(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0241 20230101AFI20231211BHJP
【FI】
G06Q30/0241
(21)【出願番号】P 2021199580
(22)【出願日】2021-12-08
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細山田 弘太郎
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-092385(JP,A)
【文献】特開2004-094699(JP,A)
【文献】特開2019-087005(JP,A)
【文献】特開2014-164439(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する前記配達員の配達員属性に関する属性希望条件を前記広告の依頼主から受け付ける受付部と、
前記配達員の稼働実績に基づいて、前記属性希望条件を満たす前記配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する推定部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記推定部は、
前記配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第1機械学習モデルに入力した場合に、前記所定の配達員属性に関する属性条件を満たす前記配達員の稼働実績に基づく前記配達員の稼働に関する稼働情報を出力するように学習された前記第1機械学習モデルを用いて、前記対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記推定部は、
前記属性希望条件と、前記配達員の稼働実績に関する稼働実績情報に基づいて、前記対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記推定部は、
前記対象配達員の稼働に関する稼働情報として、前記対象配達員の稼働人数を推定する、
請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記対象配達員の稼働に関する稼働情報として、前記対象配達員の総稼働時間を推定する、
請求項1~4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、
前記配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第2機械学習モデルに入力した場合に、前記所定の配達員属性に関する属性条件を満たす前記配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の視聴実績に基づく前記視聴者の視聴に関する視聴情報を出力するように学習された前記第2機械学習モデルを用いて、前記対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報を推定する、
請求項1~5のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、
前記対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報として、前記視聴者の視聴人数を推定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記推定部は、
前記対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報として、前記視聴者の総視聴時間を推定する、
請求項6または7に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する前記配達員の配達員属性に関する属性希望条件を前記広告の依頼主から受け付ける受付工程と、
前記配達員の稼働実績に基づいて、前記属性希望条件を満たす前記配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する推定工程と、
を含む情報処理方法。
【請求項10】
商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する前記配達員の配達員属性に関する属性希望条件を前記広告の依頼主から受け付ける受付手順と、
前記配達員の稼働実績に基づいて、前記属性希望条件を満たす前記配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する推定手順と、
をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットを介した広告配信が盛んに行われている。例えば、ウェブページなどの広告媒体に設定された広告枠に、企業や商品等の広告コンテンツを表示させる技術が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
広告配信における広告には、広告を表示させる広告媒体、広告媒体における広告の位置やサイズ、静止画/動画の別といった様々な態様が存在する。広告主は、広告費用を考慮しつつ、任意の態様の広告を広告配信業者等から購入して広告媒体に表示させる。以下、広告主に対して販売される任意の態様の広告を「広告商品」と呼ぶ。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術では、例えば、広告主が広告商品を購入する前に、広告によって得られる効果(以下、広告効果ともいう)を適切に予測することが困難なため、広告主が広告商品の購入を躊躇する場合がある。したがって、上述した従来技術には、広告主による広告商品の購入を促進可能とするという点でさらなる改善の余地がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができる情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する前記配達員の配達員属性に関する属性希望条件を前記広告の依頼主から受け付ける受付部と、前記配達員の稼働実績に基づいて、前記属性希望条件を満たす前記配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する推定部と、を備える。
【0008】
前記推定部は、前記配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第1機械学習モデルに入力した場合に、前記所定の配達員属性に関する属性条件を満たす前記配達員の稼働実績に基づく前記配達員の稼働に関する稼働情報を出力するように学習された前記第1機械学習モデルを用いて、前記対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
【発明の効果】
【0009】
実施形態の一態様によれば、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る配達員を広告媒体とする広告の態様について説明するための図である。
【
図3】
図3は、第1の実施形態に係る情報処理の概要を説明するための図である。
【
図4】
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図5】
図5は、第1の実施形態に係る配達員情報記憶部の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、第1の実施形態に係る稼働実績情報記憶部の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、第1の実施形態に係る視聴実績情報記憶部の一例を示す図である。
【
図8】
図8は、第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
【
図9】
図9は、第2の実施形態に係る学習データ記憶部の一例を示す図である。
【
図10】
図10は、第2の実施形態に係る第1機械学習モデルの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、第2の実施形態の変形例に係る第2機械学習モデルの一例を示す図である。
【
図12】
図12は、情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0012】
(実施形態)
〔1.第1の実施形態〕
〔1-1.情報処理システムの構成例〕
図1は、第1の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図1に示すように、情報処理システム1は、配達員端末10と、広告主端末20と、情報処理装置100とを備える。配達員端末10と、広告主端末20と、情報処理装置100とは、所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続される。なお、
図1に示す情報処理システム1には、任意の数の配達員端末10と、任意の数の広告主端末20と、任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
【0013】
配達員端末10は、例えば、フードデリバリーサービス等の配達員が商品を配達するために使用する配達用バッグに搭載された情報処理装置である。配達員端末10は、任意のコンテンツを表示可能な画面を備える。例えば、配達員端末10は、広告の依頼主(以下、広告主ともいう)から依頼された広告コンテンツを画面に表示する。配達員端末10は、例えば、スマートフォン、タブレット型の端末等である。以下では、配達員端末10がタブレット型の端末である場合について説明する。
【0014】
配達員端末10は、例えば、配達用バッグが箱型である場合、配達用バッグの上面および底面を除く少なくともいずれか1つの側面に設置されてよい。配達員端末10は、例えば、配達用バッグが配達員によって背負われるタイプの箱型のリュックサックである場合、配達用バッグの上面、底面および配達員の背中側の面を除く少なくともいずれか1つの面に設置されてよい。以下では、配達用バッグが箱型のリュックサックである場合について説明する。
【0015】
また、配達員端末10は、各種センサを備える。具体的には、配達員端末10は、配達員端末10の画面に表示された広告コンテンツを視聴した視聴者に関する情報を取得可能なセンサを備える。例えば、配達員端末10は、配達員端末10の周囲を撮影可能なカメラを備える。また、配達員端末10は、カメラによって撮影された画像を情報処理装置100に送信する。
【0016】
広告主端末20は、広告主によって利用される情報処理装置である。例えば、広告主端末20は、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等である。広告主端末20は、広告主の操作に従って、広告の依頼および広告コンテンツとともに、配達員を広告媒体とする広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を情報処理装置100に対して送信する。
【0017】
情報処理装置100は、配達員を広告媒体とする広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を広告主端末20から受け付ける。また、情報処理装置100は、配達員の稼働実績に基づいて、属性希望条件を満たす配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
【0018】
図2は、実施形態に係る配達員を広告媒体とする広告の態様について説明するための図である。
図2に示す例では、フードデリバリーサービスの配達員が商品を配達するために使用する配達用バッグにタブレット型の端末である配達員端末10が備え付けられている。そして、配達員のうち、広告主が希望する属性希望条件を満たす配達員である対象配達員の配達員端末10の画面に広告主から依頼された広告コンテンツを表示した状態で対象配達員が配達を行うことで、対象配達員を媒体とする広告を展開する。
【0019】
より具体的には、情報処理装置100は、A社の化粧品に関する広告の依頼および広告コンテンツを広告主端末20から受け付ける。また、情報処理装置100は、広告の依頼とともに、広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を広告主端末20から受け付ける。続いて、情報処理装置100は、データベースの中から属性希望条件を満たす配達員である対象配達員を抽出し、対象配達員の配達員端末10に広告コンテンツを送信する。そして、対象配達員が、配達員端末10の画面に広告コンテンツを表示した状態で配達を行うことで、対象配達員を媒体とする広告を展開する。
【0020】
ここで、近年増加しているフードデリバリーサービスの配達員は、配達業務を業務単位で請け負うギグワーカー(独立業務請負人)であるため、広告展開においてマイナスイメージを持たせる可能性がある。また、広告展開において、広告対象である商品またはサービスのブランドイメージに反する配達員も存在する。そこで、情報処理装置100は、広告主が所望する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を受け付け、広告主が所望する配達員の配達員属性に関する属性条件を満たす対象配達員を抽出する。そして、情報処理装置100は、広告主が所望する配達員の配達員属性に関する属性条件を満たす対象配達員の配達員端末10の画面に広告コンテンツを表示した状態で配達を行わせる。これにより、情報処理装置100は、広告展開における広告対象のブランドイメージを損なうことなく、配達員を広告媒体とする広告展開を可能とすることができる。
【0021】
〔1-2.情報処理の概要〕
図3は、第1の実施形態に係る情報処理の概要を説明するための図である。
図3に示す例では、広告主がA社の化粧品に関する広告の依頼を希望している。また、広告主が所望する配達員の配達員属性に関する属性希望条件は、配達員の性別が「女性」であり、配達員の年齢が「18歳~30歳」であり、配達員による主な配達エリアが「東京23区」であり、配達員の配達満足度が「95%以上」であることである。また、広告主が所望する広告時期は「4月」である。このとき、情報処理装置100は、
図3に示す属性希望条件を広告主端末20から受け付ける。
【0022】
情報処理装置100は、広告主端末20から属性希望条件を受け付けると、配達員の稼働実績に関する稼働実績情報に基づいて、属性希望条件を満たす対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
図3に示す例では、情報処理装置100は、稼働情報の一例として、対象配達員の稼働人数、対象配達員による平日の総予想稼働時間および休日の総予想稼働時間を推定する。情報処理装置100は、稼働情報を推定すると、推定した稼働情報を広告主端末20に送信する。これにより、情報処理装置100は、広告主が希望する属性希望条件を満たす対象配達員の稼働の予測に関する稼働予測情報を広告主に対して提供可能とすることができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100は、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができる。
【0023】
また、情報処理装置100は、広告を視聴した視聴者の視聴実績に基づいて、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報を推定する。
図3に示す例では、情報処理装置100は、視聴情報の一例として、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴人数および総視聴時間を推定する。情報処理装置100は、視聴情報を推定すると、推定した視聴情報を広告主端末20に送信する。これにより、情報処理装置100は、広告主が希望する属性希望条件を満たす対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴の予測に関する視聴予測情報を広告主に対して提供可能とすることができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100は、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができる。
【0024】
〔1-3.情報処理装置の構成例〕
図4は、第1の実施形態に係る情報処理装置100の構成例を示す図である。
図4に示すように、情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0025】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワーク(例えば
図1中のネットワークN)と有線または無線で接続され、配達員端末10や広告主端末20との間で情報の送受信を行う。
【0026】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。第1の実施形態に係る記憶部120は、
図4に示すように、配達員情報記憶部121と、稼働実績情報記憶部122と、視聴実績情報記憶部123とを有する。
【0027】
(配達員情報記憶部121)
配達員情報記憶部121は、配達員に関する各種情報を記憶する。
図5は、第1の実施形態に係る配達員情報記憶部の一例を示す図である。
図5に示す例では、配達員情報記憶部121は、「配達員ID」、「性別」、「年齢」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「配達満足度」、「配達手段」、「職歴」および「クエスト達成率」といった項目を有する。
【0028】
「配達員ID」は、配達員を識別する識別情報を示す。「性別」は、配達員の性別を示す。「年齢」は、配達員の年齢を示す。「主たる配達開始エリア(都道府県)」は、配達員による主たる配達開始エリアの都道府県を示す。「主たる配達開始エリア(市町村)」は、配達員による主たる配達開始エリアの市町村を示す。「配達満足度」は、配達員に対する顧客の満足度を示す。「配達手段」は、配達員による配達の配達手段を示す。「職歴」は、配達員が専業または副業で配達業務を行っていることを示す。「クエスト達成率」は、配達員が担当する配達業務の達成率を示す。
【0029】
(稼働実績情報記憶部122)
稼働実績情報記憶部122は、配達員の稼働実績に関する各種情報を記憶する。
図6は、第1の実施形態に係る稼働実績情報記憶部の一例を示す図である。
図6に示す例では、稼働実績情報記憶部122は、「配達員ID」、「日付」、「曜日」、「稼働時間」、「配達数(午前)」、「配達数(午後)」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「天気(午前)」、「天気(午後)」、「配達手段」および「稼働距離」といった項目を有する。
【0030】
「配達員ID」は、配達員を識別する識別情報を示す。「日付」は、配達員による配達が行われた日付を示す。「曜日」は、配達員による配達が行われた曜日を示す。「稼働時間」は、配達員の稼働時間を示す。「配達数(午前)」は、配達員による配達が行われた日の午前中における配達員の配達件数を示す。「配達数(午後)」は、配達員による配達が行われた日の午後における配達員の配達件数を示す。「主たる配達開始エリア(都道府県)」は、配達員による主たる配達開始エリアの都道府県を示す。「主たる配達開始エリア(市町村)」は、配達員による主たる配達開始エリアの市町村を示す。「天気(午前)」は、配達員による配達が行われた日の午前中の天気を示す。「天気(午後)」は、配達員による配達が行われた日の午後の天気を示す。「配達手段」は、配達員による配達の配達手段を示す。「稼働距離」は、配達員の配達における総移動距離を示す。
【0031】
(視聴実績情報記憶部123)
視聴実績情報記憶部123は、広告の視聴実績に関する各種情報を記憶する。
図7は、第1の実施形態に係る視聴実績情報記憶部の一例を示す図である。
図7に示す例では、視聴実績情報記憶部123は、「配達員ID」、「日付」、「曜日」、「視聴人数(午前)」、「視聴人数(午後)」、「視聴時間(午前)」および「視聴時間(午後)」といった項目を有する。
【0032】
「配達員ID」は、配達員を識別する識別情報を示す。「日付」は、配達員による配達が行われた日付を示す。「曜日」は、配達員による配達が行われた曜日を示す。「視聴人数(午前)」は、配達員による配達が行われた日の午前中における配達員の配達バッグに掲載された広告を視聴した視聴者の人数を示す。「視聴人数(午後)」は、配達員による配達が行われた日の午後における配達員の配達バッグに掲載された広告を視聴した視聴者の人数を示す。「視聴時間(午前)」は、配達員による配達が行われた日の午前中における配達員の配達バッグに掲載された広告を視聴した視聴者による広告の総視聴時間を示す。「視聴時間(午後)」は、配達員による配達が行われた日の午後における配達員の配達バッグに掲載された広告を視聴した視聴者による広告の総視聴時間を示す。
【0033】
(制御部130)
図4の説明に戻って、制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0034】
図4に示すように、制御部130は、取得部131と、受付部132と、推定部133と、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0035】
(取得部131)
取得部131は、配達員情報を各配達員の配達員端末10から取得する。取得部131は、配達員情報を取得すると、取得した配達員情報を配達員IDと対応付けて配達員情報記憶部121に格納する。
【0036】
また、取得部131は、稼働実績情報を各配達員の配達員端末10から取得する。取得部131は、稼働実績情報を取得すると、取得した稼働実績情報を配達員IDと対応付けて稼働実績情報記憶部122に格納する。
【0037】
また、取得部131は、視聴実績情報を各配達員の配達員端末10から取得する。なお、取得部131は、各配達員の配達員端末10のカメラによって撮影された画像を各配達員の配達員端末10から取得してよい。続いて、取得部131は、公知の画像解析技術を用いて、取得した各画像を解析することで、視聴実績情報を取得してよい。取得部131は、視聴実績情報を取得すると、取得した視聴実績情報を配達員IDと対応付けて視聴実績情報記憶部123に格納する。
【0038】
(受付部132)
受付部132は、商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を広告主から受け付ける。具体的には、受付部132は、広告の依頼および広告コンテンツを広告主端末20から受け付ける。また、受付部132は、広告の依頼とともに、広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を広告主端末20から受け付ける。
【0039】
(推定部133)
推定部133は、配達員の稼働実績に基づいて、属性希望条件を満たす配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。具体的には、推定部133は、属性希望条件と、配達員の稼働実績に関する稼働実績情報に基づいて、対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。例えば、推定部133は、対象配達員の稼働に関する稼働情報の一例として、対象配達員の稼働人数を推定する。例えば、推定部133は、配達員情報記憶部121に保持された配達員情報に対応する配達員の中から、フィルタリング等により、属性希望条件に該当する対象配達員を絞り込むことで、対象配達員の稼働人数を推定する。
【0040】
例えば、広告主が所望する配達員の配達員属性に関する属性希望条件は、配達員の性別が「女性」であり、配達員の年齢が「18歳~30歳」であり、配達員による主な配達エリアが「東京23区」であり、配達員の配達満足度が「95%以上」であり、配達員情報記憶部121に保持された総配達員数が10万人であるとする。このとき、推定部133は、配達員の「性別」フィルタで「女性」に絞り込まれた配達員数を2万人と算出する。続いて、推定部133は、「女性」に絞り込まれた配達員について、さらに配達員の「年齢」フィルタで「18歳~30歳」に絞り込まれた配達員数を1万人と算出する。続いて、推定部133は、「18歳~30歳」に絞り込まれた配達員について、さらに配達員の「主な配達エリア」フィルタで「東京23区」に絞り込まれた配達員数を4000人と算出する。続いて、推定部133は、「東京23区」に絞り込まれた配達員について、さらに配達員の「配達満足度」フィルタで「95%以上」に絞り込まれた配達員数を3500人と算出する。このようにして、推定部133は、対象配達員の稼働人数を3500人と推定する。
【0041】
また、推定部133は、対象配達員の稼働に関する稼働情報の一例として、対象配達員の総稼働時間を推定する。例えば、推定部133は、対象配達員の平日の総稼働時間を推定する。例えば、推定部133は、過去同月に同条件の配達員による月~金の稼働時間を算出し、本年の対象配達員の平日の総稼働時間を推定する。以下では、情報処理装置100が、2016年から2020年分の稼働実績情報を稼働実績情報記憶部122に保有している場合について説明する。
【0042】
例えば、広告主の広告掲載依頼が2021年5月であるとする。また、広告主が所望する配達員の配達員属性に関する属性希望条件は、配達員の性別が「女性」であり、配達員の年齢が「18歳~30歳」であり、配達員による主な配達エリアが「東京23区」であり、配達員の配達満足度が「95%以上」であり、配達員情報記憶部121に保持された総配達員数が10万人であるとする(以下、属性希望条件#1ともいう)。このとき、推定部133は、2016年から2020年の各5月に属性希望条件#1を満たす対象配達員がどのように稼働したかに基づいて、2021年5月における属性希望条件#1を満たす対象配達員の平日の総稼働時間を推定する。例えば、推定部133は、2016年から2020年の各5月に属性希望条件#1を満たす対象配達員一人あたりの平日の稼働時間の平均Aに、2021年5月の対象配達員数を掛け合わせた数を、2021年5月における対象配達員の平日の総稼働時間Bと推定する。例えば、推定部133は、「{(2016年5月平日の対象配達員の稼働時間)+・・・+(2020年5月平日の対象配達員の稼働時間)}/{(2016年5月平日の対象配達員数)+・・・+(2020年5月平日の対象配達員数)}」の計算式によって2021年5月における属性希望条件#1を満たす対象配達員一人あたりの平日の稼働時間の平均Aを算出する。
【0043】
ここで、市場環境は毎年変化する為、過去のデータのうち、直近の年に近いほど影響度が強くなるよう各年度のデータに対して係数を掛ける(重み付け)する必要がある。例えば、αを2020年の係数、βを2019年の係数、γを2018年の係数、δを2017年の係数、εを2016年の係数とする。また、各係数は、「α + β + γ + δ + ε = 1」の条件を満たす。また、例えば、係数の影響度合いは、「α : β : γ : δ : ε=0.5 : 0.3 : 0.1 : 0.05 : 0.05」のように市場環境に合わせて変化する。このとき、推定部133は、「α{(2020年5月平日の対象配達員の稼働時間)/(2020年5月平日の対象配達員数)}+β{(2019年5月平日の対象配達員の稼働時間)/(2019年5月平日の対象配達員数)}+γ{(2018年5月平日の対象配達員の稼働時間)/(2018年5月平日の対象配達員数)}+δ{(2017年5月平日の対象配達員の稼働時間)/(2017年5月平日の対象配達員数)}+ε{(2016年5月平日の対象配達員の稼働時間)/(2016年5月平日の対象配達員数)}」の計算式によって2021年5月における属性希望条件#1を満たす対象配達員一人あたりの平日の稼働時間の平均A´を算出する。続いて、推定部133は、算出した対象配達員一人あたりの平日の稼働時間の平均A´に、2021年5月の対象配達員数を掛け合わせた数を、2021年5月における対象配達員の平日の総稼働時間B´と推定する。
【0044】
(提供部134)
提供部134は、推定部133によって推定された稼働情報を広告主に対して提供する。具体的には、提供部134は、推定部133によって推定された稼働情報を広告主端末20に送信する。
【0045】
また、ギグワークには配達員の自由が約束されており、広告主にとってブレ値は懸念材料の1つである。そこで、提供部134は、ブレ値の要素となるデータの計算を行い、広告主に対して情報提供をする。具体的には、提供部134は、配達に影響を与える「ブレ要素」の各数値を算出する。例えば、提供部134は、過去同月平日(2016-2020/5月)における類似気温日(±2℃)の稼働実績、天候別の稼働実績、時間帯別の稼働実績、エリア別の稼働実績、および配達員属性別の稼働実績(配達手段(自転車、バイクの別等)、職歴(専業または副業の別等))等の違いを分析する。続いて、一般的な稼働予測から不安定要素を追加情報として提供し、広告主への参照データとする。
【0046】
〔1-4.変形例〕
〔1-4-1.紙媒体の広告〕
また、上述した第1の実施形態では、広告コンテンツを配達員端末10が画面に表示する場合について説明したが、広告の掲載の仕方は広告コンテンツの画面表示に限られない。例えば、配達用バッグの側面にポスター等の紙媒体の広告を貼り付けてもよい。
【0047】
〔1-4-2.レア配達員によるスーパークーポン〕
また、上述した第1の実施形態では、受付部132が、配達員の性別が「女性」であり、配達員の年齢が「18歳~30歳」であり、配達員による主な配達エリアが「東京23区」であり、配達員の配達満足度が「95%以上」といった配達員属性に関する属性希望条件を受け付ける場合について説明したが、受付部132は、広告主からその他の条件を受け付けてもよい。
【0048】
例えば、受付部132は、配達員の人数が「上限3人」であり、配達員の配達満足度が「100%」であり、配達員による主な配達エリアが「千代田区」であるといった配達員属性に関する属性希望条件を受け付けてよい。また、受付部132は、A社の化粧品に関する限定割引券に関する情報を含む広告コンテンツを広告主から受け付ける。これにより、情報処理装置100は、街中で見つけたらラッキーな限定割引券を投影した配達員による広告展開を可能にする。
【0049】
〔1-5.第1の実施形態の効果〕
上述してきたように、第1の実施形態に係る情報処理装置100は、受付部132と、推定部133とを有する。受付部132は、商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を広告の依頼主から受け付ける。推定部133は、配達員の稼働実績に基づいて、属性希望条件を満たす配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
【0050】
これにより、情報処理装置100は、広告主が希望する属性希望条件を満たす対象配達員の稼働の予測に関する稼働予測情報を広告主に対して提供可能とすることができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100は、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができる。
【0051】
また、推定部133は、属性希望条件と、配達員の稼働実績に関する稼働実績情報に基づいて、対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
【0052】
これにより、情報処理装置100は、配達員の稼働実績に基づいて対象配達員の稼働に関する稼働情報を適切に推定することができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。
【0053】
また、推定部133は、対象配達員の稼働に関する稼働情報として、対象配達員の稼働人数を推定する。
【0054】
これにより、情報処理装置100は、稼働予測情報として、対象配達員の稼働人数を広告主に対して提供可能とすることができる。
【0055】
また、推定部133は、対象配達員の稼働に関する稼働情報として、対象配達員の総稼働時間を推定する。
【0056】
これにより、情報処理装置100は、稼働予測情報として、対象配達員の総稼働時間を広告主に対して提供可能とすることができる。
【0057】
〔2.第2の実施形態〕
ここから、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、機械学習モデルを用いて対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する点が第1の実施形態と異なる。なお、第1の実施形態と同様の点については、適宜説明を省略する。第2の実施形態においては、情報処理システム1は、情報処理装置100に代えて、情報処理装置100Aを有する。なお、第2の実施形態に係る機械学習モデル(後述する第1機械学習モデルM1および第2機械学習モデルM2)は、例えば、畳み込みニューラルネットワークまたは回帰型ニューラルネットワークなどのニューラルネットワークによる機械学習によって生成されるが、かかる例に限定されない。例えば、第2の実施形態に係る機械学習モデルは、ニューラルネットワークに代えて、線形回帰またはロジスティック回帰といった学習アルゴリズムによる機械学習を用いて生成されてもよい。
【0058】
〔2-1.情報処理装置の構成例〕
図8は、第2の実施形態に係る情報処理装置の構成例を示す図である。
図8に示すように、情報処理装置100Aは、通信部110と、記憶部120Aと、制御部130Aとを有する。なお、情報処理装置100Aにおいて、情報処理装置100と同様の点は適宜説明を省略する。
【0059】
(記憶部120A)
記憶部120Aは、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。第2の実施形態に係る記憶部120Aは、
図8に示すように、配達員情報記憶部121と、稼働実績情報記憶部122と、視聴実績情報記憶部123と、学習データ記憶部124Aとを有する。
【0060】
(学習データ記憶部124A)
図9は、第2の実施形態に係る学習データ記憶部の一例を示す図である。
図9に示す例では、学習データ記憶部124Aは、「年」、「日付」、「曜日」、「エリア(都道府県)」、「エリア(市町村)」、「天気(午前)」、「天気(午後)」、「配達員数(午前)」、「配達員数(午後)」、「専業数」、「副業数」、「総稼働時間(時間)」および「総配達数」といった項目を有する。
【0061】
「年」は、配達が行われた年度を示す。「日付」は、配達が行われた日付を示す。「曜日」は、配達が行われた曜日を示す。「エリア(都道府県)」は、配達が行われたエリアの都道府県を示す。「エリア(市町村)」は、配達が行われたエリアの市町村を示す。「天気(午前)」は、配達が行われた日の午前中の天気を示す。「天気(午後)」は、配達が行われた日の午後の天気を示す。「配達員数(午前)」は、配達が行われた日の午前中における配達員の数を示す。「配達員数(午後)」は、配達が行われた日の午後における配達員の数を示す。「専業数」は、を示す。配達が行われた日の配達員のうち、配達を専業とする配達員の数を示す。「副業数」は、配達が行われた日の配達員のうち、配達を副業とする配達員の数を示す。「総稼働時間(時間)」は、配達が行われた日における各配達員の稼働時間の合計を示す。「総配達数」は、配達が行われた日における各配達員の配達数の合計を示す。
【0062】
また、図示は省略するが、学習データ記憶部124Aは、「性別」、「年齢」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「配達満足度」、「配達手段」、「職歴」および「クエスト達成率」といった配達員属性を示す項目をさらに有する。すなわち、学習データ記憶部124Aは、各日付の学習データを配達員属性ごとに記憶する。
【0063】
(制御部130A)
図8の説明に戻って、制御部130Aは、コントローラ(controller)であり、例えば、CPUやMPUやGPU等によって、情報処理装置100A内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130Aは、コントローラであり、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現される。
【0064】
図8に示すように、制御部130Aは、取得部131と、受付部132と、推定部133Aと、提供部134とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130Aの内部構成は、
図8に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0065】
(推定部133A)
推定部133Aは、配達員の稼働実績に基づいて、属性希望条件を満たす配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。具体的には、推定部133Aは、配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第1機械学習モデルに入力した場合に、所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の稼働実績に基づく配達員の稼働に関する稼働情報を出力するように学習された第1機械学習モデルを用いて、対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。例えば、推定部133Aは、対象配達員の稼働に関する稼働情報の一例として、対象配達員の稼働人数(以下、配達員数または予測配達員数ともいう)を推定する。
【0066】
図10は、第2の実施形態に係る第1機械学習モデルM1の一例を示す図である。具体的には、推定部133Aは、学習データ記憶部124Aを参照して、各年度の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の稼働実績に関する情報に基づいて、第1機械学習モデルM1を学習する。例えば、推定部133Aは、学習データ記憶部124Aを参照して、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員に関する学習データ(例えば、「年」、「日付」、「曜日」、「エリア(都道府県)」、「エリア(市町村)」、「天気(午前)」、「天気(午後)」、「配達員数(午前)」、「配達員数(午後)」、「専業数」、「副業数」、「総稼働時間(時間)」および「総配達数」)を第1機械学習モデルM1に入力した場合に、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の配達員数を出力するように第1機械学習モデルM1を学習する。また、図示は省略するが、推定部133Aは、「性別」、「年齢」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「配達満足度」、「配達手段」、「職歴」および「クエスト達成率」といった所定の配達員属性を示す情報を第1機械学習モデルM1に入力した場合に、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の配達員数を出力するように第1機械学習モデルM1を学習する。
【0067】
また、推定部133Aは、2016年の学習データに基づいて学習した第1機械学習モデルM1を用いて、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の配達員数を推定する。具体的には、推定部133Aは、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員に関する学習データ(例えば、「年」、「日付」、「曜日」、「エリア(都道府県)」、「エリア(市町村)」、「天気(午前)」、「天気(午後)」、「配達員数(午前)」、「配達員数(午後)」、「専業数」、「副業数」、「総稼働時間(時間)」および「総配達数」)を第1機械学習モデルM1に入力した場合に、第1機械学習モデルM1から出力された配達員数を推定結果として得る。また、図示は省略するが、推定部133Aは、「性別」、「年齢」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「配達満足度」、「配達手段」、「職歴」および「クエスト達成率」といった所定の配達員属性を示す情報を第1機械学習モデルM1に入力した場合に、第1機械学習モデルM1から出力された配達員数を推定結果として得る。続いて、推定部133Aは、例えば、誤差逆伝播法等を用いて、第1機械学習モデルM1から出力された配達員数と2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の実際の配達員数である正解データとの誤差が小さくなるように第1機械学習モデルM1の重みを学習する。
【0068】
同様にして、推定部133Aは、2016年の学習データ以外にも、あらゆる年度の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の稼働実績に関する情報に基づいて、第1機械学習モデルM1を学習する。また、推定部133Aは、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の配達員数以外にも、第1機械学習モデルM1から出力された配達員数とあらゆる年度の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の実際の配達員数である正解データとの誤差が小さくなるように第1機械学習モデルM1の重みを学習する。
【0069】
図10では、推定部133Aが、対象配達員の稼働に関する稼働情報の一例として、対象配達員の稼働人数を推定する場合について説明したが、推定部133Aは、対象配達員の稼働に関する稼働情報として、対象配達員の総稼働時間を推定してもよい。例えば、推定部133Aは、
図10で説明した2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の配達員数を出力するように第1機械学習モデルM1を学習する代わりに、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の総稼働時間を出力するように第1機械学習モデルM1´を学習する。また、推定部133Aは、第1機械学習モデルM1´から出力された総稼働時間と2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の実際の総稼働時間である正解データとの誤差が小さくなるように第1機械学習モデルM1´の重みを学習する。
【0070】
〔2-2.変形例〕
上述した第2の実施形態では、推定部133Aが、機械学習モデルを用いて対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する場合について説明した。ここでは、第2の実施形態に係る変形例として、推定部133Aが、機械学習モデルを用いて対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報を推定する場合について説明する。
【0071】
具体的には、推定部133Aは、配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第2機械学習モデルに入力した場合に、所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の視聴実績に基づく視聴者の視聴に関する視聴情報を出力するように学習された第2機械学習モデルを用いて、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報を推定する。例えば、推定部133Aは、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報の一例として、視聴者の総視聴時間(以下、視聴時間予測ともいう)を推定する。
【0072】
図11は、第2の実施形態の変形例に係る第2機械学習モデルの一例を示す図である。具体的には、推定部133Aは、学習データ記憶部124Aを参照して、各年度の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の視聴実績に関する情報に基づいて、第2機械学習モデルM2を学習する。例えば、推定部133Aは、学習データ記憶部124Aを参照して、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員に関する学習データ(例えば、「年」、「日付」、「曜日」、「エリア(都道府県)」、「エリア(市町村)」、「天気(午前)」、「天気(午後)」、「配達員数(午前)」、「配達員数(午後)」、「専業数」、「副業数」、「総稼働時間(時間)」および「総配達数」)を第2機械学習モデルM2に入力した場合に、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の総視聴時間を出力するように第2機械学習モデルM2を学習する。また、推定部133Aは、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告の広告ジャンルおよび広告内容(静止画または動画の別など)を第2機械学習モデルM2に入力した場合に、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の総視聴時間を出力するように第2機械学習モデルM2を学習する。また、図示は省略するが、推定部133Aは、「性別」、「年齢」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「配達満足度」、「配達手段」、「職歴」および「クエスト達成率」といった所定の配達員属性を示す情報を第2機械学習モデルM2に入力した場合に、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の総視聴時間を出力するように第2機械学習モデルM2を学習する。
【0073】
また、推定部133Aは、2016年の学習データに基づいて学習した第2機械学習モデルM2を用いて、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の総視聴時間を推定する。具体的には、推定部133Aは、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員に関する学習データ(例えば、「年」、「日付」、「曜日」、「エリア(都道府県)」、「エリア(市町村)」、「天気(午前)」、「天気(午後)」、「配達員数(午前)」、「配達員数(午後)」、「専業数」、「副業数」、「総稼働時間(時間)」および「総配達数」)を第2機械学習モデルM2に入力した場合に、第2機械学習モデルM2から出力された総視聴時間を推定結果として得る。また、推定部133Aは、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告の広告ジャンルおよび広告内容(静止画または動画の別など)を第2機械学習モデルM2に入力した場合に、第2機械学習モデルM2から出力された総視聴時間を推定結果として得る。また、図示は省略するが、推定部133Aは、「性別」、「年齢」、「主たる配達開始エリア(都道府県)」、「主たる配達開始エリア(市町村)」、「配達満足度」、「配達手段」、「職歴」および「クエスト達成率」といった所定の配達員属性を示す情報を第2機械学習モデルM2に入力した場合に、第2機械学習モデルM2から出力された総視聴時間を推定結果として得る。続いて、推定部133Aは、例えば、誤差逆伝播法等を用いて、第2機械学習モデルM2から出力された総視聴時間と2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の実際の総視聴時間である正解データとの誤差が小さくなるように第2機械学習モデルM2の重みを学習する。
【0074】
同様にして、推定部133Aは、2016年の学習データ以外にも、あらゆる年度の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の視聴実績に関する情報に基づいて、第2機械学習モデルM2を学習する。また、推定部133Aは、2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の総視聴時間以外にも、第2機械学習モデルM2から出力された総視聴時間とあらゆる年度の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の実際の総視聴時間である正解データとの誤差が小さくなるように第2機械学習モデルM2の重みを学習する。
【0075】
図11では、推定部133Aが、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報の一例として、視聴者の総視聴時間を推定する場合について説明したが、推定部133Aは、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報として、視聴者の視聴人数を推定してもよい。例えば、推定部133Aは、
図11で説明した2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の総視聴時間を出力するように第2機械学習モデルM2を学習する代わりに、2016年の各日付における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の視聴人数を出力するように第2機械学習モデルM2´を学習する。また、推定部133Aは、第2機械学習モデルM2´から出力された視聴人数と2017年のある日における所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の実際の視聴人数である正解データとの誤差が小さくなるように第2機械学習モデルM2´の重みを学習する。
【0076】
また、提供部134は、推定部133によって推定された視聴情報を広告主に対して提供する。具体的には、提供部134は、推定部133によって推定された視聴情報を広告主端末20に送信する。
【0077】
〔2-3.第2の実施形態の効果〕
上述してきたように、第2の実施形態に係る情報処理装置100Aは、受付部132と、推定部133Aとを有する。受付部132は、商品を利用者に配達する配達員を広告媒体とする広告を媒体する配達員の配達員属性に関する属性希望条件を広告の依頼主から受け付ける。推定部133Aは、配達員の稼働実績に基づいて、属性希望条件を満たす配達員である対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
【0078】
これにより、情報処理装置100Aは、広告主が希望する属性希望条件を満たす対象配達員の稼働の予測に関する稼働予測情報を広告主に対して提供可能とすることができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100Aは、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができる。
【0079】
また、推定部133Aは、配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第1機械学習モデルに入力した場合に、所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員の稼働実績に基づく配達員の稼働に関する稼働情報を出力するように学習された第1機械学習モデルを用いて、対象配達員の稼働に関する稼働情報を推定する。
【0080】
これにより、情報処理装置100Aは、機械学習モデルを用いることで、対象配達員の稼働に関する稼働情報を適切に推定することができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。
【0081】
また、推定部133Aは、対象配達員の稼働に関する稼働情報として、対象配達員の稼働人数を推定する。
【0082】
これにより、情報処理装置100Aは、稼働予測情報として、対象配達員の稼働人数を広告主に対して提供可能とすることができる。
【0083】
また、推定部133Aは、対象配達員の稼働に関する稼働情報として、対象配達員の総稼働時間を推定する。
【0084】
これにより、情報処理装置100Aは、稼働予測情報として、対象配達員の総稼働時間を広告主に対して提供可能とすることができる。
【0085】
また、推定部133Aは、配達員の所定の配達員属性に関する配達員属性情報を第2機械学習モデルに入力した場合に、所定の配達員属性に関する属性条件を満たす配達員を広告媒体とする広告を視聴した視聴者の視聴実績に基づく視聴者の視聴に関する視聴情報を出力するように学習された第2機械学習モデルを用いて、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報を推定する。
【0086】
これにより、情報処理装置100Aは、広告主が希望する属性希望条件を満たす対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴の予測に関する視聴予測情報を広告主に対して提供可能とすることができるので、広告主の不安要素である「見えない効果へ料金を支払う」というリスクを低減することができる。したがって、情報処理装置100は、広告主による広告商品の購入を促進可能とすることができる。
【0087】
また、推定部133Aは、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報として、視聴者の視聴人数を推定する。
【0088】
これにより、情報処理装置100Aは、視聴予測情報として、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴人数を広告主に対して提供可能とすることができる。
【0089】
また、推定部133Aは、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の視聴に関する視聴情報として、視聴者の総視聴時間を推定する。
【0090】
これにより、情報処理装置100Aは、視聴予測情報として、対象配達員を広告媒体とする広告を視聴する視聴者の総視聴時間を広告主に対して提供可能とすることができる。
【0091】
〔3.ハードウェア構成〕
また、上述してきた第1の実施形態に係る情報処理装置100または第2の実施形態に係る情報処理装置100Aは、例えば
図12に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図12は、情報処理装置100または情報処理装置100Aの機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
【0092】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0093】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
【0094】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0095】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0096】
例えば、コンピュータ1000が第1の実施形態に係る情報処理装置100または第2の実施形態に係る情報処理装置100Aとして機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130または制御部130Aの機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0097】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0098】
〔4.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0099】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0100】
また、上述した情報処理装置100または情報処理装置100Aは、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0101】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0102】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、推定部は、推定手段や推定回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0103】
1 情報処理システム
10 配達員端末
20 広告主端末
100 情報処理装置
110 通信部
120 記憶部
121 配達員情報記憶部
122 稼働実績情報記憶部
123 視聴実績情報記憶部
130 制御部
131 取得部
132 受付部
133 推定部
134 提供部
100A 情報処理装置
120A 記憶部
124A 学習データ記憶部
130A 制御部
133A 推定部