(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】エアフィルター装置および自動車のエアフィルター装置用フィルターエレメント
(51)【国際特許分類】
B01D 46/00 20220101AFI20231211BHJP
B60H 3/06 20060101ALI20231211BHJP
【FI】
B01D46/00 C
B60H3/06 611
(21)【出願番号】P 2022536673
(86)(22)【出願日】2021-04-14
(86)【国際出願番号】 EP2021059710
(87)【国際公開番号】W WO2021213869
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-06-14
(31)【優先権主張番号】102020110996.2
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】598051819
【氏名又は名称】メルセデス・ベンツ グループ アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Mercedes-Benz Group AG
【住所又は居所原語表記】Mercedesstrasse 120,70372 Stuttgart,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100101856
【氏名又は名称】赤澤 日出夫
(72)【発明者】
【氏名】エンダール,ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】シューマッハ,エリック
【審査官】塩谷 領大
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0280045(US,A1)
【文献】国際公開第2009/049738(WO,A1)
【文献】英国特許出願公告第01446195(GB,A)
【文献】中国特許出願公開第108928218(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 46/00-46/90
B60H 1/00- 3/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルターエレメント(10)用の受け入れスペース(14)を有するハウジング(12)を有する自動車用エアフィルター装置であって、
前記フィルターエレメント(10)は、少なくとも部分的に該フィルターエレメント(10)のフィルター材料(18)を囲むフレーム(16)を有し、該フレーム(16)は、第一サイドウォール(20)と、対向する第二サイドウォール(22)と、前記サイドウォール(32,34)を接続する第1及び対向する第2横ウォールとを備え、
第一突起(26、30、76、78)が前記2つの横ウォール(32、34)の内の一方の近傍でそれぞれのサイドウォール(20、22)から突出し、
前記ハウジング(12)は2つの対向するハウジングサイドウォール(44、46)を備え、それぞれには少なくともひとつの隔壁(50、52、80、82、84、86)があり、前記フィルターエレメント(10)の前記それぞれのサイドウォール(20、22)の第一突起(26、30、76、78)のそれぞれが第一方向(64、102、104)に向いた第一隔壁端部領域(54、56、72、74、98、100、106、108)のそれぞれに挿入可能であり、
第二突起(28、76、78)が前記2つの横ウォール(32、34)の内の他方の近傍で前記サイドウォール(20、22)から突出し、前記ハウジングサイドウォール(44,46)のそれぞれには、前記第一方向(64、102、104)とは反対方向に向いた第二隔壁端部領域(72、74、98、100、106、108)があり、該第二隔壁端部領域には、前記フィルターエレメント(10)が前記ハウジング(12)の前記受け入れスペース(14)の作動位置に位置するように、前記第二突起(28、76、78)を挿入することができ、
更に、前記第二突起(28、76、78)が挿入中に割り当てられた前記第二隔壁端部領域(72、74、98、100、106、108)へ内側に向けた隔壁ガイドフランク(68、70、92、96、90、94)を超えるため、同じサイドウォール(20、22)の上に配置される前記2つの突起(26、28、30、76、78)の間の距離を縮めることができるように前記サイドウォール(20、22)が弾性的に変形可能であることを特徴とする
エアフィルター装置。
【請求項2】
前記それぞれのハウジングサイドウォール(44、46)の少なくともひとつの隔壁(50、52)にはガイドウェブ(58、62)があり、該ガイドウェブ(58、62)に沿って、前記フィルターエレメント(10)の対応するサイドウォール(20,22)のそれぞれの前記第一突起(26,30)は前記フィルターエレメント(10)を受け入れスペース(14)の中に挿入中に前記隔壁(50、52)の前記第一
隔壁端部領域(54、56)へと誘導でき、前記ガイドウェブ(58、62)は前記それぞれのハウジングウォール(44,46)のローワーエッジ(60)に沿って伸びていることを特徴とする、請求項1に記載のエアフィルター装置。
【請求項3】
両方のハウジングサイドウォール(44、46)には、前記フィルターエレメント(10
)の前記割り当てられたサイドウォール(20、22)の上に配置された前記突起(76、78)の距離(40)の方向において、互いに対向し、互いに傾斜して伸びるガイドフランク(90,92、94、96)を有するそれぞれ2つの個別の隔壁(80、82、84、86)があり、前記ガイドフランク(90、92、94、96)は、前記受け入れスペース(14)へフィルターエレメント(10)が挿入される際、2つの突起の間の前記距離(40)を縮めるために前記それぞれのサイドウォール(20、22)の弾性的変形を支持するために構成されることを特徴とする請求項1に記載のエアフィルター装置。
【請求項4】
前記それぞれのハウジングサイドウォール(44,46)の前記2つの隔壁(80、82、84、86)の前記
第一及び第二隔壁端部領域(98、100、106、108)は、前記それぞれの隔壁ガイドフランク(90、92、94、96)に直接隣接し、前記
第一及び第二隔壁端部領域(98、100、106、108)は異なる方向に伸びていることを特徴とする請求項3に記載のエアフィルター装置。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれかに記載の自動車のエアフィルター装置用のフィルターエレメントであって、前記ハウジング(12)の前記受け入れスペース(14)へ前記フィルターエレメント(10)を挿入するために、非変形状態で前記それぞれ弾性的変形可能なサイドウォール(20、22)に配された前記2つの突起(26、28、30、76、78)の前記縮小可能な距離(40)は、ハウジング側上で前記それぞれのハウジングサイドウォール(44、46)のこれらに割り当てられた前記
第一及び第二隔壁端部領域(54、56、72、74、98、100、106、108)の間の距離に相当する
ことを特徴とするフィルターエレメント。
【請求項6】
前記それぞれのサイドウォール(20,22)に配置された前記2つの突起(26、28、30、76、78)は、前記それぞれのサイドウォール(20、22)の前記フィルターエレメント(10)の変形していない初期の状態において、前記突起(26、28、30、76、78)に近い前記サイドウォール(20、22)のエッジ(36,38)から前記2つの突起(26、28、30、76、78)のひとつの距離よりも数倍以上大きい他方からの距離(40)を有することを特徴とする請求項5に記載のフィルターエレメント。
【請求項7】
前記同じサイドウォール(20、22)に配置された前記2つの突起(26、28、30、76、78)のうちの第一は、前記サイドウォール(20、22)に配置された2つの突起(26、28、30、76、78)のうちの第二より
もより大きな直径を有することを特徴とする請求項6に記載のフィルターエレメント。
【請求項8】
前記同じサイドウォール(20、22)に配置された前記2つの突起(26、28、30、76、78)のうちの第一は、前記サイドウォール(20,22)に配置された前記2つの突起(28、76、78)のうちの第二よりも前記サイドウォール(20、22)のローワーエッジ(41)に近いことを特徴とする請求項6に記載のフィルターエレメント。
【請求項9】
前記突起(26、28、30、76、78)を有する前記サイドウォール(20、22)は、前記横ウォール(32、34)よりも低い剛性、
又はより薄い厚さを持っていることを特徴とする請求項5から請求項8のいずれかに記載のフィルターエレメント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明は自動車のエアフィルター装置用の交換可能なフィルターエレメントを適用させるためのフィルターハウジングを有するエアフィルター装置に関するもので、フィルターハウジングは、平面のフィルターエレメントの2つの対向するサイドウォール上に導き、支持するための隔壁を有し、それはサイドウォールを形成するフレーム内で支持されたフィルターフリースを構成する。更に、発明は自動車のその種のエアフィルター装置のためのサイドウォール上に突起のあるフィルターエレメントに関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車用のエアフィルター装置のハウジング内のその種のフィルターエレメントが機能を確実に果たすためには、フィルターエレメントがハウジング内でシーリングおよび位置的に安定した方法で固定されていることが保証されなくてはならない。
【0003】
特許文献1は、箱型ベースボディのフィルターエレメントを解説し、その反面、フレキシブル材料から形成されたベースボディのフレームウォール内に形成される補剛されたガイドエレメントで、ハウジング側のガイドレール上のフィルターエレメントを締め付ける役割を果たすガイドエレメントについて解説している。
【0004】
特許文献2及び特許文献3は、それぞれ、自動車のエアコンシステム用のフィルターエレメントについて解説している。フィルターエレメントには紙あるいはプラスチック製の材料から作られている反対を向いたエンド面がある。2つのペグ型ガイドエレメントはそれぞれのエンド面から垂直に突出している。フィルターエレメントを作動可能な位置に持ってくるには、ガイドエレメントはエアコンのハウジング内に形成されたガイドグルーブに沿って配置される。このエアコン内で、2つのその種のフィルターエレメントがハウジングのフロー横断面の中でお互いに隣り合わせに配置される。取り付けおよび取り外し中のフィルターエレメントの完全な動きはフローの方向に対して垂直にガイドグルーブによって定義された平面の中でのみ発生する。ハウジング内へ第二フィルターエレメントを挿入した後、フロー横断面を囲むハウジング内のフィルターエレメントの挿入のために形成される開口部はカバーという方法で閉じられる。カバー内には更なるガイドグルーブが形成され、その中でハウジングにエッジサイドカバーが取り付けられた時に第二内側フィルターのガイドエレメントが挿入される。この筐体では、カバーは従ってフィルターエレメントの正しいポジショニングと保持における支持の役割を果たす。
【0005】
但し、フィルターエレメントが例えばヒンジ付きのフードあるいはエアダクトの一端などのフロー横断面に関してハウジング側の周りで全て閉じられているエアフィルター装置のフレーム横断面に挿入されるとなると、フィルターエレメントが作動位置を推定する同じ面でフィルターエレメントを挿入/取り外しを行うことはできない。それよりも、フィルターエレメントは最終的な作動位置の平面にフロー方向に対してあるいは中に動かさなくてはならない。
【0006】
フィルターエレメントがその種の閉じたハウジング横断面に挿入されているエアフィルター装置において、フィルターエレメントの搭載は作動位置におけるハウジング側の突起上に置くようフィルターエレメントを供することができる。これらの突起は例えば、受け入れハウジングフレー内に小型で内向きの突出している突起あるいはハウジングの反対側のハウジングウォール上にブラケットして形成される。
【0007】
フィルターエレメントの挿入について、フィルターエレメントのフレームが元の形に戻ってすぐに突起を支持している上にハウジング横断面を締め付ける突起を超えてフィルターエレメントを置けるようにするために最初に内向きに圧縮されなくてはならない。フィルターフレームのウォールが支持突起の上に正しく置かれないことがあり、突起に対してただ単に押し付けられていることもある。特に、突起が簡単に目視で確認できないエアフィルター装置のハウジングエリアにおいては、未検出のままの場合がある。このようにして、エアフィルター装置の望まない簡単に検出出来ない漏れが発生することがある。
【0008】
特許文献4は、全部閉じているエアフィルターハウジングの横断面あるいはフィルターフードにて締め付けるためのフレーム付きのフィルターエレメントについて解説している。外側に突出している連結エレメントは2つの反対方向を向いたサイドウォールの片側に配置され、挿入方向に対して直角にフレームの挿入方向で前を向いている。連結エレメントがハウジング側のゲートガイドに挿入される。割り当てられたガイドにおける連結エレメントのエンド位置において、周囲のハウジングに完全に挿入できるよう、フィルターエレメントはこのように形成されたピボット軸を中心に旋回することができる。2つの伸縮性のあるスナップインフックはフィルターエレメントのフレームのエンド面に取り付けられ、それは旋回軸の近くの後方ウォールの反対側にある。フィルターエレメントが旋回した時に、スナップインフックはフィルターハウジングの側面に形成されたそれぞれのラッチエレメントを締める。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】独国特許出願公開第10 2014 004 738 A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2007 048 396 A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2007 048 395 A1号明細書
【文献】独国特許出願公開第10 2013 020 382 A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、フィルターエレメントがフィルターハウジング内の所定の取り付け位置に簡単に搭載できる、冒頭に説明した種類の改良されたエアフィルタ装置、及び対応するエアフィルター装置に取り付けるための改良されたエアフィルター装置を提供することである。
【0011】
この作業は請求項1の特徴を持つエアフィルター装置と特許請求5の特徴を持つフィルターエレメントによるエアフィルター装置によって解決される。発明の好都合な更なる開発による利点を有した筐体が独立した特許請求の中で示されている。
【0012】
ここでは自動車用「エアフィルターハウジング」あるいは「ハウジング」とも呼ばれている発明に従ったエアフィルター装置は発明に従ってフィルターエレメント用の受け入れスペースを持つハウジングから構成されている。フィルターエレメントには最低でも幾つかの地域においてはフィルター材料を囲むフレームがあり、フレームはサイドウォールを繋ぐ2つの反対側を向いたサイドウォールと同様に反対側を向いた横のウォールから構成されている。第一突起は同じ横のウォールの近くの各サイドウォールから突出している。フィルターエレメントのフレームに該当するハウジングには2つの反対側を向いたハウジングサイドウォールがある。2つのハウジングサイドウォールにはそれぞれ最低でもひとつの隔壁があり、フィルターエレメントの該当するサイドウォールのそれぞれの第一突起がそれを意図する第一隔壁端部領域に挿入され、隔壁の第一方向に沿って到達することができる。
【0013】
発明に従って、2つの横のウォールの片方の近くにあるフィルターエレメントのそれぞれのサイドウォールから第二突起が突出するよう供され、ハウジングサイドウォールにはそれぞれ第二隔壁端部領域があり、それは第一方向とは逆の方向に向いており、フィルターエレメントがハウジングの受け入れスペース内で作動位置になるよう、それぞれの第二突起を挿入でき、それにそれぞれ関連あるいは意図する第二端部領域へ隔壁ガイドフランクに向けて内向きに挿入された時に、同じサイドウォールが上に配置された2つの突起との間の距離が縮まるように、サイドウォールが弾性的に変形可能である。
【0014】
第一突起が反対側のハウジングサイドウォールのそれぞれの隔壁端部領域に達したら、フィルターエレメントは支持されている突起によって形成された回転軸を中心にこの位置で旋回することができる。
【0015】
この後、2つのまだ自由、あるいは反対側にあるハウジングウォールの第二突起は第一突起の方向にフィルターエレメントのサイドウォールを圧縮することで与えられた第二隔壁端部領域へ持ってくることができ、それは例えば、第二突起により近いフィルターエレメントの横のウォールに圧力をかけることで自由にアクセス可能となる。これは第一と第二突起のぞれぞれの距離をお互いに縮め、突起はハウジング側の隔壁ガイドフランクに沿って導かれ、フィルターエレメントは受け入れスペース面への動きの最後に持ち上げられ、サイドウォールが変形する前の初期の状態に戻る結果として、第二突起が与えられた隔壁端部領域を埋める。フィルターエレメントはその後位置的に固定された方法で取り付け位置に保たれる。解説されたエアフィルター装置と関連するフィルターエレメントは非常に簡単に実行および安全な方法での処理が行えるように設置されることを可能にし、取り付け時における制御可能でガイドされた動きはフィルターエレメントが素早く安全に設置可能となることを保証する。エアフィルターユニットとフィルターエレメントの提案された設計の事実として、フィルターエレメント上にフロントロックメカニズムの必要性を排除し、設置スペースの節約につながる。
【0016】
隔壁の端部領域において、フィルターエレメントのサイドウォールの突起は隔壁から意図しない移動あるいは落下を防ぐためにエンド位置に固定され、その理由はフィルターエレメントがフィルターエレメントを取り外しあるいは分解するために変形させる必要があるためである。ハウジングからフィルターエレメントを取り外すためには、それぞれの突起が最低でも該当するサイドウォールの変形によるフィルターエレメントの中心軸の方向に隔壁に沿ってあるいは直交性のいずれかでフィルターエレメントのウォールに接続されているフィルター材料を例えば手動で繋げることでそれぞれの突起がエンド位置から外される。サイドウォールの変形なしで、突起はいずれにしろ、どのような場合においても隔壁から外すことができない。結果的に、フィルターエレメントはまた突起がそれぞれのエンド位置あるいはスプリッター端部領域にある場合、受け入れスペース内で安全に受け入れられる。
【0017】
エアフィルター装置は特に自動車のエアコンのエアフィルター装置あるいは換気システムとして設計可能である。更に、エアフィルター装置は自動車の内燃エンジンの吸気系、つまり、内燃エンジンによって引っ張られたエア用フィルターとして供することができる。
【0018】
それぞれのハウジングサイドウォールの最低でもひとつの隔壁にはそれに沿ったガイドウェブがあり、フィルターエレメントのそれぞれの該当するサイドウォールの第一突起が受け入れスペースにフィルターエレメントが挿入された時に隔壁の第一端部領域へと導くことができ、それぞれのハウジングのサイドウォールのローワーエッジに沿ってガイドウェブが伸びていることが好ましい。
【0019】
両側の下部にガイドウェブが供されているスプリッターはエアフィルター装置のハウジング内のフィルターエレメントの便利で確実な搭載を供する。このように隔壁セクションが添えられている方法で、そこには上向きと下向き両方の突起用のガイドがあり、第一の突起は劣悪あるいは視界が悪いそれぞれの隔壁端部領域に安定して第一の突起を誘導することができる。
【0020】
別の方法で、第一のハウジングウォールと第二ハウジングウォールの両方それぞれには2つの添え木があり、フィルターエレメントに関連したサイドウォール上に配置された突起の間隔の方法に向かい合わせのガイドフランクがあり、お互いに角度に対して存在することで供することができる。
【0021】
この筐体には、フィルターエレメントの2つの反対側を向いた突起はまずフィルターエレメントを搭載するためのそれぞれの隔壁あるいは隔壁エンドエリアに挿入することができる。この筐体では、フィルターエレメントを搭載するために、まずフィルターエレメントの反対側を向いた突起を別の選択肢として意図しているスプリッターあるいは隔壁端部領域に挿入でき、該当する横断面と平行して旋回軸が再び供され、フィルターエレメントをもうひとつの横断面で掴め、2つの自由な横の突起が関連する隔壁ガイドフランクに沿って動き、最初に挿入された突起の方向に圧力でこれらへの距離を縮め、そして持ち上げることで、関連する隔壁端部領域へ挿入することで、フィルターエレメントを作動位置に持ってくることができる。但し、フィルターエレメントはハウジングの受け入れスペースへ単純に下から垂直に挿入することも可能である。このようにして、ハウジングへのフィルターエレメントの挿入の形で、非常に簡単で信頼できるアセンブリを達成することも可能である。
【0022】
それぞれのハウジングウォールの2つの隔壁の隔壁端部領域は隔壁端部領域が分岐する方向に伸びながらそれぞれの隔壁ガイドフランクと直接隣接することが好ましい。
【0023】
ガイドフランクへの端部領域の直接の近さはフィルターエレメントの組み立てや分解も非常に簡単にし、これは隔壁の端部領域において支持されるべき突起との間の距離を縮めるサイドウォールの比較的少量の圧力のみを必要とするからである。隔壁の端部領域の分岐方向により、サイドウォールの圧縮後に再び分岐する突起はフィルターエレメントを作動位置で維持するための独自の一致の意図する位置を好都合に見つける。
【0024】
発明に従った自動車の上記のエアフィルター装置の発明に従ったフィルターエレメントは最低でも地域においてフィルターエレメントのフィルター材料を囲むフレームから構成され、フレームには第一のサイドウォール、そしてその向かい側に第二サイドウォールと同様、第一のものとそれの向かいに、サイドウォールを接続する第二横断ウォールを有している。第一のサイドウォールと第二サイドウォールの両側に、エアフィルター装置のハウジングの受け入れスペース内に挿入可能なフィルターエレメントを保つために2つの突起がそれぞれ配置され、該当あるいは関連するハウジングサイドウォールの隔壁端部領域、つまり、各ケースの場合、フィルターエレメントが設置された時にフィルターサイドウォールに隣接している。2つの突起はそれぞれのサイドウォールから突出している。
【0025】
発明に従って、サイドウォールの変形していない状態でサイドウォール上にそれぞれ配置された2つの突起との間の距離は意図する、あるいは割り当てられた該当するハウジングサイドウォールにおける隔壁端部領域との間の距離に該当し、サイドウォールは弾性的に変形可能なように設計され、サイドウォール上に配置されたそれぞれの2つの突起との間の距離がそれぞれのサイドウォールの弾性的変形の結果として縮めることができるように供されている。
【0026】
その種のフィルターエレメントはエアフィルター装置のハウジングの反対側のハウジングサイドウォールの中に形成される関連したハウジング側隔壁端部領域の2つの突起を最初に挿入することで予め決められた取り付け位置に簡単で確実に持ち込めることができ、それによってフィルターエレメントの最も近い横のウォールと平行して回転軸を供する。その後、まだ自由な反対側を向いたハウジングウォールの2つの突起は第一の突起の方向に第二突起により近いフィルターエレメントの横断壁に圧力によるフィルターエレメントのサイドウォールを圧縮することに関連あるいは意図した第二隔壁端部領域へハウジング側隔壁ガイドフランクに沿って持ってくることができ、それによってそれぞれの第一と第二突起との間の距離を縮める。フィルターエレメントはサイドウォールが変形していない初期の状態に戻ることで位置的に安全な方法によって取り付け位置で保つことができる。
【0027】
単純な設計により、フィルターエレメントは製造が簡単で廉価である。同じタイプの4つの突起のみがフィルターエレメントの2つのサイドウォールに供される必要があり、それは、例えば、サイドウォール用の織られていない材料に超音波溶接によって置くことができる。
【0028】
それぞれのサイドウォールの変形していない初期の形で、それぞれのサイドウォールに配置された2つの突起にはお互いに距離があり、その距離は突起に近いサイドウォールのエッジから2つの突起の内のそれぞれひとつの距離よりも何倍も遠いことが好ましい。
【0029】
従って、同じ側のサイドウォールに設置された2つの突起はそれぞれのサイドウォールの端部領域に配置されることが好ましい。2つの突起の第一のひとつはサイドウォールの第一のエッジに近く、2つの突起の第二のひとつはサイドウォールの第二エッジに近く、サイドウォールのエッジは突起がお互いに離れている距離の方向でお互いに向き合う。その種のエッジトゥエッジのポジショニング、あるいは言い換えると、それぞれのサイドウォールにおける突起の最大に可能なスペースはサイドウォールを変形させることで同じサイドウォール上に配置された2つの突起との間の距離を簡単に縮めてくれる。
【0030】
同じサイドウォール上に配置された2つの突起の内のひとつがこのサイドウォール上に配置された2つの突起の第二突起よりもより大きな外のり寸法を持っていることが好ましい。異なる外なり寸法を有するその種の突起によって、ハウジング側に隔壁の端部領域が適切に設計されている限り、フィルターエレメントが正しい位置に取り付けあるいは固定されていることが保証できる。これは適切な外のり寸法を有する突起のみがそれぞれの隔壁に挿入可能であることによって供することができるためである。これはエアフィルターハウジング内の正しい位置にフィルターエレメントの正しい取り付けを達成することを容易にしてくれる。
【0031】
特に、突起はそれぞれピンとして設計が可能である。例えば円形シリンダーの形状でこのタイプの突起はハウジング側のそれぞれの割り当てガイドに沿って特に低い摩擦によって動かすことができる。また、異なる直径を有するピンを製造することも容易である。
【0032】
同じサイドウォール上に配置された2つの突起の内のひとつがこのサイドウォール上に配置された2つの突起の第二突起よりもサイドウォールのローワーエッジにより近いことに限られる。同じサイドウォール上に配置された2つの突起はサイドウォールの高さの方向に異なる距離によってサイドウォールのローワーエッジから間隔が開けられていることがある。サイドウォールの高さはフィルターエレメントの作動中にフィルター材料を通過するエアの方向に平行であることが好ましい。ローワーエッジへの異なる近さにおける突起のその種の配置によって、エアフィルターハウジングに関して予め決められた方向にのみハウジング内に形成される受け入れスペースにフィルターエレメントを挿入できる。また、フィルターエレメントの処理は安全なアセンブリを促す。
【0033】
突起を有するサイドウォールがフレームのサイドウォールを接続する横断壁よりも柔らかいことに限る。突起を有するサイドウォールが更なるウォールよりも柔らかい場合、突起を有するサイドウォールは簡単に弾性的に変形させることができる。その反面、より硬い更なるウォールと比較すると、更なるウォールはフレームの良好な全体的な安定性を供する。ウォールの異なる硬さは突起付きのサイドウォールに他のウォールよりも薄さを与えることで簡単に供することができる。
【0034】
発明に従ったフィルターエレメント用に解説された好ましい筐体の利点は発明に従ったエアフィルター装置とその逆にも適用される。
【0035】
発明の更なる利点、特徴および詳細は以下の好ましい筐体と図解の解説から明らかになる。上記の解説の中の特徴および特徴の組み合わせ、および以下の図の解説の中の特徴や特徴の組み合わせまたは図単体の中で示されているものは各ケースで示されている組み合わせでの使用だけでなく、発明の視野から外れることなくその他の組み合わせあるいは単体として使用可能である。
【0036】
以下を示す。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】自動車のエアフィルター装置用のフィルターエレメントの透視図である。
【
図2】
図1に従ったフィルターエレメントを挿入あるいは設置可能なエアフィルター装置のハウジングの透視図である。
【
図3】
図2に従ったハウジングにおける
図1に従ったフィルターエレメント搭載の第一ステップである。
【
図4】
図2に従ったハウジングにおける
図1に従ったフィルターエレメント搭載の第二ステップである。
【
図5】
図2に従ったハウジングにおける
図1に従ったフィルターエレメント搭載の第三ステップである。
【
図6】
図1に従ったフィルターエレメントを取り付け位置に動かした
図2に従ったハウジングの区分を示す。
【
図7】
図1に従ったフィルターエレメントの変形例である。
【
図9】
図8に従ったハウジングに
図7に従ったフィルターエレメントを挿入する第一ステップである。
【
図10】
図8のハウジング
図7のフィルターエレメントを挿入する第二ステップである。
【
図11】
図8に従ったハウジングの
図7に従ったフィルターエレメントの取り付け位置に到達。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図の中で、同一あるいは機能的に同一なエレメントにそれぞれ同じ関連の表示が与えられている。
【0039】
図1は自動車のエアフィルター装置用フィルターエレメント10の図式透視図を示す。エアフィルター装置は概略透視図として
図2に示されているハウジング12から構成されている。それに従い、ハウジング12にはフィルターエレメント10を挿入できる受け入れスペース14がある。
【0040】
図1で示されているフィルターエレメント10の変形例において、フィルターエレメント10はフィルター材料18を完全に囲むフレーム16を有する。つまり、特にフィルタークロスの形であるフィルター材料18で、エアフィルター装置の作動中に濾過されるエアの流れはフレーム16内で保たれる。もしここで例示されているように、フィルターエレメント10がひだを付けたフィルターとして構成されている場合、フィルター材料18は複数のひだによる対応するひだを有しても良い。
【0041】
この場合、フレーム16はフィルターエレメント10の第一のサイドウォール20と、第一のサイドウォール20と横方向に対向する第二サイドウォール22とを備える。横方向は両頭矢印24によって
図1の中で描かれている。サイドウォール20、22のそれぞれには2つの突起が配されており、
図1に示すフィルターエレメント10の変形例では、これらの突起は保持ピン26、28、30として構成される。
【0042】
図1では、第一のサイドウォール20の上に配置されている第一保持ピン26と第一のサイドウォール20の上に配置されている第二保持ピン28が明らかに見える。2本の保持ピン26、28は両頭矢印24によって
図1の中で描かれている横方向と平行に第一のサイドウォール20から外側に向けて突出している。横方向に対向する第二サイドウォール22の上に配置され、同様に形成および配置された2本の保持ピンは、第一保持ピン30のみが
図1で部分的に見ることができる。
【0043】
保持ピン26、28、30はそれぞれのサイドウォール20、22へ接合あるいはその他の材料接合方法、それは例えば、超音波溶接による溶接などで接合可能である。更に、保持ピン26、28、30をそれぞれのサイドウォール20、22と一体的に形成することが可能である。
【0044】
図1の中で示されているフィルターエレメント10の変形例の中で、第一保持ピン26は第二保持ピン28よりも直径が大きい。第二サイドウォール22上に配置された2本の保持ピンにも同じことが適用され、より大きな直径の第一保持ピン30のみが
図1で示されている。
【0045】
ここで、フレーム16は、横方向に伸び、第一サイドウォール20と第二サイドウォール22をお互いに接続する2つの更なるウォール32、34も備える。
【0046】
図1から分かるように、サイドウォール20、22のそれぞれの上に形成された保持ピン26、28はサイドウォール20、22のそれぞれの端部領域に配される。つまり、例えば、第一の突起あるいは第一保持ピン26が第一サイドウォール20の第一エッジ36に近く、第二突起あるいは第二保持ピン28がサイドウォール20の第二エッジ38に近く、これらのエッジ36、38がフレーム16のお互いに反対側のコーナー領域によって形成される。コーナー領域あるいはエッジ36、38は横ウォール32、34のそれぞれによってサイドウォール20、22のそれぞれと交わる箇所により定義される。
【0047】
保持ピン26、28のそれぞれのエッジ36、38から、この保持ピン26、28に近く、あるいは対応する横ウォール32、34からの距離は2本の保持ピン26、28がお互いに持っている距離40は倍以上に短い。つまり、距離40はこの保持ピン26、28に近いエッジ36、38から保持ピン26、28のそれぞれの距離も何倍も遠いということである。
【0048】
更に、
図1で示されているフィルターエレメント10の変形例では、第一保持ピン26が第二保持ピン28よりも第一サイドウォール20のローワーエッジ41により近い。これは第二サイドウォール22の上に配置された保持ピンに同様に適用される。エアフィルター装置のハウジング12の中のフィルターエレメント10の取り付け状態において、第一サイドウォール20のローワーエッジ41はハウジング12の周辺42に面しており、受け入れスペース14が開いている方向である(
図2を参照)。
【0049】
図2に従って、ハウジング12には第一ハウジングウォール、あるいはより正確には、ハウジングサイドウォール44があり、ハウジングサイドウォール44は、フィルターエレメント10がハウジング12の受け入れスペース14を占める場合、第1サイドウォール20に関連あるいは隣接している。特に、第一サイドウォール20、あるいは第一サイドウォール20の上に任意に配置されたシーリングエレメントは、フィルターエレメント10がハウジング12の中に取り付けられた時に、第一ハウジングサイドウォール44の内側に隣接している。
【0050】
更に、ハウジング12には第二ハウジングウォール、あるいはより正確には、ハウジングサイドウォール46があり、ハウジングサイドウォール46は、第一ハウジングウォール44のハウジング12の横方向に対向する。
図2では、この横方向は
図1の両頭矢印24と平行した両頭矢印48によって描かれている。
【0051】
第一隔壁50は第一ハウジングウォール44の中で形成され、
図2では上部の輪郭のみが見える。但し、この隔壁50は、形状に関して第二隔壁52と全く同様に構成され、ハウジング12の第二ハウジングウォール46の反対側に形成される。ハウジングウォール46の内部を上から見た場合、隔壁52は閉じられたウォールのレリーフとして形成され、ローワーエッジ60のみが見える。
【0052】
図3はハウジングウォール44自体が外側に対して閉じているため、輪郭をよりはっきりと見せ、ガイドウェブ58と端部領域、あるいは隔壁端部領域54の形でハウジングウォール44の中のレリーフにおける隔壁50の輪郭がはっきりと見えるように切断されている。
【0053】
第一隔壁50はハウジングサイドウォール44の全長近くまで伸び、フィルターエレメント10の第一サイドウォール20の上に配置される2本の保持ピン26、28を受け入れるために反対側の隔壁端部領域54、72(
図2を参照)に構成されている。同様に、第二隔壁52が第二サイドウォール22の上に配置される保持ピンを受け入れるために端部領域56、74の中に構成され、
図1ではより大きな保持ピン30のみが見える。
【0054】
フィルターエレメント10がハウジング12に挿入中である
図3から、より大きな突起あるいは保持ピン26、30が隔壁50、52のそれぞれの端部領域54、56のそれぞれにねじ込まれるか、押し込まれるのが分かる。この挿入時に、現在、第二保持ピン28より大きな直径を有している第一保持ピン26、30とは限らないが、第一保持ピン26、30は隔壁50、52のそれぞれのガイドウェブ58、62の上にそれぞれの場合、誘導されている。ガイドウェブ58、62と平行して走る誘導隔壁50、52のアッパーエッジは隔壁50、52のエリアにレールを作り、突起あるいは保持ピン26、30が制御されて誘導可能となる。
【0055】
これに関連して、このガイドウェブ58が
図3の中のセクションで示されている第一ハウジングウォール44のローワーエッジ60に沿って伸びていることが
図2から分かる。同様に、第二サイドウォール22のより大きな直径を持つ保持ピン30が第二隔壁52に関連するガイドウェブ62の上にある(
図3を参照)。
図3では、矢印64が2本の保持ピン26、30が、関連する隔壁50、52の端部領域54、56のそれぞれに押し込まれる方向を描いている。
【0056】
フィルターエレメントの組み立て開始時に必要である隔壁50、52のレール状の領域への保持ピン26、30の通し、および隔壁端部領域54、56にガイドウェブ58、62に沿った保持ピン26、30の更なる挿入は、受け入れスペース14が形成されているハウジング12の下側が見えても見えなくても、本実施例では非常に有利に実現可能である。
【0057】
図4の図解によれば、ここではより大きいそれぞれの保持ピン26、30は、隔壁端部領域あるいは隔壁50、52の端部領域54、56のそれぞれにおいて、これらの最終一に到達する。つまり、ガイドピンあるいは保持ピン26、30は端部領域54、56のそれぞれにこれ以上深く押し込むことはできない。フィルターエレメント10の組み立てを行っている者がエンド位置に達したことを確証するとすぐに、フィルターエレメントは図解で分かるように上に向かってハウジング12あるいは受け入れスペース14に回して入れられる。ここで、フィルターエレメントは例えば自由にアクセス可能なフロント横ウォール34(
図1参照)にて、リア横ウォール32と平行して走り、より大きな直径を有する保持ピン26、30を貫通して延在するか、保持ピン26、30によって形成される旋回軸を中心に旋回する。
【0058】
該当する旋回の動きは更なる矢印66によって
図5の中で描かれている。
図5からも更に分かるように、ハウジング12へのフィルターエレメント10の旋回は第二保持ピン28が斜めの方向に向いた隔壁ガイドフランク、あるいは省略してガイドフランクと接触し、第一隔壁50の68が第一ハウジングウォール44の中に形成される(
図2を参照)。
【0059】
同様に、第二ハウジングウォール46の反対に形成された第二隔壁52は斜めの方向に向いたガイドフランク70を有している(
図2を参照)。第二サイドウォール22の上に形成される小さな維持ピン(示されていない)は、このガイドフランク70と接触し、横の方向に平行するフレーム16の第二サイドウォール22から外側に突出する。
【0060】
例えば、フロント横ウォール34を押すことによって、第二保持ピン28が、挿入スロープとして設計されているガイドフランク68に沿って、ハウジングの内部に向かって上向きに押されると、これが圧縮あるいはフレーム16のサイドウォール20の弾性的な変形を発生させる。すると、保持ピン26、28との間の距離40が縮まる。同様に、反対側の第二サイドウォール22は圧縮されるかあるいは弾性的に変形させることができる。従って、第二ハウジングウォール22の上に配置された2本の保持ピンの間の距離も縮まる。
【0061】
このように圧縮されたフィルター材料18を保つフレーム16は過剰圧力位置に到達した後、つまり、最も内側に突出しているガイドフランク68、70のそれぞれの位置に到達した後、つまり、対応するサイドウォールの中心に向かって隔壁端部領域72、74の高さに達した時に再び離れる。つまり、フィルターエレメント10は、サイドウォール20、22は弾性的に変形していない
図1で示される初期状態を再開する。結果的に、
図6からも分かるように、第二保持ピン28が第一ハウジングウォール44の中で形成されている第一隔壁50の第二端部領域72に侵入する。
【0062】
第一リンク50のこの第二端部領域72は
図2の中で輪郭としてのみ見ることができる。但し、第二ハウジングウォール46の中で形成される第二リンク52は、対応する第二端部領域74を有する。隔壁端部領域72、74のそれぞれの中で、この目的を意図あるいは割り当てられた保持ピン28はフィルターエレメントが作動位置に達した時に隔壁50、52から抜けることを防ぐために固定される。
【0063】
このことは、保持ピン28が第一サイドウォール20の上に配置されていることを示す
図6において示される、エアフィルター装置に設置されているフィルターエレメント10の詳細を示す模式図からも明らかである。
【0064】
フィルターエレメント10は、ハウジング12の受け入れスペース14の中のフィルターエレメント10の取り付け位置あるいは作動位置からのサイドウォール20、22のそれぞれの弾性的変形のみによってハウジング12から取り外すことができ、4本の保持ピン26、28、30が、これらに割り当てられたそれぞれの隔壁端部領域、あるいは2つのハウジングサイドウォール44、46(
図6では示されていない)の最終位置54、56、72、74に固定されている。フィルターエレメント10のウォール20、22、32、34に接続されたフィルター材料18の手動での連結およびフィルターエレメント10の対応する圧縮によって、それぞれの保持ピンは、保持ピン28用に
図5で示されているようにガイドスロープ68、70に沿った隔壁50、52のそれぞれの端部領域72、74から移動されるか、隔壁50、52の経路に直交にフィルター材料18を引っ張ることで端部領域54、56、72、74から抜くことができる。
【0065】
従って、フィルターエレメント10は、最初にそれぞれの保持ピン28を端部領域72、74のそれぞれから動かし、フィルターエレメント10を下向きに旋回させることで簡単に分解できる。フィルターエレメント10のこの旋回中にそれぞれの保持ピン28は最初に
図5で示されたフィルターエレメント10の位置に達するまで、対応するガイドフランク68、70に対して押し付けられる。そして、ここではより大きい2つの保持ピン26、28が、
図3中の矢印64によって示されている方向に逆らって、関連する隔壁50、52のもうひとつの端部領域54、46から引き抜くことができる。
【0066】
図7では、
図8の斜視図で示されているハウジング12の変形例に取り付け可能なフィルターエレメント10の変形例が斜視図で示されている。ここでも、ハウジング12にはその中で形成されたフィルターエレメント10用の受け入れスペース14がある。そして、
図7で示されているフィルターエレメント10においても、横の方向に平行して外側に突出している2本の突起は第一保持ピン76と第二保持ピン78の形で第一サイドウォール20の上に配置されている。横の方向は両頭矢印24によって描かれている。
【0067】
第一サイドウォール20同様、横の方向で第一サイドウォール20とは反対にあるフレーム16の第二サイドウォール22には第二サイドウォール22の横の方向に平行して外側に突出している2本の保持ピン(不図示)がある。
【0068】
図7で示されているフィルターエレメント10の変形例においても、保持ピン76、78間の距離40はサイドウォール20を変形させることで縮めることが可能である。これは第二サイドウォール22の上に配置された保持ピン間の距離に同様に適用される。また、この変形例で、保持ピン76、78は特に超音波溶接による接続あるいはサイドウォール20、22のそれぞれに一体として形成されることでサイドウォール20、22のそれぞれに結合あるいは溶接可能である。
【0069】
図7で示されているフィルターエレメント10の変形例において、保持ピン76、78は同じ全体寸法または同じ大きさの直径を有しているが、保持ピン76、78に関連する隔壁端部領域98、100の適切な設計によって、保持ピン76、78の異なる寸法を供することも可能であり、逆に
図1から6に示す実施形態は、適切な隔壁端部領域52、54、72、74と同じサイズの保持ピン26、28、30を有するように構成されてもよい。
【0070】
図8で示されているハウジング12の変形例で、対向するハウジングサイドウォール44、46はそれぞれ2つの短い隔壁80、82、84、86を有し、それらは再びレリーフという方法でハウジングウォール44、46のそれぞれに個別に形成される。
図8の斜視図は、第一ハウジングウォール44の中で形成あるいは第一ハウジングウォール44により供される2つの隔壁80、82の外側の輪郭のみを示す。但し、形状において、これらの隔壁80、82は、第二ハウジングウォール46の中で形成あるいは供される2つの隔壁84、86と全く同様に構成される。
【0071】
図9に従って、ハウジング12の受け入れスペース14フィルターエレメント10の設置は、
図1から6の実施形態と実質的に同様に行うこともでき、まず、対向するサイドウォール20、22から突出している2本の保持ピン76あるいは78が旋回軸を形成するため、これらに割り当てられた端部領域98、106または100、108に挿入され、その他の2本の保持ピン78あるいは76は上記のように、これらに割り当てられた端部領域100、108または98、106に挿入される。
【0072】
その反面、
図9から11に示される実施形態もまた、フィルターエレメント10を受け入れスペース14へ下から垂直に挿入することを可能にし、フィルターエレメント10の上にある4本の保持ピン76、78がこれらに割り当てられた隔壁端部領域98、100、106、108に同時に押し込まれる。この際、挿入動作は
図7の両頭矢印24によって示される横の方向と保持ピン76、78間の距離40とにまたがる平面に対して垂直である。対応する挿入方向は
図9の中で矢印88によって描かれている。このフィルターエレメント10のハウジング12への挿入はまた、ハウジング12の下側、つまり、周囲42に面した受け入れスペースの側面が見えなくてもオペレータによって簡単に実行でき、その理由は隔壁80、82、84、86の中の保持ピン76、78の支持ガイダンスで4つの全ての隔壁80、82、84、86は下向きで開いていて、ハウジングサイドウォール44、46の中の隔壁レリーフの対応領域では、保持ピン76、78を受け入れるためで、フィルターエレメント10が設置のために正しく並べられるとすぐに直感的な操作も可能となるからである。
【0073】
図10で示されているように、ハウジング12へのフィルターエレメント10のこの通しあるいは挿入の結果として、2本の保持ピン76、78が、保持ピン76、78用に供された隔壁80、82のガイドスロープとして構成されたガイドフランク90、92のそれぞれと接触する。
図8では、第一リンク80のガイドフランク90はここでは外側に閉じており切断されていないハウジングウォール44が示されているためその輪郭からしか認識できないが、第二隔壁82のガイドフランク92は、第一ハウジングサイドウォール44により提供される。
【0074】
図10における隔壁80、82の部分的断面図から、2つのガイドフランク90、92がお互いに斜めに配向されているのが明らかにわかる。従って、第一ハウジングウォール44(
図8参照)のローワーエッジ60の領域におけるこれらの隔壁ガイドフランク90、92間の距離はこのローワーエッジ60からのより長い距離よりも大きい。2つのガイドフランク90、92の互いに傾斜した配向は、フィルターエレメント10が受け入れスペース14の中に上向きに押されて挿入される間にサイドウォール20が弾性的に変形される効果を有する。これは2本の保持ピン76、78間の距離40を短くする。
【0075】
同様に、第二ハウジングウォール46に形成された2つの隔壁84、86には挿入スロープとして形成されたその種のガイドフランク94、96がある(
図8参照)。ここでも、第一隔壁84のガイドフランク94が第二リンク86のガイドフランク96同様、斜めに配向される。これらの2つのガイドフランク94、96の互いに傾斜した配向は、第二サイドウォール22の弾性的変形による受け入れスペース14へのフィルターエレメント10の挿入中にフレーム16の第二サイドウォール22の上に配置された突起あるいは保持ピン(不図示)がお互いに向かって移動されるという効果を有する。
【0076】
図11から分かるのは、2つの対向するサイドウォール20、22の圧縮後、フレーム16が、
図7で示されている形状、または、
図7で示されている初期状態に戻ることである。ここで、サイドウォール20、22のそれぞれの弾性的変形の後に、第一保持ピン76が、第一ハウジングウォール44の中で形成された第一隔壁80(
図9参照)の端部領域98に侵入する。
【0077】
同様に、第二保持ピン78が第一ハウジングウォール44の中でも形成された第二隔壁82の端部領域100に侵入する。これらの隔壁端部領域98、100がお互いに反対方向へと伸びることが分かる。同じサイドウォール20の上に配置された保持ピン76、78の端部領域98、100への動きは対応する矢印102、104によって
図11の中で描かれている。
【0078】
同様に、第二ハウジングウォール46の中で形成された第一隔壁84の端部領域106が、第二ハウジングウォール46の中で第二隔壁86の端部領域100に対して反対方向に伸びる(
図8参照)。第二サイドウォール22の上に配置された保持ピン(不図示)もこれらの端部領域106、108に侵入するにつれ、フィルターエレメント10はハウジング12の受け入れスペース14の予め決められた取り付け位置の中で確実に収容される。
【0079】
図1から
図6を参照して解説されているエアフィルター装置の変形例と、
図7から
図11を参照して解説されている変形例との両方において、フィルターフレーム16の固有の弾性、特に対向するサイドウォール20、22の弾性は、隔壁端部領域72、74、98、100、106、108においてそれぞれの最終位置への、特に保持ピン26、28、30、76、78という形の突起を動かすために用いられる。
【0080】
図1から
図6に基づいて説明された変形例において、フィルターエレメント10は最終位置に達するまで隔壁50、52に沿って斜め後ろ向きに最初押され、その後ハウジング12の中に収められ、受け入れスペース14の中にしっかりと固定される。
【0081】
図7から
図11を参照して解説されている変形例とは対照的に、フィルターエレメント10の保持ピン76、78を隔壁80、82、84、86のそれぞれに下から挿入する方法も可能である。フィルターエレメント10のサイドウォール20、22が再び拡張されたら、保持ピン76、78は端部領域98、100、106、108のそれぞれの最終位置に到達する。そしてフィルターエレメント10はハウジング12の受け入れスペース14におけるその完全な機能作動位置にある。