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特許7400059ポイントオブセールデバイス電力管理および電圧不足保護
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ポイントオブセールデバイス電力管理および電圧不足保護
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/28 20060101AFI20231211BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20231211BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20231211BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20231211BHJP
   G06F 1/3212 20190101ALI20231211BHJP
   G06F 1/3234 20190101ALI20231211BHJP
【FI】
G06F1/28
B41J29/38 501
B41J29/38 202
B41J29/38 301
G06F3/12 310
G06F3/12 329
G06F3/12 353
G07G1/00 301Z
G06F1/3212
G06F1/3234
【請求項の数】 23
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022174875
(22)【出願日】2022-10-31
(62)【分割の表示】P 2021114327の分割
【原出願日】2018-04-25
(65)【公開番号】P2023022001
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2022-11-17
(31)【優先権主張番号】15/582,166
(32)【優先日】2017-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】318002448
【氏名又は名称】ブロック, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ドゥザット, コリー
(72)【発明者】
【氏名】ウェイド, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】メイバック, マシュー, エイチ.
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-232479(JP,A)
【文献】特表2016-514442(JP,A)
【文献】特開2011-253410(JP,A)
【文献】特開2015-170090(JP,A)
【文献】特開平10-187296(JP,A)
【文献】特開2013-054572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26-1/3296
B41J 29/38
G06F 3/12
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポイントオブセール(POS)デバイスでの動作を順序付ける方法であって、
複数の動作が前記POSデバイスの1つ以上の設定に従って前記POSデバイスにより並列的に実行されることを特定することと、
前記複数の動作に対応する複数のリソース利用レートを決定することであって、前記複数のリソース利用レートの各々は、前記POSデバイスによる前記複数の動作のうちの1つの実行に対応する、ことと、
前記複数のリソース利用レートの合計に基づいて、前記POSデバイスによる並列的な前記複数の動作の実行に対応する第1予測リソース利用レートを算出することと、
前記POSデバイスの電池に接続される温度センサにより検出された測定温度を受信することと、
前記電池に接続される前記温度センサにより検出された前記測定温度に基づいて、リソース利用能力レートを決定することであって、前記リソース利用能力レートを超えるリソース利用レートは、前記POSデバイスのブラックアウトのリスクに関連付けられる、ことと、
前記リソース利用能力レートと前記第1予測リソース利用レートとの差分が、前記POSデバイスのブラウンアウトのリスクに関連付けられた差分閾値よりも小さいことを特定することと、
前記リソース利用能力レートと前記第1予測リソース利用レートとの前記差分が前記差分閾値よりも小さいことを特定することに応じて自動的に、前記POSデバイスの前記1つ以上の設定を変更することによって少なくとも部分的に直列的に前記複数の動作を前記POSデバイスに実行させることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記POSデバイスにより直列的に実行されている前記複数の動作に対応する第2予測リソース利用レートを決定することと、
前記リソース利用能力レートと前記第2予測リソース利用レートとの第2差分が前記差分閾値以上であることを特定することと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記POSデバイスに直列的に前記複数の動作を実行させることは、直列的に前記複数の動作を実行する間の前記POSデバイスの実際のリソース利用レートが、前記リソース利用能力レートの前記差分閾値内に入ることを防止する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記差分が前記差分閾値よりも小さいことを特定することに基づいて、前記第1予測リソース利用レートがブラウンアウトリスクリソース利用範囲内に入ることを特定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記第1予測リソース利用レートは予測電力消費レートであり、前記リソース利用能力レートは電力消費能力レートであり、前記差分閾値は電力消費レート差分である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記POSデバイスは複数のコンポーネントを含み、前記複数の動作の各々は、前記POSデバイスの前記複数のコンポーネントの異なるサブセットにより実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記POSデバイスの前記複数のコンポーネントは、前記POSデバイスのプロセッサを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記POSデバイスの前記複数のコンポーネントは、前記POSデバイスのプリンタを含む、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記プリンタが、第1プリンタ設定値に設定されたプリンタ設定で印刷することを特定することと、
前記第1プリンタ設定値を第2プリンタ設定値に変更することであって、前記第1プリンタ設定値よりも小さい予測リソース利用レートに関連付けられた前記第2プリンタ設定値は、前記プリンタに、前記第2プリンタ設定値に設定された前記プリンタ設定で印刷させる、ことと、
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記複数の動作以外の1つ以上の追加動作を特定することと、
前記POSデバイスが前記複数の動作を直列的に実行する間に前記複数の動作のうちの1つとともに並列的に前記1つ以上の追加動作を前記POSデバイスに実行させることと、
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記複数の動作のうちの1つの直列的な実行と共に、並列的な前記1つ以上の追加動作の実行により、並列動作の最大数を超えない、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
動作を順序付けるシステムであって、
命令を記憶するメモリと、
前記命令を実行するプロセッサと、を備え、前記プロセッサによる前記命令の実行は、前記プロセッサに、
1つ以上のコンポーネントに関連付けられた1つ以上の設定に従って複数の動作が前記1つ以上のコンポーネントにより並列的に実行されることを特定することと、
前記複数の動作に対応する複数のリソース利用レートを決定することであって、前記複数のリソース利用レートの各々は、前記1つ以上のコンポーネントによる前記複数の動作のうちの1つの実行に対応する、ことと、
前記複数のリソース利用レートの合計に基づいて、1つ以上のコンポーネントによる並列的な前記複数の動作の実行に対応する第1予測リソース利用レートを算出することと、
前記1つ以上のコンポーネントに電力を供給するように構成されている電池に接続された温度センサにより検出された測定温度を受信することと、
前記電池に接続される前記温度センサにより検出された前記測定温度に基づいて、リソース利用能力レートを決定することであって、前記リソース利用能力レートを超えるリソース利用レートは、前記1つ以上のコンポーネントのブラックアウトのリスクに関連付けられる、ことと、
前記リソース利用能力レートと前記第1予測リソース利用レートとの差分が、前記1つ以上のコンポーネントのブラウンアウトのリスクに関連付けられた差分閾値よりも小さいことを特定することと、
前記リソース利用能力レートと前記第1予測リソース利用レートとの前記差分が前記差分閾値よりも小さいことを特定することに応じて自動的に、前記1つ以上のコンポーネントに関連付けられた前記1つ以上の設定を変更することによって少なくとも部分的に前記1つ以上のコンポーネントに直列的に前記複数の動作を実行させることと、
を行わせるシステム。
【請求項13】
前記1つ以上のコンポーネントは前記プロセッサを含む、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1予測リソース利用レートは予測電力消費レートであり、前記リソース利用能力レートは電力消費能力レートであり、前記差分閾値は電力消費レート差分である、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記プロセッサによる前記命令の実行は、前記プロセッサに、
前記1つ以上のコンポーネントにより直列的に実行されている前記複数の動作に対応する第2予測リソース利用レートを決定することと、
前記リソース利用能力レートと前記第2予測リソース利用レートとの第2差分が前記差分閾値以上であることを特定することと、
をさらに行わせる、請求項12に記載のシステム。
【請求項16】
プログラムを具体化した非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記プログラムは、動作を順序付ける方法を実行することをプロセッサによって実行可能であり、前記方法は、
1つ以上のコンポーネントに関連付けられた1つ以上の設定に従って複数の動作が前記1つ以上のコンポーネントにより並列的に実行されることを特定することと、
前記複数の動作に対応する複数のリソース利用レートを決定することであって、前記複数のリソース利用レートの各々は、前記1つ以上のコンポーネントによる前記複数の動作のうちの1つの実行に対応する、ことと、
前記複数のリソース利用レートの合計に基づいて、前記1つ以上のコンポーネントによる並列的な前記複数の動作の実行に対応する第1予測リソース利用レートを算出することと、
前記1つ以上のコンポーネントに電力を供給するように構成されている電池に接続された温度センサにより検出された測定温度を受信することと、
前記電池に接続される前記温度センサにより検出された前記測定温度に基づいて、リソース利用能力レートを決定することであって、前記リソース利用能力レートを超えるリソース利用レートは、前記1つ以上のコンポーネントのブラックアウトのリスクに関連付けられる、ことと、
前記リソース利用能力レートと前記第1予測リソース利用レートとの差分が、前記1つ以上のコンポーネントのブラウンアウトのリスクに関連付けられた差分閾値よりも小さいことを特定することと、
前記リソース利用能力レートと前記第1予測リソース利用レートとの前記差分が前記差分閾値よりも小さいことを特定することに応じて自動的に、前記1つ以上のコンポーネントに関連付けられた前記1つ以上の設定を変更することによって少なくとも部分的に前記1つ以上のコンポーネントに直列的に前記複数の動作を実行させることと、
を含む、記憶媒体。
【請求項17】
前記温度センサは、1つ以上のサーミスタを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記複数の動作は、第1動作タイプの第1動作と、前記第1動作タイプとは異なる第2動作タイプの第2動作とを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記複数の動作は、前記POSデバイスの第1コンポーネントを使用して実行される第1動作と、前記POSデバイスの第2コンポーネントを使用して実行される第2動作とを少なくとも含み、前記第1コンポーネント及び前記第2コンポーネントは、互いに異なるコンポーネントタイプであり、前記POSデバイスによる並列的な前記複数の動作の実行は、前記第1コンポーネント及び前記第2コンポーネントの並列的な使用を含み、前記POSデバイスによる直列的な前記複数の動作の実行は、前記第1コンポーネント及び前記第2コンポーネントの直列的な使用を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記リソース利用能力レートに基づいて前記差分閾値を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記リソース利用能力レートの所定の割合に基づいて前記差分閾値を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
定数及び前記リソース利用能力レートに基づいて前記差分閾値を決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記差分が前記差分閾値よりも小さいことを特定することに応じて、前記POSデバイスにおける1つ以上の設定の第2セットを変更して、前記POSデバイスに、イネーブル状態から、前記POSデバイスを使用して実行される動作、前記POSデバイスのコンポーネント、又は前記POSデバイスの機能のうちの少なくとも1つをディセーブルにさせることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本願は、2017年4月28日に出願された米国特許出願第15/582,166号(タイトル「POINT OF SALE DEVICE POWER MANAGEMENT AND UNDERVOLTAGE PROTECTION」)の優先権の利益を享受する。この出願の内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
ポイントオブセール(「PoS」)デバイスは、プロセッサ、カードリーダ、ネットワーク接続インタフェース、およびレシートプリンタなどの様々なコンポーネントを含むことができる。カードリーダは、典型的にはクレジットカードまたはデビットカードなどのカードからトランザクション情報を読み取るように構築される。
【0003】
プリンタは、液体インクの転写、固体トナーの転写、または紙の熱改質を介して、テキストおよび他の視覚的コンテンツを紙上に印刷することを可能にする。プリンタは、典型的には各種可動部品および/またはレーザまたはサーマルプリントヘッドなどの他の高エネルギコンポーネントを含む。したがって、プリンタは、パーソナルコンピューティングで典型的に使用される最もエネルギを消費するデバイスのいくつかである。
【0004】
ポータブルデバイスは、多くの場合、充電式または交換式電池によって電力が供給され、その放電能力レートには限界がある。すなわち、電池は、典型的にはある量の電流、電力、または電圧までしか放電することができない。電池または他の電源が、それが接続されるコンポーネントに十分な電力を供給することができない場合、これは、様々な問題を引き起こし得る。これらの問題は、電力供給されるコンポーネントの平均電圧が意図されたまたは要求されたレベル未満に低下する状況であり、ブラウンアウトと呼ばれることもある、電圧不足を含んでもよい。電圧不足またはブラウンアウトはしばしば、電力供給されるコンポーネントがそれらがタスクされる動作を実行することができない状況をもたらし、時には、電力供給されるコンポーネントに永久的な損傷をもたらすことがある。大型の産業機械および都市電力網は場合によっては必要なときにバックアップ電源からエネルギを吸い上げることができるが、ポータブルデバイスは典型的にはそれぞれの電池に限定される。ブラウンアウトに直面するPOSデバイスは、支払いの失敗、二重支払い、または機密データの記憶に関連するセキュリティ問題などの金融問題を引き起こす可能性がある。
【0005】
低温は、ブラウンアウトが既にリスクとなり得る状況を悪化させる。電池は典型的にはより高い温度ではより大きな速度でエネルギを出力することができ、より低い温度ではより小さな速度でのみエネルギを出力することができる。摂氏-20度(華氏-4度)では、ほとんどの電池は完全に機能を停止する。いくつかの電池は低温で永久的な損傷を受けることさえあり、時には永久的な短絡を生じることによって、または電池筐体を破壊する鉛酸のような凍結電解質によって、永久的な損傷を受けることがある。同様に、プリンタは、インク粘度の増加、レーザ/トナー融着効率の低下、またはサーマルプリントヘッド効率の低下のいずれかのために、より低い温度では適切に機能しないことが多い。プリンタは多くの可動部品を含み、それが多くの場合、プリンタを低温でも壊れやすくする。
【0006】
したがって、当技術分野では、特に低温におけるポータブルポイントオブセール(POS)デバイスの電力管理および電圧不足保護を改善する必要がある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】電力管理を伴うポイントオブセール(POS)デバイスのアーキテクチャ図である。
【0008】
図2】ポイントオブセール(POS)デバイスの斜視図である。
【0009】
図3】プリンタ設定の変更に基づく電圧不足保護を示すフロー図である。
【0010】
図4】動作の直列化に基づく電圧不足保護を示すフロー図である。
【0011】
図5】複数のプリンタ設定および対応する可能なプリンタ設定値を示すチャートである。
【0012】
図6】複数のその他の設定および対応する可能なその他の設定値を示すチャートである。
【0013】
図7】放電能力レートをリスクおよび安全電力消費レートと比較した棒グラフである。
【0014】
図8】本発明のある実施の形態を実施するために使用することができる例示的なコンピューティングデバイスのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
ポイントオブセール(POS)デバイスは、プロセッサと、電池と、トランザクションオブジェクトリーダと、プリンタコントローラを伴うプリンタと、オプションで温度センサと、を備える。プロセッサは、温度センサによって測定された温度にオプションで基づいて、電池の現在の放電能力レートを決定する。プロセッサはまた、プリンタなどのPOSデバイスのコンポーネントのうちの少なくともひとつの第1設定値に基づいて、第1予測電力消費レートを算出する。第1予測電力消費レートが電池の現在の放電能力レートに危険なほど近い場合、ひとつ以上のコンポーネントの第2設定値に基づいて第2予測電力消費レートを算出する。第2予測電力消費レートがもはや電池の現在の放電能力レートに危険なほど近くない場合、コンポーネントは第2設定値に設定される。
【0016】
図1は、電力管理を伴うポイントオブセール(POS)デバイスのアーキテクチャ図である。
【0017】
図1のPOSデバイス100のアーキテクチャ図は、ハウジング190内のメインプロセッサ105と、ハウジング190内の安全な内部筐体195内のオプションの1つまたは複数の安全なプロセッサ110と、を含む。メインプロセッサ105は、1つまたは複数のセキュアプロセッサ110との通信、ならびにメインプロセッサ105に直接的または間接的に結合された様々なコンポーネントとの通信および/または制御を含むことができる様々なタスクを実行するためのインストラクションを実行することができる。
【0018】
メインプロセッサ105は、図1のメイン電池140およびオプションでバックアップ電池145に結合される。場合によっては、メイン電池140は再充電可能であってもよく、バックアップ電池145は再充電不可能であってもよい。しかしながら、最終的には、電池の一方または両方が再充電可能であっても、再充電不可能であってもよい。メインプロセッサ105、メイン電池140、および/またはバックアップ電池145は、外部電池(図示せず)、外部発電機(図示せず)、または電源コンセント(図示せず)に接続することができる電源コネクタ(図示せず)に接続されてもよい。電源コネクタは、メイン電池140および/またはバックアップ電池145を再充電するために使用することができる。電源コネクタはまた、メイン電池140およびバックアップ電池145の両方が欠落している場合であっても、プロセッサ105およびPOSデバイス100の他のすべてのコンポーネントに直接電力を供給するために使用され得る。
【0019】
メインプロセッサ105は、プリンタコントローラ160を介してプリンタ170に接続されている。プリンタ170は、レシート、クーポン、バーコード、クイックレスポンス(「QR」)コード、またはそれらの何らかの組み合わせを印刷するために使用されてもよい。プリンタ170は、サーマルプリンタ、ダイレクトサーマルプリンタ、熱転写サーマルプリンタ、ソリッドインク「フェーザ」プリンタ、インクジェットプリンタ、サーマルインクジェット(「バブルジェット」)プリンタ、連続インクジェットプリンタ、圧電インクジェットプリンタ、染料昇華プリンタ、レーザプリンタ、LEDプリンタ、またはそれらの何らかの組合せとすることができる。プリンタコントローラ160はメモリおよび/またはプロセッサ、マイクロコントローラ、またはASIC(特定用途向け集積コントローラ)を含むことができ、それを用いて、プリンタ170がどのように印刷するかの様々な態様を制御するために、様々なプリンタ設定165に割り当てられた様々なプリンタ設定値を調整することができる。各種例示的なプリンタ設定165および対応する可能なプリンタ設定値が図6に示されている。場合によってはプリンタコントローラ160は、メインプロセッサ105とは別個のコンポーネントである必要はなく、プリンタコントローラ160の機能は単にメインプロセッサ105によって実行されてもよい。その観点から、プリンタコントローラ160によって実行されるものとして本明細書で説明される任意の動作は、代替的にまたは追加的にメインプロセッサ105によって実行することができ、その逆も同様であることを理解されたい。
【0020】
メインプロセッサ105は、図1の温度センサ175に結合されている。温度センサはオプションで、1つまたは複数のサーミスタを含むことができ、オプションで、メイン電池140および/またはプリンタ170に接続することができる。温度センサは、負温度係数(NTC)サーミスタ、抵抗温度検出器(RTD)、抵抗温度計、熱電対、赤外線センサ、バイメタルデバイス、温度計、状態変化センサ、半導体ベースの温度センサ、温度感応電圧特性を有するシリコンダイオードまたは他のダイオード、あるいはそれらの何らかの組合せのうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0021】
メインプロセッサ105は、802.11 Wi-Fiアンテナ155、セルラ電話ネットワークアンテナ150、Bluetooth(登録商標)アンテナ、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)アンテナ、図8の出力デバイス850または入力デバイス860に関して説明される任意の他のアンテナまたは通信手段、あるいはそれらの何らかの組合せを含む、1つまたは複数のアンテナに接続され得る。メインプロセッサ105は代わりに、有線イーサネット(登録商標)ポートのような、ネットワーキングへの他の手段に接続されてもよい。
【0022】
メインプロセッサ105は、図8に関して特定される任意のタイプのプロセッサ810であってもよく、場合によっては特定用途向け集積回路(ASIC)の一部であってもよく、または特定用途向け集積回路(ASIC)を含んでもよい。メインプロセッサ105およびセキュアプロセッサ110は、図1では別個のコンポーネントとして示されているが、メインプロセッサ105およびセキュアプロセッサ110は場合によっては単一のコンポーネントに組み合わせることができる。セキュアプロセッサ110によって実行されるものとして本明細書で説明される任意の動作は代替的にまたは追加的にメインプロセッサ105によって実行可能であり、メインプロセッサ105によって実行されるものとして本明細書で説明される任意の動作は、代替的にまたは追加的にセキュアプロセッサ110によって実行可能であることを理解されたい。
【0023】
セキュアな内部筐体195はセキュアな内部筐体の1つまたは複数の表面に沿って延びるタンパトレースまたは格子などのタンパ保護回路130を含むことができ、セキュアプロセッサ110が、セキュアな内部筐体195または内部の任意のコンポーネントに対するタンパの試みを検出することを可能にする。例えば、タンパ保護回路130は、セキュアな内部筐体195を開けようとする試み、セキュアな内部筐体195にドリルで穴を開けようとする試み、セキュアな内部筐体195を変形しようとする試み、またはセキュアな内部筐体195を導電性インクまたは他の流体で溢れさせようとする試みを検出することができる。タンパ保護回路130は、セキュアな内部筐体195の表面に沿って延びるタンパレースまたは格子に接続された回路に沿った1つまたは複数の点における電圧を測定することによってこれを行うことができ、タンパ保護回路130が短絡、回路の破壊、または通常のしきい値レベル外の電圧の他の変化を検出することを可能にし、これらは、通常、不正開封の試みを示す。タンパの試みの検出はPOSデバイス100の機能またはコンポーネントの少なくとも部分集合を無効にするために、セキュアプロセッサ110またはメインプロセッサ105によって使用され得る。
【0024】
セキュアな内部筐体195およびそれに含まれるタンパ保護回路130は、クレジットカード番号またはデビットカード番号、トランザクション情報を伝達するNFCオブジェクトからの近距離通信(NFC)信号データ、銀行口座情報、他のトランザクション情報、生体情報、識別情報、個人識別番号(PIN)コード、手書き署名走査、タッチ感知面を介して入力された手書き署名、デジタル証明書署名、対称鍵、非対称公開/秘密鍵などの機密情報を読み取り、保存し、または他の方法で伝達する任意の回路を保護するために使用することができる。
【0025】
タッチスクリーン210のタッチ感知スクリーン面層125を介して入力される情報は、タッチ感知面を介して入力されるPINコードまたは手書き署名などの機密情報を含みうるので、タッチ感知面の入力を読み取る回路は場合によってはセキュアな内部筐体195内に収容されてもよいが、タッチスクリーン210のディスプレイスクリーン120の回路はそうではないことがある。同様に、POSデバイス100は物理的キーパッドのような、図8に関して説明したような他の入力デバイス860を含むことができ、その回路は、同じ理由で、セキュアな内部筐体195内に配置することもできる。タッチ感知スクリーン面層125は図8のディスプレイシステム870を参照して説明した任意のタイプのディスプレイを使用することができ、容量性タッチセンシング、抵抗性タッチセンシング、誘導性タッチセンシング、またはそれらの何らかの組合せを使用することができる。例えば、タッチ感知スクリーン面層125は、インジウムスズ酸化物(ITO)タッチ感知層又は印刷インクタッチ感知層を利用することができる。
【0026】
セキュアプロセッサ110は、1つまたは複数のトランザクションオブジェクトリーダ115にも接続される。トランザクションオブジェクトリーダ115は、磁気ストライプリーダ235、集積回路(IC)チップリーダ225、近距離通信(NFC)リーダ、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。磁気ストライプリーダ235は、トランザクションオブジェクトの磁気ストライプからトランザクションデータを読み取る。ICチップリーダ225は、トランザクションオブジェクトのICチップからトランザクションデータを読み取る。ICチップは、EMVチップとしても知られるEuropay/Mastercard/Visa(「EMV」)規格に従うチップであってもよい。NFCリーダは、トランザクションオブジェクトから受信した無線NFC信号からトランザクションデータを読み取る。トランザクションオブジェクトは、クレジットカードまたはデビットカードのようなトランザクションカードであってもよい。トランザクションオブジェクトは、図5に関して説明したように、アクティブNFCタグ、パッシブNFCタグ、またはコンピュータシステム500など、任意のタイプのNFC対応デバイスとすることができる。場合によっては複数のトランザクションオブジェクトリーダ115はコンポーネントを共有することができ、例えば、ICチップリーダ225およびNFCリーダは非接触アンテナを共有することができる。トランザクションオブジェクトリーダ115がトランザクションオブジェクトからトランザクションデータを取り出すと、トランザクションオブジェクトリーダ115は、トランザクションデータをセキュアプロセッサ110および/またはメインプロセッサ105に送る。トランザクションオブジェクトリーダ115またはセキュアプロセッサ110は、トランザクションデータをメインプロセッサ105に送る前に、トランザクションオブジェクトリーダ115および/またはセキュアプロセッサ110に関連するメモリ(図示せず)に格納された暗号化鍵を使用して、トランザクションデータを変更または暗号化することがある。
【0027】
メインプロセッサ105はまたメモリ135に接続されてもよく、該メモリ135はメインプロセッサによって実行されるべき種々のインストラクションを保持し、そのようなインストラクションは例えば金融トランザクションソフトウェアアプリケーションに対応するインストラクションであり、該アプリケーションは、メインプロセッサ105が、トランザクションオブジェクトリーダ115によって読み取られたトランザクションデータをオプションでセキュアプロセッサ110を介して受信し、そのデータをクレジットまたはデビットカード処理サーバおよび/または銀行サーバなどの1つまたは複数の金融トランザクション処理サーバに送信することを可能にすることで、商人とトランザクション情報がトランザクションオブジェクトリーダ115を介して読み取られた買い手との間で金融トランザクションを実行する。メモリ135は、追加的に又は代替的に、プリンタコントローラ160からのプリンタ設定165を記憶することもできる。メモリ135はまた、メインプロセッサ105、ディスプレイスクリーン120、タッチ感知スクリーン面層125、Wi-Fiアンテナ155、セルラアンテナ150、および/または様々な他のコンポーネントに関連する様々な他の設定185を記憶することができる。各種例示的な他の設定185および対応する可能な他の設定値が図7に示されている。
【0028】
メインプロセッサ105はまた、少なくとも1つの外部コネクタ180に接続されてもよく、外部コネクタ180はPOSデバイス110が他のデバイスや電源に接続されることを可能にしてもよい、外部に面する雌ポートまたは雄プラグであってもよい。場合によっては、外部コネクタ180は、POSデバイス100が任意の他のコンピュータシステム800に、または図8で特定されるか、またはその説明で論じられるコンポーネントの少なくとも部分集合を含む任意のデバイスに接続することを可能にし得る。POSデバイス100は、少なくとも1つの外部コネクタ180を介して1つまたは複数の周辺デバイスまたはハブに接続することができる。POSデバイス100は、場合によっては少なくとも1つの外部コネクタ180を介して接続されたホストデバイスに対する周辺デバイスとして機能することができる。場合によっては、外部コネクタ180は、電池140/145および/または外部電源に関して上述した電力コネクタとして機能することができる。いくつかの場合では、外部コネクタ180は、USB Type-A、USB Type-B、USB Type-C、USB 1.x、USB 2.x、USB 3.x、USB 4.x、サンダーボルト、USB mini、USB micro、USB On-The-Go (OTG)、任意の他のUSB規格あるいはそれらのある組み合わせを含む任意のUSB規格を用いるユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/プラグであってもよい。他の場合には、外部コネクタ180は、Apple(登録商標)Lightning(登録商標)ポート/プラグ、イーサネット(登録商標)ポート/プラグ、光ファイバポート/プラグ、独自の有線ポート/プラグであってもよい。他の場合では、外部コネクタ180は、BLUETOOTH(登録商標)ワイヤレス信号転送、BLUETOOTH(登録商標)ローエネルギ(BLE)ワイヤレス信号転送、無線周波数識別(RFID)ワイヤレス信号転送、近距離通信(NFC)ワイヤレス信号転送、802.11 Wi-Fiワイヤレス信号転送、セルラデータネットワークワイヤレス信号転送、無線波信号転送、マイクロ波信号転送、赤外線信号転送、可視光信号転送、紫外線信号転送、電磁スペクトルに沿ったワイヤレス信号転送、またはそれらの何らかの組合せをサポートするものなどのワイヤレストランシーバとすることができる。
【0029】
POSデバイス100はまた、メインプロセッサ105および/またはセキュアプロセッサ110に接続された様々な追加的なまたは代替的な要素を含むことができ、これらの要素の各々は、オプションでセキュアな内部筐体195内に配置することができる。そのような追加的なまたは代替的な要素は、マイクロフォンを含むことができる。追加的なまたは代替的な要素は、可視光カメラ、赤外線カメラ、紫外線カメラ、暗視カメラ、または周囲光センサなどのカメラを含むことができる。POSデバイス100の周囲の光レベルに順応し、ディスプレイスクリーン120が明るすぎる/過酷すぎる、または暗すぎる/不明瞭に見えることを防止するために、ディスプレイスクリーン120の輝度および/またはディスプレイスクリーン120のバックライトの輝度を制御するために、周囲光センサをオプションでメインプロセッサ105および/またはディスプレイスクリーン120に結合することができる。追加的なまたは代替的な要素は、指紋スキャナ、手形スキャナ、音声認証、顔認識または虹彩スキャナ(上述のカメラタイプのいずれかを使用する)、血液検査器、DNA検査器、またはそれらの何らかの組合せなどの生体センサを含むことができる。プロセッサ105/110は、生体センサを介して買い手から受信した生体データを、メモリ135内に格納されたデータベース、またはインターネットまたはプライベートネットワークを介したネットワーク接続を介してPOSデバイス100にアクセス可能なデータベースと比較することができる。追加的なまたは代替的な要素は1つまたは複数の加速度計および/または1つまたは複数のジャイロスコープを含むことができ、これにより、POSデバイス100のプロセッサ105/110が、傾けられたこと、移動されたこと、または振られたことに反応することを可能にし、これは、オプションで、POSデバイス100が静止していることが意図される場合にはタンパ保護回路130を介した不正開封の表示として行われる。追加的なまたは代替的な要素は、発光ダイオード(LED)であってもよく、かつ、オプションで様々な明るさおよび/または色で光を発してもよいひとつ以上のインジケータライトを含んでもよく、このような発光は、成功したトランザクションを示すため、失敗したトランザクションを示すため、カードまたは他のトランザクションオブジェクトが提示される/挿入される/通されるべきであることを示すため、カードまたは他のトランザクションオブジェクトが除去されるべきであることを示すため、PINコードなどのユーザ入力がタッチ感知ディスプレイスクリーン210を介して入力されなければならないことを示すため、タッチ感知ディスプレイスクリーン210を介した入力が受信されたことを示すため、POSシステム100のアンテナのいずれかを介した接続が成功したことを示すため、POSシステム100のアンテナのいずれかを介した接続が失敗したことを示すため、POSシステム100のアンテナのいずれかに関連する信号強度を示すため、またはそれらの何らかの組合せのために、なされる。追加的なまたは代替的な要素は、図8に示された、または図8の説明で論じられた任意のコンポーネントを含むことができる。
【0030】
図2は、ポイントオブセール(POS)デバイスの斜視図である。
【0031】
図2のPOSデバイス100は、図1に示された、または図1に関して説明されたアーキテクチャおよびコンポーネントの少なくとも部分集合を含むことができ、オプションで、図8に示された、または図8に関して説明されたアーキテクチャおよびコンポーネントの部分集合を含むことができる。
【0032】
図2のPOSデバイス100は、1つまたは複数の電池260を含むことができ、1つまたは複数の電池260は、1つまたは複数の再充電可能電池、1つまたは複数の非再充電可能電池、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。場合によっては、1つの電池は「メイン」電池として働くことができ、別の電池は「バックアップ」電池として働くと共に、メイン電池が消耗したか、または切断/不良電気接続、短絡、または電池欠陥によって動作を停止した場合に、メイン電池からの電力を使用して開始されたトランザクションを完了するための電力を供給するように働く。1つまたは複数の電池260は、図1のメイン電池140およびオプションでバックアップ電池145を含む。
【0033】
図2のPOSデバイス100には、2つのトランザクションオブジェクトリーダ115および対応するカードスロットインタフェースが示されている。特に、EMVチップのようなICチップを有するICチップカードの挿入を可能にするカード挿入スロット220が示されている。トランザクション情報は、ICチップリーダ225によってこのICチップから読み取られ、次いで、メインプロセッサ105および/またはセキュアプロセッサ110に送信され、オプションで、トランザクションオブジェクト(ICチップカード)において、ICチップリーダ225において、セキュアプロセッサ110において、メインプロセッサ105において、またはそれらの何らかの組合せにおいて暗号化される。カードスワイプスロット230が示されており、磁気ストライプを有する磁気ストライプカードをスワイプすることができる。場合によっては、1つまたは複数の「スワイパ壁」をカードスワイプスロット230の側面に沿って含めて、スワイプの継続中にカードをカードスワイプスロット230内に保持することができる。トランザクション情報は、磁気ストライプリーダ235によってこの磁気ストライプから読み取られ、次いで、メインプロセッサ105および/またはセキュアプロセッサ110に送信され、オプションで、トランザクションオブジェクト(ICチップカード)において、ICチップリーダ225において、セキュアプロセッサ110において、メインプロセッサ105において、またはそれらの何らかの組合せにおいて暗号化される。NFCアンテナは図示されていないが、POSデバイス100内に含まれてもよく、またはPOSデバイス100に接続されてもよい。トランザクション情報は、NFCアンテナによってNFC対応オブジェクトから読み取られ、次いで、メインプロセッサ105および/またはセキュアプロセッサ110に送信され、オプションで、トランザクションオブジェクト(ICチップカード)において、ICチップリーダ225において、セキュアプロセッサ110において、メインプロセッサ105において、またはそれらの何らかの組合せにおいて暗号化される。場合によっては、NFCアンテナおよびICチップリーダ225は非接触アンテナを共有する可能性がある。
【0034】
図2のPOSデバイス100は図1に示されるように、1つ以上のメインプロセッサ105および1つ以上のセキュアプロセッサ110を含む、1つ以上のプロセッサ265を含んでもよい。1つまたは複数のプロセッサ265のそれぞれは、図5に関して説明した任意のタイプのプロセッサ510とすることができる。1つまたは複数のプロセッサ265のそれぞれは、それ自体のメモリ820、大容量ストレージ830、ポータブルストレージ840、出力デバイス850、入力デバイス560、または図8に関して説明される任意の他のコンポーネントに接続されてもよく、代替として、1つまたは複数のプロセッサ265のいくつかはそのようなコンポーネントを共有する可能性がある。
【0035】
メインプロセッサ105および1つまたは複数のセキュアプロセッサ110は、異なるプロセスまたは異なるコンポーネントの制御を異なるプロセッサに分配するように分割されてもよい。例えば、セキュアプロセッサ110はトランザクションオブジェクトリーダ115に接続することができ、セキュアプロセッサ110はトランザクション情報がメインプロセッサ105に到達する前に、トランザクション情報の暗号化を処理する。これらのセキュアプロセッサ110は、トランザクションオブジェクトリーダ115のコンポーネントと共に、POSデバイス100(図2には示されていない)内のセキュアな内部筐体195に収容されてもよく、セキュアな内部筐体195は、セキュアプロセッサ110および/またはメインプロセッサ105に接続されてもよいタンパ検出回路を含む。タンパ検出回路は、タンパ検出回路内に複数の電圧センサを含むことができ、タンパ検出回路は安全な内部筐体195の1つまたは複数の表面をはう導電性タンパトレースを含み、その結果、タンパトレースの任意の破損、または2つのタンパトレースを接続することによって引き起こされる任意の短絡を検出することができる。このようにして、タンパ検出回路、したがって1つまたは複数のプロセッサ265は、誰かが例えば、セキュアな内部筐体195を開こうと試みることによって、セキュアな内部筐体195の側面に穴を開けることによって、セキュアな内部筐体195を損傷または無効にしようと試みることによって、またはセキュアな内部筐体195を導電性流体で溢れさせることによって、セキュアな内部筐体195を不正開封しようと試みたかどうかを検出することができる。個人識別番号(PIN)コード、署名、または生体データなどの機密情報を受信することができるいくつかの入力コンポーネントは、トランザクション情報を暗号化および/または復号するための対称または非対称の暗号化/復号化秘密鍵を記憶する任意のメモリまたはデータストレージコンポーネントと同様に、セキュアな内部筐体195内に封入することもできる。これらの入力コンポーネントは、タッチ感知スクリーン面層125、およびタッチ感知ディスプレイスクリーン210の関連コンポーネント、生体センサ、または物理的キーパッドを含むことができる。
【0036】
メインプロセッサ105によって実行されるものとして本明細書で説明される任意の操作は代替的にまたは追加的に、上述のセキュアプロセッサ110などの1つまたは複数のプロセッサ265の任意の組合せによって実行され得ることを理解されたい。
【0037】
タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、POSデバイス100のコンポーネントとして示され、POSデバイス100の面の少なくとも一部を表すようにPOSデバイス100に固定されてもよい。例えば、タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、POSデバイス100の上面または前面にあってもよい。タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、POSシステム100の買い手ユーザまたは商人ユーザによってより容易に見られるように角度が付けられた斜め傾斜面上にあってもよい。タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、湾曲していてもよく、POSシステム100の買い手ユーザまたは商人ユーザによってより容易に見られるように角度が付けられた湾曲面上にあってもよい。場合によっては、タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、POSデバイス100の残りの部分のハウジングに対するディスプレイの角度がPOSデバイス100の買い手ユーザまたは商人ユーザによって調整され、例えば、1つまたは2つの回転軸に沿って旋回することを可能にするように、POSデバイス100に取り付けられてもよい。タッチ感知ディスプレイスクリーン210はオプションで、タッチ感知ディスプレイスクリーン210の回転も可能にするように、例えば、縦長モードから横長モードに、またはその逆に回転するように、または商人に面する向きから買い手に面する向きに回転するように、POSシステム100に取り付けることもできる。タッチ感知ディスプレイスクリーン210は図1に示されるディスプレイスクリーン120およびタッチ感知スクリーン面層125から構成され、図1に示され、図1のディスプレイスクリーン120およびタッチ感知スクリーン面層125に関して説明されるように、メインプロセッサ105および/またはセキュアプロセッサ110に接続される。
【0038】
タッチ感知ディスプレイスクリーン210は例えば、POSデバイス100のメモリに格納された金融トランザクションアプリケーションインストラクションを実行することによって、プロセッサ105を介して実行される金融トランザクションアプリケーションのユーザインタフェースを表示することができる。ユーザインタフェースは場合によっては「カートに追加する」インタフェースを含むことができ、これにより、買い手または商人は、どのアイテムが買い手によって購入されているかを特定するカート情報を入力することができる。メインプロセッサ105は、プリンタ170によって印刷されるレシート240に対応するレシートデータをカート情報に基づいて生成し、場合によっては、印刷時間中またはその前後でメインプロセッサ105による電力使用を低減するために、アイテムがカートに追加されているときにリアルタイムで生成し、それによって、印刷中および印刷前後での電力使用のスパイクの悪化を回避する。受信データレンダリングは、メインプロセッサ105の中央処理装置(CPU)、メインプロセッサ105のグラフィックス処理装置(GPU)、またはそれらの何らかの組合せによって実行され得る。場合によっては、タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、プリンタ170によってレシート240として印刷されるレシートデータの視覚化またはプレビューを表示することができる。タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、図8のディスプレイシステム870を参照して説明した任意のタイプのディスプレイを使用することができ、容量性タッチセンシング、抵抗性タッチセンシング、誘導性タッチセンシング、またはそれらの何らかの組合せを使用することができる。例えば、タッチ感知ディスプレイスクリーン210は、インジウムスズ酸化物(ITO)タッチ感知層又は印刷インクタッチ感知層を利用することができる。
【0039】
レシート240は、POSデバイス100の上部背面の縁の出力として示されている。このレシート240は、プリンタコントローラ160(図2には図示せず)内のプリンタ設定165に従って、図2に示すプリンタ170によって出力される。
【0040】
また、POSデバイス100は、音声を出力するためのスピーカ215を備えている。そのような音声は金融トランザクションアプリケーションに関連付けられてもよく、かつ、例えば、成功したトランザクションを示すため、失敗したトランザクションを示すため、カードまたは他のトランザクションオブジェクトが提示される/挿入される/通されるべきであることを示すため、カードまたは他のトランザクションオブジェクトが除去されるべきであることを示すため、PINコードなどのユーザ入力がタッチ感知ディスプレイスクリーン210を介して入力されなければならないことを示すため、タッチ感知ディスプレイスクリーン210を介した入力が受信されたことを示すため、POSシステム100のアンテナのいずれかを介した接続が成功したことを示すため、POSシステム100のアンテナのいずれかを介した接続が失敗したことを示すため、POSシステム100のアンテナのいずれかに関連する信号強度を示すため、またはそれらの何らかの組合せのために、出力されてもよい。
【0041】
POSデバイス100の斜視図はPOSデバイス105内のプリンタ170を示しており、プリンタ170はレシート240を印刷している。紙のロールは、図2のプリンタ170の側面を通して見ることができる。紙は感熱紙、接触紙、写真紙、またはプリンタ170によって必要とされる他の特殊紙であってもよい。場合によっては、POSデバイス100の1つまたは複数の面は例えば、プリンタ180内で用紙、インク、および/またはトナーを容易に交換できるようにする、または1つまたは複数の電池260を容易に交換できるようにする、開閉するドア(図示せず)を含むことができる。
【0042】
POSデバイス100の斜視図は、図2ではUSBタイプCポートとして示されている外部コネクタ180も示している。POSデバイス100は、外部コネクタ180として働くための、Bluetooth(登録商標)、Bluetooth(登録商標)Low Energy(BLE)、またはWi-Fiアンテナのうちの少なくとも1つを内部に含んでもよく、または代替的に含んでもよい。
【0043】
POSデバイス100の斜視図は、オーディオジャック240も示す。オーディオジャック240は、スピーカ215が出力することができるオーディオを出力するための代替または追加のオーディオ出力デバイスを提供するために、ヘッドホンまたは外部スピーカをPOSデバイス100に差し込むことを可能にし得る。カードリーダまたはNFCリーダなどの他の周辺機器を、代替的に、オーディオジャック240を介して接続することができる。オーディオジャック240は、場合によっては外部コネクタ180として働くことができる。
【0044】
POSデバイス100はまた、電力がプロセッサ105、タッチ感知ディスプレイスクリーン210、トランザクションオブジェクトリーダ115、及び/又はPOSデバイス100の他の要素に伝達されるか否かに使用することができる電源ボタン250を含むことができる。POSデバイス100は、上述の電池260、電源コンセントへの接続、またはそれらの何らかの組み合わせによって電力供給されてもよい。電源コンセントまたは他の電源への接続は、外部コネクタ180、オーディオジャック240、別個の電源ポート(図示せず)、またはそれらの何らかの組合せを介して行うことができ、電池260を充電し、かつ/またはPOSデバイス100のコンポーネントの少なくとも部分集合に電力を供給することができる。
【0045】
POSデバイス100は、図1に示すWi-Fiアンテナ155およびセルラネットワークアンテナ165を含むことができる1つまたは複数の無線アンテナ270を含むことができる。1つまたは複数のワイヤレスアンテナ270は追加的または代替的に、例えば、802.11 Wi-Fiアンテナ、Bluetooth(登録商標)アンテナ、Bluetooth(登録商標)ローエネルギ(BLE)アンテナ、セルラネットワークアンテナ、NFCアンテナ、無線周波数識別(RFID)アンテナ、図8に関して説明される任意の他のタイプの通信のためのアンテナ、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。
【0046】
POSデバイス100は1つ以上のセンサ275を含んでもよく、その測定値はメインプロセッサ105または任意の他のプロセッサ265に供給されてもよい。センサ275は図1の温度センサ175を含むことができ、これは過熱を示しうる高温を検出するためのものであり、および/または低温を検出するためのものであり、これは電池が低温では十分に機能しないことが多いために電圧不足のリスクを増大させることがある。センサ275はカメラ(可視光、赤外線、紫外線、またはそれらの何らかの組み合わせ)または周囲光センサを含むことができ、これは、例えば、タッチ感知ディスプレイスクリーン210のディスプレイスクリーン120の輝度および/またはバックライト輝度を、その周囲に一致するように調整するために使用することができ、その結果、周囲が明るい場所では輝度が増加して視認性が改善され、周囲が暗い場所では輝度が減少して眼精疲労が回避される。センサ275は、指紋スキャナ、掌スキャナ、虹彩/顔認識検出(1つまたは複数のカメラを使用する)、声紋認識(1つまたは複数のマイクロフォンを使用する)、血液センサ、DNAセンサ、またはそれらの何らかの組合せなどの生体センサを含むことができる。生体センサからのデータは、トランザクション情報と共に又は別個に暗号化されてもよく、POSデバイス100又はPOSデバイス100から離れた別のデバイスに記憶されたデータベースに対して(POSデバイス100又は遠隔サーバによって)検証されてもよい。
【0047】
POSデバイス100は、場合によっては有線ネットワーキング機能のためのイーサネット(登録商標)ポート、セルラネットワーキング機能のためのSIMカードスロットおよびセルラアンテナ、または図8に示されるか、または図8の説明で識別される任意の他のコンポーネントなど、図示されない追加のポートまたはコンポーネントを含むことができる。
【0048】
図3は、プリンタ設定の変更に基づく電圧不足保護を示すフロー図である。
【0049】
ステップ305において、プリンタコントローラ160は、第1プリンタ設定値に設定されたプリンタ170に関連する特定のプリンタ設定を有する。代替的に又は追加的に、メインプロセッサ105は、第1の他の設定値に設定された特定の他の設定を有する。プリンタ設定は、プリンタコントローラ160によって制御可能な複数のプリンタ設定165のうちの1つとすることができる。他の設定はメインプロセッサ105によって制御可能であり、メモリ135に記憶される複数の他の設定185のうちの1つとすることができる。プリンタ設定165および可能な対応するプリンタ設定値510の例505を図5に示す。他の設定185および可能な対応する他の設定値610の例605は、図6に提供される。
【0050】
オプションのステップ310では、測定された温度が温度センサ175で検出され、メインプロセッサ105に供給される。
【0051】
ステップ315において、メインプロセッサ105は、POSシステム100および/または電池140の現在の状態に基づいて、電池の現在の放電能力レートを決定する。これらの現在の状態は、POSデバイス100のコンポーネントに関連する負荷、プリンタ設定165およびその他の設定185の設定値、POSデバイス100内の電圧センサからの電圧センサ測定値、使用される特定の電池140のモデル、使用される特定の電池140の技術仕様、使用される特定の電池140の状態メトリック、オプションのステップ310において温度センサ175で測定される測定された温度、またはそれらの何らかの組合せなどの要因を含むことができる。電池の技術仕様は、公称電圧、カットオフ電圧、容量、公称容量、エネルギ、公称エネルギ、サイクル寿命、比エネルギ、比電力、エネルギ密度、電力密度、最大連続放電電流、最大30秒放電パルス電流、充電電圧、フロート電圧、推奨充電電流、最大内部抵抗、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。特定の電池140の条件メトリックは、充電状態、放電深度、電池サイクル寿命、電池サイクルカウント、端子電圧、開回路電圧、内部抵抗、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。現在の放電能力レートは、現在および/または近い将来の所与の時点または期間に対応することができ、時にはレートではなく量とすることができる。
【0052】
現在の放電能力レートは例えば、Peukertの式を使用して、上記で特定された要因の組み合わせに基づいて、メインプロセッサ105によって計算されてもよい。現在の放電能力レート、またはPeukertの式または別の計算で使用される計算の何らかの要素は、この情報についてメインプロセッサ105が電池ルックアップテーブルまたは電池データベースなどの電池データ構造に問い合わせることに基づいて決定され得る。電池データ構造は、メモリ135/820、POSシステム100内またはその外部の大容量ストレージ830、あるいはインターネットまたはプライベートネットワーク上のネットワークアクセス可能ソースに格納することができる。電池ルックアップテーブルまたは電池データベースは、電池データ構造に対するクエリとして、測定された温度および/または上述した他の要因のいずれかを取得することができる。次いで、電池データ構造は、予測された現在の放電能力レート、または何らかの変数を返すことができ、メインプロセッサ105がそのような何らかの変数を用いることによって、メインプロセッサ105に利用可能な他の情報が与えられた場合に現在の放電能力レートを算出することができる
【0053】
ステップ320で、メインプロセッサ105は、ステップ305で特定されたプリンタ設定の第1プリンタ設定値および/またはステップ305で特定された他の設定の第1の他の設定値に基づいて、第1予測電力消費レートを算出する。第1予測電力消費レートは、現在および/または近い将来の所与の時点または期間に対応することができ、時にはレートではなく量とすることができる。第1予測電力消費レートは、電力消費に及ぼすその甚大な影響のために、プリンタ170のみに基づくことができ、または、タッチ感知ディスプレイスクリーン210などの別の高消費電力コンポーネントのみに基づくことができ、または現在および/または所定の期間内の近い将来にPOSデバイス100の電池140から電力を消費すると予測されるPOSデバイス100のコンポーネント(オプションでコンポーネントのすべて)の組合せの合計電力消費レートに基づくことができる。これはまた、他の設定185に設定された任意の設定値に基づくことができ、その例を図7に示す。第1予測電力消費レートの計算はまた、温度が予測可能な方法で電力消費に影響を及ぼす可能性がある状況において、オプションのステップ310で温度センサ175で測定された測定温度に基づいてもよい。メインプロセッサ105は、ステップ315に関して特定された要因の任意の組み合わせを、同様に、それに基づいて第1予測電力消費レートを計算する際に使用することができる。
【0054】
特に、プリンタの第1予測電力消費の計算は、多くの方法で達成することができる。プリンタの第1予測電力消費の計算は図2に関するタッチ感知ディスプレイスクリーン210に関して説明したカート情報に基づくことができる。カート情報を使用して、印刷前にレシートをレンダリングし、どの文字がいくつレシート内にあるか、およびレシート用紙のどのラインにあるかを正確に特定し、レシート上に印刷される画像/図形およびそれがどのサイズかを特定することができる。クエリで特定された任意の所与の文字を印刷するためにプリンタ170がどれだけのエネルギを必要とするかを特定したルックアップデータ構造に基づく各文字の印刷に基づいて、エネルギ消費予測を提供することができる。あるいは、任意の文字を印刷するための予測平均エネルギ消費に基づく各文字の印刷に基づいて、エネルギ消費予測を提供することができる。あるいは、任意の文字を印刷するための予測最大エネルギ消費、すなわち、完全に黒色の四角文字を印刷するためのエネルギ消費、に基づく各文字の印刷に基づいて、エネルギ消費予測を提供することができる。チャート情報およびその中の特定の文字についてのエネルギ消費予測、ラインまたはページごとの平均エネルギ消費、またはラインまたはページごとの最大エネルギ消費(すなわち、完全に黒いラインまたはページのそれ)のいずれかを使用して、このようにして、ラインごとにまたはレシート全体についてのエネルギ消費予測を生成することができる。
【0055】
ステップ325において、メインプロセッサ105は、現在の放電能力レートと現在および/または近い将来における所与の時点または期間における第1予測電力消費レートとの間の差分を算出し、その差分が図7に示すような所定の差分しきい値745未満であるかどうかを判定する。第1予測電力消費レートが現在の放電能力レートよりも大きい場合、第1予測電力消費レートはブラックアウト電力消費範囲750内にあり、差分は負であり、必然的に正の差分しきい値745未満である。第1予測電力消費レートが現在の放電能力レートよりも小さいが、差分しきい値745よりも小さい差分だけ小さい場合、第1予測電力消費レートはブラウンアウトリスク電力消費範囲740内にある。第1予測電力消費レートが現在の放電能力レートよりも、差分しきい値745よりも大きな差分だけ小さい場合、第1予測電力消費レートは安全電力消費範囲730内にあり、変更する必要はない。したがって、現在の放電能力レートと第1予測電力消費レートとの間の差分が所定の差分しきい値745より大きい場合、第1予測電力消費レートは安全電力消費範囲730内にあり、変更は不要であり、ステップ345が次となる。そうでなければ、ステップ330が次となる。
【0056】
ステップ330において、メインプロセッサ105は、プリンタ設定の第2プリンタ設定値および/または他の設定の第2の他の設定値を選択する。第2プリンタ設定値は、第1プリンタ設定値とは異なっていなければならず、プロセスがステップ335で「いいえ」の後にステップ330に戻った場合、すでに試みた他の第2プリンタ設定値とも異なる。同様に、第2の他の設定値は、第1プリンタ設定値とは異なっていなければならず、プロセスがステップ335で「いいえ」の後にステップ330に戻った場合、すでに試みた他の第2の他の設定値とも異なる。
【0057】
また、ステップ330で、メインプロセッサ105はまた、ステップ305で特定されたプリンタ設定の第2プリンタ設定値および/またはステップ305で特定された他の設定の第1の他の設定値に基づいて、第2予測電力消費レートを算出する。第2予測電力消費レートは、現在および/または近い将来の所与の時点または期間に対応し、レートではなく量を表すことができる。これは、メインプロセッサ105がステップ320において、第1プリンタ設定値および/または第2の他の設定値に基づいて第1予測電力消費レートを計算した方法とほぼ同じ方法で、または同様の方法で行われる。
【0058】
ステップ335において、メインプロセッサ105は、現在の放電能力レートと現在および/または近い将来における所与の時点または期間における第2予測電力消費レートとの間の差分を算出し、その差分が図7に示すような所定の差分しきい値745未満であるかどうかを判定する。これは、ステップ325の差分計算および所定の差分しきい値745との比較と同様の方法で行われる。現在の放電能力レートと第2予測電力消費レートとの間の差分が依然として所定の差分しきい値745未満である場合、メインプロセッサ105はステップ330に戻り、現在の第2プリンタ設定値とは異なる新しい第2プリンタ設定値を用いて再度試みることができる。試みるために残されたそのプリンタ設定の新しい第2プリンタ設定値がない場合、または試みるために残されたその他の設定の新しい第2の他の設定値がない場合、メインプロセッサ105はステップ305に戻り、異なるプリンタ設定および/または他の設定を用いて再度試みることができる。メインプロセッサ105は代替的に又は追加的に、複数のプリンタ設定及び/又は他の設定の設定値を同時に変更することを試みてもよく、又は動作の直列化を試みるために図4のステップ405に進んでもよく、又はPOSデバイス100がそうでなければ避けられないブラウンアウト/ブラックアウトリスクのためにシャットダウンしようとしていることをユーザに警告してもよい。現在の放電能力レートと第2予測電力消費レートとの間の差分が所定の差分しきい値745より大きい場合、第2予測電力消費レートは安全電力消費範囲730内にあり、さらなる変更は不要であり、ステップ340が次となる。
【0059】
ステップ340において、メインプロセッサ105はプリンタコントローラ160に、ステップ305で特定されたプリンタ設定を第1プリンタ設定値から第2プリンタ設定値に変更させる。代替的に又は追加的に、メインプロセッサ105は、ステップ305で特定された他の設定を第1の他の設定値から第2の他の設定値に変更する。この時点で、第2予測電力消費レートは安全電力消費範囲730内にあるべきであり、POSデバイス100は、動作を継続することを許可され得る。
【0060】
ステップ345において、メインプロセッサ105は、図3のプロセス中に確立されたプリンタ設定165のプリンタ設定値を使用して、および/または図3のプロセス中に確立された他の設定185の他の設定値を使用して、プリンタ170が処理を進め、印刷することができることをプリンタコントローラ160に示す。図3のプロセスは印刷以外の他の動作に適用することができるので、ステップ345では、代わりに、図3のプロセス中に確立されたプリンタ設定165のプリンタ設定値を使用して、および/または図3のプロセス中に確立された他の設定185の他の設定値を使用して、異なるコンポーネントによる異なる動作が行われてもよい。次回、印刷ジョブまたは他の高電力動作が実行されるべきときに、ステップ305で、プロセスを再開してもよい。
【0061】
図3のプロセスは、POSデバイス100によって実行されるすべての動作のために、またはPOSデバイス100によって実行される動作の部分集合のためだけに使用することができる。例えば、図3のプロセスは、プリンタ170やタッチ感知ディスプレイスクリーン210のような、典型的には高い電力消費レベルを必要とするコンポーネントによって実行される動作に対してのみ使用することができる。場合によっては、POSデバイス100の温度センサ175は、POSデバイス100内の測定された温度が所定のしきい値温度未満であることを検出することによって、図3のプロセスをトリガすることができる。
【0062】
図4は、動作の直列化に基づく電圧不足保護を示すフロー図である。
【0063】
ステップ405において、POSシステム100は、並行して複数の動作を実行している。これは、複数のコンポーネントによる複数の動作、メインプロセッサ105および/またはセキュアプロセッサ110における複数のプロセス/スレッド、またはそれらの何らかの組合せに対応することができる。
【0064】
オプションのステップ410では、測定された温度が温度センサ175で検出され、メインプロセッサ105に供給される。
【0065】
ステップ415において、メインプロセッサ105は、POSシステム100および/または電池140の現在の状態に基づいて、電池140の現在の放電能力レートを決定する。これらの現在の状態は、並行して実行される複数の動作のすべて、オプションのステップ410において温度センサ175で測定された測定温度、上記の図3のステップ315の説明で特定された要因のいずれか、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。電池140の現在の放電能力レートは、上記の図3のステップ315の説明で説明した方法のいずれかで計算または決定することができる。
【0066】
ステップ420において、メインプロセッサ105は、複数の動作を並列に実行することに基づいて、第1予測電力消費レートを計算する。第1予測電力消費は、オプションのステップ410において温度センサ175で測定された測定温度、および/または上記の図3のステップ320の説明で特定された要因のいずれかに基づいて計算することができ、上記の図3のステップ320の説明で説明した方法のいずれかで計算または決定することができる。
【0067】
ステップ425において、メインプロセッサ105は、現在の放電能力レートと現在および/または近い将来における所与の時点または期間における第1予測電力消費レートとの間の差分を算出し、その差分が図7に示すような所定の差分しきい値745未満であるかどうかを判定する。この差分および比較は、上記の図3のステップ325の説明で説明された方法のいずれかで実行されてもよい。現在の放電能力レートと第1予測電力消費レートとの間の差分が所定の差分しきい値745より大きい場合、第1予測電力消費レートは安全電力消費範囲730内にあり、変更は不要であり、ステップ445が次となる。そうでなければ、ステップ430が次となる。
【0068】
ステップ430において、メインプロセッサ105は、ステップ405のセットアップと比較して、POSデバイス110のコンポーネントによる複数の動作の少なくとも部分集合を直列化することに基づいて、第2予測電力消費レートを算出する。すなわち、メインプロセッサ105は、並列にではなく、順番にひとつずつ行う場合の複数の動作の少なくとも部分集合のパフォーマンスに基づいて、第2予測電力消費レートを算出する。第2予測電力消費は、オプションのステップ410において温度センサ175で測定された測定温度、および/または上記の図3のステップ320またはステップ330の説明で特定された要因のいずれかに基づいて計算することができ、上記の図3のステップ320またはステップ330の説明で説明した方法のいずれかで計算または決定することができる。第2予測電力消費レートは、ステップ405のセットアップと比較してより高いレベルの直列化に基づいており、ステップ435における「ノー」の後にプロセスがステップ430に戻った場合、ステップ435で以前に試みられたものよりも高いレベルの直列化および/または異なる直列化セットアップ/順序にも基づいている。
【0069】
ステップ435において、メインプロセッサ105は、現在の放電能力レートと現在および/または近い将来における所与の時点または期間における第2予測電力消費レートとの間の差分を算出し、その差分が図7に示すような所定の差分しきい値745未満であるかどうかを判定する。この差分および比較は、上記の図3のステップ325またはステップ335の説明で説明された方法のいずれかで実行されてもよい。現在の放電能力レートと第1予測電力消費レートとの間の差が依然として所定の差分しきい値745未満である場合、メインプロセッサ105はステップ430に戻り、ステップ430に関して上述したように新たな直列化セットアップを再び試みることができ、これは、例えば、部分集合だけではなく全ての動作を直列化することによって、または動作のより大きな部分集合を直列化することによって、または動作の異なる部分集合を直列化することによって、または異なる順序で特定の動作を直列化することによって、またはそれらの何らかの組合せによって、なされる。メインプロセッサ105は図3のステップ305に進み、図4の処理による直列化のさらなる試みに代えて、またはそれに加えて、設定変更を試みることができ、あるいは、そうでなければ避けられないブラウンアウト/ブラックアウトリスクのために、POSデバイス100がまさにシャットダウンしようとしていることをユーザに警告することができる。現在の放電能力レートと第2予測電力消費レートとの間の差分が所定の差分しきい値745より大きい場合、第2予測電力消費レートは安全電力消費範囲730内にあり、さらなる変更は不要であり、ステップ440が次となる。
【0070】
ステップ440において、メインプロセッサ105は複数の動作が実行されるときに、ステップ405のセットアップにおけるように複数の動作を並列に実行するのではなく、複数の動作の少なくとも部分集合がステップ430の第2予測電力消費レートの計算において使用されるセットアップおよび/または順序に基づいて直列的に実行されるように、複数の動作が実行されることを保証する。
【0071】
ステップ445で、メインプロセッサ105は図4のプロセス中に決定された任意のセットアップまたは順番に従って複数の動作を実行させる。図4のプロセスが図3のプロセスと共に実行された場合、メインプロセッサ105は、図3のプロセス中に確立されたプリンタ設定165のプリンタ設定値を使用して、および/または図3のプロセス中に確立された他の設定185の他の設定値を使用して、複数の動作を実行させる。
【0072】
図4のプロセスは、並列動作がPOSデバイス100によって実行されるときはいつでも、またはPOSデバイス100によって並列に実行される動作の部分集合に対してのみ、使用することができる。例えば、図4のプロセスは、並列動作のうちの少なくともひとつが、プリンタ170やタッチ感知ディスプレイスクリーン210などの、典型的に高い電力消費レベルを必要とするコンポーネントによって実行される場合に、使用され得る。場合によっては、POSデバイス100の温度センサ175は、POSデバイス100内の測定された温度が所定のしきい値温度未満であることを検出することによって、図4のプロセスをトリガすることができる。
【0073】
図3および図4のプロセスはPOSデバイス100のコンポーネントによって全体的に消費される電力の合計を必ずしも減少させることを意図したものではないが、場合によってはこの効果を有することがある。代わりに、図3および図4のプロセスは、POSデバイス100の電池140に対する特に高い電力消費があるときに消費される電力を減少させることに焦点を当て、それにより、POSデバイス100が電圧不足、ブラウンアウト、またはブラックアウトに悩まされることを防止し、過剰な数のコンポーネントが同時に過剰な数の動作を実行することを防止する。
【0074】
図5は、複数のプリンタ設定および対応する可能なプリンタ設定値を示すチャートである。図5のチャートは「プリンタ設定」列505に多数の例示的なプリンタ設定を列挙し、「可能なプリンタ設定値」列510に多数の対応する可能なプリンタ設定値を列挙している。
【0075】
1つのプリンタ設定505はプリンタ速度であり、これは、高速、中速、または低速の可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は印刷された用紙上にどのくらい暗い黒(およびオプションで他の色)が現れるかを識別する黒の濃さであり、使用されるインクの量、サーマルプリントヘッドによって使用される熱エネルギの量、トナーの量、レーザによって使用されるエネルギの量、またはそれらの何らかの組合せに対応することができる。黒の濃さプリンタ設定は暗い、中間、または明るいという可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505はプリント解像度、すなわち印刷ページ上の印刷ドットまたはピクセルの密度であり、これは、高、中、または低の可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は、高、中、または低の可能なプリンタ設定値510に対応し得るプリント品質である。別のプリンタ設定505はフォント濃さまたは太さであり、これは、濃い、中間、または薄いという可能なプリンタ設定値510に対応し得る。別のプリンタ設定505はフォントサイズであり、大、中、または小の可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は使用される実際のフォントであり、これは、タイトルのために、または暖かい/暑い温度で、または予備の電力があるときに使用される「ハイパワーフォント」、通常のテキストおよび常温/常温で使用される「中間パワーフォント」、ならびに電力が可能な限り重要および/または低温であるときに使用される「ローパワーフォント」に対応し得る。可能な「ハイパワーフォント」、可能な「中間パワーフォント」、および可能な「ローパワーフォント」の例は、図5の可能なプリンタ設定値列510に提供される。
【0076】
別のプリンタ設定505は印刷において「フォントトラッキング」とも呼ばれるフォント間隔であり、これは、拡張、通常、または凝縮という可能なプリンタ設定値510に対応することができる。拡張テキスト、通常テキスト、および凝縮テキストの例は、図5の可能なプリンタ設定値列510に提供される。別のプリンタ設定505はプリントイメージのサイズであり、これは、大、中、または小という可能なプリンタ設定値510に対応し得る。また、「プリントイメージのサイズ」プリンタ設定は画像を印刷すべきでないことを示すために、電力が重要であり、かつ/または温度が低い場合に、「イメージ不能化」とマークされてもよい。別のプリンタ設定505は速記のために文字を除去することであり、例えば、「payment」の代わりに「pymnt」を使用して、短縮または短縮を使用することによって、単語を短縮して、より少ない文字を使用するために使用される 「文字除去」プリンタ設定はイネーブルまたはディセーブルという可能なプリンタ設定値510に対応することができ、場合によっては、どの程度の省略形または短縮形を使用すべきかの指示を可能にすることができる。
【0077】
別のプリンタ設定505はプリンタパワーサイクリングであり、このプリンタパワーサイクリングは周期的にプリンタをオン/オフすることを含み、場合によっては別の動作が実行されることを可能にし、場合によっては単に急速にサイクリングすることによって電力使用があまりにも高くスパイクすることを防止することを含む。プリンタパワーサイクリング設定は、イネーブルまたはディスエーブルという可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は、クーポン、商人電話番号、商人電子メールアドレス、商人物理アドレス、商人ソーシャルメディアアカウント、他の商人連絡先情報、商人ウェブサイト情報、広告、バーコードまたはクイックレスポンス(「QR」)コード、および取引概要に加えてレシート上に印刷されることが多い他のコンテンツなど、任意選択のコンテンツを除去することに関する「オプションプリントコンテンツ除去」ことである。「オプションプリントコンテンツ除去」設定は、すべてのオプションのプリントコンテンツに対してイネーブルにされ、クーポンのみに対してイネーブルにされ、広告のみに対してイネーブルにされ、またはディスエーブルにされるなど、可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は「プリントポインタ(QRコード/リンク)」であり、これはより多くのレシート情報へのポインタを印刷することを含み、ここで、ポインタはQRコードおよび/またはウェブサイトへのリンクの形成である。「プリントポインタ(QRコード/リンク)」設定は、ポインタおよびレシートの残りを印刷する「イネーブル(ポインタ+)」、電力が重要であるか、または温度が低いときにプリンタが印刷する量を最小限に抑えることを可能にするようポインタのみを印刷する「イネーブル(ポインタのみ)」、またはディセーブルという可能なプリンタ設定値510に対応することができる。
【0078】
別のプリンタ設定505はディセーブルプリンタであり、これは、プリンタを完全に無効にすることを含み、例えば、その代わりに、電力が重要であるか、または温度が低い場合に、電子メールを介した電子領収書または手書きの領収書を必須とする。ディセーブルプリンタ設定は、イネーブルまたはディスエーブルという可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は「他の機能と並行してプリント」であり、これは、POSデバイス100がイメージまたはレシートをレンダリングすること、タッチ感知スクリーン層125を介してタッチを検出すること、トランザクションオブジェクト115を介してトランザクションデータを読み取ること、またはスピーカ215またはオーディオジャック240を介してオーディオを出力することなど、特定の他の機能を実行している間に、プリンタが印刷を許可されるかどうかに関する。メインプロセッサ105および/またはディスプレイスクリーン120を実行し続けるような、ある他の機能は、同様に許可されてもよく、または無効にされてもよい。「他の機能と並行してプリント」設定は、イネーブルまたはディスエーブルという可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505は、レシート240を印刷する際にプリンタがどの範囲の色を使用することが許可されているかを識別するプリントされた色スペクトルである。プリントされた色スペクトル設定は、フルカラー、制限カラー、グレースケール、またはモノクロ(すなわち、黒、シアン、マゼンタ、黄、赤、緑、または青などの単一インク/トナー/熱カラー)を含む可能なプリンタ設定値510に対応することができる。別のプリンタ設定505はプリントスケールであり、メインプロセッサ105によってレンダリングされたレシートデータがレシート用紙上にどのスケールで印刷されるべきかを識別する。プリントスケール設定は、1パーセントから100パーセントまでの任意のパーセンテージ値を含む可能なプリンタ設定値510に対応することができ、オプションで、200パーセント、300パーセント、400パーセント、500パーセント、または1000パーセントなど、100パーセントを超える任意のパーセンテージ値を含むこともできる。別のプリンタ設定505は両面プリントであり、これは、印刷されたものが用紙の片面に印刷されるべきか、または両面に印刷されるべきかを示す。両面プリント設定は、イネーブルまたはディスエーブルという可能なプリンタ設定値510に対応することができる。
【0079】
図6は、複数のその他の設定および対応する可能なその他の設定値を示すチャートである。図6のチャートは「その他の設定」列605に多数の例示的なその他の設定を列挙し、「可能なその他の設定値」列610に多数の対応する可能なその他の設定値を列挙している。
【0080】
1つのその他の設定605はメインプロセッサ105に関するプロセッサクロックスピードであり、高速、中速、または低速という可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605はメインプロセッサ105に関連して使用されるプロセッサコアの最大個数であり、これは、1とプロセッサ内のコアの総数(N)との間の任意の数(例えば、8であり得る)を含む可能なその他の設定値610に対応し得る。別のその他の設定605はメインプロセッサ105に関連して許可される並列処理の最大個数(オプションで、オペレーティングシステム、BIOS、またはファームウェアに関するもの以外)であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20など、任意の整数以上の処理(1以上)を含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605はメインプロセッサ105に関連して許可される並列スレッドの最大個数(オプションで、オペレーティングシステム、BIOS、またはファームウェアに関するもの以外)であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20など、任意の整数以上のスレッド(1以上)を含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、オプションでメインプロセッサ105以外の、許可されるPOSデバイス100のアクティブコンポーネントの最大個数であり、これは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20など、任意の整数以上のアクティブコンポーネント(1以上)を含む可能なその他の設定値610に対応することができる、。別のその他の設定605はGPU使用であり、これは、完全にイネーブルにされるか、制限された容量でイネーブルにされるか(例えば、放電能力レートを計算するか、推定電力消費レートを計算するか、放電能力レートと推定電力消費レートとの間の差分を計算するか、レシートをレンダリングするか、ディスプレイスクリーン120のためのインタフェースをレンダリングするか、またはそれらの何らかの組合せ)、またはディスエーブルにされることを含む、可能なその他の設定値610に対応し得る。この段落で識別されたその他の設定605のいずれも、セキュアプロセッサ110と同様にメインプロセッサ105の一方または両方に適用することができるが、セキュアプロセッサ110の一方または両方はオプションで、図6に図示されていないそれ自体の対応するその他の設定605を有することができる。
【0081】
別のその他の設定605は、NFCアンテナポーリングレートであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、NFCアンテナ移送スピードであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、WiFiアンテナポーリングレートであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、WiFiアンテナ移送スピードであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、セルラネットワークアンテナポーリングレートであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、セルラネットワークアンテナ移送スピードであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)アンテナポーリングレートであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、Bluetooth(登録商標)またはBluetooth(登録商標) Low Energy(BLE)アンテナ移送スピードであり、これは高速、中速、または低速を含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。
【0082】
別のその他の設定605は、ディスプレイスクリーン120のディスプレイスクリーン輝度であり、これは明るい、中間、または暗いを含む可能なその他の設定値610に対応してもよい。別のその他の設定605は、ディスプレイスクリーン120のディスプレイスクリーンバックライト輝度であり、これは、明るい、中間、または暗いを含む可能なその他の設定値610に対応し得る。別のその他の設定605は、「ディセーブル光センサ」ことであり、これは、ディスプレイスクリーン120またはディスプレイスクリーン120のバックライトの明るさを自動的に制御するために任意に使用され得る、POSデバイス100の1つ以上の光センサまたはカメラを指し得る。「ディセーブル光センサ」設定は、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、タッチ感知スクリーン表面層125のタッチ面ポーリングレートであり、これは、電圧がタッチ感知スクリーン表面層125の駆動ラインを横切っていかに速く/頻繁に駆動されるか、および電圧がタッチ感知スクリーン表面層125のセンスラインに沿っていかに速く/頻繁にサンプリング/感知されるかに対応し得る。タッチ面ポーリングレート設定は、高速(より感度の高いタッチ表面に対応する)、中速、または低速(より感度の低いタッチ表面に対応する)を含む可能なその他の設定値610に対応することができる。
【0083】
別のその他の設定605は、「プリント中のアンテナディセーブル」設定であり、これは、POSデバイス100のアンテナの任意の組合せを指すことができ、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、ディスプレイスクリーン120の機能を参照する「プリント中のディスプレイディセーブル」設定であり、これは、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、タッチ感知スクリーン表面層125の機能を参照する「プリント中のタッチ感知ディセーブル」設定であり、これは、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、「カートへのレシートのプリレンダ」設定であり、アイテムが図2のタッチ感知ディスプレイスクリーン210を参照して論じられたカートインタフェース内のカートに追加されている間に、リアルタイムでレシートをプリレンダリングすることであり、これは、イネーブルまたはディスエーブルを含む可能な雑多な設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、「不使用アンテナディセーブル」設定であり、これは、現在使用中でない、および/または近い将来に使用されると予測されない、POSデバイス100のアンテナの任意の組合せを指すことができ、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、「生体センサディセーブル」設定であり、これは、POSデバイス100の1つまたは複数の生体センサの任意の組合せを指すことができ、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、1つまたは複数の温度センサ175を参照する「温度センサディセーブル」設定であり、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、POSデバイス100が含み得る1つまたは複数の加速度計および/または1つまたは複数のジャイロスコープを参照する「加速度計/ジャイロディセーブル」設定であり、これは、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応し得る。別のその他の設定605は、タンパ検出回路130を参照する「タンパ検出ディセーブル」設定であり、これは、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応することができる。別のその他の設定605は、任意のインジケータライトを参照する「インジケータライトディセーブル」設定であり、これは、イネーブルまたはディセーブルを含む可能なその他の設定値610に対応し得る。タンパ検出の無効化、または図5または図6に関して説明した他の設定変更のいずれかは、一時的にのみ適用することができ、例えば、電力がより利用可能になったとき、および/または温度が上昇したときに、直ちに、かつ自動的に戻すことができる。
【0084】
値の範囲を示す、図5の可能なプリンタ設定値510および図6の可能なその他の設定値610のいずれも、例として提供された単なる2~4の可能な値ではなく、その範囲に沿った任意の数の可能な値を含むことができることを理解されたい。これは、図5または図6において、「大、中、小」または「高、中、低」または「暗い、中間、明るい」または「高速、中、低速」または「濃、中、薄」または「拡張、通常、凝縮」または「ハイパワーフォント、中間パワーフォント、ローパワーフォント」または「明、中、暗」またはそれらの任意の変形を読む任意の値の範囲を含む。
【0085】
図7は、放電能力レートをリスクおよび安全電力消費レートと比較した棒グラフである。
【0086】
図7の棒グラフは最も左の垂直軸でゼロから始まり、棒は正の方向に右に水平に伸びている。放電能力レート705が示されている。放電能力レート705は、電力消費リスクしきい値735において2つの範囲に分割され、電力消費リスクしきい値735の左側(より小さい)のすべてが安全な電力消費範囲730を表す。安全な予測電力消費レート720のような、安全な電力消費範囲730に入る予測電力消費レートは安全であり、電圧不足/ブラウンアウト/ブラックアウトを引き起こさない蓋然性が高い。
【0087】
電力消費リスクしきい値735の右側(より大きい)であるが、放電能力レート705の(実際の値の)最も右側の端の左側(より小さい)の全てはブラウンアウトリスク電力消費範囲740を表す。ブラウンアウトリスク予測電力消費レート715のような、ブラウンアウトリスク範囲電力消費740に入る任意の予測電力消費レートは、POSデバイス100を電圧不足/ブラウンアウト/ブラックアウトのリスクに置く。
【0088】
放電能力レート705の右側(より大きい)の全ては、ページの境界を越えて右側に続くブラックアウト電力消費範囲750を表す。ブラックアウトの原因となる予測電力消費レート710など、ブラックアウト電力消費範囲750に入る予測電力消費レートは、実際の電力消費が予測値から変化しない限り、POSデバイス100を電圧不足/ブラウンアウト/ブラウンアウトにほぼ確実にする。
【0089】
図3および図4のステップ325、335、425、および435の計算にそれぞれ使用される所定の差分しきい値745は、図7に示すように、放電能力レート705と、安全電力消費範囲730とブラウンアウトリスク電力消費範囲740との間の点を表す所定の電力消費リスクしきい値735と、の間の差分である。電力消費リスクしきい値735は、所定の定数であってもよい。電力消費リスクしきい値735は、現在の放電能力レートと、例えば、現在の放電能力レートから減算された所定の定数を表す所定の定数とに基づいて計算されてもよい。電力消費リスクしきい値735は、現在の放電能力レートと、所定の割合(例えば、現在の放電能力レートから現在の放電能力レートを差し引いた所定の割合を表す)と、に基づいて計算することができ、所定の割合は、40パーセント、35パーセント、30パーセント、25パーセント、20パーセント、15パーセント、10パーセント、5パーセント、または他の何らかの割合値など、ゼロパーセントから100パーセントのどこかである。
【0090】
図7には単位が示されていないが、放電能力レート705、様々な電力消費レート710/715/720、電力消費リスクしきい値735、差分しきい値745、安全電力消費範囲730、ブラウンアウトリスク電力消費範囲740、およびブラックアウト電力消費範囲750は同じ単位を使用することを理解されたい。これらの単位は、電力測定単位(例えば、ワット、ミリワット、キロワット)、エネルギ測定単位(例えば、ジュール、ミリジュール、キロジュール)、電流測定単位(例えば、アンペア、ミリアンペア、キロアンペア)、電圧測定単位(例えば、ボルト、ミリボルト、キロボルト)、電気コンダクタンス測定単位(例えば、ジーメン、ミリジーメン、キロジーメン)、電荷測定単位(例えば、クーロン、ミリクーロン、キロクーロン)、抵抗/リアクタンス/インピーダンス測定単位(例えば、オーム、ミリオーム、キロオーム)、キャパシタンス測定単位(例えば、ファラッド、ミリファラッド、キロファラッド)、インダクタンス測定単位(例えば、ヘンリー、ミリヘンリー、キロヘンリー)、周波数測定単位(例えば、ヘルツ、ミリヘルツ、キロヘルツ)、それらの何らかの積または一部、あるいはそれらの何らかの他の組み合わせであってもよい。また、単位は時間の単位(例えば、ミリ秒、秒、分、時間)または時間の二乗の単位(例えば、ミリ秒、秒、分、時間)によって乗算または除算された、上記の単位の任意の積、分数、または他の組み合わせであってもよい。すなわち、本明細書で使用される放電能力レートおよび電力消費は、電力の単位である必要はなく、エネルギ、電流、電圧、コンダクタンス、のいずれかを記述するために使用される単位または上述の他のタイプの単位であってもよい。
【0091】
図7ならびに図3および図4に関して説明した放電能力レート705および様々な電力消費レート710/715/720は、レートとすることができるが、それらはそれぞれが同じ特定の期間に対応する放電能力量および様々な電力消費量を単に表すこともできることを理解されたい。この期間は、POSデバイス100がオンであることに対応する期間、プリンタ170を介してレシート240を印刷することなどの特定の動作の発生に対応する期間、レシート240の特定の文字またはラインを印刷することなどのサブ動作に対応する期間、所定の数を超える動作を並行して実行することに対応する期間、しきい値未満である温度測定に対応する期間、またはそれらの何らかの組合せとすることができる。
【0092】
図8は、本発明の実施の形態を実施するために使用することができる例示的なコンピューティングシステム800を示す。例えば、本明細書で説明されるコンピュータシステムまたはコンピュータ化された装置のいずれかは少なくとも1つのコンピューティングシステム800を含むことができ、または図8で識別されるコンピュータシステム800の少なくとも1つの構成要素を含むことができる。図8のコンピューティングシステム800は1つまたは複数のプロセッサ810およびメモリ810を含む。メインメモリ810は、プロセッサ810による実行のためのインストラクションおよびデータを部分的に保存する。メインメモリ810は、動作中に実行可能コードを記憶することができる。図8のシステム800は、大容量ストレージデバイス830、ポータブルストレージ媒体ドライブ840、出力デバイス850、ユーザ入力デバイス860、グラフィックスディスプレイ870、および周辺デバイス880をさらに含む。
【0093】
図8に示す構成要素は、単一のバス890を介して接続されているものとして示されている。しかしながら、構成要素は、1つ以上のデータ転送手段を介して接続されてもよい。例えば、プロセッサユニット810およびメインメモリ810はローカルマイクロプロセッサバスを介して接続することができ、大容量ストレージデバイス830、周辺デバイス880、ポータブルストレージデバイス840、およびディスプレイシステム870は、1つまたは複数の入出力(I/O)バスを介して接続することができる。
【0094】
大容量ストレージデバイス830は、磁気ディスクドライブまたは光ディスクドライブで実施することができ、プロセッサユニット810によって使用されるデータおよびインストラクションを記憶するための不揮発性ストレージデバイスである。大容量ストレージデバイス830は、そのソフトウェアをメインメモリ810にロードする目的で、本発明の実施形態を実施するためのシステムソフトウェアを記憶することができる。
【0095】
ポータブルストレージデバイス840は、フロッピー(登録商標)ディスク、コンパクトディスク、またはデジタルビデオディスクなどのポータブル不揮発性記憶媒体と連携して動作し、図8のコンピュータシステム800との間でデータおよびコードを入出力する。本発明の実施の形態を実施するためのシステムソフトウェアは、そのようなポータブル媒体に格納され、ポータブルストレージデバイス840を介してコンピュータシステム800に入力されてもよい。
【0096】
メモリ820、大容量ストレージデバイス830、またはポータブルストレージデバイス840は、場合によっては取引情報、健全性情報、または暗号鍵などの機密情報を記憶することができ、場合によっては、プロセッサ810の助けを借りてそのような情報を暗号化または復号化することができる。メモリ820、大容量ストレージデバイス830、またはポータブルストレージデバイス840は、場合によってはプロセッサ810による実行または処理のために、インストラクション、実行可能コード、または他のデータを少なくとも部分的に記憶することができる。
【0097】
出力デバイス850は、例えば、有線手段または無線手段を介してデータを出力するための通信回路、表示画面を介してデータを表示するための表示回路、ヘッドホンまたはスピーカを介して音声(オーディオ)を出力するためのオーディオ回路、プリンタを介してデータを印刷するためのプリンタ回路、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。表示画面は、ディスプレイシステム870に関して説明した任意のタイプのディスプレイとすることができる。プリンタは、インクジェット、レーザ/トナーベース、サーマル、またはそれらの何らかの組み合わせであってもよい。場合によっては、出力デバイス回路850は、オーディオジャック/プラグ、マイクロフォンジャック/プラグ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/プラグ、Apple(登録商標)Lightning(登録商標)ポート/プラグ、イーサネット(登録商標)ポート/プラグ、光ファイバポート/プラグ、独自の有線ポート/プラグ、BLUETOOTH(登録商標)無線信号転送、BLUETOOTH(登録商標)ローエナジー(BLE)無線信号転送、無線周波数識別(RFID)無線信号転送、近距離無線通信(NFC)無線信号転送、802.11 Wi-Fi無線信号転送、セルラデータネットワーク無線信号転送、電波信号転送、マイクロ波信号転送、赤外線信号転送、可視光信号転送、紫外線信号転送、電磁波スペクトルに沿った無線信号転送、またはそれらの何らかの組み合わせ、を介したデータの送信を可能にすることができる。出力デバイス850は、任意のポート、プラグ、アンテナ、またはセルラ加入者識別モジュール(SIM)カードなどの、上記に列挙された通信タイプに必要な任意の他の構成要素を含むことができる。
【0098】
入力デバイス860は、ユーザインタフェースの一部を提供する回路を含み得る。入力デバイス860は、英数字および他の情報を入力するためのキーボードなどの英数字キーパッド、またはマウス、トラックボール、スタイラス、またはカーソル方向キーなどのポインティング装置を含むことができる。入力デバイス860は、タッチスクリーンのようにディスプレイと一体化されるか、またはトラックパッドのようにディスプレイとは別個の接触感知面を含んでもよい。タッチ感知面は、場合によっては局所的な可変圧力または力の検出を検出することができる。場合によっては、入力デバイス回路は、オーディオジャック、マイクロフォンジャック、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート/プラグ、Apple(登録商標)Lightning(登録商標)ポート/プラグ、イーサネット(登録商標)ポート/プラグ、光ファイバポート/プラグ、独自の有線ポート/プラグ、BLUETOOTH(登録商標)無線信号転送、BLUETOOTH(登録商標)ローエナジー(BLE)無線信号転送、無線周波数識別(RFID)無線信号転送、近距離無線通信(NFC)無線信号転送、802.11 Wi-Fi無線信号転送、セルラデータネットワーク無線信号転送、電波信号転送、マイクロ波信号転送、赤外線信号転送、可視光信号転送、紫外線信号転送、電磁波スペクトルに沿った無線信号転送、またはそれらの何らかの組み合わせ、を介したデータの受信を可能にすることができる。入力デバイス860は、任意のポート、プラグ、アンテナ、またはセルラSIMカードなどの、上記に列挙された通信タイプに必要な任意の他の構成要素を含むことができる。
【0099】
ディスプレイシステム870は、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、電子インクまたは「電子ペーパー」ディスプレイ、プロジェクタベースのディスプレイ、ホログラフィックディスプレイ、または別の適切な表示装置を含むことができる。ディスプレイシステム870はテキスト情報及びグラフィック情報を受信し、表示装置への出力のために情報を処理する。ディスプレイシステム870は、静電容量式タッチ検出、抵抗式タッチ検出、表面弾性波タッチ検出、または赤外線タッチ検出などの複数のタッチタッチスクリーン入力機能を含むことができる。そのようなタッチスクリーン入力機能は、可変の圧力または力の検出を可能にしてもよいし、可能にしなくてもよい。
【0100】
周辺機器880はコンピュータシステムに追加の機能を追加するために、任意のタイプのコンピュータサポート装置を含むことができる。例えば、周辺デバイス880は、モデム、ルータ、アンテナ、プリンタ、バーコードスキャナ、クイックレスポンス(「QR」)コードスキャナ、文書/画像スキャナ、可視光カメラ、熱/赤外線カメラ、紫外線感知カメラ、暗視カメラ、光センサ、バッテリ、電源、またはそれらの何らかの組合せを含むことができる。
【0101】
図8のコンピュータシステム800に含まれる構成要素は本発明の実施の形態と共に使用するのに適したコンピュータシステムに通常見られるものであり、当技術分野で周知のそのような広範なカテゴリのコンピュータ構成要素を表すことを意図している。したがって、図8のコンピュータシステム800は、パーソナルコンピュータ、ハンドヘルドコンピューティング装置、電話(「スマートフォン」など)、モバイルコンピューティング装置、ワークステーション、サーバ(サーバラック上など)、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータ、タブレットコンピューティング装置、ウェアラブル装置(時計、リング、一対の眼鏡、または別のタイプの宝飾品/衣類/アクセサリなど)、ビデオゲームコンソール(ポータブルなど)、電子書籍リーダ、メディアプレーヤ装置(ポータブルなど)、車両ベースのコンピュータ、それらの何らかの組合せ、または任意の他のコンピューティング装置とすることができる。コンピュータシステム800は、場合によっては別のコンピュータシステムによって実行される仮想コンピュータシステムとすることができる。コンピュータはまた、異なるバス構成、ネットワーク化されたプラットフォーム、マルチプロセッサプラットフォームなどを含むことができる。Unix、Linux、Windows、Macintosh OS、Palm OS、Android、iOS、および他の適切なオペレーティングシステムを含む様々なオペレーティングシステムを使用することができる。
【0102】
場合によっては、コンピュータシステム800は、それぞれが1つまたは複数の特定のタスクまたは目的のための、複数のコンピュータシステム800を使用するマルチコンピュータシステムの一部とすることができる。例えば、マルチコンピュータシステムは、パーソナルエリアネットワーク(PAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、都市エリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、またはそれらの何らかの組合せのうちの少なくとも1つを介して互いに通信可能に結合された、複数のコンピュータシステム800を含むことができる。マルチコンピュータシステムは、インターネット(「分散」システムとしても知られている)を介して互いに通信可能に結合された異なるネットワークからの複数のコンピュータシステム800をさらに含むことができる。
【0103】
本発明は、様々な装置を使用して動作可能であり得るアプリケーションにおいて実施され得る。非一時的コンピュータ可読記憶媒体は、実行のために中央処理装置(CPU)にインストラクションを提供することに関与し、メモリ820、大容量ストレージデバイス830、ポータブルストレージデバイス840、またはそれらの何らかの組合せで使用され得る、任意の1つまたは複数の媒体を指す。このような媒体は、光ディスクまたは磁気ディスクおよびダイナミックメモリなどの不揮発性媒体および揮発性媒体を含むが、これらに限定されない多くの形態をとることができる。非一時的なコンピュータ可読媒体のいくつかの形態には、例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の磁気媒体、フラッシュメモリ、メモリスタメモリ、他の固体メモリ、CD-ROMディスク、デジタルビデオディスク(DVD)、ブルーレイディスク(BDD)、または他の任意の光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、プログラマブルリードオンリメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、FLASHEPROM、抵抗性ランダムアクセスメモリ(RRAMまたはReRAM)、相変化メモリ(PCM)、スピントランスファトルクRAM(STT-RAM)、および他の任意のメモリチップまたはカートリッジが含まれる。
【0104】
伝送媒体の種々の形態は、実行のためにCPUへの1以上のインストラクションの1以上のシーケンスの伝達に用いられ得る。バスはデータをシステムRAMに伝送し、システムRAMからCPUがインストラクションを取り出して実行する。システムRAMによって受信されたインストラクションは、CPUによる実行の前または後のいずれかに、固定ディスク上に任意選択で格納することができる。同様に、必要なネットワークインタフェースおよびネットワークトポロジと同様に、様々な形態のストレージデバイスを実装して、それらを実装することができる。
【0105】
上記で提供され説明された様々なフロー図は本発明の任意の実施の形態によって実行される動作の特定の順序を示すことができるが、そのような順序は例示的なものであることを理解されたい。代替の実施の形態は異なる順序で動作を実行し、任意の動作を組み合わせ、任意の動作をオーバーラップさせ、またはそれらの何らかの組合せを行うことができる。
【0106】
上述の詳細な技術説明は、説明および説示の目的で提供された。それは、網羅的であることも、開示された厳密な形態に当該技術を限定することも、意図しない。上記教示に照らして多くの変形例が可能である。説明された実施の形態は技術原理およびその実際への応用を最適に説明するために選択されたものであり、それによって、他の当業者は、技術を、特定の期待される使用に適したものとしての種々の実施の形態でおよび種々の変形例と共に使用することができる。本技術の範囲は、特許請求の範囲によって定義されることが意図される。
クローズ
[請求項1]
ポイントオブセール(POS)システムであって、
ハウジングと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に設けられたトランザクションオブジェクトリーダであって、前記トランザクションオブジェクトリーダがトランザクションオブジェクトからトランザクションデータを読み取り、かつ、前記トランザクションデータをプロセッサに送信するよう構成される、トランザクションオブジェクトリーダと、
前記ハウジング内に少なくとも部分的に設けられた温度センサと、
前記ハウジング内に設けられたプリンタコネクタであって、当該プリンタコネクタは、
プリンタ、および
第1プリンタ設定値に設定されたプリンタ設定にしたがって前記プリンタを制御するプリンタコントローラ、と接続されるよう構成されるプリンタコネクタと、
少なくとも前記プリンタ、前記プロセッサおよび前記トランザクションオブジェクトリーダに電力を提供する電池と、
前記ハウジング内に設けられたメモリであって、前記メモリがインストラクションを保持する、メモリと、
前記メモリに接続された前記プロセッサと、を備え、
前記プロセッサによる前記インストラクションの実行は、前記プロセッサに、
前記温度センサを介して、前記ハウジング内の測定された温度を検出することと、
前記ハウジング内の前記測定された温度に基づいて、前記電池の現在の放電能力レートを決定することと、
前記プリンタ設定の前記第1プリンタ設定値に基づいて、第1予測電力消費レートを算出することと、
前記現在の放電能力レートと前記第1予測電力消費レートとの間の差分が所定の差分しきい値よりも小さいことを特定することであって、それは前記POSシステムがブラウンアウトのリスクにあることを示す、特定することと、
前記プリンタ設定の第2プリンタ設定値に基づいて、第2予測電力消費値を算出することと、
前記現在の放電能力レートと前記第2予測電力消費との間の差分が前記所定の差分しきい値よりも大きいことを特定することであって、それは前記POSシステムがブラウンアウトのリスクにないことを示す、特定することと、
前記プリンタコネクタを介して、前記プリンタコントローラに、前記プリンタ設定を前記第1プリンタ設定値から前記第2プリンタ設定値に変更させることと、を行わせるPOSシステム。
[請求項2]
前記温度センサがサーミスタである請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項3]
前記温度センサが電池に接続されている請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項4]
さらに、
プリンタコントローラと、
プリンタと、を備え、
前記プリンタはサーマルプリンタである請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項5]
前記プロセッサは中央処理ユニット(CPU)とグラフィクス処理ユニット(GPU)とを備え、前記プリンタの前記現在の予測消費量は少なくとも前記GPUを用いて算出される請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項6]
前記プリンタ設定がプリントスピードに対応する請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項7]
前記プリンタ設定が、フォント濃さ、フォントサイズ、フォント間隔、フォント、または黒の濃さレベルのうちのひとつに対応する請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項8]
前記プロセッサによる前記インストラクションの実行はさらに、前記プロセッサに、
前記ハウジング内の前記測定された温度が、前記プリンタが安全に動作できる安全プリンタ動作温度範囲の外にあることを特定することと、
前記ハウジング内の前記測定された温度が前記安全プリンタ動作温度範囲の外にあることを特定したことに応じて、前記プリンタをディセーブルすることと、を行わせる請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項9]
前記プロセッサによる前記インストラクションの実行はさらに、前記プロセッサに、
前記ハウジング内の前記測定された温度が、前記電池が安全に動作できる安全電池動作温度範囲の外にあることを特定することと、
前記ハウジング内の前記測定された温度が前記安全電池動作温度範囲の外にあることを特定したことに応じて、前記プリンタおよび前記トランザクションオブジェクトリーダをディセーブルすることと、
前記ハウジング内の前記測定された温度が前記安全電池動作温度範囲の外にあることを特定したことに応じて、前記プロセッサおよび前記メモリを安全シャットダウン状態にすることであって、前記安全シャットダウン状態においては前記プロセッサおよび前記メモリへの電力供給を止めても安全である、ことと、
前記ハウジング内の前記測定された温度が前記安全電池動作温度範囲の外にあることを特定したことに応じて、前記電池をディセーブルすることと、を行わせる請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項10]
放電能力データ構造をさらに備え、
前記ハウジング内の前記測定された温度に基づいて、前記電池の現在の放電能力レートを決定することは、前記ハウジング内の前記測定された温度を用いて放電能力データ構造に問い合わせることを含む請求項1に記載のPOSシステム。
[請求項11]
ポイントオブセール(POS)システムであって、
トランザクションオブジェクトからトランザクションデータを読み取るよう構成されたトランザクションオブジェクトリーダと、
プリンタ、および第1プリンタ設定値に設定されたプリンタ設定にしたがって前記プリンタを制御するプリンタコントローラ、と接続されるよう構成されたプリンタコネクタと、
電源に接続されるよう構成された電源コネクタと、
インストラクションを保持するメモリと、
前記メモリに接続された前記プロセッサと、を備え、
前記プロセッサによる前記インストラクションの実行は、前記プロセッサに、
前記電源の現在の放電能力レートを決定することと、
前記プリンタ設定の前記第1プリンタ設定値に基づいて、第1予測電力消費レートを算出することと、
前記現在の放電能力レートと前記第1予測電力消費レートとの差分がブラウンアウトリスク値範囲内にあることを特定することと、
前記プリンタ設定の第2プリンタ設定値に基づいて、第2予測電力消費値を算出することと、
前記現在の放電能力レートと前記第2予測電力消費レートとの差分が前記ブラウンアウトリスク値範囲の外にあることを特定することと、
前記プリンタコネクタを介して、前記プリンタコントローラに、前記プリンタ設定を前記第1プリンタ設定値から前記第2プリンタ設定値に変更させることと、を行わせるPOSシステム。
[請求項12]
ハウジングをさらに備え、
前記トランザクションオブジェクトリーダ、前記プリンタコネクタ、前記プリンタコントローラ、前記プリンタ、前記電源コネクタ、前記メモリおよび前記プロセッサは前記ハウジング内に少なくとも部分的に設けられる請求項11に記載のPOSシステム。
[請求項13]
前記電源は電池を含み、前記電池の前記現在の放電能力レートを決定することは、前記電池の充電状態、前記電池の放電深度、前記電池の電池サイクル寿命、前記電池の電池サイクルカウント、前記電池の端子電圧、前記電池の開回路電圧、または前記電池の内部抵抗のうちの少なくともひとつに基づく請求項11に記載のPOSシステム。
[請求項14]
前記プリンタ設定が、プリントスピード、フォント濃さ、フォントサイズ、フォント間隔、フォント、または黒の濃さレベルのうちのひとつに対応する請求項11に記載のPOSシステム。
[請求項15]
前記第1プリンタ設定値は、前記プリンタが前記POSシステムのひとつ以上の他のコンポーネントと並行して動作することを許すことに対応し、前記第2プリンタ設定値は、前記プリンタが前記POSシステムの前記ひとつ以上の他のコンポーネントと並行して動作することを禁止することに対応する請求項11に記載のPOSシステム。
[請求項16]
ユーザインタフェースをさらに備え、
前記第1予測電力消費レートを算出することは、少なくとも前記プリンタによってプリントされるべきレシートの文字数に基づき、前記レシートの前記文字数がカート情報に基づき、前記プロセッサによる前記インストラクションの実行は前記プロセッサにユーザインタフェースを介してカート情報を受信させる請求項11に記載のPOSシステム。
[請求項17]
ポイントオブセール(POS)デバイスを保護する方法であって、
前記POSデバイスのハウジング内の測定された温度を検出することと、
前記ハウジング内の前記測定された温度に基づいて、前記POSデバイスの電池の現在の放電能力レートを決定することと、
前記POSデバイスのコンポーネントに関連付けられたコンポーネント設定の前記第1コンポーネント設定値に基づいて、第1予測電力消費レートを算出することと、
前記第1予測電力消費レートが、前記現在の放電能力レートに基づくブラウンアウトリスク範囲内にあることを特定することと、
前記コンポーネント設定の第2コンポーネント設定値に基づいて、第2予測電力消費値を算出することと、
前記第2予測電力消費レートが、前記現在の放電能力レートに基づく安全電力消費範囲内にあることを特定することと、
前記コンポーネントに、前記コンポーネント設定を前記第1コンポーネント設定値から前記第2コンポーネント設定値に変更させることと、を含む方法。
[請求項18]
前記コンポーネントがプリンタであり、前記コンポーネント設定が、プリントスピード、フォント濃さ、フォントサイズ、フォント間隔、フォント、または黒の濃さレベルのうちのひとつに対応する請求項17に記載の方法。
[請求項19]
前記コンポーネントがタッチ感知ディスプレイスクリーンであり、前記コンポーネント設定が、輝度レベル、バックライトレベル、タッチ感度、またはタッチ面ポーリングレートのうちのひとつに対応する請求項17に記載の方法。
[請求項20]
前記コンポーネントがプロセッサであり、前記コンポーネント設定が、クロックスピード、イネーブルされたコアの数、グラフィクスプロセッサユニット(GPU)利用レベル、並列プロセッサの最大個数、並列スレッドの最大個数、並列コンポーネント動作の最大個数のうちのひとつに対応する請求項17に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8