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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】車両換気制御システム
(51)【国際特許分類】
   B60H 1/00 20060101AFI20231212BHJP
【FI】
B60H1/00 101Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019016755
(22)【出願日】2019-02-01
(65)【公開番号】P2020124936
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】高田 陽介
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-256092(JP,A)
【文献】特開2009-280017(JP,A)
【文献】特開2013-256199(JP,A)
【文献】特開2004-306780(JP,A)
【文献】特開2015-178298(JP,A)
【文献】特開2016-117327(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0029729(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が入力する指示信号を無線通信により受信する受信部と、
前記指示信号に基づいて、車両の内部の換気を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記車両のセキュリティ状態が、前記利用者が乗車状態又は前記車両に所定距離未満まで近づいた乗車意思のある状況である無警戒状態、前記利用者が降車して前記車両から離れた状況である警戒状態、前記利用者が降車意思のある状況で前記警戒状態への準備状態である警戒準備状態、及び前記警戒状態下でセキュリティに不正が検出された状況である警報状態のうち、前記無警戒状態、又は、前記警戒状態である場合において、前記利用者の降車後から次に乗車するまでの間に前記車両から所定のエリア内において入力された前記指示信号が存在する場合に、前記指示信号に基づいて、自動換気モード、強制換気モード、及び予約換気モードの3つのモードの中から選択されたモードに応じて前記換気を制御する換気制御を実行する車両換気制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記換気制御として、前記車両のエンジンを作動させると共に空調装置の冷房機能を作動させ、ドアを開放させる請求項1に記載の車両換気制御システム。
【請求項3】
雨量を検出する雨滴センサをさらに備え、
前記制御部は、前記換気制御として、前記雨滴センサの検出信号に基づいて、前記車両の窓及びドアの少なくとも一方の開閉を制御する請求項1又は2に記載の車両換気制御システム。
【請求項4】
前記車両の内部温度を計測する温度センサをさらに備え、
前記制御部は、前記温度センサの計測値が第一所定温度以上である場合、前記換気制御として、人の手が挿入できない程度に前記車両の窓を開放する請求項1に記載の車両換気制御システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記温度センサの計測値が前記第一所定温度よりも高い第二所定温度以上である場合、前記換気制御として、さらに空調装置の送風機能を作動させる請求項4に記載の車両換気制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記温度センサの計測値が前記第一所定温度よりも高い第三所定温度以上である場合、前記換気制御として、さらに前記車両のエンジンを作動させると共に空調装置の冷房機能を作動させる請求項4に記載の車両換気制御システム。
【請求項7】
前記車両に接触する前記利用者以外の人物を検出する検出センサをさらに備え、
前記制御部が前記換気制御を実行するのは、前記検出センサが前記利用者以外の人物を検出しない継続時間が所定時間以上経過した後である請求項4から6の何れか一項に記載の車両換気制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、利用者が降車した後における車内の換気を制御する車両換気制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~2には、利用者が乗車する直前に車内を換気することにより、利用者の快適性を高める技術が開示されている。
【0003】
特許文献1に記載の車両換気制御システムは、利用者が携帯する携帯機が車両に近付いて所定の検知エリアに入ったとき、車両のイグニションスイッチをオンにして利用者が近付いている側の窓を開放させると共に送風機を作動させる。これによって、乗車する前に車内温度を下げると共に、利用者が近付いている側の窓を開放することで利用者の目視によるセキュリティ性を高めるものである。
【0004】
特許文献2に記載の車両換気制御システムは、利用者が携帯する携帯機のGPS情報と車両のGPS情報とに基づいて、プレ空調運転モードを制御する。具体的には、GPS情報から利用者の乗車所要時間を算出し、この乗車所要時間内に車内温度が目標温度に到達できるように、空調装置を制御する。これによって、乗車直前に車内温度を最適化するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-88263号公報
【文献】特開2016-117327号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の車両換気制御システムは、携帯機が所定の検知エリアに入ってから送風機を作動させて窓を開放するため、換気が不十分となり利用者の快適性を高める上で改善の余地がある。
【0007】
また、特許文献2に記載の車両換気制御システムは、GPS情報に基づいてプレ空調運転モードを制御するため、車両が、車両自体のGPS情報と携帯機のGPS情報とを常に受信しておく必要があり、バッテリの消費電力の観点から改善の余地がある。また、乗車直前の車内温度の最適化を図ることができても、例えば、生鮮食品が車内に置かれた状態で利用者が一定時間、車両から離れる場合には、生鮮食品が劣化してしまうため、あらゆるケースに対応することができない。
【0008】
そこで、利用者の快適性を高めることが可能な自由度の高い車両換気制御システムが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る車両換気制御システムの特徴構成は、利用者が入力する指示信号を無線通信により受信する受信部と、前記指示信号に基づいて、車両の内部の換気を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記車両のセキュリティ状態が、前記利用者が乗車状態又は前記車両に所定距離未満まで近づいた乗車意思のある状況である無警戒状態、前記利用者が降車して前記車両から離れた状況である警戒状態、前記利用者が降車意思のある状況で前記警戒状態への準備状態である警戒準備状態、及び前記警戒状態下でセキュリティに不正が検出された状況である警報状態のうち、前記無警戒状態、又は、前記警戒状態である場合において、前記利用者の降車後から次に乗車するまでの間に前記車両から所定のエリア内において入力された前記指示信号が存在する場合に、前記指示信号に基づいて、自動換気モード、強制換気モード、及び予約換気モードの3つのモードの中から選択されたモードに応じて前記換気を制御する換気制御を実行する点にある。
【0010】
本構成では、降車した後に利用者が入力した指示信号に基づいて、利用者が次回乗車するときの車内温度が快適な温度となるように換気制御する。このため、従来のように、GPS情報を常に取得する必要がなく、また、利用者が車両に近付いているか否かに関らず、任意のタイミングで車内を換気することができる。例えば、利用者は、生鮮食品を車内に置いた状態で車両から一定時間離れる場合、降車した後の任意のタイミングで利用者が指示情報を入力すれば、生鮮食品の劣化を防止できる。しかも、利用者が次回乗車するときの車内温度も下がっているため、車室空間の快適性も維持される。このように、利用者の快適性を高めることが可能な自由度の高い車両換気制御システムを提供できた。
【0011】
他の特徴構成は、前記制御部は、前記換気制御として、前記車両のエンジンを作動させると共に空調装置の冷房機能を作動させ、ドアを開放させる点にある。
【0012】
本構成のようにドアを開放すれば、窓のみを開放する場合に比べて換気速度を高めることができる。よって、乗車する前における利用者の指示信号を受信した場合でも、換気が促進され、車内温度をより下げることができる。
【0013】
他の特徴構成は、雨量を検出する雨滴センサをさらに備え、前記制御部は、前記換気制御として、前記雨滴センサの検出信号に基づいて、前記車両の窓及びドアの少なくとも一方の開閉を制御する点にある。
【0014】
換気のために窓又は/及びドアを開放した場合、雨滴が車内に浸入して水浸しになるおそれがある。そこで、本構成のように、雨滴センサの検出信号に基づいて窓及びドアの少なくとも一方の開閉を制御すれば、車内への雨滴の浸入を抑制しつつ換気を行うことができる。
【0015】
他の特徴構成は、前記車両の内部温度を計測する温度センサをさらに備え、前記制御部は、前記温度センサの計測値が第一所定温度以上である場合、前記換気制御として、人の手が挿入できない程度に前記車両の窓を開放する点にある。
【0016】
本構成のように、温度センサにより車内温度を監視しながら、車内温度が第一所定温度以上となったときに人の手が挿入できない程度に窓を開放すれば、車内温度の上昇を抑制しながら不正侵入を防止することができる。
【0017】
他の特徴構成は、前記制御部は、前記温度センサの計測値が前記第一所定温度よりも高い第二所定温度以上である場合、前記換気制御として、さらに空調装置の送風機能を作動させる点にある。
【0018】
本構成のように、車内温度が第一所定温度よりも高い第二所定温度以上となったときに空調装置の送風機能を作動させれば、換気を促進し、車内温度を下げることができる。
【0019】
他の特徴構成は、前記制御部は、前記温度センサの計測値が前記第一所定温度よりも高い第三所定温度以上である場合、前記換気制御として、さらに前記車両のエンジンを作動させると共に空調装置の冷房機能を作動させる点にある。
【0020】
本構成のように、車内温度が第三所定温度以上となったときにエンジンを作動させると共に空調装置の冷房機能を作動させれば、バッテリ残量を減らすことなく短時間で車内温度を急激に下げることができる。このため、例えば、利用者が生鮮食品を車内に置いた状態で車両から一定時間離れた場合でも、車内温度が急激に高まって生鮮食品が劣化するといった不都合を防止できる。
【0021】
他の特徴構成は、前記車両に接触する前記利用者以外の人物を検出する検出センサをさらに備え、前記制御部が前記換気制御を実行するのは、前記検出センサが前記利用者以外の人物を検出しない継続時間が所定時間以上経過した後である点にある。
【0022】
本構成のように、不正侵入者が車両に触れていないが、不正侵入者を警戒している状態において制御部が換気制御すれば、窓を開放したとしてもセキュリティを担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】車両の構成を示すブロック図である。
図2】車両換気制御システムの自動換気モードを示すフロー図である。
図3】車両換気制御システムの強制換気モードを示すフロー図である。
図4】車両換気制御システムの予約換気モードを示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る車両換気制御システムの実施形態について、図面に基づいて説明する。本実施形態では、車両換気制御システムの一例として、双方向無線通信が可能なリモートキー1(携帯機)を用いてドアDを施錠,開錠可能な自動車C(車両の一例)に備えられた車両換気制御システムXとして説明する。ただし、以下の実施形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0025】
[全体構成]
図1に示すように、自動車Cは、通信部2を介してリモートキー1と双方向無線通信(近距離無線通信)が可能に構成されている。また、リモートキー1はインターネットにより自動車Cと遠距離無線通信が可能に構成されている。リモートキー1は、ドア施錠ボタン、ドア開錠ボタン、バックドア開作動ボタン及び換気ボタン等を有している。なお、不図示のスマートフォン等を用いてインターネットにより自動車Cと通信可能に構成しても良い。
【0026】
自動車Cは、通信部2と照合部3と記憶部4と計測部5と制御部6と操作部71と駆動機構7とを備えている。通信部2は、リモートキー1と所定の周波数で双方向無線通信(近距離無線通信)を行うと共に、リモートキー1からの指示信号や気象情報等をインターネットにより受信(遠距離無線通信)を行う通信インターフェースである。
【0027】
照合部3と制御部6とは、ECU(エレクトロニックコントロールユニット)の一部として機能するものであり、各種処理を実行するCPUやメモリを中核としたソフトウェア、又はハードウェアとソフトウェアとの協働により構成されている。記憶部4は、RAMやHDDといったハードウェアで構成されている。計測部5は、自動車Cの駆動状態や周辺情報を検出する各種センサで構成されている。駆動機構7は、ECUからの制御信号を受けて、自動車Cの各種機能を駆動させる装置で構成されている。照合部3と記憶部4と計測部5と制御部6と操作部71と駆動機構7とは、CAN(登録商標、コントローラーエリアネットワーク)やLIN(ローカルインターコネクトネットワーク)等で電気的に接続されている。
【0028】
通信部2は、送信部2aと受信部2bとを有しており、フロントドア等に設けられたアンテナ(不図示)を含んで構成されている。送信部2aは、自動車Cのアンテナからリモートキー1に要求信号を間欠的に送信する。受信部2bは、リモートキー1から要求信号に対する応答信号をアンテナを介して受信する。また、受信部2bは、リモートキー1の各種ボタンを介して利用者が入力した指示信号をインターネットや近距離無線通信により受信したり、インターネットにより気象情報や位置情報等の各種情報を受信したりする。
【0029】
照合部3は、検知エリア内でリモートキー1からの応答信号を受けると、当該応答信号と認証用信号とを照合する。そして、照合部3による照合の結果、当該応答信号と認証用信号とが一致した場合、後述するドア制御部64がドア駆動部73に自動車CのドアDの施錠,開錠を実行させる。ここで、検知エリアとは、通信部2がリモートキー1の応答信号を送受信可能なエリアとして、利用者が自動車Cを目視できるエリア(例えば、自動車Cから5m程度の近距離)に設定されている。
【0030】
記憶部4は、制御部6の各機能を実行させる各種プログラムを格納しており、各種プログラムがECUのメモリに一時的に読み出される。また、計測部5の計測結果が記憶されると共に、後述する換気制御部62が実行する換気モードが記憶されている。
【0031】
計測部5は、温度センサ51と窓センサ52とドアセンサ53とセキュリティセンサ54(検出センサの一例)と雨滴センサ55とバッテリセンサ56等を有している。計測部5の計測結果は記憶部4に記憶され、制御部6からの要求に応じて記憶部4から制御部6に計測結果が送信される。なお、計測部5の計測結果を記憶部4に記憶せずに、制御部6の要求に応じて計測部5から制御部6に送信されるように構成しても良い。
【0032】
温度センサ51は、自動車Cの内部温度(以下、「車内温度T」と言う)を計測するサーミスタ等で構成されている。窓センサ52は、自動車Cの窓Wの開度を検出するために窓Wに取り付けられたポジションセンサである。ドアセンサ53は、ドアDの開度を検出したり、ドアDの施錠,開錠を検出したりするポジションセンサである。
【0033】
セキュリティセンサ54は、自動車Cの内部(以下、「車内」と言う)への不正侵入等を検出するためのセンサであり、車内や車外を撮像するカメラや車体の振動を検出する振動センサ等で構成されており、自動車Cに接触する利用者以外の人物を検出する。例えば、窓Wが割われた場合には、振動センサにより不正侵入を検出し、車外で不審な人物が所定時間いる場合には、車外カメラが不正侵入の可能性がある人物を検出する。雨滴センサ55は、雨量を検出するセンサであり、ワイパーの固定部等に取付けられている。バッテリセンサ56は、バッテリの電池残量を検出するセンサであり、バッテリから出力される電圧値を計測する電圧センサ等で構成されている。
【0034】
制御部6は、判定部61と換気制御部62と窓制御部63とドア制御部64と動力制御部65と空調制御部66等を有している。また、駆動機構7は、窓駆動部72とドア駆動部73と動力装置74(エンジンの一例)と空調装置75等を有している。操作部71は、利用者が駆動機構7を作動させるために操作可能なインターフェースであり、イグニションスイッチ、タッチパネル及び各種操作ボタン等で構成されている。
【0035】
判定部61は、イグニションスイッチのオン,オフ信号に基づいて、動力装置74の作動の有無を判定する。また、判定部61は、リモートキー1からの応答信号(検知エリア内外)、及びリモートキー1のドア開錠ボタンやドア施錠ボタンの押下による利用者が入力する指示信号(施錠,開錠)等に基づいて、ドア駆動部73の作動状態を判定する。さらに、詳細は後述するが、判定部61は、リモートキー1の換気ボタンの押下による利用者が入力する指示信号に基づいて、車内の換気モードを判定する。換気制御部62は、判定部61の判定結果を受けて、選択された換気モードを実行する。
【0036】
窓制御部63は、モータ等の駆動源により窓W(フロントウインドウ、リアウインドウ、サンルーフ等)を開閉させる窓駆動部72の作動を制御する。ドア制御部64は、モータ等の駆動源によりドアD(リアスライドドア、バックドア等)を開閉させるドア駆動部73の作動を制御する。動力制御部65は、エンジンやハイブリッドモータ等の駆動源により自動車Cに駆動力を発生させる動力装置74の作動を制御する。空調制御部66は、車内の空調(送風、冷房、暖房)を行う空調装置75の作動を制御する。
【0037】
[車両換気制御システム]
本実施形態に係る車両換気制御システムXは、上述した通信部2と照合部3と記憶部4と計測部5と制御部6とを備えている。
【0038】
本実施形態における制御部6の換気制御部62は、降車後から次に乗車するまでにおける利用者の指示信号(本実施形態では、リモートキー1の換気ボタン操作による信号)に基づいて、車内の換気を制御する。この利用者からの指示信号は、無線通信により受信部2bが受信し、判定部61に伝達される。そして、判定部61で判定された換気モードに応じて、換気制御部62が車内の換気を制御する。このように、換気制御部62は、降車した後に利用者が入力した指示信号に基づいて、利用者が次回乗車するときにおける車内温度Tが快適な温度となるように換気制御する。このため、任意のタイミングで車内を換気することができる。以下、本実施形態における判定部61及び換気制御部62の具体的内容について説明する。
【0039】
自動車Cのセキュリティ状態として、「無警戒状態」、「警戒準備状態」、「警戒状態」、「警報状態」の4つの状態が存在する。「無警戒状態」とは、利用者が乗車状態又は車両に所定距離未満まで近づいた乗車意思のある状況のことであり、セキュリティセンサ54が待機状態となっている。「警戒準備状態」とは、利用者が降車意思のある状況のことであり、次に述べる「警戒状態」への準備状態である。「警戒状態」とは、利用者が降車して車両から離れた状況のことであり、セキュリティセンサ54が待機状態となっている。この「警戒状態」では、セキュリティセンサ54が利用者以外の人物を検出しない継続時間が所定時間以上である状態である。「警報状態」とは、「警戒状態」下でセキュリティセンサ54により不正が検出された状況のことであり、警報が鳴り、利用者に警報状態である旨が通知される。
【0040】
判定部61は、動力装置74の作動の有無(イグニションスイッチのオン,オフ)と、リモートキー1からの応答信号(検知エリア内外)及び指示信号(施錠,開錠)と、セキュリティセンサ54からの検出信号とに基づいて、自動車Cのセキュリティ状態(「無警戒状態」、「警戒準備状態」、「警戒状態」、「警報状態」の何れか)を判定する。
【0041】
また、判定部61は、「警戒状態」又は「無警戒状態」にあると判定し、利用者が入力する指示情報が存在する場合、車内を換気する換気モードを判定,選択する。本実施形態に係る換気モードとしては、「自動換気モード」、「強制換気モード」、「予約換気モード」の少なくとも3つのモードがある。利用者が入力する指示情報としては、リモートキー1の換気ボタンを1回押下すれば「自動換気モード」、2回押下すれば「強制換気モード」、長押しすれば「予約換気モード」といったように予め設定されている。
【0042】
「自動換気モード」とは、利用者が降車後から次に乗車するまでの間、車内温度Tが所定温度以上とならないように換気,冷房するモードである。「強制換気モード」とは、利用者の指示の下、利用者が乗車する直前又は次回乗車するまでの間に短時間で車内温度Tを急激に低下させるモードである。「予約換気モード」とは、換気予約のある状況下で「無警戒状態」(リモートキー1が検知エリア内)となったとき、短時間で車内温度Tを急激に低下させるモードである。
【0043】
判定部61により「警戒状態」且つ「自動換気モード」と判定された場合、換気制御部62は、温度センサ51、雨滴センサ55及びバッテリセンサ56の計測値に基づいて、窓制御部63、動力制御部65及び空調制御部66に制御信号を送信する。
【0044】
「自動換気モード」の具体的な制御例としては、温度センサ51で計測された計測値(以下、「車内温度T」とも称する。)が第一所定温度T1(例えば25℃)以上、且つ、第一所定温度T1よりも高い第二所定温度T2(例えば30℃)未満である場合、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放する。また、車内温度Tが第二所定温度T2(例えば30℃)以上、且つ、第二所定温度T2よりも高い第三所定温度T3(例えば35℃)未満である場合、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放すると共に空調装置75の送風機能を作動させる。この送風機能の作動中において、バッテリセンサ56によるバッテリ残量が所定値以下となったときには、空調装置75の送風機能を停止させる。さらに、車内温度Tが第三所定温度T3(例えば35℃)以上である場合、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放すると共に、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる。なお、換気制御部62は、温度センサ51の計測値に基づいて、空調装置75の冷房機能の作動温度を制御しても良い。また、「自動換気モード」の作動中に雨滴センサ55により雨が検出されたときは、全ての窓Wを閉める。そして、判定部61により「警戒状態」から「無警戒状態」に移行したと判定された場合、「自動換気モード」を解除して、窓Wを閉めると共に空調装置75の作動を停止又は弱設定にする。換気制御部62は、温度センサ51の計測値に基づいて、窓Wの開閉量、空調装置75の冷房機能の作動温度や作動風量又は空調装置75の送風機能の作動風量を制御する。
【0045】
換気制御部62は、判定部61により「強制換気モード」と判定された場合、雨滴センサ55の計測値に基づいて、窓制御部63、ドア制御部64、動力制御部65及び空調制御部66に制御信号を送信する。「強制換気モード」の具体的な制御例としては、雨滴センサ55により雨が検出されないときは、窓Wを全開にすると共にドアDを全開にし、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる。このとき、全開にするドアDは、車外カメラやリモートキー1等で検出された利用者がいる側のドアD(リアスライドドア等)であることがセキュリティ上好ましい。また、全開にするドアDは、対角線上にある一対のドアD(例えば、モータ等で駆動される右フロントドアと左リアスライドドア)であれば換気効率上好ましい。この場合、対角線上の一対のドアDのうち、利用者がいる側のドアDは全開にして、利用者がいない側のドアDは開度を小さくするなど、一対のドア開度を異ならせても良い。一方、雨滴センサ55により雨が検出されたときは、窓W及びドアDを全閉にした状態で、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる。そして、車内カメラ等により運転手が乗車して着座したことが検出された場合、「強制換気モード」を解除して、ドアDを施錠し、空調装置75の冷房機能の作動を停止又は弱設定とする。換気制御部62は、温度センサ51の計測値に基づいて、空調装置75の冷房機能の作動温度や作動風量又は空調装置75の送風機能の作動風量を制御する。
【0046】
換気制御部62は、判定部61により「無警戒状態」且つ「予約換気モード」と判定された場合、雨滴センサ55の計測値に基づいて、窓制御部63、ドア制御部64、動力制御部65及び空調制御部66に制御信号を送信する。「予約換気モード」の具体的な制御例としては、通信部2によりリモートキー1が検知エリアで検知され、雨滴センサ55により雨が検出されないときは、窓Wを全開にすると共にドアDを全開にし、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる。このとき、全開にするドアDは、車外カメラやリモートキー1等で検出された利用者がいる側のドアD(リアスライドドア等)であることがセキュリティ上好ましい。また、全開にするドアDは、対角線上にある一対のドアD(例えば、モータ等で駆動される場合の右フロントドアと左リアスライドドア)であれば換気効率上好ましい。一方、通信部2によりリモートキー1が検知エリアで検知され、雨滴センサ55により雨が検出されたときは、窓W及びドアDを全閉にした状態で、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる。そして、車内カメラ等により運転手が乗車して着座した場合、「予約換気モード」を解除して、ドアDを施錠し、空調装置75の冷房機能の作動を停止又は弱設定とする。換気制御部62は、温度センサ51の計測値に基づいて、空調装置75の冷房機能の作動温度や作動風量又は空調装置75の送風機能の作動風量を制御する。
【0047】
続いて、図2図4を用いて具体的な制御方法を説明する。
【0048】
図2には、「自動換気モード」のフロー図が示されている。まず、利用者は、イグニションスイッチをオフにして降車した後、リモートキー1の換気ボタンを1回押して、「自動換気モード」を選択する(#21)。このとき、判定部61は、利用者が降車意思のある状態として、「警戒準備状態」のセキュリティレベルであると判定する。そして、判定部61は、受信部2bを介して「自動換気モード」が選択された旨を判定し、セキュリティレベルが「警戒状態」であるか否かを判定する(#22)。判定部61の判定の結果、セキュリティレベルが「警戒状態」である場合(#22Yes)、判定部61は換気制御部62に「自動換気モード」を実行させる信号を伝達する。なお、「警戒準備状態」から「警戒状態」へは、例えば、利用者が降車してリモートキー1の換気ボタンを押してから所定時間経過後に移行する。
【0049】
換気制御部62は、温度センサ51で計測された車内温度Tが第三所定温度T3(例えば35℃)以上である場合(#23Yes)、側方の窓W(左右フロントウインドウ、左右リアウインドウ)及び天窓W(サンルーフ)を開放し、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる制御を実行する(#24)。このとき、側方の窓Wについては、セキュリティを考慮して、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放する。このように車内温度Tが第三所定温度T3以上となったときにエンジンを作動させると共に空調装置75の冷房機能を作動させれば、バッテリ残量を減らすことなく短時間で車内温度Tを急激に下げることができる。このため、例えば、利用者が生鮮食品を車内に置いた状態で自動車Cから一定時間離れた場合でも、車内温度Tが急激に高まって生鮮食品が劣化するといった不都合を防止できる。
【0050】
換気制御部62は、温度センサ51で計測された車内温度Tが第二所定温度T2(例えば30℃)以上第三所定温度T3(例えば35℃)未満である場合(#23No、#25Yes)、側方の窓W(左右フロントウインドウ、左右リアウインドウ)及び天窓W(サンルーフ)を開放し、動力装置74のエンジンをオフにした状態で空調装置75の送風機能を作動させる制御を実行する(#26)。このとき、側方の窓Wについては、セキュリティを考慮して、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放する。このように、車内温度Tが第二所定温度T2以上となったときに空調装置75の送風機能を作動させれば、換気を促進し、車内温度Tを下げることができる。
【0051】
換気制御部62は、温度センサ51で計測された車内温度Tが第一所定温度T1(例えば25℃)以上第二所定温度T2(例えば30℃)未満である場合(#25No、#27Yes)、動力装置74のエンジン及び空調装置75の送風機能をオフにした状態で、側方の窓W(左右フロントウインドウ、左右リアウインドウ)及び天窓W(サンルーフ)を開放する制御を実行する(#28)。このとき、側方の窓Wについては、セキュリティを考慮して、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放する。このように、人の手が挿入できない程度に窓Wを開放すれば、車内温度Tの上昇を抑制しながら不正侵入を防止することができる。
【0052】
一方、換気制御部62は、温度センサ51で計測された車内温度Tが第一所定温度T1(例えば25℃)未満である場合(#27No)、動力装置74のエンジン及び空調装置75の送風機能及び冷房機能をオフにした状態で、側方の窓W(左右フロントウインドウ、左右リアウインドウ)及び天窓W(サンルーフ)を閉じる制御を実行する(#29)。
【0053】
換気制御部62は、#22~#29までの制御を、判定部61が「無警戒状態」(利用者が乗車状態または車両に所定距離未満まで近づいた乗車意思のある状況)と判定するまで繰り返す(#30No)。なお、図示しないが、換気制御部62は、#22~#29までの制御において、雨滴センサ55により雨が検出されたときには、少なくともサンルーフを閉める制御を実行する。その結果、仮に、側方の窓Wが人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放されている場合でも、サンルーフを閉じることにより、雨滴が車内に浸入して水浸しになることがない。
【0054】
判定部61が「無警戒状態」と判定した場合(#30Yes)、換気制御部62は「自動換気モード」の制御を解除する(#31)。このとき、換気制御部62は、窓Wを全閉にして空調装置75を停止させても良いし、窓Wを全閉にして空調装置75の冷房機能を弱設定にしても良い。
【0055】
図3には、「強制換気モード」のフロー図が示されている。まず、利用者は、イグニションスイッチをオフにして降車した後、次回乗車する前(次回乗車する直前又は次回乗車するまでの間)にリモートキー1の換気ボタンを2回押して、「強制換気モード」を選択する(#32)。そして、照合部3は、検知エリア内でリモートキー1からの応答信号を受け、当該応答信号と認証用信号とを照合する(♯33)。当該応答信号と認証用信号とが一致した場合(♯33Yes)、判定部61は、リモートキー1のボタン操作によるドア駆動部73の作動状態を判定する(#34)。ドア駆動部73の作動状態がドア開錠状態である場合、又は、ドア駆動部73の作動状態がバックドア開作動状態である場合、(♯34Yes)、判定部61はセキュリティレベルが「無警戒状態」にあると判定し、雨滴センサ55により雨量を検出する(#35)。
【0056】
雨滴センサ55により雨が検出されない場合、又は雨量がごく僅かである場合(#35No)、換気制御部62は、窓W(左右フロントウインドウ、左右リアウインドウ、サンルーフ)を全開すると共に利用者がいる側のリアスライドドアD(ドアの一例)を全開にし、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる制御を実行する(#36)。このドアDの全開に際しては、セキュリティセンサ54により周囲の安全が確保された状態にて実行される。これにより、バッテリ残量を減らすことなく短時間で車内温度Tを急激に下げることができる。なお、利用者がいる側のリアスライドドアDだけでなく、利用者がいる側のリアスライドドアDと対角線上にある一対のフロントドアD(ドアの一例)を開放しても良いし、全てのドアD(フロントドア、リアスライドドア、バックドア)を開放しても良い。
【0057】
雨滴センサ55により雨が検出された場合(#35Yes)、換気制御部62は、窓W及びドアDを全閉にし、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる制御を実行する(#37)。これにより、雨滴が車内に浸入して水浸しになることを防止しつつ、車内温度Tを低下させることができる。
【0058】
次いで、判定部61が車内カメラ等により運転手が乗車して着座したと判定した場合(#38Yes)、換気制御部62は、窓Wを全閉にして空調装置75を停止又は弱設定にさせる制御を実行する(#39)。このとき、温度センサ51の計測値が目標温度に到達していない場合は、窓Wを全開にして空調装置75の冷房機能を作動させた状態を維持しても良い。本実施形態のようにドアDを開放すれば、窓Wのみを開放する場合に比べて換気速度を高めることができる。よって、乗車する前(次回乗車する直前又は次回乗車するまでの間)における利用者の指示信号を受信した場合でも、換気が促進され、短時間に車内温度Tをより下げることができる。
【0059】
図4には、「予約換気モード」のフロー図が示されている。まず、利用者は、イグニションスイッチをオフにして降車したとき、リモートキー1の換気ボタンを長押しして、「予約換気モード」を選択する(#40)。そして、利用者が次回乗車するとき、照合部3は、検知エリア内でリモートキー1からの応答信号を受け、当該応答信号と認証用信号とを照合する(♯41)。当該応答信号と認証用信号とが一致した場合(♯41Yes)、判定部61は、リモートキー1のボタン操作によるドア駆動部73の作動状態を判定する(#42)。ドア駆動部73の作動状態が開錠状態である場合(♯42Yes)、判定部61はセキュリティレベルが「無警戒状態」にあると判定し、雨滴センサ55により雨量を検出する(#43)。
【0060】
雨滴センサ55により雨が検出されない場合、又は雨量がごく僅かである場合(#43No)、換気制御部62は、窓W(左右フロントウインドウ、左右リアウインドウ、サンルーフ)を全開すると共に利用者がいる側のリアスライドドアDを全開にし、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる制御を実行する(#44)。このリアスライドドアDの全開に際しては、セキュリティセンサ54により周囲の安全が確保された状態にて実行される。これにより、バッテリ残量を減らすことなく短時間で車内温度Tを急激に下げることができる。なお、利用者がいる側のリアスライドドアDだけでなく、利用者がいる側のリアスライドドアDと対角線上にあるフロントドアDを開放しても良いし、全てのドアD(フロントドア、リアスライドドア、バックドア)を開放しても良い。
【0061】
雨滴センサ55により雨が検出された場合(#43Yes)、換気制御部62は、窓W及びドアDを全閉にし、動力装置74のエンジンを作動させつつ空調装置75の冷房機能を作動させる制御を実行する(#45)。これにより、雨滴が車内に浸入して水浸しになることを防止しつつ、車内温度Tを低下させることができる。
【0062】
次いで、判定部61が車内カメラ等により運転手が乗車して着座したと判定した場合(#46Yes)、換気制御部62は、窓Wを全閉にして空調装置75を停止又は弱設定にさせる制御を実行する(#47)。このとき、温度センサ51の計測値が目標温度に到達していない場合は、窓Wを全開にして空調装置75の冷房機能を作動させた状態を維持しても良い。本実施形態のようにドアDを開放すれば、窓Wのみを開放する場合に比べて換気速度を高めることができる。よって、乗車する前(降車時)における利用者の指示信号を受信した場合でも、換気が促進され、車内温度Tをより下げることができる。
【0063】
[その他の実施形態]
(1)「強制換気モード」や「予約換気モード」の設定用としてリモートキー1に換気ボタンを設ける代わりに、開錠ボタンを長押し等でも良い。また、リモートキー1に換気するドアDを指定する換気ドア指定ボタンがある場合は、換気ドア指定ボタンの側のドアDを全開としても良い。
(2)「自動換気モード」の設定用としてリモートキー1に換気ボタンを設ける代わりに、施錠ボタンを長押しでも良い。また、「自動換気モード」の選択は、遠隔地にいる利用者からの指示情報を、インターネットを介して受信部2bが受信しても良い。この場合、利用者が例えば買い物中であっても、任意に指示情報を入力できるため、利便性が高まる。また、リモートキー1に換気ボタンに「自動換気モード」のキャンセル機能があっても良い。
(3)リモートキー1が検知エリア内に入れれば自動的に開錠し、検知エリア外に出れば自動的に施錠するスマートキーシステムであっても良い。この場合、リモートキー1のドア施錠ボタン及びドア開錠ボタンを省略することができる。
【0064】
(4)「自動換気モード」や「予約換気モード」を操作部71のタッチパネルや操作ボタン等で予め設定していても良い。この場合、一度指示信号を入力した利用者は、乗降を繰り返す度に換気モードを選択する必要がなく、利便性が高まる。
(5)「自動換気モード」において、判定部61は、温度センサ51で計測された車内温度Tに基づいて換気方法を判定したが、定期的(例えば1分間隔)に気象情報や車内外の温度センサ51の温度情報等に基づいて温度上昇率を予測することにより、換気モードを判定しても良い。
(6)「自動換気モード」において、サンルーフについても、セキュリティを考慮して、人の手が挿入できない程度(例えば3cm未満)に窓Wを開放しても良い。
【0065】
(7)「強制換気モード」や「予約換気モード」において、窓WやドアDを全開にせずに、所定量だけドアDを開放しても良い。
(8)ドア駆動部73により開閉されるドアDは、リアスライドドアやバックドアに加え、オートスイングドアで構成されたフロントドアであっても良く、モータ等の駆動源により駆動されるドアDであれば特に限定されない。
(9)上述した実施形態では、受信部として通信部2の受信部2bとして説明したが、利用者が入力した指示信号は判定部61において利用されることから、判定部61を受信部として見做しても良い。
(10)上述した実施形態における車両換気制御システムXは、自動車C以外の車両に適用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、利用者が降車した後における車内の換気を制御する車両換気制御システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0067】
2b :受信部
6 :制御部
51 :温度センサ
54 :セキュリティセンサ(検出センサ)
55 :雨滴センサ
74 :動力装置(エンジン)
75 :空調装置
C :自動車(車両)
D :ドア
T :車内温度
T1 :第一所定温度
T2 :第二所定温度
T3 :第三所定温度
W :窓
X :車両換気制御システム
図1
図2
図3
図4