(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ウォーターアトラクション送出システム
(51)【国際特許分類】
A63G 21/18 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A63G21/18
(21)【出願番号】P 2020565484
(86)(22)【出願日】2019-05-13
(86)【国際出願番号】 US2019032044
(87)【国際公開番号】W WO2019226394
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2022-05-12
(32)【優先日】2018-05-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-08-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100196612
【氏名又は名称】鎌田 慎也
(72)【発明者】
【氏名】ヘルミック デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】テイラー エリオット
(72)【発明者】
【氏名】シュワルツ ジャスティン マイケル
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0137700(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0280915(US,A1)
【文献】実開平02-039793(JP,U)
【文献】特表2001-523141(JP,A)
【文献】米国特許第04805897(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63G 1/00-33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウォーターアトラクション送出システムであって、
ウォーターアトラクションと、
前記ウォーターアトラクションの複数のセンサと、
プロセッサ及びメモリを含む送出コントローラと、
を含み、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能な命令を格納し、前記命令は、前記送出コントローラに、
前記ウォーターアトラクションの前記複数のセンサからアトラクション状態データを受信することであって、前記複数のセンサの一部は前記ウォーターアトラクションの個々のスライドのスライド経路に沿った歪みゲージセンサのネットワークを含む、受信することと、
前記歪みゲージセンサのネットワーク
からの前記アトラクション状態データにより示される前記個々のスライドの撓みに基づいて決定される前記個々のスライドのプロファイルに
基づいてゲスト位置データを決定することと、
前記
受信されたアトラクション状態データ及び前記
決定されたゲスト位置データに基づいて前記ウォーターアトラクションの前記個々のスライドの送出ステータスを決定することであって、前記決定された送出ステータスは送出許可ステータス又は送出拒否ステータスを含む、決定することと、
前記送出ステータスを示す信号を前記ウォーターアトラクションのコントローラに送信することと、
を行わせるように構成される、
ウォーターアトラクション送出システム。
【請求項2】
前記受信したアトラクション状態データは、水位データ、水の流量データ、水の組成データ、水のpHデータ、環境変化、天候変化、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記歪みゲージセンサのネットワークは、前記ネットワークに沿って伝播されるゲスト関連の撓みを測定するように構成され、前記ゲスト関連の撓みは、前記個々のスライド上のゲスト位置を決定するために
複数の特徴的撓みプロファイルと比較される、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ウォーターアトラクションのデフォルト状態は、前記送出拒否ステータスである、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記格納された命令は、前記送出コントローラに、前記複数のセンサのうちの1つのセンサのみからの前記アトラクション状態データが許容範囲外にあることに基づいて、前記送出拒否ステータスを決定又は維持させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記アトラクション状態データの測定データ値が、予め定められた範囲の外にある、予め定められた閾値を上回る、又は前記予め定められた閾値を下回ることに基づいて、前記受信したアトラクション状態データは許容範囲外にある、請求項
5に記載のシステム。
【請求項7】
測定された水のpHが、約7.2~約7.8の範囲の外にあるときに、前記受信したアトラクション状態データは許容範囲外にある、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記
ウォーターアトラクションにおける測定された水位が予め定められたレベルよりも低いときに、前記受信したアトラクション状態データは許容範囲外にある、請求項
6に記載のシステム。
【請求項9】
前記ウォーターアトラクションの送出位置に配置されたゲートコントローラを含み、前記送出拒否ステータスを含む前記決定された送出ステータスは、前記ゲートコントローラにゲートを閉じさせる又は前記ゲートを閉鎖状態に保持させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記ウォーターアトラクションの送出位置に配置された光インジケータを含み、前記送出許可ステータスを含む前記決定された送出ステータスは、前記光インジケータに光源を駆動させる、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記決定された送出ステータスは、マルチ
スライドアトラクションの個々のスライドの第1の送出ステータスを含み、前記第1の送出ステータスは、前記複数のセンサのうちの個々のセンサの前記受信したアトラクション状態データに基づく前記送出拒否ステータスを含み、前記個々のセンサは前記個々のスライドと関連し、前記決定された送出ステータスは、前記マルチ
スライドアトラクションの他のスライドの第2の送出ステータスを含み、前記第2の送出ステータスは、前記送出許可ステータスを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記決定された送出ステータスは、マルチスライドアトラクションのスライドに対する全体の送出ステータスを含み、前記全体の送出ステータスは、前記複数のセンサのうちの個々のセンサの前記受信したアトラクション状態データに基づく前記送出拒否ステータスを含み、前記個々のセンサは、前記マルチスライドアトラクションのスライドのための共有水源と関連付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
ウォーターアトラクション送出システムであって、
ウォーターアトラクションと、
前記ウォーターアトラクションの複数のセンサと、
プロセッサ及びメモリを含む送出コントローラと、
を含み、前記メモリは、前記プロセッサによって実行可能な命令を格納し、前記命令は、前記送出コントローラに、
前記ウォーターアトラクションの前記複数のセンサからアトラクション状態データを受信すること
であって、前記複数のセンサの一部は、複数のスライドのスライド経路に沿った歪みゲージセンサのネットワークを含む、受信することと、
前記ウォーターアトラクションの
前記複数のスライドのうちの個々のスライドの送出拒否ステータスを前記個々のスライドに関連する
前記受信されたアトラクション状態データに基づいて決定すること
であって、前記個々のスライドに関連する前記受信されたアトラクション状態データは、前記歪みゲージセンサのネットワークを用いて、測定されたゲスト関連の撓みを示す、決定することと、
前記ウォーターアトラクションの複数のスライドのうちの他のスライドの送出許可ステータスを前記他のスライドに関連する
前記受信されたアトラクション状態データ及び共有水源
に関連する前記受信されたアトラクション状態データに基づいて決定することと、
前記送出拒否ステータス及び前記送出許可ステータスを示す信号を前記ウォーターアトラクションのコントローラに送信することと、
を行わせるように構成され
る、
ウォーターアトラクション送出システム。
【請求項14】
前記測定されたゲスト関連の撓みは、前記送出許可ステータス又は前記送出拒否ステータスを決定するために、ゲストの移動速度とともに使用される、請求項
13に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、2018年5月24日に提出された、名称が「ウォーターアトラクション送出システム」である米国特許仮出願第62/676,018号の利益を主張し、この開示内容はあらゆる目的で引用により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本開示は、全体的にアミューズメントパークの分野に関する。具体的には、本開示の実施形態は、ウォーターパークアトラクションの顧客送出間隔を含む、アミューズメントパークの運用を管理する技術に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、ウォーターアミューズメントパークの人気が大幅に高まっている。この需要の高まりに対応するため、ウォーターアミューズメントパークは、新しいタイプのアトラクションを追加し、既存のアトラクションのスループットを向上させることによって拡大している。ウォータースライド乗り物などのアトラクションの追加は、一般的に、より多くのゲスト(guests)を取り扱うための追加のキャパシティを備えたウォーターアミューズメントパークをもたらす。しかしながら、ゲストのスループットが高いと、追加されるメンテナンス及びパークの監視が複雑になる。例えば、水の組成は、水中のゲストの数が増えるにつれて変化する可能性のある水の状態であり、定期的に監視される。オペレータに水質タスクの監視及び/又は解決を割り当てると、オペレータはまた、ゲストの乗車キューの業務を任う場合があるので、パークの運営が非効率になる可能性がある。
【0004】
従って、追加のアトラクションは追加のゲスト及びより高いスループットを可能にするが、様々な水状態を監視する複雑さも増加する可能性がある。このような複雑な監視では、水質が許容できることを確認するために追加のオペレータの支援が更に必要になる場合があり、その結果、アトラクションにおけるゲストの送出が遅れる可能性がある。
【発明の概要】
【0005】
最初に特許請求された主題の範囲に合った特定の実施形態が以下に要約される。これらの実施形態は、本開示の範囲を限定することを意図するものではなく、むしろ、これらの実施形態は、特定の開示された実施形態の簡単な要約を提供することのみを意図している。実際に、本開示は、以下に記載する実施形態と類似しても又は異なっていてもよい様々な形態を包含することができる。
【0006】
本明細書で提供されるのは、ウォーターアトラクション送出システム(water attraction dispatch system)である。ウォーターアトラクション送出システムは、ウォーターアトラクションと、ウォーターアトラクションの複数のセンサと、プロセッサ及びメモリを備えた送出コントローラ(dispatch controller)であって、メモリがプロセッサによって実行可能な命令を格納する送出コントローラと、を含む。命令は、送出コントローラに、ウォーターアトラクションの複数のセンサからアトラクション状態データ(attraction condition data)を受信させ、アトラクション状態データに基づいて、ウォーターアトラクションの送出ステータスを決定させ、ここで、送出ステータス(dispatch status)は、送出許可ステータス(permit dispatch status)又は送出拒否ステータス(deny dispatch status)を含み、送出ステータスを示す信号をウォーターアトラクションのコントローラに送信させる、ように構成されている。
【0007】
また、本明細書では、ウォーターアトラクションの複数のセンサを使用してアトラクション状態データを生成するステップと、アトラクション状態データを送出コントローラに送信するステップと、アトラクション状態データに基づき、ウォーターアトラクションのアトラクション状態が予め定められた許容範囲(tolerance)の外であると判断するステップと、送出拒否信号(deny dispatch signal)をアトラクションコントローラに送信するステップと、ウォーターアトラクションの送出位置での送出拒否信号に関連するステータスを維持するか、又は送出拒否信号に基づいて送出位置のゲートを閉位置に維持するステップと、を含む方法が提供される。
【0008】
また、本明細書では、ウォーターアトラクションの周りに分散され、1又は2以上のアトラクション状態を測定してアトラクション状態データを生成するように構成された複数のセンサと、アトラクション状態データに基づいて送出制御命令を受信し、送出制御命令(dispatch control instructions)に基づいて送出間隔(dispatch interval)を変更するように構成されたアトラクションコントローラと、送出制御命令を示す送出ステータスの表示(indication)を示すように構成された少なくとも1つの送出インジケータと、を含む、ウォーターアトラクションが提供される。
【0009】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、並びに利点は、図面全体を通じて同様の参照符号が同様の要素を示す添付図面を参照しながら以下の詳細な説明を読むと更に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の手法によるウォーターアトラクション送出システムを利用したウォーターアトラクションを含むテーマパークの概略図である。
【
図2】本発明の手法によるウォーターアトラクション送出システムを利用したウォーターアトラクションの様々な送出装置の概略図である。
【
図3】送出許可インジケータを含むディスプレイの一例を示す図である。
【
図4】本発明の手法による、許可又は送出拒否信号を送信するウォーターアトラクション送出システムのプロセスフロー図である。
【
図5】本発明の手法による送出条件を評価する手法のプロセスフロー図である。
【
図6】本発明の手法によるウォーターアトラクション送出システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
1又は2以上の特定の実施形態について、以下で説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、実際の実施構成の全ての特徴が本明細書に記載されている訳ではない。エンジニアリング又は設計プロジェクトにおいてみられるように、このような実際の実施構成の開発では、実施構成ごとに異なる可能性があるシステム関連及びビジネス関連の制約を伴うコンプライアンスなど、開発者固有の目標を達成するために、多くの実施構成固有の決定を行う必要があることを理解されたい。更に、このような開発努力は複雑で時間がかかる可能性があるが、それにもかかわらず、本開示の利益を有する当業者にとって、設計、製作、及び製造の日常的業務であることを理解されたい。
【0012】
本開示の種々の実施形態の要素を導入する際に、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、要素の1又は2以上が存在することを意味するものとする。「備える」、「含む」、及び「有する」という用語は、包括的であることを意図しており、リストされた要素以外の追加の要素が存在してもよいことを意味している。更に、本開示の「1つの実施形態」又は「実施形態」への言及は、リストされた特徴も組み込んだ追加の実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図していない点を理解されたい。
【0013】
ウォーターアトラクション(例えば、ウォータースライド)の状態は、ウォーターアトラクションを使用するゲストの数が増えるにつれて、及び天候が変化するにつれて、並びに様々な乗り物の揚水及び/又は供給システムの状態によって変化する傾向がある。更に、アトラクションの状態の変化は、給水源を共有する複数のアトラクションに影響を与える可能性がある。別の実施例では、特定の変化は、単一のアトラクションの一部に影響を与える一方で、他の部分には影響を与えない場合がある。例えば、複数のスライドを有するウォータースライドは、個々のスライドに供給するウォータージェットの状態に応じて、各スライドの状態が異なる場合がある。
【0014】
加えて、アトラクションのゲストのスループットは、アトラクション状態情報に基づいて影響を受ける可能性がある。様々なアトラクション状態が監視対象の個々のアトラクション状態に対して所与の許容範囲内にあることに基づいて、ゲストをアトラクション(例えば、アトラクションへの入場が許可される)に送出することができる。すなわち、アトラクションが許容可能なアトラクション状態を有している限り、アトラクションオペレータは、ゲストを送出する(dispatch)ことが許可されている(例えば、一定の間隔でゲストをウォータースライドに送る)。しかしながら、アトラクションオペレータへの許容可能なアトラクションの状態に関する情報の提供は、複雑となる場合がある。一部のアトラクション状態監視アーキテクチャは、アトラクションオペレータが収集した試験及び状態データを評価して、アトラクション状態の各々が所与の許容範囲(例えば、水の組成、水のpH、水温、水位などの衛生上の許容範囲)内にあることを検証することを含むことができる。しかしながら、アトラクションオペレータにアトラクション状態検証タスクを実施させることに依存すると、ゲストのスループット及び送出を円滑に管理する能力が妨げられる可能性がある。更に、アーキテクチャは、複数のオペレータが問題点をチェック又は解決すること、制御システムへのデータの提供、及び監視担当者によるデータのレビューを含む場合があり、ゲストの送出間に不合理な遅延が生じる可能性がある。加えて、幾人かのオペレータによるアトラクション状態の読み取りに一貫性がなく、更に遅延が発生する場合がある。更にまた、個々のアトラクションオペレータは、ゲストをそれぞれのウォータースライドに分配及びロードする際の効率が異なる場合がある。従って、全体的なウォーターアトラクション監視及びオペレータアーキテクチャは、非効率的で不正確であり、ゲストの送出に不必要な待機時間が発生し、その結果、キューがより長くなり、ウォーターアミューズメントパークのゲストの楽しみが低下する可能性がある。
【0015】
本明細書で提供される実施例は、一般に、例えば、本発明の手法を使用して、ウォーターアトラクションの様々なアトラクション状態要因を監視してゲストを効率的に送出することによってアトラクション状態の監視及びゲストの送出を容易にするなど、ウォーターアミューズメントパーク及びウォーターアトラクションの関連で提示することができるが、本開示の手法は、アミューズメントパークの他のアトラクション(例えば、非ウォーターアトラクション)及び非ウォーター関連状態及び/又は状況に適用することができる。非ウォーターアトラクション及び非ウォーター関連状態は、一般的なテーマパークの乗り物(例えば、ジェットコースター)を含むことができ、ゲストを送出する前にチェックされる状態は、乗り物又はアトラクションの様々な特徴に関連することができる。
【0016】
上記を念頭に置いて、
図1は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114に基づいてウォーターアトラクション112aにおけるゲストの送出を可能にする少なくとも1つのウォーターアトラクションを備えたウォーターテーマパークSの概略図である。特定のウォーターアトラクション112は、複数のウォータースライドを特徴として備えることができる。例えば、図示の実施形態では、ウォーターアトラクション112は、ゲストの送出位置にアクセスできる単一の送出キュー117又は送出グループ(例えば、送出位置にあってキューに配置されていないゲストのグループ)を介してアクセスできる複数のウォータースライド(例えば、ウォータースライド118a、118b、及び118c)を含むことができる。このようにして、ゲストは、ウォーターアトラクション112が送出位置116に入るキュー117の位置を推測することができる。送出位置116はまた、ゲストのアトラクションへの入場を追跡するために、送出位置116にてゲストセンサを含むことができる。1つの実施例では、送出位置116は、
図2で更に詳細に説明されように、センサ(例えば、光学、RFID又は重量センサ)を介してゲストの存在を示すことができる入口プラットフォーム(幾つかの実施形態では、トラップドア115)を含むことができる。送出位置116で、例えばトラップドア115上でのゲストの存在は、例えば、送出準備を決定するため、及び/又はキューの待機時間を決定するため、アトラクション状態評価の一部として用いることができる。すなわち、センサは、システムにフィードバック信号を提供する。送出位置116に入ると、ゲストは、アトラクションオペレータによって別々のウォータースライド118に分配され、ウォーターアトラクション112を体験することができる。従って、図示の実施形態では、ウォーターアトラクション112は、一度に複数のゲスト(例えば、2人、3人、又はそれ以上)を収容することができる。複数のウォータースライドが示されているが、個々のウォーターアトラクションは、限定ではないが、アトラクションに対して単一のウォータースライドを含む、スライド当たりに任意の適切な数のゲストを収容するための任意の適切な数のウォータースライドを含むことができる。図示のように、ゲストは、単一のウォータースライド118の送出間隔及び/又は共有ウォータープール124aの全体の間隔に応じて、異なる送出レートで割り当てられたウォータースライドに入ることができる。
【0017】
例えば、ウォータースライド118a及び118bに対してアトラクション状態が満たされる(例えば、許容範囲内にある)場合がある一方で、ウォータースライド118cに対する水噴射などの1又は2以上のアトラクション状態が満たされない場合がある。ウォータースライド118の全体的なアトラクション状態が許容範囲内にない場合、ウォータースライド送出コントローラ114は、ウォーターアトラクション送出システムの保存された命令に応じて、スライド118cのみ又は全体のウォーターアトラクション112aに対するキューにおけるゲストを送出する許可を拒否する信号を生成することができる。従って、複数のアトラクション状態を監視し、ウォーターアトラクション112のためのゲストの送出を決定することは複雑になる場合があり、様々な水関連状態及びアトラクション関連状態を考慮することが必要となる場合がある。
【0018】
1つの実施形態では、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって提供されるゲスト送出間隔は、仮想キューを制御するシステムに同期され、ゲスト関連デバイス(guest-associated device)(例えば、スマートフォン、ゲストリストバンド)と通信することができる。ゲスト関連デバイス120は、マルチスライド又はシングルスライドのウォーターアトラクション112などのパークアトラクションの待機時間、又は仮想キューにおける他のアトラクションのタイプ(例えば、レイジーリバーアトラクション112b)もしくは位置を示すのに用いて、ウォーターアトラクション112のうちの1又は2以上が物理キュー117を有さないか、又は何らかの物理キュー117の長さがより短いようにすることができる。
【0019】
ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって監視及び決定されたアトラクション状態の変化に応じて、ウォーターアトラクション112の送出間隔の増加又は減少をもたらす情報を提供することができる。例えば、1つの実施形態では、特定のウォーターアトラクションに対してアトラクション状態(又は少なくとも1つのアトラクション状態)が許容範囲外であるとウォーターアトラクション送出コントローラ114が判断した場合、ゲストの送出は、状況が解決されるまで停止することができる(すなわち、ウォーターアトラクションのステータスが送出拒否ステータスとして維持されるか又は変更され、新しい送出が許可されないようにゲスト送出間隔が増加又は停止される)。その結果、ウォーターアトラクション112の全体的な待機時間も長くなる可能性がある。他の実施形態では、本明細書に記載されるように、事前設定された許容範囲外のアトラクション状態の結果は、ウォーターアトラクション112の部分的又は完全な閉鎖などの他の結果をもたらす可能性があり、これもまた待機時間に影響を与える可能性がある。例えば、マルチスライドウォーターアトラクション112のうちの1つのスライドが閉じている場合、ゲストは、残りの開いているスライドに転じることができる。
【0020】
ウォーターアトラクション112の個々のゲストの送出間隔は、使用可能なウォータースライドの数、許容範囲外のアトラクション状態の存在、許容範囲外のアトラクション状態を解決するための平均時間、許容範囲外のアトラクション状態の通知時点からオペレータが許容範囲外のアトラクション状態を解決するために割り当てられた時間までの時間間隔、ウォーターアトラクションウォータースライド送出間隔データ、及び/又はウォーターアトラクションでの過去のゲストスループットを含む1又は2以上の要因に少なくとも基づくことができる。従って、ゲスト関連デバイス120は、送出間隔通知122を介して更新され、関連付けられたウォーターアトラクション112の待機時間の変化を示すことができる。
【0021】
幾つかの実施形態では、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、集中化され、パーク内の他のシステムへの複数の通知システム122及び/又は接続(例えば、有線及び/又は無線接続)を含むことができる。1つの実施例では、タスク通知は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114との間で通信して、許容範囲外のアトラクション状態を示し、オペレータのタスクとして割り当てることができる。アトラクション状態通知は、本明細書で説明するように、ウォーターアトラクション112の様々な部分に配置されたセンサに基づいて、ウォーターアトラクション112から送信される信号を介して提供することができる。センサは、ウォーター送出コントローラ114によって、アトラクション状態を監視し、アトラクション状態の変化を検出するのに使用することができる。ウォーターアトラクション送出コントローラは、センサデータを使用して、アトラクション状態が予め定められた許容範囲内にあることを監視及び決定することができる。
【0022】
図示の実施形態では、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、集中化され、パークの他の部分に接続することができる。ウォーターアトラクション送出コントローラ114が、ウォーターアトラクション112のセンサから通信された信号に基づいてアトラクション状態の変化を決定する場合、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、その変化のアラートをモニタリングシステム132に送信することができる。モニタリングシステム132は、リアルタイムのアトラクション状態及び/又は変化を送信するユーザ又は仮想マシン、及び予め定められた閾値(predetermined threshold)より上又は下、或いは許容範囲外とすることができるアトラクション状態の変化を解決するためにオペレータを割り当てるタスク通知とすることができる。加えて、モニタリングシステム132は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって受信されたアラート及び/又は通知を監視するだけでなく、ウォーターアトラクション送出コントローラ114を制御又は再構成することもできる二次チェックシステムとすることができる。このように、モニタリングシステム132は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって検出された変化の結果として、アトラクション状態許容範囲をリセットし、又は自動化された動作を無効にすることができる。例えば、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、ゲスト送出のためのアクセスを許可又は拒否する動作を自動的に実行することができる。同様に、オペレータは、停止メカニズム(例えば、ボタン)を介してゲストの送出を手動で停止し、ウォーターアトラクション送出コントローラによって決定された問題以外の問題をオペレータが発見した場合、許可又は拒否アクセス信号を無効にすることができる。モニタリングシステム132はまた、ウォーターアトラクション112上のセンサを再較正するのに使用することができる。
【0023】
ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、ウォーターテーマパーク110内の複数のウォーターアトラクション112と通信することができる。更に、個々のアトラクションは、ウォーターアトラクション112aのウォータースライド118a,118b,118bだけでなく、レイジーリバーウォーターアトラクション112bの水に流体接続できる共有プール124など共通の特徴を共有することができる。このため、本明細書で提供されるように、特定のセンサ146の測定値は、個々のウォーターアトラクション112の複数の部分、又は複数のウォーターアトラクション112のアトラクション状態評価の一部に適用されて考慮することができる。従って、共有プール124aのアトラクション条件タスクを解決することもまた、レイジーリバーウォーターアトラクション112bのスループットに影響を与える可能性がある。例えば、共有プール124aの許容範囲外の水位状態(例えば、高水位)の場合、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、共有プール124aの水位状態が解決されるまで新しい救命具の分配を停止するように救命具ディスペンサー125に指示することができる。別の実施例では、レイジーリバーウォーターアトラクション112bの温度及び/又はpH水状態レベルを解決するために、ポンプ及び/又は他のシステムは、共有プール124aとレイジーリバーウォーターアトラクション112bの間で水を迂回させることができる。対照的に、他のウォーターアトラクション(例えば、ウォーターアトラクション112c)は、他のウォーターアトラクション112からオペレータを設定するか、又は流体的に隔離することができ、関連する共有プール124(例えば、共有プール124b)は、個々の隔離されたウォーターアトラクションのウォータースライド118のみに接続される。このように、共有プール124aの水質情報は、隔離されたアトラクション112cの送出間隔には影響しない。
【0024】
図2は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によるアトラクション状態判定に基づいて、1又は2以上のスライド118へのゲストの送出を制御する指示を提供するために、ウォーターアトラクション送出コントローラ114(
図1)と連動して使用できるウォーターアトラクション112aの正面斜視図を示す。図示の実施形態は、単独で、又は互いに組み合わせて、任意の適切なウォーターアトラクション112上で使用することができる送出インジケータの様々な実施例を示している。1つの実施形態では、アトラクション状態及び特定の実施形態では個々のスライド118aの状態が許容可能であるというウォーターアトラクション送出コントローラ114からの決定に基づいて、送出信号が、オペレータによって使用されるタブレット140、オペレータ及び/又はゲストが見ることができる光インジケータ142、及び/又は自動機械式ゲート144などの1又は2以上の視覚的インジケータデバイスに提供される。信号は、ウォーターアトラクション112a全体に配置された水質センサ146によって検出された状態に基づいて送信することができる。
【0025】
1つの実施形態では、水質センサ146は、送出位置116にて、スライド118の中央で、スライド118の端部付近で、その他など、ウォーターアトラクション112aの個々のスライド118(例えば、スライド118c)の様々な点に配置することができる。1つの実施形態では、センサ146は、送出位置116のプラットフォーム(例えば、トラップドア115)上に取り付けられた重量計又は重量センサ146とすることができる。予め定められた閾値を超える重量の存在は、送出されるゲストの存在を示すことができる。別の実施形態では、アトラクション状態センサ146が流量センサ(flow sensor)又は水位センサ(water level sensor)である場合、個々のアトラクション状態センサ146によって感知された低水流又は水位は、許容範囲外のアトラクション状態データを示すアトラクション状態センサ146に最も近い1又は2以上の水噴射ポイント147の活性化をトリガーすることができる。このようにして、個々のスライド118の水位を監視及び調整して、事前に設定された許容範囲内にアトラクション状態を維持することができる。水噴射ポイント147はまた、共有プール124に結合して、水を注入し、ゲストを受け入れるプールの水位を変えすることができる。同様に、ウォーターアトラクション112aはまた、アトラクション状態データに基づいてトリガーすることができる1又は2以上の排水装置148を含むことができる。アトラクション状態センサ146は、個々のスライド118又はウォーターアトラクション112aの全てのスライド146に使用される水源の状態を検出することができる。更に、図示のアトラクション状態センサ146は、1つのタイプ又は異なるタイプの1又は2以上のアトラクション状態センサ146を指すことができる。
【0026】
加えて、ゲストウェアラブルデバイス(例えば、ブレスレット)に組み込まれた無線個体識別(RFID)タグから読み取られたデータなど、他の感知されたデータをウォーターアトラクション送出コントローラによって利用することができる。RFIDタグは、アトラクション状態センサ146に組み込まれた電子リーダーと通信して、タグの存在を示すことができる。RFIDデータを利用して、送出位置116にて、スライド118上で、及び/又はスライド118上及び/又はその近くの1又は2以上の電子リーダーを介した出口プールにて、キューにゲストが存在することを示すことができる。更に、電子リーダー及びRFIDタグ通信は、送出されたゲストがスライド118上を移動する様々な速度を示すことができる。例えば、スライド118に沿った複数の位置からのデータを使用することにより、速度評価を可能にすることができる。
【0027】
センサ146は、RFID又は他の無線タグを含むことができる。加えて、このようなセンサ146はまた、アトラクション112のインフレータブル装置、マット、又は車両などの他の乗り物構成要素と関連付けることができる。例えば、センサ146は車両に取り付けられ、車両の存在が検出された場合(例えば、アトラクションに配置された1又は2以上の電子リーダーとのRFIDタグ通信を介して)、後続のゲスト又は車両が予め定められた時間期間は送出されないようにされる。センサ146はまた、オンボードセンサデータを通信するように構成することができる。例えば、インナーチューブ又はインフレータブルラフトなどのインフレータブル車両は、送出コントローラ114に信号を提供するオンボード圧力センサを含むことができ、送出コントローラは、送出信号を監視して、インフレータブル車両の圧力閾値が許容範囲内(例えば、所望の範囲内の空気圧)であるかどうかに基づいて送信することができる。加えて、許容範囲外のインフレータブル車両は、メンテナンスのためタグ付けすることができる。
【0028】
加えて、センサ146は、スライド118上のゲストの存在を示すために歪みゲージセンサ(strain gauge sensors)を含むことができる。各スライド118は、スライド118に沿って一連の歪みゲージを有し(例えば、スライド118を形成する材料に埋め込まれ又は関連付けられている)、重量、力、及び/又は経路に沿った張力などによる抵抗の歪み又は変化を検出するのに使用できる歪みゲージのネットワーク(例えば、アレイ)を作成することができる。様々な場所でのゲストによって引き起こされるスライド118の撓み(deflection)は、センサ146によって検出され、様々な特徴的撓みプロファイル(characteristic deflection profiles)にマッピングすることができる。例えば、ゲストは、ゲストに最も近い個々のセンサ146で最大の撓みを引き起こす可能性がある。しかしながら、撓みは伝播して、アレイ内の他のセンサ146によって感知することができる。歪み値は、ゲストの重量に基づいて変わる可能性があるので、スライド118全体のプロファイル(profile)を使用して、ゲストの歪みの存在を検出することができる。歪みゲージアルゴリズムにより、スライド118のプロファイルを作成することができる。歪みゲージセンサは、歪みゲージ内の歪みを検出することができ、歪みゲージは、ウォーターアトラクション送出コントローラ114に動的に報告することができ、次にウォーターアトラクション送出コントローラ114は、例えば、歪みゲージアルゴリズムを使用してスライド118の特徴的撓みプロファイルに関してデータを評価し、スライド118の経路上のゲストの存在及び/又は位置に関する情報を提供する。スライド118上のゲストの位置に関する知識及び/又はゲストの移動速度は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114による送出間隔又は送出許可を決定するための追加のサブ入力として使用できる。例えば、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、スライド118の経路の歪みマップ(strain map)に基づく歪みゲージアルゴリズムにより決定されたスライド経路上のゲストの存在に基づいて、特定のウォーターアトラクション112についてアトラクション状態が許容範囲外であると決定することができる。従って、ゲストの送出は、状況が解決されるまで停止することができる(すなわち、ゲストは、共有プール124aへのスライド経路を進み続ける)。
【0029】
1つの実施形態では、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、ゲストの送出の許可又は拒否を示す信号を、オペレータによって使用されるタブレット140に送信することができる。タブレット140は、
図3に示すように、ゲストの送出の許可又は拒否を示す「GO」又は「HOLD」プロンプトを表示することができる。例えば、以前に表示された「HOLD」からのスイッチとして、タブレット140上で「GO」信号を受信した後、オペレータはゲストを送出することができる。表示は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって送信された信号に基づくことができ、このことは、現在のアトラクション状態及び/又は追加入力(例えば、乗り物上のゲストの存在又は乗り物上の現在又は過去のゲストの速度)に基づくことができる。
図3に示すように、限定ではないが、ウォーターアトラクション112のスライド識別情報149(オペレータがマルチスライドウォーターアトラクション112aの別のスライドに誤ってタブレット140を使用することを防止するために)、現在の区間送出時間、アトラクション状態を観るためのモニタリングシステムシステム132との共有モニター画面、スライド118経路上のゲストの存在、その他を含む、追加情報をタブレット140上で中継することができる。このように、アトラクション状態をリアルタイムで見ることによって、オペレータは、アトラクション状態の問題の性質を認識することができる。
【0030】
図2に戻ると、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、1又は2以上の光源ディスプレイ143、例えば、発光ダイオード(LED)を含む光インジケータ142にゲストの送出の許可又は拒否を示す信号を送信することができる。光インジケータ142は、送出拒否を示す赤色LEDと、送出許可を示す緑色LEDとを含むことができる。赤色又はグリードLEDは、現在のアトラクション状態及び/又は追加入力(例えば、乗り物上のゲストの存在又は乗り物上の現在又は過去のゲストの速度)に基づいて、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって送信された対応する信号に基づき点灯することができる。光インジケータ142は、オペレータ又は送出待ちのゲストによって見ることができる。このため、LEDが緑色に点灯しているときには、ゲストは、オペレータによる送出を待機することなくウォーターライドを続けることができる。或いは、光インジケータ142が緑色に点灯したときには、オペレータは、ゲストを送出することができる。
【0031】
更に、以下の記載の一部は、特定の実施形態を表す、送出拒否信号及び/又は送出拒否信号を示す赤色LEDを説明しているが、本方法及びシステムは、送出拒否信号なしで、送出許可信号(例えば、フェイルセーフ信号)のみに基づいてウォーターアトラクション送出コントローラ114が送出するなど、任意の適切な信号配置を使用して実行及び実施することができる点に留意されたい。すなわち、アトラクション112のデフォルト状態は、送出拒否状態とすることができる。送出許可信号は、送出許可に関連するアトラクション状態を示すデータのみに基づいて提供される。アトラクション状態データは、送出許可信号が予め定められた送出回数及び/又は予め定められた時間に対してのみ有効であるように継続的に収集及び評価される。1つの実施形態では、送出許可状態は、アトラクションからの単一のゲスト又は単一の車両の送出の後にクリアされる。クリアされると、アトラクション112は、送出許可信号に関連するウォーターアトラクション状態が確認されるまで、デフォルトの送出拒否状態に戻る。従って、この実施形態では、光インジケータ142は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって送信されたフェイルセーフ送出許可信号に基づいて送出の許可を示す緑色LEDのみを含むことができる。しかしながら、様々な動作機能を示すために、追加のインジケータ又はライトが存在することができる。
【0032】
更に別の実施形態では、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、ゲストを送出するために機械的ゲート144を自動的に開閉する信号を送信することができる。信号は、機械式ゲート144を自動的に開閉するための「開」又は「閉」信号を示すことができる。機械的ゲート144は、現在のアトラクション状態及び/又は追加の入力(例えば、乗り物上のゲストの存在又は現在又は過去のゲストの速度)に基づいて、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって送信される対応する信号に基づいて開閉することができる。機械式ゲート144は、ゲストを送出するために自動的に開閉することができるので、オペレータがゲストを送出する必要がない場合がある。このため、ゲートが開いた後も、ゲストは自分でウォーターライドを続けることができる。しかしながら、オペレータ又はモニタリングシステムを使用して、機械ゲート144の正常な機能を監視することができる。1つの実施形態では、ゲート144は、送出拒否に関連するデフォルトの閉状態下ではオペレータとすることができ、送出許可信号を受信して送出許可状態に変更するときにのみ開くことができる。
【0033】
送出を許可又は拒否するためにウォーター送出コントローラ114によって送信される信号を更に例示するために、
図4は、送出信号決定技術のプロセスフロー
図150である。プロセスは、ウォーターアトラクション送出コントローラ114が、ウォーターアトラクション112全体にわたって様々なアトラクション状態センサ146からアトラクション状態の読み取り値を受信するステップ(ブロック154)から始まる。スライド上のゲストの存在又はゲストの移動速度などのアトラクション状態読み取り値又は追加のアトラクション状態データはまた、既に説明したように、RFIDタグ、歪みゲージ、及びウェアラブルを介して収集することができる。
【0034】
次に、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、1又は2以上のアトラクション状態が予め定められた許容範囲内にあるかどうかを決定することができる(決定ブロック156)。ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、この決定を機械アルゴリズムにより計算することができる。アルゴリズムは、受信したデータ(例えば、アトラクション状態の読み取り値)を分析し、これをユーザ又はオペレータによって設定できる予め定められた許容範囲と比較することができる。機械アルゴリズムはまた、アトラクション状態の許容範囲計算に基づいて合格又は不合格の決定を計算し、次に全てのアトラクション状態許容範囲に基づいて全体の合格又は不合格の決定を計算することができる。例えば、1又は2以上のセンサ146からのアトラクション状態データは、水位データ、pHレベル、流量、化学組成、その他を含む、異なるタイプの測定値を含むことができる。1つの実施例では、センサ146は、pH測定データを生成するpHセンサとすることができる。測定データは、ウォーターアトラクション112の単一の位置から又はトラクション112の複数の位置からのpH値とすることができる。1又は複数の測定されたpH値は、事前に設定された望ましいpH範囲(例えば、約7.2から約7.8)と比較することができる。別の実施形態では、水位を光学センサによって測定して、ウォーターアトラクション112の1又は2以上の領域に十分な水が満たされているかどうかを決定することができる。測定されたアトラクション状態の性質によっては、事前設定範囲に入らない又は事前設定閾値よりも大きい又はより小さい値は、許容範囲外と見なされる場合がある。
【0035】
アトラクション状態の1又は2以上がその許容範囲内にない場合、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、不具合状態を通知するためにオペレータに自動通知を送信することができる(ブロック158)。追加的又は代替的に、1又は2以上のアトラクション状態が予め定められた許容範囲内にないと決定した場合、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、オペレータによって使用されるタブレット140、オペレータによって使用されるディスプレイ143、及び/又は自動機械式ゲート144(
図2)に送出拒否信号を送信することができる。更に、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、モニタリングシステムに通知を送信するように構成することができる。次いで、モニタリングシステム132は、割り当てられたオペレータ又はパーク従業員に通知を送信して、許容範囲外のアトラクション状態を解決することができる。通知は、全体的なアトラクション状態が不具合となる特定のアトラクション状態を示すことができ、限定ではないが、アトラクション状態の読み取り値、データを読み取ることができるセンサ146の障害、許容範囲外のアトラクション状態の位置、許容範囲外のアトラクション状態を解決する手順、その他を含む、関連データを示すことができる。1つの実施形態では、単一の測定された要因が許容範囲外であると、他の測定要因の状態に関係なく、送出拒否信号が送信される可能性がある。他の実施形態では、許容範囲外要因の位置を考慮することができる。位置が、マルチスライドアトラクションの単一のスライド118に限定されている場合、他のスライドには影響を与えることなく、単一スライドの送出位置にのみ送出拒否信号を送信することができる。
【0036】
更に、特定の実施形態では、送出間隔時間は、アトラクション状態が許容範囲内にないこと及び/又は許容範囲外のアトラクション状態(許容範囲)が未解決のままであることに基づいて、現在の送出時間から新しい送出間隔時間に更新することができる(ブロック160)。許容範囲外のアトラクション状態を解決する通知が解決のために割り当てられた後、機械アルゴリズムは、アトラクション状態が実際に解決されたかどうかをチェックすることができる(決定ブロック164)。このチェックは、解決のために割り当てられたアトラクション状態のセンサデータの変化を監視及び検出するウォーターアトラクション送出コントローラ114の別の機械アルゴリズムによって完了することができる。或いは、オペレータ又はモニタリングシステム132は、割り当てられたタスクを完了としてマーク付けすることができる。従って、機械アルゴリズムのこの部分は、これより前のステップで検出された許容範囲外のアトラクション状態に依存することができる。この解決により、アトラクション状態が許容範囲内にならなかったと機械アルゴリズムが決定した場合、プロセス150は、前述のように、(解決の通知を送信するステップ(ブロック158)に戻って、送出間隔タイミングを更新し(ブロック160)、送出拒否信号を送信することができる(ブロック162)。
【0037】
しかしながら、解像度によってアトラクション状態が許容範囲内になる場合、又は初期アトラクション状態の読み取り値が許容範囲内であった場合、プロセス150は、ウォーターアトラクション乗り物112の現在の送出間隔のタイミングを続行するように決定することができる(ブロック166)。従って、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、
図2で説明したように、オペレータによって使用されるタブレット140、オペレータによって使用されるディスプレイ143、及び/又は自動機械式ゲート144に送出許可信号を送信することができる(ブロック168)。送出許可又は拒否信号を送信する際に、プロセス150によって監視及び考慮される様々なアトラクション状態要因が存在することができる。
【0038】
図5のプロセス200に示されるように、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、ゲストを送出するための様々なアトラクション状態要因又は入力を考慮する。本プロセスは、ウォーターアトラクション送出コントローラ114が、ウォーターアトラクション送出コントローラ114のメモリに格納することができるユーザ設計からの最適なアトラクション状態命令を受信するステップ(ブロック202)から開始することができる。最適なアトラクション状態命令は、考慮されるアトラクション状態ごとに予め定められた許容範囲を含むことができる。前述のように、ウォーターアトラクション送出コントローラ114のプロセッサベースの機械アルゴリズムは、アトラクション状態が許容範囲外であるかどうかを計算することができる。
【0039】
ウォーターアトラクション送出コントローラ114が、最適又は所望のアトラクション状態を受信して記憶すると、複数のアトラクション状態についてセンサデータ入力を受信することができる(ブロック204)。アトラクション状態は、限定ではないが、水噴射、水位、水組成(water composition)、ウォーターアトラクション112又はその近くのゲストのステータス、ウォーターアトラクション112又はその近くのゲストの不正行為(例えば、ゲストがスライド118経路内をブロック又は滞在する)及びウォーターアトラクション112又はその近くの環境変化(例えば、天候の変化)を含むことができる。個々のアトラクション状態は、それぞれの個々の許容範囲、或いは合格又は送出許可ステータスの一部である状態に関連付けることができる。特定のアトラクション状態はバイナリとすることができる。例えば、アトラクション状態は「送出位置のゲスト?」とすることができ、「yes」が送出許可ステータスに関連付けられ、「no」が不具合及び結果としての送出拒否ステータスに関連付けられる。別の実施例では、望ましい範囲内の水pHレベルは、送出許可ステータスに関連付けられ、範囲外のpHは、送出拒否ステータスに関連付けられる。本明細書で規定するように、複数のアトラクション状態のうちの1つだけ又は少なくとも1つが許容範囲外又は不具合である場合に、送出拒否ステータスがトリガーされる。逆に、送出許可ステータスは、許容範囲内又は合格である全て又はほとんどの状態に関連付けられる。本明細書で規定されるように、ウォーターアトラクション112は、フェイルセーフとしてデフォルトの送出拒否ステータスを有することができる。
【0040】
1つの実施形態では、適切な水噴射は、ゲストの送出を決定するときに、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって考慮されるアトラクション状態とすることができる。ウォーターアトラクション112のウォータースライド118上の水噴射ポイント147は、ウォータースライド118上の水の流量に影響を与える可能性がある。一定の水流量により、ゲストは停止又は寒くなることなく、ウォータースライド118を下り続けることができる。従って、ウォーターアトラクション112のウォータースライド118全体に1又は2以上の注入ポイントが存在することができる。水噴射状態の許容範囲は、スライド118全体で一定の水流量を検出できるように設定することができる。従って、許容範囲はまた、スライド118上の様々なポイントでセンサ146が水を検出するように設定することができる。
【0041】
別の実施形態では、適切な水位は、ゲストの送出を決定するときに、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって考慮されるアトラクション状態とすることができる。ウォーターアトラクション112全体の適切な流量が確保されるので、ウォーターアトラクション112全体の水位を考慮することができる。センサ146は、ウォーターアトラクション112の様々な部分の水位を検出することができ、これは、スライド118の水位、ウォーターアトラクション112の1又は2以上のスライドのためのウォータープール124、及び/又はウォーターアトラクション112の水源を含むことができる。前述のように、水位の閾値又は許容範囲は、ウォーターアトラクション112の様々な部分に対して一定の水流量を可能にするように設定することができる。
【0042】
更に別の実施形態では、適切な水組成は、ゲストの送出を決定するときに、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって考慮されるアトラクション状態とすることができる。水の化学的バランスを確保するために、水の組成を考慮することができ、これにより、水質汚染を更に最小限に抑えることができる。センサ146は、ウォーターアトラクション112の様々な部分のpHレベルを検出することができ、これには、スライド118上の水のpHレベル、ウォーターアトラクション112の1又は2以上のスライド118のウォータープール124、及び/又はウォーターアトラクション112の水源を含むことができる。pHレベル及び/又は塩素レベルなどにより適切な水組成を維持することで、ゲストの水との接触による不快感を防ぎ、機器を維持し、汚染を防ぐために塩素機能を維持することができる。pHレベルの許容範囲は7.2~7.8に設定することができる。適切な水組成の指標として使用できる別のサブファクターは、限定ではないが、特定の汚染物質の有無を含むことができる。閾値は、汚染のタイプ及び量の許容レベルに応じて設定することができる。
【0043】
別の実施形態では、ゲストの送出を拒否するか許可するかを決定する際に、ウォーターアトラクション送出コントローラ114によって適切な送出間隔を考慮することができる。送出間隔は、ゲストの効率的な乗車率を確保し、送出間の間隔時間を適切に維持することなく、同じスライドに複数のライダーが乗るのを防ぐように考慮することができる。送出間隔時間に設定された許容範囲レベルは、ゲストが送出後にスライド又はウォータープール124の底に到達するまでに要する平均時間に設定することができる。加えて、許容範囲は、複数のゲストが互いに近接して送出されるのを防ぐためのバッファ時間を含むことができる。送出間隔の許容範囲を設定する際に考慮することができる他のサブファクターは、ウォータープールに送給することができるウォーターアトラクション112のスライド118の数、スライド118及び/又はウォーターアトラクション112全体の長さ、その他とすることができる。
【0044】
水噴射、水位、水組成、及び送出間隔を含む様々なアトラクション状態の入力データを受信した後、ウォーターアトラクション送出コントローラ114のプロセッサベースの機械アルゴリズムは、アトラクション状態が許容範囲外かどうかを決定することができる(ブロック206)。機械アルゴリズムは、受信した入力データをユーザによって設定された事前設定許容範囲と比較することによって、決定を実施することができる。従って、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、アトラクション状態が事前設定許容範囲内にあるかどうかを監視及び決定して、ウォーターアトラクション112にゲストを送出する許可を与えることができる。
【0045】
図6は、ウォーターアトラクション送出システム300のブロック図である。システム300は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114を含み、コントローラ114は、本明細書に記載の方法及び制御動作を実行するためにプロセッサ302によって実行可能な命令を格納するメモリ304を含むことができる。プロセッサ302は、1又は2以上の処理デバイスを含むことができ、メモリ304は、1又は2以上の有形の非一時的な機械可読媒体を含むことができる。例として、このような機械可読媒体は、RAM、ROM、EPROM、EEPROM、又は光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ、又は他の磁気ストレージデバイス、或いは所望のプログラムコードを機械実行可能な命令又はデータ構造の形式で伝送又は格納するのに使用でき、プロセッサ302によってもしくは他のプロセッサベースのデバイス(モバイルデバイスなど)によってアクセスできる他の媒体を含むことができる。例えば、ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、オペレータインターフェース(例えば、コンピュータベースのワークステーション又はモバイルデバイス、及び/又は入出力インターフェース308及びディスプレイを含むことができる)によってアクセスすることができる。ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、アンテナ、無線トランシーバ回路、信号処理ハードウェア及び/又はソフトウェア(例えば、ハードウェア又はソフトウェアフィルタ、A/D変換器、マルチプレクサ増幅器)、又はこれらの組み合わせなどの通信回路306を含むことができる。通信回路306は、IR無線通信、衛星通信、ブロードキャスト無線、マイクロ波無線、ブルートゥース(登録商標)、Zigbee、Wifi、UHF、NFC、その他を介して有線又は無線通信経路上で通信するように構成することができる。このような通信はまた、無線タワー、セルタワー、その他などの中間通信デバイスを含むことができる。プロセッサ302、メモリ304、通信回路306、及び入出力インターフェースなどのオペレータインターフェース要素は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114の関連において説明してきたが、これらのハードウェア構成要素の少なくとも一部は、システム300の他のコントローラにも存在することができる。
【0046】
ウォーターアトラクション送出コントローラ114は、引力コントローラ320と通信して、送出ステータスを示す信号を提供する。1又は2以上のセンサ146によって生成されたデータに基づいて、送出コントローラは、アトラクション状態を評価して、送出ステータス信号を生成することができる。1又は2以上のセンサ146は、水位センサ、流量センサ、pHセンサ、温度センサ、及び/又は化学組成センサ(例えば、塩素滅菌活性を示す酸化還元ポテンシャルセンサ、遊離塩素センサ、複合塩素センサ)を含むことができる。加えて、1又は2以上のセンサ146は、ゲストの通過を検出する光学センサ、又はゲスト装着デバイスと通信してウォーターアトラクション112内のゲストの位置(
図1参照)を登録する無線センサ(例えば、RFID、NFC)を含むことができる)。
【0047】
アトラクションコントローラ320は、オペレータの評価又はセンサデータから決定されたゲストの位置と共に送出ステータスを使用して、送出を制御することができる。例えば、各アトラクションは、ゲストの送出に対して事前設定又は所望の送出間隔(例えば、毎30秒)を有することができる。ゲストの送出の直後、アトラクションコントローラ320は、送出ステータス信号によって示されるアトラクション状態に関係なく、送出間隔が経過するまで関連する送出インジケータ(例えば、ゲストタブレット140、光インジケータ142)又はゲートコントローラ326を送出拒否モードにすることができる。このように、前のゲストがアトラクションの実行を完了して退場するのに十分な時間が経過するまで、追加のゲストは送出(例えば、スライドへの入場)が許可されない。この時間は、ゲストのサイズ及び重量の範囲について推定されて、適切な送出間隔を決定することができる。前のゲストの送出時から送出間隔が経過した後、アトラクションコントローラ320は、ウォーターアトラクション送出コントローラ114からの送出ステータス信号を解決する。送出ステータス信号が許容可能なアトラクション状態を示している場合、送出インジケータ又はゲートコントローラ326は、送出許可モードに入り、次のゲストを送出できるようにすることができる。送出ステータス信号が許容可能でないアトラクション状態を示している場合、送出インジケータ又はゲートコントローラ326は、送出拒否モードに入り、次のゲストが送出されないようにすることができる。例えば、送出ステータス信号に基づいて、光インジケータコントローラ328の光ドライブ3を駆動して、緑色又は赤色のライト(例えば、光源143)を点灯させることができ、及び/又はGO又はHOLDを示すオペレータタブレット140に信号を送信することができる。ゲートコントローラ326は、ゲート(例えば、ゲート144)を上下構成の間で移動させることができる。
【0048】
ゲストの送出を容易にすることに加えて、システム300はまた、特定のアトラクション状態タスクを自動的に解決するように動作することができる。例えば、センサデータに基づいて、アトラクションコントローラ320は、ドレインデバイスコントローラ332又は噴射デバイスコントローラ336を作動させて、アトラクション状態を変更し、許容範囲内の測定値を得ることができる。
【0049】
本開示の特定の特徴のみを本明細書に図示し説明したが、多くの修正及び変更が当業者に見出されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の趣旨に属するような修正及び変更の全てを包含するように意図されると理解すべきである。
【0050】
本明細書で提示され特許請求された技術は、本発明の技術分野を明らかに改善する有形物及び実際的な性質の具体例に参照及び適用され、このため、抽象的、無形又は純粋に理論上のものではない。更に、本明細書に添付されたあらゆる請求項が、「ある機能を実行する手段」又は「ある機能を実行するステップ」として指定された1又は2以上の要素を包含する場合には、このような要素は、米国特許法第112条第6項に基づいて解釈されることを意図している。しかしながら、他の何れかの様態で指定された要素を含む何れかの請求項については、このような要素は、米国特許法第112条(f)に基づいて解釈されないものとする。