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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】エアロゾルを発生させるための装置
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/465 20200101AFI20231211BHJP
   A24F 40/40 20200101ALI20231211BHJP
【FI】
A24F40/465
A24F40/40
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021504293
(86)(22)【出願日】2019-07-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 EP2019069929
(87)【国際公開番号】W WO2020020950
(87)【国際公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-01-25
(31)【優先権主張番号】18185898.6
(32)【優先日】2018-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】バティスタ ルイ ヌーノ
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/036955(WO,A2)
【文献】中国特許出願公開第108185525(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
A61M 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾルを発生させるための装置であって、前記装置が、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品を受けるための加熱チャンバーと、前記加熱チャンバーおよび前記装置のマウスピース端と流体連通している冷却チャンバーと、を備え、前記加熱チャンバーが、上流端、下流端、ならびに第一の主境界面および第二の主境界面を含み、前記第一の主境界面および前記第二の主境界面が、対向する平行な関係で延び、かつ前記加熱チャンバーを通って流れる流体の主流れ軸を画定し、前記装置が、使用時に、前記加熱チャンバーの前記上流端から前記下流端への流体の流れが、前記主流れ軸に対して実質的に平行な方向にあるように構成され、
前記装置が、前記物品を誘導的に加熱するための一つ以上の誘導コイルをさらに含み、前記一つ以上の誘導コイルがそれぞれ前記加熱チャンバーを取り囲む、装置。
【請求項2】
前記装置が、使用時に、流体が、前記加熱チャンバーの前記上流端を通って前記主流れ軸に対して実質的に平行な方向に流れるように構成される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第一の主境界面および前記第二の主境界面が、前記加熱チャンバーから出る流体が前記主流れ軸に対して実質的に平行な方向に流れるように配置される、請求項1または2のいずれかに記載の装置。
【請求項4】
前記第一の主境界面が、前記第二の主境界面に対して、前記エアロゾル形成基体を含む物品の各々が前記加熱チャンバー内に挿入可能または前記加熱チャンバーから取り外し可能な開位置または開状態へと移動可能である、請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記第一の主境界面が、前記第二の主境界面に対して、前記開位置または開状態へとスライド可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記第一の主境界面が、前記第二の主境界面に対して、前記開位置または開状態へと旋回可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記第一の主境界面が、前記第二の主境界面に対して、前記開位置また開状態で保持される、請求項4~6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第一の主境界面および前記第二の主境界面が、対向する平行な関係で延び、前記第一の主境界面および前記第二の主境界面が、5mm未満の距離だけ互いに間隙を介している、請求項1~7のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
エアロゾルを発生させるためのシステムであって、前記システムが、請求項1~8のいずれかに記載の装置と、エアロゾルを形成するための物品とを備え、前記物品がエアロゾル形成基体を含み、かつ前記物品が前記加熱チャンバー内に受けられた時に、前記装置の前記第一の主境界面および前記第二の主境界面の両方と接触するよう構成される、システム。
【請求項10】
エアロゾルを発生する方法であって、前記方法が、
エアロゾルを発生させるための装置を提供することであって、前記装置が、エアロゾルを形成するための物品を受けるための加熱チャンバーと、前記加熱チャンバーおよび前記装置のマウスピース端と流体連通している冷却チャンバーとを備え、前記加熱チャンバーが、上流端と、下流端と、平行な関係で面して延びる第一の主境界面および第二の主境界面とを含み、前記装置が、前記物品を誘導的に加熱するための一つ以上の誘導コイルをさらに含み、前記一つ以上の誘導コイルがそれぞれ前記加熱チャンバーを取り囲む、提供することと、
流体が前記加熱チャンバーの上流端から下流端まで、前記第一の主境界面および前記第二の主境界面によって画定される主流れ軸に対して実質的に平行な方向に流れるようにすることと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してエアロゾルを発生させるための装置に関する。本発明はまた、エアロゾルを発生させるためのこうした装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エアロゾル形成基体を燃焼ではなく加熱する、エアロゾルを発生させるための装置が当業界で提案されてきた。例えば、たばこが燃焼ではなく加熱される加熱式喫煙装置が提案されてきた。こうした喫煙装置の一つの目的は、従来の紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解性分解によって生成されるタイプの望ましくない煙成分の発生を減少させることである。
【0003】
典型的には、燃焼ではなく加熱する加熱式喫煙装置では、エアロゾルは、熱源から、エアロゾル形成基体または材料を含むエアロゾルを形成するための物理的に分離した物品への熱伝達によって発生する。物品は、熱源の中、周りまたは下流に位置しうる。こうした喫煙装置によるエアロゾルの発生中、揮発性化合物は、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出される。次に、揮発性化合物は、喫煙装置を通して引き出された空気に混入し、それによって、放出された化合物が冷却および凝縮するにつれてエアロゾルを発生させる。エアロゾルは次に、喫煙装置のユーザーによって吸入される。
【0004】
上述のタイプの加熱式喫煙装置は、一般に、使用前にエアロゾル形成物品が中に挿入されるくぼみを備える。エアロゾル形成物品は、その後加熱されてエアロゾルを発生させるエアロゾル形成基体を含有する。このようにして、エアロゾル形成物品内に含有されるエアロゾル形成基体が消耗した場合には、エアロゾル形成物品を交換することができ、それによって、加熱式喫煙装置は再使用可能な装置を構成しうる。エアロゾル形成物品は、通常、従来の紙巻たばこのものに概して対応するように形状設定およびサイズ設定される。その結果、エアロゾル形成物品、およびそれが挿入される、または挿入可能な加熱式喫煙装置のくぼみは、略円筒形状を有する。典型的には、エアロゾル形成物品の直径は約7.2mmである。
【0005】
上述のタイプのエアロゾル形成物品は、典型的には、エアロゾル形成基体が中に保持されるラッパーまたは担体層を有する。フィルター材料は、一般的にエアロゾル形成物品の端の一方または両方に提供され、物品内にエアロゾル形成基体を保持するためのプラグとして、かつまた使用時に加熱式喫煙装置によって発生したエアロゾルを濾過するためのフィルターとして役立つ。さらに、冷却セグメント(一般的にボール紙管またはセルロースアセテートチューブを含む)が、エアロゾル形成物品内に、エアロゾル形成基体と物品の一方の端にあるフィルターとの間に位置する。
【0006】
使用時、ユーザーは、エアロゾル形成物品を加熱式喫煙装置のくぼみ内に挿入し、エアロゾル形成物品の自由端(該自由端はフィルター材料を含む)を吸う。加熱式喫煙装置内の熱源が起動して熱エネルギーをエアロゾル形成物品に伝達し、それによって、エアロゾル形成基体から揮発性化合物を放出する。空気は、ユーザーがエアロゾル形成物品を吸うことによって加熱式喫煙装置内に引き出される。空気は、装置の少なくとも一部を通り、次いでエアロゾル形成物品内にエアロゾル形成物品の長さに沿って流れ、エアロゾル形成基体を通過して、そこから放出される揮発性化合物を引き出す。次いで、気流と揮発性化合物との混合物は、冷却セグメントを通過し、ここで揮発性化合物は冷却されてエアロゾルへと凝縮される。その後、このエアロゾルは、ユーザーの肺の中に引き出される前に、フィルター材料を通過する。ラッパーまたは担体層は、このプロセス中にバッフルの役目を果たし、かつ空気の流れを導いて、エアロゾル形成物品を通ってエアロゾル形成物品に沿ってユーザーへと流れるようにする。
【0007】
エアロゾル形成基体を燃焼ではなく加熱することは、エアロゾル形成基体を相対的に低減された温度に加熱することを必要とする。その結果、相対的に低減された量の熱エネルギーをエアロゾル形成基体に伝達する必要がある。エネルギーの節約により、有益なことに、加熱式喫煙装置の動作にかかる費用が減少する。さらに、エアロゾル形成基体を燃焼ではなく加熱することは、基体のより効率的な使用をもたらし、それによって、相対的に少ない量のエアロゾル形成基体を必要とし、結果的にさらにコストが節約される。
【0008】
使用中にさらに低減された量のエネルギーを消費する、エアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましい。その中に受けられたエアロゾルを形成するための物品への熱伝達が改善された、エアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましい。相対的に安価および/または製造が複雑ではない形態のエアロゾルを形成するための物品の使用を促進し、したがってコストが低減された、エアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましい。また、揮発した化合物がそこからより容易におよび/または効率的に放出される、エアロゾルを形成するための物品の使用を促進するエアロゾルを発生させるための装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0009】
エアロゾルを発生させるための装置が提供されている。装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品を受けるための加熱チャンバーを備えうる。加熱チャンバーは、上流端と、下流端と、第一の主境界面および第二の主境界面とを含みうる。第一の主境界面および第二の主境界面は、平行な関係で面して延び、加熱チャンバーを通って流れる流体の主流れ軸を画定する。装置は、使用時の加熱チャンバーの上流端から下流端への流体の流れが、主流れ軸に対して実質的に平行な方向にあるように構成されうる。
【0010】
本発明によれば、エアロゾルを発生させるための装置が提供されており、装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品を受けるための加熱チャンバーと、加熱チャンバーおよび装置のマウスピース端と流体連通している冷却チャンバーとを備え、加熱チャンバーは、上流端と、下流端と、第一の主境界面および第二の主境界面とを含み、第一の主境界面および第二の主境界面は、平行な関係で面して延び、かつ加熱チャンバーを通って流れる流体の主流れ軸を画定しており、ここで、装置は、使用時の加熱チャンバーの上流端から下流端への流体の流れが、主流れ軸に対して実質的に平行な方向にあるように構成される。
【0011】
有利なことに、平行な関係で面して延びる第一の主境界面および第二の主境界面を有する加熱チャンバーを提供することは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品のエアロゾル形成基体の中への相対的により効率的な熱エネルギーの伝達を提供する。「平行な関係で面する」という語句は、第一の主境界面および第二の主境界面が実質的に平行に互いに対向している、または実質的に平行に互いに面しているという事実を指す。先行技術の装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための先行技術の物品をその中に受けるための、概して円筒形の開口(上述したように、これもが略円筒形の形状を有する)を画定する。その結果、断面で見た場合、物品の中央領域におけるエアロゾル形成基体は、該中央領域の周りのエアロゾル形成基体によって断熱されている。したがって、揮発を生じさせるために基体を十分な温度に加熱するために、先行技術のエアロゾル形成物品のこの中央領域に十分な熱エネルギーを伝達するには、エアロゾル形成物品のその周辺部に近い領域を加熱するのに必要とするよりも相対的に増大した熱エネルギーの適用が必要である。本発明における平行な主境界面の提供は、熱エネルギーが、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品のエアロゾル形成基体内へと延びる、所与の容量の基体に対する相対的に低減された経路を有することを確実にする。さらに、主境界面のこうした配置は、容積比に対して相対的に増大された表面積(先行技術のエアロゾルを形成するための物品と比較して)を提供し、それによって、エアロゾル形成基体へのより効率的な熱伝達を可能にする。
【0012】
有利なことに、加熱チャンバーの上流端から下流端への流れが主流れ軸に対して実質的に平行であるため、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品(例えば、装置と共に使用可能)には有利なことに、従来技術のエアロゾルを形成するための物品において一般的であるよりも単純な構造が提供されうる。
【0013】
さらに有利なことに、第一の主境界面および第二の主境界面が、加熱チャンバーから出る流体が主流れ軸に対して平行な方向に流れるようにする装置を提供することは、装置が、例えば、概して主流れ軸に沿って延びる、単純な形状を有することを可能にする。このような単純な形状を有する装置は、有益なことに、より少ない構成要素部品から製造されてもよく、したがって、構築が容易となるため相対的に費用が低減しうる(より複雑な形状と比較して)。
【0014】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成基体」という語句は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。本明細書に記載のエアロゾル形成基体から発生したエアロゾルは、人間の目には見える場合と見えない場合がある。エアロゾル形成基体は、固体、流体、または固体と流体との混合物の基体を含みうる。エアロゾル形成基体が流体である場合、エアロゾル形成基体は有利なことに、少なくともエアロゾル形成基体が加熱チャンバー内に受けられる前は、マトリクス内に、および/またはカバー層によって保持されている。
【0015】
本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、二つの列挙された選択肢のうちのいずれか一つ、または二つの列挙された選択肢の両方を指すために使用される。例えば、Aおよび/またはBは、AおよびBのうちのいずれか一つ、またはAおよびBの両方を指すために使用される。さらに、「AおよびBのうちの少なくとも一つ」という語句は、「Aおよび/またはB」の定義内である。
【0016】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル」という用語は、流体媒体中の相対的に小さな粒子の懸濁液を記述するために使用される。
【0017】
本明細書で使用される場合、「加熱チャンバー」という語句は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品がその中に受けられる、または受けられることが可能であって、加熱される、または加熱可能である空間を意味するために使用される。第一の主境界面および第二の主境界面は、加熱チャンバーの周辺部を少なくとも部分的に画定する。
【0018】
本明細書で使用される場合、第一の主境界面および第二の主境界面に関して「主」という用語は、該表面がそれぞれ、加熱チャンバーの他の表面が含むよりもより大きな加熱チャンバーの表面積を含むことを必要とする。
【0019】
本明細書で使用される場合、「主流れ軸」という語句は、流れの一次方向である流れ方向を意味するために使用される。
【0020】
本明細書で使用される場合、「上流端」という語句は、使用時に、流体がそれを通して加熱チャンバーに流入しうる、加熱チャンバーの端を意味するために使用される。
【0021】
本明細書で使用される場合、「下流端」という語句は、使用時に、流体がそれを通して加熱チャンバーから流出しうる、加熱チャンバーの端を意味するために使用される。
【0022】
本発明によれば、エアロゾルを発生させるための装置と、エアロゾルを形成するための物品が組み合わされて提供されており、装置は、物品をその中に受けるための加熱チャンバーを備え、加熱チャンバーは、平行な関係で面して延びる第一の主境界面および第二の主境界面を含み、物品は、エアロゾル形成基体を備え、かつ加熱チャンバー内に受けられた時に、第一の主境界面および第二の主境界面の両方と接触するように構成(すなわち、サイズ設定および/または形状設定)されるように構成される。エアロゾルを発生させるための装置とエアロゾルを形成するための物品とのこうした組み合わせは、エアロゾルを発生させるためのシステムを形成する。
【0023】
いくつかの実施形態では、装置の第一の主境界面および第二の主境界面の組み合わせは、加熱チャンバーを通って流れる流体の主流れ軸を画定してもよい。いくつかの実施形態では、加熱チャンバーは、上流端および下流端を含みうる。いくつかの実施形態では、装置は、使用時の加熱チャンバーの上流端から下流端への流体の流れが、主流れ軸に対して実質的に平行な方向にあるように構成されてもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、装置は、使用時に、流体が、加熱チャンバーの上流端を通って主流れ軸に対して実質的に平行な方向に流れるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および第二の主境界面は、加熱チャンバーから出る流体が主流れ軸に対して実質的に平行な方向に流れるようにするように配置されてもよい(例えば、平行な関係で面して延びる場合)。
【0025】
本明細書で使用される場合、「加熱チャンバーから出る流体がある方向に流れるようにする」という語句は、第一の主境界面および第二の主境界面により、流体が加熱チャンバーを通して必要な方向に(すなわち、主流れ軸に対して実質的に平行に)流れることを意味することが意図される。
【0026】
エアロゾルを発生させるための装置は、エアロゾル発生装置を含みうる。いくつかの実施形態では、エアロゾルを発生させるための装置は電気機器を含みうる。エアロゾルを発生させるための装置は、喫煙装置、例えば、電気加熱式の喫煙装置を含みうる。喫煙装置(例えば、電気加熱式の喫煙装置)は、例えば、ユーザーによって吸入可能でありうるエアロゾルを発生させるためのものでありうる。
【0027】
装置は、第一の端および第二の端を備えうる。装置は、第一の端と第二の端との間に、主流れ軸に対して実質的に平行な方向に延びうる。第一の端は、マウスピース端を含みうる。装置は、装置の残りの部分に一体的に、または取り外し不能に取り付けられたマウスピースを備えてもよい。別の方法として、装置は、装置の残りの部分に取り外し可能に取り付けられる、または取り付け可能なマウスピースを備えてもよい。別の方法として、装置は、例えば、マウスピースを有さずに提供されてもよく、マウスピースへの接続のためのマウスピース接続を備えてもよい。加熱チャンバーは、装置の第二の端に、またはこれに隣接して位置しうる。別の方法として、加熱チャンバーは、装置の第一端と第二の端との間に位置してもよい。第一の端は、装置の上流端を含みうる。第二の端は、装置の下流端を含みうる。使用時、ユーザーは、装置によって発生されるエアロゾルを吸入するために第一の端を吸いうる。
【0028】
装置は、例えば、ユーザーが片手の指の間に保持するのに快適な携帯型または手持ち式装置でありうる。
【0029】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、加熱チャンバーがその中に収容されうるハウジングを備えてもよい。ハウジングは、任意の好適な材料または材料の組み合わせ、例えば、プラスチック材料、金属等から形成されうる。装置(例えば、ハウジング)は、その外表面のうちの一つ以上において実質的に平坦であってもよく、例えば、略平行六面体形状を有してもよい。ハウジングは、例えば、互いに対して移動可能でありうる、第一の部分および第二の部分を含みうる。第一の部分は、第一の主境界面に取り付けられる、または取り付け可能であってもよい。第二の部分は、第二の主境界面に取り付けられる、または取り付け可能であってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、第一の主境界面は、第二の主境界面に対して、例えば、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品が加熱チャンバーに挿入可能である、または加熱チャンバーから取り外し可能である開位置または開状態へと移動可能である。いくつかの実施形態では、第一の主境界面は、第二の主境界面に対して、例えば、開位置または開状態へと摺動可能である。いくつかの実施形態において、第一の主境界面は、第二の主境界面に対して、例えば、開位置または状態へと旋回可能である。
【0031】
いくつかの実施形態では、第一の主境界面は、第二の主境界面に対して、開位置または開状態で保持される。例えば、装置は、第一の主境界面を開位置または開状態で保持するための保持手段または機構を備えてもよい。第一の主境界面が第二の主境界面に対して旋回可能である場合、保持手段または機構は、例えば、第一の主境界面を装置の残りの部分にヒンジで、または旋回可能に取り付けるように配置される、または配置可能でありうる、一つ以上のヒンジを含みうる。第一の主境界面が第二の主境界面に対して摺動可能である場合、保持手段または機構は、摺動機構を含みうる。摺動機構は、第一の主境界面が、例えば、主流れ軸に対して実質的に平行な方向に、開位置または開状態に向かって、および/または開位置または開状態から離れるように摺動可能であるように配置されてもよい。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および第二の主境界面は、例えば、エアロゾルを形成するための物品の挿入および/または取り外し(例えば、加熱チャンバーの中に、および/または加熱チャンバーから)を可能にするために、互いに動作可能に関連付けられてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、装置は、エアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品の、加熱チャンバーの中への挿入および/または加熱チャンバーからの取り外しのための開口または開口部を備えてもよい。開口または開口部は、装置の第二の端(提供される場合)に、またはそれに隣接して位置してもよい。開口または開口部は、加熱チャンバーの上流に位置してもよい。開口または開口部は、装置のハウジング(提供される場合)内に、および/またはハウジングを通って延びてもよい。開口および/または開口部は、主流れ軸と実質的に平行な方向に延びてもよい。別の方法として、開口または開口部は、主流れ軸に対して実質的に直角を成す方向に延びてもよい。別の方法として、開口または開口部は、主流れ軸に対して鋭角な方向に延びてもよい。開口または開口部は、例えば、該物品が装置から取り外し可能である、および/または装置内に挿入可能であるように、エアロゾルを形成するための物品の通過を可能にするように構成(例えば、形状設定および/またはサイズ設定)されてもよい。開口または開口部は、エアロゾルを形成するための物品の、開口または開口部の通過を容易にするように構成された一つ以上の案内面を含みうる。案内面の各々は、主流れ軸に対して鋭角な方向に延びうる。案内面の各々は、少なくとも部分的に湾曲していてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、加熱チャンバーは、例えば、第一の主境界面および第二の主境界面が平行な関係で面している場合に、その中に受けれたエアロゾル形成基体を含むエアロゾルを形成するための物品を囲むように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および/または第二の主境界面は実質的に平坦であってもよい。加熱チャンバーは、略平行六面体の形状を含みうる。
【0034】
いくつかの実施形態では、加熱チャンバーの上流端は、流体入口を含んでもよい。加熱チャンバーの下流端は、流体出口を含みうる。流体出口は、装置の第一の端(提供される場合)と流体連通していてもよく、例えば、装置の第一の端と動作可能に流体連通していてもよい。装置は、例えば、装置のハウジング(提供される場合)を通って、および/またはハウジングの中に延びる、一つ以上の空気吸込み口を備えてもよい。一つ以上の空気吸込み口は、流体入口と流体連通していてもよく、例えば、流体入口と動作可能に流体連通していてもよい。
【0035】
加熱チャンバーは、第一の副境界面および第二の副境界面を含みうる。第一の主境界面および第二の主境界面は、例えば、互いに実質的に平行な関係で面し、かつ主流れ軸に対して実質的に平行に延びてもよい。第一の主境界面および第二の主境界面は、第一の主境界面および/または第二の主境界面によって画定される平面に対して実質的に直角を成す方向に延びてもよい。
【0036】
第一の主境界面および第二の主境界面はそれぞれ、幅および長さを有しうる。「幅」とは、主流れ軸に対して概して直角を成す方向に延びる表面の対向する縁間の距離として画定されうる。「長さ」とは、主流れ軸に対して概して平行な方向に延びる表面の対向する縁間の距離として画定されうる。平行な関係で面する場合、第一の主境界面および第二の主境界面は、それらの任意の長さおよび幅よりも小さい距離だけ互いから間隙を介してもよく、例えば、それらは、それらの任意の長さおよび幅の半分よりも小さい距離だけ互いから間隙を介してもよい。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および/または第二の主境界面は、5mm、6mm、7mm、または8mm、および9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、または25mmの幅を有してもよい。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および/または第二の主境界面は、5mm、6mm、7mm、または8mm、および9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、21mm、22mm、23mm、24mm、または25mmの長さを有してもよい。第一の主境界面および/または第二の主境界面の長さは、その幅よりも大きくてもよく、または同一であってもよい。第一の主境界面および/または第二の主境界面は、それらの長さに沿って実質的に一定の幅を有してもよい。第一の主境界面および/または第二の主境界面がそれらの長さの各々に沿って変化する場合、上述の寸法は平均幅に関する。
【0037】
いくつかの実施形態では、第一の主境界面および第二の主境界面が平行な関係で面して延びる場合、第一の主境界面および第二の主境界面は、5mm未満、例えば、4mm未満、例えば、3mm未満、例えば、2.5mm未満の距離だけ互いから間隙を介する。
【0038】
いくつかの実施形態では、第一の主境界面および/または第二の主境界面は、例えば、エアロゾルを形成するための物品がそれらの間に受けられた時に、第一の境界面および第二の境界面のうちの他方に向かって、および/またはそれから離れるように、または互いに向かって(例えば、主流れ軸に対して直角を成す方向に)相対的に移動可能であってもよい。第一の主境界面および/または第二の主境界面は、使用時に、加熱チャンバーの容積を低減し、および/またはエアロゾルを形成するための物品がそれらの間に受けられるのに伴い接触および/または衝突するように移動可能でありうる。装置は、例えば、エアロゾルを形成するための物品がそれらの間に受けられた時に、第一の境界面および/または第二の境界面を、第一の境界面および第二の境界面のうちの他方に向かって、および/または互いから離れるように(例えば、主流れ軸に対して直角を成す方向に)移動させるように構成される、または構成可能であってもよい。第一の境界面および/または第二の境界面を、第一の境界面および第二の境界面のうちの他方に向かって、または互いに向かって移動させることは、例えば、それによってエアロゾルを形成するための物品を少なくとも部分的に圧縮または圧迫するために、それらの間に受けられたエアロゾルを形成するための物品の容積を低減するように構成されうる。エアロゾルを形成するための物品を少なくとも部分的に圧縮または圧迫することは、エアロゾルを形成するための物品内および/または物品からの一つ以上の物質の移動を生じさせる、またはトリガしうる。第一の境界面および/または第二の境界面の、第一の境界面および第二の境界面のうちの他方に向けた、または互いに向けた移動は、例えば、それによってエアロゾルを形成するための物品を少なくとも部分的に圧縮または圧迫するために、エアロゾルを形成するための物品の容積を低減するように構成されうる。エアロゾルを形成するための物品を少なくとも部分的に圧縮または圧迫することは、エアロゾルを形成するための物品内および/または物品からの一つ以上の物質の移動を生じさせる、またはトリガしうる(例えば、少なくとも一部のエアロゾル形成基体がこうした方法で移動しうる)。
【0039】
装置は、トリガイベントに達すると、第一の境界面および/または第二の境界面を、第一の境界面および第二の境界面のうちの他方に向かって、または互いに向かって移動させるように構成される、または構成可能であってもよい。トリガイベントは、装置での吸煙回数(例えば、これは例えばセンサーによって監視されうる)、第一の吸煙後(または任意の数の吸煙後)の所定の時間間隔、主境界面の各々、および/または加熱チャンバー、および/またはその中に受けられたエアロゾルを形成するための物品の温度が所定の温度に達すること(ここで、装置1および/または物品の内側の温度は、センサーによって直接的または間接的に監視されうる)のうちの一つ以上を含みうる。
【0040】
装置は、第一の境界面および/または第二の境界面を、第一の境界面および第二の境界面のうちの他方に向かって、および/または互いから離れるように移動させるように配置された移動手段または機構を備えうる。移動手段または機構は、ギア、ラチェット、またはこれに類するものを含みうる。
【0041】
いくつかの実施形態では、装置は、エアロゾルを形成するための物品を加熱チャンバー内に保持する(例えば、取り外し可能に)ための保持手段または機構を備えてもよい。保持手段または機構は、一つ以上の当接部を含んでもよく、これは、例えば、固定されてもよく、または加熱チャンバーに対して移動可能であってもよい。一つ以上の当接部が加熱チャンバーに対して移動可能である場合、一つ、一部または各当接部は、エアロゾルを形成するための物品が加熱チャンバー内に保持される、または保持可能である保持位置に向かって、またはそれから離れるように弾性的に付勢されうる。保持手段は、一つ以上の留め金、クランプまたはクリップを含んでもよく、これらは、例えば、エアロゾルを形成するための物品を把持および係合し、それによってそれを加熱チャンバー内に保持するよう構成されうる。
【0042】
装置は、例えば、エアロゾルを形成するための物品を保持および/または案内するための、カルーセルまたはキャリッジを備えてもよい。装置は、加熱チャンバーの中への、および/または加熱チャンバーからのカルーセルまたはキャリッジの摺動を可能にする、および/または支持するように構成されうる。保持手段または機構は、例えば、その中またはその上に保持されるエアロゾルを形成するための物品が少なくとも部分的に加熱チャンバー内に受けられるように、カルーセルまたはキャリッジを取り外し可能に保持するように構成されうる。
【0043】
いくつかの実施形態では、装置は、エアロゾルを形成するための物品を加熱チャンバーの中に、および/または加熱チャンバーから係合および/または移動させるための係合手段または機構を備えてもよい。装置は、例えばハウジングを備えてもよく、ハウジングは、係合手段または機構を含んでもよい。係合手段または機構は、ハウジングの延長部分を含みうる。延長部分は、例えば、それらに対して概して平行な方向に、第一の主境界面の外方に延びてもよい。延長部分(例えば、その少なくとも一部分)は、例えば、第一の主境界面によって画定される平面に対して直角を成す方向に変形可能(例えば、弾性的に)または移動可能(例えば、弾性的に)であってもよい。延長部分は、自由端を含みうる。自由端は、先細り、または湾曲、または傾斜していてもよい。
【0044】
延長部分には、その表面の摩擦係数を高めるように構成された表面効果が提供されうる。例えば、延長部分には、パターンを画定する、またはパターンに配置されうるエンボス加工および/または突出部が提供されてもよい。追加的に、または別の方法として、延長部分は、相対的に高い摩擦係数を有する材料から形成および/またはそれで被覆されてもよい。
【0045】
使用中、装置のユーザーは、延長部分を第二の主境界面に向かって部分的に押す、または変形させうる。それによって、延長部分に隣接して位置するエアロゾルを形成するための物品は、延長部分によって係合および/または把持されうる。次いで、ユーザーは、第一の主境界面を第二の主境界面に対して移動(例えば、摺動)させ、それによって、エアロゾルを形成するための物品を加熱チャンバーの中に、および/または加熱チャンバーから移動させうる。
【0046】
係合手段または機構は、当接部材または要素を含みうる。当接部材または要素は、第一の主境界面および/または第二の主境界面に対して移動可能であってもよく、例えば、加熱チャンバーの中に、および/またはチャンバーを通して少なくとも部分的に移動可能であってもよい。当接部材または要素は、エアロゾルを形成するための物品を加熱チャンバーから引く、または押す、または駆動するように構成されてもよい。
【0047】
当接部材または要素は、第一の境界面に取り外し可能に結合可能でありうる。例えば、当接部材または要素は、ハウジングの延長部分(提供される場合)に取り外し可能に結合可能であってもよい。係合手段または機構は、当接部材または要素を第一の主境界面またはハウジングの延長部分に取り外し可能に結合するための結合機構を含みうる。結合機構は、係合部材および協働する窪みを含みうる。当接部材または要素は、係合部材および窪みのうちの一方を含んでもよく、延長部分は、係合部材および窪みのうちの他方を含んでもよい。係合部材は、窪みとの係合および/または窪みの中に向かって弾性的に付勢されうる。
【0048】
いくつかの実施形態では、装置は、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品からさらなる、または追加的な風味を選択的に放出するための風味放出手段または機構を備えてもよい。風味放出手段または機構は、例えば、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品の少なくとも一部分の寸法(例えば、厚さ)を相対的に減少させるように動作可能である締付要素を含みうる。風味放出手段または機構は、加熱チャンバーに隣接して(例えば、直接隣接して)加熱チャンバーの外方に位置してもよい。風味放出手段または機構は、例えば、装置のユーザーによって手動で動作可能であってもよい。風味放出手段または機構は、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品と係合する、または係合可能である状態または位置に向かって、またはそれから離れるように(例えば、弾性的に)付勢されてもよい。風味放出手段または機構は、弾性付勢部材、例えばばねを含みうる。風味放出手段または機構(または少なくともその一部分)は、主流れ軸に対して実質的に直角を成す方向に、加熱チャンバーに対して移動可能であってもよい。
【0049】
装置は、例えば、加熱チャンバーに隣接して(例えば、直接隣接して)位置しうる、風味生成チャンバーを備えてもよい。風味生成チャンバーは、加熱チャンバーと流体連通していてもよい。風味放出手段または機構の少なくとも一部分は、使用時に、風味発生チャンバーの中に、および/または風味生成チャンバーから移動可能であってもよい。締付要素は、ボタンを含みうる。風味放出手段または機構は、例えば、加熱チャンバーを超えて、またはこれから延びる、および/または突出するエアロゾルを形成するための物品の一部分を係合するための締付面(例えば、エアロゾルを形成するための物品の延長部)を含みうる。
【0050】
風味放出手段または機構は、エアロゾルを形成するための物品の揮発性風味生成成分から風味を放出するように構成される、または構成可能でありうる。風味放出手段または機構は、揮発性風味生成成分に力を印加する、その温度を変える、および/またはそれに化学物質を放出する、またはそれらの任意の組み合わせを行うように構成される、または構成可能であってもよい。風味放出手段または機構は、例えば、エアロゾルを形成するための物品の延長部内または延長部上に位置する、エアロゾルを形成するための物品内または物品上に位置するカプセルを少なくとも部分的に粉砕または変形するように構成される、または構成可能でありうる。
【0051】
風味放出手段は、ハウジングの一部(例えば、提供される場合に、ハウジングの第一の部分の一部、および/またはハウジングの第一の部分の延長部分)を含みうる。風味放出手段は、ハウジングの隣接する部分に対して変形可能であるように構成されたハウジングの一部を含みうる。風味放出機構は、締付部材およびハウジングを通る締付開口を含みうる。締付部材は、提供される場合に締付面を含みうる。締付部材および/または締付開口は、例えば、締付開口および/または装置に対して、および/またはその中に締付部材を保持するように構成された保持手段または機構を含みうる。保持手段または機構は、締付部材および/または締付開口から延びる一つ以上の突出部(例えば、環状突出部)を含みうる。締付部材は、ボタンを含みうる。
【0052】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、第一の主境界面および/または第二の主境界面を加熱するためのヒーターを備えうる(例えば、これはそれによって加熱表面を含みうる)。疑義を避けるため、「ヒーター」と記載されている場合、これは一つ以上のヒーターを意味しうる。ヒーターは、抵抗ヒーターおよび/または誘導ヒーターを含みうる。ヒーターが抵抗ヒーターを含む場合、第一の主境界面および/または第二の主境界面は、発熱体、例えば、加熱コイルまたはブレードを含みうる。
【0053】
第一の主境界面および/または第二の主境界面は、一つ以上の突出部、例えば、突出部のパターンを含みうる。突出部(例えば、突出部のパターン)は、第一の主境界面および/または第二の主境界面の作動表面積を相対的に増加させるように構成されてもよい。その結果、第一の主境界面および/または第二の主境界面と加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品との間の熱伝達が相対的に強化されうる。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および/または第二の主境界面は、例えば、実質的に平行な山部および谷部を含む波形を含んでもよい。いくつかの実施形態では、山部および谷部は、主流れ軸に対して実質的に平行な方向に延びうる。いくつかの実施形態では、第一の主境界面および/または第二の主境界面の少なくとも一部分は、少なくとも部分的に弾性であってもよく、例えば、弾性材料から形成されてもよく、および/または付勢または支持されてもよい。
【0054】
ヒーターが誘導ヒーターを含む場合、ヒーターは、それぞれが加熱チャンバーを囲む、例えば、第一の主境界面および第二の主境界面の周りに延びる、一つ以上の誘導コイルを含みうる。誘導コイルの各々の長軸方向軸は、主流れ軸に対して実質的に平行であってもよい。
【0055】
本明細書で使用される場合、誘導コイルに関して「長軸方向軸」という用語は、コイルの巻きに対して概して直角を成す方向におけるコイルの中心を通って延びる軸を指す。
【0056】
装置は、加熱チャンバー内に受けられた、エアロゾルを形成するための物品のサセプタを誘導的に加熱するように配置された誘導ヒーターを備えてもよい。誘導ヒーターは、第一の主境界面および/または第二の主境界面に隣接して位置する一つ以上の誘導コイルを含みうる。誘導コイルの各々の長軸方向軸は、例えば、主流れ軸に対して、および第一の主境界面によって画定される平面に対して、実質的に直角を成してもよい。使用時、エアロゾルを形成するための物品のサセプタは、誘導コイルの各々によって誘導的に加熱されうる。次に、サセプタは、導電、対流および/または放射によってその周りのエアロゾル形成基体を加熱する。
【0057】
「サセプタ」とは、変動磁界または交番磁界に供されると加熱される要素を指す。通常、サセプタは、導電性であり、サセプタの加熱は、サセプタまたはヒステリシス損失で渦電流が誘起される結果である。ヒステリシス損失と渦電流の両方がサセプタ内に生じる場合がある。サセプタとしては、黒鉛、モリブデン、炭化ケイ素、ステンレス鋼、ニオブ、アルミニウム、および任意の他の導電性素子が挙げられうる。サセプタ素子は、フェライト素子であることが好ましい。サセプタの材料および幾何学的形状は、所望の電気抵抗および発熱を提供するように選択されうる。
【0058】
誘導ヒーターの動作時、高周波交流電流が一つ以上の誘導コイルを通過して、物品のサセプタ内で電圧を誘起する一つ以上の対応する交番磁界を発生させる。誘起された電圧はサセプタ内に電流を流させ、この電流がサセプタのジュール加熱を起こし、これがエアロゾル形成基体を加熱する。サセプタが強磁性である場合、サセプタ内のヒステリシス損失も熱を発生させる場合がある。
【0059】
「高周波数」という用語は、約500キロヘルツ(KHz)~約30メガヘルツ(MHz)(500KHz~30MHzの範囲を含む)、特に約1メガヘルツ(MHz)~約10MHz(1MHz~10MHzの範囲を含む)、およびさらにより具体的には約5メガヘルツ(MHz)~約7メガヘルツ(MHz)(5MHz~7MHzの範囲を含む)の範囲の周波数を意味する。
【0060】
本開示全体を通して、「磁界」という用語は、変動磁界または交番磁界を指しうる。
【0061】
本開示全体を通して、「電流」という用語は、交流電流を指しうる。
【0062】
いくつかの実施形態では、第一の主境界面が第二の主境界面に対して移動可能である場合、ヒーターは、例えば、第一の主境界面および第二の主境界面が平行な関係で面している場合に係合し、第一の主境界面が第二の主境界面に対して開位置または開状態にある場合に係合解除されるように構成される、接点を含んでもよい。
【0063】
ヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品を、400℃未満の温度、例えば300°C未満の温度、例えば270℃未満の温度に加熱するように構成される、または構成可能でありうる。いくつかの実施形態では、ヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品を、250℃未満、225℃未満、200℃未満、175℃未満、または150℃未満の温度、例えば、140℃未満、130℃未満、120℃未満、110℃未満、100℃未満、または90℃未満の温度に加熱するように構成される、または構成可能でありうる。
【0064】
ヒーターは、複数の(plural)ヒーター(すなわち、複数のヒーター)を含んでもよい。例えば、ヒーターは、一つ以上の抵抗ヒーターおよび/または一つ以上の誘導ヒーターを含みうる。ヒーターが複数のヒーターを含む場合、一つ以上のヒーターは、一つ以上の他のヒーターとは異なる時間に起動される、または起動可能でありうる。追加的に、または別の方法として、一つ以上のヒーターは、第一の主境界面および/または第二の主境界面の第一の部分を加熱するように配置されてもよく、一つ以上の他のヒーターは、第一の主境界面および/または第二の境界面の第二の異なる部分を加熱するように配置されてもよい。追加的に、または別の方法として、一つ以上のヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品の第一のゾーン内のサセプタを誘導的に加熱するように配置されてもよく、一つ以上の他のヒーターは、加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品の第二の異なるゾーン内のサセプタを誘導的に加熱するように配置されてもよい。追加的に、または別の方法として、一つ以上のヒーターは、加熱チャンバーの第一のゾーンを加熱するように配置されてもよく、別のヒーターは、加熱チャンバーの異なる第二のゾーンを加熱するように配置されてもよい。追加的に、または別の方法として、例えば、第二の温度が第一の温度よりも大きい場合に、一つ以上のヒーターは、第一の温度まで加熱するように構成される、または構成可能であってもよく、別のヒーターは、第二の温度まで加熱するように構成される、または構成可能であってもよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、装置は、電源、例えば、電力源を備えてもよい。電源は、ヒーター(提供される場合)に動作可能に接続される、または接続可能であってもよい。電源は、電池、および/またはコンデンサ、および/またはスーパーコンデンサを含みうる。いくつかの実施形態では、電源は、使用時にヒーターを加熱するために起動可能でありうる、燃料の貯蔵部を含んでもよい。燃料の貯蔵部は、流体または固体燃料を含みうる。燃料が流体形態である場合、燃料は、使用時にヒーターに送達されうる。例えば、燃料の貯蔵部は、ヒーターと動作可能に流体連通していてもよい。
【0066】
いくつかの実施形態では、装置は、例えば、装置の動作を制御するように構成される、または構成可能な制御手段または機構を備えてもよい。制御手段または機構は、例えば、プリント回路基板上の電気回路を含みうる。制御手段または機構は、使用時に、提供される場合にヒーターへの電力供給(例えば、燃料)を制御するように構成される、または構成可能であってもよい。制御手段または機構は、ヒーターによって加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品に供給される熱エネルギーを制御するようにプログラムされる、またはプログラム可能であってもよい。例えば、制御手段または機構は、ヒーターに供給される電力(例えば、燃料)の期間を制御するように、および/または所与の時間間隔にわたってヒーターに供給される電力(例えば、燃料)の量を制御するようにプログラムされる、またはプログラム可能であってもよい。
【0067】
いくつかの実施形態では、装置は、装置を起動するため、例えば、装置によるエアロゾルの発生を起動するためのトリガ手段または機構を備えてもよい。トリガ手段または機構は、手動で動作されるか、もしくは動作可能なアクチュエータまたはアクチベータ、例えば、スイッチまたはボタンを含みうる。追加的に、または別の方法として、トリガ手段または機構は、自動的に動作するか、もしくは動作可能なアクチュエータまたはアクチベータ、例えば、流体の閾値圧力または流量によって作動するスイッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、装置は、装置を通る流れ、または装置内の流れを単一の方向に制限するように構成される、または構成可能な、例えば、装置を通した吸入を可能にし、装置を通した呼息を防止するように構成される、または構成可能なチェック弁もしくは一方向弁を備えてもよい。装置を通した吸入は、提供される場合に第一の端に向かう流体(例えば、空気)の流れを含みうる。装置を通した呼息は、提供される場合に第二の端に向かう流体(例えば、空気)の流れを含みうる。
【0068】
加熱チャンバー内に受けられたエアロゾルを形成するための物品を用いてエアロゾルを発生させるための装置の引き出し抵抗(RTD)は、およそ80mmWG~およそ140mmWGであってもよい。本明細書に使用される場合、引き出し抵抗は、圧力「mmWG」または「水柱mm」の単位で表され、ISO 6565:2002に従って測定される。
【0069】
装置は、例えば、加熱チャンバーと流体連通している冷却チャンバーを備えてもよい。冷却チャンバーは、マウスピースまたは装置のマウスピース端(提供される場合)と流体連通していてもよい。冷却チャンバーは、その中へと流れる流体および揮発した化合物の混合物を冷却するように構成される、または構成可能であってもよい。冷却チャンバーは、加熱チャンバーの断面積(例えば、主流れ軸に対して直角を成す)よりも相対的に大きな断面積(例えば、冷却チャンバーの中への流れの方向に対して直角を成す)を有してもよい。
【0070】
本発明によれば、エアロゾルを発生させるためのシステムが提供されており、システムは、本明細書に記載の装置と、エアロゾルを形成するための物品とを備える。
【0071】
いくつかの実施形態では、エアロゾルを形成するための物品は、例えば、加熱チャンバーに、例えば、加熱チャンバーの形状および/または寸法に厳密に適合するように形状設定されてもよい。追加的に、または別の方法として、エアロゾルを形成するための物品は、その中に受けられた時に加熱チャンバーから延びるように構成された(例えば、寸法設定された、および/または形状設定された)一つ以上の延長部を含んでもよい。延長部(複数可)は、エアロゾルを形成するための物品の主要部品に取り付けられる、または接続されうる。延長部(複数可)は、エアロゾルを形成するための物品の側面、縁、または端から延びうる。エアロゾルを形成するための物品は、略平行六面体の形状であってもよい。エアロゾルを形成するための物品は、幅、長さ、および厚さを有しうる。厚さは、幅および長さの両方よりも小さくてもよい。物品は、実質的に平坦な第一の主表面を有してもよい。物品は、実質的に平坦な第二の主表面を有してもよい。第一の主表面および第二の主表面は、互いに実質的に平行であってもよく、例えば、概して平行な関係で延びてもよい。物品は、上流端を含みうる。物品は、下流端を含みうる。物品は、エアロゾルを形成するために装置の加熱チャンバーの中に挿入されると、流体が物品を通って(例えば、上流端から下流端まで)流れることができるように構成または配置されうる。
【0072】
エアロゾル形成基体はニコチンを含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、たばこを含んでもよい。別の方法として、または追加的に、エアロゾル形成基体はエアロゾル形成材料を含む非たばこを含んでもよい。
【0073】
エアロゾル形成基体が固体のエアロゾル形成基体である場合、固体のエアロゾル形成基体は、薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎、膨化たばこおよび均質化したたばこのうち一つまたは複数を含む、例えば、粉末、顆粒、ペレット、断片、より糸、細片またはシートのうち一つまたは複数を含みうる。
【0074】
随意に、固体エアロゾル形成基体は、たばこまたは非たばこ揮発性風味化合物を含有してもよく、それらは固体エアロゾル形成基体の加熱に伴い放出される。
【0075】
エアロゾル形成基体が流体、例えば、液体または気体の形態である場合、エアロゾル形成基体は、流体エアロゾル形成基体を加熱すると放出される、たばこまたは非たばこの揮発性風味化合物を含有しうる。
【0076】
随意に、固体または流体エアロゾル形成基体は、熱的に安定な担体上に提供されてもよく、またはその中に包埋されてもよい。担体は、粉末、顆粒、ペレット、断片、撚糸、細片またはシートの形態を取ってもよい。固体または流体エアロゾル形成基体は、担体全体にわたって、例えば、その容積全体にわたって配置されてもよい。別の方法として、固体または流体エアロゾル形成基体は、例えば、シート、発泡体、ゲル、またはスラリーの形態で担体の表面上に配置されてもよい。固体または流体エアロゾル形成基体は、担体の表面全体上に配置されてもよく、または別の方法として、使用中に不均一な風味送達を提供するためのパターンで配置されてもよい。
【0077】
エアロゾルを形成するための物品は、揮発性風味生成成分を含みうる。提供される場合、エアロゾル形成基体の延長部の各々は、揮発性風味生成成分を含みうる。
【0078】
本明細書で使用される場合、「揮発性風味生成成分」という用語は、風味剤を提供するために、エアロゾル形成基体に添加される任意の揮発性成分を記述するために使用される。
【0079】
揮発性風味生成成分は液体または固体の形態であってもよい。揮発性風味生成成分は、支持要素に接続され、またはさもなければ関連させられてもよい。支持要素は、風味生成成分を位置付ける、保つ、または保持するための任意の好適な基体または支持体を含みうる。例えば、支持要素としては、繊維質の支持要素を挙げることができ、繊維質の支持要素は、流体、例えば、液体で飽和される、または飽和可能でありうる。
【0080】
いくつかの実施形態では、揮発性風味生成成分は、任意の好適な構造を有してもよく、構造材料は、風味剤または複数の風味剤を放出可能に封入する。例えば、いくつかの好ましい実施形態では、揮発性風味生成成分は、複数のドメインを定義するマトリクス構造を含み、風味剤は、例えば、エアロゾル形成基体が外力に供されたときに、放出されるまでドメイン内に捕捉される。別の方法として、揮発性風味生成成分は、カプセルを含んでもよい。好ましくは、カプセルは外部シェルおよび風味剤を含む内部コアを含む。外側シェルは外力がかけられる前はシールされているが、外力がかけられた時に風味剤が放出できるように壊れやすいまたは壊れ得ることが好ましい。カプセルは様々な物理的な構成で形成されてもよいが、これには単一部分から成るカプセル、複数部分から成るカプセル、単一壁から成るカプセル、複数壁から成るカプセル、大型カプセル、および小型カプセルなどが含まれるが、これに限定されない。
【0081】
揮発性風味生成成分が、風味剤を封入する複数のドメインを定義するマトリクス構造を含む場合、風味剤送達部材は、エアロゾル形成基体が外力に供された時に風味剤を徐々に放出しうる。別の方法として、揮発性風味生成成分が、エアロゾルを形成するための物品が外力に供されたときに破壊されるか、または破裂して、風味剤を放出するように配置されたカプセルである場合(例えば、カプセルが外部シェルおよび内部コアを含む場合であるが、これに限定されない)、カプセルは任意の所望の破裂強度を有しうる。破裂強度は、カプセルが破裂する(エアロゾル形成基体の外側からカプセルにかけられる)力である。破裂強度は、カプセルの力対圧縮曲線における山部としうる。
【0082】
揮発性風味生成成分は、起動機構に応答して風味剤を放出するように構成されうる。こうした起動機構は、フィルターに対する力の印加、フィルターの温度変化、化学的反応またはそれらの任意の組み合わせを含みうる。
【0083】
適切な風味剤は、天然または合成のメントール、ハッカ、スペアミント、コーヒー、お茶、スパイス(シナモン、クローブおよびショウガなど)、ココア、バニラ、果実風味、チョコレート、ユーカリ、ゼラニウム、オイゲノール、リュウゼツラン、ビャクシン、アネトールおよびリナロオールを含む材料を含むが限定されない。
【0084】
本明細書で使用される場合、「メントール」という用語は、その異性体の形態のいずれかにおける化合物2-イソプロピル-5-メチルシクロヘキサノールを記述するために使用される。
【0085】
メントールは固体または液体の形態において使用されてもよい。固体の形態において、メントールは粒子または顆粒として提供されてもよい。「固体メントール粒子」という用語は、重量の少なくともおよそ80%のメントールを含む任意の顆粒状または粒子状の固体材料を記述するために使用されうる。
【0086】
1.5mg以上の揮発性風味生成成分が、エアロゾル形成基体に含まれることが好ましい。
【0087】
エアロゾル形成基体はエアロゾル形成体を含むことが好ましい。
【0088】
本明細書で使用される場合、「エアロゾル形成体」という用語は、使用時にエアロゾルの形成を促進し、かつエアロゾル形成基体の使用温度にて熱分解に対して実質的に抵抗性である任意の好適な公知の化合物または化合物の混合物を記述するために使用される。適切なエアロゾル形成体は当業界で公知であり、多価アルコール(プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよびグリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテートまたはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0089】
好ましいエアロゾル形成体は、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオールおよび最も好ましくはグリセリンなどの多価アルコールまたはその混合物である。
【0090】
エアロゾル形成基体は単一のエアロゾル形成体を含んでもよい。別の方法として、エアロゾル形成基体は、二つ以上のエアロゾル形成体の組み合わせを含んでもよい。
【0091】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量ベースにおいて5%を超えるエアロゾル形成体の含有量を有することが好ましい。
【0092】
エアロゾル形成基体は、乾燥質量ベースにおいておよそ5%~およそ30%の間のエアロゾル形成体の含有量を有してもよい。
【0093】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体は乾燥質量ベースにおいておよそ20パーセントのエアロゾル形成体の含有量を有する。
【0094】
本発明によれば、本明細書に記載する、エアロゾルを発生させるための装置を使用する方法が提供されている。
【0095】
本発明によれば、エアロゾルを発生させる方法が提供されており、方法は、
エアロゾルを発生させるための装置を提供することであって、装置は、エアロゾルを形成するための物品を受けるための加熱チャンバーを備え、加熱チャンバーは、上流端と、下流端と、平行な関係で面して延びる第一の主境界面および第二の主境界面とを含む、提供することと、
流体が加熱チャンバーの上流端から下流端まで、第一の主境界面および第二の主境界面によって画定される主流れ軸に対して実質的に平行な方向に流れるようにすることと、を含む。
【0096】
方法は、エアロゾル(例えば、エアロゾル形成基体を含む)を形成するための物品を加熱チャンバー内に挿入することを含みうる。装置は、加熱チャンバーおよび装置のマウスピース端と流体連通している冷却チャンバーを備えてもよい。
【0097】
本発明によれば、エアロゾルを発生させる方法が提供されており、方法は、
エアロゾルを発生させるための装置を提供することであって、装置は、エアロゾルを形成するための物品を受けるための加熱チャンバーを備え、加熱チャンバーは、平行な関係に面して延びる第一の主境界面および第二の主境界面を含む、提供することと、
エアロゾルを形成するための物品を提供することであって、物品はエアロゾル形成基体を含む、提供することと、
物品が第一の主境界面および第二の主境界面の両方と接触するように、物品を装置の加熱チャンバー内に挿入することとを含む。
【0098】
方法は、例えば、エアロゾル(または蒸気)を発生させるために、装置の加熱チャンバー内で物品を加熱することを含みうる。蒸気が発生される場合、方法は、蒸気を冷却すること、または、例えば、蒸気を冷却して蒸気をエアロゾルへと凝縮させることを含みうる。装置は、加熱チャンバーおよび装置のマウスピース端と流体連通している冷却チャンバーを備えてもよい。
【0099】
本明細書で使用されるすべての科学用語および工業技術用語は、別途指定のない限り、当該技術分野で一般的に使用されている意味を有する。本明細書に提供される定義は、本明細書で頻繁に使用されるある特定の用語の理解を容易にするためのものである。
【0100】
本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、「備える」および「含む」という用語、ならびにそれらの変形は、「含むが、これらに限定されない」を意味し、これらが、その他の部分、添加物、構成要素、整数、または工程を除外することを意図しない(および除外しない)ことを意味する。本明細書の説明および特許請求の範囲全体を通して、単数形は複数形を包含し、かつ逆も可であるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。特に、不定冠詞が使用される場合、本明細書は、単数だけでなく複数も企図するとして理解されるべきであるが、そうでないことを文脈が要求する場合はその限りではない。
【0101】
誤解を避けるために、本明細書に記載の特徴のうちの任意の特徴は、本発明の任意の態様に等しく適用される。本出願の範囲内で、前述の段落、請求項および/または後述の説明および図面、またとりわけ、その特定の個別の特徴において提示された様々な態様、実施形態、実施例、代替物は、個別にまたは任意の組み合わせで用いられうることが明示的に想定される。本発明の一態様または実施形態に関連して説明した特徴は、こうした特徴が不適合でない限り、すべての態様または実施形態に適用可能である。
【0102】
ここで、例証としてのみであるであるが、本発明を、以下の添付図面を参照しながらさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0103】
図1図1は、本発明の一実施形態による、エアロゾルを発生させるための装置の概略斜視図である。
図2図2は、図1に画定される平面A-Aに沿った部分断面図である。
図3図3は、図2の部分Bの拡大断面図である。
図4図4は、本発明の一実施形態による、エアロゾルを発生させるための装置で使用するための加熱配置の概略斜視図である。
図5図5は、本発明の一実施形態による、エアロゾルを発生させるための装置で使用するための代替的な加熱配置の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0104】
ここで図1、2および3を参照すると、エアロゾルを発生させるための装置1が示されており、装置1は、第一のマウスピース端1aと、第二の遠位端1bとを備え、それらの間にハウジング2が延びている。装置1は、この実施形態では、概して平行六面体の形状を有する。ハウジング2は、この実施形態ではプラスチック材料から形成され、当技術分野で公知の成形技術に従って必要な形状に成形されうる。しかしながら、いくつかの実施形態では、ハウジング2は、任意の好適な形状を有してもよく、任意の好適な材料および/または材料の組み合わせから形成されてもよい。
【0105】
ハウジング2のマウスピース端1a(下流端を提供する)は、押し嵌めによってハウジング2の残りの部分に取り外し可能に取り付けられる、マウスピース2aを含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、マウスピース2aは、ハウジング2の残りの部分と一体的に形成されてもよい。
【0106】
装置1の遠位端1bは、ハウジング2内のメモリ(図示せず)からデータを受信するため、および/またはハウジング2内の電源(図示せず)を充電するために、ハウジング2内に制御ユニット(図示せず)をプログラムするための電気接続ECを含む。電気接続ECは、マイクロUSB、USB-Cまたはビスポーク接続のうちの一つ以上を含みうる。また、装置1の遠位端1bは、警告機構(図示せず)、例えば、スピーカーなどのオーディオ装置および/または発光ダイオード(LED)などの光源を含みうる。警告機構は、装置1の状態の変化、例えば、電源の充電が必要であることを装置1のユーザーに警告するように構成される、または構成可能でありうる。
【0107】
装置1内に位置する、エアロゾル形成基体30を含むエアロゾルを形成するための物品3が図2および図3に示されている。しかしながら、当業者によって理解されるように、物品3は、装置1とは別個のものであり、装置1の一部を構成するものではない。
【0108】
図2および図3に最もよく示されるように、装置1はまた、装置1のマウスピース端1aと遠位端1bとの間に、ヒーター4と、加熱チャンバー5と、随意の風味生成チャンバー6と、ハウジング2内に位置する冷却チャンバー7とを備える。加熱チャンバー5は、随意の風味生成チャンバー6に直接隣接し、かつそれと流体連通している。随意の風味生成チャンバー6は、冷却チャンバー7と流体連通しており、これは次に、装置1のマウスピース端1bと流体連通している。ボタン8は、随意の風味生成チャンバー6に隣接して位置する。
【0109】
加熱チャンバー5は、第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bを含む。さらに、副境界面(図示せず)が、第一の主境界面5aと第二の主境界面5bとの間に延びる。第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bは、実質的に平坦であり、金属、例えば鉄またはその合金から形成される。加熱チャンバー5は、略平行六面体形状を有する。図2および図3に示されるように、装置1は、第一および第二の主境界面5a、5bが平行な関係で面する、第一の閉じた状態にある。第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bは、それらの間に受けられた物品3を通って流れる流体の上流端USから下流端DSまでの主流れ軸Pを画定する。入口5cは、ハウジング2の外部と流体連通して、加熱チャンバー5の一方の端(上流端US)に配置されている。出口5dは、加熱チャンバー5の向かい合った端(下流端DS)に配置されている。主流れ軸Pは、入口5cと出口5d(例えば、上流端USと下流端DS)との間に延び、かつそれらの間の流路に平行である。
【0110】
ヒーター4は、加熱チャンバー5の周辺部の周りに延びる誘導コイル4aを含む。誘導コイル4aは、使用時に第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bを誘導的に加熱するように配置される。誘導コイル4aは、この実施形態では、ハウジング2内に埋め込まれているが、いくつかの実施形態では、誘導コイル4aは、代わりにハウジング2のチャンバー内に位置してもよい。図4により明確に示されるように、誘導コイル4aの長軸方向軸Lは、それによって発生する(使用時に)磁界Mが主流れ軸Pに対して直角を成すように、主流れ軸Pと平行である。ヒーター4は、電源に動作可能に接続される、または接続可能である。
【0111】
第一の主境界面5aは、ハウジング2の第一の部分2bに取り付けられ、第二の主境界面5bは、ハウジング2の第二の部分2cに取り付けられている。ハウジング2の第一の部分2b、よって第一の主境界面5aは、ハウジング2の第二の部分2cおよび第二の主境界面5bに対して、主流れ軸Pに対して平行な方向に摺動可能である。ハウジング2の第一の部分2bにおける電気接点(図示せず)は、第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bが図2および3に示すように平行な関係で面している場合(第一の閉状態)にハウジング2の第二の部分2cにおける電気接点(図示せず)に接触するように構成される。その結果、装置1が第一の閉状態にある時、誘導コイル4aの巻きのそれぞれは、個別に、それ自体に電気的に接続される。
【0112】
第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bは、この実施形態では、平行な山部および谷部(図示せず)を有する波形を含みうる。山部および谷部は、主流れ軸Pに対して平行な方向に延びる。
【0113】
ハウジング2の第一の部分2bは、延長部分2dを含み、これは、第一の主境界面5aの外方に、それに対して概して平行な方向に延びる。延長部分2dは、第一の主境界面5aによって画定される平面に対して直角をなす方向に弾性的に変形可能である。延長部分2dの自由端2eは、先細りしている。
【0114】
取り外し開口2fは、加熱チャンバー5の上流の位置において、ハウジング2の第二の部分2cを通って延びる。取り外し開口2fは、使用時に、使用済み物品3を、それを通して装置1から取り外すことができるように形状設定およびサイズ設定される。取り外し開口2fは、取り外し通路20によって加熱チャンバー5に接続される。取り外し開口2fの案内面は、使用時に、装置1から使用済み物品3を摺動させて取り外すことを容易にするように配置される。案内面は、加熱チャンバー5の主流れ軸Pに対して鋭角な方向に延びる。この実施形態では、案内面は湾曲している。取り外し開口2fは、装置1への空気吸込み口を含みうる。いくつかの実施形態では、装置1は、ハウジング2を通って延び、かつ加熱チャンバー5と流体連通する、一つ以上の追加的または代替的な空気吸込み口を備えてもよい。
【0115】
マウスピース2aは、この実施形態(図1に示される)では、透明な部分2gを含み、それを通して、装置1の使用中にエアロゾルの発生を視認することができる。
【0116】
当接要素9は、装置1内で、ハウジング2に対して加熱チャンバー5の中に、およびまたは加熱チャンバー5から移動可能である。当接要素9は、加熱チャンバー5から物品3を引っ張るように構成されている。当接要素9は、装置1内のスロット内に位置し、随意の風味生成チャンバー6および加熱チャンバー5に隣接し、それらと共に整列している。当接要素9およびハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dは、二つの構成要素を一緒に取り外し可能に結合するための結合機構を含む。結合機構は、係合部材または留め金9a、および協働する窪み9bを含む。図2および図3に示す実施形態では、延長部分2dは窪み9bを含み、当接要素9は係合部材または留め金9aを含む。しかしながら、いくつかの実施形態では、延長部分2dが係合部材または留め金9aを含み、当接要素9が窪み9bを含んでもよい。係合部材または留め金9aは、窪み9bと係合してその中に入る位置に向かって弾性的に付勢され(例えば、ばねによって)、それによって、延長部分2dと当接要素9とを互いに結合する。
【0117】
ボタン8は、風味放出機構を含む。ボタン8は、随意の風味生成チャンバー6に隣接して位置し、かつハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dを通って延びる、ボタン開口8a内に配置される。ボタン8は、使用時に、随意の風味生成チャンバー6の中に、または風味生成チャンバー6から移動可能である。ボタン8は、使用時に、随意の風味生成チャンバー6内に位置する物品3に対して移動可能であるように配置されている、締付面8bを含む。ボタン8は、その端にある、またはその端に隣接した環状突出部を含む。ボタン開口8bは、ボタン8の環状突出部と係合するようにサイズ設定されて位置しており、それによって、ボタン開口8b内にボタン8を保持する一方で、ボタン8が随意の風味発生チャンバー6の中に、または随意の風味発生チャンバー6から移動することも可能にする、第一の内部当接部および第二の内部当接部を含む。
【0118】
冷却チャンバー7は、随意の風味生成チャンバー6を冷却チャンバー7に流動接続する流体流路が有するよりも大きな(例えば、より大きな高さおよび/または幅)、冷却チャンバー7への流れ方向に対して直角を成す断面積を有する。冷却チャンバー7はまた、冷却チャンバー7を装置1のマウスピース端1aに流体接続する流体流路が有するよりも大きな(例えば、より大きな高さおよび/または幅)、冷却チャンバー7内への流れ方向に対して直角を成す、断面積を有する。
【0119】
物品3は、主要部3aおよびそこから延びる随意の延長部3bを備える。主要部3aは、その中に配置される場合、加熱チャンバー5のサイズおよび形状に厳密に適合するようにサイズ設定および形状設定される。主要部3aは、この実施形態では、液体エアロゾル形成基体30が中に保持されるマトリクス材料の形態のエアロゾル形成基体30を含む。随意の延長部3bは、カプセル3cの形態の揮発性風味生成成分が中に保持されるホルダー材料を含む。カプセル3cは、この実施形態ではメタノールである、風味剤を含有する。
【0120】
使用時、装置1のユーザーは、ハウジング2の第一の部分2bをハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Cの方向に摺動させ、加熱チャンバー5を開状態へと移動させる。次いで、物品3は開いた装置1の内部に定置される。ハウジング2の第一の部分2bは次に、ハウジング2の延長部分2dの自由端2eがエアロゾル形成基体30上に(相対的に)位置するまで、ハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Dの方向(すなわち、矢印Cで示される方向とは反対の方向)に摺動される。次に、ユーザーは、延長部分2dに対して垂直の力を印加して、延長部分2dの先細り自由端2eを物品3に対して弾性的に押し出す。次に、ユーザーはハウジング2の第一の部分2bをハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Cの方向に摺動し続ける。物品3は、それによって延長部分2dの自由端2eによって係合し、それに沿って移動する。このようにして、物品3は加熱チャンバー5の中へと移動する。ハウジング2の第一の部分2bは、延長部分2dの自由端2eがハウジング2の第二の部分2c上に提供された当接部に係合し、これがこの方向へのさらなる摺動を制限するまで矢印Cの方向に摺動される。この閉状態では、加熱チャンバー5の第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bは、平行な関係で面しており、物品3は、加熱チャンバー5内に位置する(図2および3に示すように)。物品3の随意の延長部3bは、加熱チャンバー5を越えて、随意の風味生成チャンバー6の中に延びる。随意の延長部3b内のカプセル3cは、装置1が閉状態にある場合、随意の風味生成チャンバー6内に配置され、かつボタン8と整列している。
【0121】
閉状態では、係合部材または留め金9aは、窪み9bと整列され、その中へと係合するよう弾性的に付勢される。このようにして、当接要素9は、結合機構によってハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dに結合される。
【0122】
ユーザーが装置1を使用したい時に、ヒーター4が起動される。この起動は、ユーザーが装置1のマウスピース端1aを吸うことから生じる気流および/または気圧の変化に対応するように構成されうる流れセンサーおよび/または圧力センサーなどのトリガ機構(図示せず)によってトリガされうる。しかしながら、いくつかの実施形態では、トリガ機構は、手動で起動される、および/または起動可能なスイッチを含みうる。電源からの電力は、制御ユニットの制御下でヒーター4に供給される。このようにして、第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bの温度は、この実施形態では270℃未満の温度である揮発温度まで上昇する。化合物は、第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bから印加される熱エネルギーによって、物品3のエアロゾル形成基体30から揮発する。
【0123】
ユーザーが装置1のマウスピース端1aを吸うことによって、空気が装置1を通して引き出される。空気は、取り外し開口2fから加熱チャンバー5の入口5cを通り、加熱チャンバーの主流れ軸Pに沿って(すなわち、それに平行に)流れ、出口5dを通って加熱チャンバー5から出る。空気は、物品3を通してその上流端USからその下流端DSまで通過し、それによって揮発した化合物が、加熱チャンバー5を通した空気の流れに混入される。気流および揮発した化合物の混合物が冷却チャンバー7に到達すると、混合物は冷却チャンバー7の相対的に増大した断面積に起因して膨張する。それによって、混合物は冷却チャンバー7内で冷却され、揮発した化合物が融合してエアロゾルを形成する。次に、エアロゾルはマウスピース2aを通して、それを吸うユーザーへと引き出される。
【0124】
ユーザーは、ボタン8を随意の風味生成チャンバー6の中へと押して物品3の随意の延長部3b内の隣接するカプセル3cを破砕し、それによって、そこから風味剤を放出する。カプセル3cから放出された風味剤は次に、ユーザーが装置1のマウスピース端1aを吸うことによって生じた、装置1を通る気流を通してユーザーに引き出される。
【0125】
物品3は、その揮発可能化合物の供給が消耗した時、設定された回数の引き出しが装置1に適用された時、またはユーザーが何らかの理由で(例えば、異なる風味を体験するために)物品3の変更を決めた時に、装置1から取り外される。ユーザーは、ハウジング2の第一の部分2bをハウジング2の第二の部分2cに対して矢印Dの方向に摺動させ、装置1を閉状態から離れるように、かつ開状態に向かって移動させる。当接要素9(これは、結合機構によってハウジング2の第一の部分2bの延長部分2dに結合される)は、ハウジング2の第一の部分2bによって引き出されて、物品3に接触してこれを随意の風味生成チャンバー6および加熱チャンバー5から押す。ハウジングの第一の部分2bを矢印Dの方向に摺動させ続ける(ハウジング2の第二の部分2cに対して)ことにより、当接要素9が使用済み物品3を取り外し開口2fの中へと押し出す。取り外し開口2fの案内面は、物品3を装置1から摺動させ、そこから任意の手段で収集されうる。
【0126】
ここで図5を参照すると、装置1の加熱チャンバー5の内容物を加熱するための代替的なヒーター14が示されている。図5に示すヒーター14は、二つの誘導コイル14aが存在し、かつ誘導コイル14aが、それらの長軸方向軸Lが主流れ軸Pに対して直角を成すように配置されるという点で図4に示すヒーター14とは異なる。ヒーター14の誘導コイルは、使用時に、加熱チャンバー5に受けられたエアロゾル形成基体30のサセプタを加熱するように配置される。
【0127】
ハウジング2の第一の部分2bは、ハウジング2の第二の部分2cに対して摺動可能なものとして説明されているが、そうである必要はなく、代わりに、第一の部分2bが、第二の部分2cに対して旋回可能であってもよく、かつ/またはそこから取り外し可能であってもよい。いくつかの実施形態では、第一の部分2bは、ハウジング2の第二の部分2cに対して固定されうる(同じく加熱チャンバー5の第一の主境界面5aと第二の主境界面5bが互いに対して固定されように)。第一の部分2aと第二の部分2bとが互いに対して固定されている場合、装置1は、加熱チャンバー5の中におよび/または加熱チャンバー5からエアロゾル形成基体を保持および/または案内するためのキャリッジを備えうる。装置は、キャリッジをそれに対して摺動する関係で支持するように構成されうる。
【0128】
第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bの両方がヒーター4によって加熱されるものとして記述されているが、そうである必要はなく、代わりに、主境界面5aおよび主境界面5bのうちの少なくとも一つのみが加熱されてもよい。
【0129】
いくつかの実施形態では、装置1は、複数のヒーターを備えてもよく、複数のヒーターは、第一の主境界面5aおよび/または第二の主境界面5bを加熱するように構成または配置されたヒーター(例えば、図4に示すタイプのヒーター4)と、加熱チャンバー5内に受けられた物品3のサセプタを加熱するように構成されたヒーター(例えば、図5に示すタイプのヒーター14)の両方を備えてもよい。あるいは、装置1は、第一の主境界面5aを加熱するよう配置された第一のヒーターと、第二の主境界面5bを加熱するよう配置された第二のヒーターとを含む、複数のヒーターを備えてもよい。いくつかの実施形態では、装置1は、複数のヒーターを備えてもよく、一つのヒーターは、第一の主境界面5aと第二の主境界面5bとの間に受けられた物品3の表面の少なくとも一部分を加熱するように配置されており、第二のヒーターは、物品3の内部領域を加熱するように配置されている。複数のヒーターがある場合、それらは、異なる時間で、および/または異なる温度まで加熱するように構成されうる。いくつかの実施形態では、装置1が単一のヒーター4または複数のヒーターを備える場合、それまたはそれらは、第一の主境界面5aおよび第二の主境界面5bのうちの一つのみを加熱するように配置または構成されてもよい。
【0130】
概略図は必ずしも実寸に比例しておらず、また図示の目的で提示されるものであり、限定するものではない。図面は本開示で説明される一つ以上の態様を描写する。しかしながら、当然のことながら、図面に描写されていないその他の態様も本開示の範囲に収まる。
図1
図2
図3
図4
図5