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特許74000202つの列を有するプラグアセンブリ及びレセプタクルアセンブリ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】2つの列を有するプラグアセンブリ及びレセプタクルアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/11 20060101AFI20231211BHJP
   H01R 13/518 20060101ALI20231211BHJP
   H01R 12/58 20110101ALI20231211BHJP
   H01R 13/648 20060101ALI20231211BHJP
   H01R 13/514 20060101ALN20231211BHJP
【FI】
H01R13/11 302A
H01R13/518
H01R12/58
H01R13/648
H01R13/514
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022094476
(22)【出願日】2022-06-10
(62)【分割の表示】P 2019208736の分割
【原出願日】2016-09-23
(65)【公開番号】P2022133299
(43)【公開日】2022-09-13
【審査請求日】2022-06-10
(31)【優先権主張番号】62/222,310
(32)【優先日】2015-09-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591043064
【氏名又は名称】モレックス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(72)【発明者】
【氏名】ケント イー レグニール
【審査官】長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/021221(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0232091(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0189856(US,A1)
【文献】実開平3-82585(JP,U)
【文献】登録実用新案第3162795(JP,U)
【文献】特開平11-45128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/11
H01R 13/518
H01R 12/58
H01R 13/648
H01R 13/514
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レセプタクルアセンブリであって、
ポートを画定するのを助けるケージであって、前面、上壁、複数の側壁、及び後壁を含み、前記ケージは、前面と後壁との間に所定の長さを有し、回路基板に装着され、前記ポートは挿入方向が前記上壁と回路基板とに平行となるように構成される、ケージと、
前記回路基板に装着され、前記ケージ内において、前記上壁と回路基板との間に設置されたコネクタであって、該コネクタは、前記ポートと整列されて、前記前面の後方において前記ケージの長さの少なくとも1/3だけ前記ポート内の奥まった所にあるカードスロットを含み、前記コネクタは、嵌合ブレードが前記挿入方向に挿入されると、第1の接続領域において対向する前記嵌合ブレードのパッドと接触するように構成された対向する接点の第1の対と、第2の接続領域において対向する前記嵌合ブレードのパッドと接触するように構成された対向する接点の第2の対とを含み、前記第2の接続領域は第1の接続領域の方に位置し、前記対向する接点の第の対は、被片持ち部分を画定するように片持ち梁状に支持された第の組の端子であって、フレームに支持される被支持部分と前記フレームに支持されない被片持ち部分とを含む第2の組の端子によって提供され、該第2の組の端子の被支持部分は前記第1の接続領域に隣接し、前記第2の組の端子の被片持ち部分は、前記第1の接続領域よりも前方の位置から始まって、接点まで、前方に向けて延在する、コネクタと、
を備えるレセプタクルアセンブリ。
【請求項2】
前記対向する接点の第の対は、第の組の端子によって提供される、請求項1に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項3】
前記第1及び第2の組の端子は、前記レセプタクルアセンブリを圧入によって回路基板に装着し得るように構成された尾部を含む、請求項2に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項4】
前記第1及び第2の組の端子は尾部を含み、前記の組の端子の尾部は、前記第の組の端子の尾部の間に位置する、請求項2に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項5】
前記第の組の端子は、上側列の端子及び下側列の端子を含み、前記上側列は第1のフレームによって支持され、前記下側列は第2のフレームによって支持される、請求項1に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項6】
レセプタクルアセンブリであって、
ポートを画定するのを助けるケージであって、前面、上壁、複数の側壁、及び後壁を含み、前記ケージは、前面と後壁との間に所定の長さを有し、回路基板に装着され、前記ポートは挿入方向が前記上壁と回路基板とに平行となるように構成される、ケージと、
前記回路基板に装着され、前記ケージ内において、前記上壁と回路基板との間に設置されたコネクタであって、該コネクタは、前記ポートと整列されて、前記前面の後方において前記ケージの長さの少なくとも1/3だけ前記ポート内の奥まった所にあるカードスロットを含み、前記コネクタは、嵌合ブレードが前記挿入方向に挿入されると、第1の接続領域において対向する前記嵌合ブレードのパッドと接触するように構成された対向する接点の第1の対と、第2の接続領域において対向する前記嵌合ブレードのパッドと接触するように構成された対向する接点の第2の対とを含み、前記第2の接続領域は第1の接続領域の方に位置し、前記対向する接点の第の対は、被片持ち部分を画定するように片持ち梁状に支持された第の組の端子であって、フレームに支持される被支持部分と前記フレームに支持されない被片持ち部分とを含む第2の組の端子によって提供され、該第2の組の端子の被支持部分は前記第1の接続領域に隣接し、前記第2の組の端子の被片持ち部分は、前記第1の接続領域よりも前方の位置から始まって、接点まで、前方に向けて延在する、コネクタと、を備え、
前記レセプタクルアセンブリは、QSFPスタイルプラグコネクタと適合性を有する200Gbps8Xコネクタを提供するように構成されている、レセプタクルアセンブリ。
【請求項7】
前記対向する接点の第の対は、第の組の端子によって提供される、請求項6に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項8】
前記第1及び第2の組の端子は、前記レセプタクルアセンブリを圧入によって回路基板に装着し得るように構成された尾部を含む、請求項7に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項9】
前記第1及び第2の組の端子は尾部を含み、前記の組の端子の尾部は、前記第の組の端子の尾部の間に位置する、請求項7に記載のレセプタクルアセンブリ。
【請求項10】
前記第の組の端子は、上側列の端子及び下側列の端子を含み、前記上側列は第1のフレームによって支持され、前記下側列は第2のフレームによって支持される、請求項6に記載のレセプタクルアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2015年9月23日に出願された米国特許出願第62/222,310号の優先権を主張し、この出願は、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、入力/出力(「IO」)コネクタの分野に関し、より具体的には、高いデータレートが可能なIOコネクタの分野に関する。
【背景技術】
【0003】
IOコネクタは、一般的に、ネットワーク及びサーバアプリケーションをサポートするために使用される。既知のIOコネクタとしては、いくつかの例を挙げると、SFP、QSFP、CXP、及びXFPスタイルのコネクタが挙げられる。コネクタの既存のスタイルから生じた1つの問題は、それぞれのスタイルが特定の用途に対して普及していることである。SFPコネクタは、(1つの送信チャネルと1つの受信チャネルとをサポートする)1Xコネクタであり、単一の通信チャネルで十分である用途に適している。CXPは、12Xコネクタであり、多数のより多い通信チャネルが必要である場合に望ましい。QSFPは、4Xコネクタであり、したがって、広範囲にわたる用途を満足させるのに十分なバンド幅及びフロントパネル密度を提供するので、多くの用途に対して普及している選択肢である。したがって、QSFPコネクタは、いくつかの用途にとって好ましいスタイルになっている。(図1に示すような)QSFPスタイルプラグアセンブリ10の実施形態は、上フランジ21と、下フランジ22と、を含む本体20に接続されたケーブル15を含む。上及び下フランジ21、22は、一般的に回路基板として形成されている嵌合ブレード23を保護するのを助け、ケーブル15は、従来の態様で嵌合ブレード23で終端しているワイヤを含んでもよい。
【0004】
QSFPスタイルコネクタは、多くの用途に適しているけれども、より大きいフロントパネル密度を提供することが望ましいであろう。より小さいピッチでの新たなコネクタ設計が提案されており、広範囲にわたる用途において必要とされるコネクタ設計を満足させるのを助けるはずである。しかし、パッシブ及びアクティブケーブルアセンブリを含む相当な数のケーブルアセンブリが、QSFPスタイルコネクタについて存在し、それで、以前の設計を廃棄する必要をなくすることが有益であろう。したがって、特定の個人は、既存のQSFP設計との互換性を維持しながら、フロントパネル密度の増加を提供する方法を評価するであろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
ケージ内部にコネクタを含むレセプタクルアセンブリが開示される。コネクタは、第1の接続領域と、第2の接続領域と、を含み、それぞれの接続領域は、対向する端子列を含む。接続領域のうちの1つは、単一のパッド列と嵌合するように構成されてもよく、標準的なコネクタの嵌合ブレードとの互換性を有してもよい。第1と第2の接続領域の組合せは、2つのパッド列によって構成された嵌合ブレードを含むより高密度のプラグアセンブリと嵌合するように構成されてもよい。レセプタクルアセンブリは、積層されて2つのポートを提供し、それぞれのポートは、2つの接続領域を支持するモジュールを含んでもよい。ケージは、ケージを通して空気を流すことにより、任意の挿入されたプラグアセンブリの冷却を改善するように構成されてもよい。
【0006】
上フランジと、下フランジと、2つのフランジの間に設置された嵌合ブレードとを有する本体を含むプラグアセンブリが開示されている。第1のパッド列及び第2のパッド列が、嵌合ブレードの2つの側面に提供されてもよい。上フランジは、回路カードに向かって面し、第1及び第2のレベルを含む底面を有し、第1のレベルは、第2のレベルよりも嵌合ブレードに近い。下フランジは、回路カードよりも実質的に短く、下フランジが1つのパッド列を覆うけれども、第2のパッド列を覆わないように構成されてもよい。
【0007】
動作において、コネクタシステムは、レセプタクルアセンブリと既存のプラグアセンブリとの間の下位互換性を提供し、同時に、レセプタクルアセンブリとデータ効率を増加させるように構成されたプラグアセンブリとの間のより高い密度接続を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、コネクタシステムは、QSFPスタイルコネクタであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、一例として示され、添付図面に限定されるものではなく、図面中、同様の参照番号は、類似の要素を示す。
【0009】
図1】先行技術のQSFPスタイルプラグアセンブリの実施形態を示す。
図2】2つのプラグアセンブリの斜視図である。
図3】プラグアセンブリの実施形態の斜視図である。
図4図3に示す実施形態の別の斜視図である。
図5】プラグコネクタの実施形態の端部の下面図である。
図6図5に示す実施形態の立面側面図である。
図7】プラグアセンブリの実施形態の簡略斜視図である。
図8】コネクタシステムの部分分解斜視図である。
図9図8に示す実施形態の斜視図であり、プラグアセンブリがレセプタクルアセンブリの中に挿入されている。
図10】2つのプラグアセンブリがレセプタクルアセンブリの中に挿入されている実施形態の斜視図であり、ケージが部分的に除去されている。
図11】従来のプラグアセンブリに接続された端子列の簡略斜視図である。
図12図11に示す実施形態の斜視図であるが、改良プラグアセンブリが両方の接続領域に接続されている。
図13図11に示す実施形態の拡大斜視図である。
図14図12に示す実施形態の拡大斜視図である。
図15】嵌合ブレードだけが表された上プラグアセンブリと第1及び第2のポート内に嵌合された2つのプラグアセンブリの簡略斜視図である。
図16図15に示す実施形態の更なる拡大簡略斜視図である。
図17】2つのプラグアセンブリの別の実施形態の簡略斜視図であり、1つの簡略化されたものがコネクタに嵌合されている。
図18】2つのパッド列のパッドを係合している2つの別個の列の2つの端子の簡略斜視図である。
図19図18に示す実施形態の平面図である。
図20】2つのパッド列を係合している2つの部分端子列の簡略斜視図である。
図21図20に示す実施形態の立面簡略側面図である。
図22】レセプタクルアセンブリの実施形態の斜視図である。
図23図22に示す実施形態の簡略斜視図である。
図24】コネクタの実施形態の斜視図である。
図25図24に示す実施形態の別の斜視図である。
図26】コネクタ及びディバイダの斜視図である。
図27】線27-27に沿ってとられた図26に示す実施形態の断面斜視図である。
図28】コネクタの実施形態の部分分解斜視図である。
図29】コネクタの実施形態の簡略斜視図である。
図30】2つのモジュール及び2つの鉛直モジュールの分解斜視図である。
図31】フレームが除去されているモジュールの斜視図である。
図32】モジュールの実施形態の分解斜視図である。
図33図30の線33-33に沿ってとられたモジュールの断面斜視図である。
図34図30の線34-34に沿ってとられたモジュールの断面斜視図である。
図35】2つの鉛直モジュールの斜視図である。
図36】モジュール及び鉛直モジュールの実施形態の斜視図である。
図37図36に示す実施形態の簡略斜視図である。
図38図37に示す実施形態の別の斜視図である。
図39図38に示す実施形態の拡大斜視図である。
図40】端子列の実施形態の部分斜視図である。
図41】嵌合面を係合している端子列の部分斜視図である。
図42】ケーブル内の導体に接続された端子列の実施形態の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の「発明を実施するための形態」は、例示的な実施形態を説明するものであり、明示的に開示された組み合わせに限定することを意図しない。したがって、別途記載のない限り、本明細書で開示される特徴は、一緒に組み合わせて、簡潔さのために別途示されることがなかった、更なる組み合わせを形成することができる。
【0011】
開示された実施形態は、高密度QSFP型コネクタシステムに含まれる場合がある特徴を示す。認識されるように、上ポート及び下ポートを含む積層レセプタクルアセンブリが開示されるけれども、単一ポートコネクタもまた提供され得る。更に、集合化バージョンもまた、示されたコネクタの数を増加させることによって、及び並んで配列された2つ以上のポートを有するケージを作成することによって提供されてもよい。示している実施形態は、QSFP型コネクタと互換性を有するように構成されているけれども、本開示は、そのように限定されない点に留意すべきである。SFP若しくはXSFP等の別の公知の規格、又は新たな規格もまた、本明細書で提供される特徴及び議論と互換性があると思われ、コネクタの型は、特に明記しない限り限定することを意図しない。
【0012】
認識されるように、レセプタクルアセンブリは、二部式ハウジングを含む。ウェハの第1のセットは、鉛直端子を支持する。鉛直端子は、尾部を含むが、接点を含まない。ウェハの第2のセットは、水平端子を支持する。水平端子は、接点を含むが、尾部を含まない。ウェハの第1のセットと第2のセットとが一緒に押されることにより、尾部と接点との間に電気接続が存在する。
【0013】
システムは、それぞれの差動チャネルに対して25Gbpsデータレートをサポートし、したがって、200Gbpsシステムをサポートする能力を提供するように設計され、比較される既存のQSFPシステムは、25Gbps差動チャネルによって100Gbpsをサポートし得る。
【0014】
認識されるように、レセプタクルアセンブリは、ライトパイプを支持しながらシステムが冷却され得るように空気流を改善するように構成されている。中央部材は、空気が上ポートと下ポートとの間を流れるのを可能にする開口チャネルを含む。中央部材は、中央ディバイダと、2つの側壁の開口と、を含む。ケージの裏壁は、空気が効率的な態様でコネクタの中に(又は外へ、空気流が前から後ろ若しくは後ろから前のいずれであるかによる)流れるのを可能にする開口を含んでもよい。
【0015】
図2図7を参照すると、プラグアセンブリ50が開示されている。プラグアセンブリ50は、ラッチ型システム57に接続される解放部材56を支持する本体55を含む。解放部材56の並進は、ラッチ型システム57を作動させる。本体55は、前方端部60cを有する上フランジ60と、前方端部66を有する下フランジ65と、上フランジ60と下フランジ65との間に設置されている前方端部77を有する嵌合ブレード70と、を含む。認識されるように、上フランジ60は、ノッチを含んでもよく、対応するレセプタクルアセンブリシステムと嵌合するために特定の形状を有するように構成されてもよい。したがって、示された形状は、必須ではなく、必要に応じて修正されてもよい。
【0016】
上フランジ60は、第1の下面60aと、第2の下面60bと、を含み、第1の下面60bは、第2の下面60bからオフセットされている。したがって、第1の下面60aと嵌合ブレード70との間の第1の距離は、第2の下面60bと嵌合ブレードとの間の第2の距離未満である。
【0017】
嵌合ブレード70は、第1のパッド列72と、第2のパッド列74と、第1のパッド列72と第2のパッド列74との間に設置されている第3のパッド列76と、を支持する上面70aを含む。嵌合ブレード70は、また、第4のパッド列72’と、第5のパッド列74’と、第1のパッド列72’と第2のパッド列74’との間に設置されている第6のパッド列76’と、を支持する底面70bを含む。認識されるように、第4、第5、及び第6のパッド列は、第1、第2、及び第3のパッド列と同じように配列されてもよいが、嵌合ブレード70の反対側に設置される。一実施形態において、上フランジ60は、第1、第2、及び第3のパッド列72、74、76を覆ってもよく、前方端部77を越えて延在してもよいけれども、下フランジ65は、底部にある第5のパッド列74’をちょうど覆っている。必須でないけれども、かかる構成についての1つの考えられる利点は、プラグアセンブリが、2つの異なるプラグアセンブリが二者択一的に同じポートの中に挿入されるのを可能にするシステムと交換可能であるようにすることであり、これについては以下で開示する。
【0018】
第1の列72は、より高いデータレートのための信号パッドとして構成されてもよい短いパッド82と、アースパッド又は低いデータレートパッドとして使用されてもよいより長いパッド81と、を含む。示すように、短いパッド82は、差動対83を提供するように配列されている。動作において、第1のパッド列72は、第2の接続領域174を越えて滑動して、第1の接続領域172と嵌合することになり、一方、第2のパッド列74は、(下記で論じるように)第2の接続領域と嵌合する。第1と第2の接続領域172、174との接続が信頼できること保証するために、第1の接続領域を保護するための第3のパッド列76を含むことが有益であることが決定されている。第3のパッド列76は、2対の短いパッドの間に設置された長いパッド84を含んでもよく、長いパッド81同士の間に設置された中程度のパッド85を更に含んでもよい。当然ながら、示された構成は、第1のパッド列72と第2のパッド列74とが実質的に同じに構成されるように意図している。かかる構成が必須でない場合、第3のパッド列76は、異なる構成のパッドを有してもよい。とにかく、第3のパッド列76のパッドが、第1及び第2のパッド列72、74の短いパッド82よりも長いことにより、第1のパッド列72と第2のパッド列74との間の良好な電気絶縁を保証することが好ましい。
【0019】
プラグアセンブリは、銅ベースの構成として示されているが、銅/光学ソリューション(例えばトランシーバ)として容易に提供されてもよい点に留意すべきである。かかる構成においては、プラグの内部部品は、知られているように、望ましい光学エンジン(例えば、OPLINK又は別のプロバイダから利用可能であるような)を含むことになり、銅信号を光学信号に変換することになり、そして、それらの光学信号を光ファイバーを介して伝送するように構成されることになる。
【0020】
図8図42から認識されるように、レセプタクルアセンブリ100は、必要に応じて回路基板105に装着されてもよく、上ポート110と、下ポート115と、を含む。レセプタクルアセンブリ100は、ケージ120内に設置されたコネクタ150を含み、ケージ120は、ポート110、115を画定するのを助け、ベゼル103に装着されるように構成されてもよい。動作において、プラグアセンブリは、I方向にポートの中に挿入される。コネクタは、嵌合面150aと、装着面150bと、を含む。ケージ120は、前面116と、上壁131と、複数の側壁135と、底壁132と、後壁138と、を含む。側壁135は、側面通気口136を含んでもよく、そして、後壁138は、空気の流れを促進するための後通気孔139を含んでもよい。したがって、ケージ120は、空気がケージ120を通って流れるのを可能にするための通気孔を含んでもよい。ケージ120は、ラッチ型システム57を係合して、プラグアセンブリがレセプタクルアセンブリに解放可能に嵌合されるのを可能にするように構成されている保持部材122を含んでもよい。図10から認識されるように、示されたレセプタクルアセンブリは、プラグアセンブリ10又はプラグアセンブリ50を受け取ってもよく、このプラグアセンブリ50は、上ポート又は下ポートのいずれかに2列のパッド又は接点を含む。
【0021】
2つのポートをより完全に画定するために、ディバイダ190が上ポート110と下ポート115との間に設置される。ディバイダ190は、第1の壁191と、第2の壁192と、を含む。第1の壁191は、上ポート110を画定するのを助け、第2の壁192は、下ポート115を画定するのを助ける。ディバイダ190は、また、空気が方向B-Bにポート同士の間を流れるためのチャネルを提供することにより、空気は、中央壁106の前通気孔107(経路A-A)を通って、又は後通気孔(経路C-C)を通って、経路B-Bを通って、次いで経路C-C又は経路A-Aを通って進んでもよい。通気孔136が提供される場合、通気孔を通る空気の別の経路もまた可能である。下記で空気流について更に述べる。
【0022】
コネクタ150は、第1のモジュール160と、第2のモジュール165と、を含み、これらは、それぞれ上及び下ポート110、115に設置された嵌合接触を提供する。いくつかの実施形態では、端子230(又は端子230のうちのいくつか)を支持回路基板に接続することが望ましいので、モジュール160、165のそれぞれは、異なっているように示されている点に留意すべきである。したがって、示すように、第1のモジュール160は、フレーム181aによって支持された第1の端子列181と、フレーム182aによって支持された第2の端子列182と、フレーム183aによって支持された第3の端子列183と、フレーム184aによって支持された第4の端子列184と、を含む。同様に、第2のモジュール165は、フレーム186aによって支持された第1の端子列186と、フレーム187aによって支持された第2の端子列187と、フレーム188aによって支持された第3の端子列188と、フレーム189aによって支持された第4の端子列189と、を提供する。フレームのそれぞれは、端子のインピーダンスを修正するための切欠き198を含んでもよい。
【0023】
示された端子230は、異なる長さを有するけれども、概して、接点231と、被片持ち部分231aと、広い本体部分232aと、狭い本体部分232bと、尾部233と、を有する。示された尾部233は、嵌合端子に押圧されるように構成されているけれども、以下で論じるように、ケーブルアセンブリの導体に取り付けられるようにまた構成されてもよい。例えば、図42に示すように、端子431と端子432とは、差動対として配列されてもよく、アース端子433が、差動対のそばに設置されてもよい。シールド層456を含む場合があるケーブル450は、端子431、432に(それぞれ)取り付けられるであろう2つの導体451、452を支持する絶縁層455を有してもよく、ドレイン線453が、アース端子433に取り付けられてもよい。端子と導体との間の取付けが、必要に応じてされてもよく(はんだ付け又は溶接を含むが、これらに限定されない)、それで、端子が、回路基板に入る必要を伴わずにワイヤに接続されるのを可能にする。したがって、尾部の構成は限定されず、そして、示されたコネクタ150の構成は、特に明記しない限り限定的であるように意図しない。更に認識されるように、モジュールが図42に示すようなケーブル取付け具によって構成される場合、同じモジュールが反復して使用されてもよく、また、ケージが回路基板に装着されるか否かについてもまた選択的になる。
【0024】
それぞれのモジュール160、165は、2つの接続領域を提供する。具体的には、モジュール160は、第1の接続領域172と、第2の接続領域174と、を含み、一方、モジュール165は、第1の接続領域172’と、第2の接続領域174’と、を含む。第1の接続領域は、第1の端子列181と第2の端子列184との接点(これらは、対向する接点の列を提供する)によって提供され、一方、第2の接続領域は、第2の端子列182と第3の端子列183との接点(これらも、対向する接点の列を提供する)によって提供される。認識されるように、2つの端子列(モジュール160が例として用いられる場合、示されている図41の端子列186及び187、又は端子列181及び182)は、第1の側から平面Mによって画定される嵌合面を係合し、同時に、平面Mの同じ第1の側で終わる尾部を有するように構成される。更に、2つの別の端子列が、平面Mの第2の側に沿って設置されて延在することになり、一実施形態では、端子列は、平面Mを横切ることにならない。
【0025】
動作において、プラグアセンブリは、上ポート110の中に挿入されてもよく、嵌合ブレードは、第2の接続領域174を係合することになる。プラグアセンブリが標準設計である場合、嵌合ブレードは、第2の接続領域を係合することになるだけである単一パッド列を有する。プラグアセンブリが、2つのパッド列設計(例えば、高密度設計)を有する場合、嵌合ブレードの第1のパッド列は、第2の接続領域を最初に係合することになり、そして、プラグアセンブリが完全にポートに挿入されると、第1のパッド列が第2の接続領域174を越えて滑動して、第1の接続領域172を係合することになる。したがって、それぞれの側面上に信号接点の2つのパッド列を有するプラグアセンブリについて、第1のパッド列72は、第1の接続領域172を係合することになり、一方、第2のパッド列74は、第2の接続領域174を係合することになる。必要に応じて、第1の接続領域172’と第2の接続領域174’とは、同様に構成され、そして、同様に動作してもよい。このことは、図16及び図17から認識され得る。
【0026】
前述したように、上フランジ60は、第1の下面60aと、第2の下面60bと、を含む。モジュール160、165は、鼻部分320a、320bを支持するように構成されており、鼻部分は、第1の下面60aと整列させられるように構成されている第1の鼻面323aを含み、第2の下面60bと整列させられる第2の鼻面323cに遷移を提供する鼻壁323bを含んでもよい。
【0027】
図19は、第2のパッド列174及び第1のパッド列172をそれぞれ係合する2つの差動対229a、229bを示す。図から認識されるように、フレームによって支持された端子は、被片持ち部分221と、被支持部分223と、を含む。端子列161(及び端子列164a)はまた、角度付き部分222を含み、この角度付き部分は、被片持ち部分221が嵌合ブレードを係合できるように設置されるのを可能にし、同時に、被支持部分223がフレーム162aによって支持された端子列162から好適な距離のところに設置されるのを可能にする。したがって、図20図21から認識されるように、第2の端子列182がパッド列72に設置されるとき、第1の端子列181は、第2のパッド列74に設置される。切れ目が、第3のパッド列76と第1のパッド列72との間に存在し、その切れ目は、パッド間隙73を形成してもよい。一実施形態では、角度部分222と被片持ち部分221との間の交線に位置する鉛直面Dと、角度付き部分222と被支持部分223との間の交線に位置する鉛直面Fとが、水平方向間隔を画定し、パッド間隙73と整列された鉛直面Eが、鉛直面Dと鉛直面Fとの間のその間隔内に位置する。好ましくは、第1のパッド列と第2の端子列との間の接触点と整列された鉛直面Gは、その水平方向間隔の外側に位置することになる。両方の接続領域は、接触点G、G’を有し、示すように、角度付き部分222は、接触点G、G’の間にあることに留意すべきである。
【0028】
認識されるように、コネクタ150は、上ポート110と整列された第1のカードスロット331と、下ポート115と整列された第2のカードスロット332と、を含む。カードスロット331、332は、前面116から離れる方に奥まった所にあり、一実施形態では、ケージは、長さLを有し、カードスロットは、少なくとも1/3Lである距離だけ奥まった所にある。コネクタはまた、上ポート内の換気経路を提供する上空気経路345を含む。下ポート115内の冷却を改善するために、中央部材340が提供される。中央部材340は、第1のカードスロット331を画定する第1の鼻部分320aと第2のカードスロット332を画定する第2の鼻部分320bとの間に位置してもよい。中央部材340は、側口342をそれぞれ含む外壁340a、340bを含み、中央部材340は、ディバイダ190を通って2つの外壁340a、340bに向かって進む空気を分割して導くのを助ける中央壁341を更に含む。外壁340a、340bがケージに比べて奥まった所にあるので、外壁340a、340b、側壁135、及びそれぞれの鼻部分320a、320bの肩部321、322の間の間隔は、空気がコネクタ150を越えて後通気孔139を通って外へ流れるのを可能にする風胴344を生成する。
【0029】
上空気経路345は、上空気経路345に装着されて後壁138に向かって空気経路を延長する後区画346を受け入れる。第2の鼻部分320bは、バックブラケット352に接続されてもよく、これが付加剛性を提供するのを助けてもよい。しかし、第1の鼻部分320aと第2の鼻部分320bとは、単一構造である必要はなく、したがって、それぞれのモジュールに別個に取り付けられて中央部材340によって支持されてもよい点に留意すべきである。認識されるように、示された鼻部分320a、320bは、櫛状構造との接点を支持するのを助ける端子溝326を含む。端子溝326は必須ではないけれども、I方向に挿入されている嵌合ブレードとの第1の接点を形成する接続領域に、それらを提供することは有益である。
【0030】
回路基板にモジュール160、165を装着するために、鉛直モジュール205、210が提供されている。図30から認識されるように、示された鉛直モジュールは、段階状構成を提供し、ウェハ206、207、211の端子がフレームによって支持された端子列の尾部を係合するのを可能にする。
【0031】
積層構成が示されているけれども、単一ポート構成もまた考えられる点に留意すべきである。例えば、モジュール165及び鉛直モジュール210は、(積層構成との比較で)単一ポート設計を提供するためにそれらだけで使用されてもよい。かかる構成においては、単一の鼻部分が使用されてもよく、中央モジュールが省略されてもよい。圧入構成が示されているけれども、SMT装着の変形設計もまた考えられ、当業者であれば概して標準の圧入尾部をSMT尾部によって置換できると思われるので、これは本開示の範囲内にある点にもまた留意すべきである。
【0032】
装着タイプに関係なく、回路基板への装着があるとすれば、端子230は、鉛直端子290に接続される。示された鉛直端子290は、尾部291と、肩部292と、尾部233を係合するように構成されている鉛直ライザ293と、を含む。示すように、係合は、鉛直ライザ293と開口233aとの間の締まり嵌めである。
【0033】
本明細書で提供される開示は、その好ましい例示的な実施形態の観点で特徴を説明している。添付の請求項の範囲及び趣旨の範囲内で、数多くの他の実施形態、修正、及び変形が、本開示の検討から当業者に想起されるであろう。
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