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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】タバコ産業製品の包装束
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/10 20060101AFI20231212BHJP
   B65D 5/50 20060101ALI20231212BHJP
   B65D 5/66 20060101ALI20231212BHJP
   B65D 75/38 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B65D85/10
B65D5/50 101Z
B65D5/66 321B
B65D75/38
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019539257
(86)(22)【出願日】2018-01-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 GB2018050107
(87)【国際公開番号】W WO2018134571
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2019-09-19
【審判番号】
【審判請求日】2022-02-15
(31)【優先権主張番号】1701073.7
(32)【優先日】2017-01-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100177910
【弁理士】
【氏名又は名称】木津 正晴
(74)【代理人】
【識別番号】100165526
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 寛
(72)【発明者】
【氏名】ブレイ, アンドリュー
(72)【発明者】
【氏名】ホルフォード, スティーブン
【合議体】
【審判長】井上 茂夫
【審判官】森本 哲也
【審判官】藤井 眞吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/087828(WO,A1)
【文献】特表2014-503433(JP,A)
【文献】特表2011-529421(JP,A)
【文献】国際公開第2015/181522(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/120847(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D85/10
B65D 5/50
B65D 5/66
B65D75/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業製品の組と、前記タバコ産業製品のまわりに折り曲げられて内フレームを形成している内フレームブランクと、前記内フレーム及びタバコ産業製品を取り囲む被覆体とを備える、タバコ産業製品の包装束であって、
前記内フレームブランクであって、前記内フレームブランクから前記内フレームが折り曲げられる前記内フレームブランクは第1の主パネル及び第2の主パネルを備え、前記第1の主パネル及び前記第2の主パネルは、折り曲げられた場合に第1及び第2の折り目にそれぞれ沿って中央パネルに対して折り曲げられて前記内フレームの互いに対向する側面を形成するように、前記中央パネルの互いに対向する第1及び第2の縁部に前記第1及び第2の折り目にそれぞれ沿って結合されており、さらに前記内フレームブランクは、前記内フレームの中からタバコ産業製品を取り出すための抜き取り開口部を前記内フレームに画定する開口を少なくとも前記中央パネルにさらに備え、前記抜き取り開口部は、前記中央パネルの第1の縁部を超えて延びると共に前記第2の縁部から離れており、前記包装束は、前記内フレームの抜き取り開口部を覆うために前記被覆体に粘着された粘着ラベルをさらに備え、
前記包装束の内部が、標準周囲温度において500ミリバール未満である、包装束。
【請求項2】
前記開口が、前記中央パネルから前記第1の主パネル及び前記第2の主パネルの一方へ延びている、請求項1に記載の包装束。
【請求項3】
前記内フレームブランクは、前記開口を画定している閉形状を備える、請求項2に記載の包装束。
【請求項4】
前記内フレームブランクは、側面パネルが前記内フレームの前記互いに対向する側面間に延びるために折り曲げ可能であるように前記第1の主パネル又は前記第2の主パネルの縁部に取り付けられている、少なくとも1つの前記側面パネルをさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の包装束。
【請求項5】
補強タブが少なくとも部分的に前記中央パネルに重なるように前記補強タブが前記側面パネルから延びている、請求項4に記載の包装束。
【請求項6】
前記内フレームブランクは、前記第1の主パネル及び前記第2の主パネルの一方の縁部に結合している端面パネルをさらに備え、
前記端面パネルが前記中央パネルと向かい合っている、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装束。
【請求項7】
前記中央パネルの前記互いに対向する縁部がミシン目を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の包装束。
【請求項8】
前記被覆体が、前記抜き取り開口部と整列されるアクセスフラップを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の包装束。
【請求項9】
前記粘着ラベルが前記アクセスフラップに付けられている、請求項8に記載の包装束。
【請求項10】
前記粘着ラベルが前記アクセスフラップを覆い、前記アクセスフラップの外側の被覆体の少なくとも一部の上に重なる、請求項9に記載の包装束。
【請求項11】
前記粘着ラベルが感圧粘着剤を含む、請求項9又は10に記載の包装束。
【請求項12】
前記被覆体が前記内フレーム及び前記タバコ産業製品のまわりに封止可能に巻かれている、請求項1~11のいずれか一項に記載の包装束。
【請求項13】
前記被覆体がフィン封止部を備える、請求項12に記載の包装束。
【請求項14】
前記包装束の中から空気を抜くための一方向弁をさらに備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の包装束。
【請求項15】
前記内フレームが、前記一方向弁と整列される弁開口をさらに備える、請求項14に記載の包装束。
【請求項16】
タバコ産業製品のパックであって、請求項1~15のいずれか一項に記載の包装束と、前記包装束を受け入れるように構成されたパック外箱とを備えるパック。
【請求項17】
前記パック外箱はヒンジ蓋付きパック外箱であり、前記ヒンジ蓋付きパック外箱は平行6面体の基部を有し、前記包装束は、前記包装束の一部分が前記基部から突出するように基部に受け入れられ、平行6面体の蓋が、前記基部から突出する前記包装束の部分を覆うように配置されている、請求項16に記載のパック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコ産業製品のパック用の内フレームブランクと、内フレームブランクから形成された内フレームを含むタバコ産業製品の包装された束(以下「包装束」という)と、内フレームブランクから形成された内フレームを含むタバコ産業製品のパックとに関する。
【背景技術】
【0002】
一部の紙巻タバコパックは、紙巻タバコの組を少なくとも部分的に取り囲むフレームと、フレーム及び紙巻タバコを包む被覆体とからなる包装束を含む。被覆体には、フレームの開口部を通して紙巻タバコにアクセスするための取り外し可能又は開封可能な部分がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、タバコ産業製品のパック用の内フレームブランクが提供され、この内フレームブランクは、タバコ産業製品の組を保持する内フレームを形成するために折り曲げ可能であり、内フレームブランクは第1の主パネル及び第2の主パネルを備え、第1の主パネル及び第2の主パネルは、内フレームの互いに対向する側面を形成するために第1及び第2の主パネルが中央パネルに対して折り曲げ可能であるように中央パネルの互いに対向する縁部に結合されており、さらに内フレームブランクは、内フレームブランクが折り曲げられて内フレームを形成するときに、内フレームの中からタバコ産業製品を取り出すための抜き取り開口部を画定する開口を少なくとも中央パネルにさらに備える。
【0004】
開口は、中央パネルから第1及び第2の主パネルの少なくとも一方へ延びることができる。
【0005】
いくつかの例では、内フレームブランクは、開口を画定する閉形状を備えることができる。すなわち、開口が内フレームブランクの縁部を広げないように、開口はすべての辺が内フレームブランクの材料で囲まれている。
【0006】
内フレームブランクは、内フレームブランクが折り曲げられて内フレームが形成されるときに、側面パネルが内フレームの互いに対向する側面間に延びるために折り曲げ可能であるように第1の主パネル又は第2の主パネルの縁部に取り付けられている、少なくとも1つの側面パネルをさらに備えることができる。
【0007】
内フレームブランクが折り曲げられて内フレームを形成するときに、補強タブが側面パネルから、この補強タブが少なくとも部分的に中央パネルに重なるように延びることができる。
【0008】
内フレームブランクは、第1の主パネル及び第2の主パネルの一方の縁部に結合した端面パネルをさらに備えることができ、この端面パネルは、中央パネルと向かい合っている。
【0009】
中央パネルの互いに対向する縁部は、ミシン目を備えることができる。
【0010】
本発明の別の態様によれば、タバコ産業製品のパック用の内フレームもまた提供され、この内フレームは、上述の内フレームブランクを折り曲げることによって形成されている。
【0011】
本発明の別の態様によれば、タバコ産業製品の包装束もまた提供され、この包装束は、タバコ産業製品の組と、上述の内フレームブランクをタバコ産業製品の組のまわりに折り曲げることによって形成された内フレームと、内フレーム及びタバコ産業製品を取り囲む被覆体とを備える。
【0012】
本発明のさらなる態様によれば、タバコ産業製品の包装束もまた提供され、この包装束は、タバコ産業製品の組と、タバコ産業製品のまわりに折り曲げられた内フレームと、内フレーム及びタバコ産業製品を取り囲む被覆体とを備え、内フレームは第1の主パネル及び第2の主パネルを備え、第1の主パネル及び第2の主パネルは、内フレームの互いに対向する側面を形成するために第1及び第2の主パネルが中央パネルに対して折り曲げられるように中央パネルの互いに対向する縁部に結合されており、さらに内フレームは、内フレームの中からタバコ産業製品を取り出すための抜き取り開口部を画定する開口を、少なくとも中央パネルにさらに備え、包装束は、内フレームの抜き取り開口部を覆うために被覆体に粘着された粘着ラベルをさらに備える。
【0013】
被覆体は、抜き取り開口部と整列されるアクセスフラップを備えることができる。
【0014】
包装束は、アクセスフラップに付けられたラベルをさらに備えることができ、ラベルは、アクセスフラップが再封止可能になるように粘着剤を備える。
【0015】
ラベルはアクセスフラップを覆い、アクセスフラップの外側の被覆体の少なくとも一部の上に重なることができる。
【0016】
粘着剤は、感圧粘着剤とすることができる。
【0017】
被覆体は、内フレーム及びタバコ産業製品のまわりに封止可能に巻くことができる。
【0018】
被覆体は、フィン封止部を備えることができる。
【0019】
包装束の内部は、包装束の外部に対する圧力差を備えることができる。
【0020】
一例では、圧力差は、包装束の中に少なくとも部分真空を含み得る。
【0021】
包装束は、包装束の中から空気を抜くための、又は包装束の中にガスを挿入するための一方向弁をさらに備えることができる。
【0022】
内フレームは、一方向弁と整列される弁開口をさらに備えることができる。
【0023】
内フレームブランクの開口は、内フレームの縁部を越えて延びる内フレームの抜き取り開口部を画定することができ、縁部は、内フレームの折り目を備えることができる。
【0024】
本発明のさらなる態様によれば、タバコ産業製品のパックもまた提供され、このパックは、上述の包装束と、包装束を受け入れるように構成されたパック外箱とを備える。
【0025】
パック外箱は、平行6面体基部を有するヒンジ式蓋付きパック外箱を含むことができ、包装束は、包装束の一部分が基部から突出するように基部に受け入れられ、平行6面体蓋は、基部から突出する包装束の部分を覆うように構成されている。
【0026】
次に本発明の実施形態について、単に例示的に、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】タバコ産業パックの内フレームの内フレームブランクの図である。
図2】タバコ産業製品の組のまわりで折り返されている図1のブランクの図である。
図3】タバコ産業製品の組を収納する、図1のブランクから形成された内フレームの図である。
図4図3の内フレーム及びタバコ産業製品を含むタバコ産業製品の包装束の図である。
図5図4の包装束用の被覆体の図である。
図6図4の包装束用の代替の被覆体の図である。
図7】開封された後の包装束の図である。
図8】タバコ産業パックの内フレームの代替ブランクの図である。
図9図4又は図7の包装束を収容するヒンジ式蓋付きパックの図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1に示されるように、内フレームブランク1は、第1の主パネル2、第2の主パネル3、及び中央パネル4を備える。第1の主パネル2は、中央パネル4の第1の縁部5に結合され、第2の主パネル3は中央パネル4の第2の縁部6に結合されている。中央パネル4の第1の縁部5と第2の縁部6は、互いに向かい合っている。このような態様において、内フレーム1を組み立てるとき、後でさらに説明されるように、第1の主パネル2及び第2の主パネル3は折り曲げられて、組み立てられた内フレームの側面を形成し、中央パネル4は、組み立てられた内フレームの端面を形成する。
【0029】
第1の主パネル2及び第2の主パネル3は、第1の縁部5及び第2の縁部6を形成する折り目に沿って中央パネル4と結合している。この折り目は、例えばスリット点線を入れる、すなわちミシン目の線を設けて内フレームブランク1の材料を弱くすることにより形成することができる。
【0030】
一例では、内フレームブランク1は厚紙材料で作られる。他の例では、内フレームブランク1はプラスチック材料で作られる。さらに別の例では、内フレームブランクは紙材料で作られる。いくつかの例では、内フレームブランク1は積層材料(例えばプラスチックコーティング付き厚紙)で作られる。
【0031】
図1にも示されるように、内フレームブランク1は開口7を含む。開口7は中央パネル4に形成され、それにより、紙巻タバコは組み立てられた内フレームから取り出すことができる(後で明らかとなるであろう)。この例では、開口7は、中央パネル4から第1の縁部5を越えて第1の主パネル2の中へ延びる。開口7は、追加的に又は別法として、他の実施形態では中央パネル4から第2の縁部6を越えて第2の主パネル3の中へ延びる。
【0032】
図1に示されるように、開口7は閉形状である。すなわち、開口7はすべての縁部において取り囲まれている。この例の開口7は、中央パネル4及び第1の主パネル2に形成され、すべての縁部において取り囲まれている、閉形状である。
【0033】
図1の内フレームブランク1はまた、内フレームを形成するためのさらなるパネルも含む。特に、第1の端面パネル8が第1の主パネル2の、中央パネル4の反対側の縁部9から延び、第2の端面パネル10が第2の主パネル3の、中央パネル4の反対側の縁部11から延びる。内フレームが組み立てられると、第1の端面パネル8と第2の端面パネル10は互いに重なり合って、中央パネル4と向かい合う内フレームの端壁を形成する。
【0034】
さらに、図1の内フレームブランク1は、組み立てられた内フレームの側壁を形成する側面パネルを含む。第1の対をなす側面パネル12は、第1の縁部5及び中央パネル4と隣り合い直角をなす第1の主パネル2の縁部14から延びる。同様に、第2の対をなす側面パネル13は、第2の縁部6及び中央パネル4と隣り合い直角をなす第2の主パネル3の縁部15から延びる。内フレームが組み立てられると、側面パネル12、13は互いに重なり合って、内フレームの互いに対向する側壁を形成する。
【0035】
加えて、図1の内フレームブランク1は、補強タブを含む。特に、図1に示されるように、第1の対をなす補強タブ16が、第2の端面パネル10に隣り合う第2の対をなす側面パネル13の端部17から延びる。組み立てられた内フレームでは、第1の対をなす補強タブ16が第1の端面パネル8及び/又は第2の端面パネル10と重なり合う。
【0036】
第2の対をなす補強タブ18が、中央パネル4に隣り合う、第2の対をなす側面パネル13の対向する端部19から延びる。組み立てられた内フレームでは、この第2の対をなす補強タブ18は、中央パネル4の上に重なる。第2の対をなす補強タブ18は、内フレームが組み立てられたときに開口7を越えて延びないように制限された長さである。
【0037】
第1及び第2の対をなす補強タブ16、18は、組み立てられた内フレームに剛性及び強度を与える助けになる。
【0038】
図2は、タバコ産業製品の組20のまわりで内フレームブランクを組み立てる方法の一部を示す。この例では、タバコ産業製品20は紙巻タバコ21であり、各紙巻タバコ21の一端にフィルター22が付いている。図2に示されるように、紙巻タバコの組20は、紙巻タバコ21のフィルター22を中央パネル4の近くに、又はそれに当てて配置することによって内フレームブランク1に包まれ、第1のパネル2及び第2のパネル3が、紙巻タバコの組20の側面に対して折り曲げられる。これに続いて、端面パネル8、10、側面パネル12、13、及び補強タブ16、18を折り曲げて、組み立てられた内フレームの端面及び側面を形成することができる。端面パネル8、10、側面パネル12、13、及び補強タブ16、18は、任意選択で互いに、及び/又は中央パネル4に、例えば接着剤又は熱封止を使用して結合することができる。
【0039】
図3は、紙巻タバコの組20を収容する組み立てられた内フレーム23を示し、この紙巻タバコは、内フレームブランク1の開口7によって形成された抜き取り開口部24を介して抜き取ることができる(図1及び図2参照)。図示のように、紙巻タバコ21のいくつかのフィルター22は、内フレーム23から取り出すために、抜き取り開口部24を通してつかむことができる。いくつかの紙巻タバコ21が取り出されると、他のものが、取り出しのために抜き取り開口部24と位置が合うように動くことができる。
【0040】
図3に示されるように、組み立てられた内フレーム23は、内フレームブランク1の第1の主パネル2(図1及び図2参照)から形成されている前面25と、内フレームブランク1の第2の主パネル3(図1及び図2参照)から形成されている後面(図示せず)と、内フレームブランク1の中央パネル4(図1及び図2参照)から形成されている端面26とを備える。
【0041】
この例の抜き取り開口部24は、内フレームブランク1の開口7が中央パネル4から第1の主パネル2の中へ延びたので、端面26から前面25の中へ延びる。この例では、図示のように、抜き取り開口部24は、組み立てられた内フレーム23の前縁部28を越えて延びる。しかし、代替例では、開口7は中央パネル4だけに存在し、したがって抜き取り開口部24は、組み立てられた内フレームのただ単に端面26に形成される。紙巻タバコは、このような抜き取り開口部を通して縦に抜き取ることができる。加えて、内フレームブランク1の開口7は、第2の主パネル3の中へさらに延びることができ、この場合には、抜き取り開口部24は、組み立てられた内フレーム23の後面(図示せず)に延びることになる。
【0042】
さらに、内フレーム23は、互いに対向する側面27を有し(一方だけ図示)、これらの側面は、折り曲げられて互いに重なり合う内フレームブランク1の第1及び第2の対をなす側面パネル12、13から形成されている(図1及び図参照)。この例では、第1の対をなす側面パネル12は、折り曲げられて内フレーム23の側面27の外側を形成するが、第2の対をなす側面パネル13が別に折り曲げられて内フレーム23の側面27の外側を形成できることが理解されよう。各側面27の第1の側面パネル12と第2の側面パネル13は、例えば接着剤又は熱封止を使用して結合することができる。
【0043】
また、内フレーム23は、端面36と向かい合う下面(図示せず)を有する。下面は、内フレームブランク1の第1の端面パネル8及び第2の端面パネル10(図1及び図2参照)から形成される。この例では、第1の端面パネル8は、折り曲げられて内フレーム23の下面の外側を形成するが、第2の端面パネル10が別に折り曲げられて内フレーム23の下面の外側を形成できることが理解されよう。第1の端面パネル8と第2の端面パネル10は折り曲げられて互いに重なり合い、例えば接着剤又は熱封止を使用して結合することができる。
【0044】
さらに、第1の補強タブ16(図3では見えないので図1参照)が折り曲げられ、内フレーム23の下面を形成する第1の端面パネル8及び第2の端面パネル10の少なくとも一方に押し当てられる。第1の補強タブ16は、例えば接着剤又は熱封止によって、第1の端面パネル8及び/又は第2の端面パネル10と結合することができる。
【0045】
加えて、第2の補強タブ18(図3では見えないので図1参照)が折り曲げられて、組み立てられた内フレームの端面26の基部をなすことができる。第2の補強タブ18は、例えば接着剤又は熱封止によって、端面26を形成する中央パネル4と結合することができる。第1の補強タブ16及び第2の補強タブ18は、組み立てられた内フレーム23の構造的剛性及び強度を増大する助けになる。
【0046】
図3で明らかなように、紙巻タバコの組20は内フレーム23によって、抜き取り開口部24を除いて全体的に取り囲まれている。すなわち、説明したように、内フレーム23は、紙巻タバコの組20をすべての面で少なくとも部分的に取り囲む6つの面を有する。
【0047】
前に説明したように、内フレームブランク1の開口7(図1参照)は閉形状である。このように、組み立てられた内フレーム23は、第1の主パネル2、第2の主パネル3及び中央パネル4が一体化して互いに取り付けられるので、抜き取り開口部24の領域に良好な構造的剛性及び強度を有する。
【0048】
さらに、組み立てられた内フレーム23の互いに対向する側面27もまた、これらが説明したように一緒に結合された場合に特に、構造的剛性を増大する助けになる。さらには、第1の補強タブ16は、第1の補強タブ16が端面パネル8、10に結合された場合に特に、下面の領域の内フレーム23の構造的剛性及び強度を増大する助けになる。内フレーム23の端面26を形成する中央パネル4の下にある第2の補強タブ18もまた、補強タブがなければ内フレーム23の弱い部分になり得る抜き取り開口部24まわりで特に、内フレーム23の構造的剛性及び強度を増大する助けになる。第2の補強タブ18を中央パネル4に、例えば接着剤によって結合すると、抜き取り開口部24の領域内の内フレーム23の構造的剛性及び強度を増大するさらなる助けになる。
【0049】
図4に示されるように、組み立てられた内フレーム(23、図3参照)及びその中の紙巻タバコの組(20、図3参照)は、被覆体29に取り囲まれて包装束30を形成することができる。
【0050】
被覆体29は、可撓性シート材料、例えば可撓性ポリマー包みから形成される。被覆体29は、箔、金属化ポリマー接着剤、及び他のこのような包装体材料を含むこともできる積層材料とすることができる。好ましい実施形態では、被覆体29は、3つの層(延伸ポリプロピレンの外層及び、例えばアルミニウム箔である金属箔の中間層)を有する積層物を含む。別の例では、被覆体29は、延伸ポリプロピレンとしてもよい単層のポリプロピレンを含む。被覆体29には、例えばインクの印刷をすることができる。
【0051】
図4に示されるように、被覆体29は、フィン封止部31によって内フレーム23及び紙巻タバコの組20のまわりにしっかり締め付けることができる。この例では、側面フィン封止部31は、内フレーム23の互いに対向する側面27のそれぞれに隣り合って形成され(図3参照)、さらなるフィン封止部(図示せず)が内フレーム23の後面を横切って、側面フィン封止部31に直角に形成される。
【0052】
フィン封止部31は熱を用いて、例えば加熱板を使用して形成することができ、この加熱板は、被覆体29の複数の部分を一緒に加圧してフィン封止部31を形成する。或いは、誘導封止又は超音波封止を使用してフィン封止部31を形成することができる。これらの封止処理のそれぞれで、被覆体29の一部分を別の部分と結合してフィン封止部31を形成する。
【0053】
代替例では、被覆体29は、内フレーム23及び紙巻タバコの組20のまわりに熱でしっかり締め付けることができる。この場合には、被覆体29の端部は、内フレーム23の面に当たる重なり合うフラップになるように形成することができ、このフラップは次に、熱封止によって一緒に結合するために加熱板によって互いに加圧される。加熱板は別法として、被覆体29の材料を加熱して各フラップを一緒に結合する誘導又は超音波封止機とすることができる。
【0054】
さらなる代替例では、被覆体29は、接着剤を使用して内フレーム23及び紙巻タバコの組20のまわりにしっかり締め付けることができる。この場合、被覆体29の端部は重なり合うフラップになるように形成することができ、このフラップは、内フレーム23の面に押し当てられ互いに接着され、及び/又は内フレーム23に接着される。
【0055】
図5の例示的な被覆体29は、内フレーム23及び紙巻タバコの組20のまわりを包んで、図4の包装束30を形成するためのものである。被覆体29は、アクセスフラップ34を画定する線32を含み、アクセスフラップは、包装束30(図4参照)が開封されるときに開口部を形成する。この例では、線32は、アクセスフラップ34が被覆体29に付いたままになるようにU形になっている。代替例では、線32は閉形状を画定し、アクセスフラップ34は被覆体29から取り外すことができる。線32は貫通切り込みとすることができ、或いは弱化線、例えばスリット点線又はミシン目とすることができる。弱化線は、例えば機械カッタ又はレーザ刻み機によって形成することができる。
【0056】
被覆体29はまた、感圧粘着剤を使用して被覆体29の外面に粘着される再封止ラベル33を含む。再封止ラベル33は、線32によって画定されたアクセスフラップ34を覆って接着される。再封止ラベル33はアクセスフラップ34よりも大きく、それにより、再封止ラベル33の縁部がアクセスフラップ34の外側の被覆体29の一部分に結合される。再封止ラベル33は、粘着ラベル33を引っ張るためのプルタブ35を含み得る。プルタブ35は粘着剤がなくてもよく、或いは、プルタブ35の粘着剤がマスキングされるか無効にされてもよい。このようにして、再封止ラベル33は被覆体29の再封止可能開口部を実現する。
【0057】
再封止ラベル33は、可撓性シート材料(例えば、ポリプロピレン又は積層物)で作ることができる。再封止ラベル33は、箔層及び/又は印刷を含み得る。
【0058】
図7に示されるように、プルタブ35を使用して再封止可能ラベル33が持ち上げられると、再封止可能ラベルは包装束30から剥がれ、アクセスフラップ34を持ち上げて、内フレーム23の抜き取り開口部24から紙巻タバコ21を露出させる。感圧粘着剤により、再封止ラベル33及びアクセスフラップ34を元通りに付けることが可能になって、包装束30が再封止される。
【0059】
図6に示された被覆体29の代替例では、線32は、プルタブ35の方に向いているU形の貫通切り込みであり、さらなる弱化線36が線32の端部から延びている。このようにして、プルタブ35が引っ張られると線32が分離し、次に被覆体29の材料が弱化線36に沿って引き裂かれて、図7に示されるアクセスフラップ34が形成される。
【0060】
U形線32は全部が内フレーム23の前面25にあり、弱化線36は内フレーム23の前縁部28を越えて延びるのが好ましい(図3参照)。この構成では、包装束30が最初に開封される前の線32の封止の改善を再封止ラベル33によって行うことができる。
【0061】
いくつかの例では、再封止ラベル33は、感圧粘着剤だけを使用して被覆体29に粘着させる。このようにして、再封止ラベル33は被覆体29に再度付けることができ、アクセスフラップ34の領域内では、感圧粘着剤は、包装束30の開封時にアクセスフラップ34を持ち上げるのに十分な付着力をもたらす。別の例では、恒久接着剤の領域が再封止ラベル33とアクセスフラップ34の間に設けられ、再封止ラベル33の残りの部分は感圧粘着剤を備える。これにより、包装束30を開封するためにプルタブ35が引っ張られるときに、アクセスフラップ34が持ち上げられることを保証することができる。
【0062】
加えて、又は別法として、再封止ラベル33の後縁部37(図7参照)は、恒久接着剤を使用して被覆体29に接着することができる。これにより、再封止ラベル33が包装束30から取り外されることが防止される。
【0063】
本発明の様々な実施形態では、紙巻タバコ21の香料及び新鮮さを保つ助けにするために、圧力差が包装束30の内部と外部の間に形成される。好ましい一例では、圧力差は部分真空であり、包装束30から少なくとも一部の空気を排気することによって作り出すことができる。別の例では、圧力差は包装束30の中の正圧であり、包装束30の中にガスを圧送することによって作り出すことができる。正圧とは、大気圧よりも高い圧力、すなわち標準周囲温度(すなわち摂氏25度)において約1バールよりも高い圧力を意味する。
【0064】
被覆体29は、内フレーム23及び紙巻タバコの組20のまわりにしっかり締め付けられて、包装束30が開封されるまで圧力差が維持されることを可能にすることが好ましい。この場合には、図4を参照して説明したフィン封止部31が好ましい。被覆体29は、空気を通さないことが好ましい。包装束30は気密封止することができる。
【0065】
包装束30の中の部分真空は、包装束30の中から空気を排気することによって得ることができる。この排気は、封止部の最後を形成する前に部分包装束30を減圧環境に曝すことによって行うことができる。同様に、正圧は、封止部の最後を形成する前に部分包装束30を増圧環境に曝すことによって得ることができる。
【0066】
或いは、図7に示されるように、包装束30は一方向弁38を含むことができ、この弁を通して空気を、被覆体29が内フレーム30及び紙巻タバコの組20のまわりに巻かれ、しっかり締め付けられた後に、除去又は挿入することができる。一方向弁38は、被覆体29を貫通する孔を覆って接着することができ、それにより、被覆体30の孔及び一方向弁38を通して空気を包装束30から除去する、又は包装束の中に挿入することができる。一方向弁38を通して空気を除去又は挿入するには、吸引パイプ、真空チャンバ又はポンプを使用することができる。
【0067】
様々な度合いで空気を包装束30から排気できるが、包装束30の中の圧力は低減されることが理解されよう。空気を包装束30から排気できるだけでなく、その時点に存在するガスがもしあれば排気できることもまた理解されよう。
【0068】
様々な例では、包装束30の中の部分真空は、標準周囲温度(すなわち摂氏25度)において圧力が1バール未満である。
【0069】
いくつかの例では、標準周囲温度における包装束30の中の部分真空は500ミリバール未満であり、例えば40~300ミリバールの間である。他の実施形態では、標準周囲温度における包装束30の中の部分真空は150ミリバール未満であり、好ましくは約80ミリバールである。しかし、包装束30の中の部分真空は、1バール未満の任意の値としてもよいことが理解されよう。
【0070】
図7に示されたような、包装束30が一方向弁38を有する例では、内フレーム23は弁開口39を備えることができる。特に、図8に示されるように、内フレームブランク1の第1の主パネル2は、組み立てられた内フレーム23のまわりに被覆体29が巻かれた後に包装束30の弁38と整列される弁開口39を含むことができる(図7参照)。弁開口39は、吸引が包装束30に加えられたときに、空気が包装束30の中の内フレーム23の内部から一方向弁38を通してより自由に動くことを可能にする。
【0071】
一方向弁38は、包装束30の別の面、例えば後面又は側面に配置することができ、その場合には弁開口39を内フレームブランク1の対応する位置に設けることができることが理解されよう。
【0072】
上述のように包装束30が部分真空を備える場合、圧力差によって、包装束30の内容物、特に内フレーム23及び紙巻タバコの組20に作用する圧縮力が作り出される。抜き取り開口部24を内フレームブランク1の中の閉形状として形成することによって作り出された、抜き取り開口部24の領域における内フレーム23の追加の構造的剛性及び強度は、この圧縮力に耐えて紙巻タバコの組20が押しつぶされることを防ぐ助けになる。加えて、側面パネル12、13、端面パネル8、10及び補強タブ16、18もまた、内フレーム23の構造的剛性及び強度を増大させ、したがって、低圧によって作り出される圧縮力に耐える助けになる。
【0073】
図4及び図7に示された包装束30は、タバコ産業製品の独立型包装体とすることができる。すなわち、包装束30は、さらなる包装体がなくても配送及び販売することができる。
【0074】
別法として、図9に示されるように、包装束30は、ヒンジ式蓋付きパック外箱41に入れることができる。ヒンジ式蓋付きパック外箱41は、平行6面体基部42及び平行6面体蓋43を有する。包装束30は基部42に受け入れられ、基部42の開放端44から突出する。蓋43は、ヒンジ線45に沿って基部42にヒンジ式で取り付けられており、旋回して包装束30の突出部を覆うことができる。再封止ラベル33には包装束30の突出部においてアクセスすることができ、それにより、蓋43を開けた後にユーザは、包装束30を開封して紙巻タバコを抜き取ることができる。
【0075】
上述の包装体、特にヒンジ式蓋付きパック41、包装束30、内フレーム23及び被覆体29は、紙巻タバコに関して説明されている。しかし、この包装体は別態様として、任意の喫煙品又はタバコ産業製品を包装するために使用できることが理解されよう。
【0076】
本書で使用される場合、用語「タバコ産業製品」は、喫煙品、例えば、紙巻タバコ、シガリロ、葉巻タバコ、パイプ用又は手巻タバコ用のタバコのような燃焼式喫煙品(タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替品、又は他の喫煙材に基づくか否かに拘わらない)、eシガレット(e-cigarette)のような電子タバコ、タバコ加熱製品のような、燃焼を伴わずに基体材料から成分を放散させる加熱装置、複数の基体材料の組合せからエアロゾルを生成する複合システム(例えば液体、ゲル又は固体の基体を含む複合システム)を含むものとして理解すべきである。
【0077】
一実施形態では、タバコ産業製品は、紙巻タバコ、シガリロ及び葉巻タバコからなる群から選択された燃焼用の喫煙品である。
【0078】
一実施形態では、タバコ産業製品は非燃焼式の喫煙品である。
【0079】
一実施形態では、タバコ産業製品は、基板材料を燃焼させないが加熱することによって化合物を放出する加熱デバイスである。その材料は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品とすることができ、これらはニコチンを含むことも含まないこともある。一実施形態では、加熱デバイスはタバコ加熱デバイスである。
【0080】
別の実施形態では、タバコ産業製品は、基板材料の組み合わせを燃焼させないが加熱することによってエアロゾルを生成するハイブリッドシステムである。基板材料は、例えば、ニコチンを含むことも含まないこともある固体、液体又はゲルを含み得る。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体基板又はゲル基板及び固体基板を含む。固体基板は、例えばタバコ又は他の非タバコ製品とすることができ、これらはニコチンを含むことも含まないこともある。一実施形態では、ハイブリッドシステムは、液体基板又はゲル基板及びタバコを含む。
【0081】
上述の包装体、特にヒンジ式蓋付きパック41、包装束30、内フレーム23及び被覆体29は、タバコ産業製品(例えば紙巻タバコ)に関して説明されている。しかし、この包装体は別態様として、非タバコ産業製品を包装するために使用できることが理解されよう。例えば、包装体は別態様として、物品又は製品などの任意の消費者製品を包装するのに使用することができる。諸例では、包装体は、食品、電子機器、又は、例えばティッシュなどの他の消費財を包装するのに使用される。
【0082】
様々な問題に対処し、技術を進歩させるために、本開示の全体は例示によって、特許請求された本発明を実践できる、且つ優れた内フレームブランク、内フレーム、包装束、及びタバコ産業製品のパックを提供できる、様々な実施形態を示す。本開示の利点及び特徴は、諸実施形態の単なる代表例であり、網羅的及び/又は排他的なものではない。これらの利点及び特徴は、特許請求される特徴を理解することを助け教示するためにだけ提示されている。本開示の利点、実施形態、例、機能、特徴、構造、及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって定義されるような本開示に対する限定、又は他特許請求の範囲の等価物に対する限定と解釈されるべきものではないこと、並びに、本開示の範囲及び/又は趣旨から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、また修正を加えることができることを理解されたい。様々な実施形態は、開示された要素、構成要素、特徴、部材、ステップ、手段などの様々な組み合わせを適切に備えるか、これらからなるか、これらから本質的になることができる。加えて、本開示は、現在は特許請求されていない、しかし将来は特許請求される可能性がある、他の発明を含む。
図1
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