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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】電池モジュール及び電池システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/209 20210101AFI20231211BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20231211BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20231211BHJP
   H01M 10/653 20140101ALI20231211BHJP
   H01M 10/6554 20140101ALI20231211BHJP
   H01M 50/204 20210101ALI20231211BHJP
   H01M 50/262 20210101ALI20231211BHJP
   H01M 50/264 20210101ALI20231211BHJP
   H01M 50/289 20210101ALI20231211BHJP
   H01M 50/293 20210101ALI20231211BHJP
   H01M 50/588 20210101ALI20231211BHJP
   H01M 50/593 20210101ALI20231211BHJP
【FI】
H01M50/209
H01M10/613
H01M10/647
H01M10/653
H01M10/6554
H01M50/204 401H
H01M50/262 S
H01M50/264
H01M50/289
H01M50/293
H01M50/588
H01M50/593
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022539889
(86)(22)【出願日】2020-07-29
(86)【国際出願番号】 JP2020029161
(87)【国際公開番号】W WO2022024284
(87)【国際公開日】2022-02-03
【審査請求日】2022-06-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 博史
(72)【発明者】
【氏名】宮本 英則
(72)【発明者】
【氏名】福田 茂夫
(72)【発明者】
【氏名】狩野 雅
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-201186(JP,A)
【文献】特開2013-125617(JP,A)
【文献】国際公開第2015/008563(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第109256511(CN,A)
【文献】中国実用新案第206595367(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01M 50/50-50/598
H01M 10/60-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列される複数の電池を備え、前記複数の電池のそれぞれは、電極群と、前記電極群が収納される金属製の外装容器と、を備える電池列と、
前記電池列の配列方向について前記複数の電池の中で最も外側の最外電池に対して前記配列方向の前記外側から対向するフレーム側壁と、前記配列方向の内側へ前記フレーム側壁から突出するフレーム突出部と、を備え、電気絶縁性を有するフレームであって、前記最外電池に対して前記配列方向に交差する高さ方向の下側に前記フレーム突出部が隣接し、前記配列方向について前記フレーム突出部の内側に隣接して貫通孔が形成されるフレームと、
電気的絶縁性を有し、前記貫通孔に少なくとも一部が配置されるシートであって、前記高さ方向の前記下側から前記電池列の前記複数の電池に密着し、空気及び前記フレームに比べて熱伝導性が高いシートと、
前記高さ方向について前記シートに対して前記下側に配置される金属板と、
前記電気的絶縁性を有し、前記高さ方向について前記金属板と前記シートとの間において前記金属板に積層される絶縁膜であって、前記金属板及び前記シートに密着し、前記配列方向について前記フレーム突出部の突出端を超えて前記外側へ延設される絶縁膜と、
を具備する、電池モジュール。
【請求項2】
前記フレーム突出部と前記絶縁膜とが重なる部分は、5mm以上20mm以下となる、請求項1の電池モジュール。
【請求項3】
前記フレームは、前記フレーム突出部から前記高さ方向の前記下側へ延設されるフレーム脚部を備え、
前記フレーム脚部は、前記金属板及び絶縁膜に対して前記配列方向の前記外側に隣接し、
前記フレーム脚部は、前記配列方向について、前記フレーム突出部の前記突出端に対して前記外側に位置する、
請求項1又は2の電池モジュール。
【請求項4】
前記配列方向についての前記絶縁膜の寸法は、前記配列方向についての前記金属板の寸法と同一である、請求項1乃至3のいずれか1項の電池モジュール。
【請求項5】
前記配列方向の前記内側への前記金属板の外縁から前記絶縁膜の外縁までの距離は、3mm以下である、請求項1乃至4のいずれか1項の電池モジュール。
【請求項6】
前記最外電池のそれぞれへの前記シートの接触面積は、前記複数の電池の中の前記最外電池以外の電池のそれぞれへの前記シートの接触面積に比べて、小さい、
請求項1乃至5のいずれか1項の電池モジュール。
【請求項7】
前記最外電池と前記フレーム突出部との間、及び、前記最外電池と前記フレーム側壁との間の少なくとも一方に設けられ、前記最外電池を前記フレーム突出部及び前記フレーム側壁の少なくとも一方へ接着する接着剤をさらに具備する、請求項1乃至6のいずれか1項の電池モジュール。
【請求項8】
前記高さ方向について前記フレームと前記絶縁膜との間に設けられ、前記フレームを前記絶縁膜に粘着するテープをさらに具備する、請求項1乃至7のいずれか1項の電池モジュール。
【請求項9】
前記フレームを前記金属板へ連結する連結ネジをさらに具備し、
前記テープは、前記電池列の外周側に延設されるテープ延設部を備え、
前記連結ネジは、前記テープ延設部に対して前記外周側に位置する、
請求項8の電池モジュール。
【請求項10】
前記電池列において前記最外電池と前記配列方向について前記最外電池と隣り合う電池との間に配置され、前記最外電池を前記最外電池と隣り合う前記電池に対して電気的に絶縁する仕切り部材をさらに具備し、
前記フレームは、前記仕切り部材と係合することにより、前記仕切り部材に組付けられる、
請求項1乃至9のいずれか1項の電池モジュール。
【請求項11】
前記配列方向について前記外側から前記フレームに当たりし、前記配列方向の内側へ向かって前記フレームを押圧する端板をさらに具備する、請求項10の電池モジュール。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれか1項の電池モジュールと、
前記電池モジュールが前記高さ方向の上側から設置され、前記高さ方向について前記電池列との間に前記金属板が配置される土台と、
を具備する、電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電池モジュール及び電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
電池モジュールでは、複数の電池(単セル)が配列された電池列(電池群)が設けられる。また、電池モジュールでは、電池列等で発生した熱の外部への放熱性を向上させる観点から、冷却プレート等の土台に取付けられる構成のものがある。土台となる冷却プレートの内部には、冷却用流体が流れる流路等が形成されている。
【0003】
前述のように土台に取付けられる電池モジュールでは、電池列で発生した熱の土台等への放熱性が確保されるとともに、土台等の電池以外の導電体に対する電池列の絶縁が適切に確保されることが、求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2013/084937号
【文献】日本国特開2010-277863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、電池列で発生した熱の放熱性が確保されるとともに、電池以外の導電体に対する電池列の絶縁が適切に確保される電池モジュールを提供することにある。また、その電池モジュールを備える電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の電池モジュールは、電池列、フレーム、シート、金属板及び絶縁膜を備える。電池列は、配列される複数の電池を備え、複数の電池のそれぞれは、電極群と、電極群が収納される金属製の外装容器と、を備える。フレームは、電池列の配列方向について複数の電池の中で最も外側の最外電池に対して配列方向の外側から対向するフレーム側壁と、配列方向の内側へフレーム側壁から突出するフレーム突出部と、を備え、電気絶縁性を有する。フレーム突出部は、最外電池に対して高さ方向の下側に隣接し、配列方向についてフレーム突出部の内側に隣接して、貫通孔が形成される。シートは、電気的絶縁性を有し、貫通孔に少なくとも一部が配置される。シートは、高さ方向の下側から電池列の複数の電池に密着し、空気及びフレームに比べて熱伝導性が高い。金属板は、高さ方向についてシートに対して下側に配置される。絶縁膜は、電気的絶縁性を有し、高さ方向について金属板とシートとの間において金属板に積層される。絶縁膜は、金属板及びシートに密着し、配列方向についてフレーム突出部の突出端を超えて外側へ延設される。
【0007】
実施形態の電池システムは、前述の電池モジュール及び土台を備える。電池モジュールは、高さ方向の上側から土台に設置され、金属板は、高さ方向について電池列と土台との間に配置される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る電池単体の一例を概略的に示す斜視図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る電池モジュールを示す斜視図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る電池モジュールを、ケースの一部を省略して示す斜視図である。
図4図4は、第1の実施形態に係る電池モジュールを、部材ごとに分解した状態で示す斜視図である。
図5図5は、第1の実施形態に係る電池モジュールのケースの一部を示す斜視図である。
図6図6は、第1の実施形態に係る電池モジュールのケースの一部を、高さ方向の上側から視た状態で示す平面図である。
図7図7は、第1の実施形態に係る電池モジュールのケースにおいて、図5及び図6で示す部分とは別の一部を示す斜視図である。
図8図8は、第1の実施形態に係る電池モジュールに設けられる板接続体を示す概略図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る電池モジュールを、横方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す断面図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る電池モジュールを、奥行き方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す断面図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る電池モジュールを、奥行き方向に対して垂直又は略垂直で、かつ、図10の断面に対して奥行き方向についてずれた位置の断面で示す断面図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る電池モジュールを高さ方向の下側から視た状態で、かつ、金属板を省略して示す底面図である。
図13図13は、第1の実施形態に係る電池モジュールにおいて、ケースの側壁から奥行き方向の内側へ突出する突出部の1つ及びその近傍を、横方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す断面図である。
図14図14は、第1の実施形態に係る電池モジュールにおいて、ケースの側壁から横方向の内側へ突出する突出部の一方及びその近傍を、奥行き方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す断面図である。
図15図15は、第1の実施形態に係る電池モジュールにおいて、金属板をケースに連結する4つの連結ネジの1つ、及び、その近傍の構成を概略的に示す断面図である。
図16図16は、第1の変形例に係る電池モジュールのケースの一部を、高さ方向の上側から視た状態で示す平面図である。
図17図17は、第2の変形例に係る電池モジュールのケースの一部を、高さ方向の上側から視た状態で示す平面図である。
図18図18は、第3の変形例に係る電池モジュールに設けられるシートを示す概略図である。
図19図19は、第4の変形例に係る電池モジュールに設けられるシートを示す概略図である。
図20図20は、第5の変形例に係る電池モジュールを示す斜視図である。
図21図21は、第5の変形例に係る電池モジュールを部材ごとに分解して示す斜視図である。
図22図22は、第5の変形例に係る電池モジュールを、図20とは異なる方向から視た状態で、かつ、金属板を省略して示す斜視図である。
図23図23は、第5の変形例に係る電池モジュールを、横方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す断面図である。
図24図24は、第5の変形例に係る電池モジュールを、奥行き方向に対して垂直又は略垂直な断面で示す断面図である。
図25図25は、第6の変形例に係る電池モジュールを、金属板を省略して示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態について図面を参照して説明する。
【0010】
実施形態に係る電池システムは、土台と、土台に設置される電池モジュールと、を備える。そして、電池モジュールには、複数の電池(単セル)を備える電池群が搭載される。電池群を構成する電池は、例えば、リチウムイオン二次電池等の二次電池の単セルである。
【0011】
[電池]
まず、電池(単セル)について、説明する。図1は、電池1単体の一例を示す。電池(単セル)1は、電極群2と、電極群2が収納される外装容器3と、を備える。外装容器3は、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄又はステンレス等の金属から形成される。外装容器3は、容器本体5と、蓋6と、を備える。ここで、電池1及び外装容器3では、奥行き方向(矢印X1及び矢印X2で示す方向)、奥行き方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)横方向(矢印Y1及び矢印Y2で示す方向)、及び、奥行き方向及び横方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)高さ方向(矢印Z1及び矢印Z2で示す方向)が、規定される。電池1及び外装容器3のそれぞれでは、奥行き方向についての寸法が、横方向についての寸法、及び、高さ方向についての寸法のそれぞれに比べて、遥かに小さい。
【0012】
容器本体5は、底壁7及び周壁8を備える。電極群2が収納される内部空洞10は、底壁7及び周壁8によって規定される。電池1では、内部空洞10は、高さ方向について、底壁7が位置する側とは反対側へ向かって開口する。周壁8は、一対の側壁11及び一対の側壁12を備える。一対の側壁11は、横方向について内部空洞10を挟んで対向する。一対の側壁12は、奥行き方向について内部空洞10を挟んで対向する。側壁11のそれぞれは、側壁12の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。側壁12のそれぞれは、側壁11の間に、横方向に沿って連続して延設される。蓋6は、内部空洞10の開口において、容器本体5に取付けられる。したがって、蓋6は、底壁7とは反対側の端部で、周壁8に取付けられる。蓋6及び底壁7は、高さ方向について内部空洞10を挟んで対向する。
【0013】
電極群2は、例えば扁平形状に形成され、正極15及び負極16を備える。また、電極群2では、正極15と負極16との間にセパレータ(図示しない)が介在する。セパレータは、電気的絶縁性を有する材料から形成され、正極15を負極16に対して電気的に絶縁する。
【0014】
正極15は、正極集電箔等の正極集電体15Aと、正極集電体15Aの表面に担持される正極活物質含有層(図示しない)と、を備える。正極集電体15Aは、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔又はアルミニウム合金箔等であり、厚さが10μm~20μm程度である。正極活物質含有層は、正極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。正極活物質としては、これらに限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる酸化物、硫化物及びポリマー等が挙げられる。正極集電体15Aは、正極活物質含有層が未担持の部分として、正極集電タブ15Bを備える。
【0015】
負極16は、負極集電箔等の負極集電体16Aと、負極集電体16Aの表面に担持される負極活物質含有層(図示しない)と、を備える。負極集電体16Aは、これらに限定されるものではないが、例えば、アルミニウム箔、アルミニウム合金箔又は銅箔等であり、厚さが10μm~20μm程度である。負極活物質含有層は、負極活物質を備え、結着剤及び導電剤を任意に含んでもよい。負極活物質としては、特に限定されるものではないが、リチウムイオンを吸蔵放出できる金属酸化物、金属硫化物、金属窒化物及び炭素材料等が挙げられる。負極活物質の一例としては、チタン含有酸化物又は炭素質物が挙げられる。負極集電体16Aは、負極活物質含有層が未担持の部分として、負極集電タブ16Bを備える。
【0016】
電極群2では、正極集電タブ15Bは、負極16に対して突出する。そして、負極集電タブ16Bは、正極15に対して、正極集電タブ15Bの突出方向とは反対側へ突出する。電池1の内部空洞10では、電極群2は、正極集電タブ15Bが負極16に対して横方向の一方側へ突出する状態で、配置される。そして、電極群2では、負極集電タブ16Bが、電池1の横方向について、正極集電タブ15Bが突出する側とは反対側へ、正極15に対して突出する。
【0017】
また、内部空洞10では、電極群2に、電解液(図示しない)が保持(含浸)される。電解液は、電解質を有機溶媒に溶解させた非水電解液であってもよく、水溶液等の水系電解液であってもよい。電解液の代わりに、ゲル状電解質が用いられてもよく、固体電解質が用いられてもよい。固体電解質が電解質として用いられる場合、電極群において、固体電解質が、セパレータの代わりに、正極15と負極16との間に介在する。この場合、固体電解質により、正極15が負極16に対して電気的に絶縁される。
【0018】
電池1では、外装容器3の蓋6の外表面(上面)に、一対の電極端子17が取付けられる。電極端子17は、金属等の導電材料から形成される。電極端子17の一方が電池1の正極端子であり、電極端子17の他方が電池1の負極端子である。電極端子17のそれぞれと蓋6との間には、絶縁部材18が設けられる。電極端子17のそれぞれは、絶縁部材18によって、蓋6を含む外装容器3に対して電気的に絶縁される。
【0019】
電極群2の正極集電タブ15Bは、バックアップリード21A及びリード22A等の1つ以上の正極リードを介して、電極端子17の対応する一方である正極端子に、電気的に接続される。また、電極群2の負極集電タブ16Bは、バックアップリード21B及びリード22B等の1つ以上の負極リードを介して、電極端子17の対応する一方である負極端子に、電気的に接続される。正極リード及び負極リードのそれぞれは、金属等の導電材料から形成される。また、外装容器3の内部空洞10では、正極集電タブ15B及び正極リードのそれぞれは、1つ以上の絶縁部材(図示しない)によって、外装容器3(容器本体5及び蓋6)に対して電気的に絶縁される。そして、外装容器3の内部空洞10では、負極集電タブ16B及び負極リードのそれぞれは、1つ以上の絶縁部材(図示しない)によって、外装容器3に対して電気的に絶縁される。
【0020】
また、図1の一例では、蓋6に、ガス開放弁23及び注液口が、形成される。そして、蓋6の外表面に、注液口を塞ぐ封止板25が、溶接される。なお、ガス開放弁23及び注液口等は、電池に設けられなくてもよい。また、前述のような電池1の充電時及び放電時等では、電解液等を介した導通によって、外装容器3が、正極端子(17の対応する一方)の電位(正極電位)と負極端子の電位(負極電位)との間の電位になる可能性がある。
【0021】
[電池モジュール及び電池システム]
以下、電池モジュール及び電池モジュールを備える電池システムについて説明する。電池システムは、電池モジュールと、電池モジュールが設置される土台と、を備える。電池モジュールは、電池群を備え、電池群は、1つ以上の電池列を備える。1つ以上の電池列のそれぞれは、複数の電池(単セル)を備え、電池列のそれぞれでは、複数の電池が配列される。電池列を構成する複数の電池は、例えば、前述の電池1と同様の構成である。
【0022】
(第1の実施形態)
以下、電池システムの第1の実施形態について説明する。図2乃至図4は、本実施形態の電池システムに設けられる電池モジュール31を示す。図2乃至図4等に示すように、電池モジュール31は、電池群32と、電池群32が収納されるケース33と、を備える。ケース33によって、電池群32が収納される収納空洞35が規定される。電池群32は、前述の電池(単セル)1を複数備え、電池群32では、複数の電池1がバスバー(図示しない)等を介して電気的に接続される。電池群32では、複数の電池1が電気的に直列に接続される直列接続構造、及び、複数の電池1が電気的に並列に接続される並列接続構造の少なくとも一方が、形成される。
【0023】
ケース33は、電気的絶縁性を有する材料から形成される。ケース33を形成する材料としては、例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート(PC)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等の樹脂が挙げられる。図2乃至図4の一例では、ケース33は、ケース部材36,37を含む複数の部材から形成される。図3及び図4では、ケース33においてケース部材36以外の部分は省略して示し、図4では、部材ごとに分解した状態を示す。ここで、電池群32及びケース33を含む電池モジュール31では、奥行き方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)、奥行き方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)横方向(矢印Y3及び矢印Y4で示す方向)、及び、奥行き方向及び横方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)高さ方向(矢印Z3及び矢印Z4で示す方向)が、規定される。図2乃至図4の一例では、ケース部材(下側ケース部材)36は、高さ方向の下側(矢印Z4側)から、ケース部材(上側ケース部材)37に取付けられる。
【0024】
図5及び図6は、ケース33の一部を形成するケース部材(下側ケース部材)36を示す。図5は、斜視図であり、図6は、高さ方向の上側(矢印Z3側)から視た状態を示す。また、図7は、ケース33においてケース部材36とは別の一部を形成するケース部材(上側ケース部材)37を示す。図2乃至図7に示すように、ケース33は、天壁(上壁)41、底壁42及び周壁43を備える。ケース33では、天壁41及び底壁42は、高さ方向について収納空洞35を挟んで対向する。周壁43は、天壁41及び底壁42との間に、高さ方向に沿って連続して延設される。また、周壁43は、電池モジュール31の周方向について全周に渡って、収納空洞35を囲む。周壁43は、一対の側壁45(45A,45B)、及び、一対の側壁46(46A,46B)を備える。側壁45は、横方向について収納空洞35を挟んで対向する。側壁46は、奥行き方向について収納空洞35を挟んで対向する。側壁45のそれぞれは、側壁46の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。側壁46のそれぞれは、側壁45の間に、横方向に沿って連続して延設される。図2乃至図7の一例では、一対の側壁45の一方である側壁45Aは、一対の側壁45の他方である側壁45Bに対して、横方向の矢印Y3側に離れて配置される。そして、一対の側壁46の一方である側壁46Aは、一対の側壁46の他方である側壁46Bに対して、奥行き方向の矢印X3側に離れて配置される。
【0025】
また、ケース33は、2つの仕切り壁47を備える。仕切り壁47は、横方向について一対の側壁45の間に配置され、横方向について互いに対して離れて配置される。また、仕切り壁47のそれぞれは、横方向について側壁45のそれぞれから離れて配置される。仕切り壁47のそれぞれは、天壁41及び底壁42との間に、高さ方向に沿って延設される。また、仕切り壁47のそれぞれは、側壁46の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。前述のように2つの仕切り壁47が形成されるため、図2乃至図4の一例では、電池群32の収納空洞35は、仕切り壁47によって、3つの領域48に仕切られ、横方向について3分割される。ここで、3つの領域48を、横方向について矢印Y3側から順に領域48A,48B,48Cとする。領域48A,48Cは、領域48の中で両端に形成される2つとなり、領域48Bは、領域48の中で両端に形成される2つ(48A,48C)以外となる。
【0026】
底壁42には、3つの貫通孔51が形成される。底壁42では、領域48のそれぞれに1つずつ、貫通孔51が形成される。収納空洞35の領域48のそれぞれは、貫通孔51の対応する1つを通して、ケース33の外部に対して開口する。なお、3つの貫通孔51は、領域48Aに形成されるものを貫通孔51A、領域48Bに形成されるものを貫通孔51B、領域48Cに形成されるものを貫通孔51Cとする。
【0027】
底壁42は、三対の突出部52及び三対の中継部53を備える。底壁42では、領域48のそれぞれに一対ずつ、突出部52が設けられ、領域48のそれぞれに一対ずつ、中継部53が設けられる。3つの領域48のそれぞれでは、一対の突出部52のそれぞれが、側壁46の対応する一方から、奥行き方向の内側へ向かって突出する。ここで、一対の突出部52の一方である突出部52Aは、側壁46Aから側壁46Bが位置する側へ突出し、一対の突出部52の他方である突出部52Bは、側壁46Bから側壁46Aが位置する側へ突出する。
【0028】
また、領域48のそれぞれでは、奥行き方向について一対の突出部52の間に、貫通孔51が形成される。そして、領域48のそれぞれでは、突出部52Aの突出端によって貫通孔51の縁E1が形成され、突出部52Bの突出端によって貫通孔51の縁E2が形成される。したがって、貫通孔51のそれぞれは、奥行き方向(電池1の配列方向)について、突出部52の対応する一対の内側に隣接して形成される。貫通孔51のそれぞれでは、縁E1は、奥行き方向について、側壁46Aが位置する側(矢印X3側)の端に形成される。そして、貫通孔51のそれぞれでは、縁E2は、奥行き方向について、側壁46Bが位置する側(矢印X4側)の端、すなわち、縁E1とは反対側の端に形成される。縁E1,E2のそれぞれは、横方向に沿って延設される。なお、突出部52のそれぞれの側壁46からの突出長は、5mm以上20mm以下であることが好ましい。
【0029】
また、領域48のそれぞれでは、一対の中継部53のそれぞれによって、突出部52の間が中継される。中継部53のそれぞれは、突出部52の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。領域48のそれぞれでは、横方向について一対の中継部53の間に、貫通孔51が形成される。領域48の中で両端の2つ(48A,48C)のそれぞれでは、一対の中継部53の一方は、側壁45(45A,45B)の対応する一方から貫通孔51まで、横方向に沿って延設され、一対の中継部53の他方は、仕切り壁47の対応する1つから貫通孔51まで、横方向に沿って延設される。このため、領域48A,48Cのそれぞれでは、中継部53のそれぞれは、側壁45及び仕切り壁47の対応する1つから、貫通孔51に向かって突出する。また、領域48の中で両端の2つ以外である領域48Bでは、一対の中継部53のそれぞれは、仕切り壁47の対応する1つから貫通孔51まで、横方向に沿って延設される。このため、領域48Bでは、中継部53のそれぞれは、仕切り壁47の対応する1つから、貫通孔51に向かって突出する。また、領域48Aにおいて側壁45Aから突出する中継部53A、及び、領域48Cにおいて側壁45Bから突出する中継部53Bを規定する。中継部53Aは、側壁45Aから、横方向の内側へ向かって突出し、中継部53Bは、側壁45Bから、横方向の内側へ向かって突出する。
【0030】
領域48のそれぞれでは、中継部53の一方の突出端によって貫通孔51の縁E3が形成され、中継部53の他方の突出端によって貫通孔51の縁E4が形成される。貫通孔51のそれぞれでは、縁E3は、横方向について一方側(矢印Y3側)の端に形成され、縁E4は、横方向について縁E3とは反対側の端に形成される。なお、貫通孔51Aでは、縁E3が、横方向について側壁45Aが位置する側の端に形成され、縁E3は、中継部53Aの突出端によって形成される。また、貫通孔51Cでは、縁E4が、横方向について側壁45Bが位置する側の端に形成され、縁E4は、中継部53Bの突出端によって形成される。貫通孔51のそれぞれでは、縁E3,E4のそれぞれは、縁E1,E2の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。
【0031】
領域48のそれぞれでは、前述のように一対の突出部52及び一対の中継部53が形成されるため、突出部52及び中継部53によって、貫通孔51へ向かっての突出部分が、貫通孔51の全周に渡って形成される。そして、突出部52及び中継部53が形成する突出部分の突出端が、貫通孔51の全周に渡って、貫通孔51の縁を形成する。
【0032】
また、貫通孔51のそれぞれでは、縁E3,E4のそれぞれに、2つの凹部62が形成される。凹部62のそれぞれは、貫通孔51の外周側へ凹み、ケース33の横方向の一方側へ凹む。凹部62のそれぞれの底部は、曲面状(R面状)に形成され、凹部62のそれぞれの底部は、高さ方向からみて円弧状又は略円弧状になる。縁E3,E4のそれぞれでは、縁E1(突出部52A)が位置する側の端に、2つの凹部62の一方が形成され、縁E2(突出部52B)が位置する側の端に、2つの凹部62の他方が形成される。このため、貫通孔51のそれぞれでは、奥行き方向について突出部52A(側壁46A)が位置する側の端に一対の凹部62が形成され、奥行き方向について突出部52B(側壁46B)が位置する側の端に一対の凹部62が形成される。
【0033】
貫通孔51のそれぞれでは、横方向についての寸法(縁E3,E4の間の距離)が、一対の凹部62が設けられる2箇所で、他の領域に比べて、大きい。なお、中継部53のそれぞれの側壁45又は仕切り壁47からの突出長は、凹部62が形成される領域では、5mm以上20mm以下であることが好ましい。
【0034】
電池群32は、1つ以上の電池列55を備え、図3及び図4等の一例では、電池群32は、3つの電池列55を備える。電池列55のそれぞれは、収納空洞35において領域48の対応する1つに配置される。そして、電池モジュール31の横方向について互いに対して隣り合う電池列55の間は、仕切り壁47で仕切られる。電池列55では、複数の電池1が配列され、図3及び図4等の一例では、電池列55のそれぞれにおいて、8つの電池1が配列される。電池列55のそれぞれでは、電池1の配列方向が電池モジュール31(ケース33)の奥行き方向と一致又は略一致する状態に、電池1が配列される。3つの領域48のそれぞれでは、電池列55は、底壁42の一対の突出部52及び一対の中継部53に対して、高さ方向の上側に隣接する。なお、3つの電池列55は、領域48Aに配置されるものを電池列55A、領域48Bに配置されるものを電池列55B、領域48Cに配置されるものを電池列55Cとする。
【0035】
また、電池群32(電池列55のそれぞれ)では、電池1のそれぞれの奥行き方向が、電池モジュール31(ケース33)の奥行き方向と一致又は略一致し、電池1のそれぞれの横方向が、電池モジュール31の横方向と一致又は略一致する。そして、電池群32では、電池1のそれぞれの高さ方向が、電池モジュール31の高さ方向と一致又は略一致する。そして、電池1のそれぞれは、ケース33の底壁42が位置する側を底壁7の外表面が向き、かつ、ケース33の天壁41が位置する側を蓋6の外表面が向く状態で、収納空洞35に配置される。また、電池列55のそれぞれでは、複数の電池1は、電池モジュール31の横方向及び高さ方向について、互いに対してずれることなく、又は、ほとんどずれることなく、配列される。また、3つの電池列55は、電池モジュール31の奥行き方向及び高さ方向について、互いに対してずれることなく、又は、ほとんどずれることなく、配置される。
【0036】
また、領域48のそれぞれでは、複数の区分け板56がケース33によって形成される。図5及び図6等の一例では、中継部53のそれぞれに、7つの区分け板56が形成され、中継部53のそれぞれでは、区分け板56は、高さ方向の上側へ向かって突出する。領域48のそれぞれでは、横方向について両端部に、区分け板56が配置される。また、一対の中継部53の一方に形成される区分け板56のそれぞれは、一対の中継部53の他方に形成される区分け板56の対応する1つに対して、奥行き方向について、ずれていない又はほとんどずれていない。このため、領域48のそれぞれは、区分け板56によって、電池列55の対応する1つを形成する電池1の数と同一の数の区分け範囲に、区分けされる。図5及び図6等の一例では、領域48のそれぞれは、8つの区分け範囲に区分けされる。電池列55のそれぞれでは、電池1のそれぞれは、前述の区分け範囲の対応する1つに配置される。前述のように区分け板56が設けられるため、電池群32の電池列55のそれぞれでは、配列方向(電池モジュール31の奥行き方向)について互いに対して隣り合う電池1の間に、一対の区分け板56が設けられる。
【0037】
また、電池列55のそれぞれでは、配列方向(電池モジュール31の奥行き方向)について互いに対して隣り合う電池1の間に、仕切り板(セパレータ)57が設けられる。電池列55のそれぞれには、仕切り板57は、1つ以上設けられ、図4等の一例では、電池列55のそれぞれに7つの仕切り板57が設けられる。仕切り板57のそれぞれは、少なくとも外表面が電気的絶縁性を有する材料から形成される。仕切り板57の少なくとも外表面を形成する材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリカーボネート(PC)及びポリブチレンテレフタレート(PBT)等の電気的絶縁性を有する樹脂が挙げられる。領域48のそれぞれでは、仕切り板57のそれぞれは、区分け板56の対応する一対に対して、奥行き方向について、ずれていない又はほとんどずれていない。
【0038】
また、仕切り板57は、領域48Aに配置されるものを仕切り板57A、領域48Bに配置されるものを仕切り板57B、領域48Cに配置されるものを仕切り板57Cとする。このため、図4等の一例では、仕切り板57Aが7牧、仕切り板57Bが7枚、仕切り板57Cが7枚設けられる。仕切り板57Aのそれぞれは、仕切り板57Bの対応する1つ、及び、仕切り板57Cの対応する1つに対して、奥行き方向(配列方向)について、ずれていない又はほとんどずれていない。したがって、仕切り板57Aのそれぞれは、仕切り板57Bの対応する1つ、及び、仕切り板57Cの対応する1つに対して、横方向に並んで配置される。図4等の一例では、横方向に並ぶ3つの仕切り板57A~57Cが互いに対して接続され、3つの仕切り板57A~57Cから1つ板接続体60が形成される。なお、図4等の一例では、仕切り板57のそれぞれは、ケース33とは別体であるが、別のある一例では、仕切り板57のそれぞれがケース33と一体に形成されてもよい。
【0039】
図8は、板接続体60を示す。図4等の一例では、7つの板接続体60が設けられる。図4及び図8に示すように、板接続体60では、3つの仕切り板57A~57Cが、接続部61を介して、一体に接続される。接続部61は、横方向について互いに対して隣り合う2つの仕切り板57の間を接続する。したがって、板接続体60には、仕切り板57A,57Bの間を接続する接続部61、及び、仕切り板57B,57Cの間を接続する接続部61が形成される。
【0040】
仕切り板57のそれぞれでは、高さ方向について下側の縁に、板突起63が形成される。仕切り板57のそれぞれでは、板突起63は、電池モジュール31の高さ方向について下側へ突出する。仕切り板57のそれぞれでは、電池モジュール31の横方向(仕切り板57の幅方向)について中央部に、板突起63が形成される。板接続体60において両端の2つの仕切り板57A,57Cのそれぞれには、傾斜縁64が形成される。仕切り板57A,57C以外の仕切り板57Bには、傾斜縁64が形成されない。仕切り板57A,57Cのそれぞれでは、高さ方向について上側の縁に傾斜縁64が形成される。そして、仕切り板57A,57Cのそれぞれでは、傾斜縁64は、横方向について外側の縁まで延設される。仕切り板57A,57Cのそれぞれでは、傾斜縁64は、高さ方向及び横方向の両方に対して傾斜する状態で、延設される。傾斜縁64では、電池モジュール31の横方向について外側の部位ほど、すなわち、外側の縁に近い部位ほど、高さ方向について下側に位置する。
【0041】
図7に示すように、ケース部材(上側ケース部材)37では、仕切り壁47のそれぞれを形成する部位に、溝67が形成される。仕切り壁47のそれぞれには、溝67が板接続体60と同一の数だけ形成され、図7等の一例では、仕切り壁47のそれぞれに7つの溝67が形成される。仕切り壁47のそれぞれでは、溝67のそれぞれは、板接続体60の対応する1つに対して、奥行き方向について、ずれていない又はほとんどずれていない。板接続体60のそれぞれでは、仕切り板57A,57Bの間の接続部61が、領域48A,48Bの間の仕切り壁47に形成される溝67の対応する1つに、挿入される。そして、板接続体60のそれぞれでは、仕切り板57B,57Cの間の接続部61が、領域48B,48Cの間の仕切り壁47に形成される溝67の対応する1つに、挿入される。
【0042】
図2及び図4等に示すように、電池モジュール31は、電池群32及びケース33が設置される金属板(底板)65を備える。金属板(放熱板)65は、ケース33に比べて熱伝導性が高い。金属板65を形成する材料としては、例えば、アルミニウム及びアルミニウム合金が挙げられる。金属板65は、電池モジュール31の高さ方向について底壁42が位置する側(下側)から、ケース33に取付けられる。なお、金属板65は、必要に応じて適切な寸法及び形状等に形成され、ある一例では、厚さが0.5mm以上5mm以下程度の平板状又は略平板状に形成される。
【0043】
図9乃至図11は、前述の電池モジュール31を備える電池システム30を示す。図9は、電池モジュール31の横方向に対して垂直又は略垂直な断面を示し、図10及び図11は、電池モジュール31の奥行き方向に対して垂直又は略垂直な断面を示す。また、図11では、図10の断面に対して奥行き方向についてずれた位置での断面を示す。図10に示すように、領域48のそれぞれでは、仕切り板57のそれぞれの板突起63は、横方向について、区分け板56の対応する一対の間に配置される。すなわち、仕切り板57のそれぞれの板突起63は、区分け板56の対応する一対の間の隙間に、挿入される。
【0044】
図12は、電池モジュール31を高さ方向の下側から視た状態で、かつ、金属板65を省略して示す。図13は、側壁46から奥行き方向の内側へ突出する突出部52の1つ及びその近傍を示し、図14は、側壁45から横方向の内側へ突出する中継部53A,53Bの一方及びその近傍を示す。図13は、電池モジュール31の横方向に対して垂直又は略垂直な断面を示し、図14は、電池モジュール31の奥行き方向に対して垂直又は略垂直な断面を示す。
【0045】
図4及び図9乃至図14に示すように、電池モジュール31は、3つのシート66を備える。シート66のそれぞれは、可塑性及び電気的絶縁性を有し、ケース33及び空気に比べて熱伝導性が高い。シート66のそれぞれを形成する材料としては、シリコーン等の可塑性及び電気的絶縁性を有する樹脂、及び、その樹脂とアルミナ粒子との混合材料等が挙げられる。シート66のそれぞれは、電池モジュール31の高さ方向について、電池群32と金属板65との間で挟まれ、金属板65は、高さ方向についてシート66に対して下側(電池群32とは反対側)に配置される。
【0046】
シート66のそれぞれは、収納空洞35において貫通孔51の対応する1つに配置される。そして、シート66のそれぞれは、電池列55の対応する1つに密着する。電池列55のそれぞれでは、電池モジュール31の高さ方向について金属板65が位置する側(下側)から、シート66の対応する1つが電池1のそれぞれの外装容器3(底壁7)に密着する。なお、3つのシート66は、貫通孔51Aに配置されるものをシート66A、貫通孔51Bに配置されるものをシート66B、貫通孔51Cに配置されるものをシート66Cとする。このため、シート66Aは、電池列55Aに高さ方向の下側から密着し、シート66Bは、電池列55Bに高さ方向の下側から密着し、シート66Cは、電池列55Cに高さ方向の下側から密着する。
【0047】
領域48のそれぞれでは、前述のように一対の突出部52及び一対の中継部53によって、貫通孔51へ向かっての突出部分が形成される。このため、領域48のそれぞれでは、電池モジュール31の横方向についてシート66に対して両側に、底壁42の中継部53が隣接する。そして、領域48のそれぞれでは、電池モジュール31の奥行き方向(電池列55の配列方向)についてシート66に対して両側(外側)に、底壁42の突出部52(52A,52B)が隣接する。
【0048】
電池列55のそれぞれでは、シート66が高さ方向の下側から密着する部位が形成される。また、電池列55のそれぞれでは、中継部53が高さ方向の下側に隣接する部位、及び、突出部52が高さ方向の下側に隣接する部位が、形成される。電池列55のそれぞれでは、中継部53が隣接する部位は、シート66が密着する部位に対して、横方向の両側に隣接する。また、電池列55のそれぞれでは、突出部52が隣接する部位は、シート66が密着する部位に対して、奥行き方向(配列方向)の両側に隣接する。
【0049】
ここで、電池列55のそれぞれにおいて、配列方向について複数の電池1の中で最も外側の最外電池1A,1Bを規定する。電池列55のそれぞれでは、最外電池1A,1Bは、配列方向について両端に配置される。なお、図9等の一例では、電池列のそれぞれにおいて、最外電池1Aは、奥行き方向について側壁46Aが位置する側の端に配置され、最外電池1Bは、奥行き方向について側壁46Bが位置する側の端、すなわち、最外電池1Aとは反対側の端に配置される。
【0050】
電池列55のそれぞれにおいて、最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれには、シート66が密着する部位、及び、中継部53が隣接する部位のみが形成され、突出部52が隣接する部位は形成されない。一方、最外電池1Aには、シート66が密着する部位、及び、中継部53が隣接する部位に加えて、突出部52Aが隣接する部位が形成される。そして、最外電池1Bには、シート66が密着する部位、及び、中継部53が隣接する部位に加えて、突出部52Bが隣接する部位が形成される。このため、電池列55のそれぞれでは、最外電池1A,1Bのそれぞれへのシート66の接触面積は、最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれへのシート66の接触面積に比べて、小さい。
【0051】
また、最外電池1A,1Bのそれぞれでは、電池モジュール31の奥行き方向について外側の部位に、突出部52が隣接する部位が形成される。したがって、最外電池1Aでは、側壁46Aに近い側の部位に対して、突出部52Aが高さ方向の下側に隣接し、最外電池1Bでは、側壁46Bに近い側の部位に対して、突出部52Bが高さ方向の下側に隣接する。ここで、最外電池1A,1Bのそれぞれにおける奥行き方向の全寸法L1、及び、最外電池1A、1Bのそれぞれにおいて突出部52が隣接する部位の奥行き方向についての寸法L2を、規定する(図13参照)。寸法L2は、最外電池1A,1Bのそれぞれにおいて、奥行き方向の外側の端から突出部52の突出端までの寸法に相当する。本実施形態では、寸法L2の寸法L1に対する比率は、20%以上70%以下であることが好ましい。
【0052】
本実施形態では、図13等に示すように、最外電池1Aは、接着剤91を介して、突出部52Aに接着される。そして、最外電池1Bは、接着剤を介して、中継部53に接着される。最外電池1A,1Bのそれぞれにおいて突出部52が隣接する部位では、外装容器3の底壁7が、突出部52に接着される。なお、最外電池1Aは、突出部52Aの代わりに、又は、突出部52Aに加えて、側壁46Aに接着されてもよい。また、最外電池1Bは、突出部52Bの代わりに、又は、突出部52Bに加えて、側壁46Bに接着されてもよい。電池モジュール31では、最外電池1Aと突出部(フレーム突出部)52Aとの間、及び、最外電池1Aと側壁(フレーム側壁)46Aとの間の少なくとも一方に、接着剤が設けられることが、好ましい。また、電池モジュール31では、最外電池1Bと突出部(フレーム突出部)52Bとの間、及び、最外電池1Bと側壁(フレーム側壁)46Bとの間の少なくとも一方に、接着剤が設けられることが、好ましい。なお、ある一例では、最外電池1A,1Bのそれぞれは、接着剤等を介して、中継部53に接着されてもよい。また、最外電池1A,1Bのそれぞれは、接着剤等を介して、側壁45及び仕切り壁47の対応するいずれかに接着されてもよい。
【0053】
本実施形態では、最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれは、接着剤等を介して、中継部53に接着される。最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれにおいて中継部53が隣接する部位では、外装容器3の底壁7が、中継部53に接着される。なお、最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれは、中継部53の代わりに、又は、中継部53に加えて、側壁45及び仕切り壁47の対応するいずれかに接着されてもよい。また、電池1のそれぞれは、対応する区分け板56に、接着剤等を介して、接着されてもよい。また、ある一例では、接着剤91等の接着剤が設けられず、電池1のそれぞれがケース33に接着されていなくてもよい。
【0054】
接着剤91等の接着剤としては、シリコーン系又はエポキシ系の接着剤が用いられることが好ましい。また、用いられる接着剤は、比較トラッキング指数(CTI:Comparative Tracking Index)が175以上であることが好ましい。比較トラッキング指数は、IEC60112及びIEC60587等の比較トラッキング指数の測定方法に基づいて、測定可能である。接着剤91の比較トラッキング指数が175以上であるため、電池1のそれぞれ(電池列55)と電池以外の導電体との接着剤を介しての短絡等が、有効に防止される。なお、前述したシート66のそれぞれも、比較トラッキング指数が175以上であることが、好ましい。これにより、電池1のそれぞれ(電池列55)と電池以外の導電体とのシート66を介しての短絡、及び、複数の電池1の間でのシート66を介しての短絡等が、有効に防止される。
【0055】
図9乃至図14等に示すように、貫通孔51のそれぞれは、シート66の対応する1つによってほぼ充填される。ただし、貫通孔51のそれぞれにおいて4つの凹部62には、シート66の対応する1つが充填されていない。また、貫通孔51のそれぞれでは、設計上及び製造上の都合等から、配置されるシート66と突出部52のそれぞれの突出端との間に、隙間が形成される場合がある。同様に、貫通孔51のそれぞれでは、設計上及び製造上の都合等から、配置されるシート66と中継部53のそれぞれの突出端との間に、隙間が形成される場合がある。
【0056】
また、電池モジュール31では、金属板65において電池群32が位置する側を向く面(上側を向く面)に、絶縁膜68が形成される。絶縁膜68は、電池モジュール31の高さ方向について、シート66と金属板65との間に形成され、シート66に対して高さ方向の下側に隣接する。絶縁膜68は、電気的絶縁性を有する。絶縁膜68は、例えばフィルム等であり、電気的絶縁性を有する樹脂から形成される。絶縁膜68を形成する樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド(PI)及びポリエチレンテレフタレート(PET)等が挙げられる。また、絶縁膜68は、前述した樹脂にセラミックスフィラー等の無機物フィラーを混合した混合材料から形成されてもよい。絶縁膜68は、金属板65に対して電池群32が位置する側(高さ方向の上側)に積層される。絶縁膜68は、熱圧着による接着又は両面テープによる接着等によって、金属板65に積層される。このため、絶縁膜68は、高さ方向について電池群32が位置する側(上側)から金属板65に密着する。また、絶縁膜68には、シート66のそれぞれが、高さ方向の上側から密着する。なお、ある一例では、金属板65がアルミニウム合金又は銅合金から形成され、金属板65の絶縁膜68が積層される表面を化成処理等することにより、絶縁膜68の金属板65への密着性を高めてもよい。また、絶縁膜68は、比較トラッキング指数が175以上であることが、好ましい。絶縁膜68の比較トラッキング指数が175以上であるため、電池1のそれぞれ(電池列55)と電池以外の導電体との絶縁膜68を介しての短絡等が、有効に防止される。
【0057】
図9乃至図11等の一例では、絶縁膜68は、金属板65の上側を向く面の全体に渡って形成される。この場合、奥行き方向(電池列55の配列方向)についての絶縁膜68の寸法は、奥行き方向(電池列55の配列方向)についての金属板65の寸法と同一又は略同一である。そして、横方向についての絶縁膜68の寸法は、横方向についての金属板65の寸法と同一又は略同一である。なお、別の一例では、金属板65の上側を向く面の全体に渡って絶縁膜68が形成されなくてもよい。ただし、この場合でも、絶縁膜68は、金属板65の上側を向く面の大部分に渡って形成される。すなわち、奥行き方向(電池列55の配列方向)について絶縁膜68の外縁が金属板65の外縁に対して内側に位置する場合でも、奥行き方向について内側への金属板65の外縁から絶縁膜68の外縁まで距離は、3mm以下であることが好ましい。そして、横方向について絶縁膜68の外縁が金属板65の外縁に対して内側に位置する場合でも、横方向について内側への金属板65の外縁から絶縁膜68の外縁まで距離は、3mm以下であることが好ましい。また、突出部52のそれぞれの側壁46からの突出長は、高さ方向から視て突出部(フレーム突出部)52のそれぞれと絶縁膜68が重なる部分の奥行き方向についての寸法と、一致又は略一致する。したがって、突出部52のそれぞれと絶縁膜68が重なる部分の奥行き方向(電池1の配列方向)についての寸法は、5mm以上20mm以下であることが好ましい。
【0058】
金属板65及び絶縁膜68は、奥行き方向(配列方向)について、突出部52Aの突出端(貫通孔51の縁E1)から突出部52Bの突出端(貫通孔51の縁E2)まで、連続して延設される。また、金属板65及び絶縁膜68は、奥行き方向について、突出部52Aの突出端より外側の位置まで延設される。そして、金属板65及び絶縁膜68は、奥行き方向について、突出部52Bの突出端より外側の位置まで延設される。すなわち、金属板65及び絶縁膜68は、奥行き方向(電池1の配列方向)について、突出部52Aの突出端を超えて外側へ延設され、突出部52Bの突出端を超えて外側へ延設される。したがって、金属板65及び絶縁膜68は、電池1の配列方向について、シート66A~66Cのそれぞれと突出部52Aとの間の隙間を超えて外側へ延設され、シート66A~66Cのそれぞれと突出部52Bとの間の隙間を超えて外側へ延設される。
【0059】
金属板65及び絶縁膜68は、横方向について、中継部53Aの突出端(貫通孔51Aの縁E3)から中継部53Bの突出端(貫通孔51Cの縁E4)まで、連続して延設される。また、金属板65及び絶縁膜68は、横方向について、中継部53Aの突出端より外側の位置まで延設される。そして、金属板65及び絶縁膜68は、横方向について、中継部53Bの突出端より外側の位置まで延設される。すなわち、金属板65及び絶縁膜68は、横方向について、中継部53Aの突出端を超えて外側へ延設され、中継部53Bの突出端を超えて外側へ延設される。したがって、金属板65及び絶縁膜68は、電池モジュール31の横方向について、シート66Aと中継部53Aとの間の隙間を超えて外側へ延設され、シート66Cと中継部53Bとの間の隙間を超えて外側へ延設される。
【0060】
前述のように金属板65及び絶縁膜68が形成されるため、領域48のそれぞれでは、金属板65及び絶縁膜68は、貫通孔51の縁E1~E4を超えて外周側へ延設される。そして、絶縁膜68は、ケース33の突出部52、中継部53及び仕切り壁47のそれぞれに対して、高さ方向の下側に隣接する。そして、高さ方向について突出部52のそれぞれと金属板65との間、高さ方向について中継部53のそれぞれと金属板65との間、及び、高さ方向について仕切り壁47と金属板65との間には、絶縁膜68が形成される。
【0061】
前述のように電池モジュール31が形成されるため、シート66、及び、ケース33の突出部52及び中継部53のそれぞれは、電池モジュール31の高さ方向について、電池群32と金属板65との間に位置する。また、電池モジュール31では、電池列55のそれぞれで発生した熱は、シート66の対応する1つ及び絶縁膜68を通して、金属板65へ伝達される。したがって、シート66等によって、電池群32から金属板65への伝熱経路が形成される。
【0062】
また、図9及び図13等に示すように、ケース33の底壁42は、一対の脚部83を備える。脚部83の一方である脚部83Aは、側壁46Aの下端に接続される。そして、脚部83Aは、突出部52Aから高さ方向の下側へ延設され、突出部52Aに対して高さ方向について金属板65が位置する側へ突出する。また、脚部83Aは、金属板65及び絶縁膜68に対して、奥行き方向(配列方向)の外側に隣接する。そして、金属板65及び絶縁膜68のそれぞれと脚部(フレーム脚部)83Aとの間の隙間は、電池1の配列方向について、シート66A~66Cのそれぞれと突出部52Aとの間の隙間に対して外側に位置する。すなわち、脚部83Aは、電池1の配列方向について、突出部52Aの突出端に対して外側に位置する。
【0063】
脚部83の他方である脚部83Bは、側壁46Bの下端に接続される。そして、脚部83Bは、突出部52Bから高さ方向の下側へ延設され、突出部52Bに対して高さ方向について金属板65が位置する側へ突出する。また、脚部83Bは、金属板65及び絶縁膜68に対して、奥行き方向(配列方向)の外側に隣接する。そして、金属板65及び絶縁膜68のそれぞれと脚部(フレーム脚部)83Bとの間の隙間は、電池1の配列方向について、シート66A~66Cのそれぞれと突出部52Bとの間の隙間に対して外側に位置する。すなわち、脚部83Bは、電池1の配列方向について、突出部52Bの突出端に対して外側に位置する。
【0064】
前述のような構成であるため、本実施形態の電池モジュール31では、側壁46Aは、電池列55のそれぞれの最外電池1Aに、配列方向の一方側から対向し、側壁46Bは、電池列55のそれぞれの最外電池1Bに、配列方向について側壁46Aとは反対側から対向する。すなわち、側壁(フレーム側壁)46A,46Bそれぞれは、電池列55に、配列方向の外側から対向する。そして、側壁(フレーム側壁)46A、突出部(フレーム突出部)52A及び脚部(フレーム脚部)83Aによって、1つのフレーム(フレーム部)が形成される。また、側壁(フレーム側壁)46B、突出部(フレーム突出部)52B及び脚部(フレーム脚部)83Bによって、1つのフレーム(フレーム部)が形成される。本実施形態では、前述した2つのフレームのそれぞれは、ケース33の一部であり、電気的絶縁性を有する。そして、側壁46A,46Bのそれぞれは、ケース33の周壁43の一部である。
【0065】
また、図10図11及び図14等に示すように、ケース33の底壁42は、一対の脚部84を備える。脚部84の一方である脚部84Aは、側壁45Aの下端部に接続される。そして、脚部84Aは、側壁45Aに対して横方向の外側へ突出するとともに、中継部53Aに対して高さ方向について金属板65が位置する側(下側)へ突出する。また、脚部84Aは、金属板65及び絶縁膜68に対して、横方向の外側に隣接する。そして、金属板65及び絶縁膜68のそれぞれと脚部84Aとの間の隙間は、電池モジュール31の横方向について、シート66Aと中継部53Aとの間の隙間に対して外側に位置する。すなわち、脚部84Aは、横方向について、中継部53Aの突出端に対して外側に位置する。
【0066】
脚部84の他方である脚部84Bは、側壁45Bの下端部に接続される。そして、脚部84Bは、側壁45Bに対して横方向の外側へ突出するとともに、中継部53Bに対して高さ方向について金属板65が位置する側(下側)へ突出する。また、脚部84Bは、金属板65及び絶縁膜68に対して、横方向の外側に隣接する。そして、金属板65及び絶縁膜68のそれぞれと脚部84Bとの間の隙間は、電池モジュール31の横方向について、シート66Cと中継部53Bとの間の隙間に対して外側に位置する。すなわち、脚部84Bは、横方向について、中継部53Bの突出端に対して外側に位置する。
【0067】
図9乃至図11等に示すように、電池システム30は、電池モジュール31が設置される金属製の土台(冷却プレート)100を備える。したがって、電池群32、ケース33、金属板65及びシート66等は、土台100上に設置される。土台100は、ケース33に比べて、熱伝導性が高く、例えば、金属板65と同程度の熱伝導性を有する。電池システム30では、電池モジュール31は、例えば、定置用の電源又は鉄道車両用の電源等として、用いられる。ここで、電池システム30を、例えば鉄道用に用いる場合は、電池モジュール31等と同様の電池モジュールを多数設け、多数の電池モジュールを直列に接続することになり、高い冷却性能が求められる。このため、電池システム30において電池モジュール31が設置される部分に冷却プレートとして土台100を設け、例えば、冷却プレートである土台100の内部に冷却液や冷却ガス等を含む冷却用流体が流れる流路を設けて強制冷却することがある。
【0068】
土台100は、電池モジュール31の高さ方向について、金属板65に対して電池群32が位置する側とは反対側に、配置される。したがって、電池モジュール31は、高さ方向の上側から、土台100に設置される。そして、電池モジュール31の高さ方向について電池列55のそれぞれと土台100との間に、金属板65が配置される。なお、金属板65と土台100との間には、電気的絶縁性を有する絶縁層(図示しない)が形成されてもよい。この場合、絶縁層は、シリコーングリース等の可塑性及び電気的絶縁性を有する樹脂から形成され、絶縁層の厚さは1mm以下であることが好ましく、例えば、0.2mm~0.5mm程度に形成される。また、絶縁層の代わりにシートが、金属板65と土台100との間に設けられてもよい。金属板65と土台100との間に設けられるシートは、厚さが0.5mm程度に形成され、ケース33に比べて熱伝導性が高い材料から形成される。金属板65と土台100との間に設けられるシートは、電気的絶縁性を有する材料から形成されてもよく、グラファイト等の導電材料から形成されてもよい。
【0069】
前述のように電池システム30が形成されるため、電池列55のそれぞれで発生した熱は、シート66の対応する1つ、絶縁膜68及び金属板65を順に通って、土台100へ伝達される。したがって、シート66及び金属板65等によって、電池群32から土台100への伝熱経路が形成される。
【0070】
また、図2及び図12等に示すように、電池モジュール31では、4つの連結ネジ71によって、金属板65がケース33の底壁42に連結される。そして、図3に示すように、電池システム30では、4つの連結ネジ72によって、土台100がケース33の底壁42に連結される。連結ネジ72のそれぞれは、連結ネジ71の対応する1つの近傍に位置する。図2図3及び図12等の一例では、4つの連結ネジ71の2つによって、金属板65がケース33の脚部84Aに連結され、4つの連結ネジ71の残りの2つによって、金属板65がケース33の脚部84Bに連結される。また、4つの連結ネジ72の2つによって、土台100がケース33の脚部84Aに連結され、4つの連結ネジ72の残りの2つによって、土台100がケース33の脚部84Bに連結される。連結ネジ71,72のそれぞれは、導電性を有し、例えば、金属から形成される。また、連結ネジ71,72のそれぞれは、ケース33の周壁43に対して、外側に配置される。
【0071】
図15は、金属板65をケース33に連結する4つの連結ネジ71の1つである連結ネジ71A、及び、その近傍の構成を示す。なお、図15では、連結ネジ71Aの金属板65及びケース33への取付け構造が示されるが、連結ネジ71A以外の連結ネジ71についても、金属板65及びケース33への取付け構造は、連結ネジ71Aと同様である。
【0072】
図2及び図4等に示すように、金属板65には、横方向についてケース33の周壁43に対して外側へ突出する4つの突片77が、設けられる。また、図15等に示すように、ケース33の脚部84Aには、2つの金属筒75が設置され、ケース33の脚部84Bには、2つの金属筒75が設置される。金属筒75のそれぞれは、電池モジュール31の奥行き方向及び横方向について、突片77の対応する1つに対して、ずれることなく又はほとんどずれることなく配置される。したがって、金属筒75のそれぞれは、突片77の対応する1つと重なる。連結ネジ71のそれぞれは、突片77の対応する1つを貫通し、例えば雄ネジと雌ネジとの螺合によって、金属筒75の対応する1つと係合する。
【0073】
突片77のそれぞれには、電池モジュール31の高さ方向について下側(土台100が位置する側)から、連結ネジ71の対応する1つの頭部92が当たる。また、突片77のそれぞれには、下側を向く表面に凹部93が形成される。突片77のそれぞれでは、凹部93は、電池モジュール31の高さ方向について上側(電池群32が位置する側)へ凹む。連結ネジ71のそれぞれは、頭部92の高さが微小の超極低頭ボルト(ultra low head bolt)等が用いられる。このため、突片77のそれぞれでは、連結ネジ71の対応する1つの頭部92は、凹部93に配置され、連結ネジ71のそれぞれの頭部92は、金属板65の凹部93以外の部分に対して、下側へ突出しない。
【0074】
突片77のそれぞれでは、凹部93の底部から上側に向かってネジ穴95が形成される。突片77のそれぞれでは、連結ネジ71の対応する1つがネジ穴95に挿通される。ネジ穴95の径は、連結ネジ71の頭部92以外の部分の外径より大きくなり、ネジ穴95は、バカ穴(unloaded hole)となる。また、電池モジュール31の高さ方向に垂直な凹部93の断面積も、連結ネジ71の対応する1つの頭部92の軸方向に垂直な断面積より大きい。
【0075】
また、図2図4及び図15等の一例では、連結ネジ71の1つである連結ネジ71Aは、連結ネジ72の中の連結ネジ71Aの近傍に位置する1つである連結ネジ72Aに、電気的に接続される。連結ネジ71A,72Aの間は、金属筒75、連結ネジ73及び中継板76を介して電気的に接続される。連結ネジ71A,72Aの間が電気的に接続されることにより、金属板65と土台100との間が、電気的に接続される。なお、連結ネジ71A以外の連結ネジ71は、連結ネジ72のいずれとも電気的に接続されていない。また、ある一例では、連結ネジ71Aに導電材料から形成される接着剤が付着される。この場合、連結ネジ71Aは、接着剤を介して金属筒75に接着され、凹部93において接着剤を介して金属板65に接着される。これにより、連結ネジ71Aと金属板65との間、及び、連結ネジ71Aと金属筒75との間のそれぞれにおいて、電気的な接続の信頼性が向上する。また、金属板65と土台100との間を電気的に接続する構成は、連結ネジ71A,72A等によって形成される構成に限るものではない。ある一例では、金属板65と土台100との間に前述のようにグラファイト等の導電材料から形成されるシートを設け、シートによって、金属板65と土台100との間を電気的に接続してもよい。
【0076】
図2及び図4等に示すように、金属板65には、横方向について内側へ凹む凹部78が形成される。凹部78のそれぞれは、電池モジュール31の奥行き方向について、4つの突片77の対応する1つに対して、内側に隣接する。また、図3図5及び図6等に示すように、ケース33のケース部材36には、4つのネジ穴81が形成される。ネジ穴81のそれぞれは、電池モジュール31の奥行き方向及び横方向について、凹部78の対応する1つに対して、ずれることなく又はほとんどずれることなく配置される。したがって、凹部78のそれぞれは、ネジ穴81の対応する1つと重なる。図4及び図5等の一例では、4つの連結ネジ82を介して、ケース部材(下側ケース部材)36が、ケース部材(上側ケース部材)37に連結される。連結ネジ82のそれぞれは、凹部78の対応する1つを通して、ネジ穴81の対応する1つに挿通される。
【0077】
図12乃至図14等に示すように、電池モジュール31では、高さ方向についてケース33と絶縁膜68との間に、テープ85が設けられる。ケース33は、前述の4つの連結ネジ71に加えてテープ85を介して、金属板65に取付けられる。テープ85は、基材の両面に粘着層が形成される両面テープである。テープ85の基材を形成する材料としては、ウレタン化合物が挙げられ、基材は、独立気泡構造(independent bubble structure)であることが好ましい。テープ85の粘着層を形成する材料としては、アクリル樹脂が挙げられる。また、テープ85は、前述した比較トラッキング指数(CTI)が175以上であることが好ましい。また、テープ85では、基材及び粘着層の両方の比較トラッキング指数が175以上であることが、さらに好ましい。テープ85の比較トラッキング指数が175以上であるため、電池1のそれぞれ(電池列55)と電池以外の導電体とのテープ85を介しての短絡等が、有効に防止される。また、前述のように絶縁膜68が金属板65に密着する構成では、ケース33は、テープ85によって絶縁膜68に粘着されることにより、金属板65に取付けられる。
【0078】
テープ85は、一対のテープ延設部86(86A,86B)、及び、一対のテープ延設部87(87A,87B)を備える。テープ延設部(第1のテープ延設部)86は、奥行き方向について互いに対して離れて配置される。テープ延設部(第2のテープ延設部)87は、横方向について互いに対して離れて配置される。テープ延設部86のそれぞれは、テープ延設部87の間に、横方向に沿って連続して延設される。テープ延設部87のそれぞれは、テープ延設部86の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。
【0079】
図9乃至図14等の一例では、一対のテープ延設部86の一方であるテープ延設部86Aは、高さ方向について側壁(フレーム側壁)46Aと絶縁膜68との間、及び、高さ方向について突出部(フレーム突出部)52Aのそれぞれと絶縁膜68との間のいずれかに設けられ、横方向に沿って延設される。テープ延設部86Aは、側壁46A及び/又は突出部52Aのそれぞれ(すなわち、フレーム)を、金属板65に積層される絶縁膜68に粘着させる。また、一対のテープ延設部86の他方であるテープ延設部86Bは、高さ方向について側壁(フレーム側壁)46Bと絶縁膜68との間、及び、高さ方向について突出部(フレーム突出部)52Bのそれぞれと絶縁膜68との間のいずれかに設けられ、横方向に沿って延設される。テープ延設部86Bは、側壁46B及び/又は突出部52Bのそれぞれ(すなわち、フレーム)を、金属板65に積層される絶縁膜68に粘着させる。これにより、絶縁膜68が金属板65に密着する構成では、フレームのそれぞれは、金属板65に取付けられる。
【0080】
一対のテープ延設部87の一方であるテープ延設部87Aは、高さ方向について側壁45Aと絶縁膜68との間、及び、高さ方向について中継部53Aと絶縁膜68との間のいずれかに設けられ、奥行き方向に沿って延設される。テープ延設部87Aは、側壁45A及び/又は中継部53Aを、金属板65に積層される絶縁膜68に粘着させる。また、一対のテープ延設部87の他方であるテープ延設部87Bは、高さ方向について側壁45Bと絶縁膜68との間、及び、高さ方向についての中継部53Bと絶縁膜68との間のいずれかに設けられ、奥行き方向に沿って延設される。テープ延設部87Bは、側壁45A及び/中継部53Bを、金属板65に積層される絶縁膜68に粘着させる。これにより、絶縁膜68が金属板65に密着する構成では、側壁45A,45B及び中継部53A,53Bのいずれかが、金属板65に取付けられる。
【0081】
図10乃至図12等の一例では、テープ85は、2つのテープ延設部(第3のテープ延設部)88を備える。テープ延設部88は、横方向について一対のテープ延設部87の間に配置され、横方向について互いに対して離れて配置される。また、テープ延設部88のそれぞれは、横方向についてテープ延設部87のそれぞれから離れて配置される。また、テープ延設部88のそれぞれは、テープ延設部86の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。テープ延設部88のそれぞれは、高さ方向についてケース33の仕切り壁47の対応する1つと絶縁膜68との間に設けられる。そして、テープ延設部88のそれぞれは、仕切り壁47の対応する1つを、金属板65に積層される絶縁膜68に粘着させる。なお、ある一例では、テープ85において、テープ延設部86,87のみが形成され、テープ延設部88が形成されなくてもよい。また、テープ85は、全体が一体構造であってもよく、複数の別部材から形成されてよい。例えば、テープ延設部86~88のそれぞれが、別部材であってもよい。この場合、テープ延設部86,87の境界部分において、テープ延設部86,87が互いに対して重なってもよく、テープ延設部86,87の間が不連続であってもよい。また、別のある一例では、テープ85が設けられなくてもよい。
【0082】
本実施形態では、前述のようにテープ85が設けられるため、テープ延設部86A,86B,87A,87Bによって、収納空洞35の全周に渡って、テープ85の延設部分が形成される。テープ延設部86A,86B,87A,87Bは、ケース33の周壁43に沿って延設される。また、金属板65にケース33を連結する前述の4つの連結ネジ71は、テープ延設部86,87(収納空洞35の全周に渡るテープ85の延設部分)に対して、外周側に位置する。
【0083】
本実施形態では、前述のように、シート66、金属板65及び絶縁膜68を通って、電池群32から土台100への主要となる伝熱経路が形成される。そして、金属板65は、熱伝導性が高い。このため、金属板65を設けることにより、電池群32で発生した熱の土台100への放熱性が向上する。
【0084】
本実施形態では、例えば、電池システム30が鉄道用車両で用いられる場合等は、土台100がGNDとなる。また、前述のように金属板65と土台100との間が連結ネジ71A,72Aを介して電気的に接続されるため、金属板65と土台100との間に電位差が発生しない。このため、電池モジュール31の金属板65もGNDとなる。また、電池システム30では、電池群32の充電及び放電のそれぞれにおいて、電池1のそれぞれの外装容器3が、電解液等を介した導通等によって、GND(土台100及び金属板65)とは異なる電位になることがある。この場合、土台100と電池群32(電池1の外装容器3)との間に電位差(電圧)が発生したり、金属板65と電池群32(電池1の外装容器3)との間に電位差(電圧)が発生したりする。このため、金属板65及び土台100のそれぞれに対する電池群32(電池列55)の絶縁を十分に確保し、金属板65及び土台100のそれぞれと電池群32との間での放電の発生を有効に防止することが、重要となる。
【0085】
電池システム30が鉄道用車両で用いられる場合等は、電池モジュール31等と同様の電池モジュールを多数設け、多数の電池モジュールが直列に接続される。この場合、例えば、電池モジュール31が電源に直接的に接続される電池モジュールである場合、すなわち、電池モジュール31が他の電池モジュールを間に介することなく電源に接続される場合等では、電池群32とGND(土台100及び金属板65)との電位差が大きくなる。そして、電池群32とGNDとの間の電位差は、最大となる場合で、電池システム30の定格絶縁電圧と同一になる可能性がある。鉄道用車両で用いられる電池システム30では、定格絶縁電圧は、例えば600V以上である等の高い値になる。例えば、鉄道用車両において直流電力を用いる場合、例えば、定格絶縁電圧が600V,750V,1500V,3000Vのいずれかになる電池システム30が存在する。したがって、鉄道用車両で用いられる電池システム30において電池群32とGNDとの間に定格絶縁電圧と同程度の大きさの電位差が発生しても、金属板65及び土台100のそれぞれに対する電池群32(電池列55)の絶縁が十分に確保されることが、重要である。
【0086】
本実施形態では、突出部(フレーム突出部)52A,52Bのそれぞれが、電池1の配列方向(奥行き方向)の内側へ、側壁(フレーム側壁)46A,46Bの対応する一方から突出する。そして、突出部52A,52Bのそれぞれは、最外電池1A,1Bの対応する1つに対して高さ方向の下側に隣接し、電池1の配列方向について突出部52A,52Bのそれぞれの内側に隣接して、貫通孔51の対応する1つが形成される。そして、貫通孔51のそれぞれに、シート66の対応する1つの少なくとも一部が、配置される。そして、金属板65に積層される絶縁膜68は、電池1の配列方向について、突出部52のそれぞれの突出端を超えて外側へ延設される。このため、突出部52のそれぞれの近傍では、電池群32(電池列55)と金属板65(GND)との間の沿面距離、すなわち、図13の仮想線T1(二点鎖線で示す)に沿った沿面距離が、大きくなる。また、突出部52のそれぞれの近傍では、電池群32(電池列55)と金属板65(GND)との間の空間距離は、沿面距離と同一又は略同一の大きさになる。このため、電池群32(電池列55)と金属板65(GND)との間の空間距離も、大きくなる。突出部52のそれぞれの近傍において電池群32と金属板65との間の絶縁距離(沿面距離及び絶縁距離)が大きくなることにより、金属板65(GND)に対する電池群32(電池列55)の絶縁を、適切に確保可能になる。なお、本実施形態では、突出部52のそれぞれと絶縁膜68が重なる部分の奥行き方向(電池1の配列方向)についての寸法だけ、前述の絶縁距離が大きくなる。
【0087】
また、本実施形態では、中継部53A,53Bのそれぞれが、電池モジュール31の横方向の内側へ、側壁45A,45Bの対応する一方から突出する。そして、横方向について中継部53A,53Bのそれぞれの内側に隣接して、貫通孔51A,51Cの対応する1つが形成される。そして、貫通孔51A,51Cのそれぞれに、シート66A,66Cの対応する1つの少なくとも一部が、配置される。そして、金属板65に積層される絶縁膜68は、横方向について、中継部53A,53Bのそれぞれとシート66A,66Cの対応する1つとの間の隙間を超えて外側へ延設される。このため、中継部53A,53Bのそれぞれの近傍では、電池群32(電池列55A,55C)と金属板65(GND)との間の沿面距離、すなわち、図14の仮想線T2(二点鎖線で示す)に沿った沿面距離が、大きくなる。また、中継部53A,53Bのそれぞれの近傍では、電池群32(電池列55)と金属板65(GND)との間の空間距離は、沿面距離と同一又は略同一の大きさになる。このため、電池群32(電池列55)と金属板65(GND)との間の空間距離も、大きくなる。中継部53A,53Bのそれぞれの近傍において電池群32と金属板65との間の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)が大きくなることにより、金属板65(GND)に対する電池群32の絶縁を、さらに適切に確保可能になる。
【0088】
本実施形態の電池モジュール31では、仮想線T1,T2に沿った沿面距離等の電池群32と金属板65との間の絶縁距離は、電池システム30の定格絶縁電圧に対応して設定される。このため、仮想線T1,T2のそれぞれに沿った沿面距離(絶縁距離)は、電池システム30の定格絶縁電圧に対応して設定される。例えば、IEC62497-1で規定される汚損度(pollution degree)がPD2の環境では、電池システム30の定格絶縁電圧が1kv(1000V)上昇するごとに、仮想線T1,T2のそれぞれに沿った沿面距離等の絶縁距離は、5mm以上10mm以下の範囲で大きくなる。
【0089】
また、本実施形態では、突出部(フレーム突出部)52のそれぞれを電池1の配列方向の内側へ側壁(フレーム側壁)46の対応する一方から突出させ、かつ、絶縁膜68を電池1の配列方向について突出部52のそれぞれの突出端を超えて外側へ延設させることにより、突出部52のそれぞれの近傍において、電池群32と金属板65との間の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)を大きくしている。すなわち、突出部52のそれぞれと絶縁膜68が重なる部分の奥行き方向(電池1の配列方向)についての寸法だけ、前述の絶縁距離が大きくなる。このため、突出部52のそれぞれの近傍において電池群32と金属板65との間の絶縁距離を大きくしても、電池モジュール31は過度に大型化しない。
【0090】
同様に、本実施形態では、中継部53A,53Bのそれぞれを電池モジュール31の横方向の内側へ側壁45の対応する一方から突出させ、かつ、絶縁膜68を横方向について中継部53A,53Bのそれぞれの突出端を超えて外側へ延設させることにより、中継部53A,53Bのそれぞれの近傍において、電池群32と金属板65との間の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)を大きくしている。このため、中継部53A,53Bのそれぞれの近傍において電池群32と金属板65との間の絶縁距離を大きくしても、電池モジュール31は過度に大型化しない。
【0091】
また、本実施形態では、電池群32が収納される収納空洞35は、ケース33の周壁43によって、周方向について全周に渡って囲まれる。このため、電池群32は、電池モジュール31の外部の導電体等に対して、適切に絶縁される。また、本実施形態では、連結ネジ71,72のそれぞれは、ケース33の周壁43に対して、外側に配置される。このため、電池群32の連結ネジ71,72等に対する絶縁も、適切に確保される。
【0092】
また、本実施形態では、電池群32と金属板65との間に可塑性を有するシート66が挟まれる。そして、シート66のそれぞれは、電池群32及び絶縁膜68に密着する。また、シート66は、空気及びケース33より熱伝導性が高い。このため、電池群32から金属板65への熱伝達性が向上し、電池群32で発生した熱の土台100への放熱性がさらに向上する。
【0093】
また、本実施形態では、電池列55のそれぞれに、高さ方向の下側からシート66の対応する1つが密着する。そして、電池列55のそれぞれでは、配列方向について最も外側の最外電池1A,1Bのそれぞれへのシート66の接触面積は、最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれへのシート66の接触面積に比べて、小さい。ここで、電池列55のそれぞれでは、最外電池1A,1B等の配列方向について外側に配置される電池1で発生した熱は、側壁46を通して放熱され易い。一方、電池列55のそれぞれでは、配列方向について内側に配置される電池1で発生した熱は、側壁46を通して熱を放熱され難い。本実施形態では、電池列55のそれぞれにおいて、最外電池1A,1Bのそれぞれへのシート66の接触面積が、最外電池1A,1B以外の電池1のそれぞれへのシート66の接触面積に比べて小さいため、配列方向について内側に配置される電池1で発生した熱が、最外電池1A,1B等で発生した熱に比べ、シート66を通して金属板65及び土台100に伝達され易い。これにより、電池列55のそれぞれにおいて、電池1の間での温度のばらつきが小さく抑えられ、電池群32(電池モジュール31)の劣化の進行等が小さく抑えられる。
【0094】
また、本実施形態では、脚部(フレーム脚部)83のそれぞれは、金属板65及び絶縁膜68に対して電池1の配列方向の外側に隣接する。そして、脚部83のそれぞれは、配列方向について、突出部52のそれぞれの突出端に対して外側に位置する。また、本実施形態では、脚部84のそれぞれは、金属板65及び絶縁膜68に対して電池モジュール31の横方向の外側に隣接する。そして、脚部84のそれぞれは、横方向について、中継部53のそれぞれの突出端に対して外側に位置する。このため、脚部83,84によって、金属板65の縁のケース33の外部への露出が、防止される。また、脚部83,84が設けられることにより、脚部83,84のそれぞれにおいて少なくとも一部が、土台100に当たり易くなる。これにより電池モジュール31を土台100に安定して設置可能となる。
【0095】
また、本実施形態では、高さ方向についてケース33と絶縁膜68との間にテープ85が設けられ、ケース33は、テープ85を介して金属板65に積層される絶縁膜68に粘着される。テープ85が設けられることにより、ケース33と金属板65との間での熱膨張の差に起因する熱応力の影響が、低減される。これにより、電池モジュール31の使用におけるケース33の破損等が有効に防止され、電池群32と金属板65との間の絶縁が、長期間適切に確保される。
【0096】
また、本実施形態では、側壁46と絶縁膜68との間、及び、突出部(フレーム突出部)52のそれぞれと絶縁膜68との間のいずれかに、テープ85のテープ延設部86が横方向に沿って延設される。そして、側壁46及び/又は突出部52のそれぞれは、テープ延設部86によって、絶縁膜68に粘着される。これにより、突出部52のそれぞれと金属板65の絶縁膜68との間を通しての水滴及び埃等の収納空洞35への侵入が、有効に防止される。また、本実施形態では、側壁45と絶縁膜68との間、及び、中継部53A,53Bのそれぞれと絶縁膜68との間のいずれかに、テープ85のテープ延設部87が奥行き方向に沿って延設される。そして、側壁45及び/又は中継部53A,53Bのそれぞれは、テープ延設部87によって、絶縁膜68に粘着される。これにより、中継部53のそれぞれと金属板65の絶縁膜68との間を通しての水滴及び埃等の収納空洞35への侵入が、有効に防止される。また、前述のようにテープ85が設けられることにより、金属板65と土台100との間に、絶縁層の代わりに導電性を有するグリースを用いることが可能なる。すなわち、テープ85が設けられることにより、導電性を有するグリースの収納空洞35への侵入が、有効に防止される。
【0097】
前述のようにして、本実施形態では、収納空洞35への水滴及び埃等の侵入が有効に防止されるため、電池群32が配置される収納空洞35の外部からの汚染が有効に防止される。これにより、収納空洞35を、例えば、IEC62497-1で規定される汚損度のPD1又はPD2にすることが可能になる。汚損度が低い環境に電池群32が配置されることにより、電池群32と金属板65との間の絶縁を確保し易くなるとともに、電池群32と電池モジュール31の外部の導電体との間の絶縁を確保し易くなる。
【0098】
また、本実施形態では、金属板65は、テープ85に加えて連結ネジ71を介して、ケース33に連結される。これにより、金属板65及び絶縁膜68がケース33に対して剥がれることが、有効に防止される。また、連結ネジ71による締付け力によって、金属板65とケース33との間で挟まれるテープ85に、圧力が作用する。これにより、テープ85は、ケース33及び金属板65の絶縁膜68のそれぞれに強固に密着する。また、本実施形態では、金属板65において連結ネジ71のそれぞれが挿通されるネジ穴95は、バカ穴となる。これにより、連結ネジ71のそれぞれへの熱応力の影響が、低減される。
【0099】
また、本実施形態では、貫通孔51のそれぞれにおいて、縁E3,E4のそれぞれに、凹部62が形成される。そして、凹部62のそれぞれは、貫通孔51の外周側へ凹む。シート66のそれぞれは、電池群32と金属板65との間で挟まれることにより、高さ方向について潰れる一方で、高さ方向に対して垂直又は略垂直な方向へ延びる。凹部62を設けることにより、シート66のそれぞれにおいて高さ方向に対して垂直又は略垂直な方向へ延びた部分が、凹部62のそれぞれに入り込むことが可能になる。また、凹部62を設けることにより、貫通孔51の凹部62以外の部分がシート66によってほぼ充填される状態に、シート66を形成可能になる。これにより、電池列55のそれぞれにおいて、シート66の接触面積を大きくすることが可能になる。電池列55のそれぞれへのシート66の接触面積が大きくなることにより、電池群32から金属板65への熱伝達性が向上する。
【0100】
また、凹部62を設けることにより、4つの角が直角又は略直角の矩形のシートにシート66を形成しても、シート66のそれぞれを、貫通孔51の対応する1つに配置可能になる。すなわち、シート66の4つの角の面取り等を行う必要がない。これにより、シート66のそれぞれの製造における、手間及びコスト等が削減される。また、本実施形態では、凹部62のそれぞれの底部は、曲面状(R面状)に形成される。このため、ケース33の底壁42に貫通孔51を形成しても、振動や衝撃により発生した外力や温度変化により発生する熱応力が緩和され、ケース33の破損等が有効に防止される。これにより、電池群32と金属板65との間の絶縁が、長期間適切に確保される。
【0101】
また、電池列55のそれぞれでは、最外電池1Aは、接着剤(例えば91)を介して、突出部52Aの対応する1つ及び側壁46Aの少なくとも一方に接着される。そして、電池列55のそれぞれでは、最外電池1Bは、接着剤(例えば91)を介して、突出部52Bの対応する1つ及び側壁46Bの少なくとも一方に接着される。これにより、電池列55のそれぞれにおいて、最外電池1A,1Bがケース33に強固に固定される。また、最外電池1A,1Bのそれぞれが側壁46の対応する一方に接着される場合は、側壁46を空気等で冷却することにより、電池群32で発生した熱の放熱性がさらに向上する。
【0102】
また、貫通孔51のそれぞれでは、凹部62のそれぞれは、縁E3,E4の対応する一方において横方向の一方側へ凹む。このため、凹部62を設けても、突出部(フレーム突出部)52のそれぞれにおいて接着剤を塗布する面積が、大きく確保される。これにより、最外電池1A,1Bのそれぞれは、接着剤(例えば91)によって、突出部52の対応する1つに強固に固定される。
【0103】
また、本実施形態では、中継部53のそれぞれに、1つ以上の区分け板56が形成され、中継部53のそれぞれでは、区分け板56は、高さ方向の上側へ向かって突出する。電池列55のそれぞれでは、区分け板56によって、配列方向について隣り合う電池1の間の空間距離が、適切な大きさで確保される。また、区分け板56を設けることより、ケース33の強度が高くなる。
【0104】
また、本実施形態では、電池モジュール31の使用によって電池1のそれぞれが膨張した場合等でも、仕切り板57によって、配列方向について隣り合う電池1の接触が、有効に防止される。これにより、配列方向について隣り合う電池1の間での短絡の発生等が、有効に防止される。また、本実施形態では、3つの仕切り板57A~57Cから、1つの板接続体60が形成される。3つの仕切り板57を一体に形成することにより、仕切り板57の製造における手間及びコスト等が、低減される。
【0105】
また、本実施形態では、仕切り板57のそれぞれに、板突起63が設けられる。そして、領域48のそれぞれでは、仕切り板57のそれぞれの板突起63は、横方向について、区分け板56の対応する一対の間に配置される。これにより、収納空洞35において、仕切り板57のそれぞれの区分け板56への干渉が、有効に防止される。
【0106】
また、本実施形態では、板接続体60において両端の2つの仕切り板57A,57Cのそれぞれに、傾斜縁64が形成される。ここで、ケース33の収納空洞35に電池群32及び仕切り板57を配置する作業では、収納空洞35に対してケース33の天壁41が鉛直下側に位置する状態で、ケース部材37の内部に電池群32(電池列55)及び仕切り板57を挿入する。この際、電池群32をケース部材37の内部に挿入した後、配列方向について隣り合う電池1の間に、仕切り板57のそれぞれが挿入される。そして、ケース部材37の内部に電池群32及び仕切り板57を挿入した後、ケース部材(下側ケース部材)36をケース部材(上側ケース部材)37に連結する。
【0107】
前述のように収納空洞35に電池群32及び仕切り板57を配置する作業が行われるため、3つの仕切り板57A~57Cが一体の板接続体60は、板突起63が鉛直上側に突出する状態で、傾斜縁64が形成される縁から、ケース部材37の内部に挿入される。この際、仕切り板57A,57Cのそれぞれに傾斜縁64が設けられることにより、板接続体60のケース部材37への干渉が有効に防止され、板接続体60の挿入性が向上する。
【0108】
(変形例)
なお、貫通孔51のそれぞれに形成される凹部62は、前述の実施形態等の構成に限るものではない。図16に示す第1の変形例では、貫通孔51のそれぞれにおいて縁E1,E2のそれぞれに、2つの凹部62が形成される。本変形例では、凹部62のそれぞれは、ケース33の奥行き方向の外側へ凹み、貫通孔51の外周側へ凹む。本変形例でも、凹部62のそれぞれの底部は、曲面状(R面状)に形成される。縁E1,E2のそれぞれでは、縁E3が位置する側の端に、2つの凹部62の一方が形成され、縁E4が位置する側の端に、2つの凹部62の他方が形成される。本変形例でも、凹部62を設けることにより、シート66のそれぞれにおいて高さ方向に対して垂直又は略垂直な方向へ延びた部分が、凹部62のそれぞれに入り込むことが可能になる。
【0109】
図17に示す第2の変形例では、貫通孔51のそれぞれにおいて4つの角のそれぞれに、1つの凹部62が形成される。本変形例では、凹部62のそれぞれは、ケース33の奥行き方向及び横方向の両方に対して傾斜する方向へ凹み、貫通孔51の外周側へ凹む。本変形例でも、凹部62のそれぞれの底部は、曲面状(R面状)に形成される。そして、本変形例でも、凹部62を設けることにより、シート66のそれぞれにおいて高さ方向に対して垂直又は略垂直な方向へ延びた部分が、凹部62のそれぞれに入り込むことが可能になる。
【0110】
また、図18に示す第3の変形例では、シート66のそれぞれにおいて、幅(電池モジュール31の横方向についての寸法)が、電池モジュール31の奥行き方向に沿って変化する。本変形例のシート66では、奥行き方向(電池1の配列方向)について内側の部位ほど、幅が大きくなる。このため、電池列55のそれぞれでは、配列方向について内側の電池1ほど、シート66との接触面積が大きい。これにより、配列方向について内側に配置される電池1で発生した熱が、最外電池1A,1B等の配列方向について外側に配置される電池1で発生した熱に比べ、シート66を通して金属板65及び土台100に伝達され易い。したがって、電池列55のそれぞれにおいて、電池1の間での温度のばらつきがさらに小さく抑えられる。
【0111】
また、図19に示す第4の変形例では、シート66のそれぞれが、熱伝導率に基づいて、3つの領域α1~α3に分割される。領域α1,α3は、電池モジュール31の奥行き方向について、領域α2の外側に隣接する。そして、領域α3は、領域α2に対して、領域α1とは反対側に位置する。また、シート66のそれぞれでは、電池モジュール31の奥行き方向について一方側の端を領域α1が形成し、電池モジュール31の奥行き方向について他方側の端を領域α3が形成する。本変形例では、領域α2の熱伝導率は、領域α1,α3のそれぞれの熱伝導率より大きい。例えば、シート66が樹脂とアルミナ粒子との混合材料から形成される場合、領域α2において樹脂とアルミナ粒子との比率を領域α1,α3とは異ならせることにより、領域α2の熱伝導率を領域α1,α3のそれぞれの熱伝導率より大きくすることが可能になる。また、領域α1~α3が1枚のシート66に形成される必要はなく、領域α1~α3に3分割され、3枚のシートが形成されてもよい。
【0112】
前述のように領域α2の熱伝導率が領域α1,α3のそれぞれの熱伝導率より大きくなるため、本変形例の電池列55のそれぞれでは、配列方向について内側に配置される電池1で発生した熱が、最外電池1A,1B等の配列方向について外側に配置される電池1で発生した熱に比べ、シート66を通して金属板65及び土台100に伝達され易い。したがって、電池列55のそれぞれにおいて、電池1の間での温度のばらつきがさらに小さく抑えられる。
【0113】
また、前述の実施形態等では、シート66のそれぞれは、全体が貫通孔51の対応する1つに配置されるが、これに限るものではない。ある変形例では、シート66のそれぞれにおいて、一部が貫通孔51の対応する1つの外部に配置されてもよい。この場合、領域48のそれぞれにおいて、シート66の一部は、一対の突出部52及び一対の中継部53のいずれかに対して、高さ方向の上側に隣接して配置される。この場合、低硬度のシート66が潰れることで、配列方向に隣り合う電池1の隙間にシート66が侵入し、電池1のそれぞれでは、外装容器3の底壁7のみでなく、周壁8にもシート66が密着する。これにより、電池列55からの放熱性が向上する。
【0114】
また、前述の実施形態等では、仕切り壁47のそれぞれがケース33と一体に形成されるが、仕切り壁47のそれぞれが、ケース33とは別部材から形成されてもよい。また、ある変形例では、仕切り壁47が設けられなくてもよい。
【0115】
また、図20乃至図24に示す第5の変形例の電池モジュール131では、ケース33が設けられない。本変形例では、電池モジュール131は、ケース33の代わりにフレームアセンブリ133が設けられる。フレームアセンブリ133は、電気的絶縁性を有する材料から形成され、フレームアセンブリ133を形成する材料としては、ケース33と同様の材料が挙げられる。本変形例でも、電池モジュール131において、前述の実施形態等と同様に、奥行き方向(矢印X3及び矢印X4で示す方向)、奥行き方向に対して交差する(垂直又は略垂直な)横方向(矢印Y3及び矢印Y4で示す方向)、及び、奥行き方向及び横方向の両方に対して交差する(垂直又は略垂直な)高さ方向(矢印Z3及び矢印Z4で示す方向)が規定される。
【0116】
ここで、図20及び図22は、斜視図であり、図21は、電池モジュール131を部材ごとに分解して示す。図20及び図22では、互いに対して視る方向が異なる。また、図23は、電池モジュール131の横方向に対して垂直又は略垂直な断面を示し、図24は、電池モジュール131の奥行き方向に対して垂直又は略垂直な断面を示す。本変形例でも、電池モジュール131は、電池群132を備え、電池群132は、複数の電池1を備える。また、本変形例では、電池群132は、1つの電池列155から形成され、電池列155では、複数の電池1が配列される。図21等の一例では、電池列155において、3つの電池1が配列される。本変形例でも、電池列155での電池1の配列方向は、電池モジュール131の奥行き方向と一致又は略一致する。
【0117】
本変形例では、フレームアセンブリ133は、一対のフレーム156(156A,156B)及び1つ以上の仕切り部材157を組付けることにより、形成される。図20乃至図22等の一例では、2つの仕切り部材157が設けられる。フレームアセンブリ133は、天壁(上壁)141、底壁142及び周壁143を備える。電池列155(電池群132)は、天壁141、底壁142及び周壁143が規定するフレームアセンブリ133の内部空洞に、収納される。フレームアセンブリ133では、天壁141及び底壁142は、高さ方向について内部空洞を挟んで対向する。本変形例では、天壁141及び底壁142のそれぞれは、一対のフレーム156及び2つの仕切り部材157によって、形成される。周壁143は、天壁141及び底壁142との間に、高さ方向に沿って延設される。また、周壁143は、電池モジュール131の周方向について全周に渡って、内部空洞を囲む。
【0118】
周壁43は、一対の側壁145(145A,145B)、及び、一対の側壁146(146A,146B)を備える。側壁145は、横方向について内部空洞を挟んで対向する。側壁146は、奥行き方向について内部空洞を挟んで対向する。側壁145のそれぞれは、側壁146の間に、奥行き方向に沿って延設される。側壁146のそれぞれは、側壁145の間に、横方向に沿って延設される。本変形例では、一対の側壁146の一方である側壁146Aは、一対のフレーム156の一方であるフレーム156Aから形成され、一対の側壁146の他方である側壁146Bは、一対のフレーム156の他方であるフレーム156Bから形成される。また、一対の側壁145のそれぞれは、一対のフレーム156及び2つの仕切り部材157によって、形成される。
【0119】
また、本変形例では、電池モジュール131に、端板(エンドプレート)170が設けられる。端板170は、電池モジュール131の周方向について全周に渡って延設され、フレームアセンブリ133の周壁143に外周側から当たる。このため、フレームアセンブリ133の周壁143は、電池モジュール131の周方向について全周に渡って、端板170によって内周側へ押圧される。なお、図21では、端板170は省略されている。
【0120】
本変形例では、底壁142に、1つの貫通孔151が形成される。フレームアセンブリ133の内部空洞は、貫通孔151を通して、フレームアセンブリ133の外部に対して開口する。また、底壁142は、一対の突出部152(152A,152B)及び一対の中継部153(153A,153B)を備える。
【0121】
一対の突出部152のそれぞれは、側壁146の対応する一方から、奥行き方向の内側へ向かって突出する。ここで、一対の突出部152の一方である突出部152Aは、側壁146Aから側壁146Bが位置する側へ突出し、一対の突出部152の他方である突出部152Bは、側壁146Bから側壁146Aが位置する側へ突出する。また、本変形例では、突出部152Aは、フレーム156Aから形成され、突出部152Bは、フレーム156Bから形成される。貫通孔151は、奥行き方向について、一対の突出部152の間に形成される。そして、突出部152のそれぞれの突出端は、貫通孔51の縁の一部を形成する。したがって、貫通孔151は、奥行き方向(電池1の配列方向)について、一対の突出部152の内側に隣接して形成される。
【0122】
一対の中継部153のそれぞれは、突出部152の間を中継する。中継部153のそれぞれは、突出部152の間に、奥行き方向に沿って延設される。貫通孔151は、横方向について一対の中継部153の間に形成される。ここで、一対の中継部153の一方である中継部153Aは、側壁145Aから側壁145Bが位置する側へ突出し、一対の中継部153の他方である中継部153Bは、側壁145Bから側壁145Aが位置する側へ突出する。したがって、中継部153のそれぞれは、側壁145の対応する一方から、横方向の内側へ向かって突出する。本変形例では、中継部153のそれぞれは、一対のフレーム156及び2つの仕切り部材157によって、形成される。
【0123】
本変形例では、電池列155(電池群132)において、電池1のそれぞれの奥行き方向が、電池モジュール131の奥行き方向と一致又は略一致し、電池1のそれぞれの横方向が、電池モジュール131の横方向と一致又は略一致する。そして、電池1のそれぞれは、フレームアセンブリ133の底壁142が位置する側を底壁7の外表面が向く状態で、フレームアセンブリ133の内部空洞に配置される。電池列155では、配列方向(電池モジュール131の奥行き方向)について互いに対して隣り合う電池1の間に、仕切り板部(セパレータ部)158が設けられる。電池列55には、仕切り板部158は、1つ以上設けられ、図21等の一例では、電池列55に2つの仕切り板部158が設けられる。本変形例では、仕切り板部158は、仕切り部材157の対応する1つによって、形成される。したがって、配列方向について隣り合う電池1は、仕切り部材157の対応する1つの仕切り板部158によって、互いに対して電気的に絶縁される。
【0124】
ここで、前述の実施形態等と同様に、電池列55において、配列方向について複数の電池1の中で最も外側の最外電池1A,1Bを規定する。本変形例の電池モジュール131では、フレーム156Aによって形成される側壁(フレーム側壁)146Aは、電池列155の最外電池1Aに、配列方向の一方側から対向する。また、フレーム156Bによって形成される側壁(フレーム側壁)146Bは、電池列55の最外電池1Bに、配列方向について側壁146Aとは反対側から対向する。すなわち、側壁(フレーム側壁)146A,146Bそれぞれは、電池列55に、配列方向の外側から対向する。そして、フレーム156のそれぞれでは、突出部(フレーム突出部)152が、電池1の配列方向の内側へ、側壁(フレーム側壁)146から突出する。
【0125】
フレーム156Aは、最外電池1Aと配列方向について最外電池1Aと隣り合う電池1との間に配置される仕切り部材157と、係合する。これにより、フレーム156Aは、対応する仕切り部材157に組付けられる。また、フレーム156Bは、最外電池1Bと配列方向について最外電池1Bと隣り合う電池1との間に配置される仕切り部材157と、係合する。これにより、フレーム156Bは、対応する仕切り部材157に組付けられる。また、フレーム156のそれぞれには、端板170が、電池1の配列方向(奥行き方向)について外側から当たる。そして、フレーム156のそれぞれは、端板170によって、電池1の配列方向の内側へ向かって押圧される。
【0126】
電池モジュール131は、電池列155(電池群132)及びフレームアセンブリ133が設置される金属板(底板)165を備える。金属板(放熱板)165は、フレームアセンブリ133に比べて熱伝導性が高く、例えば、前述の実施形態等の金属板65と同様の材料から形成される。金属板165は、電池モジュール131の高さ方向について底壁142が位置する側(下側)から、フレームアセンブリ133に取付けられる。
【0127】
また、電池モジュール131は、シート166を備える。シート166は、可塑性及び電気的絶縁性を有し、フレームアセンブリ133に比べて熱伝導性が高い。シート166は、例えば、前述の実施形態等のシート66と同様の材料から形成される。シート166は、電池モジュール131の高さ方向について、電池列155(電池群132)と金属板165との間で挟まれ、金属板165は、高さ方向についてシート166に対して下側(電池列155とは反対側)に配置される。また、シート166は、少なくとも一部が貫通孔151に配置される。そして、シート166は、高さ方向について金属板165が位置する側(下側)から、電池列155に密着する。貫通孔151では、設計上及び製造上の都合等から、配置されるシート166と突出部152のそれぞれの突出端との間に、隙間が形成される場合がある。同様に、貫通孔151では、設計上及び製造上の都合等から、配置されるシート166と中継部153のそれぞれの突出端との間に、隙間が形成される場合がある。
【0128】
また、電池モジュール131では、金属板165において電池群32が位置する側を向く面(上側を向く面)に、絶縁膜168が形成される。絶縁膜168は、電池モジュール31の高さ方向について、シート166と金属板165との間に形成され、シート166に対して高さ方向の下側に隣接する。絶縁膜168は、電気的絶縁性及び高い熱伝導性を有し、例えば、前述の実施形態等の絶縁膜68と同様の材料から形成される。絶縁膜168は、金属板165に対して電池列155(電池群132)が位置する側(高さ方向の上側)に積層される。なお、図22では、金属板165及び絶縁膜168は、省略されている。
【0129】
金属板165及び絶縁膜168は、奥行き方向(配列方向)について、突出部152Aの突出端から突出部152Bの突出端まで、連続して延設される。また、金属板165及び絶縁膜168は、奥行き方向について、突出部152のそれぞれの突出端より外側の位置まで延設される。したがって、金属板165及び絶縁膜168は、電池1の配列方向について、突出部152のそれぞれの突出端を超えて外側へ延設される。このため、絶縁膜168は、フレームアセンブリ133の突出部152のそれぞれに対して、高さ方向の下側に隣接する。そして、高さ方向について突出部152のそれぞれと金属板165との間には、絶縁膜168が形成される。
【0130】
金属板165及び絶縁膜168は、横方向について、中継部153Aの突出端から中継部153Bの突出端まで、連続して延設される。また、金属板165及び絶縁膜168は、横方向について、中継部153のそれぞれの突出端より外側の位置まで延設される。したがって、金属板165及び絶縁膜168は、電池モジュール131の横方向について、中継部153のそれぞれの突出端を超えて外側へ延設される。このため、絶縁膜168は、フレームアセンブリ133の中継部153のそれぞれに対して、高さ方向の下側に隣接する。そして、高さ方向について中継部153のそれぞれと金属板165との間には、絶縁膜168が形成される。
【0131】
前述のように電池モジュール131が形成されるため、シート166、及び、フレームアセンブリ133の突出部152及び中継部153のそれぞれは、電池モジュール131の高さ方向について、電池列155と金属板165との間に位置する。また、電池モジュール131では、電池列155のそれぞれで発生した熱は、シート166及び絶縁膜68を通して、金属板165へ伝達される。また、電池モジュール131は、電池システム(30)において前述した土台(100)等に設置される。電池列155から金属板165に伝達された熱は、土台(100)へ伝達される。また、本変形例では、前述の実施形態等と同様に、電池1のそれぞれは、突出部152及び中継部153の対応するいずれかに、接着剤を介して接着されてもよい。また、電池1のそれぞれは、側壁145,146の対応するいずれかに、接着剤を介して接着されてもよい。また、本変形例では、電池1のそれぞれにおいて、側壁12のそれぞれが、フレーム156及び仕切り部材157の対応するいずれかの対向面に、接着剤を介して接着されてもよい。
【0132】
本変形例では、突出部(フレーム突出部)152のそれぞれが、電池1の配列方向(奥行き方向)の内側へ、側壁(フレーム側壁)146の対応する一方から突出する。そして、突出部152のそれぞれは、最外電池1A,1Bの対応する1つに対して高さ方向の下側に隣接し、電池1の配列方向について一対の突出部152の内側に隣接して、貫通孔151が形成される。そして、貫通孔151には、シート166の少なくとも一部が、配置される。そして、金属板165に積層される絶縁膜168は、電池1の配列方向について、突出部152のそれぞれの突出端を超えて外側へ延設される。このため、本変形例でも、突出部152のそれぞれの近傍において、電池列155(電池群132)と金属板165との間の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)が、大きくなる。これにより、本変形例でも、金属板165に対する電池列155の絶縁を、適切に確保可能になる。なお、本変形例は、突出部152のそれぞれと絶縁膜168が重なる部分の奥行き方向(電池1の配列方向)についての寸法だけ、前述の絶縁距離が大きくなる。
【0133】
また、本変形例では、中継部153のそれぞれが、電池モジュール131の横方向の内側へ、側壁145の対応する一方から突出する。そして、横方向について一対の中継部153の内側に隣接して、貫通孔151が形成される。そして、貫通孔151には、シート166の少なくとも一部が、配置される。そして、金属板165に積層される絶縁膜168は、横方向について、中継部153のそれぞれの突出端を超えて外側へ延設される。このため、本変形例でも、中継部153のそれぞれの近傍において、電池列155(電池群132)と金属板165との間の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)が、大きくなる。これにより、本変形例でも、金属板165に対する電池列155の絶縁を、適切に確保可能になる。そして、本変形例でも、前述の実施形態等と同様に、電池モジュール131を過度に大型化することなく、金属板165に対する電池列155(電池群132)の絶縁を適切に確保可能になる。また、本変形例の電池モジュール131では、フレームアセンブリ133の側壁146のそれぞれに、配列方向について隣り合う仕切り部材157同士が係合することにより、隣り合う仕切り部材157が重なる部分が形成される。また、側壁146のそれぞれでは、配列方向について隣り合う仕切り部材157とフレーム156とが係合することにより、隣り合う仕切り部材157とフレーム156とが重なる部分が形成される。仕切り部材157同士が重なる部分、及び、仕切り部材157とフレーム156とが重なる部分によって、横方向に離れて位置する導電体等に対して、電池列155の絶縁距離(沿面距離及び空間距離)が大きくなる。これにより、ケース等を設けなくても、電池列155の導電体に対する絶縁が適切に確保される。また、中継部153のそれぞれにも、側壁146と同様に、隣り合う仕切り部材157が重なる部分、及び、隣り合う仕切り部材157とフレーム156とが重なる部分が形成される。これにより、ケース等を設けない構成でも、電池列155の導電体に対する絶縁がさらに適切に確保される。
【0134】
また、図25に示す第6の変形例の電池モジュール131でも、第5の変形例と同様に、フレームアセンブリ133が設けられる。ただし、本変形例の電池モジュール131では、高さ方向についてフレームアセンブリ133と絶縁膜168との間に、テープ185が設けられる。フレームアセンブリ133は、テープ185を介して、金属板165に取付けられる。テープ185は、例えば、前述の実施形態等のテープ85と同様にして形成される。フレームアセンブリ133は、テープ185によって絶縁膜168に粘着されることにより、金属板165に取付けられる。なお、図25では、金属板165及び絶縁膜168は、省略されている。
【0135】
テープ185は、一対のテープ延設部186(186A,186B)、及び、一対のテープ延設部187(187A,187B)を備える。テープ延設部(第1のテープ延設部)186は、奥行き方向について互いに対して離れて配置される。テープ延設部(第2のテープ延設部)187は、横方向について互いに対して離れて配置される。テープ延設部186のそれぞれは、テープ延設部187の間に、横方向に沿って連続して延設される。テープ延設部187のそれぞれは、テープ延設部186の間に、奥行き方向に沿って連続して延設される。
【0136】
本変形例では、一対のテープ延設部186の一方であるテープ延設部186Aは、高さ方向について側壁(フレーム側壁)146Aと絶縁膜168との間、及び、高さ方向について突出部(フレーム突出部)152Aと絶縁膜168との間のいずれかに設けられ、横方向に沿って延設される。テープ延設部186Aは、側壁146A及び/又は突出部152Aを、金属板165に積層される絶縁膜168に粘着させる。また、一対のテープ延設部186の他方であるテープ延設部186Bは、高さ方向について側壁(フレーム側壁)146Bと絶縁膜168との間、及び、高さ方向について突出部(フレーム突出部)152Bと絶縁膜168との間のいずれかに設けられ、横方向に沿って延設される。テープ延設部186Bは、側壁146B及び/又は突出部152Bを、金属板165に積層される絶縁膜168に粘着させる。これにより、金属板165に絶縁膜168が密着する構成では、突出部152のそれぞれは、金属板165に取付けられる。
【0137】
また、一対のテープ延設部187の一方であるテープ延設部187Aは、高さ方向について側壁145Aと絶縁膜168との間、及び、高さ方向について中継部153Aと絶縁膜168との間のいずれかに設けられ、奥行き方向に沿って延設される。テープ延設部187Aは、側壁145A及び/又は中継部153Aを、金属板165に積層される絶縁膜68に粘着させる。また、一対のテープ延設部187の他方であるテープ延設部187Bは、高さ方向について側壁145Bと絶縁膜168との間、及び、中継部153Bと絶縁膜168との間のいずれかに設けられ、奥行き方向に沿って延設される。テープ延設部187Bは、側壁145B及び/又は中継部153Bを、金属板165に積層される絶縁膜168に粘着させる。これにより、金属板165に絶縁膜168が密着する構成では、中継部153のそれぞれは、金属板165に取付けられる。
【0138】
本変形例では、前述のようにテープ185が設けられるため、テープ延設部186A,186B,187A,187Bによって、貫通孔151の全周に渡って、テープ185の延設部分が形成される。テープ延設部186A,186B,187A,187Bは、フレームアセンブリ133の周壁143に沿って延設される。
【0139】
本変形例でも、前述の実施形態等と同様に、電池モジュール131を過度に大型化することなく、金属板165に対する電池列155(電池群132)の絶縁を適切に確保可能になる。また、本変形例では、テープ185が設けられることにより、第1の実施形態等と同様に、フレームアセンブリ133と金属板165との間での熱膨張の差に起因する熱応力の影響が、低減される。
【0140】
また、本変形例では、テープ185が設けられることにより、第1の実施形態等と同様に、フレームアセンブリ133の内部空洞への突出部152のそれぞれと金属板165の絶縁膜168との間を通しての水滴及び埃等の侵入が、有効に防止される。また、テープ185が設けられることにより、第1の実施形態等と同様に、フレームアセンブリ133の内部空洞への中継部153のそれぞれと金属板165の絶縁膜168との間を通しての水滴及び埃等の侵入が、有効に防止されるしたがって、第1の実施形態等と同様に、汚損度が低い環境に、電池列155(電池群132)を配置可能になる。
【0141】
なお、電池モジュール(31;131)の電池群(32;132)における電池列(55;155)の数は、前述の実施形態に限るものではない。また、電池列(55;155)のそれぞれにおいて配列される電池(1)の数は、前述の実施形態に限るものではない。前述の突出部(52;152)、シート(66;166)、金属板(65;165)及び絶縁膜(68;168)の構成は、1つ以上の電池列(55;155)が設けられ、電池列(55;155)のそれぞれにおいて複数の電池(1)が配列されれば、適用可能である。
【0142】
これらの少なくとも一つの実施形態又は実施例によれば、フレーム突出部は、電池列での電池の配列方向の内側へフレーム側壁から突出し、最外電池に対して下側に隣接する。また、貫通孔は、フレーム突出部の内側に隣接する。シートは、少なくとも一部が貫通孔に配置され、電池列に下側から密着する。絶縁膜は、金属板とシートとの間において、フレーム突出部の突出端を超えて外側へ延設される。これにより、電池列で発生した熱の放熱性が確保されるとともに、電池以外の導電体に対する電池列の絶縁が適切に確保される電池モジュールを提供することができる。
【0143】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、付記を記載する。
[1]配列される複数の電池を備え、前記複数の電池のそれぞれは、電極群と、前記電極群が収納される金属製の外装容器と、を備える電池列と、
前記電池列の配列方向について前記複数の電池の中で最も外側の最外電池に対して前記配列方向の前記外側から対向するフレーム側壁と、前記配列方向の内側へ前記フレーム側壁から突出するフレーム突出部と、を備え、電気絶縁性を有するフレームであって、前記最外電池に対して前記配列方向に交差する高さ方向の下側に前記フレーム突出部が隣接し、前記配列方向について前記フレーム突出部の内側に隣接して貫通孔が形成されるフレームと、
電気的絶縁性を有し、前記貫通孔に少なくとも一部が配置されるシートであって、前記高さ方向の前記下側から前記電池列の前記複数の電池に密着するシートと、
前記高さ方向について前記シートに対して前記下側に配置される金属板と、
前記電気的絶縁性を有し、前記高さ方向について前記金属板と前記シートとの間において前記金属板に積層される絶縁膜であって、前記配列方向について前記フレーム突出部の突出端を超えて前記外側へ延設される絶縁膜と、
を具備する、電池モジュール。
[2]前記絶縁膜は、前記金属板に密着する、[1]の電池モジュール。
[3]前記フレーム突出部と前記絶縁膜とが重なる部分は、5mm以上20mm以下となる、[1]又は[2]の電池モジュール。
[4]前記フレームは、前記フレーム突出部から前記高さ方向の前記下側へ延設されるフレーム脚部を備え、
前記フレーム脚部は、前記金属板及び絶縁膜に対して前記配列方向の前記外側に隣接し、
前記フレーム脚部は、前記配列方向について、前記フレーム突出部の前記突出端に対して前記外側に位置する、
[1]乃至[3]のいずれか1つの電池モジュール。
[5]前記配列方向についての前記絶縁膜の寸法は、前記配列方向についての前記金属板の寸法と同一である、[1]乃至[4]のいずれか1つの電池モジュール。
[6]前記配列方向の前記内側への前記金属板の外縁から前記絶縁膜の外縁までの距離は、3mm以下である、[1]乃至[5]のいずれか1つの電池モジュール。
[7]前記シートは、前記フレームに比べて熱伝導性が高く、
前記最外電池のそれぞれへの前記シートの接触面積は、前記複数の電池の中の前記最外電池以外の電池のそれぞれへの前記シートの接触面積に比べて、小さい、
[1]乃至[6]のいずれか1つの電池モジュール。
[8]前記最外電池と前記フレーム突出部との間、及び、前記最外電池と前記フレーム側壁との間の少なくとも一方に設けられ、前記最外電池を前記フレーム突出部及び前記フレーム側壁の少なくとも一方へ接着する接着剤をさらに具備する、[1]乃至[7]のいずれか1つの電池モジュール。
[9]前記高さ方向について前記フレームと前記絶縁膜との間に設けられ、前記フレームを前記絶縁膜に粘着するテープをさらに具備する、[1]乃至[8]のいずれか1つの電池モジュール。
[10]前記フレームを前記金属板へ連結する連結ネジをさらに具備し、
前記テープは、前記電池列の外周側に延設されるテープ延設部を備え、
前記連結ネジは、前記テープ延設部に対して前記外周側に位置する、
[9]の電池モジュール。
[11]前記電池列において前記最外電池と前記配列方向について前記最外電池と隣り合う電池との間に配置され、前記最外電池を前記最外電池と隣り合う前記電池に対して電気的に絶縁する仕切り部材をさらに具備し、
前記フレームは、前記仕切り部材と係合することにより、前記仕切り部材に組付けられる、
[1]乃至[10]のいずれか1つの電池モジュール。
[12]前記配列方向について前記外側から前記フレームに当たりし、前記配列方向の内側へ向かって前記フレームを押圧する端板をさらに具備する、[11]の電池モジュール。
[13][1]乃至[12]のいずれか1つの電池モジュールと、
前記電池モジュールが前記高さ方向の上側から設置され、前記高さ方向について前記電池列との間に前記金属板が配置される土台と、
を具備する、電池システム。
図1
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