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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-08
(45)【発行日】2023-12-18
(54)【発明の名称】順送り金型装置及び鉄心薄板の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 15/02 20060101AFI20231211BHJP
【FI】
H02K15/02 E
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023560005
(86)(22)【出願日】2023-07-14
(86)【国際出願番号】 JP2023026047
【審査請求日】2023-09-28
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000170853
【氏名又は名称】黒田精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】伊丸 友和
【審査官】服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-048555(JP,A)
【文献】特開2003-061318(JP,A)
【文献】特開2001-045717(JP,A)
【文献】特開昭52-156305(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のピッチをもって間欠移送される帯状薄板に、前記帯状薄板の移送方向に整列して設定された複数の処理ステージの各々において所定の処理を行い、所定の形状の鉄心薄板を製造する順送り金型装置であって、
間欠移送における前記帯状薄板の1回の移送ごとに、複数のパイロット孔を打抜き形成するパイロット孔形成部と、
前記処理ステージの各々に対応して設けられ、対応する前記パイロット孔に係合して前記各処理ステージにおける前記帯状薄板の位置決めを行う少なくとも1つのパイロットピンとを有し、
前記処理ステージの或るものでは、前記複数のパイロット孔のうちの一つに係合するように前記パイロットピンが配置され、
前記処理ステージの他の一つのものでは、前記複数のパイロット孔のうちの前記一つ以外のものに係合するように前記パイロットピンが配置されている順送り金型装置。
【請求項2】
前記複数のパイロット孔が前記移送方向に整列するように前記パイロット孔形成部が構成されている請求項1に記載の順送り金型装置。
【請求項3】
前記複数のパイロット孔が前記帯状薄板の両側縁の各々に沿って移送方向に整列するように前記パイロット孔形成部が構成されている請求項1に記載の順送り金型装置。
【請求項4】
前記処理ステージの各々には前記帯状薄板に対して所定の処理を行う処理部材が設置され、
前記パイロットピンは前記処理ステージの各々において前記処理部材を前記移送方向に隔てて複数箇所に形成された前記複数のパイロット孔のうち前記処理部材と干渉しない前記パイロット孔と係合する請求項1~3の何れか一項に記載の順送り金型装置。
【請求項5】
前記処理ステージの一つとして、前記帯状薄板にかしめ部を形成するかしめ部形成用パンチ及びかしめ部形成用ダイと、前記かしめ部形成用パンチの有効長を増減するカムとを備えたかしめ部形成ステージを有し、前記パイロットピンとの干渉対象の前記処理部材が前記カムである請求項4に記載の順送り金型装置。
【請求項6】
前記処理ステージの一つとして、前記帯状薄板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置を備えた接着剤塗布ステージを有し、前記パイロットピンとの干渉対象の前記処理部材が前記接着剤塗布装置である請求項4に記載の順送り金型装置。
【請求項7】
前記処理ステージの一つとして、パンチ及び回転ダイを備えた打抜きステージを有し、前記パイロットピンとの干渉対象の前記処理部材が前記回転ダイである請求項4に記載の順送り金型装置。
【請求項8】
所定のピッチをもって間欠移送される帯状薄板に、順送り金型装置によって前記帯状薄板の移送方向に整列して設定された複数の処理ステージの各々において所定の処理を行い、所定の形状の鉄心薄板を製造する製造方法であって、
間欠移送における前記帯状薄板の1回の移送ごとに、パイロット孔形成部によって複数のパイロット孔を打抜き形成し、
前記処理ステージの各々に対応して設けられ、少なくとも1つのパイロットピンが対応する前記パイロット孔に係合して前記各処理ステージにおける前記帯状薄板の位置決めを行い、
前記パイロットピンは前記処理ステージの或るものでは、前記複数のパイロット孔のうちの一つに係合し、前記処理ステージの他の一つのものでは、前記複数のパイロット孔のうちの前記一つ以外のものに係合する鉄心薄板の製造方法。
【請求項9】
前記複数のパイロット孔が前記移送方向に整列する請求項8に記載の鉄心薄板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鉄心薄板を製造する順送り金型装置及び鉄心薄板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータコア等に用いられる積層鉄心(鉄心薄板)の製造装置として順送り金型が知られている。順送り金型では、帯状薄板(フープ材)に対して必要な加工が順次実施される複数の処理ステージが設けられる。各処理ステージでは、パイロット孔(位置決め用孔)の打抜きや、内形(スロット、ティース等の内部形状)の打抜き、かしめ部の形成、接着剤の塗布などが必要に応じて行われる。これにより、順送り金型内を搬送される帯状薄板において、積層鉄心を構成する各薄板片の形状が連続的にかたち作られる。最終的に帯状薄鋼板から外形を打ち抜かれた鉄心薄板が、順送り金型において所定枚数積層された状態で固着されることによって積層鉄心が完成する。
【0003】
順送り金型を用いた鉄心薄板の製造では、帯状薄板が所定のピッチ(以降、移送ピッチと言う)をもって間欠移送され、帯状薄板に形成されたパイロット孔にパイロットピンが係合することにより、順送り金型に対する帯状薄板の位置決めが行われ、位置決め状態で、各処理ステージにおいて内形打抜きや外形打抜き等の所定の処理が行われる(例えば、特許文献1、2)。順送り金型には、かしめ形成用のパンチの有効長を計量のために変化させる板カムや回転ダイ等の可動部が設けられることがある。
【0004】
パイロット孔は順送り金型による鉄心薄板の製造における最初の工程として、間欠移送における前記帯状薄板の1回の移送ごとに、帯状薄板の両側縁の各々に1個のパイロット孔が穿設される。この穿設では、パイロット孔は帯状薄板の各側縁に沿って移送ピッチと同じ間隔をもって移送方向に整列する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-5649号公報
【文献】特開2021-93908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
パイロット孔は、帯状薄板の移送ピッチと同じ間隔で設けられ、配置位置の自由度が低い。また、パイロット孔に係合するパイロットピンの配置位置についても同様に自由度が低い。このため、パイロットピンの配置位置を可能な範囲で変更しても、パイロットピンと板カムや回転ダイ等の可動部との干渉を回避できない場合がある。そのような干渉を回避するためには可動部の構造を複雑化する必要が生じ、部品強度の低下、作業性・メンテナンス性の低下につながる。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑み、パイロットピンの配置位置の自由度を高くすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、所定のピッチをもって間欠移送される帯状薄板に、前記帯状薄板の移送方向に整列して設定された複数の処理ステージの各々において所定の処理を行い、所定の形状の鉄心薄板を製造する順送り金型装置であって、間欠移送における前記帯状薄板の1回の移送ごとに、複数のパイロット孔を打抜き形成するパイロット孔形成部と、前記処理ステージの各々に対応して設けられ、対応する前記パイロット孔に係合して前記各処理ステージにおける前記帯状薄板の位置決めを行う少なくとも1つのパイロットピンとを有し、前記処理ステージの或るものでは、前記複数のパイロット孔のうちの一つに係合するように前記パイロットピンが配置され、前記処理ステージの他の一つのものでは、前記複数のパイロット孔のうちの前記一つ以外のものに係合するように前記パイロットピンが配置されている。
【0009】
この態様によれば、パイロットピンが係合するパイロット孔の配置位置の自由度が高くなり、このことに伴いパイロットピンの配置位置の自由度が高くなる。
【0010】
上記の態様において、前記複数のパイロット孔が前記移送方向に整列するようにパイロット孔形成部が構成されてもよい。
【0011】
この態様によれば、パイロットピンの配置位置の自由度が帯状薄板の移送方向に関して高くなる。
【0012】
上記の態様において、前記複数のパイロット孔が前記帯状薄板の両側縁の各々に沿って移送方向に整列するようにパイロット孔形成部が構成されてもよい。
【0013】
この態様によれば、パイロットピンの配置位置の自由度が、帯状薄板の各側縁に対応する位置において、帯状薄板の移送方向に関して高くなる。
【0014】
上記の態様において、前記処理ステージの各々には前記帯状薄板に対して所定の処理を行う処理部材が設置され、前記パイロットピンは前記処理ステージの各々において前記処理部材を前記移送方向に隔てて複数箇所に形成された前記複数のパイロット孔のうち前記処理部材と干渉しない前記パイロット孔と係合する。
【0015】
この態様によれば、パイロットピンの配置位置の自由度が帯状薄板の移送方向に関して高くなる。
【0016】
上記の態様において、前記処理ステージの一つとして、前記帯状薄板にかしめ部を形成するかしめ部形成用パンチ及びかしめ部形成用ダイと、前記かしめ部形成用パンチの有効長を増減するカムとを備えたかしめ部形成ステージを有し、前記パイロットピンとの干渉対象の前記処理部材が前記カムである。
【0017】
この態様によれば、パイロットピンがカムと干渉することが回避される。
【0018】
上記の態様において、前記処理ステージの一つとして、前記帯状薄板に接着剤を塗布する接着剤塗布装置を備えた接着剤塗布ステージを有し、前記パイロットピンとの干渉対象の前記処理部材が前記接着剤塗布装置である。
【0019】
この態様によれば、パイロットピンが接着剤塗布装置と干渉することが回避される。
【0020】
上記の態様において、前記処理ステージの一つとして、パンチ及び回転ダイを備えた打抜きステージを有し、前記パイロットピンとの干渉対象の前記処理部材が前記回転ダイである。
【0021】
この態様によれば、パイロットピンが回転ダイと干渉することが回避される。
【0022】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、所定のピッチをもって間欠移送される帯状薄板に、順送り金型装置によって前記帯状薄板の移送方向に整列して設定された複数の処理ステージの各々において所定の処理を行い、所定の形状の鉄心薄板を製造する製造方法であって、間欠移送における1回の移送ごとに、パイロット孔形成部によって複数のパイロット孔を打抜き形成し、前記処理ステージの各々に対応して設けられ、少なくとも1つのパイロットピンが対応する前記パイロット孔に係合して前記各処理ステージにおける前記帯状薄板の位置決めを行い、前記処理ステージの或るものでは、前記複数のパイロット孔のうちの一つを使用し、前記処理ステージの他の一つのものでは、前記複数のパイロット孔のうちの前記一つ以外のものを使用する。
【0023】
この態様によれば、パイロットピンが係合するパイロット孔の配置位置の自由度が高くなり、このことに伴いパイロットピンの配置位置の自由度が高くなる。
【0024】
上記の態様において、前記複数のパイロット孔が前記移送方向に整列していてもよい。
【0025】
この態様によれば、パイロットピンの配置位置の自由度が帯状薄板の移送方向に関して高くなる。
【発明の効果】
【0026】
以上の態様によれば、パイロットピンの配置位置の自由度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】積層鉄心に用いられる鉄心薄板の一つの具体例を示す平面図
図2】本発明の実施形態1の順送り金型装置による1列取りの場合のストリップレイアウトを示す説明図
図3】実施形態1の順送り金型装置の断面図
図4図3の線X-Xに沿った断面図
図5】実施形態1の順送り金型装置による2列取りの場合のストリップレイアウトを示す説明図
図6】本発明の実施形態2の順送り金型装置による1列取りの場合のストリップレイアウトを示す説明図
図7】実施形態2の順送り金型装置の断面図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下に、本発明による順送り金型装置及び鉄心薄板の製造方法の実施形態を、図を参照して説明する。尚、説明の便宜上、各図に矢印で示した上下、前後、左右によって方向を規定する。但し、本発明に係る順送り金型及びこれを用いた製造方法は、必ずしもそれらの方向によって限定されない。
【0029】
(実施形態1)
図1図4を参照して実施形態1について説明する。
【0030】
先ず、図1を参照して積層鉄心に用いられる鉄心薄板Aの一つの具体例を説明する。鉄心薄板Aは、帯状薄板(フープ材)F(図2参照)を次に説明する順送り金型装置10を用いたプレス加工によって所定の形状に打ち抜いたプレス成形品である。鉄心薄板Aは、積層され、実施形態1では、隣り合うもの同士がかしめにより結合される。
【0031】
鉄心薄板Aは、円環状のヨーク部Bと、ヨーク部Bから径方向内方に延出した複数のティース部(磁極部)Cと、ヨーク部Bに形成された複数のかしめ部Dとを有する。
【0032】
鉄心薄板Aの製造工程は、帯状薄板Fが順送り金型装置10の1回のプレス動作ごとに所定のピッチT(以降、移送ピッチTと言う)をもって間欠移送される状態下で、図2に示されているように、パイロット孔Pを打抜き形成するパイロット孔打抜き工程(I)と、隣り合うティース部C間のスロットSを打抜き形成するスリット打抜き工程(II)と、各かしめ部Dをエンボス成形するかしめ部形成工程(III)と、ティース部Cの先端を画定すべく円形の内形Gの打抜きを行う内形打抜き工程(IV)と、ヨーク部Bの円形の外形Hを打抜き形成する外形打抜き工程(V)とを順に実行する。
【0033】
次に、図3を参照して実施形態1の順送り金型装置10を説明する。順送り金型装置10は、帯状薄板Fを上下に挟み込むように配置された上型20及び下型60を備える。
【0034】
上型20は、プレス機械の上部ラム(不図示)の下面に固定される板状の上側ホルダ22を有する。これにより、上型20は、下型60に近接及び下型60と離間するように、上下方向に移動することが可能である。上型20において、上側ホルダ22の下部には、バッキングプレート24及びパンチプレート26が取り付けられている。パンチプレート26は、パイロット孔打抜き用パンチ28、スロット打抜き用パンチ30、かしめ部形成用パンチ32、内形打抜き用パンチ34及び外形打抜き用パンチ36をそれぞれ上側ホルダ22に固定する。バッキングプレート24は、各パンチ28、30、32、34、36の加工力が上側ホルダ22に直接かかることを防止する。バッキングプレート24がかしめ部形成用パンチ32に対応する位置にはかしめ部形成用パンチ32の有効長を増減する計量制御用の板カム38が左右方向に移動可能に取り付けられている。
【0035】
上型20において、上側ホルダ22の下方には、ストリッパ40が取り付けられている。ストリッパ40は上側ホルダ22に対して上下方向に相対変位可能である。ストリッパ40は、吊下げボルト(不図示)による吊り下げ支持によって上側ホルダ22に対する最降下位置が設定されている。ストリッパ40は、それぞれ板状をなすストリッパ本体40Aとストリッパ40Bとの接合体として構成される。
【0036】
ストリッパ40の下面は、後述するダイプレート64及び各ダイ68、70、72、74、76の上面に対向する。ストリッパ40には、各パンチ28、30、32、34、36が貫通するパンチ貫通孔42、44、46、48、50が形成されている。
【0037】
下型60は、プレス機械の下部ボルスタ(不図示)の上面に固定される板状の下側ホルダ62を有する。下側ホルダ62は上側ホルダ22に対向するように配置される。下型60において、下側ホルダ62の上面には板状のダイプレート64が取り付けられている。ダイプレート64には、パイロット孔打抜き用ダイ68、スロット打抜き用ダイ70、かしめ部形成用ダイ72、内形打抜き用ダイ74及び外形打抜き用ダイ76が取り付けられている。外形打抜き用ダイ76は、円筒状であり、自身の中心軸線周りに所定の回転角をもって分割回転される回転ダイを構成している。かしめ部形成用パンチ32、板カム38及びスロット打抜き用ダイ70はかしめ部形成部材を構成する。
【0038】
各パンチ28、30、32、34、36と各ダイ68、70、72、74、76とは各々対応し、帯状薄板Fの移送方向に互いに離間した個別の処理ステージを構成する。処理ステージとして、パイロット孔打抜き用パンチ28とパイロット孔打抜き用ダイ68とはパイロット孔打抜きステージ(パイロット孔形成部)Iを、スロット打抜き用パンチ30とスロット打抜き用ダイ70とはスロット打抜きステージIIを、かしめ部形成用パンチ32とかしめ部形成用ダイ72とはかしめ部形成ステージIIIを、内形打抜き用パンチ34と内形打抜き用ダイ74とは内形打抜きステージIVを、外形打抜き用パンチ36と外形打抜き用ダイ76とは外形打抜きステージVを各々構成する。
【0039】
スロット打抜きステージII、かしめ部形成ステージIII、内形打抜きステージIV及び外形打抜きステージVは、各々、順送り金型装置10において所定の工程を実行する処理ステージである。各ステージII~Vに設けられているパンチ28、30、32、34、36、ダイ68、70、72、74、76及び板カム38は、上述の各処理ステージにおいて帯状薄板Fに対して所定の処理を行う処理部材を構成する。このように、各処理ステージには帯状薄板Fに対して所定の処理を行う処理部材が設置される。
【0040】
換言すると、処理部材として、パイロット孔打抜きステージIはパイロット孔打抜き用パンチ28及びパイロット孔打抜き用ダイ68を備え、スロット打抜きステージIIはスロット打抜き用パンチ30及びスロット打抜き用ダイ70を備え、かしめ部形成用パンチ32、かしめ部形成用ダイ72及び板カム38を備え、内形打抜きステージIVは内形打抜き用パンチ34及び内形打抜き用ダイ74を備え、外形打抜きステージVは外形打抜き用パンチ36及び外形打抜き用ダイ76を備える。
【0041】
尚、順送り金型装置10には、内形打抜きステージIVと外形打抜きステージVとの間には中間アイドルステージI1が、外形打抜きステージVの移送方向進み側(下流側)には最終アイドルステージI2が各々設定されている。各アイドルステージI1、I2では、帯状薄板Fの空送りが行われる。
【0042】
これにより、順送り金型装置10には、パイロット孔打抜きステージI、スロット打抜きステージII、かしめ部形成ステージIII、内形打抜きステージIV、中間アイドルステージI1、外形打抜きステージV、及び最終アイドルステージI2が帯状薄板Fの移送方向に所定の間隔をおいて順に構成される。パイロット孔打抜きステージIとスロット打抜きステージIIとの間隔は帯状薄板Fの移送ピッチTの1.5倍に設定され、その隣り合うステージ間の間隔は帯状薄板Fの移送ピッチTに等しい値に設定されている。
【0043】
パイロット孔打抜きステージIにおいては、複数のパイロット孔打抜き用パンチ28と各パイロット孔打抜き用パンチ28に対応する複数のパイロット孔打抜き用ダイ68とによりパイロット打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、即ち、帯状薄板Fの1回の間欠移送ごとに、帯状薄板Fに円形の複数のパイロット孔Pが打ち抜かれる。パイロット孔Pは、帯状薄板Fの左右の側縁の近傍の各々に沿って、帯状薄板Fの移送方向に整列して形成される(図2参照)。
【0044】
スロット打抜きステージIIにおいては、スロット打抜き用パンチ30とスロット打抜き用ダイ70とによりスロット打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板FにスロットS(図2参照)が打ち抜かれる。スロットSは、周方向に所定の間隔で配置されており、帯状薄板Fに形成される複数のティース部Cの間の領域に相当する。スロット打抜き用パンチ30及びスロット打抜き用ダイ70は、各スロットSに対応して設けられる。
【0045】
かしめ部形成ステージIIIにおいては、かしめ部形成用パンチ32とかしめ部形成用ダイ72とによりかしめ部形成工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板Fにかしめ部D(図2参照)がエンボス成形される。かしめ部Dはヨーク部Bの周方向に所定の間隔で配置されている。各かしめ部Dは、帯状薄板Fの一方の面では凸形状をなし、反対の面では凹形状をなし、後述する外形打抜きステージVにおいて、積層されて隣り合う鉄心薄板A同士をかしめ結合する。
【0046】
積層鉄心は所定枚数の鉄心薄板Aをかしめ結合したものより構成される。順送り金型装置10による所定枚数を超える鉄心薄板Aの製造においては、所定枚数の鉄心薄板Aが製造されるごとに板カム38がかしめ部形成用パンチ32の有効長を増大する方向に移動する。つまり、鉄心薄板Aの積層枚数を設定する計量時には、板カム38がかしめ部形成用パンチ32の有効長を増大する方向に移動することにより、かしめ部形成用パンチ32の有効長が打抜き加工のために増大する。
【0047】
この状態の時には、かしめ部形成用パンチ32とかしめ部形成用ダイ72とは、鉄心薄板Aにエンボスに代えて貫通孔を形成する。これにより、後述する外形打抜きステージVにおいて積層される鉄心薄板Aがかしめ結合されず、所定枚数の鉄心薄板Aがかしめ結合された積層鉄心が連続して製造される。
【0048】
内形打抜きステージIVにおいては、内形打抜き用パンチ34及び内形打抜き用ダイ74とにより内形打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板Fに円形の内形G(図2参照)が打抜き形成される。これにより、帯状薄板Fには、1回のプレス動作毎に、複数のティース部C(内縁を画定する部分を含む)が打ち抜かれる。
【0049】
外形打抜きステージVにおいては、外形打抜き用パンチ36と外形打抜き用ダイ76とにより、外形打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板Fに円形の外形H(図2参照)が打抜き形成される。これにより、帯状薄板Fから1枚の鉄心薄板Aが打ち抜かれる。
【0050】
外形Hの打抜きにより完成した鉄心薄板Aは、外形打抜き用パンチ36によって外形打抜き用ダイ76内に押し込まれ、外形打抜き用ダイ76内において先に打ち抜かれた鉄心薄板A上に順に積層される。外形打抜き用ダイ76内に積層された複数の鉄心薄板Aはかしめ部Dによって互いに結合される。
【0051】
外形打抜きステージVでは、外形Hの打抜き開始時に上型20が下降すると、ストリッパ40は、上型20と共に下降する。このとき、帯状薄板Fは非搬送時の実質的な停止状態(厳密には停止していない場合を含む)にある。下降するストリッパ40は、その下面によって帯状薄板Fの上面を下方に向けて押圧する。このとき、帯状薄板Fは、ストリッパ40の下面と、下型60の上面との間に挟持された状態となる。
【0052】
外形Hの打抜き終了後に上型20が上昇すると、ストリッパ40は上型20と共に上昇する。これにより、帯状薄板Fに対するストリッパ40の押圧は解除され、帯状薄板Fは、下型60の上面から離間した状態となる。この状態で、帯状薄板Fは、順送り方向に所定の送り量だけ搬送される。
【0053】
尚、このようなストリッパ40の動作は、他のステージI-Vにおいても同様である。
【0054】
上型20には、ステージI以降の各ステージII~V、I1、I2に、図4に示されているように、パイロットピン80が取り付けられている。各パイロットピン80は、各ステージII~V、I1、I2において、対応するパイロット孔Pに係合し、各ステージII~V、I1、I2における帯状薄板Fの位置決めを行う。
【0055】
パンチプレート26には、図4に示されているように、各ステージI~V、I1、I2毎にパイロットピン80が圧縮コイルばね82によって下方に向けてばね付勢された状態で取り付けられている。パイロットピン80は、帯状薄板Fの左右の側縁Fa、Fbの各々の近傍に設けられている。パイロット孔Pに各々対応すべくパンチプレート26の左右両側にパイロットピン80はストリッパ40に形成されたピン貫通孔84を貫通してダイプレート64の上面に向けて露出している。
【0056】
パイロットピン80は、上型20の降下により帯状薄板Fのパイロット孔Pを貫通し、ダイプレート64に形成されているパイロットピン受入孔86に係合する。この係合により、順送り金型装置10に対する帯状薄板Fの位置決めが行われる。
【0057】
次に、パイロット孔打抜きステージIにおける複数のパイロット孔Pの形成及びステージI以降の各ステージII~V、I1、I2におけるパイロットピン80の配置について説明する。
【0058】
パイロット孔打抜きステージIにおけるパイロット孔打抜き用パンチ28及びパイロット孔打抜き用ダイ68は、図3に示されているように、帯状薄板Fの左右の側縁Fa、Fbの各々の近傍に対応する位置に、帯状薄板Fの移送方向に整列して2個ずつ設けられている。
【0059】
これにより、図2に示されているように、帯状薄板Fの1回の移送ごとに帯状薄板Fの各側縁Fa、Fbの近傍に、帯状薄板Fの移送方向に整列して2個のパイロット孔Pが形成される。ここで、説明の都合上、2個のパイロット孔Pのうち移送方向前側(進み側)のパイロット孔Pを前側パイロット孔Pa、2個のパイロット孔Pのうち移送方向後側(遅れ側)のパイロット孔Pを後側パイロット孔Pbと呼ぶことがある。
【0060】
前側パイロット孔Paと後側パイロット孔Pbとは1回の移送ごとに形成されるパイロット孔であり、同じ列の前側パイロット孔Paと後側パイロット孔Pbとは帯状薄板Fの移送方向に移送ピッチTよりも小さい所定の間隔をおいて形成されている。前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対は、各ステージII~Vにおいて、各ステージII~Vにおける前述の処理部材の配置位置の前方及び後方の各々に設けられる。つまり、前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対は、各ステージII~Vにおいて、各ステージII~Vにおける前述の処理部材を帯状薄板Fの移送方向に隔てて各2箇所に形成される。処理部材の配置位置の前方の前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対を前方対、処理部材の配置位置の後方の前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対を後方対と呼ぶ。
【0061】
パイロットピン80は、ステージII~Vのうちの或るステージにおいては、2個パイロット孔Pのうちの前側パイロット孔Paを使用するように配置され、ステージII~Vのうちの他の一つのステージにおいては、2個のパイロット孔Pのうちの後側パイロット孔Pbを使用するように配置されている。つまり、ステージII~Vの或るものでは、2個のパイロット孔Pのうちの一つに係合するようにパイロットピン80が配置され、ステージII~Vの他の一つのものでは、2個のパイロット孔Pのうちの上述の一つ以外のものに係合するようにパイロットピン80が配置されている。これにより、ステージII~Vの少なくとも1つにおいては、パイロットピン80と係合しない少なくとも1つのパイロット孔Pが生じることになる。
【0062】
この具体例を、図2のストリップレイアウト(1列取り)を用いて説明する。尚、図2において、パイロットピン80が係合するパイロット孔Pは十字マーク付き丸により、パイロットピン80が係合しない無使用のパイロット孔Pは白抜き丸により示されている。
【0063】
スロット打抜きステージIIでは、前方対及び後方対の双方において、後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、前側パイロット孔Paにはパイロットピン80が係合しない。つまり、前側パイロット孔Paは無使用である。
【0064】
スロット打抜きが高精度に行われる観点からすれば、パイロットピン80は処理部材(スロット打抜き用パンチ30及びスロット打抜き用ダイ70)と干渉しない範囲で処理部材に最も接近した位置に形成されたパイロット孔Pと係合することが好ましい。この観点からは、スロット打抜きステージIIにおいては、前方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、後方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合することが好ましい。
【0065】
尚、例外として、パイロット孔Pの形成直後にパイロットピン80が係合するパイロット孔Pはパイロット孔打抜きステージIに近いほど好ましいため、本実施形態において、パイロット孔打抜きステージIの次ステージであるスロット打抜きステージIIにおける後方対では、前側パイロット孔Paよりもパイロット孔打抜きステージIに近い後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合している。
【0066】
かしめ部形成ステージIIIでは、パイロットピン80が、板カム38(処理部材)と干渉しないように、板カム38から離れた位置にあるパイロット孔、つまり前方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合し、後方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合する。
【0067】
内形打抜きステージIVでは、高精度な内形打抜きが行われるよう、処理部材(内形打抜き用パンチ34及び内形打抜き用ダイ74)に近い位置にあるパイロット孔、つまり前方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、後方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合する。
【0068】
外形打抜きステージVでは、パイロットピン80が回転ダイである外形打抜き用ダイ76(処理部材)と干渉しないように、外形打抜き用ダイ76から離れた位置にあるパイロット孔、つまり前方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合し、後方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合する。
【0069】
尚、中間アイドルステージI1では、前方対及び後方対の何れにおいても後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合する。また、最終アイドルステージI2の前方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、最終アイドルステージI2の後方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合する。
【0070】
各ステージにおいて、上述した前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合するように、各ステージのパイロットピン80が配置されることにより、パイロットピン80が係合するパイロット孔Pの配置位置の自由度が帯状薄板Fの移送方向に関して高くなり、このことに伴いパイロットピン80の配置位置の自由度が帯状薄板Fの移送方向に関して高くなる。
【0071】
このことにより、パイロットピン80は板カム38や回転ダイである外形打抜き用ダイ76と干渉することがない位置に容易に配置され得るようになる。
【0072】
換言すると、前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの一方が、板カム38や外形打抜き用ダイ76等、或る処理ステージの処理部材と干渉する位置に形成されていても、干渉する位置にある前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbにはパイロットピン80が係合せず、干渉しない位置に形成されている他方の前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合することにより、板カム38や外形打抜き用ダイ76の構造を複雑化することなく各処理ステージにおいてパイロット孔Pの役割が果たされる。
【0073】
これにより、パイロット孔Pとパイロットピン80との係合に基づく順送り金型装置10に対する帯状薄板Fの適切な位置決めのもとに、高精度の鉄心薄板Aが繰り返し製造されるようになる。
【0074】
図5は2列取りの場合のストリップレイアウトを示されている。2列取りでは、図2に示した複数の処理ステージが左右2列に配置されている。左列及び右列の各ステージにおいて、使用される前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbは、帯状薄板Fの左側の側縁Fa側にあるものと右側の側縁Fb側にあるものとで移送方向に偏倚している。尚、図5においても、パイロットピン80が係合し使用されるパイロット孔は十字マーク付き丸で、パイロットピン80が係合しない無使用のパイロット孔は白抜き丸により示されている。
【0075】
従って、2列取りの場合も、1列取りの場合と同様に、各ステージにおいて、上述した前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbに係合するように、各ステージのパイロットピン80が配置される。
【0076】
これにより、2列取りの場合も、パイロットピン80が係合するパイロット孔Pの配置位置の自由度が帯状薄板Fの移送方向に関して高くなる。
【0077】
(実施形態2)
図6及び図7を参照して実施形態2について説明する。尚、実施形態2において、実施形態1と実質的に同一の部分は、実施形態1と同一の符号を付けて説明する。
【0078】
実施形態2では、積層された鉄心薄板Aは接着により結合される。実施形態2に用いられる鉄心薄板Aは、実施形態1のかしめ部Dがなく、かしめ部Dに相当する部位が接着点J(図6参照)になる。実施形態2の鉄心薄板Aは、かしめ部Dと接着点Jとについて実施形態1と相違するが、その他の構成については図1に示されている実施形態1の鉄心薄板Aと同一であるので、便宜上、実施形態1の鉄心薄板Aと同一の符号を付けて説明する。
【0079】
鉄心薄板Aの製造工程は、帯状薄板Fが順送り金型装置10の1回のプレス動作ごとに所定のピッチT(以降、移送ピッチTと言う)をもって間欠移送される状態下で、図6に示されているように、パイロット孔Pを打抜き形成するパイロット孔打抜き工程(I)と、隣り合うティース部C間のスロットSを打抜き形成するスリット打抜き工程(II)と、ティース部Cの先端を画定すべく円形の内形Gの打抜きを行う内形打抜き工程(III)と、帯状薄板F(ヨーク部B)の各接着点Jに接着剤を塗布する接着剤塗布工程(IV)と、ヨーク部Bの円形の外形Hを打抜き形成する外形打抜き工程(V)とを順に実行する。
【0080】
尚、本実施形態では、各接着点Jは、後述する接着剤塗布装置90が帯状薄板Fの下方に配置されることから、帯状薄板Fの下面に設けられる。このことから、各接着点Jは、図6(上面図)では、隠れ線(破線)により示されるべきであるが、接着剤が塗布された位置が分かり易いように黒塗りにより示されている。
【0081】
次に、図7を参照して実施形態1の順送り金型装置10を説明する。順送り金型装置10は、帯状薄板Fを上下に挟み込むように配置された上型20及び下型60を備える。
【0082】
上型20は、プレス機械の上部ラム(不図示)の下面に固定される板状の上側ホルダ22を有する。これにより、上型20は、下型60に近接及び下型60と離間するように、上下方向に移動することが可能である。上型20において、上側ホルダ22の下部には、バッキングプレート24及びパンチプレート26が取り付けられている。パンチプレート26は、パイロット孔打抜き用パンチ28、スロット打抜き用パンチ30、内形打抜き用パンチ34及び外形打抜き用パンチ36をそれぞれ上側ホルダ22に固定する。
【0083】
上型20において、上側ホルダ22の下方には、ストリッパ40が取り付けられている。ストリッパ40は上側ホルダ22に対して上下方向に相対変位可能である。ストリッパ40は、吊下げボルト(不図示)による吊り下げ支持によって上側ホルダ22に対する最降下位置が設定されている。ストリッパ40は、それぞれ板状をなすストリッパ本体40Aとストリッパ40Bとの接合体として構成される。
【0084】
ストリッパ40の下面は、後述するダイプレート64及び各ダイ68、70、74、76の上面に対向する。ストリッパ40には、各パンチ28、30、34、36が貫通するパンチ貫通孔42、44、48、50が形成されている。
【0085】
下型60は、プレス機械の下部ボルスタ(不図示)の上面に固定される板状の下側ホルダ62を有する。下側ホルダ62は上側ホルダ22に対向するように配置される。下型60において、下側ホルダ62の上面には板状のダイプレート64が取り付けられている。ダイプレート64には、パイロット孔打抜き用ダイ68、スロット打抜き用ダイ70、内形打抜き用ダイ74、接着剤塗布装置90及び外形打抜き用ダイ76が取り付けられている。外形打抜き用ダイ76は、円筒状であり、自身の中心軸線周りに所定の回転角をもって分割回転される回転ダイを構成している。
【0086】
各パンチ28、30、34、36と各ダイ68、70、74、76とは各々対応し、帯状薄板Fの移送方向に互いに離間した個別の処理ステージを構成する。処理ステージとして、パイロット孔打抜き用パンチ28とパイロット孔打抜き用ダイ68とはパイロット孔打抜きステージ(パイロット孔形成部)Iを、スロット打抜き用パンチ30とスロット打抜き用ダイ70とはスロット打抜きステージIIを、内形打抜き用パンチ34と内形打抜き用ダイ74とは内形打抜きステージIIIを、外形打抜き用パンチ36と外形打抜き用ダイ76とは外形打抜きステージVを各々構成する。内形打抜きステージIIIと外形打抜きステージVとの間には、接着剤塗布装置90によって接着剤塗布ステージIVが構成される。
【0087】
スロット打抜きステージII、内形打抜きステージIV、接着剤塗布ステージIV及び外形打抜きステージVは、各々、順送り金型装置10において所定の工程を実行する処理ステージである。各ステージII~Vに設けられているパンチ28、30、34、36、ダイ68、70、74、76及び接着剤塗布装置90は、上述の各処理ステージにおいて帯状薄板Fに対して所定の処理を行う処理部材を構成する。このように、各処理ステージには帯状薄板Fに対して所定の処理を行う処理部材が設置される。
【0088】
換言すると、処理部材として、パイロット孔打抜きステージIはパイロット孔打抜き用パンチ28及びパイロット孔打抜き用ダイ68を備え、スロット打抜きステージIIはスロット打抜き用パンチ30及びスロット打抜き用ダイ70を備え、内形打抜きステージIIIは内形打抜き用パンチ34及び内形打抜き用ダイ74を備え、接着剤塗布ステージIVは接着剤塗布装置90を備え、外形打抜きステージVは外形打抜き用パンチ36及び外形打抜き用ダイ76を備える。
【0089】
尚、順送り金型装置10には、接着剤塗布ステージIVと外形打抜きステージVとの間には中間アイドルステージI1が、外形打抜きステージVの移送方向進み側(下流側)には最終アイドルステージI2が各々設定されている。各アイドルステージI1、I2では、帯状薄板Fの空送りが行われる。
【0090】
これにより、順送り金型装置10には、パイロット孔打抜きステージI、スロット打抜きステージII、内形打抜きステージIII、接着剤塗布ステージIV、中間アイドルステージI1、外形打抜きステージV、及び最終アイドルステージI2が帯状薄板Fの移送方向に所定の間隔をおいて順に構成される。パイロット孔打抜きステージIとスロット打抜きステージIIとの間隔は帯状薄板Fの移送ピッチTの1.5倍に設定され、その隣り合うステージ間の間隔は帯状薄板Fの移送ピッチTに等しい値に設定されている。
【0091】
パイロット孔打抜きステージIにおいては、複数のパイロット孔打抜き用パンチ28と各パイロット孔打抜き用パンチ28に対応する複数のパイロット孔打抜き用ダイ68とによりパイロット打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、即ち、帯状薄板Fの1回の間欠移送ごとに、帯状薄板Fに円形の複数のパイロット孔Pが打ち抜かれる。パイロット孔Pは、帯状薄板Fの左右の側縁の近傍の各々に沿って、帯状薄板Fの移送方向に整列して形成される(図6参照)。
【0092】
スロット打抜きステージIIにおいては、スロット打抜き用パンチ30とスロット打抜き用ダイ70とによりスロット打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板FにスロットS(図6参照)が打ち抜かれる。スロットSは、周方向に所定の間隔で配置されており、帯状薄板Fに形成される複数のティース部Cの間の領域に相当する。スロット打抜き用パンチ30及びスロット打抜き用ダイ70は、各スロットSに対応して設けられる。
【0093】
内形打抜きステージIIIにおいては、内形打抜き用パンチ34及び内形打抜き用ダイ74により内形打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板Fに円形の内形G(図6参照)が打抜き形成される。これにより、帯状薄板Fには、1回のプレス動作毎に、複数のティース部C(内縁を画定する部分を含む)が打ち抜かれる。
【0094】
接着剤塗布ステージIVにおいては、接着剤塗布装置90により接着剤塗布が実行される。
【0095】
接着剤塗布装置90は互いに一体的に結合された上ブロック92及び下ブロック94を有する。上ブロック92及び下ブロック94は互いに協働して接着剤溜り室96を画定している。接着剤溜り室96には下ブロック94に形成され接着剤通路98から所定の圧力に加圧された液状の接着剤が供給される。上ブロック92の上壁には接着剤溜り室96に連通する複数の接着剤吐出ポート100が貫通形成されている。各複数の接着剤吐出ポート100は上ブロック92の平らな上面に開口している。接着剤溜り室96に供給される接着剤は所定の粘性を有することにより、各接着剤吐出ポート100において上ブロック92の上面に対する開口端から上方に盛り上がった略半球状の盛上り部Kを形成する。
【0096】
上ブロック92と下ブロック94との結合体は下側ホルダ62及びダイプレート64に形成されたブロック受入孔102に上下方向に摺動可能に係合している。下側ホルダ62の下側には鋸歯形状のカム部104を含む板カム106が図7で見て左右方向に移動可能に設けられている。下ブロック94の下面にはカム部104に対応する鋸歯形状のカム部108が形成されている。上ブロック92と下ブロック94との結合体は板カム106の移動により、図7に示されているように、上ブロック92の上面がダイプレート64の上面と略面一になる位置或いはダイプレート64の上面よりも僅かに下方に位置する上昇位置と当該上昇位置よりも下方の降下位置との間に移動する。
【0097】
上ブロック92と下ブロック94との結合体は、鉄心薄板Aの積層枚数を設定する計量時以外は上昇位置に位置する。この上昇位置では、盛上り部Kの接着剤は、ストリッパ40の降下により帯状薄板Fがダイプレート64の上面に向けて降下することに伴い帯状薄板Fの下面に接触し、転写される。かくして、帯状薄板Fの各接着点Jに対する接着剤の塗布が行われる。鉄心薄板Aの積層枚数を設定する計量時には、上ブロック92と下ブロック94との結合体が降下位置に位置することにより、帯状薄板Fがダイプレート64の上面に向けて降下しても盛上り部Kの接着剤が帯状薄板Fの下面に接触することがなく、帯状薄板Fに対して接着剤が塗布されない。
【0098】
外形打抜きステージVにおいては、外形打抜き用パンチ36と外形打抜き用ダイ76とにより、外形打抜き工程が実行され、1回のプレス動作ごとに、帯状薄板Fに円形の外形H(図2参照)が打抜き形成される。これにより、帯状薄板Fから1枚の鉄心薄板Aが打ち抜かれる。
【0099】
外形Hの打抜きにより完成した鉄心薄板Aは、外形打抜き用パンチ36によって外形打抜き用ダイ76内に押し込まれ、外形打抜き用ダイ76内において先に打ち抜かれた鉄心薄板A上に順に積層される。外形打抜き用ダイ76内に積層された複数の鉄心薄板Aは各接着点Jの接着剤によって互いに接着(結合)される。
【0100】
外形打抜きステージVでは、外形Hの打抜き開始時に上型20が下降すると、ストリッパ40は、上型20と共に下降する。このとき、帯状薄板Fは非搬送時の実質的な停止状態(厳密には停止していない場合を含む)にある。下降するストリッパ40は、その下面によって帯状薄板Fの上面を下方に向けて押圧する。このとき、帯状薄板Fは、ストリッパ40の下面と、下型60の上面との間に挟持された状態となる。
【0101】
外形Hの打抜き終了後に上型20が上昇すると、ストリッパ40は上型20と共に上昇する。これにより、帯状薄板Fに対するストリッパ40の押圧は解除され、帯状薄板Fは、下型60の上面から離間した状態となる。この状態で、帯状薄板Fは、順送り方向に所定の送り量だけ搬送される。
【0102】
尚、このようなストリッパ40の動作は、他のステージI-Vにおいても同様である。
【0103】
上型20には、ステージI以降の各ステージII~V、I1、I2に、図4に示されているように、パイロットピン80が取り付けられている。各パイロットピン80は、各ステージII~V、I1、I2において、対応するパイロット孔Pに係合し、各ステージII~V、I1、I2における帯状薄板Fの位置決めを行う。
【0104】
実施形態2でも、実施形態1と同様に、パンチプレート26には、図4に示されているように、各ステージI~V、I1、I2毎にパイロットピン80が圧縮コイルばね82によって下方に向けてばね付勢された状態で取り付けられている。パイロットピン80は、帯状薄板Fの左右の側縁Fa、Fbの各々の近傍に設けられている。パイロット孔Pに各々対応すべくパンチプレート26の左右両側にパイロットピン80はストリッパ40に形成されたピン貫通孔84を貫通してダイプレート64の上面に向けて露出している。
【0105】
パイロットピン80は、上型20の降下により帯状薄板Fのパイロット孔Pを貫通し、ダイプレート64に形成されているパイロットピン受入孔86に係合する。この係合により、順送り金型装置10に対する帯状薄板Fの位置決めが行われる。
【0106】
次に、パイロット孔打抜きステージIにおける複数のパイロット孔Pの形成及びステージI以降の各ステージII~V、I1、I2におけるパイロットピン80の配置について説明する。
【0107】
パイロット孔打抜きステージIにおけるパイロット孔打抜き用パンチ28及びパイロット孔打抜き用ダイ68は、図7に示されているように、帯状薄板Fの左右の側縁Fa、Fbの各々の近傍に対応する位置に、帯状薄板Fの移送方向に整列して2個ずつ設けられている。
【0108】
これにより、図6に示されているように、帯状薄板Fの1回の移送ごとに帯状薄板Fの各側縁Fa、Fbの近傍に、帯状薄板Fの移送方向に整列して2個のパイロット孔Pが形成される。ここで、実施形態2においても説明の都合上、2個のパイロット孔Pのうち移送方向前側(進み側)のパイロット孔Pを前側パイロット孔Pa、2個のパイロット孔Pのうち移送方向後側(遅れ側)のパイロット孔Pを後側パイロット孔Pbと呼ぶことがある。
【0109】
前側パイロット孔Paと後側パイロット孔Pbとは1回の移送ごとに形成されるパイロット孔であり、同じ列の前側パイロット孔Paと後側パイロット孔Pbとは帯状薄板Fの移送方向に移送ピッチTよりも小さい所定の間隔をおいて形成されている。前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対は、各ステージII~Vにおいて、各ステージII~Vにおける前述の処理部材の配置位置の前方及び後方の各々に設けられる。つまり、前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対は、各ステージII~Vにおいて、各ステージII~Vにおける前述の処理部材を帯状薄板Fの移送方向に隔てて2箇所に形成される。実施形態2においても、処理部材の配置位置の前方の前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対を前方対、処理部材の配置位置の後方の前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの対を後方対と呼ぶ。
【0110】
パイロットピン80は、ステージII~Vのうちの或るステージにおいては、2個パイロット孔Pのうちの前側パイロット孔Paを使用するように配置され、ステージII~Vのうちの他の一つのステージにおいては、2個のパイロット孔Pのうちの後側パイロット孔Pbを使用するように配置されている。つまり、ステージII~Vの或るものでは、2個のパイロット孔Pのうちの一つに係合するようにパイロットピン80が配置され、ステージII~Vの他の一つのものでは、2個のパイロット孔Pのうちの上述の一つ以外のものに係合するようにパイロットピン80が配置されている。これにより、ステージII~Vの少なくとも1つにおいては、パイロットピン80と係合しない少なくとも1つのパイロット孔Pが生じることになる。
【0111】
この具体例を、図6のストリップレイアウト(1列取り)を用いて説明する。尚、図6において、パイロットピン80が係合するパイロット孔Pは十字マーク付き丸により、パイロットピン80が係合しない無使用のパイロット孔Pは白抜き丸により示されている。
【0112】
スロット打抜きステージIIでは、前方対及び後方対の双方において、後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、前側パイロット孔Paにはパイロットピン80が係合しない。つまり、前側パイロット孔Paは無使用である。
【0113】
内形打抜きステージIIIでは、高精度な内形打抜きが行われるよう、処理部材(内形打抜き用パンチ34及び内形打抜き用ダイ74)に近い位置にあるパイロット孔、つまり前方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、後方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合する。
【0114】
尚、スロット打抜きステージIIと内形打抜きステージIIIとの間に位置することになるスロット打抜きステージIIの前方対は、内形打抜きステージIIIでは後方対をなす。スロット打抜きステージIIの前方対では、換言すると内形打抜きステージIIIの後方対では前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの双方にパイロットピン80が係合する。
【0115】
接着剤塗布ステージIVでは、パイロットピン80が接着剤塗布装置90(処理部材)と干渉しないように、接着剤塗布装置90から離れた位置にあるパイロット孔、つまり前方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合し、後方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合する。
【0116】
外形打抜きステージVでは、パイロットピン80が回転ダイである外形打抜き用ダイ76(処理部材)と干渉しないように、外形打抜き用ダイ76から離れた位置にあるパイロット孔、つまり前方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合し、後方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合する。
【0117】
中間アイドルステージI1及び最終アイドルステージI2では、加工衝撃による帯状薄板Fの振動等を抑制すべく、前方対と後方対とのパイロット孔の、帯状薄板Fの移送方向の離間距離が短くなる側のパイロット孔、つまり前方対では後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合し、後方対では前側パイロット孔Paにパイロットピン80が係合する。
【0118】
各ステージにおいて、上述した前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合するように、各ステージのパイロットピン80が配置されることにより、パイロットピン80が係合するパイロット孔Pの配置位置の自由度が帯状薄板Fの移送方向に関して高くなる。このことに伴いパイロットピン80の配置位置の自由度が帯状薄板Fの移送方向に関して高くなる。
【0119】
このことにより、パイロットピン80は接着剤塗布装置90や回転ダイである外形打抜き用ダイ76と干渉することがない位置に容易に配置され得るようになる。
【0120】
換言すると、前側パイロット孔Pa及び後側パイロット孔Pbの一方が、接着剤塗布装置90や外形打抜き用ダイ76等、或る処理ステージの処理部材と干渉する位置に形成されていても、干渉する位置にある前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbにはパイロットピン80が係合せず、干渉しない位置に形成されている他方の前側パイロット孔Pa或いは後側パイロット孔Pbにパイロットピン80が係合することにより、板カム38や外形打抜き用ダイ76の構造を複雑化することなく各処理ステージにおいてパイロット孔Pの役割が果たされる。
【0121】
これにより、実施形態2でも、実施形態1と同様に、パイロット孔Pとパイロットピン80との係合に基づく順送り金型装置10に対する帯状薄板Fの適切な位置決めのもとに、高精度の鉄心薄板Aが繰り返し製造されるようになる。
【0122】
尚、実施形態2において、実施形態1と同様に2列取りを適用することが可能である。
【0123】
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。例えば、同じ側の前側パイロット孔Paと後側パイロット孔Pbとは帯状薄板Fの横幅方向に互い偏倚してもよい。間欠移送における帯状薄板Fの1回の移送ごとに打抜き形成される各列のパイロット孔Pの個数は、2個に限られることはなく、1移送ピッチTの範囲内であれば、3個以上の複数でもよい。
【0124】
パイロットピン80及びパイロット孔Pは、帯状薄板Fの左右の側縁の近傍に限らず、左右の側縁間の処理部材と干渉しない位置でもよい。各処理ステージにおいて、パイロットピン80が係合するパイロット孔Pは、帯状薄板Fの左側の側縁Fa側と右側の側縁Fb側で異なっていてもよい。例えば、側縁Fa側を後側パイロット孔Pbとし、側縁Fb側を前側パイロット孔Paとしてもよい。
【符号の説明】
【0125】
10 :順送り金型装置
20 :上型
22 :上側ホルダ
24 :バッキングプレート
26 :パンチプレート
28 :パイロット孔打抜き用パンチ
30 :スロット打抜き用パンチ
32 :かしめ部形成用パンチ
34 :内形打抜き用パンチ
36 :外形打抜き用パンチ
38 :板カム
40 :ストリッパ
40A :ストリッパ本体
40B :ストリッパ
42 :パンチ貫通孔
44 :パンチ貫通孔
46 :パンチ貫通孔
48 :パンチ貫通孔
50 :パンチ貫通孔
60 :下型
62 :下側ホルダ
64 :ダイプレート
68 :パイロット孔打抜き用ダイ
70 :スロット打抜き用ダイ
72 :かしめ部形成用ダイ
74 :内形打抜き用ダイ
76 :外形打抜き用ダイ
80 :パイロットピン
82 :圧縮コイルばね
84 :ピン貫通孔
86 :パイロットピン受入孔
90 :接着剤塗布装置
92 :上ブロック
94 :下ブロック
96 :接着剤溜り室
98 :接着剤通路
100 :接着剤吐出ポート
102 :ブロック受入孔
104 :カム部
106 :板カム
108 :カム部
A :鉄心薄板
B :ヨーク部
C :ティース部
D :かしめ部
F :帯状薄板
Fa :側縁
Fb :側縁
G :内形
H :外形
I :パイロット孔打抜きステージ(実施形態1、2)
II :スロット打抜きステージ(実施形態1、2)
III :かしめ部形成ステージ(実施形態1)
III :内形打抜きステージ(実施形態2)
IV :内形打抜きステージ(実施形態1)
IV :接着剤塗布ステージ(実施形態2)
V :外形打抜きステージ(実施形態1、2)
I1 :中間アイドルステージ(実施形態1、2)
I2 :最終アイドルステージ(実施形態1、2)
J :接着点
K :盛上り部
P :パイロット孔
Pa :前側パイロット孔
Pb :後側パイロット孔
S :スロット
T :移送ピッチ
【要約】
【課題】パイロットピンの配置位置の自由度を高くすること。
【解決手段】間欠移送における帯状薄板Fの1回の移送ごとに、複数のパイロット孔Pを打抜き形成し、処理ステージの或るものでは、複数のパイロット孔Pのうちの一つを使用するようにパイロットピン80を配置し、処理ステージの他の一つのものでは、複数のパイロット孔Pのうちの前記一つ以外のものを使用するようにパイロットピン80を配置する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7