(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】機械的補強を備えたフレキシブル回路基板から作られたバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
A61B 18/14 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
A61B18/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022160794
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2018007908の分割
【原出願日】2018-01-22
【審査請求日】2022-10-05
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シュムエル・アウアーバッハ
(72)【発明者】
【氏名】アビ・レウベニ
(72)【発明者】
【氏名】トアム・シェメシュ
(72)【発明者】
【氏名】マイケル・レビン
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0073960(US,A1)
【文献】特表2016-511026(JP,A)
【文献】特表2011-507656(JP,A)
【文献】国際公開第2016/065464(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
A61B 5/00 - 18/28
A61M 25/00 - 29/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カテーテルを作成する方法であって、
1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板を備えるスプラインを提供することと、
前記スプラインを機械的に補強するように、前記スプラインの前記フレキシブル回路基板に沿って、2つ以上の補強要素を分布させること
であって、前記2つ以上の補強要素を前記フレキシブル回路基板に結合することを含む、ことと、
複数のスプライン
、及び前記複数のスプラインの遠位端を結合するためのキャップを備える拡張可能な遠位端アセンブリを作成することであって、
前記2つ以上の補強要素が結合された前記スプライン
の遠位端を前記キャップに結合することを含む、ことと、
前記遠位端アセンブリを、前記カテーテルを患者の器官に挿入するためのシャフトに結合することと、
を含
み、前記キャップは、リング、及び前記リングから延在する複数のアームを備え、各前記アームは、前記複数のスプラインのうちの1つを前記リングに結合するように構成されている、方法。
【請求項2】
前記
2つ以上の補強要素を
結合することが、2つ以上のブロックを前記フレキシブル回路基板に結合することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
カテーテルを作成する方法であって、
1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板を備えるスプラインを提供することと、
前記スプラインを機械的に補強するように、前記スプラインの前記フレキシブル回路基板に沿って、2つ以上の補強要素を分布させることであって、2つ以上のブロックを前記フレキシブル回路基板に結合することを含む、ことと、
複数のスプライン、及び前記複数のスプラインの遠位端を結合するためのキャップを備える拡張可能な遠位端アセンブリを作成することであって、前記2つ以上の補強要素が結合された前記スプラインの遠位端を前記キャップに結合することを含む、ことと、
前記遠位端アセンブリを、前記カテーテルを患者の器官に挿入するためのシャフトに結合することと、
を含む、方法。
【請求項4】
少なくとも一対の隣接した前記ブロックがそれぞれ磁石を含み、前記磁石が互いに磁気的に反発するように配置されている、請求項2
または3に記載の方法。
【請求項5】
前記ブロックのうちの少なくとも1つが台形形状を有する、請求項2
または3に記載の方法。
【請求項6】
1つ又は2つ以上の弾性くさびを結合することを含み、前記弾性くさびのそれぞれが、2つの隣接した前記ブロック間に結合されており、前記スプラインを前記器官の表面に適合させる、請求項2
または3に記載の方法。
【請求項7】
前記カテーテルがバスケットカテーテルを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記遠位端アセンブリを前記シャフトに結合することが、前記2つ以上の補強要素が結合された前記スプラインの近位端を前記シャフトに結合することを含む、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、カテーテルに関し、特に、フレキシブル回路基板から作られたカテーテルを補強する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
バスケットカテーテルは、心臓病のような様々な医療用途に用いることができる。複数のスプラインを有して構築された、いくつかの種類のバスケットカテーテルは、不整脈の感知及び治療ができるように設計されている。
【0003】
例えば、その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,504,133号は、心臓の心内膜表面から複数の局所的電圧を感知するシステムについて記載している。このシステムは、細長い管状部材と、近位部分、遠位部分、及びそれらの間の中間部分を有する複数の可撓性スプラインと、スプラインの近位部分をしっかり固着するアンカーと、スプラインの遠位部分をしっかり固着する非外傷性先端と、間に開放管腔を画成する対向した第1の開放端部及び第2の開放端部、並びに内側部材表面及び外側部材表面を含む、ポリマー部材とを備える。
【0004】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,722,401号は、近位及び遠位末端を有する可撓性の細長い管状部材を備える、カテーテルプローブについて記載している。収縮位置から拡張位置へと動くことができる拡張可能なアセンブリは、可撓性の細長い管状部材の遠位末端に固定されており、収縮位置と拡張位置との間で動くことができる少なくとも2つの細長い部材から形成されている。
【0005】
その開示が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願公開第2015/0366508号は、細長いシャフトと、拡張可能なアセンブリと、フレキシブルプリント回路基板(フレックスPCB)の基板と、複数の電子構成要素と、複数の通信経路とを備える、フレックスPCBカテーテルデバイスについて記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に記載する本発明の一実施形態は、患者の器官に挿入するためのシャフトと、拡張可能な遠位端アセンブリと、2つ以上の補強要素とを備える、カテーテルを提供する。拡張可能な遠位端アセンブリは、シャフトに結合されていると共に複数のスプラインを含み、少なくとも1つのスプラインは、1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板を備え、回路基板は、遠位端アセンブリが器官内で拡張されているとき、器官の表面に適合して、電極と表面との間の接触をとるように構成されている。補強要素は、スプラインの回路基板に沿って分布されており、スプラインを機械的に補強するように構成されている。
【0007】
いくつかの実施形態では、補強要素は、回路基板に結合されたストライプを含む。他の実施形態では、電極は、回路基板の、器官の表面に面する側に結合されている。更に他の実施形態では、補強要素は、回路基板の、器官の表面に面しない側に結合されている。
【0008】
一実施形態では、補強要素は、回路基板に結合された2つ以上のブロックを含む。別の実施形態では、少なくとも一対の隣接したブロックはそれぞれ磁石を含み、この磁石は互いに磁気的に反発するように配置されている。更に別の実施形態では、ブロックのうちの少なくとも1つは台形形状を有する。
【0009】
いくつかの実施形態では、カテーテルは1つ又は2つ以上の弾性くさびを備え、各くさびは、2つの隣接したブロック間に結合されており、スプラインを、器官の表面に適合させるように構成されている。他の実施形態では、ブロックは、アラミド繊維充填エポキシ樹脂(AFEP)から作られる。更に他の実施形態では、回路基板は1つ又は2つ以上のカプトン層から作られる。
【0010】
一実施形態では、カテーテルはバスケットカテーテルを含む。
【0011】
本発明の一実施形態によれば、カテーテルを作成する方法が更に提供されており、この方法は、1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板を備えるスプラインを提供することを含む。2つ以上の補強要素は、スプラインの回路基板に沿って分布されており、それによってスプラインが機械的に補強される。複数のスプラインを備える拡張可能な遠位端アセンブリが作成されており、複数のスプラインのうちの少なくとも1つはスプラインを含む。遠位端アセンブリは、カテーテルを患者の器官に挿入するためのシャフトに結合されている。
【0012】
本発明の一実施形態によれば、医療処置を適用する方法が更に提供されており、この方法は、患者の器官に遠位端アセンブリを備えるカテーテルを挿入することを含み、アセンブリが複数のスプラインを備え、そのうち少なくとも1つのスプラインが、1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板と、スプラインの回路基板に沿って分布されており、それによってスプラインを機械的に補強する2つ以上の補強要素とを備える。遠位端アセンブリは、器官の内部で拡張されて、複数のスプラインが器官の表面に適合することを可能にし、それによって電極と表面との間の接触をとるようにする。医療処置は電極を使用して適用されている。
【0013】
本発明は、以下の発明を実施するための形態を図面と併せて考慮することで、より完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態による、カテーテル追跡システムの概略絵図である。
【
図2】本発明の一実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリの概略絵図である。
【
図3】本発明の一実施形態による、遠位端アセンブリのスプラインの概略絵図である。
【
図4】本発明の実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリを示す概略断面図である。
【
図5】本発明の実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリを示す概略断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による、折畳み位置にある遠位端アセンブリを示す概略断面図である。
【
図7】本発明の実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリを示す概略断面図である。
【
図8】本発明の実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリを示す概略断面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、遠位端アセンブリのスプラインの概略絵図である。
【
図10A】本発明の実施形態による、遠位端アセンブリの遠位側キャップの概略絵図である。
【
図10B】本発明の実施形態による、遠位端アセンブリの遠位側キャップの概略絵図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
概要
以下に記載する本発明の実施形態は、医療用カテーテルに使用される遠位端アセンブリの改善された構成を提供する。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端アセンブリは複数のスプラインを備え、各スプラインは、一般的にはカプトン(商標)から作られたフレキシブル回路基板のストリップを備える。一実施形態では、様々な種類の電極及び他のデバイスが、回路基板の患者組織に面する側に配設されてもよく、回路基板は、電極とカテーテルを通る配線との間に電気接続性を提供する。
【0016】
カテーテルは、一般的に、折畳み位置で患者の身体に挿入され(例えば、シースを使用して)、対象となる器官の空洞などの標的位置に達すると拡張される。いくつかの実施形態では、折畳み位置では、シース内のカテーテルの外径は特定のサイズ(例えば、3.17mm)を超えないので、カテーテルを患者の体内で(例えば、血管に沿って)誘導することができる。一実施形態では、複数のスプラインは、誘導中にシース内で締め付けられている状態では変形しないように設計されている。拡張位置では、複数のスプラインは拡張されて、空洞の形状に適合されるので、スプライン上に配設された電極が空洞の内表面の組織と接触するようになる。
【0017】
いくつかの実施形態では、複数のスプラインのうちの少なくとも1つは、スプラインの回路基板に沿って分布されてスプラインを機械的に補強する、2つ以上の補強要素を備える。補強要素は、折畳み位置ではスプラインの変形を防ぎ、拡張位置では、スプライン電極と器官組織との間のしっかりした確実な接触を可能にするように構成されている。
【0018】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のストライプ(例えば、追加のフレキシブル回路基板又は回路基板層)が回路基板に結合されて、スプラインを機械的に補強してもよい。他の実施形態では、補強要素は、組織に触れることなく回路基板に結合される2つ以上のブロックを備えてもよい。
【0019】
様々な実施形態では、ブロックの断面は、台形形状などの任意の好適な形状を有してもよい。別の実施形態では、各ブロックは磁気要素を更に備えてもよい。隣接したブロックの磁気要素は、互いに磁気的に反発することによって、拡張位置においてスプラインに矯正力を適用するように配列されてもよい。
【0020】
開示する技術は、多数の電極及びセンサを備えることを要する、マルチスプラインカテーテルにおいて特に有効である。複数の回路基板スプラインを使用することで、電極の小型化が可能になり、電極とカテーテルの近位端との間の電気接続性が単純になる。更に、開示する技術によって、複数のカテーテルスプラインをニッケルチタン(ニチノール)などの高価な材料から構築する必要性が低減され、したがって、かかるカテーテル及び関連する医療処置のコストを低減することができる。
【0021】
システムの説明
図1は、本発明の一実施形態による、カテーテル追跡システム20の概略絵図である。システム20は、本実施例では心臓カテーテルであるプローブ22と、制御コンソール24とを備える。本明細書に記載する実施形態では、カテーテル22は、心臓26内の組織のアブレーション、及び、例えば心臓不整脈など、心臓の機能不全を診断するための心電信号のマッピングなど、任意の好適な治療及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0022】
コンソール24は、カテーテル22からの信号を受信するため、及び本明細書に記載のシステム20の他の構成要素を制御するための、好適なフロントエンド及びインターフェース回路を有する、一般的には汎用コンピュータであるプロセッサ39を備える。プロセッサ39は、システムが使用する機能を実施するようにソフトウェアでプログラムされてもよく、プロセッサはソフトウェアのためのデータをメモリ38に格納する。ソフトウェアは、例えば、ネットワークを通じて電子形態でコンソール24にダウンロードされてもよく、又は光学、磁気、若しくは電子記憶媒体など、非一時的な有形媒体上に提供されてもよい。あるいは、プロセッサ39の機能のうちの一部又は全てが、専用の又はプログラム可能なデジタルハードウェア構成要素によって実施されてもよい。
【0023】
オペレータ30(介入する心臓専門医など)は、テーブル29に横たわった患者28の脈管系を通してカテーテル22を挿入する。カテーテル22は、挿入管と、複数のスプラインを備える遠位端アセンブリ40とを備える(
図2に図示)。オペレータ30は、
図1の挿入図に示されるように、カテーテルの近位端付近にあるマニピュレータ32を用いて、カテーテル22を操作することによって、カテーテル22のアセンブリ40を心臓26の標的領域の近傍で動かす。カテーテル22の近位端は、プロセッサ39のインターフェース回路に接続されている。
【0024】
心臓腔内における遠位端アセンブリの位置は、一般的に、カテーテル追跡システム20の磁気位置感知によって測定される。この場合、コンソール24は駆動回路34を備え、この駆動回路34は、テーブル29に横たわる患者28の体外における既知の位置、例えば患者の胴体の下に位置する磁界発生器36を駆動する。
【0025】
遠位端アセンブリ40は、一般的に、複数のスプラインを備え、それらはそれぞれ、1つ又は2つ以上の磁界センサ及び/又は1つ又は2つ以上のマッピング電極、並びに/あるいは他のデバイスを備える(例えば、下記
図2及び
図3に図示)。遠位端アセンブリを、心臓内組織と、例えば心臓の内面と接触させると、マッピング電極は、感知された電位に反応して電位勾配信号を生成し、位置センサは、感知された外部磁界に反応して位置信号を生成し、それによってプロセッサ39が、心臓腔内部の位置の関数として、電位をマッピングすることが可能になる。
【0026】
アセンブリ40内の複数の磁気位置センサ及びマッピング電極は、カテーテル近位端のプロセッサ39のインターフェース回路に接続されている。オペレータ30は、ユーザディスプレイ31上の心臓26の画像33で、アセンブリ40の位置を見ることができる。
【0027】
この位置感知方法は、例えば、Biosense Webster Inc.(Diamond Bar,Calif.)が製造するCARTO(商標)システムにおいて実現されており、その詳細は、米国特許第5,391,199号、同第6,690,963号、同第6,484,118号、同第6,239,724号、同第6,618,612号及び同第6,332,089号、国際公開第96/05768号、並びに米国特許出願公開第2002/0065455(A1)号、同第2003/0120150(A1)号及び同第2004/0068178(A1)号に開示されており、それらの開示は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0028】
他の実施形態では、磁気位置センサの代わりに、遠位端アセンブリ40は、高度電流局在化(advanced current localization)(ACL)センサ又は任意の他の好適な位置センサなど、1つ又は2つ以上のインピーダンス位置センサを備えてもよく、システム20は、それぞれの位置追跡モジュールを備える。代替実施形態では、システム20は位置追跡モジュールを何ら備えておらず、遠位端アセンブリ40は位置追跡センサを何ら備えていない。
【0029】
図2は、本発明の一実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリ40の概略絵図である。アセンブリ40は、1つ又は2つ以上のスプライン42を含む。各スプライン42は、その長手方向軸の周りに可撓性であるアームを備える。アーム42はそれぞれ、カプトン(商標)から、又は折畳み位置及び拡張位置で求められるようなアセンブリ40のスプラインの屈曲を可能にする任意の他の好適な材料から作られた、フレキシブル回路基板48のストリップから製作されてもよい。カテーテルの挿入の間、スプライン42は、(下記
図6で示されるように)折畳み位置で互いにまとめられ、シース又は任意の他の好適なデバイス内で保持される。カテーテル遠位端を対象の空洞に挿入した後、スプラインは、
図2に示されるように拡張位置へとセットされる。
【0030】
いくつかの実施形態では、基板48は、長さ80.9mm、幅11.25mm、及び厚さ約0.18mmを有してもよい。他の実施形態では、任意の他の好適な寸法が適用されてもよい。
【0031】
各スプライン42は、一般的に、マッピング電極、位置センサ、組織アブレーション電極、又は任意の他の好適な種類の電極など、1つ又は2つ以上の埋込み電極50を備える。拡張位置では、電極を使用して、信号を心臓組織から収集するため、又は信号を心臓組織に適用するために、スプライン42のうちの1つ又は2つ以上が心臓の内表面と接触している。
【0032】
アセンブリ40は、アセンブリ40の遠位端に位置する遠位側キャップ44を更に備える。アセンブリ40は、それに加えて、折畳み位置と拡張位置との間でアセンブリ40を移行させるのに使用される、シャフト46を備える。
【0033】
一実施形態では、キャップ44は、アセンブリ40を心臓26内で安全に誘導するための、研磨したスチール又はニチノールから作られた非外傷性先端を備える。スプラインの遠位区画は、下記
図3及び
図4にもまた図示されるように、共にキャップに結合する。
【0034】
キャップ44及びシャフト46は、好適な研磨されたスチール若しくはニチノール、又は任意の他の好適な材料から製作されてもよく、スプライン42の近位端及び遠位端をそれぞれ結合するように構成される。拡張位置では、シャフト46はキャップ44に向かって押され、それによって、
図2に示されるようにスプライン42が曲がる。いくつかの実施形態では、キャップ44は、下記
図10に示されるような2つの構成のうち1つで構成されてもよい。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態による、スプライン42の上面図及び下面図の概略絵図である。
図3の上側は下面図を表し、スプライン42の下側表面を示しており、
図3の下側は上面図を表し、同じスプラインの上側表面を示している。カテーテルが配備されたとき、スプライン42の上側表面は空洞組織に面し、下側表面は組織から離れる方に面する。
【0036】
いくつかの実施形態では、スプライン42には、遠位端40を作成する間、スプライン42をキャップ44に結合するのに使用される、1つ又は2つ以上の定着穴41が穿孔されている。
【0037】
いくつかの実施形態では、複数の電極50が基板48の上側表面に形成されるので、
図2に示されるような遠位端40の拡張位置では、電極50は心臓26の組織と接触をとる。センサなどの他の構成要素が、同様の方法でスプラインに結合されてもよい。
【0038】
いくつかの実施形態では、電気回路トレース45はスプライン42の下側表面に形成されており、各トレース45は、それぞれの接点47で電極50に接続されている。一実施形態では、各接点47は、回路基板を通り抜けて上側表面に至り、それぞれのトレース47をそれぞれの電極50に接続する、めっきされた導電性ビアを備える。他の実施形態では、接点及びトレースは、下記
図9に示される構成など、別の好適な構成で配列されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、回路トレース45は、コンソール24と電極50との間で信号を交換するための、カテーテルを通る好適な配線に接続されている。例えば、トレース45は、心臓26で電極50によって感知された電位(EP)信号をコンソール24に送信するのに使用されてもよい。
【0040】
スプラインの機械的補強
拡張位置では、電極を使用して信号を心臓組織から収集するため、又は信号を心臓組織に適用するため、遠位端アセンブリのスプライン上の電極が、心臓26の内表面と確実な接触をとることが重要である。いくつかの例では、スプラインはその可撓性によって変形することがあり、その場合、電極のいくつかが内表面と接触しないことがある。したがって、各スプラインが心臓26の内表面に適合することを担保するため、スプラインを機械的に補強することが重要である。本明細書に記載する本発明の実施形態は、スプラインを機械的に補強する方法及び装置について記述する。
【0041】
図4は、本発明の一実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリ52の概略断面図である。アセンブリ52は、例えば、上記
図2のアセンブリ40に取って代わってもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、アセンブリ52は、カプトン、又は可撓性基板49を作成するのに適した任意の他の基板材料のストリップから作られる、複数のスプライン61を備える。一実施形態では、基板49は、例えば、上記
図2の基板48に取って代わってもよい。基板49は、上記
図2に示される電極50などの電極(図示なし)を備えてもよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、スプライン61は、例えば、接着又は当該分野で知られている任意の他の結合技術を使用して、互いに結合された2つ以上のカプトン基板を備える。カプトン基板の多層構造は、スプライン61が心臓26の内表面に良好に適合して、スプライン電極と内表面との間の直接接触をとるように、スプライン61の剛性を改善してもよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、スプライン61は、スプライン61をキャップ44に結合するように適合された、結合メカニズム43を更に備える。一実施形態では、メカニズム43は、1つ又は2つ以上の定着穴41、又はスプライン61をキャップ44に結合するのに適した任意の他のメカニズムを備える。いくつかの実施形態では、キャップ44は、下記
図10A及び
図10Bに示される2つの構成のどちらかを有してもよい。
【0045】
図5は、本発明の別の実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリ62の概略断面図である。アセンブリ62は、例えば、上記
図2のアセンブリ40に取って代わってもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、アセンブリ62は、例えば、上記
図2のスプライン42に取って代わってもよい、1つ又は2つ以上のスプライン63を備える。一実施形態では、スプライン63は、1つ又は2つ以上のカプトン層(一般的に、3層以下)を備えると共に、上記
図2に示されるような電極50などの電極(図示なし)を有する、基板48を備える。
【0047】
いくつかの実施形態では、スプライン63は、「ブロック」とも呼ばれる1つ又は2つ以上の補強要素59を更に備える。一実施形態では、各要素59は、硬化したアラミド繊維充填エポキシ樹脂F161(AFEP)から、又は任意の他の好適な材料から作られ、台形形状又は任意の他の好適な形状を有する。
【0048】
一実施形態では、台形の下底(long base)の長さは約5mm、上底(short base)の長さは約0.72mmである。台形は、一般的に厚さ0.25mmであり、一般的に、台形の下底と側辺との間の角度は40.5度である。台形の下底は基板48の下側表面に結合されて、スプライン63を機械的に補強する。
【0049】
いくつかの実施形態では、複数の要素59は、基板48の下側表面に沿って一列で互いに隣り合って結合されるが、下底は互いに近接(又は物理的に接触)している。いくつかの実施形態では、下記
図6に詳細に記載されるように、台形形状、及び要素59の配列によって、拡張位置におけるスプラインの曲率が制限される。
【0050】
図5におけるスプライン63及び要素59の構成は、単に例として描写したものである。代替実施形態では、任意の他の好適な構成が使用されてもよい。例えば、スプライン63は、基板48の上側表面の中央でのみ結合された電極を有してもよく、その場合、要素59は、基板48の下側表面の中央でのみ結合されてもよく、それによって(下記
図6に示されるように)アセンブリ62を収縮させることができ、電極が心臓26の内壁と接触することが担保される。
【0051】
図6は、本発明の一実施形態による、折畳み位置にある
図5の遠位端アセンブリ62の概略断面図である。
図6に示される断面図は、アセンブリ62の遠位端から前方を見ている。
【0052】
図6の例では、アセンブリ62は12個のスプライン63を備え、各スプラインが基板48を有し、それに対して単一の要素59が結合される。上述したように、カテーテル22の挿入の間、スプラインは折畳み位置で互いにまとめられ、シース内で保持される。
【0053】
一実施形態では、要素59の形状及び寸法によって、折畳み位置におけるアセンブリ62の最小径が決まる。折畳み位置におけるアセンブリ62の直径は、一般的に、対象の器官へと続く血管の幅によって規定される。例えば、ヒトの心臓の血管の一般的な直径は3~4mmであり、したがって、アセンブリ62の一般的な外径は、スプライン上に配設される電極の量に応じて、7フレンチ~9.5フレンチ(2.33mm~3.17mmに等しい)である。
【0054】
図6の例では、折畳み位置におけるアセンブリ62の最小径は、台形の上底のサイズによって制限される。アセンブリ62は、隣接した要素の上底が互いに物理的に接触していると、それ以上収縮することができない。この属性によって、アセンブリごとのスプラインの数が決まり、要素59の形状及び寸法が規定される。折り畳まれたときのアセンブリ62の最小径はまた、センサ、相互接続配線、灌注チューブ、又は他の要素などの要素によって影響を受けることもある。
【0055】
図7は、本発明の一実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリ72の概略断面図である。アセンブリ72は、例えば、上記
図2のアセンブリ40に取って代わってもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、アセンブリ72は1つ又は2つ以上のスプライン65を備え、各スプライン65は、例えば、上記
図2のスプライン42に取って代わってもよい。一実施形態では、スプライン65は、要素59を備えたスプライン63と同様の基本構造を有し、1つ又は2つ以上の弾性くさび57を更に備える。各くさび57は、一般的に、シリコーンゴムから作られて弾性になっており、ポリウレタン(PU)又は任意の他の好適な接着剤を使用して、2つの隣接した要素59に結合(例えば、接着)されている。いくつかの実施形態では、くさび57は角錐形状を有してもよい。角錐の例示的な高さは0.23mmであり、角錐の長方形基部の例示的な長さ及び幅はそれぞれ、0.72mm及び0.25mmである。
【0057】
一実施形態では、弾性くさびは、遠位端アセンブリが折畳み位置にあるときは圧縮されており、遠位端アセンブリが拡張位置にあるときは伸長又は弛緩されている。
【0058】
いくつかの実施形態では、くさび57は、要素59間の空間を埋めることによって、(例えば、折畳み位置における)アセンブリ72の収縮を更に制限する。一実施形態では、くさび57は、拡張位置において限定された程度まで伸長することによって、拡張位置でのアセンブリ72の最大径を制限してもよい。
【0059】
図7の例では、くさび57は、それぞれの隣接した要素59の隣接した斜線間の容積を埋める、三角形状を有する。他の実施形態では、スプライン65と空洞組織(例えば、心臓26の内壁)との形状の適合を改善するように、またアセンブリ72の許容可能な収縮(及びしたがって、スプライン65の最大変形)を制限するように、要素59及びくさび57の任意の他の好適な形状が使用されてもよい。
【0060】
図8は、本発明の一実施形態による、拡張位置にある遠位端アセンブリ82の概略断面図である。アセンブリ82は、例えば、上記
図2のアセンブリ40に取って代わってもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、アセンブリ82は1つ又は2つ以上のスプライン67を備え、各スプライン67は、例えば、上記
図2のスプライン42に取って代わってもよい。一実施形態では、スプライン67は、補強要素51の1つ又は2つ以上のブロックを備える。一実施形態では、各要素51は、AFEPから(要素59に実質的に類似)、又は任意の他の好適な材料から作られ、台形形状を有してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態では、各要素51は、正極89及び負極99を有する磁気要素53を備える。
【0063】
いくつかの実施形態では、磁気要素53は、アルミニウム、ニッケル、及びコバルトで合金にした鉄のバルクの略語である、アルニコから作られる。一実施形態では、各要素53は、例えば複数ステップの成型プロセスを使用して、要素51に埋め込まれる。第1のステップで、要素51の下側部分(例えば、下底)が形成され、次に磁気要素53が下底に結合され、次に上側部分(例えば、上底)が上に成型されて、要素53が要素51内に封入される。
【0064】
一実施形態では、磁気要素53は、隣接した要素53の対面している縁部が同じ磁極性を有するようにして、スプライン67内に配列される。この配列では、隣接した磁気要素53の全ての対が、互いを離して保つ性質がある磁気反発力を生み出す。
【0065】
例えば、スプライン67は、磁気要素53Aを備える補強要素51Aと、磁気要素53Aを備える補強要素51Bとを備えてもよいが、要素51Bは要素51Aの右側に位置する。一実施形態では、磁気要素53Aの右縁部と磁気要素53Bの左縁部は両方とも正極89である。この配列は、要素51Aと要素51Bとの間(並びにスプライン67の隣接した要素51の任意の他の対の間)に磁気反発力を形成し、それによってスプライン67を、上記
図2に示されるように、シースから心臓腔内へと排出した後、完全拡張位置へと矯正する。
【0066】
図9は、本発明の別の実施形態による、上面図及び下面図で示される、スプライン92の概略絵図である。
【0067】
図9の上側の図は上面図を表し、スプライン92の上側表面を示しており、下側の図は下面図を表し、同じスプラインの下側表面を示している。
【0068】
次に、スプライン92の上面図を参照する。いくつかの実施形態では、トレース45及び電極50は、当該分野で知られている任意の作成技術を使用して、基板48の上側表面に作成される。スプライン92の例示的な作成手順を本明細書に記載するが、任意の他の好適な作成手順もまた使用されてもよい。
【0069】
トレース45は、基板48の上側表面に形成される。ポリアミド又は任意の他の好適な材料から作られる1つ又は2つ以上の誘電体層は、リード45上に配設される。1つ又は2つ以上の導電接続(図示なし)は、(例えば、誘電体に穴をエッチングし、それらの穴を銅などの導電性材料で埋めることによって)誘電材料を通して形成される。各接続は、所与のトレース45とそのそれぞれの電極50との間を接続するように適合される。したがって、接続は、それぞれの電極の意図される場所の下に形成される。
【0070】
次に、スプライン92の下面図を参照する。いくつかの実施形態では、スプライン92は、基板48の下側表面に沿って配設された補強要素93を備える。要素93は、ポリエチレン(ナイロン)又は任意の他の好適な材料から作られたストライプ若しくはファイバーなどの接触要素(contiguous element)を含んでもよい。ファイバーは、基板48の下側表面に結合されるか、又は基板48のカプトン層の間に埋め込まれてもよい。
【0071】
代替実施形態では、要素93は生理食塩水チューブを含んでもよく、このチューブは基板48を機械的に補強するがその可撓性を維持してもよく、それによって各スプライン92が拡張位置において心臓26の内表面に適合することを担保する。
【0072】
トレース45を基板48の上側表面に作成することによって、上述したものなどの、要素93の形態で、又は任意の他の好適な形態を使用してスプライン92を補強する、任意の生体適合性材料を使用することが可能になる。
【0073】
図10Aは、本発明の一実施形態による、
図2の遠位端アセンブリ40の遠位側キャップ44の概略絵図である。いくつかの実施形態では、各スプライン42には、スプライン42の遠位端に位置する(例えば、2つの)定着穴41が穿孔される。一実施形態では、スチール又は任意の他の好適な材料で作られた結合ピン101は、遠位端40を作成する間、及び上記
図2に記載されるような動作の間、スプライン42を互いに結合するねじ山としての役割を果たす。
【0074】
図10Bは、本発明の一実施形態による、遠位端アセンブリ100の遠位側キャップ104の概略絵図である。アセンブリ100は、例えば、上記
図2のアセンブリ40に取って代わってもよい。
【0075】
いくつかの実施形態では、アセンブリ100は複数のスプライン102を備え、各スプライン102は、例えば、上記
図5のスプライン63に取って代わってもよい。一実施形態では、キャップ104は、好適な研磨されたスチール若しくはニチノールから、又は任意の他の好適な材料から作られたリング108を備える。いくつかの実施形態では、リング108は、任意の好適な内径105及び外径106を有する。例えば、内径は1.72mmであり、外径は1.81mmである。
【0076】
一実施形態では、キャップ104は、リング108から延在する複数のアーム110を更に備える。各アーム110は、スプライン102のカプトン層を穿孔するか、又は任意の他の好適な結合技術を使用することによって、1つのスプライン102をリング108に結合するように構成される。
【0077】
上に述べた実施形態は例として挙げたものであり、本発明は上記に具体的に示し、説明したものに限定されない点が理解されよう。むしろ本発明の範囲は、上述の様々な特徴の組み合わせ及びその一部の組み合わせの両方、並びに上述の説明を読むことで当業者により想到されるであろう、従来技術において開示されていない変形及び修正を含むものである。参照により本特許出願に援用される文献は、これらの援用文献において、いずれかの用語が本明細書において明示的又は暗示的になされた定義と矛盾して定義されている場合には、本明細書における定義のみを考慮するものとする点を除き、本出願の一部とみなすものとする。
【0078】
〔実施の態様〕
(1) カテーテルであって、
患者の器官に挿入するためのシャフトと、
前記シャフトに結合されており、複数のスプラインを含む、拡張可能な遠位端アセンブリであって、少なくとも1つのスプラインが、1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板を備え、前記回路基板は、前記遠位端アセンブリが前記器官内で拡張されているとき、前記器官の表面に適合して、前記電極と前記表面との間の接触をとるように構成されている、拡張可能な遠位端アセンブリと、
前記スプラインの前記回路基板に沿って分布されており、前記スプラインを機械的に補強するように構成されている、2つ以上の補強要素と、
を備える、カテーテル。
(2) 前記補強要素が、前記回路基板に結合されたストライプを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(3) 前記電極が、前記回路基板の、前記器官の前記表面に面する側に結合されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(4) 前記補強要素が、前記回路基板の、前記器官の前記表面に面しない側に結合されている、実施態様1に記載のカテーテル。
(5) 前記補強要素が、前記回路基板に結合された2つ以上のブロックを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
【0079】
(6) 少なくとも一対の隣接したブロックがそれぞれ磁石を含み、前記磁石が互いに磁気的に反発するように配置されている、実施態様5に記載のカテーテル。
(7) 前記ブロックのうちの少なくとも1つが台形形状を有する、実施態様5に記載のカテーテル。
(8) 1つ又は2つ以上の弾性くさびを備え、各くさびが、2つの隣接したブロック間に結合されており、前記スプラインを、前記器官の前記表面に適合させるように構成されている、実施態様5に記載のカテーテル。
(9) 前記ブロックが、アラミド繊維充填エポキシ樹脂(AFEP)から作られる、実施態様5に記載のカテーテル。
(10) 前記回路基板が、1つ又は2つ以上のカプトン層から作られる、実施態様1に記載のカテーテル。
【0080】
(11) 前記カテーテルがバスケットカテーテルを含む、実施態様1に記載のカテーテル。
(12) カテーテルを作成する方法であって、
1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板を備えるスプラインを提供することと、
前記スプラインを機械的に補強するように、前記スプラインの前記回路基板に沿って、2つ以上の補強要素を分布させることと、
複数のスプラインを備える拡張可能な遠位端アセンブリを作成することであって、前記複数のスプラインのうちの少なくとも1つが前記スプラインを含む、ことと、
前記遠位端アセンブリを、前記カテーテルを患者の器官に挿入するためのシャフトに結合することと、
を含む、方法。
(13) 前記補強要素を結合することが、2つ以上のブロックを前記回路基板に結合することを含む、実施態様12に記載の方法。
(14) 少なくとも一対の隣接したブロックがそれぞれ磁石を含み、前記磁石が互いに磁気的に反発するように配置されている、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記ブロックのうちの少なくとも1つが台形形状を有する、実施態様13に記載の方法。
【0081】
(16) 1つ又は2つ以上の弾性くさびを結合することを含み、前記くさびのそれぞれが、2つの隣接したブロック間に結合されており、前記スプラインを前記器官の前記表面に適合させる、実施態様13に記載の方法。
(17) 前記回路基板が、1つ又は2つ以上のカプトン層から作られる、実施態様12に記載の方法。
(18) 前記カテーテルがバスケットカテーテルを含む、実施態様12に記載の方法。
(19) 医療処置を適用する方法であって、
患者の器官に遠位端アセンブリを備えるカテーテルを挿入することであって、前記アセンブリが複数のスプラインを備え、そのうち少なくとも1つのスプラインが、
1つ又は2つ以上の電極が配設されたフレキシブル回路基板と、
前記スプラインの前記回路基板に沿って分布されており、それによって前記スプラインを機械的に補強する2つ以上の補強要素とを備える、ことと、
前記遠位端アセンブリを前記器官の内部で拡張して、前記スプラインが前記器官の表面に適合することを可能にし、それによって前記電極と前記表面との間の接触をとるようにすることと、
前記電極を使用して前記医療処置を適用することと、
を含む、方法。