(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】作業機及び作業機の表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20231211BHJP
A01B 63/00 20060101ALI20231211BHJP
E02F 9/26 20060101ALI20231211BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
A01B63/00 B
E02F9/26 C
B60R16/02 640K
(21)【出願番号】P 2022070149
(22)【出願日】2022-04-21
(62)【分割の表示】P 2018112256の分割
【原出願日】2018-06-12
【審査請求日】2022-04-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】綿谷 亮
【審査官】角田 貴章
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-021950(JP,A)
【文献】特開2009-045994(JP,A)
【文献】特開2005-080550(JP,A)
【文献】特開2010-172267(JP,A)
【文献】国際公開第2011/074672(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 35/00-37/06
A01B 63/00-63/12
E02F 9/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面に情報を表示する表示部と、
前記表示部の表示を制御する表示制御部と、
作業機に関する設定情報を表示する複数の設定ボックスのそれぞれを識別する複数の第1識別情報と、前記作業機の状態を検出する検出装置の検出値を表示する複数の閲覧ボックスのそれぞれを識別する複数の第2識別情報とを記憶する記憶部と、
前記複数の第1識別情報のうち、任意の第1識別情報を選択させる第1設定部と、
前記複数の第2識別情報のうち、任意の第2識別情報を選択させる第2設定部と、
前記検出値
が前記検出装置により検出
されたときの前記作業機の状況
及び前記作業機に装備された機器の状況を示す複数の条件のうちのいずれかの条件を
、前記複数の閲覧ボックス毎に設定可能な条件設定部と、を備え、
前記表示制御部は、
前記複数の設定ボックスのうち前記第1設定部により選択された前記任意の第1識別情報に対応す
る設定ボックスと、前記複数の閲覧ボックスのうち前記第2設定部により選択された前記任意の第2識別情報に対応する閲覧ボックスとを前記表示部に表示させ、
前記表示部に表示された1つ又は前記複数の閲覧ボックスに、予め前記条件設定部により設定された前記条
件で前記検出装置により検出された前記検出値を表示させる作業機の表示装置。
【請求項2】
前記
複数の条件には、前記作業機がどのような状況にあっても前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件、前記作業機が走行している状況で前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件、前記作業機の昇降装置が昇降動作をしている状況で前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件、及び前記作業機のPTO軸が回転している状況で前記検出装置により検出された前記検出値を
前記閲覧ボックスに表示するという条件が
あり、
前記表示制御部は、前記表示部に表示され
た1つ又は複数の
前記閲覧ボックスに、予め前記条件設定部により選択的に設定された前記条件
で前記検出装置により検出された前記検出値を表示させる請求項1に記載の作業機の表示装置。
【請求項3】
前記複数の設定ボックスに対して共用され、前記設定ボックスの設定項目に対応する前記設定情報の入力を行う設定入力部を備え、
前記表示制御部は、前記設定ボックスと前記閲覧ボックスと前記設定入力部とを前記表示部の同一の画面に表示させる請求項1又は2に記載の作業機の表示装置。
【請求項4】
前記第1設定部は、前記表示部に表示された登録画面において、前記複数の第1識別情報を表示し、且つ、前記表示された複数の第1識別情報の任意の受付を行い、
前記第2設定部は、前記登録画面において、前記複数の第2識別情報を表示し、且つ、前記表示された複数の第2識別情報の任意の受付を行い、
前記表示制御部は、前記第1設定部により前記受付された前記第1識別情報に対応する前記任意の設定ボックスと、前記第2設定部により前記受付された前記第2識別情報に対応する前記任意の閲覧ボックスとを、前記表示部に表示された設定閲覧画面に表示させる請求項1~3のいずれか1項に記載の作業機の表示装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記登録画面における前記複数の第1識別情報及び前記複数の第2識別情報の選択態様に基づいて、前記設定閲覧画面に表示される前記設定ボックスと前記閲覧ボックスとの表示態様を変更する請求項4に記載の作業機の表示装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記複数の第1識別情報及び前記複数の第2識別情報のうち、前記登録画面で選択された前記第1識別情報及び前記第2識別情報を、前記設定閲覧画面に任意の順に混在させて並べて表示する請求項5に記載の作業機の表示装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記複数の第1識別情報及び前記複数の第2識別情報のうち、前記登録画面で選択された前記第1識別情報及び前記第2識別情報を、当該選択の順序に従って順に並べて表示する請求項6に記載の作業機の表示装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、
前記登録画面に表示された前記複数の第1識別情報のうち、前記第1設定部が受け付けた第1識別情報に前記受付が完了している旨の表示を行い、
前記登録画面に表示された前記複数の第2識別情報のうち、前記第2設定部が受け付けた第2識別情報に前記受付が完了している旨の表示を行う請求項4~7のいずれか1項に記載の作業機の表示装置。
【請求項9】
前記設定ボックスは、前記作業機に関する設定項目を表示する項目表示部と、前記設定項目に対応する前記設定情報を表示する設定表示部とを含み、
前記閲覧ボックスは、前記作業機の状態に関する閲覧項目を表示する項目表示部と、前記閲覧項目に対応する前記作業機の状態を示す前記検出装置の前記検出値を表示する状態表示部とを含んでいる請求項1~8のいずれか1項に記載の作業機の表示装置。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか1項に記載の表示装置及び検出装置を備えた作業機。
【請求項11】
機体と、
前記機体に設けられ且つ作業装置を着脱可能で且つ昇降可能な昇降装置と、
原動機と、
前記原動機からの動力により回転するPTO軸と、を備えた請求項10に記載の作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラクタ等の作業機及び作業機の表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トラクタ等の作業機に関する設定を行うことができる技術として、特許文献1に示すものが知られている。特許文献1に開示された作業機では、運転席の近傍に配置されたディスプレイに複数の設定項目を表示して、設定項目毎に設定値等を変更する複数のボタンが表示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の作業機において、ディスプレイに表示された画面は、複数の設定項目を設定する専用の設定画面であり、設定画面に表示する設定項目を任意に変更することができないのが実情である。また、作業機の設定画面には、作業機の状態が表示されないため、作業機の状態を確認しながら設定を行うことができないのが実情である。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、作業機の設定に関する情報及び作業機の状態を確認することができるだけでなく、設定に関する設定項目と作業機の状態を閲覧する閲覧項目とを任意に変更することができる作業機及び作業機の表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この技術的課題を解決するための本発明の技術的手段は、以下に示す点を特徴とする。
本発明の一態様に係る作業機の表示装置は、画面に情報を表示する表示部と、前記表示部の表示を制御する表示制御部と、作業機に関する設定情報を表示する複数の設定ボックスのそれぞれを識別する複数の第1識別情報と、前記作業機の状態を表示する複数の閲覧ボックスのそれぞれを識別する複数の第2識別情報とを記憶する記憶部と、前記複数の第1識別情報のうち、任意の第1識別情報を選択させる第1設定部と、前記複数の第2識別情報のうち、任意の第2識別情報を選択させる第2設定部と、前記検出値が前記検出装置により検出されたときの前記作業機の状況及び前記作業機に装備された機器の状況を示す複数の条件のうちのいずれかの条件を、前記複数の閲覧ボックス毎に設定可能な条件設定部と、を備え、前記表示制御部は、前記複数の設定ボックスのうち前記第1設定部により選択された前記任意の第1識別情報に対応する前記設定ボックスと、前記複数の閲覧ボックスのうち前記第2設定部により選択された前記任意の第2識別情報に対応する閲覧ボックスとを前記表示部に表示させ、前記表示部に表示された1つ又は複数の前記閲覧ボックスに、予め前記条件設定部により設定された前記条件で前記検出装置により検出された前記検出値を表示させる。
【0006】
本発明の一態様では、前記複数の記条件には、前記作業機がどのような状況にあっても前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件、前記作業機が走行している状況で前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件、前記作業機の昇降装置が昇降動作をしている状況で前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件、及び前記作業機のPTO軸が回転している状況で前記検出装置により検出された前記検出値を前記閲覧ボックスに表示するという条件があり、前記表示制御部は、前記表示部に表示された1つ又は複数の前記閲覧ボックスに、予め前記条件設定部により選択的に設定された前記条件で前記検出装置により検出された前記検出値を表示させる。
【0007】
また、本発明の一態様では、前記複数の設定ボックスに対して共用され、前記設定ボックスの設定項目に対応する前記設定情報の入力を行う設定入力部を備え、前記表示制御部は、前記設定ボックスと前記閲覧ボックスと前記設定入力部とを前記表示部の同一の画面に表示させる。
また、本発明の一態様では、前記第1設定部は、前記表示部に表示された登録画面において、前記複数の第1識別情報を表示し、且つ、前記表示された複数の第1識別情報の任意の受付を行い、前記第2設定部は、前記登録画面において、前記複数の第2識別情報を表示し、且つ、前記表示された複数の第2識別情報の任意の受付を行い、前記表示制御部は、前記第1設定部により前記受付された前記第1識別情報に対応する前記任意の設定ボックスと、前記第2設定部により前記受付された前記第2識別情報に対応する前記任意の閲覧ボックスとを、前記表示部に表示された設定閲覧画面に表示させる。
【0008】
また、本発明の一態様では、前記表示制御部は、前記登録画面における前記複数の第1識別情報及び前記複数の第2識別情報の選択態様に基づいて、前記設定閲覧画面に表示される前記設定ボックスと前記閲覧ボックスとの表示態様を変更する。
また、本発明の一態様では、前記表示制御部は、前記表示制御部は、前記複数の第1識別情報及び前記複数の第2識別情報のうち、前記登録画面で選択された前記第1識別情報及び前記第2識別情報を、前記設定閲覧画面に任意の順に混在させて並べて表示する。
また、本発明の一態様では、前記表示制御部は、前記複数の第1識別情報及び前記複数の第2識別情報のうち、前記登録画面で選択された前記第1識別情報及び前記第2識別情報を、当該選択の順序に従って順に並べて表示する。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記表示制御部は、前記登録画面に表示された前記複数の第1識別情報のうち、前記第1設定部が受け付けた第1識別情報に前記受付が完了している旨の表示を行い、前記登録画面に表示された前記複数の第2識別情報のうち、前記第2設定部が受け付けた第2識別情報に前記受付が完了している旨の表示を行う。
また、本発明の一態様では、前記設定ボックスは、前記作業機に関する設定項目を表示する項目表示部と、前記設定項目に対応する前記設定情報を表示する設定表示部とを含み、前記閲覧ボックスは、前記作業機の状態に関する閲覧項目を表示する項目表示部と、前記閲覧項目に対応する前記作業機の状態を示す前記検出装置の前記検出値を表示する状態表示部とを含んでいる。
【0010】
本発明の一態様に係る作業機は、前記表示装置及び前記検出装置を備える。
本発明の一態様では、前記作業機は、機体と、前記機体に設けられ且つ作業装置を着脱可能で且つ昇降可能な昇降装置と、原動機と、前記原動機からの動力により回転するPTO軸と、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、作業機の設定に関する情報及び作業機の状態を確認することができるだけでなく、設定に関する設定項目と作業機の状態を閲覧する閲覧項目とを任意に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図3A】複数の設定ボックスの一覧を示す図である。
【
図4A】設定入力部をアクティブ状態した状態の設定閲覧画面M1を示す図である。
【
図4B】設定入力部をインアクティブ状態した状態の設定閲覧画面M1を示す図である。
【
図4C】設定入力部をインアクティブ状態した状態の別の設定閲覧画面M1を示す図である。
【
図6】設定入力部(領域)の輝度を変更した一例を示す図である。
【
図7A】設定項目のラベルを選択した場合の登録画面M3を示す図である。
【
図7B】閲覧項目のラベルを選択した場合の登録画面M3を示す図である。
【
図8A】登録画面M3において、アイコンを選択した場合の状態を示す第1の図である。
【
図8B】登録画面M3において、アイコンを選択した場合の状態を示す第2の図である。
【
図9】
図8Bの登録画面M3にてアイコンを選択した場合の設定閲覧画面M1を示す図である。
【
図12】設定入力部とトラクタ(機体)との位置関係を示す図である。
【
図13A】トラクタの右下がりの状態を示す図である。
【
図13B】トラクタの左下がりの状態を示す図である。
【
図14A】トラクタの右下がりの状態における設定入力部を示す図である。
【
図14B】トラクタの左下がりの状態における設定入力部を示す図である。
【
図16】PTO設定画面M7の一例を示す図である。
【
図18A】原動機アイコン及び速度アイコンを表示した状態を示す図である。
【
図18B】速度アイコンがインアクティブ状態になっていることを説明する説明図である。
【
図18C】原動機アイコン及び速度アイコンがアクティブ状態になっていることを説明する説明図である。
【
図18D】速度アイコンがインアクティブ状態になっていることを説明する説明図である。
【
図19】ワンタッチ設定画面M9の一例を示す図である。
【
図20】記憶部に記憶した複数の設定項目を示す図である。
【
図21】ボックス設定画面M10の一例を示す図である。
【
図22A】複数の候補ボックスが整列したボックス設定画面M10を示している。
【
図22B】第1候補ボックスが表示ボックスとして選択された状態を示す図である。
【
図22C】第2候補ボックスが表示ボックスとして選択された状態を示す図である。
【
図22D】第8候補ボックスが表示ボックスとして選択された状態を示す図である。
【
図22E】第7候補ボックスが表示ボックスとして選択された状態を示す図である。
【
図22F】候補ボックス(表示ボックス)を一列に並べることで設定した状態を示す図である。
【
図23】制御装置、対象表示装置、操作具の関係を示す概略図である。
【
図24】複数の表示装置の中から対象表示装置を決定して操作を実行するフローを示す図である。
【
図25】ターミナル表示装置に操作具によって操作を行える装置であることを表示した例である。
【
図26】優先設定画面M12の一例を示す図である。
【
図27】優先設定画面M13の一例を示す図である。
【
図28A】認証情報の認証に関する事項と、表示装置の操作との関係を示す図である。
【
図28B】認証情報の認証に関する事項と、表示装置の操作との関係を変更した図である。
【
図29】装置設定画面M14の一例を示す図である。
【
図30】認証情報の認証に基づく、複数の表示装置の操作のフローを示した図である。
【
図31】過去の条件設定値を示した上昇設定画面M6を示す図である。
【
図32A】操作設定画面M20の一例を示す図である。
【
図32B】順位設定画面M21の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図33は、作業機の一例であるトラクタ1を示している。トラクタ1を例にあげ説明するが、作業機は、トラクタに限定されず、田植機等の農業機械である。
図33に示すように、トラクタ1は、走行装置7を有する走行車両(機体)3と、原動機4と、変速装置5と、操舵装置11とを備えている。走行装置7は、前輪7F及び後輪7Rを有する装置である。前輪7Fは、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。また、後輪7も、タイヤ型であってもクローラ型であってもよい。原動機4は、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関、電動モータ等である。この実施形態では、原動機4は、ディーゼルエンジンである。
【0014】
変速装置5は、変速によって走行装置7の推進力を切換可能であると共に、走行装置7の前進、後進の切換が可能である。機体3にはキャビン9が設けられ、当該キャビン9内には運転席10が設けられている。
また、機体3の後部には、昇降装置8が設けられている。昇降装置8には、作業装置2が着脱可能である。また、昇降装置8は、装着された作業装置2を昇降可能である。作業装置2は、耕耘する耕耘装置、肥料を散布する肥料散布装置、農薬を散布する農薬散布装置、収穫を行う収穫装置、牧草等の刈取を行う刈取装置、牧草等の拡散を行う拡散装置、牧草等の集草を行う集草装置、牧草等の成形を行う成形装置等である。なお、
図33では、作業装置2として耕耘装置を取り付けた例を示している。
【0015】
図1Aに示すように、変速装置5は、主軸(推進軸)5aと、シャトル部5bと、主変速部5cと、副変速部5dと、PTO動力伝達部5eと、前変速部5fと、を備えている。推進軸5aは、変速装置5のハウジングケースに回転自在に支持され、当該推進軸5aには、原動機4のクランク軸からの動力が伝達される。
シャトル部5bは、シャトル軸5b1と、前後進切換部5b2とを有している。シャトル軸5b1には、推進軸5aからの動力が伝達される。前後切換部5b2は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によってシャトル軸5b1の回転方向、即ち、トラクタ1の前進及び後進を切り換える。
【0016】
主変速部5cは、入力された動力を無段に変更する無段変速機構である。無段変速機構は、油圧ポンプ5c1と、油圧モータ5c2と、遊星歯車機構5c3とを有している。油圧ポンプ5c1は、シャトル部5bの出力軸5b3からの動力により回転する。油圧ポンプ5c1は、例えば、斜板12を有する可変容量ポンプであって、斜板12の角度(斜板角)を変更することにより、当該油圧ポンプ5c1から吐出する作動油の流量を変更することができる。油圧モータ5c2は、配管等の油路回路を介して油圧ポンプ5c1から吐出された作動油によって回転するモータである。油圧ポンプ5c1の斜板角を変更したり、油圧ポンプ5c1へ入力する動力を変更することによって、油圧モータ5c2の回転数を変更することができる。
【0017】
遊星歯車機構5c3は、複数のギア(歯車)と、入力軸及び出力軸等の動力伝達軸とで構成された機構であって、油圧ポンプ5c1の動力が入力される入力軸13と、油圧モータ5c2の動力が入力される入力軸14と、動力を出力する出力軸15とを含んでいる。遊星歯車機構5c3は、油圧ポンプ5c1の動力と、油圧モータ5c2の動力とを合成して合成した動力を出力軸15に伝達する。
【0018】
したがって、主変速部5cによれば、油圧ポンプ5c1の斜板12の斜板角、原動機4の回転数等を変更することによって、副変速部5dに出力する動力を変更することができる。なお、主変速部5cは、無段変速機構で構成しているが、ギアによって変速を行う有段変速機構であってもよい。
副変速部5dは、動力を変速する有段の複数のギア(歯車)を有する変速機構であって、複数のギアの接続(噛合)を適宜変更することによって、遊星歯車機構5c3の出力軸15から当該副変速部5dに入力された動力を変更して出力する(変速する)。副変速部5dは、入力軸5d1と、第1変速クラッチ5d2と、第2変速クラッチ5d3と、出力軸5d4とを含んでいる。入力軸5d1は、遊星歯車機構5c3の出力軸15の動力が入力される軸であり、入力された動力を、ギア等を介して第1変速クラッチ5d2及び第2変速クラッチ5d3に入力する。第1変速クラッチ5d2及び第2変速クラッチ5d3のそれぞれの接合及び切断を切り換えることにより、入力された動力は変更され、出力軸5d4に出力される。出力軸5d4に出力された動力は、後輪デフ装置20Rに伝達される。後輪デフ装置20Rは、後輪7Rが取り付けられた後車軸21Rを回転自在に支持している。
【0019】
PTO動力伝達部5eは、PTOクラッチ5e1と、PTO推進軸5e2と、PTO変速部5e3とを有している。PTOクラッチ5e1は、例えば、油圧クラッチ等で構成され、油圧クラッチの入切によって、推進軸5aの動力をPTO推進軸5e2に伝達する状態と、推進軸5aの動力をPTO推進軸5e2に伝達しない状態とに切り換わる。PTO変速部5e3は、変速クラッチと複数のギア等を含んでいて、PTO推進軸5e2からPTO変速部5e3へ入力された動力(回転数)を変更して出力する。
PTO変速部5e3の動力は、ギア等を介してPTO軸16に伝達される。
【0020】
前変速部5fは、第1前変速クラッチ5f1と、第2前変速クラッチ5f2とを有している。第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2は、副変速部5dからの動力が伝達可能であって、例えば、出力軸5d4の動力が、ギア及び伝動軸を介して伝達される。第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2からの動力は、前伝動軸22を介して前車軸21Fに伝達可能である。具体的には、前伝動軸22は、前輪デフ装置20Fに接続され、前輪デフ装置20Fは、前輪7Fが取り付けられた前車軸21Fを回転自在に支持している。
【0021】
第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2は、油圧クラッチ等で構成されている。第1前変速クラッチ5f1には油路が接続され、当該油路には油圧ポンプから吐出した作動油が供給される制御弁23に接続されている。第1前変速クラッチ5f1は、制御弁23の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。第2前変速クラッチ5f2には油路が接続され、当該油路には制御弁24に接続されている。第2前変速クラッチ5f2は、制御弁24の開度によって接続状態と切断状態とに切り換わる。制御弁23及び制御弁24は、例えば、電磁弁付き二位置切換弁であって、電磁弁のソレノイドを励磁又は消磁することにより、接続状態又は切断状態に切り換わる。
【0022】
第1前変速クラッチ5f1が切断状態で且つ第2前変速クラッチ5f2が接続状態である場合、第2前変速クラッチ5f2を通じて副変速部5dの動力が前輪7Fに伝達される。これにより、前輪及び後輪が動力によって駆動する四輪駆動(4WD)で且つ前輪と後輪との回転速度が略同じとなる(4WD等速状態)。一方、第1前変速クラッチ5f1が接続状態で且つ第2前変速クラッチ5f2が切断状態である場合、四輪駆動になり且つ前輪の回転速度が後輪の回転速度に比べて速くなる(4WD増速状態)。また、第1前変速クラッチ5f1及び第2前変速クラッチ5f2が接続状態である場合、副変速部5dの動力が前輪7Fされないため、後輪が動力によって駆動する二輪駆動(2WD)となる。
【0023】
図1B及び
図1Cに示すように、昇降装置8は、リフトアーム8a、ロアリンク8b、トップリンク8c、リフトロッド8d、リフトシリンダ8eを有している。リフトアーム8aの前端部は、変速装置5を収容するケース(ミッションケース)の後上部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトアーム8aは、リフトシリンダ8eの駆動によって揺動(昇降)する。リフトシリンダ8eは、油圧シリンダから構成されている。リフトシリンダ8eは、制御弁34を介して油圧ポンプと接続されている。制御弁34は、電磁弁等であって、リフトシリンダ8eを伸縮させる。
【0024】
ロアリンク8bの前端部は、変速装置5の後下部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。トップリンク8cの前端部は、ロアリンク8bよりも上方において、変速装置5の後部に上方又は下方に揺動可能に支持されている。リフトロッド8dは、リフトアーム8aとロアリンク8bとを連結している。ロアリンク8bの後部及びトップリンク8cの後部には、作業装置2が連結される。リフトシリンダ8eが駆動(伸縮)すると、リフトアーム8aが昇降するとともに、リフトロッド8dを介してリフトアーム8aと連結されたロアリンク8bが昇降する。これにより、作業装置2がロアリンク8bの前部を支点として、上方又は下方に揺動(昇降)する。
【0025】
昇降装置8には、姿勢変更装置25が設けられている。姿勢変更装置25は、機体3に装着された作業装置2の姿勢を変更する装置である。姿勢変更装置25は、油圧シリンダから構成された変更シリンダ25aと、制御弁25bとを有している。変更シリンダ25aは、制御弁25bを介して油圧ポンプと接続されている。制御弁25bは、電磁弁等であって、変更シリンダ25aを伸縮させる。変更シリンダ25aは、リフトアーム8aとロアリンク8bとを連結している。
【0026】
図1Cに示すように、操舵装置11は、ハンドル(ステアリングホイール)11aと、ハンドル11aの回転に伴って回転する回転軸(操舵軸)11bと、ハンドル11aの操舵を補助する補助機構(パワーステアリング機構)11cと、を有している。補助機構11cは、制御弁35と、ステアリングシリンダ32とを含んでいる。制御弁35は、例えば、スプール等の移動によって切り換え可能な3位置切換弁である。また、制御弁35は、操舵軸11bの操舵によっても切換可能である。ステアリングシリンダ32は、前輪7Fの向きを変えるアーム(ナックルアーム)36に接続されている。したがって、ハンドル11aを操作すれば、当該ハンドル11aに応じて制御弁35の切換位置及び開度が切り換わり、当該制御弁35の切換位置及び開度に応じてステアリングシリンダ32が左又は右に伸縮することによって、前輪7Fの操舵方向を変更することができる。なお、上述した操舵機構11は一例であり、上述した構成に限定されない。
【0027】
図1Cに示すように、トラクタ1は、制御装置40を備えている。制御装置40は、トラクタ1の様々な制御を行う装置である。制御装置40には、複数の検出装置41が接続されている。複数の検出装置41は、トラクタ1の状態を検出する装置であり、例えば、水温を検出する水温センサ41a、燃料の残量を検出する燃料センサ41b、原動機4の回転数を検出する原動機回転センサ(回転センサ)41c、アクセルペダルの操作量を検出するアクセルペダルセンサ41d、操舵機構11の操舵角を検出する操舵角センサ41e、リフトアーム8aの角度を検出する角度センサ41f、機体3の幅方向(右方向又は左方向)の傾きを検出する傾き検出センサ41g、機体3の車速(速度)を検出する速度センサ41h、PTO軸の回転数を検出するPTO回転センサ(回転センサ)41i、バッテリー等の蓄電池の電圧を検出するバッテリセンサ41j等である。なお、速度センサ41hは、例えば、前車軸21Fの回転数、後車軸21Rの回転数、前輪7Fの回転数、後輪7Rの回転数等を車速に変換することにより車速を検出する。また、速度センサ41hは、前車軸21F、後車軸21R、前輪7F及び後輪7Rのいずれかの回転方向も検出することができ、トラクタ1(機体3)が前進しているか、後進しているかも検出することができる。上述した検出装置41は一例であり、上述したセンサに限定されない。
【0028】
また、制御装置40には、複数の操作部材(操作装置)42が接続されている。複数の操作部材42は、機体3の前進又は後進を切り換えるシャトルレバー42a、原動機4の始動等を行うイグニッションスイッチ42b、PTO軸の回転数を設定するPTO変速レバー42c、自動変速及び手動変速のいずれかを切り換える変速切換スイッチ42d、変速装置5の変速段(変速レベル)を手動で切り換える変速レバー42e、車速を増減させるアクセル42f、昇降装置8の昇降を操作するポンパスイッチ42g、昇降装置8の上限を設定する上限設定ダイヤル42h、車速を設定する車速レバー42i等である。なお、上述した検出装置41は一例であり、上述したセンサに限定されない。
【0029】
制御装置40は、シャトルレバー42aが前進に操作された場合、シャトル部5bの前後進切換部5b2を前進に切り換えることで、機体3を前進させる。また、制御装置40は、シャトルレバー42aが後進に操作された場合、シャトル部5bの前後進切換部5b2を後進に切り換えることで、機体3を後進させる。
制御装置40は、イグニッションスイッチ42bがONに操作された場合、所定の処理を経て原動機4の始動を行い、イグニッションスイッチ42bがOFFに操作された場合、原動機4の駆動を停止させる。制御装置40は、PTO変速レバー42cが操作された場合、変速装置5に内蔵されたPTO変速ギアを切り換えることでPTO軸の回転数(PTO回転数という)を変更する。制御装置40は、変速切換スイッチ42dを自動変速に切り換えた場合、トラクタ1の状態に応じて主変速部5c及び副変速部5dのいずれかを自動的に切り換え、変速装置5の変速段(変速レベル)を予め定められた変速段(変速レベル)に自動的に変更する。制御装置40は、変速切換スイッチ42dを手動変速に切り換えた場合、変速レバー42eで設定された変速段(変速レベル)に応じて主変速部5c及び副変速部5dのいずれかを自動的に切り換え、変速装置5の変速段を変更する。
【0030】
制御装置40は、アクセル42fが操作された場合、当該アクセル42fの操作量に応じて原動機4の回転数(原動機回転数という)を変更することで、機体3の車速(速度)を変更する。制御装置40は、ポンパスイッチ42gが上昇させる方向(上昇側)に操作された場合、制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを伸長させ、リフトアーム8aの後端部(作業装置2側の端部)を上昇させる。制御装置40は、ポンパスイッチ42gが下降させる方向(下降側)に操作された場合、制御弁34を制御することでリフトシリンダ8eを収縮させ、リフトアーム8aの後端部(作業装置2側の端部)を下降させる。なお、制御装置40は、昇降装置8によって作業装置2を上昇させている場合に、当該作業装置2の位置、即ち、リフトアーム8aの角度が上限設定ダイヤル42hで設定された上限(高さ上限値)に達すると、昇降装置8における上昇動作を停止する。
【0031】
トラクタ1は、複数の表示装置50を備えている。複数の表示装置50は、トラクタ1に関する様々な情報を表示する装置である。複数の表示装置50は、運転席10の周囲に設定されていて、当該運転席10に着座した作業者(オペレータ)が表示した情報を確認することが可能である。複数の表示装置50は、メータ表示装置50Aと、ターミナル表示装置50Bと、認証表示装置50Cとである。メータ表示装置50Aは、運転席10の前方で且つハンドル11aの前方に配置された表示装置であって、少なくとも運転に関する運転(運転情報)を表示する。ターミナル表示装置50Bは、メータ表示装置50Aとは異なる表示装置であって、例えば、運転席10の前方又は側方に配置されている。ターミナル表示装置50Bは、少なくともトラクタ1の設定に関する情報を表示する。認証表示装置50Cは、運転席10の周囲に配置されていて、認証情報を表示する表示装置である。なお、説明の便宜上、メータ表示装置50Aを「表示装置50A」、ターミナル表示装置50Bを「表示装置50B」、認証表示装置50Cを「表示装置50C」ということがある。トラクタ1は、表示装置50A、表示装置50B、表示装置50Cの全ての表示装置を有する必要はなく、表示装置の台数は任意に変更が可能である。
【0032】
表示装置50Bは、指によるタッチ操作や操作具57による操作具操作によって操作することが可能である。操作具57は、例えば、押圧することが可能な回転式のセレクタスイッチである。
表示装置50Bは、情報を表示する表示部55と、表示を制御する表示制御部56とを有している。表示部55は、液晶、有機ELのパネル等で構成されている。表示制御部56は、CPU、電気・電子部品等から構成されている。表示制御部56は、表示装置50Bにおける様々な処理を行う装置であり、例えば、パネル等の表示部55を制御することで、表示部55上に様々な情報を表示させる。以降、表示部55の表示は、表示制御部56が制御するとして説明を進める。
【0033】
図2は、表示装置50Bの起動後の画面であって、起動後に当該表示装置50Bに対して所定の操作を行った設定閲覧画面(第1画面)M1を示している。表示装置50Bは、設定閲覧画面M1において、複数の設定ボックス61を表示する。
図3Aは、設定閲覧画面M1に表示可能な複数の設定ボックス61の一覧を示している。まず、設定ボックス61について詳しく説明する。
図3Aに示すように、複数の設定ボックス61は、それぞれトラクタ1の設定に関する設定情報を表示するボックスであって、第1設定ボックス61a、第2設定ボックス61b、第3設定ボックス61c、第4設定ボックス61d、第5設定ボックス61e、第6設定ボックス61f、第7設定ボックス61g、第8設定ボックス61h、第9設定ボックス61iを含んでいる。
【0034】
第1設定ボックス61aは、設定情報として原動機回転数の上限値(上限回転数)を示すボックス、第2設定ボックス61bは、設定情報として車速の上限値を示すボックス、第3設定ボックス61cは、設定情報として第1原動機回転数を示すボックス、第4設定ボックス61dは、設定情報として第2原動機回転数を示すボックス、第5設定ボックス61eは、設定情報として第1車速を示すボックス、第6設定ボックス61fは、設定情報として第2の車速を示すボックス、第7設定ボックス61gは、設定情報として作業装置2の上限位置(高さ上限値)を示すボックス、第8設定ボックス61hは、作業装置2の下降時におけるPTO軸の回転開始の作業装置2の高さ(回転開始高さ)を示すボックス、第9設定ボックス61iは、作業装置2の上昇時におけるPTO軸の回転停止の作業装置2の高さ(回転停止高さ)を示すボックスである。
【0035】
複数の設定ボックス61のそれぞれは、設定項目を表示する項目表示部53と、項目表示部53に対応する設定情報を表示する設定表示部62とを含んでいる。
第1設定ボックス61aの項目表示部53は、原動機回転数の上限値が設定項目であることを示すアイコン(第1設定アイコン)68aを表示する。第1設定ボックス61aの設定表示部62は、上限回転数を数字(文字)で表示する。
【0036】
第2設定ボックス61bの項目表示部53は、車速の上限値が設定項目であることを示すアイコン(第2設定アイコン)68bを表示する。第2設定ボックス61bの設定表示部62は、車速の上限値を数字で表示する。第3設定ボックス61cの項目表示部53は、第1原動機回転数が設定項目であることを示すアイコン(第3設定アイコン)68cを表示する。第3設定ボックス61cの設定表示部62は、第1原動機回転数を数字で表示する。第4設定ボックス61dの項目表示部53は、第2原動機回転数が設定項目であることを示すアイコン(第4設定アイコン)68dを表示する。第4設定ボックス61dの設定表示部62は、第2原動機回転数を数字で表示する。第5設定ボックス61eの項目表示部53は、第1車速が設定項目であることを示すアイコン(第5設定アイコン)68eを表示する。第5設定ボックス61eの設定表示部62は、第1車速を数字で表示する。第6設定ボックス61fの項目表示部53は、第2の車速が設定項目であることを示すアイコン(第6設定アイコン)68fを表示する。第6設定ボックス61fの設定表示部62は、第2の車速を数字で表示する。
【0037】
第7設定ボックス61gの項目表示部53は、作業装置2の高さ上限値が設定項目であることを示すアイコン(第7設定アイコン)68gを表示する。第7設定ボックス61gの設定表示部62は、作業装置2の高さ上限値を数字で表示する。第8設定ボックス61hの項目表示部53は、回転開始高さが設定項目であることを示すアイコン(第8設定アイコン)68hを表示する。第8設定ボックス61hの設定表示部62は、回転開始高さを数字で表示する。第9設定ボックス61iの項目表示部53は、回転停止高さが設定項目であることを示すアイコン(第9設定アイコン)68iを表示する。第9設定ボックス61iの設定表示部62は、回転停止高さを数字で表示する。
【0038】
表示装置50Bは、設定閲覧画面M1において、複数の閲覧ボックス63を表示する。
図3Bは、設定閲覧画面M1に表示可能な複数の閲覧ボックス63の一覧を示している。まず、設定ボックス63について詳しく説明する。
図3Bに示すように、複数の閲覧ボックス61は、それぞれトラクタ1の状態に関する状態情報を表示するボックスであって、第1閲覧ボックス63a、第2閲覧ボックス63b、第3閲覧ボックス63c、第4閲覧ボックス63d、第5閲覧ボックス63e、第6閲覧ボックス63f、第7閲覧ボックス63g、第8閲覧ボックス63hを含んでいる。
【0039】
第1閲覧ボックス63aは、状態情報として現在の車速を示すボックス、第2閲覧ボックス63bは、状態情報として現在の原動機回転数を示すボックス、第3閲覧ボックス63cは、状態情報として現在のPTO回転数を示すボックス、第4閲覧ボックス63dは、状態情報として作業装置2の高さを示すボックス、第5閲覧ボックス63eは、状態情報として蓄電池の電圧を示すボックス、第6閲覧ボックス63fは、状態情報として燃料の残量を示すボックス、第7閲覧ボックス63gは、状態情報として時間当たりの消費燃料を示すボックス、第8閲覧ボックス63hは、現在の水温を示すボックスである。
【0040】
複数の閲覧ボックス63のそれぞれは、閲覧項目を表示する項目表示部65と、項目表示部65に対応する状態情報を表示する状態表示部66とを含んでいる。
第1閲覧ボックス63aの項目表示部65は、現在の車速が閲覧項目であることを示すアイコン(第1閲覧アイコン)69aを表示する。第1閲覧ボックス63aの状態表示部66は、速度センサ41hが検出した車速を現在の車速として数字で表示する。
【0041】
第2閲覧ボックス63bの項目表示部65は、現在の原動機回転数が閲覧項目であることを示すアイコン(第2閲覧アイコン)69bを表示する。第2閲覧ボックス63bの状態表示部66は、原動機回転センサ(回転センサ)41cが検出した回転数を現在の原動機回転数として数字で表示する。
第3閲覧ボックス63cの項目表示部65は、現在のPTO回転数が閲覧項目であることを示すアイコン(第3閲覧アイコン)69cを表示する。第3閲覧ボックス63cの状態表示部66は、PTO回転センサ(回転センサ)41iが検出した回転数を現在のPTO回転数として数字で表示する。第4閲覧ボックス63dの項目表示部65は、作業装置2の高さが閲覧項目であることを示すアイコン(第4閲覧アイコン)69dを表示する。第4閲覧ボックス63dの状態表示部66は、角度センサ41fが検出した角度(高さ)を数字で表示する。
【0042】
第5閲覧ボックス63eの項目表示部65は、蓄電池の電圧が閲覧項目であることを示すアイコン(第5閲覧アイコン)69eを表示する。第5閲覧ボックス63eの状態表示部66は、バッテリセンサ41jが検出した電圧を数字で表示する。第6閲覧ボックス63fの項目表示部65は、燃料の残量が閲覧項目であることを示すアイコン(第6閲覧アイコン)69fを表示する。第6閲覧ボックス63fの状態表示部66は、燃料センサ41bが検出した燃料の残量を数字で表示する。
【0043】
第7閲覧ボックス63gの項目表示部65は、時間当たりの消費燃料が閲覧項目であることを示すアイコン(第7閲覧アイコン)69gを表示する。第7閲覧ボックス63gの状態表示部66は、時間当たりの消費燃料を数字で表示する。第8閲覧ボックス63hの項目表示部65は、現在の水温が閲覧項目であることを示すアイコン(第8閲覧アイコン)69hを表示する。第8閲覧ボックス63hの状態表示部66は、水温センサ41aで検出された水温を現在の水温として数字で表示する。
【0044】
さて、
図2に示すように、表示装置50B(表示制御部56)は、設定閲覧画面M1において、ボックス(設定ボックス61、閲覧ボックス63)を表示する領域R1を設定し、領域R1に、縦にn個、横にm個のボックスを表示する。この実施形態では、表示装置50Bは、縦に5個、横に2個の合計10個のボックスを設定閲覧画面M1に表示する。設定閲覧画面M1に表示した設定ボックス61は、選択することが可能である。例えば、設定閲覧画面M1の設定ボックス61を指でタッチしたり、操作具57の回転操作及び押圧操作を行うことにより設定ボックス61を選択することができる。
【0045】
また、表示装置50B(表示制御部56)は、設定閲覧画面M1において、領域R1とは異なる領域R2に設定入力部67を表示する。即ち、表示装置50Bは、設定閲覧画面M1において、設定ボックス61とは別に設定入力部67を表示する。
設定入力部67は、複数の設定ボックス61の項目表示部53に示された設定項目に対応する設定情報の入力を行う部分である。設定入力部67は、目盛部67aと、指標部67bと、数値表示部67cを含んでいる。目盛部67a、指標部67b及び数値表示部67cは、横方向に一列に並んでいる。
【0046】
目盛部67aは、設定情報における設定値(数値)の大きさを示す目盛であって、例えば、縦棒(ゲージ)を横方向に複数並べることにより構成されている。目盛部67aにおいて、縦棒の並列方向の一方側、例えば、左側が最小値であり、並列方向の他方、例えば、右側が最大値である。指標部67bは、設定情報、即ち、設定値を目盛部67aに対して指し示す部分であって、縦棒の並列方向に沿って移動可能である。指標部67bは、目盛部67a上を指でタッチしたり(タッチ操作)、操作具57の回転操作及び押圧操作によって目盛部67aに沿って移動させることができる。
図2に示すように、現在の設定値が「設定A」である場合、「設定A」よりも左側に指標部67bを移動させることで、設定値を小さくでき、「設定値A」よりも右側に指標部67bを移動させることで設定値を大きくすることができる。
【0047】
数値表示部67cは、指標部67bによって指示した値(設定値)を数字で表示する部分である。なお、設定入力部67は、設定決定ボタン67dを含んでいることが好ましい。設定入力部67が設定決定ボタン67dを含んでいる場合は、設定決定ボタン67dが選択されると、指標部67bに指示された値が設定値として決定される。
さて、設定入力部67は、設定閲覧画面M1に表示された複数の設定ボックス61における設定情報を入力することが可能である。設定閲覧画面M1に表示された複数の設定ボックス61のうち、任意の設定ボックス61が選択されると、設定入力部67は、選択された設定ボックス61である選択ボックスに対応する設定情報の入力を可能とする。
図2に示すように、設定閲覧画面M1において、第1設定ボックス61a、第2設定ボックス61b、第3設定ボックス61c、第4設定ボックス61d、第5設定ボックス61e、第6設定ボックス61fを表示している状況下において、第1設定ボックス61aが選択されると、第1設定ボックス61aが選択ボックスとして認識され、第1設定ボックス61aの設定項目である原動機回転数の上限値が、設定入力部67によって入力することができる。設定閲覧画面M1において、第2設定ボックス61b、第3設定ボックス61c、第4設定ボックス61d、第5設定ボックス61e及び第6設定ボックス61fのいずれかが選択されると、選択された選択ボックス(第2設定ボックス61b、第3設定ボックス61c、第4設定ボックス61d、第5設定ボックス61のいずれか)の設定情報を入力することができる。つまり、設定入力部67は、設定閲覧画面M1に表示された複数の設定ボックス61において、それぞれの設定ボックス61の入力インタフェースを共用化した部分である。
【0048】
以上によれば、第2設定ボックス61bを選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、車速の上限値を設定することができる。第3設定ボックス61cの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、第1原動機回転数を設定することができる。第4設定ボックス61dの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、第2原動機回転数を設定することができる。第5設定ボックス61eの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、第1車速を設定することができる。第6設定ボックス61fの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、第2車速を設定することができる。第7設定ボックス61gの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、高さ上限値を設定することができる。第8設定ボックス61gの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、回転開始高さを設定することができる。第9設定ボックス61iの選択後に設定入力部67に設定値を入力すると、回転停止高さを設定することができる。なお、後述するように、回転開始高さ及び回転停止高さは、別の画面でも設定することができる。
【0049】
上述したように、設定閲覧画面M1において設定した設定値(原動機回転数の上限値、車速の上限値、第1原動機回転数、第2原動機回転数、第1車速、第2車速、高さ上限値、回転開始高さ、回転停止高さ)は、
図1Cに示すように、不揮発性のメモリ等から構成された記憶部51に記憶される。なお、この実施形態では、記憶部51は、表示装置50Bに設けられているが、制御装置40に設けてもよいし、表示装置50B及び制御装置40の両方に設けてもよい。
【0050】
さて、設定入力部67は、複数の設定ボックス61のうち、選択された選択ボックスにおける設定情報の入力(受付)ができない場合に設定情報の入力(受付)が行えないインアクティブ状態となる。例えば、トラクタ1が駆動していてトラクタ1を停止しなければ、選択ボックスの設定情報の入力(受付)が許可されない場合、所定の条件下において選択ボックスの設定情報の変更が許可されていない場合など、制御装置40及び表示装置50Bのいずれかが設定ボックス61における設定情報の変更を許可しない場合は、設定入力部67はインアクティブ状態となる。設定入力部67は、インアクティブ状態である場合、少なくとも目盛部67aに対して指標部67bを移動させることができない。一方、設定入力部67は、複数の設定ボックス61のうち、選択された選択ボックスにおける設定情報の受付(入力)ができる場合に設定情報の入力(受付)が行えるアクティブ状態となる。設定入力部67は、アクティブ状態である場合、目盛部67aに対して指標部67bを移動させることができる。
【0051】
表示装置50Bは、設定入力部67をアクティブ状態にする場合と、インアクティブ状態とで表示形態を異ならせる。
図4A~
図4Cは、表示形態として輝度を異ならせた状態を示している。
図4A~
図4Cにおいて、ハッチングの間隔は輝度の大きさを示していて間隔が狭いほど、輝度は小さい。
図4Aに示すように、例えば、表示装置50Bは、設定入力部67をアクティブ状態にする場合には、当該設定入力部67の輝度を、設定閲覧画面M1に表示した設定ボックス61と同じに設定する(ハッチング無し)。
図4Bに示すように、表示装置50Bは、設定入力部67をインアクティブ状態にする場合には、当該設定入力部67の輝度を、設定閲覧画面M1に表示した設定ボックス61よりも低くする(ハッチング有り)。つまり、設定入力部67は、アクティブ状態である場合には輝度をインアクティブ状態の輝度よりも高くする。
【0052】
図4Cに示すように、表示装置50Bは、設定入力部67をインアクティブ状態にする場合は、目盛部67a、指標部67b及び数値表示部67cを表示する領域R2の輝度を領域R1の輝度よりも低く設定し(ハッチング有り)、設定入力部67をアクティブ状態にする場合は、領域R2の輝度を領域R1の輝度と略同じに設定する(ハッチング無し)。このとき、設定入力部67は、インアクティブ状態であっても現在の設定情報(数値表示部67cの設定値)を確認することができる。ここで、設定入力部67の輝度、即ち、領域R2の輝度は変更可能である。
図5に示すように、所定の操作を行い表示装置50Bに輝度設定画面(第2画面)M2を表示する。輝度設定画面M2では、少なくとも設定入力部67(領域R2)の輝度を設定可能である。
図6に示すように、設定入力部67(領域R2)の輝度を変更することにより、設定入力部67におけるインアクティブ状態の表示形態を変更することができる。
【0053】
作業機の表示装置50Bは、作業機1に関する設定項目を表示する項目表示部53と、設定項目の設定情報を表示する設定表示部62とを含む設定ボックス61であって、画面に表示される複数の設定ボックス61と、複数の設定ボックス61とは別に、複数の設定ボックス61の設定項目に対応する設定情報の入力を行う設定入力部67と、を備えている。これによれば、複数の設定ボックス61に対応する設定入力部67が設けられているため、画面に対する設定情報を入力する設定入力部67のスペース(割合)を小さくすることができ、より多くの設定ボックス61を画面に表示することができる。
【0054】
設定入力部67は、複数の設定ボックス61のうち、選択された設定ボックス61である選択ボックスに対応する設定情報の入力を行う。これによれば、設定ボックス61を選択した後に、設定入力部67に設定情報を入力することで、複数の設定ボックス61の中から選択した設定ボックス61に対応する設定情報を変更することができる。
設定入力部67は、選択ボックス61における設定情報の受付ができる場合に、設定情報の受付が行えるアクティブ状態となり、選択ボックス61における設定情報の受付ができない場合に、設定情報の受付が行えないインアクティブ状態となる。これによれば、設定ができる状態、即ち、設定情報の受付ができる状態だけアクディブ状態になるため、不用意な設定を防止することができる。
【0055】
設定入力部67は、アクティブ状態とインアクティブ状態とで表示形態を異ならせる。作業者(オペレータ)等が、設定入力部67の状態を見るだけで、設定ボックス61の設定情報の設定が行えるか否かを簡単に把握することができる。
設定入力部67は、表示形態として、アクティブ状態である場合には表示の輝度をインアクティブ状態の輝度よりも高くする。これによれば、表示の輝度によってアクディブ状態であるかインアクディブ状態であるかを簡単に把握することができる。
【0056】
設定入力部67は、インアクティブ状態である場合に、現在の設定情報を表示する。これによれば、インアクディブ状態で設定が行えない所定の選択ボックス61においても、当該所定の選択ボックス61の現在の設定情報を確認することができる。
設定入力部67は、設定情報の目盛を示す目盛部67aと、設定された設定情報を目盛部67aに対応付けて指し示す指標部67bと、を含んでいる。これによれば、目盛部67aと指標部67bとの関係によって、設定情報の値の設定が行い易い。
【0057】
さて、表示装置50Bは、設定閲覧画面M1に表示する複数のボックス(設定ボックス61、閲覧ボックス63)を変更可能である。以下、設定閲覧画面M1に表示する複数のボックスの設定について詳しく説明する。
設定閲覧画面M1に表示する複数のボックスの設定は、設定ボックス61を識別する第1識別情報の選択と、閲覧ボックス63を識別する第2識別情報の選択とにより行う。
【0058】
図1Bに示すように、表示装置50Bの記憶部51は、複数の設定ボックス61のそれぞれを識別する複数の第1識別情報と、複数の閲覧ボックス63のそれぞれを識別する複数の第2識別情報とを記憶している。
図3に示すように、記憶部51は、複数の設定ボックス61の第1識別情報として、それぞれの設定ボックス61を示すアイコン(シンボルマーク)を記憶している。例えば、記憶部51は、第1識別情報として、第1設定ボックス61aを識別する第1設定アイコン68a、第2設定ボックス61bを識別する第2設定アイコン68b、第3設定ボックス61cを識別する第3設定アイコン68c、第4設定ボックス61dを識別する第4設定アイコン68d、第5設定ボックス61eを識別する第5設定アイコン68e、第6設定ボックス61fを識別する第6設定アイコン68f、第7設定ボックス61gを識別する第7設定アイコン68g、第8設定ボックス61hを識別する第8設定アイコン68h、第9設定ボックス61iを識別する第9設定アイコン68iを記憶している。
【0059】
また、記憶部51は、複数の閲覧ボックス63の第2識別情報として、それぞれの閲覧ボックス63を示すアイコン(シンボルマーク)を記憶している。例えば、記憶部51は、第2識別情報として、第1閲覧ボックス63aを識別する第1閲覧アイコン69a、第2閲覧ボックス63bを識別する第2閲覧アイコン69b、第3閲覧ボックス63cを識別する第3閲覧アイコン69c、第4閲覧ボックス63dを識別する第4閲覧アイコン69d、第5閲覧ボックス63eを識別する第5閲覧アイコン69e、第6閲覧ボックス63fを識別する第6閲覧アイコン69f、第7閲覧ボックス63gを識別する第7閲覧アイコン69g、第8閲覧ボックス63hを識別する第8閲覧アイコン69hを記憶している。
【0060】
表示装置50Bは、第1設定部52aと、第2設定部52bとを有している。第1設定部52a及び第2設定部52bは、表示装置50B(表示制御部56)に格納されたプログラム、電気・電子部品等から構成されている。第1設定部52aは、複数の第1識別情報、即ち、複数の設定アイコン(第1設定アイコン68a、第2設定アイコン68b、第3設定アイコン68c、第4設定アイコン68d、第5設定アイコン68e、第6設定アイコン68f、第7設定アイコン68g、第8設定アイコン68h、第9設定アイコン68i)のうち、任意の第1識別情報(アイコン)を選択させる。
【0061】
第2設定部52bは、複数の第2識別情報、即ち、複数の設定アイコン(第1閲覧アイコン69a、第2閲覧アイコン69b、第3閲覧アイコン69c、第4閲覧アイコン69d、第5閲覧アイコン69e、第6閲覧アイコン69f、第7閲覧アイコン69g、第8閲覧アイコン69h)のうち、任意の第2識別情報(アイコン)を選択させる。
図7A、
図7Bに示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、登録画面(第3画面)M3を表示する。登録画面M3には、設定項目のラベル70aと、閲覧項目のラベル70bとが表示される。
図7Aに示すように、設定項目のラベル70aが選択されると、第1設定部52aは記憶部51を参照し、記憶部51に記憶された複数の設定ボックス61に対応する複数の設定アイコン68a~68iを呼び出す。また、第1設定部52aは、ラベル70aに続く枠内L1に、呼び出した複数の設定アイコン68a~68iを表示する。また、第1設定部52aは、登録画面M3(枠内L1)に表示した複数の設定アイコン68a~68iのうち、任意のアイコンの受付を行う。例えば、第1設定部52aは、登録画面M3上において、複数の設定アイコン68a~68iのいずれかが選択されると、選択された設定アイコンを受け付ける。第1設定部52aは、当該第1設定部52aが受け付けた設定アイコンに、受付が完了している旨の表示を行う。第1設定部52aが第1設定アイコン68a、第2設定アイコン68b、第3設定アイコン68c、第4設定アイコン68dの選択を受け付けた場合、受付が完了している旨の表示として、選択した設定アイコンに重ねてマーク部71を表示する。なお、登録画面M3において、複数の設定アイコンの選択後の最終的な決定は、当該登録画面M3に表示された設定ボタン73aで行う。また、複数の設定アイコンの選択時には、設定アイコンが何を意味しているかをメッセージ部73bで表示することができる。また、初期設定ボタン73cを選択することによって、予めデフォルトで決められた複数の設定アイコンを自動的に選択することが可能である。
【0062】
以上のように、第1設定部52aによって複数の設定アイコンの中から、任意の設定アイコンを選択すると、選択された任意の設定アイコンに対応する設定ボックス61が、設定閲覧画面M1に表示する設定ボックス61として登録される。つまり、第1設定部52aによって受付が完了している設定アイコンに対応する設定ボックス61が設定閲覧画面M1に表示する設定ボックス61として保持される。
【0063】
図7Bに示すように、閲覧項目のラベル70bが選択されると、第2設定部52bは記憶部51を参照し、記憶部51に記憶された複数の閲覧ボックス63に対応する複数の閲覧アイコン69a~69hを呼び出す。また、第2設定部52bは、ラベル70bに続く枠内L2に、呼び出した複数の閲覧アイコン69a~69hを表示する。また、第2設定部52bは、登録画面M3(枠内L2)に表示した複数の閲覧アイコン69a~69hのうち、任意のアイコンの受付を行う。例えば、第2設定部52bは、登録画面M3上において、複数の閲覧アイコン69a~69hのいずれかが選択されると、選択された閲覧アイコンを受け付ける。第2設定部52bは、当該第2設定部52bが受け付けた閲覧アイコンに、受付が完了している旨の表示を行う。第2設定部52bが第1閲覧アイコン69a、第2閲覧アイコン69b、第3閲覧アイコン69c、第4閲覧アイコン69dの選択を受け付けた場合、受付が完了している旨の表示として、選択したアイコンに重ねてマーク部71を表示する。なお、登録画面M3において、複数の閲覧アイコンの選択後の最終的な決定は、当該登録画面M3に表示された設定ボタン73aで行う。また、複数の閲覧アイコンの選択時には、閲覧アイコンが何を意味しているかをメッセージ部73bで表示することができる。また、初期設定ボタン73cを選択することによって、予めデフォルトで決められた複数の閲覧アイコンを自動的に選択することが可能である。
【0064】
以上のように、第2設定部52bによって複数の閲覧アイコンの中から、任意の閲覧アイコンを選択すると、選択された任意の閲覧アイコンに対応する閲覧ボックス63が、設定閲覧画面M1に表示する閲覧ボックス63として登録される。つまり、第2設定部52bによって受付が完了している閲覧アイコンに対応する閲覧ボックス63が設定閲覧画面M1に表示する閲覧ボックス63として保持される。
【0065】
表示装置50B(表示部55)は、複数の設定ボックス61のうち第1設定部52aにより選択された任意の第1識別情報に対応する設定ボックス61と、複数の閲覧ボックスのうち第2設定部52bにより選択された任意の第2識別情報に対応する閲覧ボックス63とを設定閲覧画面M1に表示する。
図8A、
図8Bは、登録画面M3において、アイコン(第1識別情報、第2識別情報)を選択した状態を示している。登録画面M3において、マーク部71に示した数値(1,2,3・・・)は、アイコンを選択した順番を示している。
図2は、
図8Aの登録画面M3にてアイコンを選択した場合の設定閲覧画面M1を示し、
図9は、
図8Bの登録画面M3にてアイコンを選択した場合の設定閲覧画面M1を示している。
【0066】
図8Aに示すように、登録画面M3において、第2閲覧アイコン69b、第3閲覧アイコン69c、第1閲覧アイコン69a、第4閲覧アイコン69d、第1設定アイコン68a、第2設定アイコン68b、第3設定アイコン68c、第4設定アイコン68d、第5設定アイコン68e、第6設定アイコン68fの順にアイコンが選択されたとする。設定閲覧画面M1には、
図8Aで選択されたアイコンの順番に、第2閲覧ボックス63b、第3閲覧ボックス63c、第1閲覧ボックス63a、第4閲覧ボックス63d、第1設定ボックス61a、第2設定ボックス61b、第3設定ボックス61c、第4設定ボックス61d、第5設定ボックス61e、第6設定ボックス61fが表示される。これによれば、
図2に示すように、表示装置50B(表示部55)は、設定閲覧画面M1に、設定ボックス61と閲覧ボックス63とを分けて配置することができる。
【0067】
図8Bに示すように、登録画面M3において、第1閲覧アイコン69a、第2閲覧アイコン69b、第3設定アイコン68c、第4設定アイコン68d、第3閲覧アイコン69c、第2閲覧アイコン69d、第5設定アイコン68e、第6設定アイコン68f、第1設定アイコン68a、第2設定アイコン68bを順に選択することができる。これによれば、
図9に示すように、表示装置50B(表示部55)は、設定閲覧画面M1において、設定ボックス61と閲覧ボックス63との順番を混在して配置することができる。
【0068】
上述したように、表示装置50Bは、検出装置41で検出した検出情報(検出値)を、トラクタ1の状態情報として、閲覧ボックス63によって表示している。閲覧ボックス63は、予め定められた条件に対応する検出値を表示してもよい。
図10に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、条件を設定する条件設定画面(第4画面)M4を表示する。条件設定画面M4には、複数の閲覧ボックス63と、条件設定部72とが表示される。条件設定部72は、複数の閲覧ボックス63毎に条件を設定することが可能な部分である。例えば、条件設定画面M4において、閲覧ボックス63と条件設定部72とを選択すると、選択された閲覧ボックス63は、条件設定部72で示された条件に対応する検出情報を、トラクタ1の状態として表示する。
【0069】
具体的には、条件設定部72は、第1条件部72aと、第2条件部72bと、第3条件部72cと、第4条件部72dとを含んでいる。第1条件部72aは、トラクタ1がどのような状態であっても検出装置41で検出した検出値を、閲覧ボックス63に表示するという条件を示している。第2条件部72bは、トラクタ1が走行している状態(車速が検出されている状態)において、検出装置41で検出した検出値を保持して、保持した検出値を閲覧ボックス63に表示するという条件を示している。第3条件部72cは、トラクタ1の昇降装置8が昇降動作をしている状態(作業装置2が昇降している状態)において、検出装置41で検出した検出値を保持し、保持した検出値を閲覧ボックス63に表示するという条件を示している。第4条件部72dは、トラクタ1のPTO軸16が回転している状態(PTO回転数が検出されている状態)において、検出装置41で検出した検出値を保持し、保持した検出値を閲覧ボックス63に表示するという条件を示している。言い換えれば、第1条件部72a、第2条件部72b、第3条件部72c及び第4条件部72dは検出値を保持する条件を示している。
【0070】
例えば、条件設定画面M4において、第1閲覧ボックス63aと第3条件部72cとが選択された場合、昇降装置8が昇降動作している状況下において、速度センサ41hで検出された車速(検出値)を保持し、保持された車速を第1閲覧ボックス63aに表示する。また、第3閲覧ボックス63cと第1条件部72aとが選択された場合、トラクタ1が走行している状況下において、PTO回転センサ41iで検出されたPTO回転数(検出値)を保持し、トラクタ1の状態として第3閲覧ボックス63cに表示する。
【0071】
上述した実施形態では、登録画面M3において、複数の設定アイコン、複数の閲覧アイコンを任意に選択することによって、設定閲覧画面M1には、登録画面M3で選択したアイコンの順番に、設定ボックス61、閲覧ボックス63が表示されるが、これに加えて、登録画面M3でアイコンを設定した後に、設定閲覧画面M1に表示したボックス(設定ボックス61、閲覧ボックス63)の位置を自動で並べ替えができるようにしてもよい。
図2に示すように、設定閲覧画面M1において、例えば、整理ボタン202a、202b、202c、202d、202eを表示する。整理ボタン202aが選択されると、設定閲覧画面M1の左側に設定ボックス61が整列し、右側に閲覧ボックス63が整列する。整理ボタン202bが選択されると、設定閲覧画面M1の右側に設定ボックス61が整列し、左側に閲覧ボックス63が整列する。整理ボタン202cが選択されると、設定閲覧画面M1の上側に設定ボックス61が整列し、下側に閲覧ボックス63が整列する。整理ボタン202dが選択されると、設定閲覧画面M1の下側に設定ボックス61が整列し、上側に閲覧ボックス63が整列する。整理ボタン202eが選択されると、設定閲覧画面M1の任意の位置に、設定ボックス61及び閲覧ボックス63がランダムに配置される。なお、設定ボックス61と閲覧ボックス63との数が異なる場合、例えば、画面の対角側にボックスをシフトするなど、所定のボックスを空きのあるスペースに詰める。
【0072】
作業機の表示装置50Bは、作業機に関する設定情報を表示する複数の設定ボックス61のそれぞれを識別する複数の第1識別情報と、作業機の状態を表示する複数の閲覧ボックス63のそれぞれを識別する複数の第2識別情報とを記憶する記憶部51と、複数の第1識別情報のうち、任意の第1識別情報を選択させる第1設定部52aと、複数の第2識別情報のうち、任意の第2識別情報を選択させる第2設定部52bと、複数の設定ボックス61のうち第1設定部52aにより選択された任意の第1識別情報に対応する設定ボックス61と、複数の閲覧ボックス63のうち第2設定部52bにより選択された任意の第2識別情報に対応する閲覧ボックス63とを表示する表示部55と、を備えている。表示部55は、設定ボックス61と閲覧ボックス63とを表示可能である。これによれば、第1設定部52aによって複数の第1識別情報のうち任意の第1識別情報を選択することができ、第2設定部52bによって複数の第2識別情報のうち任意の第2識別情報を選択することができる。その結果、選択された任意の第1識別情報に対応する設定ボックス61と、選択された任意の第2識別情報に対応する閲覧ボックス63とを表示することができる。つまり、作業機の設定に関する設定情報及び作業機の状態を表示することができる構成でありながら、表示部55に表示する設定情報と作業機の状態とを任意に変更することができる。
【0073】
第1設定部52aは、登録画面M3において、複数の第1識別情報を表示し且つ表示された複数の第1識別情報の任意の受付を行い、第2設定部52bは、登録画面M3において、複数の第2識別情報を表示し且つ表示された複数の第2識別情報の任意の受付を行い、表示部55は、第1設定部52aにより受付された第1識別情報に対応する任意の設定ボックス61と、第2設定部52bにより受付された第2識別情報に対応する任意の閲覧ボックス63とを表示する。これによれば、登録画面M3において、簡単に複数の第1識別情報と、複数の第2識別情報との任意の受付を行うことができる。
【0074】
表示部55は、複数の第1識別情報のうち、第1設定部52aが受け付けた第1識別情報に受付が完了している旨の表示を行い、複数の第2識別情報のうち、第2設定部52bが受け付けた第2識別情報に受付が完了している旨の表示を行う。これによれば、表示しようとする設定ボックス61、閲覧ボックス63の受け付けが行われたかを簡単に把握することができる。
【0075】
設定ボックス61は、作業機に関する設定項目を表示する項目表示部53と、設定項目に対応する設定情報を表示する設定表示部62とを含み、閲覧ボックス63は、作業機に関する閲覧項目を表示する項目表示部65と、閲覧項目に対応する作業機の状態を表示する状態表示部66とを含んでいる。これによれば、設定ボックス61を見るだけで設定項目と設定情報との関係が把握し易く、閲覧ボックス63を見るだけで閲覧項目と作業機の状態との関係を把握し易い。
【0076】
複数の閲覧ボックス63は、予め設定された条件に対応する作業機の状態を表示する。これによれば、予め設定された条件における作業機の状態を確認することができる。
表示装置50Bは、複数の閲覧ボックス63毎に、条件を設定可能な条件設定部72を有している。これによれば、閲覧ボックス63毎、即ち、閲覧項目毎に条件を設定することができ、作業機の様々な条件に対応した状態を表示することができる。
【0077】
さて、表示装置50Bは、設定情報に基づいて作動する作動部(第1作動部)の動作状態を表示可能である。作動部は、トラクタ1(走行車両3)に設けられている。この実施形態は、作動部(第1作動部)は、姿勢変更装置25であるとして説明を進める。
まず、姿勢変更装置25の設定情報の設定と、姿勢変更装置25の動作について説明する。
【0078】
図11に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、姿勢設定画面(第5画面)M5を表示する。表示装置50Bは、姿勢設定画面M5において、モード設定部80を表示する。
モード設定部80は、第1モードボタン80aと、第2モードボタン80bと、第3モードボタン80cとを含んでいる。第1モードボタン80a、第2モードボタン80b及び第3モードボタン80cは、タッチ操作や操作具57の操作により選択可能である。第1モードボタン80aは、選択された場合、位置モード(固定モード)に設定する。第2モードボタン80bは、選択された場合、水平モードに設定する。第3モードボタン80cは、選択された場合、傾斜モードに設定する。
【0079】
位置モードである場合、制御装置40は、制御弁25bに制御信号を出力することで、変更シリンダ25aの長さを予め定められた長さに固定する。即ち、姿勢変更装置25で設定される作業装置2の幅方向の角度(水平に対するロアリンク8aとロアリンク8bとを結ぶ直線の角度)を固定する。水平モードである場合、制御装置40は、制御弁25bに制御信号を出力することで、変更シリンダ25aを伸縮させ、姿勢変更装置25で設定される作業装置2を水平に維持する。傾斜モードである場合、制御装置40は、制御弁25bに制御信号を出力することで、変更シリンダ25aを伸縮させ、姿勢変更装置25で設定される作業装置2を圃場(地面)に平行に維持する。
【0080】
表示装置50Bは、姿勢設定画面M5において、複数の圃場選択部81を表示する。複数の圃場選択部81もタッチ操作や操作具57の操作により選択可能であって、設定情報(設定値)が示されている。複数の圃場選択部81における設定値は、変更シリンダ25aを伸縮させる際の応答性を示す値であって、例えば、伸縮動作の応答性(制御ゲイン)の値である。複数の圃場選択部81において、設定値が大きいほど、変更シリンダ25aの応答性が高く(敏感に動く)、設定値が小さいほど、変更シリンダ25aの応答性が低い(鈍感に動く)。
【0081】
複数の圃場選択部81は、第1圃場選択部81aと、第2圃場選択部81bと、第3圃場選択部81cと、第4圃場選択部81dである。第1圃場選択部81aの設定値は、デフォルト値であって、当該第1圃場選択部81aが選択されるとデフォルト値に設定される。第2圃場選択部81bには、第1圃場(圃場A)に対応する設定値が示され、第3圃場選択部81cには、第2圃場(圃場B)に対応する設定値が示され、第4圃場選択部81dには、第3圃場(圃場C)に対応する設定値が示されている。第2圃場選択部81b、第3圃場選択部81c及び第4圃場選択部81dのいずれかを選択すると、選択された圃場選択部81の設定値が適用される。
【0082】
表示装置50Bは、姿勢設定画面M5において、設定入力部82を表示する。設定入力部82は、複数の圃場選択部81の設定値を変更(入力)する部分である。設定入力部82は、増加入力部82aと、減少入力部82bとを有している。増加入力部82aは、複数の圃場選択部81における設定値を増加させる部分である。減少入力部82bは、複数の圃場選択部81における設定値を減少させる部分である。具体的には、第2圃場選択部81b、第3圃場選択部81c及び第4圃場選択部81dのいずれかを選択した状態で、増加入力部82aを選択すると、選択された圃場選択部81の設定値が増加する。また、第2圃場選択部81b、第3圃場選択部81c及び第4圃場選択部81dのいずれかを選択した状態で、減少入力部82bを選択すると、選択された圃場選択部81の設定値が減少する。
【0083】
また、
図12に示すように、設定入力部82は、トラクタ1(機体3)の幅方向に対応していて、当該設定入力部82の左部がトラクタ1(機体3)の左部に対応し、当該設定入力部82の右部がトラクタ1(機体3)の右部に対応している。具体的には、設定入力部82の増加入力部82aがトラクタ1の右部に対応し、減少入力部82bがトラクタ1の左部に対応している。言い換えれば、増加入力部82aが作業装置2の右部に対応し、減少入力部82bが作業装置2の左部に対応している。
【0084】
表示装置50Bは、姿勢設定画面M5において、作動表示部83を表示する。作動表示部83は、設定入力部82に対応して設けられ且つ姿勢変更装置25の動作態様の表示を、トラクタ1の状態に基づいて変更する。作動表示部83は、演算装置によって演算された動作態様に基づいて表示を変更する。この実施形態は、演算装置は、制御装置40と兼用化されている。なお、演算装置と制御装置40とは別々であってもよい。
【0085】
以下、演算装置が制御装置40に兼用化されているとして、動作態様の演算及び動作態様の表示について説明する。
制御装置40(演算装置)は、検出装置41の1つである傾き検出装置41kの検出値に基づいて動作態様を演算する。傾き検出装置41kは、機体3に設けられていて、水平方向に対する機体3の傾きを検出する。制御装置40(演算装置)は、傾き検出装置41kで検出された傾きである状態で姿勢変更装置25を作動させた場合の当該姿勢変更装置25の動作態様を演算する。即ち、制御装置40(演算装置)は、傾き検出装置41kで検出された傾きである状態で、作業装置2の傾きを予め定められた方向に変更した場合の変更シリンダ25aの伸長及び収縮のいずれかの方向を動作態様として求める。
【0086】
図13Aに示すように、トラクタ1の右部がトラクタ1の左部よりも下がっている状態では、作業装置2も右部が左部よりも下がっている状態になる。ここで、水平モードによって作業装置2を水平に維持する場合、姿勢変更装置25の変更シリンダ25aを収縮し、作業装置2の右部を上昇させる。
図13Aのように、トラクタ1の右部が下がり(右下がり)であることを傾き検出装置41kで検出し且つ水平モードに設定されている場合は、制御装置40(演算装置)は、変更シリンダ25aを収縮する方向の動作態様を求める。
【0087】
したがって、制御装置40は、トラクタ1(作業装置2)の右部に対応する増加入力部82a側の作動表示部83に、変更シリンダ25aを収縮する旨を示す「縮」、即ち、収縮する方向を示す「縮」を表示させる。また、制御装置40は、トラクタ1(作業装置2)の左部に対応する減少力部82b側の作動表示部83には、変更シリンダ25aの「縮」と反対である「伸」を表示させる。
【0088】
また、
図13Bに示すように、トラクタ1(作業装置2)の左部がトラクタ1(作業装置2)の右部よりも下がっている状態において、水平モードにしている場合、姿勢変更装置25の変更シリンダ25aを伸長し、作業装置2の左部を上昇させる。
図13Bのように、トラクタ1(作業装置2)の左部が下がり(左下がり)であることを傾き検出装置41kで検出し且つ水平モードに設定されている場合は、制御装置40(演算装置)は、変更シリンダ25aを伸長する方向の動作態様を求める。
【0089】
したがって、制御装置40は、減少入力部82b側の作動表示部83に、変更シリンダ25aを伸長する旨を示す「伸」、即ち、伸長する方向を示す「伸」を表示させる。また、制御装置40は、トラクタ1(作業装置2)の右部に対応する増加入力部82a側の作動表示部83には、変更シリンダ25aの「伸」と反対である「縮」を表示させる。つまり、上述したように、作動表示部83は、トラクタ1の傾きに応じて伸長及び収縮のいずれかの方向を切り換えて表示を行う。
【0090】
さて、設定入力部82は、トラクタ1の状態に応じて、姿勢設定画面M5に表示する表示位置を変更してもよい。
図14Aに示すように、トラクタ1が右下がりの場合、当該トラクタ1の右部に対応する増加入力部82aの表示位置を、トラクタ1の左部に対応する減少入力部82bよりも下方に位置させる。また、
図14Bに示すように、トラクタ1が左下がりの場合、当該トラクタ1の左部に対応する減少入力部82bの表示位置を、トラクタ1の右部に対応する増加入力部82aよりも下方に位置させる。つまり、姿勢設定画面M5における設定入力部82(増加入力部82a、減少入力部82b)の表示位置によって、トラクタ1の傾きを示してもよい。
【0091】
作業機1は、機体3と、機体3に設けられ且つ設定情報に基づいて作動する作動部(第1作動部)と、設定情報を入力する設定入力部82と、設定入力部82に対応して設けられ且つ作動部の動作態様を表示する作動表示部83とを有する表示装置50Bと、を備え、作動表示部83は、機体3の状態に基づいて表示する動作態様を変更する。これによれば、設定入力部82に対応して設けられた作業表示部83は、機体3の状態に基づいて動作態様が変更することから、設定入力部82に設定情報を入力する際の動作態様を簡単に把握することができる。
【0092】
作業機1は、機体3の状態として、機体3の傾きを検出する傾き検出装置41kと、傾き検出装置41kで検出された傾きに基づいて、動作態様を演算する演算装置(制御装置40)と、を備えている。これによれば、例えば、機体3が傾いている状況下において、設定情報を入力した場合の動作部の動作態様を簡単に把握することができる。
作業機1は、機体3に連結された作業装置2を備え、作動部は、作業装置2の傾きを変更可能な姿勢変更装置25を有し、演算装置(制御装置40)は、傾き検出装置41kで検出された傾きである状態で姿勢変更装置25を作動させた場合の当該姿勢変更装置25の動作態様を演算する。これによれば、例えば、機体3が傾いている状況下において、姿勢変更装置25の設定情報を変更した場合の当該姿勢変更装置25の動きを把握することができる。
【0093】
姿勢変更装置25は、少なくとも機体3に対する作業装置2の傾きを変更する油圧シリンダ(変更シリンダ25a)を有し、演算装置(制御装置40)は、傾き検出装置41kで検出された傾きである状態で、作業装置2の傾きを予め定められた方向に変更した場合の油圧シリンダ(変更シリンダ25a)の伸長及び収縮のいずれかの方向を動作態様として求める。これによれば、機体3が傾いている状況下において、設定情報を変更した場合に、油圧シリンダ(変更シリンダ25a)が伸長の方向に延びるのか、収縮の方向に延びるのかを簡単に把握することができる。
【0094】
表示装置50Bは、機体3の傾きに応じて、設定入力部82及び作動表示部83のいずれかの表示態様を変更する。
設定入力部82は、設定情報である設定値を増加させる増加入力部82aと、設定値を減少させる減少入力部82bとを備え、表示装置50Bは、増加入力部82aと減少入力部82bとの位置を機体3の傾きに応じて変更する。これによれば、設定値の増加や減少を増加入力部82a及び減少入力部82bによって簡単にできるだけでなく、表示装置50に表示された増加入力部82a及び減少入力部82bの位置を見ることによって機体3の傾いた状態を簡単に把握することができる。
【0095】
設定入力部82は、設定情報である設定値を増加させる増加入力部82aと、設定値を減少させる減少入力部82bとを備え、作動表示部83は、増加入力部82aに設定値を入力した場合の動作態様と、減少入力部82bに設定値を入力した場合の動作態様とを切り換えて表示する。これによれば、設定値の増加や減少を増加入力部82a及び減少入力部82bによって簡単にできるだけでなく、表示装置50に表示された作動表示部83を見ることによって機体3の傾いた状態を簡単に把握することができる。
【0096】
さて、トラクタ1は、当該トラクタ1が後進した場合に連結している作業装置2を自動的に上昇させることが可能である。例えば、速度センサ41によってトラクタ1(機体3)の後進を検出すると、制御装置40は、制御弁34に制御信号を出力することで昇降装置8を上昇動作させる。
図15に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、上昇設定画面(第6画面)M6を表示する。上昇設定画面M6は、昇降装置8を自動的に上昇動作させる条件を設定する画面である。
【0097】
表示装置50Bは、上昇設定画面M6において、条件入力部90を表示する。条件入力部90は、トラクタ1(機体3)が後進してから昇降装置8が自動的に上昇動作(自動上昇動作)に移行する条件を入力する部分である。詳しくは、条件入力部90は、トラクタ1が後進を開始後、自動上昇動作を開始するタイミング(バックアップタイミング)を条件として入力する部分である。
【0098】
条件入力部90は、ボタン入力部91と、スライド入力部92と、数値表示部93とを有している。ボタン入力部91は、押圧の操作によって条件を入力する部分であり、条件を示す条件設定値を増加させる増加入力部91aと、条件設定値を減少させる減少入力部91bとを含んでいる。スライド入力部92は、スライドの操作によって条件を入力する部分であり、目盛部92aと、指標部92bとを含んでいる。
【0099】
目盛部92aは、設定情報における条件設定値の大きさを示す目盛であって、例えば、縦棒(ゲージ)を横方向に複数並べることにより構成されている。目盛部92aにおいて、縦棒の並列方向の一方側、例えば、左側が最小値であり、並列方向の他方、例えば、右側が最大値である。指標部92bは、条件設定値を目盛部92aに対して指し示す部分であって、縦棒の並列方向に沿って移動可能である。指標部92bは、タッチ操作等によって目盛部92aに沿って移動させることができる。また、指標部92bは、ボタン入力部91で入力した条件設定値に連動して目盛部92aに沿って移動する。例えば、増加入力部91aによって条件設定値を増加させた場合、指標部92bは、目盛部92aに沿って増加する方向に移動する。また、減少入力部91bによって条件設定値を減少させた場合、指標部92bは、目盛部92aに沿って減少する方向に移動する。数値表示部93は、ボタン入力部91及びスライド入力部92で設定した条件設定値を数字で表示する。
【0100】
条件設定部90は、条件設定値の単位を設定する単位設定部94を有している。単位設定部94は、条件設定値を距離に設定する距離設定部94aと、条件設定値を時間に設定する時間設定部94bとを有している。距離設定部94a及び時間設定部94bは、タッチ操作や操作具57の操作により選択可能であって、距離設定部94aが選択された場合は、条件設定値が距離となり、時間設定部94bが選択された場合は、条件設定値が時間となる。例えば、時間設定部94bを選択した状態でボタン入力部91及びスライド入力部92のいずれかを操作すると、条件設定値が、機体3が後進してから自動上昇動作を開始するまでの時間(上昇開始時間)として設定される。また、距離設定部94aを選択した状態でボタン入力部91及びスライド入力部92のいずれかを操作すると、条件設定値が、機体3が後進してから自動上昇動作を開始するまでの距離(上昇開始距離)として設定される。
【0101】
つまり、入力設定部90は、上昇開始距離を入力する距離入力部95と、上昇開始時間を入力する時間入力部96とを有している。言い換えれば、距離設定部94aが選択された状態では、ボタン入力部91、スライド入力部92及び数値表示部93が距離入力部95に切り換えられ、時間設定部94bが選択された状態では、ボタン入力部91、スライド入力部92及び数値表示部93が時間入力部96に切り換えられる。
【0102】
例えば、入力設定部90によって上昇開始距離を「3.0m」に設定すると、トラクタ1(機体3)が後進を開始した開始位置から3.0m進んだ位置に達したときに、昇降装置8によって作業装置2を現在位置から自動的に上昇させることができる。また、入力設定部90によって上昇開始時間を「3.0秒」に設定すると、トラクタ1が後進を開始した開始時点から3.0秒経過したときに、昇降装置8によって作業装置2を現在位置から自動的に上昇させることができる。
【0103】
また、表示装置50Bは、上昇設定画面M6において、操舵角入力部100を表示する。操舵角入力部100は、昇降装置8が自動上昇動作に移行する条件として、操舵角を入力する部分である。上昇設定画面M6において、操舵角入力部100は、入力設定部90とは別の領域に位置している。
操舵角入力部100は、ボタン入力部101と、スライド入力部102と、数値表示部103とを有している。ボタン入力部101は、押圧の操作によって操舵角(設定操舵角)を入力する部分であり、設定操舵角を増加させる増加入力部101aと、設定操舵角を減少させる減少入力部101bとを含んでいる。スライド入力部102は、スライドの操作によって設定操舵角を入力する部分であり、目盛部102aと、指標部102bとを含んでいる。
【0104】
目盛部102aは、設定情報における設定操舵角の大きさを示す目盛であって、例えば、縦棒(ゲージ)を横方向に複数並べることにより構成されている。目盛部102aにおいて、縦棒の並列方向の一方側、例えば、左側が最小値であり、並列方向の他方、例えば、右側が最大値である。指標部102bは、設定操舵角を目盛部102aに対して指し示す部分であって、縦棒の並列方向に沿って移動可能である。指標部102bは、タッチ操作等によって目盛部102aに沿って移動させることができる。また、指標部102bは、ボタン入力部101で入力した設定操舵角に連動して目盛部102aに沿って移動する。例えば、増加入力部101aによって設定操舵角を増加させた場合、指標部102bは、目盛部102aに沿って増加する方向に移動する。また、減少入力部101bによって設定操舵角を減少させた場合、指標部102bは、目盛部102aに沿って減少する方向に移動する。数値表示部103は、ボタン入力部101及びスライド入力部102で設定した設定操舵角を数字で表示する。
【0105】
例えば、操舵角入力部100によって設定操舵角を「15度(deg)」に設定すると、トラクタ1(機体3)の操舵角が設定操舵角以上になったときに、昇降装置8によって作業装置2を現在位置から自動的に上昇させることができる。
また、表示装置50Bは、上昇設定画面M6において、切換部105を表示する。昇降装置8の自動上昇動作を有効又は無効に切り換える部分であって、スイッチを示す図形で構成されている。切換部105は、操作によってON又はOFFに切換が可能であり、ONである場合には、自動上昇動作が有効に設定され、OFFである場合には、自動上昇動作が無効に設定される。
【0106】
切換部105は、条件設定値に基づいて行われる自動上昇動作(第1自動上昇動作)を有効又は無効に切り換える第1スイッチ105aと、設定操舵角に基づいて行われる自動上昇動作(第2自動上昇動作)を有効又は無効に切り換える第2スイッチ105bとを含んでいる。
第1スイッチ105aは、上昇設定画面M6において、アイコン(シンボル)等の図形をスライドすることによりON/OFFが切換可能であり、当該第1スイッチ105aがONであって第1自動上昇動作が有効に切り換えられている場合、距離入力部95及び時間入力部96は、入力の受付が行えるアクティブ状態となる。アクティブ状態では、ボタン入力部91及びスライド入力部92による条件設定値の入力が可能であって、増加入力部91a及び減少入力部91bを操作することで条件設定値の入力(変更)ができ、指標部92bをスライドすることによって条件設定値の入力(変更)を行うことができる。
【0107】
一方、第1スイッチ105aがOFFであって第1自動上昇動作が無効に切り換えられている場合、距離入力部95及び時間入力部96は、入力の受付が行えないインアクティブ状態となる。インアクティブ状態では、ボタン入力部91及びスライド入力部92による条件設定値の入力が不能であって、増加入力部91a及び減少入力部91bの操作を行うことができず、指標部92bをスライドすることができない。
【0108】
また、第2スイッチ105bも、上昇設定画面M6において、アイコン(シンボル)等の図形をスライドすることによりON/OFFが切換可能であり、当該第2スイッチ105bがONであって第2自動上昇動作が有効に切り換えられている場合、操舵角入力部100は、入力の受付が行えるアクティブ状態となる。アクティブ状態では、ボタン入力部101及びスライド入力部102による設定操舵角の入力が可能であって、増加入力部101a及び減少入力部101bを操作することで設定操舵角の入力(変更)ができ、指標部102bをスライドすることによって設定操舵角の入力(変更)を行うことができる。
【0109】
一方、第2スイッチ105bがOFFであって第2自動上昇動作が無効に切り換えられている場合、舵角入力部100は、入力の受付が行えないインアクティブ状態となる。インアクティブ状態では、ボタン入力部101及びスライド入力部102による設定操舵角の入力が不能であって、増加入力部101a及び減少入力部101bの操作を行うことができず、指標部102bをスライドすることができない。
【0110】
なお、上昇設定画面M6において、過去の条件設定値を表示できるようにしてもよい。
図31に示すように、例えば、現在の条件設定値を指標部92b1で目盛部92aに指示し、過去の条件設定値を指標部92b2で目盛部92aに指し示す。なお、過去の条件設定値の表示は、
図31に限定されず、数値で表示してもよいし、その他の方法で表示してもよい。これによれば、条件設定を行う場合に過去の条件設定値がどうであったかを作業者等が確認することができる。
【0111】
作業機1は、機体3と、作業装置2と、機体3の後進を検出した場合に作業装置2を自動的に上昇させる上昇動作を行う昇降装置8と、機体3が後進してから昇降装置8が上昇動作に移行する条件を入力する条件入力部90を表示可能な表示装置50Bと、を備えている。これによれば、条件入力部90に昇降装置8が上昇動作に移行する条件を入力することができるため、機体3が後進してから任意のタイミングで自動的に昇降装置8によって作業装置2を上昇させることができる。即ち、機体3の後進時における作業装置2の種類に応じて任意に作業装置2の上昇のタイミングを変更することができる。つまり、作業装置2の種類に応じて、機体3の後進時に適正な位置で作業装置2を上昇させることができる。例えば、作業装置2がプラウである場合、前進時には当該プラウの先端が圃場に突き刺さっている状態となる。この状態から後進に切り換えた場合、機体3が後進してから所定距離進ませて、プラウの突き刺さり状態を解消した時点で上昇させることができる。
【0112】
条件入力部90は、後進してから上昇動作を開始するまでの距離を入力する距離入力部95、及び、機体3が後進してから上昇動作を開始するまでの時間を入力する時間入力部96のいずれかを有している。これによれば、距離入力部95によって後進を開始してから上昇動作するまでの距離を設定したり、時間入力部96によって後進を開始してから上昇動作するまでの時間を簡単に設定することができる。
【0113】
作業機1は、機体3を操舵する操舵装置11を備え、昇降装置8は、操舵装置11の操舵角に基づいて上昇動作を行い、表示装置50Bは、昇降装置8が上昇動作に移行する操舵角を入力する操舵角入力部100を備えている。これによれば、操舵角入力部100に入力された操舵角によって、機体3を操作してから上昇動作になるまでのタイミングを任意に変更することができる。
【0114】
表示装置50Bは、上昇動作を有効又は無効に切り換える切換部105を有し、距離入力部95及び時間入力部96は、切換部105が有効に切り換えられている場合に、入力の受付が行えるアクティブ状態となり、切換部105が無効に切り換えられている場合に、入力の受付が行えないインアクティブ状態となる。これによれば、切換部105によって、後進時における上昇動作の有効又は無効の状態を距離入力部95及び時間入力部96に反映することができ、作業者は、距離入力部95及び時間入力部96を見ることによって、後進時における上昇動作が有効になっているか否かを簡単に把握することができる。
【0115】
操舵角入力部100は、切換部105が有効に切り換えられている場合に、入力の受付が行えるアクティブ状態となり、切換部105が無効に切り換えられている場合に、入力の受付が行えないインアクティブ状態となる。これによれば、操舵角における上昇動作の有効又は無効の状態を操舵角入力部100を見ることによって、簡単に把握することができる。
【0116】
さて、表示装置50Bは、昇降装置8による昇降高さ(リフトアーム8aの高さ)とPTO軸16の駆動とを関連付ける設定、即ち、PTO軸16に関するPTO設定を行うことができる。
図16に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、PTO設定を行うPTO設定画面(第7画面)M7を表示する。
【0117】
表示装置50Bは、PTO設定画面M7において、高さ表示部110を表示する。高さ表示部110は、昇降装置8による昇降高さ(リフトアーム8aの高さ)を表示する部分である。高さ表示部110は、目盛部110aと、数値表示部110bとを有している。目盛部110aは、リフトアーム8aの高さの大きさを示す目盛であって、例えば、縦棒(ゲージ)を横方向に複数並べることにより構成されている。目盛部110aにおいて、縦棒の並列方向の一方側、例えば、下端が最小値であり、並列方向の他方、例えば、上端が最大値である。目盛部110aの内部は、リフトアーム8aの現在の高さに応じて着色される。数値表示部110bは、リフトアーム8aの現在の高さを数値で表示する。
【0118】
また、表示装置50Bは、PTO設定画面M7において、上昇指標部111と、第1変更表示部112と、下降指標部113と、第2変更表示部114とを表示する。
上昇指標部111は、リフトアーム8aを手動で上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止する高さ(回転停止高さ)を高さ表示部110に指し示す部分である。上昇指標部111は、目盛部110aの並列方向と直交する直交方向の一方側、例えば、左側に配置されている。上昇指標部111は、当該上昇指標部111が指し示す高さ(回転停止高さ)を数字で表示する数値表示部111aと、リフトアーム8aを手動で上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止することを示すアイコン111bとを含んでいる。
【0119】
第1変更表示部112は、高さ表示部110に対する上昇指標部111の位置、即ち、回転停止高さを変更する部分である。第1変更表示部112は、上昇指標部111の左側に配置されている。第1変更表示部112は、回転停止高さを増加させる増加入力部112aと、回転停止高さを減少させる減少入力部112bとを含んでいる。増加入力部112aは、高さ表示部110の目盛部110aにおける最大値側に配置され、減少入力部112bは、高さ表示部110の目盛部110aにおける最小値側に配置されている。増加入力部112aを操作することによって、回転停止高さを増加させると、上昇指標部111が目盛部110aに沿って最大値側に移動する。減少入力部112bを操作することによって、回転停止高さを減少させると、上昇指標部111が目盛部110aに沿って最小値側に移動する。
【0120】
以上によれば、回転停止高さを設定後、ポンパスイッチ42g等を手動で操作することによりリフトアーム8を上昇させている状況下において、リフトアーム8aの現在の高さが、上昇指標部112が指し示す回転停止高さを超えた時点で、制御装置40の制御によってPTO軸16の回転を停止する。
下降指標部113は、リフトアーム8aを手動で下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する回転開始高さを高さ表示部110に指し示す部分である。下降指標部113は、目盛部110aの並列方向と直交する直交方向の他方側、例えば、右側に配置されている。下降指標部113は、当該下降指標部113が指し示す高さ(回転開始高さ)を数字で表示する数値表示部113aと、リフトアーム8aを手動で下降させる場合にPTO軸16の回転を開始することを示すアイコン113bとを含んでいる。
【0121】
第2変更表示部114は、高さ表示部110に対する下降指標部113の位置、即ち、回転開始高さを変更する部分である。第2変更表示部114は、下降指標部113の右側に配置されている。第2変更表示部114は、回転開始高さを増加させる増加入力部114aと、回転開始高さを減少させる減少入力部114bとを含んでいる。増加入力部114aは、高さ表示部110の目盛部110aにおける最大値側に配置され、減少入力部114bは、高さ表示部110の目盛部110aにおける最小値側に配置されている。増加入力部114aを操作することによって、回転開始高さを増加させると、下降指標部113が目盛部110aに沿って最大値側に移動する。減少入力部114bを操作することによって、回転開始高さを減少させると、下降指標部113が目盛部110aに沿って最小値側に移動する。
【0122】
以上によれば、回転開始高さを設定後、ポンパスイッチ42g等を手動で操作することによりリフトアーム8を下降させている状況下において、リフトアーム8aの現在の高さが、下降指標部113が指し示す回転開始高さを下回った時点で、制御装置40の制御によってPTO軸16の回転を開始する。
さて、表示装置50Bは、PTO設定ボタン115を表示する。PTO設定ボタン115は、リフトアーム8aの現在の高さをPTO設定に関連付けるボタンである。PTO設定ボタン115は、PTO設定画面M7に表示され、選択が可能なボタンである。PTO設定ボタン115は、選択した場合、上昇指標部111が指し示す回転停止高さをリフトアーム8aの現在の高さに設定することが可能である。また、PTO設定ボタン115は、選択した場合、下降指標部113が指し示す回転開始高さをリフトアーム8aの現在の高さに設定することが可能である。
【0123】
詳しくは、PTO設定ボタン115は、第1高さ設定ボタン115aと、第2高さ設定ボタン115bとを有している。第1高さ設定ボタン115aは、上昇指標部111の左側且つ、増加入力部112aと減少入力部112bとの間に配置されている。第1高さ設定ボタン115aは、リフトアーム8aの現在の高さを、上昇指標部111が指し示す回転停止高さに設定する。第1高さ設定ボタン115aによってリフトアーム8aの現在の高さが回転停止高さに設定されると、上昇指標部111は目盛部110aにおける回転停止高さに対応する位置に移動する。また、第1高さ設定ボタン115aは、リフトアーム8aの現在の高さに対応して目盛部110aに沿って移動してもよいし、所定の位置に固定されていてもよい。
【0124】
第2高さ設定ボタン115bは、下降指標部113の右側且つ、増加入力部114aと減少入力部114bとの間に配置されている。第2高さ設定ボタン115bは、リフトアーム8aの現在の高さを、下降指標部113が指し示す回転開始高さに設定する。第2高さ設定ボタン115bによってリフトアーム8aの現在の高さが回転開始高さに設定されると、下降指標部113は目盛部110aにおける回転停止高さに対応する位置に移動する。また、第2高さ設定ボタン115bは、リフトアーム8aの現在の高さに対応して目盛部110aに沿って移動してもよいし、所定の位置に固定されていてもよい。
【0125】
また、表示装置50Bは、PTO設定画面M7において、切換部116を表示する。切換部116は、リフトアーム8aの高さに対するPTO軸16の動作を有効又は無効に切り換える部分であって、スイッチを示す図形で構成されている。リフトアーム8aの高さに対するPTO軸16の動作とは、上述したように、「リフトアーム8aを手動で上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止する第1PTO動作」、「リフトアーム8aを手動で下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する第2PTO動作」である。
【0126】
切換部116は、第1PTO動作を有効又は無効に切り換える第1スイッチ116aと、第2PTO動作を有効又は無効に切り換える第2スイッチ116bとを含んでいる。
第1スイッチ116aは、PTO設定画面M7において、アイコン(シンボル)等の図形をスライドすることによりON/OFFが切換可能であり、当該第1スイッチ116aがONであって第1PTO動作が有効に切り換えられている場合、リフトアーム8aを手動で上昇させた場合において、当該リフトアーム8aの高さが回転停止高さを超えた場合にPTO軸16の回転を自動的に停止する。第1スイッチ116aがOFFであって第1PTO動作が無効に切り換えられている場合、リフトアーム8aを手動で上昇させた場合において、当該リフトアーム8aの高さが回転停止高さを超えた場合であってもPTO軸16の回転を自動的に停止しない。
【0127】
また、第2スイッチ116bは、PTO設定画面M7において、アイコン(シンボル)等の図形をスライドすることによりON/OFFが切換可能であり、当該第2スイッチ116bがONであって第2PTO動作が有効に切り換えられている場合、リフトアーム8を手動で下降させている場合において、当該リフトアーム8aの高さが回転停止高さを下回った場合にPTO軸16の回転を自動的に開始する。第2スイッチ116bがOFFであって第2PTO動作が無効に切り換えられている場合、リフトアーム8を手動で下降させている場合において、当該リフトアーム8aの高さが回転停止高さを下回った場合でもPTO軸16の回転を自動的に開始しない。
【0128】
作業機1は、機体3と、原動機4と、機体3に設けられ且つ作業装置2を昇降するリフトアーム8aを有する昇降装置8と、原動機4の動力により回転し且つ、回転の動力を作業装置2に動力を伝達するPTO軸16と、リフトアーム8aの高さに対応してPTO軸16に関するPTO設定を行う表示装置と、を備え、表示装置50Bは、リフトアーム8aの現在の高さを、PTO設定に関連付けるPTO設定ボタン115を表示する。これによれば、PTO設定ボタン115を操作した場合に、リフトアーム8aの実際の位置(現在の高さ)がPTO設定に関連付けられるため、PTO設定ボタン115を操作するだけで、リフトアーム8aの現在の高さをPTO設定に反映することができる。
【0129】
表示装置50Bは、リフトアーム8aの高さを表示する高さ表示部110と、リフトアーム8aを上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止する高さを高さ表示部110に指し示す上昇指標部111とを備え、且つ、PTO設定ボタン115が選択された場合に、高さ表示部110に対する上昇指標部111が指し示す高さを、リフトアーム8aの現在の高さにする。これによれば、PTO設定ボタン115の選択した時点でのリフトアーム8aの現在の高さを、リフトアーム8aを上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止する高さに設定することができる。
【0130】
表示装置50Bは、リフトアーム8aの高さを表示する高さ表示部110と、リフトアーム8aを下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する高さを高さ表示部110に指し示す下降指標部113とを備え、且つ、PTO設定ボタン115が選択された場合に、高さ表示部110に対する下降指標部113が指し示す高さを、リフトアーム8aの現在の高さにする。これによれば、PTO設定ボタン115の選択した時点でのリフトアーム8aの現在の高さを、リフトアーム8aを下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する高さに設定することができる。
【0131】
表示装置50Bは、リフトアーム8aの高さを表示する高さ表示部110と、リフトアーム8aを下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する高さを高さ表示部110に指し示す下降指標部113とを備え、PTO設定ボタン115は、高さ表示部110に対する上昇指標部111が指し示す高さを、リフトアーム8aの現在の高さにする第1高さ設定ボタン115aと、高さ表示部110に対する下降指標部113が指し示す高さを、リフトアーム8aの現在の高さにする第2高さ設定ボタン115bとを備えている。これによれば、第1高さ設定ボタン115aを選択した場合には、リフトアーム8aの現在の高さを、リフトアーム8aを上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止する高さに設定でき、第2高さ設定ボタン115bを選択した場合には、リフトアーム8aの現在の高さを、リフトアーム8aを下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する高さに設定することができる。また、上昇指標部111及び下降指標部113を見ることによって、設定されている高さを視覚的に把握することができる。
【0132】
表示装置50Bは、高さ表示部110に対する上昇指標部111の高さを変更する第1変更表示部112を有している。これによれば、リフトアーム8aを上昇させる場合にPTO軸16の回転を停止する高さを、第1変更表示部112の操作によって簡単に設定することができる。
表示装置50Bは、高さ表示部110に対する下降指標部113の高さを変更する第2変更表示部114を有している。リフトアーム8aを下降させる場合にPTO軸16の回転を開始する高さを、第2変更表示部114の操作によって簡単に設定することができる。
【0133】
さて、表示装置50Bは、昇降装置8における昇降後の動作を設定することができる。
図17に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、昇降後の動作を設定可能な昇降設定画面(第8画面)M8を表示する。
昇降設定画面M8では、昇降装置8の昇降を操作する操作部材、例えば、ポンパスイッチ42gを操作した際の昇降後の動作について設定をすることができる。昇降設定画面M8は、第1設定エリアQ1と、第2設定エリアQ2とに分けられている。第1設定エリアQ1は、昇降装置8を上昇させる側(上昇側)にポンパスイッチ42gを操作した場合の動作の設定を行うエリアである。第2設定エリアQ2は、昇降装置8を下降させる側(下降側)にポンパスイッチ42gを操作した場合の動作の設定を行うエリアである。詳しくは、第1設定エリアQ1では、ポンパスイッチ42gの操作によって昇降装置8を上昇させた際の原動機回転数及び車速を設定することができる。また、第2設定エリアQ2でも、ポンパスイッチ42gの操作によって昇降装置8を下降させた際の原動機回転数及び車速を設定することができる。
【0134】
表示装置50Bは、昇降設定画面M8において、原動機回転数を設定する回転数設定部120と、車速を設定する速度設定部121とを表示する。具体的には、第1設定エリアQ1と、第2設定エリアQ2との両方に、回転数設定部120及び速度設定部121を表示する。
回転数設定部120は、複数の原動機アイコンを含んでいる。複数の原動機アイコンは、昇降設定画面M8において、タッチ操作や操作具57の操作により選択可能なアイコンであって、記憶部51に記憶された原動機回転数に関連付けられたアイコンである。この実施形態では、複数の原動機アイコンは、第1原動機回転数が関連付けられた第3設定アイコン68c、第2原動機回転数が関連付けられた第4設定アイコン68dである。したがって、第3設定アイコン68cを選択すると第1原動機回転数に設定することができ、第4設定アイコン68dを選択すると第2原動機回転数に設定することができる。
【0135】
また、回転数設定部120は、複数の原動機アイコンとは別に原動機手動アイコン122を含んでいる。原動機手動アイコン122も選択可能であって、第1変更操作部材で変更された原動機回転数に設定するアイコンである。第1変更操作部材は、アクセルペダル、アクセルレバー等のアクセル42fである。したがって、原動機手動アイコン122を選択すると、アクセル42fによって設定された原動機回転数(手動原動機回転数)に設定することができる。
【0136】
速度設定部121は、複数の速度アイコンを含んでいる。複数の速度アイコンは、昇降設定画面M8において、タッチ操作や操作具57の操作により選択可能なアイコンであって、記憶部51に記憶された車速に関連付けられたアイコンである。この実施形態では、複数の速度アイコンは、第1車速が関連付けられた第5設定アイコン68e、第2車速が関連付けられた第6設定アイコン68fである。したがって、第5設定アイコン68eを選択すると第1車速に設定することができ、第6設定アイコン68fを選択すると第2車速に設定することができる。
【0137】
また、速度設定部121は、複数の速度アイコンとは別に速度手動アイコン123を含んでいる。速度手動アイコン123も選択可能であって、第2変更操作部材で変更された速度に設定するアイコンである。第2変更操作部材は、車速レバー42iによって設定された車速(手動車速)に設定することができる。
さて、表示装置50Bは、第1設定エリアQ1に上昇条件入力部124を表示する。上昇条件入力部124は、ポンパスイッチ42gを上昇側に操作した場合に、原動機回転数の変更、車速の変更を実行する条件(動作条件)を入力する部分である。上昇条件入力部124は、ポンパスイッチ42gを上昇側に操作してから原動機回転数の変更及び車速の変更を実行するまでの時間や距離を設定する部分である。
【0138】
上昇条件入力部124は、時間や距離の上昇条件設定値を増加させる増加入力部124aと、上昇条件設定値を減少させる減少入力部124bと、上昇条件設定値を数字で表示する数字表示部124cとを含んでいる。また、上昇条件入力部124は、上昇条件設定値を時間及び距離のいずれかに切り換える設定切換部124dを含んでいる。したがって、上昇条件入力部124に上昇条件設定値である時間又は距離を入力することによって、ポンパスイッチ42gを上昇側に操作してから、原動機の実際の回転数を、回転数設定部120で設定された第1原動機回転数、第2原動機回転数及び手動原動機回転数のいずれかに変更するまでの時間や距離を設定することができる。また、上昇条件入力部124に上昇条件設定値である時間又は距離を入力することによって、ポンパスイッチ42gを上昇側に操作してから、トラクタ1(機体3)の実際の車速を、速度設定部121で設定された第1車速、第2車速、手動車速のいずれかに変更するまでの時間や距離を設定することができる。
【0139】
また、表示装置50Bは、第2設定エリアQ2に下降条件入力部125を表示する。下降条件入力部125は、ポンパスイッチ42gを下降側に操作した場合に、原動機回転数の変更、車速の変更を実行する条件(動作条件)を入力する部分である。下降条件入力部125は、ポンパスイッチ42gを下降側に操作してから原動機回転数の変更及び車速の変更を実行するまでの時間や距離を設定する部分である。
【0140】
下降条件入力部125は、時間や距離の下降条件設定値を増加させる増加入力部125aと、下降条件設定値を減少させる減少入力部125bと、下降条件設定値を数字で表示する数字表示部125cとを含んでいる。また、下降条件入力部125は、下降条件設定値を時間及び距離のいずれかに切り換える設定切換部125dを含んでいる。したがって、下降条件入力部125に下降条件設定値である時間又は距離を入力することによって、ポンパスイッチ42gを下降側に操作してから、原動機の実際の回転数を、回転数設定部120で設定された第1原動機回転数、第2原動機回転数及び手動原動機回転数のいずれかに変更するまでの時間や距離を設定することができる。また、下降条件入力部125に下降条件設定値である時間又は距離を入力することによって、ポンパスイッチ42gを下降側に操作してから、トラクタ1(機体3)の実際の車速を、速度設定部121で設定された第1車速、第2車速、手動車速のいずれかに変更するまでの時間や距離を設定することができる。
【0141】
さて、上述したように、回転数設定部120が有する複数の原動機アイコンを選択し、速度設定部121が有する複数の速度アイコンを選択することによって、複数の原動機回転数と複数の車速との組み合わせの設定を行うことができる。ここで、複数の原動機回転数のうち所定の原動機回転数と、複数の車速のうち所定の車速との組み合わせが成立しない場合は、表示装置50Bは、組み合わせが成立しないアイコン同士を選択できないようにする。
【0142】
具体的には、表示装置50Bは、複数の原動機アイコンのうち少なくとも1つの原動機アイコンである第1選択アイコンが選択された場合、複数の速度アイコンのうち第1選択アイコンと対応して設定可能な速度アイコンをアクティブ状態にする。また、表示装置50Bは、第1選択アイコンと対応して設定不能な速度アイコンをインアクティブ状態にする。
【0143】
図18Aに示すように、表示装置50Bは、原動機回転数を設定する原動機アイコンとして、原動機アイコンA1、A2、A3を表示し、車速を設定する速度アイコンとして、速度アイコンB1、B2、B3を表示しているとする。ここで、原動機アイコンA1が選択された第1選択アイコンである場合において、速度アイコンB1、B2、B3のいずれも設定可能である場合、表示装置50Bは、速度アイコンB1、B2、B3をアクティブ状態にすることで、速度アイコンB1、B2、B3のいずれの選択も受け付ける。
【0144】
図18Bに示すように、原動機アイコンA2が選択された第1選択アイコンである場合において、速度アイコンB1、B2が設定可能で速度アイコンB3が設定不能である場合、表示装置50Bは、速度アイコンB1、B2をアクティブ状態にする一方、速度アイコンB3をインアクティブ状態にして、速度アイコンB3の選択を受け付けない。
また、表示装置50Bは、複数の速度アイコンのうち少なくとも1つの速度アイコンである第2選択アイコンが選択された場合、複数の原動機アイコンのうち第2選択アイコンと対応して設定可能な原動機アイコンをアクティブ状態にする。また、表示装置50Bは、第2選択アイコンと対応して設定不能な原動機アイコンをインアクティブ状態にする。
【0145】
図18Cに示すように、表示装置50Bは、速度アイコンB1が選択された第2選択アイコンである場合において、原動機アイコンA1、A2、A3のいずれも設定可能である場合、表示装置50Bは、原動機アイコンA1、A2、A3をアクティブ状態にすることで、原動機アイコンA1、A2、A3のいずれの選択も受け付ける。
図18Dに示すように、速度アイコンC3が選択された第2選択アイコンである場合において、原動機アイコンA1、A3が設定可能で原動機アイコンA2が設定不能である場合、表示装置50Bは、原動機アイコンA1、A3をアクティブ状態にする一方、原動機アイコンA2をインアクティブ状態にして、原動機アイコンA2の選択を受け付けない。
【0146】
上述した実施形態では、所定の原動機アイコンを設定した場合に、設定不能である速度アイコンをインアクティブ状態にしていたが、設定不能である速度アイコンが設定不能である理由を、昇降設定画面M8に表示してもよい。また、所定の速度アイコンを設定した場合に、設定不能である原動機アイコンをインアクティブ状態にしていたが、設定不能である原動機アイコンが設定不能である理由を、昇降設定画面M8に表示してもよい。
【0147】
作業機1は、機体3と、機体3に設けられた原動機4と、作業装置2と、作業装置2を昇降する昇降装置8と、昇降装置8の昇降を操作する操作部材(ポンパスイッチ42g)と、操作部材(ポンパスイッチ42g)を操作した場合の原動機4の回転数を設定する回転数設定部120と、操作部材(ポンパスイッチ42g)を操作した場合の機体3の速度を設定する速度設定部121とを表示する表示装置50Bと、を備えている。これによれば、操作部材(ポンパスイッチ42g)によって昇降装置8の昇降(昇降動作)を行った場合に、回転数設定部120で設定された原動機4の回転数にしたり、速度設定部121で設定された速度(車速)に設定することができる。つまり、操作部材の操作によって昇降装置8を昇降させる場合に自動的に設定した原動機4の回転数、車速等に変更できるため、作業者の操作を軽減することができる。
【0148】
作業機1は、原動機4の回転数と、機体3の速度とを記憶する記憶部51を備え、回転数設定部120は、記憶部51に記憶された原動機4の回転数に関連付けられ且つ画面に表示されて選択可能な複数の原動機アイコンを含み、速度設定部121は、記憶部51に記憶された機体3の車速に関連付けられ且つ画面に表示されて選択可能な複数の速度アイコンを含んでいる。これによれば、原動機アイコン、速度アイコンを選択するだけで、操作部材の操作によって昇降装置8を昇降させた際の原動機4の回転数、車速を変更することができる。
【0149】
表示装置50Bは、複数の原動機アイコンのうち少なくとも1つの原動機アイコンである第1選択アイコンが選択された場合、複数の速度アイコンのうち第1選択アイコンと対応して設定可能な速度アイコンをアクティブ状態にし、且つ、第1選択アイコンと対応して設定不能な速度アイコンをインアクティブ状態にする。これによれば、所定の原動機アイコン(第1選択アイコン)を選択した場合において、当該所定の原動機アイコンに対応する原動機4の回転数に応じて、車速が設定できる速度アイコンをアクティブ状態、車速の設定ができない速度アイコンをインアクディブ状態になることから、作業者は、原動機4の回転数を設定した後に、設定した原動機4の回転数に対して設定が可能な車速を簡単に把握することができる。
【0150】
表示装置50Bは、複数の速度アイコンのうち少なくとも1つの速度アイコンである第2選択アイコンが選択された場合、複数の原動機アイコンのうち第2選択アイコンと対応して設定可能な原動機アイコンをアクティブ状態にし、且つ、第2選択アイコンと対応して設定不能な原動機アイコンをインアクティブ状態にする。これによれば、所定の速度アイコン(第2選択アイコン)を選択した場合において、当該所定の速度アイコンに対応する車速に応じて、原動機4の回転数が設定できる原動機アイコンをアクティブ状態、原動機4の回転数の設定ができない原動機アイコンをインアクディブ状態になることから、作業者は、車速を設定した後に、設定した車速に対して設定可能な原動機4の回転数を簡単に把握することができる。
【0151】
表示装置50Bは、昇降装置8の上昇側に操作部材(ポンパスイッチ42g)を操作した場合の動作の設定を行う第1設定エリアQ1と、昇降装置8の下降側に操作部材(ポンパスイッチ42g)を操作した場合の動作の設定を行う第2設定エリアQ2とを表示可能であり、第1設定エリアQ1及び第2設定エリアQ2に、回転数設定部120及び速度設定部121が表示されている。これによれば、昇降装置8の上昇時及び下降時のいずれでも、原動機4の回転数の設定、車速の設定を行うことができる。
【0152】
表示装置50Bは、操作部材(ポンパスイッチ42g)を上昇側に操作後に動作を実行する条件を入力する上昇条件入力部124と、操作部材(ポンパスイッチ42g)を下降側に操作後に動作を実行する条件を入力する下降条件入力部125とを表示可能である。これによれば、操作部材(ポンパスイッチ42g)によって手動で上昇操作及び下降操作のいずれかを行った場合に、操作をしてから原動機4の回転数の変更を実行するまでの条件、操作をしてから車速の変更を実行するまでの条件を、上昇条件入力部124、下降条件入力部125によって簡単に設定することができる。
【0153】
上昇条件入力部124は、原動機の実回転数を回転数設定部120で設定された原動機の回転数に設定する時間又は距離と、機体3の実速度を速度設定部121で設定された機体3の速度に設定する時間又は距離とを入力可能であり、下降条件入力部125は、原動機の実回転数を回転数設定部120で設定された原動機の回転数に設定する時間又は距離と、機体3の実速度を速度設定部121で設定された機体3の速度に設定する時間又は距離とを入力可能である。これによれば、操作部材(ポンパスイッチ42g)によって手動で上昇操作及び下降操作のいずれかを行った後に、原動機4の回転数の変更を実行するまでの時間又は距離、車速の変更を実行するまでの時間又は距離を簡単に変更することができる。
【0154】
作業機1は、回転数設定部120とは別に原動機の回転数を変更する第1変更操作部材と、速度設定部121とは別に機体3の速度を変更する第2変更操作部材と、を備え、回転数設定部120は、複数の原動機アイコンとは別に第1変更操作部材で変更された原動機の回転数に設定する原動機手動アイコンを有し、速度設定部121は、複数の速度アイコンとは別に第2変更操作部材で設定された機体3の速度に設定する速度手動アイコンを有している。これによれば、予め原動機4の回転数が対応付けられた原動機アイコン及び予め車速が対応付けられた速度アイコン以外に、第1変更操作部材で作業者が手動で設定した原動機4の回転数、第2変更操作部材で作業者が手動で設定した車速に変更することができる。
【0155】
さて、
図19に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、ワンタッチ設定画面(第9画面)M9を表示する。ワンタッチ設定画面M9では、予め定められたグループ毎に割り当てられた複数の設定情報を記憶部51から読み出して、読み出した複数の設定情報を表示することができる画面である。
まず、ワンタッチ設定画面M9における複数の設定項目及び複数の設定情報について説明する。ワンタッチ設定画面M9で示された複数の設定項目は、例えば、作業装置2によって作業を行うのに必要な項目であって、前進時における昇降装置8の動作設定を示す「昇降設定項目W1」、姿勢変更装置25の動作設定を示す「姿勢設定項目W2」、機体3の走行における動作設定を示す「走行設定項目W3」、原動機回転数の上限値を示す「回転上限設定項目W4」、旋回時等の前輪7Fの回転速度の増加の有無を示す「倍速設定項目W5」、第2自動上昇動作の動作設定を示す「オートアップ項目W6」、第1自動上昇動作の動作設定を示す「バックアップ項目W7」、変速装置の自動変速の動作設定を示す「自動変速設定項目W8」と、を含んでいる。ワンタッチ設定画面M9に表示する設定項目は、作業装置2によって作業を行う項目であればよく、上述した項目に限定されない。ワンタッチ設定画面M9において、少なくとも昇降設定項目W1、姿勢設定項目W2、走行設定項目W3、回転上限設定項目W4、倍速設定項目W5、オートアップ項目W6、バックアップ項目W7、自動変速設定項目W8の1以上が表示されればよく、全ての設定項目を表示しなくてもよい。
【0156】
昇降設定項目W1に対応する設定情報は、例えば、手動で昇降するモード(3Pポジション)、自動で昇降する3Pモード(3Pオート)である。姿勢設定項目W2に対応する設定情報は、位置モード、水平モード、傾斜モードである。走行設定項目W3に対応する設定情報は、4WD、4WD増速、2WDである。回転上限設定項目W4に対応する設定情報は、原動機回転数の上限値である。倍速設定項目W5に対応する設定情報は、倍速の有効(入)、無効(切)である。オートアップ項目W6に対応する設定情報は、第2自動上昇動作の有効(入)、無効(切)である。バックアップ項目W7に対応する設定情報は、第1自動上昇動作の有効(入)、無効(切)である。自動変速設定項目W8に対応する設定情報は、自動変速の有効(入)、無効(切)である。
【0157】
図20に示すように、記憶部51は、複数の設定項目(昇降設定項目W1、姿勢設定項目W2、走行設定項目W3、回転上限設定項目W4、倍速設定項目W5、オートアップ項目W6、バックアップ項目W7、自動変速設定項目W8)と、複数の設定情報(3Pポジション、3Pオート、位置モード、水平モード、傾斜モード、4WD、4WD増速、2WD、原動機回転数の上限値、倍速の有効、無効、第2自動上昇動作(オートアップ)の有効、無効、第1自動上昇動作(バックアップ)の有効、無効、自動変速の有効、無効)との関係をグループ毎に記憶している。
【0158】
表示装置50Bは、ワンタッチ設定画面M9において、グループ表示部130と、一覧表示部131とを表示する。グループ表示部130は、予め定められたグループを複数表示する部分である。グループ表示部130は、複数の名称表示部132を含んでいて、複数の名称表示部132には、それぞれグループ名が示されている。この実施形態では、複数の名称表示部132は、第1グループを示す名称表示部132aと、第2グループを示す名称表示部132bと、第3グループを示す名称表示部132cとを含んでいる。名称表示部132a、132b、132cのそれぞれは、タッチ操作や操作具57の操作により選択をすることができる。
【0159】
一覧表示部131は、グループ表示部130で表示された複数のグループのうち、選択されたグループに対応する複数の設定項目及び複数の設定情報を表示する。例えば、一覧表示部131は、名称表示部132aが選択されると第1グループに対応する複数の設定項目及び複数の設定情報を記憶部51から読み出し、読み出した第1グループに対応する複数の設定項目を示すアイコン133を順番にワンタッチ設定画面M9に表示すると共に、アイコン133の隣に記憶部51から読み出した設定情報を順番にワンタッチ設定画面M9に表示する。即ち、一覧表示部131は、昇降設定項目W1を示すアイコン133a、姿勢設定項目W2を示すアイコン133b、走行設定項目W3を示すアイコン133c、回転上限設定項目W4を示すアイコン133d、倍速設定項目W5を示すアイコン133e、オートアップ項目W6を示すアイコン133f、バックアップ項目W7を示すアイコン133g、自動変速設定項目W8を示すアイコン133hを表示する。また、アイコン133a~アイコン133hのそれぞれに対応する設定情報を表示する。
【0160】
したがって、作業者(オペレータ)がグループ表示部130に表示された複数のグループから、作業装置2の作業に対応するグループを選択することによって、複数の設定情報をワンタッチ設定画面M9に表示し、表示した複数の設定情報を確認することができる。
一覧表示部131は、変更表示部135を含んでいる。変更表示部135は、設定情報を変更することが可能な部分である。変更表示部135は、設定項目毎に設定情報を変更することが可能であって、昇降設定項目W1に対応する変更部135a、姿勢設定項目W2に対応する変更部135b、走行設定項目W3に対応する変更部135c、回転上限設定項目W4に対応する変更部135d、倍速設定項目W5に対応する変更部135e、オートアップ項目W6に対応する変更部135f、バックアップ項目W7に対応する変更部135g、自動変速設定項目W8に対応する変更部135hを含んでいる。変更部135a~変更部135hのそれぞれは、タッチ操作や操作具57の操作により選択可能であって、選択することにより、一覧表示部131に表示された設定情報を変更することができる。例えば、変更部135dを選択すると、原動機回転数の上限値を変更することができる。また、変更部135hを選択すると、自動変速の入切を変更することができる。したがって、少なくともグループに対応して設定した設定情報、即ち、ワンタッチ設定画面M9に表示した設定情報を変更することができる。
【0161】
図1Cに示すように、トラクタ1は、設定スイッチ137を備えている。設定スイッチ137は、ON又はOFFに切り換え可能なスイッチである。設定スイッチ137は、運転席10の周囲に設けられている。ワンタッチ設定画面M9において一覧表示部131に複数の設定情報を表示した状態で、設定スイッチ137がONにされると、当該一覧表示部131に表示された複数の設定情報が、有効な設定情報としてトラクタ1の制御装置40にセットされる。即ち、設定スイッチ137は、ONした時点で、一覧表示部131に示された複数の設定情報を、制御装置40に用いる情報として使用することを許可する。さらに言い換えれば、設定スイッチ137は、ONした時点で、一覧表示部131に示された複数の設定情報を、制御装置40に通知する。制御装置40は、複数の設定情報がセットされると、セットされた複数の設定情報に基づいて制御を実行する。
【0162】
表示装置50Bは、設定スイッチ137によって制御装置40に複数の設定情報をセットする前は、一覧表示部131の切換を実行し、複数の設定情報のセット後は、一覧表示部131の切換を停止する。例えば、ワンタッチ設定画面M9において一覧表示部131に複数の設定情報を表示し且つ、設定スイッチ137をOFFにしている状態(セットする前)では、表示装置50Bは、グループ表示部130に表示されたグループの選択を変更する毎に一覧表示部131に表示する複数の設定情報の表示を切り換える。一方、ワンタッチ設定画面M9において一覧表示部131に複数の設定情報を表示し且つ、設定スイッチ137をONにしている状態(セットした後)では、表示装置50Bは、グループ表示部130に表示されたグループの選択を変更することができず、セットした複数の設定情報を一覧表示部131に表示する。
【0163】
図1Cに示すように、トラクタ1は、操作スイッチ190を備えている。操作スイッチ190は、運転席10の周囲に設けられ且つ所定の設定項目の設定情報を設定可能なスイッチである。操作スイッチ190は、例えば、姿勢設定項目W2に対応する設定情報(位置モード、水平モード、傾斜モード)の設定、走行設定項目W3に対応する設定情報(4WD、4WD増速、2WD)の設定などが行えるスイッチである。制御装置40は、一覧表示部131に示された複数の設定情報を取得した後、取得した複数の設定情報のうち、操作スイッチ190で変更された所定の設定項目の設定情報を受け付け、受付けた設定情報で制御を実行する。設定スイッチ137によって一覧表示部131に表示する複数の設定情報が制御装置40に出力された後において、例えば、操作スイッチ190により走行設定項目W3に対応する設定情報が、2WDから4WDに切り換えられた場合、制御装置40は操作スイッチ190で変更された設定情報を受け付けて、トラクタ1を2WDから4WDに変更する。また、操作スイッチ190により姿勢設定項目W2に対応する設定情報が位置モードから水平モードに切り換えられた場合、制御装置40は操作スイッチ190で変更された設定情報を受け付けて、位置モードから水平モードに切り換えて姿勢変更装置25を水平モードで制御する。
【0164】
表示装置50Bは、設定指令部191を有している。設定指令部191は、操作スイッチ190で設定された現在の設定情報を、記憶部51に記憶させることを指令する。具体的には、表示装置50Bは、ワンタッチ設定画面M9に設定指令部191を示すスイッチを表示する。設定指令部(スイッチ)191が操作がなされると、現在の設定情報を、記憶部51に記憶させることを指令する。例えば、少なくとも制御装置40に第1グループの複数の設定情報が送信され、制御装置40が第1グループの設定情報に基づいてトラクタ1を制御している状況下において、上述したように、操作スイッチ190が操作され、所定の設定項目、例えば、走行設定項目W3が4WDに変更され、姿勢設定項目W2が水平モードに変更されたとする。このような状況下において、設定指令部191が操作されると、操作スイッチ190によって設定した走行設定項目W3の設定情報である「4WD」と、姿勢設定項目W2の設定情報である「水平モード」とが、第1グループの設定情報として更新することができる。
【0165】
作業機1は、作業機に関する複数の設定項目と設定項目に対応した複数の設定情報とを、予め定められたグループ単位で記憶する記憶部51と、グループを複数表示するグループ表示部130と、グループ表示部130で表示された複数のグループのうち、選択されたグループに対応する複数の設定項目及び複数の設定情報を表示する一覧表示部131とを画面に表示する表示装置50Bと、を備えている。これによれば、作業者が作業機1を操作して作業を行う場合等に、予め定められたグループ毎における複数の設定項目と複数の設定情報とを確認することができる。即ち、作業等に対応した複数の設定項目と複数の設定情報とを簡単に確認することができる。
【0166】
一覧表示部131は、操作に応じて設定情報を変更する変更表示部135を備えている。これによれば、一覧表示部131に表示した設定情報を変更表示部135によって変更することができる。
画面上の一覧表示部131に示された複数の設定情報を、制御装置40にセットする設定スイッチ137を備えている。これによれば、一覧表示部131に、複数の設定項目に対応する複数の設定情報を作業者が確認した後に、作業者が設定スイッチ137を操作することによって、作業者が確認した複数の設定項目に対応する複数の設定情報を制御装置40に設定(出力)することができる。
【0167】
表示装置50Bは、複数の設定情報のセット前は、グループ表示部130の選択により画面に表示される一覧表示部131の切換を実行し、複数の設定情報のセット後は、一覧表示部131の切換を停止する。これによれば、複数の設定情報のセット前は、グループ毎の設定情報をグループ表示部130の選択により確認することができる一方で、複数の設定情報を制御装置40に出力した後は、切換を停止することで、出力した複数の設定情報を表示装置50Bに固定して表示することができ、作業者は少なくとも制御装置40へ出力した複数の設定情報が何であったかを表示装置50Bを介して確認することができる。
【0168】
作業機は、運転席10の周囲に設けられ且つ所定の設定項目の設定情報を設定可能な操作スイッチ190を備え、制御装置40は、一覧表示部131に示された複数の設定情報を取得した後、取得した複数の設定情報のうち、操作スイッチ190で変更された所定の設定項目の設定情報を受け付ける。これによれば、所定のグループの設定情報を制御装置40側で読み込んだ後に、作業等の事情で所定の設定項目の設定情報を変更する必要があった場合には、操作スイッチ190によって簡単に設定情報を変更することができる。
【0169】
表示装置50Bは、操作スイッチ190で設定された所定の設定項目の現在の設定情報を、記憶部51に記憶させることを指令する設定指令部191を有している。これによれば、実際に作業を行って入り最中に、より作業に適した設定が見つかった場合には、操作スイッチ190によって設定の変更をした現在の設定情報を、記憶部51に記憶させることができ、次回からグループ単位で読み出すことができる。
【0170】
作業機1は、原動機4と、変速装置5と、を備え、複数の設定項目は、原動機4の回転数の上限値を示す回転上限設定項目と、変速装置5の自動変速を示す自動変速設定項目とを含み、複数の設定情報は、原動機の回転数の上限値と、自動変速の入切とを含んでいる。これによれば、作業機1の作業において、原動機4の回転数の上限値を作業単位で設定することができ、作業装置2において原動機4の回転数、即ち、PTO軸の回転数に制限がある場合、適正な回転数がある場合等は作業が行い易くなる。加えて、
自動変速の入切を作業に応じて変更ができるため、作業者の操作の軽減を図ることができる。
【0171】
さて、
図21に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、ボックス設定画面(第10画面)M10を表示する。ボックス設定画面M10は、候補の設定情報(候補設定情報)が表示されたボックス(候補ボックス)140を移動させることによって、所定の設定を行うことができる画面である。ボックス設定画面M10では、例えば、変速に関する設定情報を設定する変速設定画面である。
【0172】
表示装置50Bは、ボックス設定画面M10に複数の候補ボックス140を表示する。複数の候補ボックス140のそれぞれは、設定候補情報として変速段が示されている。複数の候補ボックス140は、1段の変速段を示す第1候補ボックス140aと、2段の変速段を示す第2候補ボックス140bと、3段の変速段を示す第3候補ボックス140cと、4段の変速段を示す第4候補ボックス140dと、5段の変速段を示す第5候補ボックス140eと、6段の変速段を示す第6候補ボックス140fと、7段の変速段を示す第7候補ボックス140gと、8段の変速段を示す第8候補ボックス140hとを含んでいる。
図22Aに示すように、ボックス設定画面M10において、変速段を設定していない状態(デフォルト状態)では、複数の候補ボックス140(140a、140b、140c、140d、140e、140f、140g)はそれぞれ、ボックス設定画面M10の横方向に整列している。
【0173】
表示装置50Bは、ボックス設定画面M10に複数の内容表示部141を表示する。複数の内容表示部141は、設定項目を表示している。この実施形態では、複数の内容表示部141は、変速に関する設定項目を文字等で表示している。
複数の内容表示部141は、複数の候補ボックス140の一方側(左側)又は他方側(右側)に配置されている。複数の内容表示部141は、複数の候補ボックス140が整列する整列する方向とは直交する直交方向に並べられている。詳しくは、デフォルト状態において複数の候補ボックス140が整列する位置を基準ライン143とした場合、当該基準ライン143に平行な複数の設定ライン144上に、内容表示部141が配置されている。なお、設定ライン144は、ボックス設定画面M10に表示されなくてもよい。
【0174】
複数の内容表示部141は、第1内容表示部141aと、第2内容表示部141bと、第3内容表示部141cとを含んでいる。第1内容表示部141a、第2内容表示部141b及び第3内容表示部141cは、それぞれ設定項目を表示する項目表示部145と、候補ボックス140を選択するボックス選択部146とを有している。即ち、複数の内容表示部141は、それぞれ項目表示部145と、ボックス選択部146とを有している。
【0175】
詳しくは、第1内容表示部141aの項目表示部145aは、設定項目として、昇降装置8の昇降時に変速段を設定することを示している。第2内容表示部141bの項目表示部145bは、変速段の上限を設定することを示している。第3内容表示部141cの項目表示部145cは、変速段の下限を設定することを示している。
ボックス選択部146は、複数の候補ボックス140の中から、所定の候補ボックス、即ち、設定を行いたい候補ボックス(表示ボックス)を選択する部分である。ボックス選択部146は、増加入力部146aと、減少入力部146bとを有している。
【0176】
増加入力部146aは、複数の候補ボックス140の中から表示ボックスを選択する場合において、所定位置から右側に位置する候補ボックス140を表示ボックスとして選択するボタンである。例えば、
図22Aに示すように、変速段を設定していない状態(デフォルト状態)において、増加入力部146aを操作すると、
図22Bに示すように、第1候補ボックス140aが表示ボックスとして選択される。また、
図22Bに示すように、第1候補ボックス140aが表示ボックスとして選択されている場合において、増加入力部146aを操作すると、
図22Cに示すように、第1候補ボックス140aの右側に位置する候補ボックス140である第2候補ボックス140bが表示ボックスとして選択される。なお、第2候補ボックス140bが表示ボックスとして選択された場合、第1候補ボックス140aに対する表示ボックスの選択は解除される。
【0177】
減少入力部146bは、複数の候補ボックス140の中から表示ボックスを選択する場合において、所定位置から左側に位置する候補ボックス140を表示ボックスとして選択するボタンである。例えば、
図22Aに示すように、デフォルト状態において、減少入力部146bを操作すると、
図22Dに示すように、第8候補ボックス140hが表示ボックスとして選択される。また、
図22Dに示すように、第8候補ボックス140hが表示ボックスとして選択されている場合において、減少入力部146bを操作すると、
図22Eに示すように、第8候補ボックス140hの左側に位置する候補ボックス140である第7候補ボックス140gが表示ボックスとして選択される。なお、第7候補ボックス140gが表示ボックスとして選択された場合、第8候補ボックス140hに対する表示ボックスの選択は解除される。
【0178】
表示装置50B(表示制御部56)は、トラクタ1の設定を行う場合に、複数の候補ボックス140のうち、所定の候補ボックスである表示ボックスを、内容表示部141に対応する位置に移動させる。
例えば、
図22B及び
図22Cに示すように、表示ボックスが第1候補ボックス140aとして設定されている状態において、第3内容表示部141cの増加入力部146aを選択した場合、表示ボックスに設定された第2候補ボックス140bを基準ライン143から第3内容表示部141cに対応する位置である設定ライン144c上に移動させる。即ち、表示ボックスを、第1候補ボックス140aから第2候補ボックス140bに変更した場合、第2候補ボックス140bを、基準ライン143と直交する方向に移動させることで、第2候補ボックス140bを設定ライン144b上に位置させ、第1候補ボックス140aを基準ライン143に戻す。したがって、変速段の下限を第2候補ボックス140bで示された2段に設定することができる。
【0179】
また、
図22D及び
図22Eに示すように、表示ボックスが第8候補ボックス140hとして設定されている状態において、第2内容表示部141bの減少入力部146bを選択した場合、表示ボックスに設定された第7候補ボックス140gを基準ライン143から第2内容表示部141bに対応する位置である設定ライン144b上に移動させる。即ち、表示ボックスを、第8候補ボックス140hから第7候補ボックス140gに変更した場合、当該第7候補ボックス140gを、基準ライン143と直交する方向に移動させることで、第7候補ボックス140gを設定ライン144b上に位置させ、第8候補ボックス140hを基準ライン143に戻す。したがって、変速段の上限を第7候補ボックス140gで示された7段に設定することができる。
【0180】
なお、上述した実施形態では、複数の候補ボックス140のうち、表示ボックスに設定された候補ボックスを内容表示部141に対応する位置に移動させることで設定を行っているが、表示装置50B(表示制御部56)は、表示ボックスから内容表示部141に対応する位置に向けて設定が行われていることを示す設定バー147を表示させてもよい。
例えば、
図22Aに示すように、デフォルト状態においては、複数の候補ボックス140は整列されていて、当該複数の候補ボックス140からは設定バー147が延設されてない状態である。
図22B及び
図22Dに示すように、表示ボックスが第3候補ボックス140cとして設定されている状態において、第1内容表示部141aの増加入力部146aを選択した場合、表示ボックスに設定された第4候補ボックス140dから第1内容表示部141aに対応する位置である設定ライン144aに向けて設定バー147を延設する。即ち、表示ボックスを、第3候補ボックス140cから第4候補ボックス140dに変更した場合、当該第4候補ボックス140dから設定バー147を延ばし、第3候補ボックス140cの設定バー147を削除する。したがって、昇降装置8の上昇時における変速段を第4候補ボックス140dで示された4段に設定することができる。
【0181】
なお、上述した実施形態では、複数の候補ボックス140を移動させることによって変速段を設定しているが、変速装置5における変速方法は限定されず、例えば、有段の主変速部(主変速機構)の変速段における設定に適用してもよいし、有段の副変速部(副変速機構)の変速段における設定に適用してもよい。或いは、無段変速機構において、変速レベル(変速の大きさ)を複数の候補ボックス140で分けて示し(最小値から最大値までを所定の範囲で区切って表示し)、当該複数の候補ボックス140を移動させることにより設定を行ってもよい。
【0182】
上述した実施形態では、
図21に示すように、複数の候補ボックス140のうち、第2候補ボックス140bと、第7候補ボックス140gとを上下に異なる位置に移動させることで設定を行っていたが、
図22Fに示すように、第2候補ボックス140b及び第7候補ボックス140gを同一の水平位置に移動させることで設定を行ってもよい。即ち、複数の候補ボックス140のうち、設定される候補ボックス140を同一の直線状に並べることで設定を行ってもよい。
【0183】
また、設定バー147を内容表示部141に延設することによって設定を行っていたが、設定する際には、複数の候補ボックス140のうち、設定対象として選んだ所定のボックス(表示ボックス)140の色を、他の候補ボックス140とは異なる色に変更し、表示ボックス140が設定された内容に対応する内容表示部141の色を、表示ボックス140と同じ色にすることで、設定を行ってもよい。例えば、第4候補ボックス141dの色と、3P上昇時に対応する第1内容表示部141aの色とを同一の色にする。
【0184】
作業機の表示装置50Bは、作業機に設定可能な候補設定情報が示され且つ画面に表示される複数の候補ボックス140と、作業機に関する設定項目が表示された内容表示部141と、作業機の設定を行う場合に、複数の候補ボックス140のうち設定に対応する候補設定情報が表示された候補ボックス140である表示ボックスを、内容表示部141に対応する位置に移動させる表示制御部56と、を備えている。これによれば、複数の候補ボックス140のうち、設定に対応する候補設定情報が表示された所定の候補ボックス(表示ボックス)140を、内容表示部141に対応する位置に移動することによって、表示ボックス140の候補設定情報を設定することができる。即ち、複数の候補設定情報を、内容表示部141に対応する別の場所に移動させることで設定が行えるため、複数の候補設定情報から設定のために選んだ所定の候補設定情報が何であるかをより視覚的に把握することができる。
【0185】
内容表示部141は、複数の候補ボックス140の中から表示ボックスを選択するボックス選択部146を有し、表示制御部56は、ボックス選択部146で選択された表示ボックスを内容表示部141に対応する位置に移動させる。これによれば、複数の候補ボックス140の中から、表示ボックスであるボックスをボックス選択部146によって選ぶことで簡単に設定を行うことができる。
【0186】
表示制御部56は、作業機の設定が行われていない場合に、複数の候補ボックス140を画面に整列させ、作業機の設定が行われた場合に、表示ボックスを整列した位置から内容表示部141に対応する位置に移動させる。これによれば、複数の候補ボックス140の中から、表示ボックスである所定の候補ボックスが移動するため、候補設定情報を視覚的に捉えることができる。
【0187】
表示制御部56は、作業機の設定が行われた場合に、複数の候補ボックス140が整列している整列方向と交差する方向に表示ボックスを移動させる。これによれば、複数の候補ボックス140のうち、設定に寄与していない候補ボックス140と、設定に寄与した表示ボックスとを把握しやすい。
作業機の表示装置は、作業機に設定可能な候補設定情報が示され且つ画面に表示される複数の候補ボックス140と、作業機に関する設定項目を表示する内容表示部141と、作業機の設定を行う場合に、複数の候補ボックス140のうち設定に対応する候補設定情報が表示された候補ボックス140である表示ボックスから、内容表示部141に対応する位置に向けて設定が行われていることを示す設定バー147を表示させる表示制御部56と、を備えている。これによれば、複数の候補設定情報の中から候補設定情報を設定バー147によっても把握することができる。
【0188】
内容表示部141は、複数の候補ボックス140の中から表示ボックスを選択するボックス選択部146を有し、表示制御部56は、ボックス選択部146で選択された表示ボックスから内容表示部141に向けて延びる設定バー147を表示する。これによれば、ボックス選択部146によって表示ボックスを選択することで、選択した候補設定情報に対応する設定バー147を表示することができる。
【0189】
表示制御部56は、作業機の設定が行われていない場合に、複数の候補ボックス140を画面に整列させ、作業機の設定が行われた場合に、複数の候補ボックス140が整列している整列方向と交差する方向に設定バー147を延設させる。これによれば、設定バー147を見ることによって、複数の候補ボックス140のうち、設定に寄与していない候補ボックス140と、設定に寄与した表示ボックスとを把握しやすい。
【0190】
複数の候補ボックス140は、候補設定情報として作業機の変速段が示されたボックスであり、表示項目は、変速段の上限、下限及び作業装置2の上昇時の変速段のいずれかである。これによれば、変速装置における変速段の上限、下限及び作業装置2の上昇時の変速段を簡単に設定することができる。
さて、表示装置50Bの操作を行うことが可能な操作具57は、他の表示装置の操作を行うことが可能である。例えば、操作具57は、表示装置50A及び表示装置50Cの操作をすることが可能である。即ち、操作具57は、複数の表示装置50(表示装置50A、50B、50C)の操作を行うことが可能である。なお、操作具57で操作することが可能な表示装置50は、上述した表示装置50A、50B、50Cに限定されず、例えば、トラクタ1に設けた表示装置50であればよい。
【0191】
制御装置40は、トラクタ1の動作状態に基づいて、複数の表示装置50の中から操作具57によって操作を行える表示装置50である対象表示装置を決定し、操作具57の操作信号(操作情報)を対象表示装置に出力することで、操作具57による対象表示装置の操作を実行させる。具体的には、
図23に示すように、まず、制御装置40は、検出装置41が検出した検出情報及び操作部材42の操作情報のいずれかを取得する(S1)。制御装置40は、取得した検出情報及び操作情報のいずれかに基づいてトラクタ1の動作状態を把握する(S2)。制御装置40は、トラクタ1の動作状態を把握すると、当該動作状態に基づいて複数の表示装置50の中から最も操作を優先する表示装置を対象表示装置に決定する(S3)。制御装置40は、対象表示装置に決定後、操作具57の操作信号(操作情報)を取得すると、当該操作情報を対象表示装置に出力することで、操作具57によって、複数の表示装置50の中から所定の表示装置である対象表示装置を操作させる(S4)。なお、制御装置40は、操作具57による操作途中又は操作終了後にトラクタ1の動作状態が変化することによって操作を優先する対象表示装置の変更を行った場合、変更前の対象表示装置に対する操作具57の操作は停止して、変更後の対象表示装置に対する操作具57の操作を開始する(S5)。
【0192】
図24は、制御装置40によって複数の表示装置50の中から所定の表示装置(対象表示装置)を決定して操作具57の操作を実行するフローを示した図である。
図24に示すように、イグニッションスイッチ42bがONになり、トラクタ1の動作状態が駆動停止から駆動開始の処理に移行すると(S10)、制御装置50は、表示装置(認証表示装置)50Cを、操作を優先する対象表示装置に決定する(S11)。また、制御装置40は、操作具57を、認証情報を入力する入力装置として設定し(S12)、認証情報の入力処理へと移行する(S13)。
【0193】
入力処理では、制御装置40は認証表示装置50Cに対して認証情報を入力する指令を出力し、認証表示装置50Cは、入力可能である暗証番号等の認証情報を表示する(S13-1)。また、制御装置40が操作具57による回転操作を受け付けると、認証表示装置50Cに対して認証情報を入力する入力桁の変更を指令する(S13-2)。入力桁の決定後、制御装置40が操作具57による回転操作を受け付けると、当該制御装置40は、認証表示装置50Cに対して入力桁に入力する数字の変更を指令する(S13-3)。S13-2及びS13-3を繰り返し、認証情報の入力が完了を受け付けると、制御装置40は、操作具57(入力装置)によって入力された認証情報(認証表示装置50Cに表示された認証情報)を、入力認証情報として保持を行う(S13-4)。
【0194】
制御装置40は、予め記憶された記憶認証情報と入力認証情報との認証を行い、認証が成立した場合(S14、Yes)、原動機4の始動の許可を行い、原動機4を始動する(S15)。また、制御装置40は、原動機4の始動の許可と共に、認証表示装置50Cに対する操作の優先を解除し(S16)、表示装置(ターミナル表示装置)50Bを、操作を優先する対象表示装置に決定する(S17)。一方、制御装置40は、認証が不成立である場合(S14、No)、原動機4の始動の許可を行わず(原動機4の始動の不許可を行う)、原動機4を停止状態に保持する(S18)。また、制御装置40は、原動機4の始動の不許可である場合には、表示装置50Cに対する操作の優先の解除を行わず、再び、入力処理(S13)へと戻す。
【0195】
ターミナル表示装置50Bを対象表示装置に決定した後は、制御装置40は、操作具57の操作信号を当該ターミナル表示装置50Bに出力することで、操作具57による表示装置50Bの操作を行わせる(S19)。
制御装置40は、操作具57と制御装置40への接続経路における断線、又は、ターミナル表示装置50Bの取り外しについて監視を行う(S20)。制御装置40は、断線及びターミナル表示装置50Bの取り外しのいずれかがあった場合(S20、Yes)、ターミナル表示装置50Bに表示していた情報を認証表示装置50Cに切り換える(S21)。言い換えれば、制御装置40は、認証表示装置50Cをターミナル表示装置50Bとして機能するように、当該認証表示装置50Cの表示を切り換える。
【0196】
上述した実施形態では、ターミナル表示装置50B、認証表示装置50Cを対象表示装置に切り替えていたが、メータ表示装置50Aを対象表示装置に切り替えてもよい。また、複数の表示装置50のうち、対象表示装置に設定されている表示装置50は、操作具57によって操作を行える表示装置50であることを表示してもよい。例えば、
図25に示すように、ターミナル表示装置50Bが対象表示装置に設定されている場合、「操作具57によって操作を行える表示装置50」であることを、文字部150やマーク部151によって表示する。
【0197】
また、制御装置40は、動作情報の他に複数の表示装置50から送信された操作の可否を示す操作可否情報に基づいて、対象表示装置を決定してもよい。
図23に示すように、制御装置40は、定期的又は不定期に複数の表示装置50から操作可否情報152を取得する(S6)。例えば、表示装置50A、50Cから送信された操作可否情報が「操作不可」であることを示し、表示装置50Bから送信された操作可否情報が「操作可」であることを示している場合、制御装置40は、表示装置50Bを対象表示装置に設定する。また、表示装置50A、50B、50Cから送信された操作可否情報が「操作不可」であることを示している場合、制御装置40は、対象表示装置の設定を行わず、操作具57による表示装置50の操作を許可しない。
【0198】
なお、運転席10の周囲に設けられた複数の操作部材42のうち、所定の操作部材42を、表示装置50を操作する操作具57に設定できるようにしてもよい。
図32Aに示すように、例えば、所定の操作を行うと表示装置50Bは、操作具57を設定する操作設定画面M20を表示する。操作設定画面M20では、複数の操作部材42の一覧(例えば、PTO変速レバー、変速レバー、上限設定ダイヤル・・・)が表示されると共に、一覧の中から操作具57として選択する操作部材42を指定する選択部201を表示する。操作設定画面M20において、選択部201で設定された操作部材42が操作具57に設定される。
【0199】
また、複数の表示装置50において、操作具57で操作する優先順位を設定できるようにしてもよい。
図32Bに示すように、例えば、所定の操作を行うと表示装置50Bは、表示装置50の優先順位を設定する順位設定画面M21を表示する。順位設定画面M21では、複数の表示装置50の一覧(例えば、メータパネル、ターミナル、認証モニタ・・・)が表示されると共に、優先順位を入力する入力部202を表示する。順位設定画面M21において、入力部202に入力された優先順位に基づいて表示装置50の操作を行うことができる。順位設定画面M21において、表示装置50の優先順位が設定されると、操作具57による操作が順番に実行される。例えば、最も優先順位が高い表示装置50への操作が完了すると、次に優先順位が高い表示装置50の操作を行うことができる。
【0200】
作業機1は、作業機に関する情報を表示する複数の表示装置50と、複数の表示装置50の操作を実行可能な操作具57と、作業機の動作状態に基づいて、複数の表示装置50の中から操作具57によって操作を行える表示装置50である対象表示装置を決定する制御装置40とを備えている。これによれば、制御装置40によって、複数の表示装置50の中から操作具57によって行うことができる対象表示装置を決定することができるため、作業機の動作状態に応じて、複数の表示装置50を操作具57によって操作することができ、操作具57による表示装置50の操作の負荷を軽減することができる。また、表示装置50が追加になった場合でも既に作業機1に設けられた操作具57によって追加した表示装置50も操作することができる。
【0201】
制御装置40は、作業機の動作状態に基づいて、複数の表示装置50の中から最も操作を優先する表示装置50を対象表示装置に決定する。これによれば、作業機1の様々な動作状態によって、操作を優先しなければならない表示装置50の操作を、操作具57を用いて簡単に行うことができる。
制御装置50は、作業機の動作情報と複数の表示装置50から送信された操作の可否を示す操作可否情報に基づいて、対象表示装置を決定する。これによれば、複数の表示装置50から送信された操作可否情報に基づいて対象表示装置を決めているため、対象表示装置の切換がスムーズに進み、操作具57によってより多くの表示装置50を操作することができる。
【0202】
対象表示装置は、操作具57によって操作を行える表示装置50であることを表示する。これによれば、作業者が操作具57で操作できる表示装置が何であるかを簡単に把握することができる。
作業機1は、イグニッションスイッチ42bを備え、制御装置は、動作状態としてイグニッションスイッチ42bの状態を取得し、取得したイグニッションスイッチ42bの状態に基づいて、複数の表示装置50の中から対象表示装置の決定を行う。これによれば、原動機4の始動時、停止時等に切り換えられるイグニッションスイッチ42bの状態によって対象表示装置の決定を行っているため、原動機4の始動時、停止時に必要な表示が必要な対象表示装置に対して効率よく操作を行うことができる。
【0203】
作業機1は、原動機4を備え、複数の表示装置50は、認証情報を表示する認証表示装置50Cと、作業機の設定に関する情報を表示するターミナル表示装置50Bとを含み、制御装置40は、イグニッションスイッチ42bがオンである場合に、操作具57を、認証情報を入力する入力装置として設定し、且つ、認証表示装置50Cを対象表示装置に決定する。これによれば、認証情報を認証表示装置50Cによって入力するための操作具57として兼用化することができ、認証情報の入力をするための操作具を別に設けなくても良く操作具を減らすことができる。
【0204】
制御装置40は、入力装置に入力された認証情報の認証が成立した場合にターミナル表示装置50Bを対象表示装置に決定し、認証が不成立の場合に認証表示装置50Cを対象表示装置に設定する。これによれば、認証の成立後には、認証情報の入力をするための操作具57を、ターミナル表示装置50Bの操作具として用いることができる。
さて、トラクタ1は、予め定められた優先項目の優先値に基づいて駆動(作動)をすることができる。
【0205】
図26に示すように、表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、優先設定画面(第12画面)M12を表示する。
表示装置50Bは、優先設定画面M12において、3つの優先項目(第1優先項目、第2優先項目、第3優先項目)の優先値(第1優先値、第2優先値、第3優先値)を設定することができる。優先値とは、トラクタ1等を駆動する際に当該駆動を優先する強さを示す値であって、当該優先値が高いほど、優先項目に基づく駆動が優先して実行され、優先値が低いほど、優先項目に基づく駆動が優先されない。
【0206】
表示装置50Bは、優先設定画面M12にエリア表示部160を表示する。エリア表示部160は、優先値を設定する設定エリアQ10を表示する部分である。設定エリアQ10は、第1優先項目の第1優先値と、第2優先項目の第2優先値と、第3優先項目の第3優先値とを設定するエリアである。設定エリアQ10には、第1優先値を示す位置(座標x、y)と、第2優先値を示す位置(座標x、y)と、第3優先値を示す位置(座標x、y)とが予め設定されている。詳しくは、設定エリアQ10は、優先値を示す2次元のエリアであって、当該エリアには、優先値が零である基準点(原点)O1が設定されている。また、設定エリアQ10には、基準点(原点)O1を通る第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163が示されている。
【0207】
第1軸表示部161は、第1優先項目に対応する軸であって、例えば、基準点O1から上方に延設されている。第1軸表示部161には、第1優先項目の第1優先値を示す第1目盛部161aを含んでいる。第1目盛部161aは、基準点O1からの距離に応じて第1優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置、即ち、第1軸表示部161において、基準点O1と反対側の端部である第1端部161bは最大値に設定されている。第1目盛部161aは、第1優先値の大きさを1~5段階で示している。
【0208】
第2軸表示部162は、第2優先項目に対応する軸であって、第1軸表示部161とは異なる方向に延びている。第2軸表示部162は、例えば、基準点O1から右下方に延設されている。第2軸表示部162には、第2優先項目の第2優先値を示す第2目盛部162aを含んでいる。第2目盛部162aは、基準点O1からの距離に応じて第2優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置、即ち、第2軸表示部162において、基準点O1と反対側の端部である第2端部162bは最大値に設定されている。第2目盛部162aは、第2優先値の大きさを1~5段階で示している。
【0209】
第3軸表示部163は、第3優先項目に対応する軸であって、第1軸表示部161及び第2軸表示部162とは異なる方向に延びている。第3軸表示部163は、例えば、基準点O1から左下方に延設されている。第3軸表示部163には、第3優先項目の第3優先値を示す第3目盛部163aを含んでいる。第3目盛部163aは、基準点O1からの距離に応じて第3優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置、即ち、第3軸表示部163において、基準点O1と反対側の端部である第3端部163bは最大値に設定されている。第3目盛部163aは、第3優先値の大きさを1~5段階で示している。
【0210】
したがって、設定エリアQ10において、第1軸表示部161の第1目盛部161aに対応する位置と、第2軸表示部162の第2目盛部161bに対応する位置とを選択した場合は、第1優先値及び第2優先値を設定することができる。また、設定エリアQ10において、第1軸表示部161の第1目盛部161aに対応する位置と、第3軸表示部163の第3目盛部163bに対応する位置とを選択した場合は、第1優先値及び第3優先値を設定することができる。さらに、設定エリアQ10において、第2軸表示部162の第2目盛部162aに対応する位置と、第3軸表示部163の第3目盛部163bに対応する位置とを選択した場合は、第2優先値及び第3優先値を設定することができる。
【0211】
上述したように、優先値を設定した場合、設定エリアQ10には、マーカ表示部165が表示される。マーカ表示部165は、第1優先値、第2優先値及び第3優先値の少なくとも2つの値(第1優先値及び第2優先値、第1優先値及び第3優先値、第2優先値及び第3優先値)を示している。
以下、マーカ表示部165の表示について、設定エリアQ10の構成と共に詳しく説明する。
【0212】
設定エリアQ10は、第1軸表示部161の第1端部161bと、第2軸表示部162の第2端部162bと、第3軸表示部163の第3端部163bとを直線状のラインL100によって結ぶことにより構成され、三角形である。なお、第1軸表示部161の長さ(基準点O1から第1端部161bまでの長さ)と、第2軸表示部162の長さ(基準点O1から第2端部162bまでの長さ)と、第3軸表示部163の長さ(基準点O1から第2端部162bまでの長さ)とは、同じに設定されている。第1軸表示部161と第2軸表示部162との開き角度θ1、第1軸表示部161と第3軸表示部163の開き角度θ2、第2軸表示部162と第3軸表示部163の開き角度θ3は、予め定められた角度であって、例えば、120degに設定されている。これにより、設定エリアQ10は正三角形である。
【0213】
なお、表示装置50Bにおいて、優先設定画面M12に表示された設定ボタン195を選択すると、第1軸表示部161の長さ、第2軸表示部162の長さ及び第3軸表示部163の長さを変更する窓部、或いは、開き角度θ1~θ3を変更する窓部が表示される。第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163の長さを変更、開き角度θ1~θ3の変更により、設定エリアQ10の形状を変更することができる。また、第1端部161b、第2端部162b及び第3端部163bを結ぶラインL100の形状を、例えば、点線で示すように円弧等の任意の形状に変更できるようにしてもよい。これによれば、開き角度θ1~θ3及び長さを変更することにより、設定する優先値の範囲を変更することができる。
【0214】
また、設定エリアQ10は、第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163により分割された分割エリア166を含んでいる。分割エリア166は、第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163のうち、少なくとも2つの軸表示部に対応するエリアである。具体的には、分割エリア166は、第1部分エリア166a、第2部分エリア166b、第3部分エリア166cのいずれかである。第1部分エリア166aは、第1軸表示部161と第2軸表示部162とにより分けられたエリア、第2部分エリア166bは、第1軸表示部161と第3軸表示部163とにより分けられたエリア、第3部分エリア166cは、第2軸表示部162と第3軸表示部163とにより分けられたエリアである。
【0215】
マーカ表示部165は、部分エリア166に設定した優先値を表示するマーカであって、第1優先値及び第2優先値が設定された場合には第1部分エリア166aに表示され、第1優先値及び第3優先値が設定された場合には第2部分エリア166bに表示され、第2優先値及び第3優先値が設定された場合には、第3部分エリア166cに表示される。
したがって、表示装置50Bに優先設定画面M12を表示した状態で、設定エリアQ10(第1部分エリア166a、第2部分エリア166b、第3部分エリア166c)の任意の箇所をタッチ操作により操作したり、操作具57を操作することで設定エリアQ10の任意の箇所を選択することによって、
第1優先項目に対応する第1優先値と、第2優先項目に対応する第2優先値と、第3優先項目に対応する第3優先値のうち、少なくとも2つの値を同時に設定することができる。
【0216】
さて、優先設定画面M12には、第1優先項目として、PTO軸の回転を優先する「PTO優先」が示され、第2優先項目として、車速を優先する「車速優先」が示され、第3優先項目として、原動機4が駆動時に消費する燃費を優先する「燃費優先」が示されている。原動機4、変速装置5の作動部(第2作動部)は、PTO優先に対応する第1優先値、車速優先に対応する第2優先値及び燃費優先に対応する第3優先値に基づいて駆動が変更される。
【0217】
PTO優先は、PTO軸の回転を維持する制御を優先することを示している。第1軸表示部161の第1目盛部161aは、第1優先値としてPTO回転数を優先する値を示しており、数値が高いほど、PTO回転数を維持する制御が強く、数値が低くなるとPTO回転数を維持する制御は弱くなる。制御装置40は、例えば、PTO軸の回転(PTO回転数)が所定の回転数に設定されている場合、第1優先値に応じて、実際のPTO回転数を設定された回転数に維持する強度を変化させる。
【0218】
車速優先は、車速を維持する制御を優先することを示している。第2軸表示部162の第2目盛部162aは、第2優先値として車速を優先する値を示しており、数値が高いほど、車速を維持する制御が強く、数値が低くなると車速を維持する制御は弱くなる。制御装置40は、例えば、車速が所定の回転数に設定されている場合、第2優先値に応じて、実際の車速を設定された車速に維持する強度を変化させる。
【0219】
燃費優先は、燃費を維持する制御を優先することを示している。第3軸表示部163の第3目盛部163aは、第3優先値として燃費の維持を優先する値を示しており、数値が高いほど、燃費を維持する制御が強く、数値が低くなると車速を維持する制御は弱くなる。制御装置40は、例えば、燃費が所定の回転数に設定されている場合、第3優先値に応じて、実際の燃費を設定された燃費に維持する強度を変化させる。
【0220】
例えば、PTO優先の第1優先値が他の第2優先値及び第3優先値よりも高い場合、制御装置40は、PTO回転数が予め定められた所定の回転数になるように原動機回転数を維持したり、原動機回転数とPTO変速部5e3の変速段との組み合わせによりPTO回転数を所定の回転数に保持する。例えば、車速優先の第2優先値が他の第1優先値及び第3優先値よりも高い場合、制御装置40は、前車軸21F又は後車軸21Rの回転数が予め定められた車速に対応する回転数に一致するように、主変速部5cの変速段(変速レベル)、副変速部5dの変速段(変速レベル)、原動機回転数等の変更を行う。主変速部5cの変速段(変速レベル)の変更は、油圧ポンプ5c1の斜板12の斜板角の変更、油圧モータ5c2から遊星歯車機構5c3へ出力する回転数の変更(油圧モータ5c2の自身の回転数の変更、油圧モータ5c2から遊星歯車機構5c3へ入力する経路での回転数の変更)、油圧ポンプ5c1へ供給する作動油の流量の変更(油圧ポンプ5c1の油圧回路の制御弁の開度の変更)等により行うことができる。
【0221】
例えば、燃費優先の第3優先値が他の第2優先値及び第3優先値よりも高い場合、制御装置40は、原動機4で消費する燃料消費が予め定められた値以下となるように、主変速部5cの変速段(変速レベル)、副変速部5dの変速段(変速レベル)、原動機回転数等の変更を行う。
作業機1は、第1優先項目の第1優先値、第2優先項目の第2優先値及び第3優先項目の第3優先値に基づいて作動する作動部(第2作動部)と、第1優先値、第2優先値及び第3優先値を設定する表示装置50Bと、を備え、表示装置50Bは、第1優先値、第2優先値及び第3優先値を設定する設定エリアQ10を表示するエリア表示部160と、設定エリアQ10に示された基準点O1を通り且つ基準点O1からの距離により第1優先値を示す第1目盛部161aを含む第1軸表示部161と、基準点O1からの距離により第2優先値を示す第2目盛部162aを含み且つ基準点O1を通って第1軸表示部161とは異なる方向に延びる第2軸表示部162と、基準点O1からの距離により第3優先値を示す第3目盛部163aを含み且つ基準点O1を通って第2軸表示部162とは異なる方向に延びる第3軸表示部163と、設定エリアQ10であって且つ第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163のうち、少なくとも2つの軸表示部に対応する部分エリア166に示されるマーカ表示部165であって、第1優先値、第2優先値及び第3優先値の少なくとも2つの値を示すマーカ表示部16と、を有している。
【0222】
これによれば、第1優先値に対応する第1軸表示部161、第2優先値に対応する第2軸表示部162、第3優先値に対応する第3軸表示部163に対応する部分エリア166に、第1優先値、第2優先値及び第3優先値の少なくとも2つの値を示すマーカ表示部166を表示することができるため、例えば、第1優先値と第2優先値との関係、第1優先値と第2優先値との関係、第2優先値と第3優先値との関係を、視覚的に把握することができる。
【0223】
エリア表示部160は、第1軸表示部161において基準点O1とは反対側の第1端部161bと、第2軸表示部162において基準点O1とは反対側の第2端部162bと、第3軸表示部163において基準点O1とは反対側の第3端部163bとを結ぶことで構成したエリアを設定エリアQ10として表示する。これによれば、3つの軸(第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163)の端部を結ぶエリアが設定エリアQ10に設定されているため、設定エリアQ10内において2つの値(優先値)の設定が行い易い。
【0224】
基準点O1に対する第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163のそれぞれの開き角度θ1~θ3は、予め設定されている角度に設定されている。これによれば、各軸表示部(第1軸表示部161、第2軸表示部162及び第3軸表示部163)の開き角度θ1~θ3によって、部分エリア166の面積を設定することができ、少なくとも2つの値の関係性(優先値の比率、割合)を決めることができる。
【0225】
分割エリア166は、第1軸表示部161と第2軸表示部とにより分けられた第1部分エリア161a、第1軸表示部161と第3軸表示部163とにより分けられた第2部分エリア166b、第2軸表示部162と第3軸表示部163とにより分けられた第3部分エリア166cのいずれかである。これによれば、第1部分エリア161aによって第1優先値及び第2優先値を設定し、第2部分エリア166bによって第1優先値及び第3優先値を設定し、第3部分エリア166cによって第2優先値及び第4優先値を設定することができる。
【0226】
作動部は、原動機4と、原動機4からの動力により回転するPTO軸16を含み且つ原動機4から動力を変速する変速装置5とを有し、原動機4、変速装置5は、第1優先値、第2優先値及び第3優先値に基づいて駆動が変更される。これによれば、第1優先値、第2優先値及び第3優先値に応じて、原動機4の駆動、PTO軸の駆動を変更することができる。
【0227】
第1目盛部161aは、第1優先値としてPTO軸16の回転を優先する値を示し、第2目盛部161bは、第2優先値として車速を優先する値を示し、第3目盛部161cは、第3優先値として原動機4が消費する燃費を優先する値を示している。これによれば、PTO軸16の回転、車速、燃費の優先度を決定することができる。
変速装置5は、動力を無段で変速する無段変速機構を備えている。これによれば、変速装置5が無段変速機構であるため、細かな優先値の設定を行うことができる。
【0228】
図27は、上述した優先設定画面(第12画面)M12の変形例である優先設定画面(第13画面)M13を示している。なお、トラクタ1の表示装置50Bは、優先設定画面M12及び優先設定画面M13のいずれかを表示する。
表示装置50Bに対して所定の操作を行うと、当該表示装置50Bは、優先設定画面M13を表示する。
【0229】
表示装置50Bは、優先設定画面M13において、4つの優先項目(第1優先項目、第2優先項目、第3優先項目、第4優先項目)の優先値(第1優先値、第2優先値、第3優先値、第4優先値)を設定することができる。
表示装置50Bは、優先設定画面M13にエリア表示部170を表示する。エリア表示部170は、優先値を設定する設定エリアQ11を表示する部分である。設定エリアQ11は、第1優先項目の第1優先値と、第2優先項目の第2優先値と、第3優先項目の第3優先値と、第4優先項目の第4優先値とを設定するエリアである。設定エリアQ11には、第1優先値を示す位置(座標x、y)と、第2優先値を示す位置(座標x、y)と、第3優先値を示す位置(座標x、y)と、第4優先値を示す位置(座標x、y)とが予め設定されている。詳しくは、設定エリアQ11にも基準点(原点)O1が設定されている。また、設定エリアQ11には、第1目盛部171aを有する第1軸表示部171、第2目盛部172aを有する第2軸表示部172、第3目盛部173aを有する第3軸表示部173、第4目盛部174aを有する第4軸表示部174が示されている。第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174は、基準点O1を通っている。
【0230】
第1軸表示部171は、基準点O1から上方に延設されている。第1目盛部171aは、基準点O1からの距離に応じて第1優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置(第1端部171b)は最大値に設定されている。第1目盛部171aは、第1優先値の大きさを1~5段階で示している。
第2軸表示部172は、第1軸表示部171とは反対側に延びる軸であって、基準点O1から下方に延設されている。第2軸表示部172には、第2優先項目の第2優先値を示す第2目盛部172aを含んでいる。第2目盛部172aは、基準点O1からの距離に応じて第2優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置(第2端部172b)は最大値に設定されている。第2目盛部172aは、第2優先値の大きさを1~5段階で示している。
【0231】
第3軸表示部173は、第1軸表示部171及び第2軸表示部172とは異なる方向に延びる軸であって、基準点O1から右方に延設されている。第3軸表示部173には、第3優先項目の第3優先値を示す第3目盛部173aを含んでいる。第3目盛部173aは、基準点O1からの距離に応じて第3優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置(第3端部173b)は最大値に設定されている。第3目盛部173aは、第3優先値の大きさを1~5段階で示している。
【0232】
第4軸表示部174は、第3軸表示部173とは反対側に延びる軸であって、基準点O1から左方に延設されている。第4目盛部174aは、基準点O1からの距離に応じて第2優先値を示す部分であって、例えば、基準点O1は最小値に設定され、基準点O1から最も離れた位置(第4端部174b)は最大値に設定されている。第4目盛部174aは、第4優先値の大きさを1~5段階で示している。
【0233】
したがって、設定エリアQ11において、第1軸表示部171の第1目盛部171aに対応する位置と、第3軸表示部173の第3目盛部173bに対応する位置とを選択した場合は、第1優先値及び第3優先値を設定することができる。また、設定エリアQ11において、第1軸表示部171の第1目盛部171aに対応する位置と、第4軸表示部174の第4目盛部174bに対応する位置とを選択した場合は、第1優先値及び第4優先値を設定することができる。
【0234】
また、設定エリアQ11において、第2軸表示部172の第2目盛部172aに対応する位置と、第4軸表示部174の第4目盛部174bに対応する位置とを選択した場合は、第2優先値及び第4優先値を設定することができる。さらに、設定エリアQ11において、第2軸表示部172の第2目盛部172aに対応する位置と、第3軸表示部173の第3目盛部173bに対応する位置とを選択した場合は、第2優先値及び第3優先値を設定することができる。
【0235】
上述したように、優先値を設定した場合、設定エリアQ11には、マーカ表示部175が表示される。マーカ表示部175は、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値の少なくとも2つの値(第1優先値及び第3優先値、第1優先値及び第4優先値、第2優先値及び第4優先値、第2優先値及び第3優先値)を示している。
以下、マーカ表示部175の表示について、設定エリアQ11の構成と共に詳しく説明する。
【0236】
設定エリアQ11は、第1軸表示部171の第1端部171bと、第2軸表示部172の第2端部172bと、第3軸表示部173の第3端部173b、第4軸表示部174の第4端部174bとを結ぶことにより構成され、四角形である。なお、第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174の長さは、同じに設定されている。第1軸表示部171と第3軸表示部173との開き角度θ11、第1軸表示部171と第4軸表示部174の開き角度θ12、第2軸表示部172と第4軸表示部174の開き角度θ13、第2軸表示部172と第4軸表示部174の開き角度θ14は、予め定められた角度であって、例えば、90degに設定されている。これにより、設定エリアQ11は正四角形である。
【0237】
なお、表示装置50Bにおいて、優先設定画面M13に表示された設定ボタン195を選択すると、第1軸表示部171の長さ、第2軸表示部172の長さ及び第3軸表示部173の長さを変更する窓部、或いは、開き角度θ11~θ14を変更する窓部が表示される。第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174の長さを変更、開き角度θ11~θ14の変更により、設定エリアQ11の形状を変更することができる。
【0238】
また、設定エリアQ11は、第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174により分割された分割エリア176を含んでいる。分割エリア176は、第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174のうち、少なくとも2つの軸表示部に対応するエリアである。具体的には、分割エリア176は、第1部分エリア176a、第2部分エリア176b、第3部分エリア176c、第4部分エリア176dのいずれかである。
【0239】
第1部分エリア176aは、第1軸表示部171と第3軸表示部173とにより分けられたエリア、第2部分エリア176bは、第1軸表示部171と第4軸表示部174とにより分けられたエリア、第3部分エリア176cは、第2軸表示部172と第4軸表示部174とにより分けられたエリア、第4部分エリア176dは、第2軸表示部172と第3軸表示部173とにより分けられたエリアである。
【0240】
マーカ表示部175は、部分エリア176に設定した優先値を表示するマーカであって、第1優先値及び第3優先値が設定された場合には第1部分エリア176aに表示され、第1優先値及び第4優先値が設定された場合には第2部分エリア176bに表示され、第2優先値及び第4優先値が設定された場合には、第3部分エリア176cに表示され、第2優先値及び第3優先値が設定された場合には、第4部分エリア176dに表示される。
【0241】
したがって、表示装置50Bに優先設定画面M13を表示した状態で、設定エリアQ11(第1部分エリア176a、第2部分エリア176b、第3部分エリア176c)の任意の箇所をタッチ操作により操作したり、操作具57を操作することで設定エリアQ11の任意の箇所を選択することによって、
第1優先項目に対応する第1優先値と、第2優先項目に対応する第2優先値と、第3優先項目に対応する第3優先値、第4優先項目に対応する第4優先値のうち、少なくとも2つの値を同時に設定することができる。
【0242】
さて、優先設定画面M13には、第1優先項目として、出力を優先する「パワー優先」、第2優先項目として、「燃費優先」、第3優先項目として、「車速優先」、第4優先項目として、「PTO優先」が示されている。変形例の場合も、原動機4、変速装置5の作動部(第2作動部)は、パワー優先に対応する第1優先値、燃費優先に対応する第2優先値、車速優先に対応する第3優先値及びPTO優先に対応する第4優先値に基づいて駆動が変更される。
【0243】
パワー優先は、出力を維持する制御を優先することを示している。第1軸表示部171の第1目盛部171aは、第1優先値として原動機回転数及びPTO回転数における出力を優先する値を示しており、数値が高いほど、原動機回転数及びPTO回転数の出力を増加させる制御が強く、数値が低くなると原動機回転数及びPTO回転数の出力を増加させる制御は弱くなる。制御装置40は、作業装置2における作業が高い出力で行えるように、第1優先値に応じて、実際の原動機回転数及びPTO回転数を増加させる方向に制御を実行する。なお、燃費優先、車速優先及びPTO優先は、上述した実施形態と同じである。
【0244】
優先設定画面M13には、適した作業の一例が表示される。第1部分エリア176aは、パワー優先及び車速優先であるため、重負荷作業が適していること、重負荷作業として、例えば、「プラウ/サブソイラ」の作業装置2が表示される。第2部分エリア176bは、パワー優先及びPTO優先であるため、対地作業が適していること、PTO作業として、「ロータリ」の作業装置2が表示される。第3部分エリア176cは、PTO優先及び燃費優先であるため、散布作業が適していること、散布作業として、「スプレーヤ/ハーベスタ」の作業装置2が表示される。第4部分エリア176cは、燃費優先及び車速優先であるため、軽負荷作業が適していること、軽負荷作業として、例えば、「テッダ」の作業装置2が表示される。
【0245】
作業機1は、第1優先項目の第1優先値と、第2優先項目の第2優先値と、第3優先項目の第3優先値と、第4優先項目の第4優先値とに基づいて作動する作動部(第2作動部)と、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値を設定する表示装置50Bと、を備え、表示装置50Bは、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値を設定する設定エリアQ11を表示するエリア表示部170と、設定エリアQ11に示された基準点O1を通り且つ基準点O1からの距離により第1優先値を示す第1目盛部171aを含む第1軸表示部171と、基準点O1からの距離により第2優先値を示す第2目盛部172aを含み且つ基準点O1を通って第1軸表示部171とは反対方向に延びる第2軸表示部172と、基準点O1からの距離により第3優先値を示す第3目盛部173aを含み且つ基準点O1を通って第1軸表示部171及び第2軸表示部172とは異なる方向に延びる第3軸表示部173と、基準点O1からの距離により第4優先値を示す第4目盛部174aを含み且つ基準点O1を通って第3軸表示部173とは反対の方向に延びる第4軸表示部174と、設定エリアQ11であって且つ第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174のうち、少なくとも2つの軸表示部に対応する部分エリアに示されるマーカ表示部175であって、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値の少なくとも2つの値を示すマーカ表示部175と、を有している。
【0246】
これによれば、第1優先値に対応する第1軸表示部171、第2優先値に対応する第2軸表示部172、第3優先値に対応する第3軸表示部173、第4優先値に対応する第4軸表示部174に対応する部分エリア176に、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値の少なくとも2つの値を示すマーカ表示部175を表示することができるため、例えば、第1優先値と第3優先値との関係、第1優先値と第4優先値との関係、第2優先値と第4優先値と、第2優先値と第3優先値とのの関係を、視覚的に把握することができる。
【0247】
エリア表示部170は、設定エリアQ11として、第1軸表示部171において基準点O1とは反対側の第1端部171bと、第2軸表示部172において基準点O1とは反対側の第2端部172bと、第3軸表示部173において基準点O1とは反対側の第3端部173bと、第4軸表示部174において基準点O1とは反対側の第4端部174bとを結ぶエリアを表示する。これによれば、4つの軸(第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174)の端部を結ぶエリアが設定エリアQ11に設定されているため、設定エリアQ11内において2つの値(優先値)の設定が行い易い。
【0248】
基準点O1に対する第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174のそれぞれの開き角度θ11~θ14は、予め設定されている角度に設定されている。これによれば、各軸表示部(第1軸表示部171、第2軸表示部172、第3軸表示部173及び第4軸表示部174)の開き角度θ11~θ14によって、部分エリア176の面積を設定することができ、少なくとも2つの値の関係性(優先値の比率、割合)を決めることができる。
【0249】
分割エリア176は、第1軸表示部171と第3軸表示部173とにより分けられた第1部分エリア176aと、第1軸表示部171と第4軸表示部174とにより分けられた第2部分エリア176bと、第2軸表示部172と第4軸表示部174とにより分けられた第3部分エリア176cと、第2軸表示部172と第3軸表示部173とにより分けられた第4部分エリア174dとのいずれかである。これによれば、第1部分エリア176aによって第1優先値及び第3優先値を設定し、第2部分エリア176bによって第1優先値及び第4優先値を設定し、第3部分エリア176cによって第2優先値及び第4優先値を設定し、第4部分エリア176dによって第2優先値及び第3優先値の設定を行うことができる。
【0250】
作動部は、原動機4と、原動機4からの動力により回転するPTO軸16を含み且つ原動機4から動力を変速する変速装置5とを有し、原動機4、変速装置5は、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値に基づいて駆動が変更される。これによれば、第1優先値、第2優先値、第3優先値及び第4優先値に応じて、原動機4の駆動、PTO軸の駆動を変更することができる。
【0251】
第1目盛部171aは、第1優先値としてPTO軸の出力を優先する値を示し、第2目盛部172aは、第2優先値として原動機が消費する燃費を優先する値を示し、第3目盛部173aは、第3優先値として車速を優先する値を示し、第4目盛部174aは、第3優先値としてPTO軸の回転を優先する値を示している。これによれば、PTO軸16の出力、燃費、車速、PTO軸の回転を決定することができる。
【0252】
変速装置5は、動力を無段で変速する無段変速機構を備えている。これによれば、変速装置5が無段変速機構であるため、細かな優先値の設定を行うことができる。
「第2実施形態」
第2実施形態は、第1実施形態の変形例を示している。第2実施形態では、制御装置40は、認証情報の認証の成立(認証成立)及び不成立と、複数の表示装置50のうち予め認証と関連付けられた表示装置50との関係に基づいて、表示装置50の操作の許可/不許可を決定する。なお、上述した実施形態では、操作具57で複数の表示装置50を操作していたが、他の操作具で個別に表示装置50の操作を行ってもよい。
【0253】
図28Aは、認証情報の認証に関する事項と、表示装置50の操作との関係を示す図である。
図28Aに示すように、制御装置40は、メータ表示装置50A、ターミナル表示装置50B、認証表示装置50Cのうち、認証が成立した場合は、メータ表示装置50A及びターミナル表示装置50Bの操作を許可する(操作可)。メータ表示装置50A及びターミナル表示装置50Bは、操作が許可された場合、操作具57の操作やタッチ操作を受け付ける。
【0254】
また、制御装置40は、メータ表示装置50A、ターミナル表示装置50B、認証表示装置50Cのうち、認証が不成立の場合は、メータ表示装置50A及びターミナル表示装置50Bの操作を不許可にする(操作不可)。メータ表示装置50A及びターミナル表示装置50Bは、操作が不許可である場合、操作具57の操作やタッチ操作の操作を受け付けない。つまり、制御装置40は、認証情報の認証が成立した場合に複数の表示装置50のうち予め設定された表示装置である設定表示装置50A、50Bの操作を許可し、認証が不成立の場合に認証情報を表示する表示装置(認証表示装置)50C以外の設定表示装置50A、50Bの操作を不許可にする。ここで、認証情報の認証に関する事項と、表示装置50の操作との関係、即ち、複数の表示装置50のうち設定表示装置の設定は、任意に行うことができる。
【0255】
図1Cに示すように、トラクタ1は、設定表示装置及を設定する設定部155を備えている。設定部155は、複数の表示装置50及び制御装置40のいずれかに設けられている。設定部155は、複数の表示装置50に設けられた電気・電子部品、当該複数の表示装置50に組み込まれたプログラム、制御装置40に設けられた電気・電子部品、当該制御装置40に組み込まれたプログラム等である。
【0256】
設定部155は、少なくとも認証成立して操作が許可されている設定表示装置が存在している場合において、
図29に示すように、設定表示装置に装置設定画面(第14画面)M14を表示する。設定部155は、装置設定画面M14に、トラクタ1に搭載されている表示装置50(メータ表示装置50A、ターミナル表示装置50B、認証表示装置50C)の名称等を表示すると共に、認証情報の認証に関する事項(認証設定情報)を表示する。設定部155は、装置設定画面M14において、操作具57の操作具に基づき、メータ表示装置50Aに対応する認証設定情報、ターミナル表示装置50Bに対応する認証設定情報を変更することができる。例えば、
図28Bに示すように、メータ表示装置50Aに対応する認証設定情報において、認証不成立時に操作不可としていた内容を、操作可の内容に変更する。つまり、設定部155は、
図28Aにおいて設定表示装置に設定していたメータ表示装置50Aを、
図28Bに示すように設定表示装置から除外することができる。設定部155によって設定した認証設定情報は、制御装置40に設けた不揮発性の記憶部156に記憶することができる。
【0257】
図30は、認証情報の認証に基づく、複数の表示装置50の操作のフローを示した図である。
図30に示すように、制御装置40は、イグニッションスイッチ42bがONになると、記憶部156の認証設定情報を参照する(S30)。制御装置40は、認証設定情報を参照後に、設定表示装置に設定されていない表示装置50、例えば、メータ表示装置50Aの操作を許可する(S31)。また、制御装置40は、設定表示装置に設定されている表示装置50、例えば、ターミナル表示装置50Bの操作は不許可に保持する(S32)。なお、認証表示装置50Cは、認証成立有無に関わらず操作可能である。次に、制御装置40は、入力処理に移行する(S13)。入力処理は、上述したS13-1~S13-4と同じである。
【0258】
制御装置40は、予め記憶された記憶認証情報と入力認証情報との認証を行い、認証が成立した場合(S33、Yes)、原動機4の始動の許可を行い、原動機4を始動する(S34)。また、制御装置40は、原動機4の始動の許可と共に、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)の操作を許可する(S35)。例えば、制御装置40は、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)に操作を許可する許可信号を出力する。設定表示装置(ターミナル表示装置50B)は、許可信号を受信すると、タッチ操作や操作具57等の操作情報の受付を行い、受付けた操作情報に基づいて表示部55に様々な情報を表示する。一方、制御装置40は、認証が不成立である場合(S33、No)、原動機4の始動の許可を行わず、原動機4を停止状態に保持する(S36)。また、制御装置40は、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)の操作を不許可に保持する(S37)。例えば、制御装置40は、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)に操作を不許可にする不許可信号を出力する。設定表示装置(ターミナル表示装置50B)は、不許可信号を受信すると、タッチ操作や操作具57等の操作情報の受付を行わず、操作に応じた表示は実行しない。
【0259】
なお、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)が許可信号及び不許可信号のいずれかを取得できない場合、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)は、タッチ操作や操作具57等の外部からの入力の受付を停止する。或いは、設定表示装置(ターミナル表示装置50B)は、タッチ操作や操作具57等の操作が行われても作動を停止する。
また、制御装置40は、認証が成立後に、設定表示装置に対して許可信号を所定時間毎に連続して送信し、当該設定表示装置は、許可信号を受信している間は操作が可能(操作を受け付ける)であり、許可信号を受信できない間は操作を不能(操作を受け付けない)としてもよい。なお、制御装置40は、許可信号を送信する長さは、許可信号を送信しない長さに比べて5倍程度に設定する。
【0260】
また、
図30では、原動機4の始動の許可/不許可の処理(盗難防止処理)と、設定表示装置の操作の許可/不許可の処理(操作処理)とを連動させているが、盗難防止処理は、操作処理とは別に行ってもよい。例えば、操作処理を行った後に盗難防止処理を行ってもよいし、盗難防止処理を行った後に操作処理を行ってもよい。
作業機1は、認証情報の入力を受け付ける入力装置と、作業機に関する情報を表示する複数の表示装置50と、入力装置に入力された認証情報の認証が成立した場合に複数の表示装置50のうち予め設定された表示装置50である設定表示装置の操作を許可し、認証が不成立の場合に設定表示装置の操作を不許可にする制御装置40と、を備えている。これによれば、複数の表示装置50が設けられている場合において、設定表示装置に設定された表示装置は、認証の成立時に操作ができ、認証が不成立時に操作ができない。つまり、複数の表示装置が設けられている場合おいて、所定の表示装置である設定表示装置の操作を一時的にできないようにすることができる。
【0261】
作業機1は、複数の表示装置50のうち、設定表示装置となる表示装置を設定する設定部155を備えている。これによれば、設定部155によって、複数の表示装置50のうち、任意の表示装置を認証が必要な設定表示装置に設定することができる。
設定部155は、複数の表示装置50及び制御装置40のいずれかに設けられている。これによれば、作業機1の他の機器に設ける場合に比べて構成を簡素化することができる。
【0262】
作業機1は、原動機4を備え、制御装置40は、認証情報の認証が成立した場合に原動機4の始動を許可し、認証が不成立の場合に原動機4の始動を不許可にする。これによれば、設定表示装置の操作の許可/不許可と、原動機4の始動の許可/不許可とを連携させることができる。
制御装置40は、設定表示装置の操作を許可する許可信号と、設定表示装置の操作を不許可にする不許可信号を出力し、複数の表示装置50は、許可信号及び不許可信号を取得できない場合に外部からの入力の受付を停止する。これによれば、例えば、断線、通信障害等の障害によって許可信号/不許可信号を取得できない場合に複数の表示装置50が入力の受付を停止するため、障害時において不用意に操作されることを防止することができる。
【0263】
作業機1は、複数の表示装置50の操作を実行可能な操作具57を備え、設定表示装置は、操作が許可である場合に操作具57の操作に基づいて作動し、操作が不許可である場合に操作具57の操作が行われても作動を停止する。これによれば、操作具57によって複数の表示装置50の操作が行えるだけでなく、設定表示装置においては認証の成立を経てから操作具57による操作を行うことができる。
【0264】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0265】
1 作業機
2 作業装置
3 機体
4 原動機
8 昇降装置
16 PTO軸
41 検出装置
50B 表示装置
51 記憶部
52a 第1設定部
52b 第2設定部
53 項目表示部
55 表示部
56 表示制御部
61 設定ボックス
62 設定表示部
63 閲覧ボックス
65 項目表示部
66 状態表示部
67 設定入力部
72 条件設定部
M3 登録画面
M1 設定閲覧画面