(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】決定装置、経路決定方法、および、経路決定プログラム
(51)【国際特許分類】
G01S 19/43 20100101AFI20231211BHJP
G05D 1/10 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G01S19/43
G05D1/10
(21)【出願番号】P 2021109439
(22)【出願日】2021-06-30
(62)【分割の表示】P 2020106499の分割
【原出願日】2020-06-19
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浅沼 邦光
(72)【発明者】
【氏名】島田 晃稔
(72)【発明者】
【氏名】安良岡 優
【審査官】佐藤 宙子
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-056041(JP,A)
【文献】特開2019-067252(JP,A)
【文献】特開2018-030407(JP,A)
【文献】特表2017-538098(JP,A)
【文献】特開2019-190975(JP,A)
【文献】特開2002-365358(JP,A)
【文献】特開2019-120986(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0184706(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 5/00- 5/14
G01S 19/00-19/55
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G05D 1/10
G08G 5/00
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体の経路の基準となる端末装置の位置情報であって、前記端末装置が位置するエリアに対応する基準局の座標の情報と前記基準局が受信した衛星信号に基づく情報とを含む補正情報に基づき算出された位置情報を取得する取得部と、
所定のエリアにおける前記飛行体の飛行態様であって、前記端末装置を基準として前記所定のエリアでの所定の条件に従って前記飛行体が移動する際の飛行態様に関する定義情報を利用者から受け付ける受付部と、
前記定義情報に基づいて、前記取得部により取得された位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記飛行体の飛行経路として決定する決定部と、
を備える決定装置。
【請求項2】
前記決定部は、
前記定義情報において、内容の異なる複数の前記所定の条件を組み合わせることで前記飛行態様が定義されている場合には、前記定義情報を満たす位置として、前記取得部により取得された位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、複数の前記所定の条件それぞれを満たす位置を含む経路を、前記飛行体の飛行経路として決定する、
または、
前記定義情報を満たす位置からさらに相対的な位置を含む経路を、前記飛行体の飛行経路としてさらに決定する、
請求項1に記載の決定装置。
【請求項3】
前記取得部は、
前記端末装置の位置情報として、前記補正情報を用いたリアルタイムキネマティック測位法により算出された位置情報を取得する、
または、
前記端末装置の位置情報として、前記端末装置が前記補正情報に基づき補正した位置情報を取得する、
請求項1に記載の決定装置。
【請求項4】
前記受付部は、
複数の前記端末装置のうち所定の端末装置を利用対象として、前記所定の端末装置の位置を基準とする目標地点であって、前記飛行体を到達させる目標地点までの飛行態様が前記所定の条件を用いて定義された定義情報を受け付け、
前記決定部は、
前記目標地点までの飛行態様が定義された定義情報が受け付けられた場合に、前記取得部により取得された位置情報のうち、前記所定の端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記所定の端末装置から前記目標地点までの前記飛行体の飛行経路として決定する、
請求項1に記載の決定装置。
【請求項5】
前記決定部は、
前記端末装置のうち所定の1つの端末装置を利用対象として、前記所定の1つの端末装置の位置を基準とする目標地点であって、前記飛行体を到達させる目標地点までの飛行態様が前記所定の条件を用いて定義された定義情報が受け付けられた場合には、前記取得部により取得された位置情報のうち、前記所定の1つの前記端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記目標地点までの前記飛行体の飛行経路として決定する、
または、
利用対象の前記端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を前記目標地点の位置として算出し、算出した位置を目標に移動させる軌道を前記飛行体の飛行経路として決定する、
請求項4に記載の決定装置。
【請求項6】
前記決定部は、
前記端末装置のうち所定の2つの端末装置を利用対象とし、一方の端末装置の位置を基準とする開始地点であって前記飛行体に対して到達すべき目標に向けての移動を開始させる開始地点から、他方の端末装置の位置を基準とする到達地点であって前記飛行体を到達させる到達地点までの飛行態様が前記所定の条件を用いて定義された定義情報が受け付けられた場合には、前記取得部により取得された位置情報のうち、各端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記開始地点から前記到達地点までの前記飛行体の飛行経路として決定する、
請求項4に記載の決定装置。
【請求項7】
前記受付部は、
複数の前記端末装置のうち所定の端末装置を利用対象とし、前記所定の端末装置の位置を基準とする頂点地点が前記所定の条件を用いて定義された定義情報を受け、
前記決定部は、
前記頂点地点が定義された定義情報が受けられた場合には、前記取得部により取得された位置情報のうち、前記所定の端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を頂点地点とする平面領域を生成することにより、生成した平面領域と前記所定の条件が示す飛行態様とに基づいて、前記飛行体の飛行経路を決定する、
請求項1に記載の決定装置。
【請求項8】
前記決定部は、
前記所定の端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を前記頂点地点として算出し、算出した頂点地点を頂点とする平面領域を生成する、
または、
前記定義情報に応じて、前記平面領域に沿うようにして前記平面領域内を移動させるような軌跡を前記飛行体の飛行経路として決定する、
請求項7に記載の決定装置。
【請求項9】
前記受付部は、
複数の前記端末装置のうち、少なくとも所定の2つの端末装置を利用対象とした状態で、前記所定の2つの端末装置の位置を基準とする頂点地点が前記所定の条件を用いて定義された定義情報を受け、
前記決定部は、前記頂点地点が定義された定義情報が受けられた場合には、前記取得部により取得された位置情報のうち、前記所定の2つの端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を頂点地点とする平面領域が1つの側面となる立体領域を生成することにより、生成した立体領域と前記所定の条件が示す飛行態様とに基づいて、前記飛行体の飛行経路を決定する、
請求項1に記載の決定装置。
【請求項10】
前記決定部は、
前記所定の2つの端末装置の位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を前記頂点地点として算出し、算出した頂点地点を頂点とする平面領域を1つの側面とする立体領域を生成する、
または、
前記定義情報に応じて、前記立体領域を構成する平面領域のうち、所定の平面領域に沿うようにして当該平面領域内を移動させるような軌跡を前記飛行体の飛行経路として決定する、
請求項9に記載の決定装置。
【請求項11】
飛行体の経路の基準となる端末装置の位置情報であって、前記端末装置が位置するエリアに対応する基準局の座標の情報と前記基準局が受信した衛星信号に基づく情報とを含む補正情報に基づき算出された位置情報を取得するステップと、
所定のエリアにおける前記飛行体の飛行態様であって、前記端末装置を基準として前記所定のエリアでの所定の条件に従って前記飛行体が移動する際の飛行態様に関する定義情報を利用者から受け付けるステップと、
前記定義情報に基づいて、前記位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記飛行体の飛行経路として決定するステップと、
を含む経路決定方法。
【請求項12】
飛行体の経路の基準となる端末装置の位置情報であって、前記端末装置が位置するエリアに対応する基準局の座標の情報と前記基準局が受信した衛星信号に基づく情報とを含む補正情報に基づき算出された位置情報を取得するステップと、
所定のエリアにおける前記飛行体の飛行態様であって、前記端末装置を基準として前記所定のエリアでの所定の条件に従って前記飛行体が移動する際の飛行態様に関する定義情報を利用者から受け付けるステップと、
前記定義情報に基づいて、前記位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記飛行体の飛行経路として決定するステップと、
をコンピュータに実行させる経路決定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決定装置、経路決定方法、および、経路決定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高精度な測位のニーズが増えてきている。
【0003】
例えば、特許文献1には、RTK(Real Time Kinematic:リアルタイムキネマティック)で取得された位置情報に基づいて、利用者の条件に合致した経路を探索し、探索した経路について移動体(自動車)を自動走行させるといった、所謂、自動車のナビゲーション支援技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
飛行体を対象とした経路設定におけるユーザビリティの向上が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態に係る決定装置は、取得部と、受付部と、決定部とを備えてよい。取得部は、飛行体の経路の基準となる端末装置の位置情報であって、前記端末装置が位置するエリアに対応する基準局の座標の情報と前記基準局が受信した衛星信号に基づく情報とを含む補正情報に基づき算出された位置情報を取得してよい。受付部は、所定のエリアにおける前記飛行体の飛行態様であって、前記端末装置を基準として前記所定のエリアでの所定の条件に従って前記飛行体が移動する際の飛行態様に関する定義情報を利用者から受け付けてよい。決定部は、前記定義情報に基づいて、前記取得部により取得された位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、前記定義情報を満たす位置を含む経路を、前記飛行体の飛行経路として決定してよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、エッジサービスに対応する経路制御処理の全体的な流れの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、クラウドサービスに対応する経路制御処理の全体的な流れを変形例として示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る配信装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る決定装置の構成例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る飛行体装置の構成例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(1)である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(2)である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(3)である。
【
図10】
図10は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(4)である。
【
図11】
図11は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(5)である。
【
図12】
図12は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(6)である。
【
図13】
図13は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(7)である。
【
図14】
図14は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(8)である。
【
図15】
図15は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(9)である。
【
図16】
図16は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(10)である。
【
図17】
図17は、実施形態に係る経路決定システムによる経路制御処理を示すシーケンス図(1)である。
【
図18】
図18は、実施形態に係る経路決定システムによる経路制御処理を示すシーケンス図(2)である。
【
図19】
図19は、決定装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本願に係る決定装置、経路決定方法、および、経路決定プログラムを実施するための一形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について適宜図面を参照しつつ説明する。なお、この実施形態により本願に係る決定装置、経路決定方法、および、経路決定プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。また、以下の説明において、計算等により位置情報を取得することを「測位」と称する場合がある。
【0009】
[実施形態]
〔1.実施形態に係る経路制御処理の概要〕
まず、実施形態に係る経路制御処理の概要について説明する。例えば、ドローン、建設機器、農業機器、自動車等、その位置情報を活用したソリューションやサービス提供が期待される分野は多い。ドローンを例に挙げると、単なる空撮用だけではなく、屋根や壁、太陽光パネル、送電線等の点検といった産業用途や民間用途へと利用の領域が拡大されてきている。また、ドローンは、警察・消防での災害支援や捜索救援活動に利用されてきている。
【0010】
一方で、例えば、一般的なドローンでは、GNSS(あるいはGPS)測位が用いられているが、GNSS(Global Navigation Satellite System)によって得られた位置情報は、実際の位置情報と比較して数メートル単位で誤差が生じる場合がある。この場合、位置情報の誤差によって事故(例えば、壁や送電線への衝突による物品損傷や、住民への危険など)のリスクが高まる可能性がある。
【0011】
したがって、例えば、RTK(リアルタイムキネマティック)により測位を行うドローンの活用が広がってきている。また、飛行体の経路設定に係るユーザビリティの改善が求められている。
【0012】
従来、例えば、ドローンをある目標地点へと飛行させたい場合、利用者は、この目標地点の位置を示す位置情報を入力する必要があった。このような入力の手法として、画面上に表示される地図上においてウェイポイントを指定させるようなUIを用いる場合があった。しかし、この場合、大まかな目標地点を指定することしかできず、目標地点へと正確にドローンを到達させることができない場合があった。目標地点へと正確にドローンを到達させることができないと、上記のような事故のリスクが高まる可能性がある。したがって、利用者は、目標地点の位置を示す位置情報として、一意に定まる絶対的な値に基づき規定される位置情報を入力する必要があった。
【0013】
しかし、絶対的な値に基づき規定される位置情報を得るのは困難な場合があった。例えば、特定のビルの壁を点検する目的でドローンを飛行させるための経路設計を行う場合、この用途に合わせた専用プログラミングや手入力により絶対的な位置情報を得ることが可能となるが、プログラミングや手入力には過大な労力が必要となる可能性があった。また、ここで得られたプログラムは、別の用途(例えば、特定のビルとは異なる別ビルの壁点検)へと使い回すことができない場合があり汎用性にも欠けていた。
【0014】
これに対し、実施形態に係る経路制御処理では、飛行体を対象とした経路設定におけるユーザビリティを向上させることができる。例えば、実施形態に係る経路制御処理では、位置情報をシステム側で自動的に算出することができる。すなわち、実施形態に係る経路制御処理によれば、利用者は、簡便に正確な目標地点を設定することができる。また、実施形態に係る経路制御処理によれば、用途に合わせたプログラムの用意や手入力の必要がなくなる。すなわち、実施形態に係る経路制御処理は、経路設定の自由度を向上させることができる。
【0015】
具体的には、実施形態に係る経路制御処理は、飛行体の経路の基準となる任意の場所に設置された端末装置の位置情報を取得してよい。実施形態に係る経路制御処理は、この端末装置が位置するエリアに対応する基準局の座標を基準として補正情報を生成してよい。実施形態に係る経路制御処理は、補正情報に基づいて端末装置の位置情報を取得してよい。実施形態に係る経路制御処理は、取得した端末装置の位置情報に基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。
【0016】
より具体的には、実施形態に係る経路制御処理は、例えば、飛行経路(例えば、飛行経路上における目標地点)を定義付ける定義情報を利用者から受け付けてよい。実施形態に係る経路制御処理は、例えば、補正情報に基づき算出された位置情報と、定義情報とに基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。例えば、実施形態に係る経路制御処理は、補正情報に基づき算出された位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を目標地点の位置として算出してよい。また、実施形態に係る経路制御処理は、例えば、算出した位置を目標に飛行体を飛行させる軌道を飛行体の飛行経路として決定してよい。
【0017】
〔2.実施形態に係る経路制御処理の全体像〕
ここからは、図を用いて、実施形態に係る経路制御処理の全体的な流れの一例について説明する。なお、実施形態に係る経路制御処理では、後述する端末装置10-x側で補正情報に基づき自端末の位置を示す位置情報を算出するサービス(エッジサービス)が展開されてよい。また、実施形態に係る経路制御処理では、後述する配信装置100側で補正情報に基づき端末装置10-xの位置情報を算出するサービス(クラウドサービス)が展開されてよい。エッジサービスによれば、エッジ側(すなわち、端末装置10-x側)で情報を処理することができるため、測位を比較的高速に行うことができる。すなわち、よりリアルタイムな測位を実現することがきる。また、クラウドサービスによれば、エッジ側の端末に計算機能を実装しなくともよいので、端末の小型化、省電力化、データ通信量の低減を実現し得る。
【0018】
図1は、エッジサービスに対応する経路制御処理の全体的な流れの一例を示す。
図2は、クラウドサービスに対応する経路制御処理の全体的な流れを変形例として示す。
【0019】
経路決定システム1は、端末装置10-xと、基準局30と、飛行体60と、配信装置100と、決定装置200とを含んでよい。端末装置10-xと、基準局30と、飛行体60と、配信装置100と、決定装置200とは、ネットワークNを介して有線または無線により通信可能に接続されてよい。
【0020】
ネットワークNは、インターネットを含んでよい。ネットワークNは、移動体通信ネットワークを含んでよい。移動体通信ネットワークは、例えば、3G(3rd Generation)通信方式に準拠してよい。移動体通信ネットワークは、例えば、LTE(Long Term Evolution)通信方式に準拠してよい。移動体通信ネットワークは、例えば、5G(5th Generation)通信方式に準拠してよい。移動体通信ネットワークは、6G(6th Generation)通信方式以降の通信方式に準拠してよい。ネットワークNは、衛星通信を含んでよい。ネットワークNは、LPWA(Low Power Wide Area)、Bluetooth(登録商標)などの無線通信を含んでよい。なお、端末装置10-x、基準局30、飛行体60、配信装置100、および決定装置200が、それぞれ有線または無線によりサーバ接続可能であれば、ネットワークNは特に限定されない。
【0021】
図1は、利用者U1が、端末装置10-xを用いて、目的用途に合わせて飛行体60を飛行させるための経路設定を決定装置200に対して行う場面を例示している。端末装置10-xは、飛行体の経路の基準となる任意の場所に設置され得るポータブルな情報処理端末であってよい。端末装置10-xは、飛行体の経路の基準となる任意の場所に固定して設置されるステイショナリな情報処理端末であってもよい。端末装置10-xは、利用者U1が所有するものであってよい。端末装置10-xは、使用権限を与えられた利用者U1が使用するものであってもよい。また、端末装置10-xは、目的用途に対応する任意の場所に設置されてよい。例えば、利用者U1は、建造物BD(例えば、ビル)において、所定フロアの外壁を点検する場合、このフロアの外壁に沿って飛行体60を飛行させてよい。この場合、利用者U1は、例えば、この壁に対応するビルの地上両端それぞれに端末装置10-xを設置することができる。なお、ビルの地上両端は、飛行経路の基準となる任意の場所の一例であり、端末装置10-xを設置する場所はこれに限定されない。また、設置方法については様々なバリエーションがありその詳細については後述する。
【0022】
端末装置10-xは、衛星信号を受信してよい。具体的には、端末装置10-xは、例えば、GNSS信号を受信してよい。すなわち、端末装置10-xは、例えば、RTKに対応するGNSS受信機を含むGNSSモジュール(測位モジュール)とアンテナを搭載してよい。また、端末装置10-xは、配信装置100や決定装置200と通信するための通信モジュールを搭載してよい。
【0023】
端末装置10-xは、補正情報に基づいて測位を行ってよい。具体的には、まず、端末装置10-xは、衛星信号に基づいて自端末の位置情報を取得してよい。そして、端末装置10-xは、後述する配信装置100から配信された補正情報を受信してよい。端末装置10-xは、補正情報に基づいて、衛星信号により取得した自端末の位置情報を補正してよい。より具体的には、端末装置10-xは、例えば、補正情報を用いてRTK計算により自端末の位置情報を補正してよい。すなわち、端末装置10-xは、補正情報を用いたRTK計算により補正済位置情報を取得してよい。端末装置10-xは、RTK計算を実行可能なプログラムを搭載してよい。なお、RTK計算は、従来周知の手法により実行されてよい。
【0024】
以下、端末装置10-xを区別する場合には、「x」に任意の数値を代入して端末装置10-1、端末装置10-2・・・といったように表記する。端末装置10-xは、単に、端末装置10と表記する場合がある。
【0025】
基準局30は、RTK計算における基準局として機能してよい。すなわち、基準局30は、基準局30の位置を示す既知の座標(既知座標)が定められていてよい。また、基準局30が複数ある場合、複数の基準局30にはそれぞれ、既知座標が定められていてよい。基準局30は、衛星信号を受信する受信機能を有してよい。具体的には、基準局30は、例えば、GNSS信号を受信可能なGNSS信号受信機能を有してよい。すなわち、基準局30は、GNSS信号を受信してよい。基準局30は、既知座標の情報とGNSS信号に基づく情報を配信装置100に送信してよい。GNSS信号に基づく情報には、GNSS信号を受信した衛星を示す情報、搬送波の位相を示す情報を示す情報などが含まれてよい。具体的には、基準局30は、例えば、RTCM(Radio Technical Commission For Maritime Services)の規格に基づいて各種情報を配信装置100に送信してよい。また、基準局30は、例えば、エフェメリスを配信装置100に送信してよい。なお、基準局30は、任意の事業者等によって任意の地点に適宜設置されればよい。また、基準局30は、例えば、経路決定システム1を管理する事業者によって設置されてもよい。また、基準局30は、GNSS以外の衛星から信号受信してもよい。基準局30は、例えば、RNSS(Regional Navigation Satellite System)等のその他任意の衛星から信号を受信してもよい。
【0026】
飛行体60は、例えば、ドローンであってよい。飛行体60は、利用者U1によって利用されてよい。また、飛行体60は、自機体の測位を行う測位モジュールを搭載してよい。飛行体60は、例えば、測位モジュールを含む装置として端末装置10-xを搭載してよい。すなわち、飛行体60は、補正情報を用いたRTK計算により自機体の位置を示す補正済位置情報を取得してよい。なお、RTK計算は、従来周知の手法により実行されてよい。また、飛行体60と端末装置10-xは、別々の装置であってもよい。すなわち、利用者U1は、例えば、既製品の飛行体60に対して、端末装置10-xを機体に後付けすることで、飛行体60の測位を行ってもよい。また、飛行体60と端末装置10-xとは一体の装置であってもよい。すなわち、利用者U1は、例えば、一機能として端末装置10-xと同様の機能を有する飛行体60を用いて飛行体60の測位を行ってもよい。
【0027】
なお、飛行体60は、機体を自動制御することができる飛行体装置を搭載してよい。飛行体装置は、決定装置200から取得した経路情報に基づいて飛行体60を自動制御してよい。飛行体装置は、例えば、決定装置200により決定された飛行経路に沿って飛行するよう飛行体60を自動制御してよい。なお、飛行体装置を飛行体60そのものと見做してもよい。すなわち、飛行体60に搭載される飛行体装置は、飛行体装置60と言い換えてもよい。
【0028】
配信装置100は、例えば、サーバ装置であってよい。配信装置100は、基準局30から、基準局30の既知座標の情報と、基準局30が受信した衛星信号の情報を受信してよい。配信装置100は、基準局30のうち、処理対象の基準局30の既知座標の情報と衛星信号の情報に基づいて、端末装置10-xによる測位の誤差を補正するための情報(補正情報)を生成してよい。補正情報は、例えば、基準局30の既知座標の情報と衛星からの搬送波の位相の情報を含んでよい。配信装置100は、生成した補正情報を端末装置10-xに送信してよい。なお、補正情報に含まれる情報は、上記の例に限定されない。補正情報は、端末装置10-xによるRTK計算に必要な情報を任意に含んでよい。
【0029】
ここで、補正情報を用いたRTK計算による測位について説明する。まず、端末装置10-xは、衛星信号に基づく測位により、自端末の大まかな位置情報(概略位置情報)を取得してよい。また、配信装置100は、基準局30の既知座標の情報と衛星信号に基づく情報とを含む補正情報を生成してよい。配信装置100は、補正情報を端末装置10-xに送信してよい。端末装置10-xは、補正情報用いてRTK計算により概略位置情報を補正してよい。すなわち、端末装置10-xは、概略位置情報を補正情報により補正した情報(補正済位置情報)をRTK計算により算出してよい。これにより、実施形態に係る経路制御処理は、端末装置10-xの比較的高精度な位置情報を取得することができる。なお、RTK計算は、従来周知の手法により実行されてよい。
【0030】
端末装置10-xは、補正済位置情報を配信装置100に送信してよい。また、配信装置100は、補正済位置情報を決定装置200に送信してよい。
【0031】
決定装置200は、例えば、サーバ装置であってよい。決定装置200は、実施形態に係る経路制御処理により、飛行体60の飛行経路を決定してよい。決定装置200は、端末装置10-xの補正済位置情報を配信装置100から受信してよい。決定装置200は、例えば、基準局30の既知座標に基づいて算出された端末装置10-xの位置情報を取得してよい。決定装置200は、取得した補正済位置情報に基づいて、飛行体60の飛行経路を決定してよい。なお、経路制御処理は、決定装置200において実施形態に係る経路決定プログラムが実行されることにより実現されてよい。
【0032】
ここからは、実施形態に係る経路制御処理の全体的な流れの一例について説明する。また、経路制御処理において、衛星信号としてGNSS信号を利用する場合を一例として説明する。
図1には、端末装置10-xが、利用者U1による目的用途に合わせて既に任意の場所に設置されている例が示されている。なお、端末装置10-xの測位が可能であれば、経路制御処理において利用する衛星信号は特に限定されない。例えば、RNSS等その他の任意の衛星から受信する衛星信号を利用してもよい。
【0033】
まず、利用者U1が、端末装置10-xの電源をONにしたとする。端末装置10-xは、電源ONにされた場合に、GNSS信号を受信してよい。端末装置10-xは、GNSS信号に基づくGNSS測位により、自端末の位置(設置された位置)を示す位置情報を算出してよい。係る位置情報は、実際の自端末の位置に対して周囲数メートル単位の範囲の位置を示し得る大まかな位置情報(概略位置情報)であってよい。端末装置10-xは、概略位置情報を配信装置100に送信してよい(ステップS11)。すなわち、端末装置10-xは、電源ONにされた場合に、概略位置情報を用いて自端末の大まかの位置を経路決定システム1に対して通知することができる。
【0034】
配信装置100は、端末装置10-xから受信した概略位置情報に基づいて、各地に設置される基準局30のうち、処理対象の基準局30を選定してよい。例えば、配信装置100は、概略位置情報が示す位置に対応するエリアに存在する基準局30を処理対象の基準局30として選定してよい。
【0035】
そして、配信装置100は、選定した基準局30に対して、GNSS信号の配信を要求する配信要求を送信してよい(ステップS12)。基準局30は、常時、GNSS信号を受信してよい。すなわち、処理対象の基準局30は、配信要求を受信した時に受信したGNSS信号に基づく情報を配信装置100に送信してよい(ステップS13)。
【0036】
なお、処理対象の基準局30は、配信要求の受信後、継続してGNSS信号を配信装置100に送信し続けてもよい。また、基準局30は、GNSS信号を配信装置100に常時プッシュしてもよい。すなわち、基準局30は、配信装置100の配信要求を受けなくとも、配信装置100にGNSS信号を送信してよい。この場合、配信装置100は、受信したGNSS信号を蓄積してもよい。
【0037】
また、処理対象の基準局30は、配信要求を受信した場合に、自装置の既知座標を示す情報を配信装置100に送信してもよい。処理対象の基準局30は、GNSS信号に基づく情報とともに自装置の既知座標を示す情報を配信装置100に送信してもよい。配信装置100は、予め基準局30の既知座標を示す情報を記憶していてもよい。
【0038】
配信装置100は、処理対象の基準局30の既知座標を示す情報とGNSS信号に基づく情報とに基づいて補正情報を生成してよい。配信装置100は、処理対象の基準局30からGNSS信号を受信したときに、補正情報を生成してよい(ステップS14)。そして、配信装置100は、生成した補正情報を、概略位置情報送信元の端末装置10-xに送信してよい(ステップS15)。
【0039】
端末装置10-xは、受信した補正情報に基づいて概略位置情報を補正する補正計算を実行してよい(ステップS16)。具体的には、例えば、端末装置10-xは、補正情報を用いたRTK計算により概略位置情報を補正することで、補正済位置情報を算出してよい。
【0040】
端末装置10-xは、補正済位置情報を配信装置100に送信してよい(ステップS17)。配信装置100は、端末装置10-xから補正済位置情報を受信した場合に、受信した補正済位置情報を決定装置200に送信してよい(ステップS18)。決定装置200は、配信装置100から補正済位置情報を取得(受信)してよい。
【0041】
決定装置200は、取得した補正済位置情報を記憶部220に格納してよい。例えば、決定装置200は、端末装置10-xを識別する識別情報と、この端末装置10-xによるRTK計算で得られた補正済位置情報とを対応付けて記憶部220に格納してよい。
【0042】
なお、端末装置10-xは、電源ONにされたときに概略位置情報を配信装置100に送信するが、それ以降は概略位置情報を送信しなくともよい。この場合、配信装置100は、1度概略位置情報を受信すると、ステップS12~S15を連続的に繰り返してよい。そして、配信装置100は、概略位置情報送信元の端末装置10-xに対して連続的に補正情報を送信し続けてよい。したがって、端末装置10-xは、連続的に補正情報を受信する度に、ステップS16~S17を繰り返してよい。また、配信装置100は、補正済位置情報を受信する度にステップS18を繰り返してよい。すなわち、端末装置10-xにより、1度概略位置情報が送信された以降は、ステップS12~S18が連続的(例えば、1秒間に1回)に繰り返されてよい。また、決定装置200の記憶部220には、ステップS12~S18が繰り返される度に得られる補正済位置情報が蓄積されてよい。なお、連続的とは、任意の頻度であってよく特に限定されない。例えば、連続的とは、1秒間に1回、5回、10回などの頻度であってよい。
【0043】
また、決定装置200は、飛行体60の飛行経路を定義付ける情報(定義情報)を取得してよい。また、決定装置200は、定義情報を受け付けたか否かを判定してよい。定義情報は、例えば、飛行体60の飛行をスタートさせる目標地点(開始目標)を示す情報、および飛行体60を到達させる目標地点(到達目標)を示す情報を含んでよい。例えば、定義情報は、端末装置10-xを起点として、方向、距離、高度、角度等を示す情報を含んでよい。すなわち、定義情報は、例えば、端末装置10-xを起点とする方向、距離、高度、角度等の情報により、開始目標およ「び到達目標を定義してよい。
【0044】
また、定義情報は、飛行体60が飛行可能な空間において、飛行体60を飛行させる仮想的な領域を規定する情報を含んでよい。仮想的な領域は、立体形状でも平面形状であってもよく、特に限定されない。すなわち、定義情報は、飛行体60を飛行させる仮想的な平面領域および空間領域を定義してもよい。
【0045】
定義情報は、例えば、多角形の領域を規定する場合は、領域の各頂点となる地点(頂点地点)を示す情報を含んでよい。また、定義情報は、例えば、円形または球形の領域を規定する場合、領域の中心となる地点(中心地点)を示す情報と半径の大きさを示す情報を含んでよい。また、定義情報は、例えば、多角形の領域と円形または球形とを組み合わせた領域を規定する場合、これらの形状を規定するための情報を適宜組み合わせた情報を含んでもよい。また、定義情報は、例えば、端末装置10-xの位置を示す情報、端末装置10-xを起点とする高度を示す情報、および端末装置10-xの高度を示す情報等を含んでもよい。
【0046】
決定装置200は、例えば、定義情報を入力可能な端末装置Tを介して定義情報を取得してよい。利用者U1は、
図1に例示するように、端末装置Tを用いて、定義情報を入力してよい(ステップS31)。端末装置Tは、例えば、スマートフォン等の情報処理端末であってよい。端末装置Tは、飛行体60に関する各種制御設定を行うためのアプリケーション(以下、「アプリAP」とする)が導入されていてよい。すなわち、決定装置200は、アプリAPを介して、利用者U1が入力した定義情報を取得してよい。つまり、端末装置Tは、例えば、アプリAPに定義情報が入力された場合、定義情報の入力中逐次または入力完了後に定義情報を決定装置200に送信してよい。
【0047】
決定装置200は、定義情報を端末装置Tから受信した場合に、定義情報を受け付けたと判定してよい。そして、決定装置200は、定義情報と補正済位置情報とに基づいて、飛行体60が飛行して到達する目標地点を算出してよい。すなわち、決定装置200は、定義情報と、ステップS18で取得した補正済位置情報とに基づいて、飛行体60の飛行経路を決定する経路決定処理を実行してよい(ステップS32)。なお、利用者U1は、例えば、目標地点として、飛行体60のスタート目標地点(開始目標)と、到達目標地点(到達目標)とを定義情報として端末装置Tに入力してよい。
【0048】
ここで、決定装置200が取得した補正済位置情報は、処理対象の基準局30の既知座標に基づいて概略位置情報を補正したものである。このため、決定装置200が取得した補正済位置情報は、概略位置情報と比較して高精度な位置情報である。よって、決定装置200は、補正済位置情報を基準とする相対的な位置を算出してよい。決定装置200は、定義情報を満たす相対的な位置を目標地点の位置として算出してよい。そして、決定装置200は、算出した位置を目標として、飛行体60が飛行する軌道を算出し、飛行体60の飛行経路として決定してよい。すなわち、決定装置200は、補正済位置情報と定義情報とに基づいて、開始目標および到達目標の位置を算出し、飛行体60が開始目標から到達目標に飛行するための軌道を飛行経路として決定してよい。なお、飛行経路には、例えば、飛行体60が、現在位置から開始目標に到達するための軌道も含まれてよい。また、飛行経路には、例えば、飛行体60が、到達目標から離脱するための軌道も含まれてよい。
【0049】
決定装置200は、蓄積されている補正済位置情報のうち最新の補正済位置情報に基づいて開始目標の位置を算出してよい。例えば、決定装置200は、最新の補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を開始目標の位置として算出してよい。また、決定装置200は、蓄積されている補正済位置情報のうち最新の補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を到達目標の位置として算出してよい。そして、決定装置200は、飛行体60が開始目標から到達目標に向かって飛行するための軌道を飛行体60の飛行経路として決定してよい。
【0050】
決定装置200は、飛行経路を示す情報(経路情報)を飛行体60に送信してよい。すなわち、決定装置200は、飛行体60に対して経路情報が示す飛行経路で飛行するよう指示してよい(ステップS33)。
【0051】
飛行体60は、経路情報に基づいて飛行してよい。飛行体60は、例えば、決定装置200から経路情報を取得した場合に、飛行を自動制御して、経路情報に基づく開始目標に向かって飛行を開始してよい。また、飛行体60は、開始目標に到達した場合に、飛行を自動制御して、経路情報が示す経路に従って到達目標に向かって飛行してよい。
【0052】
上記の通り、飛行体60は、測位モジュールとして、端末装置10-xを搭載し、自機体の位置を示す補正済位置情報を随時取得してよい。この場合、飛行体60は、最新の補正済位置情報によって示される現在位置と、取得した経路情報によって示される軌道とを比較しながら飛行してよい。具体的には、飛行体60は、現在位置と軌道の位置とを比較して、軌道に沿って飛行するように現在位置を調整しながら飛行してよい。飛行体60は、例えば、軌道の位置からズレないように調整しつつ到達目標に向かって飛行してよい。なお、飛行体60は、補正済位置情報を継続的に取得してもよい。
【0053】
従来、ドローンなどの飛行体は、正確な位置情報を取得することが困難な場合があった。これに対し、実施形態に係る飛行制御処理によれば、利用者は、例えば、飛行経路の基準となる任意の場所に端末装置10-xを設置することで飛行体60に比較的正確な位置情報を与えることができる。具体的には、利用者は、端末装置10-xを起点として目標地点等を定義付けることで、飛行体60に比較的正確な位置情報を与えることができる。すなわち、決定装置200は、端末装置10-xが取得した補正済みの位置情報に基づいて比較的最適な飛行経路を決定することができる。
【0054】
このようなことから、実施形態に係る飛行制御処理によれば、利用者は、簡便に正確な目標地点を設定することができる。また、利用者は、ポータブルな端末装置10-xを用いることで自由度の高い経路設定を行うことができるようになる。したがって、実施形態に係る飛行制御処理によれば、経路設定におけるユーザビリティを向上させることができるようになる。
【0055】
なお、
図1の例では、端末装置10-xによって得られた補正済位置情報が、配信装置100を介されて、決定装置200に送信される例を示した(ステップS17~S18)。しかし、端末装置10-xによって得られた補正済位置情報は、端末装置10-xから決定装置200へと直接送信(点線矢印)されてもよい。
【0056】
また、
図1および
図2の例では、配信装置100と決定装置200とが異なる別々の装置である例を示した。しかし、配信装置100と決定装置200とは一体化されて1つのサーバ装置として構成されてもよい。係る場合、例えば、決定装置200は、配信装置100の機能が含まれるように構成されてもよい。
【0057】
〔3.実施形態に係る経路制御処理の変形例〕
上記の実施形態では、端末装置10-xによるRTK計算により測位を行うサービス(エッジサービス)の一例について説明した。ここで、配信装置100によるRTK計算により測位を行うサービス(クラウドサービス)が展開されてもよい。すなわち、変形例に係る経路制御処理は、配信装置100がRTK計算を行うことにより補正済位置情報を取得する点で上記の実施形態に係る経路制御処理と相違する。具体的には、例えば、配信装置100において補正情報を用いたRTK計算が行われることで端末装置10-xの概略位置情報が補正されてもよい。以下では、係るクラウドサービスに対応する経路制御処理の全体的な流れを変形例として説明する。
図2は、実施形態に係る経路制御処理の変形例を示す。なお、変形例において上記の実施形態との内容と重複する内容については適宜省略もしくは簡略化する場合がある。すなわち、変形例において、上記の実施形態と同一の符号が付された構成は、上記の実施形態と同一の構成を含んでもよい。
【0058】
まず、変形例に係る端末装置10-xは、RTK計算により測位を行うプログラムを搭載しなくともよい。すなわち、変形例に係る端末装置10-xは、RTKに対応するGNSS受信機、アンテナ、および配信装置100や決定装置200と通信するための通信モジュールを搭載すればよい。よって、変形例に係る端末装置10-xは、検出したGNSS信号を配信装置100に送信するだけでよく、端末装置10-xの省電力化やさらなる小型化を図ることができる。
【0059】
端末装置10-xは、利用者U1による目的用途に合わせて既に任意の場所に設置されてよい。また、端末装置10-xの電源がONになった場合に、端末装置10-xは、GNSS信号の検出を開始し、検出したGNSS信号を配信装置100に送信してよい(ステップS21)。また、不図示であるが、配信装置100は、端末装置10-xから受信したGNSS信号に基づくGNSS測位により、端末装置10-xの概略位置情報を算出してもよい。
【0060】
配信装置100は、概略位置情報を取得した場合に、概略位置情報に基づいて、各地に設置される基準局30のうち、処理対象の基準局30を選定してよい。例えば、配信装置100は、概略位置情報が示す位置に対応するエリアに存在する基準局30を処理対象の基準局30として選定してよい。
【0061】
配信装置100は、選定した基準局30に対して、GNSS信号の配信を要求する配信要求を送信してよい(ステップS22)。処理対象の基準局30は、配信要求を受信した時に受信したGNSS信号を配信装置100に送信してよい(ステップS23)。配信装置100は、処理対象の基準局30からGNSS信号を受信した場合に、補正情報を生成してよい(ステップS24)。
【0062】
配信装置100は、補正情報に基づき、概略位置情報を補正する補正計算を実行してよい(ステップS25)。すなわち、配信装置100は、補正情報を用いたRTK計算により概略位置情報を補正してよい。すなわち、配信装置100は、RTK計算により概略位置情報を補正することで、補正済位置情報を算出してよい。これにより、変形例に係る経路制御処理は、比較的高精度な測位を実現することができる。なお、RTK計算は従来周知の手法により実行されてよい。
【0063】
配信装置100は、補正済位置情報を決定装置200に送信してよい(ステップS26)。決定装置200は、配信装置100から補正済位置情報を取得(受信)してよい。
【0064】
なお、配信装置100が概略位置情報を算出した後、ステップS21(または、ステップS22)~S26が連続的(例えば、1秒間に1回)繰り返されてよい。すなわち、決定装置200において補正済位置情報が蓄積されてよい。なお、決定装置200で行われるステップS26以降の一連の経路決定処理は、上記の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0065】
〔4.各装置の構成〕
次に、
図3~
図6を用いて、実施形態に係る経路決定システム1に含まれる各装置の構成について説明する。
【0066】
〔4-1.端末装置の構成〕
図3は、実施形態に係る端末装置10-xの構成例を示す。端末装置10-xは、通信部11と、GNSSモジュールMと、記憶部12と、制御部13とを有してよい。
【0067】
(通信部11及びGNSSモジュールMについて)
通信部11は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現されてよい。通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続されてよい。通信部11は、例えば、ネットワークNを介して配信装置100および決定装置200との間で情報を送受信してよい。GNSSモジュールMは、GNSS信号を受信することができる。すなわち、GNSSモジュールMは、GNSS信号を受信するための任意の部品により構成されてよい。
【0068】
(記憶部12について)
記憶部12は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現されてよい。記憶部12は、例えば、概略位置算出部13bにより算出された概略位置情報、配信装置100から受信した補正情報、係る補正情報を用いたRTK計算による補正済位置情報を記憶してよい。
【0069】
(制御部13について)
制御部13は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等によって、端末装置10-x内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現されてよい。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてよい。
【0070】
制御部13は、第1受信部13aと、概略位置算出部13bと、第1送信部13cと、第2受信部13dと、補正部13eと、第2送信部13fとを有してよい。なお、制御部13の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部13が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0071】
(第1受信部13aについて)
第1受信部13aは、RTKに対応するGNSS受信機とアンテナに対応し、GNSS信号を受信してよい。また、第1受信部13aは、受信したGNSS信号を概略位置算出部13bに出力してよい。
【0072】
(概略位置算出部13bについて)
概略位置算出部13bは、第1受信部13aにより受信されたGNSS信号に基づくGNSS測位により、自装置の位置(設置された位置)を示す位置情報を算出してよい。すなわち、概略位置算出部13bは、GNSS信号に基づくGNSS測位により、概略位置情報を算出してよい。例えば、概略位置算出部13bは、電源ONにされたことを検知した場合に、概略位置情報を算出してよい。概略位置算出部13bは、概略位置情報を記憶部12に格納させてよい。
【0073】
(第1送信部13cについて)
第1送信部13cは、概略位置算出部13bにより算出された概略位置情報を配信装置100に送信してよい。
【0074】
(第2受信部13dについて)
第2受信部13dは、配信装置100から送信された補正情報を受信してよい。また、第2受信部13dは、補正情報を記憶部12に格納させてよい。
【0075】
(補正部13eについて)
補正部13eは、第2受信部13dが受信した補正情報に基づき、概略位置算出部13bが算出した概略位置情報を補正する補正計算を実行してよい。すなわち、補正部13eは、補正情報を用いたRTK計算により概略位置情報を補正してよい。また、補正部13eは、係る補正計算により得られた補正後の位置情報(補正済位置情報)を記憶部12に格納させてよい。
【0076】
(第2送信部13fについて)
第2送信部13fは、補正部13eによるRTK計算により得られた補正済位置情報を送信してよい。例えば、第2送信部13fは、補正済位置情報を配信装置100に送信してよい。なお、第2送信部13fは、補正済位置情報を直接決定装置200に送信してもよい。
【0077】
〔4-2.配信装置の構成〕
図4は、実施形態に係る配信装置100の構成例を示す。配信装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有してよい。
【0078】
(通信部110について)
通信部110は、例えば、NIC等によって実現されてよい。そして、通信部110は、ネットワークNと有線または無線で接続されてよい。通信部110は、例えば、ネットワークNを介して端末装置10-x、基準局30、決定装置200との間で情報を送受信してよい。
【0079】
(記憶部120について)
記憶部120は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現されてよい。記憶部120は、例えば、生成部133により生成された補正情報や、補正済位置情報取得部134により取得された補正済位置情報を記憶してよい。
【0080】
(制御部130について)
制御部130は、CPU、GPU、MPU等によって、配信装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現されてよい。また、制御部130は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてよい。
【0081】
制御部130は、概略位置取得部131と、要求部132と、生成部133と、補正済位置情報取得部134と、送信部135とを有してよい。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図4に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0082】
(概略位置取得部131について)
概略位置取得部131は、端末装置10-xの第1送信部13cにより送信された概略位置情報を取得(受信)してよい。
【0083】
(要求部132について)
要求部132は、概略位置取得部131により概略位置情報が取得された場合には、GNSS信号の配信を要求する配信要求を基準局30に送信してよい。例えば、要求部132は、概略位置取得部131により概略位置情報が取得された場合には、取得された概略位置情報に基づいて、各地に設置される基準局30のうち、処理対象の基準局30を選定してよい。例えば、要求部132は、概略位置情報が示す位置に対応するエリアに存在する基準局30を処理対象の基準局30として選定してよい。そして、要求部132は、選定した基準局30に対して、GNSS信号の配信を要求する配信要求を送信してよい。また、要求部132は、配信要求に応じて基準局から送信されたGNSS信号の受信も行うことができる。
【0084】
(生成部133について)
生成部133は、補正情報を生成してよい。例えば、生成部133は、要求部132により処理対象の基準局30から送信されたGNSS信号が受信された場合には、係る基準局30の既知座標と、要求部132により受信されたGNSS信号とに基づいて、補正情報を生成してよい。例えば、生成部133は、基準局30の既知座標の情報と、GNSS信号に基づく情報とを含む補正情報を生成してよい。また、生成部133は、生成した補正情報を記憶部120に格納してよい。また、生成部133は、生成した補正情報を、概略位置情報送信元の端末装置10-xに送信してもよい。
【0085】
(補正済位置情報取得部134について)
補正済位置情報取得部134は、補正済位置情報を取得してよい。例えば、補正済位置情報取得部134は、生成部133により生成された補正情報を用いた端末装置10-x側でのRTK計算によって得られた補正済位置情報を取得してよい。RTK計算は、補正部13eによって行われてよい。また、補正済位置情報取得部134は、取得した補正済位置情報を記憶部120に格納してよい。
【0086】
(送信部135について)
送信部135は、補正済位置情報取得部134により取得された補正済位置情報を決定装置200に送信してよい。
【0087】
〔4-3.決定装置の構成〕
図5は、実施形態に係る決定装置200の構成例を示す図である。決定装置200は、通信部210と、記憶部220と、制御部230とを有してよい。
【0088】
(通信部210について)
通信部210は、例えば、NIC等によって実現されてよい。そして、通信部210は、ネットワークNと有線または無線で接続されてよい。通信部210は、例えば、ネットワークNを介して、端末装置10-x、配信装置100との間での情報の送受信を行ってよい。
【0089】
(記憶部220について)
記憶部220は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子またはハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現されてよい。記憶部220は、例えば、補正済位置情報取得部231により取得された補正済位置情報や、決定部233により決定された飛行経路を示す経路情報を記憶してよい。
【0090】
(制御部230について)
制御部230は、CPU、GPU、MPU等によって、決定装置200内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(例えば、実施形態に係る経路決定プログラム)がRAMを作業領域として実行されることにより実現されてよい。また、制御部230は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてよい。
【0091】
制御部230は、補正済位置情報取得部231と、受付部232と、決定部233と、指示部234と、出力部235とを有してよい。なお、制御部230の内部構成は、
図5に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部230が有する各処理部の接続関係は、
図5に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0092】
(補正済位置情報取得部231について)
補正済位置情報取得部231は、飛行体の経路の基準となる任意の場所に設置された端末装置10-xの位置情報を取得してよい。補正済位置情報取得部231は、端末装置10-xが位置するエリアに対応する基準局30の既知座標を基準として生成された補正情報に基いて端末装置10-xの位置情報を取得してよい。補正済位置情報取得部231は、取得部の一例であってよい。また、補正済位置情報取得部231は、送信部136により送信された補正済位置情報を取得(受信)してよい。また、補正済位置情報取得部231は、取得した補正済位置情報を記憶部220に格納してよい。
【0093】
(受付部232について)
受付部232は、飛行経路を定義付ける定義情報を利用者から受け付けてよい。例えば、受付部232は、アプリAPを介して定義情報を受け付けてよい。
図1(
図2も同様)は、受付部232が、利用者U1から定義情報を受け付けている場合を例示している。
【0094】
例えば、受付部232は、端末装置10-xのうち、所定の端末装置10-xを利用対象とした状態で、飛行体を到達させる目標地点(例えば、開始目標や到達目標)が定義された定義情報を受け付けてよい。例えば、受付部232は、アプリAP上において、直線形の飛行経路を設定するための「直線モード」が選択されている場合に、飛行体60を到達させる少なくとも2点の目標地点(例えば、開始目標や到達目標)が定義された定義情報を受けてよい。すなわち、利用者U1は、目標地点を結ぶ直線を飛行体60に飛行させてよい。
【0095】
また、受付部232は、端末装置10-xのうち、所定の端末装置10-xを利用対象とした状態で、飛行体60が飛行可能な空間において、飛行体60を飛行させる平面領域を定義する定義情報を受け付けてよい。例えば、受付部232は、平面領域の各頂点となる頂点地点が定義された定義情報を受け付けてよい。例えば、受付部232は、アプリAP上において、平面領域を生成するためのモードである「平面モード」が選択されている場合に、平面領域の各頂点となる頂点地点が定義された定義情報を受け付けてよい。すなわち、利用者U1は、平面領域において飛行体60を飛行させてよい。
【0096】
また、受付部232は、端末装置10-xのうち、所定の端末装置10-xを利用対象とした状態で、空間上における立体領域の各頂点となる頂点地点が定義された定義情報を受け付けてよい。例えば、受付部232は、アプリAP上において、立体領域を生成するためのモードである「立体モード」が選択されている場合に、立体領域の各頂点となる頂点地点が定義された定義情報を受け付けてよい。すなわち、利用者U1は、立体領域において飛行体60を飛行させてよい。
【0097】
なお、上記の例において、アプリAPに定義情報を入力するモードとして、「直線モード」、「平面モード」、および「立体モード」を分けて説明したが、アプリAPのモードはこれらに限定されない。例えば、アプリAPは、一つのモードで直線形の飛行経路、平面領域、および立体領域の定義情報を入力可能であってよい。すなわち、受付部232は、少なくとも2点の目標地点の定義、平面領域の各頂点の定義、および立体領域の各頂点の定義を任意に含む定義情報を受け付けてよい。つまり、利用者U1は、飛行体60が飛行可能な空間において、飛行体60を任意に飛行させるための定義情報をアプリAPに入力してよい。例えば、利用者U1は、飛行体60を、ある目標地点からある目標地点まで直線移動させ、ある空間を立体的に移動させ、ある平面において水平移動させるなど、飛行体60の動きに応じた定義情報を適宜アプリAPに入力してよい。
【0098】
(決定部233について)
決定部233は、補正済位置情報取得部231により取得された位置情報に基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。具体的には、決定部233は、補正済位置情報取得部231により取得された補正済位置情報と、受付部232により受け付けられた定義情報とに基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。
【0099】
例えば、決定部233は、受付部232により目標地点が定義された定義情報が受け付けられた場合には、利用対象となっている端末装置10-xに対応する補正済位置情報と、定義情報とに基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。
【0100】
例えば、1つの端末装置10-xを利用対象とした状態で、目標地点が定義された定義情報が受け付けられた場合について説明する。この場合、決定部233は、1つの端末装置10-xに対応する補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を目標地点の位置として算出してよい。決定部233は、例えば、算出した位置を目標地点として飛行体に飛行させる軌道を飛行経路として決定してよい。この詳細については、後に
図7を用いて説明する。
【0101】
また、2つの端末装置10-xを利用対象とした状態で、目標地点として一方の端末装置に対応する開始地点、および、他方の端末装置に対応する到達地点とが定義された定義情報が受け付けられた場合について説明する。この場合、決定部233は、これらの端末装置に対応する補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を目標地点の位置として算出してよい。決定部233は、例えば、算出した位置のうち開始地点に対応する位置から、到達地点に対応する位置へと向けて飛行体を飛行させる軌道を飛行経路として決定してよい。詳細については、後に
図8を用いて説明する。
【0102】
また、平面領域の各頂点となる頂点地点が定義された定義情報が受け付けられた場合について説明する。この場合、決定部233は、例えば、このとき利用対象となっている端末装置10-xに対応する補正済位置情報に基づいて、定義情報を満たすような平面領域を生成してよい。決定部233は、例えば、生成した平面領域に基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。例えば、決定部233は、利用対象となっている端末装置10-xに対応する補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を頂点地点として算出してよい。決定部233は、算出した頂点地点を頂点とする平面領域を生成してよい。また、決定部233は、定義情報に応じて、生成した平面領域を飛行体に移動させる軌跡を飛行経路として決定してよい。詳細については、後に
図10を用いて説明する。
【0103】
また、立体領域の各頂点となる頂点地点が定義された定義情報が受けられた場合について説明する。この場合、決定部233は、このとき利用対象となっている少なくとも2つの端末装置に対応する補正済位置情報に基づいて、定義情報を満たすような立体領域を生成することにより、生成した立体領域に基づいて、飛行体の飛行経路を決定してよい。例えば、決定部233は、利用対象となっている2つの端末装置に対応する補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を頂点地点として算出してよい。決定部233は、例えば、算出した頂点地点を頂点とする立体領域を生成してよい。また、決定部233は、定義情報に応じて、生成した立体領域を構成する平面領域のうち、所定の平面領域を飛行体に移動させる軌跡を飛行経路として決定してよい。また、決定部233は、定義情報に応じて、立体領域の内部から出ないよう飛行体に当該内部を移動させる軌跡を飛行経路として決定してよい。また、決定部233は、定義情報に応じて、立体領域の内部に進入しないよう立体領域の外部を飛行体に移動させる軌跡を飛行経路として決定してよい。詳細については、後に
図11~
図16を用いて説明する。
【0104】
また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を記憶部220に格納してよい。
【0105】
(指示部234について)
指示部234は、決定部233により決定された飛行経路で飛行するよう処理対象の飛行体60に指示してよい。すなわち、指示部234は、例えば、決定部233により決定された飛行経路を示す経路情報を飛行体60に送信してよい。
【0106】
(出力部235について)
出力部235は、処理対象の飛行体60が、決定部233により決定された経路を飛行しているか否かに基づいて、飛行体60の利用者に所定の情報を出力してよい。例えば、出力部235は、処理対象の飛行体60が決定部233により決定された飛行経路からずれて飛行していると判定された場合には、飛行体60が当該飛行経路からずれた旨の情報を出力してよい。
【0107】
〔4-4.飛行体装置の構成〕
図6は、実施形態に係る飛行体装置60の構成例を示す図である。飛行体装置60は、端末装置10と、通信部61と、電源62と、モータ63と、カメラ64とを有してよい。
【0108】
(端末装置10について)
飛行体60は、配信装置100から配信された補正情報を用いたRTK計算により自機体の測位を行う測位モジュールを搭載してよい。飛行体60は、例えば、端末装置10-x(端末装置10)を測位モジュールとして搭載してよい。
【0109】
(通信部61について)
通信部61は、例えば、NIC等によって実現されてよい。そして、通信部61は、ネットワークNと有線または無線で接続されてよい。通信部61は、例えば、ネットワークNを介して、利用者によって利用されるスマートフォン等の端末装置Tや、決定装置200との間での情報の送受信を行ってよい。通信部61は、端末装置10-xの通信部11に代えて、配信装置100や決定装置200との間で情報の送受信を行ってもよい。
【0110】
(電源62について)
電源62は、リチウムイオン電池等であってよい。電源62は、飛行体60の各部に電力を供給することができる。
【0111】
(モータ63について)
モータ63は、飛行体60が有する各プロペラ(不図示)を回転させることができる。また、飛行体装置60は、モータ63の回転を制御するモータコントローラを含んでよい。
【0112】
(カメラ64について)
カメラ64は、例えば、撮像素子と照明とを備えてよい。撮像素子は、投射された光に応じた信号を出力する光センサであってよい。撮像素子は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)、または、CCD(Charge Coupled Device)を用いた光センサであってよい。照明は、撮像領域に光を出射することができる。
【0113】
(制御部65について)
制御部65は、CPU、GPU、MPU等によって、飛行体装置60内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現されてよい。また、制御部65は、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてよい。
【0114】
制御部65は、補正済位置情報取得部65aと、経路情報取得部65bと、飛行制御部65cとを有してよい。なお、制御部65の内部構成は、
図6に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部65が有する各処理部の接続関係は、
図6に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0115】
(補正済位置情報取得部65aについて)
補正済位置情報取得部65aは、端末装置10の補正部13eによるRTK計算で得られた補正済位置情報を取得してよい。
【0116】
(経路情報取得部65bについて)
経路情報取得部65bは、決定装置200の指示部234により送信された経路情報を取得(受信)してよい。
【0117】
(飛行制御部65cについて)
飛行制御部65cは、飛行体60の飛行を制御することができる。例えば、飛行制御部65cは、経路情報取得部65bにより取得された経路情報に基づいて、飛行体60の飛行を制御してよい。例えば、飛行制御部65cは、補正済位置情報取得部65aにより取得された補正済位置情報と、経路情報取得部65bにより取得された経路情報とに基づいて、飛行体60の飛行を制御してよい。例えば、飛行制御部65cは、最新の補正済位置情報によって示される現在位置と、取得した経路情報によって示される軌道の位置とを比較しながら、軌道の位置からズレないよう調整しつつ目標地点へと向かって飛行するよう飛行体60の飛行を制御してよい。
【0118】
〔5.経路決定処理について〕
決定装置200(特に、決定部233)によって行われる経路決定処理について説明する。利用者は、端末装置10-xを任意の場所に設置してよい。利用者は、設置した端末装置10-xを利用対象とすることができる。例えば、利用者は、目的に応じて飛行体の飛行経路を設定することができる。利用者は、目的に応じて任意の場所に任意の数の端末装置10-xを設置してよい。また、利用者は、飛行体の飛行経路を定義付ける定義情報を決定装置200に入力することができる。
図7~
図16では、端末装置10-xを設置する設置方法(設置態様)のバリエーションの一例と、係るバリエーションに応じて入力され得る定義情報の一例を示す。また、
図7~
図16では、入力された定義情報に基づき行われる経路決定処理の一例を示す。
【0119】
なお、以下の例で示す設置方法のバリエーションや定義情報は一例に過ぎず、利用者は、目的に応じて様々な設置や入力を行うことができる。また、実施形態に係る経路決定処理は、以下の例に限定されるものではない。なお、
図7~
図16では、方向、距離、高度を示す値について、符号「N71」~「N141」を用いて示しているが、状況や用途に合わせて任意の値を適用してよい。すなわち、実施形態に係る経路決定処理は、定義情報の内容に応じて任意の値を適用してよい。また、以下の説明では、符号「N71」~「N141」が示す方向、距離、高度について、便宜上、例えば、「真上上空10m」のように具体的な方向、距離、高度を示して説明するが、利用者U1が定義する定義情報はこれに限定されるものではない。すなわち、利用者U1は、任意の方向、距離、高度を用いて目標地点を定義してよい。
【0120】
〔5-1.経路決定処理(1)〕
図7は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(1)である。
図7では、1台の端末装置10-1を目的位置に設置することでこれを利用対象とした場合が例示されている。すなわち、利用者U1は、1台の端末装置10-1を目的位置に設置することでこれを利用対象とした状態で、端末装置10-1を起点とした直線状の飛行経路を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0121】
利用者U1は、例えば、端末装置10-1を始点として、方向、距離、高度を用いて飛行経路上の目標地点を定義する定義情報を決定装置200に入力してよい。具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1から「真上上空10m(N71に対応)の地点」(目標地点M11)、目標地点M11から「東3m(N72に対応)の地点」(目標地点M12)、および目標地点M12から「北5m(N73に対応)の地点」(目標地点M13)]といったように、方向、距離、高度を用いて飛行経路上の目標地点を定義する定義情報を決定装置200に入力してよい。決定装置200の受付部232は、この定義情報を受け付けてよい。
【0122】
なお、利用者は、例えば、特定の領域を上空から特定の軌道で撮影したい、あるいは、特定の領域に対して上空から特定の軌道で農薬散布したい、等といった目的を有する場合に、このような定義情報入力することが想定される。
【0123】
また、ここで、利用者U1により端末装置10-1が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-1に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。
【0124】
また、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する補正済位置情報が示す位置を基準(基準座標P10-1)とする相対的な位置であって、[端末装置10-1に対する「真上上空10mの地点」]を満たす位置を目標地点M11の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、基準座標P10-1「x1,y1,z1」と、高さ「10m」とに基づき相対座標m11を算出することで、相対座標m11を目標地点M11の位置と定めてよい。
【0125】
また、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する補正済位置情報が示す位置を基準(基準座標P10-1)とする相対的な位置であって、[端末装置10-1に対する「真上上空10mの地点」、さらに「東3mの地点」]を満たす位置を目標地点M12の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、基準座標P10-1「x1,y1,z1」と、高さ「10m」、「東3m」とに基づき相対座標m12を算出することで、相対座標m11を目標地点M12の位置と定めてよい。
【0126】
また、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する補正済位置情報が示す位置を基準(基準座標P10-1)とする相対的な位置であって、[端末装置10-1に対する「真上上空10mの地点」、さらに「東3mの地点」、さらに「北5mの地点」]を満たす位置を目標地点M13の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、基準座標P10-1「x1,y1,z1」と、高さ「10m」、「東3m」、「北5m」とに基づき相対座標m13を算出することで、相対座標m13を目標地点M13の位置と定めてよい。
【0127】
また、決定部233は、例えば、目標地点M11から目標地点M12へとベクトルを向けた直線軌道と、目標地点M12から目標地点M13へとベクトルを向けた直線軌道と組み合わせた直線状の軌道K1を飛行経路として決定してよい。そして、決定部233は、軌道K1を示す経路情報を飛行体60にインプットすることで、目標地点M12経由で目標地点M11(開始目標)から目標地点M13(到達目標)へと直線飛行するよう指示してよい。
【0128】
なお、利用者は、端末装置10-1が設置された位置(基準座標P10-1)を開始目標と定義付け、目標地点M12を到達目標と定義付けることで、端末装置10-1が設置された位置から目標地点M12へと直線状に角度をつけて飛行させるような飛行経路を設定することもできる。また、利用者は、端末装置10-1が設置された位置(基準座標P10-1)に対する方向、距離、角度を定義付けることで、端末装置10-1が設置された位置から例えば目標地点M12へと直線状に角度をつけて飛行させるような飛行経路を設定することもできる。
【0129】
また、利用者は、中心地点と半径とを定義付けることで、円状の飛行経路を設定することもできる。
図7の例を用いると、利用者は、目標地点M11を円の中心と定義し、目標地点M11および目標地点M12間の距離を半径と定義することで、円状の飛行経路を設定することができる。また、利用者は、例えば、目標地点M13を開始目標と定義し、また、目標地点M13に対する方向と高度を定義することで、一旦、目標地点M13へと飛行させ、そこから特定の方向と高度を維持した状態で直線移動させるような飛行経路を設定することもできる。
【0130】
ここで、利用者は、端末装置10-xが設置されている地点から飛行体60を離陸させてよい。すなわち、飛行体60は、例えば、端末装置10-1が設置された位置から離陸して目標地点M11へと飛行してよい。そして、飛行体60は、目標地点M11から目標地点M13へと到達するように飛行してよい。
【0131】
また、利用者は、端末装置10-xが設置された位置から所定距離離れた位置から飛行体60を離陸させてもよい。この場合、受付部232は、例えば、離陸地点を定義する定義情報を受け付けてよい。例えば、受付部232は、「端末装置10-1から100m離れた位置を離陸地点とする」といったように端末装置10-1を起点とする要素を用いて定義づけられた定義情報を受け付けてよい。すなわち、飛行体60は、離陸地点から離陸して目標地点M11へと飛行してよい。そして、飛行体60は、目標地点M11から目標地点M13へ到達するように飛行してよい。なお、目標地点M13に到達した後、飛行体60は、離陸地点に帰還して着陸してよい。
【0132】
なお、飛行体60は、目標地点M13に到達した後、任意の地点に着陸してよい。飛行体60は、例えば、離陸した地点に着陸してよい。飛行体60は、例えば、端末装置10-1が設置された位置に着陸してよい。飛行体60は、例えば、飛行体60を格納する専用のステーションに着陸してよい。飛行体60は、例えば、利用者が指定した任意の地点に着陸してよい。
【0133】
そして、決定部233は、利用対象の端末装置10-xに対応する補正済位置情報に基づいて、飛行経路に向けて飛行体60を離陸させる離陸地点を決定してよい。
【0134】
例えば、決定部233は、端末装置10-xに対応する補正済位置情報が示す位置を基準とする相対的な位置であって、離陸地点が定義された定義情報を満たす位置を離陸地点の位置として算出してよい。決定部233は、算出した位置から飛行経路に向けて離陸するよう指示してよい。この場合、飛行体60は、例えば、現在位置から一旦離陸地点へと向かって飛行し離陸地点に着陸してよい。その後、飛行体60は、飛行経路に含まれる目標地点(例えば、開始目標)に向かって離陸してよい。
【0135】
〔5-2.経路決定処理(2)〕
図8は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(2)である。
図8では、利用者U1が、建造物BDの所定フロアに対応する壁面を点検したい、といった目的に応じて、係る壁面に対応する建造物BDの地上一端に端末装置10-1を設置し、もう一端に端末装置10-2を設置している場合が例示されている。例えば、利用者U1は、建造物BDの地上一端から3m(N81に対応)離れた地点に端末装置10-1を設置し、建造物BDの地上もう一端から3m(N82に対応)離れた地点に端末装置10-2を設置してよい。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1および10-2を利用対象とした状態で、これら端末装置を起点とした直線状の飛行経路を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0136】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1に対する「上空10m(N83に対応)の地点」(目標地点M21)、から、端末装置10-2に対する「上空10m(N84に対応)の地点」(目標地点M23)まで飛行させる]といったように、方向、高度を用いて飛行経路上の目標地点を定義する定義情報を決定装置200に入力してよい。係る場合、決定装置200の受付部232は、この定義情報を受け付けてよい。
【0137】
また、ここで、利用者U1により端末装置10-1が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-1に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。また、利用者U1により端末装置10-2が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-2に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。
【0138】
また、決定部233は、2台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)とする相対的な位置であって、定義情報を満たす位置を目標地点の位置として算出してよい。具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、高さ「10m」とに基づき相対座標m21を算出してよい。そして、決定部233は、算出した相対座標m21を目標地点M21の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、高さ「10m」とに基づき相対座標m22を算出してよい。そして、決定部233は、算出した相対座標m22を目標地点M22の位置と定めてよい。
【0139】
また、決定部233は、目標地点M21から目標地点M22へとベクトルを向けた直線軌道状の軌道K2を飛行経路として決定してよい。そして、決定部233は、軌道K2を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよいすなわち、決定部233は、目標地点M21(開始目標)から目標地点M22(到達目標)へと直線飛行するよう飛行体60に指示してよい。
【0140】
〔5-3.経路決定処理(3)〕
図8では、2台の端末装置10-xそれぞれの上空地点間を結ぶ線分が飛行経路として設定されるよう定義情報が入力された例を示した。しかし、利用者U1は、2台の端末装置10-xそれぞれの上空地点間を結ぶ線分に対して、さらに所定距離延長させるような飛行経路が設定されるよう定義情報を入力することができる。
図9は、このような定義情報の一例と、係る定義情報に基づく経路決定処理の一例とを
図8に対応する変形例として示す。
図9は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(3)である。
【0141】
利用者U1は、例えば、さらに所定距離延長させるような飛行経路を設定させるための定義情報として、[端末装置10-2に対する「上空10mの地点」(目標地点M22)から、さらに「5m(N91に対応)の地点」(目標地点M23)まで延長]といった定義情報を決定装置200に入力してよい。この場合、決定装置200の受付部232は、この定義情報を受け付けてよい。
【0142】
また、決定部233は、目標地点M21からM22へと向かうベクトル(方向)と、基準座標P10-2「x4,y4,z4」に基づいて位置情報を算出してよい。決定部233は、例えば、目標地点M21の位置を示す位置情報と、延長距離「5m」とに基づいて、相対座標m23を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標m23を目標地点M23の位置と定めてよい。
【0143】
また、決定部233は、目標地点M21から目標地点M23へとベクトルを向けた直線状の軌道K21を飛行経路として決定してよい。そして、決定部233は、軌道K21を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。すなわち、決定部233は、目標地点M22経由で目標地点M21(開始目標)から目標地点M23(到達目標)へと直線飛行するよう飛行体60に指示してよい。
【0144】
〔5-4.経路決定処理(4)〕
図10は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(4)である。
図10の例では、利用者U1が、例えば建造物BDの2Fから5Fに対応する壁面をまんべんなく点検したい、といった目的に応じて、係る壁面に対応する建造物BDの地上一端に端末装置10-1を設置し、もう一端に端末装置10-2を設置している場合が、例示されている。例えば、利用者U1は、建造物BDの地上一端から3m(N101に対応)離れた地点に端末装置10-1を設置し、建造物BDの地上もう一端から3m(N102に対応)離れた地点に端末装置10-2を設置してよい。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1および10-2を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、平面領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0145】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置に対する「上空5m(N103に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T11)とし、端末装置10-1に対する「上空15m(N104に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T12)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、[端末装置10-2の位置に対する「上空5m(N105に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T21)とし、端末装置10-2に対する「上空15m(N106に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T21)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、[定義情報1および2で定めた4つの頂点地点を結んで平面領域とする]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。決定装置200の受付部232は、この一連の定義情報を受け付けてよい。
【0146】
また、ここで、利用者U1により端末装置10-1が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-1に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。また、利用者U1により端末装置10-2が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-2に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。
【0147】
また、決定部233は、2台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)とする相対的な位置であって、定義情報1~3を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0148】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、高さ「5m」とに基づき相対座標t11を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t11を頂点地点T11の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、高さ「15m」とに基づき相対座標t12を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t12を頂点地点T12の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、高さ「5m」とに基づき相対座標t21を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t21を頂点地点T21の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、高さ「15m」とに基づき相対座標t22を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t22を頂点地点T22の位置と定めてよい。
【0149】
また、決定部233は、定めた4つの頂点地点T11、T12、T21、T22を結んで平面領域AR11を生成してよい。例えば、決定部233は、平面領域AR11に沿うようにして、平面領域AR11内を移動するような軌跡を飛行経路として決定してよい。また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。すなわち、決定部233は、平面領域AR11内をまんべんなく移動するよう飛行体60に指示してよい。なお、飛行体60が飛行経路を撮影しながら飛行する場合、決定部233は、撮影画像のラップ率を用いて飛行経路を決定してもよい。例えば、決定部233は、進行方向に対するラップ率、隣接に対するラップ率を算出し、撮影する画像が算出したラップ率となるような飛行経路を決定してよい。
【0150】
〔5-5.経路決定処理(5)〕
図11は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(5)である。
図11の例では、利用者U1が、建造物BDを囲むような立体領域に対する所定の態様で飛行体60を飛行させたい、といった目的に応じて、建造物BDの地上一端に端末装置10-1を設置し、もう一端に端末装置10-2を設置している場合が例示されている。例えば、利用者U1は、建造物BDの地上一端から3m離れた地点に端末装置10-1を設置し、建造物BDの地上もう一端から3m離れた地点に端末装置10-2を設置してよい。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1および10-2を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、立体領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0151】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置を1つの頂点(頂点地点T31)とし、端末装置10-1に対する「奥行10m(N111に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T34)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-2の位置を1つの頂点(頂点地点T32)とし、端末装置10-2に対する「奥行10m(N112に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T33)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1が、例えば、[頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とする高さ「30m」(N113に対応)の立体領域]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。決定装置200の受付部232は、この一連の定義情報を受け付けてよい。
【0152】
また、ここで、利用者U1により端末装置10-1が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-1に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。また、利用者U1により端末装置10-2が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-2に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。
【0153】
また、決定部233は、2台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)として、定義情報1および2を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0154】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」を頂点地点T31の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、奥行「10m」とに基づき相対座標t34を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t34を頂点地点T34の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」を頂点地点T32の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、奥行「10m」とに基づき相対座標t33を算出することで、相対座標t33を頂点地点T33の位置と定めてよい。
【0155】
また、決定部233は、2台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)とする相対的な位置であって、定義情報3を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とした場合の高さ「30m」に対応する残り4つの頂点地点(頂点地点T35~T38)を算出してよい。
【0156】
例えば、決定部233は、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、奥行「10m」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t35およびt38を算出してよい。また、決定部233は、相対座標t35を頂点地点T35の位置と定め、相対座標t38を頂点地点T38の位置と定めてよい。また、例えば、決定部233は、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、奥行「10m」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t36およびt37を算出してよい。そして、決定部233は、例えば、相対座標t36を頂点地点T36の位置と定め、相対座標t37を頂点地点T37の位置と定めてよい。
【0157】
また、決定部233は、定めた8つの頂点地点T31~T38を結んで立体領域AR12を生成してよい。
【0158】
また、決定部233は、立体領域AR12に基づいて、飛行経路を決定してよい。決定部233は、例えば、立体領域AR12を構成する平面領域のうち、所定の平面領域(例えば、頂点地点T31、T32、T35、T36を結んだ平面領域)に沿うようにして、係る所定の平面領域内を飛行体が移動する軌跡を飛行経路として決定してよい。また、例えば、決定部233は、飛行体60が立体領域AR12の内部に進入しないよう立体領域AR12の外部を飛行体60が移動する軌跡を飛行経路として決定してよい。また、例えば、決定部233は、飛行体が立体領域AR12の内部から出ないよう立体領域AR12の内部を飛行体が移動する軌跡を飛行経路として決定してよい。
【0159】
なお、
図11の例では、決定部233が、利用者U1による定義情報に基づいて、所謂、直方体の立体領域を空間上に生成している。しかし、利用者は、目的に応じて、任意の形状の立体領域を定義情報によって定義してよい。すなわち、利用者は、例えば、どれだけの数の端末装置10-xをどのような位置関係で設置するか、どのような高さを定義するか等に応じて様々な形状の立体領域を決定部233に生成させることができる。つまり、決定部233は、定義情報に基づいて、任意の形状の立体領域を生成してよい。例えば、
図11の例では、高さによっては、決定部233は、立方体の立体領域を空間上に生成することができる。また、例えば、決定部233は、頂点地点T31、T32、T33(頂点地点T34でもよい)という3つの頂点地点と高さとを用いて、計6つの頂点地点が定義付けられた場合には、三角柱の立体領域を空間上に生成することができる。
【0160】
〔5-6.経路決定処理(6)〕
図12は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(6)である。
図12では、利用者U1が、建造物BDを囲むような立体領域に対する所定の態様で飛行体60を飛行させたい、といった目的に応じて、建造物BDの地上3端それぞれに端末装置10-1、端末装置10-2、端末装置10-3を設置している場合が例示されている。
図12の例は、
図11の例と比較して、端末装置10-3がさらに建造物BDに対する地上もう一端に設置されている点が異なる。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1~10-3を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、立体領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0161】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置を1つの頂点(頂点地点T31)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-2の位置を1つの頂点(頂点地点T32)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-3の位置を1つの頂点(頂点地点T33)とする]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[定義情報1~3に基づく対角線上の位置をさらに1つの頂点(頂点地点T34)とする]という定義情報4を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とする高さ「30m」(N121に対応)の立体領域]という定義情報5を決定装置200に入力してよい。
【0162】
また、ここで、利用者U1により端末装置10-1が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-1に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。また、利用者U1により端末装置10-2が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-2に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。また、利用者U1により端末装置10-3が目的位置に設置されたことに応じて、補正済位置情報取得部231は、端末装置10-3に対応する補正済位置情報を配信装置100から取得してよい。
【0163】
また、決定部233は、地上3台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)として、定義情報1~4を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0164】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」を頂点地点T31の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」を頂点地点T32の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x5,y5,z5」を頂点地点T33の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、これら3つの基準座標に基づき相対座標t34を算出することで、相対座標t34を頂点地点T34の位置と定めてよい。
【0165】
また、決定部233は、地上3台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)とする相対的な位置であって、定義情報5を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とした場合の高さ「30m」に対応する残り4つの頂点地点(頂点地点T35~T38)を算出してよい。
【0166】
例えば、決定部233は、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t35を算出することで、相対座標t35を頂点地点T35の位置と定めてよい。また、例えば、決定部233は、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t36を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t36を頂点地点T36の位置と定めてよい。また、例えば、決定部233は、端末装置10-3に対応する基準座標P10-1「x5,y5,z5」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t37を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t37を頂点地点T37の位置と定めてよい。また、例えば、決定部233は、相対座標t35~t37の関係性に基づき残りの相対座標t38を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t38を頂点地点T38の位置と定めてよい。
【0167】
また、決定部233は、定めた8つの頂点地点T31~T38を結んで立体領域AR12を生成してよい。また、決定部233は、利用者U1の定義情報に応じて、飛行体の飛行経路を決定してよい。なお、飛行経路は、経路決定処理(5)で説明した軌跡と同様の軌跡であってよい。また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。
【0168】
〔5-7.経路決定処理(7)〕
図13は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(7)である。
図13では、利用者U1が、建造物BDを囲むような立体領域に対する所定の態様で飛行体60を飛行させたい、といった目的に応じて、建造物BDの地上2端それぞれに端末装置10-1および端末装置10-2を設置し、また、建造物BDの屋上に端末装置10-3を設置している場合が例示されている。
図13の例は、
図12の例と比較して、建造物BDに対して端末装置10-3が設置される地点が異なる。具体的には、
図12の例では、頂点地点の一つを規定するように建造物BDの地上一端に端末装置10-3が設置されたことに対し、
図13の例では、高度を規定するように建造物BDの屋上に設置されている。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1~10-3を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、立体領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0169】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置を1つの頂点(頂点地点T31)とし、端末装置10-1に対する「奥行10m(N131に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T34)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-2の位置を1つの頂点(頂点地点T32)とし、端末装置10-2に対する「奥行10m(N132に対応)の地点」を1つの頂点(頂点地点T33)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とし、端末装置10-3の位置を高さとする立体領域]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。
【0170】
係る場合、決定部233は、地上2台の端末装置10-xに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)として、定義情報1および2を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0171】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」を頂点地点T31の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、奥行「10m」とに基づき相対座標t34を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t34を頂点地点T34の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」を頂点地点T32の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、奥行「10m」とに基づき相対座標t33を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t33を頂点地点T33の位置と定めてよい。
【0172】
また、決定部233は、端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報が示す位置の座標(基準座標)を基準とする相対的な位置であって、定義情報3を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、頂点地点T31~T34を結んだ面に対し、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x6,y6,z6」で示される高さを適用することにより、残り4つの頂点地点(頂点地点T35~T38)を算出してよい。
【0173】
例えば、決定部233は、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、奥行「10m」と、基準座標P10-3とに基づき相対座標t35およびt38を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t35を頂点地点T35の位置と定め、相対座標t38を頂点地点T38の位置と定めてよい。また、例えば、決定部233は、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、奥行「10m」と、基準座標P10-3とに基づき相対座標t36およびt37を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t36を頂点地点T36の位置と定め、相対座標t37を頂点地点T37の位置と定めてよい。
【0174】
また、決定部233は、定めた8つの頂点地点T31~T38を結んで立体領域AR12を生成してよい。また、決定部233は、利用者U1の定義情報に応じて、飛行経路を決定してよい。なお、飛行経路は、経路決定処理(5)で説明した軌跡と同様の軌跡であってよい。また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。
【0175】
〔5-8.経路決定処理(8)〕
図14は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(8)である。
図14では、利用者U1が、建造物BDを囲むような立体領域に対する所定の態様で飛行体60を飛行させたい、といった目的に応じて、建造物BDの地上4端それぞれに端末装置10-1、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4を設置している場合が例示されている。
図14の例では、
図12と比較して、さらに端末装置10-xが1つ追加されている(計4つ)。また、
図14の例では、
図12と比較して、追加された1つの端末装置10-xが建造物BDの残り1端にさらに設置されている。具体的には、
図14の例では、追加された端末装置10-4が建造物BDの残り1端に設置されている。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1~10-4を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、立体領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0176】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置を1つの頂点(頂点地点T31)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-2の位置を1つの頂点(頂点地点T32)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-3の位置を1つの頂点(頂点地点T33)とする]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-4の位置を1つの頂点(頂点地点T34)とする]という定義情報4を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とする高さ「30m」(N141に対応)の立体領域]という定義情報5を決定装置200に入力してよい。
【0177】
係る場合、決定部233は、地上4台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)として、定義情報1~4を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0178】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」を頂点地点T31の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」を頂点地点T32の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x5,y5,z5」を頂点地点T33の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-4に対応する基準座標P10-3「x7,y7,z7」を頂点地点T34の位置と定めてよい。
【0179】
また、決定部233は、4台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)とする相対的な位置であって、定義情報5を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とした場合の高さ「30m」に対応する残り4つの頂点地点(頂点地点T35~T38)を算出してよい。
【0180】
例えば、決定部233は、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t35を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t35を頂点地点T35の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t36を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t36を頂点地点T36の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-1「x5,y5,z5」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t37を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t37を頂点地点T37の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-4に対応する基準座標P10-4「x7,y7,z7」と、高さ「30m」とに基づき相対座標t38を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t38を頂点地点T38の位置と定めてよい。
【0181】
また、決定部233は、定めた8つの頂点地点T31~T38を結んで立体領域AR12を生成してよい。また、決定部233は、利用者U1の定義情報に応じて、飛行経路を決定してよい。なお、飛行経路は、経路決定処理(5)で説明した軌跡と同様の軌跡であってよい。また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。
【0182】
〔5-9.経路決定処理(9)〕
図15は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(9)である。
図15では、利用者U1が、建造物BDを囲むような立体領域に対する所定の態様で飛行体60を飛行させたい、といった目的に応じて、建造物BDの地上3端それぞれに端末装置10-1、端末装置10-2、端末装置10-3を設置し、また、建造物BDの屋上に端末装置10-4を設置している場合が例示されている。
図15の例は、
図12の例と比較して、さらに端末装置10-xが1つ追加されている(計4つ)。また、
図15の例は、
図12の例と比較して、追加された1つの端末装置10-xが建造物BDの屋上にさらに設置されている。具体的には、
図15の例では、追加された端末装置10-4が建造物BDの屋上に設置されている。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1~10-4を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、立体領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0183】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置を1つの頂点(頂点地点T31)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-2の位置を1つの頂点(頂点地点T32)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-3の位置を1つの頂点(頂点地点T33)とする]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[定義情報1~3に基づく対角線上の位置をさらに1つの頂点(頂点地点T34)とする]という定義情報4を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とし、端末装置10-4の位置を高さとする立体領域]という定義情報5を決定装置200に入力してよい。
【0184】
係る場合、決定部233は、地上3台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)として、定義情報1~4を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0185】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」を頂点地点T31の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」を頂点地点T32の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x5,y5,z5」を頂点地点T33の位置と定めてよい。また、決定部233は、これら3つの基準座標に基づき相対座標t34を算出してよい。決定部233は、例えば、相対座標t34を頂点地点T34の位置と定めてよい。
【0186】
また、決定部233は、端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)とする相対的な位置であって、定義情報5を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、頂点地点T31~T34を結んだ面に対し、端末装置10-4に対応する基準座標P10-4「x6,y6,z6」で示される高さを適用することにより、残り4つの頂点地点(頂点地点T35~T38)を算出してよい。
【0187】
例えば、決定部233は、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、基準座標P10-4とに基づき相対座標t35を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t35を頂点地点T35の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、基準座標P10-4とに基づき相対座標t36を算出してよい。そして、決定部233は、例えば、相対座標t36を頂点地点T36の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x5,y5,z5」と、基準座標P10-4とに基づき相対座標t37を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t37を頂点地点T37の位置と定めてよい。また、決定部233は、相対座標t35~t37の関係性に基づき残りの相対座標t38を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t38を頂点地点T38の位置と定めてよい。
【0188】
また、決定部233は、定めた8つの頂点地点T31~T38を結んで立体領域AR12を生成してよい。また、決定部233は、利用者U1の定義情報に応じて、飛行経路を決定してよい。なお、飛行経路は、経路決定処理(5)で説明した軌跡と同様の軌跡であってよい。また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。
【0189】
〔5-10.経路決定処理(10)〕
図16は、実施形態に係る経路決定処理の一例を示す図(10)である。
図16では、利用者U1が、建造物BDを囲むような立体領域に対する所定の態様で飛行体60を飛行させたい、といった目的に応じて、建造物BDの地上4端それぞれに端末装置10-1、端末装置10-2、端末装置10-3、端末装置10-4を設置し、また、建造物BDの屋上に端末装置10-5を設置している場合が例示されている。
図16の例は、
図14の例と比較して、さらに端末装置10-xが1つ追加されている(計5つ)。また、
図16の例では、
図14の例と比較して、追加された1つの端末装置10-xが建造物BDの屋上にさらに設置されている。具体的には、
図16の例では、追加された端末装置10-5が建造物BDの屋上に設置されている。すなわち、利用者U1は、例えば、端末装置10-1~10-5を利用対象とした状態でこれら端末装置を起点とし、立体領域の各頂点となる頂点地点を定義付ける定義情報を決定装置200に対して入力してよい。
【0190】
具体的には、利用者U1は、例えば、[端末装置10-1の位置を1つの頂点(頂点地点T31)とする]という定義情報1を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-2の位置を1つの頂点(頂点地点T32)とする]という定義情報2を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-3の位置を1つの頂点(頂点地点T33)とする]という定義情報3を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[端末装置10-4の位置を1つの頂点(頂点地点T34)とする]という定義情報4を決定装置200に入力してよい。また、利用者U1は、例えば、[頂点地点T31~T34を結んだ面を底面とし、端末装置10-5の位置を高さとする立体領域]という定義情報5を決定装置200に入力してよい。
【0191】
係る場合、決定部233は、地上4台の端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報を基準(基準座標)として、定義情報1~4を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。
【0192】
具体的には、決定部233は、例えば、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」を頂点地点T31の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」を頂点地点T32の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x5,y5,z5」を頂点地点T33の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-4に対応する基準座標P10-4「x7,y7,z7」を頂点地点T34の位置と定めてよい。
【0193】
また、決定部233は、端末装置10-xそれぞれに対応する補正済位置情報が示す位置の座標(基準座標)を基準とする相対的な位置であって、定義情報5を満たす位置を頂点地点の位置として算出してよい。例えば、決定部233は、頂点地点T31~T34を結んだ面に対し、端末装置10-5に対応する基準座標P10-5「x6,y6,z6」で示される高さを適用することにより、残り4つの頂点地点(頂点地点T35~T38)を算出してよい。
【0194】
例えば、決定部233は、端末装置10-1に対応する基準座標P10-1「x3,y3,z3」と、基準座標P10-5とに基づき相対座標t35を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t35を頂点地点T35の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-2に対応する基準座標P10-2「x4,y4,z4」と、基準座標P10-5とに基づき相対座標t36を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t36を頂点地点T36の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-3に対応する基準座標P10-3「x5,y5,z5」と、基準座標P10-5とに基づき相対座標t37を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t37を頂点地点T37の位置と定めてよい。また、決定部233は、例えば、端末装置10-4に対応する基準座標P10-4「x7,y7,z7」と、基準座標P10-5とに基づき相対座標t38を算出してよい。そして、決定部233は、相対座標t38を頂点地点T38の位置と定めてよい。
【0195】
また、決定部233は、定めた8つの頂点地点T31~T38を結んで立体領域AR12を生成してよい。また、決定部233は、利用者U1の定義情報に応じて、飛行経路を決定してよい。なお、飛行経路は、経路決定処理(5)で説明した軌跡と同様の軌跡であってよい。また、決定部233は、決定した飛行経路を示す経路情報を飛行体60にインプットしてよい。
【0196】
〔6.処理手順〕
ここからは、
図17および
図18を用いて、実施形態に係る経路決定システム1による経路制御処理の手順について説明する。
図17では、主に、サーバ装置側による経路制御処理の手順について説明する。
図18では、主に、飛行体60側による経路制御処理の手順について説明する。
【0197】
〔6-1.処理手順(1)〕
図17は、実施形態に係る経路決定システム1による経路制御処理を示すシーケンス図(1)である。
【0198】
まず、飛行体の経路の基準となる任意の場所に設置されることにより利用対象となっている端末装置10-xは、電源ONにされたとする。そうすると、端末装置10-xの第1受信部13aは、GNSS信号の受信を開始する(ステップS101)。また、端末装置10-xの概略位置算出部13bは、第1受信部13aにより受信されたGNSS信号に基づくGNSS測位により、自装置の位置(設置された位置)を示す位置情報を算出する(ステップS102)。すなわち、概略位置算出部13bは、GNSS信号に基づいて概略位置情報を算出する。
【0199】
端末装置10-xの第1送信部13cは、概略位置算出部13bにより算出された概略位置情報を配信装置100に送信する(ステップS103)。そうすると、配信装置100の概略位置取得部131は、第1送信部13cにより送信された概略位置情報を取得(受信)する(ステップS104)。
【0200】
配信装置100の要求部132は、概略位置取得部131により概略位置情報が取得されると、GNSS信号の配信を要求する配信要求を基準局30に送信する(ステップS105)。例えば、要求部132は、概略位置情報に基づき処理対象の基準局30を選定し、選定した処理対象の基準局30に配信要求を送信する。
【0201】
基準局30は、要求部132から配信要求を受信すると(ステップS106)、配信要求を受信した時点で検知したGNSS信号を配信装置100に送信する(ステップS107)。要求部132は、基準局30から送信されたGNSS信号を受信する(ステップS108)。
【0202】
配信装置100の生成部133は、要求部132により受信されたGNSS信号に基づいて、補正情報を生成し、補正情報を端末装置10-xに送信する(ステップS109)。例えば、生成部133は、基準局30の既知座標を基準として、この座標とGNSS信号とに基づいて、補正情報を生成する。
【0203】
端末装置10-xの第2受信部13dは、配信装置100から送信された補正情報を受信する(ステップS110)。また、端末装置10-xの補正部13eは、第2受信部13dにより受信された補正情報に基づき、概略位置算出部13bにより算出された概略位置情報を補正する補正計算を実行する(ステップS111)。例えば、補正部13eは、補正情報を用いたRTK計算により概略位置情報を補正する。
【0204】
また、端末装置10-xの第2送信部13fは、ステップS111での補正部13eによるRTK計算で得られた補正済位置情報を配信装置100に送信する(ステップS112)。配信装置100の補正済位置情報取得部134は、第2送信部13fにより送信された補正済位置情報を受信(取得)し、また、送信部135は、この補正済位置情報を決定装置200に送信する(ステップS113)。
【0205】
決定装置200の補正済位置情報取得部231は、送信部135により送信された補正済位置情報を取得(受信)する(ステップS114)。
【0206】
ここで、例えば、ステップS105~S114が繰り返されることで、決定装置200には、現時点で最新の補正済位置情報が蓄積されてゆく。決定装置200の受付部232は、決定装置200が補正済位置情報を蓄積しつつ、飛行経路を定義付ける定義情報を利用者から受け付けたか否かを判定している(ステップS115)。受付部232は、定義情報を受け付けていないと判定している間は(ステップS115;No)、定義情報を受け付けたと判定できるまで待機する。
【0207】
一方、決定部233は、受付部232により定義情報を受け付けたと判定された場合には(ステップS115;Yes)、補正済位置情報と、定義情報とに基づいて、飛行経路を決定する(ステップS116)。ここで行われる経路決定処理については、経路決定処理(1)から経路決定処理(10)を例として説明したため省略する。なお、経路決定処理は、経路決定処理(1)から経路決定処理(10)の例に限定されるものではない。
【0208】
決定装置200の指示部234は、決定部233により決定された飛行経路を示す経路情報を飛行体60に送信する。すなわち、決定装置200は、飛行体60に対して経路情報が示す飛行経路で飛行するよう指示する(ステップS117)。飛行体装置60の経路情報取得部65bは、指示部234により送信された経路情報を取得(受信)する(ステップS118)。
【0209】
〔6-2.処理手順(2)〕
図18は、実施形態に係る経路決定システム1による経路制御処理を示すシーケンス図(2)である。
図18の例では、ステップS118に引き続き、飛行体60側で行われる飛行制御の手順をメインに説明する。
【0210】
経路情報取得部65bは、決定装置200から経路情報を取得できたか否かを判定している(ステップS201)。経路情報取得部65bは、経路情報を取得できないと判定している間は(ステップS201;No)、取得したと判定できるまで待機する。一方、飛行制御部65cは、経路情報を取得できたと判定された場合には(ステップS201;Yes)、経路情報に基づく自動飛行を開始する(ステップS202)。
【0211】
飛行制御部65cにより自動飛行が開始された場合、飛行体60は、経路情報で示される飛行経路に沿って飛行してよい。具体的には、例えば、経路情報で示される到達目標に飛行体60が到達するまで以下の処理が繰り返し行われることで、飛行体60は、経路情報で示される飛行経路に沿って飛行してよい。なお、以下では、端末装置10-xが、飛行体60(飛行体装置60)に搭載されている例について説明する。
【0212】
例えば、端末装置10-xの第1受信部13aは、飛行体60の自動飛行が開始された後では常時GNSS信号を受信している(ステップS203)。よって、端末装置10-xの概略位置算出部13bは、第1受信部13aにより受信されたGNSS信号に基づくGNSS測位により、飛行体60の現在位置を示す位置情報を算出する(ステップS204)。すなわち、概略位置算出部13bは、GNSS信号に基づいて概略位置情報を算出する。
【0213】
端末装置10-xの第1送信部13cは、概略位置算出部13bにより算出された概略位置情報を配信装置100に送信する(ステップS205)。そうすると、配信装置100の概略位置取得部131は、第1送信部13cにより送信された概略位置情報を取得(受信)する(ステップS206)。
【0214】
配信装置100の要求部132は、概略位置取得部131により概略位置情報が取得されると、GNSS信号の配信を要求する配信要求を基準局30に送信する(ステップS207)。例えば、要求部132は、概略位置情報に基づき処理対象の基準局30を選定し、選定した処理対象の基準局30に配信要求を送信する。
【0215】
基準局30は、要求部132から配信要求を受信すると(ステップS208)、配信要求を受信した時点で検知したGNSS信号を配信装置100に送信する(ステップS209)。要求部132は、基準局30から送信されたGNSS信号を受信する(ステップS210)。
【0216】
配信装置100の生成部133は、要求部132により受信されたGNSS信号に基づいて、補正情報を生成し、生成した補正情報を端末装置10-xに送信する(ステップS211)。例えば、生成部133は、基準局30の座標を基準として、補正情報を生成する。
【0217】
端末装置10-xの第2受信部13dは、配信装置100から送信された補正情報を受信する(ステップS212)。また、端末装置10-xの補正部13eは、第2受信部13dにより受信された補正情報に基づき、ステップS204で算出された概略位置情報を補正する補正計算を実行する(ステップS213)。例えば、補正部13eは、補正情報を用いたRTK計算により概略位置情報を補正する。ここで、飛行体装置60の補正済位置情報取得部65aは、ステップS213での補正部13eによるRTK計算で得られた補正済位置情報を取得し、飛行制御部65cに出力する。
【0218】
また、端末装置10-xの第2送信部13fは、ステップS213での補正部13eによるRTK計算で得られた補正済位置情報を配信装置100に送信する(ステップS214)。配信装置100の補正済位置情報取得部134は、第2送信部13fにより送信された補正済位置情報を受信(取得)する(ステップS215)。また、
図18では不図示であるが、配信装置100の送信部135は、この補正済位置情報を決定装置200に送信する。
【0219】
飛行制御部65cは、補正済位置情報取得部65aから出力された補正済位置情報と、経路情報取得部65bにより取得された経路情報とに基づいて、飛行体60の飛行を制御してよい。具体的には、飛行制御部65cは、例えば、飛行体60が経路情報によって示される飛行経路を飛行するよう飛行体60の飛行を制御する(ステップS216)。飛行制御部65cは、補正済位置情報によって示される現在位置と、経路情報によって示される軌道の位置とを比較しながら飛行体60の飛行を制御してよい。具体的には、飛行体60は、現在位置と軌道の位置とを比較して、軌道に沿って飛行するように現在位置を調整しながら飛行してよい。飛行体60は、例えば、軌道の位置からズレないように調整しつつ到達目標に向かって飛行してよい。
【0220】
また、ステップS203~S216が繰り返されることで、飛行制御部65cは、連続的に補正済位置情報を取得することができる。すなわち、飛行制御部65cは、飛行移動によって変化する最新の比較的高精度な現在位置(飛行体60の現在位置)を連続的に取得することができる。これにより、一実施形態において、飛行体装置60は、経路情報によって示される軌道に沿った比較的高精度な飛行を実現することができる。また、一実施形態において、飛行体装置60は、例えば、飛行体60が風などの影響により飛行経路からずれた場合であっても、ずれたことを検知することができる。また、一実施形態において、飛行体装置60は、飛行体60が飛行経路からずれた場合に、飛行体60を飛行経路に復帰させることができる。
【0221】
また、上記の通り、送信部135は、飛行体60の現在位置を示す補正済位置情報を決定装置200に送り続けることができる。したがって、決定装置200は、飛行体60に対応する補正済位置情報を蓄積することができる。これによれば、決定装置200は、飛行体60の現在位置を認識することができる。
【0222】
ここで、一実施形態において、決定装置200は、飛行体60の現在位置を認識することができる。また、決定装置200は、飛行体60に対して決定した飛行経路を示す経路情報も有している。そのため、一実施形態に係る決定装置200は、飛行体60がこの飛行経路を飛行しているか否か(すなわち、飛行体60が飛行経路からずれたか否か)を判定してよい。また、決定装置200の出力部235は、飛行体60が決定部233により決定された飛行経路からずれて飛行していると判定された場合には、飛行体60が飛行経路からずれた旨の情報を出力させてよい。例えば、出力部235は、飛行体60の利用者が有する端末装置Tから、飛行経路からずれた旨の情報を出力させてよい。具体的には、出力部235は、例えば、飛行体60が飛行経路からずれた場合に、端末装置Tにアラートを出力させてよい。また、例えば、出力部235は、端末装置Tに、飛行経路と飛行経路に対してずれた先の地点とが重畳表示された地図情報を表示させてもよい。
【0223】
〔7.その他の実施形態〕
端末装置10-xは、上記実施形態で示した経路制御処理が組み合わされることで、上記例以外にも様々な分野への活用が期待される。以下では、端末装置10-xにおけるユースケースの一例を示す。
【0224】
例えば、所定のオブジェクトに対して端末装置10-xが設置されたうえで、目的に合わせた定義情報入力されたとする。係る場合、決定装置200は、オブジェクトとの距離を所定距離保った状態で、オブジェクトに追従するような飛行経路で飛行するよう飛行体60を制御してもよい。これによれば一実施形態に係る決定装置200は、例えば、車両、鉄道、ドローン等のように移動しているオブジェクトを対象として、オブジェクトとの距離を一定に保ちつつ、撮影画像を取得することができる。また、例えば、オブジェクトに対する点検目的で撮影が行われる場合、決定装置200は、距離が一定に保たれた撮影画像を取得することで、点検の精度を高めることができる。
【0225】
また、決定装置200は、端末装置10-xから得られた位置情報(補正済位置情報)の履歴に基づいて、最適な飛行経路を決定してもよい。例えば、端末装置10-xが車両に搭載された場合、決定装置200は、端末装置10-xから得られた位置情報の履歴に基づいて、係る車両がどのような軌跡で移動したかを示す移動軌跡を検出してよい。この場合、より多くの車両に端末装置10-xが搭載されれば、決定装置200は、移動軌跡の統計を検出することができる。すなわち、一実施形態に係る決定装置200は、車道を検出してよい。この場合、決定装置200は、検出した移動軌跡(車道)上空において、移動軌跡からずらした軌跡を飛行経路として決定してもよい。具体的には、決定装置200は、移動軌跡の上空において、移動軌跡に沿う軌跡を飛行経路として決定してよい。これによれば、一実施形態に係る決定装置200は、車両や車道に向けて飛行体60が落下が落下してしまうリスクを軽減しすることができる。また、一実施形態に係る決定装置200は、交通状況を撮影可能な飛行経路を決定することができる。
【0226】
また、決定装置200は、端末装置10-xから得られた位置情報(補正済位置情報)の履歴に基づいて、線路の点検に最適な飛行経路を決定してもよい。この場合、端末装置10-xが鉄道に搭載されるため、一実施形態に係る決定装置200は、線路に応じた比較的高精度な座標を検出することができる。すなわち、一実施形態に係る決定装置200は、線路に応じた座標によって示される軌跡を飛行経路して決定することで、飛行体60を線路点検に活用させることができる。
【0227】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上記実施形態に係る経路決定システム1に含まれる端末装置10-x、飛行体装置60、配信装置100および決定装置200は、例えば
図19に示すような構成のコンピュータ1000によって実現されてよい。以下、決定装置200を例に挙げて説明する。
図19は、決定装置200の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、およびメディアインターフェイス(I/F)1700を有してよい。
【0228】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行ってよい。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納してよい。
【0229】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、および、係るプログラムによって使用されるデータ等を格納してよい。通信インターフェイス1500は、通信網50を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送信してよい。通信インターフェイス1500は、CPU1100が生成したデータを、通信網50を介して他の機器へ送信してよい。
【0230】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、および、キーボードやマウス等の入力装置を制御してよい。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得してよい。また、CPU1100は、生成したデータを、入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力してよい。
【0231】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供してよい。CPU1100は、係るプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行してよい。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等であってよい。
【0232】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る決定装置200として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部230の機能を実現してよい。また、HDD1400には、記憶部120内のデータが格納されてよい。CPU1100は、これらのプログラムを、記録媒体1800から読み取って実行してよい。CPU1100は、他の装置から、通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0233】
〔9.その他〕
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0234】
例えば、上記実施形態において複数の端末装置10-xが含まれる場合、複数の端末装置10-xはそれぞれ異なる装置であってよい。すなわち、自端末の機能を実現することができれば、複数の端末装置10-xはそれぞれ同一の装置でなくともよい。例えば、端末装置10-xが設置され、あるいは搭載される場面に応じて、装置の形状や有する機能は異なっていてよい。
【0235】
以上、本願の実施形態をいくつかの図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0236】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路などに読み替えることができる。
【符号の説明】
【0237】
1 経路決定システム
10 端末装置
13a 第1受信部
13b 概略位置算出部
13c 第1送信部
13d 第2受信部
13e 補正部
13f 第2送信部
30 基準局
60 飛行体装置(飛行体)
65a 補正済位置情報取得部
65b 経路情報取得部
65c 飛行制御部
100 配信装置
131 概略位置取得部
132 要求部
133 生成部
134 補正済位置情報取得部
135 送信部
200 決定装置
232 受付部
233 決定部
234 指示部
235 出力部