(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】管理装置、管理方法及び管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/02 20200101AFI20231211BHJP
G08G 1/13 20060101ALI20231211BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20231211BHJP
G08B 27/00 20060101ALI20231211BHJP
G08B 21/10 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
G05D1/02 P
G05D1/02 H
G08G1/13
G01C21/34
G08B27/00 A
G08B21/10
(21)【出願番号】P 2022165913
(22)【出願日】2022-10-14
【審査請求日】2022-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岡原 昌之
(72)【発明者】
【氏名】吉井 めぐみ
(72)【発明者】
【氏名】田代 丈晴
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-003602(JP,A)
【文献】特開2020-042366(JP,A)
【文献】特開2019-128244(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外及び屋内を自律走行するロボットが走行する各エリアのマップ情報を記憶する記憶部と、
災害情報を含む外部情報を収集する収集部と、
前記ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する取得部と、
前記外部情報を基に、災害の発生と該災害が発生する災害発生エリアを検知する検知部と、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記災害発生エリアに位置する前記ロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する特定部と、
前記外部情報と前記マップ情報とを基に、前記災害発生エリアに位置するロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定する判定部と、
前記退避ルートを端末装置にレコメンドするレコメンド部と、
を有
し、
前記外部情報は、前記災害発生エリアの人流予測結果を含み、
前記判定部は、前記人流予測結果が示す人流を回避して、前記退避ルートを判定することを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記判定部は、前記災害発生エリアに複数の前記退避場所が設定される場合、複数の前記退避場所に、前記災害発生エリアに位置する各ロボットを分散して退避させる前記退避ルートを判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記判定部は、前記災害発生エリアに位置するロボット間で異なる前記退避ルートを判定することを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項4】
管理装置が実行する管理方法であって、
災害情報を含む外部情報を収集する工程と、
屋外及び屋内を自律走行するロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する工程と、
前記外部情報を基に、災害の発生と該災害が発生する災害発生エリアを検知する工程と、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記災害発生エリアに位置する前記ロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する工程と、
前記外部情報と、前記ロボットが走行する各エリアのマップ情報とを基に、前記災害発生エリアに位置するロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定する工程と、
前記退避ルートを端末装置にレコメンドする工程と、
を含
み、
前記外部情報は、前記災害発生エリアの人流予測結果を含み、
前記判定する工程は、前記人流予測結果が示す人流を回避して、前記退避ルートを判定することを特徴とする管理方法。
【請求項5】
災害情報を含む外部情報を収集するステップと、
屋外及び屋内を自律走行するロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信するステップと、
前記外部情報を基に、災害の発生と該災害が発生する災害発生エリアを検知するステップと、
前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記災害発生エリアに位置する前記ロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定するステップと、
前記外部情報と、前記ロボットが走行する各エリアのマップ情報とを基に、前記災害発生エリアに位置するロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定するステップと、
前記退避ルートを端末装置にレコメンドするステップと、
をコンピュータに実行させ
、
前記外部情報は、前記災害発生エリアの人流予測結果を含み、
前記判定するステップは、前記人流予測結果が示す人流を回避して、前記退避ルートを判定するための管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理装置、管理方法及び管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、人手不足に対応するため、自律走行型のロボットが開発されている。自律走行型のロボットは、屋内や、屋外を走行することで、物品配送、警備、案内、清掃、人の移乗等のタスクを実施する。
【0003】
この自律走行型のロボットの走行エリアは、遠隔操作及び複数台同時制御によって、一施設の内部及び該施設周辺のエリアに限らず、複数施設間及びその周辺のエリアや、複数エリア及びそのエリア間の往来まで、拡大が検討されている。
【0004】
各ロボットは、例えば、それぞれのロボットオペレータによって、タスク及び走行ルートが設定され、ロボット事業者の制御サーバに、走行を制御されることで、自律走行を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2019-078618号公報
【文献】特開2019-079247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、災害発生時、または、災害発生が予測される場合において、各ロボットオペレータは、災害発生エリアを走行する各ロボットを退避させる必要がある。この場合、例えば、ロボットオペレータは、災害情報を収集し、災害発生エリアに位置するロボットの走行ルートを退避ルートに書き換えて、ロボットを退避させなくてはならない。
【0007】
ロボット台数及びエリア拡大に伴い、ロボットオペレータが管理するエリアやロボットの台数が増加する中、ロボットオペレータは、災害発生時、または、災害発生が予測される場合には迅速に各ロボットを退避させなくてはならない。このため、災害発生時、または、災害発生が予測される場合におけるロボットオペレータの処理負担が非常に高くなり、ロボットの迅速な退避が難しいことも考えられる。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、災害発生時、または、災害発生が予測される場合における自律走行型ロボットの迅速な退避を支援することができる管理装置、管理方法及び管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の管理装置は、屋外及び屋内を自律走行するロボットが走行する各エリアのマップ情報を記憶する記憶部と、災害情報を含む外部情報を収集する収集部と、前記ロボットを制御する制御装置から、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを受信する取得部と、前記外部情報を基に、災害の発生と該災害が発生する災害発生エリアを検知する検知部と、前記ロボットの現在位置または前記ロボットの走行ルートを基に、前記災害発生エリアに位置する前記ロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットを特定する特定部と、前記外部情報と前記マップ情報とを基に、前記災害発生エリアに位置する前記ロボット、または、前記災害発生エリアに位置すると予測される前記ロボットごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定する判定部と、前記退避ルートを端末装置にレコメンドするレコメンド部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、災害発生時、または、災害発生が予測される場合における自律走行型ロボットの迅速な退避を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態における管理システムの概略を説明する図である。
【
図2】
図2は、実施の形態における管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す制御サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す管理サーバの構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、
図5は、エリアのマップ図の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、退避ルートの設定例を説明する図である。
【
図7】
図7は、退避ルートの設定例を説明する図である。
【
図8】
図8は、
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、
図2に示す管理サーバの画面の一例を示す図である。
【
図11】
図11は、実施の形態に係る管理処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図12】
図12は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る管理装置、管理方法及び管理プログラムが限定されるものではない。
【0013】
[実施の形態]
以下の実施の形態では、実施の形態に係る管理装置及び管理方法の処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0014】
図1は、実施の形態における管理システムの概略を説明する図である。
図2は、実施の形態における管理システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0015】
図1,2に示すように、実施の形態における管理システムは、屋外及び屋内を自律走行するロボット10A-1,10A-2,10B-1,10B-2を制御する制御サーバ20A,20B(制御装置)と、ロボット制御に関する情報を提供する管理サーバ30(管理装置)とを有する。
【0016】
実施の形態における管理システムにおいて、複数の制御サーバ20A,20Bが、無線通信等を用いて、自律走行型のロボット10A-1,10A-2,10B-1,10B-2を制御する。
【0017】
なお、
図1,2に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。また、ロボット10A-1,10A-2,10B-1,10B-2を総称する場合、ロボット10と記載する。ロボット10A-1,10A-2を総称する場合、ロボット10Aと記載する。ロボット10B-1,10B-2を総称する場合、ロボット10Bと記載する。また、制御サーバ20A,20Bを総称する場合、制御サーバ20と記載する。
【0018】
制御サーバ20Aは、ロボット事業者Aのロボット制御システムに従って、ロボット10Aの自律走行を制御する。制御サーバ20Bは、ロボット事業者Bのロボット制御システムに従って、ロボット10Bの自律走行を制御する。制御サーバ20は、例えば、ロボットオペレータの操作を介して、制御対象の各ロボット10のタスク及び走行ルートを設定する。なお、前述のロボットオペレータの操作として、ロボットオペレータ(人間)は、端末装置等を操作して制御対象の各ロボット10のタスク及び走行ルートを設定する。
【0019】
ロボット10は、制御サーバ20の制御に従って、複数施設間及びその周辺のエリアを含む複数のエリアE1-1~E1-3や、エリアE1-1~E1-3間の往来を走行し、物品配送、警備、案内、清掃、人の移乗等のタスクを実施する。
【0020】
ロボット10は、例えば、制御サーバ20との間で通信を行う通信部と、自律走行を可能とする走行機能とを有する。また、ロボット10は、周囲の障害物感知を行う各種センサと、ユーザによる操作入力の受け付けや音声或いは画像情報を出力するタッチパネル、マイク、スピーカー等の入出力部とを有する。ロボット10は、例えば、撮像装置を有し、ロボット10の周囲を撮像してもよい。ロボット10は、センサによる検出結果、撮像装置が撮像した画像、ユーザによって入力された各種情報を、通信部を介して制御サーバ20に送信する。
【0021】
ロボット10は、制御サーバ20によって設定された走行ルートに従って走行し、制御サーバ20によって設定されたタスクを実行する。なお、ロボット10の現在位置は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、制御サーバ20が特定可能であってもよい。
【0022】
プラットフォーマの管理サーバ30は、端末装置に、ロボット制御に関する情報を提供する。管理サーバ30は、各制御サーバ20から、ロボット10の現在位置または走行ルートの提供を受ける。走行ルートには、この走行ルートの走行期間も付与される。また、管理サーバ30は、各制御サーバ20から、ロボット10から制御サーバ20に送信された各種情報の提供を受けてもよい。
【0023】
そして、管理サーバ30は、通信ネットワークを介して接続する、外部の各種サーバから外部情報を収集する。管理サーバ30は、収集した情報を基に、ロボット制御に関する情報を端末装置に提供する。
【0024】
外部のサーバとして、例えば、災害予測サーバ40、センサ管理サーバ50、人流予測サーバ60、外部サーバ70がある。
【0025】
災害予測サーバ40は、気象庁、地方公共団体、或いは、民間企業等に設置されたサーバであり、地震、津波、竜巻、噴火の発生を予測し、特別警報・警報・注意報、防災情報を公表する。
【0026】
センサ管理サーバ50は、ロボット走行エリアに設置された各種センサの検出動作を管理し、各種センサによる検出結果を収集する。各種センサとして、各所に設置された防犯カメラ、人感センサ、温度センサ等がある。
【0027】
人流予測サーバ60は、モバイルデータ、防犯カメラによる画像、交通機関利用情報、センサ(例えば、人感センサ)の検出結果等を基に、予測対象エリアの予測対象期間における人流を予測する。
【0028】
外部サーバ70は、ニュース記事、ブログ記事、SNS(Social Networking Service)記事等を公表するサーバである。
【0029】
管理サーバ30は、外部の各種サーバから外部情報を収集し、災害発生を検知した場合、災害発生エリアに位置するロボット10の退避場所までの退避ルートを、端末装置90にレコメンドする。ロボット10の退避場所は、予め設定される。なお、管理サーバ30から送信された情報を出力し、管理サーバ30に対する操作を受け付ける端末装置90、および制御サーバ20に対してロボット10の走行ルートの変更指示を実施できる端末装置90が設けられる。また、端末装置90は、ロボット事業者ごとに複数に設けられてもよい。
【0030】
制御サーバ20は、ロボットオペレータが操作する端末装置90から入力される情報に基づいて、各ロボットの退避ルート等を設定する。例えば、ロボットオペレータは、各ロボット10の走行ルートを、管理サーバ30によってレコメンドされた退避ルートにそれぞれ書き換えて、ロボット10を退避場所に退避させる。このように、管理サーバ30は、災害発生時、または、災害発生が予測される場合における自律走行型ロボットの迅速な退避を支援する。なお、ロボットオペレータが操作する端末装置90は、ロボット事業者ごとに独立した端末装置として設けてもよい。
【0031】
[制御サーバ]
制御サーバ20について説明する。
図3は、
図2に示す制御サーバ20の構成の一例を示すブロック図である。
図3に示すように、制御サーバ20は、例えば、通信部21、記憶部22及び制御部23を有する。なお、制御サーバ20には、マウス、キーボード等の入力デバイスや、ディスプレイ、スピーカー等の出力デバイスが接続される。
【0032】
通信部21は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信部21は、ロボット10との間で行われる通信、及び、管理サーバ30との間で行われる通信を制御する。通信部21は、タスク及び走行ルートの設定指示と、走行制御情報とを、ロボット10に送信して、ロボット10の走行及びタスク実行を制御してよい。また、通信部21は、ロボット10が取得した情報を受信してよい。通信部21は、ロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを管理サーバ30に送信してよい。
【0033】
記憶部22は、制御部23による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部22は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などであってもよい。記憶部22は、ロボット情報221、マップ情報222、タスク記憶部223、走行ルート情報224及びロボット位置情報225を有していてよい。
【0034】
ロボット情報221は、制御サーバ20が制御する各ロボットの識別情報、種別、実行可能タスクを含む情報であってもよい。
【0035】
マップ情報222は、各エリアE1-1~E1-3のマップ、及び、エリアE1-1~E1-3間の往来のマップを含むマップ情報であってよい。マップ情報222は、予め取得され、各種センサ情報やロボット10からの送信情報等を基に、適宜更新されてもよい。マップ情報222は、各エリアE1-1~E1-3の施設、施設内及び施設周辺のロボット10走行可能領域、エリアE1-1~E1-3間のロボット10走行可能領域が地図上に重畳されてもよい。なお、ロボット10は、屋外及び屋内を走行可能であってもよい。
【0036】
タスク記憶部223は、各ロボット10により実行されたタスクの履歴情報であってもよい。また、タスク記憶部223には、各ロボット10が実行中であるタスクが、タスク設定部231(後述)によって登録されてもよい。タスクとして、物品配送、警備、案内、清掃、人の移乗等があり、タスク記憶部223は、ロボット10の識別情報、タスクの識別情報、タスク実行期間等を記憶してもよい。
【0037】
走行ルート情報224は、ロボット10の走行ルートを示す情報であってもよい。走行ルートは、例えば、エリア、タスク、及び/または、ロボット10の種別に応じて、代表的な複数のルートが予め設定され、走行状況に応じて適宜修正或いは追加されてもよい。走行ルート情報224には、走行ルート設定部232(後述)が設定した各ロボット10に対する各走行ルートも登録されてもよい。
【0038】
ロボット位置情報225は、ロボット10の識別情報、ロボット10の位置及び位置検出時刻を対応付けた情報であってもよい。
【0039】
制御部23は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部23は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路であってもよい。
【0040】
制御部23は、例えば、タスク設定部231、走行ルート設定部232、ロボット位置取得部233、走行制御部234、ロボット情報送信制御部235を有してもよい。
【0041】
タスク設定部231は、例えば、利用者からのサービス提供の要求を受け付けると、実行対象のタスクを設定し、このタスクを実行するロボット10を選定する。
【0042】
走行ルート設定部232は、例えば、タスク設定部231が選定したロボット10に対し、タスクに応じた走行ルートを設定する。例えば、走行ルート設定部232は、ロボットオペレータの操作に応じて、予め設定されたルートのいずれかを走行ルートとして選択してもよい。また、走行ルート設定部232は、ロボットオペレータの操作に応じて、予め設定されたルートを修正したルートを設定してもよい。
【0043】
ロボット位置取得部233は、例えば、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、制御対象の各ロボット10の現在位置を取得する。ロボット位置取得部233は、ロボット10の識別情報に、ロボット10の位置及び位置検出時刻を対応付けて、記憶部22に格納してもよい。
【0044】
走行制御部234は、例えば、制御対象のロボット10の走行を制御することによって、走行ルート設定部232によって設定された走行ルートに従って、制御対象のロボット10を走行させる。
【0045】
ロボット情報送信制御部235は、例えば、通信部21を介して、制御対象の各ロボット10に関する情報を管理サーバ30に送信する。ロボット情報送信制御部235は、制御対象の各ロボット10の識別情報とともに、各ロボット10の現在位置または各ロボット10の走行ルートを管理サーバ30に送信してもよい。ロボット情報送信制御部235は、制御対象の各ロボット10の現在位置と、各ロボット10の走行ルートとの双方を管理サーバ30に送信してもよい。ロボット情報送信制御部235は、制御対象のロボット10のタスク、ロボット10から受信した情報を管理サーバ30に送信してもよい。
【0046】
[管理サーバ]
次に、
図2に示す管理サーバ30について説明する。
図4は、
図2に示す管理サーバ30の構成の一例を示すブロック図である。
図4に示すように、管理サーバ30は、通信部31、記憶部32及び制御部33を有する。なお、管理サーバ30には、マウス、キーボード等の入力デバイスや、ディスプレイ、スピーカー等の出力デバイスが接続される。
【0047】
通信部31は、各種情報に関する通信を制御する。例えば、通信部31は、外部の各サーバとの間で行われる通信、及び、管理サーバ30との間で行われる通信を制御する。通信部31は、制御サーバ20から、制御対象のロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを受信する。また、通信部31は、制御サーバ20から、制御対象のロボット10が取得した情報を受信する。また、通信部31は、外部のサーバから、災害情報を含む外部情報を受信する。
【0048】
記憶部32は、制御部33による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する。例えば、記憶部32は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置などである。記憶部32は、ロボット情報321、マップ情報322、タスク記憶部323、走行ルート情報324、ロボット位置情報325、災害情報326、センサ情報群327、人流予測情報328及び外部情報群329を有する。
【0049】
ロボット情報321は、制御サーバ20の識別情報と、制御サーバ20が制御する各ロボットの識別情報とを対応付けて登録された情報である。制御サーバ20から、ロボット10の種別、実行可能タスクが提供された場合、ロボット情報321には、各ロボットの識別情報に対応付けて、ロボット10の種別、実行可能タスクが登録される。
【0050】
マップ情報322は、各エリアE1-1~E1-3のマップ、及び、エリアE1-1~E1-3間の往来のマップを含むマップ情報である。マップ情報322は、各エリアE1-1~E1-3の施設、施設内及び施設周辺のロボット10走行可能領域、エリアE1-1~E1-3間のロボット10走行可能領域が地図上に重畳される。マップ情報322は、例えば、制御サーバ20から提供される。
【0051】
タスク記憶部323は、制御サーバ20から、ロボット10のタスクに関する情報が提供された場合、ロボット10の識別情報に、タスク及びタスク実行期間等を対応付けて記憶する。
【0052】
走行ルート情報324は、制御サーバ20から提供を受けた、ロボット10の走行ルートを示す情報である。走行ルート情報324には、ロボット10の識別情報と、該ロボット10の走行ルートとが対応付けられる。走行ルートには、この走行ルートの走行期間も付与される。
【0053】
ロボット位置情報325は、制御サーバ20から提供を受けた、ロボット10の現在位置を示す情報である。ロボット位置情報325には、ロボット10の識別情報、ロボット10の位置及び位置検出時刻が対応付けられる。
【0054】
災害情報326は、例えば、災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報であり、発生が予測される災害の種別、災害の度合い、発生時刻、発生期間を含む。災害情報326は、例えば、災害予測サーバ40から受信した情報に含まれる。
【0055】
センサ情報群327は、センサ管理サーバ50から受信した、ロボット走行エリアに設置された各種センサの検出結果を示す情報群である。センサ情報群327は、例えば、防犯カメラが撮像した画像、人感センサによる感知結果、温度センサによる検出温度等である。
【0056】
人流予測情報328は、人流予測サーバ60によって予測された、予測対象エリアの予測対象期間における人流を示す情報である。例えば、災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報を管理サーバ30が受信した場合に、管理サーバ30による人流予測サーバ60への予測要求によって、災害発生エリアの災害発生期間における人流予測情報が取得される。
【0057】
外部情報群329は、外部サーバ70が公表した各種記事、及び、SmartCityデータである。これらの情報によって、災害状況を逐次認識できる場合がある。
【0058】
制御部33は、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。ここで、制御部33は、CPUやMPUなどの電子回路やASICやFPGAなどの集積回路である。
【0059】
制御部33は、ロボット位置取得部331(取得部)、走行ルート取得部332(取得部)、情報収集部333(収集部)、災害発生検知部334(検知部)、対象ロボット特定部335(特定部)、退避ルート判定部336(判定部)、及び、退避ルートレコメンド部337(レコメンド部)を有する。
【0060】
ロボット位置取得部331は、制御サーバ20から、ロボットの識別情報及びロボット10の現在位置を受信することで、ロボット10の現在位置を取得する。ロボット位置取得部331は、取得したロボット10の現在位置をロボット位置情報325に登録する。
【0061】
走行ルート取得部332は、制御サーバ20から、ロボットの識別情報及びロボット10の走行ルートを受信することで、ロボット10の走行ルートを取得する。走行ルート取得部332は、取得したロボット10の走行ルートを走行ルート情報324に登録する。
【0062】
情報収集部333は、災害情報を含む外部情報を収集する。情報収集部333は、外部情報として、災害予測サーバ40から受信した災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報、センサ管理サーバ50から受信した、ロボット走行エリアに設置された各種センサの検出結果、人流予測サーバ60によって予測された災害発生エリアの人流予測情報、外部サーバ70が公表した各種記事を収集する。
【0063】
情報収集部333は、人流予測サーバ60に災害発生エリアの人流予測を要求することによって、災害発生エリアの人流予測情報を取得する。また、情報収集部333は、ロボット10の周辺が走行可能か否かを判定するために、ロボット10が撮像した画像やロボット10のセンサが検出した検出結果を収集してもよい。
【0064】
災害発生検知部334は、外部情報を基に、災害の発生が予測されたかを判定する。そして、災害発生検知部334は、外部情報を基に、災害の発生と該災害が発生する災害発生エリアと災害の発生が予測される災害発生期間とを検知する。災害発生検知部334は、災害予測サーバ40から受信した、災害に対する特別警報・警報・注意報、防災情報を基に、管理対象のいずれかのエリアに災害が発生することを検知する。或いは、災害発生検知部334は、外部サーバ70が公表した各種記事より、災害の発生や災害発生エリアを識別してもよい。
【0065】
対象ロボット特定部335は、ロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを基に、災害発生エリアに位置するロボット10を、退避対象のロボットとして特定する。対象ロボット特定部335は、制御サーバ20から提供を受けたロボット10の現在位置を基に、災害発生検知部334が検知した災害発生エリアに現在位置するロボット10を特定する。また、対象ロボット特定部335は、制御サーバ20から提供を受けた、ロボット10の走行ルートを基に、災害発生検知部334が検知した災害発生エリアを、現在走行しているロボット10を特定する。
【0066】
退避ルート判定部336は、情報収集部333が収集した外部情報と、マップ情報322とを基に、災害発生エリアに位置するロボット10ごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定する。退避場所は、予め設定され、マップ情報322に登録されている。マップ情報322には、退避場所として、退避場所の位置のほか、退避可能であるロボット台数や広さ等が登録される。
【0067】
退避ルート判定部336は、災害発生エリアに複数の退避場所が設定される場合、複数の退避場所に、災害発生エリアに位置する各ロボットを分散して退避させる退避ルートを判定する。
【0068】
退避ルート判定部336は、人流予測結果が示す人流を回避して、各ロボットの退避ルートを判定する。そして、退避ルート判定部336は、災害発生エリアに位置するロボット間で異なる退避ルートを判定する。
【0069】
退避ルート判定部336は、どの退避場所に退避させるかを、ロボット10のタスクやロボット10の種別に応じて判定してもよい。退避ルート判定部336は、例えば、冷蔵または冷凍の物品を配達するタスクが設定されたロボット10には、日陰の退避場所を振り分けて、退避ルートを判定してもよい。
【0070】
例えば、退避ルート判定部336は、予め設定された判定ルールにしたがって、予め設定された走行ルートのいずれかを選択または修正し、走行方向を設定することで、ロボット10の退避ルートを判定する。
【0071】
或いは、退避ルート判定部336は、退避ルートの判定を行う判定モデル3361を用いて、退避ルートを判定してもよい。判定モデル3361は、例えば、各エリアのマップ情報、退避場所、ロボット10の位置、ロボット10の台数、ロボット10の種別、予測された人流情報または人流の履歴情報、災害の種類及び規模、災害発生期間などの各種情報と、各条件に対応する退避ルートとを学習データとして、各ロボット10の退避ルートを出力するように学習されたモデルである。
【0072】
退避ルートレコメンド部337は、退避ルート判定部336によって判定された退避ルートを、端末装置90にレコメンドする。例えば、退避ルートレコメンド部337は、ロボットオペレータが操作する端末装置等に表示されるシステム画面に、退避対象のロボット10と、そのロボット10の退避ルートが表示されるように送信する。或いは、退避ルートレコメンド部337は、災害発生エリアのマップ上に、災害発生に伴う退避をレコメンドするテキスト等と、各ロボット10の退避ルートとを重畳させた可視化情報を、端末装置90に送信してもよい。さらに、レコメンドされた情報に基づいて、ロボットオペレータは端末装置等を操作して、ロボット10の走行ルートを変更してよい。
【0073】
[設定ルートの一例]
制御サーバ20から送信されたロボット10の走行ルートの一例について説明する。
図5以降では、複数のエリアのうち、例えば、エリアE1-1を例に説明する。
図5は、エリアE1-1のマップ図の一例を示す図である。
【0074】
図5のマップM1sに示すように、エリアE1-1には、複数の施設が設けられている。ロボット10は、これらの施設の内部や、施設周辺の建築物以外の領域を含む屋外、オブジェ以外の領域を含む屋外を走行可能である。また、エリアE1-1には、マップM1sに示すように、ロボット10の退避場所として、2か所の退避場所T1,T2が設定されてもよい。退避場所がT1,T2は、いずれも2台のロボット10が退避可能である。
【0075】
例えば、管理サーバ30は、制御サーバ20から、2台のロボット10A-1,10B-2の走行ルート及び現在位置の提供を受ける。例えば、ロボット10A-1の走行ルートは、走行ルートR1sであり、ロボット10B-2の走行ルートは、走行ルートR2sである。
【0076】
[退避ルート設定例]
続いて、エリアE1-1が災害発生エリアであると検知された場合のロボット10の退避ルートの設定について説明する。
図6及び
図7は、退避ルートの設定例を説明する図である。
【0077】
マップM1(
図6)に示すように、エリアE1-1に2台のロボット10A-1,10B-2が走行していた場合、退避ルート判定部336は、最も近い退避場所T1にロボット10A-1,10B-2を退避させる退避ルートR1,R2を判定する。
【0078】
この際、退避ルート判定部336は、災害発生期間に予測される人流Fpと重複しないように、退避ルートR1,R2を判定する。人流Fpは、人が避難のために移動する予測ルートである。
【0079】
例えば、退避ルート判定部336は、ロボット10A-1については、領域D1内において、人流Fpに一部が重複するルートR1-2ではなく、人流Fpを避けたルートR1-1を含む退避ルートR1を判定する。これによって、管理システムは、人の避難経路を阻害することなく、ロボット10を退避場所に退避させることができる。言い換えると、管理システムは、災害発生時に、人が退避する経路(例えば、人流Fp)上において、ロボット10がその障害となることを防止することができる。また、退避ルート判定部336は、ロボット10B-2については、退避場所T1までの最短ルートを退避ルートR2として判定する。
【0080】
また、マップM2(
図7)に示すように、エリアE1-1に4台のロボット10A-1,10B-2~10B-4が走行していた場合、退避ルート判定部336は、ロボット10A-1,10B-2~10B-4を、退避場所T1,T2に分散して退避させるように退避ルートを判定する。
【0081】
例えば、退避ルート判定部336は、ロボット10A-1,10B-2には、退避場所T1に退避させる退避ルートR1,R2を判定する。そして、退避ルート判定部336は、ロボット10B-3,10B-4には、退避場所T2に退避させる退避ルートR3,R4を判定する。管理システムでは、ロボット10が各退避場所に分散して退避できるように退避ルートを判定することで、退避場所の渋滞を防止する。言い換えると、管理システムは、ロボット10に対する退避箇所を適正に配置することにより、ロボット10の滞留を防止しながら、ロボット10を退避させることができる。
【0082】
さらに、退避ルート判定部336は、位置が近似するロボット10B-3,10B-4については、退避ルートもロボット10B-3,10B-4間で分散させる。具体的には、退避ルート判定部336は、ロボット10B-3,10B-4間でそれぞれ異なる退避ルートR3,R4を判定することで、ロボット10B-3,10B-4の衝突を避け、各ロボット10B-3,10B-4の円滑な退避を図る。
【0083】
[画面表示例]
例えば、津波警報がエリアE1-1に発表された場合における管理サーバ30の画面表示例について説明する。
図8及び
図9は、
図2に示す管理サーバ30の画面の一例を示す図である。
【0084】
管理サーバ30は、災害予測サーバ40から受信した情報を基に、津波警報がエリアE1-1に発表されたことを検知すると、エリアE1-1のマップM1s上(
図8)に、津波警報に関する避難勧告が発令されたことを示すウィンドウW1を重畳させる。
【0085】
管理サーバ30は、津波が予測される期間に、エリアE1-1に位置するロボット10を、退避対象のロボット10として特定する。例えば、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2がエリアE1-1に位置するロボット10として特定し、管制指示一覧L1-2(
図9)の欄C1-1,C1-2に表示する。
【0086】
管理サーバ30の操作者によって、「避難ルートをロボットオペレータに通知」するボタンB1-2が選択されると、管理サーバ30は、ロボット10A-1,10B-2の退避ルートR1,R2を判定する。そして、管理サーバ30は、端末装置90に、ロボット10A-1の退避ルートR1を送信する。また、管理サーバ30は、端末装置90に、ロボット10B-2の退避ルートR2を送信する(管制指示一覧L1-3,T1-4参照)。そして、レコメンドされた情報に基づいて、ロボットオペレータは、端末装置等を操作して、ロボット10の走行ルートを変更してよい。
【0087】
図10は、
図2に示す制御サーバ20Aの画面の一例を示す図である。ロボット10A-1のオペレータの端末装置には、退避ルートレコメンド画面(
図10)の管制指示一覧に、エリアE1-1に津波警報が発表された旨が表示される。管制指示一覧の欄C2に、退避対象として特定されたロボット10の識別情報「10A-1」と、このロボット10A-1の退避場所「T1」及び退避ルート「R1」のテキスト情報が表示される。さらに、ロボット10A-1の退避ルートR1が、エリアE1-1のマップM3に重畳表示される。
【0088】
ロボットオペレータは、退避ルートレコメンド画面(
図10)を確認することで、退避対象のロボット10の情報と、退避場所及び退避ルートとを認識することができる。
【0089】
ロボットオペレータは、レコメンドされたロボット10A-1の退避ルートR1を修正後、修正後の退避ルートでロボット10A-1を退避させるように制御処理を入力してもよい。
【0090】
[管理処理]
次に、実施の形態に係る管理処理について説明する。
図11は、実施の形態に係る管理処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0091】
図11に示すように、制御サーバ20A,20Bは、ロボット10A,10Bとの間で通信を行うことによって、タスク及び走行ルートをロボット10A,10Bに設定し、ロボット10A,10Bの自律走行を制御する(ステップS1,S3)。
【0092】
管理サーバ30は、各制御サーバ20から、各ロボット10の現在位置または走行ルートを受信することによって(ステップS2,S4)、各ロボット10の現在位置または走行ルートを取得する(ステップS5)。
【0093】
管理サーバ30は、災害情報を含む外部情報を、外部のサーバ等から収集する(ステップS6)。そして、管理サーバ30は、外部情報を基に、災害の発生が予測されたかを判定する(ステップS7)。管理サーバ30は、災害の発生が予測されていない場合(ステップS7:No)、最初に戻る。
【0094】
災害の発生が予測された場合(ステップS7:Yes)、管理サーバ30は、災害が発生する災害発生エリアと災害の発生が予測される災害発生期間とを検知する(ステップS8)。
【0095】
管理サーバ30は、ロボット10の現在位置またはロボット10の走行ルートを基に、災害発生エリアに位置するロボット10、または、災害発生エリアに位置すると予測されるロボット10を特定する(ステップS9)。
【0096】
続いて、管理サーバ30は、情報収集部333が収集した外部情報と、マップ情報322とを基に、災害発生エリアに位置するロボット10ごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定する(ステップS10)。そして、管理サーバ30は、退避ルート判定部336によって判定された、災害発生エリアに位置するロボット10、または、災害発生エリアに位置すると予測されたロボット10に関する情報、及び、各ロボットの退避ルートを、例えば、端末装置90にレコメンドする(ステップS11,S12)。
【0097】
制御サーバ20A,20Bは、ロボットオペレータが操作する端末装置90を介して、災害発生エリアに位置するロボット10の退避ルートが設定されると(ステップS13,S14,S15,S16)、設定された退避ルートに従って、災害発生エリアに位置するロボット10を退避場所まで走行させる(ステップS17,S18)。
【0098】
[実施の形態の効果]
このように、端末装置90には、管理サーバ30から、災害情報と、災害発生エリアに位置するロボット10、または、災害発生エリアに位置すると予測されるロボット10とに関する情報が提供される。このため、制御サーバ20のロボットオペレータ自身が、災害情報を収集し、災害の発生を検知し、災害発生エリアに位置するロボット10を特定する必要がない。
【0099】
さらに、端末装置90には、管理サーバ30から、災害発生エリアに位置するロボット10の退避ルートがレコメンドされる。このため、制御サーバ20のロボットオペレータは、ロボット10の走行ルートを退避ルートに書き換える際も、一から退避ルートを作成するのではなく、管理サーバ30からレコメンドされた退避ルートを基に、退避ルートを設定するだけで足りる。
【0100】
したがって、実施の形態によれば、ロボットに退避させるまでのロボットオペレータの処理負担が軽減され、災害発生時、または、災害発生が予測される場合のロボット10の退避を迅速に実行することができる。
【0101】
また、ロボット事業者ごとに退避ルートを設定すると、他の事業者で制御するロボットの位置が把握できないため、退避中に衝突する場合も考えられる。これに対し、実施の形態では、管理サーバ30が、一括して情報を収集し、いずれの事業者のロボット10に限らず、災害発生エリアに位置する各ロボット10を特定して、各ロボット10に適した退避ルートを端末装置90にレコメンドする。
【0102】
このため、実施の形態によれば、複数のロボット事業者によって複数エリアにロボットが多数導入される場合であっても、エリア及びロボット事業者を横断した退避ルート判定が可能である。したがって、実施の形態によれば、災害発生時に、災害発生エリアに位置するロボット10の迅速かつ円滑な退避を支援することができる。
【0103】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0104】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0105】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した管理サーバ30が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における制御サーバ20及び管理サーバ30が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0106】
図12は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図12に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0107】
メモリ1010は、
図12に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図12に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0108】
ここで、
図12に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0109】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0110】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0111】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0112】
10,10A,10B,10A-1,10A-2,10B-1~10B-4 ロボット
20,20A,20B 制御サーバ
30 管理サーバ
40 災害予測サーバ
50 センサ管理サーバ
60 人流予測サーバ
70 外部サーバ
21,31 通信部
22,32 記憶部
23,33,2230,2330 制御部
221,321 ロボット情報
222,322 マップ情報
223,323 タスク記憶部
224,324 走行ルート情報
225,325 ロボット位置情報
231 タスク設定部
232 走行ルート設定部
233 ロボット位置取得部
234 走行制御部
235 ロボット情報送信制御部
326 災害情報
327 センサ情報群
328 人流予測情報
329 外部情報群
331 ロボット位置取得部
332 走行ルート取得部
333 情報収集部
334 災害発生検知部
335 対象ロボット特定部
336 退避ルート判定部
337 退避ルートレコメンド部
3361 判定モデル
【要約】
【課題】災害発生時、または、災害発生が予測される場合における自律走行型ロボットの迅速な退避を支援することができる。
【解決手段】管理サーバ30は、屋外及び屋内を自律走行するロボットを制御する制御サーバから、ロボットの現在位置またはロボットの走行ルートを受信する取得部と、災害情報を含む外部情報を基に、災害の発生と該災害が発生する災害発生エリアを検知する災害発生検知部334と、ロボットの現在位置またはロボットの走行ルートを基に、災害発生エリアに位置する、または、位置すると予測されるロボットを特定する対象ロボット特定部335と、外部情報とマップ情報とを基に、災害発生エリアに位置するロボット、または、位置すると予測されるロボットごとに、予め設定された退避場所までの退避ルートを判定する退避ルート判定部336と、退避ルートを端末装置にレコメンドする退避ルートレコメンド部337とを有する。
【選択図】
図4