択されるC1-4アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R3がメチルである、式(I)の化合物を含む。
【0016】
別の態様は、R3が、チエニル、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、1,3-チアゾリル、オキサゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1H-1,2,3-トリアゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリル、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリル、ピリジニル、ピリジン-2(1H)-on-イル、ピリミジニル、ピリミジン-4(3H)-on-イル、ピリダジニル、ピリダジン-3(2H)-on-イル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、1H-インドリル、1H-インダゾリル、2H-インダゾリル、インドリジニル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、1H-ベンゾイミダゾリル、1,3-ベンゾオキサゾリル、1,3-ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,2,3-ベンゾトリアゾリル、9H-プリニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、1,3-オキサゾロ[5,4-b]ピリジニル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピリミジニル、ピロロ[1,2-a]ピラジニル、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジニル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジニル、2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジニル、2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-イル、5H-ピロロ[2,3-b]ピラジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-c]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾリル、[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジニル、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジニル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジニル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジニル、キノリニル、イソキノリニル、およびキノキサリニルから選択されるヘテロアリールであり、R4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0017】
別の態様は、R3が、1H-ピラゾリル、1H-イミダゾリル、2H-1,2,3-トリアゾリル、1H-1,2,4-トリアゾリル、ピリジニル、ピリジン-2(1H)-オン-イル、ピリミジニル、1,3,5-トリアジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニルおよびイミダゾ[1,2-α]ピラジニルから選択されるヘテロアリールであり、R4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0018】
別の態様は、R3が、チエン-2-イル、チエン-3-イル、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-ピラゾール-5-イル、1H-イミダゾール-1-イル、1H-イミダゾール-4-イル、1,3-チアゾール-2-イル、1,3-チアゾール-5-イル、オキサゾール-2-イル、オキサゾール-4-イル、オキサゾール-5-イル、1,2,4-オキサジアゾール-3-イル、1,3,4-オキサジアゾール-2-イル、1,2,4-チアジアゾール-5-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-1,2,3-トリアゾール-5-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-3-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-5-イル、1H-テトラゾール-1-イル、1H-テトラゾール-5-イル、2H-テトラゾール-2-イル、2H-テトラゾール-5-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリジン-2(1H)-on-4-イル、ピリジン-2(1H)-on-5-イル、ピリジン-2(1H)-on-6-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、ピリミジン-5-イル、ピリミジン-4(3H)-on-6-イル、ピリダジン-3-イル、ピリダジン-4-イル、ピリダジン-3(2H)-on-5-イル、1,2,4-トリアジン-3-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、1H-インドール-3-イル、1H-インドール-4-イル、1H-インドール-5-イル、1H-インドール-6-イル、1H-インダゾール-5-イル、2H-インダゾール-5-イル、インドリジン-2-イル、ベンゾフラン-2-イル、ベンゾフラン-5-イル、ベンゾチエン-2-イル、ベンゾチエン-3-イル、1H-ベンゾイミダゾール-2-イル、1H-ベンゾイミダゾール-5-イル、1H-ベンゾイミダゾール-6-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-2-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-5-イル、1,3-ベンゾオキサゾール-6-イル、1,3-ベンゾチアゾール-2-イル、1,3-ベンゾチアゾール-5-イル、1,3-ベンゾチアゾール-6-イル、1,3-ベンゾジオキソール-5-イル、1,2,3-ベンゾトリアゾール-5-イル、9H-プリン-8-イル、フロ[3,2-b]ピリジン-2-イル、フロ[3,2-c]ピリジン-2-イル、フロ[2,3-c]ピリジン-2-イル、1,3-オキサゾロ[5,4-b]ピリジン-5-イル、チエノ[3,2-c]ピリジン-2-イル、チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-イル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジン-4-イル、ピロロ[1,2-a]ピリミジン-7-イル、ピロロ[1,2-a]ピラジン-7-イル、ピロロ[1,2-b]ピリダジン-2-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-2-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピラジン-5-イル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-5-イル、1H-ピラゾロ[3,4-b]ピリジン-6-イル、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-1-イル、1H-ピラゾロ[3,4-c]ピリジン-5-イル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-5-イル、1H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-6-イル、1H-ピラゾロ[4,3-d]ピリミジン-5-イル、2H-ピラゾロ[4,3-b]ピリジン-5-イル、2H-ピラゾロ[4,3-c]ピリジン-5-イル、5H-ピロロ[2,3-b]ピラジン-2-イル、ピラゾロ[1,5-a]ピラジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリジン-6-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジン-6-イル、イミダゾ[1,2-c]ピリミジン-2-イル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-2-イル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル、イミダゾ[1,2-a]ピラジン-2-イル、イミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イル、1H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジン-5-イル、イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾール-6-イル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾール-6-イル、[1,3]オキサゾロ[4,5-b]ピリジン-2-イル、[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-5-イル、[1,2,3]トリアゾロ[1,5-a]ピリジン-6-イル、1H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-5-イル、3H-[1,2,3]トリアゾロ[4,5-b]ピリジン-5-イル、テトラゾロ[1,5-a]ピリジン-7-イル、テトラゾロ[1,5-b]ピリダジン-7-イル、キノリン-6-イル、イソキノリン-6-イル、およびキノキサリン-2-イルから選択されるヘテロアリールであり、R4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0019】
別の態様は、R3が、1H-ピラゾール-1-イル、1H-ピラゾール-3-イル、1H-ピラゾール-4-イル、1H-イミダゾール-1-イル、2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル、1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル、ピリジン-2-イル、ピリジン-3-イル、ピリジン-4-イル、ピリジン-2(1H)-on-4-イル、ピリミジン-2-イル、ピリミジン-4-イル、1,3,5-トリアジン-2-イル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジン-6-イル、およびイミダゾ[1,2-a]ピラジン-6-イルから選択されるヘテロアリールであり、R4からそれぞれ選択される1または2個の置換基で置換されていてもよい、式(I)の化合物を含む。
【0020】
一態様は、R4が、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-4アルキル、重水素-C1-4アルキル、ハロ-C1-4アルキル、アミノ、C1-4アルキル-アミノ、(C1-4アルキル)2-アミノ、C1-4アルコキシおよびハロ-C1-4アルコキシから選択される、式(I)の化合物を含む。
【0021】
別の態様は、R4が、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1-4アルキル、重水素-C1-4アルキル、ハロ-C1-4アルキル、アミノおよびC1-4アルコキシから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、ブロモ、クロロ、フルオロおよびヨードから選択されるハロゲンである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、クロロおよびフルオロから選択されるハロゲンである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がクロロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がフルオロである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がヒドロキシルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がシアノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルから選択されるC1-4アルキルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がメチルである、式(I)の化合物を含む。
【0022】
別の態様は、R4が、重水素-C1-4アルキルであり、C1-4アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個または複数の重水素原子で部分的に、または完全に置換されるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が(2H3)メチルである、式(I)の化合物を含む。
【0023】
別の態様は、R4が、ハロ-C1-4アルキルであり、C1-4アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のハロゲン原子で部分的に、または完全に置換されるメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルから選択される、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、トリフルオロメチルである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がアミノである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4が、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシおよびtert-ブトキシから選択されるC1-4アルコキシである、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、R4がメトキシである、式(I)の化合物を含む。
一態様は、nが、1、2または3である、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、nが2である、式(I)の化合物を含む。
別の態様は、nが3である、式(I)の化合物を含む。
【0024】
式(I)の化合物またはその形態の態様は、
【化4】
からなる群から選択される化合物を含み、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択される。
【0025】
式(I)の化合物またはその形態(化合物の番号(#1)は、塩形態が単離されたことを指し示す)の態様は、以下からなる群から選択される化合物を含み、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択される。
【0026】
【0027】
式(I)の化合物またはその形態の別の態様は、以下からなる群から選択される化合物塩であり、化合物の形態は、その塩、水和物、溶媒和物、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体および互変異性体形態からなる群から選択される。
【0028】
【0029】
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを防止、処置または寛解するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための方法を含む。
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための方法を含む。
【0030】
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、もしくはその形態、または組成物を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物、もしくはその形態、または組成物を使用する方法を含む。
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物塩、またはその形態もしくは組成物を使用する方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物、またはその形態の使用を含む。
【0031】
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物塩、またはその形態の使用を含む。
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、有効量の医薬を対象に投与するステップを含む、使用を含む。
本明細書の別の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための医薬の製造における、式(I)の化合物塩、またはその形態の使用であって、有効量の医薬を対象に投与するステップを含む、使用を含む。
【0032】
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の作用剤と組み合わせて、対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための、1つまたは複数の治療剤、それとの組合せ製品での式(I)の化合物、またはその形態の使用を含む。
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の作用剤と組み合わせて対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための1つまたは複数の治療剤、それとの組合せ製品での式(I)の化合物塩、またはその形態の使用を含む。
【0033】
化学的定義
上で、また、本明細書の説明全体で使用される化学的用語は、特に定義されていない限り、以下で指し示されている意味を有すると当業者により理解されるものとする。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル」という用語は、一般に、直鎖または分岐鎖配置に1~4個の炭素原子を有する飽和炭化水素ラジカルを指し、メチル、エチル、n-プロピル(プロピルまたはプロパニルとも呼ばれる)、イソプロピル、n-ブチル(ブチルまたはブタニルとも呼ばれる)、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチルなどを含むが、それらに限定されない。C1-4アルキルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
本明細書で使用されている、「C2-4アルケニル」という用語は、一般に、直鎖または分岐鎖配置に2~4個の炭素原子、および、そこに1つまたは複数の炭素-炭素二重結合を有する部分的不飽和炭化水素ラジカルを指し、エテニル(ビニルとも呼ばれる)、アリル、プロペニルなどを含むが、それらに限定されない。C2-4アルケニルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0034】
本明細書で使用されている、「C2-8アルキニル」という用語は、一般に、直鎖または分岐鎖配置に2~8個の炭素原子、および、そこに1つまたは複数の炭素-炭素三重結合を有する部分的不飽和炭化水素ラジカルを指し、エチニル、プロピニル、ブチニルなどを含むが、それらに限定されない。ある態様では、C2-8アルキニルは、C2-6アルキニル、C2-4アルキニルなどを含むが、それらに限定されない。C2-8アルキニルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ」という用語は、一般に、式-O-C1-4アルキルの直鎖または分岐鎖配置に1~4個の炭素原子を有する飽和炭化水素ラジカルを指し、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、イソプロポキシ、n-ブトキシ、イソブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシなどを含むが、それらに限定されない。C1-44アルコキシラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0035】
本明細書で使用されている、「C3-7シクロアルキル」という用語は、一般に、飽和または部分的不飽和単環式、二環式または多環式炭化水素ラジカルを指し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチルなどを含むが、それらに限定されない。C3-7シクロアルキルラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
本明細書で使用されている、「アリール」という用語は、一般に、単環式、二環式または多環式芳香族炭素原子環構造ラジカルを指し、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フルオレニル、アズレニル、フェナントレニルなどを含むが、それらに限定されない。アリールラジカルは、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されていてもよい。
【0036】
本明細書で使用されている、「ヘテロアリール」という用語は、一般に、1個または複数の炭素原子環員が、構造的安定性により可能であれば、1個または複数のヘテロ原子、例えばO、SまたはN原子で置き換えられている単環式、二環式または多環式芳香族炭素原子環構造ラジカルを指し、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、1,3-チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリアジニル、インドリル、インダゾリル、インドリジニル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、ベンゾイミダゾリル、1,3-ベンゾチアゾリル、1,3-ベンゾオキサゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,3-ジアジニル、1,2-ジアジニル、1,2-ジアゾリル、1,4-ジアザナフタレニル、アクリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、フロ[3,2-c]ピリジニル、フロ[2,3-c]ピリジニル、6H-チエノ[2,3-b]ピロリル、チエノ[3,2-c]ピリジニル、チエノ[2,3-d]ピリミジニル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、1H-ピロロ[2,3-c]ピリジニル、1H-ピロロ[3,2-b]ピリジニル、ピロロ[1,2-a]ピラジニル、ピロロ[1,2-b]ピリダジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、3H-イミダゾ[4,5-b]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-c]ピリミジニル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、イミダゾ[2,1-b][1,3]チアゾリル、イミダゾ[2,1-b][1,3,4]チアジアゾリル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロアリールラジカルは、炭素または窒素原子環員上において、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
【0037】
ある態様では、ヘテロアリールラジカルの命名法は、例えば、フラニルが、フリルとも呼ばれ得、チエニルが、チオフェニルとも呼ばれ得、ピリジニルが、ピリジルとも呼ばれ得、ベンゾチエニルが、ベンゾチオフェニルとも呼ばれ得、1,3-ベンゾオキサゾリルが、1,3-ベンゾオキサゾリルとも呼ばれ得る非限定的な例では、異なることがある。
【0038】
ある他の態様では、ヘテロアリールラジカルに関する用語は、例えば、ピロリルという用語が、2H-ピロリル、3H-ピロリルなども含み得、ピラゾリルという用語が、1H-ピラゾリルなども含み得、イミダゾリルという用語が、1H-イミダゾリルなども含み得、トリアゾリルという用語が、1H-1,2,3-トリアゾリルなども含み得、オキサジアゾリルという用語が、1,2,4-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリルなども含み得、テトラゾリルという用語が、1H-テトラゾリル、2H-テトラゾリルなども含み得、インドリルという用語が、1H-インドリルなども含み得、インダゾリルという用語が、1H-インダゾリル、2H-インダゾリルなども含み得、ベンゾイミダゾリルという用語が、1H-ベンゾイミダゾリルも含み得、プリニルという用語が、9H-プリニルなども含み得る非限定的な例では、他の位置異性体も含み得る。
【0039】
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル」という用語は、一般に、1個または複数の炭素原子環員が、構造的安定性により可能であれば、ヘテロ原子、例えばO、SまたはN原子で置き換えられている、飽和または部分的不飽和単環式、二環式または多環式炭素原子環構造ラジカルを指し、オキシラニル、オキセタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、イソオキサゾリニル、イソオキサゾリジニル、イソチアゾリニル、イソチアゾリジニル、オキサゾリニル、オキサゾリジニル、チアゾリニル、チアゾリジニル、トリアゾリニル、トリアゾリジニル、オキサジアゾリニル、オキサジアゾリジニル、チアジアゾリニル、チアジアゾリジニル、テトラゾリニル、テトラゾリジニル、ピラニル、ジヒドロ-2H-ピラニル、チオピラニル、1,3-ジオキサニル、1,2,5,6-テトラヒドロピリジニル、1,2,3,6-テトラヒドロピリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、1,4-ジアゼパニル、1,3-ベンゾジオキソリル、1,4-ベンゾジオキサニル、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、(3aS,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-b]ピロール-(2H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aS)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、(3aR,6aR)-ヘキサヒドロピロロ[3,4-c]ピロール-(1H)-イル、オクタヒドロ-5H-ピロロ[3,2-c]ピリジニル、オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aR,7aR)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、(4aS,7aS)-オクタヒドロ-6H-ピロロ[3,4-b]ピリジニル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(7R,8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aS)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aS)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、(8aR)-オクタヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(1H)-イル、ヘキサヒドロピロロ[1,2-a]ピラジン-(2H)-オン、オクタヒドロ-2H-ピリド[1,2-a]ピラジニル、3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、(1R,5S)-3-アザビシクロ[3.1.0]ヘキシル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エニル、(1R,5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタ-2-エニル、9-アザビシクロ[3.3.1]ノニル、(1R,5S)-9-アザビシクロ[3.3.1]ノニル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、(1S,4S)-2,5-ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、2,5-ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル、3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル、(1R,5S)-3,8-ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル、1,4-ジアザビシクロ[3.2.2]ノニル、アザスピロ[3.3]ヘプチル、2,6-ジアザスピロ[3.3]ヘプチル、2,6-ジアザスピロ[3.4]オクチル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノニル、5,8-ジアザスピロ[3.5]ノニル、2,7-ジアザスピロ[4.4]ノニル、6,9-ジアザスピロ[4.5]デシル、7-アザジスピロ[5.1.58.36]ヘキサデカニルなどを含むが、それらに限定されない。ヘテロシクリルラジカルは、炭素または窒素原子環員上において、利用できる価数により可能であれば、本明細書に記載されている置換基種で置換されてもよい。
【0040】
ある態様では、ヘテロシクリルラジカルの命名法は、例えば1,3-ベンゾジオキソリルが、ベンゾ[d][1,3]ジオキソリルとも呼ばれ得、2,3-ジヒドロ-1,4-ベンゾジオキシニルが、2,3-ジヒドロベンゾ[b][1,4]ジオキシニルとも呼ばれ得る非限定的な例では、異なることがある。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルコキシ-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-O-C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルコキシ-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-O-C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
【0041】
本明細書で使用されている、「(C1-4アルコキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-O-C1-4アルキル)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルコキシ-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-O-C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
【0042】
本明細書で使用されている、「(C1-4アルコキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-O-C1-4アルキル)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-カルボニル」という用語は、式-C(O)-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-カルボニル-C2-8アルケニル」という用語は、式-C2-8アルケニル-C(O)-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルコキシ-カルボニル-アミノ」という用語は、式-NH-C(O)-O-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-アミノ-C2-8アルケニル」という用語は、式-C2-8アルケニル-NH-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル)2-アミノ-C2-8アルケニル」という用語は、式-C2-8アルケニル-N(C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「[(C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル]2-アミノ」という用語は、式-N[C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)2]2のラジカルを指す。
【0043】
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「[(C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル](C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)[C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)2]のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-アミノ-C2-8アルキニル」という用語は、式-C2-8アルキニル-NH-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(C1-4アルキル)2-アミノ-C2-8アルキニル」という用語は、式-C2-8アルキニル-N(C1-4アルキル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-カルボニル」という用語は、式-C(O)-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-カルボニル-アミノ」という用語は、式-NH-C(O)-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C1-4アルキル-チオ」という用語は、式-S-C1-4アルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アミノ-C2-8アルケニル」という用語は、式-C2-8アルケニル-NH2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-NH2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アミノ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-NH2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(アミノ-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-NH2)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(アミノ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-NH2)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アミノ-C2-8アルキニル」という用語は、式-C2-8アルキニル-NH2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-C1-4アルコキシ-カルボニル」という用語は、式-C(O)-O-C1-4アルキル-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(アリール-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-アリール)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(アリール-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-アリール)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(アリール-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-アリール)2のラジカルを指す。
【0044】
本明細書で使用されている、「(アリール-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-アリール)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-アミノ」という用語は、式-NH-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-アミノ-カルボニル」という用語は、式-C(O)-NH-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「アリール-スルホニルオキシ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-O-SO2-アリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ベンゾキシ-カルボニル」という用語は、式-C(O)-O-CH2-フェニルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C3-14シクロアルキル-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-C3-14シクロアルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C3-14シクロアルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C3-14シクロアルキルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「C3-14シクロアルキル-オキシ」という用語は、式-O-C3-14シクロアルキルのラジカルを指す。
【0045】
本明細書で使用されている、「重水素-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-重水素のラジカルを指し、C1-4アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個または複数の重水素原子で部分的に、または完全に置換される。
本明細書で使用されている、「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、一般に、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを含むハロゲン原子ラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ハロ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-ハロのラジカルを指し、C1-4アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のハロゲン原子で部分的に、または完全に置換される。
【0046】
本明細書で使用されている、「ハロ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-ハロのラジカルを指し、C1-4アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のハロゲン原子で部分的に、または完全に置換される。
本明細書で使用されている、「ハロ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-ハロのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ハロ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-ハロ)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ハロ-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-ハロ)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロアリール-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-ヘテロアリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロアリール-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-ヘテロアリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロアリール-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-ヘテロアリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヘテロアリール-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-ヘテロアリール)2のラジカルを指す。
【0047】
本明細書で使用されている、「(ヘテロアリール-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-ヘテロアリール)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロアリール-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-ヘテロアリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヘテロアリール-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-ヘテロアリール)2のラジカルを指す。
【0048】
本明細書で使用されている、「(ヘテロアリール-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-ヘテロアリール)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロアリール-アミノ」という用語は、式-NH-ヘテロアリールのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヘテロシクリル-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-ヘテロシクリル)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヘテロシクリル-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-ヘテロシクリル)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヘテロシクリル-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-ヘテロシクリル)2のラジカルを指す。
【0049】
本明細書で使用されている、「(ヘテロシクリル-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-ヘテロシクリル)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-アミノ」という用語は、式-NH-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヘテロシクリル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(ヘテロシクリル)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-カルボニル」という用語は、式-C(O)-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-カルボニル-オキシ」という用語は、式-O-C(O)-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヘテロシクリル-オキシ」という用語は、式-O-ヘテロシクリルのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ」という用語は、式-OHのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ-C1-4アルコキシ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-O-C1-4アルキル-OHのラジカルを指す。
【0050】
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-OHのラジカルを指し、C1-4アルキルが、利用できる価数により可能であれば、1個または複数のヒドロキシラジカルで部分的に、または完全に置換される。
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-OHのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-OH)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-OH)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-OHのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-OH)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル」という用語は、式-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-OH)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-OHのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-OH)2のラジカルを指す。
【0051】
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルコキシ」という用語は、式-O-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-OH)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「ヒドロキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-OHのラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル)2-アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-OH)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-OH)2のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル-アミノ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-NH-C1-4アルキル-OH)のラジカルを指す。
【0052】
本明細書で使用されている、「[(ヒドロキシ-C1-4アルキル)2-アミノ-C1-4アルキル](C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)[C1-4アルキル-N(C1-4アルキル-OH)2]のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「(ヒドロキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル-アミノ」という用語は、式-NH-C1-4アルキル-N(C1-4アルキル,C1-4アルキル-OH)のラジカルを指す。
本明細書で使用されている、「[(ヒドロキシ-C1-4アルキル)(C1-4アルキル)アミノ-C1-4アルキル](C1-4アルキル)アミノ」という用語は、式-N(C1-4アルキル)[C1-4アルキル-N(C1-4アルキル)(C1-4アルキル-OH)]のラジカルを指す。
【0053】
本明細書で使用されている「置換基」という用語は、指定された原子上の1つまたは複数の水素に置き換わる、指定された原子位置で置換されるコア分子の原子上における位置可変要素を意味するが、但し、指定された原子の通常の価数を超えず、置換により安定な化合物が生じることを条件とする。置換基および/または可変要素の組合せは、そのような組合せにより安定な化合物が生じる場合にのみ許容される。当業者は、本明細書で記載されている、または示されている、満たされていないと思われる価数を有する任意の炭素ならびにヘテロ原子が、記載されている、または示されている価数を満たすのに十分な水素原子を有すると推測されることに留意すべきである。ある例では、付着点として二重結合(例えば、「オキソ」または「=O」)を有する1つまたは複数の置換基は、本明細書で置換基内に記載され得、示され得、または列挙され得、構造は、式(I)のコア構造への付着点として単結合のみを示し得る。そのような置換基に対しては、単結合のみが示されていても、二重結合が意図されることを当業者は理解する。
【0054】
本明細書で使用されている「など」という用語は、本明細書で示される化学用語の定義に関して、当業者により予想できる化学構造における変形が、以下に限定されないが、異性体(鎖、分岐または位置構造異性体を含む)、環系の水和(単環式、二環式または多環式環構造の飽和または部分的不飽和を含む)、および利用できる価数により可能であれば、安定な化合物を生じる他の変形すべてを含むことを意味する。
本明細書の目的に関して、式(I)の化合物、またはその形態に対する1つまたは複数の置換基可変要素は、式(I)の化合物に組み込まれている官能基を包含する場合、開示されている化合物内の任意の場所に現れる各官能基は、独立して選択され得、必要に応じて、独立して置換され得、かつ/または置換されてもよい。
【0055】
本明細書で使用されている、「独立して選択される」または「それぞれ選択される」という用語は、式(I)の構造上に1回超発生し得、それぞれの発生における置換パターンは、いずれか他の発生におけるパターンとは関係ない置換基リスト中の官能基可変要素を指す。さらに、本明細書に記載されている化合物に対する任意の式または構造における一般的な置換基可変要素の使用は、特定の属内に含まれる種の置換基を用いた一般的な置換基の置き換えを含み、例えば、アリールは、フェニルまたはナフタレニルなどで置き換えられ得、生じた化合物は、本明細書に記載されている化合物の範囲内に含まれることになると理解される。
【0056】
本明細書で使用されている「の各例」または「存在する場合、各例では」という用語は、例えば、「...C3-14シクロアルキル、C3-14シクロアルキル-C1-4アルキル、アリール、アリール-C1-4アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール-C1-4アルキル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリル-C1-4アルキル」という語句に先行して使用される場合、それぞれが単体で、または置換基として存在すればC3-14シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクリル環系を指すよう意図されている。
本明細書で使用されている「置換されてもよい」という用語は、特定の置換基可変要素、基、ラジカルまたは部分を用いた任意の置換を意味する。
【0057】
化合物形態
本明細書で使用されている「形態」という用語は、その遊離酸、遊離塩基、プロドラッグ、塩、水和物、溶媒和物、包摂化合物、アイソトポログ、ラセミ化合物、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、立体異性体、多形体および互変異性体形態からなる群から選択される形態を有する式(I)の化合物を意味する。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その遊離酸、遊離塩基または塩である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その塩である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、そのアイソトポログである。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その立体異性体、ラセミ化合物、鏡像異性体またはジアステレオ異性体である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、その互変異性体である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物の形態は、医薬として許容できる形態である。
本明細書に記載されているある態様では、式(I)の化合物、またはその形態は、使用するために単離される。
【0058】
本明細書で使用されている「単離される」という用語は、合成プロセスから(例えば、反応混合物から)、または、本明細書に記載されている、もしくは当業者に周知の単離もしくは精製プロセス(例えば、クロマトグラフィー、再結晶化)に従って、天然供給源もしくはその組合せから、本明細書に記載されている、または当業者に周知の標準的分析技術により特徴付けられるのに十分な純度で、単離および/もしくは精製した後における、式(I)の化合物、もしくはその形態の物理的状態を意味する。
【0059】
本明細書で使用されている「保護される」という用語は、式(I)の化合物、またはその形態における官能基が、化合物に反応を施した際に、保護された部位での望ましくない副反応を除外するように修飾された形態を意味する。適切な保護基は、当業者、ならびに標準的なテキストブック、例えば、T.W. Greene et al, Protective Groups in organic Synthesis (1991), Wiley, New Yorkの参照により把握される。そのような官能基は、ヒドロキシ、フェノール、アミノおよびカルボン酸を含む。ヒドロキシまたはフェノールに適切な保護基は、トリアルキルシリルまたはジアリールアルキルシリル(例えば、t-ブチルジメチルシリル、t-ブチルジフェニルシリルまたはトリメチルシリル)、テトラヒドロピラニル、ベンジル、置換ベンジル、メチル、メトキシメタノールなどを含む。アミノ、アミジノおよびグアニジノに適切な保護基は、t-ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルなどを含む。カルボン酸に適切な保護基は、アルキル、アリールまたはアリールアルキルエステルを含む。ある例では、保護基は、ポリマー樹脂、例えばWang樹脂または塩化2-クロロトリチル樹脂でもあり得る。保護基は、当業者に周知であり、本明細書に記載されている標準的技術に従って、加えても除去してもよい。本明細書に記載されている化合物のそのような保護誘導体は、それ自体は薬理学的活性を所有しないことがあるが、これらは、対象に投与され、その後体内で代謝されて、薬理学的に活性な、本明細書に記載されている化合物を形成できることも当業者により認識される。そのような誘導体は、したがって、「プロドラッグ」として記載されていることがある。本明細書に記載されている化合物のすべてのプロドラッグは、本明細書に記載されている使用の範囲内に含まれる。
【0060】
本明細書で使用されている「プロドラッグ」という用語は、in vivoで変換されて、式(I)の活性化合物、またはその形態が得られる本化合物(例えば、薬物前駆体)の形態を意味する。変換は、様々な機構により(例えば、代謝および/または非代謝化学プロセスにより)例えば、加水分解と/あるいは、血液、肝臓ならびに/または他の器官および組織における代謝により、発生し得る。プロドラッグの使用の考察は、T. Higuchi and W. Stella, "Pro-drugs as Novel Delivery Systems," Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、ならびにBioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987により示されている
【0061】
一例では、式(I)の化合物、またはその形態が、カルボン酸官能基を含有する場合、プロドラッグは、酸性基の水素原子を官能基、例えばアルキルで置き換えることにより形成されるエステルを含み得る。別の例では、式(I)の化合物、またはその形態が、ヒドロキシル官能基を含有する場合、プロドラッグ形態は、ヒドロキシルの水素原子を、別の官能基、例えばアルキル、アルキルカルボニルまたはホスホン酸エステルで置き換えることにより調製され得る。別の例では、式(I)の化合物、またはその形態が、アミン官能基を含有する場合、プロドラッグ形態は、1個または複数のアミン水素原子を、官能基、例えばアルキルまたは置換カルボニルで置き換えることにより調製され得る。式(I)の化合物、またはその形態の医薬として許容できるプロドラッグは、適切であれば、以下の基、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、アミノ酸エステル、ホスホン酸エステルおよび一、二もしくは三リン酸エステルまたはアルキル置換基の1つまたは複数で置換される化合物を含む。本明細書に記載されているように、そのような置換基の1つまたは複数を使用して、式(I)の化合物、またはその形態をプロドラッグとして得られることは、当業者により理解される。
【0062】
本明細書に記載されている1つまたは複数の化合物は、非溶媒和形態、ならびに、医薬として許容できる溶媒、例えば水、エタノールとの溶媒和形態に存在し得、本明細書の記載は、溶媒和形態および非溶媒和形態の両方を含むよう意図されている。
本明細書で使用されている「溶媒和物」という用語は、本明細書に記載されている化合物と、1つまたは複数の溶媒分子の物理的会合を意味する。この物理的会合は、水素結合を含む、様々な程度のイオン結合および共有結合に関与する。ある例では、溶媒和物は、例えば1つまたは複数の溶媒分子が、結晶性固体の結晶格子に組み込まれる場合、単離することが可能である。本明細書で使用されている「溶媒和物」は、溶液相および単離可能な溶媒和物の両方を包含する。適切な溶媒和物の非限定的な例は、エタノレート、メタノレートなどを含む。
本明細書で使用されている「水和物」という用語は、溶媒分子が水である溶媒和物を意味する。
【0063】
式(I)の化合物は、本明細書の範囲内に含まれるよう意図されている塩を形成できる。本明細書における式(I)の化合物、またはその形態への言及は、別段指示がない限り、その塩の形態への言及を含むことが理解される。本明細書で用いられる「塩」という用語は、無機および/または有機酸で形成される酸性塩、ならびに、無機および/または有機塩基で形成される塩基性塩を表す。さらに、式(I)の化合物、またはその形態が、塩基部分、例えば、以下に限定されないがアミン部分、および酸性部分、例えば、以下に限定されないがカルボン酸の両方を含有する場合、双性イオン(「内部塩」)が形成され得、本明細書で使用されている「塩」という用語内に含まれる。
【0064】
本明細書で使用されている「医薬として許容できる塩」という用語は、哺乳動物における使用に関して、安全かつ有効な(すなわち、非毒性で生理学的に許容できる)、また、生物学的活性を所有する本明細書に記載されている化合物の塩を意味するが、他の塩も有用である。式(I)の化合物の塩は、例えば媒体中、例として塩が沈殿する媒体中、または水性媒体中で、式(I)の化合物、またはその形態と、一定量、例えば対応量の酸または塩基を反応させ、続いて凍結乾燥させることにより形成され得る。
【0065】
医薬として許容できる塩は、本明細書に記載されている化合物に存在する、酸性基または塩基性基の1つまたは複数の塩を含む。酸付加塩の詳細な態様は、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物塩、酪酸塩、塩化物塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチジン酸塩、グルコン酸塩、グルクロネート(glucaronate)、グルタミン酸塩、ヨウ化物塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、プロピオン酸塩、糖酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩(トシル酸塩としても公知)、トリフルオロ酢酸塩などを含み、それらに限定されない。酸付加塩のある詳細な態様は、塩化物または二塩化物を含む。
【0066】
さらに、塩基性の医薬品化合物から医薬として有用な塩の形成に、一般的に適していると考えられる酸は、例えば、P. Stahl et al, Camille G. (eds.) Handbook of Pharmaceutical Salts. Properties, Selection and Use. (2002) Zurich: Wiley-VCH、S. Berge et al, Journal of Pharmaceutical Sciences (1977) 66(1) 1-19、P. Gould, International J. of Pharmaceutics (1986) 33, 201-217、Anderson et al, The Practice of Medicinal Chemistry (1996), Academic Press, New Yorkにより、またThe Orange Book (Food & Drug Administration, Washington, D.C. on their website)で論じられている。これらの開示は、それらを参照することにより本明細書に組み込む。
【0067】
適切な塩基性塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛塩を含むが、それらに限定されない。
そのような酸塩および塩基塩のいずれも、本明細書に記載されている医薬として許容できる塩の範囲内に含まれるよう意図されている。さらに、そのような酸性塩および塩基塩のいずれも、この説明の目的では、対応する化合物の遊離形態に等しいと考えられる。
式(I)の化合物およびその形態は、さらに互変異性形態で存在し得る。そのような互変異性形態はいずれも、本明細書に記載されている式(I)の化合物、またはその形態の範囲内に含まれることが想定され、意図されている。
式(I)の化合物、またはその形態は、不斉またはキラル中心を含有し得、したがって、異なる立体異性形態として存在する。本明細書は、式(I)の化合物の立体異性形態すべて、ならびに、ラセミ混合物を含むそれらの混合物を含むよう意図されている。
【0068】
本明細書に記載されている化合物は、1つまたは複数のキラル中心を含み得、それ自体が、ラセミ混合物(R/S)として、または、実質的に純粋な鏡像異性体およびジアステレオ異性体として存在し得る。化合物は、実質的に純粋な(R)または(S)鏡像異性体としても存在し得る(キラル中心が1つ存在する場合)。詳細な一態様では、本明細書に記載されている化合物は、(S)異性体であり、実質的に(S)異性体のみを含む鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。別の詳細な態様では、本明細書に記載されている化合物は、(R)異性体であり、実質的に(R)異性体のみを含む鏡像異性的に純粋な組成物として存在し得る。当業者が把握するように、1つ超のキラル中心が存在する場合、本明細書に記載されている化合物は、IUPAC命名法勧告により定義されている(R,R)、(R,S)、(S,R)または(S,S)異性体としても存在し得る。
本明細書で使用されている「実質的に純粋」という用語は、単一の異性体が90%以上の量で、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、または100%に等しい量で、実質的に単一の異性体からなる化合物を指す。
本明細書の一態様では、式(I)の化合物、またはその形態は、90%以上の量で、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、または100%に等しい量で存在する実質的に純粋な(S)鏡像異性体形態である。
本明細書の一態様では、式(I)の化合物、またはその形態は、90%以上の量、92%以上の量で、95%以上の量で、98%以上の量で、99%以上の量で、または100%に等しい量で存在する実質的に純粋な(R)鏡像異性体形態である。
本明細書で使用されている「ラセミ化合物」は、「鏡像異性的に純粋」ではない任意の等軸形態の混合物であり、例えば、以下に限定されないが、約50/50、約60/40、約70/30または約80/20の比の混合物を含む。
【0069】
さらに、本明細書は、幾何学および位置異性体すべてを含む。例えば、式(I)の化合物、またはその形態が、二重結合または縮合環を組み込む場合、cis-およびtrans-形態の両方、ならびに混合物は、本説明の範囲内に含まれる。ジアステレオ異性体混合物は、それらの物理化学的な差異に基づいて、当業者に公知の方法により、例えば、クロマトグラフィーおよび/または分別結晶により、個々のジアステレオ異性体に分離され得る。鏡像異性体は、キラルHPLCカラム、または当業者に公知の他のクロマトグラフィー法を使用することにより分離され得る。鏡像異性体は、適切な光学活性化合物(例えば、キラル助剤、例としてキラルアルコールまたはモッシャー酸塩化物)との反応、ジアステレオ異性体の分離、および個々のジアステレオ異性体の対応する純粋鏡像異性体への変換(例えば、加水分解)により、鏡像異性体混合物をジアステレオ異性体混合物に変換することによっても分離できる。また、式(I)の化合物のいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換ビアリール)であり得、本明細書の一部と考えられる。
【0070】
本化合物のすべての立体異性体(例えば、幾何異性体、光学異性体)(化合物の塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグ、ならびにプロドラッグの塩、溶媒和物およびエステルのそれらを含む)、例えば、鏡像異性形態(不斉炭素なしでさえも存在し得る)、回転異性形態、アトロプ異性体およびジアステレオ異性形態を含む、様々な置換基上の不斉炭素により存在し得るものは、位置異性体(例えば、4-ピリジルおよび3-ピリジル)のように、本明細書の範囲内と想定される。本明細書に記載されている化合物の個々の立体異性体は、例えば、実質的に他の異性体を含み得ない、または、上で説明されているラセミ混合物で存在し得る。
「塩」、「溶媒和物」、「エステル」、「プロドラッグ」などという用語の使用は、本化合物の鏡像異性体、立体異性体、回転異性体、互変異性体、位置異性体、ラセミ化合物またはアイソトポログの塩、溶媒和物、エステルおよびプロドラッグに等しく適用されるよう意図されている。
【0071】
「アイソトポログ」という用語は、本明細書に記載されている同位体濃縮された化合物を指し、1個または複数の原子が、自然に通常見出される原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられていることを除いて、本明細書で挙げられているものと同一である。本明細書に記載されている化合物中に組み込まれ得る同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば、それぞれ2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、35Clおよび36Clを含み、これらのそれぞれも、この説明の範囲内である。
【0072】
本明細書に記載されている同位体濃縮したある化合物(例えば、3Hおよび14Cで標識されたもの)は、化合物および/または基質組織分布アッセイにおいて有用である。三重水素(すなわち、3H)および炭素-14(すなわち、14C)同位体は、調製の容易さおよび検出可能性で特に好ましい。さらに、より重い同位体、例えば重水素(すなわち、2H)での置換は、代謝安定性の高さに由来するある治療利点(例えば、in vivo半減期の増加または必要な投与量の減少)が得られるので、ある状況で好ましくなり得る。
式(I)の化合物、ならびに、式(I)の化合物の塩、溶媒和物、水和物、エステルおよびプロドラッグの多形結晶性形態および非晶質形態は、さらに、本明細書に含まれるよう意図されている。
【0073】
化合物の使用
本明細書の意図されている範囲によれば、本明細書の態様は、選択的にHDを防止、処置または寛解する際に有用と特定され、実証されており、HDを防止、処置または寛解するのに使用するために示されている化合物を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを防止、処置または寛解するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを防止するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを寛解するための方法を含む。
【0074】
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、もしくはその形態、または組成物を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物、もしくはその形態、または組成物、それを使用する方法を含む。
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物塩、またはその形態もしくは組成物、それを使用する方法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための式(I)の化合物、またはその形態、その使用を含む。
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象におけるHDを処置または寛解するための式(I)の化合物塩、またはその形態、その使用を含む。
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための医薬の製造における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、有効量の医薬を対象に投与するステップを含む、使用を含む。
【0075】
本明細書の別の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための医薬の製造における、式(I)の化合物塩、またはその形態の使用であって、有効量の医薬を対象に投与するステップを含む、使用を含む。
本明細書の態様は、HDに対する活性を有する式(I)の化合物、またはその形態のin vitroまたはin vivoでの使用を含む。
本明細書の態様は、付加的または相乗的活性を提供することによって、HDを処置または寛解するための組合せ製品の開発を可能にするための、式(I)の化合物、またはその形態の併用療法における使用を含む。
本明細書の別の態様は、本明細書に記載されている化合物を、HDが公知の薬物に反応するか否かに関係なく、HDを処置するために使用され得る1つもしくは複数の公知の薬物、または1つもしくは複数の公知の治療法と組み合わせて含む併用療法を含む。
本明細書の態様は、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の作用剤と組み合わせて、対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための、1つまたは複数の治療剤、それとの組合せ製品での式(I)の化合物、またはその形態の使用を含む。
本明細書の別の態様は、有効量の式(I)の化合物塩、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の作用剤と組み合わせて対象に投与するステップを含む、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための1つまたは複数の治療剤、それとの組合せ製品での式(I)の化合物塩、またはその形態の使用を含む。
【0076】
本明細書で提供される使用または方法のある態様では、1つまたは複数の追加の作用剤と組み合わせて使用される式(I)の化合物、またはその形態は、対象もしくは患者に投与するステップ、または、細胞と追加の作用剤を接触させるステップの前に、それと同時にまたは後で、対象に投与してもよいし、または、対象もしくは患者の細胞と接触させてもよい。式(I)の化合物またはその形態、および追加の作用剤は、単一の組成物または別の組成物で対象に投与してもよいし、または細胞と接触させてもよい。特定の態様では、式(I)の化合物またはその形態は、HTT発現を阻害する(例えば、ウイルス送達ベクターを使用する)遺伝子治療と、または、別の小分子HTT阻害剤の投与と組み合わせて使用される。別の特定の態様では、式(I)の化合物またはその形態は、分化した非変異HTT幹細胞を使用する細胞の置き換えと組み合わせて使用される。別の特定の態様では、式(I)の化合物またはその形態は、分化したHTT幹細胞を使用する細胞の置き換えと組み合わせて使用される。
一態様では、緩和ケアを含むケア療法の支持的標準と組み合わせた、式(I)の化合物、またはその形態の使用が本明細書で提供される。
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するためのキットの調製における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、キットは、式(I)の化合物、またはその形態、および有効量の式(I)の化合物、またはその形態を投与するための指導を含む、使用を含む。
【0077】
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するためのキットの調製における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、キットは、式(I)の化合物、またはその形態、および有効量の式(I)の化合物、またはその形態を投与するための指導を含み、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の治療剤との組合せ製品として対象に投与するための指導を含んでもよい、使用を含む。
【0078】
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するためのキットの調製における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、キットは、式(I)の化合物、またはその形態、および有効量の式(I)の化合物、またはその形態を投与するための指導を含み、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の治療剤との組合せ製品として対象に投与するための指導を含んでもよく、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を、有効量の1つまたは複数の治療剤との組合せ製品として、ケア支持療法の標準との併用療法において、対象に投与するための指導を含んでもよく、ケア支持療法の標準が緩和的ケアである、使用を含む。
【0079】
一態様では、そのような態様のそれぞれで、対象は未処置である。別の観点では、そのような態様のそれぞれで、対象は未処置ではない。
本明細書で使用されている「防止すること」という用語は、疾患、障害および/または状態にかかりやすい素因を有し得るが、まだ疾患、障害および/または状態を有すると診断されていない対象において、疾患、障害または状態が発生しないようにすることを指す。
本明細書で使用されている「処置すること」という用語は、既に疾患、障害および/または状態の症状を呈する対象において、疾患、障害または状態の進展を阻害すること、すなわち、既に対象に影響を与えている疾患、障害および/または状態の発現を停止することを指す。
【0080】
本明細書で使用されている「寛解すること」という用語は、既に疾患、障害および/または状態の症状を呈する対象において、疾患、障害または状態の症状を軽減すること、すなわち、既に対象に影響を与えている疾患、障害および/または状態の退縮を引き起こすことを指す。
本明細書で使用されている「対象」という用語は、感覚および随意運動の力を有し、酸素および有機食物を必要とする動物またはある生体を指す。非限定的な例は、ヒト、霊長類、ウマ科、ブタ科、ウシ科、ハツカネズミ属、クマネズミ属、イヌ科およびネコ科種のメンバーを含む。ある態様では、対象は、哺乳動物または温血脊椎動物である。他の態様では、対象はヒトである。本明細書で使用されている「患者」という用語は、「対象」および「ヒト」と互換的に使用され得る。
【0081】
本明細書で使用されている、「有効量」または「治療有効量」という用語は、本明細書に記載されているHDの処置または寛解に有効な標的血漿中濃度を達成し、その結果望ましい治療、寛解、阻害または防止効果を必要とする対象において、それを生じる、式(I)の化合物、もしくはその形態、組成物または医薬の量を意味する。一態様では、有効量は、対象または患者、より具体的にはヒトにおけるHDの処置に必要とされる量であり得る。
【0082】
別の態様では、式(I)の化合物、またはその形態に関して観察された濃度と生物学的効果の関係は、およそ0.001μg/mL~およそ50μg/mL、およそ0.01μg/mL~およそ20μg/mL、およそ0.05μg/mL~およそ10μg/mLまたはおよそ0.1μg/mL~およそ5μg/mLに及ぶ標的血漿中濃度を指し示す。そのような血漿中濃度を達成するために、本明細書に記載されている化合物は、例えば、1.0ng~10.000mgで変化する用量で投与され得るが、それに限定されない。
【0083】
一態様では、有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、対象または患者に固有の要因に基づいて投与され得、質量に対して投与される用量は、約0.001mg/kg/日~約3500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約3000mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約2500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約2000mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約1500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約1000mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約500mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約250mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約200mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約150mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約100mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約50mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約25mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約10mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約5mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約1mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約0.5mg/kg/日、または約0.001mg/kg/日~約0.1mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約3500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約3000mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約2500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約2000mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約1500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約1000mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約500mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約250mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約200mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約150mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約100mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約50mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約25mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約10mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約5mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約1mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約0.5mg/kg/日、または約0.01mg/kg/日~約0.1mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約3500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約3000mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約2500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約2000mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約1500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約1000mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約500mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約250mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約200mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約150mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約100mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約75mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約50mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約25mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約10mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約5mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約1mg/kg/日、または約0.1mg/kg/日~約0.5mg/kg/日の範囲になり得る。
【0084】
所定の対象に対する有効量は、対象に関連した要因を踏まえ、臨床家または当業者の技術および判断の範囲内である日常的実験により判定され得る。用法用量は、活性剤のレベルを十分にするために、または望ましい効果を維持するために調整され得る。考慮され得る要因は、遺伝子スクリーニング、疾患状態の重症度、疾患進展のステータス、対象の全般的健康、民族性、年齢、体重、性、食事、投与の時刻および回数、薬物の組合せ、反応感受性、他の治療法の経験、および治療に対する耐性/反応を含む。
【0085】
有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、1日に1回(およそ24時間に1回、すなわち、「q.d.」)、2回(およそ12時間に1回、すなわち、「b.i.d.」または「q.12h」)、3回(およそ8時間に1回、すなわち、「t.i.d.」または「q.8h」)または4回(およそ6時間に1回、すなわち、「q.d.s.」、「q.i.d.」または「q.6h」)、経口的に投与され得る。
【0086】
ある態様では、有効な標的血漿中濃度を達成するために投与される用量は、約40~約200kgの範囲の体重を有する患者または対象(用量は、この範囲を超える、または下回る患者または対象、特に40kgに達しない小児に調整できる)に対し、単回、分割、または連続投与でも投与され得る。典型的な成人対象は、約70kgの範囲の体重の中央値を有すると予想される。長時間作用医薬組成物は、特定の製剤の半減期およびクリアランス速度に応じて、2、3または4日間おき、1週おきに1回、または2週おきに1回に投与され得る。
本明細書に記載されている化合物および組成物は、当業界で公知の任意の薬物送達経路を経由して、対象に投与され得る。非限定的な例は、経口、眼、直腸、バッカル、局所、経鼻、舌下、経皮、皮下、筋肉内、静脈内(ボーラスおよび注射)、脳内および肺経路の投与を含む。
【0087】
別の態様では、投与される用量は、本明細書に記載されている剤形に基づいて調整され得、約0.02、0.025、0.03、0.05、0.06、0.075、0.08、0.09、0.10、0.20、0.25、0.30、0.50、0.60、0.75、0.80、0.90、1.0、1.10、1.20、1.25、1.50、1.75、2.0、3.0、5.0、10、20、30、40、50、100、150、200、250、300、400、500、1000、1500、2000、2500、3000または4000mg/日で送達するように製剤化される。
【0088】
ある化合物では、有効量は、最初に、細胞培養アッセイまたは関連性がある動物モデル、例えばマウス、モルモット、チンパンジー、マーモセットまたはタマリン動物モデルで評価され得る。関連性がある動物モデルは、適切な濃度範囲および投与経路を判定するためにも使用され得る。そのような情報は、次いで、ヒトにおける有用な用量および投与経路を判定するために使用され得る。治療効能および毒性は、細胞培養または実験動物における標準的な医薬手順、例えば、ED50(集団の50%において治療的に有効な用量)およびLD50(集団の50%において致死的な用量)により判定され得る。治療効果と毒性効果との間の用量比が治療指数であり、比LD50/ED50として表現できる。ある態様では、有効量は、高い治療指数が達成されるようにする。さらなる詳細な態様では、投与量は、毒性がほとんどない、またはないED50を含む循環濃度の範囲内である。投与量は、用いられる剤形、患者の感受性および投与経路に応じて、この範囲内で変化することがある。
【0089】
一態様では、ヒト細胞と式(I)の化合物、またはその形態を接触させるステップを含む、HTT(ハンチンチンタンパク質)の量を調節するための方法が本明細書で提供される。特定の態様では、ヒト細胞と、HTTの発現を調節する式(I)の化合物、またはその形態を接触させるステップを含む、HTTの量を調節するための方法が本明細書で提供される。ヒト細胞は、式(I)の化合物、またはその形態と、in vitroまたはin vivoで、例えば、ヒト以外の動物またはヒトにおいて接触させることができる。特定の態様では、ヒト細胞は、ヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の特定の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の特定の態様では、ヒト細胞は、Htt遺伝子におけるCAG反復によって引き起こされ、HTT発現および/または機能の欠失が生じたHDを有するヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒトに由来するものである。別の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒト内のものである。一態様では、化合物は、式(I)の化合物の形態である。
【0090】
特定の態様では、ヒト細胞と式(I)の化合物、またはその形態を接触させるステップを含む、Htt遺伝子から転写される変異HTTの阻害を向上させるための方法が、本明細書で提供される。ヒト細胞は、式(I)の化合物、またはその形態と、in vitroまたはin vivoで、例えば、ヒト以外の動物またはヒトにおいて接触させることができる。特定の態様では、ヒト細胞は、ヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の特定の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の特定の態様では、ヒト細胞は、Htt遺伝子におけるCAG反復によって引き起こされ、野生型の「通常」HTT発現および/または機能の欠失が生じたHDを有するヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒトに由来するものである。別の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒト内のものである。一態様では、化合物は、式(I)の化合物の形態である。
別の態様では、式(I)の化合物、またはその形態を、HDに対するヒト以外の動物モデルに投与するステップを含む、Htt遺伝子から転写される変異HTTの阻害を調節するための方法が、本明細書で提供される。特定の態様では、式(I)の化合物、またはその形態を、HDに対するヒト以外の動物モデルに投与するステップを含む、Htt遺伝子から転写される変異HTTの阻害を調節するための方法が本明細書で提供される。特定の態様では、化合物は、式(I)の化合物の形態である。
【0091】
別の態様では、ヒト細胞と、式(I)の化合物、またはその形態を接触させるステップを含む、変異HTTの量を減少させるための方法が本明細書で提供される。特定の態様では、ヒト細胞と、Htt遺伝子から変異HTT(ハンチンチンmRNA)の転写を阻害する式(I)の化合物を接触させるステップを含む、変異HTTの量を減少させるための方法が本明細書で提供される。別の特定の態様では、ヒト細胞と、Htt遺伝子から転写される変異HTTの発現を阻害する式(I)の化合物を接触させるステップを含む、HTTの量を減少させるための方法が本明細書で提供される。ヒト細胞は、式(I)の化合物、またはその形態と、in vitroまたはin vivoで、例えば、ヒト以外の動物またはヒトにおいて接触させることができる。特定の態様では、ヒト細胞は、ヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の特定の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の特定の態様では、ヒト細胞は、Htt遺伝子におけるCAG反復によって引き起こされ、HTT発現および/または機能の欠失が生じたHDを有するヒトに由来するもの、またはヒト内のものである。別の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒトに由来するものである。別の態様では、ヒト細胞は、HDを有するヒト内のものである。一態様では、化合物は、式(I)の化合物の形態である。
【0092】
ある態様では、式(I)の化合物、またはその形態(単体で、または、追加の作用剤と組み合わせて)でHDを処置または寛解することは、治療効果および/または有益な効果を有する。特定の態様では、式(I)の化合物、またはその形態(単体で、または、追加の作用剤と組み合わせて)でHDを処置することは、以下、(i)HDの重症度を低下または寛解する、(ii)HDの発症を遅延させる、(iii)HDの進展を阻害する、(iv)対象の入院を減少させる、(v)対象の入院の長さを短縮する、(vi)対象の生存を増加させる、(vii)対象のクオリティオブライフを改善する、(viii)HDに関連する症状の数を減少させる、(ix)HDに関連する症状の重症度を低下または寛解する、(x)HDに関連する症状の持続時間を低下させる、(xi)HDに関連する症状の再発を防止する、(xii)HDの症状が発現または発症するのを阻害する、かつ/または(xiii)HDに関連する症状の進展を阻害する効果の1つ、2つまたはそれ超を生じる。
【0093】
代謝産物
本明細書の範囲内に含まれる別の態様は、本明細書に記載されている化合物のin vivo代謝産物の使用である。そのような生成物は、例えば、投与される化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、エステル化から、主に酵素的プロセスにより生じ得る。したがって、本明細書は、本明細書に記載されている化合物と、哺乳類の組織または哺乳動物を、その代謝産物を得るのに十分な期間接触させるステップを含むプロセスにより生成された化合物の使用を含む。
【0094】
そのような生成物は、典型的には、本明細書に記載されている化合物の放射性標識されたアイソトポログ(例えば、14Cまたは3H)を調製すること、放射性標識された化合物を、検出可能な用量(例えば、約0.5mg/kg超)で、哺乳動物、例えばラット、マウス、モルモット、イヌ、サルまたはヒトに投与すること、代謝が発生するのに十分な時間(典型的には約30秒~約30時間)をもたせること、および、尿、胆汁、血液または他の生体試料からの代謝変換生成物を同定することにより、同定される。変換生成物は、同位体濃縮されることによって「放射性標識されている」ので、容易に単離される(代謝産物に残存する抗原決定基に結合することが可能な抗体の使用により単離されるものもある)。代謝産物構造は、従来の手法で、例えば、MSまたはNMR分析により判定される。一般に、代謝産物の分析は、当業者に周知の従来の薬物代謝研究と同じようになされる。変換生成物は、in vivoで特に見出されない限り、それ自体が生物学的活性を所有していないとしても、本明細書に記載されている化合物の治療投薬に対する診断アッセイに有用である。
【0095】
医薬組成物
本明細書の意図されている範囲によれば、本明細書の態様は、選択的にHDを防止、処置または寛解する際に有用と特定され、実証されており、HDを防止、処置または寛解するための1つまたは複数の医薬組成物として使用するために示されている化合物を含む。
【0096】
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するための医薬組成物の調製における、式(I)の化合物、またはその形態の使用であって、1つまたは複数の医薬として許容できる賦形剤と混和した式(I)の化合物、またはその形態の有効量を対象に投与するステップを含む、使用を含む。
本明細書の態様は、それを必要とする対象においてHDを処置または寛解するためのキットの調製における、式(I)の化合物、またはその形態の医薬組成物の使用であって、キットは、式(I)の化合物、またはその形態の医薬組成物、および医薬組成物を投与するための指導を含む、使用を含む。
本明細書で使用されている「組成物」という用語は、規定の原料を規定の量で含む生成物、ならびに、直接的または間接的に、規定の原料の規定の量での組合せから生じる任意の生成物を意味する。
医薬組成物は、約pH3~約pH11に及ぶ生理学的に適合可能なpHを達成するように製剤化され得る。ある態様では、医薬組成物は、pH約3~pH約7のpHを達成するように製剤化される。他の態様では、医薬組成物は、pH約5~pH約8のpHを達成するように製剤化される。
【0097】
「医薬として許容できる賦形剤」という用語は、医薬品、例えば本明細書に記載されている化合物を投与するための賦形剤を指す。この用語は、過度の毒性なしで投与され得る任意の医薬品賦形剤を指す。医薬として許容できる賦形剤は、投与される特定の組成物により、ならびに、特定の投与様式および/または剤形により、ある程度決定できる。医薬として許容できる賦形剤の非限定的な例は、担体、溶媒、安定剤、アジュバント、希釈剤などを含み、したがって、本明細書に記載されている本化合物に適切な医薬組成物の製剤は、幅広く存在する(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciencesを参照されたい)。
【0098】
適切な賦形剤は、ゆっくり代謝される大きい高分子、例えばタンパク質、ポリサッカリド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、重合アミノ酸、アミノ酸コポリマーおよび不活性抗体を含む担体分子であり得る。他の模範的な賦形剤は、アスコルビン酸のような抗酸化剤、EDTAのようなキレート剤、デキストリン、ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルメチルセルロース(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、HPMCとしても公知)、ステアリン酸のような炭水化物、油、水、生理食塩水、グリセロールおよびエタノールのような液体、湿潤剤または乳化剤、pH緩衝物質などを含む。リポソームも、医薬として許容できる賦形剤の定義内に含まれる。
本明細書に記載されている医薬組成物は、本明細書に記載されている使用目的に適している任意の形態で製剤化され得る。経口投与に適切な製剤は、固体、溶液、エマルションおよび懸濁液を含むが、肺投与に適切な吸入用製剤は、液体および粉末を含む。代替製剤は、シロップ、クリーム、軟膏、錠剤、および、投与前に生理学的に適合可能な溶媒で再構成できる凍結乾燥固体を含む。
【0099】
経口使用が意図されている場合、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性または油性懸濁液剤、非水性液剤、分散性散剤または粒剤(微細化粒子またはナノ粒子を含む)、エマルション剤、ハードまたはソフトカプセル剤、シロップ剤またはエリキシル剤が調製され得る。経口使用が意図されている組成物は、当技術分野に公知の、医薬組成物を製造する任意の方法に従って調製され得、そのような組成物は、嗜好される調製物を得るために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤を含む1つまたは複数の作用剤を含有し得る。
錠剤と共に使用するのに適している、医薬として許容できる賦形剤は、例えば、不活性希釈剤、例としてセルロース、炭酸カルシウムまたはナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはナトリウム、崩壊剤、例としてクロスカルメロースナトリウム、架橋ポビドン、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸、結合剤、例えばポビドン、デンプン、ゼラチンまたはアカシア、および潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸または滑石を含む。錠剤は、コーティングしなくてもよく、マイクロカプセル化を含む公知の技術によりコーティングして、胃腸管における崩壊および吸着を遅延させ、それにより、さらに長期間にわたり作用を持続させてもよい。例えば、時間遅延材料、例としてモノステアリン酸グリセリンまたはジステアリン酸グリセリルは、単体で、またはワックスと共に用いられ得る。
【0100】
経口使用のための製剤は、活性成分が、不活性固体希釈剤、例えばセルロース、ラクトース、リン酸カルシウムもしくはカオリンと混合されるハードゼラチンカプセル剤として、または、活性成分が、非水性または油性媒体、例えばグリセリン、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、落花生油、流動パラフィンもしくはオリーブ油と混合されるソフトゼラチンカプセル剤としても提示され得る。
他の態様では、本明細書に記載されている医薬組成物は、式(I)の化合物、またはその形態を、懸濁液の製造に適している1つまたは複数の医薬として許容できる賦形剤と混和して含む懸濁液剤として製剤化され得る。さらに他の態様では、本明細書に記載されている医薬組成物は、1つまたは複数の賦形剤を添加することにより懸濁液剤の調製に適している分散性散剤および粒剤として製剤化され得る。
【0101】
懸濁液剤に関連した使用に適している賦形剤は、懸濁剤、例えばナトリウム カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントガム、アカシアガム、分散剤または湿潤剤、例えば天然に存在するリン脂質(例えば、レシチン)、アルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えば、ステアリン酸ポリオキシエチレン)、エチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物(例えば、ヘプタデカエチレンオキシセタノール)、エチレンオキシドと、脂肪酸およびヘキシトール無水物に由来する部分エステルの縮合生成物(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート)、ならびに増粘剤、例えばカルボマー、ミツロウ、固形パラフィンまたはセチルアルコールを含む。懸濁液は、1つまたは複数の防腐剤、例えば酢酸、メチルおよび/またはn-プロピルp-ヒドロキシ-ベンゾエート、1つまたは複数の着色剤、1つまたは複数の香味剤、ならびに1つまたは複数の甘味剤、例えばスクロースまたはサッカリンも含有し得る。
【0102】
本明細書に記載されている医薬組成物は、水中油エマルションの形態でもあり得る。油相は、植物油、例えばオリーブ油もしくはラッカセイ油、鉱油、例えば流動パラフィン、またはこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤は、天然に存在するガム、例えばアカシアガムおよびトラガカントガム、天然に存在するリン脂質、例えばダイズレシチン、脂肪酸に由来するエステルまたは部分エステル、ヘキシトール無水物、例えばソルビタンモノオレエート、およびこれらの部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含む。エマルションは、甘味剤および香味剤も含有し得る。シロップ剤およびエリキシル剤は、甘味剤、例えばグリセロール、ソルビトールまたはスクロースと製剤化され得る。そのような製剤は、鎮痛剤、防腐剤、香味剤または着色剤も含有し得る。
【0103】
さらに、本明細書に記載されている医薬組成物は、滅菌された注入可能な調製物、例えば滅菌された注入可能な水性エマルション剤または油性懸濁液剤の形態であり得る。そのようなエマルション剤または懸濁液剤は、上で言及されている適切な分散剤または湿潤剤、および懸濁剤を使用する公知の技術に従って製剤化され得る。滅菌された注入可能な調製物は、非毒性の非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中における、滅菌された注入可能な液剤または懸濁液剤、例えば1,2-プロパンジオール中の溶液でもあり得る。滅菌された注入可能な調製物は、凍結乾燥粉末としても調製され得る。許容できるビヒクルおよび溶媒の中でも、水、リンガー溶液および等張塩化ナトリウム溶液が用いられ得る。さらに、滅菌された固定油は、溶媒または懸濁剤媒体として用いられ得る。この目的のために、合成モノ-またはジ-グリセリドを含む任意の無菌固定油も用いることができる。さらに、注入物質の調製において、脂肪酸、例えばオレイン酸も同じく使用できる。
【0104】
本明細書に記載されている化合物は、水中に実質的に不溶性であり得、大半の医薬として許容できるプロトン性溶媒および植物油中で難溶性であり得るが、一般的に、中鎖脂肪酸(例えば、カプリル酸およびカプリン酸)またはトリグリセリド中で、また、中鎖脂肪酸のプロピレングリコールエステル中で可溶性である。したがって、例えばエステル化、グリコシル化、PEG化により、化合物を送達により適しているようにする(例えば、溶解度、生物活性、嗜好性の向上、副作用の低下)、化学もしくは生化学部分の置換または付加により修飾されている化合物が本明細書で想定される。
【0105】
ある態様では、本明細書に記載されている化合物は、低溶解度化合物に適している脂質ベース組成物として経口投与用に製剤化される。脂質ベース製剤は、一般的に、そのような化合物の経口バイオアベイラビリティを向上させることができる。したがって、本明細書に記載されている医薬組成物は、中鎖脂肪酸またはそのプロピレングリコールエステル(例えば食用脂肪酸、例としてカプリルおよびカプリン脂肪酸のプロピレングリコールエステル)、および医薬として許容できる界面活性剤、例えばポリソルベート20もしくは80(それぞれTween(登録商標)20またはTween(登録商標)80とも呼ばれる)またはポリオキシル40水素化ヒマシ油から選択される少なくとも1つの医薬として許容できる賦形剤と共に、有効量の式(I)の化合物、またはその形態を含み得る。
他の態様では、低溶解度化合物のバイオアベイラビリティは、当業者に公知の技術を使用したナノ粒子またはナノ懸濁液の調製を含む、粒径の最適化技術を使用して向上できる。化合物形態は、非晶質、部分的に非晶質、部分的に結晶性または結晶形態を含むそのような調製物に存在する。
代替態様では、医薬組成物は、1つまたは複数の水溶解度向上剤、例えばシクロデキストリンをさらに含み得る。シクロデキストリンの非限定的な例は、α-、β-およびγ-シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グリコシル、マルトシルおよびマルトトリオシル誘導体、ならびにヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン(HPBC)を含む。ある態様では、医薬組成物は、約0.1%~約20%、約1%~約15%または約2.5%~約10%の範囲でHPBCをさらに含む。用いられる溶解度向上剤の量は、組成物中の化合物の量によって決められる。
【0106】
化合物の調製
一般的合成方法
本明細書で開示されているように、本明細書に記載されている式(I)の化合物、またはその形態を調製するための一般的方法は、周知の標準的な合成方法論によって利用できる。出発材料の多くは、市販されている、または入手できない場合は、当業者に公知の技術を使用した以下に記載されている経路を使用して調製できる。本明細書で示されている合成スキームは、複数の反応ステップを含み、そのそれぞれは独立し、いずれかの先行または後続するステップの有無を問わず実行できるよう意図されている。言い換えれば、単離に関して、本明細書で示されている合成スキームの個々の反応ステップそれぞれが想定される。
【0107】
スキームA
Bがヘテロシクリルであり、Xが、O、NHまたはNR
1bであり、R
1bが、C
1-4アルキルである式(I)の化合物は、以下のスキームAに記載されているように調製され得る。
【化5】
【0108】
化合物A1(W1およびW2は、独立して臭素、塩素などである)は、適切な溶媒(例えばDMF)中において、適切な塩基(例えばEt3N)の存在下で、第一級もしくは第二級アミン、またはアルコール(BXH)での求核性置換により化合物A2に変換される。あるいは、適切な溶媒、例えば1,4-ジオキサン)中において、適切な触媒(例えばRuPhos Pd G2)、および塩基(例えばナトリウムtert-ブトキシド)の存在下で、化合物A1は、第一級もしくは第二級アミン、またはアルコールとのクロスカップリングを経由して化合物A2に変換される。化合物A2は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd(dppf)Cl2)および塩基(例えばK2CO3水溶液)の存在下で、アリール-またはヘテロアリール-ボロン酸(またはピナコールホウ素エステル)との鈴木カップリングにより化合物A3に変換される。あるいは、化合物A2は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd2(dba)3)、リガンド(例えばX-Phos)および塩基(例えばCsF)の存在下で、アリール-またはヘテロアリール-スタンナンとのスティルカップリングにより、化合物A3に変換される。いかなる保護基も、適切な溶媒中(例えばジオキサン)において、適切な試薬(例えば、Boc保護基では、ジオキサン中のHCl)での処理の際に除去され得る。
【0109】
スキームB
(R
3)
nが、水素、ハロゲン、ヒドロキシまたはC
1-4アルコキシであり、nが、0または1であり、R
3が、ヘテロシクリル、ヘテロアリールまたはフェニルであり、Bがヘテロシクリルであり、Xが、O、NHまたはNR
1bであり、R
1bが、C
1-4アルキルである、式(I)の化合物は、以下のスキームBに記載されているように調製され得る。
【化6】
【0110】
化合物B1(W1およびW2は、独立して、臭素、塩素などである)は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd(dppf)Cl2)および塩基(例えばK2CO3水溶液)の存在下で、アリール-ボロン酸(またはピナコールホウ素エステル)B2(W3は、臭素、塩素などであり、(R3)nは、水素、ハロゲン、ヒドロキシまたはC1-4アルコキシであり、nは、0または1であり、PGは、保護基、例えばMOMである)との鈴木カップリングにより化合物B3に変換される。化合物B3は、適切な溶媒(例えばDMF)中において、適切な塩基(例えばEt3N)の存在下で、第一級もしくは第二級アミン、またはアルコール(BXH、Xは、O、NHまたはNR1bであり、R1bは、C1-4アルキルである)との求核性置換により化合物B4に変換される。あるいは、化合物B3は、適切な溶媒、例えば1,4-ジオキサン)中において、適切な触媒(例えばRuPhos Pd G2)および塩基(例えばナトリウムtert-ブトキシド)の存在下で、第一級もしくは第二級アミン、またはアルコールとのクロスカップリングを経由して、化合物B4に変換される。化合物B4は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd(dppf)Cl2)および塩基(例えばK2CO3水溶液)の存在下で、アリール-またはヘテロアリール-ボロン酸(またはピナコールホウ素エステル)との鈴木カップリングにより、化合物B5に変換される。あるいは、化合物B4は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd2(dba)3)、リガンド(例えばX-Phos)および塩基(例えばCsF)の存在下で、アリール-またはヘテロアリール-スタンナンとのスティルカップリングにより化合物B5に変換される。あるいは、化合物B4は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd(dppf)Cl2)の存在下で、ピナコラトジボロンおよび塩基(例えばKOAc)での処理、続いてアリール-またはヘテロアリール-ハロゲン化物の添加により、化合物B5に変換される。あるいは、化合物B4は、適切な溶媒(例えば1,4-ジオキサン)中において、触媒(例えばPd2(dba)3)、リガンド(例えばtBuX-Phos)および塩基(例えばK3PO4)の存在下で、ヘテロアリールまたはアミンとのバックワルド-ハートウィッグカップリングにより化合物B5に変換される。化合物B5は、適切な溶媒(例えばジオキサン)中において、保護基の除去に適切な条件(例えば、MOM保護基では、ジオキサン中のHCl)での処理の際に、化合物B6に変換される。
【0111】
スキームC
ステップ1および2の順序を逆にした以外は、一般的スキームBに記載されている一般的条件に従って、化合物C1は化合物C6に変換できる。
【化7】
【0112】
特定の合成例
より詳細に説明し、理解を補助するために、以下の非限定的な例は、本明細書に記載されている化合物の範囲をより詳しく例証するべく設けられており、その範囲を具体的に限定すると解釈されない。当業者が確認できる範囲内の現在公知であり得る、または後に開発され得る、本明細書に記載されている化合物のそのような変化は、本明細書に記載されている化合物の範囲内にあると考えられ、以下に請求されている。これらの例は、ある化合物の調製を例証する。当業者は、当業者により説明されるように、これらの例に記載されている技術が、合成の実践において正しく機能し、したがってその実践に好ましい様式を構成する技術を表すことを理解する。しかし、当業者は、本開示を踏まえ、開示されている具体的な方法において多くの変化を施すことができ、本明細書の精神および範囲から逸脱することなく、同様のまたは類似した結果をさらに得られると認識するものであると、認識されるべきである。
【0113】
具体化されている化合物の以下の例以外では、そうではないと指し示されていない限り、本明細書および特許請求の範囲で使用される原料の量、反応条件、実験データなどを表現するすべての数は、「約」という用語により修飾されると理解される。したがって、そのような数はすべて、反応により、または、様々な実験条件の結果として得ることが求められる、望ましい性質に応じて変化し得る近似値を表す。したがって、実験再現性の予想される範囲内で、生じたデータに関して「約」という用語は、データの範囲を指すが、但し、平均からの標準偏差に従って変化し得ることを条件とする。同様に、得られた実験結果について、生じたデータは、有効数字の損失なしで、当データに対する切り上げまたは切り下げを一貫して行ってよい。少なくとも、特許請求の範囲の範囲に対する等価物の原則の適用を限定するように企図せず、各数字パラメータは、当業者により使用される有効桁数および切り上げ技術を踏まえて、解釈されるべきである。
【0114】
本明細書の広い範囲を明記する数字の範囲およびパラメータ設定は近似値であるが、以下に明記されている例に明記されている数値は、できるだけ正確に報告されている。しかし、いずれの数値も、それぞれのテスト測定で見出される標準偏差から必ず生じる一定の誤差を本質的に含有する。
示されている例に使用される出発材料は、市販されている、または、当業者に公知の方法に従って調製できる、または、本明細書で開示されている手順により調製できる。
【0115】
化合物例
上で使用されているように、また、本明細書を通じて、以下の略語は、別段指示がない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【表3】
【0116】
出発材料の調製:4-(3-(メトキシメトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール
【化8】
【0117】
ステップ1:2-ブロモ-5-ヨードフェノール(54.9g、184mmol)を、0℃にてDMF(240mL)に溶解した。ナトリウムtert-五酸化物(THF中2.5M、90mL、230mmol)を滴下添加した。これを、添加が完了してから0℃にて15分撹拌した。クロロメチルメチルエーテル(18mL、225mmol)を30分かけて滴下添加した。混合物を周囲温度に温め、16時間撹拌した。混合物を1.5LのH2Oで希釈し、2×400mLのEtOAc中に抽出した。合わせた有機層を、300mLのH2O、次いでブラインで洗浄した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物は、ヘキサン中0~10%CH2Cl2を使用して、シリカプラグを通してフラッシュして、1-ブロモ-4-ヨード-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(61g、97%)を透明液体として得た。
1H NMR (アセトン-d6): δ 7.56 (d, J= 2 Hz, 1H), 7.38 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.33 (dd, J= 8 Hz, 2 Hz, 1H), 5.35 (s, 2H), 3.50 (s, 3H).
【0118】
ステップ2:1-ブロモ-4-ヨード-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(49g、143mmol)、1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)-1H-ピラゾール(48.4g、174mmol)、Pd(dppf)Cl2-ジクロロメタン付加体(3.1g、3.6mmol)、ジオキサン(500mL)およびK2CO3水溶液(1M、350mL、350mmol)を90℃にて2時間加熱した。反応混合物を、次いで、H2OとEtOAcとの間で分配した。有機層をMgSO4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン勾配(20~50%EtOAc)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、続いてヘキサンで粉砕し、4-(4-ブロモ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール(40.4g、77%収率)をオフホワイト固体として得た。
1H NMR (アセトン-d6): δ 8.22 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.55 (d, J= 8.5 Hz, 1H), 7.47 (d, J= 2 Hz, 1H), 7.23 (dd, J= 8.5 Hz, 2 Hz, 1H), 5.44 (dd, J= 9.5 Hz, 2.5 Hz, 1H), 5.38 (s, 2H), 4.01 (m, 1H), 3.72 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 2.1-2.23 (m, 1H), 2.0-2.1 (m, 2H), 1.7-1.8 (m, 1H), 1.6-1.7 (m, 2H).
【0119】
ステップ3:酢酸カリウム(22g、224mmol)を含有するフラスコを、180℃にて2時間ポンプ乾燥させ、次いでアルゴンで満たした。4-(4-ブロモ-3-(メトキシメトキシ)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール(20g、54.5mmol)、Pd(dppf)Cl2-ジクロロメタン付加体(1.22g、1.47mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(20.8g、81.9mmol)および乾燥トルエン(200mL)を添加した。混合物を110℃にて48時間加熱した。冷却した後で、混合物は、celiteを通して濾過し、続いてエーテルですすいだ。濾液を真空下で濃縮し、エーテルに再度溶解し、これを、再度celiteを通して濾過して、固体不純物を除去した。EtOAc/ヘキサン(20~50%EtOAc)の勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーによる精製により、12gの粗表題生成物を得た。粗物質を100mLエーテルに溶解し、2×1.5Lの希釈NaHCO3水溶液で逆洗浄した。エーテル層をブラインで洗浄し、MgSO4で脱水し、濾過した。濾液を濃縮して、ガラス状半固体にした。この材料をヘキサンで粉砕して、4-(3-(メトキシメトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾールを白色結晶性固体(7.05g、32%収率)として得た。
1H NMR (アセトン-d6): δ 8.24 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.65 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.33 (d, J= 1.5 Hz, 1H), 7.29 (dd, J= 8 Hz, 1.5 Hz, 1H), 5.45 (dd, J= 10 Hz, 2.5 Hz, 1H), 5.25 (s, 2H), 4.01 (m, 1H), 3.69-3.74 (m, 1H), 3.52 (s, 3H), 2.15-2.2 (m, 1H), 2.0-2.1 (m, 2H), 1.7-1.8 (m, 1H), 1.6-1.68 (m, 2H), 1.35 (s, 12H).
【0120】
本明細書に記載されている追加の化合物は、記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【0121】
【0122】
出発材料の調製:2-[4-クロロ-3-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン
【化9】
ステップ1:6-ブロモ-3-クロロ-2-フルオロ-フェノール(900mg、4.0mmol)を、0℃にてDMF(4.5mL)に溶解した。ナトリウムtert-五酸化物(THF中2.5M、2mL、5.0mmol)を滴下添加し、続いてクロロメチルメチルエーテル(405μL、5.34mmol)を滴下添加し、反応物を室温にて終夜撹拌した。反応混合物を、水とEtOAcとの間で分配し、有機層を水、次いでブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で脱水し、濾過し、真空下で濃縮した。残留物を、EtOAc/ヘキサン勾配(30~100%EtOAc)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(1.01g、94%収率)を透明油状物として得た。
1H NMR (アセトン-d
6) δ: 7.50 (d, J= 9 Hz, 1H), 7.28 (t, J= 8 Hz, 1H), 5.26 (s, 2H), 3.62 (s, 3H).
【0123】
ステップ2:乾燥KOAc(1.5g、15mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1.02g、4.02mmol)、Pd(dppf)Cl2-CH2Cl2(90mg、0.108mmol)、およびトルエン(12mL)中の1-ブロモ-4-クロロ-3-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)ベンゼン(900mg、3.3mmol)の溶液の混合物を、アルゴンで15分パージした。混合物を110℃にて16時間加熱した。完了したら、反応物をEtOAcで希釈し、celiteを通して濾過した。濾液を濃縮し、MeOH/CH2Cl2勾配(0~5%MeOH)で溶出するシリカクロマトグラフィーにより精製して、2-[4-クロロ-3-フルオロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル]-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(524mg、47%収率)を薄橙色油状物として得た。1H NMR (アセトン-d6) δ: 7.49 (d, J= 8 Hz, 1H), 7.29 (t, J= 7 Hz, 1H), 5.16 (s, 2H), 3.58 (s, 3H), 1.37 (s, 12H).
【0124】
本明細書に記載されている追加の化合物は、記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表5】
【0125】
出発材料の調製:N-(tert-ブチル)ピロリジン-3-アミン
【化10】
ステップ1:乾燥バイアルに、1-ベンジルピロリジン-3-オン(4.0g、22.8mmol)、2-メチルプロパン-2-アミン(3.8g、52.0mmol)およびTi(OiPr)
4(6.0mL、20.2mmol)を入れた。混合物をN
2で15分パージし、次いで室温にて2時間撹拌した。生じた(E)-1-ベンジル-N-(tert-ブチル)ピロリジン-3-イミンを、さらなる精製なしで使用した。
【0126】
ステップ2:ステップ1からの混合物に、乾燥メタノール(40mL)を添加し、反応物を氷浴中で0℃に冷却した。NaBH4(1.6g、42.3mmol)を少しずつゆっくり添加した(注意:きわめて発熱性の反応)。ガスの発生が弱まったら、混合物を室温に温め、室温にて2時間撹拌した。完了したら、0.1M NaOH溶液(20mL)を添加して、チタン塩を沈殿させた。二相混合物は、celiteを通して濾過し、メタノールで洗浄した。溶媒を真空下で除去し、粗油状物は、アセトニトリル/H2O勾配(10%~100%アセトニトリル)を使用した逆相クロマトグラフィーにより精製して、1-ベンジル-N-(tert-ブチル)ピロリジン-3-アミン(3.2g、60%収率)を無色油状物として得た。
【0127】
ステップ3:水酸化パラジウム活性炭(320mg)を含有する、オーブンで乾燥させた丸底フラスコに、MeOH(20mL)に溶解した1-ベンジル-N-(tert-ブチル)ピロリジン-3-アミン(3.2g、13.8mmol)を添加した。混合物をH2で5分スパージし、H2のバルーンをフラスコの上部に置き、反応を室温にて2時間撹拌した。反応混合物は、celiteを通して濾過し、MeOHで洗浄し、濃縮して、N-(tert-ブチル)ピロリジン-3-アミン(1.89g、96%収率)を無色油状物として得、これを放置して固化させた。
1H NMR (メタノール-d4) δ: 4.21 (dq, J= 14.4, 7.0 Hz, 1H), 3.80 (dd, J= 12.7, 8.0 Hz, 1H), 3.58-3.50 (m, 2H), 3.38-3.32 (m, 1H), 2.62-2.56 (m, 1H), 2.28-2.20 (m, 1H), 1.42 (s, 9H); 2 NHは観察されなかった。
【0128】
(例1)
化合物1の調製
【化11】
ステップ1:n-BuOH(3.0mL)中の2,5-ジブロモピラジン(610mg、2.56mmol)およびN,2,2,6,6-ペンタメチルピペリジン-4-アミン(480mg、2.8mmol)の混合物を、LCMSが出発材料の完全な消費を示すまで、120℃にて16時間撹拌した。反応混合物を室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液との間で分配した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、溶媒を蒸発させて、5-ブロモ-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(646mg、77%)を黄色がかった固体として得た。MS m/z 326.2、328.2[M+H]
+。
【0129】
ステップ2:オーブンで乾燥させたフラスコは、磁気撹拌棒を備えており、5-ブロモ-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(570mg、1.74mmol)、tert-ブチル(3-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェノキシ)ジメチルシラン(64mg、0.24mmol、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(196mg、0.17mmol)、Na2CO3(553mg、5.22mmol)を入れた。フラスコをゴム栓で封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。ジオキサン(10mL)および水(2.5mL)を添加し、反応物を90℃に16時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH2Cl2/MeOH(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシフェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(529mg、63%)を透明油状物として得、これを部分的に固化した。MS m/z 485.6[M+H]+。
【0130】
ステップ3:CH2Cl2(3mL)中の5-(4-((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)-2-メトキシフェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(529mg、1.09mmol)の溶液に、4N HCl/ジオキサン(0.5mL、2.0mmol)、続いてMeOH(0.2mL)を添加した。反応混合物を、LCMSが出発材料の完全な消費を示すまで、室温にて5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をCH2Cl2(20mL)中で懸濁した。1,1,1-トリフルオロ-N-フェニル-N-((トリフルオロメチル)スルホニル)メタンスルホンアミド(584mg、1.63mmol)およびトリメチルアミン(0.45mL、3.27mmol)を添加した。反応混合物を室温にて16時間撹拌し、次いで、水(2mL)、続いてブラインで洗浄した。有機層をNa2SO4で脱水し、溶媒を減圧下で蒸発させた。残留物を、勾配CH2Cl2/MeOH(0~20%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、3-メトキシ-4-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(402mg、73%)を黄褐色固体として得た。
MS m/z 503.6 [M+H]+; 1H NMR (アセトン-d6) δ: 8.77 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.25 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.06 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.26 (d, J=2.4 Hz, 1H), 7.15 (dd, J=8.7, 2.4 Hz, 1H), 5.32 (tt, J=13.2, 3.5 Hz, 1H), 4.05 (s, 3H), 3.00 (s, 3H), 2.08-2.10 (m, 2H), 1.84 (dd, J=13.2, 3.5 Hz, 2H), 1.63 (s, 6H), 1.55 (s, 6H); 1Hは観察されなかった (NH).
【0131】
ステップ4:オーブンで乾燥させたフラスコは、磁気撹拌棒を備えており、3-メトキシ-4-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(180mg、0.35mmol)、2-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(101mg、0.43mmol、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(40mg、0.35mmol)、Na2CO3(111mg、1.05mmol)を入れた。フラスコをゴム栓で封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。ジオキサン(6mL)および水(1.5mL)を添加し、反応物を90℃に16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH2Cl2/MeOH(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-(2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(86mg、53%)を黄褐色固体として得た。
MS m/z 462.6 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.69 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.20 (dd, J=5.4, 0.6 Hz, 1H), 8.12 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.82 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.41 (dd, J=8.2, 1.9 Hz, 1H), 7.38-7.40 (m, 1H), 7.32 (dd, J=5.4, 1.6 Hz, 1H), 7.13 (dd, J=1.6, 0.9 Hz, 1H), 5.15 (tt, J=12.6, 3.6 Hz, 1H), 4.00 (s, 3H), 3.99 (s, 3H), 3.01 (s, 3H), 1.67 (dd, J=12.6, 3.6 Hz, 2H), 1.56 (t, J=12.6 Hz, 2H), 1.39 (s, 6H), 1.25 (s, 6H); 1Hは観察されなかった (NH).
【0132】
ステップ5:2mLの乾燥CH2Cl2中の5-(2-メトキシ-4-(2-メトキシピリジン-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(70mg、0.15mmol)の溶液を、氷水浴中で冷却した。三臭化ホウ素(CH2Cl2中1.0M、1.5mL、1.5mmol)を添加し、反応混合物を室温にて16時間撹拌した。反応を2mLのMeOHでクエンチし、30分撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH2Cl2/MeOH(2.5%NH4OH)(0~30%MeOH/NH4OH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、4-(3-ヒドロキシ-4-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニル)ピリジン-2-オール(33mg、51%)を黄色固体として得た。
MS m/z 434.6 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.94 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.17 (d, J=1.3 Hz, 1H), 7.93-8.00 (m, 1H), 7.53 (dd, J=6.9, 0.9 Hz, 1H), 7.25-7.28 (m, 1H), 7.24 (d, J=1.9 Hz, 1H), 6.79-6.84 (m, 1H), 6.78 (dd, J=6.9, 1.9 Hz, 1H), 5.32-5.42 (m, 1H), 3.09 (s, 3H), 1.94 (d, J=7.9 Hz, 4H), 1.65 (s, 6H), 1.53 (s, 6H); 3Hは観察されなかった (NHおよび2 OH).
【0133】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例1に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表6】
【0134】
(例2)
化合物26の調製
【化12】
ステップ1:オーブンで乾燥させたフラスコは、磁気撹拌棒を備えており、5-ブロモ-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(255mg、0.97mmol)、4-(3-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール(273mg、0.71mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(60mg、0.05mmol)およびNa
2CO
3(160mg、1.5mmol)を入れた。フラスコをゴム栓で封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。ジオキサン(8mL)および水(2mL)を添加し、反応物を90℃に16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH
2Cl
2/MeOH(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(160mg、45%)を黄色固体として得た。MS m/z 505.6[M+H]
+。
【0135】
ステップ2:5-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(80mg、0.15mmol)を、ジクロロメタン(1mL)中で0℃にて懸濁した。三臭化ホウ素(1.5mL、1.5mmol、CH2Cl2中1M)を滴下添加し、混合物を0℃にて1時間、続いて室温にて16時間撹拌した。混合物をMeOH(5mL)でクエンチし、室温にて30分撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEt2O(1mL)で粉砕した。沈殿物を濾取し、乾燥させて、2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール臭化水素酸塩(42mg、65%)を褐色がかった固体として得た。
MS m/z 407.5 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 9.08 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.57 (s, 2H), 8.19 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.86 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.37 (dd, J=8.2, 1.6 Hz, 1H), 7.31 (d, J=1.6 Hz, 1H), 5.37 (tt, J=13.2, 4.1 Hz, 1H), 3.15 (s, 3H), 2.05 (t, J=13.2 Hz, 2H), 1.99 (dd, J=13.2, 4.1 Hz, 2H), 1.66 (s, 6H), 1.58 (s, 6H); 3Hは観察されなかった (2 NHおよびOH).
【0136】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例2に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表7】
【0137】
(例3)
化合物13の調製
【化13】
ステップ1:オーブンで乾燥させたフラスコは、磁気撹拌棒を備えており、5-ブロモ-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(150mg、0.46mmol)、4-(2,3-ジフルオロ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール(215mg、0.55mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(58mg、0.05mmol)およびNa
2CO
3(146mg、1.38mmol)を入れた。フラスコをゴム栓で封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。ジオキサン(4mL)および水(1mL)を添加し、反応物を90℃に16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH
2Cl
2/MeOH(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-(2,3-ジフルオロ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(166mg、71%)を褐色がかった固体として得た。MS m/z 511.6[M+H]
+。
【0138】
ステップ2:CH2Cl2(2mL)中の5-(2,3-ジフルオロ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(166mg、0.33mmol)に、4N HCl/ジオキサン(0.17mL、0.66mmol)、続いてMeOH(0.2mL)を添加した。反応物を室温にて2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残留物をEt2O中で粉砕した。固体を濾過し、過剰なEt2Oで洗浄し、真空下で乾燥させて、5-(2,3-ジフルオロ-4-(1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン塩酸塩(126mg、83%)を黄色固体として得た。
MS m/z 427.5 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.65 (t, J=1.6 Hz, 1H), 8.47 (s, 2H), 8.35 (d, J=1.2 Hz, 1H), 7.80 (td, J=8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.67 (td, J=8.2, 1.8 Hz, 1H), 5.36 (tt, J=12.0, 3.7 Hz, 1H), 3.13 (s, 3H), 1.98-2.04 (m, 2H), 1.95 (dd, J=13.7, 3.7 Hz, 2H), 1.66 (s, 6H), 1.56 (s, 6H); 2NHは観察されなかった。
【0139】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例3に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表8】
【0140】
(例4)
化合物2の調製
【化14】
ステップ1:THF(10.0mL)中の2,5-ジブロモピラジン(610mg、2.56mmol)および2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-オール(480mg、2.8mmol)の混合物を、0℃に冷却し、THF(9.1mL、9.1mmol)中の1.0M t-BuOKを滴下添加した。反応混合物を、徐々に室温に温め、LCMSが出発材料の完全な消費を示すまで、16時間撹拌した。溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAcと水との間で分配した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、溶媒を蒸発させ、残留物を、勾配CH
2Cl
2/MeOH(0~10%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-ブロモ-5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン(1.31g、55%)を透明油状物として得、これを放置して固化させた。MS m/z 313.1、315.1[M+H]
+。
【0141】
ステップ2:オーブンで乾燥させたフラスコは、磁気撹拌棒を備えており、2-ブロモ-5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン(367mg、1.17mmol)、4-(3-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール(450mg、1.17mmol、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(140mg、0.12mmol)およびNa2CO3(372mg、3.51mmol)を入れた。フラスコをゴム栓で封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。ジオキサン(10mL)および水(2.5mL)を添加し、反応物を90℃に16時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH2Cl2/MeOH(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン(420mg、73%)を黄褐色固体として得た。
MS m/z 492.6 [M+H]+; 1H NMR (アセトン-d6) δ: 8.80 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.31 (d, J=0.6 Hz, 1H), 8.23 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.98 (d, J=0.6 Hz, 1H), 7.92 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.44 (d, J=1.6 Hz, 1H), 7.36 (dd, J=8.2, 1.6 Hz, 1H), 5.60 (tt, J=11.5, 3.9 Hz, 1H), 5.47 (dd, J=9.8, 2.2 Hz, 1H), 4.04 (s, 3H), 3.99-4.04 (m, 1H), 3.67-3.83 (m, 1H), 2.15-2.29 (m, 1H), 2.12 (dd, J=12.5, 3.9 Hz, 2H), 2.07-2.09 (m, 1H), 2.02-2.06 (m, 1H), 1.74-1.87 (m, 2H), 1.59-1.72 (m, 3H), 1.31 (s, 6H), 1.18 (s, 6H); 1Hは観察されなかった (NH).
【0142】
ステップ3:オーブンで乾燥させたマイクロ波バイアルは、磁気撹拌棒を備えており、2-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン(278mg、0.56mmol)、ベンゼンチオール(59μL、0.56mmol)およびK2CO3(77mg、0.56mmol)を入れた。バイアルを封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。NMP(1.5mL)を添加し、反応物をマイクロ波反応器中で190℃に20分加熱した。反応物を室温に冷却し、水(5mL)で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa2SO4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配CH2Cl2/MeOH(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン-2-イル)フェノール(227mg、84%)を黄褐色固体として得た。
MS m/z 478.6 [M+H]+; 1H NMR (アセトン-d6) δ: 12.29 (s, 1H), 9.00 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.27 (d, J=0.6 Hz, 1H), 8.24 (br. s., 1H), 8.00 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.94 (d, J=0.9 Hz, 1H), 7.22-7.28 (m, 1H), 7.21 (d, J=1.9 Hz, 1H), 5.58-5.72 (m, 1H), 5.47 (dd, J=9.8, 2.2 Hz, 1H), 3.93-4.06 (m, 1H), 3.64-3.79 (m, 1H), 2.17-2.25 (m, 2H), 2.07-2.11 (m, 2H), 2.02-2.06 (m, 2H), 1.73-1.85 (m, 2H), 1.55-1.72 (m, 2H), 1.34 (s, 6H), 1.20 (s, 6H); 1Hは観察されなかった (NHまたはOH).
【0143】
ステップ4:CH2Cl2(1mL)およびMeOH(数滴)中の5-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)-2-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)オキシ)ピラジン-2-イル)フェノール(100mg、0.20mmol)の溶液に、1,4-ジオキサン(0.25mL、1.0mmol)中のHCl(4mol/L)を添加し、反応物を、UPLCが出発材料の完全な消費を示すまで、室温にて2時間撹拌した。沈殿物を濾取し、真空下で乾燥させて、2-[1-(4-ピペリジル)ピラゾロ[3,4-c]ピリダジン-5-イル]-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール、塩酸塩(61mg、71%を黄色固体として得た。
MS m/z 394.5 [M+H]+; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.30 (d, J=12.3 Hz, 1H), 9.01 (d, J=1.3 Hz, 1H), 8.45 (d, J=12.3 Hz, 1H), 8.37 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.10 (s, 2H), 7.93 (d, J=8.8 Hz, 1H), 7.19-7.28 (m, 2H), 5.42-5.66 (m, 1H), 2.26 (dd, J=13.1, 3.9 Hz, 2H), 1.81 (dd, J=13.1, 11.0 Hz, 2H), 1.52 (s, 6H), 1.51 (s, 6H); 1Hは観察されなかった (NHまたはOH).
【0144】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例4に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表9】
【0145】
(例5)
化合物25の調製
【化15】
ステップ1:6 オーブンで乾燥させたフラスコは、磁気撹拌棒を備えており、2,5-ジブロモピラジン(500mg、2.10mmol)、4-(3-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール(970mg、2.52mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(121mg、0.105mmol)およびK
2CO
3(870mg、6.30mmol)を入れた。フラスコをゴム栓で封止し、次いで真空にし、アルゴンを再充填した。ジオキサン(12mL)および水(3mL)を添加し、反応物を90℃に5時間加熱した。反応物を室温に冷却し、水で希釈し、EtOAcで抽出した。合わせた有機層をNa
2SO
4で脱水し、減圧下で濃縮した。残留物を、勾配ヘキサン/EtOAc(30~70%EtOAc)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、2-ブロモ-5-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピラジン(690mg、79%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 415.1、417.1[M+H]
+。
【0146】
ステップ2:2-ブロモ-5-[2-メトキシ-4-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン(316mg、0.76mmol)および(1R,5S)-ビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(80mg、0.63mmol)を乾燥DMF(1mL)中で混合し、氷水浴中で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(51mg、1.27mmol、鉱油中60%)を、次いで添加した。反応混合物を室温にて16時間撹拌し、次いで水でクエンチした。沈殿物を濾取し、真空下で乾燥させて、2-[[(1R,5S)-3-ビシクロ[3.2.1]オクタニル]オキシ]-5-[2-メトキシ-4-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン(220mg、75%)をオフホワイト固体として得た。MS m/z 461.5[M+H]+。
【0147】
ステップ3:CH2Cl2中の2-[[(1R,5S)-3-ビシクロ[3.2.1]オクタニル]オキシ]-5-[2-メトキシ-4-(1-テトラヒドロピラン-2-イルピラゾール-4-イル)フェニル]ピラジン(220mg、0.48mmol)の溶液に、三臭化ホウ素(CH2Cl2中1.0M、2.4mL、2.4mmol)を添加し、反応物を、UPLCが出発材料の完全な消費を示すまで、室温にて16時間撹拌した。反応をMeOH(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮し、勾配CH2Cl2/MeOH(2.5%NH4OH)(0~30%MeOH/NH4OH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。2-[5-[[(1S,5R)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル]オキシ]ピラジン-2-イル]-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール(122mg、70%)を黄色固体として得た。
MS m/z 364.4 [M+H]+; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 9.00 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.76 (br. s., 1H), 8.69 (br. s., 1H), 8.36 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.09 (s, 2H), 7.92 (d, J=8.2 Hz, 1H), 7.18-7.23 (m, 2H), 5.32-5.45 (m, 1H), 4.08-4.18 (m, 2H), 2.28-2.41 (m, 4H), 1.98-2.08 (m, 2H), 1.87-1.97 (m, 2H); 1Hは観察されなかった (OHまたはNH).
【0148】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例5に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表10】
【0149】
(例6)
化合物8の調製
【化16】
ステップ1:EtOH(1mL)中の2-ブロモ-5-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)ピラジン(200mg、0.48mmol)およびtert-ブチル4-アミノピペリジン-1-カルボキシレート(96mg、0.48mmol)の混合物に、1滴の濃HClを添加した。反応物を、LCMS分析が出発材料の完全な消費を示すまで封止し、120℃にて16時間加熱した。混合物を冷却し、溶媒を蒸発させ、粗5-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-(ピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン臭化水素酸塩(248mg)を得、これを、さらなる精製なしで、次のステップで使用した。MS m/z 435.2[M+H]
+。
【0150】
ステップ2:CH2Cl2中の5-(2-メトキシ-4-(1-(テトラヒドロ-2H-ピラン-2-イル)-1H-ピラゾール-4-イル)フェニル)-N-(ピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン臭化水素酸塩(248mg、0.48)の懸濁液に、三臭化ホウ素(CH2Cl2中1.0M、2.4mL、2.4mmol)を添加し、反応を、UPLCが出発材料の完全な消費を示すまで、室温にて16時間撹拌した。反応をMeOH(10mL)でクエンチし、減圧下で濃縮し、勾配CH2Cl2/MeOH(2.5%NH4OH)(0~30%MeOH/NH4OH)で溶出するシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。2-(5-(ピペリジン-4-イルアミノ)ピラジン-2-イル)-5-(1H-ピラゾール-4-イル)フェノール(128mg、79%)を橙色固体として得た。
MS m/z 337.4 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.84 (d, J=1.6 Hz, 1H), 8.39 (s, 2H), 8.14-8.22 (m, 1H), 7.88 (d, J=7.9 Hz, 1H), 7.29 (dd, J=8.2, 1.9 Hz, 1H), 7.25 (s, 1H), 4.14-4.27 (m, 1H), 3.53 (dtd, J=13.0, 3.1, 0.9 Hz, 2H), 3.23 (tdd, J=13.0, 3.1, 0.9 Hz, 2H), 2.34 (ddd, J=14.3, 3.1, 0.9 Hz, 2H), 1.79-1.97 (m, 2H); 4Hは観察されなかった (3NHおよびOH).
【0151】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例6に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表11】
【0152】
(例7)
化合物48の調製
【化17】
ステップ1:n-BuOH(100mL)中の2,5-ジブロモピラジン(9.0g、37.8mmol)、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-アミン(11.8g、75.5mmol)およびDIPEA(9.8g、76mmol)の溶液を130℃にて24時間撹拌した。室温に冷却した後で、溶媒を除去し、残留物は、MeOH/CH
2Cl
2勾配(0~15%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、5-ブロモ-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(10g、84%収率)をオフホワイト固体として得た。MS:m/z:313.1、315.1[M+H]
+。
【0153】
ステップ2:丸底フラスコに、5-ブロモ-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(10.0g、31.9mmol)、3-(メトキシメトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル4-メチルベンゼンスルホネート(13.9g、32.0mmol)、K2CO3(8.8g、64mmol)およびPdCl2dppf(234mg、0.32mmol)を添加した。混合物を窒素で脱気し、1,4-ジオキサン(100mL)および水(10mL)を次いで添加した。混合物を100℃にて16時間撹拌した。室温に冷却した後で、溶媒を除去し、残留物は、MeOH/CH2Cl2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、3-(メトキシメトキシ)-4-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニル4-メチルベンゼンスルホネート(4.5g、26%収率)を褐色固体として得た。MS:m/z:541.3[M+H]+。
【0154】
ステップ3:EtOH(10mL)および水(1mL)中の3-(メトキシメトキシ)-4-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニル4-メチルベンゼンスルホネート(2.5g、4.6mmol)の溶液に、KOH(520mg、9.27mmol)を添加した。混合物を80℃にて2時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物は、CH2Cl2中の0~10%MeOHを使用して、シリカプラグを通してフラッシュして、粗3-(メトキシメトキシ)-4-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール(2.0g)を褐色固体として得、これを、さらなる精製なしで、次のステップで使用した。MS:m/z:387.3[M+H]+。
【0155】
ステップ4:CH2Cl2(40mL)中の3-(メトキシメトキシ)-4-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール(2.43g、6.29mmol)の溶液に、PhNTf2(6.8g、19mmol)およびEt3N(1.9g、19mmol)を添加した。反応混合物を室温にて16撹拌した。溶媒を除去し、残留物は、MeOH/CH2Cl2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、3-(メトキシメトキシ)-4-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(1.9g、58%収率)を淡黄色固体として得た。MS:m/z:519.2[M+H]+。
【0156】
ステップ5:3-(メトキシメトキシ)-4-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェニルトリフルオロメタンスルホネート(1.5g、2.9mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(773mg、3.05mmol)、Pd(dppf)Cl2(220mg、0.30mmol)およびKOAc(568mg、5.8mmol)の混合物を、窒素で脱気した。1,4-ジオキサン(25mL)を添加し、反応混合物を100℃にて16時間撹拌した。溶媒を除去して粗生成物を得、これを、MeOH/CH2Cl2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、5-(2-(メトキシメトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(840mg、59%収率)を黒褐色固体として得た。MS:m/z:497.3[M+H]+。
【0157】
ステップ6:5-(2-(メトキシメトキシ)-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(180mg、0.36mmol)、2-ブロモピリジン(56mg、0.35mmol)、K2CO3(100mg、0.73mmol)およびSPhos Pd G2(26mg、0.036mmol)の混合物を、窒素で脱気した。1,4-ジオキサン(5mL)および水(0.5mL)を添加し、反応混合物を70℃にて16時間撹拌した。溶媒を除去し、残留物を、MeOH/CH2Cl2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、5-(2-(メトキシメトキシ)-4-(ピリジン-2-イル)フェニル)-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(90mg、55%収率)を褐色固体として得た。MS:m/z:448.3[M+H]+。
【0158】
ステップ7:CH2Cl2(2mL)中の5-(2-(メトキシメトキシ)-4-(ピリジン-2-イル)フェニル)-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(90mg、0.20mmol)の溶液に、ジオキサン(2mL)中の4N HClを添加し、反応混合物を室温にて2時間撹拌した。混合物を氷水中に注ぎ、飽和NaHCO3水溶液で中和し、CH2Cl2(150mL×3)で抽出した。合わせた有機相を濃縮し、残留物を、分取HPLCにより精製して、5-(ピリジン-2-イル)-2-(5-((2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)フェノール(34mg、42%収率)を淡黄色固体として得た。
MS: m/z: 404.2[M+H]+; 1H NMR (DMSO-d6) δ: 8.89 (s, 1H), 8.66 (d, J = 4.4 Hz, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.94-7.98 (m, 3H), 7.84-7.89 (m, 1H), 7.66 (d, J = 1.6 Hz, 1H ), 7.60 (dd, J = 8.4, 1.6 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.33-7.36 (m, 1H), 4.28-4.30 (m, 1H), 1.94-1.98 (m, 2H), 1.28-1.38 (m, 14H); 1Hは観察されなかった (OHまたはNH).
【0159】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例7に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表12】
【0160】
(例8)
化合物61の調製
【化18】
ステップ1:5-ブロモ-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(0.8g、2.44mmol)、2-(4-クロロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン(0.87g、2.91mmol)、[1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(0.17g、0.23mmol)およびaq.2N K
2CO
3(5mL、4.89mmol)の混合物を、アルゴンで15分パージした。ジオキサン(12ml)を添加し、反応混合物を、次いで100℃に4時間加熱した。反応混合物を、室温に冷却し、溶媒を減圧下で蒸発させ、残留物をEtOAcと飽和NaHCO
3水溶液との間で分配した。有機層をNa
2SO
4で脱水し、溶媒を蒸発させた。残留物は、MeOH/CH
2Cl
2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、5-(4-クロロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(0.62g、60%)を得た。MS m/z 419.5[M+H]
+
【0161】
ステップ2:トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(2.6mg、0.0028mmol)および2-ジ-tert-ブチルホスフィノ-3,4,5,6-テトラメチル-2’,4’,6’-トリイソプロピル-1,1’-ビフェニル(3.5mg、0.0070mmol)を、5:1 トルエン/ジオキサン(1mL)中で懸濁した。紫色溶液をアルゴンで5分スパージし、次いで120℃に5分加熱した。溶液を室温に冷却し、リン酸三カリウム(30mg、0.137mmol)、1,2,3-トリアゾール(5μL、0.086mmol)および5-(4-クロロ-2-(メトキシメトキシ)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(42mg、0.1mmol)。懸濁液をアルゴンでもう1回スパージし、次いで、UPLCによりモニターされるように、塩化アリールが完全に消費されるまで、120℃に1時間加熱した。反応物を室温に冷却し、生成物は、MeOH/CH2Cl2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、5-(2-(メトキシメトキシ)-4-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(40mg、88%収率)を得た。
MS m/z 452.4 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.70 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J=1.2 Hz, 1H), 8.03 (d, J=2.7 Hz, 1H), 7.95-7.96 (m, 2H), 7.82 (s, 2H), 5.38 (s, 2H), 5.15-5.21 (m, 1H), 3.51 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 1.68-1.72 (m, 2H), 1.57-1.62 (m, 2H), 1.41 (s, 6H), 1.27 (s, 6H); 1NHは観察されなかった。
【0162】
ステップ3:MeOH(1ml)中の5-(2-(メトキシメトキシ)-4-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェニル)-N-メチル-N-(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)ピラジン-2-アミン(25mg、0.044mmol)の溶液に、ジオキサン(1mL)中の4N HClを添加した。反応混合物を室温にて2時間撹拌した。溶媒を蒸発させ、残留物は、MeOH/CH2Cl2勾配(0~30%MeOH)で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーを使用して精製して、2-(5-(メチル(2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イル)アミノ)ピラジン-2-イル)-5-(2H-1,2,3-トリアゾール-2-イル)フェノール(20mg、76%収率)を得た。
MS m/z 408.5 [M+H]+; 1H NMR (メタノール-d4) δ: 8.90 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.99 (d, J=8.5 Hz, 1H), 7.94 (s, 2H), 7.60-7.66 (m, 2H), 5.20-5.31 (m, 1H), 3.05 (s, 3H), 1.67-1.81 (m, 4H), 1.48 (s, 6H), 1.33-1.37 (m, 6H); 2Hは観察されなかった (NHおよびOH).
【0163】
本明細書に記載されている追加の化合物は、例8に記載されている手順を使用して、適切な出発材料、適切な試薬および反応条件を置換することにより調製することができ、以下から選択されるような化合物を得た。
【表13】
【0164】
生物学的実施例
以下のin vitro生物学的実施例は、本明細書の化合物のハンチントン病処置に対する有用性を実証する。
本明細書をより詳細に説明し、理解を補助するために、以下の非限定的な生物学的実施例は、明細書の範囲をより十分に例証するように設けられており、その範囲を具体的に限定すると解釈されるべきではない。当業者が確認できる範囲内の現在公知であり得る、または後に開発され得る本明細書の変化は、本明細書の範囲内にあり、以下に請求されていると考えられる。
【0165】
2016年12月11日に出願された国際出願第PCT/US2016/066042号に示され、2015年12月10日に出願された米国仮特許出願U.S.62/265,652号の優先権を主張する式(I)の化合物は、Meso Scale Discovery(MSD)アッセイを使用してテストし、これらの全体は、参照により本明細書に組み込む。
例1で使用される内生ハンチンチンタンパク質アッセイは、ELISAに基づくMSD電気化学発光アッセイプラットフォームを使用して開発した。
【0166】
例1
内因性ハンチンチンタンパク質アッセイ
Meso Scale Discovery(MSD)96ウェルまたは384ウェルプレートは、PBS中1μg/mL(ウェル当たり30μL)の濃度で、MW1(伸張したポリグルタミン)またはMAB2166モノクローナル抗体(捕捉のため)で、4℃にて終夜コーティングした。プレートを、次いで、300μL洗浄緩衝液(PBS中0.05%Tween-20)で3回洗浄し、回転振とうさせながら、室温にて4~5時間ブロックし(100μLブロッキング緩衝液、PBS中5%BSA)、次いで洗浄緩衝液で3回洗浄した。
【0167】
試料(25μL)は、抗体でコーティングしたMSDプレートに移し、4℃にて終夜インキュベーションした。溶解物を除去した後で、プレートを洗浄緩衝液で3回洗浄し、25μLの#5656S(Cell signaling、ウサギモノクローナル)二次抗体(ブロッキング緩衝液中0.05%Tween-20中、0.25μg/mLに希釈した)を、各ウェルに添加し、振とうしながら、室温にて1時間インキュベーションした。二次抗体でのインキュベーションに続いて、ウェルを洗浄緩衝液ですすぎ、その後25μLのヤギ抗ウサギSULFO TAG二次検出抗体(MSD系の必要な態様)(ブロッキング緩衝液中0.05%Tween-20中、0.25μg/mLに希釈した)を、各ウェルに添加し、振とうしながら、室温にて1時間インキュベーションした。洗浄緩衝液で3回すすいだ後で、150μLのリード緩衝液Tと界面活性剤(MSD)を空の各ウェルに添加し、プレートをSI 6000 imager(MSD)で、96または384ウェルプレートに添えられた製造者の指導に従って撮像した。テストした化合物の生じたIC50値(μM)は、表1で示されている。
【0168】
表1で示されているように、本明細書に記載されているテスト化合物は、以下のIC
50値を有していた。>3μMから≦9μMの間のIC
50値は、単一のアスタリスク(*)により指し示され、>1μMから≦3μMの間のIC
50値は、2つのアスタリスク(**)により指し示され、>0.5μMから≦1μMの間のIC
50値は、3つのアスタリスク(***)により指し示され、>0.1μMから≦0.5μMの間のIC
50値は、4つのアスタリスク(****)により指し示され、≦0.1μMのIC
50値は、5つのアスタリスク(*****)により指し示される。
【表14】
【0169】
本明細書で引用される文書が、参照により組み込まれると具体的かつ個々に指し示されているか否かにかかわらず、本明細書で言及されているすべての文書は、いずれかの、およびすべての目的に関して、個々の参照がそれぞれ本明細書で完全に明記されているのと同じように、参照により本出願に組み込まれる。
【0170】
特許請求の範囲の主題についてここで十分に説明されているように、それが、本明細書に記載されている主題または詳細な態様の範囲に影響を与えることなく、幅広い等価物の範囲内で行われ得ることは、当業者により理解される。添付の特許請求の範囲は、そのような等価物すべてを含むよう解釈されることが意図される。