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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】人工肺
(51)【国際特許分類】
   A61M 1/16 20060101AFI20231212BHJP
   A61M 1/18 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
A61M1/16 120
A61M1/18 525
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019142417
(22)【出願日】2019-08-01
(65)【公開番号】P2021023470
(43)【公開日】2021-02-22
【審査請求日】2022-07-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000153030
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・エム・エス
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】和泉 亮平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 伸一
(72)【発明者】
【氏名】▲徳▼重 恭之
【審査官】白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-237992(JP,A)
【文献】特開平04-309359(JP,A)
【文献】特表2016-518209(JP,A)
【文献】特開平03-158167(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/00-1/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱交換部を備える人工肺であって、
前記熱交換部は、複数の中空糸膜が積層されて構成され、
前記中空糸膜は、所定方向に延びる複数の中空糸が平行に並んで配置されることで形成されており、
前記熱交換部は、前記積層された複数の中空糸膜の両端部に形成される熱媒体導入側部及び熱媒体排出側部を有し、
前記熱媒体導入側部及び前記熱媒体排出側部は、それぞれ、前記積層された複数の中空糸膜の両端部の外側に凸となる円弧状に形成され、前記熱媒体導入側部及び前記熱媒体排出側部における互いの円弧状の部分を最短距離で結ぶ方向をX方向とし、前記中空糸膜の積層方向とX方向との両方に直交する方向をY方向とした場合に、前記積層された複数の中空糸膜のY方向の両端部側において冷温水が通る流路の長さが短くなるようにX方向の両端面が円弧状に形成される人工肺。
【請求項2】
前記熱交換部は、前記複数の中空糸膜を収容するケーシング部材を備え、
前記ケーシング部材は、
内部に前記複数の中空糸膜が配置されると共に両端の側方が開放して形成されるケース本体と、
前記熱媒体導入側部の側部を覆うように配置され外側面が前記ケース本体の外側に凸となる円弧状の熱媒体導入ケース本体と、
前記熱媒体排出側部の側部を覆うように配置され外側面が前記ケース本体の外側に凸となる円弧状の熱媒体排出ケース本体と、を有する請求項1に記載の人工肺。
【請求項3】
前記積層された複数の中空糸膜のうち一の中空糸膜の中空糸と他の中空糸膜の中空糸とは、角度を有した状態で配置される請求項1又は2に記載の人工肺。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換部を備える人工肺に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の管状のパイプが並べられて形成された熱交換部を備える人工肺が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第2700170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人工肺に備えられる熱交換部において、圧力損失が大きく、熱交換の効率が低いことがあった。そのため、熱交換の効率を向上できる熱交換部を備える人工肺が望まれている。
【0005】
本発明は、熱交換の効率を向上できる熱交換部を備える人工肺を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、熱交換部を備える人工肺であって、前記熱交換部は、複数の中空糸膜が積層されて構成され、前記中空糸膜は、所定方向に延びる複数の中空糸が平行に並んで配置されることで形成されており、前記熱交換部は、前記積層された複数の中空糸膜の両端部に形成される熱媒体導入側部及び熱媒体排出側部を有し、前記熱媒体導入側部及び前記熱媒体排出側部は、それぞれ、円弧状に形成される人工肺に関する。
【0007】
また、前記熱交換部は、前記複数の中空糸膜を収容するケーシング部材を備え、前記ケーシング部材は、内部に前記複数の中空糸膜が配置されると共に両端の側方が開放して形成されるケース本体と、前記熱媒体導入側部の側部を覆うように配置され外側面が円弧状の熱媒体導入ケース本体と、前記熱媒体排出側部の側部を覆うように配置され外側面が円弧状の熱媒体排出ケース本体と、を有することが好ましい。
【0008】
また、前記積層された複数の中空糸膜のうち一の中空糸膜の中空糸と他の中空糸膜の中空糸とは、角度を有した状態で配置されることが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、熱交換の効率を向上できる熱交換部を備える人工肺を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態の人工肺を示す図である。
図2】本発明の熱交換部を示す図である。
図3】熱交換部において流体導入ケース部及び流体排出ケース部を取り外した状態を示す斜視図である。
図4】熱交換部における複数の中空糸膜の積層の状態を示す図である。
図5】本発明の一実施形態のガス交換部を示す図である。
図6】ガス交換部において流体導入ケース部及び流体排出ケース部を取り外した状態を示す斜視図である。
図7】ガス交換部における複数の中空糸膜を積層の状態を示す図である。
図8A】熱交換部及びガス交換部の中空糸束のモデルの一例を示す図であって、中空糸束の全体を四角形状としてX方向の両端部を直線状に形成した場合を示す図である。
図8B】熱交換部及びガス交換部の中空糸束のモデルの一例を示す図であって、中空糸束のX方向の両端部を円弧状に形成した場合を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1を参照して、一実施形態に係る人工肺1について説明する。図1は、本発明の一実施形態の人工肺1を示す図である。
人工肺1は、図1に示すように、熱交換部2と、ガス交換部3と、を備える。熱交換部2及びガス交換部3は、血液の流通方向B(図1における上方側から下方側に向かう方向)に沿って、この順に配置されている。
【0012】
なお、本実施形態の説明においては、血液の流通方向Bに直交(交差)する方向において、熱交換部2の中空糸束20の流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202における互いの円弧状の部分を最短距離で結ぶ方向を、X方向(図1及び図2の左右方向)という。X方向は、ガス交換部3の中空糸束30の流体導入円弧状側面301及び流体排出円弧状側面302が離間する方向でもある。また、血液の流通方向Bに直交する方向で、かつ、X方向に直交する方向を、Y方向(図2の上下方向)という。
【0013】
熱交換部2及びガス交換部3を備える人工肺1においては、血液の流通方向Bに沿って、血液流路11が形成されている。熱交換部側血液入口212bを通って熱交換部2に導入された血液は、血液流路11の熱交換部側血液流路111において、X方向及びY方向に広がった状態で流通方向Bに流通されて、ガス交換部3に導入される。ガス交換部3に導入された血液は、血液流路11のガス交換部側血液流路112において、X方向及びY方向に広がった状態で流通され、ガス交換部側血液出口313bから排出される。
【0014】
熱交換部2及びガス交換部3について説明する。図2図4は、熱交換部2の構成を示す図である。図5図7は、ガス交換部3の構成を示す図である。
熱交換部2は、図1図3に示すように、ハウジング21(ケーシング部材)と、ハウジング21の内部に収容される中空糸束20と、を備える。
また、ガス交換部3は、図1図5図6に示すように、ハウジング31(ケーシング部材)と、ハウジング31の内部に収容される中空糸束30と、を備える。
【0015】
熱交換部2及びガス交換部3において、ハウジング21,31は、それぞれ、図2図3図5及び図6に示すように、複数の部材が組み合わされて形成される。ハウジング21,31は、X方向の両端部側が円弧状に形成されると共に、Y方向の両端部側がX方向に延びる直線状に形成される(図2図5参照)。ハウジング21,31の内部には、中空糸束20,30が収容されている。中空糸束20,30は、図1に示すように、複数の中空糸膜22,32が積層されることで構成される。本実施形態においては、血液の流通方向Bにおいて、ガス交換部3における中空糸束30の厚さは、熱交換部2における中空糸束20の厚さよりも大きく形成される。
【0016】
中空糸束20,30における複数の中空糸膜22,32の積層構造について説明する。
複数の中空糸膜22,32は、X方向及びY方向に延びる膜状に形成され、血液の流通方向Bに積層されて配置されることで、中空糸束20,30を構成する。複数の中空糸膜22,32のX方向の両端部は、図1に示すように、一対のシール部23,33により保持されている。一対のシール部23及び一対のシール部33は、複数の中空糸膜22,32のX方向の両端部において中空糸22,32の積層方向に延びて繋がっている。
【0017】
中空糸膜22,32は、図2図4図5及び図7に示すように、所定方向(例えば、第1方向D1a,D1b、第2方向D2a,D2b)に延びる直線状の中空糸221,321が平行に複数並んで配置されることで簾(すだれ)状の膜状に形成される。複数の中空糸221,321は、平行に並べられて、隣り合う中空糸221,321同士が互いに接触した状態で配置されている。複数の中空糸221,321は、中空糸221,321が延びる方向の途中において糸などでつなぎ合わされている。血液は、複数の中空糸221,321の間を流通する。
【0018】
従来、例えば、ガス交換部において、複数の中空糸膜を積層して中空糸束を構成することがあった。この場合に、中空糸膜を、複数本の中空糸をほぼ平行に配置して、複数本の中空糸を糸などでつなぎ合わせることで簾(すだれ)状に形成して、中空糸束を、簾状の中空糸膜を複数枚積層することで構成することがあった。複数枚の中空糸膜を積層する場合に、複数の中空糸が延びる方向を同じ方向にした状態で複数枚の中空糸膜を積層すると、一の中空糸膜を構成する複数の中空糸のうちの隣り合う中空糸の間に積層方向に配置される他の中空糸膜の中空糸が入り込む部分と、一の中空糸膜の中空糸が他の中空糸膜の中空糸に重なる部分とが形成されることで、積層方向の間隔にばらつきが生じて、一部で不均一となることがあった。複数の中空糸膜の積層方向の間隔が極端に狭い場合には、熱交換部の熱交換効率、圧力損失及びガス交換部のガス交換効率、さらに、熱交換部及びガス交換部の両者における血液流路の圧力損失がバラつく可能性がある。
【0019】
これに対して、本発明の熱交換部2の中空糸束20及びガス交換部3の中空糸束30は、次のように構成される。
熱交換部2の中空糸束20及びガス交換部3の中空糸束30において、図4又は図7に示すように、一の中空糸膜22A,32Aの中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Bの中空糸221B,321Bとは、角度θ1,θ2を有した状態で積層されて配置される。
【0020】
本実施形態においては、図2図4図5及び図7に示すように、一の中空糸膜22A,32Aの複数の中空糸221A,321Aは、X方向に平行に延びており、互いに並んで配置される。複数の中空糸221A,321Aが延びる方向である第1方向D1a,D1bは、X方向に平行な方向である。
他の中空糸膜22B,32Bの複数の中空糸221B,321Bは、X方向に対して角度θ1,θ2を有した状態で、X方向の一方側(図2及び図5の左側)から他方側(図2及び図5の右側)に向かうに従ってY方向の一方側(図2及び図5の上方側)から他方側(図2及び図5の下方側)に向かうように、X方向に対して傾斜する直線状に延びており、互いに平行に並んで配置される。複数の中空糸221B,321Bが延びる方向である第2方向D2a,D2bは、X方向に対して角度θ1,θ2傾斜する方向である。
【0021】
また、本実施形態においては、一の中空糸膜22A,32Aと他の中空糸膜22B,32Bとは、一の中空糸膜22A,23Aの中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Bの中空糸221B,321Bとが角度θ1,θ2を有した状態で交互に積層されることで、複数の層を形成する。図2及び図5に示すように、一の中空糸膜22A,32Aの複数の中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Aの複数の中空糸221B,321Bとは、血液の流通方向Bに視た場合に、互いが角度θ1,θ2を有した状態で交差しており、格子状に配置される。
なお、一の中空糸膜22A,32Aの中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Bの中空糸221B,321Bとは、一部において角度θ1,θ2となるように積層されていればよく、複数の中空糸膜22,32の全てにおいて角度θ1,θ2が交互になるように配置されていなくてもよい。
【0022】
熱交換部2において、複数の中空糸膜22が積層されることで形成された中空糸束20は、図2及び図3に示すように、流体導入円弧状側面201(熱媒体導入側部)と、流体排出円弧状側面202(熱媒体排出側部)と、を有する。
また、ガス交換部3において、複数の中空糸膜32が積層されることで形成された中空糸束30は、図5及び図6に示すように、流体導入円弧状側面301(ガス導入側部)と、流体排出円弧状側面302(ガス排出側部)と、を有する。
【0023】
流体導入円弧状側面201,301は、X方向における流体(冷温水、酸素ガス)が導入される側の端部(図2及び図5におけるX方向の一方側の端部)において、外側に凸となる円弧状に形成される。流体導入円弧状側面201,301は、後述するハウジング21,31の流体導入ケース部214,314に覆われている。
流体排出円弧状側面202,302は、X方向における流体(冷温水、酸素ガス)が排出される側の端部(図2及び図5におけるX方向の他方側の端部)において、外側に凸となる円弧状に形成される。流体排出円弧状側面202,302は、ハウジング21,31の流体排出ケース部215,315に覆われている。
本実施形態においては、流体導入円弧状側面201,301及び流体排出円弧状側面202,302は、複数の中空糸膜22,32を積層することで構成される中空糸束20,30のX方向の両端部において、例えば、熱で溶断することや、ナイフでカットすることで円弧状に形成されている。
【0024】
中空糸束20は、流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202において、X方向の両端面が円弧状に形成されるため、Y方向の両端部側(図2における上下方向の両端部側)において、冷温水が通る流路の長さを短くできるため、冷温水の圧力損失を低下させることができる。その結果、冷温水の流量が増加して、冷温水の熱交換の効率が向上する。なお、熱交換部2においては、冷温水は一定圧力で流されるため、圧力損失が低くなると、流速が速くなり、流量が増加する。しかし、ガス交換部3においては、酸素ガスは一定流量で流されるため、圧力損失が低下しても、ガス交換部3全体で見た場合の流速は変わらない。
【0025】
ここで、例えば、図8A及び図8Bに示すように、人工肺の熱交換部及びガス交換部を構成する中空糸束50のモデルの一例について説明する。
図8A及び図8Bに示すように、中空糸束50のモデルの一例において、一の中空糸束52Aと他の中空糸束52Bとが積層され、一の中空糸束52Aの中空糸521Aと他の中空糸束52Bの中空糸521Bとが、角度αを有した状態で配置される構成のものがある。一の中空糸束52Aの複数の中空糸521Aと他の中空糸束52Aの複数の中空糸521Bとは、血液の流通方向Bに視た場合に、互いが角度αを有した状態で交差して、格子状に配置される。
【0026】
図8A(a)及び図8B(a)において、一の中空糸束52Aの複数の中空糸521Aは、X方向の一方側(例えば、図8A及び図8Bの左側)が下方になるようにX方向に対して角度αaで右上がりに傾斜した直線状に延びており、互いに平行に配置されている。また、他の中空糸束52Bの複数の中空糸521Bは、X方向の他方側(例えば、図8A及び図8Bの右側)が下方になるようにX方向に対して角度αbで左上がりに傾斜した直線状に延びており、互いに平行に配置されている。
【0027】
図8A及び図8Bに示すように、右上がりに傾斜して配置される複数の中空糸521Aが配置される領域のうち、領域R1、R2(直角三角形状の領域)は、Y方向の一方側の端部又は他方側の端部に達しており、流体(冷温水、酸素ガス)の流通に使用されない中空糸が存在する領域である。
また、左上がりに傾斜して配置される複数の中空糸521Bが配置される領域のうち、領域R3、R4(直角三角形状の領域)は、Y方向の一方側の端部又は他方側の端部に達しており、流体(冷温水、酸素ガス)の流通に使用されない中空糸が存在する領域である。
【0028】
また、複数の中空糸521Aと複数の中空糸521Bとが角度αを有した状態で、中空糸束52A,52Bが重ねられることで、図8A(b)及び図8B(b)に示すように、右上がりに傾斜する複数の中空糸521Aが配置される領域のうちX方向の両端部が流体導入側面501及び流体排出側面502に達して配置される領域RAと、左上がりに傾斜する複数の中空糸521Bが配置される領域のうちX方向の両端部が流体導入側面501及び流体排出側面502に達して配置される領域RBと、が重なる領域RXは、複数の中空糸521A及び複数の中空糸521Bの両方のX方向の全域に亘って、流体(冷温水、酸素ガス)が流れる領域である。
【0029】
一方、右上がりに傾斜する複数の中空糸521Aが配置される領域のうちX方向の両端部が流体導入側面501及び流体排出側面502に達して配置される領域RAと、複数の中空糸521BにおけるY方向の一方側の端部又は他方側の端部に達して配置される領域R3,R4(直角三角形状の領域)と、が重なる領域RZ1,RZ2は、領域RXに流れる流体の量の半分の量の流体(冷温水、酸素ガス)しか流れない領域となる。
【0030】
また、左上がりに傾斜する複数の中空糸521Bが配置される領域のうちX方向の両端部が流体導入側面501及び流体排出側面502に達して配置される領域RBと、複数の中空糸521AにおけるY方向の一方側の端部又は他方側の端部に達して配置される領域R1,R2(直角三角形状の領域)と、が重なる領域RY1,RY2は、領域RXに流れる流体の量の半分の量の流体(冷温水、酸素ガス)しか流れない領域となる。
【0031】
ここで、全体を四角形状としてX方向の両端部を直線状に形成した図8Aに示す中空糸束50Aのモデルの場合と、X方向の両端部を円弧状に形成した図8Bに示す中空糸束50Bのモデルの場合とを比較する。
複数の中空糸521A及び複数の中空糸521BにおいてX方向の全域に亘って流体(冷温水、酸素ガス)が流れる領域RXについて両者を比較すると、中空糸束50BのX方向の両端部を円弧状に形成した場合の領域RXb(図8B(b)参照)は、中空糸束50Aの全体を四角形状としてX方向の両端部を直線状に形成した場合の領域RXa(図8A(b)参照)よりも広くなる。
また、中空糸束50BのX方向の両側面(流体導入側面501B及び流体排出側面502B)を円弧状に形成した場合には、中空糸束50AのX方向の両側面(流体導入側面501A及び流体排出側面502A)を直線状に形成した場合よりも、Y方向の両側面間のX方向の長さが短くなる。
【0032】
従って、中空糸束50BのX方向の両端部を円弧状に形成した場合には、中空糸束50Aの全体を四角形状としてX方向の両側面を直線状に形成した場合に比べて、流体(冷温水、酸素ガス)が流れる領域を広くすることができ、より多くの中空糸521に流体を流すことができる。よって、流体(冷温水、酸素ガス)の熱交換又はガス交換の効率を向上させることができる。また、中空糸束50は、X方向の両端面が円弧状に形成されるため、Y方向の両端部側において、冷温水が通る流路の長さを短くでき、冷温水の圧力損失が低下するため、熱交換効率が向上する。
【0033】
また、中空糸束50BのX方向の両側面を円弧状に形成した場合には、中空糸束50Aの全体を四角形状としてX方向の両側面を直線状に形成して角部を直角に形成した場合に比べて、角部の一辺が円弧状に形成されるため、流体の滞留が低減されて、流体を効率よく流すことができる。よって、流体(冷温水、酸素ガス)の熱交換又はガス交換の効率の低下を防ぐことができる。
【0034】
以上のような中空糸束50のモデルの一例の説明と同様に、本実施形態においても、熱交換部2において、図2に示すように、中空糸束20のX方向の両側面を円弧状に形成することで、冷温水の圧力損失を低下させつつ、熱交換の効率を維持できる。
また、ガス交換部3において、図5に示すように、中空糸束30のX方向の両側面を円弧状に形成することで、酸素ガスの圧力損失を低下させつつ、ガス交換の効率を維持できる。
【0035】
ここで、本実施形態において、一の中空糸膜22A,32Aの中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Bの中空糸221B,321Bとの成す角度θ1,θ2が大きい場合には、Y方向の一方側の端面(例えば、図2図5における上方側の端面)又は他方側の端面(例えば、図2図5における下方側の端面)に達して配置される中空糸221A,321Aが多くなり、X方向の全域に亘って流体が流れる領域が狭くなる。これにより、流体の交換に使用されない中空糸221,321が増加する。一方、一の中空糸膜22A,32Aの中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Bの中空糸221B,321Bとの角度θ1,θ2が小さい場合には、角度θ1,θ2をつけて積層する場合の製造上の精度管理が難しい。
【0036】
そのため、角度θ1,θ2としては、流体(冷温水、酸素ガス)が流れる領域を確保した上で、かつ、製造上の精度管理が難しくない角度の範囲で設定される。一の中空糸膜22A,32Aの中空糸221A,321Aと他の中空糸膜22B,32Bの中空糸221B,321Bとの成す角度θ1,θ2は、例えば、1~90°であることが好ましく、3~30°であることがより好ましい。
【0037】
熱交換部2の中空糸束20の各中空糸膜22は、それぞれ、内部に熱媒体を流通させることで熱交換機能を有する。また、ガス交換部3の中空糸束30の各中空糸膜32は、それぞれ、内部に酸素ガスを流通させることでガス交換機能を有する。
中空糸膜22,32としては、例えば、ポリエチレンテレフタラート(PET)やポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)からなる中空糸を用いた中空糸膜を用いることができる。
本実施形態においては、熱交換部2の中空糸束20の中空糸膜22の膜厚は、例えば、50~70μmのものを用いている。また、熱交換部2の中空糸束20は、複数の中空糸膜22を、例えば、5~30層に積層することで構成している。
また、ガス交換部3の中空糸束30の中空糸膜32の膜厚は、例えば、50~100μmのものを用いている。また、ガス交換部3の中空糸束30は、中空糸膜32を、例えば、100~150層に積層することで構成している。
【0038】
また、本実施形態においては、図2及び図5に示すように、熱交換部2及びガス交換部3において、一の中空糸膜22A,32Aの複数の中空糸221A,321Aは、X方向に平行な第1方向D1a,D1bに延びて配置される。また、他の中空糸膜22B,32Bの複数の中空糸221B,321Bは、X方向に対して角度θ1,θ2傾斜する第2方向D2a,D2bに延びて配置される。
【0039】
そのため、他の中空糸膜22B,32Bの複数の中空糸221B,321Bは、Y方向の一方側の端面(例えば、図2図5における上方側の端面)又は他方側の端面(例えば、図2図5における下方側の端面)に達して配置される領域を有し、流体(冷温水、酸素ガス)の流通に使用されない中空糸が存在する領域である。
一方、一の中空糸膜22A,32Aの複数の中空糸221A,321Aの全ては、X方向の両側面に亘って延びており、全ての複数の中空糸221A,321Aが使用されることになり、流体の交換に使用されない中空糸は存在しない。
これにより、本実施形態においては、一の中空糸膜22A,32Aと他の中空糸膜22B,32Bとが積層して配置される構成において、少なくとも、一の中空糸膜22A,32Aの全ての複数の中空糸221A,321Aの全てに流体(冷温水、酸素ガス)を流通させることができる。よって、熱交換機能又はガス交換機能を確保することができる。
【0040】
一対のシール部23,33は、図1に示すように、流体導入ケース部214,314や流体排出ケース部215,315に血液が浸入しないように、複数の中空糸膜22,32のX方向の両端側をシールしている。シール部23,33によるシールは、例えば、複数の中空糸膜22,32のX方向の両端に接着剤を充填することで行われ、中空糸膜22,32のX方向の両側面は、例えば、ナイフなどでカットされることで露出される。このため、流体導入ケース部214,314と流体排出ケース部215,315とは、中空糸膜22,32を介して連通している。一方、一対のシール部23,33のX方向の内側の血液流路11において、複数の中空糸膜22,32は、シールされていない。
【0041】
熱交換部2の中空糸束20は、熱交換部2のハウジング21に収容される。
熱交換部2のハウジング21は、図1図3に示すように、ケース本体211(ケース本体)と、熱交換用の冷温水(熱媒体)を導入するための流体導入ケース部214(熱媒体導入ケース部)と、冷温水を排出するための流体排出ケース部215(熱媒体排出ケース部)と、を有する。
ケース本体211には、図1図3に示すように、複数の中空糸膜22により構成される中空糸束20が配置される。ケース本体211は、血液の流通方向Bに交差するX方向の両端の側方が開放して形成される。ケース本体211は、入口側板212aを有し、熱交換部側血液流路111の下流側の端部が開放して形成される。
【0042】
入口側板212aは、図1に示すように、熱交換部2における血液の流通方向Bの上流側の端部側に配置される。入口側板212aには、熱交換部側血液入口212bが形成される。
熱交換部側血液入口212bは、血液が熱交換部2に導入されるポートである。熱交換部側血液入口212bは、人工肺1における熱交換部側血液流路111の最上流側において、血液の流通方向Bに延びる筒状に形成される。
【0043】
ガス交換部3の中空糸束30は、熱交換部2のハウジング31に収容される。
ガス交換部3のハウジング31は、図4~6に示すように、ケース本体311(ケース本体)と、酸素ガスを導入するための流体導入ケース部314と、酸素ガスを排出するための流体排出ケース部315と、を有する。
【0044】
ケース本体311には、図1図5及び図6に示すように、複数の中空糸膜32により構成される中空糸束30が配置される。ケース本体311は、血液の流通方向Bに交差するX方向の両端の側方が開放して形成される。ケース本体311は、出口側板313aを有し、ガス交換部側血液流路112の上流側の端部が開放して形成される。ケース本体311のガス交換部側血液流路112の上流側の端部は、熱交換部2のケース本体211の熱交換部側血液流路111の下流側の端部に接続される。
【0045】
出口側板313aは、ガス交換部3における血液の流通方向Bの下流側の端部側に配置される。出口側板313aには、ガス交換部側血液出口313bが形成される。
ガス交換部側血液出口313bは、血液がガス交換部3から外部に排出されるポートである。ガス交換部側血液出口313bは、出口側板313aに形成され、人工肺1におけるガス交換部側血液流路112の最下流側において、血液の流通方向Bに延びる筒状に形成される。
【0046】
熱交換部2のハウジング21及びガス交換部3のハウジング31において、流体導入ケース部214,314は、流体(熱交換用の冷温水、ガス交換用の酸素ガス)を導入する導入路を構成する。
流体導入ケース部214,314は、図2図3図5及び図6に示すように、流体導入ケース本体214b,314b(熱媒体導入ケース本体、流体導入ケース本体)と、流体導入ポート214a,314aと、を有する。
【0047】
流体導入ケース本体214b,314bは、中空糸束20,30の流体導入円弧状側面201,301の側部を覆うように配置される。流体導入ケース本体214b,314bは、外側面が、X方向の一方側に凸となる円弧状に形成され、内側面が、X方向の一方側に凹んだ凹となる円弧状に形成される。
【0048】
流体導入ポート214a,314aは、流体導入ケース本体214b,314bのY方向の一端部側からY方向の外側に延出する筒状に形成される。流体導入ポート214a,314aは、流体(冷温水、酸素ガス)が導入されるポートである。流体導入ポート214a,314aから導入された流体(冷温水、酸素ガス)は、流体導入ケース本体214b,314bを通って、ケース本体211,311のX方向の一端部側の側部から、ケース本体211,311の内部に導入される。
【0049】
熱交換部2のハウジング21及びガス交換部3のハウジング31において、流体排出ケース部215,315は、流体(熱交換用の冷温水、ガス交換用の酸素ガス)を排出する排出路を構成する。
流体排出ケース部215,315は、図2図3図5及び図6に示すように、流体排出ケース本体215b,315b(熱媒体排出ケース本体、流体排出ケース本体)と、流体排出ポート215a,315aと、を有する。
【0050】
流体排出ケース本体215b,315bは、中空糸束20,30の流体排出円弧状側面202,302の側部を覆うように配置される。流体排出ケース本体215b,315bは、外側面が、X方向の他方側に凸となる円弧状に形成され、内側面が、X方向の他方側に凹んだ凹となる円弧状に形成される。
【0051】
流体排出ポート215a,315aは、流体排出ケース本体215b,315bのY方向の一端部側からY方向の外側に延出する筒状に形成される。流体排出ポート215a,315aは、流体(冷温水、酸素ガス)が排出されるポートである。ケース本体211のX方向の他端部側の側部から排出された冷温水は、流体排出ケース本体215b,315bを通って、流体排出ポート215a,315aから、外部に排出される。
【0052】
以上のように構成される人工肺1における血液の流れについて説明する。
人工肺1においては、熱交換部側血液入口212bから熱交換部2に導入された血液は、熱交換部側血液流路111を流通方向Bに流れる。熱交換部側血液流路111を流れる血液は、熱交換部2の各中空糸膜22の複数の中空糸221の間を通過する。熱交換部側血液流路111を流れる血液は、中空糸束20の各中空糸膜22の複数の中空糸221の表面に接触する。複数の中空糸膜22の複数の中空糸221を流れる冷温水との間では、熱交換(加温又は冷却)が行われる。熱交換部2において熱交換が行われた血液は、ガス交換部3に導入される。
【0053】
ガス交換部3に導入された血液は、ガス交換部側血液流路112を流通方向Bに流れる。ガス交換部側血液流路112を流れる血液は、ガス交換部3の各中空糸膜32の複数の中空糸321の間を通過する。ガス交換部側血液流路112を流れる血液は、ガス交換部3において、中空糸束30の各中空糸膜32の複数の中空糸321の表面に接触する。そして、ガス交換部側血液流路112を流れる血液には、ガス交換部3の複数の中空糸膜32を通る酸素ガスが取り込まれる。また、酸素ガスが取り込まれた血液は、ケース本体311に設けられたガス交換部側血液出口313から、外部に排出され、患者に返血される。一方、血液中の二酸化炭素は、ガス交換部3の複数の中空糸膜32に取り込まれ、その後、流体排出ケース部315から、外部に排出される。
【0054】
このように、人工肺1においては、熱交換部2による熱交換によって、血液の温度調整が行われ、温度調整が行われた血液は、ガス交換部3によってガス交換が行われる。
【0055】
以上説明した本実施形態の人工肺1の熱交換部2によれば、以下のような効果を奏する。
【0056】
人工肺1を、熱交換部2を備えて構成し、熱交換部2を、複数の中空糸膜22を積層して構成し、中空糸膜22を、所定方向に延びる複数の中空糸221が平行に並んで配置することで形成し、熱交換部2は、積層された複数の中空糸膜22の両端部に形成される流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202を有し、流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202を、それぞれ、円弧状に形成した。
【0057】
このため、熱交換部2は、中空糸束20(複数の中空糸膜22)を用いて構成されるため、従来のようなSUS等の金属の針管を複数並べて作製するよりも、加工が容易である。
【0058】
また、熱交換部2において、中空糸束20のX方向の両端部に配置される流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202の端面を円弧状に形成した。このため、熱交換部2の中空糸束20を四角形に形成するよりも、Y方向の両端部側において冷温水が流れる流路を短くできるため、冷温水が流れない領域を少なくすることができる。そのため、冷温水が流通する中空糸膜22の割合を増加させることができ、これにより、熱交換部2における熱交換効率を向上できる。
【0059】
また、Y方向の両端部側において冷温水が流れる流路を短くできるため、冷温水の圧力損失を低下させることができる。冷温水の圧力損失が低下すると、冷温水の流量が増えるため、冷温水の熱交換効率が向上する。
【0060】
また、流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202の端面を円弧状に形成することで、熱交換部2の中空糸束20を四角形に形成するよりも、熱交換に使用されない中空糸膜22を低減できるため、熱交換部2に使用する中空糸膜22の量を低減できる。これにより、製造コストを低減できる。
【0061】
また、流体導入円弧状側面201及び流体排出円弧状側面202の端面を円弧状に形成することで、熱交換部2の中空糸束20を四角形で形成するよりも、シール部23の領域を低減できるため、シール部23においてシール材を充填する量を低減できる。これにより、熱交換部2を軽量化することができ、全体的にコンパクトに形成できる。
【0062】
熱交換部2側のハウジング21を、内部に複数の中空糸膜22が配置されると共に両端の側方が開放して形成されるケース本体211と、流体導入円弧状側面201の側部を覆うように配置され外側面が円弧状の流体導入ケース本体214bと、流体排出円弧状側面202の端部を覆うように配置され外側面が円弧状の流体排出ケース本体215bと、を有して構成した。これにより、流体導入ケース本体214bの外側面と流体排出ケース本体215bの外側面とが円弧状に形成されるため、ハウジングを四角形で形成するよりも、ハウジング21をコンパクトに形成できる。
【0063】
複数の中空糸膜22を、積層された複数の中空糸膜22のうち一の中空糸膜22Aの中空糸221Aと他の中空糸膜22Bの中空糸221Bとを、角度θ1を有した状態で配置した。そのため、積層方向の中空糸膜22の間隔のばらつきを小さくできる。これにより、複数の中空糸膜22の積層方向において、熱交換部2における熱交換の効率を向上させることができ、血液流路の圧力損失を低下させることができる。
【0064】
以上説明した本実施形態の人工肺1のガス交換部3によれば、以下のような効果を奏する。
【0065】
人工肺1を、ガス交換部3を備えて構成し、複数の中空糸膜32を積層して構成し、中空糸膜32を、所定方向に延びる複数の中空糸321を平行に並んで配置することで形成し、積層された複数の中空糸膜32のうち一の中空糸膜32Aの中空糸321Aと他の中空糸膜32Bの中空糸321Bとを、角度θ1を有した状態で配置した。そのため、積層方向の中空糸膜32の間隔のばらつきを小さくできる。これにより、複数の中空糸膜32の積層方向において、ガス交換部3におけるガス交換の効率を向上させることができると共に、血液流路の圧力損失も低下させることができる。
【0066】
ガス交換部3は、積層された複数の中空糸膜32の両端部に形成される流体導入円弧状側面301及び流体排出円弧状側面302を有し、流体導入円弧状側面301及び流体排出円弧状側面302は、それぞれ、円弧状に形成される。
【0067】
このため、流体導入円弧状側面301及び流体排出円弧状側面302の端面を円弧状に形成することで、ガス交換部3の中空糸束30を四角形に形成するよりも、Y方向の両端部側において酸素ガスが流れる流路を短くできるため、酸素ガスが流れない領域を少なくすることができる。そのため、酸素ガスが流通する中空糸膜32の割合を増加させることができ、これにより、ガス交換部3におけるガス交換の性能の低下を最小限とすることができる。
【0068】
また、流体導入円弧状側面301及び流体排出円弧状側面302の端面を円弧状に形成することで、ガス交換部3の中空糸束30を四角形に形成するよりも、ガス交換に使用されない中空糸膜32を低減できるため、ガス交換部3に使用する中空糸膜32の量を低減できる。これにより、製造コストを低減できる。
【0069】
また、流体導入円弧状側面301及び流体排出円弧状側面302の端面を円弧状に形成することで、ガス交換部3の中空糸束30を四角形で形成するよりも、シール部33の領域を低減できるため、シール部33においてシール材を充填する量を低減できる。これにより、ガス交換部3を軽量化することができ、全体的にコンパクトに形成できる。
【0070】
ガス交換部3側のハウジング31を、内部に複数の中空糸膜32が配置されると共に両端の側方が開放して形成されるケース本体311と、流体導入円弧状側面301の側部を覆うように配置され外側面が円弧状の流体導入ケース本体314bと、流体排出円弧状側面302の側部を覆うように配置され外側面が円弧状の流体排出ケース本体315bと、を有して構成した。これにより、流体導入ケース本体314bの外側面と流体排出ケース本体315bの外側面とが円弧状に形成されるため、ハウジングを四角形で形成するよりも、ハウジング31をコンパクトに形成できる。
【0071】
以上、本発明の人工肺1の好ましい実施形態につき説明したが、本発明は、上述の実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
1 人工肺
2 熱交換部
21 熱交換部側ハウジング(ケーシング部材)
22、22A、22B 中空糸膜
201 媒体導入円弧状側面(熱媒体導入側部)
202 媒体排出円弧状側面(熱媒体排出側部)
211 ケース本体
214b 媒体導入ケース本体(熱媒体導入ケース本体)
215b 媒体排出ケース本体(熱媒体排出ケース本体)
221、221A、221B 中空糸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8A
図8B