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特許7400125ポリエステル/ポリ(メチルメタクリレート)物品およびその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】ポリエステル/ポリ(メチルメタクリレート)物品およびその製造方法
(51)【国際特許分類】
   D04H 3/007 20120101AFI20231211BHJP
   B01D 39/16 20060101ALI20231211BHJP
   D04H 3/011 20120101ALI20231211BHJP
【FI】
D04H3/007
B01D39/16 A
D04H3/011
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022567555
(86)(22)【出願日】2021-06-24
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-07-13
(86)【国際出願番号】 US2021038889
(87)【国際公開番号】W WO2021262974
(87)【国際公開日】2021-12-30
【審査請求日】2023-05-22
(31)【優先権主張番号】63/044,637
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/116,512
(32)【優先日】2020-11-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514073570
【氏名又は名称】ジャビル インク
(74)【代理人】
【識別番号】100073184
【弁理士】
【氏名又は名称】柳田 征史
(74)【代理人】
【識別番号】100175042
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 秀明
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,ルーク
(72)【発明者】
【氏名】フライ,トーマス
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-186562(JP,A)
【文献】特表2009-532529(JP,A)
【文献】特開2009-221618(JP,A)
【文献】特表2023-530058(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0079145(US,A1)
【文献】特表2006-511723(JP,A)
【文献】国際公開第2018/003807(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0088709(US,A1)
【文献】国際公開第2017/196176(WO,A1)
【文献】国際公開第2004/087812(WO,A1)
【文献】国際公開第2005/123831(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/156561(WO,A1)
【文献】特表2014-513217(JP,A)
【文献】特表2006-524756(JP,A)
【文献】特表2006-503172(JP,A)
【文献】特開2010-069281(JP,A)
【文献】国際公開第2011/136133(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 39/00 - 39/20
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
D01F 6/16
D01F 6/52
D01F 6/62
D01F 6/92
D04H 1/00 - 18/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不織布材料を製造する方法であって、
a)ポリメチルメタクリレートおよびポリ乳酸を含む供給混合物をメルトブロー押出装置に供給する工程、
b)前記押出装置内で前記供給混合物を液化して、液化供給混合物を形成する工程、
c)少なくとも1つのノズルを通じて前記液化供給混合物を吹いて、噴霧を形成する工程、
d)前記噴霧を表面に堆積させる工程、および
e)前記表面上で前記噴霧が固化して、繊維から作られた不織布材料のシートを形成するように、該噴霧の温度を低下させる工程、
を有してなる方法。
【請求項2】
前記不織布材料から作られた濾過層から作られた濾過マスクを形成する工程をさらに含む、請求項1記載の不織布材料を製造する方法。
【請求項3】
前記不織布材料のシートが、該不織布材料の繊維を変形させずに、熱成形可能である、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記不織布材料のシートが、98%超の濾過効率を有する、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記不織布材料のシートが、2mmHg以下の圧力損失を有する、請求項4記載の方法。
【請求項6】
布を電場に通過させる工程をさらに含む、請求項1から5いずれか1項記載の方法。
【請求項7】
0.5マイクロメートルから15マイクロメートルの直径およびから8マイクロメートルの平均直径を有する、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸の繊維から作られた不織布の層を少なくとも1層含むフィルタ。
【請求項8】
前記繊維の数の少なくとも90%が500マイクロメートルより長い、請求項7記載のフィルタ。
【請求項9】
前記不織布が、50から300グラム/mの布質量を有する、請求項7記載のフィルタ。
【請求項10】
前記不織布が、100から200グラム/mの布質量を有する、請求項9記載のフィルタ。
【請求項11】
前記フィルタが、多くともmmHgの圧力損失を有する、請求項8記載のフィルタ。
【請求項12】
前記フィルタが、少なくとも95%の濾過効率を有する、請求項7から11いずれか1項記載のフィルタ。
【請求項13】
前記濾過効率が少なくとも98%である、請求項12記載のフィルタ。
【請求項14】
前記フィルタが、少なくとも50ボルトの表面電位を有する、請求項7記載のフィルタ。
【請求項15】
前記表面電位が、1時間に亘る70℃への曝露後に、多くとも%しか低下しない、請求項14記載のフィルタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ポリエステル/ポリ(メチルメタクリレート)ポリマーブレンドから構成された物品に関する。本発明は、特に、ポリ乳酸/ポリ(メチルメタクリレート)ポリマーブレンドから構成された不織布フィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフィルタは、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル、およびポリメチルメタクリレートなどの多くのポリマーから製造されている。フィルタは、典型的に、実質的に不均一な長さと直径の繊維を有する不織布を形成するメルトブロー過程によって製造されるが、溜まったポリマーにより小塊が形成されるため、多くの用途でフィルタにかかる圧力損失が望ましくはなくなってしまう。
【0003】
従来のフィルタは、帯電が不足しており、衝突、詰込みおよび拡散によって濾過している。従来のフィルタの濾過性能を改善するために、帯電が施されてきた。電荷により、濾材が小さな浮遊粒子を静電的に引きつけ、濾材表面への粒子の付着を向上させ、それゆえ、フィルタの効率を改善している。
【0004】
残念ながら、帯電は、時間と共に、また加熱により、消散し、フィルタの性能が低下することが知られている。この問題を改善するために、脂肪酸のステアリン酸塩または脂肪酸アミドなどの電荷増大添加剤が、フィルタの製造に使用される高分子に添加されてきた(特許文献1参照)。しかしながら、これらの添加剤は、加工および形成された繊維に影響することがあるのと同時に、皮膚に触れる用途にとってアレルギー反応を生じる可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許出願公開第2006/0079145号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、上述したような濾過技術、特に、ヒトの肌に触れることのあるフィルタ用途(例えば、マスク)の1つ以上の問題を克服する高分子およびフィルタを提供することが望ましいであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、PLA/PMMAの特定のブレンドを溶融ブレンドし、剪断し、急冷して、帯電されて微粒子の優れた濾過を可能にする優れた能力を示すと同時に、表面電荷を保持し、濾過効率を維持する不織布などの物品を形成することができるという発見にある。それゆえ、本発明のこの態様は、どの他の電荷増大成分またはどの他の添加剤も含まずに、少なくとも約50電子ボルトの表面帯電電位を有するポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸の高分子組成物である。詳しくは、その組成物は、意外なことに、1時間から24時間に亘り高熱(70℃)に曝されたときでさえ、その電荷の少なくとも90%を保持する。
【0008】
本発明の別の態様は、PMMA/PLAブレンドを、濾過用途に役立つ特に有用な不織布に形成できることである。直径が均一な長繊維を有するメルトブロー布には、同様の使途のために製造された市販のポリプロピレン製メルトブロー布に観察された欠陥がない。この態様は、不織布材料を製造する方法であって、ポリメチルメタクリレートおよびポリ乳酸を含む供給混合物をメルトブロー押出装置に供給する工程;押出装置内で供給混合物を液化して、液化供給混合物を形成する工程;少なくとも1つのノズルを通じて液化供給混合物を吹いて、噴霧を形成する工程;噴霧を表面に堆積させる工程;および表面上で噴霧が固化して、不織布材料のシートを形成するように、噴霧の温度を低下させる工程を有してなる方法である。
【0009】
本発明の別の態様は、高分子組成物を形成する方法であって、(i)ポリ乳酸およびポリ(メチルメタクリレート)を溶融し、ブレンドして、溶融ブレンドを形成する工程、(ii)溶融ブレンドをダイに通して押し出して、成形物品を形成する工程、および(iii)少なくとも50、100、200、500または1000電子ボルトの表面電位まで帯電することのできる微細構造が形成されるような冷却速度でポリ乳酸のTgを通過して成形物品を冷却する工程を有してなる方法である。この態様は、先の態様における方法を使用する様式で行うことができる。
【0010】
本発明のさらなる態様は、約0.1マイクロメートルから15マイクロメートルの直径を有する、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸の繊維から構成された不織布の層を少なくとも1層含むフィルタである。特別な実施の形態において、フィルタ繊維は、約0.5または1マイクロメートルから15マイクロメートルであり、平均直径は約2から6マイクロメートルである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
開示された非限定的な実施の形態は、同様の番号が同様の要素を示している、ここに付随の、その一部を形成する図面に関して議論される。
図1】例示のメルトブロー押出装置の概略図
図2】フェイスマスク装置の概略図
図3】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図4】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図5】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図6】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図7】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図8】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図9】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
図10】本発明のPMMA/PLAフィルタの走査型電子顕微鏡画像
【発明を実施するための形態】
【0012】
フィルタやマスクとして有用な不織布材料は、様々な材料から製造することができ、その材料としては、ポリマー、ポリマーブレンド、形状記憶材料、形状記憶ポリマー、および形状記憶ポリマーブレンドの内の1つ以上が挙げられるであろう。
【0013】
フィルタおよびマスクを製造するのに有用な不織布は、メルトブロー法により製造することができる。ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリ乳酸(PLA)を含む混合高分子組成物は、メルトブローすることができる。PMMA(30%w/w)およびPLA(70%w/w)のブレンドは、図1に示されたものなどのメルトブロー押出装置に投入される。図1は、例示のメルトブロー押出システム800を示す。押出機801は、ホッパー802からPMMA/PLA供給材料(または他の材料)を受け取り、その供給材料を液化し、ノズル開口803を通して液化供給材料を吹く/噴霧する。ノズル開口803を通して液化供給材料を吹く/噴霧するのを支援するために、高速風(図示せず)が使用されることがある。吹かれた材料804は、空気中を移動し、回転円柱面805上に堆積される。その円柱面は、矢印805aで示された方向に回転しているのが示されている。吹かれた材料804が位置806で回転円柱面805上に堆積されたときに、その材料は冷めて、固体になる。固体シート/フイルム807は、矢印808aで示された方向に回転している第2の回転円柱808により引っ張られる。新たに加えられたシート/フイルム材料が、809でメルトブロー高分子のスプール810上に加えられる。
【0014】
次に、このPMMA/PLAブレンドは、図1のシステムなどのシステムにおいて押し出され、吹かれて、フェイスマスクに使用できる不織布シートを形成する。
【0015】
この高分子組成物は、典型的に、約15%から約85%のPMMAと残りのPLAから構成されている。その組成物が、最大で約50%のPMMAから構成されることが望ましい。PLAは、L-ラクチド、D-ラクチド、またはその組合せを使用して形成されたものなど、PLAのどの形態であってもよい。L-ラクチドの量が、PLAの製造に使用される単量体の少なくとも50質量%、60質量%、70質量%、80質量%または90質量%から98質量%または100質量%(100質量%は、微量のD-ラクチドを含むことがある)であることが望ましい。結晶性または半結晶性ポリマーを容易に形成する当該技術分野で公知のものなどの他のポリエステルも使用してよい。
【0016】
PLAまたはポリエステルは、所望のメルトフローレート(MFR)を有するPMMAとのブレンドを実現するためにどのMwを有してもよい。典型的に、PLAは、約10kDaから500kDaの重量平均分子量(Mw)を有する。PLAまたはポリエステルのメルトフローレートは、不織布などのここに記載された物品を形成するのに有用ないずれのメルトフローレートであってもよい。典型的に、MFRは、PMMAと組み合わされたときに、ここに記載されたような所望の繊維の直径および長さを実現するものである。一般に、MFRは、25、50、60または70から90、100、125または150グラム(210℃/10分、2.16kg)であることがある。適切なPLAの例が、NatureWorks LLCから商標名INGEO Biopolymer 625Fおよび3260HP、並びにTotal Corbion PLAからLUMINY L105で市販されている。
【0017】
PMMAは、当該技術分野に公知のものなど、どの適切なPMMAであってもよく、PMMAが、高速剪断および急冷を可能にするレオロジー挙動を示しつつ、それでも、所望の結晶化度およびPLA/PMMAブレンドの帯電能力を実現できる限り、10kDaから3MDaなど、幅広い様々なMwを有してもよい。PMMAは、衝撃強度または熱安定性などの1つ以上の特性を改善するために、当該技術分野で一般に使用されているもの(例えば、メチルアクリレート、ブチルアクリレートなど)などのコモノマーをわずかに(例えば、約5%未満、2%未満、または1%未満)含んで製造されることがある。PMMAのメルトフローレートは、不織布などのここに記載された物品を形成するのに有用などのMFRであってもよい。典型的に、PMMAのMFRは、PLAと組み合わされたときに、ここに記載されたような所望の繊維の直径および長さを実現するものである。一般に、PMMAのMFRは、1、2、5または10から100、50、40または30グラム(230℃/10分、3.8kg)であることがある。有用であろうPMMAの例としては、PLASKOLITEから商標名CA41で市販されているもの、およびArkemaから商標名PLEXIGLAS VM、VSおよびVSUVTで市販されているものが挙げられる。
【0018】
意外なことに、電荷増大添加剤を含まずに、十分な剪断および溶融結晶化温度を通じた冷却の下で形成された高分子組成物により、その組成物を高い表面電位まで帯電させられることが見出された。これは、決して限定するものではなく、例えば、メルトブロー不織布繊維(適切な剪断および冷却に曝された)の以前の組成物よりも、大きい欠陥と粒界を有する、小さい結晶粒から構成されることのある、形成された微細構造のためであると考えられる。この高分子組成物の表面電荷は、少なくとも50、100、200、500またさらには1000電子ボルトであることがある。表面電荷は、米国特許第5401446号明細書の第8欄、第6行から第21行に記載されているような市販の装置によって測定することができる。
【0019】
意外なことに、PLAは、高速で剪断され、PLAまたはポリエステルの溶融結晶化温度を通じて急冷された場合でさえ、非晶質(PMMA)とブレンドされたときに結晶化する。体積による結晶化度は、ここに記載された方法の最中に結晶化するPLAの量からである。典型的に、結晶化するPLAの量は、約1%、2%、5%または10%から約50%、40%または30%までである。それゆえ、ブレンドの結晶化度は、PLAの50%が70%のPLA/30%のPMMA中で結晶化する場合、そのブレンドについて約35%の結晶化度となるであろう。
【0020】
表面の帯電は、米国特許第2740184号、同第4215682号、同第4375718号、同第4588537号、同第4592815号、同第4904174号、同第5122048号、同第5401446号の各明細書、および特許文献1に記載されたような、フィルタなどを帯電させる公知の方法のいずれによって行われてもよい。帯電電圧は、電荷をフィルタに与えるのに有用などの電圧であってもよい。実例として、帯電電圧は、約2kVから50kVであることがある。
【0021】
実施の形態において、物品は、約1マイクロメートルから約15マイクロメートルの直径および約2から6マイクロメートルの平均直径を有する、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸の繊維から構成された不織布の層を少なくとも1層含むフィルタである。そのフィルタは、500マイクロメートル、1ミリメートルまたは2ミリメートルより長い繊維の数が少なくとも約90%、95%、99%以上である。このフィルタの不織布は、意外なことに、低布質量を有することがあり、より高い布質量が使用された場合でさえ、そのフィルタは、圧力損失が低いであろう。布質量は、例えば、25、50または100から300または200グラム/mであることがある。このフィルタは、典型的に、例えば、布質量が50超から300グラム/mである、または多層が使用される(層は、例えば、別個の布シートである)場合でさえ、最大で約5mmHg(666Pa)、4mmHg(533Pa)、2mmHg(266Pa)または1mmHg(133Pa)の圧力損失を有する。フィルタを製造するために、1つ以上の層が使用されることがある。フィルタは、典型的に、少なくとも95%または98%の効率を有することがある。フィルタは、ここに記載されたような微細構造のために、加熱された場合でさえ、表面電荷電位を保持する。例えば、表面電位は、典型的に、1時間に亘り70℃に曝露された後に、多くとも約10%しか低下せず、そのような加熱後に、効率は実質的に失われない、または効率は5%未満、3%未満、2%未満、または1%未満しか失われない。
【0022】
高分子組成物の繊維状物品を形成する方法(例えば、メルトブロー法)において、PMMA/PLAブレンドが、平均直径が約2または3から8、7または6マイクロメートルで、1から15マイクロメートルの直径を有する繊維の製造を可能にする200℃での粘度を有することが望ましい。典型的に、PLAおよびPMMAのポリマーブレンドのMFRは、20または30から90または80グラム(210℃/10分、2.16kg)である。直径は、公知の画像解析技術を使用して、または手作業で、不織布の1つ以上の顕微鏡写真における多数の繊維(約100)の直径を測定することによって、決定することができる。
【0023】
典型的に不織布である、超高効率の布が、全てが1マイクロメートルから約0.05マイクロメートルの直径、および上述した長さを有する繊維から作られることが発見された。この実施の形態および先の段落に記載された実施の形態の両方について、繊維の長さに沿った直径は、意外なことに、良好な均一性を示し、これが、図5から容易に分かる。典型的に、繊維は、約20%、10%、またさらには5%の平均からの標準偏差を有する直径を有し、この標準偏差は、100倍の顕微鏡写真内の繊維長に沿った一端から他端までの5から10の等距離点で約50の繊維を測定することによって、決定でき、公知の画像解析技術を利用することができる。
【0024】
フィルタエレメントなどの成形物品を形成する場合、PLA/PMMAは、溶融ブレンドされ、ダイに通して押し出され、典型的に、繊維状シートまたは布を形成し、これは、織物であっても不織布であってもよい。ダイを通る剪断速度は、所望の微細構造および表面帯電電位を実現するのに十分であるべきである。典型的に、剪断速度は、少なくとも10、100、250、500または750 1/sから5000、4000または3500 1/sである。同様に、ポリ乳酸またはポリエステルの溶融結晶化温度(典型的に、約140℃から180℃)を通過する冷却速度は、所望の微細構造が形成されて、この過程により形成されたフィルタエレメントが帯電された際に、前記表面電荷電位を実現できるように十分に急速である。典型的に、冷却速度は、10、50、100、1000℃/分から5000℃/秒、4000℃/秒または3500℃/秒であり、これは、典型的に、ポリマーブレンドのほぼ溶融温度から約100℃までである。
【0025】
説明として、メルトブロー不織布を形成する場合、溶融ポンプ温度は、PLA/PMMAポリマーを溶融ブレンドするために、それらの融点より高く、典型的に、約175から250℃である。ダイ温度は、一般に、溶融ポンプ温度よりわずかに高い(すなわち、10%または20%高い)。例えば、溶融ポンプ温度が200℃であれば、ひいては、ダイ温度は、約220から250℃であるであろう。所望の微細構造を実現するための所望の冷却速度を確実にするために、ダイの排出から収集ロールに衝突するまでの空気温度は、典型的に、溶融ポンプ温度またはダイ温度より少なくとも約1.3、1.5、1.8またさらには1.9倍高い温度に設定され、これは、空気が、ダイから排出される繊維に衝突するまで、吹き出しオリフィスから吹き出される際に、いくぶん冷めることを理解の上である。
【0026】
意外なことに、PMMA/PLAから作られた不織布は、圧力損失がたった2mmHg(水銀柱ミリメートル)(266Pa)で、98~99%の効率を有することがあり、ここに記載されたメルトブロー法により製造できる、ここに記載された繊維構造を有する。濾過効率および圧力損失は、TSI8130A装置を使用して測定した。0.1μmまたは0.2μmの塩(NaCl)直径による測定に、32L/分の気流速度を使用した。線維性フィルタは、30%w/wのPMMAおよび70%w/wのPLAを含有した。濾材は、帯電され、直径111mmの円形を有していた。濾材は、100グラム毎平方メートル(gsm)の密度を有していた。PMMA/PLAシートは、熱成形可能であり、形状記憶を示した。すなわち、PMMA/PLAシートを所望の形状に成形するために、PMMA/PLAシートを固定具上に配置し、高温に加熱することができる。PMMA/PLAシートを、転移温度とほぼ等しい、等しい、またはそれより高い温度に加熱することが望ましいであろう。(加熱すべき)転移温度は、ポリマーブレンド中に存在するポリマーの転移温度であることがある。(加熱すべき)転移温度は、最低の転移温度(ポリマーブレンド中の他のポリマーと比べて)を有するポリマーの転移温度であることがある。
【0027】
PMMA/PLAポリマーブレンドを熱成形することにより、繊維を変形させずに、規定の形状が得られることが有利である。PMMA/PLAブレンド中のPMMAの量は、形状記憶特性を示すPMMA/PLAブレンドを製造するために、15から85%w/wであることがある。同様に、PMMA/PLAブレンド中のPLAの量は、形状記憶を示すPMMA/PLAブレンドを製造するために、15から85%w/wであることがある。形状記憶を示すPMMA/PLAブレンドを製造するために、15~85%w/wのPMMAを有し、15~85%w/wのPLAを有するPMMA/PLAブレンドを使用することができる。PMMA/PLAブレンドの形状記憶効果および成形性は、衝撃改質剤などのエラストマー添加剤を添加することによって、向上することがある。衝撃改質剤などのエラストマー添加剤は、混合物の総質量の0から25%w/wの濃度で添加することができる。固定具の周りにポリマーブレンドを形成して、それを永久的な形状にするために、加熱工程に、80から85℃の温度範囲が使用されることがある。あるいは、ポリマーブレンドは、加熱され、使用者の顔に合うように形成されることがある。
【0028】
外科手術用マスクを製造するために使用される多くの材料は、熱成形温度近くに加熱されたときに、高分子繊維の変形を経る。したがって、今日の多くの熱成形マスクは、製品の熱成形性を提供するために熱成形可能な材料の層を有する。これにより、本質的に、ここに記載されたような単層構造とは対照的に、多層構造がもたらされる。
【0029】
PMMA/PLAなどの成形用サーモフォームである材料により、今日の外科手術用マスクと比べて、使用者の顔とより良く密着するマスクを製造することができる。より良いフィット感は、異なるサイズと形状のマスクを提供することによって、消費者(マスクの着用者)に提供できるであろう。例えば、高分子繊維を変化または変形させずに熱成形できるフェイスマスクは、小型、中型、大型などのサイズに成形でき、使用者の顔により良くフィットするように、円形、楕円形、正方形、長方形などの異なる形状で提供できるであろう。個人の顔の成形型を製造し、その成形型の上に成形用サーモフォームマスクをフィットさせ、成形型上のマスク材料を加熱して、そのマスクに永久的な形状を与えることによって、特注の外科手術用マスクも製造できるであろう。
【0030】
PLA/PMMA組成物が、繊維を変形させずに熱成形マスクなどの熱成形布形状を形成するのに特に有用であることが見出された。典型的に、約50から約100℃の温度を使用して、PMMAおよびPLAから作られたフィルタなどの成形布を熱成形することができる。加熱され(軟化し)たマスクを使用者の顔に押し付けることができ、このマスクは、冷めるにつれて、使用者の顔の輪郭の形になる。熱成形マスクは、使用者の顔にきつく密着したフェイスマスクになる。少なくとも一部には、繊維は、熱成形の際に変形しないので、その形状を変更し、再びフィットさせたり、別の使途などのために成形したりすることができる(逆熱成形性)。開示された実施の形態に、形状記憶を示し、濾過を行える他のポリマーまたはポリマーブレンドも使用してよい。
【0031】
ここに記載されたPMMA/PLAブレンドなどの熱成形可能な濾材は、この濾材に強度と支持を与えるために、裏当て層をさらに含むことがある。この裏当て層は、濾材に接着するために片側に接着剤を含む高分子材料であることがある。
【0032】
図2は、熱成形可能な濾材1101、支持体1102、および支持ストラップ1103を含む保護フェイスマスク1100を示す。熱成形可能な濾材1101は、PMMAおよびPLAのブレンドから作られることがある。熱成形可能な濾材1101は、30%w/wのPMMAおよび70%w/wのPLAのブレンドから作られることがある。熱成形可能な濾材1101は、15から85%w/wのPMMAおよび15から85%w/wのPLAのブレンドから作られることがある。熱成形可能な濾材1101は、メルトブロー押出により製造されることがあり、衝撃改質剤などのエラストマー添加剤をさらに含むことがある。熱成形可能な濾材1101は、加熱され、成形され、冷却されたときに、形状記憶を示すことがある。
【0033】
支持体1102は、保護フェイスマスク1100に構造を与え、このマスクを使用者の顔に保持するのに役立つ。支持体1102は、ゴムエラストマーを含むポリマーであることがある。支持体1102は、熱成形可能な濾材1101上にオーバーモールドされることがある。あるいは、支持体1102は、熱成形可能な濾材1101に接着する機能性シーラントであることがあり、硬化されたときに、マスクに剛性を与える。支持体1102は、シリコーンを含むまたはシリコーンからなる機能性シーラントであることがある。
【0034】
支持ストラップ1103は、弾性ストラップであることがあり、支持体1102および熱成形可能な濾材1101を使用者の顔に保持する働きをする。あるいは、支持ストラップ1103は、非弾性材料から作られることがある。支持ストラップ1103は、図2に示されるように、支持体1102に存在する開口(孔/開口部)1104に通されることがある。
【0035】
図3から9は、フィルタに有用なメルトブローPMMA/PLA布の走査型電子顕微鏡(SEM)の顕微鏡写真を示す。図3から9に示されるように、PMMA/PLAブレンド中の繊維は、個々の形状を維持し、変形していない。このことは、例えば、マスク用途に使用されるある種のポリプロピレン布とは対照的である。これらの布(メルトブロー法で製造された市販のポリプロピレン製マスクのSEMの顕微鏡写真である、図10を参照のこと)において、変形している繊維を視覚的に観察することができる(SEMを使用)。これらのポリプロピレン製マスクの布における変形は、互いに溶融して、より大きい繊維を形成する平行繊維として生じるであろう。この変形は、繊維の骨格に沿って分岐した(すなわち、繊維長さに沿ったほつれ)個々の繊維としても生じるであろう。変形は、溜まったポリマーの小塊としても生じるであろう。
【実施例
【0036】
不織布フィルタは、直径200マイクロメートルのオリフィスを有するダイに通してメルトブローすることによって製造される。その組成は、表1に別記されていない限り、70質量%のPLA(INGEO Biopolymer 625F)および30質量%のPMMA(PLASKOLITE CA41)である。溶融押出機の温度は約230から250℃であり、ダイ温度は200℃に設定され、吹き出し空気設定温度は380℃であり、空気圧は40ポンド毎平方インチ(約276kPa)である。収集機の距離は、表1に記載されているようなものである。塩サイズが、表1に示され、ここに記載されたように、0.1および0.2マイクロメートルであったことを除いて、フィルタは、特許文献1(第28段落)に記載されたのと類似の様式で、塩粒子に試験した。電荷増大添加剤が添加されたか、またはこれも表1に示されたように、布がポリプロピレンで製造されたことを除いて、同じ様式で、比較例は製造されている。
【0037】
表1から、本発明のフィルタは、帯電した場合、そのようなフィルタに典型的に使用されるポリプロピレンと比べて、所定の圧力損失で、より高い効率を有する(実施例6および7対比較例5および6を参照のこと)ことが容易に明白である。同様に、本発明のフィルタは、質量がより重い布について圧力損失がずっと低く、より強固な通気性フィルタが得られることが極めて明白である。意外なことに、本発明のフィルタおよび高分子組成物は、典型的なポリプロピレン製フィルタのような電荷増大添加剤を必要としない(比較例1~3参照のこと)。これは、所望の微細構造に悪影響を与える添加剤によるものであろう。
【0038】
【表1】
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
【0039】
実施形態1
不織布材料を製造する方法であって、
a)ポリメチルメタクリレートおよびポリ乳酸を含む供給混合物をメルトブロー押出装置に供給する工程、
b)前記押出装置内で前記供給混合物を液化して、液化供給混合物を形成する工程、
c)少なくとも1つのノズルを通じて前記液化供給混合物を吹いて、噴霧を形成する工程、
d)前記噴霧を表面に堆積させる工程、および
e)前記表面上で前記噴霧が固化して、繊維から作られた不織布材料のシートを形成するように、該噴霧の温度を低下させる工程、
を有してなる方法。
【0040】
実施形態2
前記不織布材料から作られた濾過層から作られた濾過マスクを形成する工程を含む、前記不織布材料を製造する方法。
【0041】
実施形態3
前記不織布材料のシートが、該不織布材料の繊維を変形させずに、熱成形可能である、実施形態18に記載の方法。
【0042】
実施形態4
前記不織布材料のシートが、98%超の濾過効率を有する、実施形態18に記載の方法。
【0043】
実施形態5
前記不織布材料のシートが、2mmHg以下の圧力損失を有する、実施形態4に記載の方法。
【0044】
実施形態6
布を電場に通過させる工程をさらに含む、実施形態1から5いずれか1つに記載の方法。
【0045】
実施形態7
どの他の電荷増大添加剤も含まずに、少なくとも約50電子ボルトの表面電位を有するポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸から作られた高分子組成物。
【0046】
実施形態8
前記組成物が、該組成物を1時間に亘り70℃に加熱した後、前記表面電位の少なくとも90%を維持する、実施形態7に記載の高分子組成物。
【0047】
実施形態9
前記ポリ(メチルメタクリレート)が前記組成物中に該組成物の約5質量%から85質量%で存在し、残りがポリ乳酸である、実施形態7または8に記載の高分子組成物。
【0048】
実施形態10
前記ポリ(メチルメタクリレート)が前記組成物の50質量%未満の量で存在する、実施形態7から9いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0049】
実施形態11
前記ポリ乳酸が、L-ラクチド、D-ラクチド、またはその組合せの重合により作られている、実施形態7から10いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0050】
実施形態12
前記L-ラクチドが前記ポリ乳酸の少なくとも50質量%から100質量%の量で存在する、実施形態11に記載の高分子組成物。
【0051】
実施形態13
前記高分子組成物のメルトフローレートが、約5から100グラム(210℃/分、2.6kg)である、実施形態7から12いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0052】
実施形態14
前記高分子組成物が繊維を構成する、実施形態7から13いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0053】
実施形態15
前記組成物がフィルタである、実施形態7から14いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0054】
実施形態16
前記フィルタがマスクである、実施形態15に記載の高分子組成物。
【0055】
実施形態17
前記ポリ乳酸の1%から50%の量が結晶化されている、実施形態7から16いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0056】
実施形態18
前記ポリ乳酸の約2%から40%の量が結晶化されている、実施形態17に記載の高分子組成物。
【0057】
実施形態19
前記高分子組成物が不織繊維シートである、実施形態7から18いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0058】
実施形態20
前記不織繊維シートが、約1マイクロメートルから約15マイクロメートルの直径を有する繊維を有する、実施形態19に記載の高分子組成物。
【0059】
実施形態21
前記不織繊維シートが、約0.1m /gから120m /gの比表面積を有する、実施形態20に記載の高分子組成物。
【0060】
実施形態22
高分子組成物を形成する方法であって、
(i)ポリ乳酸およびポリ(メチルメタクリレート)を溶融し、ブレンドして、溶融ブレンドを形成する工程、
(ii)前記溶融ブレンドをダイに通して押し出して、成形物品を形成する工程、および
(iii)少なくとも50電子ボルトの表面電位まで帯電することのできる微細構造が形成されるような冷却速度で前記ポリ乳酸のTgを通過して前記成形物品を冷却する工程、
を有してなる方法。
【0061】
実施形態23
前記冷却速度が10℃/分から4000℃/秒である、実施形態22に記載の方法。
【0062】
実施形態24
前記ダイに通して押し出す工程が、少なくとも10 1/sから5000 1/sの剪断速度で行われる、実施形態23に記載の方法。
【0063】
実施形態25
前記剪断速度が少なくとも500 1/sである、実施形態24に記載の方法。
【0064】
実施形態26
前記ポリ乳酸が、約10から100グラム(210℃/分、2.6kg)のメルトフローレートを有する、実施形態22から25いずれか1つに記載の方法。
【0065】
実施形態27
前記ポリ乳酸のメルトフローレートが、約50から80グラムである、実施形態26に記載の方法。
【0066】
実施形態28
前記ポリ(メチルメタクリレート)が、約1から100グラム(230℃/分、3.8kg)のメルトフローレートを有する、実施形態22から27いずれか1つに記載の方法。
【0067】
実施形態29
前記溶融する工程および押し出す工程が、メルトブローによるものである、実施形態22から28いずれか1つに記載の方法。
【0068】
実施形態30
前記メルトブローが、空気設定温度が溶融温度より少なくとも1.3倍高くなるような溶融温度および空気設定温度を有する、実施形態29に記載の方法。
【0069】
実施形態31
前記空気設定温度が約1.8倍から約3倍高い、実施形態30に記載の方法。
【0070】
実施形態32
前記溶融温度が約175℃から約250℃である、実施形態30または31に記載の方法。
【0071】
実施形態33
前記溶融ブレンドが、10から80グラム(210℃/分、2.6kg)のメルトフローレートを有する、実施形態26から32いずれか1つに記載の方法。
【0072】
実施形態34
前記成形物品が、2kVから50kVの帯電電圧に曝される、実施形態26から33いずれか1つに記載の方法。
【0073】
実施形態35
約0.5マイクロメートルから15マイクロメートルの直径および約2から8マイクロメートルの平均直径を有する、ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸の繊維から作られた不織布の層を少なくとも1層含むフィルタ。
【0074】
実施形態36
前記繊維の数の少なくとも約90%が500マイクロメートルより長い、実施形態35に記載のフィルタ。
【0075】
実施形態37
前記不織布が、50から300グラム/m の布質量を有する、実施形態35または36に記載のフィルタ。
【0076】
実施形態38
前記不織布が、約100から200グラム/m の布質量を有する、実施形態37に記載のフィルタ。
【0077】
実施形態39
前記フィルタが、多くとも約5mmHgの圧力損失を有する、実施形態35から38いずれか1つに記載のフィルタ。
【0078】
実施形態40
前記フィルタが、少なくとも95%の濾過効率を有する、実施形態35から39いずれか1つに記載のフィルタ。
【0079】
実施形態41
前記濾過効率が少なくとも98%である、実施形態40に記載のフィルタ。
【0080】
実施形態42
前記フィルタが、少なくとも約50ボルトの表面電位を有する、実施形態35から41いずれか1つに記載のフィルタ。
【0081】
実施形態43
前記表面電位が、1時間に亘る70℃への曝露後に、多くとも約5%しか低下しない、実施形態42に記載のフィルタ。
【0082】
実施形態44
前記効率が少なくとも95%である、実施形態43に記載のフィルタ。
【0083】
実施形態45
ポリ(メチルメタクリレート)およびポリ乳酸から作られた高分子組成物であって、前記ポリ乳酸の約1体積%から50体積%の量が結晶化している、高分子組成物。
【0084】
実施形態46
前記ポリ乳酸の結晶化した量が2%から40%である、実施形態45に記載の高分子組成物。
【0085】
実施形態47
前記ポリ乳酸の結晶化した量が5%から30%である、実施形態46に記載の高分子組成物。
【0086】
実施形態48
前記ポリ乳酸が、前記高分子組成物の15質量%から85質量%の量で存在する、実施形態45から47いずれか1つに記載の高分子組成物。
【0087】
実施形態49
前記ポリ乳酸の量が、前記高分子組成物の少なくとも50質量%である、実施形態48に記載の高分子組成物。
【符号の説明】
【0088】
800 メルトブロー押出システム
801 押出機
802 ホッパー
803 ノズル開口
804 吹かれた材料
805 回転円柱面
806 位置
807 固体シート/フイルム
808 第2の回転円柱
810 スプール
1100 保護フェイスマスク
1101 熱成形可能な濾材
1102 支持体
1103 支持ストラップ
1104 開口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10