(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-12-11
(45)【発行日】2023-12-19
(54)【発明の名称】電子機器及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20231212BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20231212BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20231212BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20231212BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20231212BHJP
【FI】
G06F3/12 329
B41J29/38
B41J29/42 F
G03G21/00 386
G03G21/00 380
H04N1/00 350
H04N1/00 127Z
G06F3/12 385
G06F3/12 310
(21)【出願番号】P 2019144849
(22)【出願日】2019-08-06
【審査請求日】2022-07-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】原 暢洋
(72)【発明者】
【氏名】更谷 健
(72)【発明者】
【氏名】段床 卓志
(72)【発明者】
【氏名】田代 大悟
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-140756(JP,A)
【文献】特開2010-277474(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
B41J 29/38
B41J 29/42
G03G 21/00
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える電子機器であって、
ユーザーからの指示が入力される操作部と、
前記電子機器に対する遠隔からの操作サポートが可能なオペレーター端末との間で通信を行う通信部と、
前記通信部を介して、前記オペレーター端末からの操作サポートを受けるリモートオペレーションを実行するリモートオペレーション実行部と、
前記操作部に入力されたユーザーからの指示を受け付ける指示受付部と、
前記リモートオペレーションに従って操作された一連の操作を示す操作手順データをサポート情報としてサポート情報保存部に記憶させるサポート情報管理部と、
前記サポート情報管理部により前記サポート情報保存部から取得された前記サポート情報に基づいて、当該サポート情報に含まれる前記操作手順データが示す操作手順を前記表示部に表示させる表示制御部と、
前記表示制御部が前記表示部に前記操作手順データが示す操作手順を表示させているときに、当該操作手順と、前記指示受付部にユーザーから受け付けられたユーザー指示とを照合して、当該ユーザー指示が前記操作手順と一致しているか否かを判断する判断部とを備え
、
前記表示制御部は、前記判断部により前記ユーザー指示が前記操作手順と一致しないと判断されたとき、前記ユーザー指示が前記操作手順から外れた旨の告知を前記表示部に表示させる電子機器。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記ユーザー指示が前記操作手順から外れたことを知らせる告知を前記表示部に表示させると共に、前記操作手順から外れたままで良いか否かをユーザーに問い合わせる告知を前記表示部に表示させ、
前記指示受付部が、前記操作部を介して、前記操作手順から外れたままでは良くないとのユーザーからの回答を受け付けると、前記操作手順から外れたユーザー指示を無効にし、一方、前記指示受付部が、前記操作手順から外れたままで良いとのユーザーからの回答を受け付けると、前記操作手順から外れたユーザーからの指示を有効にする制御部を更に備える請求項
1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記サポート情報管理部は、前記オペレーター端末で入力された一連の操作を示す前記操作手順データと、前記一連の操作に応じて前記表示部に表示された画面のイメージデータと、を関連付けて、前記サポート情報として前記サポート情報保存部に記憶させ、
更に、前記表示制御部は、前記サポート情報管理部により取得された前記サポート情報に含まれる前記イメージデータに基づく画面を前記表示部に表示させる請求項1
又は請求項
2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記サポート情報は、前記オペレーター端末で入力されたテキストデータ又は入力された音声データの少なくともいずれか1つを含む請求項1乃至請求項
3のいずれかに記載の電子機器。
【請求項5】
請求項1乃至請求項
4のいずれかに記載の電子機器と、
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器及び画像形成装置に関し、特に、操作をサポートする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機等の電子機器を、ネットワークを介して、遠隔から操作をサポートするリモートオペレーションシステムが提案されている。リモートオペレーションシステムとしては、例えば、遠隔で操作された内容を電子機器に反映させるといったものが挙げられる。
【0003】
下記の特許文献1には、リモート端末で行われた操作内容を時系列的に複写機側に記録していくことが記載されている。リモート端末で行われた操作内容を記録しておけば、後に同操作内容をユーザーが確認することが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、後に操作内容(すなわち、過去に受けたサポート内容)をユーザーが確認できたとしても、同操作内容が示す操作手順をユーザーが確実に再現できるとは限らない。
【0006】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、過去に受けたサポート内容が示す操作手順に沿ってユーザーが再度同じ操作を容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る電子機器は、表示部を備える電子機器であって、ユーザーからの指示が入力される操作部と、前記電子機器に対する遠隔からの操作サポートが可能なオペレーター端末との間で通信を行う通信部と、前記通信部を介して、前記オペレーター端末からの操作サポートを受けるリモートオペレーションを実行するリモートオペレーション実行部と、前記操作部に入力されたユーザーからの指示を受け付ける指示受付部と、サポート情報を保存するサポート情報保存部と、前記リモートオペレーションに従って操作された一連の操作を前記サポート情報として前記サポート情報保存部に記憶させるサポート情報管理部と、前記サポート情報管理部により前記サポート情報保存部から取得された前記サポート情報に基づいて、当該サポート情報に含まれる前記操作手順データが示す操作手順を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一局面に係る電子機器は、表示部を備える電子機器であって、ユーザーからの指示が入力される操作部と、前記電子機器に対する遠隔からの操作サポートが可能なオペレーター端末との間で通信を行う通信部と、前記通信部を介して、前記オペレーター端末からの操作サポートを受けるリモートオペレーションを実行するリモートオペレーション実行部と、前記操作部に入力されたユーザーからの指示を受け付ける指示受付部と、サポート情報を保存するサポート情報保存部と、前記オペレーター端末で入力された一連の操作を示す操作手順データをサポート情報として保存するサポート情報保存部から、前記サポート情報を呼び出すサポート情報管理部と、前記リモートオペレーションに従って操作された一連の操作を前記サポート情報として前記サポート情報保存部に記憶させるサポート情報管理部と、前記サポート情報管理部により取得された前記サポート情報に基づいて、当該サポート情報に含まれる前記操作手順データが示す操作手順を前記表示部に表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部が、前記表示部に前記操作手順データが示す操作手順を表示させているときに、前記表示制御部は、前記操作手順データに基づいて、操作すべき操作ボタンとそれ以外の操作ボタンとを表示形態を異ならせる、又は、前記指示受付部は、操作すべきでない操作ボタンの操作を受け付けないものである。
【0009】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、上記電子機器と、記録媒体に画像を形成する画像形成部と、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、オペレーター端末から過去に受けたサポート内容がサポート情報として保存されるので、後に同サポート内容をユーザーが確認することができるようになる。例えば、サポート内容を印刷すれば、ユーザー専用の操作マニュアルとして利用することもできる。これにより、過去に受けたサポート内容が示す操作手順に沿ってユーザーが再度同じ操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る電子機器の一実施形態としての画像形成装置を含んで構成されるリモートオペレーションシステムの全体構成を示す図である。
【
図2】(A)及び(B)は、画像形成装置に表示される画面の一例を示した図である。
【
図3】(A)は、リモートオペレーションが実行されているときに、オペレーター端末に表示される画面の一例を示した図であり、(B)は、リモートオペレーションが実行されているときに、画像形成装置に表示される画面の一例を示した図である。
【
図4】画像形成装置の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。
【
図5】リモートオペレーションが実行されているときの画面の切り替わりの一例を示した図であり、(A)は、オペレーター端末に表示される操作画面を示し、(B)は、画像形成装置に表示される操作画面を示している。
【
図6】リモートオペレーションが実行されているときの画面の切り替わりの一例を示した図であり、(A)は、オペレーター端末に表示される操作画面を示し、(B)は、画像形成装置に表示される操作画面を示している。
【
図7】リモートオペレーションが実行されているときの画面の切り替わりの一例を示した図であり、(A)は、オペレーター端末に表示される操作画面を示し、(B)は、画像形成装置に表示される操作画面を示している。
【
図8】リモートオペレーションが実行されているときの画面の切り替わりの一例を示した図であり、(A)は、オペレーター端末に表示される操作画面を示し、(B)は、画像形成装置に表示される操作画面を示している。
【
図9】画像形成装置の表示部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図10】(A)及び(B)は、サポート情報をユーザーに提示するときの画面の切り替わりの一例を示した図で、画像形成装置の表示部に表示される操作画面を示している。
【
図11】(A)及び(B)は、サポート情報をユーザーに提示するときの画面の切り替わりの一例を示した図で、画像形成装置の表示部に表示される操作画面を示している。
【
図12】(A)及び(B)は、サポート情報をユーザーに提示するときの画面の切り替わりの一例を示した図で、画像形成装置の表示部に表示される操作画面を示している。
【
図13】(A)及び(B)は、画像形成装置の表示部に表示される画面の一例を示した図である。
【
図14】画像形成装置における制御ユニットで行われる処理動作の一例を示したフローチャートである。
【
図15】画像形成装置の表示部に表示される画面の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る電子機器及び画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明に係る電子機器の一実施形態としての画像形成装置を含んで構成されるリモートオペレーションシステムの全体構成を示す図である。リモートオペレーションシステム11は、画像形成装置1と、オペレーター端末2と、を備える。画像形成装置1は、タッチパネル機能を有した表示部473を備え、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能を兼ね備える複合機である。
【0013】
オペレーター端末2は、タッチパネル機能を有した表示部21と、キーボード22と、を備える。また、オペレーター端末2は、ネットワークを介して、画像形成装置1に対する遠隔からの操作サポートが可能で、画像形成装置1の表示部473に表示される操作画面を表示部21に表示する。
【0014】
図2(A)及び(B)は、画像形成装置1の表示部473に表示される画面の一例を示した図である。
図2(A)に示した操作画面SC1は「ホーム」画面であり、「コピー」ボタンや「送信」ボタンなどが形成されている。「コピー」ボタンが押下されると、
図2(B)に示した操作画面SC2が表示部473に表示される。
【0015】
操作画面SC2は「コピー」画面のうちの「簡単設定」画面である。「コピー」画面には「簡単設定」用以外に、「原稿/用紙/仕上げ」用や「レイアウト/編集」用などの画面が存在するが、「簡単設定」画面が最上位に設定されている。ユーザーにより「ホーム」画面で「コピー」ボタンが押下されると、表示部473(
図4)に設けられているタッチパネルにより当該押下が受け付けられ、指示受付部101(
図4)により当該押下に対応付けられた、「簡単設定」画面の表示指示が受け付けられ、この指示に従って、表示制御部104(
図4)は、「簡単設定」画面を表示部473に表示させる。
【0016】
「簡単設定」画面である操作画面SC2からは、6つの代表的な機能に対応する、「用紙選択」、「カラー選択」、「ページ集約」、「縮小/拡大」、「両面/分割」、「ステープル/パンチ」と記された6つのボタンが表示されている。
【0017】
操作画面SC2上で、例えば、「カラー選択」と記されたボタンがユーザーにより押下されると、タッチパネルにより当該押下が受け付けられ、指示受付部101(
図4)により当該押下に対応付けられた、カラーモードの選択を可能とするポップアップの表示指示が受け付けられ、この指示に従って、表示制御部104(
図4)は、当該ポップアップを表示部473に表示させる。設定項目としては、カラー原稿と白黒原稿とを識別して印刷する「自動カラー」モードや、フルカラーで印刷する「フルカラー」モード、白黒で印刷する「白黒」モードの3つがある。
【0018】
また、操作画面SC2上で、例えば、「縮小/拡大」と記されたボタンが押下されると、タッチパネルにより当該押下が受け付けられ、指示受付部101(
図4)により当該押下に対応付けられた、コピー倍率(設定値)の設定を可能とするポップアップの表示指示が受け付けられ、この指示に従って、表示制御部104(
図4)は、当該ポップアップを表示部473に表示させる。設定値としては、「自動」や「200%」、「141%」、「100%」、「93%」などがある。
【0019】
また、操作画面SC2上で、「原稿/用紙/仕上げ」と記されたボタンが選択されると、タッチパネルにより当該押下が受け付けられ、指示受付部101(
図4)により当該押下に対応付けられた、「原稿/用紙/仕上げ」用の操作画面の表示指示が受け付けられ、この指示に従って、表示制御部104(
図4)は、当該操作画面を表示部473に表示させる。「原稿/用紙/仕上げ」用の操作画面にいて、「レイアウト/編集」と記されたボタンがユーザーにより操作されると、タッチパネルにより当該押下が受け付けられ、指示受付部101(
図4)により当該押下に対応付けられた、「レイアウト/編集」用の操作画面の表示指示が受け付けられ、この指示に従って、表示制御部104(
図4)は、当該操作画面を表示部473に表示させる。
【0020】
図3(A)は、リモートオペレーションが実行されているときに、オペレーター端末2の表示部21に表示制御部104による制御の下で表示される画面の一例を示した図である。表示部21に表示される操作画面RS1は、画像形成装置1の表示部473に実際の操作時に表示される操作画面(ここでは、
図2(B)に示した操作画面SC2)を有すると共に、オペレーターによりキーボード22を用いて入力されたテキスト(文字だけでなく、図形も含む)を表示するための入力エリアA1を有している。オペレーターは操作部47の操作により入力エリアA1に文字等を入力することによって、操作の補足説明を入力することができる。
【0021】
図3(B)は、リモートオペレーションが実行されているときに、画像形成装置1の表示部473に表示制御部104による制御の下で表示される画面の一例を示した図である。表示部473に表示される操作画面MS1には、オペレーター端末2に表示される操作画面RS1が表示されている。すなわち、オペレーター端末2との間で画面の共有化が図られている。
【0022】
図4は、画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示した機能ブロック図である。画像形成装置1は、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、HDD(Hard Disk Drive)111、定着部13、給紙部14、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91を含んで構成されている。
【0023】
画像形成装置1で原稿読取動作が行われる場合について説明する。原稿給送部6により原稿読取部5へ供給された原稿、又は図略のコンタクトガラス上に載置されている原稿の画像を、原稿読取部5が光学的に読み取り、そして画像データを生成する。原稿読取部5により生成された画像データは、図略の画像メモリー等に保存される。
【0024】
画像形成装置1で画像形成動作が行われる場合について説明する。原稿読取動作により生成された画像データや、画像メモリー等に記憶されている画像データ、ネットワーク接続された外部装置20としてのコンピューターから受信した画像データ等に基づいて、画像形成部12が、給紙部14から給紙される記録媒体としての記録紙にトナー像を形成する。
【0025】
HDD111は、大容量の記憶装置である。HDD111は、オペレーター端末2(
図1を参照)から送られてくる、一連の操作を示す操作手順データをサポート情報として保存するサポート情報保存部112を含む。サポート情報保存部112は、例えば、HDD111の一部領域からなる。なお、サポート情報保存部112は、画像形成装置1、オペレーター端末2、又はネットワーク上のサーバーのいずれに設けられてもよい。サポート情報保存部112は、画像形成装置1に備えられる場合、後述する制御プログラムがインストールされることによりHDD111に作成される。
【0026】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙を加熱及び加圧して、トナー像を記録紙に定着させるものであり、定着処理が施された記録紙は図略の排出トレイに排出される。給紙部14は、給紙カセットを備える。
【0027】
操作部47は、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。
【0028】
表示部473はタッチパネルになっており、操作者は画面表示されるボタンやキーに触れて画像形成装置1を操作することができる。
【0029】
ネットワークインターフェイス部91は、ローカルエリア内、又はインターネット上の外部装置20(例えば、
図1に示したオペレーター端末2)と種々のデータの送受信を行うものである。なお、ネットワークインターフェイス部91は、特許請求の範囲における通信部の一例である。
【0030】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、指示受付部101と、リモートオペレーション実行部102と、サポート情報管理部103と、表示制御部104と、判断部105とを備えている。
【0031】
制御ユニット10は、HDD111等に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100、指示受付部101、リモートオペレーション実行部102、サポート情報管理部103、表示制御部104、及び判断部105として機能する。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0032】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、HDD111、定着部13、給紙部14、操作部47、及びネットワークインターフェイス部91と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、画像形成部12を制御して、記録媒体に画像を形成する。
【0033】
指示受付部101は、操作部47を介してユーザーから指示の入力を受け付ける。指示受付部101は、操作部47が備えるハードキーに対するユーザーからの指示を受け付け、更には、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーからの指示(タッチ操作)に対応付けられた指示を、表示部473が有するタッチパネルを介して受け付ける。
【0034】
リモートオペレーション実行部102は、ネットワークインターフェイス部91を介して、オペレーター端末2からの操作サポートを受けるリモートオペレーションに必要に処理を実行する。
【0035】
リモートオペレーション実行部102は、オペレーター端末2から送信されてくる操作サポートのための操作画面(例えば、
図3(A)に示した操作画面RS1)の画面データを受信すると、当該受信した画面データに基づいた画面(例えば、
図3(B)に示した操作画面MS1)を、リモートサポート画面として表示部473に表示させる。これにより、オペレーター端末2との間で画面の共有化が図られる。
【0036】
また、リモートオペレーション実行部102は、オペレーター端末2から送信されてくる操作指令を受信すると、当該受信した操作指令に従った処理を実行する。これにより、オペレーター端末2から画像形成装置1の遠隔操作が可能になる。なお、リモートオペレーション実行部102は、オペレーター端末2からの操作指令に基づいて、画像形成装置1を実際に操作するのではなく、ユーザーへの操作アドバイスに留め、実際の操作についてはユーザーが行うようにしてもよい。
【0037】
図5乃至
図8は、リモートオペレーションが実行されているときの画面の切り替わりの一例を示した図で、(A)は、オペレーター端末2の表示部21に表示される操作画面を示し、(B)は、画像形成装置1の表示部473に表示される操作画面を示している。なお、ユーザーがオペレーターに対して「A4サイズをA3サイズにしてコピーする方法」の説明を依頼した場合を例にして説明する。
【0038】
図5(A)に示した、オペレーター端末2の表示部21に表示される操作画面RS2は、画像形成装置1の表示部473で実際の操作時に表示される「ホーム」画面である操作画面SC1を有すると共に、操作画面RS2には、入力エリアA1が表示されている。
図5(B)に示した、画像形成装置1の表示部473に表示される操作画面MS2は、オペレーター端末2に表示される操作画面RS2を一部に有する。補足説明を示す音声データがオペレーター端末2から画像形成装置1に送信されている場合には、制御部100は、当該音声データが示す音声を図略のスピーカーから出力させるようにしてもよい。
【0039】
また、操作画面RS2,MS2では、「ホーム」画面で「コピー」ボタンを押下すべきことが説明されている。そして、画像形成装置1の表示部473に操作画面MS2が表示されているときに、オペレーターの指示によって、オペレーター端末2から画像形成装置1に対して「コピー」ボタンの押下の操作指令が送信される。
【0040】
図6(A)に示した操作画面RS3は、「ホーム」画面で「コピー」ボタンが押下されたことによって表示される操作画面SC2を有する。操作画面SC2は、「コピー」画面のうちの「簡単設定」画面である。
図6(B)に示した操作画面MS3は、オペレーター端末2に表示される操作画面RS3を有する。
【0041】
また、操作画面RS3,MS3では、「コピー」画面で「縮小/拡大」ボタンを押下すべきことが説明されている。そして、表示部473に操作画面MS3が表示されているときに、オペレーターの指示によって、オペレーター端末2から画像形成装置1に対して「縮小/拡大」ボタンの押下の操作指令が送信される。
【0042】
図7(A)に示した操作画面RS4は、画像形成装置1の表示部473の表示画面で「コピー」画面で「縮小/拡大」ボタンがユーザーにより押下されたときに、この押下に対応する指示に従って、表示制御部104が表示部473において操作画面SC2上に表示させるポップアップPU1を有する。
図7(B)に示した操作画面MS4は、画像形成装置1の表示部473に表示される表示画面であって、オペレーター端末2に表示される操作画面RS4を有する。
【0043】
また、操作画面RS4,MS4では、ポップアップPU1中の「141%(A4→A3、B5→B4)」ボタンを押下すべきことが説明されている。そして、表示部473に操作画面MS4が表示されているときに、オペレーターの指示によって、オペレーター端末2から画像形成装置1に対して「141%」ボタンの押下の操作指令が送信される。
【0044】
ポップアップPU1中の「141%」ボタンが押下されると、ポップアップPU1は閉じられるので、
図8(A)に示した操作画面RS5は、ポップアップPU1を含まないが、画像形成装置1の操作部47に設けられているハードキーを示す画像KSを有する。また、「縮小/拡大」ボタンの下段表示は「100%」から「141%」に切り替わっている。
図8(B)に示した操作画面MS5は、画像形成装置1の表示部473に表示される表示画面であって、オペレーター端末2に表示される操作画面RS5を有する。
【0045】
また、操作画面RS5,MS5では、ハードキーの「スタート」ボタンを押下すべきことが説明されている。そして、表示部473に操作画面MS5が表示されているときに、オペレーターの指示によって、オペレーター端末2から画像形成装置1に対して「スタート」ボタンの押下の操作指令が送信される。
【0046】
サポート情報管理部103は、オペレーター端末2から送信されてくる一連の操作指令(すなわち、オペレーター端末2で入力された一連の操作)を含んでなる操作手順データを、リモートサポート画面に対応付けて、更に操作ステップ毎に操作説明や補足説明を示す情報を加えて、サポート情報として、サポート情報保存部112に記憶させる。サポート情報管理部103は、サポート情報に、タイトル名及びサポート情報の提供者名を付けてサポート情報保存部112に保存する。
【0047】
例えば、「A4サイズをA3サイズにしてコピーする方法」の操作サポートが行われた場合、
図5乃至
図8を参照して説明した、「1.コピーボタン」、「2.縮小/拡大ボタン」、「3.141%に設定」、「4.スタートボタン」の操作手順を示す操作手順データがサポート情報として、サポート情報管理部103によりサポート情報保存部112に保存される。
【0048】
例えば、タイトル名(例えば、「A4をA3にしてコピーする方法」)及びサポート情報の提供者名(例えば、「サポートセンター」)については、オペレーター端末2のキーボード22を使ってオペレーターが入力し、オペレーター端末2から画像形成装置1へ送信される。サポート情報管理部103は、当該タイトル名及びサポート情報の提供者名を付けてサポート情報をサポート情報保存部112に保存する。
【0049】
また、サポート情報管理部103は、当該一連の操作に応じて表示部473に表示されたリモートサポート画面(例えば、
図5(B)、
図6(B)、
図7(B)、及び
図8(B)に示した操作画面MS2乃至MS5)のイメージデータを、上記操作手順データと関連付けて、上記操作手順と一緒に、上記サポート情報として、サポート情報保存部112に保存する。
【0050】
なお、サポート情報管理部103は、入力エリアA1を用いて補足説明として入力されたテキストデータについても、サポート情報に含めてサポート情報保存部112に保存するのがよい。また、オペレーター端末2で補足説明として音声データが入力され、画像形成装置1に送信された場合、サポート情報管理部103は、当該音声データについてもサポート情報に含めてサポート情報保存部112に保存するのがよい。
【0051】
サポート情報管理部103は、サポート情報保存部112から、サポート情報を読み出して取得する。例えば、指示受付部101が、サポート情報の表示を要求するユーザー指示を受け付けると、サポート情報管理部103は、サポート情報保存部112に保存されている各サポート情報に対応付けて保存されているタイトル名及びサポート情報の提供者名を読み出して、
図9に示すようなリストL1を有する操作画面MS6を表示部473に表示する。サポート情報管理部103は、指示受付部101が操作部47を介して、リストL1から1つのサポート情報を選択する指示をユーザーから受け付けると、当該指示が示すサポート情報をサポート情報保存部112から読み出して取得する。
【0052】
表示制御部104は、サポート情報管理部103により取得されたサポート情報に基づいて、当該サポート情報に含まれる操作手順データが示す操作手順を表示部473に表示させると共に、当該サポート情報に含まれるイメージデータに基づく画面(後述する
図10乃至
図12に示す操作画面MS7乃至MS12)を表示部473に表示する。
【0053】
図10乃至
図12は、サポート情報を表示制御部104が表示部473に表示させるときの画面の切り替わりの一例を示した図で、画像形成装置1の表示部473に表示される操作画面を示している。なお、ここではリストL1からタイトル名が「A4サイズをA3サイズにしてコピーする方法」のサポート情報がユーザーにより選択された場合について説明する。
【0054】
図10(A)に示した、画像形成装置1の表示部473に表示される操作画面MS7には、操作手順OP1が表示されると共に、「次へ」と記された選択ボタンB1及び「前へ」と記された選択ボタンB2が表示されている。指示受付部101が、「次へ」と記された選択ボタンB1のユーザーからの指示を受け付けると、表示制御部104は、表示部473に表示される画面を1ページ進め、指示受付部101が、「前へ」と記された選択ボタンB2に対応付けられたユーザーからの指示を受け付けると、表示制御部104は、表示部473に表示される画面を1ページ戻す。
【0055】
図10(B)に示した操作画面MS8は、操作画面MS7から1ページ進んだ画面であり、「ホーム」画面である操作画面SC1を有すると共に、操作画面MS8には、操作手順OP2が表示されている。また、表示制御部104は、この画面で操作すべき「1.コピーボタン」とそれ以外の操作とは大きさを変えたり、濃度を変えたりするなどして、区別可能とするのが好ましい。ここでは大きさを変えている。
【0056】
なお、別の実施形態として、表示制御部104は、
図13(A)に示すように、操作すべきボタンの位置を、矢印AR等を表示させてユーザーに示すようにしてもよい。また、更に別の実施形態として、表示制御部104は、オペレーター端末2でオペレーターにより入力されたテキストデータに基づいて、
図13(B)に示すように、補足説明E1を表示し、或いは、制御部100が、オペレーター端末2でオペレーターにより入力された音声データに基づいて、図略のスピーカーに音声案内させるようにしてもよい。
【0057】
図11(A)に示した操作画面MS9は、操作画面MS8から1ページ進んだ画面であり、「コピー」画面(「簡単設定」画面)である操作画面SC2を有すると共に、操作画面MS9には、操作手順OP2が表示されている。また、この画面で操作すべき操作「2.縮小/拡大ボタン」以外の操作については、小さい文字で表示されている。
【0058】
図11(B)に示した操作画面MS10は、操作画面MS9から1ページ進んだ画面であり、「コピー」画面上の最前面に表示されるポップアップPU1を有すると共に、操作画面MS10には、操作手順OP2が表示されている。また、この画面で操作すべき操作「3.141%に設定」以外の操作については、小さい文字で表示されている。
【0059】
図12(A)に示した操作画面MS11は、操作画面MS10から1ページ進んだ画面であり、画像形成装置1の操作部47に設けられているハードキーを示す画像KSを有すると共に、操作画面MS11には、操作手順OP2が表示されている。また、この画面で操作すべき操作「4.スタートボタン」以外の操作については、小さい文字で表示されている。
【0060】
図12(B)に示した操作画面MS12は、操作画面MS11から1ページ進んだ画面であり、表示部473に表示した操作手順OP1,OP2が示す操作について操作サポートを受けるか否かをユーザーに問い合わせる画面である。操作画面MS12には、操作をサポートするサポートモードを設定するか否かをユーザーに問い合わせるためのメッセージM1が表示されると共に、「YES」と記された選択ボタンB3と、「NO」と記された選択ボタンB4とが表示されている。なお、表示制御部104は、オペレーター端末2による上記リモートコントロール及び操作画面MS11等の表示と関係なく、サポート情報がサポート情報保存部112に記憶された後に、操作部47のユーザーによる操作に基づいて指示受付部101に受け付けられる指示に従って、操作画面MS12を表示部473に表示させてもよい。この場合、以下に示すサポートモードに基づく一連の処理は、オペレーター端末2による上記リモートコントロール及び操作画面MS11等の表示と関係なく実行される。
【0061】
ユーザーによる「YES」と記された選択ボタンB3の押下がタッチパネルに受け付けられ、指示受付部101が、この押下の操作に対応付けられたサポートモードの設定指示を受け付けると、制御部100は、サポートモードを設定し、指示受付部101が「NO」と記された選択ボタンB4の押下がタッチパネルに受け付けられ、指示受付部101が、この押下の操作に対応付けられたサポートモードの設定不要指示を受け付けると、制御部100は、サポートモードを設定しない。
【0062】
判断部105は、サポートモードが設定されている場合、サポート情報管理部103により取得されたサポート情報に含まれる操作手順データに基づいて、当該操作手順データが示す操作手順と、指示受付部101が受け付けたユーザーからの指示とを照合して、ユーザーからの指示が当該操作手順と一致するか否かを判断する。
【0063】
表示制御部104は、判断部105によりユーザーからの指示が操作手順と一致しないと判断された場合、ユーザーからの指示が操作手順から外れたことを示すメッセージを表示部473に表示させる。
【0064】
次に、画像形成装置1の制御ユニット10で行われる処理の一例について、
図14に示したフローチャートに基づいて説明する。なお、この処理は、指示受付部101が、サポートモードの設定のユーザー指示を受け付けたときに行われる処理である。
【0065】
制御部100が、サポートモードを設定している状態で(S1)、指示受付部101がユーザーからの指示を受け付けたとき(S2)、判断部105は、指示受付部101が受け付けたユーザーからの当該指示と、サポート情報管理部103により取得されたサポート情報に含まれる操作手順データが示す操作手順とを照合して、ユーザーからの当該指示が、当該操作手順に一致するか否かを判断する(S3)。
【0066】
判断部105が、ユーザーからの当該指示は当該操作手順に一致すると判断した場合(S3でYES)、制御部100は、操作が完了したか否かを判断する(S4)。
【0067】
制御部100は、操作が完了したと判断した場合(S4でYES)、サポートモードを解除して、通常モードに戻す(S5)。この後、処理は終了する。
【0068】
一方、制御部100は、操作が完了していないと判断した場合(S4でNO)、処理はS2に戻る。
【0069】
また、S3において、判断部105が、ユーザーからの当該指示は当該操作手順に一致しない(ユーザーからの当該指示が当該操作手順から外れた)と判断した場合(S3でNO)、表示制御部104は、表示部473を制御して、ユーザーからの指示が操作手順から外れたことを知らせるメッセージを表示させると共に、操作手順から外れたままで良いか否かをユーザーに問い合わせるメッセージを表示させる(S6)。
図15は、表示部473に表示される画面の一例を示した図である。
【0070】
図15に示した操作画面MS13には、ユーザーからの指示が操作手順から外れたことを示すメッセージM2と、操作手順から外れたままで良いか否かをユーザーに問い合わせるためのメッセージM3とが表示されると共に、「YES」と記された選択ボタンB5と、「NO」と記された選択ボタンB6とが表示されている。
【0071】
制御部100は、指示受付部101が操作手順を外れたままで良いとのユーザー回答を受け付けたか否かを判断し(S7)、制御部100は、「YES」と記された選択ボタンB5が押下され、指示受付部101が操作手順から外れたままで良いとのユーザー回答を受け付けたと判断すると(S7でYES)、制御部100は、操作手順から外れたユーザーからの指示を有効にし(S8)、サポートモードを解除して通常モードに戻す(S5)。この後、処理は終了する。
【0072】
一方、制御部100は、「NO」と記された選択ボタンB6が押下され、指示受付部101が操作部47を介して、操作手順から外れたままでは良くないとのユーザーからの回答を受け付けたと判断すると(S7でNO)、制御部100は、操作手順から外れたユーザーからの指示を無効にする(S9)。この後、処理はS2に戻る。
【0073】
上記実施形態によれば、オペレーター端末2から過去に受けたサポート内容がサポート情報として保存されるので、後に同サポート内容をユーザーが確認することができるようになる。例えば、サポート内容を印刷すれば、ユーザー専用の操作マニュアルとして利用することもできる。
【0074】
また、同サポート内容が示す操作手順に沿って、ユーザーが同じ操作を自分で行う場合、ユーザーから受け付けた指示が当該操作手順から外れたことをユーザーに知らせるメッセージが表示されるので、操作ミスがあっても、操作ミスをユーザーに気付かせることができる。これにより、当該操作手順をユーザーに確実に再現させることが可能となる。すなわち、過去に受けたサポート内容が示す操作手順に沿ってユーザーが再度同じ操作を容易に行うことができる。
【0075】
上記実施形態では、ユーザーからの指示が操作手順から外れると、その旨をユーザーに知らせるメッセージを表示するようにしているが、別の実施形態として、サポート内容が示す操作手順に沿って、ユーザーが同じ操作を自分で行う場合に、表示制御部104が、サポート情報管理部103により取得されたサポート情報に含まれる操作手順データに基づいて、操作すべき操作ボタンとそれ以外の操作ボタンとを表示形態を異ならせて表示し、又は、指示受付部101が、操作すべきでない操作ボタンの操作を受け付けないようにしてもよい。
【0076】
また、本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る電子機器の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、コピー機能や、プリンター機能、ファクシミリ機能を有した他の画像形成装置や電子機器でもよい。
【0077】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図15を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0078】
1 画像形成装置
2 オペレーター端末
12 画像形成部
91 ネットワークインターフェイス部
100 制御部
101 指示受付部
102 リモートオペレーション実行部
103 サポート情報管理部
104 表示制御部
105 判断部
112 サポート情報保存部
473 表示部