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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20231212BHJP
   G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
B41J29/38 201
G03G21/00 388
H04N1/00 912
H04N1/00 E
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019138138
(22)【出願日】2019-07-26
(65)【公開番号】P2021020372
(43)【公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-06-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石橋 幹大
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-223760(JP,A)
【文献】特開2017-126836(JP,A)
【文献】特開2016-158234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/00-29/70
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に対して指示を行うプロセッサを備えた情報処理装置であって、
前記プロセッサは、
割り込み指示を受け付けた場合に、前記画像形成装置の処理モードを、ジョブを受け付けた順序で実行する通常モードから、実行中のジョブを中断して割り込みジョブを先に実行する割り込みモードに移行させる指示を行い、
前記割り込みジョブの完了後、割り込みモードを解除する指示を受け付けていない場合に、前記割り込みモードを解除する解除方法に従って、前記処理モードを前記割り込みモードから前記通常モードに移行させる指示を行い、
前記解除方法が、
前記割り込みジョブの完了から予め定めた待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けておらず、且つ、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生していない場合には、前記待機時間の経過後に前記割り込みモードを解除するか、
または、
前記割り込みジョブの完了から前記待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けておらず、且つ、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生した場合には、前記追加のトリガーの発生時に前記割り込みモードを解除する、
第1条件付き解除方法である、
情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、
前記割り込みジョブの完了後、前記通常モードに移行させる指示を行う前に、
中断したジョブを再開する準備を開始する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
画像形成装置に対して指示を行うコンピュータに、
割り込み指示を受け付けた場合に、前記画像形成装置の処理モードを、ジョブを受け付けた順序で実行する通常モードから、実行中のジョブを中断して割り込みジョブを先に実行する割り込みモードに移行させる指示、
前記割り込みジョブの完了後、割り込みモードを解除する指示を受け付けていない場合に、前記割り込みモードを解除する解除方法に従って、前記処理モードを前記割り込みモードから前記通常モードに移行させる指示、
を実行させるためのプログラムであって、
前記解除方法が、
前記割り込みジョブの完了から予め定めた待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けておらず、且つ、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生していない場合には、前記待機時間の経過後に前記割り込みモードを解除するか、
または、
前記割り込みジョブの完了から前記待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けておらず、且つ、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生した場合には、前記追加のトリガーの発生時に前記割り込みモードを解除する、
第1条件付き解除方法である、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段で画像を形成しているときに、別の画像形成処理を優先して行う割り込みモードに移行させる割り込み手段と、前記割り込みモードを自動的に解除する割り込み自動解除手段と、前記割り込み自動解除手段で前記割り込みモードの自動解除を行うか否かのオンオフ設定を切り替える切り替え手段と、を備えたことを特徴とする画像形成装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-195784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置には割り込み機能を備えたものがある。割り込み機能とは、実行中のジョブを中断して他のジョブを優先的に実行する機能である。利用者は、画像形成装置に対し例えば、プリント、コピー等の処理を依頼する。「ジョブ」とは、例えば、プリントジョブ、コピージョブ等のように依頼された処理を表す。以下では、利用者を「ユーザ」と称する。
【0005】
割り込み機能は、例えば、複数のユーザが画像形成装置を共同で使用している環境において、あるユーザのジョブの実行中に、他のユーザが別のジョブを優先して実行させたい場合に利用される。以下では、割り込み機能を利用するユーザを「割り込みユーザ」といい、割り込みユーザ以外のユーザを「一般ユーザ」という。また、割り込み機能を利用して実行されるジョブを「割り込みジョブ」という。ジョブを受け付ける装置の状態(即ち、処理モード)が、割り込みジョブを受付可能な状態であることを「割り込みモード」という。
【0006】
割り込み機能を備えた画像形成装置には、割り込みを指示するボタン(以下、「割り込みボタン」という。)が設けられている。ユーザは、割り込みボタンを押して、割り込みを指示する。画像形成装置は、割り込みが指示されると、処理モードを通常モードから割り込みモードに移行させる。なお、通常モードとは、割り込みモードではない処理モードである。通常モードの下では、ジョブは受け付けた順に実行される。
【0007】
画像形成装置は、割り込みモードが解除されるまでは、処理モードを割り込みモードに保持する。ユーザは、割り込み中に割り込みボタンを再度押す等して、割り込みの解除を指示する。画像形成装置は、割り込みの解除が指示されると、処理モードを割り込みモードから通常モードに復帰させる。
【0008】
本発明の目的は、割り込みモードを解除する利用者の操作の手間を省くことができる、情報処理装置及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1態様に係る情報処理装置は、画像形成装置に対して指示を行うプロセッサを備えた情報処理装置であって、前記プロセッサは、割り込み指示を受け付けた場合に、前記画像形成装置の処理モードを、ジョブを受け付けた順序で実行する通常モードから、実行中のジョブを中断して割り込みジョブを先に実行する割り込みモードに移行させる指示を行い、前記割り込みジョブの完了後、前記画像形成装置の状態を表す情報から予測された前記割り込みモードを解除する解除方法に従って、前記処理モードを前記割り込みモードから前記通常モードに移行させる指示を行う、情報処理装置である。
【0010】
第2態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記解除方法が、前記割り込みジョブの完了後、前記割り込みモードを即時解除する即時解除方法である。
【0011】
第3態様に係る情報処理装置は、第2態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像形成装置の状態を表す情報から、前記割り込みを継続する要因が無く、前記割り込みを即時解除する要因がある場合に、前記解除方法を前記即時解除方法であると予測する。
【0012】
第4態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記解除方法が、前記割り込みジョブの完了から予め定めた待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けていない場合に、前記待機時間の経過後に前記割り込みモードを解除する第1条件付き解除方法である。
【0013】
第5態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記解除方法が、前記割り込みジョブの完了から予め定めた待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けておらず、且つ、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生していない場合には、前記待機時間の経過後に前記割り込みモードを解除するか、または、前記割り込みジョブの完了から前記待機時間内に、割り込みモードを継続する指示を受け付けておらず、且つ、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生した場合には、前記追加のトリガーの発生時に前記割り込みモードを解除する、第1条件付き解除方法である。
【0014】
第6態様に係る情報処理装置は、第4態様または第5態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像形成装置の状態を表す情報から、前記割り込みを継続する要因が無く、前記割り込みを即時解除する要因がない場合に、前記解除方法を前記第1条件付き解除方法であると予測する。
【0015】
第7態様に係る情報処理装置は、第4態様から第6態様までのいずれか1つに係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記割り込みジョブの完了後、前記通常モードに移行させる指示を行う前に、中断したジョブを再開する準備を開始する。
【0016】
第8態様に係る情報処理装置は、第1態様に係る情報処理装置において、前記解除方法が、前記割り込みジョブの完了から予め定めた待機時間内に、前記割り込みモードを解除する要因となる追加のトリガーが発生した場合に、前記追加のトリガーの発生時に前記割り込みモードを解除する、第2条件付き解除方法である。
【0017】
第9態様に係る情報処理装置は、第8態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記画像形成装置の状態を表す情報から、前記割り込みを継続する要因があり、前記割り込み指示を行った利用者以外の利用者であって前記割り込みの解除を待つ利用者が存在する場合に、前記解除方法を前記第2条件付き解除方法であると予測する。
【0018】
第10態様に係る情報処理装置は、第8態様または第9態様に係る情報処理装置において、前記プロセッサは、前記割り込みジョブの完了後、前記通常モードに移行させる指示を行う前に、中断したジョブを再開する準備を開始する。
【0019】
第11態様に係る情報処理装置は、第1態様から第10態様までのいずれか1つに係る情報処理装置において、前記画像形成装置の状態を表す情報が、前記割り込み指示を行った利用者の前記割り込みジョブ以外のジョブの受け付けの有無に関する情報である。
【0020】
第12態様に係る情報処理装置は、第1態様から第11態様までのいずれか1つに係る情報処理装置において、前記画像形成装置の状態を表す情報が、前記割り込み指示を行った利用者以外の利用者のジョブの受け付けの有無に関する情報である。
【0021】
第13態様に係る情報処理装置は、第1態様から第12態様までのいずれか1つに係る情報処理装置において、前記画像形成装置の状態を表す情報が、外部の検知部から取得した、原稿を検知したか否かに関する情報である。
【0022】
第14態様に係る情報処理装置は、第1態様から第13態様までのいずれか1つに係る情報処理装置において、前記画像形成装置の状態を表す情報が、外部の検知部から取得した、前記画像形成装置の周囲の特定領域にいる人の検知結果に関する情報である。
【0023】
第15態様に係る情報処理装置は、第1態様から第14態様までのいずれか1つに係る情報処理装置において、前記画像形成装置の状態を表す情報が、前記割り込み指示を行った利用者の操作履歴に関する情報である。
【0024】
第16態様に係るプログラムは、画像形成装置に対して指示を行うコンピュータに、割り込み指示を受け付けた場合に、前記画像形成装置の処理モードを、ジョブを受け付けた順序で実行する通常モードから、実行中のジョブを中断して割り込みジョブを先に実行する割り込みモードに移行させる指示、前記割り込みジョブの完了後、前記画像形成装置の状態を表す情報から予測された前記割り込みモードを解除する解除方法に従って、前記処理モードを前記割り込みモードから前記通常モードに移行させる指示、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0025】
第1態様、第16態様によれば、割り込みモードを解除する利用者の操作の手間を省くことができる。
第2態様によれば、即時解除しない場合に比べて、割り込みモードに滞在する期間が短くなる。
第3態様によれば、割り込みモードを解除してもよい場合に、割り込みモードを即時解除することができる。
第4態様によれば、即時解除する場合に比べて、割り込みユーザの利便性が維持される。
第5態様によれば、即時解除する場合に比べて、適切なタイミングで割り込みモードを解除することができる。
第6態様によれば、割り込みモードを解除しても問題がないか判断がつかない場合に、条件の成否が確定するまで解除を延期することができる。
第7態様によれば、割り込みモードの解除後、速やかに中断したジョブを再開することができる。
第8態様によれば、即時解除する場合に比べて、適切なタイミングで割り込みモードを解除することができる。
第9態様によれば、無制限に割り込みモードを継続する場合に比べて、一般ユーザの待ち時間を短縮することができる。
第10態様によれば、割り込みモードの解除後、速やかに中断したジョブを再開することができる。
第11態様によれば、割り込みユーザからの別のジョブを受け付けている場合には、割り込みを継続することができる。
第12態様によれば、一般ユーザからのジョブを受け付けている場合には、割り込みを解除することができる。
第13態様によれば、原稿が検知された場合には、割り込みを継続することができる。
第14態様によれば、画像形成装置の周囲の特定領域内にいる人の検知結果に応じて、解除方法を予測することができる。
第15態様によれば、割り込みユーザの過去の操作傾向から、解除方法を予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。
図2】割り込みボタンを表示する画面の一例を示す模式図である。
図3】「割り込み処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
図4】従来の「割り込み解除処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
図5】情報処理部の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。
図6】情報処理部の各機能部の動作の一例を説明するためのシーケンス図である。
図7】ジョブ管理テーブルの一例を示す図表である。
図8】割り込み後のジョブ管理テーブルの一例を示す図表である。
図9】本発明の実施の形態に係る「割り込み解除処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
図10】予測結果を示す模式図である。
図11】「予測処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
図12】第1の実施の形態で判断材料となる予測情報の一例を示す図表である。
図13】(A)から(D)までは、監視カメラの映像から人を検知する方法を説明するための模式図である。
図14】「自動解除処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
図15】確認画面の一例を示す模式図である。
図16】第2の実施の形態で判断材料となる予測情報の一例を示す図表である。
図17】第3の実施の形態で判断材料となる予測情報の一例を示す図表である。
図18】第5の実施の形態「自動解除処理」の流れの他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
【0028】
<画像形成装置の構成>
まず、画像形成装置について説明する。
図1は画像形成装置の構成の一例を示すブロック図である。図1に示すように、画像形成装置10は、装置全体の制御及び各種演算を行うコンピュータである情報処理部12を備えている。情報処理部12は、CPU12A、各種プログラムを記憶したROM12B、プログラムの実行時にワークエリアとして使用されるRAM12C、不揮発性のメモリ12D、及び入出力部12Eを備えている。CPU12A、ROM12B、RAM12C、メモリ12D、及び入出力部12Eの各々は、バス12Fを介して接続されている。
【0029】
また、画像形成装置10は、操作パネル14、画像読取部16、画像形成部18、通信部20、記憶部22、及び人感センサ24を備えている。操作パネル14、画像読取部16、画像形成部18、通信部20、及び記憶部22の各部は、入出力部12Eに接続されている。情報処理部12は、各部との間で情報の授受を行って、各部を制御する。また、人感センサ24も入出力部12Eに接続されている。情報処理部12は、人感センサ24により検出された情報を取得する。
【0030】
操作パネル14は、ユーザに対し各種情報を表示すると共に、ユーザの操作を受け付けるためのインターフェースである。操作パネル14は、各種画面を表示して画面へのタッチ操作による入力を受け付けるタッチパネルと、待機画面であるホーム画面に戻るホームボタンや電源ボタン等、押すことにより動作する機械式の操作ボタンとを備えている。
【0031】
画像読取部16は、原稿に記録された画像を読み取る装置である。本実施の形態では、画像読取部16は、原稿に記録された画像を、CCDセンサの光学素子を用いて光学的に読み取る。画像読取部16は、プラテンガラスに載置された原稿の画像を読み取る。画像読取部16は、プラテンガラス上に原稿があることを、CCDセンサの出力の変化により検知する。
【0032】
画像読取部16が自動原稿送り装置を備える場合は、自動原稿送り装置にセットされた原稿がプラテンガラスに搬送される。自動原稿送り装置には、原稿検知センサが設けられている。自動原稿送り装置に原稿があることを、原稿検知センサにより検知する。
【0033】
画像形成部18は、紙等の記録媒体上に画像を形成する装置である。画像形成部18の画像形成方式は、電子写真方式でもよく、インクジェット方式でもよい。通信部20は、外部装置と通信を行うためのインターフェースである。記憶部22は、ハードディスク等の外部記憶装置である。
【0034】
人感センサ24は、画像形成装置10から予め定めた距離以内(以下、検知範囲という。)に人が居ることを検知するセンサである。人感センサ24としては、例えば、人から放射される赤外線を検知する焦電型の赤外線センサが挙げられる。なお、後述する「人検知部40」は、人感センサ24の検知範囲に人が居ることが検知されると、外部にある監視カメラ26の映像を取得して、画像認識により画像形成装置10の周囲に居る人を検知する。
【0035】
上記の構成を備えた画像形成装置10は、原稿の画像を読み取って画像データを生成する「スキャン処理」、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、生成した画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する「コピー処理」、外部から受信した画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成する「プリント処理」、原稿の画像を読み取って画像データを生成し、生成した画像データを外部に送信する「ファクス処理」等、複数種類の処理を実行可能である。
【0036】
なお、本実施の形態では、後述する「割り込み解除処理」の制御プログラムが、情報処理部12のROM12Bに記憶されているものとする。また、後述する「ジョブ管理テーブル」は、メモリ12Dに記憶されているものとする。なお、各種プログラムや各種データは、装置内外の他の記憶装置に記憶されていてもよく、CD-ROM等の記録媒体に記録されていてもよい。また、各種プログラムや各種データは、通信を介して取得されてもよい。
【0037】
(割り込み機能)
次に、割り込み機能について説明する。
上記の通り、割り込み機能とは、実行中のジョブを中断して他のジョブを優先的に実行する機能である。一般ユーザのジョブの実行中に、割り込みユーザが別のジョブを優先して実行させたい場合に、実行中のジョブを中断させて割り込みジョブを実行させる。割り込み機能により、割り込みユーザの利便性は高まるが、自身のジョブが待ち状態になる等、一般ユーザの利便性は低下する。
【0038】
図2は割り込みボタンを表示する画面の一例を示す模式図である。図2に示すように、ジョブの実行中には、ジョブを実行中であることを示す実行画面100が操作パネルに表示される。実行画面100は、ヘッダ102と本体104とを含む。ヘッダ102には、「プリントしています。」等のメッセージ106が表示される。本体104には、矢印の方向に半円が回転する動画112等が表示される。
【0039】
実行画面100のヘッダ102には、ジョブを中止する中止ボタン108の外に、割り込みを指示する割り込みボタン110が表示されている。割り込みユーザは、他のユーザによるジョブの実行中に、割り込みボタン110を押下して割り込みを指示する。割り込みの指示を受け付けると、処理モードが通常モードから割り込みモードに移行する。割り込みユーザは、ジョブを選択した後にスタートボタン(図示せず)を押す等して、続けて割り込みジョブの実行を指示する。また、割り込みユーザは、割り込み中に割り込みボタン110を再度押して、割り込みの解除を指示する。割り込みを解除する指示を受け付けると、処理モードが割り込みモードから通常モードに移行する。
【0040】
-割り込み処理-
次に、割り込み処理について簡単に説明する。
図3は「割り込み処理」の流れの一例を示すフローチャートである。割り込み処理は、割り込みが指示されてから割り込みジョブが実行されるまでに、画像形成装置の情報処理部で行われる処理である。
【0041】
まず、情報処理部は、割り込み指示を受け付ける(S100)。次に、情報処理部は、割り込み指示に応じて、処理モードを割り込みモードに移行させる(S102)。次に、情報処理部は、割り込みジョブのジョブデータを取得する(S104)。次に、情報処理部は、実行中のジョブを中断し、残りのジョブデータを記憶部に保存する(S106)。次に、情報処理部は、画像形成部に対し割り込みジョブの実行を指示する(S108)。
【0042】
なお、ジョブデータとは、画像データや設定情報等、ジョブの実行に必要なデータである。例えば、コピージョブの場合は、原稿の画像を読み取って得られた画像データと、コピー処理についての部数や濃度等の設定情報とを、ジョブデータとして取得する。
【0043】
-従来の割り込み解除処理-
次に、従来の割り込み解除処理について簡単に説明する。
図4は従来の「割り込み解除処理」の流れの一例を示すフローチャートである。従来の割り込み解除処理は、割り込みの解除が指示されてから中断したジョブが再開されるまでに、画像形成装置の情報処理部で行われる処理である。
【0044】
まず、情報処理部は、割り込みを解除する指示を受け付ける(S200)。次に、情報処理部は、割り込みを解除する指示に応じて、処理モードを通常モードに移行させる(S202)。次に、情報処理部は、残りのジョブデータを記憶部から読み出す、画像データをビットマップデータに展開する等、中断したジョブを再開する準備をする(S204)。次に、情報処理部は、中断したジョブの再開を指示する(S206)。
【0045】
<情報処理部の動作の概略>
次に、情報処理部の各機能部の動作を説明する。
図5は情報処理部の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。また、図6は情報処理部の各機能部の動作の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0046】
図5及び図6に示すように、情報処理部12は、ジョブ実行部30、動作制御部32、予測情報提供部34、予測部36、及び状態制御部38を備えている。
【0047】
ジョブ実行部30は、ユーザの操作に応じてジョブの実行を指示する。例えば、プリントジョブの場合は、外部から受信した画像データに基づいて記録媒体上に画像を形成するように画像形成部(図1参照)に指示する。ジョブが完了すると、ジョブの完了を動作制御部32に通知する。
【0048】
予測情報提供部34は、予測部36に対し予測情報を提供する。予測部36は、提供された予測情報に基づいて、後述する通り、割り込みモードを継続するか、割り込みモードを解除するか、割り込みモードを解除する場合はどの解除方法で解除するかを予測する「予測処理」を実行する。
【0049】
状態制御部38は、動作制御部32からの指示に応じて、処理モードを保持、変更する。本実施の形態では、状態制御部38は、処理モードを通常モードと割り込みモードとの間で切り替え、処理モードを切り替え先のモードに保持する。
【0050】
動作制御部32は、ジョブの完了が通知されると、状態制御部38が保持する処理モードを確認する。動作制御部32は、処理モードが割り込みモードである場合には、予測部36に予測処理の実行を依頼する。
【0051】
動作制御部32は、予測部36から予測結果を受け取り、予測結果に応じて状態制御部38に指示を行う。割り込みモードを継続する場合は、何も指示しない。割り込みモードを解除する場合は、処理モードを割り込みモードから通常モードに移行させるように、状態制御部38に指示する。
【0052】
ここで、予測情報提供部34の構成について説明する。
予測情報提供部34は、人検知部40、原稿検知部42、ジョブ受付部44、蓄積ジョブ管理部46、及び操作履歴管理部48を含む。
【0053】
人検知部40は、画像形成装置10の周囲に人が居るか、何人居るかを検知する。本実施の形態では、人検知部40は、人感センサ24の検知範囲に人が居ることが検知されると、監視カメラの映像を取得して、画像認識により画像形成装置10の周囲に居る人を検知する。後述する通り、人検知部40は、操作パネル付近に居る人と出力部付近に居る人とを区別して検知する。人検知部40は、検知結果を「人検知情報」として予測部36に提供する。
【0054】
原稿検知部42は、画像読取部のプラテンガラス上に原稿があるか否か、画像読取部の自動原稿送り装置にセットされた原稿があるか否かを検知する。原稿検知部42は、検知結果を「原稿検知情報」として予測部36に提供する。
【0055】
ジョブ受付部44は、操作パネルまたは外部装置からジョブを受け付ける。蓄積ジョブ管理部46は、受け付けたジョブのジョブデータを蓄積して、管理する。ジョブ受付部44及び蓄積ジョブ管理部46は、新たなジョブを受信したか、他のジョブがあるか等、管理情報を「装置の内部状態を表す情報」として予測部36に提供する。
【0056】
操作履歴管理部48は、ユーザが実施した操作の履歴を保持し、管理する。操作履歴管理部48は、管理情報を「操作履歴情報」として予測部36に提供する。
【0057】
ここでジョブの管理について説明する。
蓄積ジョブ管理部46は、ジョブ受付部44で受け付けたジョブのジョブデータを蓄積する。ジョブデータは、ユーザ毎に蓄積されている。例えば、蓄積プリントを利用中のユーザについては、複数のプリントジョブのジョブデータが蓄積されている。
【0058】
蓄積ジョブ管理部46は、ジョブ受付部44で受け付けたジョブを、ジョブ管理テーブルで管理する。ジョブ管理テーブルは、ジョブデータから抽出された予め定めた管理情報を、互いに関連付けてテーブルの形式で記憶したものである。
【0059】
図7はジョブ管理テーブルの一例を示す図表である。管理情報としては、ジョブを識別する識別情報の一例である「ジョブID」、ユーザを識別する識別情報の一例であるユーザID、ジョブの種類を表す「ジョブタイプ」、通常モードか割り込みモードかを表す「モード」、ジョブの実行状態を表す「ジョブの状態」が含まれる。ジョブは実行順に並べられている。ジョブ管理テーブルにより、各ジョブの実行状態が管理されている。
【0060】
ジョブ受付部44でジョブが受け付けられると、ジョブがジョブ管理テーブルに登録される。ジョブが終了すると、終了したジョブがジョブ管理テーブルから削除される。ジョブが削除されると、他のジョブの実行順位が1つずつ繰り上がる。
【0061】
図8は割り込み後のジョブ管理テーブルの一例を示す図表である。ユーザXのプリントジョブ(ジョブID:ABC)の実行中に、ユーザZが割り込みボタンを押下して、コピージョブ(ジョブID:DEF)の実行を指示したとする。この場合は、ユーザXのプリントジョブの状態が「中断中」に変更されて、割り込みジョブであるユーザZのコピージョブが実行順1位のジョブとして登録される。
【0062】
(人検知情報)
図13(A)から(D)までは、監視カメラの映像から人を検知する方法を説明するための模式図である。図示した例では、監視カメラは画像形成装置10の上方に配置されている。監視カメラは、画像形成装置10とその周辺を上方から撮影している。
【0063】
画像形成装置10は、操作パネル14及び画像形成部18を備えている(図1参照)。画像形成部18は、画像が形成された記録媒体を外部に出力する出力部18Aを備えている。画像形成装置10は、図示しない筐体を備えている。操作パネル14は、図示しない筐体の上面のユーザが操作しやすい位置に配置されている。出力部18Aは、図示しない筐体の左右いずれかの側面に設けられている(図13では右側)。
【0064】
人検知部40は、監視カメラの映像を取得して、画像認識により画像形成装置10の周囲の「予め定めた領域内」に居る人を検知する。また、本実施の形態では、人検知部40は、操作パネル14付近に居る人と出力部18A付近に居る人とを区別して検知する。
【0065】
例えば、撮影領域(全体)R0内に人が居るか、何人居るかを検知する。図13(A)の例では撮影領域R0内に人は居ない。図13(B)及び13(C)の例では撮影領域R0内に1人の人13が居る。図13(D)の例では撮影領域R0内に2人の人13、人13が居る。
【0066】
また、例えば、人検知部40は、操作パネル14付近の領域RA内に人が居るか、何人居るかを検知し、出力部18A付近の領域RB内に人が居るか、何人居るかを検知する。図13(B)の例では領域RA内に1人の人13が居るが、領域RB内には人が居ない。図13(C)の例では領域RB内に1人の人13が居るが、領域RA内には人が居ない。
【0067】
<割り込み解除処理>
次に、割り込み解除処理について説明する。
図9は本発明の実施の形態に係る「割り込み解除処理」の流れの一例を示すフローチャートである。割り込み解除処理のプログラムは、情報処理部12のCPU12Aにより、ROM12Bから読み出されて実行される(図1参照)。
【0068】
割り込み解除処理のプログラムは、割り込みジョブの完了が通知されると開始される。また、割り込み解除処理の開始と同時に、CPUは、時間の計測を開始する。
【0069】
まず、ステップ300で、CPUは、処理モードが割り込みモードか否かを確認する。割り込みジョブの完了後に、割り込みユーザにより割り込みが解除されて通常モードに戻っている場合もある。割り込みモードである場合は、ステップ302に進む。通常モードに戻っている場合は、ルーチンを終了する。
【0070】
次に、ステップ302で、CPUは、各種の予測情報から、割り込みモードを継続するか、割り込みモードを解除するか、割り込みモードを解除する場合はどの解除方法で解除するかを予測する。
【0071】
図10は予測結果を示す模式図である。予測結果は、まず、割り込みモードを継続する場合と、割り込みモードを解除する場合とに分けられる。本実施の形態では、解除方法は、「即時解除」、「第1条件付き解除」、「第2条件付き解除」の3通りである。即時解除>第1条件付き解除>第2条件付き解除の順に、割り込みモードが解除される可能性が高い。各解除方法について簡単に説明する。なお、各解除方法の詳細な手順は後述する(図14参照)。
【0072】
「即時解除」では、CPUは、割り込みジョブの完了後、割り込みモードを即時解除して通常モードに移行させ、中断したジョブを再開する。
【0073】
「第1条件付き解除」では、CPUは、原則的に割り込みモードを解除するものとして、中断したジョブを再開する準備を開始する。CPUは、割り込みジョブの完了後、予め定めた時間経過後に、割り込みモードを解除して通常モードに移行させ、中断したジョブを再開する。CPUは、予め定めた時間内に割り込みを継続する指示を受け付けた場合は、例外的に割り込みモードを継続する。
【0074】
「第2条件付き解除」では、CPUは、原則的に割り込みモードを継続するものとして、中断したジョブを再開する準備を開始する。CPUは、予め定めた時間内に追加のトリガーが発生しなければ、割り込みモードを継続する。CPUは、予め定めた時間内に追加のトリガーが発生した場合は、例外的に割り込みモードを解除して通常モードに移行させ、中断したジョブを再開する。
【0075】
即時解除、第1条件付き解除、及び第2条件付き解除のいずれにおいても、割り込みボタンを押す等、割り込みユーザが明示的な指示を行わなくても、割り込みモードを解除してもよい状態になれば、割り込みモードは自動的に解除される。
【0076】
「即時解除」では、割り込みジョブの完了後ただちに、割り込みを解除してもよい状態になったものとして、割り込みモードを解除する。「第1条件付き解除」では、割り込みモードを継続する指示が無く、予め定めた時間が経過した場合は、割り込みモードを解除してもよい状態になったものとして、割り込みモードを解除する。「第2条件付き解除」では、予め定めた時間内に追加のトリガーが発生した場合に、割り込みモードを解除してもよい状態になったものとして、割り込みモードを解除する。
【0077】
次に、ステップ304で、CPUは、ステップ302で得られた予測結果に基づいて、割り込みモードを継続するか否かを判断する。割り込みモードを継続しない場合は、ステップ306に進む。割り込みモードを継続する場合は、何もする必要がないので、ルーチンを終了する。
【0078】
次に、ステップ306で、CPUは、「自動解除処理」を実行して、ルーチンを終了する。「自動解除処理」では、ステップ302で予測された解除方法により、割り込みモードを解除する。
【0079】
(継続要因/解除要因等)
図12は第1の実施の形態で判断材料となる予測情報の一例を示す図表である。予測情報には、装置の内部状態を表す情報である内部状態情報と、装置の外部状態を表す情報である外部状態情報とがある。
【0080】
内部状態情報は、図1のメモリ12D等、情報処理部12の内部にある記憶装置に記憶されている。内部状態情報としては、ジョブ管理テーブル等、ジョブの管理情報が挙げられる。
【0081】
外部状態情報は、情報処理部12の外部にある検知部で検知された情報である。外部状態情報としては、原稿検知情報、人検知情報が挙げられる。
【0082】
各予測情報について、割り込みの継続を示唆する「継続要因」、割り込みの解除を示唆する「解除要因」、待機ユーザの存在を示唆する「待機ユーザ情報」となる事例を例示する。
【0083】
「継続要因」としては、割り込みユーザの他のジョブがあること、割り込みユーザが最近登録した他のジョブがあること、プラテンガラスに原稿があること、自動原稿送り装置に原稿があること、プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿があること、撮影領域内に人が居ること、操作パネル付近に人が居ること等が挙げられる。
【0084】
「解除要因」としては、割り込みユーザの他のジョブが無いこと、割り込みモード移行後に一般ユーザの他のジョブを受け付けたこと、プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿が無いこと、撮影領域内に人が居ないこと、出力部付近に人が居ること等が挙げられる。
【0085】
「待機ユーザ情報」としては、出力待ちのジョブがあること、新しいジョブを受信したこと、稼働率が高いこと、撮影領域内に2人以上の人が居ること等が挙げられる。
【0086】
(予測処理)
次に、図9のステップ302で実行される「予測処理」について説明する。
図11は「予測処理」の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップ400で、CPUは、内部状態情報及び外部状態情報を含む予測情報を取得する。
【0087】
次に、ステップ402で、CPUは、割り込みモードを継続するか否かを予測する。
【0088】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」が無い場合は、CPUは、割り込みモードを継続しないと予測して、ステップ404に進む。取得した内部状態情報の中に「継続要因」がある場合は、CPUは、割り込みモードを継続すると予測して、ステップ410に進む。
【0089】
次に、ステップ404で、CPUは、割り込みモードを、即時、解除してもよいか否かを予測する。
【0090】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」が無く、取得した外部状態情報の中に「解除要因」がある場合は、ステップ406に進む。この場合は、割り込みモードは継続されないと予測され、割り込みモードを解除しても問題はないので、ステップ406で、CPUは、解除方法を「即時解除」と予測して、ルーチンを終了する。
【0091】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」が無く、取得した外部状態情報の中に「解除要因」が無い場合は、ステップ408に進む。この場合は、割り込みモードは継続されないと予測されるが、割り込みモードを解除しても問題ないとは判断しきれないので、ステップ408で、CPUは、解除方法を「第1条件付き解除」と予測して、ルーチンを終了する。
【0092】
次に、ステップ410で、CPUは、割り込みモードを解除する必要があるか否かを予測する。
【0093】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」があり、取得した予測情報の中に「待機ユーザ情報」が無い場合は、ステップ414に進む。この場合は、割り込みモードは継続されると予測され、割り込みモードを解除すべきではないので、ステップ414で、CPUは、「継続」と予測して、ルーチンを終了する。
【0094】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」があり、取得した予測情報の中に「待機ユーザ情報」がある場合は、ステップ412に進む。この場合は、割り込みモードは継続されると予測されるが、割り込みモードの解除を待つ待機ユーザのために、割り込みモードを解除する必要があるので、ステップ412で、CPUは、解除方法を「第2条件付き解除」と予測して、ルーチンを終了する。
【0095】
以下、予測処理の具体的な実施例について説明する。
【0096】
-実施例1-
実施例1は「即時解除」を予測するケースである。
割り込みユーザは、他のジョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとしてコピージョブの実行を指示する。コピージョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0097】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・割り込みユーザの他ジョブなし(内部状態情報/解除要因)
・プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿なし(外部状態情報/解除要因)
・割り込みユーザの立ち位置が出力部周辺である(外部状態情報/解除要因)
【0098】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、すべて解除要因に該当する。CPUは、内部情報の中に継続要因が無いので、割り込みモードは継続されないと予測する。CPUは、外部状態情報の中に解除要因があるので、「即時解除」により割り込みモードを解除すると予測する。
【0099】
-実施例2-
実施例2は「第1条件付き解除」を予測するケースである。
割り込みユーザは、他のジョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとしてコピージョブの実行を指示する。コピージョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0100】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・割り込みユーザの他ジョブなし(内部状態情報/解除要因)
・プラテンガラスに原稿あり(外部状態情報/継続要因)
・割り込みユーザの立ち位置が操作パネル周辺である(外部状態情報/継続要因)
【0101】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、解除要因または継続要因に該当する。CPUは、内部状態情報の中に継続要因が無いので、割り込みモードは継続されないと予測する。CPUは、外部状態情報の中に解除要因が無いので、「第1条件付き解除」により割り込みモードを解除すると予測する。
【0102】
-実施例3-
実施例3は「継続」を予測するケースである。
割り込みユーザは、他のジョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとして蓄積プリントジョブの実行を指示する。蓄積プリントジョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0103】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・割り込みユーザの他ジョブあり、完了した割り込みジョブと近い時刻で登録されている(内部状態情報/継続要因)
・プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿なし(外部状態情報/解除要因)
・割り込みユーザの立ち位置が出力部周辺である(外部状態情報/解除要因)
【0104】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、解除要因または継続要因に該当する。CPUは、内部状態情報の中に継続要因があり、待機ユーザも居ないので、割り込みモードを継続すると予測する。
【0105】
-実施例4-
実施例4は「第2条件付き解除」を予測するケースである。
割り込みユーザは、他のジョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとして蓄積プリントジョブの実行を指示する。蓄積プリントジョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0106】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・実施したジョブと近い時刻で登録された、割り込みユーザの他のジョブあり(内部状態情報/継続要因)
・プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿なし(外部状態情報/解除要因)
・割り込みユーザの立ち位置が出力部周辺(外部状態情報/解除要因)
・割り込みモードに遷移した後に他のユーザのジョブを受け付け(内部状態情報/待機ユーザ情報)
【0107】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、解除要因、継続要因、待機ユーザ情報に該当する。CPUは、内部状態情報の中に継続要因があるが、割り込みモードの解除を待つ一般ユーザがいるので、「第2条件付き解除」により割り込みモードを解除すると予測する。
【0108】
(割り込み解除処理)
次に、図9のステップ306で実行される「自動解除処理」について説明する。図14は「自動解除処理」の流れの一例を示すフローチャートである。上記した通り、図9のステップ302で、解除方法が、即時解除、第1条件付き解除、及び第2条件付き解除のいずれであるかが予測されている。本実施の形態では、装置の内部状態及び外部状態に応じて、柔軟に解除方法を変更する。
【0109】
まず、ステップ500で、CPUは、解除方法が「即時解除」か否かを判断する。解除方法が「即時解除」の場合は、CPUは、ステップ502に進む。CPUは、ステップ502からステップ506までで「即時解除処理」を実行して、ルーチンを終了する。解除方法が他の解除方法である場合は、CPUは、ステップ508に進む。
【0110】
「即時解除」に該当せずにステップ508に進んだ場合は、CPUは、ステップ508で、解除方法が「第1条件付き解除」か否かを判断する。解除方法が「第1条件付き解除」の場合は、CPUは、ステップ510に進む。CPUは、ステップ510からステップ521までで「第1条件付き解除処理」を実行して、ルーチンを終了する。解除方法が他の解除方法である場合は、CPUは、ステップ522に進む。
【0111】
解除方法が「即時解除」及び「第1条件付き解除」のいずれにも該当せずにステップ522に進んだ場合、解除方法は「第2条件付き解除」である。CPUは、ステップ522からステップ533までで「第2条件付き解除処理」を実行して、ルーチンを終了する。
【0112】
以下、各解除方法について説明する。
【0113】
-即時解除処理-
ステップ502で、CPUは、割り込みモードを即時解除して、処理モードを通常モードに移行させる。次に、ステップ504で、CPUは、中断したジョブを再開する準備をする。次に、ステップ506で、CPUは、中断したジョブの再開を指示して、ルーチンを終了する。
【0114】
-第1条件付き解除処理-
ステップ510で、CPUは、中断したジョブを再開する準備を開始する。次に、ステップ512で、CPUは、割り込みモードを継続する意思を確認する確認画面を表示する。確認画面は、割り込みモードの継続を指示する継続ボタンを含む。
【0115】
図15は確認画面の一例を示す模式図である。割り込みジョブの完了後、操作パネルには待機画面であるホーム画面200が表示される。図示した例では、確認画面300は、ホーム画面200に重ねて表示されている。ホーム画面200には、割り込み中であることを示すマーク202が表示されている。
【0116】
確認画面300は、メッセージ302、ホーム画面に戻る指示を行う戻るボタン304、及び継続を指示する継続ボタン306を含む。「第1条件付き解除」の場合は、メッセージ302として、「あと5秒で割り込みを解除します。割り込みを継続しますか?」等、割り込みモードを解除する旨を伝えるメッセージや、割り込みモードを継続する意思を確認するメッセージが表示される。
【0117】
次に、ステップ514で、CPUは、継続ボタンが押されたか否かを判断する。継続ボタンが押された場合は、割り込みモードを解除しないので、CPUは、ステップ521で中断したジョブを再開する準備を中止した後に、ルーチンを終了する。継続ボタンが押されていない場合は、ステップ516に進む。
【0118】
次に、ステップ516で、CPUは、割り込みジョブの完了後、予め定めた時間が経過したか否かを判断する。予め定めた時間が経過していない場合は、ステップ514に戻る。継続ボタンが押されずに予め定めた時間が経過した場合は、ステップ518に進む。
【0119】
ここで、予め定めた時間を「第1待機時間」とする。第1待機時間は、一般ユーザの待ち時間を低減するように、10秒から5分の範囲で設定される。第1待機時間は、例えば1分としてもよい。図15に示す例では、確認画面300に、第1待機時間のうち残り時間(5秒)を伝えるメッセージ302を表示するが、割り込みジョブの完了通知時からの経過時間を表示してもよい。
【0120】
次に、ステップ518で、CPUは、割り込みモードを解除して、処理モードを通常モードに移行させる。次に、ステップ520で、CPUは、中断したジョブの再開を指示して、ルーチンを終了する。
【0121】
割り込みユーザが割り込みモードの解除を忘れても、予め定めた時間の経過後に、割り込みモードが自動で解除される。また、通常モードに移行させた時点で、中断したジョブを再開する準備は整っている。通常モードに移行後、速やかに中断したジョブの再開が指示される。
【0122】
-第2条件付き解除処理-
ステップ522で、CPUは、中断したジョブを再開する準備を開始する。次に、ステップ526で、CPUは、新たな予測情報を取得して、追加のトリガーが発生したか否かを判断する。追加のトリガーが発生した場合は、ステップ528に進む。追加のトリガーが発生していない場合は、ステップ530に進む。
【0123】
追加のトリガーとしては、ログインやログアウト等のユーザの切り替わり、装置の状態の事後的な変化などが挙げられる。装置の内部状態の事後的な変化としては、新たなジョブの受け付け等が挙げられる。装置の外部状態の事後的な変化としては、出力部付近に居た人が居なくなった等が挙げられる。
【0124】
次に、ステップ528で、CPUは、割り込みジョブの完了後、予め定めた時間が経過したか否かを判断する。予め定めた時間が経過していない場合は、ステップ526に戻る。追加のトリガーが発生せずに予め定めた時間が経過した場合は、割り込みモードを解除しないので、CPUは、ステップ533で中断したジョブを再開する準備を中止した後に、ルーチンを終了する。
【0125】
ここで、予め定めた時間を「第2待機時間」とする。第2待機時間は、第1待機時間と同様に、一般ユーザの待ち時間を低減するように、10秒から5分の範囲で設定される。第2待機時間は、例えば1分としてもよい。
【0126】
追加のトリガーが発生してステップ530に進んだ場合、ステップ530で、CPUは、割り込みモードを解除して、処理モードを通常モードに移行させる。次に、ステップ532で、CPUは、中断したジョブの再開を指示して、ルーチンを終了する。第1条件付き解除と同様、中断したジョブを再開する準備は整っており、通常モードに移行後、速やかに中断したジョブの再開が指示される。
【0127】
<第2の実施の形態>
第2の実施の形態では、判断材料となる予測情報に「操作履歴情報」を含む。
図16は第2の実施の形態で判断材料となる予測情報の一例を示す図表である。「操作履歴情報」は、例えば、割り込み解除の操作に関する履歴、蓄積プリントの出力操作に関する履歴等である。ユーザの普段の操作から、ユーザの次の動きを予測して判断材料とする。
【0128】
継続要因としては、ジョブを蓄積し、当日一度にまとめて出力する傾向(蓄積プリント/一括出力)等が挙げられる。割り込みユーザに蓄積プリントを使用して一括出力する傾向があれば、割り込みを継続して他のジョブを続けて実行すると予測される。
【0129】
解除要因としては、ジョブを蓄積したら即座に出力を行う傾向(ダイレクトプリント)、割り込み中のまま操作せずに長時間経過する傾向(解除忘れ)等が挙げられる。割り込みユーザに蓄積プリントを使用せず都度出力する傾向があれば、割り込みを継続して他のジョブを続けて実行しないと予測される。また、割り込みユーザに解除忘れの傾向があれば、割り込みの解除を忘れているだけで他のジョブを続けて実行しないと予測される。
【0130】
第2の実施の形態では、図11は「予測処理」のステップ402の判断基準が、第1の実施の形態とは異なる。
【0131】
第1の実施の形態では、ステップ402で、CPUは、取得した内部状態情報の中に「継続要因」があるか否かにより、割り込みを継続するか否かを予測する。また、ステップ404で、CPUは、取得した外部状態情報の中に「解除要因」があるか否かにより、割り込みを解除してもよいかを予測する。
【0132】
これに対し、第2の実施の形態では、ステップ402で、CPUは、取得した内部状態情報の中に「継続要因」があるか、取得した操作履歴情報の中に「解除要因」があるか否かにより、割り込みを継続するか否かを予測する。
【0133】
なお、ステップ404で、CPUが、取得した外部状態情報の中に「解除要因」があるか否かにより、割り込みを解除してもよいかを予測する点は、第1の実施の形態と同様である。
【0134】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」が無い場合は、割り込みを継続しないと予測して、ステップ404に進む。取得した内部状態情報の中に「継続要因」がある場合は、操作履歴情報の中の「解除要因」の有無を確認する。
【0135】
内部状態情報の中に「継続要因」がある場合でも、操作履歴情報の中に「解除要因」がある場合は、割り込みを継続しないと予測して、ステップ404に進む。一方、内部状態情報の中に「継続要因」があり、操作履歴情報の中に「解除要因」が無い場合は、割り込みを継続すると予測して、ステップ410に進む。
【0136】
以下、予測処理の具体的な実施例について説明する。
【0137】
-実施例5-
実施例5は「第1条件付き解除」を予測するケースである。
割り込みユーザは、他のジョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとして蓄積プリントジョブの実行を指示する。蓄積プリントジョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0138】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・数時間前に登録された割り込みユーザの他ジョブあり(内部状態情報/継続要因)
・プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿なし(外部状態情報/解除要因)
・割り込みユーザの立ち位置が出力部周辺である(外部状態情報/解除要因)
・ジョブを蓄積したら即座に出力を行う(操作履歴情報/解除要因)
・割り込み中のまま操作せずに長時間経過することが多数ある(操作履歴情報/解除要因)
【0139】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、解除要因または継続要因に該当する。CPUは、内部状態情報の中に継続要因があるが、解除忘れが多い等、操作履歴情報の中に解除要因があるので、割り込みを継続しないと予測する。CPUは、外部状態情報の中に解除要因があるので、「第1条件付き解除」により割り込みモードを解除すると予測する。
【0140】
<第3の実施の形態>
第3の実施の形態では、第2の実施の形態と同様、予測情報に「操作履歴情報」を含む。第3の実施の形態では、図11は「予測処理」のステップ410の判断基準が、第1の実施の形態とは異なる。
【0141】
第1の実施の形態では、ステップ402で、CPUは、取得した内部状態情報の中に「継続要因」があるか否かにより、割り込みを継続するか否かを予測する。また、ステップ410で、CPUは、取得した予測情報の中に「待機ユーザ情報」があるか否かにより、割り込みを解除する必要があるか否かを予測する。
【0142】
これに対し、第3の実施の形態では、ステップ410で、CPUは、取得した操作履歴情報の中に「解除要因」があるか否かにより、割り込みを解除する必要があるか否かを予測する。
【0143】
図16に例示するように、ジョブを蓄積し、当日一度にまとめて出力する傾向(蓄積プリント/一括出力)の場合は、割り込みジョブでも一括出力していると予想されるので、「継続要因」に相当する。一方、ジョブを蓄積したら即座に出力を行う傾向(ダイレクトプリント)の場合は、割り込みジョブでも逐次出力していると予想されるので、「解除要因」に相当する。
【0144】
なお、ステップ402で、CPUが、取得した内部状態情報の中に「継続要因」があるか否かにより、割り込みを継続するか否かを予測する点は、第1の実施の形態と同様である。
【0145】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」があり、取得した操作履歴情報の中に「解除要因」が無い場合は、ステップ414に進む。この場合は、割り込みを解除する必要はないので、ステップ414で、CPUは、「継続」と予測して、ルーチンを終了する。
【0146】
取得した内部状態情報の中に「継続要因」があり、取得した操作履歴情報の中に「解除要因」がある場合は、ステップ412に進む。この場合は、割り込みを解除する必要があるので、ステップ412で、CPUは、解除方法を「第2条件付き解除」と予測して、ルーチンを終了する。
【0147】
以下、予測処理の具体的な実施例について説明する。
【0148】
-実施例6-
実施例6は「第2条件付き解除」を予測するケースである。
割り込みユーザは、他のジョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとして蓄積プリントジョブの実行を指示する。蓄積プリントジョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0149】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・数時間前に登録された割り込みユーザの他ジョブあり(内部状態情報/継続要因)
・プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿なし(外部状態情報/解除要因)
・割り込みユーザの立ち位置が出力部周辺である(外部状態情報/解除要因)
・ジョブを蓄積したら即座に出力を行う(操作履歴情報/解除要因)
【0150】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、解除要因または継続要因に該当する。CPUは、内部状態情報の中に継続要因があり、割り込みを継続すると予測するが、蓄積プリント機能を使用しない等、操作履歴情報の中に解除要因があるので、「第2条件付き解除」により割り込みモードを解除すると予測する。
【0151】
第3の実施の形態では、CPUは、取得した操作履歴情報の中に「解除要因」がある場合に、割り込みを解除する必要がある(第2条件付き解除)と予測するが、取得した操作履歴情報の中に「継続要因」がある場合に、割り込みを解除する必要がない(継続)と予測してもよい。
【0152】
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、判断材料となる予測情報に「割り込み前の装置の内部状態を示す情報(割り込み前の内部状態情報)」を含む。図17は第4の実施の形態で判断材料となる予測情報の一例を示す図表である。待機ユーザ情報としては、出力中に割り込んだ場合、ログイン中に割り込んだ場合等が挙げられる。
【0153】
図11のステップ410で、CPUが、取得した予測情報の中に「待機ユーザ情報」があるか否かにより、割り込みを解除する必要があるか否かを予測する点は、第1の実施の形態と同様である。第4の実施の形態では、待機ユーザ情報を、割り込み前の内部状態情報から取得する点が、第1の実施の形態とは相違する。
【0154】
図17に例示するように、コピージョブの実行中に割り込みモードに移行した場合は、割り込み解除を待つ一般ユーザがいると予測される。
【0155】
以下、予測処理の具体的な実施例について説明する。
【0156】
-実施例7-
実施例7は「第2条件付き解除」を予測するケースである。
割り込みユーザは、コピージョブの実行中に、割り込みボタンを操作して割り込みモードに移行させ、割り込みジョブとして蓄積プリントジョブの実行を指示する。蓄積プリントジョブが完了すると、装置のCPUに完了が通知される。CPUは予測情報を確認する。
【0157】
ここでは、以下の予測情報が取得される。
・割り込みユーザの他ジョブあり(内部状態情報/継続要因)
・プラテンガラス及び自動原稿送り装置の両方に原稿なし(外部状態情報/解除要因)
・割り込みユーザの立ち位置が出力部周辺である(外部状態情報/解除要因)
・コピージョブの実行中に割り込みモードに移行(割り込み前の内部状態情報/待機ユーザ情報)
【0158】
CPUは、取得されたこれらの予測情報を元に予測を行う。取得された予測情報は、括弧内に記載した通り、解除要因、継続要因、待機ユーザ情報に該当する。CPUは、内部状態情報の中に継続要因があり、割り込みを継続すると予測するが、コピージョブの実行中に割り込みモードに移行した等、割り込み前の内部状態情報の中に待機ユーザ情報があるので、「第2条件付き解除」により割り込みモードを解除すると予測する。
【0159】
<第5の実施の形態>
上記第1の実施の形態の「第1条件付き解除」では、割り込みを継続する指示を受け付けずに予め定めた時間が経過した場合に、割り込みを解除することとした。第5の実施の形態では、「第1条件付き解除」において、「第2条件付き解除」と同様に、予め定めた時間内に追加のトリガーが発生した場合にも、割り込みを解除する。
【0160】
図18は第5の実施の形態に係る「自動解除処理」の流れの他の一例を示すフローチャートである。図14のステップ514とステップ516との間にステップ515が挿入された以外は、図14に示すフローチャートと同じ構成であるため、同じ部分には同じ符号を付して説明を省略する。
【0161】
ステップ515では、CPUは、追加のトリガーが発生したか否かを判断する。例えば、CPUは、新たな予測情報を取得して、装置の内部状態及び外部状態の少なくとも一方が事後的に変化したか否かを判断する。
【0162】
追加のトリガーが発生した場合は、予め定めた時間の経過を待たずに、ステップ518に進む。追加のトリガーが発生していない場合は、ステップ516に進む。
【0163】
次に、ステップ516で、CPUは、割り込みジョブの完了後、予め定めた時間が経過したか否かを判断する。予め定めた時間が経過していない場合は、ステップ514に戻る。予め定めた時間内に継続ボタンが押されず且つ追加のトリガーが発生した場合、及び予め定めた時間内に継続ボタンが押されず且つ追加のトリガーも発生せずに予め定めた時間が経過した場合は、ステップ518に進む。
【0164】
第5の実施の形態では、割り込みモードが解除される場合は、(1)割り込みモードを継続する指示が無く且つ追加のトリガーが発生せずに、予め定めた時間が経過した場合、(2)予め定めた時間内に、割り込みモードを継続する指示が無く且つ追加のトリガーが発生した場合の2通りである。
【0165】
(1)の場合は、予め定めた時間が経過後に、割り込みモードを解除してもよい状態になったものとして、割り込みモードを解除する。また、(2)の場合は、追加のトリガーの発生時に、割り込みモードを解除してもよい状態になったものとして、割り込みモードを解除する。
【0166】
<変形例>
なお、上記実施の形態で説明した情報処理装置及びプログラムの構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内においてその構成を変更してもよいことは言うまでもない。
【0167】
上記実施の形態では、割り込み解除処理をソフトウェアで実現する場合について説明したが、同等の処理をハードウェアで実現してもよい。
【符号の説明】
【0168】
10 画像形成装置
12 情報処理部
14 操作パネル
16 画像読取部
18 画像形成部
18A 出力部
20 通信部
22 記憶部
24 人感センサ
26 監視カメラ
30 ジョブ実行部
32 動作制御部
34 予測情報提供部
36 予測部
38 状態制御部
40 人検知部
42 原稿検知部
44 ジョブ受付部
46 蓄積ジョブ管理部
48 操作履歴管理部
100 実行画面
200 ホーム画面
300 確認画面
306 継続ボタン
撮影領域
領域
領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図14
図15
図16
図17
図18